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記録システム及び再生システム
説明

記録システム及び再生システム

【課題】データが書き換えられたか否かを検知できる記録媒体にデータを記録する記録システム、及び、データを再生して書き換えられたか否かを検知する再生システムを提供する。
【解決手段】支持体14Aと、支持体上14Aに設けられた、書き換え可能な磁性層11A及びライトワンス型の光記録層13Aと、を備える磁気テープ10Aに対して、データを記録/再生する記録再生するシステムS1であって、記録ヘッド21と、再生ヘッド23と、光記録層13Aにデータを書き込むデータ書き込み手段30と、光記録層13Aからデータを読み取るデータ読み取り手段40と、制御装置100Bとを備えた記録再生システムS1であって、制御装置100Bは、記録ヘッド21及び書き込み手段30により、データを、磁性層11Aと光記録層13Aとに分割して記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書き換え可能な磁性層(第1記録層)と、書き換え不能なライトワンス型の光記録層(第2記録層)を有する記録媒体にデータを記録する記録システム、及び、データを再生する再生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
高速、大容量のストレージ媒体の一種に磁気テープがある。この磁気テープに対して、近年、セキュリティの重要性から、WORM(Write Only read many)を目的とした提案がされている。例えば、磁気テープカートリッジに搭載されたカートリッジメモリにWORMか否かの情報を記録するものや(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)、カートリッジメモリにライトワンス領域と、ライトメニー領域を記録するものである(特許文献4参照)。
【特許文献1】特開2000−268443号公報(段落番号0013〜0128、図1)
【特許文献2】特開2002−150741号公報(段落番号0028〜0094、図3)
【特許文献3】特開2003−123342号公報(段落番号0010〜0018、図1)
【特許文献4】特開2004−86971号公報(段落番号0012〜0028、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の磁気テープでは、前記カートリッジメモリに記録されたWORMか否かの情報を無視して、「先のデータ」が記録された磁性層に、消去を含めて「後のデータ」を記録することが物理的に可能であった。すなわち、例えば、WORMに係る情報を無視して、「先のデータ」の全部が消去された後、「後のデータ」が記録された場合、データが書き換えられたか否かを検知できなかった。
【0004】
そこで、本発明は、データが書き換えられたか否かを検知できる記録媒体にデータを記録する記録システム、及び、データを再生して書き換えられたか否かを検知する再生システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、支持体と、当該支持体上に設けられた、書き換え可能な磁性層及びライトワンス型の光記録層と、を備える記録媒体にデータを記録する記録システムであって、前記データを前記磁性層に記録する記録ヘッドと、ライトワンス型で前記データを前記光記録層に書き込むデータ書き込み手段と、前記記録ヘッド及び前記データ書き込み手段を制御する制御手段と、を備え、当該制御手段は、前記記録ヘッド及び前記書き込み手段により、前記データを、前記磁性層と前記光記録層とに分割して記録することを特徴とする記録システムである。
【0006】
このような記録媒体によれば、後記実施形態で説明するように、データを分割して磁性層(第1記録層)と光記録層(第2記録層)に記録する方法を採用することによって、記録後に磁性層に記録されたデータが書き換えられた場合、データの再生時に、記録方式に対応して、磁性層から読み取ったデータと光記録層から読み取ったデータとを結合させることで、磁性層のデータが書き換えられたか否かを検知することができる。
【0007】
すなわち、このような記録システムによれば、制御手段により、データを磁性層と光記録層とに分割して記録することができる。したがって、このように磁性層と光記録層とにデータを分割して書き込んだ後、磁性層のデータが書き換えられると、データを再結合できなくなり、読み出せなくなる。よって、磁性層のデータが書き換えられたか否かをチェックすることができる。
【0008】
また、前記記録媒体は、前記磁性層、前記光記録層、前記支持体の順で積層していることを特徴とする記録システムである。
【0009】
このような記録システムに係る記録媒体によれば、磁性層側に、記録ヘッド及び再生ヘッドを配置することで、データの書き込み、読み込みを良好に行うことができる。
なお、磁性層、光記録層、支持体の順であれば、各層間に別の層(例えば、反射層、下層)が介在していてもよい。
【0010】
また、前記記録媒体は、前記磁性層、前記支持体、前記光記録層の順で積層していることを特徴とする記録システムである。
【0011】
このような記録システムに係る記録媒体によれば、光記録層が外側に配置(位置)しているため、例えば、記録時・再生時のノイズを下げることができる。
【0012】
また、記録媒体のデータを再生する再生システムであって、前記磁性層に記録されたデータを読み取る再生ヘッドと、前記光記録層にライトワンス型で記録されたデータを読み取るデータ読み取り手段と、前記記録媒体への記録方式に対応して、前記再生ヘッドが読み取ったデータとデータ読み取り手段が読み取ったデータとを結合する結合部と、を備えたことを特徴とする再生システムである。
【0013】
このような再生システムによれば、記録媒体への記録方式に対応して、結合部が、再生ヘッドが読み取ったデータと、読み取り手段が読み取ったデータとを結合するときに、結合不能であった場合、磁性層に記録されたデータが書き換えられたことを検知することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、データが書き換えられたか否かを検知できる記録媒体にデータを記録する記録システム、及び、データを再生して書き換えられたか否かを検知する再生システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の各実施形態について説明する。なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
【0016】
≪第1参考例≫
まず、第1参考例に係る磁気テープ(記録媒体)及び記録再生システム(記録システムかつ再生システム)について、図1から図3を参照して説明する。
参照する図面において、図1は、第1参考例に係る磁気テープ及び記録再生システムの構成を模式的に示す断面図である。図2は、図1に示す制御装置の構成を模式的に示すブロック図である。図3は、第1参考例におけるデータの記録方式の概念図である。
【0017】
<磁気テープの構成>
