説明

記録再生装置、記録再生装置の制御方法、制御プログラム、情報記録媒体及び通信システム

【課題】利用者が、接続権利を取得しておく必要がなく、かつ、通信事業者に個人情報を提供する必要がなく、公衆回線ネットワークを利用する。
【解決手段】通信事業者管理端末300は、記録再生装置1の接続権利を有効化するための識別子を記録再生装置1に割り当て、情報管理サーバ200の接続先を示す接続先情報と、通信料の、記録再生装置1の利用者以外の請求先を示す通信料情報と、を識別子と関連付けて管理している。また、識別子を用いて接続権利を有効化する有効化制御部332と、記録再生装置1との接続を許可する情報管理サーバ200を決定する接続先決定部334と、通信料を通信料情報が示す請求先から徴収する通信料徴収部336と、を備える。記録再生装置1は、光ディスク100又は自装置に識別子が存在するかを確認する識別子確認部26と、その存在が確認された場合に、有効化制御部332に識別子を送信する通信制御部24と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公衆回線ネットワークを提供する通信事業者と、コンテンツを管理する複数のコンテンツサーバと、情報記録媒体に対する情報の記録又は再生を制御することが可能な記録再生装置と、を含む通信システム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、携帯端末等の情報処理装置は、通信事業者が提供する公衆回線ネットワークを利用して、コンテンツやソフトウェア等の各種情報を管理する情報管理サーバとの接続を確立することにより、利用者所望の情報を当該情報管理サーバからダウンロードしている。また、この情報処理装置が、光ディスクに対する情報の記録又は再生を制御することが可能な記録再生装置である場合には、光ディスクに記録されている情報に基づいて、上記の情報管理サーバからの情報配信を実現している。
【0003】
このような情報配信の実現に関する技術としては、例えば特許文献1が挙げられる。特許文献1には、情報管理サーバにアクセスするための特定コード(例えばURL(Uniform Resource Locator))が格納されているROM領域を有する光ディスク、それを用いる情報処理装置が開示されている。情報処理装置は、この光ディスクが挿入されると特定コードを読み出し、所定の通信手段を制御することにより、通信事業者が提供する公衆回線ネットワークを利用して、特定コードが示す接続先の情報管理サーバからの情報配信を受けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−245042号公報(2002年8月30日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、情報処理装置が無線通信ユニットを備えることにより、当該装置による公衆回線ネットワークの利用を可能としているが、この利用を実現するための、当該装置が公衆回線ネットワークに接続するために必要な権利である接続権利の取得方法については、何ら開示していない。
【0006】
通常、通信事業者は、携帯電話機、固定電話機、インターネット等を提供する場合に、接続権利を利用者に与えることで、その利用者に公衆回線ネットワークの利用を許可している。この場合、通信事業者は、接続権利を利用者に提供する代わりに、その利用者から通信料を徴収可能なように、個人情報を取得している。すなわち、利用者は、公衆回線ネットワークを利用するために接続権利を取得する場合には、通信事業者に個人情報を提供する必要がある。
【0007】
つまり、特許文献1では、現状の公衆回線ネットワークの利用状況を鑑みれば、当然ながら、通信事業者が個人情報を取得するシステムとなっているといえ、この場合には、利用者の個人情報が漏洩してしまう虞がある。また、この状況においては、利用者が公衆回線ネットワークを利用するための回線を開設する必要があり、その利用の契約から開設までに時間及び手間がかかるという問題もある。
【0008】
すなわち、特許文献1では、この状況においては、情報処理装置を用いて情報管理サーバから情報配信を受ける前提として、利用者が接続権利を取得しておく必要があり(利用者が通信事業者と予め契約しておく必要があり)、かつ、利用者が通信事業者に個人情報を提供しておく必要があった。この個人情報の提供の必要性から、通信事業者を介して個人情報が漏洩してしまう虞があった。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、その目的は、利用者が、接続権利を取得しておく必要がなく、かつ、通信事業者に個人情報を提供する必要がなく、公衆回線ネットワークを利用して情報管理サーバとの通信を行うことが可能な状態にすることが可能な記録再生装置、記録再生装置の制御方法、制御プログラム、情報記録媒体及び通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る記録再生装置は、上記の課題を解決するために、公衆回線ネットワークを提供する通信事業者と、コンテンツ又はソフトウェアを管理する複数の情報管理サーバと、を含む通信システムにより用いられる、情報記録媒体に対する情報の記録又は再生を制御することが可能な記録再生装置であって、上記通信事業者は、自装置が上記公衆回線ネットワークに接続するために必要な権利である接続権利を有効化するための識別子を、自装置に割り当てるとともに、上記識別子と関連付けて、自装置との接続を許可する情報管理サーバの接続先を示す接続先情報と、上記接続先情報が示す情報管理サーバとの接続による通信料の発生の有無、及び、発生する場合の通信料の、自装置の利用者以外の請求先、を示す通信料情報と、を管理しており、さらに、上記識別子を用いて上記接続権利を有効化する有効化制御手段と、上記複数の情報管理サーバのうち、自装置との接続を許可する情報管理サーバとして、上記接続先情報が示す情報管理サーバに決定する接続先決定手段と、上記有効化制御手段が上記接続権利を有効化している場合に、上記接続先決定手段が決定した情報管理サーバと自装置との接続に対する通信料の発生の有無を判定し、発生している場合には当該通信料を、自装置の利用者を特定するための個人情報を取得することなく、上記通信料情報が示す請求先から徴収する通信料徴収手段と、を備えるものであり、上記記録再生装置は、上記情報記録媒体又は自装置に、上記識別子が存在するか否かを確認する識別子確認手段と、上記識別子確認手段により識別子が存在することが確認された場合に、上記有効化制御手段に、当該識別子を送信する通信制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0011】
本発明に係る記録再生装置の制御方法は、上記の課題を解決するために、公衆回線ネットワークを提供する通信事業者と、コンテンツ又はソフトウェアを管理する複数の情報管理サーバと、を含む通信システムにより用いられる、情報記録媒体に対する情報の記録又は再生を制御することが可能な記録再生装置の制御方法であって、上記通信事業者は、自装置が上記公衆回線ネットワークに接続するために必要な権利である接続権利を有効化するための識別子を、自装置に割り当てるとともに、上記識別子と関連付けて、自装置との接続を許可する情報管理サーバの接続先を示す接続先情報と、上記接続先情報が示す情報管理サーバとの接続による通信料の発生の有無、及び、発生する場合の通信料の、自装置の利用者以外の請求先、を示す通信料情報と、を管理しており、さらに、上記識別子を用いて上記接続権利を有効化する有効化制御手段と、上記複数の情報管理サーバのうち、自装置との接続を許可する情報管理サーバとして、上記接続先情報が示す情報管理サーバに決定する接続先決定手段と、上記有効化制御手段が上記接続権利を有効化している場合に、上記接続先決定手段が決定した情報管理サーバと自装置との接続に対する通信料の発生の有無を判定し、発生している場合には当該通信料を、自装置の利用者を特定するための個人情報を取得することなく、上記通信料情報が示す請求先から徴収する通信料徴収手段と、を備えるものであり、上記記録再生装置の制御方法は、上記情報記録媒体又は自装置に、上記識別子が存在するか否かを確認する識別子確認ステップと、上記識別子確認ステップにより識別子が存在することが確認された場合に、上記有効化制御手段に、当該識別子を送信する通信制御ステップと、を含むことを特徴としている。
【0012】
本発明に係る通信システムは、上記の課題を解決するために、公衆回線ネットワークを提供する通信事業者と、コンテンツ又はソフトウェアを管理する複数の情報管理サーバと、情報記録媒体に対する情報の記録又は再生を制御することが可能な記録再生装置と、を含む通信システムであって、上記通信事業者は、上記記録再生装置が上記公衆回線ネットワークに接続するために必要な権利である接続権利を有効化するための識別子を、当該記録再生装置に割り当てるとともに、上記識別子と関連付けて、上記記録再生装置との接続を許可する情報管理サーバの接続先を示す接続先情報と、上記接続先情報が示す情報管理サーバとの接続による通信料の発生の有無、及び、発生する場合の通信料の、上記記録再生装置の利用者以外の請求先、を示す通信料情報と、を管理しており、さらに、上記識別子を用いて上記接続権利を有効化する有効化制御手段と、上記複数の情報管理サーバのうち、上記記録再生装置との接続を許可する情報管理サーバとして、上記接続先情報が示す情報管理サーバに決定する接続先決定手段と、上記有効化制御手段が上記接続権利を有効化している場合に、上記接続先決定手段が決定した情報管理サーバと上記記録再生装置との接続に対する通信料の発生の有無を判定し、発生している場合には当該通信料を、当該記録再生装置の利用者を特定するための個人情報を取得することなく、上記通信料情報が示す請求先から徴収する通信料徴収手段と、を備え、上記記録再生装置は、上記情報記録媒体又は自装置に、上記識別子が存在するか否かを確認する識別子確認手段と、上記識別子確認手段により識別子が存在することが確認された場合に、上記有効化制御手段に、当該識別子を送信する通信制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0013】
上記構成によれば、記録再生装置が情報管理サーバからコンテンツ又はソフトウェアの取得を実現するために、通信事業者は、記録再生装置が公衆回線ネットワークに接続するために必要な権利である接続権利を有効化するための識別子を、当該記録再生装置に割り当てている。また、通信事業者は、この識別子に関連付けて、(1)情報管理サーバの接続先を示す接続先情報と、(2)情報管理サーバとの通信料の発生の有無、及び、発生する場合の通信料の請求先(自装置の利用者以外)を示す通信料情報と、を管理している。
【0014】
また、通信事業者は、接続先決定手段が、記録再生装置との接続を許可する情報管理サーバとして、識別子に関連付けられた接続先情報が示す情報管理サーバに決定する。これにより、通信事業者は、接続先決定手段が決定した特定の情報管理サーバと記録再生装置とを接続することができるので、記録再生装置に、公衆回線ネットワークを利用した特定の情報管理サーバとの通信を行わせることができる。
【0015】
また、通信事業者は、通信料制御手段が、記録再生装置と特定の情報管理サーバとの接続に対する通信料が発生するか否かを確認している。このため、公衆回線ネットワークを無料提供する場合にも適切に通信料を徴収することができる。また、通信料制御手段は、通信料が発生する場合には、その通信料を、自装置の利用者を特定するための個人情報を取得することなく、通信料情報が示す請求先に請求し、当該請求先から徴収する。このため、通信事業者は、上記の接続により通信料が発生する場合には、その通信料を、自装置の利用者の個人情報を取得することなく、その利用者以外から請求することができる。つまり、通信事業者は、利用者から個人情報が提供されていなくても、その接続にかかる通信料を確実に徴収することができる。
【0016】
このように、通信事業者は、識別子に関連付けて、接続先情報及び通信料情報を管理し、これらの情報に基づいて、記録再生装置の接続権利の有効化と、接続先となる情報管理サーバの決定と、無料/有料及び有料の場合の通信料徴収とを行う。これにより、通信事業者は、自身に利用者の個人情報が提供されていない場合であっても、これらの処理を適切に行うことができるので、記録再生装置と情報管理サーバとを含む通信システムの運営を適切に行うことができる。
【0017】
一方、記録再生装置(その制御方法)では、通信制御手段(通信制御ステップ)は、識別子確認手段(識別子確認ステップ)が、情報記録媒体又は自装置の識別子の存在を確認した場合には、有効化制御手段に、その識別子を送信する。これにより、通信事業者は、識別子を送信した記録再生装置の接続権利を有効化するとともに、この記録再生装置に対して接続を許可する情報管理サーバを決定し、この接続に通信料が発生する場合には、その通信料の徴収先を特定することができる。なお、識別子確認手段による識別子の存在の確認、及び、通信制御手段による識別子の送信(すなわち、有効化制御部による接続権利の有効化)は、記録再生装置の初期設定時又は製造時(利用者が当該装置を購入した時)に行われてもよいし、必要なときだけ行われてもよい。
【0018】
つまり、従来の通信システムでは、現状の公衆回線ネットワークの利用状況を鑑みれば、記録再生装置が公衆回線ネットワークを利用して情報管理サーバとの接続を確立する場合、記録再生装置の利用者は、自身の個人情報を通信事業者に提供することにより、その利用前に、通信事業者から接続権利を取得しておく必要があった。このため、例えば通信事業者の管理に不具合が生じた場合には、その個人情報が外部に漏洩してしまう可能性があった。
【0019】
しかし、本発明の通信システムで用いられる記録再生装置では、通信事業者が、記録再生装置に識別子を割り当てているので、公衆回線ネットワークの利用前に利用者自身が接続権利を取得する必要がない。また、通信事業者は、記録再生装置から識別子を受信することにより接続権利を有効化している場合には、その記録再生装置と接続可能な特定の情報管理サーバとの接続を確立し、利用者が個人情報を提供していなくても、その利用者以外から、その接続にかかる通信料を徴収することができる。つまり、本発明の通信システムでは、通信事業者が記録再生装置に識別子を割り当てることにより、記録再生装置(公衆回線ネットワーク)の利用者は、接続権利を取得することなく、かつ、通信事業者に個人情報を提供することなく、その記録再生装置を用いて、特定の情報管理サーバとの通信を行うことが可能な状態にすることができる。
【0020】
したがって、本発明の通信システム及び記録再生装置(その制御方法)を用いることにより、利用者が、接続権利を取得しておく必要がなく、かつ、通信事業者に個人情報を提供する必要がなく、公衆回線ネットワークを利用して特定の情報管理サーバとの通信を行うことが可能な状態にすることができる。また、利用者が通信事業者に個人情報を提供する必要がないので、通信事業者を介しての個人情報の漏洩を未然に防ぐことができる。
【0021】
なお、「通信事業者」とは、上記の有効化制御手段、接続先決定手段及び通信料徴収手段を備える装置や端末等を指す。
【0022】
なお、個人情報としては、その利用者を特定可能な情報であればよく、例えば、利用者の氏名、住所、電話番号、クレジットカード番号、銀行口座等が挙げられる。一方、挿入される情報記録媒体の媒体固有情報、記録再生装置の装置固有情報、記録再生装置が接続されている公衆回線ネットワークアンテナ位置(少なくともその位置の半径数百mの範囲でしか特定されない)等については、ここで言う個人情報には該当しない。なお、この場合には、情報記録媒体及び記録再生装置の購入時に、通信事業者に対する個人情報の登録が必要ないものとする。
【0023】
本発明に係る記録再生装置では、上記有効化制御手段は、上記接続権利を無効化するものであり、上記通信制御手段は、上記有効化制御手段により接続権利が有効化された後、当該有効化制御手段に、当該接続権利の無効化を要求することが好ましい。
【0024】
上記構成によれば、接続権利が有効化されている場合において、記録再生装置は、当該接続権利の無効化を要求する。この要求を受けることにより、通信事業者は、その接続権利を無効化し、記録再生装置と公衆回線ネットワークとの接続を切断することができる。
【0025】
また、有効化されている接続権利を無効化することができるので、有効化しておく必要のない状況(例えばコンテンツ又はソフトウェアが情報管理サーバから配信されない状況等)において、記録再生装置又は情報記録媒体(記録再生装置に当該媒体が挿入されている場合)の情報が、公衆回線ネットワークを介して漏洩してしまうといった事態を未然に防ぐことができる。
【0026】
本発明に係る記録再生装置では、上記通信制御手段は、上記有効化制御手段により接続権利が無効化された後、上記有効化制御手段に、上記識別子を送信することが好ましい。
【0027】
上記構成によれば、接続権利が無効化されている場合において、記録再生装置は、自装置に割り当てられている識別子を送信する。この識別子を受信することにより、通信事業者は、接続権利を無効化した場合であっても、当該接続権利を再び有効化し、記録再生装置と公衆回線ネットワークとの接続を確立することができる。すなわち、記録再生装置は、接続権利が無効化されている場合であっても、再度その接続権利を有効化することができるので、無効化した後でも公衆回線ネットワークを利用することができる。
【0028】
本発明に係る記録再生装置では、上記通信制御手段は、上記接続先情報が示す情報管理サーバに対して接続要求を行うことが好ましい。
【0029】
上記構成によれば、記録再生装置は、接続先情報が示す情報管理サーバに対する接続要求を行うことにより、その情報管理サーバとの接続を確立し、その情報管理サーバとの情報の送受信を行うことができる。例えば、記録再生装置は、通信制御手段が送信した接続要求のレスポンスとして、情報管理サーバからコンテンツ又はソフトウェアを受信することができる。
