記録媒体再生装置、記録媒体の挿排出方法及び記録媒体の挿排出プログラム
【課題】記録媒体の重さによらず記録媒体の排出にかかる時間及び記録媒体のイジェクト位置をほぼ一定にすることができる記録媒体再生装置、記録媒体の挿排出方法、及び、記録媒体の挿排出プログラムを提供する。
【解決手段】μCOM9が、CD2、3が挿排口10から挿入されて初期位置検知用スイッチSW1がオンとなり(ステップS1でY)搬送モータM1の挿入方向の回転が開始された時点でロード時間T1の計時を開始し(ステップS2)、CD2、3がクランプ再生ユニット6にクランプされてクランプ検知用スイッチSW5がオンとなると(ステップS3でY)ロード時間T1の計時を終了して(ステップS4)、計測したロード時間T1に応じてCD2、3の排出時の搬送モータM1のゲインを設定する(ステップS5)。
【解決手段】μCOM9が、CD2、3が挿排口10から挿入されて初期位置検知用スイッチSW1がオンとなり(ステップS1でY)搬送モータM1の挿入方向の回転が開始された時点でロード時間T1の計時を開始し(ステップS2)、CD2、3がクランプ再生ユニット6にクランプされてクランプ検知用スイッチSW5がオンとなると(ステップS3でY)ロード時間T1の計時を終了して(ステップS4)、計測したロード時間T1に応じてCD2、3の排出時の搬送モータM1のゲインを設定する(ステップS5)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体再生装置、記録媒体の挿排出方法及び記録媒体の挿排出プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)やBD(Blu-ray Disc)などのディスク(記録媒体)を再生するディスク再生装置は、機器本体に設けた挿排口からディスクが挿入されると搬送モータを挿入方向に回転させてディスクを回転テーブルまで搬送した後、回転テーブルにクランプさせて再生し、このディスクを排出する際には、クランプを解除した後、搬送モータを排出方向に回転させて挿排口からディスクの一部を排出させるオートローディング機構を備えている。
【0003】
ところで、近年、レーベル面が、例えば、ガラスやアルミ等の様々な種類の材料で作られたディスクが市場に出回っている。また、ユーザによってディスクにシールが張られたり、印刷されたりすることがある。そのため、例えば同じ12cmのディスクでもディスクによって重さがばらつく。しかしながら、従来は、上記搬送モータに一定電圧をかけて搬送モータを回転させているため、ディスクの重さによって搬送モータの回転トルクにばらつきが生じ、ディスクの排出にかかる時間にばらつきが生じていた。
【0004】
また、上記ディスクの排出時には、メカニカルセンサあるいは光センサなどの位置センサを用いて、ディスクが常に一定のイジェクト位置に排出されるようにしているが、上記位置センサは、製品毎に検知結果にバラツキが生じてしまう恐れがある。そこで、位置センサによりディスクがイジェクト位置にあることが検知された後、位置センサのバラツキ量に応じて設定されたウエイト時間だけ待って、搬送モータの回転を停止させている。
【0005】
特に、このようなウエイト時間が設定されたディスク再生装置においては、ディスクが軽ければ搬送モータが回り過ぎてしまい、上記ウエイト時間でのディスクの搬送量が大きくなりオーバーランしてしまったり、ディスクが重すぎると搬送モータの回転が足りずに、上記ウエイト時間でのディスクの搬送量が少なくなり、ディスクが排出しきれないため、抜き取りに大きな力が必要となってしまう、という問題があった。
【0006】
また、特許文献1には、イジェクト時の搬送速度を検知して搬送モータの排出時の駆動時間を設定してイジェクト位置がずれないようにするものが記載されているが、この場合イジェクト位置のずれには対応できるがディスクの重さによってディスクの排出にかかる時間がばらつく、という問題は解決していなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−157955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。即ち、本発明は、例えば、記録媒体の重さによらず記録媒体の排出にかかる時間及び記録媒体のイジェクト位置をほぼ一定にすることができる記録媒体再生装置、記録媒体の挿排出方法、及び、記録媒体の挿排出プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の記録媒体再生装置は、記録媒体を出し入れするための挿排口が設けられた機器本体と、前記機器本体内に挿入された前記記録媒体をクランプして当該記録媒体を再生するクランプ再生手段と、前記記録媒体を前記機器本体内外に出し入れするための搬送モータと、前記挿排口から前記記録媒体が挿入されると前記搬送モータを挿入方向に回転させて前記記録媒体を前記クランプ再生手段のクランプ位置まで搬送させると共に、排出操作に応じて前記搬送モータを排出方向に回転させて前記記録媒体を前記挿排口から排出させるモータ制御手段と、を備えた記録媒体再生装置において、前記モータ制御手段により前記搬送モータが挿入方向に回転させられている間に前記記録媒体が予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定する測定手段と、前記測定手段により測定された時間に応じて前記記録媒体の排出時における前記搬送モータのゲインを設定するゲイン設定手段と、を備え前記モータ制御手段が、前記ゲイン設定手段により設定されたゲインで前記搬送モータを排出方向に回転させることを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載の記録媒体の挿排出方法は、機器本体に設けた挿排口から記録媒体が挿入されると搬送モータを挿入方向に回転させて前記記録媒体をクランプ再生手段のクランプ位置まで搬送させ、排出操作に応じて前記搬送モータを排出方向に回転させて前記記録媒体を前記挿排口から排出させる記録媒体の挿排出方法において、前記搬送モータが挿入方向に回転されている間に前記記録媒体が予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定し、前記測定された時間に応じて前記記録媒体の排出時における前記搬送モータのゲインを設定し、前記設定したゲインで前記搬送モータを排出方向に回転させることを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載の記録媒体の挿排出プログラムは、コンピュータに、機器本体に設けた挿排口から記録媒体が挿入されると搬送モータを挿入方向に回転させて前記記録媒体をクランプ再生手段のクランプ位置まで搬送させ、排出操作に応じて前記搬送モータを排出方向に回転させて前記記録媒体を前記挿排口から排出させる記録媒体の挿排出プログラムにおいて、前記コンピュータに、前記搬送モータが挿入方向に回転されている間に前記記録媒体が予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定し、前記測定された時間に応じて前記記録媒体の排出時における前記搬送モータのゲインを設定し、前記設定したゲインで前記搬送モータを排出方向に回転させることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施例にかかる記録媒体再生装置としてのCDプレーヤの外観を示す斜視図である。
【図2】(A)は図1に示されたCDプレーヤで再生される大型記録媒体としての大径CDを示す平面図であり、(B)は図1に示されたCDプレーヤで再生される小型記録媒体としての小型CDを示す平面図である。
【図3】図1に示されたCDプレーヤにCDが挿入される状態を模式的に示す説明図である。
【図4】図3に示されたCDプレーヤに挿入されたCDがキャリッジシャーシとクランプアームとの間に位置した状態を模式的に示す説明図である。
【図5】図4に示されたCDプレーヤに挿入されたCDがクランプ再生ユニットにクランプされた状態を模式的に示す説明図である。
【図6】図1に示されたCDプレーヤのディスク検知機構の説明図である。
【図7】図6に示すディスク検知機構を構成する初期位置検知用スイッチがオン、拡大検知用スイッチがオフ、大径ディスク検知用スイッチがオンした状態を示す説明図である。
【図8】図6に示すディスク検知機構を構成する初期位置検知用スイッチがオン、拡大検知用スイッチがオン、大径ディスク検知用スイッチがオンした状態を示す説明図である。
【図9】図6に示すディスク検知機構を構成する初期位置検知用スイッチがオン、拡大検知用スイッチがオン、大径ディスク検知用スイッチがオフした状態を示す説明図である。
【図10】図6に示すディスク検知機構に小径CDを挿入した時の説明図である。
【図11】(A)は大径CDを挿入したときのスイッチSW1〜SW5のタイムチャートであり、(B)は小径CDを挿入したときのスイッチSW1〜SW5のタイムチャートである。
【図12】図1に示すCDプレーヤの電気構成図である。
【図13】第1実施例におけるゲイン設定処理におけるCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図14】第2実施例におけるゲイン設定処理におけるCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態にかかる記録媒体再生装置を説明する。本発明の一実施形態にかかる記録媒体再生装置は、モータ制御手段により搬送モータが挿入方向に回転させられている間に記録媒体が予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定する測定手段と、測定手段により測定された時間に応じて記録媒体の排出時における搬送モータのゲインを設定するゲイン設定手段と、を備え、モータ制御手段が、ゲイン設定手段により設定されたゲインで搬送モータを排出方向に回転させる。従って、記録媒体の重さによらずに排出時の搬送モータの回転トルクを一定にすることができ、記録媒体の排出にかかる時間及び記録媒体のイジェクト位置をほぼ一定にすることができる。
【0014】
また、記録媒体が挿排口から挿入されたことを検知する挿入検知手段と、クランプ再生手段が記録媒体をクランプしたことを検知するクランプ検知手段と、をさらに備えた記録媒体再生装置において、測定手段が、挿入検知手段により記録媒体が挿排口から挿入されたことが検知されてモータ制御手段による搬送モータの挿入方向の回転が開始された時点からクランプ検知手段によりクランプが検知されるまでの時間を予め定めた区間搬送されるのにかかる時間として測定するようにしてもよい。この場合、記録媒体再生装置に既存の挿入検知手段やクランプ検知手段を流用して予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定することができるため、コストダウンを図ることができる。
【0015】
また、測定手段が、第1位置検知手段により一対の検知ピンが互いの中心から第1所定距離外にあることが検知された後、互いの中心から第1所定距離内にあることが検知された時点からクランプ検知手段によりクランプが検知されるまでの時間を予め定めた区間搬送されるのにかかる時間として測定してもよい。この場合、互いに外径の異なる小径記録媒体と大径記録媒体との双方の再生が可能な記録媒体再生装置に既存の一対の検知ピン、第1位置検知手段及びクランプ検知手段を流用して予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定することができるため、コストダウンを図ることができる。しかも、第1位置検知手段により一対の検知ピンが互いの中心から第1所定距離外にあることが検知された後、互いの中心から第1所定距離内にあることが検知された時点では、記録媒体のセンターホールはすでに機器本体内にあり確実にユーザの手から記録媒体が離れて搬送モータにより搬送されている状態であるので、搬送モータが回転しているにも係わらず記録媒体がユーザにつかまれて搬送されないという事態を回避することができる。これにより、正確に予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定することができ、より確実に、記録媒体の排出にかかる時間及び記録媒体のイジェクト位置をほぼ一定にすることができる。
【0016】
また、ゲイン設定手段が、基準ゲインに(測定手段が測定した時間)/(基準時間)を乗じた値を記録媒体の排出時における搬送モータのゲインとして設定してもよい。この場合、基準ゲインに(測定手段が測定した時間)/(基準時間)だけでよく、測定手段が測定した時間に対応するゲインのテーブルなどを記録しなくてもよいため、コストダウンを図ることができる。
