説明

記録制御装置、情報機器、情報記録システム、およびプログラム

【課題】外部情報機器が所持する情報を、適切なタイミングで記録することが可能な記録制御技術を提供すること。
【解決手段】記録制御装置は、外部情報機器との間で情報の送受信が可能である。記録制御装置は、第1の記録媒体と、前記外部情報機器から前記情報を取得したとき、前記情報を前記第1の記録媒体に格納し、前記外部情報機器との接続が切れたとき、前記第1の記録媒体に格納された前記情報または前記情報に基づく他の情報を第2の記録媒体に記録する制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報機器から送信される情報の記録を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
PC等の外部情報機器と、ムービーカメラ等の記録制御装置とをUSB接続等により接続して、情報の送受信を行なう技術が知られている。例えば、特許文献1は、PCが定期的若しくは不定期にビデオカメラ内に保存された制御コードを取得し、それに従ってPCに保存された映像データをビデオカメラに送信する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−232977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ムービーカメラ等の記録制御装置に記録された情報は、動画像データや静止画像データのように、ユーザーにとって重要な情報であることが多い。そのため、USB接続等によりPC等の外部情報機器と接続しているときに、記録制御装置に記録された情報が、外部情報機器により不用意に削除されたり、改ざんされたりする危険性がある。そのような危険性を回避するため、通常、外部情報機器に接続している間は外部情報機器からの情報の書き込みが禁止される。
【0005】
しかし、外部情報機器からの情報の書き込みを禁止すると、外部情報機器が所持する情報を、必要に応じて記録制御装置に記録することができない。
【0006】
本発明の実施形態は、上記課題に鑑み、外部情報機器が所持する情報またはその情報に基づく他の情報を、適切なタイミングで記録することが可能な記録制御技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態による記録制御装置は、外部情報機器との間で接続が可能であり、前記接続を介して情報の送受信が可能に構成されている。前記記録制御装置は、第1の記録媒体と、前記外部情報機器から前記情報を取得したとき、前記情報を前記第1の記録媒体に格納し、前記外部情報機器との前記接続が切れたとき、前記第1の記録媒体に格納された前記情報または前記情報に基づく他の情報を第2の記録媒体に記録する制御部とを備えている。
【0008】
ある実施形態において、前記記録制御装置は、前記外部情報機器にケーブルを介して接続するためのコネクタをさらに備え、前記制御部は、前記情報を前記第1の記録媒体に格納した後、前記ケーブルが抜かれたとき、前記第1の記録媒体に格納された前記情報または前記情報に基づく他の情報を前記第2の記録媒体に記録する。
【0009】
ある実施形態において、前記制御部は、データを前記外部情報機器に送信した後、前記外部情報機器から前記データの処理に関する通知を前記情報として取得する。
【0010】
ある実施形態において、前記外部情報機器は、前記制御部から前記データを取得したとき、前記データをネットワークを介して他の装置にアップロードし、前記制御部は、前記外部情報機器から前記データのアップロードに関する通知を前記情報として取得する。
【0011】
ある実施形態において、前記外部情報機器は、前記記録制御装置から前記データを取得したとき、前記データを他の第2の記録媒体にバックアップとして保存し、前記制御部は、前記外部情報機器から前記データのバックアップに関する通知を前記情報として取得する。
【0012】
ある実施形態において、前記制御部は、前記第2の記録媒体に記録された指示情報に基づいて前記データを前記外部情報機器に送信し、前記外部情報機器から前記データの処理が完了したか否かを示す通知を受けたとき、前記指示情報を更新する。
【0013】
ある実施形態において、前記指示情報は、ユーザーによって設定された送信対象のデータを示す情報である。
【0014】
ある実施形態において、前記データは、動画像のデータを含む。
【0015】
ある実施形態において、前記記録制御装置は、撮像によって前記動画像を取得する撮像部をさらに備える。
【0016】
本発明の一実施形態による情報機器は、上記のいずれかの記録制御装置から送られるデータを処理するように構成されている。前記情報機器は、前記記録制御装置との間の接続が確立したことを検知するステップと、前記接続が確立したとき、処理すべきデータが規定された指示情報を前記第2の記録媒体から読み出すステップと、前記指示情報が存在する場合に、前記指示情報に基づいて前記データを処理するステップと、前記データの処理が完了したか否かを示す情報を前記情報機器に送信するステップとを実行するように構成されたプロセッサを備えている。
【0017】
本発明の一実施形態による情報記録システムは、情報機器と、前記情報機器との間で接続が可能であり、前記接続を介して情報の送受信が可能な記録制御装置とを備える。前記記録制御装置は、第1の記録媒体と、前記情報機器から前記情報を取得したとき、前記情報を前記第1の記録媒体に格納し、前記情報機器との接続が切れたとき、前記第1の記録媒体に格納された前記情報または前記情報に基づく他の情報を第2の記録媒体に記録する制御部とを有する。
【0018】
本発明の一実施形態によるプログラムは、外部情報機器との間で接続が可能であり、前記接続を介して情報の送受信が可能な記録制御装置において用いられるプログラムであって、コンピュータに対し、外部情報機器から情報を取得するステップと、前記情報を第1の記録媒体に格納するステップと、前記外部情報機器との接続が切れたことを検知して、前記第1の記録媒体に格納された前記情報または前記情報に基づく他の情報を第2の記録媒体に記録するステップとを実行させる。
【0019】