【0030】
本発明に係る記録再生装置では、上記通信システムは、上記接続先情報を管理する接続先管理サーバを備えており、上記通信事業者は、上記接続先管理サーバの接続先を示す管理サーバ接続先情報を、上記識別子と関連付けて管理しており、上記管理サーバ接続先情報が示す接続先管理サーバに、上記接続先情報が登録されているか否かを確認する登録確認手段を備え、上記通信制御手段は、上記登録確認手段により上記接続先情報の登録が確認された場合に、当該接続先情報が示す情報管理サーバに対して接続要求を行うことが好ましい。
【0031】
上記構成によれば、記録再生装置は、接続先管理サーバに接続先情報が登録されていることを確認した場合に、この接続先情報が示す情報管理サーバに対する接続要求を行う。つまり、記録再生装置は、接続先管理サーバに接続先情報が登録されていなければ、記録再生装置が公衆回線ネットワークを利用可能な状態であっても、この接続先情報が示す情報管理サーバに対する接続要求を行わない。
【0032】
したがって、記録再生装置は、例えば識別子が書き換えられて、その書き換えられた識別子が通信システムにおいて悪用されるといった、不正な接続を未然に防ぐことができる。
【0033】
本発明に係る記録再生装置では、上記通信制御手段は、上記接続先決定手段が決定した情報管理サーバから配信されるコンテンツ又はソフトウェアを受信するものであり、上記通信制御手段が受信したコンテンツ又はソフトウェアを、上記情報記録媒体に記録する記録制御手段を備えることが好ましい。
【0034】
上記構成によれば、通信制御手段が情報管理サーバから受信したコンテンツ又はソフトウェアを、識別子が記録されている情報記録媒体に記録するので、コンテンツ又はソフトウェアと識別子とをこの情報記録媒体にて一元管理することができる。
【0035】
本発明に係る記録再生装置では、上記通信制御手段は、上記公衆回線ネットワークとの接続を、無線通信により行うことが好ましい。
【0036】
上記構成によれば、記録再生装置は、無線通信により公衆回線ネットワークとの接続を行うので、有線通信と比べ、自装置の設置場所の自由度を高くすることができる。
【0037】
また、上記記録再生装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記の各手段として動作させることにより上記記録再生装置をコンピュータにて実現させる記録再生装置の制御プログラムも、本発明の範疇に入る。
【0038】
上記制御プログラムによれば、コンピュータで上記手段を実現することにより、コンピュータ上で記録再生装置を実現することができる。
【0039】
なお、上記の制御部プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入ってもよい。この記録媒体によれば、当該記録媒体から読み出される制御プログラムを、汎用のコンピュータ上で実現することができる。
【0040】
本発明に係る情報記録媒体は、上記に記載の記録再生装置により用いられる情報記録媒体であって、上記識別子が記録されていることが好ましい。
【0041】
上記構成によれば、記録再生装置に識別子を割り当てるための一手段として、この記録再生装置により用いられる情報記録媒体に識別子を記録している。この情報記録媒体が記録再生装置に挿入されることにより、記録再生装置が識別子を確認でき、その識別子を通信事業者に送信することができる。これにより、通信制御手段は、この情報記録媒体の識別子を用いることにより、記録再生装置の接続権利を有効化することができる。
【0042】
したがって、本発明の情報記録媒体は、本発明の記録再生装置(通信システム)において用いられることにより、利用者が接続権利を取得しておく必要がなく、かつ、通信事業者に個人情報を提供する必要がなく、公衆回線ネットワークを利用して特定の情報管理サーバとの通信を行うことが可能な状態にすることができる。また、利用者が通信事業者に個人情報を提供する必要がないので、通信事業者を介しての個人情報の漏洩を防ぐことができる。
【0043】
本発明に係る情報記録媒体は、情報を読み出すことのみ可能な第1情報記録層と、情報を追記録可能な又は情報を書き換えることが可能な第2情報記録層と、を少なくとも備え、上記第1情報記録層には、上記識別子が記録されており、上記第2情報記録層には、上記接続先情報が示す情報管理サーバから配信されたコンテンツ又はソフトウェアが、上記記録再生装置により記録されることが好ましい。
【0044】
上記構成によれば、第1情報記録層に識別子が記録されているので、その識別子の追記録又は書き換えを行うことができない。このため、情報記録媒体が記録再生装置により利用されるときに、識別子が書き換えられて、その書き換えられた識別子が通信システムにおいて悪用されるといった、不正な接続を未然に防ぐことができる。
【0045】
また、第2情報記録層に、情報管理サーバから配信されたコンテンツ又はソフトウェアが記録される。この場合、コンテンツ又はソフトウェアを、第1情報記録層に識別子が記録されている情報記録媒体に記録することができるので、コンテンツ又はソフトウェアと識別子とをこの情報記録媒体にて一元管理することができる。
【0046】
本発明に係る情報記録媒体は、上記記録再生装置に対して自媒体が上記公衆回線ネットワークを介した商取引を実行させるものであることを認識させ、かつ、当該記録再生装置に当該商取引を実行させるためのトリガとなる動作識別情報が記録されていることが好ましい。
【0047】
上記構成によれば、動作識別情報が記録されているので、記録再生装置は、この動作識別情報を読み出すことにより、商取引を実行させることができる。このため、商取引を実行するためのトリガとなる、記録再生装置と公衆回線ネットワークとを接続するためのプログラムを、情報記録媒体に記録しておく必要はないので、情報記録媒体の記憶容量の増大を図ることができる。
【発明の効果】
【0048】
本発明に係る記録再生装置は、以上のように、上記情報記録媒体又は自装置に、上記識別子が存在するか否かを確認する識別子確認手段と、上記識別子確認手段により上記識別子の存在が確認された場合に、上記有効化制御手段に、当該識別子を送信する通信制御手段と、を備える構成である。
【0049】
また、本発明に係る記録再生装置の制御方法は、以上のように、上記情報記録媒体又は自装置に、上記識別子が存在するか否かを確認する識別子確認ステップと、上記識別子確認ステップにより上記識別子の存在が確認された場合に、上記有効化制御手段に、当該識別子を送信する通信制御ステップと、を含む方法である。
【0050】
また、本発明に係る通信システムでは、以上のように、上記通信事業者は、上記記録再生装置が上記公衆回線ネットワークに接続するために必要な権利である接続権利を有効化するための識別子を、当該記録再生装置に割り当てるとともに、上記識別子と関連付けて、上記記録再生装置との接続を許可する情報管理サーバの接続先を示す接続先情報と、上記接続先情報が示す情報管理サーバとの接続による通信料の発生の有無、及び、発生する場合の通信料の、上記記録再生装置の利用者以外の請求先、を示す通信料情報と、を管理しており、さらに、上記識別子を用いて上記接続権利を有効化する有効化制御手段と、上記複数の情報管理サーバのうち、上記記録再生装置との接続を許可する情報管理サーバとして、上記接続先情報が示す情報管理サーバに決定する接続先決定手段と、上記有効化制御手段が上記接続権利を有効化している場合に、上記接続先決定手段が決定した情報管理サーバと上記記録再生装置との接続に対する通信料の発生の有無を判定し、発生している場合には当該通信料を、当該記録再生装置の利用者を特定するための個人情報を取得することなく、上記通信料情報が示す請求先から徴収する通信料徴収手段と、を備え、上記記録再生装置は、上記情報記録媒体又は自装置に、上記識別子が存在するか否かを確認する識別子確認手段と、上記識別子確認手段により上記識別子の存在が確認された場合に、上記有効化制御手段に、当該識別子を送信する通信制御手段と、を備える構成である。
【0051】
それゆえ、本発明の記録再生装置(その制御方法)及び通信システムは、利用者が、接続権利を取得しておく必要がなく、かつ、利用者が通信事業者に個人情報を提供する必要がなく、公衆回線ネットワークを利用して情報管理サーバとの通信を行うことが可能な状態にすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態に係る記録再生装置の要部構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る通信システムの概略構成の一例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る通信事業者管理端末の概略構成の一例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る光ディスクの各記録層の概略構成の一例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る記録再生装置の概略構成の一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る、記録再生装置の接続権利が事前に有効化されている場合の通信システムの処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態に係る、記録再生装置の接続権利が事前に有効化されている場合の通信システムの別の処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係る、記録再生装置の接続権利が事前に有効化されている場合の通信システムの更なる別の処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態に係る、記録再生装置の接続権利が事前に有効化されている場合の通信システムの更なる別の処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態に係る、記録再生装置の接続権利の有効化及び無効化が切り替え可能な場合の通信システムの処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態に係る、記録再生装置の接続権利の有効化及び無効化が切り替え可能な場合の通信システムの別の処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態に係る、記録再生装置の接続権利の有効化及び無効化が切り替え可能な場合の通信システムの更なる別の処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施形態に係る、記録再生装置の接続権利の有効化及び無効化が切り替え可能な場合の通信システムの更なる別の処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の別の実施形態に係る通信システムの概略構成の一例を示す図である。
【図15】本発明の別の実施形態に係る記録再生装置の要部構成について説明する。
【図16】本発明の別の実施形態に係る、記録再生装置の接続権利が事前に有効化されている場合の通信システムの処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本発明に係る通信システムでは、通信事業者(公衆回線ネットワークを運営している者)は、記録再生装置が接続可能な接続先(情報管理サーバ)を取り決めており、その接続先を示す接続先情報を管理している。また、通信事業者は、接続先の情報管理サーバ運営者と、通信料の支払い方法を取り決めており、その取り決めに従った情報を管理している。この情報とは、接続先情報が示す情報管理サーバとの接続による通信料の発生の有無、及び、発生する場合の通信料の、記録再生装置の利用者以外の請求先を示す通信料情報である。
【0054】
また、通信事業者は、記録再生装置が公衆回線ネットワークに接続するために必要な権利である接続権利を有効化するための識別子を、例えば記録再生装置自身に予め記録される、記録再生装置により用いられる情報記録媒体に予め記録される、又は、記録再生装置自身あるいはその付属品にラベル付けされることにより、記録再生装置に割り当てている。
【0055】
これにより、通信事業者は、自身が割り当てた識別子を記録再生装置から受信することにより、接続権利を有効化し、接続先を決定し、通信料が発生している場合には通信料の徴収を行うことができる。つまり、本発明の通信システムでは、記録再生装置の利用者(つまり公衆回線ネットワークの利用者)は、通信事業者と公衆回線ネットワークを利用するための回線契約を行うことなく、記録再生装置が公衆回線ネットワークの接続権利を有効化することができる。
【0056】
以下、本発明について、図面を参照しながら説明する。説明の便宜上、図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0057】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施の形態(実施形態2〜4についても同様)では、記録再生装置1に、接続権利が有効化された公衆回線ネットワークへの接続が可能な制御部20(通信装置)が搭載されている。すなわち、記録再生装置1の初期設定時又は製造時に、制御部20が、記録再生装置1に割り当てられた識別子の存在が確認できた場合に、その識別子を通信事業者管理端末300に送信することにより、通信事業者管理端末300は、接続権利を有効化し、記録再生装置1の公衆回線ネットワークとの接続を許可する。
【0058】
つまり、本実施の形態では、記録再生装置1の利用者が使用するときには既に接続権利が有効化されている。すなわち、本実施の形態の通信システム400では、記録再生装置1の接続権利が常に有効となっており、記録再生装置1は、いつでも接続先情報が示す情報管理サーバ200に接続することが可能である。
【0059】
また、記録再生装置1は、識別子に関連付けられた接続先情報が示す情報管理サーバ200への接続要求を、例えば利用者の入力指示があったとき、挿入される光ディスク100(情報記録媒体)に記録されている接続先情報を読み出したとき、あるいは、予め設定された配信時間が経過したときに行う。これにより、記録再生装置1は、公衆回線ネットワークを介して情報管理サーバとの接続を確立し、この情報管理サーバ200と情報の送受信を行うことを可能にしている。
【0060】
〔通信システム400の概略構成〕
まず、本実施の形態に係る通信システム400について、図2を用いて説明する。図2は、本実施の形態に係る通信システム400の概略構成の一例を示す図である。図2に示すように、通信システム400は、記録再生装置1、情報管理サーバ200及び通信事業者管理端末300(通信事業者)を備えている。
【0061】
記録再生装置1は、光ディスク100(後述)等のBDやDVD(情報記録媒体)に対する情報の記録又は再生を制御すること、及び、通信事業者管理端末300が提供する公衆回線ネットワークを介して、情報管理サーバ200との情報の送受信を行うことが可能なものである。また、記録再生装置1には、光ディスク100が挿入可能である。なお、記録再生装置1の構成については、図1を用いて後述する。
【0062】
情報管理サーバ200は、コンテンツ又はソフトウェアを管理するものであり、記録再生装置1の接続要求に応じて、そのコンテンツ又はソフトウェアを提供する。このコンテンツとは、例えば動画(映画やテレビ番組)、音楽、ゲームを指し、ソフトウェアとは、例えば記録再生装置1の製造業者により配信される、記録再生装置1を制御するために組み込まれたファームウェアをアップデートするための更新用ファームウェアを指す。また、情報管理サーバ200は、各コンテンツと、コンテンツの再生可能期間、再生可能回数等の付帯情報とを含むコンテンツ情報として管理していてもよい。
【0063】
なお、情報管理サーバ200は、コンテンツ又はソフトウェアの管理、記録再生装置1及び通信事業者管理端末300との情報の送受信等を実現するために、少なくともサーバ通信部、サーバ制御部及びサーバ記憶部(これらは全て不図示)を備えている。
【0064】
また、通信システム400には、複数の情報管理サーバ200が備えられており、通信事業者管理端末300は、記録再生装置1に割り当てた識別子に関連付けられた接続先情報に従って、記録再生装置1が接続可能な情報管理サーバ200を決める。図2では、記録再生装置1が接続可能な1つの情報管理サーバ200を示している。
【0065】
通信事業者管理端末300は、公衆回線ネットワークを提供するものであり、記録再生装置1の接続権利を有効化することにより、接続先となる情報管理サーバ200との通信を行うことを可能にしている。また、通信事業者管理端末300は、記録再生装置1及び情報管理サーバ200の通信状況を管理している。なお、通信事業者管理端末300の構成については、図3を用いて後述する。
【0066】
なお、情報管理サーバ200は、コンテンツを管理している場合にはコンテンツ配信事業者により管理され、更新用ファームウェアを管理している場合には記録再生装置1の製造業者により管理されているが、これに限らず、通信事業者管理端末300により管理されていてもよい。
【0067】
〔通信事業者管理端末300の概略構成〕
次に、本実施の形態に係る通信事業者管理端末300の概略構成について図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態に係る通信事業者管理端末300の概略構成の一例を示す図である。図3に示すように、通信事業者管理端末300は、通信事業者が記録再生装置1及び情報管理サーバ200に提供する公衆回線ネットワークを管理するものであり、端末通信部310、端末記憶部320及び端末制御部330を備えている。
