説明

記録再生複合装置

【課題】ハードディスクの記録情報を複数種の記録媒体にダビングし、何れかの記録媒体へのダビング時に記録ミスが生じたとき、他の記録媒体から再びダビングし直すことにより、記録すべき情報に欠落が生じることのない記録再生複合装置を提供する。
【解決手段】光ディスク、ハードディスクおよびテープの3種の記録媒体に対応して映像・音声情報を記録/再生する記録媒体ドライブ部11〜13と、映像・音声情報を各記録媒体に応じたデータに変換するデータ変換部3〜6と、記録、再生およびダビングに関した指令を発する入力手段18と、この指令内容を表示する表示手段と、指令に応じた制御を行い、ダビングの方向を示す指令に続き前記同時ダビングまたは優先するダビング先の選択指令に応じたダビングモードに移行し、ハードディスクの情報をダビング先の記録媒体に合わせてデータ変換部3〜6によりデータ変換させて、ダビングさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記録媒体の記録情報を他の情報記録媒体にダビングする機能を有した記録再生複合装置に係り、特に、HD(ハードディスク)の記録情報を光ディスクや磁気テープにダビング可能とし得る記録再生複合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報記録媒体の記録情報をダビングする場合、ダビング操作を簡便にしたり、ダビングの誤りを防止することを目的とした各種の提案がなされている。
このダビング誤りを防止する装置として記録再生複合機が知られている。
この記録再生複合機は、VTR記録再生部、DVD−R/RW記録再生部、VTR側表示パネル/LED、外部入力インターフェース部、チューナ部、外部入力スイッチ、外部出力スイッチ、出力端子および制御部を備えて構成されている。
そして、この制御部は、VTR→DVD起動時に、起動側のDVD−R/RW記録再生部に実際に入力され、記録されている記号の内容をそのまま外部に出力するように制御する。
【0003】
このため、ユーザーは、実際に記録されている情報内容を表示部等により確認することができる。
よって、ダビング起動時に、これから実際にダビング記録される予定の情報の内容を画面表示または音声等により予め知ることが可能であるから、ダビングにより誤って異なる内容を記録するのを防止できるというものである。
【特許文献1】特開2004−234705号公報
【0004】
また、本発明者等は、ダビングの操作性を向上させることを目的とした複合装置を提案した。
この複合装置は、DVD記録/再生手段、ビデオテープ記録/再生手段、出力切替手段、ダビング手段および制御手段を備えている。
この制御手段は、DVD記録/再生手段またはビデオテープ記録/再生手段の一方が、記録媒体に記録されている映像・音声信号を再生しているときに、本体に対して特定の入力があれば、一方の記録/再生手段の再生動作を一時停止させる。
【0005】
そして、再度特定の入力があったときに、この再生の一時停止を解除するとともに、ダビング手段を動作させて、一方の記録/再生手段が再生している映像・音声信号を他方の記録/再生手段が記録媒体に記録するダビングを開始させる。
また、出力切替手段を切り替えて、他方の記録/再生手段が記録媒体に記録している映像・音声信号を出力させる。
よって、一方の記録/再生手段が再生している映像・音声を視聴しているときに、本体に対して特定の入力にかかる操作行うだけで、一方の記録/再生手段が再生している映像・音声をダビングできるから、ダビングの操作性を向上させることができる。
【特許文献2】特開2005−191931号公報
【0006】
また、記録データのコピー時の処理時間を短縮し、記録媒体間における記録データの相互移行を容易にすることを目的とした情報記録装置および方法が知られている。
このものは、外部から供給される映像信号を複数種類の記録方式で同時にエンコードするエンコーダ部と、このエンコーダ部でエンコードされた複数種類の記録方式の記録データをそれぞれ前記記録媒体に記録する記録部とを具備している。
【0007】
そして、エンコーダ部が、外部から供給される映像信号を複数種類の記録方式で同時にエンコードし、このエンコードされた記録データがHDD部に記録される。
この後、コピー時に、コピー先の記録媒体の種類をチェックし、HDD部に記録された記録データから適切なデータフォーマットの記録データをコピー先の記録媒体に記録する。
