説明

記録システム、記録方法およびコンピュータプログラム

【課題】コンテンツの連続記録動作を可能にし、コンテンツを記録できない状況が発生したとしても、高速な復旧処理を可能とする。
【解決手段】記録システムは、記録バッファと、記録バッファ内のコンテンツデータを、制御部を用いて第1および第2の記録メディアを含む複数の記録メディアの各々に並列的に記録する。第1の記録メディアにコンテンツデータを記録できなかった期間があり、かつ、その期間中に、第2の記録メディアにはコンテンツデータを記録できたときにおいて、制御部は、第1の記録メディアに、その期間中に第2の記録メディアに記録された部分データのサイズ以上のサイズを有する空き領域を確保し、かつ、第1の記録メディア以外の記録メディアに復旧情報を記録する。復旧情報は、第1の記録メディアを示す第1情報、空き領域を示す第2情報、および、部分データが記録された第2の記録メディアの領域を示す第3情報を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を複数の記録媒体に重複して記録する技術に関する。より具体的には、本発明は、撮影した映像に関する情報を複数の記録媒体に重複して記録することにより、一方の記録媒体へ映像データを記録できない際に、記録できなかった情報を復旧することが可能な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮影した映像のデータ(以下「映像データ」と記述する。)を複数の記録媒体に同時に、かつ重複して記録する撮像装置(たとえばビデオカメラ)が知られている。映像データを冗長的に記録することにより、一方の記録媒体に映像データを記録できない状況が発生した場合でも、他方の記録媒体にその映像データが記録されていることにより、撮影した映像を確実に保存することができる。
【0003】
たとえば特許文献1は、画像データを同時に記録することが可能な複数の記録装置を開示している。特許文献1では、画像データを同時に記録させ、転送させたい記録装置のうち、おのおのの属性情報を基に、同時記録動作の対象とするか否かを判定する。同時記録動作の対象とならない記録装置には、連続撮影等の連続記録動作実行中に画像データを同時に書き込まない。ただし、一連の連続記録動作が完了した後には、既に書き込まれた記録装置から画像データが読み出され、同時記録の対象とならなかった記録装置に記録される。これにより、所定の連続記録速度を満たしながら、最終的には複数の記録装置に並列して画像データを保持させることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−328037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記記録装置には、一連の画像データの記録処理が全て完了するまでに時間を要するという問題があった。すなわち特許文献1では、一連の連続記録動作が完了した後に、画像データが書き込まれた記録装置からすべての画像データが読み出され、同時記録動作の対象とならなかった記録装置に当該画像データが記録される。これでは、連続記録動作が完了した直後に、ユーザが改めて次の連続記録動作の操作を行おうとしても画像データの記録を開始させることができない。これでは、当該記録装置の信頼性が損なわれる。
【0006】
このような信頼性は、業務用途で使用される記録装置には特に必要とされる。撮影者の咄嗟の記録開始操作に対応できない記録装置を用いると、放送等のために使用される映像データを記録することができず、撮影者に致命的な損害をもたらす可能性がある。さらに、たとえ記録装置が急な記録開始操作に対応できたとしても、映像データを記録できない状況が発生した場合には、確実かつ高速に映像データを復旧させることが求められる。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、連続記録動作を可能にするとともに、映像データを記録できない状況が発生したとしても、高速な復旧処理を可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による記録システムは、逐次生成されるコンテンツデータを一時的に蓄積する記録バッファと、前記記録バッファに蓄積された前記コンテンツデータを、第1および第2の記録メディアを含む複数の記録メディアの各々に並列的に記録する制御部とを備えており、前記第1の記録メディアに前記コンテンツデータを記録することができなかった期間があり、かつ、前記期間中に、前記第2の記録メディアに前記コンテンツデータを記録したときにおいて、前記制御部は、前記第1の記録メディアに、前記期間中に前記第2の記録メディアに記録されたコンテンツデータである部分データのサイズ以上のサイズを有する空き領域を確保し、かつ、前記第1の記録メディア以外の記録メディアに、前記部分データを記録できなかった前記第1の記録メディアを特定する第1情報、前記空き領域を特定する第2情報、および、前記部分データが記録された前記第2の記録メディアの領域を特定する第3情報を含む復旧情報を記録する。
【0009】
前記制御部は、前記空き領域の開始位置および終了位置を特定する情報を前記第2情報として生成してもよい。
【0010】
前記制御部は、前記部分データが記録されている前記第2の記録メディアの開始位置および終了位置を特定する情報を、前記第3情報として生成してもよい。
【0011】
前記制御部は、前記第1の記録メディアに、前記空き領域を特定する第2情報を含むブランク情報を記録してもよい。
【0012】
前記記録バッファは、前記第1の記録メディアおよび前記第2の記録メディアに記録された前記コンテンツデータを所定のデータ単位で削除し、前記制御部は、前記記録バッファに蓄積された前記コンテンツデータのデータ量に基づいて、前記第1の記録メディアに前記コンテンツデータを記録することができないと判断してもよい。
【0013】
前記制御部は、前記記録バッファに蓄積された前記コンテンツデータのデータ量が所定の閾値を超えていないときは、前記第1の記録メディアに前記コンテンツデータを記録の再開が可能であると判断し、前記コンテンツデータの記録動作を再試行してもよい。
【0014】
前記第1の記録メディア以外の記録メディアに前記復旧情報が記録されているときにおいて、前記制御部は、前記復旧情報を読み出し、前記第1情報によって特定される、前記部分データを記録できなかった前記第1の記録メディアが接続されているか否かを判断し、前記第1の記録メディアが接続されているときは、前記第3情報に基づいて前記第2の記録メディアの領域から前記部分データを読み出し、前記第2情報に基づいて特定される前記空き領域に、読み出した前記部分データを記録してもよい。
【0015】
前記第1の記録メディアに前記コンテンツデータを記録することができなかった期間があり、かつ、前記期間中に、前記第2の記録メディアおよび第nの記録メディア(n:3以上の整数)に前記コンテンツデータを記録したときにおいて、前記制御部は、前記第2の記録メディアおよび前記第nの記録メディアの全てに、前記復旧情報を記録してもよい。
【0016】
前記第1の記録メディアに前記コンテンツデータを記録することができなかった期間があり、かつ、前記期間中に、前記第2の記録メディアおよび第nの記録メディア(n:3以上の整数)に前記コンテンツデータを記録したときにおいて、前記制御部は、前記第2の記録メディアおよび前記第nの記録メディアのうち、予め定められた基準によって定められた信頼性が最も高い記録メディアに前記復旧情報を記録してもよい。
【0017】
前記記録バッファおよび前記制御部が1つの筐体内に設けられ、かつ、前記複数の記録媒体が着脱可能であってもよい。
【0018】
前記記録システムは、前記コンテンツデータとして、撮影された被写体の映像データを逐次受け取る映像入力部をさらに備えていてもよい。
【0019】
前記記録システムは、前記記録バッファ、前記制御部、および前記コンテンツデータを送信する第1通信部を有し、かつ、前記第1の記録媒体および前記第2の記録媒体の一方に前記コンテンツデータを記録する第1記録装置と、前記第1記録装置から送信された前記コンテンツデータを受信する第2通信部、および、前記第1の記録媒体および前記第2の記録媒体の他方に、受信した前記コンテンツデータを記録する第2記録装置とを有していてもよい。
【0020】
本発明による方法は、逐次生成されるコンテンツデータを一時的に蓄積する記録バッファと、前記記録バッファに蓄積された前記コンテンツデータを、第1および第2の記録メディアを含む複数の記録メディアの各々に並列的に記録する制御部とを備えた記録システムにおいて実行される記録方法であって、前記第1の記録メディアに前記コンテンツデータを記録することができなかった期間があり、かつ、前記期間中に、前記第2の記録メディアに前記コンテンツデータを記録したときにおいて、前記制御部が、前記第1の記録メディアに、前記期間中に前記第2の記録メディアに記録されたコンテンツデータである部分データのサイズ以上のサイズを有する空き領域を確保するステップと、前記制御部が、前記第1の記録メディア以外の記録メディアに、前記部分データを記録できなかった前記第1の記録メディアを特定する第1情報、前記空き領域を特定する第2情報、および、前記部分データが記録された前記第2の記録メディアの領域を特定する第3情報を含む復旧情報を記録するステップとを包含する。
【0021】
本発明によるコンピュータプログラムは、逐次生成されるコンテンツデータを一時的に蓄積する記録バッファと、前記記録バッファに蓄積された前記コンテンツデータを、第1および第2の記録メディアを含む複数の記録メディアの各々に並列的に記録するコンピュータとを備えた記録システムの前記コンピュータによって実行されるコンピュータプログラムであって、前記第1の記録メディアに前記コンテンツデータを記録することができなかった期間があり、かつ、前記期間中に、前記第2の記録メディアに前記コンテンツデータを記録したときにおいて、前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータに対し、前記第1の記録メディアに、前記期間中に前記第2の記録メディアに記録されたコンテンツデータである部分データのサイズ以上のサイズを有する空き領域を確保するステップと、前記第1の記録メディア以外の記録メディアに、前記部分データを記録できなかった前記第1の記録メディアを特定する第1情報、前記空き領域を特定する第2情報、および、前記部分データが記録された前記第2の記録メディアの領域を特定する第3情報を含む復旧情報を記録するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0022】
