記録システム、ホスト装置、印刷装置、及び制御プログラム
【課題】認証機能を有する記録システムにおいて、ユーザが印刷装置において認証データを入力してから印刷データに係る画像の記録媒体へ印刷が行われるまでの処理時間を短くすることができ、印刷データの管理を簡易とする。
【解決手段】印刷装置において、認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際に、当該印刷要求に係る印刷データが、印刷データ記憶部に記憶されている場合(C9:YES)には、この記憶されている当該印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷し、削除部72により削除されて、印刷データ記憶部76に記憶されていない場合(C9:NO)には、当該印刷要求に係る印刷データを示す印刷データ送信要求データをホスト装置40に送信(C10)して、この印刷要求に係る印刷データをホスト装置から取得し(C11)、この取得した印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷する。
【解決手段】印刷装置において、認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際に、当該印刷要求に係る印刷データが、印刷データ記憶部に記憶されている場合(C9:YES)には、この記憶されている当該印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷し、削除部72により削除されて、印刷データ記憶部76に記憶されていない場合(C9:NO)には、当該印刷要求に係る印刷データを示す印刷データ送信要求データをホスト装置40に送信(C10)して、この印刷要求に係る印刷データをホスト装置から取得し(C11)、この取得した印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証機能を有する記録システム、ホスト装置、印刷装置、及び制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の端末装置(例えば、パーソナルコンピュータ)が印刷装置を共有して使用する記録システムにおいては、印刷装置により印刷された印刷物が他者に閲覧される可能性が高く、情報漏洩の危険性が高い。近年、この情報漏洩の危険性を低減する技術が種々提案されてきており、例えば下記特許文献1に記載された技術がある。
【0003】
特許文献1に記載された技術では、指紋情報等の認証データを端末装置(パーソナルコンピュータ)に予め登録しておく。また、印刷時に印刷装置においてユーザにより入力された認証データを端末装置へ送信する。そして、端末装置において、これらの認証データを比較する認証を行い、認証データが一致した場合に、端末装置のメモリに格納されている印刷データを印刷装置に送信し、印刷装置にてこの印刷データに係る画像の印刷を行っている。このようにすることにより、特許文献1に記載された技術では、印刷物が他者に閲覧される可能性を低くし、情報漏洩の危険性を低減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−203999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された技術では、端末装置において認証を行った後、印刷データを印刷装置に送信しているため、ユーザが印刷装置において認証データを入力してから印刷データに係る画像が印刷されるまでの処理時間が長く、ユーザは印刷装置の前において長時間待機する必要があった。逆に、端末装置において認証を行う前に、印刷データを印刷装置に送信する場合、端末装置の印刷データ記憶領域の空きが少なくなると、印刷データを他の記憶装置などに転送等する必要があり、印刷データの通信などの管理が煩雑となる。
【0006】
そこで、本発明は上記問題に鑑みてされたものであり、認証機能を有する記録システムにおいて、ユーザが印刷装置において認証データを入力してから印刷データに係る画像の記録媒体へ印刷が行われるまでの処理時間を短くすることができ、印刷データの管理を簡易とする、記録システム、ホスト装置、印刷装置、及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の記録システムは、記録媒体に画像を印刷するための印刷データを作成する複数の端末装置と、前記印刷データを記憶可能な印刷装置側記憶手段を有する印刷装置と、前記複数の端末装置及び前記印刷装置と通信可能に接続され、前記印刷データを記憶可能なホスト装置側記憶手段を有するホスト装置とを有し、前記印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を前記印刷装置において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に前記印刷装置が前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷する記録システムであって、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断手段をさらに有し、前記複数の端末装置それぞれは、前記印刷データを前記ホスト装置に送信する端末装置側送信手段を有しており、前記ホスト装置は、前記複数の端末装置から前記印刷データを受信して、受信した前記印刷データを前記ホスト装置側記憶手段に記憶させ、受信した前記印刷データを前記ユーザ認証前に前記印刷装置に送信し、且つ、前記印刷装置から、前記印刷要求に係る印刷データの送信を要求する印刷データ送信要求データを受信した場合には、前記ホスト装置側記憶手段に記憶されている、当該印刷データ送信要求データが示す前記印刷データを前記印刷装置に送信するホスト装置側送受信手段を有しており、前記印刷装置は、前記ホスト装置から前記印刷データを受信して、受信した前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段に記憶させる印刷装置側受信手段と、前記判断手段により削除すると判断された前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除する印刷装置側削除手段とを有し、前記認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際に、当該印刷要求に係る前記印刷データが、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている場合には、この印刷装置側記憶手段に記憶されている当該印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷し、前記印刷装置側削除手段により削除されて、前記印刷装置側記憶手段に記憶されていない場合には、当該印刷要求に係る前記印刷データを示す前記印刷データ送信要求データを前記ホスト装置に送信して、この印刷要求に係る前記印刷データを前記ホスト装置から取得し、この取得した前記印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の記録システムの制御プログラムは、記録媒体に画像を印刷するための印刷データを作成する複数の端末装置と、前記印刷データを記憶可能な印刷装置側記憶手段を有する印刷装置と、前記複数の端末装置及び前記印刷装置と通信可能に接続され、前記印刷データを記憶可能なホスト装置側記憶手段を有するホスト装置とを有し、前記印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を前記印刷装置において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に前記印刷装置が前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷する記録システムの制御プログラムであって、前記複数の端末装置、前記印刷装置、又は前記ホスト装置に前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断処理を実行させ、前記複数の端末装置それぞれに、前記印刷データを前記ホスト装置に送信する端末装置側送信処理を実行させ、前記ホスト装置に、前記複数の端末装置から前記印刷データを受信して、受信した前記印刷データを前記ホスト装置側記憶手段に記憶させ、受信した前記印刷データを前記印刷装置に送信し、且つ前記印刷装置から印刷データ送信要求データを受信した場合には、前記ホスト装置側記憶手段に記憶されている、当該印刷データ送信要求データが示す前記印刷データを前記印刷装置に送信するホスト装置側送受信処理を実行させ、前記印刷装置に、前記ホスト装置から前記印刷データを受信して、受信した前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段に記憶させる印刷装置側受信処理と、前記判断処理により削除すると判断された前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除する印刷装置側削除処理と、前記認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際に、当該印刷要求に係る前記印刷データが、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている場合には、この印刷装置側記憶手段に記憶されている当該印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷させ、前記印刷装置側削除手段により削除されて、前記印刷装置側記憶手段に記憶されていない場合には、当該印刷要求に係る前記印刷データを示す前記印刷データ送信要求データを前記ホスト装置に送信して、この印刷要求に係る前記印刷データを前記ホスト装置から取得し、この取得した前記印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷する印刷処理とを実行させることを特徴とする。
【0009】
上記の記録システム及び記録システムの制御プログラムの構成によれば、印刷装置の印刷装置側記憶手段に印刷データが記憶されているため、端末装置で認証を行った後に印刷データを印刷装置に送信する従来の記録システムと比べて、ユーザが印刷装置において認証データを入力してから印刷データに係る画像の記録媒体へ印刷が行われるまでの処理時間を短くすることができる。また、印刷データは、ホスト装置のホスト装置側記憶手段と、印刷装置の印刷装置側記憶手段の双方に記憶されているため、印刷装置側記憶手段の記憶容量が不足した場合において、印刷装置は、印刷データを印刷装置側記憶手段から削除するだけでよく、印刷データをホスト装置等に退避させるための通信処理を行う必要はないため、印刷装置とホスト装置との通信処理を簡素化することができる。
【0010】
また、本発明の記録システムにおいて、前記判断手段は、前記印刷データが前記印刷装置側記憶手段に記憶されてから所定の時間内に、当該印刷データに係る印刷要求がなされなかった場合に、当該印刷データを削除すると判断してもよい。上記の記録システムの構成によれば、印刷装置からの印刷データの漏洩を防止しつつ、印刷装置側記憶手段を効率よく使用することができる。
【0011】
また、本発明の記録システムにおいて、前記判断手段は、前記印刷装置側記憶手段の記憶容量の残量が所定量以下になった場合に、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データのうちのいずれかの印刷データを削除すると判断してもよい。上記の記録システムの構成によれば、印刷装置側記憶手段の記憶容量の残量が少なくなっても、ホスト装置から受信した最新の印刷データに係る印刷要求を実行することができる。
【0012】
また、本発明の記録システムにおいて、前記ホスト装置側記憶手段に記憶される前記印刷データはPDLデータであり、前記印刷装置側記憶手段に記憶される前記印刷データは前記PDLデータを展開して処理された前記印刷装置の駆動データであってもよい。上記の記録システムの構成によれば、ホスト装置から印刷装置に印刷データが送信される際は、容量が小さいPDLデータであるため、通信時間を短くすることができる。また印刷装置の印刷装置側記憶手段に記憶されている印刷データは、PDLデータが展開して処理された印刷装置の駆動データであるため、印刷要求後に記録媒体に迅速に画像を印刷することができる。
【0013】
また、本発明の記録システムにおいて、前記ホスト装置は、前記ホスト装置側記憶手段に記憶された前記印刷データを削除するホスト装置側削除手段を更に有し、前記印刷装置側削除手段及び前記ホスト装置側削除手段は、前記印刷装置による前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷した後に、当該印刷データを前記印刷装置側記憶手段及び前記ホスト装置側記憶手段から削除してもよい。上記の記録システムの構成によれば、記録媒体への印刷に係る印刷データは、印刷完了後に、印刷装置側記憶手段及びホスト装置側記憶手段から削除されるため、情報漏洩の危険性を低減することができると共に、印刷装置側記憶手段及びホスト装置側記憶手段の記憶容量を確保することができる。
【0014】
また、本発明の記録システムにおいて、前記複数の端末装置又は前記印刷装置からの指示に基づいて、前記ホスト装置側送受信手段は、前記ホスト装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを前記印刷装置に送信し、前記印刷装置側記憶手段がこの印刷データを記憶してもよい。上記の記録システムの構成によれば、印刷装置側記憶手段から削除された印刷データを、再びこの印刷側記憶手段に記憶することができると共に、ホスト装置から印刷データを受信していない印刷装置においては、必要に応じて印刷データをホスト装置から取得することができる。
【0015】
また、本発明の記録システムにおいて、前記ユーザ認証は、ユーザが所有するIDカードに格納されている認証データ又はユーザによるパスワード入力に基づく認証データと、前記記録システム又は前記印刷データに予め登録されている認証データとを比較することにより行われてもよい。上記の記録システムの構成によれば、情報漏洩の危険性を低減することができる。
【0016】
また、本発明の記録システムにおいて、前記ホスト装置に接続された複数の前記印刷装置が設けられ、前記ホスト装置側送受信手段は、前記印刷データを少なくとも2台の前記印刷装置に送信するものであり、前記印刷データを受信した前記印刷装置の何れかにおいて、この印刷データの前記記録媒体への印刷が行われた場合には、この印刷データを受信した全ての前記印刷装置において、前記印刷装置側削除手段が、この印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除してもよい。上記の記録システムの構成によれば、印刷データは少なくとも2台の印刷装置に送信されるので、この印刷データが送信された印刷装置の中から、ユーザは印刷を行う印刷装置を都合に合わせて選択することができる。また、印刷データを受信した印刷装置の何れかにおいて、この印刷データに係る画像の記録媒体への印刷が行われた場合には、この印刷データを受信した全ての印刷装置において、この印刷データは印刷装置側記憶手段から削除されるため、情報漏洩の危険性を低減することができる。
【0017】
また、本発明のホスト装置は、記録媒体に画像を印刷するための印刷データを作成する複数の端末装置と、前記印刷データを記憶可能な印刷装置側記憶手段を有する印刷装置と、前記複数の端末装置及び前記印刷装置と通信可能に接続され、前記印刷データを記憶可能なホスト装置側記憶手段を有するホスト装置と、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により削除すると判断された前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除する印刷装置側削除手段とを有し、前記印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を前記印刷装置において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に前記印刷装置が前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷する記録システムのホスト装置であって、前記複数の端末装置から前記印刷データを受信して、受信した前記印刷データを前記ホスト装置側記憶手段に記憶させ、受信した前記印刷データを前記ユーザ認証前に前記印刷装置に送信するホスト装置側送受信手段と
を有し、前記ホスト装置側送受信手段は、前記認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際において当該印刷要求に係る前記印刷データが、前記印刷装置側削除手段により削除されて前記印刷装置側記憶手段に記憶されていない場合に前記印刷装置から送信される、当該印刷要求に係る前記印刷データを示す前記印刷データ送信要求データを受信した場合に、前記ホスト装置側記憶手段に記憶されている、当該印刷データ送信要求データが示す当該印刷要求に係る前記印刷データを、前記印刷装置に送信することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の印刷装置の制御プログラムは、記録媒体に画像を印刷するための印刷データを作成する複数の端末装置と、前記印刷データを記憶可能な印刷装置側記憶手段を有する印刷装置と、前記複数の端末装置及び前記印刷装置と通信可能に接続され、前記印刷データを記憶可能なホスト装置側記憶手段を有するホスト装置と、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により削除すると判断された前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除する印刷装置側削除手段とを有し、前記印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を前記印刷装置において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に前記印刷装置が前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷する記録システムのホスト装置の制御プログラムであって、前記複数の端末装置から前記印刷データを受信した前記印刷データを前記ホスト装置側記憶手段に記憶させ、受信した前記印刷データを前記ユーザ認証前に前記印刷装置に送信するホスト装置側送受信処理と前記認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際において当該印刷要求に係る前記印刷データが、前記印刷装置側削除手段により削除されて前記印刷装置側記憶手段に記憶されていない場合に前記印刷装置から送信される、当該印刷要求に係る前記印刷データを示す前記印刷データ送信要求データを受信した場合に、前記ホスト装置側記憶手段に記憶されている、当該印刷データ送信要求データが示す当該印刷要求に係る前記印刷データを、前記印刷装置に送信する要求印刷データ送信処理とを前記ホスト装置に実行させることを特徴とする。
【0019】
上記のホスト装置及びホスト装置の制御プログラムの構成によれば、ホスト装置は、印刷データをユーザ認証前に印刷装置に送信しているため、端末装置で認証を行った後に印刷データを印刷装置に送信する従来の記録システムと比べて、ユーザが印刷装置において認証データを入力してから印刷データに係る画像の記録媒体へ印刷が行われるまでの処理時間を短くすることができる。また、印刷データは、ホスト装置のホスト装置側記憶手段と、印刷装置の印刷装置側記憶手段の双方に記憶されているため、印刷装置側記憶手段の記憶容量が不足した場合等において、印刷装置は、印刷データを印刷装置側記憶手段から削除するだけでよく、印刷データをホスト装置等に退避させるための通信処理を行う必要はないため、印刷装置とホスト装置との通信処理を簡素化することができる。
【0020】
また、本発明の印刷装置は、記録媒体に画像を印刷するための印刷データを作成する複数の端末装置と、前記印刷データを記憶可能な印刷装置側記憶手段を有する印刷装置と、前記複数の端末装置及び前記印刷装置と通信可能に接続され、前記複数の端末装置から受信した前記印刷データが記憶されるホスト装置側記憶手段を有するホスト装置と、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断手段とを有し、前記印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を前記印刷装置において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に前記印刷装置が前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷する記録システムの印刷装置であって、前記ホスト装置から前記印刷データを前記ユーザ認証前に受信して、受信した前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段に記憶させる印刷装置側受信手段と、前記判断手段により削除すると判断された前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除する印刷装置側削除手段とを有し、前記認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際に、当該印刷要求に係る前記印刷データが、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている場合には、この印刷装置側記憶手段に記憶されている当該印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷し、前記印刷装置側削除手段により削除されて、前記印刷装置側記憶手段に記憶されていない場合には、当該印刷要求に係る前記印刷データを示す前記印刷データ送信要求データを送信して、この印刷要求に係る前記印刷データを前記ホスト装置から取得し、この取得した前記印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷することを特徴とする。
【0021】
また、本発明の印刷装置の制御プログラムは、記録媒体に画像を印刷するための印刷データを作成する複数の端末装置と、前記印刷データを記憶可能な印刷装置側記憶手段を有する印刷装置と、前記複数の端末装置及び前記印刷装置と通信可能に接続され、前記複数の端末装置から受信した前記印刷データが記憶されるホスト装置側記憶手段を有するホスト装置と、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断手段とを有し、前記印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を前記印刷装置において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に前記印刷装置が前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷する記録システムの印刷装置の制御プログラムであって、前記ホスト装置から前記印刷データを前記ユーザ認証前に受信して、受信した前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段に記憶させる印刷装置側受信処理と、前記判断手段により削除すると判断された前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除する印刷装置側削除処理と
前記認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際に、当該印刷要求に係る前記印刷データが、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている場合には、この印刷装置側記憶手段に記憶されている当該印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷し、前記印刷装置側削除手段により削除されて、前記印刷装置側記憶手段に記憶されていない場合には、当該印刷要求に係る前記印刷データを示す前記印刷データ送信要求データを送信して、この印刷要求に係る前記印刷データを前記ホスト装置から取得し、この取得した前記印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷する印刷処理とを前記印刷装置に実行させることを特徴とする。
【0022】
上記の印刷装置及び印刷装置の制御プログラムの構成によれば、印刷装置は、印刷データをユーザ認証前にホスト装置から受信して記憶しているため、端末装置で認証を行った後に印刷データを印刷装置に送信する従来の記録システムと比べて、ユーザが印刷装置において認証データを入力してから印刷データに係る画像の記録媒体へ印刷が行われるまでの処理時間を短くすることができる。また、印刷データは、ホスト装置のホスト装置側記憶手段と、印刷装置の印刷装置側記憶手段の双方に記憶されているため、印刷装置側記憶手段の記憶容量が不足した場合等において、印刷装置は、印刷データを印刷装置側記憶手段から削除するだけでよく、印刷データをホスト装置等に退避させるための通信処理を行う必要はないため、印刷装置とホスト装置との通信処理を簡素化することができる。
【0023】
