説明

記録再生装置、及び記録再生装置における誤り検出符号化方法

【課題】トラック毎の誤り検出を可能にした記録再生装置を提供すること。
【解決手段】書き込み対象のビット系列を書き込みトラック数と同じ数の部分ビット系列に分類する分類手段と、前記各部分ビット系列を誤り検出符号化して誤り検出符号化部分ビット系列を生成する誤り検出符号化手段と、前記書き込みトラック数分の誤り検出符号化部分ビット系列全体を誤り訂正符号化して誤り訂正符号化ビット系列を生成する誤り訂正符号化手段と、前記誤り訂正符号化ビット系列にインターリービングを施すインターリーバと、インターリービング後の前記誤り訂正符号化ビット系列を直並列変換して前記書き込みトラック数分の書き込みビット系列を生成する直並列変換手段と、前記各書き込みビット系列を書き込み信号に変換して記録媒体の各トラックに書き込む書き込み手段と、を備える、記録再生装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録再生装置、及び記録再生装置における誤り検出符号化方法に関する。特に、本発明は、瓦記録により各トラックに書き込まれた信号を、隣接する複数のトラックから同時に読み出された信号に基づいて検出するマルチトラック信号検出方式に適用可能な誤り検出符号化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、磁気記録ディスクの記録密度を向上させるための研究が盛んに進められている。磁気記録ディスクの記録密度を向上させる方法としては、例えば、各トラックのトラック幅を狭めて1ディスク当たりのトラック数を増加させる方法がある。しかし、トラック幅を狭めた場合、各トラックの情報を精度良く読み出せるようにするためには読み出しヘッドの大きさも小さくする必要がある。可能であれば、読み出しヘッドの幅をトラック幅と同程度にすることが好ましい。しかしながら、読み出しヘッドの小型化は既に限界に達していると言われている。そのため、トラック幅よりも広い幅を持つ読み出しヘッドを用いて精度良く各トラックの信号を読み出す技術に注目が集まっている。
【0003】
読み出しヘッドの幅がトラック幅よりも広いと、あるトラックを読み出しヘッドが走査した際に、隣接トラックの信号が同時に読み出されてしまうことになる。隣接トラックから同時に読み出される信号は、本来読み出したいトラックの信号に対する干渉となる。そのため、この干渉を抑制し、各トラックの信号を分離する技術(以下、マルチトラック信号検出方式)が求められる。マルチトラック信号検出方式に関しては、例えば、下記の非特許文献1に記載がある。同文献の方式は、TDPRフィルタ、1次元max−log−MAP検出器、誤り訂正復号器、ビット誤り検出器、ソフト干渉レプリカ生成器、マルチトラックソフト干渉キャンセラを用いてトラック間干渉を抑圧するものである。また、当該方式を改良した技術として、下記の非特許文献2に記載の方式がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】M.Fujii and N.Shinohara,“Multitrackiterative ITI canceller for shingled write recording”,電子情報通信学会,磁気記録・情報ストレージ研究会,信学技報,MR2010−44,pp.15−22,2010年12月
【非特許文献2】藤井,”多元LDPC符号化2次元磁気記録用繰り返しITIキャンセラ”,2011年電子情報通信学会ソサイエティ大会C−7−2,2011年9月.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
同文献に記載のマルチトラック信号検出方式は、各トラックに対する信号の書き込み時にトラック間でビット同期が確立されていることを前提としている。この前提の下では、トラック間で書き込み周波数の同期が確立されている。つまり、トラック間干渉の応答も時不変となる。このことから、予め求めておいた各種フィルタのタップ係数を用いて信号検出を行っても、精度良く各トラックの信号を検出することができる。しかしながら、トラック間でビット同期が確立されていない場合、同文献に記載のマルチトラック信号検出方式を適用すると、正しく各トラックの信号検出を行うことができない。
【0006】
このような問題を受け、本件発明者は、トラック間干渉が時変となる場合に必要な干渉チャネル応答の適応的な推定を可能とするマルチトラック検出方式を考案した。このマルチトラック信号検出方式は、トレリス状態毎に異なるチャネル推定値を考慮し、トレリス状態毎に生成した干渉レプリカを用いてマルチトラックソフト干渉キャンセルを実行するというものであった。このマルチトラック信号検出方式を適用すると、トラック間干渉成分及び符号間干渉成分を効果的に抑圧することが可能になり、各トラックの信号を高い精度で検出することができる。
【0007】
しかしながら、上記の方法を適用しても、各トラックの信号に誤りが残存してしまうことがある。この場合、誤りが残存したトラックの信号を検出するために利用する全てのトラックの信号を再度読み出す処理(以下、リリード処理)が必要になる。上記のマルチトラック信号検出方式の場合、あるトラックの信号に誤りが残存すると、それが1トラック分であっても、全てのトラックから信号を再度読み出すリリード処理が必要になる。そのため、リリード処理の発生がスループットの著しい低下を招いてしまう。こうした事情から、本件発明者は、上記のマルチトラック信号検出方式のような信号処理方法を適用するに際し、リリード処理が必要なトラックを特定できるようにする仕組みについて検討を進めてきた。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、トラック毎の誤り検出が可能な、新規かつ改良された記録再生装置、及び記録再生装置における誤り検出符号化方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、書き込み対象のビット系列を書き込みトラック数と同じ数の部分ビット系列に分類する分類手段と、前記各部分ビット系列を誤り検出符号化して誤り検出符号化部分ビット系列を生成する誤り検出符号化手段と、前記書き込みトラック数分の誤り検出符号化部分ビット系列全体を誤り訂正符号化して誤り訂正符号化ビット系列を生成する誤り訂正符号化手段と、前記誤り訂正符号化ビット系列にインターリービングを施すインターリーバと、インターリービング後の前記誤り訂正符号化ビット系列を直並列変換して前記書き込みトラック数分の書き込みビット系列を生成する直並列変換手段と、前記各書き込みビット系列を書き込み信号に変換して記録媒体の各トラックに書き込む書き込み手段と、を備える記録再生装置が提供される。
【0010】
かかる構成によると、同じトラックに書き込まれる部分ビット系列に対して誤り検出符号が付されるため、誤り検出の結果に基づき、再生時に誤りが残存しているビット系列から、リリードすべきトラックを判別することが可能になる。その結果、全トラックをリリードせず、一部の必要なトラックだけをリリードすれば済むようになり、リリードの必要が生じた際に信号の読み出し時間を大幅に短縮することが可能になる。そして、リリード時の読み出し時間が短縮されてスループットが格段に向上する。
【0011】
また、前記分類手段は、前記書き込み手段により前記記録媒体の各トラックに前記各書き込みビット系列が書き込まれる際に、同じ前記誤り検出符号化部分ビット系列に対応する前記書き込みビット系列のビットが同じトラックに書き込まれるように前記書き込み対象のビット系列を前記部分ビット系列に分類するように構成されていてもよい。このように、ビット系列を分類する際に、誤り訂正符号化やインターリービングを考慮して、書き込み時のトラック割り当てに配慮した分類をしておくことで、同じ誤り検出符号に対応するビット系列が正しく同じトラックに書き込まれることになる。
