説明

記録再生装置の記録再生方法及び表示装置の画像処理方法

【課題】個々の装置による圧縮と伸張の繰り返しによる画質への影響を抑止する記録再生装置の記録再生方法及び表示装置の画像処理方法を提供する。
【解決手段】実施形態において、記録再生装置は、検出部と、取得部と、変換処理部と、出力画像処理部とを具備する。検出部は、表示装置が接続したことを双方向インタフェースにより検出する。取得部は、接続した表示装置に固有の情報を双方向インタフェースにより取得する。変換処理部は、入力画像信号のクロマフォーマットを変換する際に、前記取得部が取得した固有の情報に従う。出力画像処理部は、変換処理部が処理した画像信号を双方向インタフェースに出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、放送により、あるいはネットワークを経由して供給される番組の記録再生や、ブルーレイディスクの画像再生機能を具備する記録再生装置の記録再生方法及び表示装置の画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
放送局(放送事業者)あるいは配信事業者が供給する番組またはコンテンツを受信して再生する装置としては、表示装置(ディスプレイ)が一体に用意されるテレビジョン受信装置と、番組(コンテンツ)の録画と再生が可能な記録再生装置(レコーダ)と、が広く利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−81510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
テレビジョン受信装置及び記録再生装置は、単独での動作(使用)を前提とするため、それぞれの装置が、画像信号を圧縮あるいは伸張する圧縮/伸張部や、再生出力(映像)の画質を高める画像処理部等を、含む。
【0005】
反面、個々の装置から外部へ出力する画像信号は、他の装置の画像処理部の特性が不明であることにより、多くの装置が最小限備えることが決められている特性を想定した一定条件の変換(処理)を伴う。
【0006】
そのため、装置間で出入力する画像信号においては、前段の装置による圧縮処理(一定条件の変換処理)時に画像信号の一部が失われてしまうので、後段の装置における伸張処理(一定条件の変換処理)によって復元することは、困難である。
【0007】
本発明は、個々の装置が含む画像処理部等において、圧縮と伸張が繰り返えされることによる画質への影響を抑止する記録再生装置の記録再生方法及び表示装置の画像処理方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、記録再生装置は、検出部と、取得部と、変換処理部と、出力画像処理部とを具備する。検出部は、表示装置が接続したことを双方向インタフェースにより検出する。取得部は、接続した表示装置に固有の情報を双方向インタフェースにより取得する。変換処理部は、入力画像信号のクロマフォーマットを変換する際に、前記取得部が取得した固有の情報に従う。出力画像処理部は、変換処理部が処理した画像信号を双方向インタフェースに出力する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態を適用する記録再生装置と表示装置の接続の一例を示す図。
【図2】実施形態を適用するクロマフォーマットの変換の一例を示す図。
【図3】実施形態を適用するクロマフォーマットの変換の一例を示す図。
【図4】実施形態を適用する記録再生装置と表示装置との間の情報の受け渡しの一例を示す図。
【図5】実施形態を適用する記録再生装置と表示装置との間の情報の受け渡しの一例を示す図。
【図6】実施形態を適用する記録再生装置の一例を示す図。
【図7】実施形態を適用する映像再生装置の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、実施形態を適用する記録再生装置とその記録再生装置に接続する映像表示装置の一例を示す。
【0012】
記録再生装置(以下、レコーダ装置と呼称する)101は、双方向通信インタフェース(ケーブル)、例えばHDMI(High-definition Digital Media Interface)規格に準拠したケーブル(以下、HDMIケーブルと呼称する)201により、表示装置、例えばテレビジョン受信装置(以下、テレビ装置と呼称する)301と接続する。
【0013】
レコーダ装置(ソース機器と称する場合がある)101は、テレビ装置301に、映像信号、音声信号及び制御信号を出力するとともにHDMIケーブル201を通じてテレビ装置301側から取得する情報を受け付けるHDMIインタフェース部111を、含む。
【0014】
テレビ装置(シンク機器と称する場合がある)301は、レコーダ装置101が出力する映像信号、音声信号及び制御信号を、HDMIケーブル201を通じて受け付けるHDMIインタフェース部311を、含む。
【0015】
HDMIケーブル201は、バージョン1.2において制定されたCEC(Consumer Electronics Control)規格(以下、単にHDMI−CECと呼称する)に準拠している。なお、HDMIケーブル(HDMI−CEC)201により接続されたレコーダ装置101とテレビ装置301においては、レコーダ装置101側のHDMIインタフェース部111において、テレビ装置301側のHDMIインタフェース部311が含むEDID(Extended Display Identification Data)を読み取るとともにCEC規格に準拠した相互通信によって、接続相手先(テレビ装置301)が提供できる機能を取得することで、レコーダ装置101とテレビ装置301との間の連動機能を提供できる。
【0016】