本発明の一実施形態によるプログラムは、上記のいずれかの記録制御装置から送られるデータを処理する情報機器において用いられるプログラムであって、コンピュータに対し、前記記録制御装置との間の接続が確立したことを検知するステップと、前記接続が確立したとき、処理すべきデータが規定された指示情報を前記第2の記録媒体から読み出すステップと、前記指示情報が存在する場合に、前記指示情報に基づいて前記データを処理するステップと、前記データの処理が完了したか否かを示す情報を前記情報機器に送信するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の実施形態によれば、外部情報機器が所持する情報を、適切なタイミングで記録することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1A】本発明の実施の形態における基本構成を示すブロック図である。
【図1B】ある実施形態における記録制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図1C】ある実施形態における情報機器の動作を示すフローチャートである。
【図2】実施の形態1におけるシステムの構成図である。
【図3】実施の形態1におけるアップロード指示情報の一例を示す図である。
【図4】実施の形態1におけるPCの処理動作を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1におけるムービーカメラの処理動作を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態1におけるアップロード完了情報の一例を示す図である。
【図7】実施の形態1における更新後のアップロード指示情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明による具体的な実施形態を説明する前に、まず、本発明の実施形態における基本構成および動作の概要を説明する。
【0023】
図1Aは、本発明の実施形態による情報記録システムの基本構成を示すブロック図である。情報記録システムは、情報の記録を制御する記録制御装置10と、記録制御装置10に接続される外部情報機器20とを備える。記録制御装置10および情報機器20は、有線または無線で接続され、互いに情報を送受信することができる。
【0024】
情報機器20は、記録制御装置10との間の情報の送受信を制御するプロセッサ21を備える。情報機器20は、プロセッサ21以外の要素を含み得るが、図1Aでは、簡単のため、それらの要素は省略されている。情報機器20は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯情報端末、ワークステーションであり得る。プロセッサ21は、例えば中央演算処理装置(CPU)であり、不図示のメモリに記録された制御プログラムを実行することにより、各種の通信制御や記録制御を実行することができる。あるいは、各種制御を実行できるように構成された専用のハードウェアで構成されていてもよい。
【0025】
記録制御装置10は、第1の記録媒体14と、第2の記録媒体12への記録を制御する制御部11とを備えている。制御部11は、第1の記録媒体14および第2の記録媒体12に電気的に接続される。第2の記録媒体12は、記録制御装置10に内蔵されていてもよいし、記録制御装置10にケーブル等で接続されていてもよい。記録制御装置10は、例えばデジタルカメラ、デジタルムービーカメラ、携帯音声プレーヤー、携帯情報端末のような、第2の記録媒体12に情報を記録して利用する機器であり得る。記録制御装置10は、実際には図1Aに示される要素以外の要素を含み得るが、簡単のため、それらの記載は省略されている。
【0026】
制御部11は、例えば中央演算処理装置(CPU)であり、制御プログラムを実行することにより、各種の通信制御や記録制御を実行することができる。あるいは、制御部11は、各種制御を実行できるように予め構成された専用のハードウェアであってもよい。第1の記録媒体14は、典型的には半導体メモリであるが、他の種類の記録媒体であってもよい。第1の記録媒体14は、制御部11が処理する際に発生する各種のデータを一時的に記憶する。第2の記録媒体12は、情報を記録可能な任意の記録媒体であり、例えばメモリカード、光ディスク、ハードディスク(HD)であり得る。
【0027】
以下、本発明の実施形態における基本動作を説明する。
【0028】
図1Bは、記録制御装置10の制御部11による基本動作を示すフローチャートである。記録制御装置10と情報機器20とが有線または無線で接続され、情報の送受信が可能になった状態において、記録制御装置10が情報機器20から情報を取得すると(S101)、制御部11は、当該情報をまず第1の記録媒体14に格納する(S102)。その状態で記録制御装置10と情報機器20との間の接続が切れたことを検出すると(S103)、制御部11は、第1の記録媒体14に格納された当該情報または当該情報に基づく他の情報を第2の記録媒体12に記録する(S104)。ここで、「接続が切れる」とは、記録制御装置10と情報機器20とを接続するケーブルが抜かれたような場合に限らず、両者の間の通信が論理的に切断されたような場合も含む。このように、本明細書において「接続」とは、物理的な接続に限らず、論理的な接続も含む概念である。
【0029】
情報機器20から記録制御装置10に送信される情報は、例えば情報機器20が保持する画像データ、音声データ、文書データといった任意のデータであり得る。また、情報機器20が、記録制御装置10から送信されたデータを処理するように構成されている場合、情報機器20から記録制御装置10に送信される情報は、上記データの処理に関する通知であり得る。例えば、後述する実施形態のように、情報機器20は、記録制御装置10から受け取ったデータを、インターネットのようなネットワークを介して外部のサーバ機器にアップロードしたり、ハードディスク(HD)や光ディスクといった記録媒体にバックアップする機能を備えていてもよい。
【0030】
以下、そのような形態における制御の一例を説明する。ここでは、情報機器20は、記録制御装置10からアップロードまたはバックアップすべきデータを受け取り、当該データのアップロードまたはバックアップの処理を実行することを想定する。前提として、記録制御装置10から情報機器20への送信対象のデータは、第2の記録媒体12に記録された指示情報に規定されているとする。指示情報は、例えばユーザが送信対象のデータを選択することによって作成される。