また、本発明の記録システムは、記録媒体に画像を印刷するための印刷データを作成する複数の端末装置と、前記端末装置と通信可能に接続され、前記印刷データを記憶可能な印刷装置側記憶手段を有する印刷装置とを有し、前記印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を前記印刷装置において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に前記印刷装置が前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷する記録システムであって、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断手段をさらに有し、前記複数の端末装置それぞれは、前記印刷データを記憶可能な端末装置側記憶手段と、前記印刷データを前記印刷装置に送信し、且つ、前記印刷装置から、前記印刷要求に係る印刷データの送信を要求する印刷データ送信要求データを受信した場合には、前記端末装置側記憶手段に記憶されている、当該印刷データ送信要求データが示す前記印刷データを前記印刷装置に送信する端末装置側送信手段を有しており、前記印刷装置は、前記端末装置から前記印刷データを受信して、受信した前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段に記憶させる印刷装置側受信手段と、前記判断手段により削除すると判断された前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除する印刷装置側削除手段とを有し、前記認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際に、当該印刷要求に係る前記印刷データが、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている場合には、この印刷装置側記憶手段に記憶されている当該印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷し、前記印刷装置側削除手段により削除されて、前記印刷装置側記憶手段に記憶されていない場合には、当該印刷要求に係る前記印刷データを示す前記印刷データ送信要求データを前記端末装置に送信して、この印刷要求に係る前記印刷データを前記端末装置から取得し、この取得した前記印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷することを特徴とする。
【0024】
上記の記録システムの構成によれば、印刷装置の印刷装置側記憶手段に印刷データが記憶されているため、端末装置で認証を行った後に印刷データを印刷装置に送信する従来の記録システムと比べて、ユーザが印刷装置において認証データを入力してから印刷データに係る画像の記録媒体へ印刷が行われるまでの処理時間を短くすることができる。また、印刷データは、端末装置の端末側記憶手段と、印刷装置の印刷装置側記憶手段の双方に記憶されているため、印刷装置側記憶手段の記憶容量が不足した場合において、印刷装置は、印刷データを印刷装置側記憶手段から削除するだけでよく、印刷データを端末装置等に退避させるための通信処理を行う必要はないため、印刷装置と端末装置との通信処理を簡素化することができる。
【発明の効果】
【0025】
認証機能を有する記録システムにおいて、ユーザが印刷装置において認証データを入力してから印刷データに係る画像の記録媒体へ印刷が行われるまでの処理時間を短くすることができ、印刷データの管理を簡易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態に係る記録システムの構成図である。
【図2】図1に示す端末装置の機能ブロック図である。
【図3】端末装置の表示部に表示される記憶状況データの一例を示す図である。
【図4】端末装置、ホスト装置、及び印刷装置との間で通信されるデータのデータ構造を表す図であり、(a)は印刷情報送信データのデータ構造、(b)は記憶状況送信要求データのデータ構造、(c)は記憶状況データのデータ構造、(d)は印刷データ再送先データのデータ構造、(e)は印刷認証データのデータ構造、(f)は印刷データ送信要求データのデータ構造、(g)は記録完了データのデータ構造をそれぞれ表している。
【図5】端末装置、ホスト装置、及び印刷装置との間で通信されるデータのデータ構造を表す図であり、(a)は削除指令データのデータ構造、(b)は削除通知データのデータ構造、(c)は使用通知データのデータ構造、(d)は使用解除通知データのデータ構造をそれぞれ表している。
【図6】図1に示すホスト装置の機能ブロック図である。
【図7】図6に示すストレージに記憶されている印刷データ管理テーブルを表す図である。
【図8】図6に示すストレージに記憶されている使用状況管理テーブルを表す図である。
【図9】図1に示す印刷装置の機能ブロック図である。
【図10】図1に示す端末装置の制御フロー図である。
【図11】図1に示すホスト装置の制御フロー図である。
【図12】図1に示す印刷装置の制御フロー図である。
【図13】図1に示す印刷装置の制御フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0028】
(記録システム1の構成)
図1に示すように、記録システム1は、複数の端末装置20と、この複数の端末装置20とネットワーク(WAN又はLAN)2を介して通信可能に接続されたホスト装置40と、ホスト装置40とLAN3を介して通信可能に接続された複数の印刷装置60とから主に構成されている。
【0029】
端末装置20は、PC、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistants)等であり、ユーザの操作入力に基づいて、アプリケーションソフトにより印刷データを作成し、この印刷データをホスト装置40に送信(アップロード)する装置である。ホスト装置40は、端末装置20から受信した印刷データ等を管理し、且つ、印刷データを所定の印刷装置60に送信する装置である。印刷装置60は、ホスト装置40から受信した印刷データに係る画像を記録媒体(例えば、用紙)に記録する装置である。
【0030】
また、記録システム1は、ユーザ認証機能を有する記録システムである。本実施形態においては、記録システム1は、印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を印刷装置60において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に印刷装置60が印刷データに係る画像を記録媒体に記録する。
【0031】
(端末装置20)
次に、端末装置20の構成について説明する。なお、以下では、説明の便宜上、端末装置20をPCに適用して説明するが、本発明はこれに限定する趣旨ではない。
【0032】
端末装置20は、図2に示すように、制御部21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、HDD(Hard disk drive)24、入力部25、及び表示部26を有している。制御部21は、端末装置20全体を統括制御するCPU(Central Processing Unit)である。ROM22には、制御部21が実行する制御プログラム(図10の制御フローのプログラムを含む)等が予め記録されている。RAM23は、認証データ記憶部30を有している。この認証データ記憶部30には、後述の印刷情報送信入力の際に、ユーザから入力される認証データが、この入力を行ったユーザを示す識別情報(以下、ユーザIDとも称す)と対応付けられて一時的に記憶される。なお、認証データの入力方法については、特に限定されるものではなく、例えば、パスワード入力や、ユーザが所有するIDカード等の物理デバイスを用いた入力等が挙げられる。HDD24は、後述する画像データ作成部27により作成された印刷データが一時的に記憶される画像データ記憶部31を有している。また、HDD24には、印刷すべき印刷データを作成するためのアプリケーションソフト等が記憶されている。
【0033】
入力部25は、キーボード、マウス、IDカード等の物理デバイスに格納された認証データを読み取るリーダ等からなり、ユーザから、印刷情報送信入力、記憶状況表示入力、印刷データ再送先入力等の各種の操作入力を受け付けて、受け付けた操作入力を制御部21に対して出力する。
【0034】
ここで、印刷情報送信入力とは、端末装置20において作成されて、画像データ記憶部31に記憶されている印刷データをホスト装置40及び印刷装置60に送信させるために、ユーザが入力する操作入力である。また、記憶状況表示入力とは、図3に示すように、ユーザにより印刷情報送信入力が行われて、ホスト装置40及び印刷装置60に送信された印刷データのうち、印刷要求が未だされていない印刷データに関する、この印刷データが現在記憶されている印刷装置60の情報(以下、印刷管理情報とも称す)や、印刷装置60における後述の入出力部65に対して他のユーザが操作入力を現在行っているか否か(印刷装置60が他のユーザにより現在使用されているか否か)についての印刷装置60毎の使用状況等を含む記憶状況データを、ホスト装置40から取得して表示部26に表示させるために、ユーザが入力する操作入力である。また、印刷データ再送先入力とは、ホスト装置40の後述のPDLデータ記憶部49に記憶されている印刷データを、この印刷データが記憶されていない印刷装置60のうちの都合のよい印刷装置60に送信させるために、ユーザが入力する操作入力である。
【0035】
表示部26は、液晶ディスプレイからなり、表示制御部29から出力された表示データに基づいて、各種の設定画面やメッセージ等をユーザに対して表示する。
【0036】
次に、制御部21について、より詳細に説明する。制御部21は、図2に示すように、画像データ作成部27、端末装置側送信手段としての通信制御部28、及び表示制御部29を有している。
【0037】
画像データ作成部27は、入力部25がユーザから受け付けた操作入力に基づいて、HDD24に記憶されているアプリケーションソフトにより、アプリケーションデータである印刷データを作成し、作成した印刷データを画像データ記憶部31に記憶させる。
【0038】
通信制御部28は、ホスト装置40と各種のデータ通信等を行う。例えば、通信制御部28は、入力部25がユーザから印刷情報送信入力を受け付けた場合、画像データ記憶部31に記憶された印刷データを含む印刷情報送信データを、ホスト装置40に送信する。なお、この印刷情報送信データは、ヘッダ情報、印刷データ、及び認証データを含むものである(図4(a)参照)。ヘッダ情報には、印刷データ毎に付与される、印刷データ名やポインタなどの印刷データ識別情報(以下、印刷データIDとも称す)、送信元である端末装置20のIPアドレス等の識別情報(以下、送信元端末装置IDとも称す)、印刷情報送信入力を行ったユーザを示すユーザIDなどの各種の情報が含まれている。また、印刷情報送信データに含まれる認証データは、印刷データに登録された認証データであり、具体的には、この印刷情報送信入力の際にユーザから入力されて、認証データ記憶部30に記憶されている認証データである。なお、ユーザから印刷情報送信入力を入力部25が受け付けたときに、印刷データの送信先に関する印刷装置60の登録(指定)もされていた場合には、当該登録された印刷装置60に関する送信先識別情報(以下、送信先印刷装置IDとも称す)も、ヘッダ情報に含められる。また、この送信先印刷装置IDは二つ以上登録されていてもよい。
【0039】
また、通信制御部28は、入力部25が上記の記憶状況表示入力をユーザから受け付けた場合には、この記憶状況表示入力を行ったユーザを示すユーザID、及び送信元端末装置IDを含む記憶状況送信要求データ(図4(b)参照)を送信し、後述の記憶状況データ(図4(c)参照)をホスト装置40から受信して、表示制御部29に送信する。
【0040】
また、通信制御部28は、入力部25が上記の印刷データ再送先入力をユーザから受け付けた場合には、このユーザが指定する再送先の印刷装置60を示す再送先印刷装置ID、及び印刷データIDを含む印刷データ再送先データ(図4(d)を参照)をホスト装置40に送信する。
【0041】
表示制御部29は、通信制御部28が受信した情報(記憶状況データ等)に基づいて、表示部26において表示させる表示データを生成し、この表示データを表示部26に出力する。
【0042】
(ホスト装置40)
次に、ホスト装置40の構成について説明する。ホスト装置40は、図6に示すように、制御部41、ROM42、RAM43、及びストレージ44を有している。制御部41は、ホスト装置40全体を統括制御するCPUである。ROM42には、制御部41が実行する制御プログラム(図11の制御フローのプログラムを含む)等が予め記録されている。RAM43には、端末装置20や印刷装置60から受信したデータ等が一時的に記録される。
【0043】
ストレージ44は、ホスト装置側記憶手段としてのPDLデータ記憶部49、印刷データ管理テーブル記憶部50、使用状況管理テーブル記憶部51、及び既定印刷装置記憶部52を有している。PDLデータ記憶部49には、後述のPDLデータ変換部45によりPDLデータに変換された印刷データと、この印刷データに係る印刷データID及び認証データとが対応付けられて記憶される。
【0044】
印刷データ管理テーブル記憶部50には、図7に示すような印刷データ管理テーブルが記憶されている。この印刷データ管理テーブルは、PDLデータ記憶部49に記憶されている印刷データと、この印刷データに係る印刷情報送信データのヘッダ情報と、この印刷データが現在記憶されている印刷装置60(記録印刷装置)の情報(印刷管理情報)を、印刷データ毎に表したテーブルである。例えば、図4の印刷データ管理テーブルでは、PDLデータ記憶部49に記憶されている印刷データAの印刷管理情報Aに関して、この印刷データAに係る印刷情報送信入力を行ったユーザ(ユーザID)はユーザAであり、この印刷データAの送信元の端末装置20(送信元端末装置ID)は端末装置Aであり、この印刷データAの送信先としてユーザにより登録された印刷装置(送信先印刷装置ID)は印刷装置A、印刷装置B、及び印刷装置Cであり、この印刷データAが現在記憶されている記憶印刷装置(記憶印刷装置ID)は印刷装置A、及び印刷装置Cであることを表している。なお、この印刷データ管理テーブルはデータテーブル管理部48の制御により更新される。
【0045】
使用状況管理テーブル記憶部51には、図8に示すような使用状況管理テーブルが記憶されている。この使用状況管理テーブルは、印刷装置60の後述の入出力部65に対してユーザが操作入力を現在行っているか否か(印刷装置60がユーザにより現在使用されているか否か)についての情報を印刷装置60毎に表したテーブルであり、使用状態印刷装置の項にある印刷装置IDは、この印刷装置IDが示す印刷装置60がユーザにより現在使用されていることを表し、空き状態印刷装置の項にある印刷装置IDは、この印刷装置IDが示す印刷装置60がユーザにより現在使用されていないことを表す。具体的には、図5に示す使用状況管理テーブルでは、ユーザが現在使用している印刷装置(使用印刷装置ID)は印刷装置A、印刷装置D、印刷装置F、及び印刷装置Gであり、ユーザが現在使用していない印刷装置(空き印刷装置ID)は印刷装置B、印刷装置C、及び印刷装置Eであることを表している。なお、この使用状況管理テーブルはデータテーブル管理部48の制御により更新される。
【0046】
既定印刷装置記憶部52には、端末装置20から受信した印刷情報送信データに送信先端末装置IDが含まれていなかった場合に、送信先となる少なくとも1台の印刷装置60を示す既定送信先識別情報(以下、既定送信先印刷装置IDとも称す)が記憶されている。なお、既定送信先印刷装置IDは、既定印刷装置記憶部52において、ユーザ(ユーザID)毎に対応付けられて記憶されていてもよいし、印刷情報送信データの送信元である端末装置20(送信元端末装置ID)毎に対応付けられて記憶されていてもよい。また、端末装置20、又は印刷装置60においてユーザから受け付けた操作入力に応じて、既定印刷装置記憶部52に記憶されている、既定送信先印刷装置IDを変更できるようにされていてもよい。
【0047】
次に、制御部41について、より詳細に説明する。制御部41は、図6に示すように、PDLデータ変換部45、ホスト装置側送受信手段としての通信制御部46、ホスト装置側削除手段としての削除部47、及びデータテーブル管理部48を有している。
【0048】
PDLデータ変換部45は、通信制御部46が受信した印刷情報送信データに含まれている印刷データを、印刷装置60が解釈可能なページ記述言語(PDL:Page Description Language)で記述されたPDLデータに変換する。
【0049】
通信制御部46は、端末装置20、及び印刷装置60と各種のデータ通信、並びに端末装置20及びホスト装置40から受信したデータのストレージ44への記憶処理等を行う。例えば、通信制御部46は、端末装置20から印刷情報送信データ(図4(a)参照)を受信した場合には、印刷情報送信データに含まれている印刷データを、PDLデータ変換部45によりPDLデータに変換した後に、このPDLデータに変換された印刷データと、この印刷データに係る印刷データID及び認証データとを対応付けてPDLデータ記憶部49に記憶させ、且つPDLデータに変換された印刷データ、この印刷データに係る印刷情報送信データに含まれている印刷データID、認証データ及びユーザIDを含む印刷認証データ(図4(e)参照)を、印刷装置60において行われるユーザ認証よりも前に印刷装置60に送信する。このように、ホスト装置40から印刷装置60に送信される印刷データは容量が小さいPDLデータであるため、この印刷データ(印刷認証データ)の印刷装置60への送信にかかる通信時間を短くすることができる。なお、通信制御部46は、印刷情報送信データのヘッダ情報に、送信先印刷装置IDが含まれている場合には、この送信先印刷装置IDが示す印刷装置60に印刷認証データを送信し、一方、送信先印刷装置IDが含まれてない場合には、既定印刷装置記憶部52に記憶されている既定送信先印刷装置IDが示す印刷装置60に印刷認証データを送信する。なお、印刷情報送信データのヘッダ情報に複数の送信先印刷装置IDが含まれている場合には、各送信先印刷装置IDが示すそれぞれの印刷装置60に対して、印刷認証データを送信する。
【0050】
また、通信制御部46は、印刷装置60から、PDLデータ記憶部49に記憶されている印刷データの送信を要求する印刷データ送信要求データ(図4(f)参照)を通信制御部46が受信したとき、PDLデータ記憶部49に記憶されている、この印刷データ送信要求データに含まれている印刷データIDが示す印刷データを、送信元印刷装置IDが示す印刷装置60に送信する。
【0051】
また、通信制御部46は、端末装置20又は印刷装置60から、印刷データ再送先データ(図4(d))を受信した場合には、PDLデータ記憶部49に記憶されている、この印刷データ再送先データの印刷データIDが示す印刷データ、及びこの印刷データに係る印刷データID、ユーザID、及び認証データを含む印刷認証データ(図4(e)参照)を、再送先印刷装置IDが示す印刷装置60に送信する。
【0052】
また、通信制御部46は、端末装置20又は印刷装置60から、記憶状況送信要求データ(図4(b)参照)を受信した場合には、印刷データ管理テーブル記憶部50に記憶されている印刷データ管理テーブルを参照して、この記憶状況送信要求データに含まれているユーザIDに対応する印刷管理情報を抽出(例えば、ユーザIDがユーザAなら印刷管理情報A及び印刷管理情報Bを抽出)し、この印刷管理情報、及び使用状況管理テーブル記憶部51に記憶されている使用状況管理テーブルを含む記憶状況データ(図4(c)参照)を、送信元端末装置IDが示す端末装置20又は送信元印刷装置IDが示す印刷装置60に送信する。
【0053】
また、通信制御部46は、印刷装置60から、印刷データに係る画像の記録媒体への記録完了を表す記録完了データ(図4(g)参照)を受信した場合には、印刷データ管理テーブル記憶部50に記憶されている印刷データ管理テーブルを参照し、記録完了データを送信してきた印刷装置60以外の、この印刷データが記憶されている印刷装置60に対して、この印刷データの削除を指令する削除指令データ(図5(a)参照)を送信する。
【0054】
削除部47は、通信制御部46が印刷装置60から記録完了データを受信した場合に、この記録完了データに含まれている印刷データIDが示す印刷データ、この印刷データに対応付けられた印刷データID及び認証データをPDLデータ記憶部49から削除する。このように、記録媒体への記録が完了した印刷データはPDLデータ記憶部49から削除されるため、情報漏洩の危険性を低減することができると共に、PDLデータ記憶部49の記憶容量を確保することができる。
【0055】
データテーブル管理部48は、通信制御部46が印刷装置60との間で行うデータ通信に基づいて、印刷データ管理テーブル記憶部50に記憶されている印刷データ管理テーブル、及び使用状況管理テーブル記憶部51に記憶されている使用状況管理テーブルを更新する。
【0056】
(印刷装置60)
次に、印刷装置60の構成について説明する。印刷装置60は、図9に示すように、制御部61、ROM62、RAM63、ストレージ64、入出力部65、及び印字部66を有している。
【0057】
制御部61は、印刷装置60全体を統括制御するCPUである。ROM62には、制御部61が実行する制御プログラム(図12及び図13の制御フローのプログラムを含む)等が予め記録されている。RAM63には、ホスト装置40から受信したデータ等が一時的に記憶される。また、RAM63は、入力認証データ記憶部75を有しており、この入力認証データ記憶部75には、ユーザから受け付けた後述のユーザ認証入力に係る認証データが一時的に記憶される。
【0058】
ストレージ64は、印刷装置側記憶手段としての印刷データ記憶部76、及び登録認証データ記憶部77を有している。この印刷データ記憶部76には、後述の画像処理部67により印刷装置60の駆動データに処理された印刷データが、印刷データIDと対応付けられて記憶される。また、登録認証データ記憶部77には、印刷認証データに含まれている認証データが、ユーザID及び印刷データIDと対応付けられて記憶される。
【0059】
入出力部65は、タッチパネルからなり、制御部61の後述の表示制御部74から入力された表示データに基づいて、各種の設定画面、メッセージ、印刷ジョブの一覧等をユーザに対して表示する。また、入出力部65は、ユーザから、印刷データ選択入力、ユーザ認証入力、記憶状況表示入力、印刷データ再送先入力等の操作入力を受け付けて、受け付けた操作入力を制御部61に対して出力する。なお、入出力部65は、ユーザが所有するIDカードに格納されている認証データを読み取る機能も備えていてもよい。
【0060】
ここで、ユーザ認証入力とは、ユーザの認証データを入力するために、ユーザが入力する操作入力である。また、印刷データ選択入力とは、後述のユーザ認証部68によりユーザ認証された場合に、登録認証データ記憶部77に記憶されている、このユーザのユーザIDに対応付けられている印刷データIDの一覧(印刷ジョブの一覧)から、印字部66において記録媒体への印字を開始させる印刷データIDを選択するために、ユーザが入力する操作入力である。
【0061】
印字部66は、後述の印字制御部70から出力された印刷制御データに基づいて、印刷データ記憶部76に記憶されている印刷データに係る画像を、記録媒体である用紙に記録する。
【0062】
次に、制御部61について、より詳細に説明する。制御部61は、図9に示すように、画像処理部67、ユーザ認証部68、記憶状況判断部69、印字制御部70、判断手段としての判断部71、印刷装置側削除手段としての削除部72、印刷装置側受信手段としての通信制御部73、及び表示制御部74を有している。
【0063】
画像処理部67は、通信制御部73がホスト装置40から受信した印刷認証データに含まれている印刷データ(PDLデータ)を、印字部66の駆動データに変換する。例えば、印字部66がインクジェットヘッドの場合、駆動データはインクジェットヘッドから記録媒体の単位領域毎に吐出するインクの量を表すデータとなり、既知の誤差拡散処理などを用いて印刷データ(PDLデータ)から駆動データに変換される。(いわゆる多値化処理などが行われる。)また、印刷装置60がいわゆるレーザープリンタの場合、既知のディザ処理などを用いて印刷データ(PDLデータ)から駆動データ(レーザ記録部の駆動データ)に変換される。また、駆動データは記録媒体の単位領域毎に記録される量的データ(インク量や濃度値などのいわゆる印字データなど)のデータのみならず、印字部66の駆動を制御するデータを含んでいてもよい。
【0064】
ユーザ認証部68は、登録認証データ記憶部77に記憶されている認証データと、入力認証データ記憶部75に記憶されている認証データとが一致するか否かを判定することで、ユーザ認証を行う。
【0065】
記憶状況判断部69は、入出力部65が印刷データ選択入力を受け付けた場合に、この印刷データ選択入力が示す印刷データが印刷データ記憶部76に記憶されているか否かを判断する。印刷データ記憶部76に記憶されていると判断した場合には、印字制御部70に印字開始指令を出力する。一方、印刷データ記憶部76に記憶されていないと判断した場合には、ホスト装置40からデータ選択入力が示す印刷データを取得するために、この印刷データの印刷データIDを含む印刷送信要求指令を通信制御部73に出力し、その後、この印刷データがホスト装置から取得されて印刷データ記憶部76に記憶された際に、印字制御部70に印字開始指令を出力する。
【0066】
印字制御部70は、記憶状況判断部69から印字開始指令を受け付けた場合に、この印字開始指令が示す、印刷データ記憶部76に記憶されている印刷データに係る画像が記録媒体に記録されるように、印字制御データを印字部66に出力する。
【0067】
判断部71は、印刷データ記憶部76に記憶されている印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する。本実施形態において、判断部71は、印刷データ記憶部76に印刷データが記憶されてから、所定時間以内に、当該印刷データに係る印刷要求がなされなかった場合に、この印刷データを削除すると判断する。このようにすることで、印刷装置60からの印刷データの漏洩を防止しつつ、印刷データ記憶部76を効率良く使用することができる。なお、この所定時間は、端末装置20における印刷送信要求入力時にユーザが印刷データに対応付けて設定する等のようにユーザが設定するようにされていてもよく、また記録システム1において予め設定されていてもよい。また、印刷要求とは、印刷装置60の制御部61において、印刷データに係る画像の記録を印字部66に実行させるための処理を開始させる契機となるものであり、本実施形態においては、制御部61の、入力部25からの印刷データ選択入力の受け付け処理が、印刷要求にあたる。
【0068】
また、判断部71は、印刷データ記憶部76の記憶容量の残量が所定量以下となった場合に、この印刷データ記憶部76に記憶されている印刷データのうち、最も古くに記憶された最先の印刷データを削除すると判断する。このようにすることで、印刷データ記憶部76の記憶容量の残量が少なくなっても、ホスト装置40から受信した最新の印刷データに係る印刷要求を実行することができる。なお、本実施形態においては、判断部71は最も古くに記憶された最先の印刷データを削除すると判断するようにされているが、これに限定されるものではなく、例えば、印刷データ記憶部76に記憶されている印刷データのうち、重要度が最も低い印刷データを削除すると判断するようにされていてもよく、印刷データ記憶部76に記憶されている印刷データのうちの何れかの印刷データを削除すると判断するものであればよい。