【0012】
また、上記の記録再生装置は、トラック幅よりも幅広な再生ヘッドにより前記記録媒体の複数トラックを同時に走査してマルチトラック再生信号を読み出す読み出し手段と、前記マルチトラック再生信号から各トラックに書き込まれた書き込み信号を検出し、検出した書き込み信号から書き込みビット系列を復号する信号検出・復号手段と、前記信号検出・復号手段により復号された各書き込みビット系列について誤り検出を実行する誤り検出手段と、前記誤り検出手段により残存する誤りが検出された書き込みビット系列に対応するトラックに対して再び前記マルチトラック再生信号を読み出すように前記読み出し手段を制御するリリード制御手段と、をさらに備えていてもよい。かかる構成により、リリードに要する時間を大幅に短縮することができる。また、幅広の再生ヘッドで各トラックの書き込み信号を読み出すことができるため、再生ヘッドの小型化限界に起因する制限を回避して高密度記録が可能になる。
【0013】
また、前記信号検出・復号手段は、前記読み出し手段により読み出されたマルチトラック再生信号のうち、前記誤り検出手段により残存する誤りが検出された書き込みビット系列に対応するマルチトラック再生信号を、前記リリード制御手段による制御を受けて前記読み出し手段により再び読み出されたマルチトラック信号に置き換え、再び前記書き込み信号の検出及び前記書き込みビット系列の復号を実行するように構成されていてもよい。かかる構成により、誤りが残存していた書き込みビット系列が正しく復号される可能性が高まる。
【0014】
また、前記信号検出・復号手段は、前記読み出し手段により読み出されたマルチトラック再生信号のうち、前記誤り検出手段により残存する誤りが検出された書き込みビット系列に対応するマルチトラック再生信号を、前記リリード制御手段による制御を受けて前記読み出し手段により再び読み出されたマルチトラック信号に合成し、合成したマルチトラック信号を用いて再び前記書き込み信号の検出及び前記書き込みビット系列の復号を実行するように構成されていてもよい。かかる構成により、誤りが残存していた書き込みビット系列が正しく復号される可能性がより高まる。
【0015】
また、前記信号検出・復号手段は、前記読み出し手段により読み出されたマルチトラック再生信号のうち、前記誤り検出手段により残存する誤りが検出された書き込みビット系列に対応するマルチトラック再生信号の一部を、前記リリード制御手段による制御を受けて前記読み出し手段により再び読み出されたマルチトラック信号に置き換え、その他の前記誤り検出手段により残存する誤りが検出された書き込みビット系列に対応するマルチトラック再生信号を、前記リリード制御手段による制御を受けて前記読み出し手段により再び読み出されたマルチトラック信号に合成し、置き換えたマルチトラック信号及び合成したマルチトラック信号を用いて、再び前記書き込み信号の検出及び前記書き込みビット系列の復号を実行するように構成されていてもよい。かかる構成により、合成したマルチトラック信号を利用した復号可能性の向上と、マルチトラック信号を保持しておくためのバッファ容量の節約との両立が実現される。
【0016】
また、前記信号検出・復号手段は、前記誤り検出手段により残存する誤りが検出された書き込みビット系列に対応するマルチトラック再生信号と、前記リリード制御手段による制御を受けて前記読み出し手段により再び読み出されたマルチトラック信号とをブランチメトリック合成するように構成されていてもよい。
【0017】
また、前記信号検出・復号手段は、前記誤り検出手段により残存する誤りが検出された書き込みビット系列の信号検出及び復号時に得られる尤度に基づいて隣接トラックへの干渉信号のソフトレプリカを生成するソフトレプリカ生成手段と、前記誤り検出手段により残存する誤りが検出されなかった書き込みビット系列に基づいて隣接トラックへの干渉信号のハードレプリカを生成するハードレプリカ生成手段と、前記ソフトレプリカ及び前記ハードレプリカを用いて前記マルチトラック再生信号に含まれるトラック間干渉の成分を抑圧する干渉キャンセラと、を含むように構成されていてもよい。かかる構成により、正しく復号された書き込みビット系列から得られるハードレプリカを用いてハード干渉キャンセルが行われるため、より効果的に干渉成分を抑圧することが可能になる。その結果、繰り返し復号の回数が低減され、演算負荷の低減及び再生時間の短縮が期待される。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、書き込み対象のビット系列を書き込みトラック数と同じ数の部分ビット系列に分類する分類工程と、前記各部分ビット系列を誤り検出符号化して誤り検出符号化部分ビット系列を生成する誤り検出符号化工程と、前記書き込みトラック数分の誤り検出符号化部分ビット系列全体を誤り訂正符号化して誤り訂正符号化ビット系列を生成する誤り訂正符号化工程と、前記誤り訂正符号化ビット系列にインターリービングを施すインターリービング工程と、インターリービング後の前記誤り訂正符号化ビット系列を直並列変換して前記書き込みトラック数分の書き込みビット系列を生成する直並列変換工程と、前記各書き込みビット系列を書き込み信号に変換して記録媒体の各トラックに書き込む書き込み工程と、を含む、記録再生装置における誤り検出符号化方法が提供される。
【0019】
かかる構成によると、同じトラックに書き込まれる部分ビット系列に対して誤り検出符号が付されるため、誤り検出の結果に基づき、再生時に誤りが残存しているビット系列から、リリードすべきトラックを判別することが可能になる。その結果、全トラックをリリードせず、一部の必要なトラックだけをリリードすれば済むようになり、リリードの必要が生じた際に信号の読み出し時間を大幅に短縮することが可能になる。そして、リリード時の読み出し時間が短縮されてスループットが格段に向上する。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明によれば、トラック毎の誤り検出が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る記録再生装置の構成例を示した説明図である。
【図2】同実施形態に係る書き込み信号生成部の構成例を示した説明図である。
【図3】同実施形態に係るマルチトラックレイアウト及び分類方法について説明するための説明図である。
【図4】同実施形態に係る信号再生方法について説明するための説明図である。
【図5】同実施形態に係る信号再生方法について説明するための説明図である。
【図6】同実施形態に係る信号再生方法について説明するための説明図である。
【図7】同実施形態に係る信号再生部の構成例を示した説明図である。
【図8】同実施形態の一変形例に係る信号再生方法について説明するための説明図である。
【図9】同実施形態の一変形例に係る信号再生部の構成例を示した説明図である。
【図10】同実施形態に係る干渉キャンセリングの効果について説明するための説明図である。
【図11】従来の2次元磁気記録再生装置における書き込み信号生成部の構成例を示した説明図である。
【図12】従来の2次元磁気記録再生装置におけるリリード動作について説明するための説明図である。
【図13】従来の2次元磁気記録再生装置におけるリリード後の動作について説明するための説明図である。
【図14】従来の2次元磁気記録再生装置における信号再生部の構成例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0023】
[説明の流れについて]