【0017】
また、本発明の一実施形態にかかる記録媒体の挿排出方法は、搬送モータが挿入方向に回転されている間に記録媒体が予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定し、測定された時間に応じて記録媒体の排出時における搬送モータのゲインを設定し、設定したゲインで搬送モータを排出方向に回転させる。従って、記録媒体の重さによらずに排出時の搬送モータの回転トルクを一定にすることができ、記録媒体の排出にかかる時間及び記録媒体のイジェクト位置をほぼ一定にすることができる。
【0018】
また、本発明の一実施形態にかかる記録媒体の挿排出プログラムは、コンピュータに、搬送モータが挿入方向に回転されている間に記録媒体が予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定し、測定された時間に応じて記録媒体の排出時における搬送モータのゲインを設定し、設定したゲインで搬送モータを排出方向に回転させる。従って、記録媒体の重さによらずに排出時の搬送モータの回転トルクを一定にすることができ、記録媒体の排出にかかる時間及び記録媒体のイジェクト位置をほぼ一定にすることができる。
【実施例】
【0019】
第1実施例
以下、本発明の一実施例の記録媒体再生装置の一例としてのCDプレーヤ1を、図1ないし図13に基づいて説明する。図1などに示すCDプレーヤ1は、移動体としての自動車のインストルメントパネル(以下、インパネと呼ぶ)などに装着される。CDプレーヤ1は、図2(A)に示す大径記録媒体としての大径CD2と、図2(B)に示す小径記録媒体としての小径CD3と、が選択的に後述の機器本体5内に挿入される。CDプレーヤ1は、これらCD2、3に記録された情報を音声として再生する。
【0020】
CD2、3は、勿論、薄手の円盤状即ちディスク状に形成されており、中央にセンターホールが設けられている。本実施例では、大径CD2の外径Rは、120mm(12cm)であり、小型CD3の外径rは、80mm(8cm)である。
【0021】
CDプレーヤ1は、機器本体5(図1に示す)と、クランプ再生手段としてのクランプ再生ユニット6(図3〜図5に示す)と、搬送ユニット7(図3〜図5に示す)と、ディスク検知ユニット8(図6〜図10に示す)と、モータ制御手段、測定手段、ゲイン設定手段、径判別手段としてのマイクロコンピュータ(μCOM)9(図12に示す)と、を備えている。なお、以下、搬送ユニット7によるCD2、3の挿入方向、排出方向である矢印YをCDプレーヤ1の搬送方向と記し、CD2、3の表面と平行でかつ前記搬送方向Yと直交する矢印XをCDプレーヤ1の幅方向と記し、CD2、3の厚み方向と平行な矢印ZをCDプレーヤ1の厚み方向と記す。
【0022】
上記機器本体5は、図1に示すように、扁平な箱状に形成されている。機器本体5には、CD2、3を機器本体5内に出し入れする挿排口10が設けられている。挿排口10は、勿論、機器本体5の内外を連通している。また、機器本体5には、その正面に表示パネル11やイジェクトボタン、再生ボタンなどの各種のスイッチ12などが設けられている。
【0023】
上記クランプ再生ユニット6は、図3〜図5に示すように、キャリッジシャーシ13と、クランプアーム14と、を備えている。キャリッジシャーシ13は、板金などから成るシャーシ本体15と、シャーシ本体15に取り付けられた回転テーブル16と、シャーシ本体15に取り付けられた図示しない光ピックアップ部と、を備えている。シャーシ本体15は、略平板状に形成されている。
【0024】
回転テーブル16は、シャーシ本体15に回転自在に支持されている。回転テーブル16は、CD2、3のセンターホールに侵入する。回転テーブル16は、シャーシ本体15に取り付けられた図示しないスピンドルモータの駆動力によって、CD2、3を回転させる。光ピックアップ部は、CD2、3に記録された情報を読み取るための光ピックアップと、該光ピックアップをCD2、3の径方向に沿って駆動させる駆動機構(何れも図示せず)などを備えている。
【0025】
クランプアーム14は、板金などからなるアーム本体17と、クランパ18と、を備えている。アーム本体17は、略平板状に形成され、キャリッジシャーシ13のシャーシ本体15に、挿排口10から離れた端部を中心として回転自在に支持されている。アーム本体17の回転軸は、幅方向Xに沿っている。アーム本体17がシャーシ本体15に近づいた状態では、図5に示すように、シャーシ本体15とアーム本体17とが略平行になる。
【0026】
クランパ18は、回転テーブル16に相対する位置に配されている。クランパ18は、円盤状に形成されているとともに、アーム本体17に回転自在に支持されている。クランパ18の回転軸は、厚み方向Zに沿っている。クランパ18は、アーム本体17がシャーシ本体15と略平行な状態となると、回転テーブル16との間にCD2、3を挟むことができる。前述した構成のクランプ再生ユニット6は、クランパ18と回転テーブル16との間にCD2、3を挟んで、回転テーブル16でCD2、3を回転させ光ピックアップ部で該CD2、3の情報を読み出す。
【0027】
搬送ユニット7は、図3〜図5に示すように、ローラアーム19と、ディスクガイド20と、搬送モータM1(図12に示す)と、を備えている。ローラアーム19は、挿排口10の近傍に配されている。ローラアーム19は、板金などからなるアーム本体22と、搬送ローラ23と、を備えている。アーム本体22は、長手方向が幅方向Xと平行な帯状に形成されている。アーム本体22は、機器本体5の底壁に挿排口10側の端部を中心として回転自在に支持されている。アーム本体22の回転軸は、幅方向Xと平行である。
【0028】
搬送ローラ23は、アーム本体22の挿排口10から離れた端部に回転自在に支持されている。搬送ローラ23の回転軸は、幅方向Xと平行である。搬送ローラ23の幅方向Xの一端部には、図示しない歯車が取り付けられている。図3及び図4に示すように、アーム本体22の挿排口10から離れた端部が機器本体5の底壁から離れた状態において、搬送ローラ23の歯車は、搬送モータM1により回転駆動される歯車と噛み合う。搬送ローラ23は、前記歯車などを介して搬送モータM1の回転駆動力によって回転させる。図5に示すように、アーム本体22の挿排口10から離れた端部が機器本体5の底壁に近づいている状態では、前述した歯車が噛み合わない。
【0029】
ディスクガイド20は、板金などからなるガイド本体24と、該ガイド本体24に取り付けられた平板状の滑り部材25と、を備えている。前述した構成のローラアーム19とディスクガイド20は、互いに接離自在に設けられ、かつ互いに近づいて互いの間にCD2、3を挟んで、搬送ローラ23が搬送モータM1により回転駆動されることで、機器本体5にCD2、3を出し入れする。
【0030】
上述したクランプ再生ユニット6及び搬送ユニット7は、図6などに示すスライドカム26にそれぞれ連結されていて、互いに連動するように設けられている。スライドカム26は、CD2、3の搬送方向Yに沿ってスライド自在に取り付けられている。そして、スライドモータM2(図12に示す)によりスライドカム26を挿排口10から離れた側に移動させると、これに連動して、図3及び図4に示すように、クランプ再生ユニット6のクランプアーム14とシャーシ本体15とが互いに離れるように動き、搬送ユニット7のローラアーム19とディスクガイド20とが互いに近づくように動いて、搬送ローラ23とディスクガイド20との間にCD2、3がクランプされる。
【0031】
これに対して、スライドモータM2によりスライドカム26を挿排口10に向かって移動させると、これに連動して、図5に示すように、クランプ再生ユニット6のクランプアーム14とシャーシ本体15とが互いに近づくように動いて、回転テーブル16とクランパ18との間にCD2、3がクランプされ、搬送ユニット7のローラアーム19とディスクガイド20とが互いに離れるように動いて、搬送ローラ23とディスクガイド20とによるCD2、3のクランプが解除される。なお、このとき図6に示すスライドカム26に設けた突起部26aがクランプ検知手段としてのクランプ検知スイッチSW5の接触子を押圧してオンさせる。
【0032】
ディスク検知ユニット8は、図6などに示すように、一対のスイッチレバー27と、一対の検知ピン28と、検知部29と、を備えている。一対のスイッチレバー27は、平板状に形成されていて、CD2、3の搬送方向Yに沿ったレバー本体27aと、レバー本体27aの挿排口10から離れた端部から互いに近づく方向に突出する第1突出部27bと、レバー本体27aの挿排口10側の端部から互いに離れる方向に突出する第2突出部27cと、が設けられている。上記第1突出部27bの互いに近づく方向側の端部は、挿入方向に向かって凹に設けられている。この一対のスイッチレバー27は、付勢手段としてのばね30により、互いに近づく方向に付勢されている。
【0033】
上記一対の検知ピン28は、円柱状に形成され、かつ一対のスイッチレバー27の互いに離れた側の一端部から機器本体5の底壁に向かって立設している。上記一対の検知ピン28は、機器本体5内外に搬送されるCD2、3の外縁に接触する。上記一対の検知ピン28は、挿排口10からCD2、3が挿入してからクランプ再生ユニット6にクランプされるクランプ位置に搬送されるまでの間にCD2、3の外縁に接触して互いに離れる方向に移動した後、互いに近づく方向に移動する。
【0034】
検知部29は、一対の初期位置検知用スイッチSW1と、第1位置検知手段としての一対の拡大検知用スイッチSW2と、第2位置検知手段としての大径ディスク検知用スイッチSW3と、フォトスイッチSW4(図9に示す)と、を備えている。これらスイッチSW1乃至SW4は、それぞれ機器本体5の天井壁に取り付けられている。スイッチSW1乃至SW3は、本体部と当該本体部から凸没自在な接触子とを備えている。フォトスイッチSW4は、CD2、3に対して光を出射する発光素子とCD2、3からの反射光を受光する受光素子とを備えている。
【0035】
上記一対の初期位置検知用スイッチSW1は、挿排口10からCD2、3が挿入されたことを検知するためのスイッチである。一対の初期位置検知スイッチSW1は、図6に示すように、一対のレバー本体27a間に配置されていて、CD2、3の外縁が検知ピン28に接触していない状態ではその接触子が一対のスイッチレバー27によって押圧されてオフする位置に配置されている。
【0036】
上記一対の拡大検知用スイッチSW2は、CD2、3の外径を判別するためのスイッチである。一対の拡大検知用スイッチSW2は、一対のレバー本体27a間に配置されると共に、互いの間に一対の初期位置用検知スイッチSW1が配置されている。この一対の拡大検知用スイッチSW2は、一対の検知ピン28が互いの中心から第1所定距離内に位置しているときはスイッチレバー27によりその接触子が押圧されてオフし、一対の検知ピン28が互いの中心から第1所定距離外に位置しているときはスイッチレバー27による接触子の押圧が解除されてオンするように配置されている。なお、第1所定距離は、小径CD3を挿入したときの一対の検知ピン28の移動範囲内に設定されている。
【0037】
上記大径ディスク検知用スイッチSW3は、CD2、3の外径を判別するためのスイッチである。大径ディスク検知用スイッチSW3は、一対のスイッチレバー27のうち一方のレバー本体27aよりも幅方向X外側に配置されている。この大径ディスク検知用スイッチSW3は、一対の検知ピン28が互いの中心から第1所定距離より長い第2所定距離内に位置しているときはスイッチレバー27によりその接触子が押圧されずオンし、一対の検知ピン28が互いの中心から第2所定距離外に位置しているときはスイッチレバー27により接触子が押圧されてオフするように配置されている。なお、第2所定距離は、小径CD3を挿入したときの一対の検知ピン28の移動範囲外であり、かつ、大径CD2を挿入したときの一対の検知ピン28の移動範囲内に設定されている。
【0038】
フォトスイッチSW4は、小径CD3がクランプ再生ユニット6のクランプ位置まで搬送されたことを検知するためのスイッチである。フォトスイッチSW4は、挿排口10から小径CD3が挿入されるとオンとなり、クランプ位置まで搬送されるとオンからオフになる。
【0039】