【0069】
削除部72は、判断部71が削除すると判断した印刷データ、及びこの印刷データに対応付けられた印刷データIDを、印刷データ記憶部76から削除する。また、削除部72は、印字部66により記録が実行されて、印刷が完了した印刷データについては、印刷データ記憶部76から削除し、且つ、この印刷データの印刷データIDに対応付けられている認証データを登録認証データ記憶部77から削除する。このようにすることにで、情報漏洩の危険性を低減することができると共に、印刷データ記憶部76の記憶容量を確保することができる。
【0070】
また、削除部72は、通信制御部73がホスト装置40から削除指令データ(図5(a)を受信した際に、この削除指令データに含まれている印刷データIDに対応付けられている印刷データを印刷データ記憶部76から削除し、且つ、この印刷データIDに対応付けられている認証データを登録認証データ記憶部77から削除する。
【0071】
通信制御部73は、ホスト装置40と各種のデータ通信、及びホスト装置40から受信したデータの記憶処理を行う。例えば、通信制御部73は、ホスト装置40から印刷認証データ(図4(e))を受信した場合には、この印刷認証データに含まれている印刷データを画像処理部67により駆動データに変換後、この駆動データに変換された印刷データを、この印刷データの印刷データIDと対応付けて印刷データ記憶部76に記憶させ、且つ、印刷認証データに含まれている認証データを、ユーザID及び印刷データIDと対応付けて登録認証データ記憶部77に記憶させる。このように、印刷データ記憶部76に記憶されている印刷データは、PDLデータが展開されて処理された印刷装置の駆動データであるため、印刷要求後に記録媒体に迅速に画像を印刷することができる。
【0072】
また、通信制御部73は、印字部66による印刷データに係る画像の記録が完了したときに、記録が完了した印刷データを示す印刷データIDと、印刷装置60自身の送信元識別情報(送信元印刷装置ID)とを含む記録完了データ(図4(g)参照)をホスト装置40に送信する。また、通信制御部73は、判断部71が削除すると判断した印刷データが削除部72により削除された場合に、この削除された印刷データを示す印刷データIDと、印刷装置60自身の送信元識別情報(送信元印刷装置ID)とを含む削除通知データ(図5(b)参照)をホスト装置40に送信する。また、通信制御部73は、記憶状況判断部69より印刷送信要求指令を受け付けた場合には、この印刷送信要求指令が示す印刷データIDと、印刷装置60の送信元識別情報(送信元印刷装置ID)とを含む印刷データ送信要求データ(図4(f)参照)をホスト装置40に送信する。
【0073】
(端末装置20の制御フロー)
次に、端末装置20の制御フローについて図10を参照しつつ説明する。まず、制御部21は、入力部25が印刷情報送信入力をユーザから受け付けた否かを判断する(A1)。ユーザから印刷情報送信入力を受け付けたと判断した場合(A1:YES)には、制御部21はユーザから認証データの入力を受け付けたか否かを判断する(A2)。ユーザから認証データの入力を受け付けていないと判断した場合(A2:NO)には、制御部21は、ステップA2の処理に戻る。
【0074】
一方、ユーザから認証データの入力を受け付けたと判断した場合(A2:YES)には、制御部21は、受け付けた認証データを認証データ記憶部30に記憶させる(A3)。そして、通信制御部28が、画像データ作成部27により作成されて画像データ記憶部31に記憶されている印刷データ、ヘッダ情報、及び認証データ記憶部30に記憶されている認証データを含む印刷情報送信データ(図4(a)参照)をホスト装置40に送信し(A4)、ステップA1の処理に戻る。なお、認証データ記憶部30に記憶されている認証データは、ホスト装置40への印刷情報送信データの送信完了後に、削除される。
【0075】
一方、ステップA1の処理において、ユーザから印刷情報送信入力を受け付けていないと判断した場合(A1:NO)には、制御部21は、入力部25がユーザから記憶状況表示入力を受け付けた否かを判断する(A5)。記憶状況表示入力を受け付けたと判断した場合(A5:YES)には、通信制御部28は、記憶状況表示入力を行ったユーザを示すユーザID、及び送信元端末装置IDを含む記憶状況送信要求データ(図4(b)参照)をホスト装置40に送信する(A6)。次に、通信制御部28がホスト装置40から記憶状況データを受信し、この受信した記憶状況データに基づいて、表示制御部29が表示データを生成し、生成した表示データを図3に示すように表示部26に表示する(A7)。こうすることにより、ユーザは、他のユーザにより現在使用されていない印刷装置60の中から都合のよい印刷装置60において、印刷データに係る画像の記録媒体への印刷を行うことが可能になる。このステップA7の処理が終了すると、ステップA1の処理に戻る。
【0076】
一方、ステップA5の処理において、記憶状況表示入力を受け付けていないと判断した場合(A5:NO)には、入力部25がユーザから印刷データ再送先入力を受け付けた否かを判断する(A8)。印刷データ再送先入力を受け付けたと判断した場合(A8:YES)には、通信制御部28が、当該印刷データ再送先入力に基づいて、印刷データの再送先の印刷装置60を示す再送先印刷装置IDと、ホスト装置40からこの印刷装置60に対して送信する印刷データを示す印刷データIDを含む印刷データ再送先データ(図4(d)参照)をホスト装置40に送信し(A9)、ステップA1の処理に戻る。
【0077】
一方。ステップ制御部21が、印刷データ再送先入力を受け付けていないと判断した場合(A8:NO)には、通信制御部28は、ホスト装置40から削除通知データ(図5(b)参照)を受信したか否かを判断する(A10)。削除通知データを受信していないと判断した場合(A10:NO)には、制御部21は、ステップA1の処理に戻る。
【0078】
一方、削除通知データを受信したと判断した場合(A10:YES)には、表示制御部29が、この削除通知データに含まれている印刷データID及び送信元印刷装置IDに基づいて、削除された印刷データと、この印刷データを削除した印刷装置60に関する表示データを作成して、表示部26に表示させ(A11)、ステップA1の処理に戻る。このようにすることで、ユーザは、印刷要求がなされる前に削除された印刷データ(印刷データID)、及びこの印刷データを削除した印刷装置60(印刷装置ID)についての情報を、端末装置20の表示部26で視認することができる。以上、端末装置20の制御フローについて説明した。
【0079】
(ホスト装置40の制御フロー)
次に、ホスト装置40の制御フローについて図11を参照しつつ説明する。まず、通信制御部46が、複数の端末装置20のうちのいずれかから印刷情報送信データ(図4(a)参照)を受信したか否かを判断する(B1)。通信制御部46が、印刷情報送信データを受信したと判断した場合(B1:YES)には、PDLデータ変換部45が、この印刷情報送信データに含まれている印刷データをPDLデータに変換する(B2)。次に、通信制御部46は、PDLデータ変換部45によりPDLデータに変換された印刷データを、この印刷データに係る印刷データID及び認証データと対応付けてPDLデータ記憶部49に記憶させる(B3)。次に、通信制御部46は、印刷情報送信データのヘッダ情報に、送信先印刷装置IDが含まれているか否かを判断し(B4)、送信先印刷装置IDが含まれていた場合(B4:YES)には、当該送信先印刷装置IDが示す印刷装置60に印刷認証データ(図4(e)参照)を送信し(B5)、ステップB7の処理に移る。一方、送信先印刷装置IDが含まれていない場合(B4:NO)には、通信制御部46は、既定印刷装置記憶部52に記憶されている既定送信先印刷装置IDが示す印刷装置60に印刷認証データを送信し(B6)、ステップB7の処理に移る。
【0080】
一方、ステップB1の処理において、印刷情報送信データを受信していないと判断した場合(B1:NO)には、通信制御部46は、複数の印刷装置60のうちの何れかから記録完了データ(図4(g)参照)を受信したか否かを判断する(B8)。記録完了データを受信したと判断した場合(B8:YES)には、通信制御部46は、記録完了データに含まれている印刷データIDが示す印刷データが、この記録完了データを送信してきた印刷装置60以外の他の印刷装置60において、現在記憶されているか否かを判断する(B9)。具体的には、通信制御部46は、印刷データ管理テーブル記憶部50に記憶されている印刷データ管理テーブルにおける、記録完了データに含まれている印刷データIDに係る印刷管理情報を参照し、記録印刷装置IDとして、記録完了データに含まれている送信元印刷装置ID以外のものがある場合には、記録完了データに含まれている印刷データIDが示す印刷データが、他の印刷装置60において現在記憶されていると判断する。
【0081】
通信制御部46が、記録完了データに含まれている印刷データIDが示す印刷データが、他の印刷装置60において現在記憶されていないと判断した場合(B9:NO)には、ステップB11の処理に移る。一方で、記録完了データに含まれている印刷データIDが示す印刷データが、他の印刷装置60において現在記憶されていると判断した場合(B9:YES)には、この他の印刷装置60に対して、上記の記録完了データに含まれている印刷データIDを含む削除指令データ(図5(a)参照)を送信(B10)する。こうすることにより、印刷データを受信した印刷装置60の何れかにおいて、この印刷データに係る画像の記録媒体への印刷が行われた場合には、この印刷データを受信した全ての印刷装置60において、この印刷データは印刷データ記憶部76から削除されるため、情報漏洩の危険性を低減することができる。このステップB10の処理が終了すると、ステップB11の処理に移る。
【0082】
ステップB11の処理においては、削除部47が、記録完了データに含まれている印刷データIDが示す印刷データと、この印刷データに係る印刷データID、及び認証データを、PDLデータ記憶部49から削除する。このステップB11の処理が終わると、ステップB7の処理に移る。
【0083】
一方、ステップB8の処理において、記録完了データを受信していないと判断した場合(B8:NO)には、通信制御部46は、複数の印刷装置60のうちの何れかから印刷データ送信要求データ(図4(f)参照)を受信したか否かを判断する(B12)。印刷データ送信要求データを受信したと判断した場合(B12:YES)には、通信制御部46は、当該印刷データ送信要求データに含まれている印刷データIDが示す印刷データを、PDLデータ記憶部49から抽出し、この抽出した印刷データを、当該印刷データ送信要求データに含まれている送信元印刷装置IDが示す印刷装置60に送信し(B13)、ステップB7の処理に移る。
【0084】
一方、ステップB12の処理において、印刷データ送信要求データを受信していないと判断した場合(B12:NO)には、通信制御部46は、複数の印刷装置60のいずれかから削除通知データ(図5(b)参照)を受信したか否かを判断する(B14)。削除通知データを受信したと判断した場合(B14:YES)には、当該削除通知に含まれている印刷データIDが示す印刷データの送信元である端末装置20に、この削除通知データを転送する(B15)。具体的には、通信制御部46は、印刷データ管理テーブル記憶部50に記憶されている印刷データ管理テーブルにおける、削除通知に含まれている印刷データIDに係る印刷管理情報を参照して、送信元端末装置IDが示す端末装置20に削除通知データを転送する。この処理が終了すると、ステップB7の処理に移る。
【0085】
一方、ステップB14の処理において、削除通知データを受信していないと判断した場合(B14:NO)には、通信制御部46は、複数の端末装置20のうちの何れかから、又は複数の印刷装置60のうちの何れかから印刷データ再送先データ(図4(d)参照)を受信したか否かを判断する(B16)。印刷データ再送先データを受信したと判断した場合(B16:YES)には、印刷データ再送先データに含まれている印刷データIDに係る印刷データ、及びこの印刷データに係る認証データを、PDLデータ記憶部49から抽出し、この抽出した印刷データ及び認証データを含む印刷認証データ(図4(e)参照)を、この印刷データ再送先データの再送先印刷装置IDが示す印刷装置60に送信する(B17)。なお、通信制御部46が、再送先印刷装置IDが示す印刷装置60に対して、印刷認証データを過去に送信しており、印刷装置60の登録認証データ記憶部77に認証データが記憶されている場合には、印刷認証データに認証データを含めていなくてもよい。
【0086】
ステップB7の処理においては、データテーブル管理部48が、印刷データ管理テーブル記憶部50に記憶されている印刷データ管理テーブルを更新する。具体的には、例えば、通信制御部46が印刷装置60に対して印刷データの送信(印刷認証データの送信等)を行った場合には、この印刷データ(印刷データID)に係る印刷管理情報において、送信先である印刷装置60の送信先印刷装置IDを、記録印刷装置の項に追加登録する。また、通信制御部46が印刷装置60から記録完了データを受信した場合には、この記録完了データに含まれている印刷データIDに係る印刷管理情報を、印刷データ管理テーブルから削除する。また、通信制御部46が印刷装置60から、削除通知データを受信した場合には、この削除通知データに含まれている印刷データIDに係る印刷管理情報において、送信元である印刷装置60の送信先印刷装置IDを、記録印刷装置の項から削除する。このステップB7の処理が終わると、ステップB1の処理に戻る。
【0087】
一方、ステップB16の処理において、印刷データ再送先データを受信していないと判断した場合(B16:NO)には、通信制御部46は、複数の端末装置20のうちの何れかから、又は複数の印刷装置60のうちの何れかから記憶状況送信要求データ(図4(b)参照)を受信したか否かを判断する(B18)。記憶状況送信要求データを受信したと判断した場合(B18:YES)には、印刷データ管理テーブル記憶部50に記憶されている、当該記憶状況送信要求データが示すユーザIDに係る印刷管理情報と、使用状況管理テーブル記憶部51に記憶されている使用状況管理テーブルとを含む記憶状況データ(図4(c)参照)を、当該記憶状況送信要求データに含まれている送信元端末装置IDが示す端末装置20、又は送信元印刷装置IDが示す印刷装置60に対して送信し(B19)、ステップB1の処理に戻る。
【0088】
一方、ステップB18の処理において、記憶状況送信要求データを受信していないと判断した場合(B18:NO)には、通信制御部46は、複数の印刷装置60のうちの何れかから、印刷装置60の使用をユーザが開始したことを表す使用通知データ(図5(c)参照)、又は印刷装置60の使用をユーザが終了したことを表す使用解除通知データ(図5(d)参照)を受信したか否かを判断する(B20)。通信制御部46は、使用通知データ、又は使用解除通知データを受信していないと判断した場合(B20:NO)には、ステップB1の処理に戻る。
【0089】
一方、通信制御部46が、使用通知データ、又は使用解除通知データを受信したと判断した場合(B20:YES)には、使用通知データ、又は使用解除通知データに含まれている送信元印刷装置IDに基づいて、データテーブル管理部48が、使用状況管理テーブル記憶部51に記憶されている使用状況管理テーブルを更新する(B21)。具体的には、使用通知データを受信した場合には、この使用通知データに含まれている送信元印刷装置IDを、空き状態印刷装置の項から使用状態印刷装置の項へと変更する。一方、使用解除通知データを受信した場合には、この使用解除通知データに含まれている送信元印刷装置IDを、使用状態印刷装置の項から空き状態印刷装置の項へと変更する。こうすることにより、ホスト装置40において各印刷装置60使用状況を管理することができる。ステップB21の処理が終了すると、ステップB1の処理に戻る。以上、ホスト装置40の制御フローについて説明した。
【0090】
(印刷装置60の制御フロー)
次に、印刷装置60の制御フローについて、図12及び図13を参照しつつ説明する。まず、制御部21は、入出力部65がユーザから操作入力を受け付けた否かを判断する(C1)。ユーザから操作入力を受け付けたと判断した場合(C1:YES)には、通信制御部46が、ホスト装置40に、この印刷装置60の識別情報である送信元印刷装置IDを含む使用通知データ(図5(c)参照)を送信する(C2)。次に、制御部21は、入出力部65がユーザから受け付けた操作入力がユーザ認証入力であるか否かを判断する(C3)。ユーザ認証入力であると判断した場合(C3:YES)には、このユーザ認証入力に係る認証データを入力認証データ記憶部75に記憶させ、ユーザ認証部68が登録認証データ記憶部77に記憶されている認証データと、入力認証データ記憶部75に記憶されている認証データとを比較することで、ユーザ認証を行う(C4)。具体的には、登録認証データ記憶部77に記憶されている認証データのうち、ユーザ認証入力を行ったユーザのユーザIDに対応付けられている認証データを抽出して、入力認証データ記憶部75に記憶されている認証データと一致するものがあるか否か検索し、一致するものがあれば認証に成功、一致するものがなければ認証に失敗とする。このようにすることで、印刷データの情報漏洩の危険性を低減することができる。
【0091】
次に、ユーザ認証部68による認証が失敗した場合(C5:NO)には、表示制御部29が認証エラーを表す表示データを入出力部65に表示させ(C6)、ステップC15の処理に移る。一方、ユーザ認証部68により認証された(認証に成功した)場合(C5:YES)には、表示制御部74は、登録認証データ記憶部77に記憶されている、このユーザ認証に用いられた認証データに対応付けられている印刷データID(印刷ジョブ)の一覧を入出力部65に表示させる(C7)。
【0092】
次に、制御部21は、入出力部65がユーザから印刷データ選択入力を受け付けたか否かを判断する(C8)。印刷データ選択入力を受け付けていないと判断した場合(C8:NO)には、ステップC8の処理に戻る。一方、印刷データ選択入力を受け付けたと判断した場合(C8:YES)には、記憶状況判断部69が、印刷データ選択入力が示す印刷データが印刷データ記憶部76に記憶されているか否かを判断する(C9)。印刷データが記憶されていると判断した場合(C9:YES)には、記憶状況判断部69は、印字開始指令を印字制御部70に出力して、ステップC13の処理に移る。
【0093】
一方、印刷データが記憶されていないと判断した場合(C9:NO)には、記憶状況判断部69は、印刷送信要求指令を通信制御部73に出力し、通信制御部73は、当該印刷送信要求指令が示す印刷データIDと、印刷装置60の識別情報である送信元印刷装置IDを含む印刷データ送信要求データ(図4(f)参照)をホスト装置40に送信し(C10)、ホスト装置40から印刷データを受信する(C11)。次に、通信制御部73は、受信した印刷データを、画像処理部67により駆動データに変換し、駆動データに変換された印刷データを印刷データ記憶部76に記憶させ、その後、記憶状況判断部69は、印字制御部70に印字開始指令を出力し(C12)、ステップC13の処理に移る。
【0094】
ステップC13の処理においては、印字制御部70は、記憶状況判断部69からの印字開始指令に基づいて印字部66を制御することにより、印刷データ記憶部76に記憶されている、この印字開始指令が示す印刷データに係る画像を記録媒体に記録する。次に、記録媒体への印刷データに係る画像の記録が完了後、通信制御部73は、この印刷データを示す印刷データIDと、印刷装置60自身の識別情報である送信元印刷装置IDを含む記録完了データ(図4(g)参照)をホスト装置40に送信し(C14)、ステップC15の処理に移る。
【0095】
一方、ステップC3の処理において、入出力部65がユーザから受け付けた操作入力がユーザ認証入力ではないと判断した場合(C3:NO)には、制御部61は、ユーザから受け付けた操作入力が記憶状況表示入力であるか否かを判断する(C16)。操作入力が記憶状況表示入力でないと判断した場合(C16:NO)には、制御部61は、受け付けた操作入力に応じた処理をし(C17)、ステップC15の処理に移る。
【0096】
一方、ステップC16の処理において、入出力部65がユーザから受け付けた操作入力が記憶状況表示入力であると判断した場合(C16:YES)には、通信制御部73は、記憶状況表示入力を行ったユーザのユーザIDを含む記憶状況送信要求データ(図4(b)参照)をホスト装置40に送信する(C18)。次に、通信制御部73がホスト装置40から記憶状況データ(図4(c)参照)を受信し、この受信した記憶状況データに基づいて、表示制御部74が表示データを生成して、入出力部65に表示させる(C19)。次に、制御部61は、入出力部65がユーザから印刷データ再送先入力を受け付けたか否かを判断する(C20)。制御部61が、印刷データ再送先入力を受け付けていないと判断した場合(C20:NO)には、ステップC15の処理に移る。一方、印刷データ再送先入力を受け付けたと判断した場合(C20:YES)には、通信制御部28が、当該印刷データ再送先入力に基づいて、印刷データの送信先の印刷装置60を示す送信先印刷装置IDと、ホスト装置40からこの送信先の印刷装置60に対して送信させる印刷データを示す印刷データIDを含む印刷データ再送先データ(図4(d)参照)をホスト装置40に送信し(C21)、ステップC15の処理に移る。
【0097】
ステップC15の処理においては、通信制御部28が、印刷装置60自身の識別情報である送信元印刷装置IDを含む使用解除通知データ(図5(d)参照)をホスト装置40に送信する。このステップC15の処理が終わると、ステップC1の処理に戻る。
【0098】
一方、ステップC1の処理において、制御部61がユーザから操作入力を受け付けていないと判断した場合(C1:NO)には、通信制御部73が、ホスト装置40から印刷認証データ(図4(e)参照)を受信したか否かを判断する(C22)。印刷認証データを受信したと判断した場合(C22:YES)には、判断部71が、印刷データ記憶部76の記憶容量の残量が所定量以下であるか否かを判断する(C23)。判断部71が所定量以下ではないと判断した場合(C23:NO)には、ステップC26の処理に移る。
【0099】
一方、判断部71が所定量以下であると判断した場合(C23:YES)には、削除部72が、印刷データ記憶部76に記憶されている印刷データのうち、最先に記憶された印刷データを削除し(C24)、通信制御部73が、この削除した印刷データを示す印刷データID、及び印刷装置60自身の識別情報である送信元印刷装置IDを含む削除通知データ(図5(b)参照)をホスト装置40に送信し(C25)、ステップC26の処理に移る。
【0100】
ステップC26の処理では、通信制御部73は、受信した印刷認証データに含まれている印刷データを、画像処理部67により駆動データに変換し、この駆動データに変換された印刷データを、この印刷データの印刷データIDと対応付けて印刷データ記憶部76に記憶させる。次に、通信制御部73は、受信した印刷認証データに含まれている認証データを、ユーザID及び印刷データIDと対応付けて登録認証データ記憶部77に記憶させて(C27)、ステップC1の処理に戻る。ここで、登録認証データ記憶部77に記憶されている認証データは、ユーザIDと印刷データIDが含まれている。
【0101】
一方、ステップC22の処理において、ホスト装置40から印刷認証データを受信していないと判断した場合(C22:NO)には、通信制御部73は、ホスト装置40から削除指令データ(図5(a)参照)を受信したか否かを判断する(C28)。削除指令データを受信したと判断した場合(C28:YES)には、削除部72が、削除指令データに含まれている印刷データIDが示す印刷データを印刷データ記憶部76から削除し、且つこの印刷データIDに対応付けられた認証データを登録認証データ記憶部77から削除し(C29)、ステップC1の処理に戻る。
【0102】
一方、ステップC28の処理において、削除指令データを受信していないと判断した場合(C28:NO)には、判断部71が、印刷データ記憶部76に記憶されている印刷データのうち、所定時間以上経過した印刷データがあるか否かを判断する(C30)。所定時間以上経過した印刷データがないと判断した場合(C30:NO)には、ステップC1の処理に戻る。一方、所定時間以上経過した印刷データがあると判断した場合(C28:YES)には、削除部72が当該印刷データを印刷データ記憶部76から削除し(C29)、通信制御部73が、この削除した印刷データを示す印刷データID、及び印刷装置60自身の識別情報である送信元印刷装置IDを含む削除通知データ(図5(b)参照)をホスト装置40に送信し(C31)、ステップC1の処理に戻る。以上、印刷装置60の制御フローについて説明した。
【0103】
以上、本実施形態によると、印刷装置60の印刷データ記憶部76に印刷データが記憶されているため、端末装置20で認証を行った後に印刷データを印刷装置60に送信する従来の記録システム1と比べて、ユーザが印刷装置60において認証データを入力してから印刷データに係る画像の記録媒体へ印刷が行われるまでの処理時間を短くすることができる。また、印刷データは、ホスト装置40のPDLデータ記憶部49と、印刷装置の印刷データ記憶部76の双方に記憶されているため、印刷データ記憶部76の記憶容量が不足した場合において、印刷装置は、印刷データを印刷データ記憶部76から削除するだけでよく、印刷データをホスト装置40等に退避させるための通信処理を行う必要はないため、印刷装置60とホスト装置40との通信処理を簡素化することができる。
【0104】
また、印刷データは複数の印刷装置60に送信することができるので、この印刷データが送信された印刷装置60の中から、ユーザは印刷を行う印刷装置60を都合に合わせて選択することができる。
【0105】
なお、上記の実施形態においては、ユーザ認証は印刷装置60のユーザ認証部68で行われているが、ホスト装置40でユーザ認証を行ってもよい。この場合、印刷装置60においてユーザよりユーザ認証入力された認証データをホスト装置40に送信し、ホスト装置40が有するユーザ認証部によりこの認証データと、ホスト装置40のPDLデータ記憶部49に記憶されている認証データとを比較することでユーザ認証を行い、そのユーザ認証結果が印刷装置60に送信されるようにされていればよい。このようにすることで、印刷装置60にユーザ認証部68を設ける必要がなくなるため印刷装置60の構成が簡易なものとなる。また、同様に、端末装置20でユーザ認証を行うようにされていてもよい。
【0106】