ここで、以下に記載する本発明の実施形態に関する説明の流れについて簡単に述べる。まず、図11〜図14を参照しながら、従来の2次元磁気記録再生装置における書き込み信号生成部及び信号再生部の構成例、及び当該2次元磁気記録再生装置におけるリリードに関する動作について紹介する。その後で、図1〜図10を参照しながら、本実施形態に係る記録再生装置の構成及び当該記録再生装置による信号再生方法について説明する。
【0024】
<1:(従来例)2次元磁気記録再生装置について>
まず、本発明の実施形態について詳細に説明するに先立ち、図11〜図14を参照しながら、従来の2次元磁気記録再生装置の構成及び動作について紹介する。
【0025】
[1−1:書き込み信号生成部91の構成例]
従来の2次元磁気記録再生装置は、磁気記録媒体の各トラックに書き込まれる記録信号を生成するための書き込み信号生成部91を有する。この書き込み信号生成部91は、例えば、図11に示すような構成を有する。図11に示すように、書き込み信号生成部91は、主に、CRC符号器911と、LDPC符号器912と、インターリーバ913と、直並列変換器914と、複数の記録信号変換器915とにより構成される。
【0026】
まず、書き込みデータがCRC符号器911に入力される。書き込みデータが入力されると、CRC符号器911は、入力された書き込みデータに対する誤り検出が可能となるように当該書き込みデータに基づいてCRC(Cyclic Redundancy Check)符号を生成する。そして、CRC符号器911は、書き込みデータにCRC符号を付加した誤り検出符号化書き込みデータをLDPC符号器912に入力する。
【0027】
誤り検出符号化書き込みデータが入力されると、LDPC符号器912は、誤り検出符号化書き込みデータに対する誤り訂正が可能となるように当該誤り検出符号化書き込みデータに基づいてLDPC(Low−Density Parity−Check)符号を生成する。そして、LDPC符号器912は、誤り検出符号化書き込みデータにLDPC符号を付加した誤り訂正符号化書き込みデータをインターリーバ913に入力する。
【0028】
誤り訂正符号化書き込みデータが入力されると、インターリーバ913は、誤り訂正符号化書き込みデータに対してインターリーブを施し、直並列変換器914に入力する。ここでインターリーブを施しておくことにより、バースト誤りが発生しても正しく誤りを訂正できる確率が高まる。インターリーブ後の誤り訂正符号化書き込みデータが入力されると、直並列変換器914は、入力されたインターリーブ後の誤り訂正符号化書き込みデータを直並列変換して書き込みトラック数分の部分書き込みデータに変換する。
【0029】
直並列変換器914は、各部分書き込みデータを各トラックに対応する記録信号変換器915に入力する。部分書き込みデータが入力された記録信号変換器915は、入力された部分書き込みデータを変調して記録信号を生成し、書き込みヘッドを制御して、対応するトラックに記録信号を書き込む。例えば、トラック#1に対応する記録信号変換器915は、トラック#1の位置に書き込みヘッドを移動させ、トラック#1に書き込むべき記録信号をトラック#1に書き込む。
【0030】
以上、書き込み信号生成部91の構成例を紹介した。上記のように、従来の2次元磁気記録再生装置は、書き込みデータの全体に対して誤り訂正符号化を施す。
【0031】
[1−2:読み出し動作]
次に、図12及び図13を参照しながら、従来の2次元磁気記録再生装置における記録信号の読み出し動作について説明する。図12及び図13は、従来の2次元磁気記録再生装置における記録信号の読み出し動作について説明するための説明図である。
【0032】
磁気記録媒体の各トラックに書き込まれた記録信号は、図12に示すように、トラック幅よりも幅広のヘッド(この例では3トラックを跨ぐサイズ)を用いて読み出される。図12に示すように、まず、トラック帯の外部に設けられたガードバンドの領域(トラック#0)及びトラック#1を含む領域がヘッドで走査され、ヘッドを介してトラック#0に対応する再生信号(トラック#0再生信号)が得られる。次に、トラック#1を中心にトラック#0〜#2を跨ぐ位置へとヘッドが移動し、トラック#1に沿ってトラック#0〜#2を含む領域がヘッドで走査されてトラック#1に対応する再生信号(トラック#1再生信号)が得られる。同様にして、トラック#2再生信号、…、トラック#N+1再生信号が得られる。
【0033】
トラック#0再生信号〜トラック#N+1再生信号は、相互に読み出されるタイミングが異なるため、図13に示すように、ヘッドで読み出された後で一旦、バッファ931に蓄積される。そして、トラック#0再生信号〜トラック#N+1再生信号が得られた時点で、トラック#0再生信号〜トラック#N+1再生信号が同時にバッファ931から出力され、2次元記録信号検出・復号部932に入力される。このように、バッファ931を利用してトラック#0再生信号〜トラック#N+1再生信号の出力タイミングを調整することにより、トラック#0再生信号〜トラック#N+1再生信号が同時に読み出された状態を擬似的に再現することが可能になる。
【0034】
トラック#0再生信号〜トラック#N+1再生信号が入力されると、2次元記録信号検出・復号部932は、入力されたトラック#0再生信号〜トラック#N+1再生信号を利用して各トラックに書き込まれた記録信号を検出する。さらに、2次元記録信号検出・復号部932は、各記録信号を復号して書き込みデータを復号する。このとき、2次元記録信号検出・再生部932は、書き込みデータの誤り検出及び誤り訂正を実行する。誤り訂正後、書き込みデータに誤りが残存する場合、2次元記録信号検出・再生部932は、トラック#0再生信号〜トラック#N+1再生信号のリリードを実行する。
【0035】
以上、従来の2次元磁気記録再生装置における記録信号の読み出し動作について説明した。なお、リリード処理に関する従来例の課題については後述する。
【0036】
[1−3:信号再生部92の構成例]
次に、図14を参照しながら、従来の2次元磁気記録再生装置に搭載可能な信号再生部92の構成例について紹介する。図14は、従来の2次元磁気記録再生装置に搭載可能な信号再生部92の構成例について説明するための説明図である。ここで説明する信号再生部92は、2次元記録信号検出・復号部932の一構成例である。また、この信号再生部92は、ソフトレプリカを用いた干渉キャンセリングの繰り返しにより再生信号に含まれる干渉成分を除去して各トラックに書き込まれた記録信号を検出するものである。
【0037】
図14に示すように、信号再生部92は、主に、複数のマルチトラックソフト干渉キャンセラ951と、複数のTDPRフィルタ952と、複数のMax−log−MAP検出器953と、P/S変換器954と、デインターリーバ955と、LDPC復号器956と、硬判定部957と、CRC復号器958と、スイッチ959と、インターリーバ960と、S/P変換器961と、書き込み信号ソフトレプリカ生成器962と、インターリーバ963と、S/P変換器964とを有する。
【0038】
信号再生部92には、バッファ931からトラック#0再生信号〜トラック#N+1再生信号が入力される。各再生信号を読み出す際、3トラックを跨ぐ位置でヘッドを走査させた場合、図14に示すように、各マルチトラックソフト干渉キャンセラ951には、3つの再生信号が入力される。いま、トラック#m−1再生信号、トラック#m再生信号、トラック#m+1再生信号が入力されたマルチトラックソフト干渉キャンセラ951に注目する。トラック#m−1再生信号〜トラック#m+1再生信号が入力された直後における繰り返し処理の初回において、マルチトラックソフト干渉キャンセラ951は、入力されたトラック#m−1再生信号〜トラック#m+1再生信号をそのままTDPRフィルタ952に入力する。
【0039】
