記録システム、制御装置および方法、並びにプログラム
【課題】コンテンツのムーブ時におけるユーザの利便性を向上させることができるようにする。
【解決手段】ムーブ制御部61は、HDR13を制御し、コンテンツをムーブさせる。コマンド管理部63は、HDR13が保持しているコンテンツ毎の情報(自分自身の状態を管理する記述子)を参照し、ムーブが中断されたコンテンツを読み取り、そのコンテンツをリスト表示部62に通知する。リスト表示部62は、HDR13に録画されているコンテンツを参照し、ムーブ可能なコンテンツのリストを表示させる。またリスト表示部62は、コマンド管理部63から通知された情報に基づいて、ムーブ中断アイコンをリストに表示させる。さらにリスト表示部62は、ムーブ中、放送波のみを表示させる。本発明は、IEEE1394バスを介して接続される記録装置を制御可能なディジタルテレビジョン受像機に適用することができる。
【解決手段】ムーブ制御部61は、HDR13を制御し、コンテンツをムーブさせる。コマンド管理部63は、HDR13が保持しているコンテンツ毎の情報(自分自身の状態を管理する記述子)を参照し、ムーブが中断されたコンテンツを読み取り、そのコンテンツをリスト表示部62に通知する。リスト表示部62は、HDR13に録画されているコンテンツを参照し、ムーブ可能なコンテンツのリストを表示させる。またリスト表示部62は、コマンド管理部63から通知された情報に基づいて、ムーブ中断アイコンをリストに表示させる。さらにリスト表示部62は、ムーブ中、放送波のみを表示させる。本発明は、IEEE1394バスを介して接続される記録装置を制御可能なディジタルテレビジョン受像機に適用することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録システム、制御装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、記録装置におけるコンテンツの移動を制御装置側から指示することができるようにした記録システム、制御装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在のディジタル放送におけるプログラム(コンテンツ)は、ディジタルコピー制御記述子(digital_copy_control_descriptor)によって、コンテンツの著作権情報(コピーの世代を制御する情報)が定義されている。
【0003】
例えば、HDD(Hard Disk Drive)とDVD(Digital Versatile Disc)ドライブを内蔵するハイブリッド型の記録装置において、著作権情報が「1世代のみコピー可」のコンテンツがHDDに記録された場合、その時点で「1世代」のコピーが行われたものとして扱われ、コンテンツのCCI(Copy Control Information)は「これ以上コピー禁止」とされる。ここで、CCIは、記録装置内部でのそれぞれのコンテンツのコピーの制限に関する情報である。
【0004】
従って、以降、ユーザは、そのコンテンツをHDDから再生させる限りにおいては視聴することはできるが、DVDにコピーして外部のプレーヤで視聴したりすることはできない。現在のディジタル放送においては、このようにして複製の作成が防止されている。
【0005】
ところで、HDDの記録容量は当然有限であり、HDDの記録容量いっぱいにコンテンツが記録された場合、コンテンツを消去せずに記録容量を確保するためには、コンテンツを他のリムーバブルメディアにコピーして、HDD内のコンテンツを削除することが考えられるが、上述したような制限からコンテンツによってはそれができない。
【0006】
そこで、このような問題を解決するために、「ムーブ(Move)」という技術がある。
【0007】
ムーブは、例えば、HDDに記録されている「1世代のみコピー可」のコンテンツを、DVDやBlue-ray Disk(商標)などのリムーバブルメディアにコピーしつつ、コピーが終わったHDD内のコンテンツの部分を消去、または無効化して、全てのコピーが終了したときに、HDD内のコンテンツを全て消去、または無効化することにより、利用可能な1つのコンテンツをリムーバブルメディア上に残しつつ、HDD上からはそれを利用できなくする技術である(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
これにより、ユーザは、内蔵のHDDに記録された「1世代のみコピー可」のコンテンツであっても、他のリムーバブルメディアなどに複製を作ることが可能となり、コンテンツが記録(ムーブ)されたリムーバブルメディアを他のプレーヤなどに装着することにより、HDD上以外からでもコンテンツを利用することができる。また、この場合でも、複製が複数作成されることもない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−16725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、制御装置としての第3の機器(例えば、DTV(Digital Television))が、IEEE1394バスを介して接続されているHDR(Hard Disc Recorder)からDVHS(Digital Video Home System)にコンテンツをムーブさせるように制御すると、その第3の機器は、コンテンツのムーブ開始時には、例えば、図1Aに示されるように、「コンテンツのムーブ中です」といったメッセージを画面に表示させる。その後、HDRが再生状態になるため、第3の機器は、その再生画を入力しようとして、HDRからの入力に切り替えるが、ムーブ再生中の信号は、ムーブ先のDVHSしか入力することができないため、図1Bに示されるような、いわゆる黒画と呼ばれる画面を表示させるしかない。そのため、ユーザは、ムーブ中には、図1Cに示されるような放送波(いわゆるテレビ番組のチャンネル)を表示させるために、手動でリモートコントローラを操作して放送波を選局する必要があり、操作が煩雑になる課題があった。
【0011】
また、何らかの事情でムーブが中断された場合、ユーザがそれを知るためには、ムーブが中断されたコンテンツを再生するしかなかった。
【0012】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、記録装置におけるコンテンツのムーブを制御装置側から指示するとともに、その際のユーザの利便性を向上させることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の記録システムは、制御装置と記録装置からなる記録システムであって、前記制御装置は、前記記録装置に記録された所定のコンテンツのムーブを制御するムーブ制御手段と、前記ムーブ制御手段によるムーブが中断された場合、ムーブ中断に関する情報の表示を制御する表示制御手段とを備え、前記記録装置は、前記所定のコンテンツを記録する記録手段と、前記制御装置による制御に基づいて、前記記録手段に記録されている前記所定のコンテンツをムーブするムーブ手段とを備える。
【0014】
本発明の制御装置は、記録装置と接続される制御装置において、前記記録装置に記録された所定のコンテンツのムーブを制御するムーブ制御手段と、前記ムーブ制御手段によるムーブが中断された場合、ムーブ中断に関する情報の表示を制御する表示制御手段とを備える。
【0015】
前記ムーブ中断に関する情報は、アイコンであるようにすることができる。
【0016】
前記表示制御手段には、前記記録装置に記録されているムーブ可能なコンテンツのタイトルのリストの表示をさらに制御し、前記リスト上に前記ムーブ中断に関する情報を重畳表示させることができる。
【0017】
本発明の制御方法は、記録装置と接続される制御装置の制御方法において、前記記録装置に記録された所定のコンテンツのムーブを制御するムーブ制御ステップと、前記ムーブ制御ステップの処理によるムーブが中断された場合、ムーブ中断に関する情報の表示を制御する表示制御ステップとを含む。
【0018】
本発明のプログラムは、記録装置と接続される制御装置の制御処理を、コンピュータに行わせるプログラムにおいて、前記記録装置に記録された所定のコンテンツのムーブを制御するムーブ制御ステップと、前記ムーブ制御ステップの処理によるムーブが中断された場合、ムーブ中断に関する情報の表示を制御する表示制御ステップとを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【0019】
本発明においては、ムーブが中断された場合、ムーブ中断に関する情報の表示が制御される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、記録装置におけるコンテンツのムーブを制御装置側から指示することが可能となる。また、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来のムーブ中の制御装置側の画面の例を示す図である。
【図2】本発明を適用した録画・再生システムの構成例を示すブロック図である。
【図3】HDRが保持する「Moved Position Marker InfoBlock」を示す図である。
【図4】HDRが保持する「Original Size Indicator InfoBlock」を示す図である。
【図5】DTVの構成例を示すブロック図である。
【図6】DTVにより表示される操作パネルの例を示す図である。
【図7】DTVの機能構成例を示すブロック図である。
【図8】再生リストの例を示す図である。
【図9】オプションメニューの例を示す図である。
【図10】ムーブモード画面の例を示す図である。
【図11】ムーブ中メッセージの例を示す図である。
【図12】ムーブ中に放送波のみが表示される例を示す図である。
【図13】ムーブ処理を説明するフローチャートである。