【0031】
図1Cは、この例における情報機器20のプロセッサ21の動作を示すフローチャートである。プロセッサ21は、まず記録制御装置10との間の接続が確立したことを検知する(S110)。接続が確立したことを検知すると、プロセッサ21は、第2の記録媒体12に記録された指示情報を読み出す(S111)。当該指示情報を参照することによって処理対象のデータの有無を判定する(S112)。次に、処理対象のデータを第2の記録媒体12から読み出し、当該データを処理する(S113)。処理が完了すると、プロセッサ21は、当該処理の完了を示す通知を記録制御装置10に送信する(S114)。あるいは、未完了のデータや、処理が失敗したことをを示す通知を送信してもよい。
【0032】
記録制御装置10は、情報機器20から処理に関する通知を受け取ると、図1Bに示すフローに従って当該通知に基づく記録動作を実行する。例えば、当該通知により、送信済みのデータのうち、一部のデータの処理のみが完了したことを認識すると、完了したデータを送信対象から除外した新たな指示情報を第2の記録媒体12に記録するといった動作が可能である。これにより、指示情報が更新され、送信する必要のないデータは送信対象から除外される。
【0033】
以上のように、本発明の実施形態では、記録制御装置10は、外部の情報機器20との通信が可能な状態においては第2の記録媒体12へ直接情報を記録せず、第1の記録媒体14に当該情報をまず格納する。その後、通信ができない状態になった時に直ちに当該情報を第2の記録媒体12に記録することができる。この制御により、通信切断後、遅滞なく必要な情報を第2の記録媒体12に記録できるため、従来にない優れた性能を実現できる。
【0034】
情報機器20との通信が確立している状態で第2の記録媒体12への記録を可能にすると、第2の記録媒体12に記録された重要なデータが誤って消去されたり改ざんされる危険性がある。そこで、通常、通信が確立しているときには第2の記録媒体12への情報機器20からの記録は禁止される。しかし、そのようにすると、情報機器20からの情報を必要に応じて記録することができないため、利便性に問題が生じる。そこで、本発明の実施形態における制御部11は、情報機器20から送信された情報を、まず第1の記録媒体14に格納し、通信が切断されたことが確実になったタイミングで当該情報または当該情報に基づく他の情報を第2の記録媒体12に記録する。このような制御により、通信中に第2の記録媒体12を書き込み禁止に設定したとしても、記録制御装置10は、情報機器20から送られる情報に基づき、通信切断後、直ちに必要な記録処理を実行できる。なお、本発明は、通信確立中に第2の記録媒体12の書き込みが禁止されていない場合にも適用可能である。
【0035】
以下、本発明のより具体的な実施の形態を説明する。
【0036】
〔実施の形態1〕
図2は、本発明の第1の実施の形態による情報記録システムの全体構成を示すブロック図である。本実施形態における情報記録システムは、ムービーカメラ100と、パーソナルコンピュータ(PC)120とを備えている。本実施形態では、ムービーカメラ100によって撮影した動画像や静止画像のデータを、PC120を介してインターネット上のWebサーバにアップロードすることができる。以下、動画データをアップロードする場合を例に説明するが、アップロードされるデータは静止画像のデータやその他の任意のデータであってもよい。
【0037】
本実施の形態に係るムービーカメラ100は、メモリカード102を装着するためのカードスロット106を備え、そこにメモリカード102を装着することができる。メモリカード102内には、動画データが記録される。使用者がムービーカメラ100を操作し、記録された動画データおよび静止画データのうちインターネット上のWebサイトにアップロードしたいものを選択すると、その情報がアップロード指示情報としてメモリカード102に記録される。
【0038】
その後、使用者により、ムービーカメラ100とPC120とがUSBケーブル130で接続されると、PC120は、メモリカード102内のアップロード指示情報を読み出し、その内容に従って、メモリカード102内の動画データを送信モジュール123からインターネット上のWebサイトにアップロードする。アップロードが完了すると、PC120は、その内容をアップロード完了情報としてUSBコネクタ122からムービーカメラ100に通知する。ムービーカメラ100は、アップロード完了の通知を受け取ると、アップロード完了情報をワークメモリ104に一時的に記録する。その後、USBケーブル130の接続が切れると、一時記憶したアップロード完了の情報に従って、ムービーカメラ100は、メモリカード102内のアップロード指示情報を変更する。
【0039】
以下、図を用いて、ムービーカメラ100のシステム構成および動作を詳細に説明する。
【0040】
[1.システムの構成]
まず、ムービーカメラ100およびPC120のシステム構成について図2を用いて説明する。図2は、ムービーカメラ100およびPC120を備えた情報記録システムの全体構成を示す。
【0041】
ムービーカメラ100は、ムービーカメラ100全体の動作を制御する第1の演算処理部101、カードスロット106、USBコネクタ103、ワークメモリ104、撮像部105、操作部107、および表示部108を備えている。
【0042】
撮像部105は、図示していないが、光学系、撮像センサを有している。光学系は、ズームレンズおよびフォーカスレンズを含む複数のレンズから構成され得る。撮像センサは、撮像面上に配列された複数の光感知セル(フォトダイオード)を備え、光電変換によって被写体の像に応じた電気信号を出力する。撮像センサの典型例は、CCDまたはCMOSセンサである。撮像部105は、色調補正、画像サイズの変更等の各種処理を行う画像処理部を有していてもよい。撮像部105は、撮影によって取得した画像信号を出力する。
【0043】