また、上記の実施形態においては、印刷データ毎に、認証データが対応付けられている(登録されている)が、ユーザ毎に認証データが対応付けられていてもよい。具体的には、印刷装置60やホスト装置40等にユーザ毎に付与された認証データが予め登録されており、この認証データと、印刷装置60において、ユーザ認証入力された認証データとを比較することにより、ユーザ認証を行うようにされていてもよい。即ち、記録システム1に予め登録されている、ユーザ毎に付与された認証データと、印刷装置60においてユーザ認証入力される認証データとを比較することで、ユーザ認証を行うようにされていてもよい。
【0107】
また、上記の実施形態の変形例として、判断部71が印刷データを削除すると判断した際には、この印刷データに係る認証データも登録認証データ記憶部77から削除されるようにされていてもよい。この場合、ホスト装置40が印刷装置60から印刷データ送信要求データを受信した際に、この印刷データ送信要求データが示す印刷データと共に認証データも印刷装置60に送信されるようにされていればよい。こうすることにより、印刷装置60の登録認証データ記憶部77において認証データが長期に亘り記憶されることがなくなるため、認証データの漏洩の危険性を低減することができる。
【0108】
また、上記の実施形態においては、ユーザ認証後に、印刷データID(印刷ジョブ)の一覧を表示部26に表示させ、ユーザがこの一覧の中から印刷データIDを選択することで、この選択された印刷データIDが示す印刷データに係る画像の記録媒体への記録が開始される態様にされているが、ユーザ認証前に、登録認証データ記憶部77に記憶されている、操作入力を行っているユーザのユーザIDに対応付けられている印刷データIDの一覧を表示部26に表示させ、ユーザが印刷データIDを選択する際に、この選択した印刷データIDに係る認証データのユーザ認証入力を受け付けて、この受け付けた認証データと、登録認証データ記憶部77に記憶されている、印刷データIDに対応付けられている認証データとを比較するユーザ認証を行い、認証データが一致した場合に、この印刷データIDが示す印刷データに係る画像の記録媒体への記録が開始される態様にされていてもよい。なお、この場合、制御部61の、入力部25からのユーザ認証入力の受け付け処理が印刷要求にあたる。
【0109】
またさらには、ユーザ認証を複数回行うようにされていてもよい。具体的には、例えば、一回目のユーザ認証においては、ユーザが所有するIDカードに格納されている認証データ等のユーザ自身を認証するための認証データと、印刷装置60等の記録システム1に予め記憶されている、認証データとが一致するか否かを判断することにより、正当なユーザであるか否かを判断する。この一回目のユーザ認証の認証後に、このユーザのユーザIDに対応付けられた印刷データIDの一覧を入出力部65に表示し、ユーザに印刷データを選択させる。そして、選択された印刷データに関して、ユーザがパスワード入力を行い、このパスワード入力による認証データと、この印刷データに予め登録されている認証データとが一致するか否かを判断し、一致した場合にのみ、この選択された印刷ジョブの印刷データ係る画像の記録媒体への記録が開始されるようにされていてもよい。このように複数回のユーザ認証を行うことで、情報漏洩の可能性をさらに低減させることが可能である。
【0110】
また、上記の実施形態においては、端末装置20からホスト装置40に送信される印刷データはアプリケーションデータであるが、端末装置20においてアプリケーションデータである印刷データをPDLデータに変換し、このPDLデータをホスト装置40に送信するようにされていてもよい。この場合、端末装置20からホスト装置40へ印刷データを送信する際の通信時間を短くすることができる。
【0111】
また、上記の実施形態においては、記録システム1は、端末装置20、ホスト装置40、及び印刷装置60から構成されているが、記録システム1が端末装置20、及びこの端末装置20に通信可能に接続された印刷装置60から構成されていてもよい。この場合、端末装置20が上記の実施形態において説明した端末装置20の機能に加えて、ホスト装置40の機能も含めた構成となる。具体的には、端末装置20における通信制御部28は、ユーザからの印刷情報送信入力に基づいて、画像データ記憶部31(端末装置側記憶手段)に記憶されている印刷データ、及び認証データ記憶部30に記憶されている認証データを印刷装置60に送信し、且つ、印刷装置60から、印刷要求に係る印刷データの送信を要求する印刷データ送信要求データを受信した場合には、画像データ記憶部31に記憶されている、印刷データ送信要求データが示す印刷データを印刷装置60に送信する。印刷装置60の通信制御部73は、記憶状況判断部69より印刷送信要求指令を受け付けた場合には、この印刷送信要求指令が示す印刷データIDと、印刷装置60の送信元識別情報(送信元印刷装置ID)とを含む印刷データ送信要求データ(図4(f)参照)を印刷装置60に送信する。このようにすることで、印刷装置60の印刷データ記憶部76に印刷データが記憶されているため、端末装置20で認証を行った後に印刷データを印刷装置60に送信する従来の記録システム1と比べて、ユーザが印刷装置60において認証データを入力してから印刷データに係る画像の記録媒体へ印刷が行われるまでの処理時間を短くすることができる。また、印刷データは、端末装置20の画像データ記憶部31と、印刷装置の印刷データ記憶部76の双方に記憶されているため、印刷データ記憶部76の記憶容量が不足した場合において、印刷装置は、印刷データを印刷データ記憶部76から削除するだけでよく、印刷データを端末装置20等に退避させるための通信処理を行う必要はないため、印刷装置60と端末装置20との通信処理を簡素化することができる。
【0112】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述の実施の形態では、印刷装置60が、印刷データ記憶部に記憶されている印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断部手段(判断部71)を有しているが、印刷装置60ではなく、ホスト装置40や端末装置20が有していてもよい。
【0113】
また、上述の実施形態では、画像処理部67は、ホスト装置40から受信した印刷データ(PDLデータ)を、ユーザ認証前に印刷装置60の駆動データに変換する形態であるが、ユーザ認証後に駆動データに変換するようにしてもよい。即ち、ホスト装置40から受信した印刷データ(PDLデータ)を、駆動データに変換せずに、ストレージ64の印刷データ記憶部76に記憶しておき、ユーザ認証後に、画像処理部67が印刷データ記憶部76に記憶されている印刷データを駆動データに変換するようにしてもよい。
【0114】
また、上述の実施形態では、端末装置20の制御フローのプログラムはROM22に、ホスト装置40の制御フローのプログラムはROM42に、及印刷装置60の制御フローはROM62にそれぞれ記憶されていた、一つの装置のRO0Mにまとめて記憶されていてもよい。具体的には、例えばホスト装置40のROM42に、端末装置20、ホスト装置、及び印刷装置60を含む記録システム1を動作させる制御フローのプログラムが記憶されており、ホスト装置40がこの制御フローに基づいて、端末装置20及びホスト装置40をリモート制御するようにされていてもよい。
【符号の説明】
【0115】
1 記録システム
20 端末装置
28 通信制御部(端末装置側送信手段)
40 ホスト装置
46 通信制御部(ホスト装置側送受信手段)
47 削除部(ホスト装置側削除手段)
49 PDLデータ記憶部(ホスト装置側記憶手段)
60 印刷装置
71 判断部(判断手段)
72 削除部(印刷装置側削除手段)
73 通信制御部(印刷装置側受信手段)
76 印刷データ記憶部(印刷装置側記憶手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証機能を有する記録システム、ホスト装置、印刷装置、及び制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の端末装置(例えば、パーソナルコンピュータ)が印刷装置を共有して使用する記録システムにおいては、印刷装置により印刷された印刷物が他者に閲覧される可能性が高く、情報漏洩の危険性が高い。近年、この情報漏洩の危険性を低減する技術が種々提案されてきており、例えば下記特許文献1に記載された技術がある。
【0003】
特許文献1に記載された技術では、指紋情報等の認証データを端末装置(パーソナルコンピュータ)に予め登録しておく。また、印刷時に印刷装置においてユーザにより入力された認証データを端末装置へ送信する。そして、端末装置において、これらの認証データを比較する認証を行い、認証データが一致した場合に、端末装置のメモリに格納されている印刷データを印刷装置に送信し、印刷装置にてこの印刷データに係る画像の印刷を行っている。このようにすることにより、特許文献1に記載された技術では、印刷物が他者に閲覧される可能性を低くし、情報漏洩の危険性を低減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−203999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された技術では、端末装置において認証を行った後、印刷データを印刷装置に送信しているため、ユーザが印刷装置において認証データを入力してから印刷データに係る画像が印刷されるまでの処理時間が長く、ユーザは印刷装置の前において長時間待機する必要があった。逆に、端末装置において認証を行う前に、印刷データを印刷装置に送信する場合、端末装置の印刷データ記憶領域の空きが少なくなると、印刷データを他の記憶装置などに転送等する必要があり、印刷データの通信などの管理が煩雑となる。
【0006】
そこで、本発明は上記問題に鑑みてされたものであり、認証機能を有する記録システムにおいて、ユーザが印刷装置において認証データを入力してから印刷データに係る画像の記録媒体へ印刷が行われるまでの処理時間を短くすることができ、印刷データの管理を簡易とする、記録システム、ホスト装置、印刷装置、及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の記録システムは、記録媒体に画像を印刷するための印刷データを作成する複数の端末装置と、前記印刷データを記憶可能な印刷装置側記憶手段を有する印刷装置と、前記複数の端末装置及び前記印刷装置と通信可能に接続され、前記印刷データを記憶可能なホスト装置側記憶手段を有するホスト装置とを有し、前記印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を前記印刷装置において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に前記印刷装置が前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷する記録システムであって、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断手段をさらに有し、前記複数の端末装置それぞれは、前記印刷データを前記ホスト装置に送信する端末装置側送信手段を有しており、前記ホスト装置は、前記複数の端末装置から前記印刷データを受信して、受信した前記印刷データを前記ホスト装置側記憶手段に記憶させ、受信した前記印刷データを前記ユーザ認証前に前記印刷装置に送信し、且つ、前記印刷装置から、前記印刷要求に係る印刷データの送信を要求する印刷データ送信要求データを受信した場合には、前記ホスト装置側記憶手段に記憶されている、当該印刷データ送信要求データが示す前記印刷データを前記印刷装置に送信するホスト装置側送受信手段を有しており、前記印刷装置は、前記ホスト装置から前記印刷データを受信して、受信した前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段に記憶させる印刷装置側受信手段と、前記判断手段により削除すると判断された前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除する印刷装置側削除手段とを有し、前記認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際に、当該印刷要求に係る前記印刷データが、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている場合には、この印刷装置側記憶手段に記憶されている当該印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷し、前記印刷装置側削除手段により削除されて、前記印刷装置側記憶手段に記憶されていない場合には、当該印刷要求に係る前記印刷データを示す前記印刷データ送信要求データを前記ホスト装置に送信して、この印刷要求に係る前記印刷データを前記ホスト装置から取得し、この取得した前記印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の記録システムの制御プログラムは、記録媒体に画像を印刷するための印刷データを作成する複数の端末装置と、前記印刷データを記憶可能な印刷装置側記憶手段を有する印刷装置と、前記複数の端末装置及び前記印刷装置と通信可能に接続され、前記印刷データを記憶可能なホスト装置側記憶手段を有するホスト装置とを有し、前記印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を前記印刷装置において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に前記印刷装置が前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷する記録システムの制御プログラムであって、前記複数の端末装置、前記印刷装置、又は前記ホスト装置に前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断処理を実行させ、前記複数の端末装置それぞれに、前記印刷データを前記ホスト装置に送信する端末装置側送信処理を実行させ、前記ホスト装置に、前記複数の端末装置から前記印刷データを受信して、受信した前記印刷データを前記ホスト装置側記憶手段に記憶させ、受信した前記印刷データを前記印刷装置に送信し、且つ前記印刷装置から印刷データ送信要求データを受信した場合には、前記ホスト装置側記憶手段に記憶されている、当該印刷データ送信要求データが示す前記印刷データを前記印刷装置に送信するホスト装置側送受信処理を実行させ、前記印刷装置に、前記ホスト装置から前記印刷データを受信して、受信した前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段に記憶させる印刷装置側受信処理と、前記判断処理により削除すると判断された前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除する印刷装置側削除処理と、前記認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際に、当該印刷要求に係る前記印刷データが、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている場合には、この印刷装置側記憶手段に記憶されている当該印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷させ、前記印刷装置側削除手段により削除されて、前記印刷装置側記憶手段に記憶されていない場合には、当該印刷要求に係る前記印刷データを示す前記印刷データ送信要求データを前記ホスト装置に送信して、この印刷要求に係る前記印刷データを前記ホスト装置から取得し、この取得した前記印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷する印刷処理とを実行させることを特徴とする。
【0009】
上記の記録システム及び記録システムの制御プログラムの構成によれば、印刷装置の印刷装置側記憶手段に印刷データが記憶されているため、端末装置で認証を行った後に印刷データを印刷装置に送信する従来の記録システムと比べて、ユーザが印刷装置において認証データを入力してから印刷データに係る画像の記録媒体へ印刷が行われるまでの処理時間を短くすることができる。また、印刷データは、ホスト装置のホスト装置側記憶手段と、印刷装置の印刷装置側記憶手段の双方に記憶されているため、印刷装置側記憶手段の記憶容量が不足した場合において、印刷装置は、印刷データを印刷装置側記憶手段から削除するだけでよく、印刷データをホスト装置等に退避させるための通信処理を行う必要はないため、印刷装置とホスト装置との通信処理を簡素化することができる。
【0010】
また、本発明の記録システムにおいて、前記判断手段は、前記印刷データが前記印刷装置側記憶手段に記憶されてから所定の時間内に、当該印刷データに係る印刷要求がなされなかった場合に、当該印刷データを削除すると判断してもよい。上記の記録システムの構成によれば、印刷装置からの印刷データの漏洩を防止しつつ、印刷装置側記憶手段を効率よく使用することができる。
【0011】
また、本発明の記録システムにおいて、前記判断手段は、前記印刷装置側記憶手段の記憶容量の残量が所定量以下になった場合に、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データのうちのいずれかの印刷データを削除すると判断してもよい。上記の記録システムの構成によれば、印刷装置側記憶手段の記憶容量の残量が少なくなっても、ホスト装置から受信した最新の印刷データに係る印刷要求を実行することができる。
【0012】
また、本発明の記録システムにおいて、前記ホスト装置側記憶手段に記憶される前記印刷データはPDLデータであり、前記印刷装置側記憶手段に記憶される前記印刷データは前記PDLデータを展開して処理された前記印刷装置の駆動データであってもよい。上記の記録システムの構成によれば、ホスト装置から印刷装置に印刷データが送信される際は、容量が小さいPDLデータであるため、通信時間を短くすることができる。また印刷装置の印刷装置側記憶手段に記憶されている印刷データは、PDLデータが展開して処理された印刷装置の駆動データであるため、印刷要求後に記録媒体に迅速に画像を印刷することができる。
【0013】
また、本発明の記録システムにおいて、前記ホスト装置は、前記ホスト装置側記憶手段に記憶された前記印刷データを削除するホスト装置側削除手段を更に有し、前記印刷装置側削除手段及び前記ホスト装置側削除手段は、前記印刷装置による前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷した後に、当該印刷データを前記印刷装置側記憶手段及び前記ホスト装置側記憶手段から削除してもよい。上記の記録システムの構成によれば、記録媒体への印刷に係る印刷データは、印刷完了後に、印刷装置側記憶手段及びホスト装置側記憶手段から削除されるため、情報漏洩の危険性を低減することができると共に、印刷装置側記憶手段及びホスト装置側記憶手段の記憶容量を確保することができる。
【0014】
また、本発明の記録システムにおいて、前記複数の端末装置又は前記印刷装置からの指示に基づいて、前記ホスト装置側送受信手段は、前記ホスト装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを前記印刷装置に送信し、前記印刷装置側記憶手段がこの印刷データを記憶してもよい。上記の記録システムの構成によれば、印刷装置側記憶手段から削除された印刷データを、再びこの印刷側記憶手段に記憶することができると共に、ホスト装置から印刷データを受信していない印刷装置においては、必要に応じて印刷データをホスト装置から取得することができる。
【0015】
また、本発明の記録システムにおいて、前記ユーザ認証は、ユーザが所有するIDカードに格納されている認証データ又はユーザによるパスワード入力に基づく認証データと、前記記録システム又は前記印刷データに予め登録されている認証データとを比較することにより行われてもよい。上記の記録システムの構成によれば、情報漏洩の危険性を低減することができる。
【0016】
また、本発明の記録システムにおいて、前記ホスト装置に接続された複数の前記印刷装置が設けられ、前記ホスト装置側送受信手段は、前記印刷データを少なくとも2台の前記印刷装置に送信するものであり、前記印刷データを受信した前記印刷装置の何れかにおいて、この印刷データの前記記録媒体への印刷が行われた場合には、この印刷データを受信した全ての前記印刷装置において、前記印刷装置側削除手段が、この印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除してもよい。上記の記録システムの構成によれば、印刷データは少なくとも2台の印刷装置に送信されるので、この印刷データが送信された印刷装置の中から、ユーザは印刷を行う印刷装置を都合に合わせて選択することができる。また、印刷データを受信した印刷装置の何れかにおいて、この印刷データに係る画像の記録媒体への印刷が行われた場合には、この印刷データを受信した全ての印刷装置において、この印刷データは印刷装置側記憶手段から削除されるため、情報漏洩の危険性を低減することができる。
【0017】
また、本発明のホスト装置は、記録媒体に画像を印刷するための印刷データを作成する複数の端末装置と、前記印刷データを記憶可能な印刷装置側記憶手段を有する印刷装置と、前記複数の端末装置及び前記印刷装置と通信可能に接続され、前記印刷データを記憶可能なホスト装置側記憶手段を有するホスト装置と、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により削除すると判断された前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除する印刷装置側削除手段とを有し、前記印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を前記印刷装置において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に前記印刷装置が前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷する記録システムのホスト装置であって、前記複数の端末装置から前記印刷データを受信して、受信した前記印刷データを前記ホスト装置側記憶手段に記憶させ、受信した前記印刷データを前記ユーザ認証前に前記印刷装置に送信するホスト装置側送受信手段と
を有し、前記ホスト装置側送受信手段は、前記認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際において当該印刷要求に係る前記印刷データが、前記印刷装置側削除手段により削除されて前記印刷装置側記憶手段に記憶されていない場合に前記印刷装置から送信される、当該印刷要求に係る前記印刷データを示す前記印刷データ送信要求データを受信した場合に、前記ホスト装置側記憶手段に記憶されている、当該印刷データ送信要求データが示す当該印刷要求に係る前記印刷データを、前記印刷装置に送信することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の印刷装置の制御プログラムは、記録媒体に画像を印刷するための印刷データを作成する複数の端末装置と、前記印刷データを記憶可能な印刷装置側記憶手段を有する印刷装置と、前記複数の端末装置及び前記印刷装置と通信可能に接続され、前記印刷データを記憶可能なホスト装置側記憶手段を有するホスト装置と、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により削除すると判断された前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除する印刷装置側削除手段とを有し、前記印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を前記印刷装置において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に前記印刷装置が前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷する記録システムのホスト装置の制御プログラムであって、前記複数の端末装置から前記印刷データを受信した前記印刷データを前記ホスト装置側記憶手段に記憶させ、受信した前記印刷データを前記ユーザ認証前に前記印刷装置に送信するホスト装置側送受信処理と前記認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際において当該印刷要求に係る前記印刷データが、前記印刷装置側削除手段により削除されて前記印刷装置側記憶手段に記憶されていない場合に前記印刷装置から送信される、当該印刷要求に係る前記印刷データを示す前記印刷データ送信要求データを受信した場合に、前記ホスト装置側記憶手段に記憶されている、当該印刷データ送信要求データが示す当該印刷要求に係る前記印刷データを、前記印刷装置に送信する要求印刷データ送信処理とを前記ホスト装置に実行させることを特徴とする。
【0019】
上記のホスト装置及びホスト装置の制御プログラムの構成によれば、ホスト装置は、印刷データをユーザ認証前に印刷装置に送信しているため、端末装置で認証を行った後に印刷データを印刷装置に送信する従来の記録システムと比べて、ユーザが印刷装置において認証データを入力してから印刷データに係る画像の記録媒体へ印刷が行われるまでの処理時間を短くすることができる。また、印刷データは、ホスト装置のホスト装置側記憶手段と、印刷装置の印刷装置側記憶手段の双方に記憶されているため、印刷装置側記憶手段の記憶容量が不足した場合等において、印刷装置は、印刷データを印刷装置側記憶手段から削除するだけでよく、印刷データをホスト装置等に退避させるための通信処理を行う必要はないため、印刷装置とホスト装置との通信処理を簡素化することができる。
【0020】
