説明

記憶装置、利得調整装置および利得調整プログラム

【課題】入力レベルが異なる二つの領域を再生する場合でも各領域の入力レベルの変動に追従すること。
【解決手段】第1の情報が記録された複数の第1の領域を領域順に再生することで得られる第1の入力信号を第1の利得値に応じて増幅するとともに、第1の領域に隣接し、第1の情報とは異なる記録レベルで第2の情報が記録された第2の領域を第1の情報に続いて再生することで得られる第2の入力信号を第2の利得値に応じて増幅する増幅器に対して、第1の入力信号を増幅する場合には、増幅後の信号レベルが一定になるように、第1の入力信号の変化に追従する第1の利得値を算出し、第2の入力信号を増幅する場合には、増幅後の信号レベルが一定になるように第1の利得値の変化に追従する第2の利得値を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、増幅器の利得を調整する記憶装置、利得調整装置および利得調整プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、磁気ディスク装置などの記憶装置の高記録密度化および高速転送化に伴い、信号の記録および再生が困難になりつつある。そして、このような高記録密度化に伴い、記憶媒体(磁気ディスク)の半径方向のトラック密度(TPI:Tracks Per Inch)も高密度化が要求されている。
【0003】
このため、このような記憶装置においては、記憶媒体である磁気ディスクからデータを読み出す際に、磁気ヘッドによって読み取られた再生信号に対して自動利得制御(Auto Gain Control:以下「AGC」と略記する)を行っている(例えば、特許文献1参照)。AGCは、再生信号を増幅する増幅器のゲインを制御することにより、増幅後の信号の振幅を一定に保つものである。
【0004】
以下に、図9を用いて、従来のAGCによるゲイン調整を概略的に説明する。図9は、従来のAGCによる応答波形を説明するタイミングチャートである。図9において、「SGATE」は、ヘッドによって記録媒体からサーボ情報が読み取られてサーボ制御が行われるタイミングを示す。
【0005】
「入力」は、各SGATEタイミングにおいて、ヘッドからリードチャネルに入力されるサーボ情報の信号レベル(大きさ、振幅)を示す。「SV部 AGC出力」は、各SGATEタイミングにおいて、AGC回路から増幅器(VGA)に対して出力されるゲイン(利得値)信号のレベルを示す。「VGA出力」は、各SGATEタイミングにおいて、増幅器から出力される増幅後のサーボ情報の信号レベルを示す。
【0006】
図9に示すように、従来のAGCによるゲイン調整では、AGC回路は、SGATEの立ち上がり時に、予め決められた初期値もしくは前回ゲイン値(前回の周期で収束したゲイン値)をロードして、「入力」の変化に追従する。
【0007】
これによって、AGC回路は、「入力」の変化に追従するゲイン(「SV部 AGC出力」)を増幅器に対して出力し、その結果、SGATEの後半に近づくにつれて、「VGA出力」は一定になる。
【0008】
また、近年、このような記憶装置では、サーボ制御においてRRO(Repeatable Run-Out)情報を用いたRRO補正を行う技術が採用されている。具体的には、サーボ領域の直後にポストコード領域を設け、ポストコード領域に予め測定したRRO情報を記録しておく。
【0009】
そして、データ再生時には、サーボ情報に続いてRRO情報を再生し、サーボ制御においてRRO情報を用いたRRO補正を行うことで、ヘッドのオントラック精度を向上させる。
【0010】
RROを含んだAGCによるゲイン調整を行う場合、サーボ領域に続くポストコード領域のデータ再生に対応するため、サーボ領域にて追従したゲインを保持し、ポストコード領域ではサンプルタイミングの位相補正のみを行ってデータを検出する手法が一般的である。図10は、従来のRROを含んだAGCによる応答波形を説明するタイミングチャートである。図10において、「SGATE」は、図9に示したものと同じである。
【0011】
一方、「RROGATE」は、ヘッドによって記録媒体からRRO情報が読み取られてRRO補正が行われるタイミングを示す。「入力」は、各SGATEタイミングおよびRROGATEタイミングにおいて、ヘッドからリードチャネルに入力されるサーボ情報の信号およびRRO情報の信号のレベルを示す。
【0012】
「SV部 AGC出力」は、各SGATEタイミングおよびRROGATEタイミングにおいて、AGC回路から増幅器に対して出力されるゲインのレベルを示す。「VGA出力」は、各SGATEタイミングおよびRROGATEタイミングにおいて、増幅器から出力される増幅後のサーボ情報の信号およびRRO情報の信号のレベルを示す。
【0013】
同図に示すように、RROを含んだ従来のAGCによるゲイン調整では、AGC回路は、各RROGATEのタイミングにおいて、サーボ領域で採用されていたゲインをそのまま保持し、そのゲインを増幅器に対して出力する。
【0014】
【特許文献1】特開平7−192238号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ところが、上述した従来のRROを含んだAGCによるゲイン調整では、ポストコード領域の信号レベル変化に対応することができないという課題がある。