トラック#m−1再生信号〜トラック#m+1再生信号が入力されたTDPRフィルタ952は、入力されたトラック#m−1再生信号〜トラック#m+1再生信号を一括して処理し、トラック#m再生信号からトラック#m−1及び#m+1による干渉成分を抑圧してトラック#mに書き込まれた記録信号を検出する。そして、TDPRフィルタ952は、検出された信号(TDPRフィルタ出力信号)をMax−log−MAP検出器953に入力する。
【0040】
TDPRフィルタ出力信号が入力されると、Max−log−MAP検出器953は、入力されたTDPRフィルタ出力信号を用いてトレリス遷移のブランチメトリックを求め、このブランチメトリックからパスメトリックを計算してトレリス状態毎の生き残りパスを選択する。そして、Max−log−MAP検出器953は、選択した生き残りパスのパスメトリックをP/S変換器954に入力する。他のマルチトラックソフト干渉キャンセラ951、TDPRフィルタ952、Max−log−MAP検出器953も同様に動作し、P/S変換器954には、トラック#1〜#Nに書き込まれた部分書き込みデータに対応するパスメトリックが入力される。
【0041】
P/S変換器954は、トラック#1〜#Nに書き込まれた部分書き込みデータに対応するパスメトリックを並直列変換し、デインターリーバ955に入力する。デインターリーバ955は、生き残りパスのパスメトリックにデインターリーブを施し、LDPC復号器956に入力する。LDPC復号器956は、LDPC符号を用いて誤り検出符号化書き込みデータのビット列を復号する。さらに、CRC復号器958は、硬判定部957による硬判定後のビット列からCRC符号の復号によりビット誤りの残存を検出する。
【0042】
スイッチ959は、CRC復号器958によりビット誤りの残存が検出された場合に、LDPC復号器956と、インターリーバ960及び書き込み信号ソフトレプリカ生成器962とを接続する。この接続により、LDPC復号器956による復号結果がインターリーバ960及び書き込み信号ソフトレプリカ生成器962に入力されるようになる。一方、CRC復号器958によりビット誤りが検出されなかった場合、復号されたビット列は、再生データとして上位レイヤへと出力される。
【0043】
書き込み信号ソフトレプリカ変換器962は、マルチトラックソフト干渉キャンセラ951によるソフト干渉キャンセルに用いる書き込み信号のソフトレプリカを生成する。インターリーバ963は、書き込み信号ソフトレプリカ変換器962により生成されたソフトレプリカにインターターリーブを施してS/P変換器964に入力する。S/P変換器964は、入力されたソフトレプリカを直並列変換して書き込みトラック数分の部分レプリカ信号を生成し、対応するマルチトラックソフト干渉キャンセラ951に入力する。部分レプリカ信号が入力された場合、マルチトラックソフト干渉キャンセラ951は、部分レプリカ信号を用いて各再生信号に含まれる干渉成分を抑圧する。
【0044】
上記の信号再生部92は、CRC復号器958においてビット誤りが検出されなくなるまで、或いは、所定回数だけ上記の動作を繰り返し実行する。そして、上記の繰り返し処理によりビット誤りが残存する場合にはリリード処理が実行される。
【0045】
以上、従来の2次元磁気記録再生装置に搭載可能な信号再生部92の構成例について説明した。
【0046】
[1−4:課題の整理]
上記の通り、従来の2次元磁気記録再生装置は、書き込みデータ全体に対して誤り検出符号化を施している。そのため、2次元記録信号検出・復号部932において誤り訂正後に誤りが残存していた場合、どのトラックに書き込まれた部分書き込みデータに誤りが残存しているのかを特定することができない。そのため、リリード処理において、従来の2次元磁気記録再生装置は、図12及び図13に示したように、全てのトラックをヘッドで走査し、トラック#0再生信号〜トラック#N+1再生信号を読み出す必要がある。そのため、リリード処理が発生すると、スループットが大きく低下してしまう。後述する実施形態は、このような課題を解決するための考案された技術である。
【0047】
<2:実施形態>
以下、本発明の一実施形態について説明する。
【0048】
[2−1:記録再生装置10の全体構成]
まず、図1を参照しながら、本実施形態に係る記録再生装置10の全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係る記録再生装置10の全体構成について説明するための説明図である。
【0049】
図1に示すように、記録再生装置10は、主に、書き込み信号生成部11と、記録媒体12と、信号再生部13と、ヘッド14とにより構成される。なお、ここでは記録媒体12として磁気記録媒体を想定して説明を進めるが、本実施形態に係る技術の適用範囲はこれに限定されるものではない。また、以下の説明において、誤り検出符号としてCRC符号を想定し、誤り訂正符号としてLDPC符号を想定して説明を進めるが、他の誤り検出符号及び他の誤り訂正符号に置き換えることも当然に可能である。また、このような置き換えを行ったとしても同等の効果が期待できる。
【0050】
(2−1−1:書き込み信号生成部11の機能)
まず、書き込み信号生成部11の機能について簡単に説明する。
【0051】
図1に示すように、書き込み信号生成部11は、トラック毎CRC符号化機能F1、及びLDPC符号化・2次元記録信号生成機能F2を有する。トラック毎CRC符号化機能F1は、書き込み信号生成部11に入力された書き込みデータのビット列を書き込まれるトラック毎に分類し、分類された各ビット列を単位として誤り検出が可能となるように当該各ビット列をCRC符号化する機能である。一方、LDPC符号化・2次元記録信号生成機能F2は、CRC符号化後に得られる誤り検出符号化書き込みデータに対してLDPC符号化を施し、LDPC符号化後に得られる誤り訂正符号化書き込みデータから各トラックに書き込まれる記録信号を生成する機能である。このようにして得られた記録信号は、記録媒体12に書き込まれる。
【0052】
(2−1−2:信号再生部13の機能)
次に、信号再生部13の機能について簡単に説明する。
【0053】
信号再生部13は、主に、バッファ131と、2次元記録信号検出・復号部132と、硬判定部133と、ソート部134と、複数のCRC復号器135と、リリードトラック選択部136とにより構成される。
【0054】
バッファ131は、複数のトラックから順次読み出される再生信号を蓄積し、蓄積した複数の再生信号を2次元記録信号検出・復号部132に同時に入力するための一時記憶手段である。また、2次元記録信号検出・復号部132は、バッファ131から入力された複数の再生信号を一括して処理し、各トラックに書き込まれた記録信号を検出すると共に、当該記録信号を復号して誤り検出符号化書き込みデータのビット列を復号する。復号された誤り検出符号化書き込みデータのビット列は硬判定部133により硬判定され、ソート部134に入力される。但し、ソート部134後段のCRC復号器135により誤りの残存が検出されなかった場合には、硬判定部133の出力が再生データとして信号再生部13から出力される。
【0055】
ソート部134は、書き込み信号生成部11のトラック毎CRC符号化機能F1において書き込みデータのビット列をトラック毎に分類したのと同じ方法で、硬判定部133による硬判定後のビット列を各トラックに対応するビット列に分類する。そして、トラック毎に分類された各ビット列は、それぞれトラックに対応して設けられたCRC復号器135に入力される。CRC復号器135は、入力されたビット列に付与されたCRC符号を用いて誤り検出を実施し、誤り検出の結果をリリードトラック選択部136に入力する。リリードトラック選択部136は、各CRC復号器135から入力された誤り検出の結果に応じてリリードすべきトラックを選択し、ヘッド14を制御して選択したトラックから再生信号を再度読み出させる。
