説明

記録再生装置

【課題】メモリカード側で性能対策が行われていない場合であっても、記憶媒体毎にデータ転送に関する適切な性能対策を行う。
【解決手段】記憶媒体との間でデータの入出力を行う記録再生装置101であって、記憶媒体毎に記憶媒体の特性を示す記憶媒体特性情報を格納している記憶領域106と、前記記録再生装置に接続された記憶媒体の記憶媒体特性情報を前記記憶領域から読み出し、読み出した前記記憶媒体特性情報と、記憶媒体の制御方針を示す記憶媒体制御方針情報とに基づき、記憶媒体との間のデータの入出力を制御する制御部104とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体メモリカードなどの記憶媒体の特性に応じて、アクセス制御を動的に切替える記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、小型で利便性の高いメモリカードが、DVD(Digital Versatile Disc)やBD(Blu−ray Disc(登録商標))といった既存の記憶媒体である光ディスクに代えて、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ又は携帯電話といった小型民生機器など多彩な機器に採用されるようになってきている。また、メモリカードに搭載されるフラッシュメモリの大容量化、低価格化が進み、多種多様なメーカー、性能又は容量のカードが市販され、ユーザが複数枚のメモリカードを所持したり、様々な機器でメモリカードを共有して使用したりと多彩な使用方法が行われるようになってきている。
【0003】
このような状況下において、メモリカードへの高画質録画など大量のデータ記録を行う機器において、メモリカードの使用状況やメモリ性能などによっては、メモリカードへのデータ記録が追いつかなくなり、動画記録が途切れたり、停止したりしてしまうなどの課題がある。
【0004】
このため、メモリカードの大容量化に伴い、データの転送性能の向上が要望されるようになってきている。さまざまなメモリカード規格において高速化への対応がなされているが、転送性能に比例して消費電力が増える傾向がある。このため、特にバッテリを搭載したようなモバイル機器においては転送性能と消費電力とを両立するようなシステム構成を構築する必要性が高まってきている。
【0005】
その他にも、メモリカードのフラッシュメモリ特性に依存したメモリカードの固有特性の違いが顕著化するため、従来の機器では想定した性能が発揮できない可能性が高まってきている。
【0006】
例えば、特許文献1によると、半導体メモリカード内にアクセス性能に関する情報を保持し、その情報をファイルシステムの制御に使用できるようにしている。これにより、使用する半導体メモリの特性や管理方法の違いにかかわらず、記録再生装置及び半導体メモリカードの処理を最適化し、記録再生装置から半導体メモリカードに対して高速のアクセスを実現することが可能となっている。
【0007】
また、特許文献2によると、記録再生装置からの書き込みテストコマンドに基づいて、メモリカード側でユーザデータを記憶している所定の記憶領域にデータを書き込み、その書き込み速度を測定する。その後、書き込み速度の測定結果を記録再生装置に通知する。これにより、記録再生装置は、メモリカードの書き込み速度を認識することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第05/015406号
【特許文献2】特開2005−222201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載の技術では、ファイルシステムの制御に関するものである。Linuxなどのオープンシステムにおける汎用ファイルシステムにおいて、特定のメモリカードの制御機構を導入するのは困難である。また、このような制御機構を公開することはLinuxのライセンス上問題となりうる。
【0010】
特許文献2に記載の技術によれば、メモリカード内でテスト性能を図ることが可能となる。しかし、記録再生装置とメモリカードと含めたシステム性能を算出できていない。
【0011】
双方の従来技術ともに、メモリカード側での性能対策を前提としており、メモリカード側で性能対策が行われない場合には、記録再生装置においてデータ転送に関する適切な性能対策ができないという課題を有している。つまり、実際の記録再生装置のシステム構成及び記録再生装置における処理状況を考慮せずに性能対策が行われている。また、双方の従来技術ともに、性能対策として転送性能の向上に特化しており、記録再生装置の省電力、メモリカード寿命、互換性のない規格違反メモリカードへの対策が全く考慮されていない。
【0012】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、メモリカード側で性能対策が行われていない場合であっても、記憶媒体毎にデータ転送に関する適切な性能対策を行うことができる記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のある局面に係る記録再生装置は、記憶媒体との間でデータの入出力を行う記録再生装置であって、記憶媒体毎に記憶媒体の特性を示す記憶媒体特性情報を格納している記憶領域と、前記記録再生装置に接続された記憶媒体の記憶媒体特性情報を前記記憶領域から読み出し、読み出した前記記憶媒体特性情報と、記憶媒体の制御方針を示す記憶媒体制御方針情報とに基づき、記憶媒体との間のデータの入出力を制御する制御部とを備える。
【0014】
この構成によると、記憶媒体特性情報に基づいてデータの入出力が制御される。記憶媒体特性情報は記憶媒体毎に記憶領域に記憶されている。このため、メモリカード側で性能対策が行われていない場合であっても、記憶媒体毎にデータ転送に関する適切な性能対策を行うことができる。
【0015】
なお、本発明は、このような特徴的な処理部を備える記録再生装置として実現することができるだけでなく、記録再生装置に含まれる特徴的な処理部が実行する処理をステップとする記録再生方法として実現することができる。また、記録再生方法に含まれる特徴的なステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現することもできる。そして、そのようなプログラムを、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能な不揮発性の記憶媒体やインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。
【発明の効果】
【0016】
本発明の記録再生装置によると、メモリカード側で性能対策が行われていない場合であっても、記憶媒体毎にデータ転送に関する適切な性能対策を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係る記録再生システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る記録再生システムの機能的な構成を示すブロック図である。
【図3】記憶媒体特性情報の構成を示す図である。
【図4】記憶媒体特性情報の構成を示す図である。
【図5】記憶媒体性能特性情報の処理サイズ毎の転送性能の構成を示す図である。
【図6】記憶媒体性能特性情報の転送性能毎の消費電力の構成を示す図である。
【図7】記憶媒体性能特性情報の記憶媒体の書換え可能回数の構成を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る記憶再生方法に関する処理フローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態2に係る記録再生システムの機能的な構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る記憶再生方法に関する処理フローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態3に係る記録再生システムの機能的な構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態3に係る記憶再生方法に関する処理フローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態4に係る記録再生システムの機能的な構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の実施の形態4に係る記憶再生方法に関する処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の実施の形態に係る記録再生システムの構成を示す図である。
【0019】