まず、第1参考例に係る磁気テープの構成について説明する
図1に示すように、磁気テープ10Aは5層構造を有しており、記録ヘッド21及び再生ヘッド23に摺接するヘッド側から、ガイドローラ等に摺接するバック側に向かって、磁性層11A(第1記録層)、反射層12A、光記録層13A(第2記録層)、支持体14A、バックコート層15Aの順に積層して構成されている。すなわち、磁気テープ10Aは、支持体14Aの一方の面側(ヘッド側)に、光記録層13A、反射層12A、磁性層11Aがこの順番で積層し、支持体14Aの他方の面側(バック側)に、バックコート層15Aが積層して構成されている。
【0018】
[磁性層]
磁性層11Aは、10〜300nm(好ましくは10〜300nm、さらに好ましくは10〜200nm、最も好ましくは10〜100nm)の厚みを有しており、磁気的にデータの書き込み及びデータの書き換えが可能な層である。
このような磁性層11Aは、強磁性粉末及び結合剤から形成されている。また、磁性層11Aには、通常、導電性粉末(例、カーボンブラック)、研磨剤、そして潤滑剤が含まれている。
【0019】
(強磁性粉末)
強磁性粉末としては、例えば、磁性酸化鉄FeOx(x=1.33〜1.5)、Co変性FeOx(x=1.33〜1.5)、Fe、Ni又はCoを主成分(75%以上)とする強磁性合金粉末(強磁性金属粉末)、及び板状六方晶フェライト粉末などの公知の強磁性粉末を使用することができる。特に、強磁性合金粉末の使用が好ましい。強磁性粉末には所定の原子の他に、Al、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr及びBの内の少なくとも一つの原子を含んでいてもかまわない。
【0020】
強磁性粉末は、分散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前に予め処理を行ってもかまわない。具体的には、特公昭44−14090号、特公昭45−18372号、特公昭47−22062号、特公昭47−22513号、特公昭46−28466号、特公昭46−38755号、特公昭47−4286号、特公昭47−12422号、特公昭47−17284号、特公昭47−18509号、特公昭47−18573号、特公昭39−10307号、及び特公昭48−39639号の各公報、そして米国特許第3026215号、同3031341号、同3100194号、同3242005号、及び同3389014号の各明細書に記載されている処理方法を利用することができる。なお、強磁性合金粉末には少量の水酸化物又は酸化物が含まれていてもよい。
【0021】
(強磁性粉末−強磁性合金粉末)
強磁性合金粉末は、その粒子の比表面積が好ましくは30〜70m/gであって、X線回折法から求められる結晶子サイズは、5〜30nmである。比表面積が余り小さいと高密度記録に充分に対応できなくなり、又余り大き過ぎても分散が充分に行えず、従って平滑な面の磁性層11Aが形成できなくなるため同様に高密度記録に対応できなくなる。
【0022】
強磁性合金粉末には、例えばFeが含まれている。具体的には、Fe−Co、Fe−Ni、Fe−Zn−Ni又はFe−Ni−Coを主体とした金属合金である。なお、Fe単独でもよい。またこれらの強磁性合金粉末は、高い記録密度を達成するために、好ましくは、その飽和磁化量(飽和磁束密度)(σs)は110A・m/kg以上、更に好ましくは120A・m/kg以上、170A・m/kg以下である。保磁力(Hc)は1500〜2500エルステッド(Oe)(119〜199kA/m)(好ましくは、1700〜2200エルステッド(135〜175kA/m)、特に好ましくは、1800〜2100エルステッド(143〜167kA/m))の範囲にあることが好ましい。
また、透過型電子顕微鏡により求められる強磁性合金粉末の平均長軸長は0.15μm以下、好ましくは0.01〜0.12μmで、針状比(長軸長/短軸長の算術平均値)は3〜12、好ましくは4〜10である。更に特性を改良するために、組成中にB、C、Al、Si、P等の非金属、もしくはその塩、酸化物が添加されることもある。通常、前記強磁性合金粉末の粒子表面は、化学的に安定させるために酸化物の層が形成されている。
【0023】
(強磁性粉末−板状六方晶フェライト粉末)
板状六方晶フェライト粉末は、平板状でその平板面に垂直な方向に磁化容易軸がある強磁性体である。板状六方晶フェライト粉末としては、具体的に、バリウムフェライト(マグネトブランバイト型や一部にスピネル相を含有したマグネトブランバイト型)、ストロンチウムフェライト(マグネトブランバイト型や一部にスピネル相を含有したマグネトブランバイト型)、鉛フェライト、カルシウムフェライト、及びそれらのコバルト置換体等を挙げることができる。これらの中では、特にバリウムフェライトのコバルト置換体、ストロンチウムフェライトのコバルト置換体が好ましい。本発明で用いる板状六方晶フェライト粉末には、抗磁力を制御するために、必要に応じてCo−Ti、Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn、あるいはIr−Zn等の元素を添加したものを使用することができる。
【0024】
板状六方晶フェライト粉末において、板径は六角板状の粒子の板の幅を意味し電子顕微鏡で測定することができる。本発明で用いる板状六方晶フェライト粉末は、粒子サイズ(平均板径)が0.001〜0.05μmの範囲にあることが好ましく、板状比(板径/板厚の算術平均値)が2〜10の範囲にあることが好ましく、またその比表面積が20〜80m/gの範囲にあることが好ましい。板状六方晶フェライト粉末は、強磁性金属粉末と同じ理由からその粒子サイズが大きすぎても小さすぎても高密度記録が難しくなる。またこれらの板状六方晶フェライト粉末は、高い記録密度を達成するために、その飽和磁化(σs)は少なくとも50A・m/kg以上(更に好ましくは53A・m/kg以上)であることが好ましい。また保磁力(Hc)は1500〜2500エルステッド(Oe)(119〜199kA/m)(好ましくは、1700〜2200エルステッド(135〜175kA/m)、特に好ましくは、1800〜2100エルステッド(143〜167kA/m))の範囲にあることが好ましい。
【0025】
(強磁性粉末の含水率)
強磁性粉末の含水率は0.01〜2重量%とすることが好ましい。また結合剤(樹脂)の種類によって含水率を最適化することが好ましい。強磁性粉末のpHは用いる結合剤との組み合わせにより最適化することが好ましく、そのpHは通常4〜12の範囲であり、好ましくは5〜10の範囲である。強磁性粉末は、必要に応じて、Al、Si、P、Y又はこれらの酸化物などでその表面の少なくとも一部が被覆されているものが好ましい。表面処理を施す際のその使用量は、通常強磁性粉末に対して、0.1〜10重量%である。このように被覆された強磁性粉末は、脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m以下に抑えられるので、潤滑剤の磁性層11Aへの添加量を少なくしても、所望の効果が達成できる。強磁性粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、及びSrなどの無機イオンが含まれる場合があるが、その含有量はできるだけ少ないことが好ましい。通常は5000ppm以下であれば特性に影響を与えることはない。なお、前記した強磁性粉末及びその製造方法は、例えば、特開平7−22224号公報に記載されている。