第1の演算処理部101は、ムービーカメラ100上の処理を実行する処理部である。第1の演算処理部101は、典型的にはCPUであり、制御プログラムに従ってムービーカメラ100全体の動作を制御する。第1の演算処理部101は、撮像部105、カードスロット106、USBコネクタ103、ワークメモリ104、操作部107、および表示部108に電気的に接続されている。第1の演算処理部101は、撮像部105によって撮影された映像に対し、画像処理およびデジタル符号化処理を行い、メモリカード102に動画データとして記録する。また、第1の演算処理部101は、USBコネクタ103を介してPC120から送信されるメモリカード102内の情報に対する直接のアクセス要求や、アップロード完了情報を処理する。
【0044】
USBコネクタ103は、USB(Universal Serial Bus)規格のコネクタである。USBコネクタ103には、USBケーブル130を介してPC120が接続される。これにより、ムービーカメラ100は、PC120との間でデータの送受が可能となる。
【0045】
メモリカード102は、動画データ等の情報を記録可能な記録媒体である。USBコネクタ103に接続されたPC120は、メモリカード102に記録された情報を直接読み出す事はできるが、直接書き込む事はできない。一般に、撮影された動画データは二度と同じものを撮ることができないため、ユーザーにとって重要度の高い情報であることが多い。そのため、動画データを記録したメモリカード102を不用意に削除または改ざんされないよう、PC120からの書き込みが禁止されている。一方、アップロード指示情報のようなデータは、ユーザーが同じ操作を行えば全く同じ情報を復元できるため、重要度は低く、PC120からの書き込みを禁止する必要性も低い。しかしながら、これらの重要度の異なる情報を同一のメモリカード102に記録する場合、重要度の高い方に合わせて、動画データのみならず、アップロード指示情報のような比較的重要度の低い情報についてもPC120からの書き込みが禁止されている。このため、重要度の低い情報に対するPC120からの書き込みができなくなり不便であるが、この解決方法の詳細については後述する。
【0046】
ワークメモリ104は、ムービーカメラ100の内部処理に必要な情報を記憶する記録媒体である。ワークメモリ104は、例えばDRAMや強誘電体メモリのような半導体メモリである。ワークメモリ104は、第1の演算処理部101の演算処理のための作業スペースとして機能する。USBコネクタ103に接続されたPC120は、ワークメモリ104内の情報に対し、直接読み書きする事はできないように構成されている。
【0047】
表示部108は、撮影された画像やメモリカード102に記録された画像を表示するためのデバイスである。表示部108は、例えば液晶や有機ELによって構成され得る。
【0048】
操作部107は、ユーザーの操作を受け付けるための複数のボタンやレバーを含む。また、表示部108に設けられたタッチパネルを含んでいてもよい。これにより、ユーザーは、撮影の開始および終了の指示、記録した画像の閲覧、および後述するアップロード指示を行うことができる。
【0049】
なお、本実施形態のムービーカメラ100は、電源(電池)、傾きセンサ、フラッシュライトなどの公知の構成要素を備え得るが、それらの説明は本実施形態の理解に特に必要でないため省略する。
【0050】
本実施の形態では、ムービーカメラ100とPC120とがUSBケーブル130を介して接続されているとき、メモリカード102は、第1の演算処理部101からは読み取りのみならず書き込みも可能である。一方、PC120からは読み取りのみが可能であり、書き込みはできないように制限されている。
【0051】
続いて、PC120の構成を説明する。
【0052】
PC120は、第2の演算処理部121、USBコネクタ122、送信モジュール123、およびHDD(ハードディスクドライブ)124を備えている。
【0053】
第2の演算処理部121は、PC120上の処理を実行する処理部である。第2の演算処理部121は、USBコネクタ122、送信モジュール123、およびHDD124に電気的に接続されている。第2の演算処理部121は、USBコネクタ122を介して、メモリカード102内の情報の読み出しを行なったり、アップロード完了情報をムービーカメラ100に送信することができる。また、第2の演算処理部121は、送信モジュール123を介してWebサイトへ情報(動画データ等)の送信を行う。
【0054】
USBコネクタ122は、USB規格のコネクタである。USBコネクタ122には、USBケーブルを介してムービーカメラ100が接続される。
【0055】
送信モジュール123は、インターネット上のWebサイトとの情報の送受信を行うモジュールである。送信モジュール123は、第2の演算処理部121の指示に従って、動画データ等をWebサイトにアップロードする。送信モジュール123としては、通信機能を有していれば、有線、無線に限らず、任意のデバイスを利用できる。
【0056】
HDD124は、情報を記録する記録媒体であるハードディスク(HD)を読み出すためのドライブである。HDD124は、第2の演算処理部121がメモリカード102から読み出した情報をそのままもしくは加工して内蔵のハードディスクに記録する事ができる。
【0057】
PC120は、図2に示す要素の他、光ディスクドライブ、メモリ、入力インターフェースといった公知の要素を含み得るが、それらの要素は本実施形態の理解に特に重要ではないため、説明を省略する。
【0058】
[2.本発明との対応関係]
第1の演算処理部101は、本発明における制御部の一例である。すなわち、第1の演算処理部101は、本発明における制御部の機能を有している。ワークメモリ104は、本発明における第1の記録媒体の一例である。メモリカード102は、本発明における第2の記録媒体の一例である。ムービーカメラ100は、本発明における記録制御装置の一例である。PC120は、本発明における外部情報機器の一例である。第2の演算処理部121は、本発明におけるプロセッサの一例である。
【0059】
[3.システムの動作]
続いて、使用者の操作に応じて行われる処理を説明する。
【0060】