この記録再生システムにおいては、メモリカード1303などの記憶媒体に、カメラ1306や携帯電話1302などの様々な民生機器によって、写真や動画といった高画質コンテンツが記録される。ユーザがメモリカード1303を持ち出して、様々な機器に挿入する、又は機器間をネットワーク接続することで、メモリカード1303に記憶されたコンテンツが様々な機器で再生される。以下、本発明の実施の形態に関して、図面を参照しながら説明する。
【0020】
以下の実施の形態では、記憶媒体として主にSD(Secure Digital)メモリカードを例にとって説明するが、記憶媒体はSDカードのようなフラッシュメモリを搭載している小型メモリカードに限られるものではなく、BD、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などの記憶媒体であってもよいし、その他の記憶媒体であってもよい。
【0021】
また、記録再生装置として、主に携帯電話1302を例にとって説明するが、記録再生装置は携帯電話1302に限られるものではなく、テレビ1301、レコーダ1304、カメラ1306、ビューワ1305(モバイルネット機器、ポータブルAV機器など)などの他の民生機器であってもよいし、その他の機器であってもよい。
【0022】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1について、図面を参照しながら説明する。
【0023】
図2は、本発明の実施の形態1に係る記録再生システムの機能的な構成を示すブロック図である。
【0024】
記録再生システムは、携帯電話などの各種民生機器にあたる記録再生装置101と、SDメモリカードなどの各種メモリカードにあたる記憶媒体121とを含む。
【0025】
記憶媒体121は、記憶領域123と、制御部122とを含む。
【0026】
記憶領域123は、記憶媒体121に固有な記憶媒体固有情報124や各種データを格納するための記憶領域である。
【0027】
制御部122は、記録再生装置101と記憶領域123との間でのデータの転送制御を行う。
【0028】
本実施の形態では、記憶媒体121の構成はあくまでも一例であり、記録再生装置101が、記憶媒体121に対するデータの読み書きと、記憶媒体121からの記憶媒体121に固有な情報である記憶媒体固有情報124の取得とができる構成であれば、この構成に限られるものではない。
【0029】
例えば、記憶媒体固有情報124専用の特殊な記憶領域が存在したり、制御部122を経由せずに記憶媒体固有情報124を取得可能な構成であってもなんら問題ない。
【0030】
記録再生装置101は、記憶媒体121との間でデータの入出力を行う装置であって、記憶領域106と、制御部104と、入力部103と、出力部102と、電源部108とを備える。
【0031】
記憶領域106は、記憶媒体121毎に記憶媒体の特性を示す記憶媒体特性情報107を格納している。
【0032】
制御部104は、記録再生装置101に接続された記憶媒体121の記憶媒体特性情報を記憶領域106から読み出し、読み出した記憶媒体特性情報107と、記憶媒体121の制御方針を示す記憶媒体制御方針情報105とに基づき、記憶媒体121との間のデータの入出力を制御する。
【0033】
入力部103は、記録再生装置101の外部から記録再生装置101へのデータ入力を受け付ける。
【0034】
出力部102は、記録再生装置101の外部へデータを出力する。
【0035】
電源部108は、記録再生装置101を構成する各部への電源供給を行う。
【0036】
記憶領域106は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリといった、通常、民生機器などに実装される不揮発メモリを想定するがその限りではない。記憶媒体制御方針情報105は、製品出荷時にあらかじめ記憶領域106に格納されていることを想定するが、外部から後から設定されたり、変更されたりする可能性があることはいうまでもない。
【0037】
記憶媒体制御方針情報105は、記憶媒体121を制御するにあたっての、あらかじめ機器に設定される方針を示す情報である。記憶媒体制御方針情報105には、具体的に、記録再生装置101と記憶媒体121との間の転送性能重視(1)、記録再生装置101の省電力重視(2)、記憶媒体121の長寿命重視(3)、記録再生装置101と記憶媒体121との間の安全動作といった品質や互換性重視(4)といった制御方針を示す情報を含む。
【0038】
記録再生装置101と記憶媒体121との間の転送性能重視(1)の情報は、記録再生装置101と記憶媒体121との間のデータの転送性能を最大化するための記憶媒体121の制御方針を示す情報を含む。
【0039】
記録再生装置101の省電力重視(2)の情報は、記憶媒体121との間でのデータの入出力時の消費電力を最小化するための記憶媒体121の制御方針を示す情報を含む。
【0040】
記憶媒体121の長寿命重視(3)の情報は、記憶媒体121へのデータアクセス回数を最小化するための記憶媒体121の制御方針を示す情報を含む。
【0041】
記録再生装置101と記憶媒体121との間の安全動作といった品質や互換性重視(4)の情報は、記憶媒体121との間でのデータ入出力時の異常発生を最小化するための記憶媒体121の制御方針を示す情報を含む。
【0042】
これらの制御方針は、相反する性質のものもあるため、すべてを最良に設定することはできないが、機器開発時の制御方針を最大100でそれぞれを数値化し設定しておくことなどを想定する。例えば、ビデオレコーダなどの据え置き機器では、(1):40、(2):0、(3):10、(4):50という設定値を記憶領域106に記憶しておいてもよい。
【0043】
上記した(1)から(4)の重視事項は、対象とする記録再生装置101や記憶媒体121の特徴や特性によって、別の内容であってもよいし、数値化方法が様々であってもよいことはいうまでもない。
【0044】
たとえば、記憶媒体制御方針情報105が、記録再生装置101と記憶媒体121との間の転送性能重視(1)の場合には、データ処理サイズ単位、最大転送性能及び動作周波数を最大化する制御パラメータを、記憶媒体制御方針情報105として設定する。
【0045】
記録再生装置101の省電力重視(2)の場合には、必要な性能を確保しつつも、データ処理サイズ、最大転送性能、動作周波数及び最大消費電力は最低限とし、クロック供給及び電源供給を細やかにON/OFF制御するための制御パラメータを、記憶媒体制御方針情報105として設定する。
【0046】
記憶媒体121の長寿命重視(3)の場合には、必要以上にメモリへのアクセスが発生しないように、ソフトウェア内のバッファ管理によって、データをキャッシングするメモリ容量を最大化し、通常の書き込み処理では実際にキャッシュメモリへアクセスを行い、特定のタイミングで実際の記憶媒体121とデータ同期を図ることで、記憶媒体121へのデータアクセス回数を最小化するための制御パラメータを、記憶媒体制御方針情報105として設定する。
【0047】
記録再生装置101と記憶媒体121との間の安全動作といった品質や互換性重視(4)の場合には、異常回避の特殊処理シーケンスの全パターンを網羅的に実行、又はリトライ処理し、なんとしてでも記憶媒体121を動作させることに重点を置く制御パラメータを、記憶媒体制御方針情報105として設定する。
【0048】
制御部104は、記録再生装置101内の各部と連携し、記録再生装置101が記憶媒体121へ行うデータ制御の中核を担うCPU(Central Processing Unit)、マイコンといったものを想定している。実際に行われるデータ制御方法として、CPU上で動作するハードウェアに最も近いドライバなどのソフトウェアが制御パラメータを動的に変更することを想定する。ただし、用途に応じては、データ制御方法をアプリケーションソフトウェアやミドルウェアといったソフトウェア層や、ハードウェア自体で実施することも可能であることはいうまでもない。
【0049】
具体的な制御パラメータとして、データ処理サイズ単位、最大転送性能、動作周波数、クロック供給有無、電源供給有無、最大消費電力、バッファ管理、異常回避の特殊処理シーケンスなどを想定する。制御パラメータは、後述の記憶媒体特性情報によって変化させることが可能なパラメータであれば、上記に限定されるものではない。
【0050】
制御部104は、記録再生装置101や記憶媒体121の状態に応じて、上記制御パラメータの設定を動的に変更し、記録再生装置101と記憶媒体121とのデータ制御方法を適宜変化させる。
【0051】
記録再生装置101の入力部103及び出力部102には、入力装置及び出力装置がそれぞれ接続されている。入力装置は、入力部103を介して、記録再生装置101が記憶媒体121に書き込むべきデータを記録再生装置101に入力する。出力装置は、記録再生装置101が記憶媒体121から読み出し、出力部102から出力されるデータを表示したり、記録したりする。入力装置及び出力装置は、記録再生装置101の外部に設けられることを想定しているが、ポータブル機器などの小型化や一体化が望まれるような機器では、記録再生装置101と入力装置及び出力装置とが一体化される可能性があることはいうまでもない。