【0056】
リリード制御により再度読み出された再生信号(以下、リリード再生信号)は、バッファ131に蓄積され、他のトラックから前回読み出された再生信号と同時に2次元記録信号検出・復号部132に入力される。このとき、同じトラックについて前回読み出された再生信号は、リリード再生信号に置き換えられるか、或いは、リリード再生信号と合成される。なお、いずれの方法を採用するかは、バッファ131の容量などに応じて選択される。また、両者を組み合わせて利用することも可能である。このようにして複数の再生信号が2次元記録信号検出・復号部132に入力されると、前回と同様にして信号検出処理及び復号処理が実施され、さらに硬判定部133、ソート部134、CRC復号器135による処理が実行される。そして、CRC復号器135により誤りの残存が検出されなくなった時点で、再生データが信号再生部13から出力される。
【0057】
以上説明したように、本実施形態に係る記録再生装置10は、トラック毎に誤り検出を実施できる仕組みを有しており、リリード処理の際に、誤りが検出されたトラックに係る再生信号だけを再度読み出すように構成されている。かかる構成により、ヘッド14で走査すべきトラック数が最小化され、ビット誤りの残存によりリリード処理の必要性が生じても、スループットを大きく低下させずに済む。以上、本実施形態に係る記録再生装置10の全体構成について説明した。
【0058】
[2−2:書き込み信号生成部11の構成例]
次に、図2を参照しながら、本実施形態に係る書き込み信号生成部11の詳細な構成について説明する。図2は、本実施形態に係る書き込み信号生成部11の詳細な構成について説明するための説明図である。
【0059】
図2に示すように、書き込み信号生成部11は、主に、ソート部111と、複数のCRC符号器112と、デソート部113と、LDPC符号器114と、インターリーバ115と、直並列変換器116と、複数の記録信号変換器117とで構成される。なお、CRC符号器112及び記録信号変換器117は、書き込みトラック数分だけ設けられる。
【0060】
書き込み信号生成部11に入力された書き込みデータは、ソート部111に入力される。ソート部111は、入力された書き込みデータのビット列を書き込みトラック数分の部分ビット列に分類する。このとき、ソート部111は、後段のLDPC符号器114、インターリーバ115、直並列変換器116により実施される処理を考慮し、同じトラックに書き込まれるビットが同じ部分ビット列に含まれるように分類処理を実施する。ソート部111により分類された各部分ビット列は、それぞれ対応するトラック毎に設けられたCRC符号器112に入力される。例えば、トラック#1に書き込まれる予定の部分ビット列は、トラック#1に対応するCRC符号器112に入力される。
【0061】
各CRC符号器112は、それぞれ入力された部分ビット列に基づいてCRC符号を生成し、部分ビット列と共にCRC符号をデソート部113に入力する。デソート部113は、ソート部111の処理とは逆に、各部分ビット列を結合して書き込みデータのビット列を復元する。このとき、デソート部113は、各部分ビット列に対応するCRC符号が当該各部分ビット列と同じトラックに書き込まれるように(図3を参照)、LDPC符号器114、インターリーバ115、及び直並列変換器116の処理を考慮して書き込みデータにCRC符号を付与した誤り検出符号化書き込みデータを生成する。このようにして生成された誤り検出符号化書き込みデータは、LDPC符号器114に入力される。
【0062】
誤り検出符号化書き込みデータが入力されると、LDPC符号器114は、誤り検出符号化書き込みデータに対する誤り訂正が可能となるように当該誤り検出符号化書き込みデータに基づいてLDPC符号を生成する。そして、LDPC符号器114は、誤り検出符号化書き込みデータにLDPC符号を付加した誤り訂正符号化書き込みデータをインターリーバ115に入力する。
【0063】
誤り訂正符号化書き込みデータが入力されると、インターリーバ115は、誤り訂正符号化書き込みデータに対してインターリーブを施し、直並列変換器116に入力する。ここでインターリーブを施しておくことにより、バースト誤りが発生しても正しく誤りを訂正できる確率が高まる。インターリーブ後の誤り訂正符号化書き込みデータが入力されると、直並列変換器116は、入力されたインターリーブ後の誤り訂正符号化書き込みデータを直並列変換して書き込みトラック数分の部分書き込みデータに変換する。
【0064】
直並列変換器116は、各部分書き込みデータを各トラックに対応する記録信号変換器117に入力する。部分書き込みデータが入力された記録信号変換器117は、入力された部分書き込みデータを変調して記録信号を生成し、書き込みヘッドを制御して、対応するトラックに記録信号を書き込む。例えば、トラック#1に対応する記録信号変換器117は、トラック#1の位置に書き込みヘッドを移動させ、トラック#1に書き込むべき記録信号をトラック#1に書き込む。
【0065】
以上、本実施形態に係る書き込み信号生成部11の構成について詳細に説明した。上記のように、本実施形態に係る書き込み信号生成部11は、誤り訂正符号化やインターリービングなどの処理を考慮して各トラックに書き込まれるビット列を分類し、各ビット列に生じるビット誤りを検出できるように各部分ビット列に対して誤り検出符号化を施す。そのため、ビット誤りが生じた部分ビット列の書き込まれているトラックを誤り検出により特定することが可能になる。
【0066】
[2−3:読み出し動作]
次に、図4〜図6を参照しながら、本実施形態に係る記録再生装置10における記録信号の読み出し動作について説明する。図4〜図6は、本実施形態に係る記録再生装置10における記録信号の読み出し動作について説明するための説明図である。
【0067】
(リリード前の動作S1)
記録媒体12の各トラックに書き込まれた記録信号は、従来の2次元磁気記録再生装置と同様に(図12を参照)、トラック幅よりも幅広のヘッド(例えば、3トラックを跨ぐサイズであるとする。)を用いて読み出される。図12に示すように、まず、トラック帯の外部に設けられたガードバンドの領域(トラック#0)及びトラック#1を含む領域がヘッドで走査され、ヘッドを介してトラック#0に対応する再生信号(トラック#0再生信号)が得られる。次に、トラック#1を中心にトラック#0〜#2を跨ぐ位置へとヘッドが移動し、トラック#1に沿ってトラック#0〜#2を含む領域がヘッドで走査されてトラック#1に対応する再生信号(トラック#1再生信号)が得られる。同様にして、トラック#2再生信号、…、トラック#N+1再生信号が得られる。
【0068】
トラック#0再生信号〜トラック#N+1再生信号は、相互に読み出されるタイミングが異なるため、図4に示すように、ヘッドで読み出された後で一旦、バッファ131に蓄積される。そして、トラック#0再生信号〜トラック#N+1再生信号が得られた時点で、トラック#0再生信号〜トラック#N+1再生信号が同時にバッファ131から出力され、2次元記録信号検出・復号部132に入力される。このように、バッファ131を利用してトラック#0再生信号〜トラック#N+1再生信号の出力タイミングを調整することにより、トラック#0再生信号〜トラック#N+1再生信号が同時に読み出された状態を擬似的に再現することが可能になる。
【0069】
トラック#0再生信号〜トラック#N+1再生信号が入力されると、2次元記録信号検出・復号部132は、入力されたトラック#0再生信号〜トラック#N+1再生信号を利用して各トラックに書き込まれた記録信号を検出する。さらに、2次元記録信号検出・復号部132は、各記録信号を復号して誤り検出符号化書き込みデータを復号する。復号された誤り検出符号化書き込みデータのビット列は硬判定部133により硬判定され、ソート部134に入力される。但し、ソート部134後段のCRC復号器135により誤りの残存が検出されなかった場合には、硬判定部133の出力が再生データとして信号再生部13から出力される。