【図14】ムーブ中断アイコンの表示処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図2は、本発明を適用した録画・再生システム1の構成例を示すブロック図である。この録画・再生システム1には、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394バス12を介して、DTV(Digital Television)11、HDR(Hard Disk Recorder)13、およびDVHS(Digital Video Home System)14が相互に接続されている。
【0023】
DTV11は、地上ディジタル放送、BS(Broadcasting Satellite)/CS(Communications Satellite)ディジタル放送に対応したテレビジョン受像機であるとともに、自分自身がコントローラとなり、AV/Cコマンド(AV/C Digital Interface Command Set)を用いて、ターゲットとなるHDR13およびDVHS14をそれぞれ制御する。
【0024】
例えば、DTV11は、所定のチャンネルで放送されてきたトランスポートストリームから抽出したパケットをIEEE1394バス12を介してHDR13またはDVHS14に供給し、ユーザにより選択されたテレビジョン番組などの所定のコンテンツの録画(記録)を行わせる。
【0025】
また例えば、DTV11は、HDR13に記録されているコンテンツを再生させたり、あるいは、HDR13に記録されているコンテンツを、IEEE1394バス12を介してDVHS14にコピーまたはムーブさせる。このコピーまたはムーブの実行中、DTV11は、HDR13からの入力に切り替えずに、放送波を表示させたままにする。
【0026】
さらにまた例えば、DTV11は、ムーブ元のHDR13にAV/Cコマンド(READ Command)を発行することにより、コンテンツのムーブが中断されたか否かを読み取り、ムーブ中断を識別することが可能なアイコンを表示する。
【0027】
HDR13は、DTV11より供給された所定のコンテンツを記録する。HDR13に記録されているコンテンツは、DTV11により適宜読み出され、再生、コピー、またはムーブなどに用いられる。またHDR13は、IEEE1394により規定される、自分自身の状態を管理する記述子を作成、保持しており、ムーブ状況に応じてその記述子を書き換える。
【0028】
図3は、HDR13が保持する、自分自身の状態を管理する記述子である「Moved Position Marker InfoBlock」を示す図である。
【0029】
「moved_count(XX16)」には、何回に渡ってコンテンツがムーブされたかに関する情報が記述されている。「position_marker_type(0016)」には、コンテンツの時間やサイズを規定するための情報が記述されている。「position_marker_specific_information」には、コンテンツのどこでムーブが中断されたかに関する位置(時間)情報が規定されている。「object_position_nember(0000000016)」、「hours(XX16)」、「minutes(XX16)」、「seconds(XX16)」、および「frames(XX16)」には、ムーブ毎の詳細な位置(時間)情報が記述されている。
【0030】
図4は、HDR13が保持する、自分自身の状態を管理する記述子である「Original Size Indicator InfoBlock」を示す図である。
【0031】
図3の例と同様に、「moved_count(XX16)」には、何回に渡ってコンテンツがムーブされたかに関する情報が記述され、「position_marker_type(0016)」には、コンテンツの時間やサイズを規定するための情報が記述され、「position_marker_specific_information」には、コンテンツのどこでムーブが中断されたかに関する位置(時間)情報が規定されている。
【0032】
さらに、「size_indicator_type(0016)」には、コンテンツのオリジナルサイズを規定するための情報が記述されている。「size_indicator_type_specific」には、コンテンツのオリジナルサイズに関する情報が規定されている。「hours(XXXX16)」、「minutes(XX16)」、「seconds(XX16)」、および「frames(XX16)」には、コンテンツの詳細なオリジナルサイズに関する情報が記述されている。
【0033】
HDR13は、図3または図4に示したような情報をコンテンツ毎に作成、保持しており、例えば、ムーブが1回実行されて中断された場合には、「moved_count(XX16)」に“1”を記述するとともに、「position_marker_specific_information」にその中断した位置情報を記述する。
【0034】
DVHS14は、DTV11から供給された所定のコンテンツを記録したり、あるいは、IEEE1394バス12を介してHDR13から供給(コピーまたはムーブ)されたコンテンツを記録する。
【0035】
図5は、DTV11の構成例を示すブロック図である。
【0036】
CPU(Central Processing Unit)21は、メモリ22に記憶されているプログラムを実行し、受光部23から供給されてくる信号に応じてDTV11の全体の動作を制御する。
【0037】
受光部23は、リモートコントローラ42からの赤外線を受光し、復調して得られたユーザ操作に対応する信号をCPU21に出力する。
【0038】
チューナ24は、CPU21による制御に従って、アンテナ41からの放送信号を受信、復調し、所定のチャンネルで放送されてきたトランスポートストリーム(TS)をデスクランブラ25に出力する。
【0039】
デスクランブラ25は、図示せぬCASカードに記憶されているデータを用いてスクランブルを解くキーを生成し、チューナ24から供給されてきたトランスポートストリームのスクランブルを解除する。デスクランブラ25によりスクランブルが解除されたトランスポートストリームはDEMUX(デマルチプレクサ)26に供給される。
【0040】
DEMUX26は、CPU21による制御に従って、デスクランブラ25から供給されてきたトランスポートストリームから所定のストリームを抽出し、抽出したストリーム(ストリームを構成するパケット)をAudioデコーダ27、Videoデコーダ30に出力する。
【0041】
また、DEMUX26は、コンテンツをHDR13に録画させる場合、得られたストリームをIEEE1394インタフェース34に出力し、HDR13に録画されているコンテンツを再生する場合、IEEE1394バス12、およびIEEE1394インタフェース34を介してHDR13から供給されてきたストリームをAudioデコーダ27、Videoデコーダ30に出力する。
【0042】
Audioデコーダ27は、DEMUX26から供給されてきたオーディオデータ(オーディオパケット)をデコードし、得られたオーディオデータを音声処理回路28に出力する。
【0043】
音声処理回路28は、Audioデコーダ27から供給されてきたオーディオデータに対してD/A(Digital/Analog)変換、増幅処理等を施し、得られた音声をスピーカ29から出力させる。
【0044】
Videoデコーダ30は、DEMUX26から供給されてきたビデオデータ(ビデオパケット)をデコードし、得られたビデオデータを映像処理回路31に出力する。
【0045】
映像処理回路31は、Videoデコーダ30から供給されてきたビデオデータに対して所定の画像処理、D/A変換等を施し、コンテンツの画像をディスプレイ33に表示させる。また、映像処理回路31は、OSD(On Screen Display)付加回路32から供給されてきたビデオデータにも基づいて所定の画像をディスプレイ33に表示させる。
【0046】
OSD付加回路32は、CPU21による制御に従ってディスプレイ33に表示させる画像のビデオデータを生成し、生成したビデオデータを映像処理回路31に出力する。OSD付加回路32により、例えば、HDR13に録画されているコンテンツのリストを表示するためのビデオデータが生成され、それが映像処理回路31に出力される。
【0047】
IEEE1394インタフェース34は、IEEE1394バス12を介してHDR13との間で通信を行う。IEEE1394インタフェース34からHDR13に対しては、例えば、CPU21から供給されてきたAV/Cコマンド、DEMUX26から供給されてきたストリームが送信される。
【0048】
図6は、DTV11のディスプレイ33に表示される操作パネル51の表示例を示す図である。
【0049】
操作パネルのほぼ中央上部には「HDR1」が表示されており、図6の操作パネル51が、HDR13を操作するためのものであることが示されている。この操作パネル51には、HDR13の電源をON/OFFするとき操作される電源ボタン52、HDR13に録画されているコンテンツ(録画済み、録画中のものを含む)のタイトルのリストを表示するとき操作されるリストボタン53、操作パネル51により制御する機器を選択するとき操作される機器選択ボタン54が表示されている。
【0050】
また、電源ボタン52等の右側には、HDR13に録画されているコンテンツの再生、停止等を行うときに操作される再生操作ボタン55が表示されており、その右側には、HDR13へのコンテンツの録画の開始、停止等を行うときに操作される録画操作ボタン56が表示されている。さらに、機器詳細情報表示エリア57には、ハードディスクの残りの容量等のHDR13の状態が表示されている。
【0051】
このような操作パネル51が、DTV11のディスプレイ33の所定の位置に表示される。
【0052】