【0052】
電源部108はACコンセントと接続される場合もあれば、限られた容量のバッテリに接続され、かつ当該バッテリが内蔵される場合もある。また、それらの電源状態が動的に変化することも想定する。電源部108は、各部に動作電源を供給するとともに、使用可能な電源容量や電源状態を制御部104に通知する機能を有している。
【0053】
記憶媒体特性情報107は、図3に示す、記憶媒体固有情報(A,B,C)、記憶媒体性能特性情報(D,E,F)、記憶媒体エラー特性情報(G,H,I)、情報取得日時情報(J,K,L)などを含むことを想定するが、記憶媒体121に固有となりうる特性に関する情報であれば、その他のあらゆる情報が含まれていてもなんら構わない。
【0054】
記憶媒体特性情報107は、本発明の大きな構成要素であり、本実施の形態で想定される詳細な特性情報に関して図4を用いてさらに具体的に説明する。ただし、記憶媒体特性情報107は、図4に記述される項目に限定されるものではなく、記憶媒体121の特性を示す情報であれば、他の情報やパラメータであってもなんら問題ないことは言うまでもない。
【0055】
図4に示すように記憶媒体特性情報107は、(1)記憶媒体固有情報510と、(2)記憶媒体性能特性情報520、記憶媒体エラー特性情報530、及び情報取得日時情報540のうち少なくとも1つとを含む。
【0056】
記憶媒体固有情報510は、記憶媒体121に固有な情報である。記憶媒体固有情報510は、記憶媒体121内で管理され、記録再生装置101から取得可能な情報である。記憶媒体固有情報510は、例えば、シリアル番号511、記憶容量512、メーカー513などを含む。
【0057】
これらの情報によって記憶媒体121を一意に特定したり、記憶容量512又はメーカー513によってメモリカード特性を予測したりすることができる。
【0058】
シリアル番号511は、メディアID又はカードIDといった記憶媒体121に固有な識別番号である。
【0059】
記憶容量512は、SD/SDHC(SD High Capacity)/SDXC(SD eXtended Capacity)メモリカードでは8MB〜2GB/2GB超〜32GB/32GB超〜2TBといったデータを記憶可能な記憶容量である。
【0060】
メーカー513は、マニュファクチャラーIDといった、メモリカード自体/メモリカードのフラッシュメモリ/メモリカードの制御コントローラなどを設計/製造しているメーカーIDなどである。
【0061】
記憶媒体性能特性情報520は、記憶媒体121の性能を示す情報である。記憶媒体性能特性情報520は、実際に記録再生装置101と記憶媒体121とのデータのやり取りにおいて計測され、記憶媒体121の性能予測に使用される情報である。例えば、記憶媒体性能特性情報520は、記憶媒体初期化時間521、処理サイズ毎の転送性能522、転送性能毎の消費電力523及び記憶媒体の書換え可能回数524などを含む。
【0062】
これらの特性に基づいて記録再生装置101の要求を満たす制御を実現したり、これらの特性を蓄積することにより、記憶媒体121の性能の傾向を分析し、記憶媒体121の将来特性を予測したりすることができる。
【0063】
記憶媒体初期化時間521は、実際に記録再生装置101が記憶媒体121を使用開始するにあたって、記憶媒体121の初期化を行うのに必要となる記憶媒体初期化時間を実際に測定することにより得られる実測値である。
【0064】
昨今のメモリカードの大容量化に伴い、本初期化時間は長くなる傾向であり、記録再生装置101側の制御に大きな影響を与えるようになってきている。
【0065】
例えば、省電力制御を緻密に行うバッテリなどで動作するモバイル用途の記録再生装置101では、記憶媒体121への電源やクロック供給は、記録再生装置101の未使用時には常にOFFされることとなる。その後に記録再生装置101の使用を再開する場合、使用可能となるまでに必要な時間、つまり初期化時間が、記録再生装置101の性能において重要となってくる。つまり、この記憶媒体初期化時間521によって、記録再生装置101が記憶媒体121への電源供給をどれくらいの期間停止可能か、どの程度の消費電力を節約できるかがあらかじめ計算可能となる。それにより、モバイル用途の記録再生装置101では、ユーザに対して、特定のバッテリで使用可能な時間を事前に通知することが可能となる。
【0066】
さらに詳細例を挙げると、周期的に5秒に1回の頻度で記憶媒体121への大量な書き込みアクセスが発生するような記録再生装置101において、特定の記憶媒体121の初期化時間の実測値が1秒であったとする。この場合、記録再生装置101は、4秒間電源OFFした後に、記憶媒体121の初期化を行えば、消費電力を最小としつつ、5秒後の記憶媒体121への書き込みアクセスになんら影響を与えない最適な制御が実現可能となる。こういった省電力制御は、特定の記憶媒体121の初期化時間が1秒であることが特性情報としてあらかじめ保持しているために可能となる。というのも、記憶媒体121によって初期化時間に差がある。このため、そのような特性情報や制御方法を持たない装置においては、最も遅い記憶媒体121の初期化時間が5秒であった場合には、省電力制御のための設計を行うことができない。よって、このような装置では、仮に1秒で初期化可能な記憶媒体121を使用していたとしても省電力制御を行えない。
【0067】
図5は、処理サイズ毎の転送性能522の一例を示す図である。
【0068】
処理サイズ毎の転送性能522とは、実際に記録再生装置101が記憶媒体121を使用してデータ読み書きする際の転送性能を、記録再生装置101が記憶媒体121へ読み書きを要求する処理サイズ単位毎に保持するリストのことである。例えば、OSや上位アプリケーションソフトウェアの処理要求単位が4KBであった場合においても、記憶媒体121の制御に近いドライバ層の処理サイズを16/32/64/128/256/512KBなどといった任意の処理単位に変動させて、1秒あたりの転送性能(MB/s)がそれぞれリストに記録される。処理サイズ毎の転送性能522を参照することにより、記録再生装置101は、使用可能なバッファ容量や要求される転送性能に応じて、最適な処理サイズと転送性能を選択することが可能となる。
【0069】
図6は、転送性能毎の消費電力523の一例を示す図である。
【0070】
転送性能毎の消費電力523とは、実際に記録再生装置101が記憶媒体121を使用してデータ読み書きする際に発生する消費電力を、記録再生装置101が記憶媒体121への読み書きを要求する転送性能単位毎に保持するリストのことである。記憶媒体121との転送速度を高速化させると消費電力が増大する傾向にある。そのため、上記転送性能を上げようとすると、それに比例して消費電力が変動する。このため、最大転送性能毎に最大消費電力値がそれぞれリストに記録される。転送性能毎の消費電力523を参照することにより、記録再生装置101は、要求される転送性能や使用可能な消費電力に応じて、最適な転送性能と消費電力を選択することが可能となる。
【0071】
図7は、記憶媒体の書換え可能回数524の一例を示す図である。
【0072】
記憶媒体の書換え可能回数524とは、記憶媒体121の特定のアドレス又は領域毎に書換え可能回数を示したリストである。このリストは以下のようにして作成される。つまり、実際に記録再生装置101が記憶媒体121を使用して特定のアドレスや領域へデータ書き込みを行った回数を計測する。記録再生装置101は、この書き込み回数と記憶媒体121の搭載するフラッシュメモリから想定される寿命回数とから、実際に書換え可能であろう回数を、アドレス又は領域毎に計算する。記憶媒体の書換え可能回数524を参照することにより、記録再生装置101は、書換え可能回数や想定される寿命を取得し、取得した寿命を記録再生装置101で動作するプログラム又はユーザに通知する。これにより、プログラム又はユーザは、事前にエラー発生を回避することが可能となる。
【0073】
ただし、これらの管理をすでに記憶媒体121内の制御部122で行っており、記録再生装置101が記憶媒体121から同種のリストを適宜取得可能な場合には、記録再生装置101がこれらのデータを随時計測する必要がないことは言うまでもない。
【0074】
記憶媒体エラー特性情報530は、記録再生装置101と記憶媒体121とのデータのやり取りにおいて異常が発生した場合のリカバリ処理に使用される情報である。例えば、記憶媒体エラー特性情報530は、タイミング調整531、タイムアウト時間532、異常回避特殊制御533及び記憶媒体のエラー発生回数534などを含む。
【0075】
記録再生装置101は、これらの特性を蓄積することにより、異常動作時に簡単に対策及び回避を行うことが可能となる。こういった異常動作対策は定常的に行うと性能劣化などの弊害を伴うため、異常動作が発見される特定の記憶媒体121のみに対してのみ対策を行うといった個別の対策が有効となる。さらに、これらの特性を最新の情報に更新することにより、記録再生装置101は、記録再生装置101の発売後に発売された全く未知の記憶媒体121に対しても異常動作対策を行うことが可能となる。