これにより、コピー時のデータフォーマット変換を省略し、コピー時間を短縮できるというものである。
【0008】
【特許文献3】特開2004−118986号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記特許文献1の記録再生複合機は、VTR→DVD起動時に、起動側のDVD−R/RW記録再生部に実際に入力され、記録されている記号の内容をそのまま外部に出力する構成になっている。
また、上記特許文献2の複合装置は、一方の記録/再生手段が再生している映像・音声を視聴しているときに、本体に対して特定の入力にかかる操作行うだけで、一方の記録/再生手段が再生している映像・音声をダビング可能としている。
さらに、上記特許文献3の情報記録装置は、コピー先の記録媒体の種類をチェックし、HDD部に記録された記録データから適切なデータフォーマットの記録データをコピー先の記録媒体に記録するようになっている。
【0010】
しかしながら、上記何れの発明もハードディスクに更新記録したテレビジョン放送番組等の映像・音声情報をDVDおよび/またはビデオテープにダビングする構成を有していない。
このため、DVDへのダビング時に記録ミスが生じたり、DVDの記録残量が無くなったときに、ビデオテープ側にダビングしておいた番組情報をDVD側へ改めて記録し直すといったことはできず、記録すべき情報に欠落が発生した場合に修復の方法が無いという問題が残されていた。
【0011】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、ハードディスクの記録情報を複数種の記録媒体にダビングし、何れかの記録媒体へのダビング時に記録ミスが生じたとき、他の記録媒体から再びダビングし直すことにより、記録すべき情報に欠落が生じることのない記録再生複合装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明による記録再生複合装置は、光ディスク、ハードディスクおよびテープの3種の記録媒体に対応して映像・音声情報を記録/再生する記録媒体ドライブ部と、前記映像・音声情報を前記各記録媒体に応じたデータに変換するデータ変換部と、記録、再生およびダビングに関した指令を発する入力手段と、この入力手段からの指令内容や各種サインを表示する表示手段と、前記入力手段の記録指令に応じて前記データ変換部の出力データを前記ハードディスク用の記録媒体ドライブ部によりハードディスクに更新記録させた後、前記入力手段からダビング指令を受けたとき、前記ハードディスクをダビング元とし、前記光ディスクまたはテープの何れをダビング先とするかの選択、前記ダビング先へ同時にダビングするかおよび前記ダビング先のうち何れを優先させるかの選択を促すサインを前記表示手段に表示させ、次に、ダビングの方向を示す指令に続き前記同時ダビングまたは優先するダビング先の選択指令があると、その指令に応じたダビングモードに移行し、前記ハードディスク用の記録媒体ドライブ部によりそのハードディスクの記録情報を再生させつつ、その再生情報をダビング先の記録媒体に合わせて前記データ変換部によりデータ変換させて、当該記録媒体ドライブ部によりダビングさせる制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
また、前記制御手段が、同時ダビング指令を受けたとき、前記ハードディスクの再生情報を前記光ディスク用の記録媒体ドライブ部により前記光ディスクにダビングさせるとともに、前記再生情報を前記テープに合わせて前記データ変換部によりデータ変換させて、当該テープ用の記録媒体ドライブ部によりダビングさせることを特徴としている。
【0014】
また、前記制御手段が、優先ダビング指令を受けたとき、前記ハードディスクの再生情報を前記テープに合わせて前記データ変換部によりデータ変換させて、当該記録媒体ドライブ部によりテープにダビングさせた後、前記再生情報を前記光ディスク用の記録媒体ドライブ部により前記光ディスクにダビングさせることを特徴としている。
【0015】
また、前記光ディスクに前記映像・音声情報を記録可能な残容量を検出する残量検出手段を備え、前記光ディスクが所定位置に装着されたとき、前記制御手段が、前記光ディスク用の記録媒体ドライブ部により当該光ディスクの管理情報を読み取らせてメモリに記憶させた後、前記ハードディスクの再生情報を前記光ディスクに記録中、前記残量検出手段からの検出信号を受けて前記メモリの管理情報を照合し、この光ディスクの残容量が無くなる直前を判別して、その時点に前記再生情報を前記データ変換部へ送出することにより前記テープに合わせてデータ変換させ、この出力データを当該テープにダビングさせることを特徴としている。