記録を継続した際に必要となる記録媒体上の記録領域を空けて記録することで、復旧処理時の高速化を図るとともに、空けた記録領域を復旧するのに必要な復旧情報を作成して記録を継続する記録媒体のいずれかに記録することにより、確実に復旧情報を残すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】(a)および(b)は、本発明による記録システムの構成例を示す図である。
【図2】実施形態1に係る映像記録装置100の構成を示すブロック図である。
【図3】映像記録装置100の処理の概要を示すフローチャートである。
【図4】CPU101によって管理される、記録バッファ103、および記録メディア110および111を示す図である。
【図5】実施形態1にかかる映像記録装置100の記録処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】記録メディア110および記録メディア111の映像データの記録状況を示す図である。
【図7】主記憶メモリ102で保持される復旧情報の例を示す図である。
【図8】復旧情報作成処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】記録メディア111への映像データの記録を再開したときの、記録メディア110および記録メディア111の記録状況を示す図である。
【図10】ブランク終了位置および復旧終了位置が追記された復旧情報の例を示す図である。
【図11】ブランク情報の例を示す図である。
【図12】記録再開処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】復旧処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】実施形態2に係る映像記録装置1100の構成を示すブロック図である。
【図15】実施形態2に係る外部装置1200の構成を示すブロック図である。
【図16】実施形態2にかかる記録動作の手順を示すフローチャートである。
【図17】記録メディア1110と、外部装置1200に接続されている記録メディア1203の映像データの記録状況との関係を示す図である。
【図18】外部装置1200への映像データの送信を再開したときの、記録メディア1110および記録メディア1203の記録状況を、ファイルイメージで示した図である。
【図19】記録・送信再開処理の手順を示すフローチャートである。
【図20】送信済みファイルリストの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による記録システムの実施形態を説明する。
【0025】
まず本発明による記録システムは、第1および第2の記録メディアを含む、複数の記録メディアに、コンテンツデータを並列的に記録する。これにより確実にコンテンツデータを残すことができる。記録時において、記録システムは、第1の記録メディアへのコンテンツデータの記録が失敗した場合でも、第2の記録メディアへのコンテンツデータの記録を継続する。そして第1の記録メディアへの記録の再開が可能になったときは、記録システムは、第1の記録メディアへの記録ができなかったコンテンツデータの未記録部分(部分データ)のサイズだけ、第1の記録メディアの領域を空けておき、その領域の直後の位置からコンテンツデータの記録を再開する。これにより、記録が終了した後、空けておいた当該領域に、当該部分データを追記することが容易になる。このような構成にすることにより、確実にコンテンツデータを残すことが可能になるとともに、記録終了直後に別のコンテンツの記録を開始することも可能になる。
【0026】
本明細書では、映像および音声を、「コンテンツ」と総称している。以下に説明する各実施形態では、コンテンツに関するデータである映像データを並列的に記録する例を説明している。
【0027】
図1(a)および(b)は、本発明による記録システムの構成例を示す。
【0028】
図1(a)は、1つの筐体に収められた記録装置として実現される記録システム10aを示す。記録システム10aは、1つの記録装置に設けられた複数の記録メディアに映像データを並列的に記録することが可能である。下記の実施形態1は、図1(a)に示す構成に対応している。
【0029】
また図1(b)は、複数の記録装置10b−n(n:1以上の整数)から構成されている記録システム10bを示す。各記録装置は少なくとも1つの記録メディアを有している。たとえば映像データを生成した記録装置10b−1は、自らが有する記録メディアに映像データを記録すると共に、異なる記録装置10b−2にその映像データを送信する。記録装置10b−2は映像データを受信して、その映像データを自らの記録メディアに記録する。これにより、映像データの並列的な記録が実現される。下記の実施形態2は、図1(b)に示す構成に対応している。
【0030】
以下、各実施形態を説明する。
【0031】
(実施形態1)
図2は、本実施形態に係る映像記録装置100の構成を示すブロック図である。映像記録装置100は、CPU101と、主記憶メモリ102と、記録バッファ103と、記録メディアインターフェース(I/F)104および105と、映像入力部106と、操作部107と、入出力(Input/Output; I/O)バス108とを含む。
【0032】
CPU101は、コンピュータなどに搭載されている中央演算処理回路である。CPU101は、主記憶メモリ102を用いながら各種のプログラムを実行して、映像記録装置100の動作を制御する制御回路として機能する。たとえばCPU101は、記録バッファ103に記録された映像データを、記録メディアI/F104および105を介して複数の記録メディア110および111に並列的に記録する。
【0033】
映像入力部106は、アナログまたはデジタルインタフェース(I/F)である。一例として、本実施形態では映像入力部106はデジタルI/Fであるとする。デジタルI/Fとして、例えば、HD−SDI(High Definition Serial Digital Interface)やIEEE1394が知られている。
【0034】
映像入力部106は、デジタル映像信号(以下「映像データ」と記述する)を受け取り、記録バッファ103へ出力する。なお、映像記録装置100は他の機器に内蔵された記録機構として機能してもよい。たとえばカメラレコーダ(図示せず)のような、被写体を撮像するための光学系および撮影した映像データを記録メディアに記録する記録機構を有する機器における当該記録機構として、映像記録装置100が実装されてもよい。この場合、映像入力部106は、カメラレコーダの撮像部で撮像された映像データを受け取る。
【0035】
記録バッファ103は、映像入力部106から入力された映像データを蓄積するメモリである。
【0036】
記録メディアI/F104は、記録メディア110を映像記録装置100に接続し、記録メディア110と映像記録装置100との間でデータを受け渡すインターフェースである。記録メディアI/F105も同様に、記録メディア111を映像記録装置100に接続し、記録メディア111と映像記録装置100との間でデータを受け渡すインターフェースである。
【0037】
記録メディア110および111は、例えばSD(Secure Digital)メモリカードであり、映像記録装置100に着脱可能である。記録メディア110および111は、SDメモリカードの他に、Compact Flash(登録商標)カード、Multi Mediaカード、DVD−RAM、Blu−rayディスクなどのランダムアクセス可能な記録媒体であってもよい。
【0038】
なお本実施形態においては、記録メディア110および111は同じ種類であり、かつ同じ記録可能容量を有しているとする。しかしながら、これは一例である。記録メディア110および111が互いに異なる種類であってもよい。たとえば記録メディア110がSDメモリカードであり、記録メディア111がCompact Flashカードであってもよい。また、記録メディア110および111の各記録可能容量が異なっていてもよい。
【0039】
操作部107は、ユーザによる映像の記録開始や停止の指示を受け付ける。操作部107は、受け付けたユーザからの指示を、I/Oバス108を介して、CPU101に伝える。
【0040】
I/Oバス108は、映像記録装置100内に設けられた、データを伝送するバスである。I/Oバス108は、映像記録装置100に含まれる構成要素間のデータの授受を可能にする。
【0041】
まず、図3を参照しながら、映像記録装置100の全体的な処理の手順を説明する。そして、その後、図5以降の図面を参照しながら、各処理の詳細を説明する。
【0042】
図3は、映像記録装置100の処理の概要を示すフローチャートである。図3の説明では、記録メディアは2つであるとし、それらをそれぞれ第1の記録メディア、第2の記録メディアと呼ぶ。後の説明との関係では、第1の記録メディアが記録メディア111(図2)に対応し、第2の記録メディアが記録メディア110(図2)に対応する。
【0043】
まず映像記録装置100のCPU101は、並列記録処理を開始する(ステップS101)。並列記録処理が開始されると、CPU101は、両方の記録メディアへの映像データの記録が失敗したか否かを継続的に判断する(ステップS102)。以下では、第1の記録メディアへの記録が失敗しており、第2の記録メディアへの記録は引き続き成功しているとする。
【0044】
映像データの記録が失敗したと判断した場合、CPU101は第2の記録メディアへの映像データの記録は継続しつつ、復旧情報(図7)を作成する(ステップS103)。「復旧情報」とは、後に第1の記録メディアに映像データが記録できるようになった後に、記録できなかった映像データを第1の記録メディアに記録するために必要な情報である。本例に関しては第1の記録メディアであることを特定する情報、記録中であったファイル名、記録に失敗した際の映像データの範囲を特定する情報等が挙げられる。
【0045】
なお、本明細書では、記録メディアへの記録の失敗は一時的に生じ、リトライ等によって後に映像データの記録が可能になる、ということを想定している。よって、ある時点では映像データを記録できなかったとしても、後に映像データを記録できるようになることは生じ得る。したがって、ステップS102では1回目の失敗で記録をやめると判断せずに、記録メディアに未記録の映像データの量がしきい値を超えない間はリトライを実施し、しきい値を超えた場合には記録をやめるとしてもよい。このしきい値とは、撮影中に次々と生成される映像データを、取りこぼしなく記録メディアに記録するための基準値である。未記録の映像データの量がしきい値を超えると、第2の記録メディアへの記録の継続が可能であるにもかかわらず、第1の記録メディアへのリトライによって未記録の新しい映像データの記録へ進むことができず、未記録のまま映像データを失ってしまう危険性が出てくる。このような取りこぼしを発生させないために、しきい値を超えた場合には第1の記録メディアへの記録を失敗と判断して、第2の記録メディアへの記録を優先させる。