【0026】
(導電性粉末−カーボンブラック)
磁性層11Aのカーボンブラックは、磁性層11Aの表面電気抵抗(RS)の低減、動摩擦係数(μK値)の低減、走行耐久性の向上、及び磁性層11Aの平滑な表面性を確保する等の種々の目的で添加される。カーボンブラックは、その平均粒子径が5〜350nm(更に好ましくは、10〜300nm)の範囲にあることが好ましい。また、その比表面積は5〜500m/g(更に好ましくは、50〜300m/g)であることが好ましい。DBP吸油量は、10〜1000ml/100g(更に好ましくは、50〜300ml/100g)の範囲にあることが好ましい。またpHは2〜10、含水率は0.1〜10%、そしてタップ密度は0.1〜1g/mlであることが好ましい。
【0027】
カーボンブラックは様々な製法で得たものが使用できる。使用できるカーボンブラックの例としては、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック及びランプブラックを挙げることができる。カ−ボンブラックの具体的な商品例としては、BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、800、700、VULCAN XC−72(以上、キャボット社製)、#35、#50、#55、#60及び#80(以上、旭カ−ボン(株)製)、#3950B、#3750B、#3250B、#2400B、#2300B、#1000、#900、#40、#30、及び#10B(以上、三菱化学(株)製)、CONDUCTEX SC、RAVEN、150、50、40、15(以上、コロンビアカ−ボン社製)、ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックECDJ−500及びケッチェンブラックECDJ−600(以上、ライオンアグゾ(株)製)を挙げることができる。カーボンブラックの通常の添加量は、強磁性粉末100質量部に対して、0.1〜30質量部(好ましくは、0.2〜15質量部)の範囲にある。
【0028】
(研磨剤)
磁性層11Aの研磨剤としては、例えば、溶融アルミナ、α−アルミナ、炭化珪素、酸化クロム(Cr)、コランダム、人造コランダム、ダイアモンド、人造ダイアモンド、ザクロ石、エメリー(主成分:コランダムと磁鉄鉱)を挙げることができる。これらの研磨剤は、モース硬度5以上(好ましくは6以上、特に好ましくは8以上)であり、平均粒子径が、0.05〜1μm(更に好ましくは、0.2〜0.8μm)の大きさのものが好ましい。研磨剤の添加量は、通常強磁性粉末100質量部に対して、3〜25質量部(好ましくは、3〜20質量部)の範囲にある。
【0029】
(潤滑剤)
磁性層11Aの潤滑剤は、磁性層11A表面ににじみ出ることによって、磁性層11A表面と記録ヘッド21などとの摩擦を緩和し、摺接状態を円滑に維持させるために添加される。潤滑剤としては、例えば、脂肪酸及び脂肪酸エステルを挙げることができる。
【0030】
(潤滑剤−脂肪酸)
脂肪酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、アラキン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、及びパルミトレイン酸等の脂肪族カルボン酸又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0031】
(潤滑剤−脂肪酸エステル)
また、脂肪酸エステルとしては、例えば、ブチルステアレート、sec−ブチルステアレート、イソプロピルステアレート、ブチルオレエート、アミルステアレート、3−メチルブチルステアレート、2−エチルヘキシルステアレート、2−ヘキシルデシルステアレート、ブチルパルミテート、2−エチルヘキシルミリステート、ブチルステアレートとブチルパルミテートとの混合物、オレイルオレエート、ブトキシエチルステアレート、2−ブトキシ−1−プロピルステアレート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルをステアリン酸でアシル化したもの、ジエチレングリコールジパルミテート、ヘキサメチレンジオールをミリスチン酸でアシル化してジオールとしたもの、そしてグリセリンのオレエート等の種々のエステル化合物を挙げることができる。
【0032】
前記した脂肪酸、及び脂肪酸エステルは、単独であるいは二以上の化合物を組み合わせて使用することができる。潤滑剤の通常の含有量は、強磁性粉末100質量部に対して、0.2〜20質量部(好ましくは、0.5〜10質量部)の範囲にある。
【0033】
(結合剤)
磁性層11Aの結合剤としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物を挙げることができる。
【0034】
(結合剤−熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂の例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコ−ル、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、及びビニルエーテルを構成単位として含む重合体、あるいは共重合体を挙げることができる。
また、共重合体としては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、メタアクリル酸エステル−アクリルニトリル共重合体、メタアクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタアクリル酸エステル−スチレン共重合体、塩ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、クロロビニルエーテル−アクリル酸エステル共重合体を挙げることができる。
その他に、熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂、繊維素系樹脂(セルロースアセテートブチレート、セルロースダイアセテート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロースなど)、ポリ弗化ビニル、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂なども利用することができる。
【0035】
(結合剤−熱硬化性樹脂、反応型樹脂)
また熱硬化性樹脂または反応型樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とポリイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンとポリイソシアネートの混合物を挙げることができる。