【0076】
タイミング調整531は、コマンド発行までのウェイト時間を示す。記録再生装置101と特定の記憶媒体121とのデータのやり取りにおいて、コマンド発行までに特定のウェイト時間を入れないと、動作がおかしくなる場合がある。そのため、特定の記憶媒体121に依存した特殊なタイミング調整ための情報として、タイミング調整531が記録される。すべての記憶媒体121に対してウェイト時間を入れることによりタイミング調整を行うと性能が落ちるが、記録再生装置101は、タイミング調整531を参照することにより、特定の記憶媒体121が使用される場合に限り、タイミング調整を行うことができ、動作異常を発生させないことが可能となる。
【0077】
タイムアウト時間532は、記憶媒体121とのデータのやり取りにおいて、記憶媒体121からの応答がない場合に、記憶媒体121に対して要求を送信してから処理を打ち切るまでの時間を示す。それにより、すべての記憶媒体121に対して一律のタイムアウト時間を設定するのではなく、記憶媒体121毎にタイムアウト時間を変更することができるため、無駄にタイムアウト時間を消費することなく、動作異常を発生させないことが可能となる。
【0078】
異常回避特殊制御533は、記憶媒体121とのデータのやり取りにおいて、規格などで定められた制御シーケンスなどに応答がなく、記録再生装置101が異常を検知した場合などに実行する制御シーケンスの情報(特定のコマンドをスキップ/追加発行するなど)を示す。異常回避特殊制御533は、記憶媒体121毎に異なる情報である。それにより、すべての記憶媒体121に対して、同じ異常回避のための制御シーケンスを実行するのではなく、特定の記憶媒体121が使用される場合に限り、その記憶媒体121にあった異常回避のための制御シーケンスを実行することができる。このような異常回避のための制御シーケンスは、基本的には規格に準拠することが望ましい。しかし、規格が明確化されていないアプリケーションソフトウェアや、規格に先立って商品化される記憶媒体121などに対して、こういった例外的な制御が必要となりうる。
【0079】
記憶媒体のエラー発生回数534は、実際に記録再生装置101が記憶媒体121の特定のアドレスや領域へ、データ読み込みや書き込みを行った際に発生したメモリ異常に関するエラーの回数を示す。記憶媒体のエラー発生回数534を参照することにより、記録再生装置101は、記憶媒体121の搭載するフラッシュメモリの想定される異常状態や寿命を、記録再生装置101で実行される上位ソフトやユーザに通知し、事前にエラー発生を回避することが可能となる。
【0080】
情報取得日時情報540は、記録再生装置101と記憶媒体121とのデータのやり取りにおいて記憶媒体特性情報107を取得した日時などを示す情報である。例えば、情報取得日時情報540は、取得日時541、取得回数542及び取得機器情報543などを含む。
【0081】
記録再生装置101は、これらの情報を記憶媒体特性情報107に含まれる他の特性情報と合わせて蓄積することにより、上記他の特性情報を補完するために利用することを想定している。ただし、情報取得日時情報540は、上記情報に限定されるものではない。
【0082】
取得日時541は、記憶媒体特性情報107を記憶媒体121から取得した日時を示す。取得回数542は、記録再生装置101が記憶媒体特性情報107の履歴を複数記憶しておく場合に、今までに取得した記憶媒体特性情報107の個数を示す。取得機器情報543は、記憶媒体特性情報107を取得した記録再生装置101の情報である。他の機器から記憶媒体特性情報107を取得することも可能である。このため、取得機器情報543を参照することにより、記録再生装置101は、記憶媒体特性情報107が記録再生装置101によって取得されたのか、同種の他の機器によって取得されたものか、全く異なる種類の機器によって取得されたものかを判断することができる。よって、記録再生装置101は、記憶媒体特性情報107の有効性を判断することが可能となる。
【0083】
次に、実際の記録再生方法について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。図8は、記録再生装置101が実行する処理のフローチャートである。
【0084】
制御部104は、記憶媒体121が挿入されているか否かを判断する(S11)。記憶媒体121が挿入されていない場合には(S11でNo)、データの記録再生をすることができないため異常終了する。
【0085】
記憶媒体121が挿入されている場合には(S11でYes)、制御部104は、記憶媒体121を初期化し、記憶媒体121から記憶媒体固有情報124を取得する(S12)。
【0086】
制御部104は、記録再生装置101の記憶領域106に、取得した記憶媒体固有情報124と同じ記憶媒体固有情報510を含む記憶媒体特性情報107が格納されているか否かを確認する(S13)。
【0087】
なお、記憶領域106に記憶媒体特性情報107が1つも記憶されていない場合には、制御部104は、記憶媒体特性情報107に基づく最適制御を断念し、通常の制御を行う。
【0088】
取得した記憶媒体固有情報124と同じ記憶媒体固有情報510を含む記憶媒体特性情報107が存在しない場合には(S13でNo)、制御部104は、取得した記憶媒体固有情報124と比較した場合に、記憶媒体固有情報に含まれる情報のうちのいずれか1つが同じである記憶媒体固有情報510を含む記憶媒体特性情報107を選択する(S14)。例えば、記憶媒体固有情報124に含まれるシリアル番号511と記憶媒体固有情報510に含まれるシリアル番号511との差分が特定文字数以内となる記憶媒体特性情報107が選択される。または、記憶媒体固有情報124に含まれる記憶容量512又はメーカー513と一致する記憶容量512又はメーカー513を有する記憶媒体固有情報510を含む記憶媒体特性情報107が選択される。
【0089】
この条件を満たす記憶媒体特性情報107が複数存在し、1つを選択しづらい場合には、「1.シリアル番号、2.メーカー、3.記憶容量」などのように、記憶媒体固有情報に含まれる各情報に優先順位を決めて、記憶媒体固有情報124と記憶媒体固有情報510との間で優先順位を用いて重み付けした類似度が最も高いもの選択するようにしてもよい。
【0090】
なお、この条件を満たす記憶媒体特性情報107が存在しない場合には、制御部104は、記憶媒体特性情報107に基づく最適制御を断念し、通常の制御を行う。
【0091】
取得した記憶媒体固有情報124と同じ又は類似した記憶媒体固有情報510を持つ記憶媒体特性情報107が存在する場合には、制御部104は、記憶領域106より、該当する記憶媒体特性情報107を読み出す(S15)。
【0092】
制御部104は、読み出した記憶媒体特性情報107と、あらかじめ記憶領域106に設定された記憶媒体制御方針情報105(すなわち記録再生装置101と記憶媒体121との間の転送性能重視(1)、記録再生装置101の省電力重視(2)、記憶媒体121の長寿命重視(3)、記録再生装置101と記憶媒体121との間の安全動作といった品質や互換性重視(4)など)と、記録再生装置101又は記憶媒体121の状態とに応じて、実際に記憶媒体121を制御するための制御パラメータを決定する(S16)。
【0093】
その際に、制御部104は、記憶媒体特性情報107より、記憶媒体制御方針情報105を用いた記録再生装置101と記憶媒体121との間のデータの入出力制御において、通信エラーや要求する転送性能が達成できないなどの異常が発生しうると判断した場合には、出力部102を通じて、将来起こるであろうユーザに想定される性能不良や品質低下などの問題を事前に通知してもよい。もちろん、記録再生装置101の特性上、通知する必要がなければ、通知しなくてもよいことはいうまでもない。
【0094】
ここで、記憶媒体制御方針情報105は、単にあらかじめ記憶領域106に設定されるだけではなく、ユーザにより入力部103から設定されたりしてもよいし、記録再生装置101内の電源や資源状態に応じて、制御部104が動的に切り替えてもよいことはいうまでもない。例えば、記録再生装置101がバッテリ搭載モバイル機器であって、ACコンセント又は他機器に接続されており電源が外部から供給されている場合を想定する。この場合には、記憶媒体制御方針情報105を、記録再生装置101と記憶媒体121との間の転送性能重視(1)とする。しかし、電源が外部から供給されなくなり、電源の供給元が外部から内部に切り替わったタイミングで、記憶媒体制御方針情報105を、記録再生装置101の省電力重視(2)に動的に変更してもよい。なお、上記のような記憶媒体制御方針情報105の動的な切り替えに伴い、制御パラメータも動的に変更する必要があることはいうまでもない。
【0095】