【0046】
その後、CPU101は、第1の記録メディアへの映像データの記録の再開が可能になるまで、第2の記録メディアへの映像データの記録を継続する(ステップS104)。
【0047】
なお、第1の記録メディアへの映像データの記録の再開が可能でない場合には、処理はステップS103に戻る。このとき、ステップS103において、新たに復旧情報は生成されない。映像データの記録が失敗したと判断された後、次に映像データの記録が再開されるまでは、復旧情報は1つである。映像データの記録再開後、再度記録に失敗した場合には、新たな復旧情報が生成される。
【0048】
第1の記録メディアへの映像データの記録の再開が可能になったと判断すると、CPU101は、第1の記録メディアに対する記録再開処理を開始する(ステップS105)。ここでは、映像データの記録を継続していた第2の記録メディアに復旧情報を記録し、映像データの記録に失敗した第1の記録メディアにブランク情報を記録する。「ブランク情報」とは、映像データが本来記録されるべきであった領域に関する情報であり、より具体的には、記録不可と判断された第1の記録メディアの領域に関する情報である。
【0049】
その後、CPU101は、並列記録処理を再開し(ステップS106)、撮影の終了等により、記録動作が終了するまで継続する(ステップS107)。
【0050】
記録動作が終了すると、CPU101は、それに伴って確定した復旧情報を第2の記録メディアに記録する。また、第1の記録メディアに、記録終了に伴って確定したブランク情報を記録する(ステップS108)。
【0051】
この後、CPU101は、復旧情報およびブランク情報に基づく復旧処理を行う(ステップS109)。復旧処理により、第1の記録メディアへの記録ができていなかった区間に生成された映像データが、第1の記録メディアにコピーされる。その結果、映像データの記録失敗がなかったかのように、映像データが第1の記録メディアに記録され、第2の記録メディアに記録された映像データと同じデータが、第1の記録メディアに記録されることになる。
【0052】
なお、ステップS109の復旧処理は、記録終了の判断の後すぐに実行されているが、これは一例である。復旧処理を行うタイミングは記録終了直後でなくてもよく、たとえば予め定められた時間が経過した後であってもよい。または、第1および第2の記録メディアが有するランダムアクセス性能によっては、並列記録処理が再開された直後から、逐次生成される映像データの並列記録処理と共に、復旧処理を行ってもよい。なお、復旧処理のみを、映像記録装置100とは異なる装置が実行してもよい。
【0053】
以下、前述の各処理をより具体的に説明する。
【0054】
その説明に先立って、図2に記載の記録バッファ103と、記録メディア110および111との関係を説明する。本実施形態では、記録バッファ103はリングバッファであるとする。
【0055】
図4は、CPU101によって管理される、記録バッファ103、および記録メディア110および111を示す。
【0056】
CPU101は、内部のレジスタ150に少なくとも4つのポインタ150−n(n:1〜4の整数)を保持している。各ポインタは、記録バッファ103のアドレス値を示している。
【0057】
第1のポインタ150−1は、記録バッファ103に書き込まれた映像データのうち、最も新しい映像データの位置を示している。第2のポインタ150−2は、記録バッファ103に書き込まれたデータのうち、最も古い映像データの位置を示している。
【0058】
第1のポインタ150−1と第2のポインタ150−2は、それぞれが示す位置の前後関係が変わってはならない。第2のポインタ150−2が示す位置と、第1のポインタ150−1が示す位置との前後関係が変わることは、記録バッファ103の空きがなくなるという異常状態(バッファのオーバーフロー)か、又は記録メディア110および111への記録のために記録バッファ103に蓄積していた映像データが枯渇してしまうという異常状態(バッファのアンダーフロー)を意味する。
【0059】
記録バッファ103の解放は、第2のポインタ150−2によって示される位置を更新することによって行われる。つまり、以前に第2のポインタ150−2が示していた位置を、第1のポインタ150−1が示すことができるようになり、その位置に新しい映像データを記録バッファ103に書き込むことができる。
【0060】
第3のポインタ150−3および第4のポインタ150−4は、記録バッファ103に蓄積されている映像データのうち、記録メディア110および111への記録がそれぞれ完了した映像データの末尾の位置を示している。本実施形態では、第2のポインタ150−2は、第3のポインタ150−3および第4のポインタ150−4の一方と一致する。
【0061】
撮影が開始されると、映像データは所定のデータ単位で記録バッファ103に蓄積される。CPU101は、映像データが所定のデータ単位で書き込まれる度に、そのデータ単位のサイズ分だけ第1のポインタ150−1を更新する。
【0062】
映像データの蓄積と見かけ上並行して、CPU101は、記録バッファ103に蓄積された映像データを、記録メディアI/F104および105に逐次転送し、それらを介して記録メディア110および111に逐次記録する。CPU101は、記録メディア110および111への映像データの記録完了に応答して、第3のポインタ150−3および第4のポインタ150−4を更新する。第3のポインタ150−3および第4のポインタ150−4は、それぞれの記録メディアへの記録がまだ完了していない、最も古いデータ単位の位置を示すよう更新される。このとき第2のポインタも、ポインタ150−3および第4のポインタ150−4のうち、古い方のデータ単位の位置を示すよう更新される。
【0063】
CPU101は、自らが保持する第3のポインタ150−3と第4のポインタ150−4とを比較することにより、両方の記録メディアに共通して記録された映像データの位置を、データ単位で特定することができる。映像データのあるデータ単位が記録メディア110および111の両方に記録されると、CPU101は、当該データ単位を記録バッファ103から解放する。そして第2のポインタが次のデータ単位を示すように変更される。
【0064】
以下、図5〜図12を参照しながら、本実施形態にかかる映像記録装置100の記録動作の詳細を説明する。まずは、復旧情報を作成しない通常の記録動作を説明する。
【0065】
図5は、本実施形態にかかる映像記録装置100の記録処理の手順を示すフローチャートである。図5は、図3のステップS101からS108の処理の詳細を示している。
【0066】
操作部107でユーザからの記録開始の指示が受け付けられると、CPU101は、映像入力部106を介して記録バッファ103に入力された映像データを、記録メディアI/F104および105に転送する。そして、CPU101は、記録メディアI/F104と105へ転送した映像データを、それぞれ記録メディア110および111に記録するよう、記録メディアI/F104および105に命令する(ステップS201)。
【0067】
CPU101は、記録メディア110および111に記録が完了した映像データを、記録バッファ103から解放する(ステップS202)。記録メディア110および111のいずれか一方の記録が完了していない映像データは、記録バッファ103から解放せずに蓄積したままにしておく。
【0068】
ただし、記録不可の状態が発生した後であって、かつ、記録再開処理が行われるまでの間は、映像データは一方の記録メディアにのみ記録され、両方の記録メディアには記録されない。これでは、記録バッファ103が解放されず、記録バッファ103の使用量がしきい値よりも常に大きくなる。そこで、記録不可の状態が発生した後であって、かつ、記録再開処理が行われるまでの間は、CPU101は、当該一方の記録メディアに映像データが記録されると、記録バッファ103を解放することとした。これにより、図5のステップS204に進むことが可能になる。
【0069】
CPU101は、記録バッファ103に蓄積された映像データのデータ量がしきい値を超えているかどうかを確認する(ステップS203)。本実施形態では、「しきい値」は、記録バッファ103の容量、映像の記録レート、記録メディアの書き込み性能に基づいて決定される。したがって、しきい値は一意に定められない。「記録メディアの書き込み性能」とは、たとえば、いわゆる「SDスピードクラス」として表示される最低書き込み速度であればよい。
【0070】
CPU101は、映像データ量がしきい値を超えていないと判断すると(ステップS203のN)、作成途中の復旧情報が主記憶メモリ102に存在するかどうかを確認する(ステップS204)。作成途中の復旧情報については後述する。
【0071】
CPU101は、作成途中の復旧情報が主記憶メモリ102に存在しないと判断すると(ステップS204のN)、ユーザから操作部107に記録停止の指示が与えられているかどうかを確認する(ステップS205)。CPU101は、記録停止の指示が与えられていないと判断すると(ステップS205のN)、映像記録装置100に接続されているすべての記録メディアに対して(本実施形態においては記録メディア110および記録メディア111)のそれぞれに対して、映像データの記録を続けるだけの空き容量があるかどうか確認する(ステップS206)。空き容量の有無は主として映像の記録レートによって定められる。よって、ここでの空き容量もまた一意に定めることはできない。
【0072】
CPU101は、ある記録メディアに映像データの記録を続けるだけの空き容量があると判断したら(ステップS206のN)、その記録メディアに対しては映像データの記録動作を継続する。ここで処理はステップS201に戻る。
【0073】
CPU101は、ステップS205において操作部107に記録停止の指示が与えられたと判断すると(ステップS205のY)、もしくは、ステップS206において記録メディア110および記録メディア111に映像データの記録を続けるだけの空き容量がないと判断すると(ステップS206のY)、記録メディアへの映像データの記録を停止する(ステップS207)。そして、CPU101は、作成途中の復旧情報が主記憶メモリ102に存在するかどうかを確認する(ステップS208)。CPU101は、作成途中の復旧情報が主記憶メモリ102に存在しないと判断すると(ステップS208のN)、記録動作を終了する。
【0074】
ここまでが、復旧情報を作成しない場合の通常の記録動作の流れとなる。
【0075】
次に、一方の記録メディアへの映像データの記録ができなくなった場合において、復旧情報を作成する処理を説明する。
【0076】