【0036】
ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどのイソシアネート類、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、及びイソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネートを挙げることができる。
【0037】
ポリウレタン(樹脂)としては、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、及びポリカプロラクトンポリウレタンなどの構造を有する公知のものが使用できる。
【0038】
すなわち、本発明において、磁性層11Aの結合剤は、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、及びニトロセルロースの中から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、ポリウレタン樹脂との組合せ、あるいはこれらに更に硬化剤としてのポリイソシアネートを加えた組み合わせで構成されていることが好ましい。
【0039】
結合剤は、より優れた分散性と得られる層の耐久性を得るために必要に応じて、−COOM、−SOM、−OSOM、−P=O(OM)、−O−P=O(OM)(Mは水素原子又はアルカリ金属を表わす。)、−OH、−NR、−N(Rは炭化水素基を表わす。)、エポキシ基、−SH、−CNなどから選ばれる少なくともひとつの極性基を共重合または付加反応で導入して用いることが好ましい。このような極性基は、結合剤に10−1〜10−8モル/g(更に好ましくは10−2〜10−6モル/g)の量で導入されていることが好ましい。
【0040】
磁性層11A中の結合剤は、強磁性粉末100質量部に対して、通常5〜50質量部(好ましくは10〜30質量部)の範囲で用いられる。なお、磁性層11Aに結合剤として塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、及びポリイソシアネートを組み合わせて用いる場合は、全結合剤中に、塩化ビニル系樹脂が5〜70重量%、ポリウレタン樹脂が2〜50重量%、そしてポリイソシアネートが2〜50重量%の範囲の量で含まれるように用いることが好ましい。
【0041】
磁性層11Aを形成するための塗布液には、強磁性粉末、カーボンブラックなどの粉末を結合剤中に良好に分散させるために、分散剤を添加することができる。また必要に応じて、可塑剤、カーボンブラック以外の導電性粒子(帯電防止剤)、防黴剤などを添加することができる。分散剤としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸等の炭素数12〜18個の脂肪酸(RCOOH、Rは炭素数11〜17個のアルキル基、又はアルケニル基)、前記脂肪酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属からなる金属石けん、前記の脂肪酸エステルのフッ素を含有した化合物、前記脂肪酸のアミド、ポリアルキレンオキサイドアルキルリン酸エステル、レシチン、トリアルキルポリオレフィンオキシ第四級アンモニウム塩(アルキルは炭素数1〜5個、オレフィンは、エチレン、プロピレンなど)、硫酸塩、及び銅フタロシアニン等を使用することができる。これらは、単独でも組み合わせて使用してもよい。分散剤は、結合剤100質量部に対して0.5〜20質量部の範囲で添加される。
【0042】
[反射層]
反射層12Aは、10〜800nm(好ましくは20〜500nm、さらに好ましくは50〜300nm)の厚みを有しており、再生時にバック側から照射される読み取りレーザを、高い反射率で反射するための層である。なお、反射率は、70%以上であることが好ましい。
【0043】
反射層12Aを形成する物質、つまり、レーザに対して高い反射率を有する光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Agあるいはこれらの合金である。
そして、反射層12Aは、これら光反射性物質を、真空蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることで形成することができる。
【0044】
[光記録層]
光記録層13Aは、ライトワンス型(追記型)の記録層であり、一旦、データが書き込まれた後は、物理的にデータを書き換える(データ消去も含む)ことはできない層である。
さらに説明すると、光記録層13Aは、レーザ(光)の照射による発熱またはフォトン(光子)によって、化学構造が変化し、反射・透過・屈折・偏向度などの光学特性が変化する有機色素を含有することができる。
【0045】
光記録層13Aに含まれる有機色素としては、シアニン系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、アゾ系、アントラキノン系、ナフトキノン系、ピリリウム系、アズレニウム系、スクワリリウム系、インドフェノール系、インドアニリン系、トリアリールメタン系など公知の有機色素を用いることができる。
【0046】
次に、光記録層13Aの形成方法について簡単に説明する。
光記録層13Aは、例えば、前記有機色素が、溶剤、樹脂、非磁性顔料と混合してなる光記録層用塗布液を、支持体14Aに塗布することで形成される。この場合、有機色素と、溶剤・樹脂との相溶性を高めるための置換基、非磁性顔料に対する吸着性を高めるための極性基を、有機色素を構成する分子に、光学特性を損なわない範囲で導入してもよい。
【0047】
非磁性顔料としては、例えば、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物などの非磁性の無機化合物や、メラミン樹脂、ペグゾクアナミン樹脂などを使用することができる。
【0048】
非磁性の無機化合物としては、アルファ(α)化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、θ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、ヘマタイト、ゲータイト、コランダム、窒化ケイ素、酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデン、酸化亜鉛、酸化インジウム、ITO(酸化スズ−酸化インジウム)等を、単独または組み合わせて使用することができる。
このうち好ましいものは、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム、ITO、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、二酸化ケイ素など、白色または無色で化学的に安定な酸化物である。特に好ましいものは、導電性の高い酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、ITOである。また、これらの酸化物にアンチモンをドープして導電性を高めたものであってもよい。