また、本発明の印刷装置は、記録媒体に画像を印刷するための印刷データを作成する複数の端末装置と、前記印刷データを記憶可能な印刷装置側記憶手段を有する印刷装置と、前記複数の端末装置及び前記印刷装置と通信可能に接続され、前記複数の端末装置から受信した前記印刷データが記憶されるホスト装置側記憶手段を有するホスト装置と、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断手段とを有し、前記印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を前記印刷装置において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に前記印刷装置が前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷する記録システムの印刷装置であって、前記ホスト装置から前記印刷データを前記ユーザ認証前に受信して、受信した前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段に記憶させる印刷装置側受信手段と、前記判断手段により削除すると判断された前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除する印刷装置側削除手段とを有し、前記認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際に、当該印刷要求に係る前記印刷データが、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている場合には、この印刷装置側記憶手段に記憶されている当該印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷し、前記印刷装置側削除手段により削除されて、前記印刷装置側記憶手段に記憶されていない場合には、当該印刷要求に係る前記印刷データを示す前記印刷データ送信要求データを送信して、この印刷要求に係る前記印刷データを前記ホスト装置から取得し、この取得した前記印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷することを特徴とする。
【0021】
また、本発明の印刷装置の制御プログラムは、記録媒体に画像を印刷するための印刷データを作成する複数の端末装置と、前記印刷データを記憶可能な印刷装置側記憶手段を有する印刷装置と、前記複数の端末装置及び前記印刷装置と通信可能に接続され、前記複数の端末装置から受信した前記印刷データが記憶されるホスト装置側記憶手段を有するホスト装置と、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断手段とを有し、前記印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を前記印刷装置において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に前記印刷装置が前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷する記録システムの印刷装置の制御プログラムであって、前記ホスト装置から前記印刷データを前記ユーザ認証前に受信して、受信した前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段に記憶させる印刷装置側受信処理と、前記判断手段により削除すると判断された前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除する印刷装置側削除処理と
前記認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際に、当該印刷要求に係る前記印刷データが、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている場合には、この印刷装置側記憶手段に記憶されている当該印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷し、前記印刷装置側削除手段により削除されて、前記印刷装置側記憶手段に記憶されていない場合には、当該印刷要求に係る前記印刷データを示す前記印刷データ送信要求データを送信して、この印刷要求に係る前記印刷データを前記ホスト装置から取得し、この取得した前記印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷する印刷処理とを前記印刷装置に実行させることを特徴とする。
【0022】
上記の印刷装置及び印刷装置の制御プログラムの構成によれば、印刷装置は、印刷データをユーザ認証前にホスト装置から受信して記憶しているため、端末装置で認証を行った後に印刷データを印刷装置に送信する従来の記録システムと比べて、ユーザが印刷装置において認証データを入力してから印刷データに係る画像の記録媒体へ印刷が行われるまでの処理時間を短くすることができる。また、印刷データは、ホスト装置のホスト装置側記憶手段と、印刷装置の印刷装置側記憶手段の双方に記憶されているため、印刷装置側記憶手段の記憶容量が不足した場合等において、印刷装置は、印刷データを印刷装置側記憶手段から削除するだけでよく、印刷データをホスト装置等に退避させるための通信処理を行う必要はないため、印刷装置とホスト装置との通信処理を簡素化することができる。
【0023】
また、本発明の記録システムは、記録媒体に画像を印刷するための印刷データを作成する複数の端末装置と、前記端末装置と通信可能に接続され、前記印刷データを記憶可能な印刷装置側記憶手段を有する印刷装置とを有し、前記印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を前記印刷装置において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に前記印刷装置が前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷する記録システムであって、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断手段をさらに有し、前記複数の端末装置それぞれは、前記印刷データを記憶可能な端末装置側記憶手段と、前記印刷データを前記印刷装置に送信し、且つ、前記印刷装置から、前記印刷要求に係る印刷データの送信を要求する印刷データ送信要求データを受信した場合には、前記端末装置側記憶手段に記憶されている、当該印刷データ送信要求データが示す前記印刷データを前記印刷装置に送信する端末装置側送信手段を有しており、前記印刷装置は、前記端末装置から前記印刷データを受信して、受信した前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段に記憶させる印刷装置側受信手段と、前記判断手段により削除すると判断された前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除する印刷装置側削除手段とを有し、前記認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際に、当該印刷要求に係る前記印刷データが、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている場合には、この印刷装置側記憶手段に記憶されている当該印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷し、前記印刷装置側削除手段により削除されて、前記印刷装置側記憶手段に記憶されていない場合には、当該印刷要求に係る前記印刷データを示す前記印刷データ送信要求データを前記端末装置に送信して、この印刷要求に係る前記印刷データを前記端末装置から取得し、この取得した前記印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷することを特徴とする。
【0024】
上記の記録システムの構成によれば、印刷装置の印刷装置側記憶手段に印刷データが記憶されているため、端末装置で認証を行った後に印刷データを印刷装置に送信する従来の記録システムと比べて、ユーザが印刷装置において認証データを入力してから印刷データに係る画像の記録媒体へ印刷が行われるまでの処理時間を短くすることができる。また、印刷データは、端末装置の端末側記憶手段と、印刷装置の印刷装置側記憶手段の双方に記憶されているため、印刷装置側記憶手段の記憶容量が不足した場合において、印刷装置は、印刷データを印刷装置側記憶手段から削除するだけでよく、印刷データを端末装置等に退避させるための通信処理を行う必要はないため、印刷装置と端末装置との通信処理を簡素化することができる。
【発明の効果】
【0025】
認証機能を有する記録システムにおいて、ユーザが印刷装置において認証データを入力してから印刷データに係る画像の記録媒体へ印刷が行われるまでの処理時間を短くすることができ、印刷データの管理を簡易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態に係る記録システムの構成図である。
【図2】図1に示す端末装置の機能ブロック図である。
【図3】端末装置の表示部に表示される記憶状況データの一例を示す図である。
【図4】端末装置、ホスト装置、及び印刷装置との間で通信されるデータのデータ構造を表す図であり、(a)は印刷情報送信データのデータ構造、(b)は記憶状況送信要求データのデータ構造、(c)は記憶状況データのデータ構造、(d)は印刷データ再送先データのデータ構造、(e)は印刷認証データのデータ構造、(f)は印刷データ送信要求データのデータ構造、(g)は記録完了データのデータ構造をそれぞれ表している。
【図5】端末装置、ホスト装置、及び印刷装置との間で通信されるデータのデータ構造を表す図であり、(a)は削除指令データのデータ構造、(b)は削除通知データのデータ構造、(c)は使用通知データのデータ構造、(d)は使用解除通知データのデータ構造をそれぞれ表している。
【図6】図1に示すホスト装置の機能ブロック図である。
【図7】図6に示すストレージに記憶されている印刷データ管理テーブルを表す図である。
【図8】図6に示すストレージに記憶されている使用状況管理テーブルを表す図である。
【図9】図1に示す印刷装置の機能ブロック図である。
【図10】図1に示す端末装置の制御フロー図である。
【図11】図1に示すホスト装置の制御フロー図である。
【図12】図1に示す印刷装置の制御フロー図である。
【図13】図1に示す印刷装置の制御フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0028】
(記録システム1の構成)
図1に示すように、記録システム1は、複数の端末装置20と、この複数の端末装置20とネットワーク(WAN又はLAN)2を介して通信可能に接続されたホスト装置40と、ホスト装置40とLAN3を介して通信可能に接続された複数の印刷装置60とから主に構成されている。
【0029】
端末装置20は、PC、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistants)等であり、ユーザの操作入力に基づいて、アプリケーションソフトにより印刷データを作成し、この印刷データをホスト装置40に送信(アップロード)する装置である。ホスト装置40は、端末装置20から受信した印刷データ等を管理し、且つ、印刷データを所定の印刷装置60に送信する装置である。印刷装置60は、ホスト装置40から受信した印刷データに係る画像を記録媒体(例えば、用紙)に記録する装置である。
【0030】
また、記録システム1は、ユーザ認証機能を有する記録システムである。本実施形態においては、記録システム1は、印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を印刷装置60において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に印刷装置60が印刷データに係る画像を記録媒体に記録する。
【0031】
(端末装置20)
次に、端末装置20の構成について説明する。なお、以下では、説明の便宜上、端末装置20をPCに適用して説明するが、本発明はこれに限定する趣旨ではない。
【0032】
端末装置20は、図2に示すように、制御部21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、HDD(Hard disk drive)24、入力部25、及び表示部26を有している。制御部21は、端末装置20全体を統括制御するCPU(Central Processing Unit)である。ROM22には、制御部21が実行する制御プログラム(図10の制御フローのプログラムを含む)等が予め記録されている。RAM23は、認証データ記憶部30を有している。この認証データ記憶部30には、後述の印刷情報送信入力の際に、ユーザから入力される認証データが、この入力を行ったユーザを示す識別情報(以下、ユーザIDとも称す)と対応付けられて一時的に記憶される。なお、認証データの入力方法については、特に限定されるものではなく、例えば、パスワード入力や、ユーザが所有するIDカード等の物理デバイスを用いた入力等が挙げられる。HDD24は、後述する画像データ作成部27により作成された印刷データが一時的に記憶される画像データ記憶部31を有している。また、HDD24には、印刷すべき印刷データを作成するためのアプリケーションソフト等が記憶されている。
【0033】
入力部25は、キーボード、マウス、IDカード等の物理デバイスに格納された認証データを読み取るリーダ等からなり、ユーザから、印刷情報送信入力、記憶状況表示入力、印刷データ再送先入力等の各種の操作入力を受け付けて、受け付けた操作入力を制御部21に対して出力する。
【0034】
ここで、印刷情報送信入力とは、端末装置20において作成されて、画像データ記憶部31に記憶されている印刷データをホスト装置40及び印刷装置60に送信させるために、ユーザが入力する操作入力である。また、記憶状況表示入力とは、図3に示すように、ユーザにより印刷情報送信入力が行われて、ホスト装置40及び印刷装置60に送信された印刷データのうち、印刷要求が未だされていない印刷データに関する、この印刷データが現在記憶されている印刷装置60の情報(以下、印刷管理情報とも称す)や、印刷装置60における後述の入出力部65に対して他のユーザが操作入力を現在行っているか否か(印刷装置60が他のユーザにより現在使用されているか否か)についての印刷装置60毎の使用状況等を含む記憶状況データを、ホスト装置40から取得して表示部26に表示させるために、ユーザが入力する操作入力である。また、印刷データ再送先入力とは、ホスト装置40の後述のPDLデータ記憶部49に記憶されている印刷データを、この印刷データが記憶されていない印刷装置60のうちの都合のよい印刷装置60に送信させるために、ユーザが入力する操作入力である。
【0035】
表示部26は、液晶ディスプレイからなり、表示制御部29から出力された表示データに基づいて、各種の設定画面やメッセージ等をユーザに対して表示する。
【0036】
次に、制御部21について、より詳細に説明する。制御部21は、図2に示すように、画像データ作成部27、端末装置側送信手段としての通信制御部28、及び表示制御部29を有している。
【0037】
画像データ作成部27は、入力部25がユーザから受け付けた操作入力に基づいて、HDD24に記憶されているアプリケーションソフトにより、アプリケーションデータである印刷データを作成し、作成した印刷データを画像データ記憶部31に記憶させる。
【0038】
通信制御部28は、ホスト装置40と各種のデータ通信等を行う。例えば、通信制御部28は、入力部25がユーザから印刷情報送信入力を受け付けた場合、画像データ記憶部31に記憶された印刷データを含む印刷情報送信データを、ホスト装置40に送信する。なお、この印刷情報送信データは、ヘッダ情報、印刷データ、及び認証データを含むものである(図4(a)参照)。ヘッダ情報には、印刷データ毎に付与される、印刷データ名やポインタなどの印刷データ識別情報(以下、印刷データIDとも称す)、送信元である端末装置20のIPアドレス等の識別情報(以下、送信元端末装置IDとも称す)、印刷情報送信入力を行ったユーザを示すユーザIDなどの各種の情報が含まれている。また、印刷情報送信データに含まれる認証データは、印刷データに登録された認証データであり、具体的には、この印刷情報送信入力の際にユーザから入力されて、認証データ記憶部30に記憶されている認証データである。なお、ユーザから印刷情報送信入力を入力部25が受け付けたときに、印刷データの送信先に関する印刷装置60の登録(指定)もされていた場合には、当該登録された印刷装置60に関する送信先識別情報(以下、送信先印刷装置IDとも称す)も、ヘッダ情報に含められる。また、この送信先印刷装置IDは二つ以上登録されていてもよい。
【0039】
また、通信制御部28は、入力部25が上記の記憶状況表示入力をユーザから受け付けた場合には、この記憶状況表示入力を行ったユーザを示すユーザID、及び送信元端末装置IDを含む記憶状況送信要求データ(図4(b)参照)を送信し、後述の記憶状況データ(図4(c)参照)をホスト装置40から受信して、表示制御部29に送信する。
【0040】
また、通信制御部28は、入力部25が上記の印刷データ再送先入力をユーザから受け付けた場合には、このユーザが指定する再送先の印刷装置60を示す再送先印刷装置ID、及び印刷データIDを含む印刷データ再送先データ(図4(d)を参照)をホスト装置40に送信する。
【0041】
表示制御部29は、通信制御部28が受信した情報(記憶状況データ等)に基づいて、表示部26において表示させる表示データを生成し、この表示データを表示部26に出力する。
【0042】
(ホスト装置40)
次に、ホスト装置40の構成について説明する。ホスト装置40は、図6に示すように、制御部41、ROM42、RAM43、及びストレージ44を有している。制御部41は、ホスト装置40全体を統括制御するCPUである。ROM42には、制御部41が実行する制御プログラム(図11の制御フローのプログラムを含む)等が予め記録されている。RAM43には、端末装置20や印刷装置60から受信したデータ等が一時的に記録される。
【0043】
ストレージ44は、ホスト装置側記憶手段としてのPDLデータ記憶部49、印刷データ管理テーブル記憶部50、使用状況管理テーブル記憶部51、及び既定印刷装置記憶部52を有している。PDLデータ記憶部49には、後述のPDLデータ変換部45によりPDLデータに変換された印刷データと、この印刷データに係る印刷データID及び認証データとが対応付けられて記憶される。
【0044】
印刷データ管理テーブル記憶部50には、図7に示すような印刷データ管理テーブルが記憶されている。この印刷データ管理テーブルは、PDLデータ記憶部49に記憶されている印刷データと、この印刷データに係る印刷情報送信データのヘッダ情報と、この印刷データが現在記憶されている印刷装置60(記録印刷装置)の情報(印刷管理情報)を、印刷データ毎に表したテーブルである。例えば、図4の印刷データ管理テーブルでは、PDLデータ記憶部49に記憶されている印刷データAの印刷管理情報Aに関して、この印刷データAに係る印刷情報送信入力を行ったユーザ(ユーザID)はユーザAであり、この印刷データAの送信元の端末装置20(送信元端末装置ID)は端末装置Aであり、この印刷データAの送信先としてユーザにより登録された印刷装置(送信先印刷装置ID)は印刷装置A、印刷装置B、及び印刷装置Cであり、この印刷データAが現在記憶されている記憶印刷装置(記憶印刷装置ID)は印刷装置A、及び印刷装置Cであることを表している。なお、この印刷データ管理テーブルはデータテーブル管理部48の制御により更新される。
【0045】
使用状況管理テーブル記憶部51には、図8に示すような使用状況管理テーブルが記憶されている。この使用状況管理テーブルは、印刷装置60の後述の入出力部65に対してユーザが操作入力を現在行っているか否か(印刷装置60がユーザにより現在使用されているか否か)についての情報を印刷装置60毎に表したテーブルであり、使用状態印刷装置の項にある印刷装置IDは、この印刷装置IDが示す印刷装置60がユーザにより現在使用されていることを表し、空き状態印刷装置の項にある印刷装置IDは、この印刷装置IDが示す印刷装置60がユーザにより現在使用されていないことを表す。具体的には、図5に示す使用状況管理テーブルでは、ユーザが現在使用している印刷装置(使用印刷装置ID)は印刷装置A、印刷装置D、印刷装置F、及び印刷装置Gであり、ユーザが現在使用していない印刷装置(空き印刷装置ID)は印刷装置B、印刷装置C、及び印刷装置Eであることを表している。なお、この使用状況管理テーブルはデータテーブル管理部48の制御により更新される。
【0046】
既定印刷装置記憶部52には、端末装置20から受信した印刷情報送信データに送信先端末装置IDが含まれていなかった場合に、送信先となる少なくとも1台の印刷装置60を示す既定送信先識別情報(以下、既定送信先印刷装置IDとも称す)が記憶されている。なお、既定送信先印刷装置IDは、既定印刷装置記憶部52において、ユーザ(ユーザID)毎に対応付けられて記憶されていてもよいし、印刷情報送信データの送信元である端末装置20(送信元端末装置ID)毎に対応付けられて記憶されていてもよい。また、端末装置20、又は印刷装置60においてユーザから受け付けた操作入力に応じて、既定印刷装置記憶部52に記憶されている、既定送信先印刷装置IDを変更できるようにされていてもよい。
【0047】
次に、制御部41について、より詳細に説明する。制御部41は、図6に示すように、PDLデータ変換部45、ホスト装置側送受信手段としての通信制御部46、ホスト装置側削除手段としての削除部47、及びデータテーブル管理部48を有している。
【0048】
PDLデータ変換部45は、通信制御部46が受信した印刷情報送信データに含まれている印刷データを、印刷装置60が解釈可能なページ記述言語(PDL:Page Description Language)で記述されたPDLデータに変換する。
【0049】
通信制御部46は、端末装置20、及び印刷装置60と各種のデータ通信、並びに端末装置20及びホスト装置40から受信したデータのストレージ44への記憶処理等を行う。例えば、通信制御部46は、端末装置20から印刷情報送信データ(図4(a)参照)を受信した場合には、印刷情報送信データに含まれている印刷データを、PDLデータ変換部45によりPDLデータに変換した後に、このPDLデータに変換された印刷データと、この印刷データに係る印刷データID及び認証データとを対応付けてPDLデータ記憶部49に記憶させ、且つPDLデータに変換された印刷データ、この印刷データに係る印刷情報送信データに含まれている印刷データID、認証データ及びユーザIDを含む印刷認証データ(図4(e)参照)を、印刷装置60において行われるユーザ認証よりも前に印刷装置60に送信する。このように、ホスト装置40から印刷装置60に送信される印刷データは容量が小さいPDLデータであるため、この印刷データ(印刷認証データ)の印刷装置60への送信にかかる通信時間を短くすることができる。なお、通信制御部46は、印刷情報送信データのヘッダ情報に、送信先印刷装置IDが含まれている場合には、この送信先印刷装置IDが示す印刷装置60に印刷認証データを送信し、一方、送信先印刷装置IDが含まれてない場合には、既定印刷装置記憶部52に記憶されている既定送信先印刷装置IDが示す印刷装置60に印刷認証データを送信する。なお、印刷情報送信データのヘッダ情報に複数の送信先印刷装置IDが含まれている場合には、各送信先印刷装置IDが示すそれぞれの印刷装置60に対して、印刷認証データを送信する。
【0050】
また、通信制御部46は、印刷装置60から、PDLデータ記憶部49に記憶されている印刷データの送信を要求する印刷データ送信要求データ(図4(f)参照)を通信制御部46が受信したとき、PDLデータ記憶部49に記憶されている、この印刷データ送信要求データに含まれている印刷データIDが示す印刷データを、送信元印刷装置IDが示す印刷装置60に送信する。
【0051】
また、通信制御部46は、端末装置20又は印刷装置60から、印刷データ再送先データ(図4(d))を受信した場合には、PDLデータ記憶部49に記憶されている、この印刷データ再送先データの印刷データIDが示す印刷データ、及びこの印刷データに係る印刷データID、ユーザID、及び認証データを含む印刷認証データ(図4(e)参照)を、再送先印刷装置IDが示す印刷装置60に送信する。
【0052】
また、通信制御部46は、端末装置20又は印刷装置60から、記憶状況送信要求データ(図4(b)参照)を受信した場合には、印刷データ管理テーブル記憶部50に記憶されている印刷データ管理テーブルを参照して、この記憶状況送信要求データに含まれているユーザIDに対応する印刷管理情報を抽出(例えば、ユーザIDがユーザAなら印刷管理情報A及び印刷管理情報Bを抽出)し、この印刷管理情報、及び使用状況管理テーブル記憶部51に記憶されている使用状況管理テーブルを含む記憶状況データ(図4(c)参照)を、送信元端末装置IDが示す端末装置20又は送信元印刷装置IDが示す印刷装置60に送信する。
【0053】
また、通信制御部46は、印刷装置60から、印刷データに係る画像の記録媒体への記録完了を表す記録完了データ(図4(g)参照)を受信した場合には、印刷データ管理テーブル記憶部50に記憶されている印刷データ管理テーブルを参照し、記録完了データを送信してきた印刷装置60以外の、この印刷データが記憶されている印刷装置60に対して、この印刷データの削除を指令する削除指令データ(図5(a)参照)を送信する。
【0054】
削除部47は、通信制御部46が印刷装置60から記録完了データを受信した場合に、この記録完了データに含まれている印刷データIDが示す印刷データ、この印刷データに対応付けられた印刷データID及び認証データをPDLデータ記憶部49から削除する。このように、記録媒体への記録が完了した印刷データはPDLデータ記憶部49から削除されるため、情報漏洩の危険性を低減することができると共に、PDLデータ記憶部49の記憶容量を確保することができる。
【0055】
データテーブル管理部48は、通信制御部46が印刷装置60との間で行うデータ通信に基づいて、印刷データ管理テーブル記憶部50に記憶されている印刷データ管理テーブル、及び使用状況管理テーブル記憶部51に記憶されている使用状況管理テーブルを更新する。
【0056】
(印刷装置60)
次に、印刷装置60の構成について説明する。印刷装置60は、図9に示すように、制御部61、ROM62、RAM63、ストレージ64、入出力部65、及び印字部66を有している。
【0057】
制御部61は、印刷装置60全体を統括制御するCPUである。ROM62には、制御部61が実行する制御プログラム(図12及び図13の制御フローのプログラムを含む)等が予め記録されている。RAM63には、ホスト装置40から受信したデータ等が一時的に記憶される。また、RAM63は、入力認証データ記憶部75を有しており、この入力認証データ記憶部75には、ユーザから受け付けた後述のユーザ認証入力に係る認証データが一時的に記憶される。
【0058】
ストレージ64は、印刷装置側記憶手段としての印刷データ記憶部76、及び登録認証データ記憶部77を有している。この印刷データ記憶部76には、後述の画像処理部67により印刷装置60の駆動データに処理された印刷データが、印刷データIDと対応付けられて記憶される。また、登録認証データ記憶部77には、印刷認証データに含まれている認証データが、ユーザID及び印刷データIDと対応付けられて記憶される。