たとえば、記録動作の途中で記録メディアに映像データを記録できなくなったとする。記録メディアの内部構造は大容量化の目的で微細加工されており、種々の要因(たとえば記録時の電圧異常、記録メディアの素子の劣化)が絡み合ってデータの記録に失敗することがある。ただし、ある試行ではデータの記録に失敗したとしても、記録動作を再試行(リトライ)すると、記録が可能となることがある。そこでCPU101は、同じデータの記録動作を複数回にわたってリトライする。
【0077】
このリトライを行う間にも、撮影によって生成された映像データが次々と記録バッファ103に蓄積され続ける。映像データが記録メディア110および111の両方に記録されていないため、記録バッファ103から映像データが解放されることはない。その結果、記録バッファ103に蓄積されている映像データのデータ量が増加する。
【0078】
ステップS203において、CPU101は、記録バッファ103に蓄積された映像データの量がしきい値を超えていると判断すると(ステップS203のY)、その映像データの少なくとも一部が、すべての記録メディアのうちの少なくとも1つに記録済みであるかどうかを確認する(ステップS209)。
【0079】
ここでは、記録メディア110には記録済みであるものの、記録メディア111には未記録である映像データが記録バッファ103に存在すると仮定する。つまり、記録バッファ103の空きがなくなることによる映像データの取りこぼしを回避して、記録メディア110への映像データの記録の継続を優先させるために、記録メディア111への映像データの記録ができなくなったと判断する。
【0080】
なお、前述したポインタ150−n(n:1、2、3、4)を参照すれば、各記録メディアに記録されているデータ単位を特定することは容易である。ポインタ150−1およびポインタ120−2によって示される映像データの全体に対し、ポインタ150−3またはポインタ150−4が指す位置までのデータ単位が各記録メディアに記録されていると判断できる。CPU101は、記録済みデータが存在していると判断すると(ステップS209のY)、復旧情報作成処理を実行する(ステップS210)。
【0081】
ここで、図6〜図8を参照しながら、本実施形態における復旧情報作成処理の詳細を説明する。図6は、記録メディア110および記録メディア111の映像データの記録状況を示す。
【0082】
記録メディア110は、メディア番号としてAZ01を持ち、記録メディア111は、メディア番号としてBY02を持つとする。記録メディア110および記録メディア111には同じ映像データが0101.aviというファイル名で記録されている。記録メディア110の記録ブロック10〜12と、記録メディア111の記録ブロック20〜22には同じデータが記録されている。
【0083】
いま、次の映像データのブロックを記録ブロック13および23にそれぞれ記録する例を考える。そして映像データは、記録メディア110の記録ブロック13には継続して記録可能であったが、記録メディア111の記録ブロック23には記録不可であったとする。
【0084】
図5に示すような一連の記録動作において、CPU101は、記録バッファ103に蓄積された映像データのデータ量がしきい値を超えており(図5のステップS203のY)、かつ、ポインタ150−2および150−3を参照することにより、その映像データのなかで、記録メディア110には記録済みで他方の記録メディア111には未記録である映像データが存在していると判断する(図5のステップS209のY)。するとCPU101は、その未記録である記録メディア111が記録不可であると判断する。
【0085】
CPU101は、記録メディア111が記録不可と判断すると、記録メディア111への映像データの記録を中断する。
【0086】
このときCPU101は、記録メディア111の記録内容を記録メディア110に整合させるための復旧処理に必要な種々の情報を収集する。主記憶メモリ102は、これらをまとめた復旧情報を記憶する。
【0087】
具体的にはCPU101は、記録不可とならなければ映像データが記録されていたはずの領域である記録ブロック23の先頭アドレスB00を示す情報を、ブランク開始位置を特定する情報として収集する。同時に、CPU101は、その記録ブロック23に相当する、映像データの記録が継続されている記録メディア110の記録ブロック13の先頭アドレスA00を示す情報を、復旧開始位置を特定する情報として収集する。CPU101はさらに、記録不可になった記録メディア111のメディア番号BY02を示す情報、および記録しているファイル名を特定する情報(本例では“0101.avi”)を収集する。CPU101は、前述のように収集した、先頭アドレスB00を示す情報、先頭アドレスA00を示す情報、メディア番号BY02を示す情報、およびファイル名を特定する情報を復旧情報として主記憶メモリ102に生成し、管理する。なお、本実施形態では、復旧情報およびブランク情報にファイル名も含めているが、ファイル名については必須ではない。たとえば復旧情報およびブランク情報の各ファイル名に、その映像データのファイル名の一部(たとえばファイル名のうち拡張子を除く部分)を用いることにより、対象となる映像データのファイル名を特定してもよい。
【0088】
図7は、主記憶メモリ102で保持される復旧情報の例である。ブランク終了位置と復旧終了位置を示す値は、この時点では未定なので入っていない。すなわち、この復旧情報は未完成であり、作成途中の状態にある。
【0089】
なお、復旧情報は当然ながら1つとは限られず複数存在し得る。全ての記録メディアが記録不可と判断され得るためである。また、ある記録メディアが記録不可と判断された後、その記録メディアの異なる記録ブロックが記録不可であると判断され得るためである。本実施形態では、CPU101は、メディア番号、ファイル名、ブランク開始位置、ブランク終了位置、復旧開始位置、復旧終了位置を一組として管理して、「管理情報1」、「管理情報2」などの管理番号をつけて主記憶メモリ102で管理する。
【0090】
このように、復旧情報のブランク開始位置や復旧開始位置を、記録メディアの記録ブロックのアドレスによって表すことで、復旧処理を行う際に、1つの映像ファイル全体を読み出す必要がなくなる。つまり、CPU101は復旧処理を行う際に、映像データが記録メディアのどの記録ブロックに記録されているのかを、ファイルの先頭から辿って調べていく必要はない。CPU101は、単に復旧情報に含まれる記録ブロックのアドレスの情報を用いて復旧すべき映像データを読み出して記録メディア111に記録するだけでよい。これにより、次に説明するように復旧処理の高速化を図ることができる。
【0091】
図8は、復旧情報作成処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、図3のステップS103の処理を詳細に示している。
【0092】
CPU101は、ある記録メディアが記録不可であると判断すると、その記録メディアへの記録動作を中断する(ステップS501)。
【0093】
次に、CPU101は、前述のとおり記録を中断した記録ブロックの先頭アドレスなどの復旧情報に必要な情報を取得する(ステップS502)。
【0094】
そして、CPU101は、復旧情報を主記憶メモリ102に記録する(ステップS503)。既に主記憶メモリ102に管理情報が記録されている場合、CPU101はその管理情報の管理番号を1つ増やして、主記憶メモリ102に記録する。以上により、復旧情報作成処理が終了する。
【0095】
次に、記録不可になった記録メディアに、記録動作を再開する処理を説明する。
【0096】
CPU101は、図5に示す記録動作を継続しながら、記録バッファ103に蓄積された映像データのデータ量がしきい値を超えているかどうかを確認する(図5のステップS203)。CPU101は、記録バッファ103に蓄積された映像データのデータ量がしきい値を越えておらず(ステップS203のN)、かつ、作成途中の復旧情報が主記憶メモリ102に存在すると判断すると(ステップS204のY)、記録再開処理を実行する(ステップS211)。
【0097】
この処理は、記録メディアへのデータの記録ができない現象の発生は一過性のものであり、完全にデータの記録ができなくなったのではないことを前提としている。つまり、CPU101は、記録メディアへのデータの記録ができなかったとしても記録バッファ103に十分な空きが存在する間は、記録不可になった記録メディアに対して記録処理の再開が可能であると判断する。そして、データの記録動作を再試行する。
【0098】
ここで、図9〜図12を参照しながら、本実施形態における記録再開処理の詳細を説明する。
【0099】
図9は、記録メディア111への映像データの記録を再開したときの、記録メディア110および記録メディア111の記録状況を示す。ここで、図6と同等の要素には同じ参照符号を付し、その説明は省略する。
【0100】
CPU101は、記録メディア111への記録が可能になったと判断すると、記録を再開する位置(以下「記録再開位置」と記述する。)を決定する。本実施形態では、記録再開位置は、最初に記録不可となった記録ブロック23ではなく記録ブロック41である。つまりCPU101は、記録不可だった領域を空けて、記録再開位置を決定する。記録不可だった領域を空ける理由は、記録ブロック23が不良ブロックのために記録動作を何度リトライしても失敗する危険性を回避するためであり、さらに、一連の記録動作を終了した後で行われる復旧処理の高速化を図るためでもある。
【0101】
より具体的には、CPU101は、以下のように記録再開位置を決定する。まず、記録メディア110に関し、CPU101は、これから記録を行う記録ブロックを特定する。図9の例では記録ブロック31である。この記録ブロック31に記録される映像データが、並列的に記録メディア111にも記録される。
【0102】
記録メディア110の記録ブロック13〜30に記録された映像データは、記録メディア111にはまだ記録されていない。そのデータ量は、記録ブロック30の最終アドレス(CFF)から記録ブロック13の開始アドレス(A00)を引いた値(CFF−A00)に等しい。よって、この値と同じサイズを有する領域を、記録不可だった領域として空けておき、その領域の直後の位置を、記録再開位置とすればよい。
【0103】
記録不可だった領域の開始位置(すなわちブランク開始位置)をB00とし、終了位置をDFFとしたとき、DFF−B00=CFF−A00が成立する。よって、記録メディア111の記録再開位置DFF=B00+CFF−A00となる。なお、アドレスA00およびB00の情報は、主記憶メモリ102に保持している復旧情報(図7)に既に含まれている。よって、CPU101は、記録メディア110における記録開始位置(記録ブロック31の先頭アドレス)を決定するとすぐに、記録メディア111の記録再開位置を特定することができる。このようにCPU101は、記録を中断していた間に生成された映像データのデータ量に基づいて記録を再開する位置を決めることができる。
【0104】