なお、非磁性の無機化合物として、粉末状のカーボンブラック・チタンバイド等の黒色粒子は、光を吸収・遮断するため不適である。
【0049】
[支持体]
支持体14Aは、ベースフィルムとも称されるベースである。支持体14Aは、例えば、2.0〜4.7μmの厚さを有しており、ポリエチレンテレフタレート、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミドイミド、全芳香族ポリイミド等からなる幅広のフィルムである。
【0050】
[バックコート層]
バックコート層15Aは、ガイドローラ(図示しない)などに対しての磁気テープ10Aの摺動性を確保するための層である。バックコート層15Aは、例えば、0.1〜1.0μmの厚みを有し、カーボンブラック、炭酸カルシウム、無機質粉末等と、結合剤とのスラリを支持体14Aに塗布することで形成される。結合剤としては、例えば、ニトロセルロース樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリエステル樹脂から選択された少なくとも一種に、硬化剤としてポリイソシアネート系化合物を添加したものを使用できる。
【0051】
<記録再生システムの構成>
次に、記録再生システムS1の構成について説明する。
図1に示すように、記録再生システムS1は、主として、記録側の記録ヘッド21及び光記録層13Aにデータを書き込むデータ書き込み手段30と、再生側の再生ヘッド23及び光記録層13Aのデータを読み取るデータ読み取り手段40と、これらに電気的に接続した制御装置100Aとを備えている。
なお、第1参考例において、記録ヘッド21及び再生ヘッド23は、磁気テープ10Aの磁性層11A側に、データ書き込み手段30及びデータ読み取り手段40は、磁気テープ10Aのバックコート層15A側に配置している。
【0052】
[記録ヘッド]
記録ヘッド21は、磁性層11Aに磁気的にデータを書き込むための磁気ヘッドであり、公知の記録ヘッドを使用することができる。
【0053】
[データ書き込み手段]
データ書き込み手段30は、光記録層13Aにライトワンス型(追記型)でデータを光学的に書き込むための手段である。データ書き込み手段30は、主として、書き込み用のレーザ(書き込みレーザとも称される)を発生させるレーザ発生器31と、ビームスプリッタと、レンズと、トラッキングモータ、スクリュなどからなるトラッキング機構(いずれも図示しない)とを備えて構成されている。
【0054】
[再生ヘッド]
再生ヘッド23は、磁性層11Aに磁気的に書き込まれたデータを読み取るための磁気ヘッドであり、MRヘッドなどの公知の再生ヘッドを使用することができる。
【0055】
[データ読み取り手段]
データ読み取り手段40は、光記録層13Aにライトワンス型で書き込まれたデータを光学的に読み取るための手段である。データ読み取り手段40は、主として、読み取り用のレーザ(読み取りレーザとも称される)を発生させるレーザ発生器41と、ビームスプリッタと、レンズと、トラッキング機構(いずれも図示しない)と、光センサ42(フォトセンサ)とを備えて構成されている。
なお、データ読み取り手段40を構成するレーザ発生器41、ビームスプリッタ、レンズ、トラッキング機構は、一般に、データ書き込み手段30を構成する対応機器を共有する。
【0056】
[制御装置]
図1に加えて図2に示すように、制御装置100Aは、磁気テープ10Aへのデータの記録時に、記録ヘッド21及びデータ書き込み手段30を制御する書き込み制御手段110Aと、磁気テープ10Aからのデータの再生時に、再生ヘッド23及びデータ読み取り手段40を制御する読み取り制御手段120Aとを備えている。
【0057】
(書き込み制御手段)
書き込み制御手段110Aは、磁気テープ10Aに書き込むデータの全てを記録ヘッド21により磁性層11Aに書き込むと共に、前記書き込むデータの少なくとも一部をデータ書き込み手段30により光記録層13Aに重複して書き込むための手段である。
【0058】
より具体的に説明すると、書き込み制御手段110Aは、データの入力側から記録ヘッド21側に向かって、データが入力される入力部111と、入力されたデータの全てを記録ヘッド21側の変調部113に送ると共に、当該データの一部を選択し、レーザ発生器31側の変調部116へも送る選択部112と、送られたデータを変調しデータ信号とする変調部113と、このデータ信号を増幅させて記録ヘッド21に送るアンプ114とを備えており、これらは電気的に接続している。
【0059】
また、書き込み制御手段110Aは、選択部112からレーザ発生器31に向かって、選択部112が選択したデータを変調しデータ信号とする変調部116と、このデータ信号を増幅させてレーザ発生器31に送るアンプ117とを備えており、これらは電気的に接続している。
【0060】
選択部112は、「データのどの部分を選択し、この選択部分をレーザ発生器31側へ送り、磁性層11Aと光記録層13Aとに重複して記録した」かが分かるように選択したデータを加工するようになっている。図3に示すように、第1参考例に係る選択部112は、(1)入力部111から送られた記録するデータを、(2)データの一部を選択すると共に(図3では2つの部分を選択)、その選択したデータのヘッド情報として「アドレスA01」、「アドレスA02」…などを付し、前記選択された一部のデータと対応する「アドレスA01」などのヘッド情報とをセットで、レーザ発生器31側の変調部116へも送るという機能を有する。
(3)その結果として、変調部116では、選択されたデータの一部と対応する「アドレスA01」などのヘッド情報とがセットで変調され、さらに、アンプ117により増幅された後、レーザ発生器31に送られる。よって、光記録層13Aには、選択されたデータと共に、「アドレスA01」のヘッド情報がセットで書き込まれるようになっている(図3参照)。
一方、記録ヘッド21側の変調部113へは、「アドレスA01」などのヘッド情報が付されたデータの全てが送られるため、変調部113により変調され、アンプ114により増幅された後、記録ヘッド21に送られ、図3に示すように、磁性層11Aには、アドレスA01」などのヘッド情報が付されたデータの全てが書き込まれるようになっている。
したがって、「アドレスA01」などのヘッド情報を参照することにより、磁性層11Aと光記録層13Aとに重複して記録されたデータの先頭位置を識別可能となっている。
【0061】
(読み取り制御手段)
読み取り制御手段120Aは、再生ヘッド23が読み取ったデータを出力すると共に、書き込み制御手段110Aによる記録方式(選択部112による選択方式)に対応して、再生ヘッド23が読み取ったデータとデータ読み取り手段40が読み取ったデータとを照合して、磁性層11Aに記録されたデータが書き換えられたか否かを判定する手段である。
【0062】
より具体的に説明すると、読み取り制御手段120Aは、再生ヘッド23側からデータの出力側に向かって、再生ヘッド23からのデータ信号を増幅させるアンプ121と、この増幅したデータ信号を復調する復調部122と、復調したデータ信号をデータとして出力する出力部124とを備えており、これらは電気的に接続している。