【0059】
入出力部65は、タッチパネルからなり、制御部61の後述の表示制御部74から入力された表示データに基づいて、各種の設定画面、メッセージ、印刷ジョブの一覧等をユーザに対して表示する。また、入出力部65は、ユーザから、印刷データ選択入力、ユーザ認証入力、記憶状況表示入力、印刷データ再送先入力等の操作入力を受け付けて、受け付けた操作入力を制御部61に対して出力する。なお、入出力部65は、ユーザが所有するIDカードに格納されている認証データを読み取る機能も備えていてもよい。
【0060】
ここで、ユーザ認証入力とは、ユーザの認証データを入力するために、ユーザが入力する操作入力である。また、印刷データ選択入力とは、後述のユーザ認証部68によりユーザ認証された場合に、登録認証データ記憶部77に記憶されている、このユーザのユーザIDに対応付けられている印刷データIDの一覧(印刷ジョブの一覧)から、印字部66において記録媒体への印字を開始させる印刷データIDを選択するために、ユーザが入力する操作入力である。
【0061】
印字部66は、後述の印字制御部70から出力された印刷制御データに基づいて、印刷データ記憶部76に記憶されている印刷データに係る画像を、記録媒体である用紙に記録する。
【0062】
次に、制御部61について、より詳細に説明する。制御部61は、図9に示すように、画像処理部67、ユーザ認証部68、記憶状況判断部69、印字制御部70、判断手段としての判断部71、印刷装置側削除手段としての削除部72、印刷装置側受信手段としての通信制御部73、及び表示制御部74を有している。
【0063】
画像処理部67は、通信制御部73がホスト装置40から受信した印刷認証データに含まれている印刷データ(PDLデータ)を、印字部66の駆動データに変換する。例えば、印字部66がインクジェットヘッドの場合、駆動データはインクジェットヘッドから記録媒体の単位領域毎に吐出するインクの量を表すデータとなり、既知の誤差拡散処理などを用いて印刷データ(PDLデータ)から駆動データに変換される。(いわゆる多値化処理などが行われる。)また、印刷装置60がいわゆるレーザープリンタの場合、既知のディザ処理などを用いて印刷データ(PDLデータ)から駆動データ(レーザ記録部の駆動データ)に変換される。また、駆動データは記録媒体の単位領域毎に記録される量的データ(インク量や濃度値などのいわゆる印字データなど)のデータのみならず、印字部66の駆動を制御するデータを含んでいてもよい。
【0064】
ユーザ認証部68は、登録認証データ記憶部77に記憶されている認証データと、入力認証データ記憶部75に記憶されている認証データとが一致するか否かを判定することで、ユーザ認証を行う。
【0065】
記憶状況判断部69は、入出力部65が印刷データ選択入力を受け付けた場合に、この印刷データ選択入力が示す印刷データが印刷データ記憶部76に記憶されているか否かを判断する。印刷データ記憶部76に記憶されていると判断した場合には、印字制御部70に印字開始指令を出力する。一方、印刷データ記憶部76に記憶されていないと判断した場合には、ホスト装置40からデータ選択入力が示す印刷データを取得するために、この印刷データの印刷データIDを含む印刷送信要求指令を通信制御部73に出力し、その後、この印刷データがホスト装置から取得されて印刷データ記憶部76に記憶された際に、印字制御部70に印字開始指令を出力する。
【0066】
印字制御部70は、記憶状況判断部69から印字開始指令を受け付けた場合に、この印字開始指令が示す、印刷データ記憶部76に記憶されている印刷データに係る画像が記録媒体に記録されるように、印字制御データを印字部66に出力する。
【0067】
判断部71は、印刷データ記憶部76に記憶されている印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する。本実施形態において、判断部71は、印刷データ記憶部76に印刷データが記憶されてから、所定時間以内に、当該印刷データに係る印刷要求がなされなかった場合に、この印刷データを削除すると判断する。このようにすることで、印刷装置60からの印刷データの漏洩を防止しつつ、印刷データ記憶部76を効率良く使用することができる。なお、この所定時間は、端末装置20における印刷送信要求入力時にユーザが印刷データに対応付けて設定する等のようにユーザが設定するようにされていてもよく、また記録システム1において予め設定されていてもよい。また、印刷要求とは、印刷装置60の制御部61において、印刷データに係る画像の記録を印字部66に実行させるための処理を開始させる契機となるものであり、本実施形態においては、制御部61の、入力部25からの印刷データ選択入力の受け付け処理が、印刷要求にあたる。
【0068】
また、判断部71は、印刷データ記憶部76の記憶容量の残量が所定量以下となった場合に、この印刷データ記憶部76に記憶されている印刷データのうち、最も古くに記憶された最先の印刷データを削除すると判断する。このようにすることで、印刷データ記憶部76の記憶容量の残量が少なくなっても、ホスト装置40から受信した最新の印刷データに係る印刷要求を実行することができる。なお、本実施形態においては、判断部71は最も古くに記憶された最先の印刷データを削除すると判断するようにされているが、これに限定されるものではなく、例えば、印刷データ記憶部76に記憶されている印刷データのうち、重要度が最も低い印刷データを削除すると判断するようにされていてもよく、印刷データ記憶部76に記憶されている印刷データのうちの何れかの印刷データを削除すると判断するものであればよい。
【0069】
削除部72は、判断部71が削除すると判断した印刷データ、及びこの印刷データに対応付けられた印刷データIDを、印刷データ記憶部76から削除する。また、削除部72は、印字部66により記録が実行されて、印刷が完了した印刷データについては、印刷データ記憶部76から削除し、且つ、この印刷データの印刷データIDに対応付けられている認証データを登録認証データ記憶部77から削除する。このようにすることにで、情報漏洩の危険性を低減することができると共に、印刷データ記憶部76の記憶容量を確保することができる。
【0070】
また、削除部72は、通信制御部73がホスト装置40から削除指令データ(図5(a)を受信した際に、この削除指令データに含まれている印刷データIDに対応付けられている印刷データを印刷データ記憶部76から削除し、且つ、この印刷データIDに対応付けられている認証データを登録認証データ記憶部77から削除する。
【0071】
通信制御部73は、ホスト装置40と各種のデータ通信、及びホスト装置40から受信したデータの記憶処理を行う。例えば、通信制御部73は、ホスト装置40から印刷認証データ(図4(e))を受信した場合には、この印刷認証データに含まれている印刷データを画像処理部67により駆動データに変換後、この駆動データに変換された印刷データを、この印刷データの印刷データIDと対応付けて印刷データ記憶部76に記憶させ、且つ、印刷認証データに含まれている認証データを、ユーザID及び印刷データIDと対応付けて登録認証データ記憶部77に記憶させる。このように、印刷データ記憶部76に記憶されている印刷データは、PDLデータが展開されて処理された印刷装置の駆動データであるため、印刷要求後に記録媒体に迅速に画像を印刷することができる。
【0072】
また、通信制御部73は、印字部66による印刷データに係る画像の記録が完了したときに、記録が完了した印刷データを示す印刷データIDと、印刷装置60自身の送信元識別情報(送信元印刷装置ID)とを含む記録完了データ(図4(g)参照)をホスト装置40に送信する。また、通信制御部73は、判断部71が削除すると判断した印刷データが削除部72により削除された場合に、この削除された印刷データを示す印刷データIDと、印刷装置60自身の送信元識別情報(送信元印刷装置ID)とを含む削除通知データ(図5(b)参照)をホスト装置40に送信する。また、通信制御部73は、記憶状況判断部69より印刷送信要求指令を受け付けた場合には、この印刷送信要求指令が示す印刷データIDと、印刷装置60の送信元識別情報(送信元印刷装置ID)とを含む印刷データ送信要求データ(図4(f)参照)をホスト装置40に送信する。
【0073】
(端末装置20の制御フロー)
次に、端末装置20の制御フローについて図10を参照しつつ説明する。まず、制御部21は、入力部25が印刷情報送信入力をユーザから受け付けた否かを判断する(A1)。ユーザから印刷情報送信入力を受け付けたと判断した場合(A1:YES)には、制御部21はユーザから認証データの入力を受け付けたか否かを判断する(A2)。ユーザから認証データの入力を受け付けていないと判断した場合(A2:NO)には、制御部21は、ステップA2の処理に戻る。
【0074】
一方、ユーザから認証データの入力を受け付けたと判断した場合(A2:YES)には、制御部21は、受け付けた認証データを認証データ記憶部30に記憶させる(A3)。そして、通信制御部28が、画像データ作成部27により作成されて画像データ記憶部31に記憶されている印刷データ、ヘッダ情報、及び認証データ記憶部30に記憶されている認証データを含む印刷情報送信データ(図4(a)参照)をホスト装置40に送信し(A4)、ステップA1の処理に戻る。なお、認証データ記憶部30に記憶されている認証データは、ホスト装置40への印刷情報送信データの送信完了後に、削除される。
【0075】
一方、ステップA1の処理において、ユーザから印刷情報送信入力を受け付けていないと判断した場合(A1:NO)には、制御部21は、入力部25がユーザから記憶状況表示入力を受け付けた否かを判断する(A5)。記憶状況表示入力を受け付けたと判断した場合(A5:YES)には、通信制御部28は、記憶状況表示入力を行ったユーザを示すユーザID、及び送信元端末装置IDを含む記憶状況送信要求データ(図4(b)参照)をホスト装置40に送信する(A6)。次に、通信制御部28がホスト装置40から記憶状況データを受信し、この受信した記憶状況データに基づいて、表示制御部29が表示データを生成し、生成した表示データを図3に示すように表示部26に表示する(A7)。こうすることにより、ユーザは、他のユーザにより現在使用されていない印刷装置60の中から都合のよい印刷装置60において、印刷データに係る画像の記録媒体への印刷を行うことが可能になる。このステップA7の処理が終了すると、ステップA1の処理に戻る。
【0076】
一方、ステップA5の処理において、記憶状況表示入力を受け付けていないと判断した場合(A5:NO)には、入力部25がユーザから印刷データ再送先入力を受け付けた否かを判断する(A8)。印刷データ再送先入力を受け付けたと判断した場合(A8:YES)には、通信制御部28が、当該印刷データ再送先入力に基づいて、印刷データの再送先の印刷装置60を示す再送先印刷装置IDと、ホスト装置40からこの印刷装置60に対して送信する印刷データを示す印刷データIDを含む印刷データ再送先データ(図4(d)参照)をホスト装置40に送信し(A9)、ステップA1の処理に戻る。
【0077】
一方。ステップ制御部21が、印刷データ再送先入力を受け付けていないと判断した場合(A8:NO)には、通信制御部28は、ホスト装置40から削除通知データ(図5(b)参照)を受信したか否かを判断する(A10)。削除通知データを受信していないと判断した場合(A10:NO)には、制御部21は、ステップA1の処理に戻る。
【0078】
一方、削除通知データを受信したと判断した場合(A10:YES)には、表示制御部29が、この削除通知データに含まれている印刷データID及び送信元印刷装置IDに基づいて、削除された印刷データと、この印刷データを削除した印刷装置60に関する表示データを作成して、表示部26に表示させ(A11)、ステップA1の処理に戻る。このようにすることで、ユーザは、印刷要求がなされる前に削除された印刷データ(印刷データID)、及びこの印刷データを削除した印刷装置60(印刷装置ID)についての情報を、端末装置20の表示部26で視認することができる。以上、端末装置20の制御フローについて説明した。
【0079】
(ホスト装置40の制御フロー)
次に、ホスト装置40の制御フローについて図11を参照しつつ説明する。まず、通信制御部46が、複数の端末装置20のうちのいずれかから印刷情報送信データ(図4(a)参照)を受信したか否かを判断する(B1)。通信制御部46が、印刷情報送信データを受信したと判断した場合(B1:YES)には、PDLデータ変換部45が、この印刷情報送信データに含まれている印刷データをPDLデータに変換する(B2)。次に、通信制御部46は、PDLデータ変換部45によりPDLデータに変換された印刷データを、この印刷データに係る印刷データID及び認証データと対応付けてPDLデータ記憶部49に記憶させる(B3)。次に、通信制御部46は、印刷情報送信データのヘッダ情報に、送信先印刷装置IDが含まれているか否かを判断し(B4)、送信先印刷装置IDが含まれていた場合(B4:YES)には、当該送信先印刷装置IDが示す印刷装置60に印刷認証データ(図4(e)参照)を送信し(B5)、ステップB7の処理に移る。一方、送信先印刷装置IDが含まれていない場合(B4:NO)には、通信制御部46は、既定印刷装置記憶部52に記憶されている既定送信先印刷装置IDが示す印刷装置60に印刷認証データを送信し(B6)、ステップB7の処理に移る。
【0080】
一方、ステップB1の処理において、印刷情報送信データを受信していないと判断した場合(B1:NO)には、通信制御部46は、複数の印刷装置60のうちの何れかから記録完了データ(図4(g)参照)を受信したか否かを判断する(B8)。記録完了データを受信したと判断した場合(B8:YES)には、通信制御部46は、記録完了データに含まれている印刷データIDが示す印刷データが、この記録完了データを送信してきた印刷装置60以外の他の印刷装置60において、現在記憶されているか否かを判断する(B9)。具体的には、通信制御部46は、印刷データ管理テーブル記憶部50に記憶されている印刷データ管理テーブルにおける、記録完了データに含まれている印刷データIDに係る印刷管理情報を参照し、記録印刷装置IDとして、記録完了データに含まれている送信元印刷装置ID以外のものがある場合には、記録完了データに含まれている印刷データIDが示す印刷データが、他の印刷装置60において現在記憶されていると判断する。
【0081】
通信制御部46が、記録完了データに含まれている印刷データIDが示す印刷データが、他の印刷装置60において現在記憶されていないと判断した場合(B9:NO)には、ステップB11の処理に移る。一方で、記録完了データに含まれている印刷データIDが示す印刷データが、他の印刷装置60において現在記憶されていると判断した場合(B9:YES)には、この他の印刷装置60に対して、上記の記録完了データに含まれている印刷データIDを含む削除指令データ(図5(a)参照)を送信(B10)する。こうすることにより、印刷データを受信した印刷装置60の何れかにおいて、この印刷データに係る画像の記録媒体への印刷が行われた場合には、この印刷データを受信した全ての印刷装置60において、この印刷データは印刷データ記憶部76から削除されるため、情報漏洩の危険性を低減することができる。このステップB10の処理が終了すると、ステップB11の処理に移る。
【0082】
ステップB11の処理においては、削除部47が、記録完了データに含まれている印刷データIDが示す印刷データと、この印刷データに係る印刷データID、及び認証データを、PDLデータ記憶部49から削除する。このステップB11の処理が終わると、ステップB7の処理に移る。
【0083】
一方、ステップB8の処理において、記録完了データを受信していないと判断した場合(B8:NO)には、通信制御部46は、複数の印刷装置60のうちの何れかから印刷データ送信要求データ(図4(f)参照)を受信したか否かを判断する(B12)。印刷データ送信要求データを受信したと判断した場合(B12:YES)には、通信制御部46は、当該印刷データ送信要求データに含まれている印刷データIDが示す印刷データを、PDLデータ記憶部49から抽出し、この抽出した印刷データを、当該印刷データ送信要求データに含まれている送信元印刷装置IDが示す印刷装置60に送信し(B13)、ステップB7の処理に移る。
【0084】
一方、ステップB12の処理において、印刷データ送信要求データを受信していないと判断した場合(B12:NO)には、通信制御部46は、複数の印刷装置60のいずれかから削除通知データ(図5(b)参照)を受信したか否かを判断する(B14)。削除通知データを受信したと判断した場合(B14:YES)には、当該削除通知に含まれている印刷データIDが示す印刷データの送信元である端末装置20に、この削除通知データを転送する(B15)。具体的には、通信制御部46は、印刷データ管理テーブル記憶部50に記憶されている印刷データ管理テーブルにおける、削除通知に含まれている印刷データIDに係る印刷管理情報を参照して、送信元端末装置IDが示す端末装置20に削除通知データを転送する。この処理が終了すると、ステップB7の処理に移る。
【0085】
一方、ステップB14の処理において、削除通知データを受信していないと判断した場合(B14:NO)には、通信制御部46は、複数の端末装置20のうちの何れかから、又は複数の印刷装置60のうちの何れかから印刷データ再送先データ(図4(d)参照)を受信したか否かを判断する(B16)。印刷データ再送先データを受信したと判断した場合(B16:YES)には、印刷データ再送先データに含まれている印刷データIDに係る印刷データ、及びこの印刷データに係る認証データを、PDLデータ記憶部49から抽出し、この抽出した印刷データ及び認証データを含む印刷認証データ(図4(e)参照)を、この印刷データ再送先データの再送先印刷装置IDが示す印刷装置60に送信する(B17)。なお、通信制御部46が、再送先印刷装置IDが示す印刷装置60に対して、印刷認証データを過去に送信しており、印刷装置60の登録認証データ記憶部77に認証データが記憶されている場合には、印刷認証データに認証データを含めていなくてもよい。
【0086】
ステップB7の処理においては、データテーブル管理部48が、印刷データ管理テーブル記憶部50に記憶されている印刷データ管理テーブルを更新する。具体的には、例えば、通信制御部46が印刷装置60に対して印刷データの送信(印刷認証データの送信等)を行った場合には、この印刷データ(印刷データID)に係る印刷管理情報において、送信先である印刷装置60の送信先印刷装置IDを、記録印刷装置の項に追加登録する。また、通信制御部46が印刷装置60から記録完了データを受信した場合には、この記録完了データに含まれている印刷データIDに係る印刷管理情報を、印刷データ管理テーブルから削除する。また、通信制御部46が印刷装置60から、削除通知データを受信した場合には、この削除通知データに含まれている印刷データIDに係る印刷管理情報において、送信元である印刷装置60の送信先印刷装置IDを、記録印刷装置の項から削除する。このステップB7の処理が終わると、ステップB1の処理に戻る。
【0087】
一方、ステップB16の処理において、印刷データ再送先データを受信していないと判断した場合(B16:NO)には、通信制御部46は、複数の端末装置20のうちの何れかから、又は複数の印刷装置60のうちの何れかから記憶状況送信要求データ(図4(b)参照)を受信したか否かを判断する(B18)。記憶状況送信要求データを受信したと判断した場合(B18:YES)には、印刷データ管理テーブル記憶部50に記憶されている、当該記憶状況送信要求データが示すユーザIDに係る印刷管理情報と、使用状況管理テーブル記憶部51に記憶されている使用状況管理テーブルとを含む記憶状況データ(図4(c)参照)を、当該記憶状況送信要求データに含まれている送信元端末装置IDが示す端末装置20、又は送信元印刷装置IDが示す印刷装置60に対して送信し(B19)、ステップB1の処理に戻る。
【0088】
一方、ステップB18の処理において、記憶状況送信要求データを受信していないと判断した場合(B18:NO)には、通信制御部46は、複数の印刷装置60のうちの何れかから、印刷装置60の使用をユーザが開始したことを表す使用通知データ(図5(c)参照)、又は印刷装置60の使用をユーザが終了したことを表す使用解除通知データ(図5(d)参照)を受信したか否かを判断する(B20)。通信制御部46は、使用通知データ、又は使用解除通知データを受信していないと判断した場合(B20:NO)には、ステップB1の処理に戻る。
【0089】
一方、通信制御部46が、使用通知データ、又は使用解除通知データを受信したと判断した場合(B20:YES)には、使用通知データ、又は使用解除通知データに含まれている送信元印刷装置IDに基づいて、データテーブル管理部48が、使用状況管理テーブル記憶部51に記憶されている使用状況管理テーブルを更新する(B21)。具体的には、使用通知データを受信した場合には、この使用通知データに含まれている送信元印刷装置IDを、空き状態印刷装置の項から使用状態印刷装置の項へと変更する。一方、使用解除通知データを受信した場合には、この使用解除通知データに含まれている送信元印刷装置IDを、使用状態印刷装置の項から空き状態印刷装置の項へと変更する。こうすることにより、ホスト装置40において各印刷装置60使用状況を管理することができる。ステップB21の処理が終了すると、ステップB1の処理に戻る。以上、ホスト装置40の制御フローについて説明した。
【0090】
(印刷装置60の制御フロー)
次に、印刷装置60の制御フローについて、図12及び図13を参照しつつ説明する。まず、制御部21は、入出力部65がユーザから操作入力を受け付けた否かを判断する(C1)。ユーザから操作入力を受け付けたと判断した場合(C1:YES)には、通信制御部46が、ホスト装置40に、この印刷装置60の識別情報である送信元印刷装置IDを含む使用通知データ(図5(c)参照)を送信する(C2)。次に、制御部21は、入出力部65がユーザから受け付けた操作入力がユーザ認証入力であるか否かを判断する(C3)。ユーザ認証入力であると判断した場合(C3:YES)には、このユーザ認証入力に係る認証データを入力認証データ記憶部75に記憶させ、ユーザ認証部68が登録認証データ記憶部77に記憶されている認証データと、入力認証データ記憶部75に記憶されている認証データとを比較することで、ユーザ認証を行う(C4)。具体的には、登録認証データ記憶部77に記憶されている認証データのうち、ユーザ認証入力を行ったユーザのユーザIDに対応付けられている認証データを抽出して、入力認証データ記憶部75に記憶されている認証データと一致するものがあるか否か検索し、一致するものがあれば認証に成功、一致するものがなければ認証に失敗とする。このようにすることで、印刷データの情報漏洩の危険性を低減することができる。
【0091】
次に、ユーザ認証部68による認証が失敗した場合(C5:NO)には、表示制御部29が認証エラーを表す表示データを入出力部65に表示させ(C6)、ステップC15の処理に移る。一方、ユーザ認証部68により認証された(認証に成功した)場合(C5:YES)には、表示制御部74は、登録認証データ記憶部77に記憶されている、このユーザ認証に用いられた認証データに対応付けられている印刷データID(印刷ジョブ)の一覧を入出力部65に表示させる(C7)。
【0092】
次に、制御部21は、入出力部65がユーザから印刷データ選択入力を受け付けたか否かを判断する(C8)。印刷データ選択入力を受け付けていないと判断した場合(C8:NO)には、ステップC8の処理に戻る。一方、印刷データ選択入力を受け付けたと判断した場合(C8:YES)には、記憶状況判断部69が、印刷データ選択入力が示す印刷データが印刷データ記憶部76に記憶されているか否かを判断する(C9)。印刷データが記憶されていると判断した場合(C9:YES)には、記憶状況判断部69は、印字開始指令を印字制御部70に出力して、ステップC13の処理に移る。
【0093】
一方、印刷データが記憶されていないと判断した場合(C9:NO)には、記憶状況判断部69は、印刷送信要求指令を通信制御部73に出力し、通信制御部73は、当該印刷送信要求指令が示す印刷データIDと、印刷装置60の識別情報である送信元印刷装置IDを含む印刷データ送信要求データ(図4(f)参照)をホスト装置40に送信し(C10)、ホスト装置40から印刷データを受信する(C11)。次に、通信制御部73は、受信した印刷データを、画像処理部67により駆動データに変換し、駆動データに変換された印刷データを印刷データ記憶部76に記憶させ、その後、記憶状況判断部69は、印字制御部70に印字開始指令を出力し(C12)、ステップC13の処理に移る。
【0094】
ステップC13の処理においては、印字制御部70は、記憶状況判断部69からの印字開始指令に基づいて印字部66を制御することにより、印刷データ記憶部76に記憶されている、この印字開始指令が示す印刷データに係る画像を記録媒体に記録する。次に、記録媒体への印刷データに係る画像の記録が完了後、通信制御部73は、この印刷データを示す印刷データIDと、印刷装置60自身の識別情報である送信元印刷装置IDを含む記録完了データ(図4(g)参照)をホスト装置40に送信し(C14)、ステップC15の処理に移る。
【0095】
一方、ステップC3の処理において、入出力部65がユーザから受け付けた操作入力がユーザ認証入力ではないと判断した場合(C3:NO)には、制御部61は、ユーザから受け付けた操作入力が記憶状況表示入力であるか否かを判断する(C16)。操作入力が記憶状況表示入力でないと判断した場合(C16:NO)には、制御部61は、受け付けた操作入力に応じた処理をし(C17)、ステップC15の処理に移る。
【0096】
一方、ステップC16の処理において、入出力部65がユーザから受け付けた操作入力が記憶状況表示入力であると判断した場合(C16:YES)には、通信制御部73は、記憶状況表示入力を行ったユーザのユーザIDを含む記憶状況送信要求データ(図4(b)参照)をホスト装置40に送信する(C18)。次に、通信制御部73がホスト装置40から記憶状況データ(図4(c)参照)を受信し、この受信した記憶状況データに基づいて、表示制御部74が表示データを生成して、入出力部65に表示させる(C19)。次に、制御部61は、入出力部65がユーザから印刷データ再送先入力を受け付けたか否かを判断する(C20)。制御部61が、印刷データ再送先入力を受け付けていないと判断した場合(C20:NO)には、ステップC15の処理に移る。一方、印刷データ再送先入力を受け付けたと判断した場合(C20:YES)には、通信制御部28が、当該印刷データ再送先入力に基づいて、印刷データの送信先の印刷装置60を示す送信先印刷装置IDと、ホスト装置40からこの送信先の印刷装置60に対して送信させる印刷データを示す印刷データIDを含む印刷データ再送先データ(図4(d)参照)をホスト装置40に送信し(C21)、ステップC15の処理に移る。