また、上述のレコーダ装置101及びテレビ装置301は、所定の規格、例えばビデオ(Video、動画)については、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)−1、−2、−4(H.264/AVC)、オーディオ(Audio、音声/音楽)については、例えばMP3(MPEG Audio layer-3)、AC3(Audio Code number 3)、リニアPCM(Pulse Coded Module)、静止画については、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)、等に従って符号化されたデジタル情報(番組)を処理することができるものとする。
【0017】
図1に示すレコーダ装置101はまた、映像(ビデオ)及び音声(オーディオ)を再生する、例えばプレーヤ装置やゲーム装置、あるいはビデオカメラ等であってもよい。もちろん、パーソナルコンピュータ(PC)、PCに接続可能なディスクドライブ装置、あるいは自動車等に搭載またはユーザが携帯することのできるナビゲーション装置であってもよい。
【0018】
一方、テレビ装置301は、例えばモニタ装置(ディスプレイ)とSTB(Set Top Box、広義には外部チューナ装置と解され、狭義にはコンテンツ配信事業者が設置する分岐器等を示す)が接続されたような、放送局(放送事業者)あるいはコンテンツ配信事業者が供給する番組またはコンテンツを受信して再生する装置であってもよい。
【0019】
なお、以下に説明するさまざまな要素や構成は、ハードウエアで実現するものであってもよいし、マイクロコンピュータ(処理装置,CPU)、等を用いてソフトウエアで実現するものであってもよい。
【0020】
HDMI−CEC(HDMIケーブル)201は、信号線の配列等の説明は省略するがCEC規格に準拠するCEC−ラインを含み、相互に接続する機器において、上述の連動機能、例えばユーザがレコーダ装置101に対してコンテンツ(番組またはプログラム)すなわち映像信号及び音声信号を再生させる操作をした場合に、テレビ装置301を起動し、レコーダ装置101が接続されている入力に切り替えを行うワンタッチプレイ(One Touch Play)や、例えばユーザがテレビ装置301側のリモコン(リモートコントロール端末)を操作して出力させた制御コマンドを、レコーダ装置101に伝えるパススルー(Remote Control Pass Through)等を、実現できる。
【0021】
レコーダ装置101はまた、第1の記録再生モジュール121、第2の記録再生モジュール131、信号処理モジュール141及び詳述しない制御ブロック(コントローラ)を含む。
【0022】
なお、信号処理モジュール141の出力端が上述したHDMIインタフェース部111と接続される。また、信号処理モジュール141の入力端に、第2のHDMIインタフェース部151が接続される。
【0023】
第2のHDMIインタフェース部151は、第1の記録再生モジュール121に設けられるHDMIインタフェース部123と接続するHDMIインタフェースケーブル125あるいは第2の記録再生モジュール131に設けられるHDMIインタフェース部133と接続するHDMIインタフェースケーブル135により、上述の第1の記録再生モジュール121、及び第2の記録再生モジュール131と接続する。なお、第2のHDMIインタフェース部151とHDMIインタフェースケーブル125(第1の記録再生モジュール121)及びHDMIインタフェースケーブル135(第2の記録再生モジュール131)との接続は、例えばセレクタ153による切り替えに従う。また、セレクタ153を用いるかわりに、HDMIインタフェースケーブル125(第1の記録再生モジュール121)及びHDMIインタフェースケーブル135(第2の記録再生モジュール131)のそれぞれと独立に接続する図示しない2系列のHDMIインタフェース部を、並列に設けてもよい。
【0024】
第1の記録再生モジュール121は、移動可能な記録媒体、例えば光ディスク(DVD(Digital Versatile Disk)規格あるいはブルーレイ(Blu-ray Disk)規格)、もしくはSD(Secure Digital)メモリカードすなわち半導体メモリ等に代表され、レコーダ装置101から取り外すことのできる記録媒体に情報(映像及び音声(オーディオ))を記録し、あるいは記録媒体から情報を読み出すことができる。
【0025】
第2の記録再生モジュール131は、例えばHDD(Hard Disk Drive,大容量記憶装置)に代表され、レコーダ装置101と一体に設けられ、情報(映像及び音声(オーディオ))を記録し、あるいは記録媒体から情報を読み出すことができる。
【0026】
信号処理モジュール141は、第2のHDMI151を通じて入力される入力画像信号について、Video RGB/YCbCr(YPbPr)変換や4:4:4 → 4:2:2変換を行う入力側画像処理部143、入力側画像処理部143からの画像信号にIP変換やスケーリング処理および超解像変換を施す変換処理部145、及び変換処理部145が出力する出力画像信号に、後段または外部に位置される表示装置による画像表示のための出力処理を行う出力側画像処理部(出力設定部)147、を含む。
【0027】
入力側画像処理部143は、第1の記録再生モジュール121または第2の記録再生モジュール131のいずれかからセレクタ153及び第2のHDMIインタフェース部151を経由して入力される画像信号を受けつけ、色差コンポーネント信号(4:2:2)を、変換処理部145に入力する。
【0028】