【0063】
また、読み取り制御手段120Aは、光記録層13Aのデータを読み取る光センサ42からのデータ信号を増幅させるアンプ125と、この増幅したデータ信号を復調する復調部126と、書き込み制御手段110Aの記録方式に対応して、光記録層13Aのデータと磁性層11Aのデータとを照合する照合部127とを備えており、これらは電気的に接続している。
【0064】
照合部127は、書き込み制御手段110Aによる記録方式に対応して、再生ヘッド23により読み取られた磁性層11Aのデータと、光センサ42により読み取られた光記録層13Aのデータとを照合し、磁性層11Aのデータが書き換えられたか否かを検知する部分である。
【0065】
照合部127による一照合方法を、前記選択部112による選択方法に対応させて説明する。
照合部127は、(1)磁性層11Aからの「アドレスA01」等のヘッド情報と、光記録層13Aからの「アドレスA01」等のヘッド情報を検出する。この検出において、磁性層11A側から対応するヘッド情報が検出されない場合、照合部127は磁性層11Aのデータが書き換えられたと判定するようになっている。
そして、磁性層11Aからのヘッド情報と、光記録層13Aからのヘッド情報とが一致している場合、照合部127は、(2)これらヘッド情報に続くデータ同士を照合させる。次いで、データが一致した場合、そのまま再生は継続される。一方、データが一致しない場合は、照合部127は、磁性層11Aのデータが書き換えられたと判定するようになっている。
なお、照合部127が、磁性層11Aのデータが書き換えられたと判定した場合、第1参考例では、モニタ(図示しない)に警告が表示されるようになっている。
【0066】
<記録再生システムの動作>
次に、記録再生システムS1の動作について、図1から図3を参照して説明する。データ記録時、データ再生時の順で説明する。
【0067】
[データ記録時]
図2に示すように、制御装置100Aの入力部111に入力されたデータ(=記録するデータ)は、選択部112に送られる。
選択部112は、図3に示すように、このデータの少なくとも一部(図3では2箇所の部分を選択)を選択し、その選択した部分のヘッドに、ヘッド情報として「アドレスA01」、「アドレスA02」を付す。このヘッド情報が付されたデータは、変調部113に送られる。そして、変調部113により変調され、アンプ114に増幅された後、記録ヘッド21により磁性層11Aに書き込まれる。
また、選択部112は、前記選択されたデータと対応するヘッド情報とをセットで、変調部116にも送る。そして、選択されたデータとヘッド情報とのセットは、変調部116により変調され、アンプ117により増幅された後、レーザ発生器31によりライトワンス型で光記録層13Aに書き込まれる(図3参照)。
このようにして、データの全てが磁性層11Aに記録されると共に、データの少なくとも一部が光記録層13Aに重複して記録される。
【0068】
[データ再生時]
再生ヘッド23により、磁性層11Aから読み取られたデータは、アンプ121により増幅され、復調部122により復調された後、出力部124から出力される。
一方、光センサ42により、光記録層13Aから読み取られたデータは、アンプ125により増幅され、復調部126により復調された後、照合部127に送られる。
【0069】
照合部127は、復調部122からの磁性層11Aのデータと、復調部126からの光記録層13Aのデータとを、前記「アドレスA01…」のヘッド情報に基づいて、対応するデータ同士を照合する。そして、照合部127は、データが一致する場合、磁性層11Aのデータが書き換えられていないと判定し、再生がそのまま継続される。一方、データが一致しない場合や、磁性層11Aにヘッド情報がない場合に、照合部127は、磁性層11Aのデータが書き換えられたと判定し、警告を表示する。
【0070】
このように第1参考例に係る磁気テープ(記録媒体)、記録再生システムS1によれば、磁性層11Aに記録されたデータが、書き換えられたか否かを容易に検知することができる。
【0071】
また、データの全てを、記録密度が高く且つ記録速度/読み取り速度の速い磁性層11Aに書き込み、データの一部を光記録層13Aに書き込むことにより、大きな記録容量と速い記録速度を確保することができる。
【0072】
≪第1実施形態≫
続いて、第1実施形態に係る記録再生システムについて、図4及び図5を参照して説明する。参照する図面において、図4は、第1実施形態に係る制御装置のブロック図である。図5は、第1実施形態におけるデータの記録方式の概念図である。
なお、第1実施形態に係る記録再生システムは、第1参考例に係る記録再生システムS1に対して、制御装置100Bの構成が異なり、磁気テープ10Aへの記録方式が異なる。その他の構成は、第1参考例と同様である。
【0073】
[制御装置]
図4に示すように、第1実施形態に係る制御装置100Bは、第1参考例に係る制御装置100Aと同様に、書き込み制御手段110Bと、読み取り制御手段120Bとを備えている。
【0074】
(書き込み制御手段)
書き込み制御手段110Bは、第1参考例に係る書き込み制御手段110Aに対して、記録ヘッド21及びデータ書き込み手段30により、データを磁性層11Aと光記録層13Aとに分割して記録する点が異なる。さらに説明すると、第1実施形態に係る書き込み制御手段110Bは、第1参考例に係る選択部112に代えて、分割部115を備えている。
【0075】
分割部115は、図5に示すように、(1)入力部111から送られた記録するデータを、(2)所定の条件で分割すると共に(図5では4分割)、分割されたデータのヘッドに、ヘッド情報として「アドレスA11」、「アドレスA12」、「アドレスA13」、「アドレスA14」のように連番で付し、各分割されたデータと対応するヘッド情報とをセットにして、変調部113と変調部116とに、交互に配信するようになっている。なお、変調部113はアンプ114を介して記録ヘッド21に接続しており、変調部116はアンプ117を介してレーザ発生器31に接続している。
図5に示す例では、「アドレスA11」及び「アドレスA13」が付されたデータが変調部113に配信され、「アドレスA12」及び「アドレスA14」が付されたデータが変調部116に配信されるようになっている。
【0076】
そして、「アドレスA11」及び「アドレスA13」が付されたデータは、変調部113により変調され、アンプ114により増幅された後、記録ヘッド21によって、(3)磁性層11Aに書き込まれるようになっている。
一方、「アドレスA12」及び「アドレスA14」が付されたデータは、変調部116により変調され、アンプ117により増幅された後、レーザ発生器31により、光記録層13Aに書き込まれるようになっている。
【0077】
(読み取り制御手段)
読み取り制御手段120Bは、第1参考例に係る読み取り制御手段120Aに対して、磁性層11Aのデータが書き換えられたか否かの判定方法が異なる。さらに説明すると、第1実施形態に係る読み取り制御手段120Bは、第1参考例に係る照合部127に代えて、結合部123を備えている。
【0078】