図7は、DTV11の機能的構成例を示すブロック図である。図7に示す機能的構成例は、CPU21が、メモリ22に記憶された所定のプログラムを実行することで実現される。
【0053】
ムーブ制御部61は、例えば、ユーザにより、HDR13に録画されているコンテンツのDVHS14へのムーブが指示されたとき、IEEE1394バス12を介してHDR13を制御し、DVHS14にコンテンツをムーブさせるように制御する。これにより、HDR13は、ムーブが終わったコンテンツの部分を消去、または無効化しつつ、全てのムーブが終わったとき、HDR13に記録されているコンテンツを全て消去、または無効化し、利用不可とすることによってムーブを行い、ムーブが中断された場合、コンテンツに対応する情報(図3または図4)を書き換える。また、ムーブ制御部61は、ムーブ実行中である旨をリスト表示部62に通知する。
【0054】
リスト表示部62は、リモートコントローラ42からの指示に基づいて、IEEE1394バス12を介してHDR13に録画されているコンテンツを参照し、再生(ムーブを含む)可能なコンテンツのリストをディスプレイ33に表示させる。このリストから、ユーザは、ムーブするコンテンツを選択することができる。
【0055】
また、リスト表示部62は、ムーブ制御部61からの通知に基づいて、ムーブ実行中メッセージをディスプレイ33に表示させる。さらに、リスト表示部62は、コマンド管理部63から通知された情報に基づいて、ムーブが中断されたコンテンツを識別するためのアイコンをリストに表示させる。
【0056】
図8はリスト表示部62によりディスプレイ33に表示される再生リストの例を示す図である。
【0057】
図8に示す再生リスト71は、図6に示した操作パネル51のリストボタン53が選択された場合に表示される。再生リスト71には、HDR13に録画されている、操作可能なコンテンツのタイトルが一覧表示されている。図8の例の場合、再生リスト71には、「エスニック・グルメ探検」、「古都を訪ねて」、「Go!Go!プロ野球」、「ザ・チャレンジャー・ショー」、「ドイツへの旅」、および「ニュース」が、ユーザが操作(ムーブを含む)可能なコンテンツのタイトルとして表示されている。
【0058】
また、図8の例においては、ユーザによりリモートコントローラ42が操作され、「エスニック・グルメ探検」のタイトル72が選択されており、そのタイトルに対応するコンテンツの詳細情報などが画面下方に表示されているとともに、「古都を訪ねて」のタイトルに対応するコンテンツのムーブが中断されたことを示すムーブ中断アイコン73が表示されている。
【0059】
さらに、図8の例においては、再生リスト71の表示を終了する場合に選択される閉じるボタン74が表示されている。
【0060】
このような再生リスト71が表示されている状態で、例えば、ユーザが、リモートコントローラ42の上下ボタンを用いてカーソルを移動させ、所定の番組のタイトル(例えば、「エスニック・グルメ探検」)を選択し、リモートコントローラ42のオプションボタンを押下したとき、図9に示されるようなオプションメニュー81が表示される。
【0061】
図9の例の場合、オプションメニュー81には、「再生」、「初めから再生」、「削除」、「ダビング」、および「ムーブ」が表示されている。ユーザは、リモートコントローラ42の上下ボタンを用いてカーソル81Aを移動させ、オプションメニュー81の中から所定の操作内容を選択し、決定ボタンを押下したとき、そのタイトル(いまの場合、「エスニック・グルメ探検」)のコンテンツをHDR13から再生(前回再生した位置から再生)、初めから再生、削除、ダビング、またはムーブさせることができる。
【0062】
例えば、ユーザが、「エスニック・グルメ探検」のタイトルを選択し、オプションメニュー81の中から「ムーブ」を選択、決定した場合、図10に示されるようなムーブモード画面91が表示される。
【0063】
図10の例の場合、ムーブモード画面91には、「エスニック・グルメ探検」のタイトルに対応するコンテンツの詳細情報が表示されているとともに、ムーブ元の再生機およびムーブ先の録画機が表示されている。すなわち、再生機として、「HDR1」(図2のHDR13に対応する)が表示され、録画機として、「DVHS1」(図2のDVHS14に対応する)が表示されている。なお、図示は省略するが、ムーブ先の録画機が複数存在する場合には、ユーザは、リモートコマンダを用いて所定の録画機を選択し、決定ボタンを押下することで、ムーブ先の1つの録画機を選択することができる。
【0064】
このようなムーブモード画面91が表示されている状態で、例えば、ユーザが、リモートコントローラ42を用いて「ムーブする」のボタン92を選択した場合、ムーブ制御部61により、HDR13に録画されている、「エスニック・グルメ探検」のタイトルに対応するコンテンツのDVHS14へのムーブが行われる。このムーブ処理の実行に伴って、図11に示されるように、「選んだ番組をムーブしますか?」のメッセージに代わって、「ムーブ中です」のメッセージが表示される。またこのとき、ユーザにより、リモートコントローラ42を用いてムーブモード画面91の表示の終了が指示された場合、図12に示されるように、ディスプレイ33には、放送波のみが表示される。なお、ムーブ中において、所定時間だけムーブモード画面91が表示された後、ディスプレイ33には、ユーザの操作によらずに、自動的に放送波のみが表示されるようにしてもよい。
【0065】
一方、ユーザが、ムーブモード画面91の中止ボタン93を選択した場合、ムーブ制御部61により、ムーブが中止される。
【0066】
以上のようにして、ユーザは、DTV11のディスプレイ33に表示される操作パネル51(図6)や再生リスト71(図8)などを用いて所定の操作を行うことにより、HDR13に録画されているコンテンツを再生させたり、ムーブさせたりといった処理を行わせることができる。
【0067】
図7の説明に戻る。コマンド管理部63は、HDR13にAV/C Commandを発行することにより、HDR13が保持しているコンテンツ毎の情報(図3または図4)の中から、ムーブが中断されたコンテンツを読み取り、そのコンテンツをリスト表示部62に通知する。
【0068】
次に、図13のフローチャートを参照して、DTV11が実行する、ムーブ処理について説明する。この処理は、例えば、DTV11のディスプレイ33に放送波が表示されているときに、ユーザによってリモートコントローラ42が操作され、図6に示したように、HDR13の操作パネル51が表示されている場合に開始される。
【0069】
ステップS1において、リスト表示部62は、ユーザによりリモートコントローラ42が操作され、リスト表示が指示されたか否か、すなわち、図6に示した操作パネル51のリストボタン53が押下されたか否かを判定し、リスト表示が指示されるまで待機する。そして、リスト表示が指示されたと判定された場合、ステップS2に進む。
【0070】
ステップS2において、リスト表示部62は、ユーザからのリスト表示の指示に基づいて、IEEE1394バス12を介してHDR13に録画されているコンテンツを参照し、再生(ムーブを含む)可能なコンテンツのリストを取得する。そして、リスト表示部62は、図6に示した操作パネル51の表示から、図8に示した再生リスト71の表示に切り替える。ステップS3において、リスト表示部62は、コンテンツが選択されたか否か、すなわち、ユーザによりリモートコントローラ42が用いられ、再生リスト71に一覧表示されているタイトルの中から所定の番組のタイトルが選択されたか否かを判定する。
【0071】
ステップS3において、コンテンツが選択されたと判定された場合、ステップS4に進み、リスト表示部62は、オプションからムーブが選択されたか否か、すなわち、番組のタイトルが選択された状態で、オプションボタンが押下されたときに表示される図9のオプションメニュー81の中から「ムーブ」が選択され、決定ボタンが押下されたか否かを判定する。
【0072】
ステップS4において、オプションからムーブが選択されていないと判定された場合、ステップS5に進み、リスト表示部62は、オプションからムーブ以外の項目が選択されたか否か、すなわち、オプションメニュー81の中から「ムーブ」以外の「再生」、「初めから再生」、「削除」、または「ダビング」の操作内容が選択されたか否かを判定し、オプションからムーブ以外の項目が選択されていないと判定された場合、ステップS4に戻り、上述した処理を繰り返し実行する。
【0073】
ステップS5において、オプションからムーブ以外の項目が選択されたと判定された場合、ステップS6に進み、CPU21は、選択された操作内容に対応する所定の処理(再生、初めから再生、削除、またはダビング)を実行する。ステップS6の所定の処理終了後、処理は、ステップS3に戻り、リスト表示部62は、図8に示した再生リスト71を再表示し、上述した処理を繰り返し実行する。
【0074】
ステップS4において、オプションからムーブが選択されたと判定された場合、ステップS7に進み、リスト表示部62は、図10に示したムーブモード画面91を表示し、ムーブ先の機種が選択されたか否か、すなわち、ユーザによりリモートコントローラ42が用いられ、ムーブ先の機種(録画機)が選択され、「ムーブする」のボタン92が押下されたか否かを判定する。なお、図10の例では、ムーブ先の機種が1つしかないため、「DVHS1」が既に選択されているが、ムーブ先の機種が複数存在する場合には、ユーザがリモートコントローラ42を用いてカーソルを移動させるなどして、所定の録画機を選択する。
【0075】
ステップS7において、ムーブ先の機種が選択されていないと判定された場合、ステップS8に進み、リスト表示部62は、中止が指示されたか否か、すなわち、ユーザによりリモートコントローラ42が用いられ、中止ボタン93が選択されたか否かを判定し、中止がしじされていないと判定した場合、ステップS7に戻り、上述した処理を繰り返し実行する。