【0016】
具体的に説明すると、ポストコード領域では、既に書き込まれているサーボ領域を使用して磁気ヘッドをディスクにオントラックさせた状態でRRO情報を測定し、測定したRRO情報を書き込むため、サーボ情報とでは記録状態(記録レベル)が異なることになる。
【0017】
このため、図10に示すように、入力のレベルは、サーボ情報とRRO情報とでは異なる信号レベルとなる場合がある。しかしながら、従来のRROを含んだAGCによるゲイン調整では、AGC回路は、各RROGATEのタイミングにおいて、サーボ領域で採用されていたゲインをそのまま保持する。
【0018】
このため、図10の「VGA出力」に示すように、増幅後のサーボ情報のレベルは一定であるが、増幅後のRRO情報のレベルは一定ではない。つまり、従来の技術では、ポストコード部のレベル変化に対応することができないという問題がある。この結果、データ検出率も悪くなっていた。
【0019】
なお、ポストコード領域では記録密度向上のために、ゲインやサンプルタイミングを引き込むためのプリアンブル部分が短縮される。このため、フィードバックループによるゲイン追従には十分な時間が確保できない。このような事情も、上記のような問題が生じる原因であると考えられる。
【0020】
また、上記のような問題は、ポストコード領域およびサーボ領域を有する記憶装置に限った問題ではなく、ある第1の領域に隣接し、第1の情報とは異なる記録レベルで第2の情報が記録された第2の領域を第1の情報に続いて再生するような場合であれば、同様に生じる課題である。
【0021】
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、入力レベルが異なる二つの領域を再生する場合でも各領域の入力レベルの変動に追従することができる記憶装置、利得調整装置および利得調整プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
開示の装置は、第1の入力信号を増幅する場合には、増幅後の信号レベルが一定になるように、当該第1の入力信号の変化に追従する第1の利得値を増幅器に出力する第1の利得値出力部と、第2の入力信号を増幅する場合には、増幅後の信号レベルが一定になるように、第1の利得値出力部によって出力された第1の利得値の変化に追従する第2の利得値を増幅器に出力する第2の利得値出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0023】
入力レベルが異なる二つの領域を再生する場合でも各領域の入力レベルの変動に追従することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に添付図面を参照し、本発明に係る利得調整装置、利得調整プログラムおよび記憶装置の実施例を説明する。ここで、以下の実施例では、ディスク装置としての磁気ディスク装置に本発明を適用した場合を説明する。
【実施例1】
【0025】
まず、実施例1に係るディスク装置の構成について説明する。図1は、実施例1に係るディスク装置の構成を示す機能ブロック図である。
【0026】
同図に示すように、このディスク装置100は、ホストインタフェース300を介して、パーソナルコンピュータなどのホスト200(上位装置)に接続されている。このホストインタフェース300には、例えば、シリアルATAインタフェースが用いられている。
【0027】
ディスク装置100は、ホストインタフェース制御部101と、リードチャネル102と、ヘッドIC103と、ヘッド104と、ディスク媒体105と、SPM(Spindle Motor:スピンドルモーター)106と、VCM(Voice Coil Motor:ボイスコイルモーター)107と、サーボ制御部108と、MPU109とを備えている。
【0028】
そして、ホストインタフェース制御部101と、リードチャネル102と、ヘッドIC103と、サーボ制御部108と、MPU109とは、コモンバス110を介して接続されている。
【0029】
ホストインタフェース制御部101は、ホストインタフェース300を介してホスト200とディスク装置100との間でやり取りされるデータの入出力を制御する。ここで、ホストインタフェース300を介してホスト200から転送されるデータは、ディスク媒体105に対する読み取り命令データや書き込み命令データ、ディスク媒体105から読み取られたデータなどである。
【0030】
リードチャネル102は、書き込み動作においては、ディスク媒体105に書き込むデータを符号化してヘッドIC103に転送し、読み込み動作においては、ディスク媒体105から読み込んだデータを復号化する。また、リードチャネル102は、書き込み動作および読み込み動作において、ディスク媒体105から読み込んだサーボ情報およびRRO(Repeatable Run-Out)情報を復調してサーボ制御部108に転送する。
【0031】
なお、リードチャネル102は、自動利得制御(Auto Gain Control:以下「AGC」と略記する)を行うAGC20を有する。リードチャネル102の詳細については、図2を用いて後述する。
【0032】