次に、上述した構成のディスク検知ユニット8の動作について図11のタイムチャートを参照して説明する。図6に示すように、CD2、3が挿入されておらず一対のスイッチレバー27が互いに近づいた状態では初期位置検知用スイッチSW1及び拡大検知用スイッチSW2はその接触子が一対のスイッチレバー27によって押圧されてオフし、大径ディスク検知用スイッチSW3はスイッチレバー27によりその接触子が押圧されずオンしている。
【0040】
このようなCDプレーヤ1の挿排口10から大径CD2を挿入すると、一対の検知ピン28が大径CD2の外縁に接触して互いに離れる方向に動かされ、一対のスイッチレバー27も互いに離れる方向に移動する。この一対のスイッチレバー27の互いに離れる方向の移動に応じて、図7の一点鎖線に示すように、スイッチレバー27による初期位置検知用スイッチSW1の接触子の押圧が解除されて初期位置検知用スイッチSW1がオンとなり、その後図8の一点鎖線に示すように、スイッチレバー27による拡大検知用スイッチSW2の接触子の押圧が解除されて拡大検知用スイッチSW2がオンとなり、次に図9の一点鎖線に示すように、大径ディスク検知用スイッチSW3の接触子がスイッチレバー27に押圧されて大径ディスク検知スイッチ33がオフとなる。
【0041】
大径CD2の半分以上が検知ピン28よりも奥に挿入されると、今度は、一対の検知ピン28が大径CD2の外縁に接触して互いに近づく方向に動かされ、一対のスイッチレバー27も互いに近づく方向に移動する。この一対のスイッチレバー27の互いに近づく方向に移動に応じて、今度は逆に、まず図8の二点鎖線に示すように、スイッチレバー27による大径ディスク検知用スイッチSW3の接触子の押圧が解除されて大径ディスク検知用スイッチSW3がオンとなり、その後図7の二点鎖線に示すように、拡大検知用スイッチSW2の接触子がスイッチレバー27に押圧されて拡大検知用スイッチSW2がオフとなる。その後、大径CD2がクランプ再生ユニット6のクランプ位置まで搬送されると、初期位置検知用スイッチSW1の接触子がスイッチレバー27に押圧されて初期位置検知用スイッチSW1がオフとなる。
【0042】
一方、このようなCDプレーヤ1の挿排口10から小径CD3を挿入すると、大径CD2と同様に、一対の検知ピン28が小径CD3の外縁に接触して互いに離れる方向に動かされて、一対のスイッチレバー27も互いに離れる方向に移動する。この一対のスイッチレバー27の互いに離れる方向に移動に応じて、図7の一点鎖線に示すように、スイッチレバー27による初期位置検知用スイッチSW1の接触子の押圧が解除されて初期位置検知用スイッチSW1がオンとなり、その後図8の一点鎖線に示すように、スイッチレバー27による拡大検知用スイッチSW2の接触子の押圧が解除されて拡大検知用スイッチSW2がオンとなる。
【0043】
小径CD3の半分以上が検知ピン28よりも奥に挿入されると、今度は、一対の検知ピン28が小径CD3の外縁に接触して互いに近づく方向に動かされる。なお、小径CD3を挿入した場合は、図10に示すように、一対の検知ピン28が最も互いに離れた状態になっても、大径ディスク検知用スイッチSW3の接触子がスイッチレバー27に押圧されずにオンのままとなる。そして、一対のスイッチレバー27の互いに近づく方向に移動に応じて、今度は逆に、まず図7の二点鎖線に示すように拡大検知用スイッチSW2の接触子がスイッチレバー27に押圧されて拡大検知用スイッチSW2がオフとなる。その後、小径CD3がクランプ再生ユニット6のクランプ位置に来ると、フォトスイッチSW4がオンからオフになる。
【0044】
即ち、図11のタイムチャートからも明らかなように、CDプレーヤ1に大径CD2を挿入した場合、拡大検知用スイッチSW2がオンしている間に大径ディスク検知用スイッチSW3がオフする。一方、CDプレーヤ1に小径CD3を挿入した場合、拡大検知用スイッチSW2がオンしている間に大径ディスク検知用スイッチSW3がオンを維持している。よって、拡大検知用スイッチSW2、大径ディスク検知用スイッチSW3のオンオフによって、CDプレーヤ1に挿入されたCD2、3の外径を判別することができる。
【0045】
上記μCOM9は、図12に示すように、搬送モータM1、スライドモータM2、検知部29やクランプ検知スイッチSW5などに接続していて、CDプレーヤ1全体の制御を司る。上記μCOM9は、プログラムに従って各種の処理を行う中央処理ユニット(CPU)9aと、CPU9aが行う処理のプログラムなどを格納した読み取り専用のメモリであるROM9bと、CPUでの各種の処理過程で利用するワークエリア、各種データを格納するデータ格納エリアなどを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM9cなどを内蔵し、これらがバスラインによって互いに接続されている。
【0046】
μCOM9内のCPU9aは、モータ・クランプ制御部9a−1と、ロード時間測定部9a−2と、ゲイン設定部9a−3と、を備えている。上記モータ・クランプ制御部9a−1は、挿排口10からCD2、3が挿入されると搬送モータM1を挿入方向に回転させてCD2、3をクランプ再生ユニット6のクランプ位置まで搬送させた後、クランプ再生ユニット6によりCD2、3をクランプさせるロード処理を行うと共に、イジェクトボタンの操作に応じてクランプ再生ユニット6によるCD2、3のクランプを解除した後、搬送モータM1を排出方向に回転させてCD2、3を挿排口10から排出させるイジェクト処理を行う。
【0047】
上記ロード時間測定部9a−2は、CD2、3が挿入されて搬送モータM1を回転し始める位置からクランプ再生ユニット6のクランプ位置までの予め定めた区間、CD2、3が搬送されるのにかかるロード時間T1(図11参照)を測定する。上記ゲイン設定部9a−3は、ロード時間測定部9a−2により測定されたロード時間T1に応じて排出時の搬送モータM1のゲインを設定する。
【0048】
また、上記ROM9bには、基準ゲイン記憶エリア9b−1と、基準ロード時間記憶エリア9b−2と、が設けられている。上記基準ゲイン記憶エリア9b−1には、CD2、3挿入時の搬送モータM1の基準ゲインGrefが予め記憶されている。上記基準ロード時間記憶エリア9b−2には、上記搬送モータM1を回転し始める位置から上記クランプ位置までの予め定めた区間、基準となる重量のCD2、3をそれぞれ搬送するのにかかる大径基準ロード時間Vref1、小径基準ロード時間Vref2が予め記憶されている。なお、上記大径基準ロード時間Vref1、小径基準ロード時間Vref2は予め実験によって得たデータを記憶させている。
【0049】
次に、上述した構成のCDプレーヤ1の動作について説明する。まず、μCOM9のモータ・クランプ制御部9a−1が行う一般的なロード処理について説明する。μCOM9は、CD2、3を機器本体5内に収容する前、即ちクランプ再生ユニット6がCD2、3をクランプする前では、スライドカム26を挿排口10から最も離れた位置に位置づけ、図3に示すように搬送ユニット7のローラアーム19とディスクガイド20とを互いに近づけておくとともにクランプ再生ユニット6のキャリッジシャーシ13とクランプアーム14とを互いに離しておく。
【0050】
CD2、3が挿入されて、初期位置検知用スイッチSW1がオンするとμCOM9のモータ・クランプ制御部9a−1は、モータ制御手段として機能して、まず搬送モータM1を駆動して搬送ローラ23を挿入方向に回転させてCD2、3をクランプ再生ユニット6のクランプ位置まで搬送させる。このとき、モータ・クランプ制御部9a−1は、基準ゲイン記憶エリア9b−1に記憶された基準ゲインGrefで搬送モータM1を回転させる。その後、モータ・クランプ制御部9a−1は、拡大検知用スイッチSW2、大径ディスク検知用スイッチSW3のオンオフ状態を監視する。そして、モータ・クランプ制御部9a−1は、径判別手段として機能して、拡大検知用スイッチSW2がオンした後にオフすると、拡大検知用スイッチSW2がオンしている間の大径ディスク検知用スイッチSW3のオンオフ状態に基づいて、CDプレーヤ1に挿入されたCD2、3の径を判別する。
【0051】
具体的には、モータ・クランプ制御部9a−1は、図11(A)に示すように拡大検知用スイッチSW2がオンしている間に大径ディスク検知用スイッチSW3がオフになっていれば、大径CD2が挿入されたと判断し、図11(B)に示すように拡大検知用スイッチSW2がオンしている間に大径ディスク検知用スイッチSW3がオンのままであれば、小径CD3が挿入されていると判別する。そして、モータ・クランプ制御部9a−1は、大径CD2が挿入されていると判別すると、初期位置検知用スイッチSW1がオフになると大径CD2がクランプ位置に達したと判断して、スライドモータM2を駆動してスライドカム26を挿排口10側にスライドさせる。
【0052】
これに対して、モータ・クランプ制御部9a−1は、小径CD3が挿入されていると判別すると、フォトスイッチSW5がオフになると小径CD3がクランプ位置に達したと判別して、スライドモータM2を駆動してスライドカム26を挿排口10側にスライドさせる。これに連動して、クランプ再生ユニット6のキャリッジシャーシ13とクランプアーム14とが互いに近付いて、回転テーブル16とクランパ18との間に大径CD2がクランプされる。
【0053】
また、スライドカム26の挿排口10側のスライドに連動して、搬送ユニット7のローラアーム19とディスクガイド20とが互いに離される。さらに、スライドカム26が挿排口10側にスライドされると、スライドカム26によりクランプ検知用スイッチSW5の接触子が押されてクランプ検知用スイッチSW5がオフする。このクランプ検知用スイッチSW5のオフに応じて、μCOM9は、搬送モータM1の駆動を停止して搬送ローラ23を停止してロード処理を終了する。
【0054】
上述したμCOM9は、このロード処理に並列してゲイン設定処理を行う。このゲイン設定処理について図13を参照して説明する。まず、μCOM9のロード時間測定部9a−2は、初期位置検知用スイッチSW1がオンすると(ステップS1でY)、ロード時間T1(図11に示す)の計時を開始し(ステップS2)、その後、クランプ検知用スイッチSW5がオンすると(ステップS3でY)、ロード時間T1の計時を終了する(ステップS4)。これにより、CD2、3が挿入されて初期位置検知用スイッチSW1がオンして搬送モータM1の回転が開始してからCD2、3がクランプ再生ユニット6のクランプ位置まで搬送される間の予め定めた区間、搬送されるのにかかる時間がロード時間T1として測定される。次に、μCOM9のゲイン設定部9a−3が、上記ロード処理において大径CD2が挿入されていると判別された場合、上記基準ゲインGrefに(測定したロード時間T1)/(大径基準ロード時間Tref1)を乗じた値を排出時における搬送モータM1のゲインGとして設定し、上記ロード処理において小径CD3が挿入されていると判別された場合、上記基準ゲインGrefに(測定したロード時間T1)/(小径基準ロード時間Tref2)を乗じた値を排出時のゲインGとして設定して(ステップS5)、ゲイン設定処理を終了する。
【0055】
上述したようにCD2、3の挿入時には基準ゲインGrefで搬送モータM1を回転している。このため、測定されたロード時間T1は、CD2、3の重さが重くなるに従って長くなり、CD2、3の重さが軽くなるに従って短くなる。よって、上記ゲイン設定処理を行うことによりCD2、3の重さが重くなるに従って排出時のゲインGを大きく設定でき、CD2、3の重さが軽くなるに従って排出時のゲインGを小さく設定することができる。
【0056】
次に、イジェクト処理について説明する。まず、イジェクトボタンなどが押されると、μCOM9のモータ・クランプ制御部9a−1は、スライドモータM2を駆動してスライドカム26を挿排口10から離れた側にスライドさせる。これに連動して、クランプ再生ユニット6のキャリッジシャーシ13とクランプアーム14とが互いに近付いて、回転テーブル16とクランパ18とによるCD2、3のクランプが解除されるとともに、搬送ユニット7のローラアーム19とディスクガイド20とが互いに近づき、搬送ローラ23とディスクガイド20との間にCD2、3がクランプされる。その後、モータ・クランプ制御部9a−1は、上記ゲイン設定処理により設定されたゲインGで搬送モータM1を排出方向に回転させて、排出する。その後、上記ロード処理により大径CD2が挿入されていると判別された場合、大径ディスク検知用スイッチSW3がオフされた後にオンされると、搬送モータM1の回転を停止させ、小径CD3が挿入されていると判別された場合、拡大検知用スイッチSW2がオンした後にオフされると、搬送モータM1の回転を停止させる。
【0057】