次に、CPU101は、記録バッファ103から記録メディアI/F105に映像データを転送する。そして、CPU101は、記録メディアI/F105へ転送した映像データを、記録メディア111に記録するように記録メディアI/F105に命令する。
【0105】
ここで、CPU101は、記録を再開した記録ブロックの1つ前の記録ブロック40の末尾アドレスDFFを、ブランク終了位置として主記憶メモリ102に保持している復旧情報に記録する。さらに、CPU101は、そのブランク終了位置に相当する、記録が継続されている記録メディア110の記録ブロック30の末尾アドレスCFFを、復旧終了位置として当該復旧情報に記録する。
【0106】
図10は、ブランク終了位置および復旧終了位置が追記された復旧情報の例である。この復旧情報は依然として主記憶メモリ102に保持されている。復旧情報作成処理で作成した復旧情報の例である図7では未定であった、ブランク終了位置および復旧終了位置の値が、図10では確定している。これにより、復旧情報が完成されたことになる。完成したこの復旧情報を、CPU101は、記録が継続されていた記録メディア110へ記録する。
【0107】
以上のように、本実施形態では、記録が継続されている記録メディアに復旧情報を記録する。これにより、確実に復旧情報を残すことができる。
【0108】
さらに、記録再開処理では、ブランク情報を記録する。先に説明した通り、ブランク情報とは、映像データが本来記録されるべきであった領域に関する情報、換言すれば、記録不可と判断された領域に関する情報である。ブランク情報は、記録不可となった領域が存在する記録メディアに記録される。
【0109】
図11は、ブランク情報の例である。ブランク情報は、ファイル名、ブランク開始位置およびブランク終了位置のそれぞれの情報を有している。この例によるブランク開始位置およびブランク終了位置は、図9に示される記録不可の区間の始点および終点に対応することが理解される。なお、図10の復旧情報と比較すると、ブランク情報には、メディア番号、復旧開始位置および復旧終了位置の情報が含まれていない。
【0110】
記録中にある記録領域が記録不可と判断されたため、映像データが途中で途切れている例を考える。通常の再生装置は連続して記録された位置までしか、映像を再生できない。しかしながらブランク情報を用いれば、ブランク開始位置およびブランク終了位置を特定することができる。よって、再生装置は、記録不可だった領域を飛ばして、記録が再開された位置から映像を再生することができる。また、ある記録メディアにブランク情報が記録されていたときは、記録装置は、そのブランク情報によって特定される領域へのデータの記録を回避することができる。当該領域は、後に映像データが復旧されるために確保された領域だからである。
【0111】
なお、図11の例では、ブランク区間(ブランク開始位置からブランク終了位置までの区間)は物理的に連続して確保されている。しかしながらこれは一例である。ブランク区間は論理的に連続していればよく、物理的に連続して確保されている必要はない。たとえば、ファイルシステムの一つであるFAT(File Allocation Table)ファイルシステムを用いることにより、物理的には非連続の領域群を論理的に連続なブランク区間として管理することができる。よって、仮にブランク情報によって特定される領域に他の機器によってデータが記録されたとしても、他に同じデータサイズの領域が存在していれば、映像データを復旧させることは可能である。映像データの確実な記録(保存)を主目的とする場合には復旧情報が作成されていればよく、ブランク情報は特に必要ではないといえる。
【0112】
図12は、記録再開処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、図3のステップS105の処理を詳細に示している。
【0113】
CPU101は、記録不可となった記録メディア111への記録が再開できると判断すると、まず、前述した手順に従って記録再開位置を決める(ステップS901)。
【0114】
次に、CPU101は、記録バッファ103から記録メディアI/F105に映像データを転送する。そして、CPU101は、映像データを記録メディア111に記録するように記録メディアI/F105に命令して、記録を再開する(ステップS902)。
【0115】
CPU101は、記録を再開した記録メディア111の記録ブロックの1つ前の記録ブロックの末尾アドレスをブランク終了位置とし、ブランク終了位置に相当する記録が継続されている記録メディア110の記録ブロックの末尾アドレスを復旧終了位置とする。そして、主記憶メモリ102に管理していた復旧情報に、ブランク終了位置および復旧終了位置の情報を追記する(ステップS903)。
【0116】
CPU101は、記録が継続されていた記録メディア110に前述の復旧情報を記録する(ステップS904)。
【0117】
CPU101は、前述の復旧情報にあるファイル名とブランク開始位置とブランク終了位置をブランク情報として、記録が再開された記録メディア111へ記録する(ステップS905)。以上で、記録再開処理を終了する。
【0118】
再び図5を参照する。
【0119】
CPU101は、復旧情報作成処理(ステップS210)を終える、もしくは、記録再開処理(ステップS211)を終えると、ユーザから操作部107に記録停止の指示が受け付けられているかどうかを確認する(ステップS205)。そしてステップS205以降では前述したとおり処理が行われる。また、記録バッファ103の映像データのなかで、記録済みデータが存在していないと判断すると(ステップS209のN)、CPU101は記録メディアへの記録動作を停止する処理を実行する(S207)。記録済みデータが存在していないということは、映像データがどの記録メディアにも記録されていないことを意味しており、そのような状況はすべての記録メディアへの記録が不可になったと考えられるためである。
【0120】
CPU101は、作成途中の復旧情報が主記憶メモリ102に存在すると判断すると(ステップS208のY)、ブランク終了位置と復旧終了位置とを、データを記録した最後の記録ブロックの末尾アドレスの値にして、復旧情報とブランク情報をそれぞれ記録メディア110および記録メディア111に記録する(ステップS212)。そして、記録動作を終了する。
【0121】
次に、図9、図10および図13を参照しながら、前述の一連の記録動作を終了した後で行われる復旧処理の詳細を説明する。
【0122】
図13は、復旧処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、図3のステップS109の処理を詳細に示している。
【0123】
まず、CPU101は、記録メディア110および111に復旧情報が記録されているか確認する(図13のステップS1001)。図9の例では、記録メディア110に復旧情報が記録されている(図10、および図12のステップS904)。
【0124】
CPU101は、復旧情報が記録されていると判断すると(ステップS1001のY)、復旧情報のメディア番号と一致する記録メディアが、映像記録装置100に接続されているかを確認する(ステップS1002)。図9および図10の例では、復旧情報に記述されたメディア番号BY02が、映像記録装置100に接続された記録メディア111のメディア番号と一致する。
【0125】
CPU101は、メディア情報と一致する記録メディアが接続されていると判断すると(ステップS1002のY)、復旧情報のファイル名と一致するファイルが、その記録メディアに記録されているかを確認する(ステップS1003)。図9および図10の例では、復旧情報に記述されたファイル名0101.aviのファイルが、記録メディア111に記録されている。よって復旧情報のファイル名と一致するファイルが記録されている。
【0126】
CPU101は、ファイル名と一致するファイルが記録されていると判断すると(ステップS1003のY)、復旧情報に示される復旧開始位置から復旧終了位置までのデータを、ブランク開始位置からブランク終了位置までの領域にコピーする(ステップS1004)。図9の例では、CPU101は、記録メディア110の復旧開始位置A00〜復旧終了位置CFFのデータを、記録メディア111のブランク開始位置B00〜ブランク終了位置DFFにコピーする。
【0127】
CPU101は、コピーを完了すると、今回使用した復旧情報と、ブランク開始位置B00〜ブランク終了位置DFFの領域等を示していたブランク情報を削除する(ステップS1005)。図9の例では、記録メディア110に記録されている復旧情報1と、記録メディア111に記録されているブランク情報1を削除する。
【0128】
その後、処理はステップS1001に戻り、CPU101は、さらに復旧情報が記録されているか確認する(ステップS1001)。CPU101は、復旧情報が記録されていない(ステップS1001のN)、もしくは、メディア番号と一致する記録メディアが接続されていない(ステップS1002のN)、もしくは、ファイル名と一致するファイルが記録されていない(ステップS1003のN)と判断すると、復旧処理を終了する。
【0129】
このように、復旧情報を用いることで、復旧する必要があるかどうかを素早く判断でき、復旧すべき領域を容易に特定できるため、復旧処理の高速化を図ることができる。
【0130】
以上のように、本実施形態では、映像データの記録ができなくなり記録が中断した記録メディアに関し、記録が再開できるまでは、記録を継続したとした場合に必要となるサイズ分の記録領域を空けておく。併せて、復旧するために必要な復旧情報を作成する。そして、後に記録が再開できる状態になったとき、復旧情報を利用して、空けていた記録領域に記録できなかった映像データを記録する、これにより、複数の記録メディアに重複して同じデータを記録することができるため、映像データを確実に保存することができる。さらに、一連の記録動作を終えて復旧処理を行う際に、復旧する映像データの量を減らすことができるため、復旧処理の高速化を図ることができる。
【0131】
また、本実施形態では、記録が継続されている記録メディアに復旧情報を記録するため、確実に復旧情報を残すことができる。さらに、着脱可能な記録メディアに復旧情報を記録するため、復旧処理を映像記録装置100以外でも実施することが可能になる。つまり、映像記録装置100は、例えばビデオカメラのように撮影専用として用いて、復旧処理を別の装置で行うことができる。
【0132】
本実施形態では、記録を中断していた記録メディアにブランク情報を記録する。これにより、通常は連続して記録したところまでしか再生できないものを、空けた記録領域を飛ばして、記録を再開した映像データを再生することができる。
【0133】