ヘッドIC103は、書き込み動作においては、ディスク媒体105に書き込むデータを電流変化としてヘッド104を介してディスク媒体105に書き込む。また、ヘッドIC103は、読み込み動作においては、ヘッド104がディスク媒体105から読み込んだデータを増幅してリードチャネル102に転送する。
【0033】
また、ヘッドIC103は、書き込み動作および読み込み動作において、ヘッド104がディスク媒体105から読み込んだサーボ情報およびRRO情報を増幅してリードチャネル102に転送する。
【0034】
ディスク媒体105は、ホスト200から送られてきた書き込みデータなどを記憶する。また、ディスク媒体105には、複数のサーボ領域それぞれにサーボ情報が記録されるとともに、サーボ領域に隣接するポストコード領域それぞれにサーボ情報とは異なる記録レベルでRRO情報(ポストコード情報)が記録されている。
【0035】
すなわち、RRO情報(RROデータ)とは、磁気ヘッドを位置決めする際に発生する誤差の回転同期成分(回転周期誤差)を示す情報であり、ディスク媒体105には、回転中心から半径方向に円弧状に延びるサーボデータおよびRROデータが、一定周期の磁気パターンとして記録されている。ヘッド104は、ディスク媒体105へのデータの書き込みや、ディスク媒体105からのデータの読み込みを行う。
【0036】
サーボ制御部108は、サーボ情報およびRRO情報を用いて、VCM107およびSPM106の動作を制御する。つまり、サーボ制御部108によるサーボ制御においては、RRO情報を用いたRRO補正を行うことで、ヘッドのオントラック精度向上が図られている。
【0037】
VCM107は、ディスク媒体105上の目的の位置までヘッド104を移動させ、SPM106は、ディスク媒体105を回転させる。MPU109は、不揮発性メモリなどから制御プログラムを読み出して実行することによってディスク装置100全体の制御を行う。
【0038】
続いて、図1に示したリードチャネル102の詳細を説明する。図2は、リードチャネル102が有するAGC回路のループ構成を示す図である。
【0039】
同図に示すようにAGC回路のループ構成は、VGA(Variable Gain Amplifier)1と、ASC(Asymmetric Collection)2と、CTF(Continuous Time Filter)3とADC(Analog Digital Converter)4とFIR5と、Viterbi Detect6と、Delay7と、信号レベル生成部8と、AGC10とを備えている。
【0040】
VGA1は、ヘッドIC103から転送されてきたデータや、サーボ情報およびRRO情報の信号レベルに対して利得を調整する増幅器である。具体的には、増幅後のサーボ情報およびRRO情報の信号レベル(振幅)が一定になるように、AGC10から入力される利得値に応じて、サーボ情報やRRO情報の信号を増幅する。
【0041】
ASC2は、VGA1によって利得調整されたアナログ信号の振幅の非対称性を補正する。CTF3は、ASC2によって振幅の非対称性が補正されたアナログ信号の波形等化及び高域信号成分の除去を行う。ADC4は、CTF部3によって波形等化、高域信号成分除去が成されたアナログ信号をデジタル信号へ変換する。
【0042】
FIR5は、入力された信号をフィルタリングして波形等化する。Viterbi Detect6は、CTF、及びFIRによって波形等化されたサーボデータ信号からビタビ復号法によりサーボシンクマーク(サーボデータの開始位置を示す情報)を検出する。Delay7は、FIR5から入力される信号を遅延させて、測定値としてAGC10に出力する。信号レベル生成部8は、Viterbi Detect6から入力される信号を、目標値としてAGC10に出力する。
【0043】
AGC10は、Delay7から入力される測定値および信号レベル生成部8から入力される目標値に応じて、VGA1に対して利得値を出力する。具体的には、サーボ情報信号を増幅する場合には、増幅後の信号レベルが一定になるように、サーボ情報信号の変化に追従する利得値(第1の利得値)をVGA1に対して出力する。
【0044】
また、RRO情報信号を増幅する場合には、増幅後の信号レベルが一定になるように、第1の利得値の変化に追従する利得値(第2の利得値)をVGA1に対して出力する。なお、AGC10の詳細については、図3を用いて後述する。
【0045】
続いて、図2に示したAGC10の詳細を説明する。図3は、実施例1に係るAGCの内部構成を示す機能ブロック図である。
【0046】
同図に示すように、AGC10は、誤差生成部21と、ゲイン調整器K22と、LoopFilter23と、加算部24と、LoadControl25と、セレクトSW26a、26b、26cと、除算部27と、乗算部28と、セレクタ29とを備えている。また、AGC10は、SV部収束値、SV部プリセット値、RRO部プリセット値をそれぞれ記憶する。
【0047】
誤差生成部21は、FIR5から入力される測定値と、Viterbi Detect6から入力される目標値とから誤差信号を生成する。ゲイン調整器K22は、誤差信号のゲインを調整する。LoopFilter23は、誤差信号からノイズを除去する。
【0048】