上述したCDプレーヤ1によれば、ロード時間測定部9a−2が、モータ・クランプ制御部9a−1によるロード処理中にCD2、3が予め定めた区間搬送されるのにかかるロード時間T1を測定し、モータ・クランプ制御部9a−1が、測定されたロード時間T1に応じたゲインGで搬送モータM1を排出方向に回転させる。従って、CD2、3の排出時における搬送モータM1のゲインをCD2、3の重さに応じた値に設定することができるため、CD2、3の重さによらずに排出時の搬送モータM1の回転トルクを一定にすることができ、CD2、3の排出にかかる時間及びCD2、3のイジェクト位置をほぼ一定にすることができる。
【0058】
また、上述したCDプレーヤ1によれば、CD2、3が挿排口10から挿入されたことを検知する初期位置検知用スイッチSW1と、クランプ再生ユニット6がCD2、3をクランプしたことを検知するクランプ検知用スイッチSW5と、をさらに備え、ロード時間測定部9a−2が、初期位置検知用スイッチSW1によりCD2、3が挿排口10から挿入されたことが検知されてモータ・クランプ制御部9a−1による搬送モータM1の回転が開始された時点からクランプ検知用スイッチSW5によりクランプが検知されるまでの時間を予め定めた区間搬送されるのにかかるロード時間T1として測定している。これにより、CDプレーヤ1に既存の初期位置検知用スイッチSW1やクランプ検知用スイッチSW5を流用して予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定することができるため、コストダウンを図ることができる。
【0059】
また、上述したCDプレーヤ1によれば、ゲイン設定部9a−3が、基準ゲインGrefに(測定したロード時間T1)/(大径基準ロード時間Tref1または小径基準ロード時間Tref2)を排出時のゲインGとして設定している。この場合、基準ゲインGrefに(測定したロード時間T1)/(大径基準ロード時間Tref1または小径基準ロード時間Tref2)を乗じるだけでよく、ロード時間T1に対応するゲインGのテーブルなどを記録しなくてもよいため、コストダウンを図ることができる。
【0060】
なお、上述した第1実施例によれば、大径CD2と小径CD3の双方が再生可能なCDプレーヤ1であったが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、大径CD2のみが再生可能で、初期位置検知用スイッチSW1のみが設けられ拡大検知用スイッチSW2及び大径ディスク検知用スイッチSW3が設けられていないCDプレーヤにも適用することができる。
第2実施例
次に、第2実施例のCDプレーヤ1について説明する。なお、第2実施例のCDプレーヤ1の構成は第1実施例と同等であるためここでは詳細な説明を省略する。第1実施例と第2実施例とで大きく異なる点は、ゲイン設定処理である。第2実施例のゲイン設定処理の詳細について図14を参照して説明する。
【0061】
まず、μCOM9のロード時間測定部9a−2は、拡大検知用スイッチSW2がオンした後(ステップS11でY)、拡大検知用スイッチSW2がオフすると(ステップS12でY)、ロード時間T2(図11に示す)の計時を開始し(ステップS13)、その後、クランプ検知用スイッチSW5がオンすると(ステップS14でY)、ロード時間T2の計時を終了する(ステップS15)。これにより、CD2、3が挿入されて拡大検知用スイッチSW2がオンした後にオフする位置からCD2、3がクランプ再生ユニット6のクランプ位置まで搬送される間の予め定めた区間、搬送されるのにかかる時間がロード時間T2として測定される。次に、ゲイン設定部9a−2は、第1実施例と同様に、上記ロード処理において大径CD2が挿入されていると判別された場合、上記基準ゲインGrefに(測定したロード時間T2)/(大径基準ロード時間Tref1)を乗じた値を排出時のゲインGとして設定し、上記ロード処理において小径CD3が挿入されていると判別された場合、上記基準ゲインGrefに(測定したロード時間T2)/(小径基準ロード時間Tref2)を乗じた値を排出時のゲインGとして設定する(ステップS16)。
【0062】
なお、第2実施例において、基準ロード時間記憶エリア9b−2には、拡大検知用スイッチSW2がオンした後にオフする位置から上記クランプ位置までの予め定めた区間、基準となる重量のCD2、3をそれぞれ搬送するのにかかる基準ロード時間Tref1、小径基準ロード時間Tref2が予め実験によって計測されて記憶されている。
【0063】
上述したCDプレーヤ1によれば、拡大検知用スイッチSW2により一対の検知ピン28が互いの中心から第1所定距離外にあることが検知された後、互いの中心から第1所定距離内にあることが検知された時点からクランプ検知用スイッチSWによりクランプが検知されるまでのロード時間T2を予め定めた区間搬送されるのにかかる時間として測定している。この場合、互いに外径の異なる大径CD2と小径CD3との双方の再生が可能なCDプレーヤ1に既存の一対の検知ピン28、拡大検知用スイッチSW2及びクランプ検知用スイッチSW5して予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定することができるため、コストダウンを図ることができる。しかも、拡大検知用スイッチSW2により一対の検知ピン28が互いの中心から第1所定距離外にあることが検知された後、互いの中心から第1所定距離内にあることが検知された時点では、図7の二点鎖線に示すように、CD2、3のセンターホールはすでに機器本体5内にあり確実にユーザの手からCD2、3が離れて搬送モータM1により搬送されている状態であるので、搬送モータM1が回転しているにも係わらずCD2、3がユーザにつかまれて搬送されないという事態を回避することができる。これにより、正確に予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定することができ、より確実に、CD2、3の排出にかかる時間及びCD2、3のイジェクト位置をほぼ一定にすることができる。
【0064】
また、上述した第1及び第2実施例によれば、CDプレーヤ1に既存のスイッチSW1、SW2、SW5を流用して予め定めた区間CD2、3が搬送されるのにかかる時間を測定していたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、既存のスイッチSW1〜SW5とは別にスイッチを設けて予め定めた区間CD2、3が搬送されるのにかかる時間を測定するようにしてもよい。
【0065】
また、上述した第1及び第2実施例によれば、スイッチSW1〜SW5としてメカニカルスイッチを用いていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、スイッチSW1〜SW5としてフォトスイッチを用いても良い。
【0066】
また、上述した第1及び第2実施例では、記録媒体としてCD2、3を用いていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、記録媒体としてDVDやBDなどであってもよい。
【0067】
前述した実施例によれば、以下のCDプレーヤ1、CD2、3の挿排出方法およびCD2、3の挿排出プログラムが得られる。
【0068】
(付記1)CD2、3を出し入れするための挿排口10が設けられた機器本体5と、
機器本体5内に挿入された記録媒体5をクランプして当該CD2、3を再生するクランプ再生ユニット6と、
CD2、3を機器本体5内外に出し入れするための搬送モータM1と、
挿排口10からCD2、3が挿入されると搬送モータM1を挿入方向に回転させてCD2、3をクランプ再生ユニット6のクランプ位置まで搬送させると共に、排出操作に応じて搬送モータM1を排出方向に回転させてCD2、3を挿排口10から排出させるモータ・クランプ制御部9a−1と、を備えたCDプレーヤ1において、
モータ・クランプ制御部9a−1により搬送モータM1が挿入方向に回転させられている間にCD2、3が予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定するロード時間測定部9a−2と、
ロード時間測定部9a−2により測定された時間に応じてCD2、3の排出時における搬送モータM1のゲインを設定するゲイン設定部9a−3と、を備え
モータ・クランプ制御部9a−1が、ゲイン設定部9a−3により設定されたゲインで搬送モータM1を排出方向に回転させる
ことを特徴とするCDプレーヤ1。
【0069】
このCDプレーヤ1によれば、CD2、3の重さによらずに排出時の搬送モータM1の回転トルクを一定にすることができ、CD2、3の排出にかかる時間及び記録媒体のイジェクト位置をほぼ一定にすることができる。
【0070】
(付記2)機器本体5に設けた挿排口10からCD2、3が挿入されると搬送モータM1を挿入方向に回転させてCD2、3をクランプ再生ユニット6のクランプ位置まで搬送させ、排出操作に応じて搬送モータM1を排出方向に回転させてCD2、3を挿排口10から排出させるCD2、3の挿排出方法において、
搬送モータM1が挿入方向に回転されている間にCD2、3が予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定し、
測定された時間に応じてCD2、3の排出時における搬送モータM1のゲインを設定し、
設定したゲインで搬送モータM1を排出方向に回転させる
ことを特徴とするCD2、3の挿排出方法。
【0071】
このCD2、3の挿排出方法によれば、CD2、3の重さによらずに排出時の搬送モータM1の回転トルクを一定にすることができ、CD2、3の排出にかかる時間及び記録媒体のイジェクト位置をほぼ一定にすることができる。
【0072】
(付記3)CPU9aに、機器本体5に設けた挿排口10からCD2、3が挿入されると搬送モータM1を挿入方向に回転させてCD2、3をクランプ再生ユニット6のクランプ位置まで搬送させ、排出操作に応じて搬送モータM1を排出方向に回転させてCD2、3を挿排口10から排出させるCD2、3の挿排出プログラムにおいて、
CPU9aに、
搬送モータM1が挿入方向に回転されている間にCD2、3が予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定し、
測定された時間に応じてCD2、3の排出時における搬送モータM1のゲインを設定し、
設定したゲインで搬送モータM1を排出方向に回転させる
ことを特徴とするCD2、3の挿排出プログラム。
【0073】
このCD2、3の挿排出プログラムによれば、CD2、3の重さによらずに排出時の搬送モータM1の回転トルクを一定にすることができ、CD2、3の排出にかかる時間及び記録媒体のイジェクト位置をほぼ一定にすることができる。
【0074】
また、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0075】
1 CDプレーヤ(記録媒体再生装置)
2 大径CD(記録媒体、大径記録媒体)
3 小径CD(記録媒体、小径記録媒体
5 機器本体
6 クランプ再生ユニット(クランプ再生手段)
9a−1 モータ・クランプ制御部(モータ制御手段、ディスク判別手段)
9a−3 ゲイン設定部(ゲイン設定手段)
10 挿排口
21 搬送モータ
28 検知ピン
SW1 初期位置検知用スイッチ(挿入検知手段)
SW2 拡大検知用スイッチ(第1位置検知手段)
SW3 大径ディスク検知用スイッチ(第2位置検知手段)
SW5 クランプ検知用スイッチ(クランプ検知手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体再生装置、記録媒体の挿排出方法及び記録媒体の挿排出プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)やBD(Blu-ray Disc)などのディスク(記録媒体)を再生するディスク再生装置は、機器本体に設けた挿排口からディスクが挿入されると搬送モータを挿入方向に回転させてディスクを回転テーブルまで搬送した後、回転テーブルにクランプさせて再生し、このディスクを排出する際には、クランプを解除した後、搬送モータを排出方向に回転させて挿排口からディスクの一部を排出させるオートローディング機構を備えている。
【0003】
ところで、近年、レーベル面が、例えば、ガラスやアルミ等の様々な種類の材料で作られたディスクが市場に出回っている。また、ユーザによってディスクにシールが張られたり、印刷されたりすることがある。そのため、例えば同じ12cmのディスクでもディスクによって重さがばらつく。しかしながら、従来は、上記搬送モータに一定電圧をかけて搬送モータを回転させているため、ディスクの重さによって搬送モータの回転トルクにばらつきが生じ、ディスクの排出にかかる時間にばらつきが生じていた。