制御部104は、入力部から入力されたデータの記憶媒体121への書き込み要求、又は記憶媒体121から出力部102へのデータ読み出し要求が、アプリケーションソフトウェアから発行された場合に、S16で決定された制御パラメータに基づき、データの入出力制御を行う(S17)。つまり、制御部104は、ソフトウェアのドライバ層などにおいて、データ処理サイズ単位、最大転送性能、動作周波数、クロック供給有無、電源供給有無、最大消費電力、バッファ管理、異常回避の特殊処理シーケンスなどの設定を行う。また、制御部104は、データ書き込み時に記憶媒体121に対して記録コマンドを発行し、入力部103から入力されたデータを書き込む。以上のようにして、制御部104は、記憶媒体121毎に、記憶媒体121の制御特性に応じた最適なアクセスを実現する。
【0096】
それにより、記録再生装置101は、必要最低限のアクセス回数、転送性能又は消費電力で、記憶媒体121からデータを読み込み、読み込んだデータを出力部102を通してディスプレイに出力したり、入力部103から入力されたデータを、記憶媒体121に書き込んだりすることができる。
【0097】
以上説明したように実施の形態1によると、記憶媒体特性情報に基づいてデータの入出力が制御される。記憶媒体特性情報は記憶媒体毎に記憶領域に記憶されている。このため、メモリカード側で性能対策が行われていない場合であっても、記憶媒体毎にデータ転送に関する適切な性能対策を行うことができる。
【0098】
また、記憶媒体特性情報が完全でなくても、メモリ削減が可能となる。
【0099】
また、記憶媒体制御方針情報を用いた制御を行うことにより、記憶媒体へのデータの転送性能を最大化することが可能となる。また、記憶媒体の寿命を最大化することが可能となる。さらに、記録再生装置の消費電力を抑え、記録再生装置が長時間動作可能となる。また、異常がある記憶媒体でも動作可能となる。さらに、記憶媒体の資源状態に応じて、最適な記憶媒体制御方針情報が動的に切替え可能となる。
【0100】
また、記憶媒体特性情報を記憶媒体より取得することにより、最新の記憶媒体特性情報が取得可能となる。また、記憶媒体挿入後、直ちに記憶媒体特性情報を用いたデータの転送制御が可能となる。また、記録再生装置におけるテストパターン実行負荷の軽減が可能となる。また、記憶媒体特性情報の履歴を蓄積したり、記憶媒体特性情報を更新したりすることができる。
【0101】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2について、図面を参照しながら説明する。
【0102】
以下の説明では、実施の形態1と同様の部分に関しては説明を省略し、実施の形態1と異なる部分を中心に説明するものとする。
【0103】
実施の形態1では、記憶媒体特性情報が記録再生装置内の記憶領域に格納されていることを想定している。このため、記憶媒体特性情報は、あらかじめ製品出荷時などに記憶媒体に格納しなければならない。
【0104】
そこで、実施の形態2では、記憶媒体の記憶領域に、記憶媒体特性情報を記録することで、記憶媒体を共有する記録再生装置間で記憶媒体特性情報の共有を図る。また、ネットワーク機器の記憶領域に、記憶媒体特性情報を記録することで、ネットワーク接続機器間で記憶媒体特性情報の共有を図ったり、最新の記憶媒体特性情報をインターネット経由で取得したりする。
【0105】
図9は、本発明の実施の形態2に係る記録再生システムの機能的な構成を示すブロック図である。
【0106】
記録再生システムは、携帯電話などの各種民生機器にあたる記録再生装置201と、SDメモリカードなどの各種メモリカードにあたる記憶媒体221と、記録再生装置201にLANを介して接続されるネットワーク機器231とを含む。
【0107】
記憶媒体221は、記憶領域223と、制御部222とを含む。
【0108】
記憶領域223は、記憶媒体221に固有な記憶媒体固有情報124や、実施の形態1において記録再生装置の記憶領域に格納されていた記憶媒体特性情報と同じ記憶媒体特性情報225や、各種データを格納するための記憶領域である。
【0109】
制御部222は、記録再生装置201と記憶領域223との間でのデータの転送制御を行う。
【0110】
本実施の形態では、記憶媒体221の構成はあくまでも一例であり、記録再生装置201が、記憶媒体221に対するデータの読み書きと、記憶領域223から記憶媒体固有情報124と記憶媒体特性情報225とが取得できる構成であれば、この構成に限られるものではない。
【0111】
例えば、記憶媒体特性情報225専用の特殊な記憶領域が存在したり、制御部222を経由せずに記憶媒体固有情報124及び記憶媒体特性情報225を取得可能な構成であってもなんら問題ない。
【0112】
ネットワーク機器231は、記憶領域233と、制御部232とを含む。
【0113】
記憶領域233は、実施の形態1において記録再生装置の記憶領域に格納されていた記憶媒体特性情報と同じ記憶媒体特性情報234や各種データを格納するための記憶領域である。
【0114】
制御部232は、記録再生装置201と記憶領域233との間でのデータの転送制御を行う。
【0115】
本実施の形態では、記憶媒体221の構成はあくまでも一例であり、記録再生装置201が、記憶領域233に対するデータの読み書きと、記憶領域233から記憶媒体特性情報234が取得できる構成であれば、この構成に限られるものではない。
【0116】
例えば、記憶媒体特性情報234専用の特殊な記憶領域が存在したり、制御部232を経由せずに記憶媒体特性情報234を取得可能な構成であってもなんら問題ない。
【0117】
記録再生装置201は、記憶媒体221との間でデータの入出力を行う装置であって、記憶領域106と、制御部204と、入力部103と、出力部102と、電源部108と、ネットワーク制御部209とを備える。
【0118】
制御部204は、実施の形態1に示した制御部104と同様の処理を行なう。それに加えて、制御部204は、ネットワーク制御部209の制御を行う。
【0119】
ネットワーク制御部209は、記録再生装置201とネットワークを介して接続されたネットワーク機器231との間の通信制御を行う。
【0120】
ネットワーク制御部209は、家庭内ネットワークを介してネットワーク機器231としての各種サーバ機器や、インターネットを介してネットワーク機器231としての各種サーバ機器と接続するための通信インタフェースである。インターネットに接続される場合には、ネットワーク制御部209は、例えば、LANコントローラであるが、それ以外の各種通信インタフェースであってもなんら問題ない。また、ネットワーク制御部209相当の機能が記録再生装置201の制御部204で実行されることにより、ネットワーク制御部209が不使用又は省略されてもなんら問題ない。
【0121】
それ以外の構成部に関しては、実施の形態1で図2を用いて説明した内容と同一であるため、ここでの説明を省略する。
【0122】
次に、実際の記録再生方法について、図10に示すフローチャートを用いて説明する。図10は、記録再生装置201が実行する処理のフローチャートである。
【0123】
まず、S11〜S13の処理が実行される。S11〜S13の処理は、実施の形態1において図8を用いて説明したS11〜S13の処理と同様である。このため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0124】
記憶媒体221から取得した記憶媒体固有情報124と同じ記憶媒体固有情報510を含む記憶媒体特性情報107が記憶領域106に存在しない場合には(S13でNo)、制御部204は、取得した記憶媒体固有情報124と同じ記憶媒体固有情報510を含む記憶媒体特性情報234が、ネットワーク機器231の記憶領域233に格納されているか否かを確認する(S21)。
【0125】
記憶領域106及び記憶領域233のいずれにも、取得した記憶媒体固有情報124と同じ記憶媒体固有情報510を含む記憶媒体特性情報が格納されていない場合には(S231でNo)、S14の処理が実行される。S14の処理は、実施の形態1において図8を用いて説明したS14の処理と同様である。このため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0126】
記憶領域106若しくは記憶領域233に、取得した記憶媒体固有情報124と同じ記憶媒体固有情報510を含む記憶媒体特性情報が格納されている場合(S13でYes、若しくはS21でYes)、又はS14の処理の後、S15〜S17の処理が実行される。S15〜S17の処理は、実施の形態1において図8を用いて説明したS15〜S17の処理と同様である。このため、その詳細な説明は繰り返さない。なお、取得した記憶媒体固有情報124と同じ記憶媒体固有情報510を含む記憶媒体特性情報がネットワーク機器231の記憶領域233に格納されている場合には(S21でYES)、制御部204は、ネットワーク制御部209を介して記憶領域233から、記憶媒体特性情報を読み出すこととなる。
【0127】
以上説明したように実施の形態2によると、実施の形態1に示した効果に加えて、以下に示す効果を奏することができる。