変換処理部145は、入力側画像処理部143により、4:2:2変換された映像信号にIP変換やスケーリング処理および超解像変換を施したのち、画像信号のクロマフォーマットの変換、すなわち4:2:2を4:4:4に変換する。変換処理部145によるIP変換やスケーリング処理および超解像変換では、メモリを介したデータ演算処理量が増加する。そのため、処理を行う前に入力側画像処理部143で4:2:2変換しておくことで画像データ量の削減を行い、演算処理量を軽減させる目的がある。なお、色差コンポーネント信号YCbCr(4:2:2)とYPbPr(4:4:4)の記載については、「Cb」及び「Pb」と「Cr」及び「Pr」を、それぞれ同義として、YCb(Pb)Cr(Pr)と記載する場合もある。また、YCb(Pb)Cr(Pr)(4:2:2)は、一般に人間の目が色の変化よりも明るさの変化に敏感であることに着目し、YCb(Pb)Cr(Pr)(4:4:4)に比較して水平画素の色差成分(Cb(Pb)Cr(Pr))を、1/2に間引く(減らす)ことであり、映像記録において、広く利用されている。なお、YCbCr(4:2:2)をSD(Standard Definition,1920画素×1080画素未満)映像信号、YPbPr(4:4:4)をHD(High Definition,1920画素×1080画素)映像信号とする区分も広く利用されている。
【0029】
また、変換処理部145は、例えばIP変換処理、解像度変換(超解像処理)あるいはスケーリング処理等を行う。
【0030】
IP変換処理は、1080iと称されるインタレース信号から1080pと称されるプログレッシブ(ノンインターレース)信号への変換である。
【0031】
解像度変換(超解像処理)は、例えば複数の中解像度フレームのそれぞれに対してフレーム中の注目画素を含む注目画像領域中の画素値の変化パターンに最も近い複数の注目画像領域に対応する複数の対応点を基準フレームの中から選択し、対応点での輝度の標本値を対応点に対応している注目画素の画素値に設定し、複数の標本値の大きさと複数の対応点の配置とに基づいて、基準フレームの画素数よりも多い画素数の高解像度フレームであって基準フレームに対応する高解像度フレームの画素値を算出すること(特開2007−310837号公報記載)により、低解像度の画像信号から本来の画素値を推定して画素を増やす画像処理である。
【0032】
なお、超解像処理としては、例えば同一フレーム画像内の自己合同位置探索を利用して、中解像度フレームの探索領域の各画素の誤差を比較して最小となる第1の画素位置を算出し、第1の画素位置、及びこの第1の誤差、並びに第1の画素の周辺の第2の画素位置、及びこの第2の誤差に基づいて、探索領域のなかで誤差が最小となる位置を小数精度で算出し、この位置を終点、及び注目画素を始点とする小数精度ベクトルを算出し、この小数精度ベクトルを用いて、探索領域に含まれない画面上の画素を終点とする小数精度ベクトルの外挿ベクトルを算出し、小数精度ベクトル、外挿ベクトル、及び画像信号から取得された画素値に基づいて、画像信号に含まれる画素数よりも多い画素数の高解像度画像の画素値を算出すること(特開2008−98803号公報記載)も可能である。
【0033】
また、スケーリング処理は、入力映像(第1の記録再生モジュール121または第2の記録再生モジュール131からの出力)である1440画素×1080画素(地上デジタル放送の映像)や720画素×480画素(DVD規格の映像)を、表示装置の表示能力(最大で、現行は1920画素×1080画素)にあわせる処理を示す。
【0034】
出力側画像処理部(出力設定部)147は、変換処理部145において所定の変換処理が施された画像信号を、後段または外部に位置する表示装置による画像表示のための出力処理、例えば外部に接続される他の装置の画像処理部の特性を考慮して、多くの装置が最小限備えることが決められている特性を想定した一定条件の変換(処理)を行う。なお、出力形式は、色差のほかRGBも考慮する必要性からクロマフォーマットについては、4:4:4形式として出力する。
【0035】
テレビ装置301は、HDMI−CEC(HDMIケーブル)201と接続するHDMIインタフェース部311により入力される画像信号(クロマフォーマット4:4:4)を受けつけ、後段の表示装置351に映像出力を出力する信号処理モジュール321を含む。なお、信号処理モジュール321と表示装置351との間には、例えばOSD(On Screen Display、オンスクリーンディスプレイ)処理部や、動画改善回路等、表示装置351が画像を表示するために有益な画像処理を施す出力画像処理部331を含む。
【0036】
信号処理モジュール321は、入力側画像処理部323、変換処理部325及び出力側画像処理部(出力設定部)327を含む。
【0037】
入力側画像処理部323は、HDMIインタフェース部311を通じて入力される画像信号(クロマフォーマット4:4:4)を、クロマフォーマット(4:2:2)に変換する。
【0038】
変換処理部325は、入力側画像処理部323により変換された(4:2:2)を、たとえばIP変換処理、解像度変換あるいはスケーリング処理等を施した後に、(4:4:4)に変換する。
【0039】
変換処理部325によるIP変換やスケーリング処理および超解像変換では、メモリを介したデータ演算処理量が増加する。そのため、処理を行う前に入力側画像処理部323で4:2:2変換しておくことで画像データ量の削減を行い、演算処理量を軽減させる目的がある。しかし後段の出力画像処理部327では、RGB形式を考慮する必要があるため、上記の変換処理部325にて再度4:4:4に戻す必要がある。
【0040】
IP変換処理は、1080iと称されるインタレース信号から1080pと称されるプログレッシブ(ノンインターレース)信号への変換である。
【0041】
解像度変換(超解像処理)は、レコーダ装置101の変換処理部145と同様、例えば複数の中解像度フレームのそれぞれに対してフレーム中の注目画素を含む注目画像領域中の画素値の変化パターンに最も近い複数の注目画像領域に対応する複数の対応点を基準フレームの中から選択し、対応点での輝度の標本値を対応点に対応している注目画素の画素値に設定し、複数の標本値の大きさと複数の対応点の配置とに基づいて、基準フレームの画素数よりも多い画素数の高解像度フレームであって基準フレームに対応する高解像度フレームの画素値を算出することにより、低解像度の画像信号から本来の画素値を推定して画素を増やす画像処理である。なお、超解像処理としては、例えば同一フレーム画像内の自己合同位置探索を利用して、中解像度フレームの探索領域の各画素の誤差を比較して最小となる第1の画素位置を算出し、第1の画素位置、及びこの第1の誤差、並びに第1の画素の周辺の第2の画素位置、及びこの第2の誤差に基づいて、探索領域のなかで誤差が最小となる位置を小数精度で算出し、この位置を終点、及び注目画素を始点とする小数精度ベクトルを算出し、この小数精度ベクトルを用いて、探索領域に含まれない画面上の画素を終点とする小数精度ベクトルの外挿ベクトルを算出し、小数精度ベクトル、外挿ベクトル、及び画像信号から取得された画素値に基づいて、画像信号に含まれる画素数よりも多い画素数の高解像度画像の画素値を算出することも可能である。