【0097】
ステップC15の処理においては、通信制御部28が、印刷装置60自身の識別情報である送信元印刷装置IDを含む使用解除通知データ(図5(d)参照)をホスト装置40に送信する。このステップC15の処理が終わると、ステップC1の処理に戻る。
【0098】
一方、ステップC1の処理において、制御部61がユーザから操作入力を受け付けていないと判断した場合(C1:NO)には、通信制御部73が、ホスト装置40から印刷認証データ(図4(e)参照)を受信したか否かを判断する(C22)。印刷認証データを受信したと判断した場合(C22:YES)には、判断部71が、印刷データ記憶部76の記憶容量の残量が所定量以下であるか否かを判断する(C23)。判断部71が所定量以下ではないと判断した場合(C23:NO)には、ステップC26の処理に移る。
【0099】
一方、判断部71が所定量以下であると判断した場合(C23:YES)には、削除部72が、印刷データ記憶部76に記憶されている印刷データのうち、最先に記憶された印刷データを削除し(C24)、通信制御部73が、この削除した印刷データを示す印刷データID、及び印刷装置60自身の識別情報である送信元印刷装置IDを含む削除通知データ(図5(b)参照)をホスト装置40に送信し(C25)、ステップC26の処理に移る。
【0100】
ステップC26の処理では、通信制御部73は、受信した印刷認証データに含まれている印刷データを、画像処理部67により駆動データに変換し、この駆動データに変換された印刷データを、この印刷データの印刷データIDと対応付けて印刷データ記憶部76に記憶させる。次に、通信制御部73は、受信した印刷認証データに含まれている認証データを、ユーザID及び印刷データIDと対応付けて登録認証データ記憶部77に記憶させて(C27)、ステップC1の処理に戻る。ここで、登録認証データ記憶部77に記憶されている認証データは、ユーザIDと印刷データIDが含まれている。
【0101】
一方、ステップC22の処理において、ホスト装置40から印刷認証データを受信していないと判断した場合(C22:NO)には、通信制御部73は、ホスト装置40から削除指令データ(図5(a)参照)を受信したか否かを判断する(C28)。削除指令データを受信したと判断した場合(C28:YES)には、削除部72が、削除指令データに含まれている印刷データIDが示す印刷データを印刷データ記憶部76から削除し、且つこの印刷データIDに対応付けられた認証データを登録認証データ記憶部77から削除し(C29)、ステップC1の処理に戻る。
【0102】
一方、ステップC28の処理において、削除指令データを受信していないと判断した場合(C28:NO)には、判断部71が、印刷データ記憶部76に記憶されている印刷データのうち、所定時間以上経過した印刷データがあるか否かを判断する(C30)。所定時間以上経過した印刷データがないと判断した場合(C30:NO)には、ステップC1の処理に戻る。一方、所定時間以上経過した印刷データがあると判断した場合(C28:YES)には、削除部72が当該印刷データを印刷データ記憶部76から削除し(C29)、通信制御部73が、この削除した印刷データを示す印刷データID、及び印刷装置60自身の識別情報である送信元印刷装置IDを含む削除通知データ(図5(b)参照)をホスト装置40に送信し(C31)、ステップC1の処理に戻る。以上、印刷装置60の制御フローについて説明した。
【0103】
以上、本実施形態によると、印刷装置60の印刷データ記憶部76に印刷データが記憶されているため、端末装置20で認証を行った後に印刷データを印刷装置60に送信する従来の記録システム1と比べて、ユーザが印刷装置60において認証データを入力してから印刷データに係る画像の記録媒体へ印刷が行われるまでの処理時間を短くすることができる。また、印刷データは、ホスト装置40のPDLデータ記憶部49と、印刷装置の印刷データ記憶部76の双方に記憶されているため、印刷データ記憶部76の記憶容量が不足した場合において、印刷装置は、印刷データを印刷データ記憶部76から削除するだけでよく、印刷データをホスト装置40等に退避させるための通信処理を行う必要はないため、印刷装置60とホスト装置40との通信処理を簡素化することができる。
【0104】
また、印刷データは複数の印刷装置60に送信することができるので、この印刷データが送信された印刷装置60の中から、ユーザは印刷を行う印刷装置60を都合に合わせて選択することができる。
【0105】
なお、上記の実施形態においては、ユーザ認証は印刷装置60のユーザ認証部68で行われているが、ホスト装置40でユーザ認証を行ってもよい。この場合、印刷装置60においてユーザよりユーザ認証入力された認証データをホスト装置40に送信し、ホスト装置40が有するユーザ認証部によりこの認証データと、ホスト装置40のPDLデータ記憶部49に記憶されている認証データとを比較することでユーザ認証を行い、そのユーザ認証結果が印刷装置60に送信されるようにされていればよい。このようにすることで、印刷装置60にユーザ認証部68を設ける必要がなくなるため印刷装置60の構成が簡易なものとなる。また、同様に、端末装置20でユーザ認証を行うようにされていてもよい。
【0106】
また、上記の実施形態においては、印刷データ毎に、認証データが対応付けられている(登録されている)が、ユーザ毎に認証データが対応付けられていてもよい。具体的には、印刷装置60やホスト装置40等にユーザ毎に付与された認証データが予め登録されており、この認証データと、印刷装置60において、ユーザ認証入力された認証データとを比較することにより、ユーザ認証を行うようにされていてもよい。即ち、記録システム1に予め登録されている、ユーザ毎に付与された認証データと、印刷装置60においてユーザ認証入力される認証データとを比較することで、ユーザ認証を行うようにされていてもよい。
【0107】
また、上記の実施形態の変形例として、判断部71が印刷データを削除すると判断した際には、この印刷データに係る認証データも登録認証データ記憶部77から削除されるようにされていてもよい。この場合、ホスト装置40が印刷装置60から印刷データ送信要求データを受信した際に、この印刷データ送信要求データが示す印刷データと共に認証データも印刷装置60に送信されるようにされていればよい。こうすることにより、印刷装置60の登録認証データ記憶部77において認証データが長期に亘り記憶されることがなくなるため、認証データの漏洩の危険性を低減することができる。
【0108】
また、上記の実施形態においては、ユーザ認証後に、印刷データID(印刷ジョブ)の一覧を表示部26に表示させ、ユーザがこの一覧の中から印刷データIDを選択することで、この選択された印刷データIDが示す印刷データに係る画像の記録媒体への記録が開始される態様にされているが、ユーザ認証前に、登録認証データ記憶部77に記憶されている、操作入力を行っているユーザのユーザIDに対応付けられている印刷データIDの一覧を表示部26に表示させ、ユーザが印刷データIDを選択する際に、この選択した印刷データIDに係る認証データのユーザ認証入力を受け付けて、この受け付けた認証データと、登録認証データ記憶部77に記憶されている、印刷データIDに対応付けられている認証データとを比較するユーザ認証を行い、認証データが一致した場合に、この印刷データIDが示す印刷データに係る画像の記録媒体への記録が開始される態様にされていてもよい。なお、この場合、制御部61の、入力部25からのユーザ認証入力の受け付け処理が印刷要求にあたる。
【0109】
またさらには、ユーザ認証を複数回行うようにされていてもよい。具体的には、例えば、一回目のユーザ認証においては、ユーザが所有するIDカードに格納されている認証データ等のユーザ自身を認証するための認証データと、印刷装置60等の記録システム1に予め記憶されている、認証データとが一致するか否かを判断することにより、正当なユーザであるか否かを判断する。この一回目のユーザ認証の認証後に、このユーザのユーザIDに対応付けられた印刷データIDの一覧を入出力部65に表示し、ユーザに印刷データを選択させる。そして、選択された印刷データに関して、ユーザがパスワード入力を行い、このパスワード入力による認証データと、この印刷データに予め登録されている認証データとが一致するか否かを判断し、一致した場合にのみ、この選択された印刷ジョブの印刷データ係る画像の記録媒体への記録が開始されるようにされていてもよい。このように複数回のユーザ認証を行うことで、情報漏洩の可能性をさらに低減させることが可能である。
【0110】
また、上記の実施形態においては、端末装置20からホスト装置40に送信される印刷データはアプリケーションデータであるが、端末装置20においてアプリケーションデータである印刷データをPDLデータに変換し、このPDLデータをホスト装置40に送信するようにされていてもよい。この場合、端末装置20からホスト装置40へ印刷データを送信する際の通信時間を短くすることができる。
【0111】
また、上記の実施形態においては、記録システム1は、端末装置20、ホスト装置40、及び印刷装置60から構成されているが、記録システム1が端末装置20、及びこの端末装置20に通信可能に接続された印刷装置60から構成されていてもよい。この場合、端末装置20が上記の実施形態において説明した端末装置20の機能に加えて、ホスト装置40の機能も含めた構成となる。具体的には、端末装置20における通信制御部28は、ユーザからの印刷情報送信入力に基づいて、画像データ記憶部31(端末装置側記憶手段)に記憶されている印刷データ、及び認証データ記憶部30に記憶されている認証データを印刷装置60に送信し、且つ、印刷装置60から、印刷要求に係る印刷データの送信を要求する印刷データ送信要求データを受信した場合には、画像データ記憶部31に記憶されている、印刷データ送信要求データが示す印刷データを印刷装置60に送信する。印刷装置60の通信制御部73は、記憶状況判断部69より印刷送信要求指令を受け付けた場合には、この印刷送信要求指令が示す印刷データIDと、印刷装置60の送信元識別情報(送信元印刷装置ID)とを含む印刷データ送信要求データ(図4(f)参照)を印刷装置60に送信する。このようにすることで、印刷装置60の印刷データ記憶部76に印刷データが記憶されているため、端末装置20で認証を行った後に印刷データを印刷装置60に送信する従来の記録システム1と比べて、ユーザが印刷装置60において認証データを入力してから印刷データに係る画像の記録媒体へ印刷が行われるまでの処理時間を短くすることができる。また、印刷データは、端末装置20の画像データ記憶部31と、印刷装置の印刷データ記憶部76の双方に記憶されているため、印刷データ記憶部76の記憶容量が不足した場合において、印刷装置は、印刷データを印刷データ記憶部76から削除するだけでよく、印刷データを端末装置20等に退避させるための通信処理を行う必要はないため、印刷装置60と端末装置20との通信処理を簡素化することができる。
【0112】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述の実施の形態では、印刷装置60が、印刷データ記憶部に記憶されている印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断部手段(判断部71)を有しているが、印刷装置60ではなく、ホスト装置40や端末装置20が有していてもよい。
【0113】
また、上述の実施形態では、画像処理部67は、ホスト装置40から受信した印刷データ(PDLデータ)を、ユーザ認証前に印刷装置60の駆動データに変換する形態であるが、ユーザ認証後に駆動データに変換するようにしてもよい。即ち、ホスト装置40から受信した印刷データ(PDLデータ)を、駆動データに変換せずに、ストレージ64の印刷データ記憶部76に記憶しておき、ユーザ認証後に、画像処理部67が印刷データ記憶部76に記憶されている印刷データを駆動データに変換するようにしてもよい。
【0114】
また、上述の実施形態では、端末装置20の制御フローのプログラムはROM22に、ホスト装置40の制御フローのプログラムはROM42に、及印刷装置60の制御フローはROM62にそれぞれ記憶されていた、一つの装置のRO0Mにまとめて記憶されていてもよい。具体的には、例えばホスト装置40のROM42に、端末装置20、ホスト装置、及び印刷装置60を含む記録システム1を動作させる制御フローのプログラムが記憶されており、ホスト装置40がこの制御フローに基づいて、端末装置20及びホスト装置40をリモート制御するようにされていてもよい。
【符号の説明】
【0115】
1 記録システム
20 端末装置
28 通信制御部(端末装置側送信手段)
40 ホスト装置
46 通信制御部(ホスト装置側送受信手段)
47 削除部(ホスト装置側削除手段)
49 PDLデータ記憶部(ホスト装置側記憶手段)
60 印刷装置
71 判断部(判断手段)
72 削除部(印刷装置側削除手段)
73 通信制御部(印刷装置側受信手段)
76 印刷データ記憶部(印刷装置側記憶手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を印刷するための印刷データを作成する複数の端末装置と、
前記印刷データを記憶可能な印刷装置側記憶手段を有する印刷装置と、
前記複数の端末装置及び前記印刷装置と通信可能に接続され、前記印刷データを記憶可能なホスト装置側記憶手段を有するホスト装置とを有し、
前記印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を前記印刷装置において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に前記印刷装置が前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷する記録システムであって、
前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断手段をさらに有し、
前記複数の端末装置それぞれは、前記印刷データを前記ホスト装置に送信する端末装置側送信手段を有しており、
前記ホスト装置は、前記複数の端末装置から前記印刷データを受信して、受信した前記印刷データを前記ホスト装置側記憶手段に記憶させ、受信した前記印刷データを前記ユーザ認証前に前記印刷装置に送信し、且つ、前記印刷装置から、前記印刷要求に係る印刷データの送信を要求する印刷データ送信要求データを受信した場合には、前記ホスト装置側記憶手段に記憶されている、当該印刷データ送信要求データが示す前記印刷データを前記印刷装置に送信するホスト装置側送受信手段を有しており、
前記印刷装置は、
前記ホスト装置から前記印刷データを受信して、受信した前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段に記憶させる印刷装置側受信手段と、
前記判断手段により削除すると判断された前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除する印刷装置側削除手段とを有し、
前記認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際に、当該印刷要求に係る前記印刷データが、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている場合には、この印刷装置側記憶手段に記憶されている当該印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷し、前記印刷装置側削除手段により削除されて、前記印刷装置側記憶手段に記憶されていない場合には、当該印刷要求に係る前記印刷データを示す前記印刷データ送信要求データを前記ホスト装置に送信して、この印刷要求に係る前記印刷データを前記ホスト装置から取得し、この取得した前記印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷することを特徴とする記録システム。
【請求項2】
前記判断手段は、前記印刷データが前記印刷装置側記憶手段に記憶されてから所定の時間内に、当該印刷データに係る印刷要求がなされなかった場合に、当該印刷データを削除すると判断することを特徴とする請求項1に記載の記録システム。
【請求項3】
前記判断手段は、前記印刷装置側記憶手段の記憶容量の残量が所定量以下になった場合に、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データのうちのいずれかの印刷データを削除すると判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の記録システム。
【請求項4】
前記ホスト装置側記憶手段に記憶される前記印刷データはPDLデータであり、
前記印刷装置側記憶手段に記憶される前記印刷データは前記PDLデータを展開して処理された前記印刷装置の駆動データであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の記録システム。
【請求項5】
前記ホスト装置は、前記ホスト装置側記憶手段に記憶された前記印刷データを削除するホスト装置側削除手段を更に有し、
前記印刷装置側削除手段及び前記ホスト装置側削除手段は、前記印刷装置による前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷した後に、当該印刷データを前記印刷装置側記憶手段及び前記ホスト装置側記憶手段から削除することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の記録システム。
【請求項6】
前記複数の端末装置又は前記印刷装置からの指示に基づいて、前記ホスト装置側送受信手段は、前記ホスト装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを前記印刷装置に送信し、前記印刷装置側記憶手段がこの印刷データを記憶することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の記録システム。
【請求項7】
前記ユーザ認証は、ユーザが所有するIDカードに格納されている認証データ又はユーザによるパスワード入力に基づく認証データと、前記記録システム又は前記印刷データに予め登録されている認証データとを比較することにより行われることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の記録システム。
【請求項8】
前記ホスト装置に接続された複数の前記印刷装置が設けられ、
前記ホスト装置側送受信手段は、前記印刷データを少なくとも2台の前記印刷装置に送信するものであり、
前記印刷データを受信した前記印刷装置の何れかにおいて、この印刷データの前記記録媒体への印刷が行われた場合には、この印刷データを受信した全ての前記印刷装置において、前記印刷装置側削除手段が、この印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の記録システム。
【請求項9】
記録媒体に画像を印刷するための印刷データを作成する複数の端末装置と、前記印刷データを記憶可能な印刷装置側記憶手段を有する印刷装置と、前記複数の端末装置及び前記印刷装置と通信可能に接続され、前記印刷データを記憶可能なホスト装置側記憶手段を有するホスト装置と、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により削除すると判断された前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除する印刷装置側削除手段とを有し、前記印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を前記印刷装置において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に前記印刷装置が前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷する記録システムのホスト装置であって、
前記複数の端末装置から前記印刷データを受信して、受信した前記印刷データを前記ホスト装置側記憶手段に記憶させ、受信した前記印刷データを前記ユーザ認証前に前記印刷装置に送信するホスト装置側送受信手段と
を有し、
前記ホスト装置側送受信手段は、前記認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際において当該印刷要求に係る前記印刷データが、前記印刷装置側削除手段により削除されて前記印刷装置側記憶手段に記憶されていない場合に前記印刷装置から送信される、当該印刷要求に係る前記印刷データを示す前記印刷データ送信要求データを受信した場合に、前記ホスト装置側記憶手段に記憶されている、当該印刷データ送信要求データが示す当該印刷要求に係る前記印刷データを、前記印刷装置に送信することを特徴とするホスト装置。
【請求項10】
記録媒体に画像を印刷するための印刷データを作成する複数の端末装置と、前記印刷データを記憶可能な印刷装置側記憶手段を有する印刷装置と、前記複数の端末装置及び前記印刷装置と通信可能に接続され、前記複数の端末装置から受信した前記印刷データが記憶されるホスト装置側記憶手段を有するホスト装置と、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断手段とを有し、前記印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を前記印刷装置において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に前記印刷装置が前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷する記録システムの印刷装置であって、
前記ホスト装置から前記印刷データを前記ユーザ認証前に受信して、受信した前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段に記憶させる印刷装置側受信手段と、
前記判断手段により削除すると判断された前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除する印刷装置側削除手段と
を有し、
前記認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際に、当該印刷要求に係る前記印刷データが、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている場合には、この印刷装置側記憶手段に記憶されている当該印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷し、前記印刷装置側削除手段により削除されて、前記印刷装置側記憶手段に記憶されていない場合には、当該印刷要求に係る前記印刷データを示す前記印刷データ送信要求データを送信して、この印刷要求に係る前記印刷データを前記ホスト装置から取得し、この取得した前記印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷することを特徴とする印刷装置。
【請求項11】
記録媒体に画像を印刷するための印刷データを作成する複数の端末装置と、前記印刷データを記憶可能な印刷装置側記憶手段を有する印刷装置と、前記複数の端末装置及び前記印刷装置と通信可能に接続され、前記印刷データを記憶可能なホスト装置側記憶手段を有するホスト装置とを有し、前記印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を前記印刷装置において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に前記印刷装置が前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷する記録システムの制御プログラムであって、
前記複数の端末装置、前記印刷装置、又は前記ホスト装置に前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断処理を実行させ、
前記複数の端末装置それぞれに、前記印刷データを前記ホスト装置に送信する端末装置側送信処理を実行させ、
前記ホスト装置に、前記複数の端末装置から前記印刷データを受信して、受信した前記印刷データを前記ホスト装置側記憶手段に記憶させ、受信した前記印刷データを前記印刷装置に送信し、且つ前記印刷装置から印刷データ送信要求データを受信した場合には、前記ホスト装置側記憶手段に記憶されている、当該印刷データ送信要求データが示す前記印刷データを前記印刷装置に送信するホスト装置側送受信処理を実行させ、
前記印刷装置に、
前記ホスト装置から前記印刷データを受信して、受信した前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段に記憶させる印刷装置側受信処理と、
前記判断処理により削除すると判断された前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除する印刷装置側削除処理と、
前記認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際に、当該印刷要求に係る前記印刷データが、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている場合には、この印刷装置側記憶手段に記憶されている当該印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷させ、前記印刷装置側削除手段により削除されて、前記印刷装置側記憶手段に記憶されていない場合には、当該印刷要求に係る前記印刷データを示す前記印刷データ送信要求データを前記ホスト装置に送信して、この印刷要求に係る前記印刷データを前記ホスト装置から取得し、この取得した前記印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷する印刷処理と
を実行させることを特徴とする記録システムの制御プログラム。
【請求項12】