LoadControl25は、セレクトSW26a、26b、26cを操作する。具体的には、SV領域のリードが終了すると、セレクトSW26aを操作して、終了時点においてAGC10からVGA1に出力されているゲインをSV部収束値として保持する。
【0049】
また、最初のSGATEに際しては、セレクトSW26bを操作して、SV部初期ゲイン(GSV-preset)をロードし、一方、以降のSGATEに際しては、同じくセレクトSW26bを操作して、SV部収束値(GSV-converge)をロードする。また、RROGATEがONになると、セレクトSW26cを操作して、後述するRROゲイン値をロードする。
【0050】
除算部27は、SV部初期ゲインをSV部収束値で除算することでRRO部補正値を求める。乗算部28は、RRO部補正値に、RRO部初期ゲイン(GRRO-preset)を乗算することでRROゲイン値を求める。つまり、以下の式からRROゲイン値が求まる。
【0051】
【数1】

【0052】
セレクタ29は、サーボ領域をリードしている間は、セレクトSW26bから入力されるSV部初期ゲイン(GSV-preset)またはSV部収束値(GSV-converge)を加算部24に出力する。また、セレクタ29は、RRO領域をリードしている間は、セレクトSW26cから入力されるRROゲイン値を加算部24に出力する。
【0053】
加算部24は、サーボ領域をリードしている間は、SV部初期ゲイン(GSV-preset)またはSV部収束値(GSV-converge)に誤差信号を加算することで求まるゲイン値をVGA1に出力する。また、加算部24は、RRO領域をリードしている間は、RROゲイン値に誤差信号を加算することで求まるゲイン値をVGA1に出力する。
【0054】
続いて、実施例1に係るゲイン調整の処理例を説明する。図4は、AGC10による応答波形を示すタイミングチャートである。
【0055】
同図において、「SGATE」は、ヘッド104によってディスク媒体105からサーボ情報が読み取られてサーボ制御が行われるタイミングを示す。「RROGATE」は、ヘッド104によってディスク媒体105からRRO情報が読み取られてRRO補正が行われるタイミングを示す。
【0056】
「入力」は、各SGATEタイミングおよびRROGATEタイミングにおいて、ヘッド104からVGA1に入力されるサーボ情報およびRRO情報の信号レベル(大きさ、振幅)を示す。
【0057】
「SV部 AGC出力」は、各SGATEタイミングおよびRROGATEタイミングにおいて、AGC10からVGA1に対して出力されるゲイン(利得値)のレベルを示す。「RRO部補正値」は、除算部27によって求まるRRO部補正値のレベルを示す。「VGA出力」は、各SGATEタイミングおよびRROGATEタイミングにおいて、増幅器から出力される増幅後のサーボ情報およびRRO情報の信号レベルを示す。
【0058】
同図に示すように、RRO部補正値は、各SGATEタイミングにおいてVGA1に対して出力されるゲイン(利得値)の変化に追従したものとなる。つまり、RROGATEのタイミングにおいて、SV部収束値(GSV-converge)がそのままVGA1に対して出力されるのではなく、RRO部補正値にRRO部初期ゲイン(GRRO-preset)を乗算することで求まるRROゲイン値がVGA1に対して出力される。その結果、図4に示すように、各RROGATEのタイミングにおいて、VGA1から出力される増幅後のRRO情報の信号レベルは一定となる。
【0059】
続いて、実施例1に係るゲイン調整の処理手順を説明する。図5は、AGCによるゲイン調整手順を示すフローチャート図である。
【0060】
同図に示すように、AGC10は、SV部プリセット値およびRRO部プリセット値として、SV部初期ゲイン(GSV-preset)およびRRO部初期ゲイン(GRRO-preset)をプリセットする(ステップS1)。
【0061】
続いて、AGC10は、SGATEがONになり、ヘッド104によってディスク媒体105からサーボ情報が読み取られるタイミングになると(ステップS2)、そのSGATEが最初であるか判定する(ステップS3)。
【0062】
そして、最初のSGATEである場合には(ステップS3肯定)、AGC10は、SV部初期ゲイン(GSV-preset)をロードし(ステップS4)、SV領域終了まで、ロードされたSV部初期ゲインに基づいてSV部のゲインを追従させる(ステップS5およびS6)。
【0063】
一方、最初のSGATEでない場合には(ステップS3否定)、AGC10は、SV部収束値(GSV-converge)をロードし(ステップS41)、SV領域終了まで、ロードされたSV部収束値に基づいてSV部のゲインを追従させる(ステップS5およびS6)。また、AGC10は、SV領域が終了すると(ステップS6肯定)、終了時点におけるゲインをSV部収束値として保持する(ステップS7)。
【0064】
その後、AGC10は、RRO部補正値を計算する(ステップS8)。つまり、SV部初期ゲインをSV部収束値で除算することでRRO部補正値を求める。そして、AGC10は、RROGATEがONになり、ヘッド104によってディスク媒体105からRRO情報が読み取られるタイミングになると(ステップS9)、RROゲイン値を計算してロードし、SGATEがOFFになるまでRROゲイン値をVGA1に対して出力する(ステップS10およびS11)。