【0042】
また、スケーリング処理は、入力映像(第1の記録再生モジュール121または第2の記録再生モジュール131からの出力)である1440画素×1080画素(地上デジタル放送の映像)や720画素×480画素(DVD規格の映像)を、表示装置の表示能力(最大で、現行は1920画素×1080画素)にあわせる処理を示す。
【0043】
図2に、図1が示すレコーダ装置とテレビ装置とを、HDMI(−CEC)ケーブルにより接続した場合において、両者が同一ベンダー(Vendor)に対応する場合の変換処理を説明する。なお、ベンダーは、供給元及び提携された関連のあるもしくは仕様の統一や関連づけが約束されている製造元内で利用可能な、HDMI−CEC規格で規定されているベンダーコマンド(Vendor Specific Commands)を含み、装置の製造元が用意する固有の情報、例えばモデル名、内装するアプリケーションのバージョン情報等をソース機器(レコーダ装置)がシンク機器(テレビ装置)のEDID(Extended Display Identification Data)を読取ることにより、取得できる。
【0044】
図1に示した通り、HDMIケーブル201により接続するレコーダ装置101及びテレビ装置301は、通常、実質的に同一の機能を有する変換処理部145(レコーダ装置101側)及び変換処理部325(テレビ装置301側)を、それぞれ含む。
【0045】
従って、色差コンポーネント信号YCb(Pb)Cr(Pr)信号について、入力された4:2:2信号から4:4:4信号への変換と4:4:4信号から4:2:2信号への変換が、重複することになる。さらには、前段の装置(レコーダ装置)101による処理と後段の装置(テレビ装置)301による処理が重複てしまう。その結果、画像演算処理に、補正等が不所望に強調されることがある。また、これらの変換処理は画像データへの演算処理が行われるため、演算結果の小数点以下の数値は切り捨てられてしまう。これは色信号の微小信号レベルの劣化を意味しており、そのため上述のような前段の装置(レコーダ装置)101による圧縮処理(一定条件の変換処理)時に画像情報の一部が失われた場合、後段の装置(テレビ装置)301における伸張処理(一定条件の変換処理)によって復元することは、困難であるため不必要な変換処理は行わない事が望ましい。
【0046】
実際には、図3に示すが、4:2:2信号から4:4:4信号へのクロマフォーマットの変換(レコーダ装置101の変換処理部145)において、CbデータとCrデータの変換に際し、元データ[Cb0]は周辺のCbデータを参照して新たに[Cb0’]と[Cb0”]に変換される。同様に、[Cb2]は[Cb2’]と[Cb2”]に、[Cb4]は[Cb4’]と[Cb4”]に、それぞれ、変換される。なお、元データ[Cr0]についても同様に、周辺のCrデータを参照して新たに[Cr0’]と[Cr0”]に変換され、[Cr2]及び[Cr4]についても、[Cr2’]と[Cr2”]及び[Cr4’]と[Cr4”]に、それぞれ、変換される。
【0047】
従って、4:4:4信号から4:2:2信号へのクロマフォーマットの変換(テレビ装置301の変換処理部325)において、CbデータとCrデータの変換に際し、周辺の色データを参照して演算処理されることで最終的に、元データ[Cb0]は、元データとは異なる[Cb0’’’ ]に変換される。同様に、[Cb2]、[Cb4]、[Cr0]〜[Cr4]についても、それぞれ[Cb2’’’ ]、[Cb4’’’ ]、[Cr0’’’ ]、[Cr2’’’ ]及び[Cr4’’’ ]に変換される。このことは、伸張時の間引き処理や縮小時の圧縮処理の結果、元データの一部が失われ、(元データとは異なる)色情報の劣化を伴う異なる。
【0048】
これに対し、図2が示すように、HDMI(−CEC)ケーブルにより接続したテレビ装置とレコーダ装置とがHDMI−CECラインを通じたEDIDの読み取り(ソース機器であるレコーダ装置によるシンク機器であるテレビ装置の特性を取得)の結果、同一ベンダー内の機器であることが特定できた場合、4:2:2信号から4:4:4信号へのクロマフォーマットの変換(レコーダ装置101の変換処理部145)において、CbデータとCrデータの水平方向のデータの変換に際し、元データ[Cb0]については、[Cb0]をそのまま2回供給(2度振り)する。
【0049】
同様に、[Cb2]、[Cb4]については、それぞれ[Cb2]、[Cb4]を、それぞれ、2回供給する(元データの色データの重心補正を行わない)。すなわち、4:2:2信号から4:4:4信号を、同一のデータを2回供給する変換として対応する。なお、元データ[Cr0]についても同様に、[Cr0]を2回、[Cr2]及び[Cr4]についても、[Cr2]及び[Cr4]を、それぞれ、2回供給する。
【0050】
また、4:4:4信号から4:2:2信号へのクロマフォーマットの変換(テレビ装置301の変換処理部325)において、最終的に、単純に、2つの[Cb0]の一方を取得し、他の一方を(単純)間引きすることで、元データ[Cr0]は、[Cb0]のまま、後段の出力設定部327に出力されることで色情報が劣化することを抑止できる。なお、[Cb2]、[Cb4]、[Cr0]〜[Cr4]についても、同様であることは、言うまでもない。また、最終的に、2つの[Cb0]の一方を取得(他の一方を間引き)する場合、例えば先頭のデータを採用し、後続(2つめ)のデータを間引くことが一般的であるが、ソフトウエア処理により、例えば先頭のデータが読取れない場合に、後続のデータを採用する、等の応用が可能である。