【0016】
また、前記制御手段が、前記残容量の無い光ディスクとは異なる新規の光ディスクが所定位置に装着されたとき、前記テープ用の記録媒体ドライブ部により当該テープの情報を再生させて、この再生情報を前記データ変換部へ送出することにより前記光ディスクに合わせてデータ変換させ、この出力データを前記新規の光ディスクにダビングさせることを特徴としている。
【0017】
また、前記データ変換部が、チューナにより受信された受信放送信号を前記ハードディスクに応じたディジタルデータに変換することを特徴としている。
【0018】
さらに、光ディスク、ハードディスクおよびテープの3種の記録媒体に対応して映像・音声情報を記録/再生する記録媒体ドライブ部と、前記映像・音声情報を前記各記録媒体に応じたデータに変換するデータ変換部と、記録、再生およびダビングに関した指令を発する入力手段と、この入力手段からの指令内容や各種サインを表示する表示手段と、前記入力手段の記録指令に応じて前記データ変換部の出力データを前記ハードディスク用の記録媒体ドライブ部によりハードディスクに更新記録させた後、前記入力手段からダビング指令を受けたとき、前記ハードディスクをダビング元とし、前記光ディスクまたはテープの何れをダビング先とするかの選択、前記ダビング先へ同時にダビングするかおよび前記ダビング先のうち何れを優先させるかの選択を促すサインを前記表示手段に表示させ、次に、ダビングの方向を示す指令に続いて同時ダビング指令を受けたとき、前記ハードディスクの再生情報を前記光ディスク用の記録媒体ドライブ部により前記光ディスクにダビングさせるとともに、前記再生情報を前記テープに合わせて前記データ変換部によりデータ変換させて、当該テープ用の記録媒体ドライブ部によりダビングさせ、また、ダビングの方向を示す指令に続いて優先ダビング指令を受けたときは、前記ハードディスクの再生情報を前記テープに合わせて前記データ変換部によりデータ変換させて、当該記録媒体ドライブ部によりテープにダビングさせた後、前記再生情報を前記光ディスク用の記録媒体ドライブ部により前記光ディスクにダビングさせる制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明による記録再生複合装置は、ハードディスクの再生情報を光ディスクにダビングしつつテープに同時ダビングさせたり、テープにダビングしてから光ディスクにもダビングするので、光ディスクへの記録ミスが生じた場合、テープにダビングしてある映像・音声情報を光ディスクに再ダビングして情報の欠落を回避できるうえ、ハードディスクに記録された情報がダビング後に消去すべき放送番組であると、この記録情報を消去することができるといった効果がある。
【0020】
また、前記制御手段が、同時ダビング指令を受けたとき、ハードディスクの再生情報を光ディスクにダビングさせるとともに、テープにもダビングさせることから、光ディスクへの記録ミスが生じた場合、テープにダビングしてある映像・音声情報を光ディスクに再ダビングして情報の欠落を回避できるうえ、ハードディスクに記録された情報がダビング後に消去すべき放送番組であると、この記録情報を直ぐに消去することができる利点がある。
【0021】
また、前記制御手段が、優先ダビング指令を受けたとき、ハードディスクの再生情報をテープにダビングさせた後、このテープの再生情報を光ディスクにダビングさせることから、光ディスクへの記録ミスが生じた場合、テープにダビングしてある映像・音声情報を光ディスクに再ダビングして情報の欠落を回避できる利点がある。
【0022】
また、ハードディスクの再生情報を光ディスクに記録中、残量検出手段からの検出信号を受けて光ディスクの残容量が無くなる直前を判別し、その時点に前記再生情報をテープにダビングさせるので、光ディスクへのダビングが不可となっても再生情報を途切れることなくテープにダビングしておくことができる利点がある。
【0023】
また、前記制御手段が、残容量の無くなった光ディスクとは異なる新規の光ディスクが所定位置に装着されたとき、テープの情報を再生させて新規の光ディスクにダビングさせることから、再生情報を光ディスクに連続してダビングしておくことができる利点がある。
【0024】