結合部123は、復調部122及び復調部126の下流側に接続しており、(1)再生ヘッド23と光センサ42とが読み取った分割状態のデータを、前記「アドレスA11」等のヘッド情報に基づいて結合し出力部124に送る機能と、(2)結合できなかった場合に、警告を表示する機能を有している。
【0079】
したがって、第1実施形態に係る記録再生システムによれば、データ記録時には、分割部115により所定の条件でデータを分割して、磁性層11Aと光記録層13Aとに分けて書き込み、データ再生時には、この記録方法(分割方法)に対応して、データを結合することで、磁性層11Aに記録されたデータが、書き換えられたか否かを容易に検知することができる。
【0080】
≪第2実施形態≫
続いて、第2実施形態に係る磁気テープ及び記録再生システムについて、図6を参照して説明する。図6は、第2実施形態に係る磁気テープ及び記録再生システムの構成を模式的に示す図である。
【0081】
<磁気テープ>
図6に示すように、第2実施形態に係る磁気テープ10Bは、第1参考例に係る磁気テープ10Aと同様に5層構造を有するが、反射層12Aと、光記録層13Aの積層順序が異なっている。すなわち、磁気テープ10Bは、記録ヘッド21及び再生ヘッド23に摺接するヘッド側からバック側に向かって、磁性層11A、光記録層13A、反射層12A、支持体14A、バックコート層15Aとなっている。
【0082】
<記録再生システム>
第2実施形態に係る記録再生システムS2は、第1参考例に係る記録再生システムS1と同じ機器を備えているが、記録側で光記録層13Aにデータを書き込むデータ書き込み手段30と、再生側で光記録層13Aからデータを読み取るデータ読み取り手段40とが、磁性層11A側に配置されている点が異なる。
【0083】
したがって、このような磁気テープ13B及び記録再生システムS2によれば、磁気テープ10Bの片側(磁性層11A側)に、記録ヘッド21、データ書き込み手段30、再生ヘッド23、データ読み取り手段40を配置することができる。すなわち、走行する磁気テープ10Bのバックコート層15A側にスペースが無くても、記録再生システムS2を構成することができる。
【0084】
≪第3実施形態≫
続いて、第3実施形態に係る磁気テープについて、図7を参照して説明する。図7は、第3実施形態に係る磁気テープの構成を示す図である。なお、図7には、第3実施形態に係る磁気テープに対しての再生ヘッド23、データ書き込み手段30等の配置を明確とするため、第1参考例に係る記録再生システムS1を描いている。
【0085】
<磁気テープ>
図7に示すように、第3実施形態に係る磁気テープ10Cは4層構造を有している。さらに説明すると、磁気テープ10Cは、記録ヘッド21などに摺接するヘッド側から、ガイドローラ等に摺接するバック側に向かって、磁性層11A(第1記録層)、支持体14A、色素入バックコート層15Bの順に積層して構成されている。すなわち、磁気テープ10Cは、第1参考例に係る単独の光記録層13Aを備えていないが、色素入バックコート層15Bが、ライトワンス型の光記録層としての機能を備えている。
【0086】
色素入バックコート層15Bは、第1参考例で説明したバックコート層15Aを形成する組成に加えて、光記録層13Aを形成する有機色素を含んでいる。このような色素入バックコート層15Bは、カーボンブラック等と、有機色素と、結合剤とを含む塗布剤を塗布することで形成される。
したがって、このような磁気テープ10Cによれば、磁気テープ10Aと同じ機能を保ちつつ、光記録層13Aを有さない分だけ薄くすることができる。
【0087】
≪第4実施形態≫
続いて、第4実施形態に係る磁気テープについて、図8を参照して説明する。図8は、第4実施形態に係る磁気テープの構成を模式的に示す図である。
【0088】
<磁気テープ>
図8に示すように、第4実施形態に係る磁気テープ10Dは、第3実施形態に係る磁気テープ10Cの構成に加えて下層16を備えており、この下層16は磁性層11Aと支持体14Aとの間に介在している。
【0089】
[下層]
下層16は、実質的に非磁性の層であり、非磁性層、下地層とも称される。下層16は、磁性層11Aを形成するときに、強磁性粉末などを高精度で規則的に配列し、磁気記録密度を高めるための層である。このような下層16は、非磁性粉末、結合剤、潤滑剤を含んでなる。
【0090】
(非磁性粉末)
非磁性粉末としては、例えば、非磁性無機粉末、カーボンブラックを挙げることができる。非磁性無機粉末は、比較的硬いものが好ましく、モース硬度が5以上(更に好ましくは、6以上)のものが好ましい。
【0091】
非磁性無機粉末の具体例としては、α−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、二酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、及び硫酸バリウムを挙げることができる。これらは単独でまたは組合せて使用することができる。これらのうちでは、二酸化チタン、α−アルミナ、α−酸化鉄又は酸化クロムが好ましい。非磁性無機粉末の平均粒子径は、0.01〜1.0μm(好ましくは、0.01〜0.5μm、特に、0.02〜0.1μm)の範囲にあることが好ましい。
【0092】
また、カーボンブラックは、磁性層11Aに導電性を付与して帯電を防止すると共に、下層16上に形成される磁性層11Aの平滑な表面性を確保する目的で添加される。下層16に含まれるカーボンブラックは、その平均粒子径が35nm以下(更に好ましくは、10〜35nm)であることが好ましい。カーボンブラックの添加量は、全非磁性無機粉末100質量部に対して、3〜20質量部であり、好ましくは、4〜18質量部、更に好ましくは、5〜15質量部である。
【0093】
(結合剤)
下層16の結合剤としては、第1参考例に係る磁性層11Aにて記載した結合剤を用いることができる。結合剤は、下層16の非磁性粉末100質量部に対して、通常5〜50質量部(好ましくは、10〜30質量部)の範囲である。なお、下層に結合剤として塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、及びポリイソシアネートを組み合わせて用いる場合は、全結合剤中に、塩化ビニル系樹脂が5〜70重量%、ポリウレタン樹脂が2〜50重量%、そしてポリイソシアネートが2〜50重量%の範囲の量で含まれるように用いることが好ましい。なお、下層16においても前述した磁性層11Aに添加することができる分散剤やその他の添加剤を添加することができる。
【0094】
(潤滑剤)
潤滑剤としては、例えば、脂肪酸あるいは脂肪酸エステルを使用することができる。潤滑剤の添加量は、全非磁性粉末100質量部に対して0.2〜20質量部の範囲内とすることが好ましい。
【0095】
≪第5実施形態≫
続いて、第5実施形態に係る磁気テープについて、図9を参照して説明する。図9は、第5実施形態に係る磁気テープの構成を示す斜視図である。
【0096】
<磁気テープ>