【0051】
このように、HDMIインタフェースのEDID機能を用いて、ソース機器(レコーダ装置)がシンク機器(テレビ装置)の仕様(ベンダー)を取得し、同一ベンダー内の装置であることを把握(検出)でき、且つCEC相互通信にて本機能をサポート可能な機器であることを把握(検出)できた場合に、4:2:2信号から4:4:4信号へのクロマフォーマットの変換時に、元データをそのまま2回供給する2度振りを行うことで、映像を再生する側(テレビ装置)においても単純間引き処理をおこない、色情報の劣化が生じることを抑止できる。
【0052】
図4に、図1に示したHDMIケーブルにより接続したレコーダ装置とテレビ装置との間のベンダーの検出について、説明する。
【0053】
電源がオンされることで、レコーダ装置(ソース機器)101が、HDMIケーブル201によりシンク機器(テレビ装置301)と接続されたことを検出する(HPD(Hot Plug Detected))[01]。
【0054】
レコーダ装置101は、HDMIケーブル201を通じ、テレビ装置301のEDIDを読み込み、(テレビ装置301が)同一ベンダー内の装置であることを取得する。更にCEC相互通信をおこなうことで、本機能をサポート可能な機器であることを把握(検出)する[02]。
【0055】
レコーダ装置101は、変換処理部145(信号処理モジュール141)における4:2:2を4:4:4に変換する変換処理において、2度振り(同一元データを2回入力する)を行う[03]。
【0056】
図5に、図4に示したシーケンスを、ソフトウエア的に示す。
【0057】
レコーダ装置(ソース機器)101において、テレビ装置301がHDMI(−CEC)ケーブル201により接続されていることを検出する[11]。
【0058】
レコーダ装置(ソース機器)101は、テレビ装置301のEDIDを、HDMI(−CEC)ケーブル201により取得する[12]。
【0059】
取得したEDIDから、(テレビ装置301が)同一ベンダーに属することを検出する。更にCEC相互通信をおこなうことで、本機能をサポート可能な機器であることを把握(検出)する[13]。
【0060】
テレビ装置301が同一ベンダーに属することを検出した場合[13−YES]、(レコーダ装置101は、)変換処理部145(信号処理モジュール141)における4:2:2を4:4:4に変換する変換処理において、2度振り(同一元データを2回入力する)を行う。またテレビ装置301では入力画像処理部323の4:4:4を4:2:2に変換する変換処理において、単純な間引き処理を行う[14]。なお、テレビ装置301が同一ベンダーに属さない場合[13−NO]、通常の変換処理が行われる[15]。
【0061】
すなわち、図4あるいは図5に示したシーケンス/ルーチンに従い、シンク機器(テレビ装置)が同一ベンダーに属することをレコーダ装置(ソース機器)において検出できた場合、変換処理部145(信号処理モジュール141)における4:2:2を4:4:4に変換する色差コンポーネント信号の変換処理において、2度振り(同一元データを2回入力する)を行うことで、例えば複数タップを用いる伸張処理により、元の色データの水平方向の重心が補正される(演算により微小データが失われる)ことを抑止でき、シンク機器(テレビ装置)において色情報が変化(劣化)することを避けることができる。
【0062】
図6は、図1に示したHDMIケーブルにより接続するソース機器(レコーダ装置)として利用可能な記録再生装置の構成の一例を示す。
【0063】
レコーダ(記録再生装置)601は、チューナ602、入力回路603、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)604、記録装置605、出力回路606、ユーザ操作入力部(リモコン信号受信回路)607、電源部608、及びHDMI処理部609(図1に示したHDMIインタフェース部111に相当)と接続するポート681を少なくとも含む。
【0064】
チューナ602は、アンテナ端子621に接続されるアンテナまたは光ケーブル等を介して、録画対象の番組を放送するチャンネルを選局する。
【0065】
入力端子603は、ビデオ(Viedo)入力端631およびオーディオ(Audio)入力端632を経由して入力されるビデオ(動画)信号およびオーディオ(音声)信号を、受けつける。
【0066】
DSP(シグナルプロセッサ)604は、主制御装置(CPU)640、ネットワークコントローラ641、アナログ−デジタルコンバータ(ADC)642、エンコーダ643、インタフェース644、デコーダ645、ユーザインタフェースグラフィック処理部(GUI処理部)646、ビデオエンコーダ(ビデオ出力処理部)647、デジタル−アナログコンバータ(オーディオデコーダ(DAC))648、EPG(Electric Program Guide)処理部649等の要素を、少なくとも含む。なお、DSP(シグナルプロセッサ)604が図1に示す信号処理モジュール141に相当し、第1または第2の記録再生モジュール121、131から入力される画像データ4:2:2を、所定の画像処理を実行し、再び4:4:4に変換して、出力回路606に出力する。
【0067】
主制御装置(CPU)640は、上述した各要素の動作、および電源部608の主電源(内部制御用2次回路を除く)のオン/オフを制御する。
【0068】
ネットワークコントローラ641は、LAN端子691を経由して、外部ネットワークから供給されるストリーム形式の番組を受信する。なお、LAN端子691は、例えば同一建物内に構築される比較的小規模のネットワーク(家庭内LAN(Local Area Network))もしくはホームサーバ(Home Saver,大容量記録装置)および接続網と接続され、例えばホームサーバを介して、外部ネットワークと接続されることもある。また、家庭内LANあるいはネットワークは、DLNA(Digital Living Network Alliance(登録商標))規格に準拠することが好ましい。