ムービーカメラ100内のメモリカード102には、使用者が予め撮影した動画データが記録されている。動画データの他、静止画データのような他のデータが記録されていてもよい。上述のように、ムービーカメラ100にはメモリカード102内の動画データを一覧表示する表示部108と、表示部108に表示された動画データからWebサイトにアップロードしたいものを選択するための操作部107が設けられている。操作部107は、表示部108に配置されたタッチパネルや、外装面に配置されたハードキー等の総称である。使用者は、表示部108に表示された動画データを確認し、操作部107を使用してアップロード対象の動画データを選択する。第1の演算処理部101は、選択された動画データに関する情報をメモリカード102にアップロード指示情報として記録する。アップロード指示情報は、図3に例示するように、ユーザーにより選択された動画データのファイル名と、その動画データのアップロード先(いずれのWebサイトのサーバにアップロードするか)とが対となってリスト管理された情報である。図3に示す例では、アップロード先はURL(Uniform Resource Locator)によって指定されているが、アップロード指示情報の表現形式はどのようなものでもよい。PC120は、ムービーカメラ100から読み出したアップロード指示情報を参照することにより、どの動画データをいずれのWebサイトのサーバへとアップロードすべきか判断し、送信処理を行なうことができる。
【0061】
次に、ユーザーがムービーカメラ100とPC120とをUSBケーブルを用いて接続したときの処理を説明する。USBケーブルを介してムービーカメラ100とPC120とが接続されると、USBの接続プロトコルに従って接続が自動的に確立され、通信可能な状態になる。これ以降、通信が切断されるまで、PC120は、ムービーカメラ100の記録媒体120に記録された情報を読み出すことができる。ただし、前述のとおり、通信確立中はPC120から記録媒体120に情報を記録することはできない。
【0062】
ユーザーが、ムービーカメラ100とPC120とをUSBケーブルで接続すると、図4に示す動作が実行される。図4は、このときの第2の演算処理部121による処理動作を示すフローチャートである。
【0063】
第2の演算処理部121は、まず、ステップS200において、USBコネクタ122にムービーカメラ100が接続されたか否かを判定する。ユーザーによりムービーカメラ100のUSBコネクタ103とPC120のUSBコネクタ122とがUSB接続ケーブルによって接続されたと判定すると、ステップS201に遷移する。ステップS201において、第2の演算処理部121は、USBコネクタ122を介して、ムービーカメラ100のメモリカード102に記録されたアップロード指示情報を読み出す。次に、第2の演算処理部121は、アップロード指示情報の内容を確認し、アップロード対象の動画データがあるか否かを判定する(S202)。アップロード対象の動画データがあると判定したとき、第2の演算処理部121は、アップロード指示情報を参照して、アップロード対象の動画データのアップロード先を読み出す(S203)。また、アップロード対象の動画に関する情報が記録されていれば、その対象動画をメモリカード102からUSBコネクタ122を介して読み出してもよい。以上の動作により、第2の演算処理部121は、アップロード対象の動画データと、アップロード先の情報とを取得した状態になっている。第2の演算処理部121は、送信モジュール123を介してインターネット上のWebサイトへアップロード対象の動画データをアップロードする(S204)。なお、アップロードは、第2の演算処理部121が制御プログラムに従って自動で実行してもよいし、ユーザーの操作に従って実行してもよい。
【0064】
アップロードが完了すると、第2の演算処理部121は、アップロードが完了した事を示すアップロード完了情報をUSBコネクタ122を介してムービーカメラ100に送信する(S205)。アップロードが完了したか否かは、アップロード対象の動画像データをアップロード先にアップロードし終えたときに、第2の演算処理部121が自分で判定するようにしてもよいし、アップロードが完了した旨をアップロード先のWebサイトのサーバから取得したことにより、判定するようにしてもよい。
【0065】
次に、PC120から送信されたアップロード完了情報をムービーカメラ100が受信した際の処理動作を、図5を参照しながら説明する。
【0066】
ムービーカメラ100における第1の演算処理部101は、アップロード完了情報をUSBコネクタ103を介してPC120から受け取ったか否かを判定する(S300)。アップロード完了情報を受け取った場合、第1の演算処理部101は、PC120から受け取ったアップロード完了情報をワークメモリ104に一時的に記録(更新)する(S304)。
【0067】
また、第1の演算処理部101は、USBケーブルの接続が切れていないかを検知している(S301)。第1の演算処理部101は、USBケーブルの接続が維持されている限り、ステップS300およびS304の動作を繰り返す。
【0068】
USBコネクタ103とUSBコネクタ122との間を接続しているUSBケーブルが切断されると(抜かれると)、第1の演算処理部101は、ワークメモリ104に一時記録したアップロード完了情報を取得する(S302)。続いて、第1の演算処理部101は、取得したアップロード完了情報に従って、メモリカード102内のアップロード指示情報を更新する(S303)。すなわち、第1の演算処理部101は、ワークメモリ104に一時記録していたアップロード完了情報に従って更新したアップロード指示情報をメモリカード102に記録する。
【0069】
このときの動作の具体例を説明する。例えば、PC120がアップロード動作を行う前に、ユーザーの選択により、図3に示すように、アップロード指示情報に動画A、動画B、動画Cをアップロード対象とする旨の情報が含まれていたとする。また、PC120がアップロード動作を行った後に、ムービーカメラ100がPC120から取得したアップロード完了情報に、図6に示すように、動画A、動画Bのアップロードが完了した旨の情報が記録されていたとする。このアップロード完了情報は、ムービーカメラ100とPC120とのUSBケーブルによる接続が切られる直前に、ワークメモリ104に記録されていた情報である。このとき、アップロード対象となっていた動画A、動画B、動画Cのうち、動画A、動画Bについてはアップロード済みであるため、ステップS303の処理の結果、アップロード指示情報には、動画Cの情報のみが残る事となる。第1の演算処理部101は、ワークメモリ104に一時記録していたアップロード完了情報に従って、図7に示すような動画Cのみを含むアップロード指示情報をメモリカード102に記録する。