【0004】
また、上記ディスクの排出時には、メカニカルセンサあるいは光センサなどの位置センサを用いて、ディスクが常に一定のイジェクト位置に排出されるようにしているが、上記位置センサは、製品毎に検知結果にバラツキが生じてしまう恐れがある。そこで、位置センサによりディスクがイジェクト位置にあることが検知された後、位置センサのバラツキ量に応じて設定されたウエイト時間だけ待って、搬送モータの回転を停止させている。
【0005】
特に、このようなウエイト時間が設定されたディスク再生装置においては、ディスクが軽ければ搬送モータが回り過ぎてしまい、上記ウエイト時間でのディスクの搬送量が大きくなりオーバーランしてしまったり、ディスクが重すぎると搬送モータの回転が足りずに、上記ウエイト時間でのディスクの搬送量が少なくなり、ディスクが排出しきれないため、抜き取りに大きな力が必要となってしまう、という問題があった。
【0006】
また、特許文献1には、イジェクト時の搬送速度を検知して搬送モータの排出時の駆動時間を設定してイジェクト位置がずれないようにするものが記載されているが、この場合イジェクト位置のずれには対応できるがディスクの重さによってディスクの排出にかかる時間がばらつく、という問題は解決していなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−157955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。即ち、本発明は、例えば、記録媒体の重さによらず記録媒体の排出にかかる時間及び記録媒体のイジェクト位置をほぼ一定にすることができる記録媒体再生装置、記録媒体の挿排出方法、及び、記録媒体の挿排出プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の記録媒体再生装置は、記録媒体を出し入れするための挿排口が設けられた機器本体と、前記機器本体内に挿入された前記記録媒体をクランプして当該記録媒体を再生するクランプ再生手段と、前記記録媒体を前記機器本体内外に出し入れするための搬送モータと、前記挿排口から前記記録媒体が挿入されると前記搬送モータを挿入方向に回転させて前記記録媒体を前記クランプ再生手段のクランプ位置まで搬送させると共に、排出操作に応じて前記搬送モータを排出方向に回転させて前記記録媒体を前記挿排口から排出させるモータ制御手段と、を備えた記録媒体再生装置において、前記モータ制御手段により前記搬送モータが挿入方向に回転させられている間に前記記録媒体が予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定する測定手段と、前記測定手段により測定された時間に応じて前記記録媒体の排出時における前記搬送モータのゲインを設定するゲイン設定手段と、を備え前記モータ制御手段が、前記ゲイン設定手段により設定されたゲインで前記搬送モータを排出方向に回転させることを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載の記録媒体の挿排出方法は、機器本体に設けた挿排口から記録媒体が挿入されると搬送モータを挿入方向に回転させて前記記録媒体をクランプ再生手段のクランプ位置まで搬送させ、排出操作に応じて前記搬送モータを排出方向に回転させて前記記録媒体を前記挿排口から排出させる記録媒体の挿排出方法において、前記搬送モータが挿入方向に回転されている間に前記記録媒体が予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定し、前記測定された時間に応じて前記記録媒体の排出時における前記搬送モータのゲインを設定し、前記設定したゲインで前記搬送モータを排出方向に回転させることを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載の記録媒体の挿排出プログラムは、コンピュータに、機器本体に設けた挿排口から記録媒体が挿入されると搬送モータを挿入方向に回転させて前記記録媒体をクランプ再生手段のクランプ位置まで搬送させ、排出操作に応じて前記搬送モータを排出方向に回転させて前記記録媒体を前記挿排口から排出させる記録媒体の挿排出プログラムにおいて、前記コンピュータに、前記搬送モータが挿入方向に回転されている間に前記記録媒体が予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定し、前記測定された時間に応じて前記記録媒体の排出時における前記搬送モータのゲインを設定し、前記設定したゲインで前記搬送モータを排出方向に回転させることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施例にかかる記録媒体再生装置としてのCDプレーヤの外観を示す斜視図である。
【図2】(A)は図1に示されたCDプレーヤで再生される大型記録媒体としての大径CDを示す平面図であり、(B)は図1に示されたCDプレーヤで再生される小型記録媒体としての小型CDを示す平面図である。
【図3】図1に示されたCDプレーヤにCDが挿入される状態を模式的に示す説明図である。
【図4】図3に示されたCDプレーヤに挿入されたCDがキャリッジシャーシとクランプアームとの間に位置した状態を模式的に示す説明図である。
【図5】図4に示されたCDプレーヤに挿入されたCDがクランプ再生ユニットにクランプされた状態を模式的に示す説明図である。
【図6】図1に示されたCDプレーヤのディスク検知機構の説明図である。
【図7】図6に示すディスク検知機構を構成する初期位置検知用スイッチがオン、拡大検知用スイッチがオフ、大径ディスク検知用スイッチがオンした状態を示す説明図である。
【図8】図6に示すディスク検知機構を構成する初期位置検知用スイッチがオン、拡大検知用スイッチがオン、大径ディスク検知用スイッチがオンした状態を示す説明図である。
【図9】図6に示すディスク検知機構を構成する初期位置検知用スイッチがオン、拡大検知用スイッチがオン、大径ディスク検知用スイッチがオフした状態を示す説明図である。
【図10】図6に示すディスク検知機構に小径CDを挿入した時の説明図である。
【図11】(A)は大径CDを挿入したときのスイッチSW1〜SW5のタイムチャートであり、(B)は小径CDを挿入したときのスイッチSW1〜SW5のタイムチャートである。
【図12】図1に示すCDプレーヤの電気構成図である。
【図13】第1実施例におけるゲイン設定処理におけるCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図14】第2実施例におけるゲイン設定処理におけるCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態にかかる記録媒体再生装置を説明する。本発明の一実施形態にかかる記録媒体再生装置は、モータ制御手段により搬送モータが挿入方向に回転させられている間に記録媒体が予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定する測定手段と、測定手段により測定された時間に応じて記録媒体の排出時における搬送モータのゲインを設定するゲイン設定手段と、を備え、モータ制御手段が、ゲイン設定手段により設定されたゲインで搬送モータを排出方向に回転させる。従って、記録媒体の重さによらずに排出時の搬送モータの回転トルクを一定にすることができ、記録媒体の排出にかかる時間及び記録媒体のイジェクト位置をほぼ一定にすることができる。
【0014】
また、記録媒体が挿排口から挿入されたことを検知する挿入検知手段と、クランプ再生手段が記録媒体をクランプしたことを検知するクランプ検知手段と、をさらに備えた記録媒体再生装置において、測定手段が、挿入検知手段により記録媒体が挿排口から挿入されたことが検知されてモータ制御手段による搬送モータの挿入方向の回転が開始された時点からクランプ検知手段によりクランプが検知されるまでの時間を予め定めた区間搬送されるのにかかる時間として測定するようにしてもよい。この場合、記録媒体再生装置に既存の挿入検知手段やクランプ検知手段を流用して予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定することができるため、コストダウンを図ることができる。
【0015】
また、測定手段が、第1位置検知手段により一対の検知ピンが互いの中心から第1所定距離外にあることが検知された後、互いの中心から第1所定距離内にあることが検知された時点からクランプ検知手段によりクランプが検知されるまでの時間を予め定めた区間搬送されるのにかかる時間として測定してもよい。この場合、互いに外径の異なる小径記録媒体と大径記録媒体との双方の再生が可能な記録媒体再生装置に既存の一対の検知ピン、第1位置検知手段及びクランプ検知手段を流用して予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定することができるため、コストダウンを図ることができる。しかも、第1位置検知手段により一対の検知ピンが互いの中心から第1所定距離外にあることが検知された後、互いの中心から第1所定距離内にあることが検知された時点では、記録媒体のセンターホールはすでに機器本体内にあり確実にユーザの手から記録媒体が離れて搬送モータにより搬送されている状態であるので、搬送モータが回転しているにも係わらず記録媒体がユーザにつかまれて搬送されないという事態を回避することができる。これにより、正確に予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定することができ、より確実に、記録媒体の排出にかかる時間及び記録媒体のイジェクト位置をほぼ一定にすることができる。
【0016】
また、ゲイン設定手段が、基準ゲインに(測定手段が測定した時間)/(基準時間)を乗じた値を記録媒体の排出時における搬送モータのゲインとして設定してもよい。この場合、基準ゲインに(測定手段が測定した時間)/(基準時間)だけでよく、測定手段が測定した時間に対応するゲインのテーブルなどを記録しなくてもよいため、コストダウンを図ることができる。
【0017】
また、本発明の一実施形態にかかる記録媒体の挿排出方法は、搬送モータが挿入方向に回転されている間に記録媒体が予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定し、測定された時間に応じて記録媒体の排出時における搬送モータのゲインを設定し、設定したゲインで搬送モータを排出方向に回転させる。従って、記録媒体の重さによらずに排出時の搬送モータの回転トルクを一定にすることができ、記録媒体の排出にかかる時間及び記録媒体のイジェクト位置をほぼ一定にすることができる。
【0018】
また、本発明の一実施形態にかかる記録媒体の挿排出プログラムは、コンピュータに、搬送モータが挿入方向に回転されている間に記録媒体が予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定し、測定された時間に応じて記録媒体の排出時における搬送モータのゲインを設定し、設定したゲインで搬送モータを排出方向に回転させる。従って、記録媒体の重さによらずに排出時の搬送モータの回転トルクを一定にすることができ、記録媒体の排出にかかる時間及び記録媒体のイジェクト位置をほぼ一定にすることができる。
【実施例】
【0019】
第1実施例
以下、本発明の一実施例の記録媒体再生装置の一例としてのCDプレーヤ1を、図1ないし図13に基づいて説明する。図1などに示すCDプレーヤ1は、移動体としての自動車のインストルメントパネル(以下、インパネと呼ぶ)などに装着される。CDプレーヤ1は、図2(A)に示す大径記録媒体としての大径CD2と、図2(B)に示す小径記録媒体としての小径CD3と、が選択的に後述の機器本体5内に挿入される。CDプレーヤ1は、これらCD2、3に記録された情報を音声として再生する。
【0020】
CD2、3は、勿論、薄手の円盤状即ちディスク状に形成されており、中央にセンターホールが設けられている。本実施例では、大径CD2の外径Rは、120mm(12cm)であり、小型CD3の外径rは、80mm(8cm)である。
【0021】
CDプレーヤ1は、機器本体5(図1に示す)と、クランプ再生手段としてのクランプ再生ユニット6(図3〜図5に示す)と、搬送ユニット7(図3〜図5に示す)と、ディスク検知ユニット8(図6〜図10に示す)と、モータ制御手段、測定手段、ゲイン設定手段、径判別手段としてのマイクロコンピュータ(μCOM)9(図12に示す)と、を備えている。なお、以下、搬送ユニット7によるCD2、3の挿入方向、排出方向である矢印YをCDプレーヤ1の搬送方向と記し、CD2、3の表面と平行でかつ前記搬送方向Yと直交する矢印XをCDプレーヤ1の幅方向と記し、CD2、3の厚み方向と平行な矢印ZをCDプレーヤ1の厚み方向と記す。