【0065】
つまり、RRO部補正値にRRO部初期ゲイン(GRRO-preset)を乗算することで算出したRROゲイン値をVGA1に対して出力する。その後、AGC10は、SGATEがONになると(ステップS2)、上記した処理を繰り返す。
【0066】
上述してきたように、実施例1によれば、サーボ情報の信号を増幅する場合には、増幅後の信号レベルが一定になるように、サーボ情報の信号の変化に追従する利得値(第1の利得値)をVGA1に対して出力する。また、RRO情報の信号を増幅する場合には、増幅後の信号レベルが一定になるように、第1の利得値の変化に追従する利得値(第2の利得値)をVGA1に対して出力する。したがって、サーボ領域、ポストコード領域、それぞれのゲイン変動に精度良く追従することができる。
【0067】
また、実施例1によれば、RRO情報を増幅する場合には、SV部初期ゲインを、SV部収束値で除算することでRRO部補正値を求め、RRO部補正値にRRO部初期ゲイン(GRRO-preset)を乗算することで求まるRROゲイン値をVGA1に対して出力する。したがって、サーボ情報とRRO情報との記録レベルは異なるが、各RRO情報の記録レベルが一定であるディスク媒体に対して、RRO情報のゲイン変動に簡易な回路構成で追従することができる。
【実施例2】
【0068】
実施例1では、サーボ情報とRRO情報との記録レベルは異なるが、各RRO情報の記録レベルが一定であるディスク媒体に本発明を適用した場合を説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、各RRO情報の記録レベルが一定でないディスク媒体にも適用することができる。そこで、実施例2では、各RRO情報の記録レベルが一定でないディスク媒体に本発明を適用した場合を説明する。
【0069】
図6は、実施例2に係るAGCの内部構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、実施例2に係るAGC20は、誤差生成部21と、ゲイン調整器K22と、LoopFilter23と、加算部24と、LoadControl25と、セレクトSW26a、26b、26cと、除算部27と、乗算部28と、セレクタ29と、除算部30と、平均レベル算出部31と、遅延回路32とを備えている。また、AGC20は、SV部収束値、SV部プリセット値、RRO部プリセット値をそれぞれ記憶する。
【0070】
誤差生成部21、ゲイン調整器K22、LoopFilter23、加算部24、LoadControl25、セレクトSW26a、26b、26c、除算部27、乗算部28およびセレクタ29については、実施例1と同様である。一方、平均レベル算出部31は、各RROGATEのタイミングにおいて、FIR5から入力される測定値(増幅後のRRO情報)の平均を算出する。
【0071】
なお、ここでは、あるRROGATEの「タイミングn」から見て一つ前の「タイミングn-1」において算出された平均を「GRRO-avg(n-1)」と表現し、さらに一つ前の「タイミングn-2」において算出された平均を「GRRO-avg(n-2)」と表現する。
【0072】
遅延回路32は、平均レベル算出部31によって算出された平均を遅延させる。つまり、平均レベル算出部31において「GRRO-avg(n-1)」が算出されている場合に、遅延回路32では、「GRRO-avg(n-2)」を保持している。除算部30は、あるRROGATEの「タイミングn」において、平均レベル算出部31から入力される「GRRO-avg(n-2)」を、遅延回路32から入力される「GRRO-avg(n-1)」で除算することで「RRO部補正値-2」を求める。なお、実施例2では、除算部27によって求まるRRO部補正値を「RRO部補正値-1」と表現する。
【0073】
また、実施例2では、乗算部28は、RRO部初期ゲイン(GRRO-preset)に、「RRO部補正値-1」および「RRO部補正値-2」を乗算することでRROゲイン値を求める。つまり、以下の式からRROゲイン値が求まる。
【数2】

【0074】
続いて、実施例2に係るゲイン調整の処理例を説明する。図7は、AGC20による応答波形を示すタイミングチャートである。
【0075】
同図において、「SGATE」および「RROGATE」は、図4で示したものと同様である。「入力」も、図4で示したものと同様であるが、ここでは、図4と異なり、各RRO情報の入力レベルも一定でない。「SV部 AGC出力」は、各SGATEタイミングおよびRROGATEタイミングにおいて、AGC10からVGA1に対して出力されるゲイン(利得値)のレベルを示す。「RRO部補正値-1」は、除算部27によって求まるRRO部補正値のレベルを示す。
【0076】
「RRO部補正値-2」は、除算部30によって求まるRRO部補正値のレベルを示す。「VGA出力-1」および「VGA出力-2」は、各SGATEタイミングおよびRROGATEタイミングにおいて、増幅器から出力される増幅後のサーボ情報およびRRO情報のレベルを示す。
【0077】
具体的には、「VGA出力-2」は、「RRO部補正値-1」および「RRO部補正値-2」を用いた場合の例であり、「VGA出力-1」は、「RRO部補正値-1」のみしか用いない場合の比較例である。