また、前記データ変換部が、チューナにより受信された受信放送信号をハードディスクに応じたディジタルデータに変換するので、テレビジョン放送番組をハードディスクに更新記録させてから、光ディスクの他にテープへ同時または優先ダビングすることができる利点がある。
【0025】
さらに、本発明は、同時ダビング指令を受けたとき、ハードディスクの再生情報を光ディスクにダビングさせるとともに、テープにもダビングさせるので、光ディスクへの記録ミスが生じた場合、テープにダビングしてある映像・音声情報を光ディスクに再ダビングして情報の欠落を回避できるうえ、優先ダビング指令を受けたときは、前記再生情報をテープにダビングさせた後、光ディスクにダビングさせることが可能であり、ハードディスクに記録された情報がダビング後に消去すべき放送番組であると、この記録情報を消去することができるといった効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明に係る記録再生複合装置の実施形態について、図面を参照しながら詳述する。
図1は本発明の一実施形態である記録再生複合装置の電気的構成を示すブロック線図である。
本本実施形態の記録再生複合装置は、図示省略しているがHD、DVDおよびビデオテープの記録再生機能を備えたHDレコーダー1に適用されたもので、HDにテレビジョン放送番組を更新記録し、この記録情報をDVDやビデオテープにダビングしたり、テレビジョン受像機側に送信する構成となっている。
【0027】
図1において、2はチューナであり、アンテナで受信されたテレビジョン放送の信号が導入されている。このチューナ2には、制御部20の指令信号が導かれ、A/D変換部(A/D)が接続されている。
そして、操作部またはリモコン18の入力操作に基づく制御部20の指令により、選局されたチャンネルの受信信号をA/D変換部3側に送出する。
【0028】
A/D変換部3は、アナログのテレビジョン信号をディジタル信号に変換し、コーデック4側に送出する。
このコーデック4は、データ変換部であり、エンコーダ部およびマルチプレクサ/デマルチプレクサ等を備えて構成されている。
そして、エンコーダ部に前記ディジタル信号が入力すると、ディジタル映像信号およびディジタル音声信号をそれぞれ圧縮してマルチプレクサ/デマルチプレクサに与える。
【0029】
このマルチプレクサ/デマルチプレクサは、入力した映像信号のストリームと音声信号のストリームとをマルチプレクスし、MPEGのシステムストリームに変換する。
また、図示しないバッファメモリから受け取ったMPEGのシステムストリームを、映像信号のストリームと音声信号のストリームとにデマルチプレクスしてデコーダ5またはHD記録再生部10に送出する。
【0030】
デコーダ部(デコーダ)5は、ビデオデコーダとオーディオデコーダとからなり、D/A変換部(D/A)6を介して出力端子部7に接続されている。
ビデオデコーダは、入力した映像信号のストリームをデコードし、D/A変換部6に送出する一方、オーディオデコーダは、音声信号のストリームをデコードしてD/A変換部6にそれぞれ送出する。
【0031】
このD/A変換部6は、ビデオ用とオーディオ用とからなり、入力信号をそれぞれアナログ信号に変換し、映像信号と音声信号とからなるアナログのテレビジョン信号を出力端子部7に伝送する。
この出力端子部7には、外部接続機器として、HDMIテレビが接続されており、前記テレビジョン信号が供給されるようになっている。
【0032】
18はHDMI送受信部であり、HD記録再生部10および制御部20に接続されるとともに、入出力端子部9、HDMIケーブルを介してHDMIテレビと接続されている。
このHDMI送受信部9は、制御部20の制御により各種信号やデータの送受信を実行する。
前記HD記録再生部10から出力データが伝送されてくると、入出力端子部10を介してHDMIテレビ側に送出する。
また、図示省略した情報変換部から画像情報を受け取ると、HDMI規格のディジタル信号に変換した後、HDMIテレビ側に送信する。
【0033】
10はHD記録再生部であり、DVD記録再生部12と双方向性に接続されている。このHD記録再生部10は、制御部20からの記録指令に応じて、HDD(ハードディスクドライバ)11により、受信放送のテレビジョン信号をHD(ハードディスク)に更新記録させる。
また、再生指令に応じて、HDの記録情報をデコーダ部5に伝送し、HDMIテレビ側に送出する。
さらに、ダビング指令に従い、HDの記録情報を再生しつつDVD記録再生部12を介してドライバ13に供給し、DVDに記録させる。
【0034】