【0128】
つまり、実施の形態2においては記憶媒体特性情報の格納先を拡張している。このため、記憶媒体特性情報が記憶媒体を使用する機器間で共有可能となる。また、記憶媒体特性情報が、ネットワークに接続される機器間で共有可能となる。
【0129】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3について、図面を参照しながら説明する。
【0130】
以下の説明では、実施の形態1と同様の部分に関しては説明を省略し、実施の形態1と異なる部分を中心に説明するものとする。
【0131】
実施の形態1では、記憶媒体特性情報が記録再生装置内の記憶領域に格納されていることを想定している。このため、記憶媒体特性情報は、あらかじめ製品出荷時などに記憶媒体に格納しなければならない。
【0132】
そこで、実施の形態3では、記録再生装置が記憶媒体特性情報を取得するために、必要なテストパターンを自ら生成及び発行し、記憶媒体のテスト結果を計測することにより、記憶媒体特性情報を自ら新しく取得することが可能となる。
【0133】
図11は、本発明の実施の形態3に係る記録再生ステムの機能的な構成を示すブロック図である。
【0134】
記録再生システムは、携帯電話などの各種民生機器にあたる記録再生装置301と、SDメモリカードなどの各種メモリカードにあたる記憶媒体121とを含む。
【0135】
記憶媒体121の構成は、実施の形態1に示した記憶媒体121の構成を同様である。このため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0136】
本実施の形態では、記憶媒体121の構成はあくまでも一例であり、記録再生装置301が、記憶媒体121に対するデータの読み書きと、記憶媒体121から記憶媒体121に固有な情報である記憶媒体固有情報124とが取得できる構成であれば、この構成に限られるものではない。
【0137】
例えば、記憶媒体固有情報124専用の特殊な記憶領域が存在したり、制御部122を経由せずに記憶媒体固有情報124を取得可能な構成であってもなんら問題ない。
【0138】
記録再生装置301は、記憶媒体121との間でデータの入出力を行う装置であって、記憶領域106と、制御部304と、入力部103と、出力部102と、電源部108と、測定部310とを備える。
【0139】
制御部304は、実施の形態1に示した制御部104と同様の処理を行なう。それに加えて、制御部304は、測定部310の制御を行う。
【0140】
測定部310は、テストパターン生成部311と、テスト結果計測部312とを備える。
【0141】
テストパターン生成部311は、記憶媒体特性情報を記憶媒体121から新たに取得するために必要なテストパターンを生成する。
【0142】
テスト結果計測部312は、テストパターン生成部311が生成したテストパターンを実行することにより、記憶媒体121からテストパターンに対するテスト結果を記憶媒体特性情報107として取得し、取得した記憶媒体特性情報107を記憶領域106に書き込む。
【0143】
テストパターン生成部311は、性能特性やエラー特性といった記憶媒体特性情報で想定される情報を取得可能なテストパターンをあらかじめ生成する。例えば、記憶媒体性能特性情報520として処理サイズ毎の転送性能522を算出するために、記憶媒体121への読み書き処理サイズを16/32/64/128/256/512KBとして、テストを行うためのパターンを生成する。
【0144】
テスト結果計測部312は、テストパターン生成部311が生成したテストパターンを実行することにより、実行結果の収集、又は処理時間の計測を行う。
【0145】
先ほどの例の場合、テスト結果計測部312は、書き込み処理サイズ毎にデータの転送性能(MB/s)を計測する。テスト結果計測部312は、計測結果を測定部310通じて、制御部304へ通知する。最終的には、この計測結果が、記憶媒体特性情報107の記憶媒体性能特性情報520における処理サイズ毎の転送性能522として、記憶領域106に書き込まれる。
【0146】
それ以外の構成部に関しては、実施の形態1で図2を用いて説明した内容と同一であるため、ここでの説明を省略する。
【0147】
次に、実際の記録再生方法について、図12に示すフローチャートを用いて説明する。図12は、記録再生装置301が実行する処理のフローチャートである。
【0148】
まず、S11〜S13の処理が実行される。S11〜S13の処理は、実施の形態1において図8を用いて説明したS11〜S13の処理と同様である。このため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0149】
記憶媒体221から取得した記憶媒体固有情報124と同じ記憶媒体固有情報510を含む記憶媒体特性情報107が記憶領域106に存在する場合には(S13でYes)、制御部304は、その記憶媒体特性情報107の情報取得日時情報540の取得日時541を確認する(S31)。その取得日時541が一定時期より以前のものであった場合(S31でYes)、S32へ移行する。例えば、一定時期を1ヶ月としてもよい。また、記憶媒体121が抜去された場合に一定時期より以前と判断してもよい。
【0150】
記憶媒体221から取得した記憶媒体固有情報124と同じ記憶媒体固有情報510を含む記憶媒体特性情報107が記憶領域106に存在しない場合(S13でNo)、S32に移行する。
【0151】
S32では、記憶媒体特性情報107において必要な情報を取得するために、テストパターン生成部311は、テストパターンを生成し、記憶媒体121へテストパターンを発行する。テスト結果計測部312は、発行したテストパターンに対するテスト結果を取得する。テスト結果計測部312は、テスト結果をテストパターン生成部311とテスト結果計測部312を管理する測定部310通じて、制御部304へ通知する。制御部304は、そのテスト結果を、記憶媒体特性情報107として記憶領域106に書き込む。
【0152】
テスト結果計測に時間がかからない場合には、テスト結果計測部312によるテスト結果計測を、記憶媒体121が記録再生装置301に装着されるタイミングで実行してもよい。また、テスト結果計測に時間がかかる場合には、テスト結果計測部312は、テスト結果計測を、記録再生装置301が記憶媒体121に所定時間アクセスしないことが保証されるタイミングで実行してもよい。また、テスト結果計測を、その他のタイミングで行ってもよい。
【0153】
また記憶媒体特性情報107としてテスト結果を記録する際に、取得日時541が古い記憶媒体特性情報107に、新しい記憶媒体特性情報107を上書きすることにより、記憶媒体特性情報107を更新してもよいし、古い記憶媒体特性情報107を履歴として残してもよい。
【0154】
取得日時541が一定時期よりも後の場合(S31でNo)またはS32の処理の後、S15〜S17の処理が実行される。S15〜S17の処理は、実施の形態1において図8を用いて説明したS15〜S17の処理と同様である。このため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0155】
なお、S32において、取得した記憶媒体特性情報107を記憶領域106に記録した後に、S15にて制御部304が記憶媒体特性情報107を読み出しているが、S32で記録する際に、制御部304が記憶媒体特性情報107を前もって保持しておいてもよい。この場合、S15の処理は省略される。
【0156】
以上説明したように実施の形態3によると、実施の形態1に示した効果に加え、以下に示す効果を奏する。つまり、測定部がテストパターンを生成し、記憶媒体のテストを行うことにより、記憶媒体特性情報を取得することができる。このため、記憶媒体特性情報が記憶領域に記憶されていなかったり、記憶媒体特性情報が記憶されていても取得日時が古かったりした場合に、最新の記憶媒体特性情報を取得することができる。
【0157】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4について、図面を参照しながら説明する。
【0158】
以下の説明では、実施の形態1又は3と同様の部分に関しては説明を省略し、実施の形態1又は3と異なる部分を中心に説明するものとする。
【0159】
実施の形態3では、記録再生装置が記憶媒体特性情報を取得するために、必要なテストパターンを自ら生成及び発行し、記憶媒体のテスト結果を計測することにより、記憶媒体特性情報を自ら新しく取得することが可能となった。
【0160】
そこで、実施の形態4では、取得した複数の記憶媒体特性情報の履歴を分析することにより、最新の記憶媒体特性情報を予測することで、今後想定される記憶媒体の将来特性を予測可能となったり、その将来特性をユーザに通知することで、将来発生するであろう課題を事前回避することが可能となる。
【0161】
図13は、本発明の実施の形態4に係る記録再生システムの機能的な構成を示すブロック図である。