【0076】
ステップS8において、中止が指示されたと判定された場合、ステップS3に戻り、リスト表示部62は、図8に示した再生リスト71を再表示し、上述した処理を繰り返し実行する。
【0077】
ステップS7において、ムーブ先の機種が選択されたと判定された場合、ステップS9に進み、ムーブ制御部61は、HDR13を制御し、ムーブ処理を実行させる。図10の例の場合、「エスニック・グルメ探検」のタイトルに対応するコンテンツのDVHS14へのムーブが行われる。ステップS10において、リスト表示部62は、ムーブ制御部61からの指示に基づいて、図11に示したような、「ムーブ中です」のメッセージを表示させる。このとき、ユーザによりムーブモード画面91の表示の終了が指示されると、図12に示したように、ディスプレイ33には、放送波のみが表示される。
【0078】
ステップS11において、ムーブ制御部61は、ムーブ処理が終了したか否かを判定し、ムーブ処理を未だ終了していないと判定した場合、ステップS12に進み、中止が指示されたか否か、すなわち、ユーザによりリモートコントローラ42が用いられ、中止ボタン93が選択されたか否かを判定し、中止が指示されていないと判定した場合、ステップS11に戻り、上述した処理を繰り返し実行する。
【0079】
ステップS12において、中止が指示されたと判定された場合、ステップS13に進み、HDR13は、いまムーブが中断されたコンテンツに対応する情報(図3または図4)を書き換える。これにより、「moved_count(XX16)」に“1”が記述され、「position_marker_specific_information」にその中断した位置情報が記述される。なお、「moved_count(XX16)」に“1”以上の値が既に記述されているコンテンツのムーブが中断された場合には、その値が1だけ増加される。具体的には、「moved_count(XX16)」に“3”が記述されているコンテンツのムーブが再実行され、そのムーブが再び中断された場合、「moved_count(XX16)」には、“4”が記述される。
【0080】
ステップS13の処理の後、処理は、ステップS3に戻り、リスト表示部62は、図8に示した再生リスト71を再表示し、上述した処理を繰り返し実行する。
【0081】
ステップS11において、ムーブ処理が終了したと判定された場合、ステップS14に進み、リスト表示部62は、図8に示した再生リスト71を再表示する。このとき、ムーブされたコンテンツは利用不可とされていることから、ムーブされたコンテンツのタイトルは、再生リスト71から消去される。その後、処理は、ステップS3に戻り、上述した処理が繰り返し実行される。なお、図12に示したように、ディスプレイ33に放送波のみが表示されている状態で、ムーブ処理が終了した場合には、リスト表示部62は、再生リスト71を再表示することなく、放送波を表示したままとする。
【0082】
一方、ステップS3において、コンテンツが選択されていないと判定された場合、ステップS15に進み、リスト表示部62は、リスト表示の終了が指示されたか否か、すなわち、ユーザによりリモートコントローラ42が用いられ、再生リスト71の閉じるボタン74が選択されたか否かを判定する。
【0083】
ステップS15において、リスト表示の終了が指示されていないと判定された場合、ステップS3に戻り、上述した処理が繰り返し実行される。一方、ステップS15において、リスト表示の終了が指示されたと判定された場合、図13のムーブ処理は終了される。
【0084】
以上のムーブ処理により、HDR13からDVHS14へのコンテンツのムーブ中に、DTV11は、HDR13の入力に切り替えて黒画を表示するのではなく、放送波を表示させることができる。これにより、ユーザは、あえてリモートコントローラ42を用いて放送波を選局する必要がなくなる。
【0085】
次に、図14のフローチャートを参照して、DTV11が実行する、ムーブ中断アイコンの表示処理について説明する。
【0086】
ステップS31において、コマンド管理部63は、IEEE1394バス12を介してHDR13にAV/C Commandを発行することにより、Moved Position Marker(図3)を保持しているか否かを判定し、Moved Position Markerを保持していると判定した場合、ステップS33に進む。
【0087】
一方、ステップS31において、Moved Position Markerを保持していないと判定された場合、ステップS32に進み、コマンド管理部63は、さらにHDR13が、Original Size Indicator(図4)を保持しているか否かを判定し、Original Size Indicatorを保持していると判定した場合、ステップS33に進む。
【0088】
ステップS33において、コマンド管理部63は、Moved Position Marker(図3)またはOriginal Size Indicator(図4)のMoved_countを読み取る。ステップS34において、コマンド管理部63は、ステップS33の処理で読み取ったMoved_countが1以上であるか否かを判定し、Moved_countが1以上であると判定した場合、その旨をリスト表示部62に通知した後、ステップS35に進む。
【0089】
ステップS35において、リスト表示部62は、コマンド管理部63から通知された情報(Moved_countが1以上である、または、ムーブが中断されているなど)に基づいて、対応するコンテンツのタイトルの近傍にムーブ中断アイコンを表示させる。図8の例の場合、「古都を訪ねて」のタイトルの右横に、ムーブ中断アイコン73が表示されている。
【0090】
ステップS32において、Moved Position Marker(図3)およびOriginal Size Indicator(図4)のいずれも保持していないと判定された場合、または、ステップS34において、Moved_countが1以上ではない(すなわちMoved_countが0である)と判定された場合、ステップS36に進み、リスト表示部62は、ムーブ中断アイコンを非表示にする。図8の例の場合、「エスニック・グルメ探検」、「Go!Go!プロ野球」、「ザ・チャレンジャー・ショー」、「ドイツへの旅」、および「ニュース」のタイトルの横には、ムーブ中断アイコン73は表示されない。なお、ムーブ中断アイコン73を非表示にする代わりに、他のアイコンを表示させるようにしてもよい。
【0091】
以上のムーブ中断アイコンの表示処理により、ムーブが中断されたコンテンツを視覚的にユーザに呈示することができる。これにより、ユーザは、ムーブが中断されたコンテンツを再生させなくても、ムーブ中断アイコン73の表示によって、容易に、かつ、瞬時にムーブが中断されたコンテンツを知ることができる。
【0092】
以上においては、ムーブが中断されたコンテンツを識別可能とするために、ムーブ中断アイコン73を表示させるようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、「ムーブ一部不可」などのメッセージを表示させるようにしてもよい。
【0093】
なお、本明細書において、各ステップは、記載された順序に従って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0094】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表わすものである。
【符号の説明】
【0095】
1 録画・再生システム, 11 DTV, 12 IEEE1394バス, 13 HDR, 14DVHS, 21 CPU, 33 ディスプレイ, 42 リモートコントローラ, 61 ムーブ制御部, 62 リスト表示部, 63 コマンド管理部, 73 ムーブ中断アイコン
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録システム、制御装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、記録装置におけるコンテンツの移動を制御装置側から指示することができるようにした記録システム、制御装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在のディジタル放送におけるプログラム(コンテンツ)は、ディジタルコピー制御記述子(digital_copy_control_descriptor)によって、コンテンツの著作権情報(コピーの世代を制御する情報)が定義されている。
【0003】
例えば、HDD(Hard Disk Drive)とDVD(Digital Versatile Disc)ドライブを内蔵するハイブリッド型の記録装置において、著作権情報が「1世代のみコピー可」のコンテンツがHDDに記録された場合、その時点で「1世代」のコピーが行われたものとして扱われ、コンテンツのCCI(Copy Control Information)は「これ以上コピー禁止」とされる。ここで、CCIは、記録装置内部でのそれぞれのコンテンツのコピーの制限に関する情報である。
【0004】
従って、以降、ユーザは、そのコンテンツをHDDから再生させる限りにおいては視聴することはできるが、DVDにコピーして外部のプレーヤで視聴したりすることはできない。現在のディジタル放送においては、このようにして複製の作成が防止されている。
【0005】
ところで、HDDの記録容量は当然有限であり、HDDの記録容量いっぱいにコンテンツが記録された場合、コンテンツを消去せずに記録容量を確保するためには、コンテンツを他のリムーバブルメディアにコピーして、HDD内のコンテンツを削除することが考えられるが、上述したような制限からコンテンツによってはそれができない。
【0006】