12はDVD記録再生部であり、前記コーデック4の出力が導かれている。このDVD記録再生部12は、制御部20からのHD側ダビング指令に従って、ドライバ13により、HDの記録情報をDVDに記録させる。
また、ビデオテープ側のダビング指令に応じて、VHS記録再生部14によりビデオテープから再生され、コーデック4を介して送出されてくる再生データをDVDに記録させる。
【0035】
14はVHS記録再生部であり、前記A/D変換部3に出力側が、D/A変換部6に入力側がそれぞれ接続されている。
そして、制御部20からの記録指令に従い、D/A変換部6に導かれたアナログ信号をVCR15に供給し、ビデオテープに記録させる。
【0036】
また、ダビング指令に応じて、HD記録再生部10によりHDから再生され、デコーダ部5でデコードされた後、D/A変換部6にて変換されたアナログの再生情報をVCR15に供給し、ビデオテープに記録させる。
一方、ダビング指令に応じて、VCR15によりビデオテープから再生させた再生情報をA/D変換部3に送出し、コーデック4により変換されたディジタル信号をDVD記録再生部12に供給し、DVDに記録させる。
16は残量検出部であり、DVDの再生時に管理情報を受けて、現在の記録時間から残容量を検出し、その検出情報を制御部20に送出する。
【0037】
17は表示部であり、制御部20の表示指令に従って、放送番組の記録・再生に関する基本情報を表示する。また、動作モードや記録レート等も表示する。
なお、このHDレコーダー1は、図示省略したOSD(On Screen Display)を備えており、リモコン18の指令に応じてテレビ側に表示信号を送出し、その画面にメニュー項目等を表示させることにより、各種の設定や項目の選択が可能となっている。
【0038】
18はリモコンであり、普及型のHDレコーダー1が有する各種機能キーを備えている。
即ち、記録・再生・編集に関するキーとして、HDD、DVDまたはVCRの選択キー、再生キー、停止キー、一時停止キー、早送りキー、早戻しキー、スキップキー、記録キー、モード切替キー、カーソルキー、決定キーその他である。
【0039】
なお、モード切替キーは、HDDキー、DVDキーおよびVCRキーの3種からなり、何れかを操作すると、そのモードが選択される。例えば、DVDキーを押すとDVD操作モードに切り替わり、リモコンがDVDドライバの操作用となる。この際は、HDDとVCRとが待機モードとなる。
【0040】
また、メニューキーは、各種設定、記録、再生その他の操作モードを画面に表示させ、何れか選択させるとともに、そのモードを実行可能となっている。
メニューキーを押すと、テレビ画面にメニュー項目が表示される。このメニュー項目のうち、ダビングを選択すると、画面(図2参照)にダビング元(送信側)およびダビング先(受信側)の選択を促す文字が表示される。
ここでは、記録媒体がHD、DVDおよびカセットの3種類であるから、6通りの組み合わせが可能である。
【0041】
例えば、HD→ビデオテープを選択すると、HDをダビング元としビデオテープをダビング先とするダビング指令が制御部20に与えられ、画面には「HD→ビデオテープ」が表示される。
また、メニュー項目のうち、ダビング種別を選択すると、画面(図3参照)に優先ダビングおよび同時ダビングの選択を促す文字が表示される。
ここで、優先ダビングを選択すると、予めダビング元およびダビング先が選択されている場合、画面には「HD→ビデオテープ」等が表示される。
【0042】
なお、メニューキーを使用せずに、ダビング元およびダビング先を決定するダビングキーを備える構成としてもよい。
この場合は、前記モード切替キーを操作してからダビングキーを押すと、ダビング指令が出力されて、制御部20が画面にダビング元とダビング先の選択を促すサインを表示させる。そして、前述のように、何れかを選択可能とする。
このように、リモコン18は、何れかのキーを操作すると、指令信号が赤外線信号として送信される。
そして、この赤外線信号が受信部19で受信されると、伝送信号が制御部20に送出される。
【0043】
この制御部20は、CPU,ROM,RAMおよびタイマ等を備えたマイコンであり、前記回路各部とその機能に応じて一方向または双方向性に接続されている。
この制御部20は、装置全体の動作を制御するもので、リモコン18または操作部の指令に応じて映像・音声信号の記録、再生およびダビング等に関した動作を制御する。