【0022】
上記機器本体5は、図1に示すように、扁平な箱状に形成されている。機器本体5には、CD2、3を機器本体5内に出し入れする挿排口10が設けられている。挿排口10は、勿論、機器本体5の内外を連通している。また、機器本体5には、その正面に表示パネル11やイジェクトボタン、再生ボタンなどの各種のスイッチ12などが設けられている。
【0023】
上記クランプ再生ユニット6は、図3〜図5に示すように、キャリッジシャーシ13と、クランプアーム14と、を備えている。キャリッジシャーシ13は、板金などから成るシャーシ本体15と、シャーシ本体15に取り付けられた回転テーブル16と、シャーシ本体15に取り付けられた図示しない光ピックアップ部と、を備えている。シャーシ本体15は、略平板状に形成されている。
【0024】
回転テーブル16は、シャーシ本体15に回転自在に支持されている。回転テーブル16は、CD2、3のセンターホールに侵入する。回転テーブル16は、シャーシ本体15に取り付けられた図示しないスピンドルモータの駆動力によって、CD2、3を回転させる。光ピックアップ部は、CD2、3に記録された情報を読み取るための光ピックアップと、該光ピックアップをCD2、3の径方向に沿って駆動させる駆動機構(何れも図示せず)などを備えている。
【0025】
クランプアーム14は、板金などからなるアーム本体17と、クランパ18と、を備えている。アーム本体17は、略平板状に形成され、キャリッジシャーシ13のシャーシ本体15に、挿排口10から離れた端部を中心として回転自在に支持されている。アーム本体17の回転軸は、幅方向Xに沿っている。アーム本体17がシャーシ本体15に近づいた状態では、図5に示すように、シャーシ本体15とアーム本体17とが略平行になる。
【0026】
クランパ18は、回転テーブル16に相対する位置に配されている。クランパ18は、円盤状に形成されているとともに、アーム本体17に回転自在に支持されている。クランパ18の回転軸は、厚み方向Zに沿っている。クランパ18は、アーム本体17がシャーシ本体15と略平行な状態となると、回転テーブル16との間にCD2、3を挟むことができる。前述した構成のクランプ再生ユニット6は、クランパ18と回転テーブル16との間にCD2、3を挟んで、回転テーブル16でCD2、3を回転させ光ピックアップ部で該CD2、3の情報を読み出す。
【0027】
搬送ユニット7は、図3〜図5に示すように、ローラアーム19と、ディスクガイド20と、搬送モータM1(図12に示す)と、を備えている。ローラアーム19は、挿排口10の近傍に配されている。ローラアーム19は、板金などからなるアーム本体22と、搬送ローラ23と、を備えている。アーム本体22は、長手方向が幅方向Xと平行な帯状に形成されている。アーム本体22は、機器本体5の底壁に挿排口10側の端部を中心として回転自在に支持されている。アーム本体22の回転軸は、幅方向Xと平行である。
【0028】
搬送ローラ23は、アーム本体22の挿排口10から離れた端部に回転自在に支持されている。搬送ローラ23の回転軸は、幅方向Xと平行である。搬送ローラ23の幅方向Xの一端部には、図示しない歯車が取り付けられている。図3及び図4に示すように、アーム本体22の挿排口10から離れた端部が機器本体5の底壁から離れた状態において、搬送ローラ23の歯車は、搬送モータM1により回転駆動される歯車と噛み合う。搬送ローラ23は、前記歯車などを介して搬送モータM1の回転駆動力によって回転させる。図5に示すように、アーム本体22の挿排口10から離れた端部が機器本体5の底壁に近づいている状態では、前述した歯車が噛み合わない。
【0029】
ディスクガイド20は、板金などからなるガイド本体24と、該ガイド本体24に取り付けられた平板状の滑り部材25と、を備えている。前述した構成のローラアーム19とディスクガイド20は、互いに接離自在に設けられ、かつ互いに近づいて互いの間にCD2、3を挟んで、搬送ローラ23が搬送モータM1により回転駆動されることで、機器本体5にCD2、3を出し入れする。
【0030】
上述したクランプ再生ユニット6及び搬送ユニット7は、図6などに示すスライドカム26にそれぞれ連結されていて、互いに連動するように設けられている。スライドカム26は、CD2、3の搬送方向Yに沿ってスライド自在に取り付けられている。そして、スライドモータM2(図12に示す)によりスライドカム26を挿排口10から離れた側に移動させると、これに連動して、図3及び図4に示すように、クランプ再生ユニット6のクランプアーム14とシャーシ本体15とが互いに離れるように動き、搬送ユニット7のローラアーム19とディスクガイド20とが互いに近づくように動いて、搬送ローラ23とディスクガイド20との間にCD2、3がクランプされる。
【0031】
これに対して、スライドモータM2によりスライドカム26を挿排口10に向かって移動させると、これに連動して、図5に示すように、クランプ再生ユニット6のクランプアーム14とシャーシ本体15とが互いに近づくように動いて、回転テーブル16とクランパ18との間にCD2、3がクランプされ、搬送ユニット7のローラアーム19とディスクガイド20とが互いに離れるように動いて、搬送ローラ23とディスクガイド20とによるCD2、3のクランプが解除される。なお、このとき図6に示すスライドカム26に設けた突起部26aがクランプ検知手段としてのクランプ検知スイッチSW5の接触子を押圧してオンさせる。
【0032】
ディスク検知ユニット8は、図6などに示すように、一対のスイッチレバー27と、一対の検知ピン28と、検知部29と、を備えている。一対のスイッチレバー27は、平板状に形成されていて、CD2、3の搬送方向Yに沿ったレバー本体27aと、レバー本体27aの挿排口10から離れた端部から互いに近づく方向に突出する第1突出部27bと、レバー本体27aの挿排口10側の端部から互いに離れる方向に突出する第2突出部27cと、が設けられている。上記第1突出部27bの互いに近づく方向側の端部は、挿入方向に向かって凹に設けられている。この一対のスイッチレバー27は、付勢手段としてのばね30により、互いに近づく方向に付勢されている。
【0033】
上記一対の検知ピン28は、円柱状に形成され、かつ一対のスイッチレバー27の互いに離れた側の一端部から機器本体5の底壁に向かって立設している。上記一対の検知ピン28は、機器本体5内外に搬送されるCD2、3の外縁に接触する。上記一対の検知ピン28は、挿排口10からCD2、3が挿入してからクランプ再生ユニット6にクランプされるクランプ位置に搬送されるまでの間にCD2、3の外縁に接触して互いに離れる方向に移動した後、互いに近づく方向に移動する。
【0034】
検知部29は、一対の初期位置検知用スイッチSW1と、第1位置検知手段としての一対の拡大検知用スイッチSW2と、第2位置検知手段としての大径ディスク検知用スイッチSW3と、フォトスイッチSW4(図9に示す)と、を備えている。これらスイッチSW1乃至SW4は、それぞれ機器本体5の天井壁に取り付けられている。スイッチSW1乃至SW3は、本体部と当該本体部から凸没自在な接触子とを備えている。フォトスイッチSW4は、CD2、3に対して光を出射する発光素子とCD2、3からの反射光を受光する受光素子とを備えている。
【0035】
上記一対の初期位置検知用スイッチSW1は、挿排口10からCD2、3が挿入されたことを検知するためのスイッチである。一対の初期位置検知スイッチSW1は、図6に示すように、一対のレバー本体27a間に配置されていて、CD2、3の外縁が検知ピン28に接触していない状態ではその接触子が一対のスイッチレバー27によって押圧されてオフする位置に配置されている。
【0036】
上記一対の拡大検知用スイッチSW2は、CD2、3の外径を判別するためのスイッチである。一対の拡大検知用スイッチSW2は、一対のレバー本体27a間に配置されると共に、互いの間に一対の初期位置用検知スイッチSW1が配置されている。この一対の拡大検知用スイッチSW2は、一対の検知ピン28が互いの中心から第1所定距離内に位置しているときはスイッチレバー27によりその接触子が押圧されてオフし、一対の検知ピン28が互いの中心から第1所定距離外に位置しているときはスイッチレバー27による接触子の押圧が解除されてオンするように配置されている。なお、第1所定距離は、小径CD3を挿入したときの一対の検知ピン28の移動範囲内に設定されている。
【0037】
上記大径ディスク検知用スイッチSW3は、CD2、3の外径を判別するためのスイッチである。大径ディスク検知用スイッチSW3は、一対のスイッチレバー27のうち一方のレバー本体27aよりも幅方向X外側に配置されている。この大径ディスク検知用スイッチSW3は、一対の検知ピン28が互いの中心から第1所定距離より長い第2所定距離内に位置しているときはスイッチレバー27によりその接触子が押圧されずオンし、一対の検知ピン28が互いの中心から第2所定距離外に位置しているときはスイッチレバー27により接触子が押圧されてオフするように配置されている。なお、第2所定距離は、小径CD3を挿入したときの一対の検知ピン28の移動範囲外であり、かつ、大径CD2を挿入したときの一対の検知ピン28の移動範囲内に設定されている。
【0038】
フォトスイッチSW4は、小径CD3がクランプ再生ユニット6のクランプ位置まで搬送されたことを検知するためのスイッチである。フォトスイッチSW4は、挿排口10から小径CD3が挿入されるとオンとなり、クランプ位置まで搬送されるとオンからオフになる。
【0039】
次に、上述した構成のディスク検知ユニット8の動作について図11のタイムチャートを参照して説明する。図6に示すように、CD2、3が挿入されておらず一対のスイッチレバー27が互いに近づいた状態では初期位置検知用スイッチSW1及び拡大検知用スイッチSW2はその接触子が一対のスイッチレバー27によって押圧されてオフし、大径ディスク検知用スイッチSW3はスイッチレバー27によりその接触子が押圧されずオンしている。
【0040】
このようなCDプレーヤ1の挿排口10から大径CD2を挿入すると、一対の検知ピン28が大径CD2の外縁に接触して互いに離れる方向に動かされ、一対のスイッチレバー27も互いに離れる方向に移動する。この一対のスイッチレバー27の互いに離れる方向の移動に応じて、図7の一点鎖線に示すように、スイッチレバー27による初期位置検知用スイッチSW1の接触子の押圧が解除されて初期位置検知用スイッチSW1がオンとなり、その後図8の一点鎖線に示すように、スイッチレバー27による拡大検知用スイッチSW2の接触子の押圧が解除されて拡大検知用スイッチSW2がオンとなり、次に図9の一点鎖線に示すように、大径ディスク検知用スイッチSW3の接触子がスイッチレバー27に押圧されて大径ディスク検知スイッチ33がオフとなる。
【0041】
大径CD2の半分以上が検知ピン28よりも奥に挿入されると、今度は、一対の検知ピン28が大径CD2の外縁に接触して互いに近づく方向に動かされ、一対のスイッチレバー27も互いに近づく方向に移動する。この一対のスイッチレバー27の互いに近づく方向に移動に応じて、今度は逆に、まず図8の二点鎖線に示すように、スイッチレバー27による大径ディスク検知用スイッチSW3の接触子の押圧が解除されて大径ディスク検知用スイッチSW3がオンとなり、その後図7の二点鎖線に示すように、拡大検知用スイッチSW2の接触子がスイッチレバー27に押圧されて拡大検知用スイッチSW2がオフとなる。その後、大径CD2がクランプ再生ユニット6のクランプ位置まで搬送されると、初期位置検知用スイッチSW1の接触子がスイッチレバー27に押圧されて初期位置検知用スイッチSW1がオフとなる。
【0042】
一方、このようなCDプレーヤ1の挿排口10から小径CD3を挿入すると、大径CD2と同様に、一対の検知ピン28が小径CD3の外縁に接触して互いに離れる方向に動かされて、一対のスイッチレバー27も互いに離れる方向に移動する。この一対のスイッチレバー27の互いに離れる方向に移動に応じて、図7の一点鎖線に示すように、スイッチレバー27による初期位置検知用スイッチSW1の接触子の押圧が解除されて初期位置検知用スイッチSW1がオンとなり、その後図8の一点鎖線に示すように、スイッチレバー27による拡大検知用スイッチSW2の接触子の押圧が解除されて拡大検知用スイッチSW2がオンとなる。
【0043】