そこで、このような問題を解決するために、「ムーブ(Move)」という技術がある。
【0007】
ムーブは、例えば、HDDに記録されている「1世代のみコピー可」のコンテンツを、DVDやBlue-ray Disk(商標)などのリムーバブルメディアにコピーしつつ、コピーが終わったHDD内のコンテンツの部分を消去、または無効化して、全てのコピーが終了したときに、HDD内のコンテンツを全て消去、または無効化することにより、利用可能な1つのコンテンツをリムーバブルメディア上に残しつつ、HDD上からはそれを利用できなくする技術である(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
これにより、ユーザは、内蔵のHDDに記録された「1世代のみコピー可」のコンテンツであっても、他のリムーバブルメディアなどに複製を作ることが可能となり、コンテンツが記録(ムーブ)されたリムーバブルメディアを他のプレーヤなどに装着することにより、HDD上以外からでもコンテンツを利用することができる。また、この場合でも、複製が複数作成されることもない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−16725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、制御装置としての第3の機器(例えば、DTV(Digital Television))が、IEEE1394バスを介して接続されているHDR(Hard Disc Recorder)からDVHS(Digital Video Home System)にコンテンツをムーブさせるように制御すると、その第3の機器は、コンテンツのムーブ開始時には、例えば、図1Aに示されるように、「コンテンツのムーブ中です」といったメッセージを画面に表示させる。その後、HDRが再生状態になるため、第3の機器は、その再生画を入力しようとして、HDRからの入力に切り替えるが、ムーブ再生中の信号は、ムーブ先のDVHSしか入力することができないため、図1Bに示されるような、いわゆる黒画と呼ばれる画面を表示させるしかない。そのため、ユーザは、ムーブ中には、図1Cに示されるような放送波(いわゆるテレビ番組のチャンネル)を表示させるために、手動でリモートコントローラを操作して放送波を選局する必要があり、操作が煩雑になる課題があった。
【0011】
また、何らかの事情でムーブが中断された場合、ユーザがそれを知るためには、ムーブが中断されたコンテンツを再生するしかなかった。
【0012】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、記録装置におけるコンテンツのムーブを制御装置側から指示するとともに、その際のユーザの利便性を向上させることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の記録システムは、制御装置と記録装置からなる記録システムであって、前記制御装置は、前記記録装置に記録された所定のコンテンツのムーブを制御するムーブ制御手段と、前記ムーブ制御手段によるムーブが中断された場合、ムーブ中断に関する情報の表示を制御する表示制御手段とを備え、前記記録装置は、前記所定のコンテンツを記録する記録手段と、前記制御装置による制御に基づいて、前記記録手段に記録されている前記所定のコンテンツをムーブするムーブ手段とを備える。
【0014】
本発明の制御装置は、記録装置と接続される制御装置において、前記記録装置に記録された所定のコンテンツのムーブを制御するムーブ制御手段と、前記ムーブ制御手段によるムーブが中断された場合、ムーブ中断に関する情報の表示を制御する表示制御手段とを備える。
【0015】
前記ムーブ中断に関する情報は、アイコンであるようにすることができる。
【0016】
前記表示制御手段には、前記記録装置に記録されているムーブ可能なコンテンツのタイトルのリストの表示をさらに制御し、前記リスト上に前記ムーブ中断に関する情報を重畳表示させることができる。
【0017】
本発明の制御方法は、記録装置と接続される制御装置の制御方法において、前記記録装置に記録された所定のコンテンツのムーブを制御するムーブ制御ステップと、前記ムーブ制御ステップの処理によるムーブが中断された場合、ムーブ中断に関する情報の表示を制御する表示制御ステップとを含む。
【0018】
本発明のプログラムは、記録装置と接続される制御装置の制御処理を、コンピュータに行わせるプログラムにおいて、前記記録装置に記録された所定のコンテンツのムーブを制御するムーブ制御ステップと、前記ムーブ制御ステップの処理によるムーブが中断された場合、ムーブ中断に関する情報の表示を制御する表示制御ステップとを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【0019】
本発明においては、ムーブが中断された場合、ムーブ中断に関する情報の表示が制御される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、記録装置におけるコンテンツのムーブを制御装置側から指示することが可能となる。また、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来のムーブ中の制御装置側の画面の例を示す図である。
【図2】本発明を適用した録画・再生システムの構成例を示すブロック図である。
【図3】HDRが保持する「Moved Position Marker InfoBlock」を示す図である。
【図4】HDRが保持する「Original Size Indicator InfoBlock」を示す図である。
【図5】DTVの構成例を示すブロック図である。
【図6】DTVにより表示される操作パネルの例を示す図である。
【図7】DTVの機能構成例を示すブロック図である。
【図8】再生リストの例を示す図である。
【図9】オプションメニューの例を示す図である。
【図10】ムーブモード画面の例を示す図である。
【図11】ムーブ中メッセージの例を示す図である。
【図12】ムーブ中に放送波のみが表示される例を示す図である。
【図13】ムーブ処理を説明するフローチャートである。
【図14】ムーブ中断アイコンの表示処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図2は、本発明を適用した録画・再生システム1の構成例を示すブロック図である。この録画・再生システム1には、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394バス12を介して、DTV(Digital Television)11、HDR(Hard Disk Recorder)13、およびDVHS(Digital Video Home System)14が相互に接続されている。
【0023】
DTV11は、地上ディジタル放送、BS(Broadcasting Satellite)/CS(Communications Satellite)ディジタル放送に対応したテレビジョン受像機であるとともに、自分自身がコントローラとなり、AV/Cコマンド(AV/C Digital Interface Command Set)を用いて、ターゲットとなるHDR13およびDVHS14をそれぞれ制御する。
【0024】
例えば、DTV11は、所定のチャンネルで放送されてきたトランスポートストリームから抽出したパケットをIEEE1394バス12を介してHDR13またはDVHS14に供給し、ユーザにより選択されたテレビジョン番組などの所定のコンテンツの録画(記録)を行わせる。
【0025】
また例えば、DTV11は、HDR13に記録されているコンテンツを再生させたり、あるいは、HDR13に記録されているコンテンツを、IEEE1394バス12を介してDVHS14にコピーまたはムーブさせる。このコピーまたはムーブの実行中、DTV11は、HDR13からの入力に切り替えずに、放送波を表示させたままにする。
【0026】
さらにまた例えば、DTV11は、ムーブ元のHDR13にAV/Cコマンド(READ Command)を発行することにより、コンテンツのムーブが中断されたか否かを読み取り、ムーブ中断を識別することが可能なアイコンを表示する。
【0027】
HDR13は、DTV11より供給された所定のコンテンツを記録する。HDR13に記録されているコンテンツは、DTV11により適宜読み出され、再生、コピー、またはムーブなどに用いられる。またHDR13は、IEEE1394により規定される、自分自身の状態を管理する記述子を作成、保持しており、ムーブ状況に応じてその記述子を書き換える。
【0028】
図3は、HDR13が保持する、自分自身の状態を管理する記述子である「Moved Position Marker InfoBlock」を示す図である。
【0029】
「moved_count(XX16)」には、何回に渡ってコンテンツがムーブされたかに関する情報が記述されている。「position_marker_type(0016)」には、コンテンツの時間やサイズを規定するための情報が記述されている。「position_marker_specific_information」には、コンテンツのどこでムーブが中断されたかに関する位置(時間)情報が規定されている。「object_position_nember(0000000016)」、「hours(XX16)」、「minutes(XX16)」、「seconds(XX16)」、および「frames(XX16)」には、ムーブ毎の詳細な位置(時間)情報が記述されている。
【0030】
図4は、HDR13が保持する、自分自身の状態を管理する記述子である「Original Size Indicator InfoBlock」を示す図である。
【0031】