このダビング動作においては、ダビングの方向を示す指令に続き同時ダビングまたは優先するダビング先の選択指令があると、その指令に応じたダビングモードに移行し、HDの記録情報を再生させつつ、その再生情報をダビング先であるDVDまたはビデオテープにダビングさせる等の制御を行う
【0044】
次に、上記HDレコーダーの動作について、図1〜図3を参照しつつ説明する。
このHDレコーダー1は、電源がオンにされて使用を開始すると、予め選局されたチャンネルのテレビジョン信号がチューナ2により受信され、コーデック4によりディジタルデータに変換される。
そして、このディジタルデータは、HD記録再生部10に供給されるとともに、D/A変換部6に送出される。
【0045】
このD/A変換部6は、ディジタルの入力信号をアナログ信号に変換し、出力端子部7に供給する。
このため、ユーザーが、HDMIテレビをオンにすると、受信チャンネルの放送番組が画面に表示され、これに同期してスピーカから音声が放音される。
また、HD記録再生部10によって、HDに受信放送番組が更新記録されてゆく。
ところで、ユーザーが、このHDに記録された放送番組をDVDやビデオテープにダビングしたい場合、優先ダビングまたは同時ダビングを選択的に実行させることができる。
【0046】
(1)優先ダビング
優先ダビングを行う場合においては、ユーザーがビデオテープをVCR15に装着し、DVDをドライバ11側の所定位置に装着しておく。
このDVDが装着されると、ディスク検出部から制御部20に検出信号が送出される。
【0047】
制御部20は、この検出信号を受けると、DVD記録再生部12に読み取り指令を与える。DVD記録再生部12は、これに応じてドライバ11を動作させ、DVDの管理情報を読み取らせる。
この管理情報が制御部20に送出されると、制御部20はメモリ(RAM)に記憶させる。これにより、装着されたDVDの記録内容が制御部20に認識される。
【0048】
次に、ユーザーがメニューキーを操作して、画面に表示されるメニュー項目のうち、ダビングを選択する。
続いて、図3に示す画面に表示されるダビング元およびダビング先において、「HD→ビデオテープ」を選択すると、HDがダビング元でビデオテープがダビング先となるダビング指令が制御部20に与えられる。この制御部20は、ダビング指令を受けて次の指令を待機する。
【0049】
この後、ユーザーが記録キーを操作すると、記録開始指令が制御部20に送出される。この制御部20は、記録開始指令に応じてダビングモードに移行し、HD記録再生部10に再生開始指令を与えるとともに、VHS記録再生部14に記録指令を送出する。
【0050】
これに伴い、HDD11が、HDの記録データを再生させてHD記録再生部10からデコーダ部5に送出する。
このデコーダ部5は、記録データをデコードした後、D/A変換部6に出力する。このD/A変換部6は、ディジタルデータをアナログ信号に変換してVHS記録再生部14に供給する。
このVHS記録再生部14は、アナログ信号を受けると、ビデオテープに記録させる。これにより、HDの記録データがビデオテープにダビングされる。
【0051】
このダビングが終了すると、制御部20は、DVDへのダビングモードに移行する。
ここでは、制御部20がVHS記録再生部14を制御し、VCR15によりビデオテープの記録情報を再生させる。そして、制御部20は、この再生情報をVHS記録再生部14からA/D変換部3側に送出させる。
【0052】
すると、この再生情報は、A/D変換部3およびコーデック4によりディジタルデータに変換され、DVD記録再生部12に供給される。
このDVD記録再生部12は、VCR15によりディジタルデータをDVDに記録させる。
これにより、HDの記録データが、ビデオテープを経てDVDにダビングされる。このため、DVDに不具合があったり、DVDに記録の欠落が生じても支障なくHDの記録データをDVDにダビングされる。
【0053】
なお、この優先ダビングにおいては、HDをダビング元としビデオテープをダビング先としたが、ダビング先をDVDにしてもよい。
また、DVDをダビング元としビデオテープをダビング先としたり、HDにすることも可能である。
【0054】
(2)同時ダビング
同時ダビングにおいても、前述のようにビデオテープおよびDVDを所定位置に装着しておく。
次に、ユーザーがメニューキーを操作し、画面に表示されるメニュー項目からダビングを選択し、例えば、「HD→DVD」と「HD→ビデオテープ」を選択する。
すると、HDがダビング元でDVDおよびビデオテープがダビング先となるダビング指令が制御部20に与えられる。制御部20は、このダビング指令を受けて次の指令を待機する。