【0070】
このように、ムービーカメラ100内の第1の演算処理部101は、PC120からアップロード完了通知を受け取り、その内容に従ってアップロード指示情報を変更する。ここで、ムービーカメラ100とPC120とがUSBケーブルによって接続されているときに、アップロード指示情報を更新可能とした場合、更新のタイミングにおいてPC120がアップロード指示情報を読み出している可能性がある。その場合、アップロード指示情報を変更する事ができない。一方、USBケーブル接続が切られているとき(抜かれているとき)、メモリカード102内の情報は、PC120からアクセスされていない事が保障される。そこで、本実施の形態では、受信したアップロード完了通知をワークメモリ104に一時的に記録した後、ムービーカメラ100とPC120とのUSBケーブルの接続が切れたとき、アップロード指示情報が更新される。すなわち、PC120がメモリカード102内のアップロード指示情報を読み出していないことが確実なタイミングでアップロード指示情報が変更される。
【0071】
以上のように、本実施の形態にかかるムービーカメラ100は、PC120にUSBケーブルを用いて接続するためのUSBコネクタ103と、USBコネクタ103を介してPC120からアップロード完了情報を取得する第1の演算処理部101と、取得したアップロード完了情報を記憶するワークメモリ104とを備えている。第1の演算処理部101は、USB接続が切れると、ワークメモリ104に記録されているアップロード完了情報に基づいて更新したアップロード指示情報をメモリカード102に記録する。また、本実施の形態にかかるムービーカメラ100が、メモリカード102およびPC120に接続されているとき、メモリカード102は、第1の演算処理部101からは読み取りのみならず書き込みも可能であるが、PC120からは読み取り専用になっている。
【0072】
本実施形態にかかるムービーカメラ100によれば、USB接続されているときは、ムービーカメラ100に装着されたメモリカード102に記録された重要度の高い情報(動画像データ)をPC120から削除および改ざんする危険性を回避するために、PC120からのメモリカード102への記録が制限されている。一方、第1の演算処理部101は、アップロード完了情報のように、メモリカード102に記録したいデータについては、USB接続されているときに、PC120から読み込んでおいて、ワークメモリ104に一時的に記録しておく。そして、読み込み動作が行われていない事が確実であるUSB接続が切られた後に、第1の演算処理部101は、ワークメモリ104に一時記憶しておいたアップロード完了情報に従って、更新したアップロード指示情報をメモリカード102に記録する。これにより、第1の演算処理部101は、メモリカード102に記録された重要度の低い情報であるアップロード指示情報を、PC120から通知されたアップロード完了情報に従って、ワークメモリ104経由で確実に変更する事ができる。
【0073】
[4.他の実施の形態]
本発明は、上記実施の形態1に限定されず、他の実施の形態に適用することができる。以下、他の実施の形態についてまとめて説明する。
【0074】
[4.1.バックアップ]
上記実施の形態1においては、PC120がメモリカード102内の動画データまたは他の任意のデータをWebサイトにアップロードする場合について説明したが、本発明はこのような形態に限定されない。例えば、動画データをPC120内のHDD124を用いてハードディスクにバックアップする際にも適用可能である。この場合、ユーザーは、ムービーカメラ100の操作部107においてバックアップ対象となる動画データを選択し、メモリカード102にはバックアップ指示情報が記録される。第2の演算処理部121は、このバックアップ指示情報に従ってメモリカード102から処理対象の動画データを読み出し、ハードディスクに記録する。記録が完了すると、第2の演算処理部121は、バックアップ完了情報をムービーカメラ100に送信する。第1の演算処理部101は、バックアップ完了情報を受信すると、ワークメモリ104にその情報を記憶する。そして、ムービーカメラ100とPC120との接続が切れた事を検知した後、ワークメモリ104に一時記憶していたバックアップ完了情報に従って更新したバックアップ指示情報をメモリカード102に記録する。これにより、PC120のHDD124に対するバックアップ指示に関する情報を、確実にムービーカメラ100のメモリカード102に記録することができる。
【0075】
なお、この実施の形態におけるバックアップ処理の際の第2の演算処理部121の動作は、図4に示す動作と同様であり、第1の演算処理部101の動作は、図5に示す動作と同様である。PC120は、本実施の形態におけるバックアップ処理と実施の形態1におけるアップロード処理とを両方行うように構成されていてもよい。
【0076】
[4.2.アップロード完了情報をメモリカード102に記録]
上記実施の形態においては、第1の演算処理部101は、PC120から取得したアップロード完了情報をワークメモリ104に一時的に記録しておいた。そして、ムービーカメラ100は、ワークメモリ104に一時的に記録しておいたアップロード完了情報に従って更新したアップロード指示情報を、USB接続が切れた後に、メモリカード102に記録するようにしたが、本発明はこのような形態に限定されない。ムービーカメラ100は、ワークメモリ104に一時記憶しておいたアップロード完了情報自体を、USB接続が切れた後に、メモリカード102に記録するようにしてもよい。これにより、ムービーカメラ100は、メモリカード102に記録されたアップロード完了情報を参照することにより、過去にアップロードされた動画像データを把握することができる。この場合も、USB接続されているときは、ムービーカメラ100に装着されたメモリカード102に記録された重要度の高い情報(動画像データ等)をPC120から削除および改ざんする危険性を回避するために、PC120からのメモリカード102への記録が制限されていることが好ましい。そして、PC120からの情報の読み込みが行なわれていない事が確実であるUSB接続が切れた後に、メモリカードへの記録が行われる。そのため、メモリカード102内に記録されているデータがPC120によって不用意に削除や改ざんされることを回避しながら、必要な情報を確実にメモリカード102に記録することができる。