【0078】
同図に示すように、「RRO部補正値-2」は、各RROGATEタイミングにおいてVGA1に対して出力されるゲイン(利得値)の変化に追従したものとなる。つまり、RROGATEのタイミングにおいて、「RRO部補正値-1」にRRO部初期ゲイン(GRRO-preset)を乗算することで求まるRROゲイン値ではなく、さらに「RRO部補正値-2」も乗算することで求まるRROゲイン値がVGA1に対して出力される。
【0079】
その結果、図8に示すように、各RROGATEのタイミングにおいて、VGA1から出力される増幅後のRRO情報のレベルは、「VGA出力-1」よりも「VGA出力-2」の方が一定に近いものとなる。
【0080】
続いて、実施例2に係るゲイン調整の処理手順を説明する。図8は、AGCによるゲイン調整手順を示すフローチャート図である。なお、実施例1と同様の処理を行うステップには、同様の符号を付している。
【0081】
同図に示すように、AGC20は、SV部プリセット値およびRRO部プリセット値として、SV部初期ゲイン(GSV-preset)およびRRO部初期ゲイン(GRRO-preset)をプリセットする(ステップS1)。続いて、AGC20は、SGATEがONになり、ヘッド104によってディスク媒体105からサーボ情報が読み取られるタイミングになると(ステップS2)、そのSGATEが最初であるか判定する(ステップS3)。
【0082】
そして、最初のSGATEである場合には(ステップS3肯定)、AGC20は、SV部初期ゲイン(GSV-preset)をロードし(ステップS4)、SV領域終了まで、ロードされたSV部初期ゲインに基づいてSV部のゲインを追従させる(ステップS5およびS6)。
【0083】
一方、最初のSGATEでない場合には(ステップS3否定)、AGC20は、SV部収束値(GSV-converge)をロードし(ステップS41)、SV領域終了まで、ロードされたSV部収束値に基づいてSV部のゲインを追従させる(ステップS5およびS6)。また、AGC20は、SV領域が終了すると(ステップS6肯定)、終了時点におけるゲインをSV部収束値として保持する(ステップS7)。
【0084】
その後、AGC20は、RRO部補正値を計算する(ステップS8およびS81)。つまり、SV部初期ゲインを、SV部収束値で除算することで「RRO部補正値-1」を求めるとともに、「GRRO-avg(n-2)」を、「GRRO-avg(n-1)」で除算することで「RRO部補正値-2」を求める。
【0085】
そして、AGC20は、RROGATEがONになり、ヘッド104によってディスク媒体105からRRO情報が読み取られるタイミングになると(ステップS9)、RROゲイン値を計算してロードし、SGATEがOFFになるまでRROゲイン値をVGA1に対して出力する(ステップS10およびS11)。
【0086】
つまり、RRO部初期ゲイン(GRRO-preset)に、「RRO部補正値-1」および「RRO部補正値-2」を乗算することで算出したRROゲイン値をVGA1に対して出力する。
【0087】
また、AGC20は、SGATEがOFFになるまでFIR5から入力される測定値(増幅後のRRO情報)をモニタして、RRO情報の平均「GRRO-avg(n)」を算出する(ステップS101およびS11)。その後、AGC10は、SGATEがONになると(ステップS2)、上記した処理を繰り返す。
【0088】
上述してきたように、実施例2によれば、RRO情報を増幅する場合には、SV部初期ゲインを、SV部収束値で除算することで「RRO部補正値-1」を求めるともに、「GRRO-avg(n-2)」を、「GRRO-avg(n-1)」で除算することで「RRO部補正値-2」を求める。
【0089】
そして、RRO部初期ゲイン(GRRO-preset)に、「RRO部補正値-1」および「RRO部補正値-2」を乗算することで算出したRROゲイン値をVGA1に対して出力する。したがって、各RRO情報の記録レベルが一定でないディスク媒体に対しても、RRO情報のゲイン変動に追従することができる。
【0090】
ところで、実施例1および2では、記憶媒体として磁気ディスク、記憶装置として磁気ディスク装置に本発明を適用した場合を示すこととするが、本発明はこれに限らず、他の記憶媒体およびディスク装置、例えば、光ディスクおよび光ディスク装置、もしくは光磁気ディスクおよび光磁気ディスク装置などにも適用可能することができる。
【0091】
また、このような記憶媒体に限らず、ある第1の領域に隣接し、第1の情報とは異なる記録レベルで第2の情報が記録された第2の領域を第1の情報に続いて再生するような場合であれば、本発明を同様に適用することができる。
【0092】
また、実施例1および2で説明したゲイン調整方法は、あらかじめ用意されたプログラムをマイコンやMPUなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。
【0093】
また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【0094】
以上の実施例1、2を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0095】