【0055】
この後、ユーザーが記録キーを操作すると、記録開始指令が制御部20に送出される。この制御部20は、記録開始指令に応じてダビングモードに移行し、HD記録再生部10に再生開始指令を与えるとともに、DVD記録再生部12およびVHS記録再生部14に記録指令を送出する。
【0056】
これに伴い、HDD11が、HDの記録データを再生させてHD記録再生部10からDVD記録再生部12に伝送する。また、この再生情報をデコーダ部5に送出する。
DVD記録再生部12は、再生情報を受けてドライバ13によりDVDに記録させる。よって、HDの記録データがDVDにダビングされてゆく。
【0057】
一方、再生情報を受けたデコーダ部5は、記録データをデコードした後、D/A変換部6に出力する。このD/A変換部6は、前述の如くディジタルデータをアナログ信号に変換してVHS記録再生部14に供給する。
このVHS記録再生部14は、アナログ信号を受けると、ビデオテープに記録させる。これにより、HDの記録データがビデオテープにダビングされてゆく。
【0058】
この記録中、残量検出部16がDVD記録再生部12の記録状態をチェックし、DVDの残容量から記録可能時間を検出する。
そして、この検出情報を制御部20に送出する。この制御部は、検出情報を受けてDVDの管理情報から残容量である記録可能時間を算出する。
【0059】
また、残容量が無くなる直前、つまり、記録可能時間が僅かとなった時点をメモリに記憶しておく。
この後、HDの記録データがビデオテープにダビングされたとき、制御部20は待機モードに入る。
そして、ユーザーが残容量の無くなったDVDとは異なる新規のDVDを所定位置に装着したとき、その管理情報を読み取らせてメモリに記憶させる。
【0060】
続いて、制御部20は、VHS記録再生部14に再生開始指令を、DVD記録再生部12に記録開始指令をそれぞれ与える。
すると、VHS記録再生部14がVCR15によりビデオテープの記録情報を再生させる。
【0061】
この再生情報は、A/D変換部3およびコーデック4によりディジタルデータに変換され、DVD記録再生部12に供給される。
このDVD記録再生部12は、VCR15によりディジタルデータをDVDに記録させる。
これにより、ビデオテープの記録データが、DVDにダビングされるため、DVDに記録の欠落が生じても支障なくHDの記録データをDVDに残すことができる。
【0062】
なお、この同時ダビングにおいては、HDをダビング元としDVDおよびビデオテープをダビング先としたが、DVDをダビング先とし、HDとビデオテープをダビング先とすることも可能である。
また、本発装置明は上記の各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の一実施形態である記録再生複合装置の概要構成を示す電気的ブロック線図である。
【図2】ダビング元とダビング先の選択を示す画面図である。
【図3】ダビングの種別選択を示す画面図である。
【符号の説明】
【0064】
3 データ変換部(A/D変換部)
4 データ変換部(コーデック)
5 データ変換部(デコーダ)
6 データ変換部(D/A変換部)
11 記録媒体ドライブ部(HDD)
13 記録媒体ドライブ部(ドライバ)
15 記録媒体ドライブ部(VCR)
18 入力手段
20 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスク、ハードディスクおよびテープの3種の記録媒体に対応して映像・音声情報を記録/再生する記録媒体ドライブ部と、
前記映像・音声情報を前記各記録媒体に応じたデータに変換するデータ変換部と、
記録、再生およびダビングに関した指令を発する入力手段と、
この入力手段からの指令内容や各種サインを表示する表示手段と、
前記入力手段の記録指令に応じて前記データ変換部の出力データを前記ハードディスク用の記録媒体ドライブ部によりハードディスクに更新記録させた後、前記入力手段からダビング指令を受けたとき、前記ハードディスクをダビング元とし、前記光ディスクまたはテープの何れをダビング先とするかの選択、前記ダビング先へ同時にダビングするかおよび前記ダビング先のうち何れを優先させるかの選択を促すサインを前記表示手段に表示させ、次に、ダビングの方向を示す指令に続き前記同時ダビングまたは優先するダビング先の選択指令があると、その指令に応じたダビングモードに移行し、前記ハードディスク用の記録媒体ドライブ部によりそのハードディスクの記録情報を再生させつつ、その再生情報をダビング先の記録媒体に合わせて前記データ変換部によりデータ変換させて、当該記録媒体ドライブ部によりダビングさせる制御を行う制御手段と、を備えた記録再生複合装置。