【0070】
ソート部134は、書き込み信号生成部11のソート部111と同じ方法で、硬判定部133による硬判定後のビット列を各トラックに対応するビット列に分類する。そして、トラック毎に分類された各ビット列は、それぞれトラックに対応して設けられたCRC復号器135に入力される。CRC復号器135は、入力されたビット列に付与されたCRC符号を用いて誤り検出を実施し、誤り検出の結果をリリードトラック選択部136に入力する。リリードトラック選択部136は、各CRC復号器135から入力された誤り検出の結果に応じてリリードすべきトラックを選択し、選択したトラックを特定するためのトラックインデックスをヘッド14の制御手段(非図示)に入力する。
【0071】
(リリード動作S2、リリード後の動作S3)
リリードトラック選択部136からリリードすべきトラックのトラックインデックスが出力されると、図5い示すように、このトラックインデックスにより特定されるトラックだけがヘッド14により走査され、リリード再生信号が読み出される。読み出されたリリード再生信号は、図6に示すように、バッファ131に蓄積され、他のトラックから前回読み出された再生信号と同時に2次元記録信号検出・復号部132に入力される。このとき、同じトラックについて前回読み出された再生信号は、リリード再生信号に置き換えられる。図6の例では、トラック#2のリリード再生信号及びトラック#Nのリリード再生信号が、前回読み出されたトラック#2及び#Nの再生信号と置き換えられている。
【0072】
このようにしてリリード再生信号を含む複数の再生信号が2次元記録信号検出・復号部132に入力されると、前回と同様にして信号検出処理及び復号処理が実施され、さらに硬判定部133、ソート部134、CRC復号器135による処理が実行される。そして、CRC復号器135により誤りの残存が検出されなくなった時点で、再生データが信号再生部13から出力される。
【0073】
以上、本実施形態に係る記録再生装置10における記録信号の読み出し動作について説明した。上記のように、本実施形態に係る記録再生装置10は、ビット誤りが生じた部分ビット列の書き込まれているトラックを誤り検出により特定できるため、誤りが生じたビット列に対応するトラックだけを対象にリリード処理を実施することができる。その結果、リリード処理の必要性が生じてもスループットの低下を最小化することができる。
【0074】
[2−4:信号再生部13の構成例]
次に、図7を参照しながら、本実施形態に係る信号再生部13の詳細な構成について説明する。図7は、本実施形態に係る信号再生部13の詳細な構成について説明するための説明図である。この信号再生部13は、ソフトレプリカを用いた干渉キャンセリングの繰り返し処理及びハードレプリカを用いた干渉キャンセリングの処理により再生信号に含まれる干渉成分を除去して各トラックに書き込まれた記録信号を検出するものである。
【0075】
図7に示すように、信号再生部13は、主に、複数のマルチトラックソフト干渉キャンセラ151と、複数のTDPRフィルタ152と、複数のMax−log−MAP検出器153と、P/S変換器154と、デインターリーバ155と、LDPC復号器156と、硬判定部133と、複数のCRC復号器135と、スイッチ157と、インターリーバ158と、S/P変換器159と、書き込み信号レプリカ生成器160と、インターリーバ161と、S/P変換器162とを有する。
【0076】
信号再生部13には、バッファ131からトラック#0再生信号〜トラック#N+1再生信号が入力される。また、リリード処理が発生した場合には、リリード再生信号が信号再生部13に入力される。図7の例では、図5及び図6に例示したリリード処理が行われ、トラック#2リリード再生信号及びトラック#N再生信号が入力されている。ここでは、この例に沿って説明を進める。なお、リリード処理が発生する以前において、トラック#0再生信号〜トラック#N+1再生信号を用いて信号検出及び復号処理が実行され、トラック#1、#3〜#N−1に書き込まれたビット列が正しく復号されているものとする。また、これら正しく復号されたビット列の検出時に得られた尤度情報(LLR;Log−Likelihood Ratio)を信号再生部13が保持しているものとする。
【0077】
リリード処理において、トラック#2及び#Nがヘッド14により走査された場合、図7に示すように、トラック#2に対応するマルチトラックソフト干渉キャンセラ151には、トラック#1再生信号、トラック#2リリード再生信号、トラック#3再生信号が同時に入力される。同様に、トラック#Nに対応するマルチトラックソフト干渉キャンセラ151には、トラック#N−1再生信号、トラック#Nリリード再生信号、トラック#N+1再生信号が同時に入力される。いま、トラック#2に対応するマルチトラックソフト干渉キャンセラ151に注目する。
【0078】
トラック#1再生信号、トラック#2リリード再生信号、トラック#3再生信号が入力された直後における繰り返し処理の初回において、マルチトラックソフト干渉キャンセラ151は、入力されたトラック#1再生信号、トラック#2リリード再生信号、トラック#3再生信号をそのままTDPRフィルタ152に入力する。トラック#1再生信号、トラック#2リリード再生信号、トラック#3再生信号が入力されたTDPRフィルタ152は、入力されたトラック#1再生信号、トラック#2リリード再生信号、トラック#3再生信号を一括して処理し、トラック#2リリード再生信号からトラック#1及び#3による干渉成分を抑圧してトラック#2に書き込まれた記録信号を検出する。そして、TDPRフィルタ152は、検出された信号(TDPRフィルタ出力信号)をMax−log−MAP検出器153に入力する。
【0079】
TDPRフィルタ出力信号が入力されると、Max−log−MAP検出器153は、入力されたTDPRフィルタ出力信号を用いてトレリス遷移のブランチメトリックを求め、このブランチメトリックからパスメトリックを計算してトレリス状態毎の生き残りパスを選択する。そして、Max−log−MAP検出器153は、選択した生き残りパスのパスメトリックをP/S変換器154に入力する。また、トラック#Nに対応するマルチトラックソフト干渉キャンセラ151、TDPRフィルタ152、Max−log−MAP検出器153も同様に動作し、P/S変換器154には、トラック#2及び#Nに書き込まれた部分書き込みデータに対応するパスメトリックが入力される。さらに、P/S変換器154には、ビット列が正しく復号された際のトラック#1及び#3〜#N−1に書き込まれた部分書き込みデータに対応するパスメトリックも入力される。
【0080】
P/S変換器154は、トラック#1〜#Nに書き込まれた部分書き込みデータに対応するパスメトリックを並直列変換し、デインターリーバ155に入力する。デインターリーバ155は、生き残りパスのパスメトリックにデインターリーブを施し、LDPC復号器156に入力する。LDPC復号器156は、LDPC符号を用いて誤り検出符号化書き込みデータのビット列を復号する。その後、硬判定部957による硬判定後のビット列は、ソート部134に入力され、書き込み信号生成部11のソート部111と同じ方法で各トラックに対応する部分ビット列に分類される。
【0081】