本実施形態では、復旧情報として記録メディアの記録ブロックのアドレスを用いたが、ファイルの先頭からのバイト単位のオフセットでもよい。この場合、復旧情報の復旧開始位置とブランク開始位置、復旧終了位置とブランク終了位置は、それぞれ同じ値になる。さらには、復旧開始位置・復旧終了位置は記録ブロックのアドレスの値、一方、ブランク開始位置・ブランク終了位置はファイルの先頭からのオフセットの値というように、両方の値を混在させてもよく、それぞれ両方の値をもつようにしてもよい。
【0134】
さらに、たとえば本実施形態の図7および図10では、ブランク開始位置、ブランク終了位置、復旧開始位置および復旧終了位置がアドレスのみで指定されていた。用いられたアドレスは、各々が異なるアドレス空間を有する2つの記録メディア110および111のアドレスである。ブランク開始位置およびブランク終了位置については、それらがどのメディアの位置であるかを「メディア番号」によって特定することができる。一方、復旧開始位置および復旧終了位置については、それらがどのメディアの位置であるかを特定することはできない。これでは記録メディアが途中で入れ替えられた場合には、復旧処理が、何の関係もない新たな記録メディア上の「復旧開始位置」および「復旧終了位置」として指定されたアドレスの情報を用いて行われることになり、本来意図した復旧処理を実現できない。そこで、少なくとも復旧開始位置および復旧終了位置の各アドレスだけではなく、その各々に記録メディアを一意に特定する情報をさらに付加してもよい。もちろん、ブランク開始位置およびブランク終了位置に関しても、その各々に記録メディアを一意に特定する情報を付してもよい。
【0135】
本実施形態では、映像記録装置100に接続する記録メディアを2つとしたが、3つ以上の記録メディアに接続してもよい。この場合、復旧情報をどの記録メディアに記録すべきかの判断が必要になる。判断条件として、(1)ブランク情報が記録されていない記録メディア、(2)記録メディアの規格や定格などに記載されている転送速度が速い記録メディア、(3)空き容量が大きい記録メディア、が考えられる。上記(1)〜(3)だけで判断しない場合は、接続している記録メディアI/Fの管理上の番号の若い順などでもよい。
【0136】
本実施形態では、記録バッファに蓄積された映像データの量がしきい値を超えているとき、CPU101は記録メディアを記録不可であると判断するとした。しかしながらこれは一例であり、別の条件を設定してもよい。例えば、記録メディアからの記録失敗の通知をCPU101が受けたという条件でもよく、また、その失敗の回数に上限を設けてその上限を超えているという条件でもよい。
【0137】
本実施形態では、復旧情報にあるファイル名と一致するファイルを復旧するようにしたが、ファイル名とは別にユニークな識別子を用いてもよい。例えば、SMPTE−330で規定されているUMID(Unique Material Identifier)をファイルに付与して、復旧情報やブランク情報にUMIDを追加してもよい。
【0138】
(実施形態2)
上記実施形態1では、記録メディア110および記録メディア111は、それぞれ記録メディアI/F104および記録メディアI/F105を介して、映像記録装置100に直接接続されていた。しかしながら、一方の記録メディアが映像記録装置とネットワークを介して接続している外部装置に存在する例を説明する。
【0139】
図14は、本実施形態に係る映像記録装置1100の構成を示すブロック図である。映像記録装置1100は、CPU1101と、主記憶メモリ1102と、記録バッファ1103と、記録メディアI/F1104と、映像入力部1106と、操作部1107と、I/Oバス1108と、通信部1109とを含む。なお、映像記録装置1100の構成要素のうち、実施形態1の映像記録装置100と同一の構成要素については同一の名称を付与し説明を省略する。
【0140】
通信部1109は、LTE(Long Term Evolution)やWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)などの無線ネットワークに接続し、記録バッファ1103や記録メディア1110に格納されている映像データや、主記憶メモリ1102や記録メディア1110に格納されている復旧情報などをパケット化して外部装置へ送信する。さらに、通信部1109は、外部装置との間で行われる通信に用いられる通信プロトコルとして、例えばTCP(Transmission Control Protocol)を用い、外部装置が映像データのパケットを正しく受け取ったことを通知するためのACK(ACKnowledgement)パケットを、外部装置から受信する。
【0141】
図15は、本実施形態に係る外部装置1200の構成を示すブロック図である。外部装置1200は、CPU1201と、主記憶メモリ1202と、記録メディア1203と、I/Oバス1204と、通信部1205とを含む。記録メディア1203を有しているため、外部装置1200は、映像記録装置1100と同様の記録装置であるといえる。なお、外部装置1200の構成要素のうち、実施形態1の映像記録装置100や本実施形態の映像記録装置1100と同一の構成要素については同一の名称を付与し説明を省略する。
【0142】
記録メディア1203は、本実施形態においては、例えばHDD(Hard Disk Drive)のような、大容量でランダムアクセス可能な磁気記録メディアであって、I/Oバス1204に接続されている。ただし、記録メディアの種類や容量は任意である。たとえば光ディスクのような光記録メディアであってもよいし、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)のような半導体記録メディアであってもよい。また、記録メディア1203は、外部装置1200に内蔵され、頻繁に取り外しされなくてもよい。または、外部装置1200に容易に取り付け可能であり、または外部装置1200から容易に取り外し可能であってもよい。
【0143】
通信部1205は、映像記録装置1100から無線ネットワークを介して送信された映像データなどを受信して、主記憶メモリ1202に出力する。さらに、通信部1205は、映像記録装置1100から映像データのパケットを正しく受信すると、正しく受け取ったことを通知するためのACKパケットを映像記録装置1100に送信する。
【0144】
ここで、図16〜図20を参照しながら、本実施形態における映像記録装置1100の記録動作の詳細を説明する。なお、映像記録装置1100の処理の概要は、図3に示す処理と概ね同じである。以下では、実施形態1による図5の処理に対応する処理を説明する。
【0145】
図16は、本実施形態にかかる記録動作の手順を示すフローチャートである。なお、本実施形態における記録動作のうち、実施形態1の記録動作(図5)と実質的に同じ動作についての説明は省略する。相違点は、主としてステップS1301、S1302、S1309、S1311およびS1313である。
【0146】
操作部1107によってユーザからの記録開始の指示が受け付けられると、CPU1101は、映像入力部1106を介して記録バッファ1103に入力された映像データを、記録メディアI/F1104に転送して、記録メディア1110にその映像データを記録するように記録メディアI/F1104に命令する。同時に、CPU1101は、記録メディア1110に記録した映像データと同じ映像データを記録バッファ1103から通信部1109に転送して、外部装置1200へ送信するように命令する(ステップS1301)。
【0147】
CPU1101は、記録メディア1110への記録が完了しており、かつ、外部装置1200への送信が完了している映像データを、記録バッファ1103から解放する(ステップS1302)。記録メディア1110への記録が完了していない、もしくは、外部装置1200への送信が完了していない映像データは、記録バッファ1103から解放せずに蓄積したままにしておく。外部装置1200への送信が完了しているか否かは、外部装置1200からACKパケットを受信したか否かで判断することができる。CPU1101は、送信した映像データの各パケットに対応してACKパケットを受信した場合には、外部装置1200への送信が完了したと判断することができる。
【0148】
CPU1101は、記録バッファ1103に蓄積された映像データの量がしきい値を超えているかどうかを確認する(ステップS1303)。CPU1101は、映像データのデータ量がしきい値を超えていると判断したら(ステップS1303のY)、その映像のなかで、外部装置1200に接続されている記録メディア1203を含むすべての記録メディアのいずれかに映像データが存在しているかどうかを確認する(ステップS1309)。
【0149】
ただし、外部装置1200に接続されている記録メディア1203に映像データが存在しているかどうかについては送信が完了しているかどうかで判断する。送信が完了していれば記録メディア1203に映像データが存在していると判断でき、送信が完了していなければ、記録メディア1203には映像データが存在していないと判断できる。
【0150】
ここで、記録メディア1110には映像データが記録済みであるとする。一方、外部装置1200への送信が完了していない映像データが記録バッファ1103に存在するとする。たとえば、映像記録装置1100から外部装置1200へ映像データの送信が不可となり、その結果、記録メディア1203には映像データが記録されていない状況を想定する。
【0151】
CPU1101は、記録済みデータが存在していると判断すると(ステップS1309のY)、復旧情報作成処理を実行する(ステップS1310)。
【0152】
ここで、図17を参照しながら、本実施形態における復旧情報作成処理の詳細を説明する。図17は、記録メディア1110と、外部装置1200に接続されている記録メディア1203の映像データの記録状況との関係を示す。
【0153】
記録メディア1110および記録メディア1203には、ファイル先頭から317440Bytesのオフセットまで同じ映像データが記録されている。その映像データのファイル名は0210.aviである。
【0154】
CPU1101は、外部装置1200への映像データの送信が不可と判断すると、外部装置1200への送信を中断する。このとき、送信完了した最後のオフセットである317440Bytesを、ブランク開始位置として主記憶メモリ1102に記録する。復旧開始位置も同じく317440Bytesという値を入れて主記憶メモリ1102に記録する。そして、その2つの情報と記録しているファイル名0210.aviとをあわせて、CPU1101は復旧情報として主記憶メモリ1102で管理する。
【0155】
実施形態1と比較すると、映像データの送信を中断することや、メディア番号を復旧情報に入れないことの違いはあるものの、本実施形態における復旧情報作成処理は、実施形態1における復旧情報作成処理と同等である。
【0156】