【0068】
端末通信部310は、端末制御部330の制御により、記録再生装置1及び情報管理サーバ200との通信を行うものである。
【0069】
端末記憶部320は、端末制御部330が実行する(1)各部の制御プログラム、(2)OSプログラム、(3)アプリケーションプログラム、および、(4)これらプログラムを実行するときに読み出す各種データを記録するものである。端末記憶部320は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ等の記憶装置によって構成されるものであり、必要に応じてROM(Read Only Memory)フラッシュメモリなどの不揮発性の記憶装置によって構成される。
【0070】
端末記憶部320には、例えば、
(1)記録再生装置1が公衆回線ネットワークに接続するために必要な権利である接続権利を有効化するための識別子と、
(2)記録再生装置1との接続を許可する情報管理サーバ200の接続先を示す接続先情報と、
(3)接続先情報が示す情報管理サーバ200との接続による通信料の発生の有無、及び、発生する場合の通信料の、記録再生装置1の利用者以外の請求先を示す通信料情報と、が記録されている。
【0071】
識別子は、記録再生装置1が公衆回線ネットワークを利用するために割り当てられている。このために、識別子は、例えば、記録再生装置1に記録されている、記録再生装置1により用いられる光ディスク100のROM層104に予め記録されている、又は、記録再生装置1の筐体あるいはその付属品にラベル付けされている。
【0072】
記録再生装置1に識別子が記録されている場合には、記録再生装置1の初期設定時にその存在を確認することができるので、通信事業者管理端末300は、記録再生装置1の接続権利を常に有効にしておくことができる。つまり、記録再生装置1の状態を、いつでも接続先となる情報管理サーバ200に接続可能な状態に保つことができる。
【0073】
光ディスク100に識別子が記録されている場合には、通信事業者管理端末300は、記録再生装置1に光ディスク100が挿入されたときに、記録再生装置1が光ディスク100から読み出した識別子を受信することにより、接続権利を有効化することができる。
【0074】
記録再生装置1の筐体あるいはその付属品にラベル付けされている場合には、利用者が操作部6(後述)を介してその識別子を入力することにより、記録再生装置1がその存在を確認し、通信事業者管理端末300に識別子を送信することができる。このため、通信事業者管理端末300は、その識別子を受信することにより、接続権利を有効化することができる。
【0075】
また、接続先情報及び通信料情報は、識別子と関連付けて端末記憶部320に記憶されることにより、通信事業者管理端末300に管理されている。また、識別子が割り当てられた記録再生装置1の装置固有情報(光ディスク100の媒体固有情報)が、この識別子と関連付けて記憶されている。これにより、記録再生装置1が、割り当てられた識別子の存在を確認し、その識別子を送信するだけで、通信事業者管理端末300は、予め取り決められた請求先への通信料の請求を行うことができる。また、接続先情報は、記録再生装置1が接続先となる情報管理サーバ200に接続要求を行うことができるように、記録再生装置1又は光ディスク100に提供されている。
【0076】
なお、接続先情報及び通信料情報が示す内容(接続先となる情報管理サーバ200や、通信料の発生の有無、通信料の請求先)については、通信事業者と、記録再生装置1の製造業者やコンテンツ配信業者等との間で予め取り決められている。また、光ディスク100がプリペイド式ディスク(実施の形態2)の場合には、通信事業者は、その販売先との間で上記の内容を取り決めている。なお、通信事業者が情報管理サーバ200を管理する場合には、少なくとも通信料情報は、通信事業者自身が取り決めることが可能である。
【0077】
また、接続先情報としては、例えば情報管理サーバ200のURLやIP(Information provider)アドレスが挙げられる。なお、IPアドレスは、時間の経過により変更される可能性が高いが、URLは、情報管理サーバ200がインターネット上に存在する場合には、DNS(Domain Name System)サーバにより最新のIPアドレスに自動変換される。この点を考慮すれば、接続先情報がURLであることが好ましい。
【0078】
端末制御部330は、主として、有効化制御部332(有効化制御手段)、接続先決定部334(接続先決定手段)及び通信料徴収部336(通信料徴収手段)を備え、例えば制御プログラムを実行することにより、通信事業者管理端末300を構成する部材(通信事業者管理端末300の動作全体)を制御するものである。端末制御部330は、端末記憶部320に格納されているプログラムを、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される一次記憶部(不図示)に必要に応じて読み出して実行することにより各種処理を行う。
【0079】
なお、上記の一次記憶部は、RAMなどの揮発性の記憶装置によって構成されているが、本実施の形態では、端末記憶部320が一次記憶部(バッファ)の機能も備えているものとして説明する場合もある。
【0080】
有効化制御部332は、記録再生装置から送信される識別子を用いて接続権利を有効化するものである。有効化制御部332は、例えば、記録再生装置1あるいは光ディスク100に記録されている、又は利用者により入力される識別子(すなわち記録再生装置1に割り当てられた識別子)を記録再生装置1から受信すると、端末記憶部320に記憶されている識別子と照合し、これらの識別子が一致した場合に、記録再生装置1の接続権利を有効化する。
【0081】
また、有効化制御部332は、自身の判断に基づき、あるいは、記録再生装置1から接続権利の無効化が要求された場合に、有効化されている接続権利を無効化する。自身の判断に基づく場合としては、例えば情報管理サーバ200との取り決めにより設定された接続時間が経過した場合などが挙げられる。また、記録再生装置1が無効化を要求する場合としては、操作部6(後述)を介して、利用者による無効化する旨を示す入力を受け付けた場合や、記録再生装置1に予め設定された配信時刻あるいは配信時間が経過した場合などが挙げられる。なお、接続権利が無効化されるときの通信システム400における処理については、実施形態5〜8にて説明する。
【0082】
接続先決定部334は、通信システム400に備えられた複数の情報管理サーバ200のうち、記録再生装置1との接続を許可する情報管理サーバとして、接続先情報が示す情報管理サーバに決定するものである。接続先決定部334は、例えば、上記と同様、記録再生装置1が送信する識別子を、端末記憶部320に記憶されている識別子と照合することにより、接続先となる情報管理サーバ200を決定する。これにより、記録再生装置1が接続可能な情報管理サーバ200を特定し、記録再生装置1にこの情報管理サーバ200を限定的に使用させることができる。
【0083】
通信料徴収部336は、接続先決定部334が決定した情報管理サーバ200と記録再生装置1との接続に対する通信料の発生の有無を判定し、発生している場合には当該通信料を、記録再生装置1の利用者を特定するための個人情報を取得することなく、通信料情報が示す請求先から徴収するものである。通信料徴収部336は、例えば、上記と同様、記録再生装置1が送信する識別子を、端末記憶部320に記憶されている識別子と照合することにより、請求先を特定しておく。そして、例えば記録再生装置1と情報管理サーバ200との通信が完了したときに、その請求先に通信料を請求し、その請求先から徴収する。
【0084】
なお、通信料徴収部336は、記録再生装置1から受信した識別子に関連付けられた通信料情報(コンテンツ料及び通信料の請求先)を確認することにより、「記録再生装置1の利用者を特定するための個人情報を取得することなく」その請求先からコンテンツ料及び通信料を徴収する。また、実施の形態2の通信事業者がプリペイド式ディスクを販売することや、実施の形態3、4、7及び8の記録再生装置1に更新用ファームウェアを提供する情報管理サーバ200を請求先とすることによっても、通信料徴収部336は、「記録再生装置1の利用者を特定するための個人情報を取得することなく」その請求先からコンテンツ料及び通信料を徴収する。
【0085】
以上のように、通信事業者管理端末300は、記録再生装置1に識別子を割り当てることにより、利用者が接続権利を取得しておく必要がなく、かつ、通信事業者管理端末300に個人情報を提供する必要がなく、記録再生装置1の状態を、公衆回線ネットワークを利用して特定の情報管理サーバ200との通信を行うことが可能な状態にすることを可能にしている。
【0086】
〔光ディスク100の概略構成〕
次に、光ディスク100の各記録層の概略構成を、図4を用いて説明する。図4は、光ディスク100の各記録層の概略構成の一例を示す図である。なお、以下の説明において、光ディスク(情報記録媒体)100が有する層として、再生専用の記録層(情報記録層)をROM(Read Only Memory)層(第1情報記録層)と呼び、書き換え可能な記録層(情報記録層)をRE(RE-writable)層(第2情報記録層)と呼び、追記録可能な記録層をR(Recordable)層(第2情報記録層)と呼ぶ。
【0087】
図4に示すように、光ディスク100は、基板101、RE層102、透明樹脂からなる中間層103、ROM層104、カバー層105がその順に積層されてなり、通常、カバー層105側から再生光が入射される。
【0088】
RE層102には、BCA領域(管理領域)102a、リードイン領域102b、ユーザデータ領域102c、及びリードアウト領域102dが設けられている。同様に、ROM層104には、BCA領域(管理領域)104a、リードイン領域104b、ユーザデータ領域104c、及びリードアウト領域104dが設けられている。
【0089】
なお、同図では、光ディスク100は、RE層102およびROM層104をそれぞれ1層ずつ備えるものとして説明している。しかしながら、光ディスク100は、RE層102およびROM層104を複数層備える構成で実現されてもよい。換言すれば、光ディスク100は、情報を読み出すことのみ可能なROM層104と、情報を追記録可能な又は情報を書き換えることが可能なR層又はRE層102と、を少なくとも備えるものである。また、RE層102およびROM層104が積層される順序は、同図に記載された順序に限られず、任意に決めることができる。
【0090】
さらに、同図では、BCA領域は、RE層102およびROM層104の両方に存在している。しかしながら、BCA領域は、何れか一方の層にのみ存在してもよい。
【0091】
BCA領域102a・104aは、光ディスク100の最内周で、トラッキング制御が不要な領域またはフォーカス制御のみでアクセス可能なバーコード状の記録領域である。BCA領域102a・104aは、コンテンツ等の情報が記録されている一般的な記録マークと比較すると桁違いに大きいマーク形状を有し、通常の記録再生装置では情報の書き換えはできない。従って、BCA領域102a・104aは、製造時にのみ情報の書き込みを行うことが可能な領域(すなわち書き換え不可能な領域)と言える。BCA領域102a・104aにおける各識別情報の記録順序(又は配置方法)は、通常規格などによって決められている。記録再生装置1では、光ディスク100が挿入されると、まずBCA領域102a・104aの情報を読み取りにいくように設計されている。
【0092】
そのBCA領域102a・104aには、複数の光ディスク100に共通する媒体共通情報が記録される。媒体共通情報の具体例としては、光ディスク100の記録層のタイプ(再生専用型、追記型、書き換え型)、光ディスク100のサイズ、光ディスク100の規格バージョンが挙げられる。さらに、BCA領域102a・104aには、個々の光ディスク100に固有の情報である媒体固有情報が記録される。
【0093】
ROM層104のBCA領域104aには、通信事業者管理端末300が記録再生装置1に割り当てるための識別子が、通信事業者管理端末300により記録されている。これにより、記録再生装置1は、光ディスク100が挿入されたときに、光ディスク100の識別子を通信事業者管理端末300に送信することにより、接続先となる情報管理サーバ200との通信のために公衆回線ネットワークを利用することができる。
【0094】
また、識別子がROM層104に記録されているので、その識別子の追記録又は書き換えを行うことができない。このため、記録再生装置1が光ディスク100を利用する場合に、識別子が書き換えられて、その書き換えられた識別子が通信システム400において悪用されるといった、識別子の不正利用を未然に防ぐことができる。
【0095】
なお、動作識別情報がROM層104のBCA領域104aに記録されていてもよい。動作識別情報とは、記録再生装置1に対して光ディスク100が公衆回線ネットワークを介した商取引を実行させるものであることを認識させ、かつ、記録再生装置1にその商取引を実行させるためのトリガとなるものである。
【0096】
動作識別情報が光ディスク100に記録されている場合、記録再生装置1の制御部20は、この動作識別情報を読み出すことにより、商取引(情報管理サーバ200からのコンテンツのダウンロード等)を実行させることができる。このため、商取引を実行するためのトリガとなる、記録再生装置1と公衆回線ネットワークとを接続するための接続プログラムを、光ディスク100のROM層104に記録しておく必要はないので、光ディスク100の記憶容量の増大を図ることができる。この場合には、記録再生装置1にこの接続プログラムが格納されており、制御部20は、光ディスク100から動作識別情報を読み出すことにより、この接続プログラムを起動させる。
【0097】
リードイン領域102b・104bは、光ディスク100においてBCA領域102a・104aの外周側に、記録層ごとに設けられた領域である。また、リードイン領域102b・104bには、製造時にのみ情報の書き込みを行うことが可能な領域(すなわち書き換え不可能な領域)だけでなく、追記型や書き換え型の場合には、記録再生装置1に挿入された後に情報の追記録あるいは書き換えを行うことが可能な領域が設けられている。リードイン領域102b・104bには、例えば光ディスク100への記録・再生の標準条件、各層に対する記録再生装置1のアクセスの許可不許可(アクセス制限)を示す情報、製造時の欠陥および使用中にできた欠陥の位置を示す情報などが記録される。
【0098】
ユーザデータ領域102c・104cは、OS(Operating System)などの基本ソフト、アプリケーション、あるいはコンテンツ、及び、それらに付随する利用者データ(個人情報)など、様々な情報が記録されている(または記録可能な)領域である。また、これらの情報が記録されている位置・アドレスや、複数の情報の相関関係(ファイル、ディレクトリのルート)などの管理情報も記録されている。
【0099】
本実施の形態では、例えばROM層104のユーザデータ領域104cには、ディスクサプライヤーが用意したアプリケーションやコンテンツ等が記録されている。具体的には、ユーザデータ領域104cには、記録再生装置1と公衆回線ネットワークとを接続するための接続プログラム等が記録されている。また、実施の形態2及び6では、ユーザデータ領域104cには、この他、情報管理サーバ200で利用可能なコンテンツの一覧(カタログ)、あるいは、コンテンツの一部(サンプル映像やデモ版)、コンテンツの利用可能金額等が記録されている。
【0100】
なお、コンテンツの一覧(カタログ)は、情報管理サーバ200からRE層102にダウンロードしてもよい。このとき、情報管理サーバ200に記録されている動画(映画やテレビ番組)、音楽、ゲーム等のコンテンツ情報、および当該コンテンツ情報に含まれる付帯情報が、随時最新版に更新される構成で実現されているのであれば、情報管理サーバ200および光ディスク100のRE層102(ユーザデータ領域102c)に記録されるコンテンツはそれぞれ、定期的に最新版に更新されることになる。この場合、プリペイド(前払い)式光ディスクを利用した通信システム400の利用者にとって、極めて利用性の高い光ディスク100が提供されることになる。
【0101】
一方、RE層102のユーザデータ領域102cには、利用者がダウンロードしたコンテンツや、アプリケーションのバージョンアップ情報(更新用ファームウェア)、また、これに付随する利用者データなどが記録再生装置1によって記録される。さらに、RE層102のユーザデータ領域102cには、記録再生装置1の接続履歴や支払い履歴等、光ディスク100が利用されるときに更新される可能性のある情報が記録される。また、実施の形態2及び6では、ユーザデータ領域102cには、この他、コンテンツの利用履歴(ダウンロード履歴)、プリペイド額の利用額残高(残額情報)、合計利用金額等が記録される。なお、これらの情報は、公衆回線ネットワークを介して、情報管理サーバ200から取得したものを記録再生装置1がRE層102のユーザデータ領域102cに記録することにより実現される。つまり、これらの情報が情報管理サーバ200により管理されていてもよい。
【0102】
すなわち、光ディスク100のRE層102には、接続先情報が示す情報管理サーバ200から配信されたコンテンツ又は更新用ファームウェア(ソフトウェア)が、記録再生装置1により記録される。この場合、このコンテンツ又は更新用ファームウェアを、識別子が記録されている光ディスク100に記録することができるので、コンテンツ又は更新用ファームウェアと識別子とをこの光ディスク100にて一元管理することができる。
【0103】
リードアウト領域102d・104dは、通常、光ディスク100の各層の最外周側に設けられており、記録層の終了位置を示すものである。
【0104】