図9に示すように、第5実施形態に係る磁気テープ10Eは、厚さ方向において2層構造であるが、支持体14Aの片面上に設けられた、磁性層11Eと光記録層13Eとが、走行方向に沿って2列で並んでいる。すなわち、磁性層11Eと光記録層13Eとが、厚さ方向に積層していないため、磁気テープ10Eは薄くなる。なお、磁気テープ10Eに対して、反射層12A、バックコート層15Aなどを適宜に設けてもよい。
【0097】
≪第6実施形態≫
続いて、第6実施形態に係る磁気ディスクについて、図10を参照して説明する。図10は、第6実施形態に係る磁気ディスクの構成を示す斜視図である。
【0098】
図10に示すように、第6実施形態に係る磁気ディスク10Fは、第1参考例に係る帯状の磁気テープ10Aと異なり、ディスク状(円盤状)を呈している。磁気ディスク10Fは、主として、基板とも称される支持体14Fと、この上面(一方の面)に設けられた磁性層11Fと、下面(他方の面)に設けられた光記録層13Fとを備えている。なお、反射層などを適宜設けてもよい。
【0099】
このような磁気ディスク10Fによれば、磁気ディスク10Fをスピンドルモータなどで回転させることとなり、磁気テープ10Aを走行させる場合の送りリール、巻きリール、ガイドローラ等の磁気テープ走行手段は不要となる。
なお、このような磁気ディスク10Fの場合、回転する磁性層11Fにデータを書き込む記録ヘッド、データを読み取る再生ヘッドや、光記録層13Fにライトワンス型でデータを書き込むデータ書き込み手段、データを読み取るデータ読み取り手段は、トラッキング機構や揺動アーム(スウィングアーム)などにより、磁気ディスク10Fの略径方向に移動させる。
【0100】
≪第7実施形態≫
続いて、第7実施形態に係る磁気ディスクについて、図11を参照して説明する。図11は、第7実施形態に係る磁気ディスクの構成を示す斜視図である。
【0101】
<磁気ディスク>
図11に示すように、第7実施形態に係る磁気ディスク10Gは、第6実施形態に係る磁気ディスク10Fと同様にディスク状を呈しているが、磁性層11G及び光記録層13Gとが、支持体14Fの上面(片面)に設けられている。さらに説明すると、磁性層11Gは内側に配置しており、光記録層13Gは外側に配置している。
したがって、このような磁気ディスク10Gによれば、第6実施形態に係る磁気ディスク10Fに対して薄くなる。
【0102】
以上、本発明の好適な各実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、実施形態で説明した各構成要素を適宜組み合わせてもよいし、その他に例えば以下のような適宜な変更が可能である。
【0103】
前記した第1参考例では、書き換え可能な第1記録層を磁性層11A、書き換え不能なライトワンス型の第2記録層を光記録層13Aとした場合について説明したが、第1記録層及び第2記録層の種類はこれに限定されない。例えば、第1記録層を、CD−RW、DVD−RWなどに利用されている相変化により書き換え可能な光記録層としてもよいし、MOなどに利用されている光磁気記録層としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】第1参考例に係る磁気テープ及び記録再生システムの構成を模式的に示す図である。
【図2】図1に示す制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】第1参考例におけるデータの記録方式の概念図である。
【図4】第1実施形態に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】第1実施形態におけるデータの記録方式の概念図である。
【図6】第2実施形態に係る磁気テープ及び記録再生システムの構成を模式的に示す図である。
【図7】第3実施形態に係る磁気テープの構成を示す図である。
【図8】第4実施形態に係る磁気テープの構成を示す図である。
【図9】第5実施形態に係る磁気テープの構成を示す斜視図である。
【図10】第6実施形態に係る磁気ディスクの構成を示す斜視図である。
【図11】第7実施形態に係る磁気ディスクの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0105】
S1、S2 記録再生システム
10A、10B、10C、10D、10E 磁気テープ(記録媒体)
10F、10G 磁気ディスク(記録媒体)
11A、11E、11F、11G 磁性層(第1記録層)
12A 反射層
13A、13E、11F、11G 光記録層(第2記録層)
14A、14F 支持体
15A バックコート層
15B 色素入バックコート層(光記録層、第2記録層)
16 下層(非磁性層)
21 記録ヘッド
23 再生ヘッド
30 データ書き込み手段
31 レーザ発生器
40 データ読み取り手段
41 レーザ発生器
42 光センサ
100A、100B 制御装置
110A、110B 書き込み制御手段
112 選択部
115 分割部
120A、120B 読み取り制御手段
123 結合部
127 照合部
A01、A02…、A11、A12… アドレス


【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と、当該支持体上に設けられた、書き換え可能な磁性層及びライトワンス型の光記録層と、を備える記録媒体にデータを記録する記録システムであって、
前記データを前記磁性層に記録する記録ヘッドと、ライトワンス型で前記データを前記光記録層に書き込むデータ書き込み手段と、前記記録ヘッド及び前記データ書き込み手段を制御する制御手段と、を備え、
当該制御手段は、前記記録ヘッド及び前記書き込み手段により、前記データを、前記磁性層と前記光記録層とに分割して記録することを特徴とする記録システム。
【請求項2】
前記記録媒体は、前記磁性層、前記光記録層、前記支持体の順で積層していることを特徴とする請求項1に記載の記録システム。
【請求項3】
前記記録媒体は、前記磁性層、前記支持体、前記光記録層の順で積層していることを特徴とする請求項1に記載の記録システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の記録システムにより記録された記録媒体のデータを再生する再生システムであって、
前記磁性層に記録されたデータを読み取る再生ヘッドと、
前記光記録層にライトワンス型で記録されたデータを読み取るデータ読み取り手段と、
前記記録媒体への記録方式に対応して、前記再生ヘッドが読み取ったデータとデータ読み取り手段が読み取ったデータとを結合する結合部と、
を備えたことを特徴とする再生システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−4088(P2009−4088A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−215804(P2008−215804)
【出願日】平成20年8月25日(2008.8.25)
【分割の表示】特願2004−233900(P2004−233900)の分割
【原出願日】平成16年8月10日(2004.8.10)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】