【0077】
[4.3.アップロード未完了情報を取得]
上記の実施の形態1においては、ムービーカメラ100は、PC120からアップロード完了情報を取得するように構成されているが、本発明はこのような形態に限られない。例えば、ムービーカメラ100は、PC120からアップロードが未完了のデータを示す「アップロード未完了情報」を取得するようにしてもよい。この場合、ムービーカメラ100は、取得したアップロード未完了情報をワークメモリ104に一時的に記録しておく。そして、USB接続が切れた後に、ムービーカメラ100は、ワークメモリ104に一時的に記録しておいたアップロード未完了情報またはアップロード未完了情報に基づいて更新された新たなアップロード完了情報をメモリカード102に記録する。この場合も、USB接続されているときは、ムービーカメラ100に装着されたメモリカード102に記録された重要度の高い情報(動画像データ等)をPC120から削除および改ざんする危険性を回避するために、PC120からのメモリカード102への記録が制限されていることが好ましい。そして、PC120からの情報の読み込みが行なわれていない事が確実であるUSB接続が切れた後に、メモリカードへの記録が行われる。そのため、メモリカード102内に記録されているデータがPC120によって不用意に削除や改ざんされることを回避しながら、必要な情報を確実にメモリカード102に記録することができる。
【0078】
なお、アップロードではなくバックアップを行う場合も同様に、PC120は、バックアップ完了情報の代わりにバックアップ未完了情報をムービーカメラ100に送信するように構成されていてもよい。そのような構成においても、上記の議論は全く同様に成立する。
【0079】
また、アップロードまたはバックアップの処理が完了したデータおよび完了していないデータの完了状況をまとめて記述した情報を用いてもよい。そのような情報を用いた場合であっても、ムービーカメラ100は、どのデータの処理が完了しているかを把握することができるため、同様の効果を得ることができる。
【0080】
[4.4.他の種類のデータを記録]
また、メモリカード102に記録されるデータは、動画データだけでなく、静止画や音声データ、もしくは、その他の任意のデータであってもよい。PC120は、ムービーカメラ100に装着されたメモリカード102に記録させたい動画データ、静止画データ、音声データ等の任意のデータをムービーカメラ100に送信することができる。ムービーカメラ100は、PC120から取得した当該任意のデータをワークメモリ104に一時的に記録しておく。そして、USB接続が切れた後に、ムービーカメラ100は、ワークメモリ104に一時的に記録しておいた当該データを、メモリカード102に記録するように構成すればよい。この場合も、USB接続されているときは、ムービーカメラ100に装着されたメモリカード102に記録された重要度の高い情報(動画像データ等)がPC120によって削除または改ざんされる危険性を回避するために、PC120からのメモリカード102への記録を制限されていることが好ましい。そして、PC120からのデータの読み込みが行なわれていない事が確実であるUSB接続が切れた後に、メモリカードへの記録が行われる。そのため、メモリカード102内に記録されているデータがPC120によって不用意に削除や改ざんされることを回避しながら、PC120から要求された記録対象の動画データ、静止画データ、音声データ等の任意のデータを確実にメモリカード102に記録することができる。
【0081】
この実施の形態では、PC120がムービーカメラ100に送信するデータは、ムービーカメラ100から送られてきたデータに対する応答ではなく、単にメモリカード102に記録させたい任意のデータである。このため、アップロード指示情報やバックアップ指示情報のような指示情報がメモリカード102に記録されている必要はない。
【0082】
[4.5.メモリカード以外の記録媒体]
上記の実施の形態1においては、データを記録する記録媒体としてメモリカード102を用いているが、記録媒体は、ムービーカメラ100から取り外し可能なメモリカード102に限られない。ムービーカメラ100に内蔵されたメモリやハードディスク、光ディスクなどの任意の記録媒体を用いてもよい。
【0083】
[4.6.USB以外の接続方式]
上記の実施の形態1においては、ムービーカメラ100とPC120との接続をUSB接続としているが、接続方式は他のどのような方式であってもよい。例えば、IEEE1394、有線LAN、無線LANのように、ムービーカメラ100とPC120との間で情報の送受信が行え、且つ、接続の有無が確認できる接続方法であればよい。さらに、物理的な接続の有無に限らず、論理的な接続の有無に基づいて上記の記録制御を行っても構わない。論理的な接続には、例えば、TCP(Transmission Control Protocol)通信におけるセッションがある。TCP通信を行う場合、第1の演算処理部101は、TCPのセッションが切断されたタイミングに同期して、メモリに記録された情報またはそれに基づく他の情報を、記録媒体に記録すればよい。
【0084】
[4.7.ムービーカメラ、PC以外の機器]
上記の実施の形態1においては、記録制御装置の例としてムービーカメラ100を、情報機器の例としてPC120を利用する構成を想定したが、本発明は、このような構成に限定されない。ムービーカメラ100の代わりに、プロセッサを有する任意の電子機器に上記の各処理を規定したプログラムを実行させることにより、同様の機能を実現することができる。記録制御装置の他の例としては、デジタルスチルカメラ、メディアレコーダー、携帯情報端末といった機器が挙げられる。
【0085】
また、PC120の代わりに、プロセッサを有する任意の電子機器に上記のPC120の各処理を規定したプログラムを実行させることにより、同様の機能を実現することができる。PC120の他の例としては、携帯情報端末、ワークステーション等が挙げられる。
【0086】