以上のように、ブランク開始位置を、ファイルの先頭からのバイト単位のオフセットの値にすることにより、映像データを送信する相手を外部装置1200に限定する必要もなく、その映像データを記録する先を記録メディア1203に限定する必要もない。つまり、記録メディア1203のメディア番号や記録ブロックのアドレスを、外部装置1200が映像記録装置1100へ通知するなどの特別な処理を行う必要はない。さらに、記録メディア1203に記録された映像ファイルが別の記録メディアに移動しても、復旧情報は有効であり、別の記録メディア上で復旧することが可能である。
【0157】
次に、送信不可になった後、送信を再開する処理を説明する。
【0158】
CPU1101は、図16に示す記録動作を継続しながら、記録バッファ1103に蓄積された映像データのデータ量がしきい値を超えているかどうかを確認する(ステップS1303)。映像データ量がしきい値を超えておらず(ステップS1303のN)、かつ、作成途中の復旧情報が主記憶メモリ1102に存在すると判断すると(ステップS1304のY)、CPU1301は、外部装置1200への映像データの送信が可能になったと判断し、記録・送信再開処理を実行する(ステップS1311)。
【0159】
ここで、図18および図19を参照しながら、本実施形態における記録・送信再開処理の詳細を説明する。図18は、外部装置1200への映像データの送信を再開したときの、記録メディア1110および記録メディア1203の記録状況を、ファイルイメージで示す。ここで、図17と同等のものについては説明を省略する。
【0160】
CPU1101は、外部装置1200への映像データの送信が可能になったと判断すると、まず、送信を中断していた間に本来記録するべき領域を空けるように、ダミーデータを送信する。ダミーデータのデータ量は、記録を中断していた間の映像のデータ量となる。図19の例では、CPU1101は、データ量が10240Bytesのダミーデータを送信する。
【0161】
もちろん、ダミーデータに代えて、送信できなかった映像データを送信してもよい。具体的には、記録メディア1110に記録された映像データのファイル0210.aviの、317440Bytesから327680bytesまでのデータを送信すればよい。
【0162】
なお、本実施形態において、原則としてダミーデータを送信するとしている理由は、記録メディア1110からの映像データの読み出しにかかる処理負荷や時間を削減できるからであり、記録メディア1110からの映像データの読み出しができない危険性を回避できるからである。これらの点において、前述のダミーデータの送信は有効である。
【0163】
次に、CPU1101は、記録メディア1110に記録したものと同じ映像データを記録バッファ1103から通信部1109に転送して、外部装置1200へ送信するように記録メディアI/F1104に命令する。
【0164】
ここで、CPU1101は、ブランク終了位置と復旧終了位置として、送信を再開したファイル先頭からのオフセット327680Bytesの位置を、主記憶メモリ1102に保持している復旧情報に記録する。これにより、復旧情報作成処理では未定だったブランク終了位置と復旧終了位置が確定し、復旧情報は完成したことになる。この完成した復旧情報をCPU1101は記録メディア1110へ記録する。
【0165】
以上のように、ダミーデータを映像記録装置1100から外部装置1200へ送信することで、外部装置1200で特別な処理を行うことなく、送信を中断していた間に本来記録するべき領域を空けることができる。なお、確保すべき領域のサイズに対応するデータ量のダミーデータを実際に送信することは、必須ではない。外部装置1200にサイズを特定する情報を送信し、その情報を受信した外部装置1200のCPU1201が記録メディア1203に領域を確保してもよい。
【0166】
図19は、記録・送信再開処理の手順を示すフローチャートである。
【0167】
CPU1101は、記録再開もしくは送信再開が可能になったと判断すると、まず、記録再開が可能になったのか、送信再開が可能になったのかを確認する(ステップS1601)。
【0168】
CPU1101は、送信再開が可能になったと判断すると(ステップS1601のY)、送信を中断していた間に本来記録するべき領域を空けるように、ダミーデータを送信する(ステップS1602)。
【0169】
CPU1101は、記録再開が可能になったと判断すると(ステップS1601のN)、記録を中断していた間に本来記録するべき領域を空けるように、記録を再開する位置を決める(ステップS1603)。
【0170】
CPU1101は、記録メディアへの記録、もしくは、外部装置1200への送信を再開する(ステップS1604)。
【0171】
CPU1101は、記録もしくは送信を再開したファイル先頭からのオフセットを、ブランク終了位置と復旧終了位置として、主記憶メモリ1102に管理していた復旧情報と共に記録する(ステップS1605)。
【0172】
CPU1101は、前述の復旧情報を記録継続していた記録メディア1110に記録する(ステップS1606)。
【0173】
CPU1101は、前述の復旧情報にあるファイル名とブランク開始位置とブランク終了位置とをブランク情報として、記録を再開したメディアへ記録する、もしくは、送信を再開した外部装置1200へ送信する(ステップS1607)。以上で、記録・送信再開処理を終了する。
【0174】
CPU1101は、復旧情報作成処理(図16のステップS1310)を終える、もしくは、記録・送信再開処理(図16のステップS1311)を終えると、ユーザから操作部1107に記録停止の指示が受け付けられているかどうかを確認する(ステップS1305)。CPU1101は、記録停止の指示が受け付けられていると判断する(ステップS1305のY)、もしくは、映像記録装置1100に接続されているすべての記録メディアに対して記録を続けるだけの空き容量がないと判断すると(ステップS1306のY)、記録メディアへの記録の停止処理と、外部装置1200への送信の停止処理とを行う(ステップS1307)。CPU1101は、作成途中の復旧情報が主記憶メモリ1102に存在すると判断すると(ステップS1308のY)、作成途中の復旧情報を完成させて記録メディア1110に記録する(ステップS1312)。そして、CPU1101は、送信済みファイルリストを作成して、記録メディア1110に記録して(ステップS1313)、記録動作を終了する。
【0175】
図20は、送信済みファイルリストの一例を示す。送信済みファイルリストには、外部装置1200へ送信が完了した映像ファイルのファイル名が記述されている。ただし、送信済みファイルリストには途中で映像データの送信が中断された復旧が必要なファイルも含まれている。復旧が必要なファイルかどうかの区別は、復旧情報やブランク情報を用いれば容易に可能である。
【0176】
以上のように、本実施形態では、一方の記録メディアが映像記録装置とネットワークを介して接続している外部装置に存在する場合でも、映像データが送信不可だった区間を復旧するのに必要な情報を復旧情報として作成する。これにより、ネットワークを介して接続している記録メディアに対しても、重複して同時記録する時間を長くすることができ、復旧処理の高速化も図ることができる。
【0177】
また、本実施形態では、復旧情報としてファイル先頭からのバイト単位でのオフセットを用いる。さらに、送信を中断していた間に本来記録するべき領域を空けるためにダミーデータを送信する。こうすることで、映像データを送信する外部装置は特別な処理を行う必要がなく、送信した映像データを記録する記録メディアを限定する必要もない。つまり、映像データを記録してできた映像ファイルが別の記録メディアに移動しても、復旧情報は有効で、その復旧情報を用いて別の記録メディア上で復旧することが可能である。
【0178】
本実施形態では、一連の記録動作を終了する際に、送信済みファイルリストを作成する。このリストにより、映像記録装置に直接接続している記録メディアに存在するファイルのなかで、送信済みなのか未送信なのかを判断することができる。さらに、復旧情報と一緒に用いると、復旧が必要なファイルかどうかの区別もつけることができる。例えば、記録メディアの空き容量が少なくなった場合に、送信済み、かつ、復旧不要のファイルは削除可能という判断ができる。
【0179】
本実施形態では、一連の記録動作の際に、記録バッファ1103に格納されている映像データを外部装置1200へ送信して、記録メディア1110および記録メディア1203に対して同時記録を行っているが、記録バッファ1103に格納されている映像データではなく、記録メディア1110に記録された映像データを読み出して、外部装置1200へ送信してもよい。
【0180】
さらには、一連の記録動作の際に、同時に復旧処理を行ってもよい。つまり、映像記録装置1100は、一連の記録動作を継続しながら、記録メディア1110の転送速度や、記録バッファ1103のデータ蓄積量や、ネットワーク接続状況を見て、十分に余裕がある場合に、復旧情報にある復旧開始位置〜復旧終了位置の映像データを記録メディア1110から読み出して、外部装置1200へ送信して復旧処理を行ってもよい。
【0181】
本実施形態では、復旧情報やブランク情報にファイル名を用いた。しかしながら、ファイル名とは別な、ユニークな識別子を用いてもよい。例えば、SMPTE−330で規定されているUMID(Unique Material Identifier)をファイルに付与して、復旧情報やブランク情報にUMIDを追加してもよい。外部装置1200に接続している記録メディア1203から別の記録メディアへファイルを移動する際に、ファイル名を変更したとしても、ユニークな識別子を利用して復旧対象となるファイルを特定することができる。
【0182】
なお、本実施形態では、復旧情報を映像記録装置1100に直接接続している記録メディア1110に記録するようにした。しかしながら、ネットワークの帯域が十分大きく高速に安定してデータを送信できるのであれば、外部装置1200の記録メディア1203に復旧情報を記録してもよい。
【0183】
なお、本実施形態では、映像記録装置1100に直接接続されている記録メディア1110と、外部装置1200に直接接続されている、または内蔵されている記録メディア1203とに映像データを記録する構成を例示した。しかしながら、直接接続している記録メディアが2つ以上であってもよく、ネットワークを介して接続する外部装置も2つ以上であってもよく、外部装置に接続している記録メディアも2つ以上であってもよい。この場合、復旧情報をどの記録メディアに記録すべきかの判断が必要になる。判断条件として、(1)映像記録装置1100に直接接続している記録メディア、(2)ブランク情報が記録されていない記録メディア、(3)ネットワークの帯域が十分大きく高速に安定してデータを送信できる外部装置の記録メディア、(4)空き容量が大きい記録メディア、が考えられる。上記(1)〜(4)だけで判断が付かない場合は、映像記録装置1100に直接接続している記録メディアI/Fの管理上の番号の若い順や、外部装置1200とパケットのやりとりをしている通信部1109の管理上の番号の若い順などでもよい。