なお、光ディスク100のBCA領域に記録される情報の少なくとも一部を情報管理サーバ200に記憶させる構成も可能である。その場合、当該情報は、光ディスク100の媒体固有情報によって管理されればよい。この構成とすることにより、光ディスク100のBCA領域の記録容量を小さくすることができ、その分だけ、ユーザデータ領域102c等の他の領域の記録容量を大きくすることができる。
【0105】
以上、光ディスク100について説明した。ここで、光ディスク100として、例えば、DVD規格やBlu−ray(登録商標)規格の光ディスクであり、DVD規格の記録型ディスク(DVD-R・DVD-RW・DVD-RAM・DVD-R DL)のCPRM対応ディスクおよびDVD−ROMディスクと、Blu−ray規格の記録型ディスク(BD-RE、BD-R)やBD−ROMディスクを用いることができる。また、上記では、光ディスク100がRE層102を備える場合について説明したが、これに限らず、ROM層104のみを備える構成であってもよい。この場合、例えば、実施の形態2のように光ディスク100がプリペイド式ディスクではなく、情報管理サーバ200から受信したコンテンツ又は更新用ファームウェアを記録再生装置1の格納部4又は外付けのメモリ5に記録し、光ディスク100に記録しないことが前提となる。
【0106】
〔記録再生装置1の概略構成〕
次に、図1及び図5を用いて、本実施の形態に係る記録再生装置1の内部構成について説明する。図1は、記録再生装置1の要部構成の一例を示す図である。また、図5は、記録再生装置1の概略構成の一例を示す図である。
【0107】
図5に示すように、記録再生装置1は、主としてスピンドル2、ディスク装填認識部3、格納部4、記録再生回路群10、光ピックアップ12、制御部20及び計時部32を備えている。また、記録再生回路群10は、主としてピックアップ駆動回路13、レーザ駆動回路14、検出回路15及びスピンドル回路16を備えている。
【0108】
スピンドル2は、光ディスク100を固定して回転させるためのものである。
【0109】
ディスク装填認識部3は、光ディスク100の装填を検出するためのものであり、例えば、各種センサが例示できるが、光ディスク100の装填を検出できるものであれば、どのようなセンサを用いても良い。また、ディスク装填認識部3は、検出した結果を検出信号として制御部20に出力するようになっている。
【0110】
格納部4は、制御部20が実行する(1)各部の制御プログラム、(2)OSプログラム、(3)アプリケーションプログラム、および、(4)これらプログラムを実行するときに読み出す各種データを記録するものである。格納部4は、例えばROM(Read Only Memory)フラッシュメモリなどの不揮発性の記憶装置によって構成されるものである。格納部4には、例えば通信事業者管理端末300により提供された識別子や、更新用ファームウェアの配信時刻や配信時間等が記録されており、また、情報管理サーバ200から配信されたコンテンツ又は更新用ファームウェアが記録される。
【0111】
記録再生回路群10は、スピンドル2や光ピックアップ12を駆動するためのものであり、主としてピックアップ駆動回路13、レーザ駆動回路14、検出回路15、及びスピンドル回路16を備えている。
【0112】
ピックアップ駆動回路13は、光ピックアップ12全体を、光ディスク100の所望の記録・再生部位へ移動させるためのものである。さらに、該記録・再生部位におけるフォーカスおよびトラッキング制御のために、光ピックアップ12内のアクチュエータ(不図示)を動作させるためのものである。
【0113】
レーザ駆動回路14は、光ディスク100に照射する光の強度を、記録・再生などに適した強度にするよう、光ピックアップ12内のレーザ(図示せず)を動作させるためのものである。
【0114】
検出回路15は、光ディスク100から反射される光を検出するためのものであり、主に、フォーカスおよびトラッキングのために、ピックアップ駆動回路13へフィードバックされるサーボ信号と、光ディスク100の情報を含むRF信号を生成する。また、光ピックアップ12から出射される光の強度を一定に保つため、光ピックアップ12の一部から反射された光を検出し、レーザ駆動回路14へフィードバックされるサーボ信号も生成する。
【0115】
スピンドル回路16は、制御部20から駆動の指示があると、スピンドル2、すなわち光ディスク100を最適な回転速度で回転させるためのものである。具体的には、制御部20は、ディスク装填認識部3からの検出信号を受信した場合や、操作部6による入力指示(再生指示など)を受け付けた場合に、スピンドル回路16に駆動の指示を行う。
【0116】
光ピックアップ12は、レーザから出射される光を光ディスク100へ集光するとともに、光ディスク100からの反射光を分岐し、検出回路15まで導くための光学系である。
【0117】
計時部32は、計時制御部30の制御を受けて、時刻または時間の計時を行うものである。
【0118】
また、制御部20は、主として、図1に示すように、記録再生回路制御部22(記録制御手段)、通信制御部24(通信制御手段)、識別子確認部26(識別子確認手段)、更新制御部28及び計時制御部30を備え、例えば制御プログラムを実行することにより、記録再生装置1を構成する部材(記録再生装置1の動作全体)を制御するものである。制御部20は、記録再生装置1に備えられた格納部4に格納されているプログラムを、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される一次記憶部(不図示)に必要に応じて読み出して実行することにより各種処理を行う。ここで、制御部20の要部構成について説明する。
【0119】
記録再生回路制御部22は、記録再生回路群10を制御するためのものであり、例えば、操作部6を介して利用者により入力された指示を、記録再生回路群10への入力信号に変換する。また、記録再生回路群10から得られたRF信号をもとに映像信号や音声信号を生成し、表示装置7へ入力する。これらの動作は、例えば処理速度や容量などの問題から、メモリ5を経由して行われる場合もある。また、記録再生装置1とのやり取りにインターネット回線を利用する場合は、インターネット端末装置(不図示)を経由して行われる。
【0120】
記録再生回路制御部22は、上記の動作を行うことにより、例えば、通信制御部24が情報管理サーバ200から受信したコンテンツ又は更新用ファームウェアを、通信制御部24からの指示を受けて、光ディスク100に記録するものである。この場合、通信制御部24が情報管理サーバ200から受信したコンテンツ又は更新用ファームウェアを、識別子が記録されている光ディスク100に記録するので、コンテンツ又は更新用ファームウェアと識別子とをこの光ディスク100にて一元管理することができる。
【0121】
通信制御部24は、識別子確認部26により識別子が存在することが確認された場合に、識別子確認部26からその識別子を受信し、通信事業者管理端末300の有効化制御部332に、当該識別子を送信するものである。これにより、有効化制御部332は、記録再生装置1の指示により、接続権利を有効化し、記録再生装置1と公衆回線ネットワークとの接続を確立することができる。
【0122】
通信制御部24は、例えば、利用者の入力指示(例えば接続/切断切り替えアイコンのクリック)、又は、光ディスク100に識別子が記録されている場合にはその識別子の読み取り動作をトリガとして、有効化制御部332に識別子を送信する。
【0123】
例えば、利用者の入力指示又は光ディスク100の挿入をトリガにする場合には、利用者が公衆回線ネットワークの利用を所望した場合(利用者が接続権利を有効化しておく必要があると判断した場合)にだけ、識別子を有効化制御部332に送信することにより、公衆回線ネットワークとの接続を確立することができる。
【0124】
また、通信制御部24は、接続先情報が示す情報管理サーバ200に対して接続要求を行うものである。情報管理サーバ200は、接続権利が有効化されている場合には、この接続要求を受けることができるので、この接続要求に対するレスポンスとして、情報管理サーバ200が管理するコンテンツ又は更新用ファームウェアを記録再生装置1に送信することができる。すなわち、記録再生装置1は、送信した接続要求のレスポンスとして、情報管理サーバ200からコンテンツ又は更新用ファームウェアを受信することができる。
【0125】
また、例えばコンテンツ配信の場合で、かつ、そのコンテンツ料及び通信料の支払い履歴を情報管理サーバ200が管理する場合には、通信制御部24は、その支払い履歴を示す情報を情報管理サーバ200に送信することができる。
【0126】
つまり、通信制御部24は、接続権利が有効化されている場合に、接続先情報が示す情報管理サーバ200に対する接続要求を行うことにより、その情報管理サーバ200との接続を確立し、その情報管理サーバ200との情報の送受信を行うことができる。
【0127】
なお、通信制御部24は、例えば、利用者の入力指示(例えばコンテンツを示すアイコンのクリック)、光ディスク100に接続先情報が記録されている場合にはその接続先情報の読み取り動作あるいは排出動作、又は、配信時間経過をトリガとして、この接続要求を行う。
【0128】
接続要求を利用者の入力指示、又は、光ディスク100の挿入や排出をトリガにする場合には、接続先となる情報管理サーバ200に接続するかどうかを利用者の判断に委ねることができる。このため、例えば、複数のコンテンツ又は更新用ファームウェアを取得可能な場合に、利用者は、その内容を確認した上で、所望のコンテンツ等を選択することができる。
【0129】
一方、配信時間経過をトリガとする場合(情報管理サーバ200が更新用ファームウェアを自動配信するような場合)には、設定された時間経過後、接続先情報が示す情報管理サーバ200に対する接続要求を行うことにより、自動配信時に確実にその情報管理サーバ200との接続を確立することができる。
【0130】
また、通信制御部24は、外部から受信したデータ(情報管理サーバ200から受信したコンテンツ又は更新用ファームウェア)を光ディスク100に記録するように、記録再生回路制御部22に指示するものである。
【0131】
また、通信制御部24は、公衆回線ネットワークとの接続を、無線通信により行うものであってもよい。この場合、通信制御部24が制御するハードウェア(不図示)としては、例えばRF(Radio Frequency)信号を送受信するためのアンテナモジュールが挙げられる。また、通信制御部24がこのアンテナモジュールを制御するために、格納部4には、その送受信の制御手順や信号処理手順等が格納される。なお、利用される無線通信としては、電波を用いた通信の他、光を用いた光無線通信等も挙げられる。
【0132】
この構成により、利用者は、記録再生装置1を、少なくとも公衆回線ネットワークとの接続が可能な範囲内であればどこにでも設置することができる。つまり、有線接続に比べ、記録再生装置1の設置場所の自由度を高くすることができる。なお、例えば、携帯電話機の無線通信において利用される3G(第3世代携帯電話)ネットワークが、公衆回線ネットワークとの接続において用いられる場合には、記録再生装置1を建物内のほとんどの場所に設置することができる。
【0133】
識別子確認部26は、識別子が存在するか否かを確認するものである。具体的には、識別子確認部26は、識別子が、格納部4に記録されているか(利用者の入力により一時的に格納部4に格納された場合を含む)、又は、光ディスク100が挿入されている場合にはその光ディスク100内に記録されているかを確認することにより、その存在を確認する。識別子確認部26は、識別子が格納部4又は光ディスク100に記録されていることを確認した場合には、その識別子を通信制御部24に送信する。
【0134】
なお、本実施の形態(実施の形態2〜4でも同様)では、記録再生装置1の初期設定時に、識別子確認部26が識別子の存在を確認した場合には、その識別子を有効化制御部332に送信する。これに限らず、記録再生装置1の製造段階において、上記の確認及び通信事業者管理端末300への送信が行われていてもよい。つまり、利用者が記録再生装置1の使用を開始する時点あるいは記録再生装置1を購入した時点で、通信事業者管理端末300が提供する公衆回線ネットワークに接続可能な状態となっていればよい。
【0135】
更新制御部28は、更新用ファームウェアを情報管理サーバ200から受信する場合の制御を行うものである。更新制御部28は、操作部6を介して、更新用ファームウェアを取得する旨の入力指示を受けると、通信制御部24に情報管理サーバ200(更新用ファームウェアを管理するサーバ)と通信を行うように指示する。あるいは、更新制御部28は、計時制御部30からの通知を受けた場合に、通信制御部24にこの指示を行う。
【0136】
計時制御部30は、計時部32による時刻または時間の計時を制御するものである。計時制御部30は、例えば格納部4に記憶されている更新用ファームウェアの配信時刻になったときに、その旨を更新制御部28に通知する、あるいは、格納部4に記憶されている配信時間を経過したときに、その旨を更新制御部28に通知する。この配信時間とは、更新用ファームウェアが配信される時間間隔を示すものである。なお、配信時刻及び配信時間は、例えば記録再生装置1の製造時に設定されてもよいし、情報管理サーバ200により通知されたものを格納部4に記憶しておいてもよい。
【0137】
なお、制御部20の更新制御部28及び計時制御部30、計時部32、並びに、格納部4に記録されている配信時刻や配信時間は、情報管理サーバ200から更新用ファームウェアが配信されるときに用いられるものである。このため、記録再生装置1が情報管理サーバ200から更新用ファームウェアをダウンロードしない構成(例えばコンテンツをダウンロードする構成)の場合には、これらの構成及び情報は必須ではない。
【0138】
以上、記録再生装置1について説明した。ここで、一般的に、記録再生装置1には、メモリ5、操作部6、表示装置7、インターネット端末装置(不図示)等が付設される。この場合、記録再生装置1の制御部20が装置内部だけでなく、メモリ5、操作部6、表示装置7等の外部機器とのやり取りを全般的に担うためのものでもある。以下、これらについて説明する。なお、メモリ5、操作部6、表示装置7等は、記録再生装置1の内部に含まれた構成で実現されてもよい。
【0139】
メモリ5は、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリやHDD等の外付けの(取り外し可能な)補助記憶装置として機能するものであり、格納部4に格納された各種プログラムやデータの一部を格納できるものである。なお、メモリ5は、これに限らず、例えばRAM等で構成してよく、光ディスク100のROM層、RE層、あるいはR層から読み出した情報、外部から取得した情報等を一時的に記憶するものであってもよい。
【0140】
操作部6は、利用者が記録再生装置1を動作させるための指示信号を入力するものであり、例えば、記録再生装置1を遠隔操作するリモコンや、記録再生装置1自体に設けられた操作ボタン、あるいは、記録再生装置1に接続された、マウスやキーボードなどで構成されている。操作部6を用いて利用者により入力された指示信号は、図示しない入出力制御部を介して、上述の機能ブロック各部に送られる。これにより、利用者は記録再生装置1を操作することが可能となる。
【0141】
表示装置7は、各種情報(データ)を出力するものであり、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイパネル)、またはCRT(cathode-ray tube)ディスプレイ等の表示装置で構成される。
【0142】
なお、記録再生装置1がインターネットと接続可能である場合には、制御部20が制御するインターネット端末装置が付設されていてもよい。
【0143】
また、情報管理サーバ200がコンテンツと関連付けて、コンテンツの再生の許諾を示す再生許諾情報を管理している場合には、通信制御部24は、コンテンツとともに再生許諾情報を受信し、この再生許諾情報に基づいて、コンテンツの再生を許諾する構成であってもよい。これにより、通信制御部24が許諾したコンテンツのみを再生の対象とすることができる。
【0144】
さらに、情報管理サーバ200がコンテンツと関連付けて、コンテンツの消去の許諾を示す消去許諾情報を管理している場合には、通信制御部24は、コンテンツとともに消去許諾情報を受信し、この消去許諾情報に基づいて、コンテンツの消去を許諾する構成であってもよい。これにより、情報管理サーバ200からダウンロードしたコンテンツの消去を許諾することができる。
【0145】
なお、再生許諾情報とは、ダウンロードしたコンテンツの再生を許諾するかどうかを示す情報である。また、消去許諾情報とは、ダウンロードしたコンテンツの消去を許諾するかどうかを示す情報である。
【0146】
ここで、再生許諾情報は、利用者がダウンロードしたコンテンツの再生可能期間に関する情報であってよい。この場合、再生許諾情報は、コンテンツを再生する時刻が再生可能期間内であればコンテンツの再生を許諾し、コンテンツを再生する時刻が再生可能期間外であればコンテンツの再生を許諾しないことを示す情報となる。
【0147】
あるいは、再生許諾情報は、利用者がダウンロードしたコンテンツの再生可能回数に関する情報であってよい。この場合、再生許諾情報は、再生回数が再生可能回数以内であればコンテンツの再生を許諾し、再生回数が再生可能回数を超えていればコンテンツの再生を許諾しないことを示す情報となる。
【0148】
このように、再生許諾情報は、利用者がダウンロードしたコンテンツの再生の許諾を示す情報として、いくつかの定義で規定されうるものである。
【0149】
同様に、消去許諾情報は、利用者がダウンロードしたコンテンツの再生可能期間に関する情報であってよい。この場合、消去許諾情報は、コンテンツを再生する時刻が再生可能期間内であればコンテンツの消去を許諾せず、コンテンツを再生する時刻が再生可能期間外であればコンテンツの消去を許諾することを示す情報となる。