そして、各トラックに対応する部分ビット列は、それぞれ各トラックに対応するCRC復号器135に入力される。各CRC復号器135は、入力された部分ビット列からCRC符号の復号によりビット誤りの残存を検出する。このとき、ビット誤りの残存が検出されなかった部分ビット列、及びこれに対応するパスメトリックは、信号再生部13により保持される。さらに、ビット誤りの残存が検出された部分ビット列に対応するトラックのトラックインデックスが、ヘッド14の制御手段(非図示)に入力される。また、全てのCRC復号器135においてビット誤りが検出されなかった場合、復号されたビット列は、再生データとして上位レイヤへと出力される。
【0082】
スイッチ157は、CRC復号器135によりビット誤りの残存が検出された場合に、LDPC復号器156と、インターリーバ158及び書き込み信号レプリカ生成器160とを接続する。この接続により、LDPC復号器156による復号結果がインターリーバ158及び書き込み信号レプリカ生成器160に入力されるようになる。
【0083】
書き込み信号レプリカ生成器160は、マルチトラックソフト干渉キャンセラ151によるソフト干渉キャンセルに用いる書き込み信号のソフトレプリカを生成する。インターリーバ161は、書き込み信号レプリカ生成器160により生成されたソフトレプリカにインターターリーブを施してS/P変換器162に入力する。S/P変換器162は、入力されたソフトレプリカを直並列変換して書き込みトラック数分の部分レプリカ信号を生成し、対応するマルチトラックソフト干渉キャンセラ151に入力する。部分レプリカ信号が入力された場合、マルチトラックソフト干渉キャンセラ151は、部分レプリカ信号を用いて各再生信号に含まれる干渉成分を抑圧する。
【0084】
但し、リリード前の繰り返し処理においては上記のように全てのトラックについてソフト干渉キャンセリングを実行するが、図7に示すようにリリード後の処理においては正しく復号された部分ビット列が得られているため、信号再生部13は、正しく復号された部分ビット列を利用してハード干渉キャンセリングを実施する。例えば、トラック#m−2、#m、#m+1に対応する部分ビット列にビット誤りが残存し、トラック#m−1及び#m+2に対応する部分ビット列が正しく復号された場合、ハード干渉キャンセリングを併用することで、図10に示すように、トラック#m−1及び#m+2による干渉成分が完全に除去され、より効率的に所望の信号成分を検出できるようになる。なお、図10において、左図最下段に位置する信号成分が、各トラックに対応する信号成分である。
【0085】
上記の信号再生部13は、全てのCRC復号器135においてビット誤りが検出されなくなるまで、或いは、所定回数だけ上記の動作を繰り返し実行する。そして、上記の繰り返し処理によりビット誤りが残存する場合にはリリード処理が実行される。
【0086】
以上、本実施形態に係る信号再生部13の詳細な構成について説明した。上記のように、正しく復号された部分ビット列に関する尤度情報(LLR)を保持しておいたり、当該部分ビット列を利用してハード干渉キャンセリングを実施することで、より効率的かつ精度良く再生データを得ることが可能になる。なお、繰り返し処理においても同様に、上記のようなハード干渉キャンセリングの組み合わせを適用することができる。
【0087】
[2−5:変形例(リリード信号合成方式)]
次に、図8及び図9を参照しながら、本実施形態の一変形例について説明する。
【0088】
上記説明においては、リリード処理を実施した場合に、前回読み出された再生信号をリリード再生信号で置き換える構成を前提に説明を進めてきた。しかし、先に示唆した通り、前回読み出された再生信号とリリード再生信号とを合成(Max−log−MAP検出処理におけるブランチメトリック合成)して利用することも可能である。以下、この変形例(以下、リリード信号合成方式)について説明する。なお、全てのリリード再生信号についてリリード信号合成方式を適用するのではなく、一部のリリード再生信号についてのみリリード信号合成方式を適用するように構成することも可能である。こうした変形についても、当然に本実施形態の技術的範囲に属することは言うまでもない。
【0089】
(2−5−1:読み出し動作の変形部分)
まず、図8を参照しながら、読み出し動作における変形部分について説明する。図8に示すように、リリード処理が実施されると、リリード再生信号がバッファ131に入力される。例えば、トラック#2及び#Nを対象にリリード処理が実施されたものとしよう。この場合、バッファ131には、トラック#2リリード再生信号及びトラック#Nリリード再生信号が入力される。図6の例では、トラック#2リリード再生信号でトラック#2再生信号を置き換え、トラック#Nリリード再生信号でトラック#N再生信号を置き換えていた。しかし、図8の例では、トラック#2再生信号(バッファ#2)及びトラック#N再生信号(バッファ#N)を維持したまま、トラック#2リリード再生信号(バッファ#2’)及びトラック#Nリリード再生信号(バッファ#N’)をバッファ131に蓄積し、これらリリード再生信号及び再生信号を全て同時に2次元記録信号検出・復号部132に向けて出力する。
【0090】
(2−5−2:信号再生部13の変形部分)
この場合、信号再生部13の構成は、図9のように変形される。図9に示すように、Max−log−MAP検出器153の前段には、2系統のマルチトラックソフト干渉キャンセラ151A、151B、及びTDPRフィルタ152A、152Bが設けられる。そして、一方の系統には3つの再生信号が入力され、他方の系統には2つの再生信号及び1つのリリード再生信号が入力される。例えば、トラック#2に対応する系統に注目すると、マルチトラックソフト干渉キャンセラ151Aには、トラック#1再生信号、トラック#2再生信号、トラック#3再生信号が入力される。一方、マルチトラックソフト干渉キャンセラ151Bには、トラック#1再生信号、トラック#2リリード再生信号、トラック#3再生信号が入力される。
【0091】
そして、マルチトラックソフト干渉キャンセラ151A、151B、及びTDPRフィルタ152A、152Bによる処理が実施され、TDPRフィルタ152A、152Bから、それぞれTDPRフィルタ出力信号が出力される。これら2系統分のTDPRフィルタ出力信号は、Max−log−MAP検出器153に入力される。Max−log−MAP検出器153は、各TDPRフィルタ出力信号を用いてトレリス遷移のブランチメトリックを求め、ブランチメトリック合成した後、合成ブランチメトリックからパスメトリックを計算してトレリス状態毎の生き残りパスを選択する。そして、Max−log−MAP検出器153は、選択した生き残りパスのパスメトリックをP/S変換器154に入力する。
【0092】
なお、ブランチメトリック合成の際、リリード再生信号に基づくTDPRフィルタ出力に対応するブランチメトリックに対して、より大きな重み付けをしてもよい。また、上記説明においては、リリード再生信号を利用しない系統に対してもTDPRフィルタ出力信号の生成処理を実行しているが、リリード前の前回処理時に得られたTDPRフィルタ出力信号を保持しておき、これをMax−log−MAP処理に再利用してもよい。
【0093】
以上、本実施形態の一変形例に係るリリード信号合成方式について説明した。
【0094】
<3:効果>
上記の通り、本実施形態によると、各トラックに書き込まれるビット系列毎に誤り検出符号化が施され、また、誤り検出符号のパリティビットが同じトラックに書き込まれるため、誤り訂正後のビット系列に対してトラック毎に誤り検出を行うことが可能になり、誤りが残存するトラックを特定できるようになるという功を奏する。また、特定されたトラックだけを対象にリリードを実施することでリリードすべきトラックの範囲を必要最低限に抑制することが可能になり、スループットの不必要な低下が抑えられるという功を奏する。さらに、誤りの残存するトラックだけを対象に再度の信号検出が実施されるため、2次元記録領域内の全トラックに対して再度の信号検出を実施する場合に比べ、演算量を大幅に抑制することが可能になる。
【0095】