(付記1)複数のサーボ領域それぞれにサーボ情報が記録されるとともに、当該サーボ領域に隣接するポストコード領域それぞれに前記サーボ情報とは異なる記録レベルでポストコード情報が記録された記録部と、
前記記録部に記録されたサーボ情報およびポストコード情報を読み取ってサーボ信号およびポストコード信号を取得する読み取り部と、
前記サーボ信号を第1の利得値に応じて増幅するとともに、前記ポストコード信号を第2の利得値に応じて増幅する増幅部と、
前記サーボ信号を増幅する場合には、当該増幅後の信号レベルが一定になるように、当該サーボ信号の変化に追従する前記第1の利得値を前記増幅部に対して出力する第1の利得値出力部と、
前記ポストコード信号を増幅する場合には、当該増幅後の信号レベルが一定になるように、前記第1の利得値出力部によって出力された前記第1の利得値の変化に追従する前記第2の利得値を前記増幅部に対して出力する第2の利得値出力部と、
を備えることを特徴とする記憶装置。
【0096】
(付記2)第1の情報が記録された複数の第1の領域を領域順に再生することで得られる第1の入力信号を第1の利得値に応じて増幅するとともに、前記第1の領域に隣接し、前記第1の情報とは異なる記録レベルで第2の情報が記録された第2の領域を当該第1の情報に続いて再生することで得られる第2の入力信号を第2の利得値に応じて増幅する増幅器に対して、前記第1の入力信号を増幅する場合には、当該増幅後の信号レベルが一定になるように、当該第1の入力信号の変化に追従する前記第1の利得値を出力する第1の利得値出力部と、
前記増幅器に対して、前記第2の入力信号を増幅する場合には、当該増幅後の信号レベルが一定になるように、前記第1の利得値出力部によって出力された前記第1の利得値の変化に追従する前記第2の利得値を出力する第2の利得値出力部と、
を備えることを特徴とする利得調整装置。
【0097】
(付記3)前記第2の利得値出力部は、前記第1の利得値の初期値として予め設定されている第1の初期利得値を、前記第1の利得値算出部によって現に算出された第1の利得値で除算することで補正値を求め、当該補正値に、前記第2の利得値の初期値として予め設定されている第2の初期利得値を乗算することで算出した前記第2の利得値を前記増幅器に対して出力することを特徴とする付記2に記載の利得調整装置。
【0098】
(付記4)前記第2の利得値出力部は、前記第1の利得値の初期値として予め設定されている第1の初期利得値を、前記第1の利得値算出部によって現に算出された第1の利得値で除算することで第1の補正値を求めるとともに、前記第2の利得値算出部によって現領域から二つ前の領域で算出された第2の利得値を、前記第2の利得値算出部によって現領域から一つ前の領域で算出された第2の利得値で除算することで第2の補正値を求め、当該第1の補正値および第2の補正値に、前記第2の利得値の初期値として予め設定されている第2の初期利得値を積算することで算出した前記第2の利得値を前記増幅器に対して出力することを特徴とする付記2に記載の利得調整装置。
【0099】
(付記5)第1の情報が記録された複数の第1の領域を領域順に再生することで得られる第1の入力信号を第1の利得値に応じて増幅するとともに、前記第1の領域に隣接し、前記第1の情報とは異なる記録レベルで第2の情報が記録された第2の領域を当該第1の情報に続いて再生することで得られる第2の入力信号を第2の利得値に応じて増幅する増幅器を備えるコンピュータで実行される利得調整プログラムであって、
前記第1の入力信号を増幅する場合には、当該増幅後の信号レベルが一定になるように、当該第1の入力信号の変化に追従する前記第1の利得値を算出する第1の利得値算出ステップと、
前記第2の入力信号を増幅する場合には、当該増幅後の信号レベルが一定になるように、前記第1の利得値算出ステップによって算出された前記第1の利得値の変化に追従する前記第2の利得値を算出する第2の利得値算出ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする利得調整プログラム。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】実施例1に係るディスク装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】AGC回路のループ構成の一例を示す全体構成図である。
【図3】実施例1に係るAGCの内部構成を示す機能ブロック図である。
【図4】AGCによる応答波形を示すタイミングチャートである。
【図5】AGCによるゲイン調整手順を示すフローチャートである。
【図6】実施例2に係るAGCの内部構成を示す機能ブロック図である。
【図7】AGCによる応答波形を示すタイミングチャートである。
【図8】AGCによるゲイン調整手順を示すフローチャートである。
【図9】従来のAGCによる応答波形を説明するタイミングチャートである。
【図10】従来のRROを含んだAGCによる応答波形を説明するタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0101】
1 VGA(Variable Gain Amplifier)
2 ASC(Asymmetric Collection)
3 CTF(Continuous Time Filter)