【0150】
あるいは、消去許諾情報は、利用者がダウンロードしたコンテンツの再生可能回数に関する情報であってよい。この場合、消去許諾情報は、再生回数が再生可能回数以内であればコンテンツの消去を許諾せず、再生回数が再生可能回数を超えていればコンテンツの消去を許諾することを示す情報となる。
【0151】
このように、消去許諾情報は、利用者がダウンロードしたコンテンツの消去の許諾を示す情報として、いくつかの定義で規定されうるものである。
【0152】
〔通信システム400における処理(その1)〕
次に、図6を用いて、通信システム400における処理、特に接続権利が事前に有効化されている場合の記録再生装置1における処理について説明する。図6は、接続権利が事前に有効化されている場合の通信システム400の処理の一例を示すフローチャートである。
【0153】
ここでは、情報管理サーバ200がコンテンツの管理を行っており、記録再生装置1が、接続先となる情報管理サーバ200からコンテンツをダウンロードする場合(コンテンツ料及び通信料は有料)の通信システム400における処理について説明する。なお、本実施の形態では、コンテンツ料及び通信料の請求先は、接続先となる情報管理サーバ200の管理業者(コンテンツ配信業者)と取り決められている。
【0154】
また、この処理では、少なくとも、光ディスク100のROM層104には、通信事業者管理端末300から提供された接続先情報及び接続プログラムが記録されており、光ディスク100のRE層102には、接続履歴及び支払い履歴が記録されるものとする。また、格納部4には、通信事業者管理端末300から提供された識別子が格納されている。
【0155】
まず、記録再生装置1の識別子確認部26は、格納部4に識別子が格納されているかを確認し、その存在を確認できた場合には、格納部4から識別子を読み出し通信制御部24に送信する。通信制御部24は、受信した識別子を通信事業者管理端末300に送信する(S1)。
【0156】
通信事業者管理端末300では、端末制御部330の有効化制御部332は、端末通信部310を介してこの識別子を受信すると、端末記憶部320に記憶されている識別子と照合し、これらの識別子が一致することを確認できた場合には、記録再生装置1の接続権利を有効化する(S2)。このとき、接続先決定部334及び通信料徴収部336もそれぞれ、受信した識別子の照合を行った後、接続先となる情報管理サーバ200、並びに、通信料の発生の有無及び発生している場合の請求先を決定しておく。
【0157】
本実施の形態では、S1及びS2の処理が、遅くとも記録再生装置1の初期設定時に行われる。これにより、本実施の形態では、記録再生装置1の接続権利を常に有効の状態にしておくことができる。
【0158】
この状態において、記録再生装置1に光ディスク100が挿入されると(S3)、記録再生回路制御部22は、記録再生回路群10を制御することにより、接続先情報及び接続プログラムを読み出し、通信制御部24に送信する。通信制御部24は、この接続プログラムを起動し、公衆回線ネットワークを介して、接続先情報が示す情報管理サーバ200に対する接続要求を行う(S4)。このとき、通信制御部24は、記録再生装置1が受信するコンテンツを指定するためのデータも送信する。このデータは、例えば、光ディスク100あるいは記録再生装置1に記録されている。なお、複数のコンテンツをダウンロード可能なコンテンツとして指定可能な場合には、制御部20がその一覧を表示装置7に表示させ、操作部6を介して利用者に選択させることにより、その選択されたコンテンツを、記録再生装置1がダウンロードするコンテンツとして特定してもよい。
【0159】
記録再生装置1の接続先となる情報管理サーバ200は、この接続要求を受けると、このレスポンスとして記録再生装置1が要求するコンテンツを、記録再生装置1に送信する。これにより、記録再生装置1の通信制御部24は、自身が要求したコンテンツを、情報管理サーバ200から受信する(S5)。
【0160】
通信制御部24は、情報管理サーバ200からコンテンツを受信すると、記録再生回路制御部22に、このコンテンツを光ディスク100に記録するように指示する。記録再生回路制御部22は、この指示を受けると、記録再生回路群10を制御することにより、光ディスク100のRE層102に記録する(S6)。これにより、利用者は、ダウンロードしたコンテンツをいつでも視聴することが可能となる。なお、通信制御部24は、例えば光ディスク100にRE層102のような記録領域が存在しない場合には、格納部4、メモリ5、又は、図示しないキャッシュやHDDなどに格納する構成であってもよい。
【0161】
通信制御部24は、記録再生回路制御部22による光ディスク100へのコンテンツの記録が完了すると、その旨を情報管理サーバ200に通知する。情報管理サーバ200は、コンテンツ配信に関する料金(コンテンツ料及び通信料)を算出し、その料金を記録再生装置1に送信する。
【0162】
記録再生装置1では、制御部20は、情報管理サーバ200により算出されたコンテンツ料及び通信料の支払いを利用者に行わせるために、その料金及び支払い方法を表示装置7に表示させる。利用者が、操作部6を用いて個人情報の入力及び支払い方法の選択を行った後、選択した支払い方法(クレジットカード、銀行振込等)により、情報管理サーバ200(このサーバを管理するコンテンツ配信業者)にその料金の支払いを行う(S7)。
【0163】
また、通信制御部24は、利用者が入力した、個人情報及び支払い方法などの通信料に関する情報を情報管理サーバ200に送信する。これにより、この情報管理サーバ200を管理するコンテンツ配信業者は、その利用者がコンテンツを取得したときのコンテンツ料及び通信料を徴収することができる。なお、利用者は、個人情報をコンテンツ配信業者には提供しているが、通信事業者管理端末300には提供していない。
【0164】
一方、S5において、通信制御部24は、情報管理サーバ200からのコンテンツ受信が完了すると、その旨を通信事業者管理端末300に通知している。なお、この通知は、通信制御部24ではなく、情報管理サーバ200が行う構成であってもよい。
【0165】
通信事業者管理端末300では、通信料徴収部336は、通信制御部24又は情報管理サーバ200からこの通知を受けると、識別子に関連付けられた通信料情報を参照することにより、特定されている通信料の請求先(本実施の形態では、接続先となる情報管理サーバ200を管理するコンテンツ配信業者)から、コンテンツ料及び通信料を徴収する(S8)。
【0166】
通信事業者管理端末300は、その徴収が完了すると、その旨を情報管理サーバ200に通知する。情報管理サーバ200は、この通知を受けると、接続履歴及び支払い履歴を更新し、記録再生装置1の通信制御部24に送信する。通信制御部24は、受信した接続履歴及び支払い履歴を光ディスク100に記録するように、記録再生回路制御部22に指示する。記録再生回路制御部22は、この指示を受けると、光ディスク100のRE層102に、更新された接続履歴及び支払い履歴を記録する。
【0167】
なお、情報管理サーバ200が、更新した接続履歴及び支払い履歴を光ディスク100により管理しない場合には、これらの情報が、情報管理サーバ200自身あるいは記録再生装置1により管理されればよい。また、S6〜S8の処理順序は、これに限らず、S7及びS8の処理がこの順で行われるならば、どのような順序で行われてもよい。
【0168】
以上のように、実施の形態1の通信システム400は、記録再生装置1の接続権利が常に有効で、かつ、記録再生装置1が情報管理サーバ200からコンテンツをダウンロードし、そのコンテンツ料及び通信料が、利用者の選択した支払い方法により支払われる場合の、記録再生装置1及び通信事業者管理端末300により処理について説明した。
【0169】
具体的には、通信事業者管理端末300は、記録再生装置1の接続権利を有効化するための識別子を記録再生装置1に割り当て、情報管理サーバ200の接続先を示す接続先情報と、通信料の、記録再生装置1の利用者以外の請求先を示す通信料情報と、を識別子と関連付けて管理している。また、通信事業者管理端末300は、識別子を用いて接続権利を有効化する有効化制御部332と、記録再生装置1との接続を許可する情報管理サーバ200を決定する接続先決定部334と、通信料を通信料情報が示す請求先から徴収する通信料徴収部336と、を備える。一方、記録再生装置1(その制御方法)は、光ディスク100又は自装置に識別子が存在するか否かを確認する識別子確認部26(識別子確認ステップ)と、識別子の存在が確認された場合に、有効化制御部332にその識別子を送信する通信制御部24(通信制御ステップ)と、を備える。
【0170】
これにより、記録再生装置1は、利用者が、接続権利を取得しておく必要がなく、かつ、通信事業者に個人情報を提供する必要がなく、自身の状態を、公衆回線ネットワークを利用して特定の情報管理サーバ200との通信を行うことが可能な状態にすることができる。また、利用者が通信事業者に個人情報を提供する必要がないので、通信事業者を介しての個人情報の漏洩を未然に防ぐことができる。
【0171】
なお、通常、携帯電話機の場合には、通信事業者は、携帯電話機に携帯電話番号を付与したSIMカードを搭載させることにより、その利用者(契約者)の個人情報を管理するとともに、その携帯電話機の利用を利用者に許可している。これにより、通信事業者は、その利用者に通信料を請求し、通信料未払いの利用者に対してはサービスを停止するといった適正な通信事業を行うことができる。
【0172】
一方、本実施の形態の通信システム400では、通信事業者が通信料情報を関連付けた識別子を記録再生装置1に割り当てることにより、通信料の請求先を自装置の利用者以外に行わせることを可能にしている。つまり、SIMカードが携帯電話機に挿入される場合とは異なり、記録再生装置1に光ディスクが挿入されても、その光ディスクの情報により、自装置の利用者が特定され、その利用者に通信料の請求が行われることはない。このため、通信システム400では、SIMカードのような個人情報を管理する手段を用いなくても、従来の通信システムと同様、通信事業者が適正な通信事業を行うことができる。
【0173】
また、通信事業者は、プリペイド式携帯電話機を販売するシステムにおいては、利用者が通信料を先払いすることにより、利用者による公衆回線ネットワークの利用を可能にしている。この場合、このプリペイド式携帯電話機は、公衆回線ネットワークを利用可能な接続先と自由に接続を行うことできる。
【0174】
一方、本実施の形態の通信システム400では、通信事業者が接続先情報を関連付けた識別子を記録再生装置1に割り当てることにより、記録再生装置1は、接続権利が有効化されても、特定の情報管理サーバ200への接続が限定的に許可されることになる。このため、通信システム400では、記録再生装置1の利用者がプリペイド式ディスクを購入した場合であっても、プリペイド式携帯電話機を購入した場合とは異なり、自由な接続を行わせないようにすることができる。つまり、通信システム400では、記録再生装置1と情報管理サーバ200との接続を、通信事業者が提供する識別子により管理することができるので、記録再生装置1は、特定の情報管理サーバ200とだけ限定的に通信を行うことができる。
【0175】
〔実施の形態2〕
本発明の実施の一形態について図1及び図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施の形態では、接続権利が事前に有効化されている場合で、かつ、光ディスク100としてプリペイド式ディスクが利用される場合の通信システム400における処理について説明する。すなわち、実施の形態1で述べたように、光ディスク100のROM層104には、接続プログラムの他、情報管理サーバ200で利用可能なコンテンツの一覧(カタログ)、あるいは、コンテンツの一部(サンプル映像やデモ版)、コンテンツの利用可能金額等が記録されている。また、光ディスク100のRE層102には、接続履歴や支払い履歴等の他、コンテンツの利用履歴(ダウンロード履歴)、プリペイド額の利用額残高、合計利用金額等が記録される。
【0176】
光ディスク100がプリペイド式ディスクの場合、通信事業者管理端末300は、光ディスク100の販売金額にコンテンツ料及び通信料を含んでいる。このため、通信事業者管理端末300は、記録再生装置1に提供する識別子に関連付けられた通信料情報に含まれる請求先として、その光ディスク100の販売業者を設定している。
【0177】
なお、実施の形態1と同様、記録再生装置1の接続権利が常に有効となっており、記録再生装置1は、いつでも接続先情報が示す情報管理サーバ200に接続することが可能である。また、実施の形態1と同様、情報管理サーバ200がコンテンツの管理を行っており、記録再生装置1が、接続先となる情報管理サーバ200からコンテンツをダウンロードする場合(コンテンツ料及び通信料は有料)の通信システム400における処理について説明する。
【0178】
〔通信システム400における処理(その2)〕
図7を用いて、通信システム400における別の処理、特に、接続権利が事前に有効化されている場合で、かつ、挿入される光ディスク100がプリペイド式ディスクであるときの記録再生装置1における処理について説明する。図7は、接続権利が事前に有効化されている場合の通信システム400の別の処理の一例を示すフローチャートである。
【0179】
S11及びS12では、記録再生装置1の初期設定時に、S1及びS2と同様の処理が行われる。これにより、本実施の形態においても、記録再生装置1の接続権利を常に有効の状態にしておくことができる。
【0180】
この状態において、記録再生装置1に光ディスク100が挿入されると(S13)、記録再生回路制御部22が、RE層102からプリペイド額の利用額残高及び接続先となる情報管理サーバ200で利用可能なコンテンツの一覧(カタログ)を読み出すことにより、制御部20は、これらの情報を表示装置7に表示する(S14)。このとき、制御部20は、コンテンツの利用履歴(ダウンロード履歴)、合計利用金額、記録再生装置1の接続履歴、接続先情報(すなわちこの情報管理サーバ200のURL)等を併せて読み出し、表示装置7に表示してもよい。
【0181】
次に、利用者は、表示装置7に表示された利用額残高やコンテンツの一覧(カタログ)を確認しつつ、視聴を希望するコンテンツを選択する(S15)。コンテンツが操作部6を介して選択されると、記録再生回路制御部22は、ROM層104から接続プログラムを読み出し、通信制御部24に送信する。通信制御部24は、この接続プログラムを起動し、公衆回線ネットワークを介して、接続先情報が示す情報管理サーバ200に対する接続要求を行う(S16)。
【0182】
なお、通信制御部24が、ROM層104のBCA領域104aから光ディスク100に固有の媒体固有情報を読み取り、その媒体固有情報を情報管理サーバ200に送信し、情報管理サーバ200が、その媒体固有情報と情報管理サーバ200に登録されている媒体固有情報とを照合して、記録再生装置1に挿入された光ディスク100の認証を行ってもよい。この場合、その認証が完了すると、情報管理サーバ200は、記録再生装置1に挿入された光ディスク100を用いてのコンテンツのダウンロード可能であることを確認した後、利用者によって選択されたコンテンツが記録再生装置1に送信される。
【0183】
その後、S5と同様、通信制御部24が、情報管理サーバ200からコンテンツを受信し(S17)、S6と同様、記録再生回路制御部22が、そのコンテンツを光ディスク100のRE層102に記録する(S18)。
【0184】
記録再生回路制御部22が光ディスク100へのコンテンツの記録が完了すると、その旨を情報管理サーバ200に通知する。情報管理サーバ200は、コンテンツ配信に関する料金(コンテンツ料及び通信料)を算出し、自身が管理するディスク情報(利用額残高、利用履歴など)を最新情報に更新する(S19)。また、情報管理サーバ200は、記録再生装置1に対して、更新したディスク情報を送信する。
【0185】
記録再生装置1では、通信制御部24は、更新されたディスク情報を情報管理サーバ200から受信すると、このディスク情報を光ディスク100に記録するように、記録再生回路制御部22に指示する。記録再生回路制御部22は、この指示を受けると、このディスク情報を、光ディスク100のRE層102に記録する。なお、各コンテンツの再生可能期間、再生可能回数等の付帯情報が存在する場合には、それらの付帯情報も併せて光ディスク100のRE層102に記録されてよい。
【0186】
このようにして、情報管理サーバ200及び光ディスク100に、最新の光ディスク情報が記録され、この処理が終了する。
【0187】
なお、上記では、光ディスク100にコンテンツ一覧が記録されている場合について説明したが、これに限らず、情報管理サーバ200によりコンテンツ一覧が管理されていてもよい。この場合、情報管理サーバ200は、光ディスク100の媒体固有情報とコンテンツ一覧とを関連付けて管理している。また、S13の処理後、S16の処理が行われることにより、記録再生装置1が情報管理サーバ200からコンテンツ一覧を取得することができ、その後、S14及びS15の処理が行われることとなる。また、S18及びS19の処理順序は、これに限らず、S19の処理後に、S18の処理が行われてもよい。
【0188】
以上のように、実施の形態2の通信システム400は、記録再生装置1の接続権利が常に有効で、かつ、利用者がプリペイド式ディスクを購入し、記録再生装置1が情報管理サーバ200からコンテンツをダウンロードする場合の、記録再生装置1及び通信事業者管理端末300により処理について説明した。この場合も、記録再生装置1は、利用者が、接続権利を取得しておく必要がなく、かつ、通信事業者に個人情報を提供する必要がなく、自身の状態を、公衆回線ネットワークを利用して特定の情報管理サーバ200との通信を行うことが可能な状態にすることができる。また、利用者が通信事業者に個人情報を提供する必要がないので、通信事業者を介しての個人情報の漏洩を未然に防ぐことができる。