また、誤りが残存していない信頼性の高い復号ビット系列や尤度情報などを利用することで、ビット系列全体の復号時に、より良好な復号特性が得られるという功を奏する。さらに、誤りの無いトラックが得られている場合に、そのトラックの両側隣接トラックについてハード干渉キャンセリングを実施することで、ソフト干渉キャンセリングにより干渉成分を抑制する場合に比較して高い干渉抑制効果が得られるという功を奏する。
【0096】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0097】
10 記録再生装置
11 書き込み信号生成部
111 ソート部
112 CRC符号器
113 デソート部
114 LDPC符号器
115 インターリーバ
116 直並列変換器
117 記録信号変換器
12 記録媒体
13 信号再生部
131 バッファ
132 2次元記録信号検出・復号部
133 硬判定部
134 ソート部
135 CRC復号器
136 リリードトラック選択部
151、151A、151B マルチトラックソフト干渉キャンセラ
152、152A、152B TDPRフィルタ
153 Max−log−MAP検出器
154 P/S変換器
155 デインターリーバ
156 LDPC復号器
157 スイッチ
158 インターリーバ
159 S/P変換器
160 書き込み信号レプリカ生成器
161 インターリーバ
162 S/P変換器
14 ヘッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
書き込み対象のビット系列を書き込みトラック数と同じ数の部分ビット系列に分類する分類手段と、
前記各部分ビット系列を誤り検出符号化して誤り検出符号化部分ビット系列を生成する誤り検出符号化手段と、
前記書き込みトラック数分の誤り検出符号化部分ビット系列全体を誤り訂正符号化して誤り訂正符号化ビット系列を生成する誤り訂正符号化手段と、
前記誤り訂正符号化ビット系列にインターリービングを施すインターリーバと、
インターリービング後の前記誤り訂正符号化ビット系列を直並列変換して前記書き込みトラック数分の書き込みビット系列を生成する直並列変換手段と、
前記各書き込みビット系列を書き込み信号に変換して記録媒体の各トラックに書き込む書き込み手段と、
を備える
ことを特徴とする、記録再生装置。
【請求項2】
前記分類手段は、前記書き込み手段により前記記録媒体の各トラックに前記各書き込みビット系列が書き込まれる際に、同じ前記誤り検出符号化部分ビット系列に対応する前記書き込みビット系列のビットが同じトラックに書き込まれるように前記書き込み対象のビット系列を前記部分ビット系列に分類する
ことを特徴とする、請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項3】
トラック幅よりも幅広な再生ヘッドにより前記記録媒体の複数トラックを同時に走査してマルチトラック再生信号を読み出す読み出し手段と、
前記マルチトラック再生信号から各トラックに書き込まれた書き込み信号を検出し、検出した書き込み信号から書き込みビット系列を復号する信号検出・復号手段と、
前記信号検出・復号手段により復号された各書き込みビット系列について誤り検出を実行する誤り検出手段と、
前記誤り検出手段により残存する誤りが検出された書き込みビット系列に対応するトラックに対して再び前記マルチトラック再生信号を読み出すように前記読み出し手段を制御するリリード制御手段と、
をさらに備える
ことを特徴とする、請求項2に記載の記録再生装置。
【請求項4】
前記信号検出・復号手段は、前記読み出し手段により読み出されたマルチトラック再生信号のうち、前記誤り検出手段により残存する誤りが検出された書き込みビット系列に対応するマルチトラック再生信号を、前記リリード制御手段による制御を受けて前記読み出し手段により再び読み出されたマルチトラック信号に置き換え、再び前記書き込み信号の検出及び前記書き込みビット系列の復号を実行する
ことを特徴とする、請求項3に記載の記録再生装置。
【請求項5】
前記信号検出・復号手段は、前記読み出し手段により読み出されたマルチトラック再生信号のうち、前記誤り検出手段により残存する誤りが検出された書き込みビット系列に対応するマルチトラック再生信号を、前記リリード制御手段による制御を受けて前記読み出し手段により再び読み出されたマルチトラック信号に合成し、合成したマルチトラック信号を用いて再び前記書き込み信号の検出及び前記書き込みビット系列の復号を実行する
ことを特徴とする、請求項3に記載の記録再生装置。
【請求項6】
前記信号検出・復号手段は、前記読み出し手段により読み出されたマルチトラック再生信号のうち、前記誤り検出手段により残存する誤りが検出された書き込みビット系列に対応するマルチトラック再生信号の一部を、前記リリード制御手段による制御を受けて前記読み出し手段により再び読み出されたマルチトラック信号に置き換え、その他の前記誤り検出手段により残存する誤りが検出された書き込みビット系列に対応するマルチトラック再生信号を、前記リリード制御手段による制御を受けて前記読み出し手段により再び読み出されたマルチトラック信号に合成し、置き換えたマルチトラック信号及び合成したマルチトラック信号を用いて、再び前記書き込み信号の検出及び前記書き込みビット系列の復号を実行する
ことを特徴とする、請求項3に記載の記録再生装置。
【請求項7】
前記信号検出・復号手段は、前記誤り検出手段により残存する誤りが検出された書き込みビット系列に対応するマルチトラック再生信号と、前記リリード制御手段による制御を受けて前記読み出し手段により再び読み出されたマルチトラック信号とをブランチメトリック合成する
ことを特徴とする、請求項5又は6に記載の記録再生装置。
【請求項8】
前記信号検出・復号手段は、
前記誤り検出手段により残存する誤りが検出された書き込みビット系列の信号検出及び復号時に得られる尤度に基づいて隣接トラックへの干渉信号のソフトレプリカを生成するソフトレプリカ生成手段と、
前記誤り検出手段により残存する誤りが検出されなかった書き込みビット系列に基づいて隣接トラックへの干渉信号のハードレプリカを生成するハードレプリカ生成手段と、
前記ソフトレプリカ及び前記ハードレプリカを用いて前記マルチトラック再生信号に含まれるトラック間干渉の成分を抑圧する干渉キャンセラと、
を含む
ことを特徴とする、請求項3〜7のいずれか1項に記載の記録再生装置。
【請求項9】
書き込み対象のビット系列を書き込みトラック数と同じ数の部分ビット系列に分類する分類工程と、
前記各部分ビット系列を誤り検出符号化して誤り検出符号化部分ビット系列を生成する誤り検出符号化工程と、
前記書き込みトラック数分の誤り検出符号化部分ビット系列全体を誤り訂正符号化して誤り訂正符号化ビット系列を生成する誤り訂正符号化工程と、
前記誤り訂正符号化ビット系列にインターリービングを施すインターリービング工程と、
インターリービング後の前記誤り訂正符号化ビット系列を直並列変換して前記書き込みトラック数分の書き込みビット系列を生成する直並列変換工程と、
前記各書き込みビット系列を書き込み信号に変換して記録媒体の各トラックに書き込む書き込み工程と、
を含む
ことを特徴とする、記録再生装置における誤り検出符号化方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−101734(P2013−101734A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245720(P2011−245720)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(598045058)株式会社サムスン横浜研究所 (294)
【Fターム(参考)】