【0069】
アナログ−デジタルコンバータ(ADC)642、アナログ入力されたビデオ信号およびオーディオ信号をデジタル信号に変換し、エンコーダ643に入力する。なお、チューナ602がデジタル放送を受信する場合には、チューナ602の出力は、そのままエンコーダ643に入力されることはいうまでもない。
【0070】
エンコーダ643は、入力されたアナログ信号(ビデオ/オーディオ)をデジタル信号に変換(エンコード)する。なお、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)−2あるいはMPEG−4(H.264−AVC))等に準拠した圧縮を伴う。
【0071】
インタフェース644は、記録装置5との間のデータの受け渡し、あるいはリモコン信号受光回路607からの制御信号の入力に利用される。HDMI処理部609には、HDMI端子681を介して、例えば図7(図1)に一例を示すテレビ装置(映像再生装置)301、もしくはハブが接続される。なお、ハブには、例えばHDMI端子を備えたAVアンプや、PC、HDD内蔵のDVDレコーダ、DVDプレーヤ等の外部機器が接続可能である。なお、HDMI端子681がハブと接続される場合には、例えばブロードバンドルータを介して、例えばインターネット等のネットワークとの接続や、ネットワーク上に位置するPCや図示しない携帯電話または携帯端末装置、もしくは携帯端末との間の動画ファイル(映像データ)やオーディオファイル(音声データ)の読み込みおよび再生ならびに書き込み(記録)等も可能である。なお、インタフェース644に、上述のHDMI処理部609が接続されるが、HDMI処理部609は、ネットワークコントローラ641に接続されてもよい。
【0072】
デコーダ645は、MPEG−2あるいはMPEG−4(H.264−AVC))等に圧縮された番組を、デコードする。
【0073】
ユーザインタフェースグラフィック処理部(GUI処理部)646は、出力回路606を経由して映像出力端661とオーディオ出力端662に接続されるモニタ装置663に表示させるGUI(グラフィックインタフェース)画面表示を出力する。
【0074】
ビデオエンコーダ(ビデオ出力処理部)647は、映像信号とGUI処理部646から出力されるGUI画面表示を必要に応じ合成し、映像出力端661に接続されるモニタ装置663が表示可能に、出力回路606に、出力映像信号を生成する。
【0075】
デジタル−アナログコンバータ(オーディオデコーダ(DAC))648は、出力回路606に、オーディオ出力端662に接続される外部スピーカ等が再生可能に、オーディオ信号を出力する。
【0076】
EPG処理部649は、例えばBSデジタル放送または地上デジタル放送において番組とともに送信されるEPGデータもしくはLAN端子691を経由して外部から取得可能なEPGデータを取得し、例えばGUI処理部646において番組の予約時に番組表を表示させるための日付、時間、チャンネル、番組長データとして保持する。なお、取得したEPGデータは、図示しないメモリ装置あるいはHDD651の所定の領域に保存される。
【0077】
記録装置605は、例えばHDD651またはディスクドライブ装置652を含み、HDD651内のHDあるいはディスクドライブ装置652にセットされるDVD規格の光ディスクDに対して番組を記録し、もしくは既に記録されている番組を再生する。なお、ディスクドライブ装置652に加え、例えば半導体メモリ(メモリカード)等に番組を記録し、あるいは既に記録されている番組を再生するリーダ/ライタ(図示しない)が用意されてもよい。
【0078】
出力回路606は、映像出力端661およびオーディオ出力端662に接続される再生装置、例えばモニタ装置とスピーカ装置に、ビデオエンコーダ647からの映像信号とDAC648からのオーディオ信号を出力する。
【0079】
リモコン信号受光回路607は、リモコン受光部671において受け付けたユーザ操作入力を、インタフェース644を経由して、主制御装置640に入力する。
【0080】
電源部608は、主制御装置640の制御により主電源がオフ可能であり、図示しないタイマ部にセットされた予約時間が到来した時点で主電源をオンし、上述した各要素の動作を、動作可能状態に維持する。
【0081】
図7は、図1に示したHDMIケーブルにより接続するシンク機器(テレビ装置)として利用可能な映像再生装置の構成の一例を示す。
【0082】
テレビ受信装置711は、映像信号(ビデオデータ)に対応する映像を表示する映像表示器713、例えばスピーカ等に代表される音声再生装置であって、音声出力(オーディオデータ)を再生する音声再生器715、ユーザからの制御指示(制御入力)信号を受け入れる操作部717、ユーザからのリモコン装置Rによる操作情報(制御入力)信号を受けつけるリモコン受信部719、および制御ブロック(制御部)760等を含む。なお、映像表示器(ディスプレイ装置)713は、例えば液晶パネル装置であって、付属する照明装置725からの照明光(バックライト)を選択的に透過することにより、映像を表示する。また、照明装置725は、点灯回路727により、周囲の明るさや、連続して点灯されている時間と非点灯時間との差すなわち照明装置725の温度に基づいて規定される所定の駆動電圧で点灯される。
【0083】
制御部760は、CPUまたはMPU(Main Processing Unit)とよばれる主制御装置(主制御用大規模IC(LSI))761を、含む。
【0084】
制御部760(主制御装置761)は、操作部717からの操作入力、またはリモコン装置Rから送出された操作情報を受信部719により受信した(リモコン入力)制御信号、もしくはネットワーク接続部(通信インタフェース)773を介して外部から供給される情報およびデータに対応して、以下に説明する各部(要素)を、制御する。