【0189】
〔実施の形態3〕
本発明の実施の一形態について図1及び図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施の形態では、接続権利が事前に有効化されている場合で、かつ、記録再生装置1の製造業者が、記録再生装置1に組み込まれたファームウェアの更新を行う場合の通信システム400における処理について説明する。
【0190】
本実施の形態では、情報管理サーバ200は、ファームウェアをアップデートするための更新用ファームウェアを管理しており、また、記録再生装置1の製造業者により管理されている。この更新用ファームウェアは無料(通信料は別途必要)で配信される。また、記録再生装置1の格納部4には、この更新用ファームウェアを管理する情報管理サーバ200のURLが接続先情報として予め記録されている。この接続先情報は、通信事業者管理端末300又は情報管理サーバ200(記録再生装置1の製造業者)により提供されている。また、格納部4には、接続プログラムも予め記録されている。
【0191】
なお、実施の形態1と同様、記録再生装置1の接続権利が常に有効となっており、記録再生装置1は、いつでも接続先情報が示す情報管理サーバ200に接続することが可能である。
【0192】
〔通信システム400における処理(その3)〕
図8を用いて、通信システム400における更なる別の処理、特に、接続権利が事前に有効化されている場合で、かつ、更新用ファームウェアをダウンロードするときの記録再生装置1における処理について説明する。図8は、接続権利が事前に有効化されている場合の通信システム400の更なる別の処理の一例を示すフローチャートである。
【0193】
S21及びS22では、記録再生装置1の初期設定時に、S1及びS2と同様の処理が行われる。これにより、本実施の形態においても、記録再生装置1の接続権利を常に有効の状態にしておくことができる。
【0194】
この状態において、更新制御部28は、利用者による入力指示に基づき、メニュー画面を表示装置7に表示させる。利用者は、ファームウェアの更新を行わせるために、メニュー項目の中から「ファームウェア更新」を選択する(S23)。更新制御部28は、操作部6を介して、この選択を示す入力指示を受け付けると、通信制御部24に、情報管理サーバ200から更新用ファームウェアを取得するように指示する。
【0195】
通信制御部24は、この指示を受けると、格納部4の接続プログラムを起動し、公衆回線ネットワークを介して、格納部4の接続先情報が示す情報管理サーバ200に対する接続要求を行う(S24)。
【0196】
記録再生装置1の接続先となる情報管理サーバ200は、この接続要求を受けると、このレスポンスとして記録再生装置1が要求する更新用ファームウェアを、記録再生装置1に送信する。これにより、記録再生装置1の通信制御部24は、自身が要求した更新用ファームウェアを、情報管理サーバ200から受信する(S25)。通信制御部24は、この更新用ファームウェアを受信すると、その旨を更新制御部28に通知する。
【0197】
更新制御部28は、この通知を受けると、受信した更新用ファームウェアのバージョンが、格納部4に格納されているファームウェアのバージョンよりも新しいかどうかを確認する。この確認は、例えばファームウェアのプロパティを参照することにより行われる。
【0198】
更新制御部28は、更新用ファームウェアのバージョンの方が新しいことを確認した場合には、通信制御部24に、更新用ファームウェアのダウンロードを行うように指示する。通信制御部24は、この指示を受けて、情報管理サーバ200から更新用ファームウェアをダウンロードする。一方、更新制御部28は、更新用ファームウェアのバージョンの方が古いことを確認した場合には、更新用ファームウェアのダウンロードを行わず、図8に示す処理を終了する。
【0199】
通信制御部24は、取得した更新用ファームウェアを格納部4に格納し、そのダウンロードが完了すると、その旨を更新制御部28に通知する。なお、更新用ファームウェアは、光ディスク100等の、情報を記録可能な記録可能領域を有する情報記録媒体や、キャッシュやHDD(不図示)などに格納されてもよい。
【0200】
更新制御部28は、その通知を受けると、取得した更新用ファームウェアを用いて、ファームウェアのアップデートを行う(S26)。そして、更新制御部28は、そのアップデートが完了すると、その旨を通信制御部24に送信する。
【0201】
一方、S25において、通信制御部24は、情報管理サーバ200からの更新用ファームウェアのダウンロードが完了すると、その旨を通信事業者管理端末300に通知している。なお、この通知は、通信制御部24ではなく、情報管理サーバ200が行う構成であってもよい。
【0202】
通信事業者管理端末300は、通信制御部24又は情報管理サーバ200からこの通知を受けると、通信料徴収部336は、識別子に関連付けられた通信料情報を参照することにより特定されている通信料の請求先(本実施の形態では、接続先となる情報管理サーバ200を管理する記録再生装置1の製造業者)から、通信料を徴収する(S27)。なお、S26及びS27の処理順序は、これに限らず、S27の処理後、S26の処理が行われてもよい。
【0203】
以上のように、実施の形態3の通信システム400は、記録再生装置1の接続権利が常に有効で、かつ、利用者が所望するタイミングで、記録再生装置1が情報管理サーバ200から更新用ファームウェアをダウンロードする場合の、記録再生装置1及び通信事業者管理端末300により処理について説明した。この場合も、記録再生装置1は、利用者が、接続権利を取得しておく必要がなく、かつ、通信事業者に個人情報を提供する必要がなく、自身の状態を、公衆回線ネットワークを利用して特定の情報管理サーバ200との通信を行うことが可能な状態にすることができる。また、利用者が通信事業者に個人情報を提供する必要がないので、通信事業者を介しての個人情報の漏洩を未然に防ぐことができる。
【0204】
〔実施の形態4〕
本発明の実施の一形態について図1及び図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施の形態では、接続権利が事前に有効化されている場合で、かつ、記録再生装置1の製造業者が、記録再生装置1に組み込まれたファームウェアの更新を、予め記録再生装置1にプログラムされた(設定された)時刻に行う場合の通信システム400における処理について説明する。
【0205】
本実施の形態では、記録再生装置1の格納部4には、例えば更新用ファームウェアの配信時刻又は配信時間が格納されている。また、本実施の形態では、ユーザの入力指示に基づいて更新用ファームウェアの受信が開始されるのではなく、配信時刻になると(配信時間を経過すると)自動的に当該受信が開始される点で、実施の形態3と異なる。それ以外の処理については、実施の形態3と同様である。
【0206】
〔通信システム400における処理(その4)〕
図9を用いて、通信システム400における更なる別の処理、特に、接続権利が事前に有効化されている場合で、かつ、予め設定された時刻に更新用ファームウェアをダウンロードするときの記録再生装置1における処理について説明する。図9は、接続権利が事前に有効化されている場合の通信システム400の更なる別の処理の一例を示すフローチャートである。
【0207】
S31及びS32では、記録再生装置1の初期設定時に、S1及びS2と同様の処理が行われる。これにより、本実施の形態においても、記録再生装置1の接続権利を常に有効の状態にしておくことができる。
【0208】
計時制御部30は、計時部32が計時する時刻が、格納部4に格納されている配信時刻になったかどうかを判定する(S33)。計時制御部30は、現在の時刻が配信時刻になったと判定した場合には(S33でYES)、その旨を通信制御部24に通知する。一方、配信時刻でない場合には(S33でNO)、配信時刻となるまで特に処理を行わない。なお、計時制御部30は、格納部4に格納されている配信時間を管理することにより、その配信時間が経過したかどうかを判定する構成でもよい。
【0209】
S33でYESの場合、通信制御部24は、情報管理サーバ200から更新用ファームウェアを取得するように指示する。その後のS34〜S37の処理については、図8に示すS24〜S27の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0210】
以上のように、実施の形態4の通信システム400は、記録再生装置1の接続権利が常に有効で、かつ、設定された配信時刻又は配信時間毎に、記録再生装置1が情報管理サーバ200から更新用ファームウェアをダウンロードする場合の、記録再生装置1及び通信事業者管理端末300により処理について説明した。この場合も、記録再生装置1は、利用者が、接続権利を取得しておく必要がなく、かつ、通信事業者に個人情報を提供する必要がなく、自身の状態を、公衆回線ネットワークを利用して特定の情報管理サーバ200との通信を行うことが可能な状態にすることができる。また、利用者が通信事業者に個人情報を提供する必要がないので、通信事業者を介しての個人情報の漏洩を未然に防ぐことができる。
【0211】
〔実施の形態5〕
本発明の実施の一形態について図1及び図10に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施の形態(実施形態6〜8についても同様)では、記録再生装置1に、一時的に接続権利が有効化され、公衆回線ネットワークへの接続が可能な制御部20(通信装置)が搭載されている。すなわち、制御部20は、通信事業者管理端末300が管理し、かつ、例えば記録再生装置1自身に予め記録された、記録再生装置1により用いられる光ディスク100に予め記録された、又は、記録再生装置1の筐体あるいはその付属品にラベル付けされた識別子を用いて、通信事業者管理端末300に接続権利の有効化を要求する。また、制御部20は、利用者の入力指示、光ディスク100の排出、又は、予め設定された配信時刻あるいは配信時間経過をトリガとして、接続権利の無効化を要求する。これにより、通信事業者管理端末300による一時的な接続権利の有効化を可能としている。
【0212】
また、記録再生装置1は、通信事業者管理端末300が一時的に接続権利を有効化している間に、識別子に関連付けられた接続先情報が示す情報管理サーバ200への接続要求を、例えば利用者の入力指示に基づいて、挿入される光ディスク100に記録されている接続先情報に基づいて、あるいは、予め設定された配信時間に基づいて行う。これにより、一時的に公衆回線ネットワークが利用可能となっている間に、その公衆回線ネットワークを介して情報管理サーバとの接続を確立し、情報の送受信を行うことを可能にしている。
【0213】
また、本実施の形態(実施の形態6〜8も同様)では、記録再生装置1の初期設定時においては、接続権利が無効化されており、記録再生装置1がコンテンツあるいは更新用ファームウェアをダウンロードする際に、その接続権利を有効化し、例えばダウンロード完了後に再び無効化する構成について説明する。
【0214】
〔記録再生装置1の概略構成〕
図1を用いて、本実施の形態に係る記録再生装置1の内部構成について説明する。なお、通信制御部24以外の構成については、実施の形態1と同様であるので、その説明は省略する。
【0215】
通信制御部24は、通信事業者管理端末300の有効化制御部332により接続権利が有効化された後、有効化制御部332に、当該接続権利の無効化を要求するものである。これにより、有効化制御部332は、記録再生装置1の指示により、有効化した接続権利を無効化し、記録再生装置1と公衆回線ネットワークとの接続を切断することができる。また、有効化した接続権利を無効化することができるので、有効化しておく必要のない状況(例えばコンテンツ又は更新用ファームウェアのダウンロードが行われない状況)において、記録再生装置1又は記録再生装置1に挿入された光ディスク100の情報が公衆回線ネットワークを介して漏洩してしまうといった事態を未然に防ぐことができる。
【0216】
通信制御部24は、例えば、利用者の入力指示(例えば接続/切断切り替えアイコンのクリック)、光ディスク100の排出動作、コンテンツあるいは更新用ファームウェアのダウンロード完了、又は、配信時間経過をトリガとして、有効化制御部332に対する無効化要求を行う。
【0217】
利用者の入力指示又は光ディスク100の排出をトリガにする場合には、利用者が公衆回線ネットワークの利用を所望しない(利用者が接続権利を有効化しておく必要がないと判断した)場合には、無効化要求を行うことにより、公衆回線ネットワークとの接続を切断することができる。また、コンテンツ又は更新用ファームウェアのダウンロード開始後、利用者がそのコンテンツ又は更新用ファームウェアのダウンロードを必要しないと判断した場合にも、公衆回線ネットワークとの接続を切断することができる。
【0218】
コンテンツ又は更新用ファームウェアのダウンロード完了をトリガにする場合には、ダウンロード完了後、自動的に、有効化制御部332に対する無効化要求が行われるので、利用者が無効化要求のための操作を行うことなく、ダウンロード時だけ、公衆回線ネットワークとの接続を確立することができる。
【0219】
配信時間経過をトリガとする場合(情報管理サーバ200が更新用ファームウェアを自動配信するような場合)には、設定された時間経過後、自動的に、有効化制御部332に対する無効化要求が行われるので、利用者が無効化要求のための操作を行うことなく、自動配信に必要な時間帯だけ、公衆回線ネットワークとの接続を確立することができる。
【0220】
また、通信制御部24は、有効化制御部332により接続権利が無効化された後、有効化制御部332に、例えば格納部4又は光ディスク100に記録された識別子を送信するものである。これにより、有効化制御部332は、接続権利が無効化されている場合であっても、記録再生装置1の指示により、当該接続権利を再び有効化し、記録再生装置1と公衆回線ネットワークとの接続を確立することができる。すなわち、記録再生装置1は、接続権利が無効化されている場合であっても、再度その接続権利を有効化することができるので、無効化した後でも公衆回線ネットワークを利用することができる。なお、接続権利の有効化のトリガは、実施の形態1に説明したとおりである。
【0221】
つまり、通信制御部24は、有効化制御部332に対して接続権利の有効化/無効化の切り替えを指示するものである。
【0222】
〔通信システム400における処理(その5)〕
次に、図10を用いて、通信システム400における処理、特に接続権利の有効化及び無効化が切り替え可能な場合の記録再生装置1における処理について説明する。図10は、接続権利の有効化及び無効化が切り替え可能な場合の通信システム400の処理の一例を示すフローチャートである。なお、この処理前において、接続権利は無効化されているものとする。
【0223】
ここでは、実施の形態1と同様、情報管理サーバ200がコンテンツの管理を行っており、記録再生装置1が、接続先となる情報管理サーバ200からコンテンツをダウンロードする場合(コンテンツ料及び通信料は有料)の通信システム400における処理について説明する。なお、本実施の形態では、コンテンツ料及び通信料の請求先は、接続先となる情報管理サーバ200の管理業者(コンテンツ配信業者)と取り決められている。
【0224】
また、この処理では、少なくとも、光ディスク100のROM層104には、通信事業者管理端末300から提供された識別子、接続先情報及び接続プログラムが記録されており、光ディスク100のRE層102には、接続履歴及び支払い履歴が記録されるものとする。
【0225】
まず、記録再生装置1に光ディスク100が挿入されると(S41)、識別子確認部26は、光ディスク100に識別子が記録されているかを確認する。そのため、識別子確認部26は、記録再生回路制御部22に、光ディスク100からの識別子の読み出しを指示する。記録再生回路制御部22は、記録再生回路群10を制御することにより、光ディスク100から識別子を読み出す。
【0226】
光ディスク100に識別子が存在する場合には、記録再生回路制御部22は、読み出した識別子を通信制御部24に送信する。通信制御部24は、読み出された識別子を受信すると、通信事業者管理端末300に送信する(S42)。このとき、記録再生回路制御部22は、識別子とともに接続プログラムを光ディスク100から読み出し、通信制御部24に送信する。
【0227】
なお、記録再生回路制御部22が識別子を読み出せなかった場合には、制御部20は、例えば、その旨を表示装置7に表示させ、識別子が記録されている光ディスク100の挿入を利用者に促す。
【0228】
通信事業者管理端末300では、S2と同様、有効化制御部332が、通信制御部24からの識別子を受信することにより、記録再生装置1の接続権利を有効化する(S43)。このように、S41〜S43の処理により、光ディスク100の挿入をトリガとして接続権利が有効化される。そして、通信制御部24は、S4と同様、読み出された接続プログラムを起動し、公衆回線ネットワークを介して、接続先情報が示す情報管理サーバ200に対する接続要求を行う(S44)。その後のS45及びS46の処理については、S5及びS6の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0229】
S46において、通信制御部24は、記録再生回路制御部22による光ディスク100へのコンテンツの記録が完了すると、接続権利の無効化要求を、通信事業者管理端末300に送信する。通信事業者管理端末300では、有効化制御部332が、この無効化要求を受けることにより、有効化している記録再生装置1の接続権利を無効化する(S47)。つまり、記録再生装置1は、コンテンツのダウンロード完了をトリガとして接続権利を無効化することができる。