【請求項2】
前記制御手段が、同時ダビング指令を受けたとき、前記ハードディスクの再生情報を前記光ディスク用の記録媒体ドライブ部により前記光ディスクにダビングさせるとともに、前記再生情報を前記テープに合わせて前記データ変換部によりデータ変換させて、当該テープ用の記録媒体ドライブ部によりダビングさせることを特徴とする請求項1に記載の記録再生複合装置。
【請求項3】
前記制御手段が、優先ダビング指令を受けたとき、前記ハードディスクの再生情報を前記テープに合わせて前記データ変換部によりデータ変換させて、当該記録媒体ドライブ部によりテープにダビングさせた後、前記再生情報を前記光ディスク用の記録媒体ドライブ部により前記光ディスクにダビングさせることを特徴とする請求項1に記載の記録再生複合装置。
【請求項4】
前記光ディスクに前記映像・音声情報を記録可能な残容量を検出する残量検出手段を備え、前記光ディスクが所定位置に装着されたとき、前記制御手段が、前記光ディスク用の記録媒体ドライブ部により当該光ディスクの管理情報を読み取らせてメモリに記憶させた後、前記ハードディスクの再生情報を前記光ディスクに記録中、前記残量検出手段からの検出信号を受けて前記メモリの管理情報を照合し、この光ディスクの残容量が無くなる直前を判別して、その時点に前記再生情報を前記データ変換部へ送出することにより前記テープに合わせてデータ変換させ、この出力データを当該テープにダビングさせることを特徴とする請求項1に記載の記録再生複合装置。
【請求項5】
前記制御手段が、前記残容量の無い光ディスクとは異なる新規の光ディスクが所定位置に装着されたとき、前記テープ用の記録媒体ドライブ部により当該テープの情報を再生させて、この再生情報を前記データ変換部へ送出することにより前記光ディスクに合わせてデータ変換させ、この出力データを前記新規の光ディスクにダビングさせることを特徴とする請求項3または4に記載の記録再生複合装置。
【請求項6】
前記データ変換部が、チューナにより受信された受信放送信号を前記ハードディスクに応じたディジタルデータに変換することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1に記載の記録再生複合装置。
【請求項7】
光ディスク、ハードディスクおよびテープの3種の記録媒体に対応して映像・音声情報を記録/再生する記録媒体ドライブ部と、
前記映像・音声情報を前記各記録媒体に応じたデータに変換するデータ変換部と、
記録、再生およびダビングに関した指令を発する入力手段と、
この入力手段からの指令内容を表示する表示手段と、
前記入力手段の記録指令に応じて前記データ変換部の出力データを前記ハードディスク用の記録媒体ドライブ部によりハードディスクに更新記録させた後、前記入力手段からダビング指令を受けたとき、前記ハードディスクをダビング元とし、前記光ディスクまたはテープの何れをダビング先とするかの選択、前記ダビング先へ同時にダビングするかおよび前記ダビング先のうち何れを優先させるかの選択を促すサインを前記表示手段に表示させ、次に、ダビングの方向を示す指令に続いて同時ダビング指令を受けたとき、
前記ハードディスクの再生情報を前記光ディスク用の記録媒体ドライブ部により前記光ディスクにダビングさせるとともに、前記再生情報を前記テープに合わせて前記データ変換部によりデータ変換させて、当該テープ用の記録媒体ドライブ部によりダビングさせ、
また、ダビングの方向を示す指令に続いて優先ダビング指令を受けたときは、前記ハードディスクの再生情報を前記テープに合わせて前記データ変換部によりデータ変換させて、当該記録媒体ドライブ部によりテープにダビングさせた後、前記再生情報を前記光ディスク用の記録媒体ドライブ部により前記光ディスクにダビングさせる制御を行う制御手段と、を備えた記録再生複合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−110575(P2009−110575A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−280174(P2007−280174)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】