【0085】
制御部760はまた、主制御装置761が実行する制御プログラムを保持したROM(Read Only Memory)762、主制御装置761の作業エリアを提供するRAM(Random Access Memory)763、各種の設定情報や制御情報ならびに上述のHDMI接続において変更された入力切換連携仕様、あるいはネットワーク接続部773を介して外部から供給される情報および録画予約情報などのデータ等を保持する不揮発性メモリ(Non Volatility Memory,NVM)764、およびHDD765を、含む。
【0086】
なお、NVM764は、ネットワーク接続部773を経由して取り込まれ、制御部760を経由してメッセージや解読されたスケジュール情報等も保持する。
【0087】
制御部760には、半導体メモリであるカード状媒体(メモリカード)Mからの情報の読み出しとメモリカードMへの情報の書き込みを可能とするカード_IF771、ネットワーク接続部(通信_IF)773、HDMI処理部774(図1に示したHDMIインタフェース部151に相当)と接続するポート782、光ディスクDからの情報すなわち動画データやオーディオ(音声)データの読み出しと光ディスクへの情報の書き込みに用いられるディスクドライブ装置775、USB_I/F(インタフェース)、およびi.Link_I/F(インタフェース)777等の任意数のI/F(インタフェース)群が接続され、それぞれのインタフェースに適合する外部装置、あるいはハブ(拡張装置)もしくはネットワーク制御装置として機能する。
【0088】
カード_I/F771は、カードホルダ772に装着されるメモリカードMから、映像および音声ファイルを読み込むことができ、また、メモリカードMに、映像および音声ファイルを書き込むことができる。
【0089】
通信_I/F773は、LAN端子(ポート)781と接続され、イーサネット規格に従い、外部装置、例えば図示しないが携帯端末装置やモバイルPCを介して、あるいはリモコン装置から供給される制御情報や動画データを受け入れる。なお、通信_I/F773は、LAN対応のハブ(Hub)が接続されることで、LAN対応のHDD(NAS(Network Attached Storage)HDD)、PC、HDD内蔵のDVDレコーダ等の機器の接続が可能である。
【0090】
HDMI処理部774には、HDMI端子782を介して、例えば図6(図1)に一例を示したレコーダ(記録再生装置)101あるいは図示しないAVアンプ、もしくはハブが接続される。なお、AVアンプには、図示しないが、例えばDVDレコーダやDVDプレーヤ等が接続される。また、ハブには、例えばHDMI端子を備えたAVアンプや、PC、HDD内蔵のDVDレコーダ、DVDプレーヤ等の外部機器が接続可能である。なお、HDMI端子782がハブと接続される場合には、例えばブロードバンドルータを介して、例えばインターネット等のネットワークとの接続や、ネットワーク上に位置するPCや図示しない携帯電話または携帯端末装置、もしくは携帯端末との間の動画ファイル(映像データ)やオーディオファイル(音声データ)の読み込みおよび再生ならびに書き込み(記録)等も可能である。
【0091】
ディスクドライブ装置775は、例えばDVD規格の光ディスクMから情報すなわち動画データやオーディオ(音声)データを読み出し、もしくは記録する。また、セットされた光ディスクがCD規格である場合には、オーディオ(音声)データを読み出し、再生するとともに、例えば曲名や演奏時間等を、映像表示器713に表示可能に出力する。
【0092】
USB_I/F776は、USBポート784に接続される図示しないハブを介して、USB_I/Fを介してアクセス可能に形成されたHDD、キーボード等が接続可能であり、それぞれのUSB機器との間で情報の受け渡しが可能である。なお、USB_I/F776に対応する携帯電話、デジタルカメラ、メモリカードに対するカードリーダ/ライタも接続可能であることはいうまでもない。
【0093】
i.Link_I/F777は、図示しないが、例えばAV(オーディオ−ビジュアル)−HDDあるいはD(Digital)−VHS(Video Home System)等の外部機器、もしくは、外付けのチューナあるいはSTP(Set Top Box(ケーブルテレビ用受信機))等がシリアル接続可能であり、接続される任意の機器との間で、情報の受け渡しが可能である。
【0094】
なお、詳述しないが、個々のインタフェースに加えて、もしくは任意の1または複数のインタフェースに代えて、例えばDLNA(登録商標))規格等に準拠したネットワークコントローラや、図示しないBluetooth(登録商標)/(ブルートゥース(登録商標))が用意され、それらを経由して、データの受け渡しが可能なレコーダ装置やHDD装置、もしくは携帯可能な端末装置が接続されてもよいことはいうまでもない。
【0095】
制御部760は、タイマーコントローラ(時計部)790を含む。時計部90は、時刻や、ユーザからの入力により設定される予約録画のための予約時刻(日時)と録画対象チャンネル等の情報を管理するとともに、その情報を保持可能である。なお、時計部790は、地上波デジタルチューナ750を介して受信するデジタル放送におけるTOT(Time Offset Table)と呼ばれる「時刻情報」を、常時取得できる。すなわち、電波時計を内蔵している機器と同等の時刻管理が可能である。また、地上波アナログチューナ752により受信するアナログアナログ放送の所定のチャンネルからも、毎日、所定の時間に時報を取得可能であることはいうまでもない。また、時計部790は、携帯端末装置から供給されるスケジューラ機能やメッセンジャ機能のための情報に対する計時部としても機能する。なお、時計部790は、スケジューラ機能およびメッセンジャ機能により規定される所定の時刻において、電源部791による、商用電源に対する電源のオン/オフ(通電)を制御できることはいうまでもない。すなわち、コンセントが抜かれている等の物理的に通電が困難な状況下以外においては、映像表示器713や信号処理部747あるいはHDD等の電力消費の比較的大きな要素を除く、制御部760等への2次電源(DC(直流)31V、あるいは24Vもしくは5V等)は、通常確保されており、予め規定された時刻に映像表示器713や信号処理部747あるいはHDD765等が起動されることは、いうまでもない。