【0162】
記録再生システムは、携帯電話などの各種民生機器にあたる記録再生装置401と、SDメモリカードなどの各種メモリカードにあたる記憶媒体121とを含む。
【0163】
記憶媒体121の構成は、実施の形態1に示した記憶媒体121の構成を同様である。このため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0164】
本実施の形態では、記憶媒体121の構成はあくまでも一例であり、記録再生装置401が、記憶媒体121に対するデータの読み書きと、記憶媒体121から記憶媒体121に固有な情報である記憶媒体固有情報124とが取得できる構成であれば、この構成に限られるものではない。
【0165】
例えば、記憶媒体固有情報124専用の特殊な記憶領域が存在したり、制御部122を経由せずに記憶媒体固有情報124を取得可能な構成であってもなんら問題ない。
【0166】
記録再生装置401は、記憶媒体121との間でデータの入出力を行う装置であって、記憶領域406と、制御部404と、入力部103と、出力部102と、電源部108と、測定部310と、予測部413とを備える。
【0167】
記憶領域406は、実施の形態1に示した記憶領域106と同様の構成を有する。ただし、記憶領域406は、記憶媒体特性情報107の履歴を記憶している。
【0168】
制御部404は、実施の形態3に示した制御部304と同様の処理を行なう。それに加えて、制御部404は、予測部413の制御を行う。
【0169】
予測部413は、記憶媒体121に記録された過去の記憶媒体特性情報107の履歴の変化から、記憶媒体特性情報107を予測し、予測した記憶媒体特性情報107を記憶領域406に書き込む。
【0170】
つまり、予測部413は、記憶媒体121に記憶された記憶媒体特性情報107の履歴の変化や記憶媒体特性情報107と他パラメータとの相関関係から、通常は線形的に将来の記憶媒体特性情報107を予測する。ただし、予測方法は限定されるものではない。類似の変化特性情報を有する記憶媒体特性情報を参考にしたり、他のネットワーク機器から取得した特性情報を参考にしたり、電源の残量や使用可能な電力を参考にしたりするなどして将来の記憶媒体特性情報107を予測するなど、様々な予測方法であってもよい。
【0171】
例えば、処理サイズ毎の転送性能522の値が、ある処理サイズにおいて、1年前には5MB/sであったものが、半年前に4.5MB/s、最新で4MB/sと変化したものとする。仮に記録再生装置401が必要な転送性能が4MB/sであったとすると、現時点ではなんとか転送性能が満たせている。しかし、いつ何時、転送性能が満たせなくなる可能性がある。そういう場合に、実際にデータを記録し始めてから期待した転送性能を満たさずに記録が中断されると、ユーザにとっても貴重な画像を撮り損ねる可能性があり、ユーザからクレームを付けられる可能性もある。そのため、事前にユーザに転送性能が満たせなくなる可能性を通知することにより、記憶媒体121の交換や、記憶媒体121のフォーマット実施を促すことが可能となる。
【0172】
入力部103、出力部102及び電源部108については、実施の形態1で図2を用いて説明した内容と同一であるため、ここでの説明を省略する。
【0173】
また、測定部310については、実施の形態3で図11を用いて説明した内容と同一であるため、ここでの説明を省略する。
【0174】
次に、実際の記録再生方法について、図14に示すフローチャートを用いて説明する。図14は、記録再生装置401が実行する処理のフローチャートである。
【0175】
まず、S11〜S13の処理が実行される。S11〜S13の処理は、実施の形態1において図8を用いて説明したS11〜S13の処理と同様である。このため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0176】
記憶媒体121から取得した記憶媒体固有情報124と同じ記憶媒体固有情報510を含む記憶媒体特性情報107が記憶領域406に存在する場合には(S13でYes)、制御部304は、その記憶媒体特性情報107の取得日時よりも過去に取得された同じ記憶媒体固有情報510を含む記憶媒体特性情報107が記憶領域406に存在するか否かを判断する(S41)。
【0177】
記憶媒体221から取得した記憶媒体固有情報124と同じ記憶媒体固有情報510を含む記憶媒体特性情報107が記憶領域106に存在しない場合(S13でNo)、又はその記憶媒体特性情報107に対応する過去の記憶媒体特性情報107が存在しない場合には(S41でNo)、測定部310は、S32の処理を実行する。S32の処理は、実施の形態3において図12を用いて説明したS32の処理と同様である。このため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0178】
記憶媒体特性情報107の履歴が存在する場合(S41でYes)、又はS32の処理により記憶媒体特性情報107を取得した場合には、予測部413は、過去の記憶媒体特性情報107の履歴の変化より、最新又は将来の記憶媒体特性情報107を予測し、予測した記憶媒体特性情報107を記憶領域406に書き込む。
【0179】
予測された将来の記憶媒体特性情報107により、性能不良、品質低下又はメモリ寿命などの異常を予測し、予測結果を出力部102を通じて、事前にユーザ通知することも可能である。さらに予測結果によっては、ユーザが入力部103を通じて記憶媒体制御方針情報105を変更したりすることにより、異常を事前に回避したり、ユーザが期待する記憶媒体121の制御を実現することが可能となる。つまり、入力部103は、制御部404によるデータの入出力の制御に用いられる記憶媒体制御方針情報105の選択を受け付ける。制御部404は、入力部103を用いて選択された記憶媒体制御方針情報105に基づき、記憶媒体121との間でのデータの入出力を制御する。
【0180】
S42の処理の後、S15〜S17の処理が実行される。S15〜S17の処理は、実施の形態1において図8を用いて説明したS15〜S17の処理と同様である。このため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0181】
なお、S42において、予測した記憶媒体特性情報107を記憶領域406に記録した後に、S15にて制御部404が記憶媒体特性情報107を読み出しているが、S42で記録する際に、制御部404が記憶媒体特性情報107を前もって保持しておいてもよい。この場合、S15の処理は省略される。
【0182】
以上説明したように実施の形態4によると、実施の形態3に示した効果に加えて、以下に示す効果を奏する。
【0183】
つまり、記憶媒体特性情報の変化を予測することが可能となる。このため、想定される性能不良や品質低下などの問題を事前にユーザ通知可能となる。これにより、ユーザが期待する記憶媒体の制御が実現可能となる。
【0184】
以上、本発明の実施の形態に係る記録再生システムについて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
【0185】
例えば、上記の各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムとして構成されても良い。RAM又はハードディスクドライブには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0186】
さらに、上記の各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしても良い。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0187】
さらにまた、上記の各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、各装置に脱着可能なICカード又は単体のモジュールから構成されているとしても良い。ICカード又はモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカード又はモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしても良い。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、ICカード又はモジュールは、その機能を達成する。このICカード又はこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしても良い。
【0188】
また、本発明は、上記に示す方法であるとしても良い。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしても良いし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしても良い。