記録媒体に画像を印刷するための印刷データを作成する複数の端末装置と、前記印刷データを記憶可能な印刷装置側記憶手段を有する印刷装置と、前記複数の端末装置及び前記印刷装置と通信可能に接続され、前記印刷データを記憶可能なホスト装置側記憶手段を有するホスト装置と、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により削除すると判断された前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除する印刷装置側削除手段とを有し、前記印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を前記印刷装置において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に前記印刷装置が前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷する記録システムのホスト装置の制御プログラムであって、
前記複数の端末装置から前記印刷データを受信した前記印刷データを前記ホスト装置側記憶手段に記憶させ、受信した前記印刷データを前記ユーザ認証前に前記印刷装置に送信するホスト装置側送受信処理と
前記認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際において当該印刷要求に係る前記印刷データが、前記印刷装置側削除手段により削除されて前記印刷装置側記憶手段に記憶されていない場合に前記印刷装置から送信される、当該印刷要求に係る前記印刷データを示す前記印刷データ送信要求データを受信した場合に、前記ホスト装置側記憶手段に記憶されている、当該印刷データ送信要求データが示す当該印刷要求に係る前記印刷データを、前記印刷装置に送信する要求印刷データ送信処理と
を前記ホスト装置に実行させることを特徴とするホスト装置の制御プログラム。
【請求項13】
記録媒体に画像を印刷するための印刷データを作成する複数の端末装置と、前記印刷データを記憶可能な印刷装置側記憶手段を有する印刷装置と、前記複数の端末装置及び前記印刷装置と通信可能に接続され、前記複数の端末装置から受信した前記印刷データが記憶されるホスト装置側記憶手段を有するホスト装置と、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断手段とを有し、前記印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を前記印刷装置において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に前記印刷装置が前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷する記録システムの印刷装置の制御プログラムであって、
前記ホスト装置から前記印刷データを前記ユーザ認証前に受信して、受信した前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段に記憶させる印刷装置側受信処理と、
前記判断手段により削除すると判断された前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除する印刷装置側削除処理と
前記認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際に、当該印刷要求に係る前記印刷データが、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている場合には、この印刷装置側記憶手段に記憶されている当該印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷し、前記印刷装置側削除手段により削除されて、前記印刷装置側記憶手段に記憶されていない場合には、当該印刷要求に係る前記印刷データを示す前記印刷データ送信要求データを送信して、この印刷要求に係る前記印刷データを前記ホスト装置から取得し、この取得した前記印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷する印刷処理と
を前記印刷装置に実行させることを特徴とする印刷装置の制御プログラム。
【請求項14】
記録媒体に画像を印刷するための印刷データを作成する複数の端末装置と、
前記端末装置と通信可能に接続され、前記印刷データを記憶可能な印刷装置側記憶手段を有する印刷装置と、
前記印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を前記印刷装置において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に前記印刷装置が前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷する記録システムであって、
前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断手段をさらに有し、
前記複数の端末装置それぞれは、
前記印刷データを記憶可能な端末装置側記憶手段と、
前記印刷データを前記印刷装置に送信し、且つ、前記印刷装置から、前記印刷要求に係る印刷データの送信を要求する印刷データ送信要求データを受信した場合には、前記端末装置側記憶手段に記憶されている、当該印刷データ送信要求データが示す前記印刷データを前記印刷装置に送信する端末装置側送信手段を有しており、
前記印刷装置は、
前記端末装置から前記印刷データを受信して、受信した前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段に記憶させる印刷装置側受信手段と、
前記判断手段により削除すると判断された前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除する印刷装置側削除手段とを有し、
前記認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際に、当該印刷要求に係る前記印刷データが、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている場合には、この印刷装置側記憶手段に記憶されている当該印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷し、前記印刷装置側削除手段により削除されて、前記印刷装置側記憶手段に記憶されていない場合には、当該印刷要求に係る前記印刷データを示す前記印刷データ送信要求データを前記端末装置に送信して、この印刷要求に係る前記印刷データを前記端末装置から取得し、この取得した前記印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷することを特徴とする記録システム。
【請求項1】
記録媒体に画像を印刷するための印刷データを作成する複数の端末装置と、
前記印刷データを記憶可能な印刷装置側記憶手段を有する印刷装置と、
前記複数の端末装置及び前記印刷装置と通信可能に接続され、前記印刷データを記憶可能なホスト装置側記憶手段を有するホスト装置とを有し、
前記印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を前記印刷装置において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に前記印刷装置が前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷する記録システムであって、
前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断手段をさらに有し、
前記複数の端末装置それぞれは、前記印刷データを前記ホスト装置に送信する端末装置側送信手段を有しており、
前記ホスト装置は、前記複数の端末装置から前記印刷データを受信して、受信した前記印刷データを前記ホスト装置側記憶手段に記憶させ、受信した前記印刷データを前記ユーザ認証前に前記印刷装置に送信し、且つ、前記印刷装置から、前記印刷要求に係る印刷データの送信を要求する印刷データ送信要求データを受信した場合には、前記ホスト装置側記憶手段に記憶されている、当該印刷データ送信要求データが示す前記印刷データを前記印刷装置に送信するホスト装置側送受信手段を有しており、
前記印刷装置は、
前記ホスト装置から前記印刷データを受信して、受信した前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段に記憶させる印刷装置側受信手段と、
前記判断手段により削除すると判断された前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除する印刷装置側削除手段とを有し、
前記認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際に、当該印刷要求に係る前記印刷データが、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている場合には、この印刷装置側記憶手段に記憶されている当該印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷し、前記印刷装置側削除手段により削除されて、前記印刷装置側記憶手段に記憶されていない場合には、当該印刷要求に係る前記印刷データを示す前記印刷データ送信要求データを前記ホスト装置に送信して、この印刷要求に係る前記印刷データを前記ホスト装置から取得し、この取得した前記印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷することを特徴とする記録システム。
【請求項2】
前記判断手段は、前記印刷データが前記印刷装置側記憶手段に記憶されてから所定の時間内に、当該印刷データに係る印刷要求がなされなかった場合に、当該印刷データを削除すると判断することを特徴とする請求項1に記載の記録システム。
【請求項3】
前記判断手段は、前記印刷装置側記憶手段の記憶容量の残量が所定量以下になった場合に、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データのうちのいずれかの印刷データを削除すると判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の記録システム。
【請求項4】
前記ホスト装置側記憶手段に記憶される前記印刷データはPDLデータであり、
前記印刷装置側記憶手段に記憶される前記印刷データは前記PDLデータを展開して処理された前記印刷装置の駆動データであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の記録システム。
【請求項5】
前記ホスト装置は、前記ホスト装置側記憶手段に記憶された前記印刷データを削除するホスト装置側削除手段を更に有し、
前記印刷装置側削除手段及び前記ホスト装置側削除手段は、前記印刷装置による前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷した後に、当該印刷データを前記印刷装置側記憶手段及び前記ホスト装置側記憶手段から削除することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の記録システム。
【請求項6】
前記複数の端末装置又は前記印刷装置からの指示に基づいて、前記ホスト装置側送受信手段は、前記ホスト装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを前記印刷装置に送信し、前記印刷装置側記憶手段がこの印刷データを記憶することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の記録システム。
【請求項7】
前記ユーザ認証は、ユーザが所有するIDカードに格納されている認証データ又はユーザによるパスワード入力に基づく認証データと、前記記録システム又は前記印刷データに予め登録されている認証データとを比較することにより行われることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の記録システム。
【請求項8】
前記ホスト装置に接続された複数の前記印刷装置が設けられ、
前記ホスト装置側送受信手段は、前記印刷データを少なくとも2台の前記印刷装置に送信するものであり、
前記印刷データを受信した前記印刷装置の何れかにおいて、この印刷データの前記記録媒体への印刷が行われた場合には、この印刷データを受信した全ての前記印刷装置において、前記印刷装置側削除手段が、この印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の記録システム。
【請求項9】
記録媒体に画像を印刷するための印刷データを作成する複数の端末装置と、前記印刷データを記憶可能な印刷装置側記憶手段を有する印刷装置と、前記複数の端末装置及び前記印刷装置と通信可能に接続され、前記印刷データを記憶可能なホスト装置側記憶手段を有するホスト装置と、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により削除すると判断された前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除する印刷装置側削除手段とを有し、前記印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を前記印刷装置において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に前記印刷装置が前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷する記録システムのホスト装置であって、
前記複数の端末装置から前記印刷データを受信して、受信した前記印刷データを前記ホスト装置側記憶手段に記憶させ、受信した前記印刷データを前記ユーザ認証前に前記印刷装置に送信するホスト装置側送受信手段と
を有し、
前記ホスト装置側送受信手段は、前記認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際において当該印刷要求に係る前記印刷データが、前記印刷装置側削除手段により削除されて前記印刷装置側記憶手段に記憶されていない場合に前記印刷装置から送信される、当該印刷要求に係る前記印刷データを示す前記印刷データ送信要求データを受信した場合に、前記ホスト装置側記憶手段に記憶されている、当該印刷データ送信要求データが示す当該印刷要求に係る前記印刷データを、前記印刷装置に送信することを特徴とするホスト装置。
【請求項10】
記録媒体に画像を印刷するための印刷データを作成する複数の端末装置と、前記印刷データを記憶可能な印刷装置側記憶手段を有する印刷装置と、前記複数の端末装置及び前記印刷装置と通信可能に接続され、前記複数の端末装置から受信した前記印刷データが記憶されるホスト装置側記憶手段を有するホスト装置と、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断手段とを有し、前記印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を前記印刷装置において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に前記印刷装置が前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷する記録システムの印刷装置であって、
前記ホスト装置から前記印刷データを前記ユーザ認証前に受信して、受信した前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段に記憶させる印刷装置側受信手段と、
前記判断手段により削除すると判断された前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除する印刷装置側削除手段と
を有し、
前記認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際に、当該印刷要求に係る前記印刷データが、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている場合には、この印刷装置側記憶手段に記憶されている当該印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷し、前記印刷装置側削除手段により削除されて、前記印刷装置側記憶手段に記憶されていない場合には、当該印刷要求に係る前記印刷データを示す前記印刷データ送信要求データを送信して、この印刷要求に係る前記印刷データを前記ホスト装置から取得し、この取得した前記印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷することを特徴とする印刷装置。
【請求項11】
記録媒体に画像を印刷するための印刷データを作成する複数の端末装置と、前記印刷データを記憶可能な印刷装置側記憶手段を有する印刷装置と、前記複数の端末装置及び前記印刷装置と通信可能に接続され、前記印刷データを記憶可能なホスト装置側記憶手段を有するホスト装置とを有し、前記印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を前記印刷装置において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に前記印刷装置が前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷する記録システムの制御プログラムであって、
前記複数の端末装置、前記印刷装置、又は前記ホスト装置に前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断処理を実行させ、
前記複数の端末装置それぞれに、前記印刷データを前記ホスト装置に送信する端末装置側送信処理を実行させ、
前記ホスト装置に、前記複数の端末装置から前記印刷データを受信して、受信した前記印刷データを前記ホスト装置側記憶手段に記憶させ、受信した前記印刷データを前記印刷装置に送信し、且つ前記印刷装置から印刷データ送信要求データを受信した場合には、前記ホスト装置側記憶手段に記憶されている、当該印刷データ送信要求データが示す前記印刷データを前記印刷装置に送信するホスト装置側送受信処理を実行させ、
前記印刷装置に、
前記ホスト装置から前記印刷データを受信して、受信した前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段に記憶させる印刷装置側受信処理と、
前記判断処理により削除すると判断された前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除する印刷装置側削除処理と、
前記認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際に、当該印刷要求に係る前記印刷データが、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている場合には、この印刷装置側記憶手段に記憶されている当該印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷させ、前記印刷装置側削除手段により削除されて、前記印刷装置側記憶手段に記憶されていない場合には、当該印刷要求に係る前記印刷データを示す前記印刷データ送信要求データを前記ホスト装置に送信して、この印刷要求に係る前記印刷データを前記ホスト装置から取得し、この取得した前記印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷する印刷処理と
を実行させることを特徴とする記録システムの制御プログラム。
【請求項12】
記録媒体に画像を印刷するための印刷データを作成する複数の端末装置と、前記印刷データを記憶可能な印刷装置側記憶手段を有する印刷装置と、前記複数の端末装置及び前記印刷装置と通信可能に接続され、前記印刷データを記憶可能なホスト装置側記憶手段を有するホスト装置と、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により削除すると判断された前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除する印刷装置側削除手段とを有し、前記印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を前記印刷装置において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に前記印刷装置が前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷する記録システムのホスト装置の制御プログラムであって、
前記複数の端末装置から前記印刷データを受信した前記印刷データを前記ホスト装置側記憶手段に記憶させ、受信した前記印刷データを前記ユーザ認証前に前記印刷装置に送信するホスト装置側送受信処理と
前記認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際において当該印刷要求に係る前記印刷データが、前記印刷装置側削除手段により削除されて前記印刷装置側記憶手段に記憶されていない場合に前記印刷装置から送信される、当該印刷要求に係る前記印刷データを示す前記印刷データ送信要求データを受信した場合に、前記ホスト装置側記憶手段に記憶されている、当該印刷データ送信要求データが示す当該印刷要求に係る前記印刷データを、前記印刷装置に送信する要求印刷データ送信処理と
を前記ホスト装置に実行させることを特徴とするホスト装置の制御プログラム。
【請求項13】
記録媒体に画像を印刷するための印刷データを作成する複数の端末装置と、前記印刷データを記憶可能な印刷装置側記憶手段を有する印刷装置と、前記複数の端末装置及び前記印刷装置と通信可能に接続され、前記複数の端末装置から受信した前記印刷データが記憶されるホスト装置側記憶手段を有するホスト装置と、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断手段とを有し、前記印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を前記印刷装置において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に前記印刷装置が前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷する記録システムの印刷装置の制御プログラムであって、
前記ホスト装置から前記印刷データを前記ユーザ認証前に受信して、受信した前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段に記憶させる印刷装置側受信処理と、
前記判断手段により削除すると判断された前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除する印刷装置側削除処理と
前記認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際に、当該印刷要求に係る前記印刷データが、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている場合には、この印刷装置側記憶手段に記憶されている当該印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷し、前記印刷装置側削除手段により削除されて、前記印刷装置側記憶手段に記憶されていない場合には、当該印刷要求に係る前記印刷データを示す前記印刷データ送信要求データを送信して、この印刷要求に係る前記印刷データを前記ホスト装置から取得し、この取得した前記印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷する印刷処理と
を前記印刷装置に実行させることを特徴とする印刷装置の制御プログラム。
【請求項14】
記録媒体に画像を印刷するための印刷データを作成する複数の端末装置と、
前記端末装置と通信可能に接続され、前記印刷データを記憶可能な印刷装置側記憶手段を有する印刷装置と、
前記印刷データの印刷要求時に、ユーザからの認証データの入力を前記印刷装置において受け付けて、この認証データに基づいてユーザ認証を行い、認証後に前記印刷装置が前記印刷データに係る画像を記録媒体に印刷する記録システムであって、
前記印刷装置側記憶手段に記憶されている前記印刷データを、この印刷データに係る印刷要求の前に削除するか否かを判断する判断手段をさらに有し、
前記複数の端末装置それぞれは、
前記印刷データを記憶可能な端末装置側記憶手段と、
前記印刷データを前記印刷装置に送信し、且つ、前記印刷装置から、前記印刷要求に係る印刷データの送信を要求する印刷データ送信要求データを受信した場合には、前記端末装置側記憶手段に記憶されている、当該印刷データ送信要求データが示す前記印刷データを前記印刷装置に送信する端末装置側送信手段を有しており、
前記印刷装置は、
前記端末装置から前記印刷データを受信して、受信した前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段に記憶させる印刷装置側受信手段と、
前記判断手段により削除すると判断された前記印刷データを前記印刷装置側記憶手段から削除する印刷装置側削除手段とを有し、
前記認証データの入力をユーザから受けて印刷要求がなされた際に、当該印刷要求に係る前記印刷データが、前記印刷装置側記憶手段に記憶されている場合には、この印刷装置側記憶手段に記憶されている当該印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷し、前記印刷装置側削除手段により削除されて、前記印刷装置側記憶手段に記憶されていない場合には、当該印刷要求に係る前記印刷データを示す前記印刷データ送信要求データを前記端末装置に送信して、この印刷要求に係る前記印刷データを前記端末装置から取得し、この取得した前記印刷データに基づいて記録媒体に画像を印刷することを特徴とする記録システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−141778(P2012−141778A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−293939(P2010−293939)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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