【0230】
また、通信制御部24は、記録再生回路制御部22による光ディスク100へのコンテンツの記録が完了すると、その旨を情報管理サーバ200に通知する。情報管理サーバ200は、コンテンツ配信に関する料金(コンテンツ料及び通信料)を算出し、その料金を記録再生装置1に送信する。
【0231】
その後のS48及びS49の処理については、S7及びS8の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0232】
なお、光ディスク100に識別子が記録されているものとして説明したが、これに限らず、格納部4に記録されていてもよい。この場合、S42では、光ディスク100の挿入をトリガとして、格納部4の識別子の存在確認が行われる。また、S46〜S49の処理順序は、これに限らず、S48及びS49の処理がこの順で行われるならば、どのような順序で行われてもよい。
【0233】
以上のように、実施の形態5の通信システム400は、記録再生装置1の接続権利の有効化及び無効化を所望のタイミングで切り替えることができ、かつ、記録再生装置1が情報管理サーバ200からコンテンツをダウンロードし、そのコンテンツ料及び通信料が、利用者の選択した支払い方法により支払われる場合の、記録再生装置1及び通信事業者管理端末300により処理について説明した。この場合も、記録再生装置1は、利用者が、接続権利を取得しておく必要がなく、かつ、通信事業者に個人情報を提供する必要がなく、自身の状態を、公衆回線ネットワークを利用して特定の情報管理サーバ200との通信を行うことが可能な状態にすることができる。また、利用者が通信事業者に個人情報を提供する必要がないので、通信事業者を介しての個人情報の漏洩を未然に防ぐことができる。
【0234】
〔実施の形態6〕
本発明の実施の一形態について図1及び図11に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施の形態では、接続権利の有効化及び無効化が切り替え可能な場合で、かつ、光ディスク100としてプリペイド式ディスクが利用される場合の通信システム400における処理について説明する。なお、この処理前において、接続権利は無効化されているものとする。
【0235】
本実施の形態では、プリペイド式ディスクである光ディスク100のROM層104には、実施の形態2で説明した情報の他に、通信事業者管理端末300から提供された識別子が記録されている。また、実施の形態2と同様、通信事業者管理端末300は、記録再生装置1に提供する識別子に関連付けられた通信料情報に含まれる請求先として、その光ディスク100の販売業者を設定している。
【0236】
また、実施の形態5と同様、情報管理サーバ200がコンテンツの管理を行っており、記録再生装置1が、接続先となる情報管理サーバ200からコンテンツをダウンロードする場合(コンテンツ料及び通信料は有料)の通信システム400における処理について説明する。
【0237】
〔通信システム400における処理(その6)〕
図11を用いて、通信システム400における別の処理、特に、接続権利の有効化及び無効化が切り替えられる場合で、かつ、挿入される光ディスク100がプリペイド式ディスクであるときの記録再生装置1における処理について説明する。図11は、接続権利の有効化及び無効化が切り替え可能な場合の通信システム400の別の処理の一例を示すフローチャートである。
【0238】
まず、S51〜S53では、S41〜S43と同様の処理が行われる。これにより、光ディスク100の挿入をトリガとして接続権利が有効化される。
【0239】
接続権利が有効化されると、S14と同様、記録再生回路制御部22が、光ディスク100のRE層102からプリペイド額の利用額残高及び接続先となる情報管理サーバ200で利用可能なコンテンツの一覧(カタログ)を読み出すことにより、制御部20は、これらの情報を表示装置7に表示する(S54)。その後のS55〜S58の処理については、S15〜S18の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0240】
S58において、通信制御部24は、記録再生回路制御部22による光ディスク100へのコンテンツの記録が完了すると、S47と同様、有効化制御部332が、有効化している記録再生装置1の接続権利を無効化する(S59)。つまり、記録再生装置1は、コンテンツのダウンロード完了をトリガとして接続権利を無効化することができる。
【0241】
また、記録再生回路制御部22が光ディスク100へのコンテンツの記録が完了すると、その旨を情報管理サーバ200に通知することにより、S19と同様の処理が行われる(S60)。なお、S58〜S60の処理順序は、これに限らず、どのような順序で行われてもよい。
【0242】
以上のように、実施の形態6の通信システム400は、記録再生装置1の接続権利の有効化及び無効化を所望のタイミングで切り替えることができ、かつ、利用者がプリペイド式ディスクを購入し、記録再生装置1が情報管理サーバ200からコンテンツをダウンロードする場合の、記録再生装置1及び通信事業者管理端末300により処理について説明した。この場合も、記録再生装置1は、利用者が、接続権利を取得しておく必要がなく、かつ、通信事業者に個人情報を提供する必要がなく、自身の状態を、公衆回線ネットワークを利用して特定の情報管理サーバ200との通信を行うことが可能な状態にすることができる。また、利用者が通信事業者に個人情報を提供する必要がないので、通信事業者を介しての個人情報の漏洩を未然に防ぐことができる。
【0243】
〔実施の形態7〕
本発明の実施の一形態について図1及び図12に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施の形態では、接続権利の有効化及び無効化が切り替え可能な場合で、かつ、記録再生装置1の製造業者が、記録再生装置1に組み込まれたファームウェアの更新を行う場合の通信システム400における処理について説明する。なお、この処理前において、接続権利は無効化されているものとする。
【0244】
本実施の形態では、実施の形態3と同様、情報管理サーバ200は、更新用ファームウェアを管理しており、また、記録再生装置1の製造業者により管理されている。この更新用ファームウェアは無料(通信料は別途必要)で配信される。また、記録再生装置1の格納部4には、この更新用ファームウェアを管理する情報管理サーバ200のURLが接続先情報として予め記録されている。この接続先情報は、通信事業者管理端末300又は情報管理サーバ200(記録再生装置1の製造業者)により提供されている。また、格納部4には、識別子及び接続プログラムが予め記録されている。
【0245】
〔通信システム400における処理(その7)〕
図12を用いて、通信システム400における更なる別の処理、特に、接続権利の有効化及び無効化が切り替え可能な場合で、かつ、更新用ファームウェアをダウンロードするときの記録再生装置1における処理について説明する。図12は、接続権利の有効化及び無効化が切り替え可能な場合の通信システム400の更なる別の処理の一例を示すフローチャートである。
【0246】
まず、更新制御部28は、利用者による入力指示に基づき、メニュー画面を表示装置7に表示させる。利用者は、ファームウェアの更新を行わせるために、メニュー項目の中から「ファームウェア更新」を選択する(S71)。更新制御部28は、操作部6を介して、この選択を示す入力指示を受け付けると、識別子確認部26に、格納部4に識別子が記録されているかを確認するように指示する。
【0247】
識別子確認部26は、この指示を受けると、格納部4から識別子を読み出し、その識別子を通信制御部24に送信する。通信制御部24は、読み出された識別子を受信すると、通信事業者管理端末300に送信する(S72)。このとき、識別子確認部26は、識別子とともに接続プログラムを格納部4から読み出し、通信制御部24に送信する。
【0248】
なお、識別子確認部26が識別子を読み出せなかった場合には、制御部20は、例えば、その旨を表示装置7に表示させ、利用者による識別子の入力を利用者に促す。
【0249】
通信事業者管理端末300では、S43と同様、有効化制御部332が、通信制御部24からの識別子を受信することにより、記録再生装置1の接続権利を有効化する(S73)。その後のS74〜S76の処理については、S24〜S26の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0250】
S75において、通信制御部24は、情報管理サーバ200からの更新用ファームウェアのダウンロードが完了すると、S47と同様、有効化制御部332が、有効化している記録再生装置1の接続権利を無効化する(S77)。つまり、記録再生装置1は、更新用ファームウェアのダウンロード完了をトリガとして接続権利を無効化することができる。また、このとき、その旨を通信事業者管理端末300に通知することにより、S27と同様の処理が行われる(S78)。なお、S76〜S78の処理順序は、これに限らず、どのような順序で処理されてもよい。
【0251】
以上のように、実施の形態7の通信システム400は、記録再生装置1の接続権利の有効化及び無効化を所望のタイミングで切り替えることができ、かつ、利用者が所望するタイミングで、記録再生装置1が情報管理サーバ200から更新用ファームウェアをダウンロードする場合の、記録再生装置1及び通信事業者管理端末300により処理について説明した。この場合も、記録再生装置1は、利用者が、接続権利を取得しておく必要がなく、かつ、通信事業者に個人情報を提供する必要がなく、自身の状態を、公衆回線ネットワークを利用して特定の情報管理サーバ200との通信を行うことが可能な状態にすることができる。また、利用者が通信事業者に個人情報を提供する必要がないので、通信事業者を介しての個人情報の漏洩を未然に防ぐことができる。
【0252】
〔実施の形態8〕
本発明の実施の一形態について図1及び図13に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施の形態では、接続権利の有効化及び無効化が切り替え可能な場合で、かつ、記録再生装置1の製造業者が、記録再生装置1に組み込まれたファームウェアの更新を、予め記録再生装置1にプログラムされた(設定された)時刻に行う場合の通信システム400における処理について説明する。
【0253】
本実施の形態では、記録再生装置1の格納部4には、例えば更新用ファームウェアの配信時刻又は配信時間が格納されている。また、本実施の形態では、実施の形態4と同様、配信時刻になると(配信時間を経過すると)自動的に当該受信が開始される。
【0254】
〔通信システム400における処理(その8)〕
図13を用いて、通信システム400における更なる別の処理、特に、接続権利の有効化及び無効化が切り替え可能な場合で、かつ、予め設定された時刻に更新用ファームウェアをダウンロードするときの記録再生装置1における処理について説明する。図13は、接続権利の有効化及び無効化が切り替え可能な場合の通信システム400の更なる別の処理の一例を示すフローチャートである。なお、この処理前において、接続権利は無効化されているものとする。
【0255】
この処理では、計時制御部30は、S33と同様、計時部32が計時する時刻が、格納部4に格納されている配信時刻になったかどうかを判定している(S81)。S81でYESの場合、通信制御部24は、情報管理サーバ200から更新用ファームウェアを取得するように指示する。一方、配信時刻でない場合には(S81でNO)、配信時刻となるまで特に処理を行わない。その後のS82〜S88の処理については、図12に示すS72〜S78の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0256】
以上のように、実施の形態8の通信システム400は、記録再生装置1の接続権利の有効化及び無効化を所望のタイミングで切り替えることができ、かつ、設定された配信時刻又は配信時間毎に、記録再生装置1が情報管理サーバ200から更新用ファームウェアをダウンロードする場合の、記録再生装置1及び通信事業者管理端末300により処理について説明した。この場合も、記録再生装置1は、利用者が、接続権利を取得しておく必要がなく、かつ、通信事業者に個人情報を提供する必要がなく、自身の状態を、公衆回線ネットワークを利用して特定の情報管理サーバ200との通信を行うことが可能な状態にすることができる。また、利用者が通信事業者に個人情報を提供する必要がないので、通信事業者を介しての個人情報の漏洩を未然に防ぐことができる。
【0257】
〔実施の形態9〕
本発明の実施の一形態について図14〜図16に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0258】
〔通信システム410の概略構成〕
まず、本実施の形態に係る通信システム410について、図14を用いて説明する。図14は、本実施の形態に係る通信システム410の概略構成の一例を示す図である。図14に示すように、通信システム410は、記録再生装置1a、情報管理サーバ200、通信事業者管理端末300及び接続先管理サーバ500を備えている。
【0259】
記録再生装置1aにおいて、登録確認部34(登録確認手段)を備えた以外の構成については、記録再生装置1と同様である。登録確認部34については、図15を用いて後述する。
【0260】
接続先管理サーバ500は、記録再生装置1aと通信を行うことが可能であり、通信事業者管理端末300が記録再生装置1aや光ディスク100等に提供する接続先情報を管理するものである。すなわち、通信事業者管理端末300は、自身が管理する接続先情報を、接続先管理サーバ500にも提供して管理させている。
【0261】
また、接続先管理サーバ500は、記録再生装置1aから接続先情報を受信するとともに、この接続先情報が登録されているかの確認指示を受けると、管理している接続先情報の中にこの接続先情報が登録されているかの確認を行い、その確認の結果を記録再生装置1aに送信する。
【0262】
なお、情報管理サーバ200は、接続先情報の管理、接続先情報の登録の確認、記録再生装置1aとの情報の送受信等を実現するために、少なくとも管理サーバ通信部、管理サーバ制御部及び管理サーバ記憶部(これらは全て不図示)を備えている。
【0263】
通信事業者管理端末300は、接続先管理サーバ500の接続を示す管理サーバ接続先情報を、識別子と関連付けて管理している。管理サーバ接続先情報としては、接続先情報と同様、例えば接続先管理サーバ500のURLやIPアドレスが挙げられる。
【0264】
〔記録再生装置1aの概略構成〕
次に、図15を用いて、本実施の形態に係る記録再生装置1aの要部構成について説明する。図15は、記録再生装置1の要部構成の一例を示す図である。なお、記録再生装置1の概略構成は、図5に示す記録再生装置1と同様であるため、その説明を省略する。
【0265】
記録再生装置1aは、制御部20に登録確認部34を備えた制御部20aを備えている。なお、格納部4又は光ディスク100に、通信事業者管理端末300から提供される管理サーバ接続先情報及び接続先情報が記録されている。
【0266】
登録確認部34は、管理サーバ接続先情報が示す接続先管理サーバ500に、接続先情報が登録されているか否かを確認するものである。具体的には、登録確認部34は、格納部4又は光ディスク100から管理サーバ接続先情報及び接続先情報を読み出し、この管理サーバ接続先情報が示す接続先管理サーバ500に、この接続先情報を送信するとともに、この接続先情報が当該サーバに登録されているかを確認するように指示する。そして、登録確認部34は、接続先管理サーバ500による確認の結果を受信することにより、接続先管理サーバ500に送信した接続先情報が当該サーバに登録されているか否かを確認する。登録確認部34は、接続先管理サーバ500に接続先情報が登録されていることを確認した場合には、その旨を通信制御部24に通知し、確認できなかった場合には特に処理を行わない。
【0267】
通信制御部24は、登録確認部34により接続先情報の登録が確認された場合に、登録確認部34からの通知を受けることにより、情報管理サーバ200に対して接続要求を行う。
【0268】
これにより、記録再生装置1aは、接続先管理サーバ500に接続先情報が登録されていなければ、記録再生装置1が公衆回線ネットワークを利用可能な状態であっても、この接続先情報が示す情報管理サーバ200に対する接続要求を行わないので、例えば識別子が書き換えられて、その情報が通信システム410において悪用されるといった、不正な接続を未然に防ぐことができる。
【0269】
〔通信システム400における処理(その9)〕
次に、図16を用いて、通信システム410における処理、特に接続権利が事前に有効化されている場合の記録再生装置1における処理について説明する。図16は、接続権利が事前に有効化されている場合の通信システム410の処理の一例を示すフローチャートである。なお、S91〜S93の処理及びS95〜S99の処理については、図6に示す処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0270】
S93において、記録再生装置1に光ディスク100が挿入されると、記録再生回路制御部22は、記録再生回路群10を制御することにより、接続先情報及び接続プログラムを読み出し、この接続先情報を登録確認部34に送信する。
【0271】
登録確認部34は、接続先情報を受信すると、接続先管理サーバ500に、この接続先情報が登録されているかを確認するように指示し、その確認の結果を受けることにより、当該サーバに接続先情報が存在するかを確認する(S94)。
【0272】