図3の例と同様に、「moved_count(XX16)」には、何回に渡ってコンテンツがムーブされたかに関する情報が記述され、「position_marker_type(0016)」には、コンテンツの時間やサイズを規定するための情報が記述され、「position_marker_specific_information」には、コンテンツのどこでムーブが中断されたかに関する位置(時間)情報が規定されている。
【0032】
さらに、「size_indicator_type(0016)」には、コンテンツのオリジナルサイズを規定するための情報が記述されている。「size_indicator_type_specific」には、コンテンツのオリジナルサイズに関する情報が規定されている。「hours(XXXX16)」、「minutes(XX16)」、「seconds(XX16)」、および「frames(XX16)」には、コンテンツの詳細なオリジナルサイズに関する情報が記述されている。
【0033】
HDR13は、図3または図4に示したような情報をコンテンツ毎に作成、保持しており、例えば、ムーブが1回実行されて中断された場合には、「moved_count(XX16)」に“1”を記述するとともに、「position_marker_specific_information」にその中断した位置情報を記述する。
【0034】
DVHS14は、DTV11から供給された所定のコンテンツを記録したり、あるいは、IEEE1394バス12を介してHDR13から供給(コピーまたはムーブ)されたコンテンツを記録する。
【0035】
図5は、DTV11の構成例を示すブロック図である。
【0036】
CPU(Central Processing Unit)21は、メモリ22に記憶されているプログラムを実行し、受光部23から供給されてくる信号に応じてDTV11の全体の動作を制御する。
【0037】
受光部23は、リモートコントローラ42からの赤外線を受光し、復調して得られたユーザ操作に対応する信号をCPU21に出力する。
【0038】
チューナ24は、CPU21による制御に従って、アンテナ41からの放送信号を受信、復調し、所定のチャンネルで放送されてきたトランスポートストリーム(TS)をデスクランブラ25に出力する。
【0039】
デスクランブラ25は、図示せぬCASカードに記憶されているデータを用いてスクランブルを解くキーを生成し、チューナ24から供給されてきたトランスポートストリームのスクランブルを解除する。デスクランブラ25によりスクランブルが解除されたトランスポートストリームはDEMUX(デマルチプレクサ)26に供給される。
【0040】
DEMUX26は、CPU21による制御に従って、デスクランブラ25から供給されてきたトランスポートストリームから所定のストリームを抽出し、抽出したストリーム(ストリームを構成するパケット)をAudioデコーダ27、Videoデコーダ30に出力する。
【0041】
また、DEMUX26は、コンテンツをHDR13に録画させる場合、得られたストリームをIEEE1394インタフェース34に出力し、HDR13に録画されているコンテンツを再生する場合、IEEE1394バス12、およびIEEE1394インタフェース34を介してHDR13から供給されてきたストリームをAudioデコーダ27、Videoデコーダ30に出力する。
【0042】
Audioデコーダ27は、DEMUX26から供給されてきたオーディオデータ(オーディオパケット)をデコードし、得られたオーディオデータを音声処理回路28に出力する。
【0043】
音声処理回路28は、Audioデコーダ27から供給されてきたオーディオデータに対してD/A(Digital/Analog)変換、増幅処理等を施し、得られた音声をスピーカ29から出力させる。
【0044】
Videoデコーダ30は、DEMUX26から供給されてきたビデオデータ(ビデオパケット)をデコードし、得られたビデオデータを映像処理回路31に出力する。
【0045】
映像処理回路31は、Videoデコーダ30から供給されてきたビデオデータに対して所定の画像処理、D/A変換等を施し、コンテンツの画像をディスプレイ33に表示させる。また、映像処理回路31は、OSD(On Screen Display)付加回路32から供給されてきたビデオデータにも基づいて所定の画像をディスプレイ33に表示させる。
【0046】
OSD付加回路32は、CPU21による制御に従ってディスプレイ33に表示させる画像のビデオデータを生成し、生成したビデオデータを映像処理回路31に出力する。OSD付加回路32により、例えば、HDR13に録画されているコンテンツのリストを表示するためのビデオデータが生成され、それが映像処理回路31に出力される。
【0047】
IEEE1394インタフェース34は、IEEE1394バス12を介してHDR13との間で通信を行う。IEEE1394インタフェース34からHDR13に対しては、例えば、CPU21から供給されてきたAV/Cコマンド、DEMUX26から供給されてきたストリームが送信される。
【0048】
図6は、DTV11のディスプレイ33に表示される操作パネル51の表示例を示す図である。
【0049】
操作パネルのほぼ中央上部には「HDR1」が表示されており、図6の操作パネル51が、HDR13を操作するためのものであることが示されている。この操作パネル51には、HDR13の電源をON/OFFするとき操作される電源ボタン52、HDR13に録画されているコンテンツ(録画済み、録画中のものを含む)のタイトルのリストを表示するとき操作されるリストボタン53、操作パネル51により制御する機器を選択するとき操作される機器選択ボタン54が表示されている。
【0050】
また、電源ボタン52等の右側には、HDR13に録画されているコンテンツの再生、停止等を行うときに操作される再生操作ボタン55が表示されており、その右側には、HDR13へのコンテンツの録画の開始、停止等を行うときに操作される録画操作ボタン56が表示されている。さらに、機器詳細情報表示エリア57には、ハードディスクの残りの容量等のHDR13の状態が表示されている。
【0051】
このような操作パネル51が、DTV11のディスプレイ33の所定の位置に表示される。
【0052】
図7は、DTV11の機能的構成例を示すブロック図である。図7に示す機能的構成例は、CPU21が、メモリ22に記憶された所定のプログラムを実行することで実現される。
【0053】
ムーブ制御部61は、例えば、ユーザにより、HDR13に録画されているコンテンツのDVHS14へのムーブが指示されたとき、IEEE1394バス12を介してHDR13を制御し、DVHS14にコンテンツをムーブさせるように制御する。これにより、HDR13は、ムーブが終わったコンテンツの部分を消去、または無効化しつつ、全てのムーブが終わったとき、HDR13に記録されているコンテンツを全て消去、または無効化し、利用不可とすることによってムーブを行い、ムーブが中断された場合、コンテンツに対応する情報(図3または図4)を書き換える。また、ムーブ制御部61は、ムーブ実行中である旨をリスト表示部62に通知する。
【0054】
リスト表示部62は、リモートコントローラ42からの指示に基づいて、IEEE1394バス12を介してHDR13に録画されているコンテンツを参照し、再生(ムーブを含む)可能なコンテンツのリストをディスプレイ33に表示させる。このリストから、ユーザは、ムーブするコンテンツを選択することができる。
【0055】
また、リスト表示部62は、ムーブ制御部61からの通知に基づいて、ムーブ実行中メッセージをディスプレイ33に表示させる。さらに、リスト表示部62は、コマンド管理部63から通知された情報に基づいて、ムーブが中断されたコンテンツを識別するためのアイコンをリストに表示させる。
【0056】
図8はリスト表示部62によりディスプレイ33に表示される再生リストの例を示す図である。
【0057】
図8に示す再生リスト71は、図6に示した操作パネル51のリストボタン53が選択された場合に表示される。再生リスト71には、HDR13に録画されている、操作可能なコンテンツのタイトルが一覧表示されている。図8の例の場合、再生リスト71には、「エスニック・グルメ探検」、「古都を訪ねて」、「Go!Go!プロ野球」、「ザ・チャレンジャー・ショー」、「ドイツへの旅」、および「ニュース」が、ユーザが操作(ムーブを含む)可能なコンテンツのタイトルとして表示されている。
【0058】
また、図8の例においては、ユーザによりリモートコントローラ42が操作され、「エスニック・グルメ探検」のタイトル72が選択されており、そのタイトルに対応するコンテンツの詳細情報などが画面下方に表示されているとともに、「古都を訪ねて」のタイトルに対応するコンテンツのムーブが中断されたことを示すムーブ中断アイコン73が表示されている。
【0059】
さらに、図8の例においては、再生リスト71の表示を終了する場合に選択される閉じるボタン74が表示されている。
【0060】
このような再生リスト71が表示されている状態で、例えば、ユーザが、リモートコントローラ42の上下ボタンを用いてカーソルを移動させ、所定の番組のタイトル(例えば、「エスニック・グルメ探検」)を選択し、リモートコントローラ42のオプションボタンを押下したとき、図9に示されるようなオプションメニュー81が表示される。
【0061】
図9の例の場合、オプションメニュー81には、「再生」、「初めから再生」、「削除」、「ダビング」、および「ムーブ」が表示されている。ユーザは、リモートコントローラ42の上下ボタンを用いてカーソル81Aを移動させ、オプションメニュー81の中から所定の操作内容を選択し、決定ボタンを押下したとき、そのタイトル(いまの場合、「エスニック・グルメ探検」)のコンテンツをHDR13から再生(前回再生した位置から再生)、初めから再生、削除、ダビング、またはムーブさせることができる。