【0184】
なお、本実施形態では、送信を中断していた間に本来記録するべき領域を空けるためにダミーデータを送信したが、実際にデータを送信せずに空けるデータ量を映像記録装置1100から外部装置1200に伝えて、外部装置1200が記録メディア1203に対して領域を空ける処理を行ってもよい。
【0185】
なお、本実施形態では、映像記録装置1100と外部装置1200が無線ネットワークで接続している構成としたが、Ethernet(登録商標)などの有線ネットワークで接続している構成であってもよい。
【0186】
実施形態1および2においては、記録が継続されていた記録メディアに復旧情報を記録するとした。記録が継続されていた記録メディアが複数存在する場合には、その全てに復旧情報を記録してもよいし、そのうちの一つに復旧情報を記録してもよい。後者の例では、記録が継続されていた記録メディアの信頼性に基づいてどの記録メディアに復旧情報を記録するかを判断してもよい。たとえばこれまで記録が失敗したと判断された回数が少ないほど信頼性が高いと考えればよい。または、記録が失敗したと判断された時期が古いほど信頼性が高いと考えればよい。信頼性は、予め定められた基準によって定められればよい。
【0187】
本発明は、記録システムを動作させるコンピュータプログラムとしても実施され得る。たとえば前述の実施形態1にかかる映像記録装置100のCPU101、および、実施形態2にかかる映像記録装置1100のCPU1101は、半導体回路にコンピュータプログラムを組み込んだDSP等のハードウェアとして実現することも可能である。そのようなコンピュータプログラムは、たとえば実施形態1に関しては図3、5、8、12、13の少なくとも1つのフローチャートによって示される手順を実行するための命令を含む。また、実施形態2に関しては図16および19の少なくとも1つのフローチャートによって示される手順を実行するための命令を含む。コンピュータプログラムは、CD−ROM等の記録媒体に記録されて製品として市場に流通され、または、インターネット等の電気通信回線を通じて伝送される。
【産業上の利用可能性】
【0188】
前述の各実施形態に係る記録装置は、映像データを2つの記録媒体に重複して記録する記録装置であって、記録するはずだった記録領域を空けて記録することで、復旧処理の高速化を図るとともに、空けた記録領域を復旧するのに必要な復旧情報を作成して、空けた記録領域に記録すべき映像データが記録された記録媒体のいずれかに記録することにより、確実に復旧情報を残すことができ、ビデオカメラ等に適用することができ、有用である。
【符号の説明】
【0189】
100、1100 映像記録装置
101、1101、1201 CPU
102、1102、1202 主記憶メモリ
103、1103 記録バッファ
104、105、1104 記録メディアI/F
106、1106 映像入力部
107、1107 操作部
108、1108、1204 I/Oバス
110、111、1203 記録メディア
1109、1205 通信部
1200 外部装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
逐次生成されるコンテンツデータを一時的に蓄積する記録バッファと、
前記記録バッファに蓄積された前記コンテンツデータを、第1および第2の記録メディアを含む複数の記録メディアの各々に並列的に記録する制御部と
を備えた記録システムにおいて、
前記第1の記録メディアに前記コンテンツデータを記録することができなかった期間があり、かつ、前記期間中に、前記第2の記録メディアに前記コンテンツデータを記録したときにおいて、前記制御部は、
前記第1の記録メディアに、前記期間中に前記第2の記録メディアに記録されたコンテンツデータである部分データのサイズ以上のサイズを有する空き領域を確保し、かつ、
前記第1の記録メディア以外の記録メディアに、前記部分データを記録できなかった前記第1の記録メディアを特定する第1情報、前記空き領域を特定する第2情報、および、前記部分データが記録された前記第2の記録メディアの領域を特定する第3情報を含む復旧情報を記録する、記録システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記空き領域の開始位置および終了位置を特定する情報を前記第2情報として生成する、請求項1に記載の記録システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記部分データが記録されている前記第2の記録メディアの開始位置および終了位置を特定する情報を、前記第3情報として生成する、請求項2に記載の記録システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1の記録メディアに、前記空き領域を特定する第2情報を含むブランク情報を記録する、請求項1に記載の記録システム。
【請求項5】
前記記録バッファは、前記第1の記録メディアおよび前記第2の記録メディアに記録された前記コンテンツデータを所定のデータ単位で削除し、
前記制御部は、前記記録バッファに蓄積された前記コンテンツデータのデータ量に基づいて、前記第1の記録メディアに前記コンテンツデータを記録することができないと判断する、請求項1に記載の記録システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記記録バッファに蓄積された前記コンテンツデータのデータ量が所定の閾値を超えていないときは、前記第1の記録メディアに前記コンテンツデータを記録の再開が可能であると判断し、前記コンテンツデータの記録動作を再試行する、請求項1に記載の記録システム。
【請求項7】
前記第1の記録メディア以外の記録メディアに前記復旧情報が記録されているときにおいて、
前記制御部は、
前記復旧情報を読み出し、
前記第1情報によって特定される、前記部分データを記録できなかった前記第1の記録メディアが接続されているか否かを判断し、
前記第1の記録メディアが接続されているときは、前記第3情報に基づいて前記第2の記録メディアの領域から前記部分データを読み出し、前記第2情報に基づいて特定される前記空き領域に、読み出した前記部分データを記録する、請求項3に記載の記録システム。
【請求項8】
前記第1の記録メディアに前記コンテンツデータを記録することができなかった期間があり、かつ、前記期間中に、前記第2の記録メディアおよび第nの記録メディア(n:3以上の整数)に前記コンテンツデータを記録したときにおいて、
前記制御部は、前記第2の記録メディアおよび前記第nの記録メディアの全てに、前記復旧情報を記録する、請求項1に記載の記録システム。
【請求項9】
前記第1の記録メディアに前記コンテンツデータを記録することができなかった期間があり、かつ、前記期間中に、前記第2の記録メディアおよび第nの記録メディア(n:3以上の整数)に前記コンテンツデータを記録したときにおいて、
前記制御部は、前記第2の記録メディアおよび前記第nの記録メディアのうち、予め定められた基準によって定められた信頼性が最も高い記録メディアに前記復旧情報を記録する、請求項1に記載の記録システム。
【請求項10】
前記記録バッファおよび前記制御部が1つの筐体内に設けられ、かつ、前記複数の記録媒体が着脱可能である、請求項3に記載の記録システム。
【請求項11】
前記コンテンツデータとして、撮影された被写体の映像データを逐次受け取る映像入力部をさらに備えた、請求項10に記載の記録システム。
【請求項12】
前記記録バッファ、前記制御部、および前記コンテンツデータを送信する第1通信部を有し、かつ、前記第1の記録媒体および前記第2の記録媒体の一方に前記コンテンツデータを記録する第1記録装置と、
前記第1記録装置から送信された前記コンテンツデータを受信する第2通信部、および、前記第1の記録媒体および前記第2の記録媒体の他方に、受信した前記コンテンツデータを記録する第2記録装置と
を有する、請求項1に記載の記録システム。
【請求項13】
逐次生成されるコンテンツデータを一時的に蓄積する記録バッファと、
前記記録バッファに蓄積された前記コンテンツデータを、第1および第2の記録メディアを含む複数の記録メディアの各々に並列的に記録する制御部と
を備えた記録システムにおいて実行される記録方法であって、
前記第1の記録メディアに前記コンテンツデータを記録することができなかった期間があり、かつ、前記期間中に、前記第2の記録メディアに前記コンテンツデータを記録したときにおいて、
前記制御部が、前記第1の記録メディアに、前記期間中に前記第2の記録メディアに記録されたコンテンツデータである部分データのサイズ以上のサイズを有する空き領域を確保するステップと、
前記制御部が、前記第1の記録メディア以外の記録メディアに、前記部分データを記録できなかった前記第1の記録メディアを特定する第1情報、前記空き領域を特定する第2情報、および、前記部分データが記録された前記第2の記録メディアの領域を特定する第3情報を含む復旧情報を記録するステップと
を包含する記録方法。
【請求項14】
逐次生成されるコンテンツデータを一時的に蓄積する記録バッファと、
前記記録バッファに蓄積された前記コンテンツデータを、第1および第2の記録メディアを含む複数の記録メディアの各々に並列的に記録するコンピュータと
を備えた記録システムの前記コンピュータによって実行されるコンピュータプログラムであって、
前記第1の記録メディアに前記コンテンツデータを記録することができなかった期間があり、かつ、前記期間中に、前記第2の記録メディアに前記コンテンツデータを記録したときにおいて、前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータに対し、
前記第1の記録メディアに、前記期間中に前記第2の記録メディアに記録されたコンテンツデータである部分データのサイズ以上のサイズを有する空き領域を確保するステップと、
前記第1の記録メディア以外の記録メディアに、前記部分データを記録できなかった前記第1の記録メディアを特定する第1情報、前記空き領域を特定する第2情報、および、前記部分データが記録された前記第2の記録メディアの領域を特定する第3情報を含む復旧情報を記録するステップと
を実行させる、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−182788(P2012−182788A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−5337(P2012−5337)
【出願日】平成24年1月13日(2012.1.13)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】