記録制御装置および情報機器において実行されるプログラムは、CD−ROMやDVD−ROMなどの任意の記録媒体に記録され、または、電気通信回線を通じて流通され得る。例えば、データセンターなどに配置されたサーバに当該プログラムを実行させれば、いわゆるクラウドコンピューティングの形態で、遠隔地のユーザーにサービスを提供することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明はムービーカメラに限らず、スチルカメラや、メディアレコーダーなど、他の機器から情報を取得可能な任意の記録制御装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0088】
10 記録制御装置
11 制御部
12 記録媒体
20 情報機器
21 プロセッサ
100 ムービーカメラ
101 第1の演算処理部
102 メモリカード
103 USBコネクタ
104 ワークメモリ
105 撮像部
106 カードスロット
107 操作部
108 表示部
120 PC
121 第2の演算処理部
122 USBコネクタ
123 送信モジュール
124 HDD

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部情報機器との間で接続が可能であり、前記接続を介して情報の送受信が可能な記録制御装置であって、
第1の記録媒体と、
前記外部情報機器から前記情報を取得したとき、前記情報を前記第1の記録媒体に格納し、前記外部情報機器との前記接続が切れたとき、前記第1の記録媒体に格納された前記情報または前記情報に基づく他の情報を第2の記録媒体に記録する制御部と、
を備えた記録制御装置。
【請求項2】
前記外部情報機器にケーブルを介して接続するためのコネクタをさらに備え、
前記制御部は、前記情報を前記第1の記録媒体に格納した後、前記ケーブルが抜かれたとき、前記第1の記録媒体に格納された前記情報または前記情報に基づく他の情報を前記第2の記録媒体に記録する、
請求項1に記載の記録制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、データを前記外部情報機器に送信した後、前記外部情報機器から前記データの処理に関する通知を前記情報として取得する、
請求項1または2に記載の記録制御装置。
【請求項4】
前記外部情報機器は、前記制御部から前記データを取得したとき、前記データをネットワークを介して他の装置にアップロードし、
前記制御部は、前記外部情報機器から前記データのアップロードに関する通知を前記情報として取得する、
請求項3に記載の記録制御装置。
【請求項5】
前記外部情報機器は、前記記録制御装置から前記データを取得したとき、前記データを他の第2の記録媒体にバックアップとして保存し、
前記制御部は、前記外部情報機器から前記データのバックアップに関する通知を前記情報として取得する、
請求項3または4に記載の記録制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2の記録媒体に記録された指示情報に基づいて前記データを前記外部情報機器に送信し、前記外部情報機器から前記データの処理が完了したか否かを示す通知を受けたとき、前記指示情報を更新する、請求項3から5のいずれかに記載の記録制御装置。
【請求項7】
前記指示情報は、ユーザーによって設定された送信対象のデータを示す情報である、請求項6に記載の記録制御装置。
【請求項8】
前記データは、動画像のデータを含む、請求項3から7のいずれかに記載の記録制御装置。
【請求項9】
撮像によって前記動画像を取得する撮像部をさらに備える請求項8に記載の記録制御装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の記録制御装置から送られるデータを処理する情報機器であって、
前記記録制御装置との間の接続が確立したことを検知するステップと、
前記接続が確立したとき、処理すべきデータが規定された指示情報を前記第2の記録媒体から読み出すステップと、
前記指示情報が存在する場合に、前記指示情報に基づいて前記データを処理するステップと、
前記データの処理が完了したか否かを示す情報を前記情報機器に送信するステップと、
を実行するように構成されたプロセッサを備えた情報機器。
【請求項11】
情報機器と、
前記情報機器との間で接続が可能であり、前記接続を介して情報の送受信が可能な記録制御装置と、
を備え、
前記記録制御装置は、
第1の記録媒体と、
前記情報機器から前記情報を取得したとき、前記情報を前記第1の記録媒体に格納し、前記情報機器との前記接続が切れたとき、前記第1の記録媒体に格納された前記情報または前記情報に基づく他の情報を第2の記録媒体に記録する制御部と、
を有する、情報記録システム。
【請求項12】
外部情報機器との間で接続が可能であり、前記接続を介して情報の送受信が可能な記録制御装置において用いられるプログラムであって、
コンピュータに対し、
外部情報機器から情報を取得するステップと、
前記情報を第1の記録媒体に格納するステップと、
前記外部情報機器との前記接続が切れたことを検知して、前記第1の記録媒体に格納された前記情報または前記情報に基づく他の情報を第2の記録媒体に記録するステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項13】
請求項1から9のいずれかに記載の記録制御装置から送られるデータを処理する情報機器において用いられるプログラムであって、
コンピュータに対し、
前記記録制御装置との間の接続が確立したことを検知するステップと、
前記接続が確立したとき、処理すべきデータが規定された指示情報を前記第2の記録媒体から読み出すステップと、
前記指示情報が存在する場合に、前記指示情報に基づいて前記データを処理するステップと、
前記データの処理が完了したか否かを示す情報を前記情報機器に送信するステップと、
を実行させるプログラム。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−231457(P2012−231457A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−85480(P2012−85480)
【出願日】平成24年4月4日(2012.4.4)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】