【0062】
例えば、ユーザが、「エスニック・グルメ探検」のタイトルを選択し、オプションメニュー81の中から「ムーブ」を選択、決定した場合、図10に示されるようなムーブモード画面91が表示される。
【0063】
図10の例の場合、ムーブモード画面91には、「エスニック・グルメ探検」のタイトルに対応するコンテンツの詳細情報が表示されているとともに、ムーブ元の再生機およびムーブ先の録画機が表示されている。すなわち、再生機として、「HDR1」(図2のHDR13に対応する)が表示され、録画機として、「DVHS1」(図2のDVHS14に対応する)が表示されている。なお、図示は省略するが、ムーブ先の録画機が複数存在する場合には、ユーザは、リモートコマンダを用いて所定の録画機を選択し、決定ボタンを押下することで、ムーブ先の1つの録画機を選択することができる。
【0064】
このようなムーブモード画面91が表示されている状態で、例えば、ユーザが、リモートコントローラ42を用いて「ムーブする」のボタン92を選択した場合、ムーブ制御部61により、HDR13に録画されている、「エスニック・グルメ探検」のタイトルに対応するコンテンツのDVHS14へのムーブが行われる。このムーブ処理の実行に伴って、図11に示されるように、「選んだ番組をムーブしますか?」のメッセージに代わって、「ムーブ中です」のメッセージが表示される。またこのとき、ユーザにより、リモートコントローラ42を用いてムーブモード画面91の表示の終了が指示された場合、図12に示されるように、ディスプレイ33には、放送波のみが表示される。なお、ムーブ中において、所定時間だけムーブモード画面91が表示された後、ディスプレイ33には、ユーザの操作によらずに、自動的に放送波のみが表示されるようにしてもよい。
【0065】
一方、ユーザが、ムーブモード画面91の中止ボタン93を選択した場合、ムーブ制御部61により、ムーブが中止される。
【0066】
以上のようにして、ユーザは、DTV11のディスプレイ33に表示される操作パネル51(図6)や再生リスト71(図8)などを用いて所定の操作を行うことにより、HDR13に録画されているコンテンツを再生させたり、ムーブさせたりといった処理を行わせることができる。
【0067】
図7の説明に戻る。コマンド管理部63は、HDR13にAV/C Commandを発行することにより、HDR13が保持しているコンテンツ毎の情報(図3または図4)の中から、ムーブが中断されたコンテンツを読み取り、そのコンテンツをリスト表示部62に通知する。
【0068】
次に、図13のフローチャートを参照して、DTV11が実行する、ムーブ処理について説明する。この処理は、例えば、DTV11のディスプレイ33に放送波が表示されているときに、ユーザによってリモートコントローラ42が操作され、図6に示したように、HDR13の操作パネル51が表示されている場合に開始される。
【0069】
ステップS1において、リスト表示部62は、ユーザによりリモートコントローラ42が操作され、リスト表示が指示されたか否か、すなわち、図6に示した操作パネル51のリストボタン53が押下されたか否かを判定し、リスト表示が指示されるまで待機する。そして、リスト表示が指示されたと判定された場合、ステップS2に進む。
【0070】
ステップS2において、リスト表示部62は、ユーザからのリスト表示の指示に基づいて、IEEE1394バス12を介してHDR13に録画されているコンテンツを参照し、再生(ムーブを含む)可能なコンテンツのリストを取得する。そして、リスト表示部62は、図6に示した操作パネル51の表示から、図8に示した再生リスト71の表示に切り替える。ステップS3において、リスト表示部62は、コンテンツが選択されたか否か、すなわち、ユーザによりリモートコントローラ42が用いられ、再生リスト71に一覧表示されているタイトルの中から所定の番組のタイトルが選択されたか否かを判定する。
【0071】
ステップS3において、コンテンツが選択されたと判定された場合、ステップS4に進み、リスト表示部62は、オプションからムーブが選択されたか否か、すなわち、番組のタイトルが選択された状態で、オプションボタンが押下されたときに表示される図9のオプションメニュー81の中から「ムーブ」が選択され、決定ボタンが押下されたか否かを判定する。
【0072】
ステップS4において、オプションからムーブが選択されていないと判定された場合、ステップS5に進み、リスト表示部62は、オプションからムーブ以外の項目が選択されたか否か、すなわち、オプションメニュー81の中から「ムーブ」以外の「再生」、「初めから再生」、「削除」、または「ダビング」の操作内容が選択されたか否かを判定し、オプションからムーブ以外の項目が選択されていないと判定された場合、ステップS4に戻り、上述した処理を繰り返し実行する。
【0073】
ステップS5において、オプションからムーブ以外の項目が選択されたと判定された場合、ステップS6に進み、CPU21は、選択された操作内容に対応する所定の処理(再生、初めから再生、削除、またはダビング)を実行する。ステップS6の所定の処理終了後、処理は、ステップS3に戻り、リスト表示部62は、図8に示した再生リスト71を再表示し、上述した処理を繰り返し実行する。
【0074】
ステップS4において、オプションからムーブが選択されたと判定された場合、ステップS7に進み、リスト表示部62は、図10に示したムーブモード画面91を表示し、ムーブ先の機種が選択されたか否か、すなわち、ユーザによりリモートコントローラ42が用いられ、ムーブ先の機種(録画機)が選択され、「ムーブする」のボタン92が押下されたか否かを判定する。なお、図10の例では、ムーブ先の機種が1つしかないため、「DVHS1」が既に選択されているが、ムーブ先の機種が複数存在する場合には、ユーザがリモートコントローラ42を用いてカーソルを移動させるなどして、所定の録画機を選択する。
【0075】
ステップS7において、ムーブ先の機種が選択されていないと判定された場合、ステップS8に進み、リスト表示部62は、中止が指示されたか否か、すなわち、ユーザによりリモートコントローラ42が用いられ、中止ボタン93が選択されたか否かを判定し、中止がしじされていないと判定した場合、ステップS7に戻り、上述した処理を繰り返し実行する。
【0076】
ステップS8において、中止が指示されたと判定された場合、ステップS3に戻り、リスト表示部62は、図8に示した再生リスト71を再表示し、上述した処理を繰り返し実行する。
【0077】
ステップS7において、ムーブ先の機種が選択されたと判定された場合、ステップS9に進み、ムーブ制御部61は、HDR13を制御し、ムーブ処理を実行させる。図10の例の場合、「エスニック・グルメ探検」のタイトルに対応するコンテンツのDVHS14へのムーブが行われる。ステップS10において、リスト表示部62は、ムーブ制御部61からの指示に基づいて、図11に示したような、「ムーブ中です」のメッセージを表示させる。このとき、ユーザによりムーブモード画面91の表示の終了が指示されると、図12に示したように、ディスプレイ33には、放送波のみが表示される。
【0078】
ステップS11において、ムーブ制御部61は、ムーブ処理が終了したか否かを判定し、ムーブ処理を未だ終了していないと判定した場合、ステップS12に進み、中止が指示されたか否か、すなわち、ユーザによりリモートコントローラ42が用いられ、中止ボタン93が選択されたか否かを判定し、中止が指示されていないと判定した場合、ステップS11に戻り、上述した処理を繰り返し実行する。
【0079】
ステップS12において、中止が指示されたと判定された場合、ステップS13に進み、HDR13は、いまムーブが中断されたコンテンツに対応する情報(図3または図4)を書き換える。これにより、「moved_count(XX16)」に“1”が記述され、「position_marker_specific_information」にその中断した位置情報が記述される。なお、「moved_count(XX16)」に“1”以上の値が既に記述されているコンテンツのムーブが中断された場合には、その値が1だけ増加される。具体的には、「moved_count(XX16)」に“3”が記述されているコンテンツのムーブが再実行され、そのムーブが再び中断された場合、「moved_count(XX16)」には、“4”が記述される。
【0080】
ステップS13の処理の後、処理は、ステップS3に戻り、リスト表示部62は、図8に示した再生リスト71を再表示し、上述した処理を繰り返し実行する。
【0081】
ステップS11において、ムーブ処理が終了したと判定された場合、ステップS14に進み、リスト表示部62は、図8に示した再生リスト71を再表示する。このとき、ムーブされたコンテンツは利用不可とされていることから、ムーブされたコンテンツのタイトルは、再生リスト71から消去される。その後、処理は、ステップS3に戻り、上述した処理が繰り返し実行される。なお、図12に示したように、ディスプレイ33に放送波のみが表示されている状態で、ムーブ処理が終了した場合には、リスト表示部62は、再生リスト71を再表示することなく、放送波を表示したままとする。
【0082】
一方、ステップS3において、コンテンツが選択されていないと判定された場合、ステップS15に進み、リスト表示部62は、リスト表示の終了が指示されたか否か、すなわち、ユーザによりリモートコントローラ42が用いられ、再生リスト71の閉じるボタン74が選択されたか否かを判定する。
【0083】
ステップS15において、リスト表示の終了が指示されていないと判定された場合、ステップS3に戻り、上述した処理が繰り返し実行される。一方、ステップS15において、リスト表示の終了が指示されたと判定された場合、図13のムーブ処理は終了される。
【0084】