【0096】
なお、信号処理部747が図1に示す信号処理モジュール321に相当し、入力画像データ4:4:4を4:2:2に変換し、所定の画像処理を実行し、再び4:4:4に変換して、映像表示器713(前段のグラフィック処理部754)に出力する。
【0097】
以上説明したように、実施形態を適用することで、前段の装置による一定条件の変換処理時と後段の装置における一定条件の変換処理によって画質への影響が生じることが防止でき、色再現性の良好な画像出力が得られる。
【0098】
また、画像変換の精度が向上し、色情報に損失が生じることが防止される。
【0099】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0100】
101…記録再生装置(レコーダ装置/ソース機器)、141…信号処理モジュール、143…入力側画像処理部、145…変換処理部、147…出力側画像処理部、201…双方向通信インタフェース(HDMI−CEC)ケーブル、301…映像表示装置(テレビ装置/シンク機器)、321…信号処理モジュール、323…入力側画像処理部、325…変換処理部、327…出力側画像処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置が接続したことを双方向インタフェースにより検出する検出部と、
接続した表示装置に固有の情報を双方向インタフェースにより取得する取得部と、
入力画像信号のクロマフォーマットを変換する際に、前記取得部が取得した固有の情報に従う変換処理部と、
変換処理部が処理した画像信号を双方向インタフェースに出力する出力画像処理部と、
を具備する電子機器。
【請求項2】
前記双方向インタフェースは、HDMI(High-definition Digital Media Interface)−CEC(Consumer Electronics Control)規格に準拠する請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記双方向インタフェースは、接続した表示装置が含むEDID(Extended Display Identification Data)を読み取るとともにCEC規格に準拠した相互通信を行う請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記取得部が取得する固有の情報は、ベンダー情報を含む請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
前記変換処理部は、4:2:2信号を4:4:4信号に変換する請求項1記載の電子機器。
【請求項6】
前記双方向インタフェースは、HDMI(High-definition Digital Media Interface)−CEC(Consumer Electronics Control)規格に準拠する請求項5記載の電子機器。
【請求項7】
前記双方向インタフェースは、接続した表示装置が含むEDID(Extended Display Identification Data)を読み取るとともにCEC規格に準拠した相互通信を行う請求項6記載の電子機器。
【請求項8】
前記変換処理部は、4:2:2信号を4:4:4信号に変換する請求項4の電子機器。
【請求項9】
表示装置が接続したことを双方向インタフェースにより検出し、
接続した表示装置に固有の情報を双方向インタフェースにより取得し、
入力画像信号のクロマフォーマットを変換処理する際に、取得した固有の情報に従い、同一成分を2回用いる変換処理を実行し、
変換処理した画像信号を双方向インタフェースに出力する
記録再生装置の記録再生方法。
【請求項10】
固有の情報は、ベンダー情報を含む請求項9記載の記録再生方法。
【請求項11】
同一成分を2回用いる変換処理は、取得したベンダー情報が同一ベンダーであることを示す場合に実行する請求項10記載の記録再生方法。
【請求項12】
画像信号供給元が双方向インタフェースにより接続された場合、画像信号供給元と同一の固有情報を画像信号供給元が読み取り可能に、固有情報を保持する情報保持部と、
画像信号供給元から双方向インタフェースを通じて供給される画像信号を、水平方向の色情報を単純な間引き処理にて1/2に圧縮する入力画像処理部と、
前記入力画像処理部の画像出力を、表示装置に供給する出力画像処理部と、
を具備する電子機器。
【請求項13】
前記双方向インタフェースは、HDMI(High-definition Digital Media Interface)−CEC(Consumer Electronics Control)規格に準拠する請求項12記載の電子機器。
【請求項14】
前記双方向インタフェースは、画像信号供給元による前記情報保持部からの固有情報(EDID(Extended Display Identification Data))の読み取るとともにCEC規格に準拠した相互通信を行う請求項13記載の電子機器。
【請求項15】
前記出力画像処理部は、4:2:2信号を4:4:4信号に変換する請求項12記載の電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−51586(P2013−51586A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189161(P2011−189161)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】