小径CD3の半分以上が検知ピン28よりも奥に挿入されると、今度は、一対の検知ピン28が小径CD3の外縁に接触して互いに近づく方向に動かされる。なお、小径CD3を挿入した場合は、図10に示すように、一対の検知ピン28が最も互いに離れた状態になっても、大径ディスク検知用スイッチSW3の接触子がスイッチレバー27に押圧されずにオンのままとなる。そして、一対のスイッチレバー27の互いに近づく方向に移動に応じて、今度は逆に、まず図7の二点鎖線に示すように拡大検知用スイッチSW2の接触子がスイッチレバー27に押圧されて拡大検知用スイッチSW2がオフとなる。その後、小径CD3がクランプ再生ユニット6のクランプ位置に来ると、フォトスイッチSW4がオンからオフになる。
【0044】
即ち、図11のタイムチャートからも明らかなように、CDプレーヤ1に大径CD2を挿入した場合、拡大検知用スイッチSW2がオンしている間に大径ディスク検知用スイッチSW3がオフする。一方、CDプレーヤ1に小径CD3を挿入した場合、拡大検知用スイッチSW2がオンしている間に大径ディスク検知用スイッチSW3がオンを維持している。よって、拡大検知用スイッチSW2、大径ディスク検知用スイッチSW3のオンオフによって、CDプレーヤ1に挿入されたCD2、3の外径を判別することができる。
【0045】
上記μCOM9は、図12に示すように、搬送モータM1、スライドモータM2、検知部29やクランプ検知スイッチSW5などに接続していて、CDプレーヤ1全体の制御を司る。上記μCOM9は、プログラムに従って各種の処理を行う中央処理ユニット(CPU)9aと、CPU9aが行う処理のプログラムなどを格納した読み取り専用のメモリであるROM9bと、CPUでの各種の処理過程で利用するワークエリア、各種データを格納するデータ格納エリアなどを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM9cなどを内蔵し、これらがバスラインによって互いに接続されている。
【0046】
μCOM9内のCPU9aは、モータ・クランプ制御部9a−1と、ロード時間測定部9a−2と、ゲイン設定部9a−3と、を備えている。上記モータ・クランプ制御部9a−1は、挿排口10からCD2、3が挿入されると搬送モータM1を挿入方向に回転させてCD2、3をクランプ再生ユニット6のクランプ位置まで搬送させた後、クランプ再生ユニット6によりCD2、3をクランプさせるロード処理を行うと共に、イジェクトボタンの操作に応じてクランプ再生ユニット6によるCD2、3のクランプを解除した後、搬送モータM1を排出方向に回転させてCD2、3を挿排口10から排出させるイジェクト処理を行う。
【0047】
上記ロード時間測定部9a−2は、CD2、3が挿入されて搬送モータM1を回転し始める位置からクランプ再生ユニット6のクランプ位置までの予め定めた区間、CD2、3が搬送されるのにかかるロード時間T1(図11参照)を測定する。上記ゲイン設定部9a−3は、ロード時間測定部9a−2により測定されたロード時間T1に応じて排出時の搬送モータM1のゲインを設定する。
【0048】
また、上記ROM9bには、基準ゲイン記憶エリア9b−1と、基準ロード時間記憶エリア9b−2と、が設けられている。上記基準ゲイン記憶エリア9b−1には、CD2、3挿入時の搬送モータM1の基準ゲインGrefが予め記憶されている。上記基準ロード時間記憶エリア9b−2には、上記搬送モータM1を回転し始める位置から上記クランプ位置までの予め定めた区間、基準となる重量のCD2、3をそれぞれ搬送するのにかかる大径基準ロード時間Vref1、小径基準ロード時間Vref2が予め記憶されている。なお、上記大径基準ロード時間Vref1、小径基準ロード時間Vref2は予め実験によって得たデータを記憶させている。
【0049】
次に、上述した構成のCDプレーヤ1の動作について説明する。まず、μCOM9のモータ・クランプ制御部9a−1が行う一般的なロード処理について説明する。μCOM9は、CD2、3を機器本体5内に収容する前、即ちクランプ再生ユニット6がCD2、3をクランプする前では、スライドカム26を挿排口10から最も離れた位置に位置づけ、図3に示すように搬送ユニット7のローラアーム19とディスクガイド20とを互いに近づけておくとともにクランプ再生ユニット6のキャリッジシャーシ13とクランプアーム14とを互いに離しておく。
【0050】
CD2、3が挿入されて、初期位置検知用スイッチSW1がオンするとμCOM9のモータ・クランプ制御部9a−1は、モータ制御手段として機能して、まず搬送モータM1を駆動して搬送ローラ23を挿入方向に回転させてCD2、3をクランプ再生ユニット6のクランプ位置まで搬送させる。このとき、モータ・クランプ制御部9a−1は、基準ゲイン記憶エリア9b−1に記憶された基準ゲインGrefで搬送モータM1を回転させる。その後、モータ・クランプ制御部9a−1は、拡大検知用スイッチSW2、大径ディスク検知用スイッチSW3のオンオフ状態を監視する。そして、モータ・クランプ制御部9a−1は、径判別手段として機能して、拡大検知用スイッチSW2がオンした後にオフすると、拡大検知用スイッチSW2がオンしている間の大径ディスク検知用スイッチSW3のオンオフ状態に基づいて、CDプレーヤ1に挿入されたCD2、3の径を判別する。
【0051】
具体的には、モータ・クランプ制御部9a−1は、図11(A)に示すように拡大検知用スイッチSW2がオンしている間に大径ディスク検知用スイッチSW3がオフになっていれば、大径CD2が挿入されたと判断し、図11(B)に示すように拡大検知用スイッチSW2がオンしている間に大径ディスク検知用スイッチSW3がオンのままであれば、小径CD3が挿入されていると判別する。そして、モータ・クランプ制御部9a−1は、大径CD2が挿入されていると判別すると、初期位置検知用スイッチSW1がオフになると大径CD2がクランプ位置に達したと判断して、スライドモータM2を駆動してスライドカム26を挿排口10側にスライドさせる。
【0052】
これに対して、モータ・クランプ制御部9a−1は、小径CD3が挿入されていると判別すると、フォトスイッチSW5がオフになると小径CD3がクランプ位置に達したと判別して、スライドモータM2を駆動してスライドカム26を挿排口10側にスライドさせる。これに連動して、クランプ再生ユニット6のキャリッジシャーシ13とクランプアーム14とが互いに近付いて、回転テーブル16とクランパ18との間に大径CD2がクランプされる。
【0053】
また、スライドカム26の挿排口10側のスライドに連動して、搬送ユニット7のローラアーム19とディスクガイド20とが互いに離される。さらに、スライドカム26が挿排口10側にスライドされると、スライドカム26によりクランプ検知用スイッチSW5の接触子が押されてクランプ検知用スイッチSW5がオフする。このクランプ検知用スイッチSW5のオフに応じて、μCOM9は、搬送モータM1の駆動を停止して搬送ローラ23を停止してロード処理を終了する。
【0054】
上述したμCOM9は、このロード処理に並列してゲイン設定処理を行う。このゲイン設定処理について図13を参照して説明する。まず、μCOM9のロード時間測定部9a−2は、初期位置検知用スイッチSW1がオンすると(ステップS1でY)、ロード時間T1(図11に示す)の計時を開始し(ステップS2)、その後、クランプ検知用スイッチSW5がオンすると(ステップS3でY)、ロード時間T1の計時を終了する(ステップS4)。これにより、CD2、3が挿入されて初期位置検知用スイッチSW1がオンして搬送モータM1の回転が開始してからCD2、3がクランプ再生ユニット6のクランプ位置まで搬送される間の予め定めた区間、搬送されるのにかかる時間がロード時間T1として測定される。次に、μCOM9のゲイン設定部9a−3が、上記ロード処理において大径CD2が挿入されていると判別された場合、上記基準ゲインGrefに(測定したロード時間T1)/(大径基準ロード時間Tref1)を乗じた値を排出時における搬送モータM1のゲインGとして設定し、上記ロード処理において小径CD3が挿入されていると判別された場合、上記基準ゲインGrefに(測定したロード時間T1)/(小径基準ロード時間Tref2)を乗じた値を排出時のゲインGとして設定して(ステップS5)、ゲイン設定処理を終了する。
【0055】
上述したようにCD2、3の挿入時には基準ゲインGrefで搬送モータM1を回転している。このため、測定されたロード時間T1は、CD2、3の重さが重くなるに従って長くなり、CD2、3の重さが軽くなるに従って短くなる。よって、上記ゲイン設定処理を行うことによりCD2、3の重さが重くなるに従って排出時のゲインGを大きく設定でき、CD2、3の重さが軽くなるに従って排出時のゲインGを小さく設定することができる。
【0056】
次に、イジェクト処理について説明する。まず、イジェクトボタンなどが押されると、μCOM9のモータ・クランプ制御部9a−1は、スライドモータM2を駆動してスライドカム26を挿排口10から離れた側にスライドさせる。これに連動して、クランプ再生ユニット6のキャリッジシャーシ13とクランプアーム14とが互いに近付いて、回転テーブル16とクランパ18とによるCD2、3のクランプが解除されるとともに、搬送ユニット7のローラアーム19とディスクガイド20とが互いに近づき、搬送ローラ23とディスクガイド20との間にCD2、3がクランプされる。その後、モータ・クランプ制御部9a−1は、上記ゲイン設定処理により設定されたゲインGで搬送モータM1を排出方向に回転させて、排出する。その後、上記ロード処理により大径CD2が挿入されていると判別された場合、大径ディスク検知用スイッチSW3がオフされた後にオンされると、搬送モータM1の回転を停止させ、小径CD3が挿入されていると判別された場合、拡大検知用スイッチSW2がオンした後にオフされると、搬送モータM1の回転を停止させる。
【0057】
上述したCDプレーヤ1によれば、ロード時間測定部9a−2が、モータ・クランプ制御部9a−1によるロード処理中にCD2、3が予め定めた区間搬送されるのにかかるロード時間T1を測定し、モータ・クランプ制御部9a−1が、測定されたロード時間T1に応じたゲインGで搬送モータM1を排出方向に回転させる。従って、CD2、3の排出時における搬送モータM1のゲインをCD2、3の重さに応じた値に設定することができるため、CD2、3の重さによらずに排出時の搬送モータM1の回転トルクを一定にすることができ、CD2、3の排出にかかる時間及びCD2、3のイジェクト位置をほぼ一定にすることができる。
【0058】
また、上述したCDプレーヤ1によれば、CD2、3が挿排口10から挿入されたことを検知する初期位置検知用スイッチSW1と、クランプ再生ユニット6がCD2、3をクランプしたことを検知するクランプ検知用スイッチSW5と、をさらに備え、ロード時間測定部9a−2が、初期位置検知用スイッチSW1によりCD2、3が挿排口10から挿入されたことが検知されてモータ・クランプ制御部9a−1による搬送モータM1の回転が開始された時点からクランプ検知用スイッチSW5によりクランプが検知されるまでの時間を予め定めた区間搬送されるのにかかるロード時間T1として測定している。これにより、CDプレーヤ1に既存の初期位置検知用スイッチSW1やクランプ検知用スイッチSW5を流用して予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定することができるため、コストダウンを図ることができる。
【0059】
また、上述したCDプレーヤ1によれば、ゲイン設定部9a−3が、基準ゲインGrefに(測定したロード時間T1)/(大径基準ロード時間Tref1または小径基準ロード時間Tref2)を排出時のゲインGとして設定している。この場合、基準ゲインGrefに(測定したロード時間T1)/(大径基準ロード時間Tref1または小径基準ロード時間Tref2)を乗じるだけでよく、ロード時間T1に対応するゲインGのテーブルなどを記録しなくてもよいため、コストダウンを図ることができる。
【0060】
なお、上述した第1実施例によれば、大径CD2と小径CD3の双方が再生可能なCDプレーヤ1であったが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、大径CD2のみが再生可能で、初期位置検知用スイッチSW1のみが設けられ拡大検知用スイッチSW2及び大径ディスク検知用スイッチSW3が設けられていないCDプレーヤにも適用することができる。
第2実施例