【0189】
さらに、本発明は、上記コンピュータプログラム又は上記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な不揮発性の記憶媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO(Magneto−Optical disk)、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD、半導体メモリなどに記録したものとしても良い。また、これらの不揮発性の記憶媒体に記録されている上記デジタル信号であるとしても良い。
【0190】
また、本発明は、上記コンピュータプログラム又は上記デジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしても良い。
【0191】
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、上記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、上記マイクロプロセッサは、上記コンピュータプログラムに従って動作するとしても良い。
【0192】
また、上記プログラム又は上記デジタル信号を上記不揮発性の記憶媒体に記録して移送することにより、又は上記プログラム又は上記デジタル信号を上記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしても良い。
【0193】
さらに、上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
【0194】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0195】
本発明に係る記録再生装置は、地上デジタル放送、インターネット配信又はムービーなどの録画機器などにより供給される高画質コンテンツを、必要資源を最小限としつつ、効率よく記憶媒体に記録し、再生する。このため、本発明は、高画質/大容量コンテンツの記録再生において、消費電力を抑えることが望まれる省エネルギー化対象据置き民生機器(テレビ、ビデオレコーダ)や、さらに使用電力が限定されるモバイル機器(携帯電話、デジタルビデオカメラ、デジタルカメラ、モバイルネット機器、ポータブルAV機器)等に適用できる。
【符号の説明】
【0196】
101、201、301、401 記録再生装置
102 出力部
103 入力部
104、122、204、222、232、304、404 制御部
105 記憶媒体制御方針情報
106、123、223、233、406 記憶領域
107、225、234 記憶媒体特性情報
108 電源部
121、221 記憶媒体
124、510 記憶媒体固有情報
209 ネットワーク制御部
231 ネットワーク機器
310 測定部
311 テストパターン生成部
312 テスト結果計測部
413 予測部
1301 テレビ
1302 携帯電話
1303 メモリカード
1304 レコーダ
1305 ビューワ
1306 カメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体との間でデータの入出力を行う記録再生装置であって、
記憶媒体毎に記憶媒体の特性を示す記憶媒体特性情報を格納している記憶領域と、
前記記録再生装置に接続された記憶媒体の記憶媒体特性情報を前記記憶領域から読み出し、読み出した前記記憶媒体特性情報と、記憶媒体の制御方針を示す記憶媒体制御方針情報とに基づき、記憶媒体との間のデータの入出力を制御する制御部と
を備える記録再生装置。
【請求項2】
前記記憶媒体特性情報は、(1)記憶媒体に固有な情報である記憶媒体固有情報と、(2)記憶媒体の性能を示す記憶媒体性能特性情報、記憶媒体とのデータの入出力において異常が発生した場合のリカバリ処理に使用される情報である記憶媒体エラー特性情報及び前記記憶媒体特性情報の取得日時を示す情報取得日時情報のうち少なくとも1つとを含む
請求項1記載の記録再生装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記記録再生装置に接続された前記記憶媒体から当該記憶媒体に固有な情報である記憶媒体固有情報を取得し、取得した前記記憶媒体固有情報と同一の記憶媒体固有情報を含む前記記憶媒体特性情報を、前記記憶領域から読み出す
請求項2記載の記録再生装置。
【請求項4】
前記制御部は、取得した前記記憶媒体固有情報と同一の記憶媒体固有情報を含む前記記憶媒体特性情報が存在しない場合に、取得した前記記憶媒体固有情報に含まれる一部の情報と一致する情報を含む前記記憶媒体特性情報を、前記記憶領域から読み出す
請求項3記載の記録再生装置。
【請求項5】
前記記憶媒体は、前記記憶媒体特性情報を格納している
請求項3記載の記録再生装置。
【請求項6】
さらに、ネットワークを介してネットワーク機器と通信を行うネットワーク制御部を備え、
前記ネットワーク機器は、前記記憶媒体特性情報を格納しており、
前記ネットワーク制御機器は、前記ネットワーク機器から、前記記憶媒体特性情報を読み出す
請求項3記載の記録再生装置。
【請求項7】
前記記憶媒体制御方針情報は、前記記録再生装置と前記記憶媒体との間のデータの転送性能を最大化するための前記記憶媒体の制御方針を示す情報を含む
請求項3記載の記録再生装置。
【請求項8】
前記記憶媒体制御方針情報は、前記記憶媒体へのデータアクセス回数を最小化するための前記記憶媒体の制御方針を示す情報を含む
請求項3記載の記録再生装置。
【請求項9】
前記記憶媒体制御方針情報は、前記記憶媒体との間でのデータの入出力時の消費電力を最小化するための前記記憶媒体の制御方針を示す情報を含む
請求項3記載の記録再生装置。
【請求項10】
前記記憶媒体制御方針情報は、前記記憶媒体との間でのデータ入出力時の異常発生を最小化するための前記記憶媒体の制御方針を示す情報を含む
請求項3記載の記録再生装置。
【請求項11】
前記制御部は、さらに、前記記録再生装置内の資源状態に応じて前記記憶媒体制御方針情報を変更する
請求項3記載の記録再生装置。
【請求項12】
さらに、
前記記憶媒体特性情報を記憶媒体から新たに取得するために必要なテストパターンを生成するテストパターン生成部と、
前記テストパターン生成部が生成した前記テストパターンを実行することにより、前記記憶媒体から前記テストパターンに対するテスト結果を前記記憶媒体特性情報として取得し、取得した前記記憶媒体特性情報を前記記憶領域に書き込むテスト結果計測部とを備える
請求項3記載の記録再生装置。
【請求項13】
前記テスト結果計測部は、前記記憶媒体が前記記録再生装置に装着されるタイミングで、前記テストパターン生成部が生成した前記テストパターンを実行する
請求項12記載の記録再生装置。
【請求項14】
前記テスト結果計測部は、前記記録再生装置が前記記憶媒体に所定時間アクセスしないことが保証されるタイミングで、前記テストパターン生成部が生成した前記テストパターンを実行する
請求項12記載の記録再生装置。
【請求項15】
前記テスト結果計測部は、前記情報取得日時情報で示される前記取得日時が一定時期より以前の場合には、前記テストパターン生成部が生成した前記テストパターンを実行することにより前記記憶媒体特性情報を取得し、取得した前記記憶媒体特性情報を前記記憶領域に書き込む
請求項12記載の記録再生装置。
【請求項16】
さらに、
前記記憶媒体に格納されている前記記憶媒体特性情報の履歴の変化から、記憶媒体特性情報を予測し、予測した前記記憶媒体特性情報を前記記憶領域に書き込む予測部を備える
請求項15記載の記録再生装置。
【請求項17】
前記制御部は、さらに、前記記憶媒体制御方針情報を用いたデータの入出力の制御の際に、将来起こるであろう問題を出力する
請求項1〜16のいずれか1項に記載の記録再生装置。
【請求項18】
さらに、
前記制御部によるデータの入出力の制御に用いられる前記記憶媒体制御方針情報の選択を受け付ける入力部を備え、
前記制御部は、前記入力部を用いて選択された前記記憶媒体制御方針情報に基づき、記憶媒体との間でのデータの入出力を制御する
請求項1〜17のいずれか1項に記載の記録再生装置。
【請求項19】
記憶媒体との間でデータの入出力を行う記録再生システムであって、
請求項1に記載の記録再生装置と、
前記記録再生装置が前記記憶媒体に書き込むべきデータを前記記録再生装置に入力する入力装置と、
前記記録再生装置が前記記憶媒体から読み出したデータを表示する出力装置と
を備える記録再生システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−227626(P2011−227626A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−95504(P2010−95504)
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】