以上のムーブ処理により、HDR13からDVHS14へのコンテンツのムーブ中に、DTV11は、HDR13の入力に切り替えて黒画を表示するのではなく、放送波を表示させることができる。これにより、ユーザは、あえてリモートコントローラ42を用いて放送波を選局する必要がなくなる。
【0085】
次に、図14のフローチャートを参照して、DTV11が実行する、ムーブ中断アイコンの表示処理について説明する。
【0086】
ステップS31において、コマンド管理部63は、IEEE1394バス12を介してHDR13にAV/C Commandを発行することにより、Moved Position Marker(図3)を保持しているか否かを判定し、Moved Position Markerを保持していると判定した場合、ステップS33に進む。
【0087】
一方、ステップS31において、Moved Position Markerを保持していないと判定された場合、ステップS32に進み、コマンド管理部63は、さらにHDR13が、Original Size Indicator(図4)を保持しているか否かを判定し、Original Size Indicatorを保持していると判定した場合、ステップS33に進む。
【0088】
ステップS33において、コマンド管理部63は、Moved Position Marker(図3)またはOriginal Size Indicator(図4)のMoved_countを読み取る。ステップS34において、コマンド管理部63は、ステップS33の処理で読み取ったMoved_countが1以上であるか否かを判定し、Moved_countが1以上であると判定した場合、その旨をリスト表示部62に通知した後、ステップS35に進む。
【0089】
ステップS35において、リスト表示部62は、コマンド管理部63から通知された情報(Moved_countが1以上である、または、ムーブが中断されているなど)に基づいて、対応するコンテンツのタイトルの近傍にムーブ中断アイコンを表示させる。図8の例の場合、「古都を訪ねて」のタイトルの右横に、ムーブ中断アイコン73が表示されている。
【0090】
ステップS32において、Moved Position Marker(図3)およびOriginal Size Indicator(図4)のいずれも保持していないと判定された場合、または、ステップS34において、Moved_countが1以上ではない(すなわちMoved_countが0である)と判定された場合、ステップS36に進み、リスト表示部62は、ムーブ中断アイコンを非表示にする。図8の例の場合、「エスニック・グルメ探検」、「Go!Go!プロ野球」、「ザ・チャレンジャー・ショー」、「ドイツへの旅」、および「ニュース」のタイトルの横には、ムーブ中断アイコン73は表示されない。なお、ムーブ中断アイコン73を非表示にする代わりに、他のアイコンを表示させるようにしてもよい。
【0091】
以上のムーブ中断アイコンの表示処理により、ムーブが中断されたコンテンツを視覚的にユーザに呈示することができる。これにより、ユーザは、ムーブが中断されたコンテンツを再生させなくても、ムーブ中断アイコン73の表示によって、容易に、かつ、瞬時にムーブが中断されたコンテンツを知ることができる。
【0092】
以上においては、ムーブが中断されたコンテンツを識別可能とするために、ムーブ中断アイコン73を表示させるようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、「ムーブ一部不可」などのメッセージを表示させるようにしてもよい。
【0093】
なお、本明細書において、各ステップは、記載された順序に従って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0094】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表わすものである。
【符号の説明】
【0095】
1 録画・再生システム, 11 DTV, 12 IEEE1394バス, 13 HDR, 14DVHS, 21 CPU, 33 ディスプレイ, 42 リモートコントローラ, 61 ムーブ制御部, 62 リスト表示部, 63 コマンド管理部, 73 ムーブ中断アイコン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置と記録装置からなる記録システムにおいて、
前記制御装置は、
前記記録装置に記録された所定のコンテンツのムーブを制御するムーブ制御手段と、
前記ムーブ制御手段によるムーブが中断された場合、ムーブ中断に関する情報の表示を制御する表示制御手段と
を備え、
前記記録装置は、
前記所定のコンテンツを記録する記録手段と、
前記制御装置による制御に基づいて、前記記録手段に記録されている前記所定のコンテンツをムーブするムーブ手段と
を備えることを特徴とする記録システム。
【請求項2】
記録装置と接続される制御装置において、
前記記録装置に記録された所定のコンテンツのムーブを制御するムーブ制御手段と、
前記ムーブ制御手段によるムーブが中断された場合、ムーブ中断に関する情報の表示を制御する表示制御手段と
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項3】
前記ムーブ中断に関する情報は、アイコンである
ことを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記記録装置に記録されているムーブ可能なコンテンツのタイトルのリストの表示をさらに制御し、前記リスト上に前記ムーブ中断に関する情報を重畳表示する
ことを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項5】
記録装置と接続される制御装置の制御方法において、
前記記録装置に記録された所定のコンテンツのムーブを制御するムーブ制御ステップと、
前記ムーブ制御ステップの処理によるムーブが中断された場合、ムーブ中断に関する情報の表示を制御する表示制御ステップと
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項6】
記録装置と接続される制御装置の制御処理を、コンピュータに行わせるプログラムにおいて、
前記記録装置に記録された所定のコンテンツのムーブを制御するムーブ制御ステップと、
前記ムーブ制御ステップの処理によるムーブが中断された場合、ムーブ中断に関する情報の表示を制御する表示制御ステップと
を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項1】
制御装置と記録装置からなる記録システムにおいて、
前記制御装置は、
前記記録装置に記録された所定のコンテンツのムーブを制御するムーブ制御手段と、
前記ムーブ制御手段によるムーブが中断された場合、ムーブ中断に関する情報の表示を制御する表示制御手段と
を備え、
前記記録装置は、
前記所定のコンテンツを記録する記録手段と、
前記制御装置による制御に基づいて、前記記録手段に記録されている前記所定のコンテンツをムーブするムーブ手段と
を備えることを特徴とする記録システム。
【請求項2】
記録装置と接続される制御装置において、
前記記録装置に記録された所定のコンテンツのムーブを制御するムーブ制御手段と、
前記ムーブ制御手段によるムーブが中断された場合、ムーブ中断に関する情報の表示を制御する表示制御手段と
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項3】
前記ムーブ中断に関する情報は、アイコンである
ことを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記記録装置に記録されているムーブ可能なコンテンツのタイトルのリストの表示をさらに制御し、前記リスト上に前記ムーブ中断に関する情報を重畳表示する
ことを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
【請求項5】
記録装置と接続される制御装置の制御方法において、
前記記録装置に記録された所定のコンテンツのムーブを制御するムーブ制御ステップと、
前記ムーブ制御ステップの処理によるムーブが中断された場合、ムーブ中断に関する情報の表示を制御する表示制御ステップと
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項6】
記録装置と接続される制御装置の制御処理を、コンピュータに行わせるプログラムにおいて、
前記記録装置に記録された所定のコンテンツのムーブを制御するムーブ制御ステップと、
前記ムーブ制御ステップの処理によるムーブが中断された場合、ムーブ中断に関する情報の表示を制御する表示制御ステップと
を含むことを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−295266(P2009−295266A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−164688(P2009−164688)
【出願日】平成21年7月13日(2009.7.13)
【分割の表示】特願2004−237959(P2004−237959)の分割
【原出願日】平成16年8月18日(2004.8.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月13日(2009.7.13)
【分割の表示】特願2004−237959(P2004−237959)の分割
【原出願日】平成16年8月18日(2004.8.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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