登録確認部34は、接続先管理サーバ500に接続先情報が登録されていることを確認した場合(S94でYES)、その旨を通信制御部24に通知する。通信制御部24は、この通知を受けると、S4と同様、記録再生回路制御部22が読み出した接続プログラムを起動し、公衆回線ネットワークを介して、接続先情報が示す情報管理サーバ200に対する接続要求を行う(S95)。一方、登録確認部34は、接続先管理サーバ500に接続先情報が登録されていることを確認しなかった場合には(S94でNO)、特に処理を行わない。
【0273】
なお、図16では、通信システム410において図7に示す処理が行われる場合に、登録確認部34が、接続先管理サーバ500における接続先情報の登録の確認を行うものとして説明したが、これに限らず、実施の形態2〜8の処理においても適用可能である。この場合も、通信制御部24が情報管理サーバ200に対する接続要求を行う前に、登録確認部34が、接続先管理サーバ500に接続先情報が登録されているか否かを確認すればよい。
【0274】
以上のように、実施の形態9の通信システム410は、実施の形態1〜8における様々な場合のコンテンツ又は更新用ファームウェアのダウンロードにおいて、記録再生装置1aは、接続先管理サーバ500に接続先情報が登録されていることが確認できた場合にだけ情報管理サーバ200に対する接続要求を行う。これにより、記録再生装置1aは、例えば識別子が書き換えられて、その書き換えられた識別子が通信システム410において悪用されるといった、不正な接続を未然に防ぐことができる。
【0275】
〔本発明の別の表現〕
本発明は、以下のようにも表現できる。
【0276】
すなわち、本発明に係る情報記録媒体再生装置は、情報記録媒体に記録された情報を再生する情報再生手段を有する情報記録媒体再生装置であって、利用者による公衆回線ネットワークへの接続権利が有効な公衆回線ネットワークへの接続手段とを備えた構成(通信手段を備えた記録再生装置)である。
【0277】
また、本発明に係る情報記録媒体再生装置は、前記接続権利が、外部からの接続権利有効化信号または無効化指示信号の入力により動的に有効化または無効化される構成(利用者の入力情報に基づき接続権利が有効・無効化される構成)ことが好ましい。
【0278】
また、本発明に係る情報記録媒体再生装置は、前記接続権利が、前記情報記録媒体に記録された接続権利有効化信号または無効化指示信号により動的に有効化または無効化される構成(媒体の情報に基づき接続権利が有効・無効化される構成)であることが好ましい。
【0279】
また、本発明に係る情報記録媒体再生装置は、前記接続権利が、所定の時間間隔に応じて有効化または無効化される構成(一定の間隔に基づき接続権利が付与・無効化される構成)であることが好ましい。
【0280】
また、本発明に係る情報記録媒体再生装置は、外部から装置に入力される接続先サーバへと接続する旨を指示する情報に基づき公衆回線ネットワークを介して前記情報配信サーバへと接続され、情報の送受信を行う構成(利用者の入力情報に基づきサーバへと接続される構成)であることが好ましい。
【0281】
また、本発明に係る情報記録媒体再生装置は、前記情報記録媒体に記録されている接続先サーバの情報に基づき公衆回線ネットワークを介して前記情報配信サーバへと接続され、情報の送受信を行う構成(記録媒体の情報に基づきサーバへと接続される構成)であることが好ましい。
【0282】
また、本発明に係る情報記録媒体再生装置は、所定の時間間隔に基づき公衆回線ネットワークを介して前記情報配信サーバへと接続され、情報の送受信を行う構成(一定間隔で自動的にサーバに接続される構成)であることが好ましい。
【0283】
また、本発明に係る情報記録媒体は、前記記載の情報記録媒体再生装置で用いられる情報記録媒体であって、前記情報再生装置の接続権利を有効化するための情報が記録されている構成(接続権利を有効化するための情報が記録された情報記録媒体)であることが好ましい。
【0284】
また、本発明に係る情報記録媒体は、前記記載の情報記録媒体再生装置に用いられる情報記録媒体であって、前記情報記録媒体再生装置の接続動作及び接続先を示す情報が記録されている構成(接続先の情報が記録された情報記録媒体)であることが好ましい。
【0285】
また、本発明に係る情報記録媒体再生装置は、情報記録領域を有する記録媒体に情報を記録する記録手段を備えた構成(記録可能な情報記録媒体記録再生装置)であることが好ましい。
【0286】
また、本発明に係る情報記録媒体は、前記記載の情報記録媒体再生装置で用いられる記録媒体であって、公衆回線ネットワークを介して受信された情報を記録可能な領域を有する構成であることが好ましい。
【0287】
また、本発明に係る情報配信システムは、前記記載の情報記録媒体再生装置に対し、前記情報配信サーバから情報の配信が行われる構成(情報記録再生装置を用いた情報配信システム)であることが好ましい。
【0288】
〔補足〕
最後に、記録再生装置1、1aの各ブロック、特に制御部20の記録再生回路制御部22、通信制御部24、識別子確認部26、更新制御部28、計時制御部30及び登録確認部34は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。また、通信事業者管理端末300の各ブロック、特に端末制御部330の有効化制御部332、接続先決定部334及び通信料徴収部336についても、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0289】
すなわち、記録再生装置1、1a及び通信事業者管理端末300は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、前記プログラムを格納したROM(read only memory)、前記プログラムを展開するRAM(random access memory)、前記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである記録再生装置1、1a及び通信事業者管理端末300の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、前記記録再生装置1、1a及び通信事業者管理端末300に供給し、そのコンピュータ(又はCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0290】
前記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやコンパクトディスク−ROM/MO/MD/デジタルビデオデイスク/コンパクトディスク−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0291】
また、記録再生装置1、1a及び通信事業者管理端末300を通信ネットワークと接続可能に構成し、前記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、前記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0292】
なお、情報管理サーバ200のサーバ制御部(不図示)及び接続先管理サーバ500の管理サーバ制御部(不図示)についても、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、上述のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0293】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0294】
例えば、情報管理サーバ200は、記録再生装置1、1aへのコンテンツ又は更新用ファームウェアの配信に限らず、商品を管理するショッピングサーバとしての機能を有していてもよい。この場合、光ディスク100がプリペイド式ディスクであり、その中にはショッピングサーバにて管理されている商品のカタログ情報が格納されている。利用者は、光ディスク100内のカタログ情報に含まれる商品を選択することにより、商品の購入を行う。この場合も、光ディスク100を購入する際に個人情報を通信事業者管理端末300に提供する必要はないので、上記の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【産業上の利用可能性】
【0295】
本発明は、利用者が、接続権利を取得しておく必要がなく、かつ、通信事業者に個人情報を提供する必要がなく、公衆回線ネットワークを利用して特定の情報管理サーバとの通信を行うことが可能な状態にすることができるので、当該利用者が利用する、通信機能を有する記録再生装置(BDレコーダー)などに好適である。
【符号の説明】
【0296】
1、1a 記録再生装置
22 記録再生回路制御部(記録制御手段)
24 通信制御部(通信制御手段)
26 識別子確認部(識別子確認手段)
34 登録確認部(登録確認手段)
100 光ディスク(情報記録媒体)
102 RE層(第2情報記録層)
104 ROM層(第1情報記録層)
200 情報管理サーバ
300 通信事業者管理端末(通信事業者)
332 有効化制御部(有効化制御手段)
334 接続先決定部(接続先決定手段)
336 通信料徴収部(通信料徴収手段)
400 通信システム
500 接続先管理サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
公衆回線ネットワークを提供する通信事業者と、
コンテンツ又はソフトウェアを管理する複数の情報管理サーバと、を含む通信システムにより用いられる、情報記録媒体に対する情報の記録又は再生を制御することが可能な記録再生装置であって、
上記通信事業者は、
自装置が上記公衆回線ネットワークに接続するために必要な権利である接続権利を有効化するための識別子を、自装置に割り当てるとともに、
上記識別子と関連付けて、
自装置との接続を許可する情報管理サーバの接続先を示す接続先情報と、
上記接続先情報が示す情報管理サーバとの接続による通信料の発生の有無、及び、発生する場合の通信料の、自装置の利用者以外の請求先、を示す通信料情報と、を管理しており、さらに、
上記識別子を用いて上記接続権利を有効化する有効化制御手段と、
上記複数の情報管理サーバのうち、自装置との接続を許可する情報管理サーバとして、上記接続先情報が示す情報管理サーバに決定する接続先決定手段と、
上記有効化制御手段が上記接続権利を有効化している場合に、上記接続先決定手段が決定した情報管理サーバと自装置との接続に対する通信料の発生の有無を判定し、発生している場合には当該通信料を、自装置の利用者を特定するための個人情報を取得することなく、上記通信料情報が示す請求先から徴収する通信料徴収手段と、を備えるものであり、
上記記録再生装置は、
上記情報記録媒体又は自装置に、上記識別子が存在するか否かを確認する識別子確認手段と、
上記識別子確認手段により上記識別子の存在が確認された場合に、上記有効化制御手段に、当該識別子を送信する通信制御手段と、を備えることを特徴とする記録再生装置。
【請求項2】
上記有効化制御手段は、上記接続権利を無効化するものであり、
上記通信制御手段は、上記有効化制御手段により接続権利が有効化された後、当該有効化制御手段に、当該接続権利の無効化を要求することを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項3】
上記通信制御手段は、上記有効化制御手段により接続権利が無効化された後、上記有効化制御手段に、上記識別子を送信することを特徴とする請求項2に記載の記録再生装置。
【請求項4】
上記通信制御手段は、上記接続先情報が示す情報管理サーバに対して接続要求を行うことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の記録再生装置。
【請求項5】
上記通信システムは、上記接続先情報を管理する接続先管理サーバを備えており、
上記通信事業者は、上記接続先管理サーバの接続先を示す管理サーバ接続先情報を、上記識別子と関連付けて管理しており、
上記管理サーバ接続先情報が示す接続先管理サーバに、上記接続先情報が登録されているか否かを確認する登録確認手段を備え、
上記通信制御手段は、上記登録確認手段により上記接続先情報の登録が確認された場合に、当該接続先情報が示す情報管理サーバに対して接続要求を行うことを特徴とする請求項4に記載の記録再生装置。
【請求項6】
上記通信制御手段は、上記接続先情報が示す情報管理サーバから配信されるコンテンツ又はソフトウェアを受信するものであり、
上記通信制御手段が受信したコンテンツ又はソフトウェアを、上記情報記録媒体に記録する記録制御手段を備えることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の記録再生装置。
【請求項7】
上記通信制御手段は、上記公衆回線ネットワークとの接続を、無線通信により行うことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の記録再生装置。
【請求項8】
公衆回線ネットワークを提供する通信事業者と、
コンテンツ又はソフトウェアを管理する複数の情報管理サーバと、を含む通信システムにより用いられる、情報記録媒体に対する情報の記録又は再生を制御することが可能な記録再生装置の制御方法であって、
上記通信事業者は、
自装置が上記公衆回線ネットワークに接続するために必要な権利である接続権利を有効化するための識別子を、自装置に割り当てるとともに、
上記識別子と関連付けて、
自装置との接続を許可する情報管理サーバの接続先を示す接続先情報と、
上記接続先情報が示す情報管理サーバとの接続による通信料の発生の有無、及び、発生する場合の通信料の、自装置の利用者以外の請求先、を示す通信料情報と、を管理しており、さらに、
上記識別子を用いて上記接続権利を有効化する有効化制御手段と、
上記複数の情報管理サーバのうち、自装置との接続を許可する情報管理サーバとして、上記接続先情報が示す情報管理サーバに決定する接続先決定手段と、
上記有効化制御手段が上記接続権利を有効化している場合に、上記接続先決定手段が決定した情報管理サーバと自装置との接続に対する通信料の発生の有無を判定し、発生している場合には当該通信料を、自装置の利用者を特定するための個人情報を取得することなく、上記通信料情報が示す請求先から徴収する通信料徴収手段と、を備えるものであり、
上記記録再生装置の制御方法は、
上記情報記録媒体又は自装置に、上記識別子が存在するか否かを確認する識別子確認ステップと、
上記識別子確認ステップにより上記識別子の存在が確認された場合に、上記有効化制御手段に、当該識別子を送信する通信制御ステップと、を含むことを特徴とする記録再生装置の制御方法。
【請求項9】
請求項1から7の何れか1項に記載の記録再生装置の上記の各手段としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
【請求項10】
請求項1から7の何れか1項に記載の記録再生装置により用いられる情報記録媒体であって、
上記識別子が記録されていることを特徴とする情報記録媒体。
【請求項11】
情報を読み出すことのみ可能な第1情報記録層と、情報を追記録可能な又は情報を書き換えることが可能な第2情報記録層と、を少なくとも備え、
上記第1情報記録層には、上記識別子が記録されており、
上記第2情報記録層には、上記接続先情報が示す情報管理サーバから配信されたコンテンツ又はソフトウェアが、上記記録再生装置により記録されることを特徴とする請求項10に記載の情報記録媒体。
【請求項12】
上記記録再生装置に対して自媒体が上記公衆回線ネットワークを介した商取引を実行させるものであることを認識させ、かつ、当該記録再生装置に当該商取引を実行させるためのトリガとなる動作識別情報が記録されていることを特徴とする請求項10又は11に記載の情報記録媒体。
【請求項13】
公衆回線ネットワークを提供する通信事業者と、
コンテンツ又はソフトウェアを管理する複数の情報管理サーバと、
情報記録媒体に対する情報の記録又は再生を制御することが可能な記録再生装置と、を含む通信システムであって、
上記通信事業者は、
上記記録再生装置が上記公衆回線ネットワークに接続するために必要な権利である接続権利を有効化するための識別子を、当該記録再生装置に割り当てるとともに、
上記識別子と関連付けて、
上記記録再生装置との接続を許可する情報管理サーバの接続先を示す接続先情報と、
上記接続先情報が示す情報管理サーバとの接続による通信料の発生の有無、及び、発生する場合の通信料の、上記記録再生装置の利用者以外の請求先、を示す通信料情報と、を管理しており、さらに、
上記識別子を用いて上記接続権利を有効化する有効化制御手段と、
上記複数の情報管理サーバのうち、上記記録再生装置との接続を許可する情報管理サーバとして、上記接続先情報が示す情報管理サーバに決定する接続先決定手段と、
上記有効化制御手段が上記接続権利を有効化している場合に、上記接続先決定手段が決定した情報管理サーバと上記記録再生装置との接続に対する通信料の発生の有無を判定し、発生している場合には当該通信料を、当該記録再生装置の利用者を特定するための個人情報を取得することなく、上記通信料情報が示す請求先から徴収する通信料徴収手段と、を備え、
上記記録再生装置は、
上記情報記録媒体又は自装置に、上記識別子が存在するか否かを確認する識別子確認手段と、
上記識別子確認手段により上記識別子の存在が確認された場合に、上記有効化制御手段に、当該識別子を送信する通信制御手段と、を備えることを特徴とする通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−193165(P2011−193165A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−56683(P2010−56683)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】