4 ADC(Analog Digital Converter)
5 FIR
8 信号レベル生成部
10、20 AGC
21 誤差生成部
22 ゲイン調整器
23 LP
24 加算部
25 LCD
26a、26b、26c セレクトSW
27 除算部
28 乗算部
29 セレクタ
100 ディスク装置
101 ホストインタフェース制御部
102 リードチャネル
103 ヘッドIC
104 ヘッド
105 ディスク媒体
106 SPM(Spindle Motor:スピンドルモーター)
107 VCM(Voice Coil Motor:ボイスコイルモーター)
108 サーボ制御部
109 MPU
200 ホスト
300 ホストインタフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサーボ領域それぞれにサーボ情報が記録されるとともに、当該サーボ領域に隣接するポストコード領域それぞれに前記サーボ情報とは異なる記録レベルでポストコード情報が記録された記録部と、
前記記録部に記録されたサーボ情報およびポストコード情報を読み取ってサーボ信号およびポストコード信号を取得する読み取り部と、
前記サーボ信号を第1の利得値に応じて増幅するとともに、前記ポストコード信号を第2の利得値に応じて増幅する増幅部と、
前記サーボ信号を増幅する場合には、当該増幅後の信号レベルが一定になるように、当該サーボ信号の変化に追従する前記第1の利得値を前記増幅部に対して出力する第1の利得値出力部と、
前記ポストコード信号を増幅する場合には、当該増幅後の信号レベルが一定になるように、前記第1の利得値出力部によって出力された前記第1の利得値の変化に追従する前記第2の利得値を前記増幅部に対して出力する第2の利得値出力部と、
を備えることを特徴とする記憶装置。
【請求項2】
第1の情報が記録された複数の第1の領域を領域順に再生することで得られる第1の入力信号を第1の利得値に応じて増幅するとともに、前記第1の領域に隣接し、前記第1の情報とは異なる記録レベルで第2の情報が記録された第2の領域を当該第1の情報に続いて再生することで得られる第2の入力信号を第2の利得値に応じて増幅する増幅器に対して、前記第1の入力信号を増幅する場合には、当該増幅後の信号レベルが一定になるように、当該第1の入力信号の変化に追従する前記第1の利得値を出力する第1の利得値出力部と、
前記増幅器に対して、前記第2の入力信号を増幅する場合には、当該増幅後の信号レベルが一定になるように、前記第1の利得値出力部によって出力された前記第1の利得値の変化に追従する前記第2の利得値を出力する第2の利得値出力部と、
を備えることを特徴とする利得調整装置。
【請求項3】
前記第2の利得値出力部は、前記第1の利得値の初期値として予め設定されている第1の初期利得値を、前記第1の利得値算出部によって現に算出された第1の利得値で除算することで補正値を求め、当該補正値に、前記第2の利得値の初期値として予め設定されている第2の初期利得値を乗算することで算出した前記第2の利得値を前記増幅器に対して出力することを特徴とする請求項2に記載の利得調整装置。
【請求項4】
前記第2の利得値出力部は、前記第1の利得値の初期値として予め設定されている第1の初期利得値を、前記第1の利得値算出部によって現に算出された第1の利得値で除算することで第1の補正値を求めるとともに、前記第2の利得値算出部によって現領域から二つ前の領域で算出された第2の利得値を、前記第2の利得値算出部によって現領域から一つ前の領域で算出された第2の利得値で除算することで第2の補正値を求め、当該第1の補正値および第2の補正値に、前記第2の利得値の初期値として予め設定されている第2の初期利得値を積算することで算出した前記第2の利得値を前記増幅器に対して出力することを特徴とする請求項2に記載の利得調整装置。
【請求項5】
第1の情報が記録された複数の第1の領域を領域順に再生することで得られる第1の入力信号を第1の利得値に応じて増幅するとともに、前記第1の領域に隣接し、前記第1の情報とは異なる記録レベルで第2の情報が記録された第2の領域を当該第1の情報に続いて再生することで得られる第2の入力信号を第2の利得値に応じて増幅する増幅器を備えるコンピュータで実行される利得調整プログラムであって、、
前記第1の入力信号を増幅する場合には、当該増幅後の信号レベルが一定になるように、当該第1の入力信号の変化に追従する前記第1の利得値を算出する第1の利得値算出ステップと、
前記第2の入力信号を増幅する場合には、当該増幅後の信号レベルが一定になるように、前記第1の利得値算出ステップによって算出された前記第1の利得値の変化に追従する前記第2の利得値を算出する第2の利得値算出ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする利得調整プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−266321(P2009−266321A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−116047(P2008−116047)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】