次に、第2実施例のCDプレーヤ1について説明する。なお、第2実施例のCDプレーヤ1の構成は第1実施例と同等であるためここでは詳細な説明を省略する。第1実施例と第2実施例とで大きく異なる点は、ゲイン設定処理である。第2実施例のゲイン設定処理の詳細について図14を参照して説明する。
【0061】
まず、μCOM9のロード時間測定部9a−2は、拡大検知用スイッチSW2がオンした後(ステップS11でY)、拡大検知用スイッチSW2がオフすると(ステップS12でY)、ロード時間T2(図11に示す)の計時を開始し(ステップS13)、その後、クランプ検知用スイッチSW5がオンすると(ステップS14でY)、ロード時間T2の計時を終了する(ステップS15)。これにより、CD2、3が挿入されて拡大検知用スイッチSW2がオンした後にオフする位置からCD2、3がクランプ再生ユニット6のクランプ位置まで搬送される間の予め定めた区間、搬送されるのにかかる時間がロード時間T2として測定される。次に、ゲイン設定部9a−2は、第1実施例と同様に、上記ロード処理において大径CD2が挿入されていると判別された場合、上記基準ゲインGrefに(測定したロード時間T2)/(大径基準ロード時間Tref1)を乗じた値を排出時のゲインGとして設定し、上記ロード処理において小径CD3が挿入されていると判別された場合、上記基準ゲインGrefに(測定したロード時間T2)/(小径基準ロード時間Tref2)を乗じた値を排出時のゲインGとして設定する(ステップS16)。
【0062】
なお、第2実施例において、基準ロード時間記憶エリア9b−2には、拡大検知用スイッチSW2がオンした後にオフする位置から上記クランプ位置までの予め定めた区間、基準となる重量のCD2、3をそれぞれ搬送するのにかかる基準ロード時間Tref1、小径基準ロード時間Tref2が予め実験によって計測されて記憶されている。
【0063】
上述したCDプレーヤ1によれば、拡大検知用スイッチSW2により一対の検知ピン28が互いの中心から第1所定距離外にあることが検知された後、互いの中心から第1所定距離内にあることが検知された時点からクランプ検知用スイッチSWによりクランプが検知されるまでのロード時間T2を予め定めた区間搬送されるのにかかる時間として測定している。この場合、互いに外径の異なる大径CD2と小径CD3との双方の再生が可能なCDプレーヤ1に既存の一対の検知ピン28、拡大検知用スイッチSW2及びクランプ検知用スイッチSW5して予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定することができるため、コストダウンを図ることができる。しかも、拡大検知用スイッチSW2により一対の検知ピン28が互いの中心から第1所定距離外にあることが検知された後、互いの中心から第1所定距離内にあることが検知された時点では、図7の二点鎖線に示すように、CD2、3のセンターホールはすでに機器本体5内にあり確実にユーザの手からCD2、3が離れて搬送モータM1により搬送されている状態であるので、搬送モータM1が回転しているにも係わらずCD2、3がユーザにつかまれて搬送されないという事態を回避することができる。これにより、正確に予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定することができ、より確実に、CD2、3の排出にかかる時間及びCD2、3のイジェクト位置をほぼ一定にすることができる。
【0064】
また、上述した第1及び第2実施例によれば、CDプレーヤ1に既存のスイッチSW1、SW2、SW5を流用して予め定めた区間CD2、3が搬送されるのにかかる時間を測定していたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、既存のスイッチSW1〜SW5とは別にスイッチを設けて予め定めた区間CD2、3が搬送されるのにかかる時間を測定するようにしてもよい。
【0065】
また、上述した第1及び第2実施例によれば、スイッチSW1〜SW5としてメカニカルスイッチを用いていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、スイッチSW1〜SW5としてフォトスイッチを用いても良い。
【0066】
また、上述した第1及び第2実施例では、記録媒体としてCD2、3を用いていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、記録媒体としてDVDやBDなどであってもよい。
【0067】
前述した実施例によれば、以下のCDプレーヤ1、CD2、3の挿排出方法およびCD2、3の挿排出プログラムが得られる。
【0068】
(付記1)CD2、3を出し入れするための挿排口10が設けられた機器本体5と、
機器本体5内に挿入された記録媒体5をクランプして当該CD2、3を再生するクランプ再生ユニット6と、
CD2、3を機器本体5内外に出し入れするための搬送モータM1と、
挿排口10からCD2、3が挿入されると搬送モータM1を挿入方向に回転させてCD2、3をクランプ再生ユニット6のクランプ位置まで搬送させると共に、排出操作に応じて搬送モータM1を排出方向に回転させてCD2、3を挿排口10から排出させるモータ・クランプ制御部9a−1と、を備えたCDプレーヤ1において、
モータ・クランプ制御部9a−1により搬送モータM1が挿入方向に回転させられている間にCD2、3が予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定するロード時間測定部9a−2と、
ロード時間測定部9a−2により測定された時間に応じてCD2、3の排出時における搬送モータM1のゲインを設定するゲイン設定部9a−3と、を備え
モータ・クランプ制御部9a−1が、ゲイン設定部9a−3により設定されたゲインで搬送モータM1を排出方向に回転させる
ことを特徴とするCDプレーヤ1。
【0069】
このCDプレーヤ1によれば、CD2、3の重さによらずに排出時の搬送モータM1の回転トルクを一定にすることができ、CD2、3の排出にかかる時間及び記録媒体のイジェクト位置をほぼ一定にすることができる。
【0070】
(付記2)機器本体5に設けた挿排口10からCD2、3が挿入されると搬送モータM1を挿入方向に回転させてCD2、3をクランプ再生ユニット6のクランプ位置まで搬送させ、排出操作に応じて搬送モータM1を排出方向に回転させてCD2、3を挿排口10から排出させるCD2、3の挿排出方法において、
搬送モータM1が挿入方向に回転されている間にCD2、3が予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定し、
測定された時間に応じてCD2、3の排出時における搬送モータM1のゲインを設定し、
設定したゲインで搬送モータM1を排出方向に回転させる
ことを特徴とするCD2、3の挿排出方法。
【0071】
このCD2、3の挿排出方法によれば、CD2、3の重さによらずに排出時の搬送モータM1の回転トルクを一定にすることができ、CD2、3の排出にかかる時間及び記録媒体のイジェクト位置をほぼ一定にすることができる。
【0072】
(付記3)CPU9aに、機器本体5に設けた挿排口10からCD2、3が挿入されると搬送モータM1を挿入方向に回転させてCD2、3をクランプ再生ユニット6のクランプ位置まで搬送させ、排出操作に応じて搬送モータM1を排出方向に回転させてCD2、3を挿排口10から排出させるCD2、3の挿排出プログラムにおいて、
CPU9aに、
搬送モータM1が挿入方向に回転されている間にCD2、3が予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定し、
測定された時間に応じてCD2、3の排出時における搬送モータM1のゲインを設定し、
設定したゲインで搬送モータM1を排出方向に回転させる
ことを特徴とするCD2、3の挿排出プログラム。
【0073】
このCD2、3の挿排出プログラムによれば、CD2、3の重さによらずに排出時の搬送モータM1の回転トルクを一定にすることができ、CD2、3の排出にかかる時間及び記録媒体のイジェクト位置をほぼ一定にすることができる。
【0074】
また、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0075】
1 CDプレーヤ(記録媒体再生装置)
2 大径CD(記録媒体、大径記録媒体)
3 小径CD(記録媒体、小径記録媒体
5 機器本体
6 クランプ再生ユニット(クランプ再生手段)
9a−1 モータ・クランプ制御部(モータ制御手段、ディスク判別手段)
9a−3 ゲイン設定部(ゲイン設定手段)
10 挿排口
21 搬送モータ
28 検知ピン
SW1 初期位置検知用スイッチ(挿入検知手段)
SW2 拡大検知用スイッチ(第1位置検知手段)
SW3 大径ディスク検知用スイッチ(第2位置検知手段)
SW5 クランプ検知用スイッチ(クランプ検知手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を出し入れするための挿排口が設けられた機器本体と、
前記機器本体内に挿入された前記記録媒体をクランプして当該記録媒体を再生するクランプ再生手段と、
前記記録媒体を前記機器本体内外に出し入れするための搬送モータと、
前記挿排口から前記記録媒体が挿入されると前記搬送モータを挿入方向に回転させて前記記録媒体を前記クランプ再生手段のクランプ位置まで搬送させると共に、排出操作に応じて前記搬送モータを排出方向に回転させて前記記録媒体を前記挿排口から排出させるモータ制御手段と、を備えた記録媒体再生装置において、
前記モータ制御手段により前記搬送モータが挿入方向に回転させられている間に前記記録媒体が予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された時間に応じて前記記録媒体の排出時における前記搬送モータのゲインを設定するゲイン設定手段と、を備え
前記モータ制御手段が、前記ゲイン設定手段により設定されたゲインで前記搬送モータを排出方向に回転させる
ことを特徴とする記録媒体再生装置。
【請求項2】
前記記録媒体が前記挿排口から挿入されたことを検知する挿入検知手段と、
前記クランプ再生手段が前記記録媒体をクランプしたことを検知するクランプ検知手段と、をさらに備えた記録媒体再生装置において、
前記測定手段が、前記挿入検知手段により前記記録媒体が前記挿排口から挿入されたことが検知されて前記モータ制御手段による前記搬送モータの挿入方向の回転が開始された時点から前記クランプ検知手段により前記クランプが検知されるまでの時間を前記予め定めた区間搬送されるのにかかる時間として測定する
ことを特徴とする請求項1に記載の記録媒体再生装置。
【請求項3】
互いに接離自在に設けられかつ互いに近づく方向に付勢されると共に、前記挿排口から前記記録媒体が挿入されると当該記録媒体の外縁に接触して互いに離れる方向に移動した後、互いに近づく方向に移動する一対の検知ピンと、
前記一対の検知ピンが、互いの中心から小径記録媒体を挿入したときの前記一対の検知ピンの移動範囲内に設定された第1所定距離内に位置しているか否かを検知する第1位置検知手段と、
前記一対の検知ピンが、互いの中心から前記小径記録媒体を挿入したときの前記一対の検知ピンの移動範囲外であり、かつ、大径記録媒体を挿入したときの前記一対の検知ピンの移動範囲内に設定された第2所定距離内に位置しているか否かを検知する第2位置検知手段と、
前記第1位置検知手段及び前記第2位置検知手段による検知結果に基づいて前記記録媒体の径を判別する径判別手段と、
前記クランプ再生手段が前記記録媒体をクランプしたことを検知するクランプ検知手段と、をさらに備え、前記小径記録媒体及び前記大径記録媒体の双方の再生が可能な記録媒体再生装置において、
前記測定手段が、前記第1位置検知手段により前記一対の検知ピンが互いの中心から前記第1所定距離外にあることが検知された後、互いの中心から前記第1所定距離内にあることが検知された時点から前記クランプ検知手段により前記クランプが検知されるまでの時間を前記予め定めた区間搬送されるのにかかる時間として測定する
ことを特徴とする請求項1に記載の記録媒体再生装置。
【請求項4】
前記ゲイン設定手段が、基準ゲインに(前記測定手段が測定した時間)/(基準時間)を乗じた値を前記記録媒体の排出時における前記搬送モータのゲインとして設定する
ことを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の記録媒体再生装置。
【請求項5】
機器本体に設けた挿排口から記録媒体が挿入されると搬送モータを挿入方向に回転させて前記記録媒体をクランプ再生手段のクランプ位置まで搬送させ、排出操作に応じて前記搬送モータを排出方向に回転させて前記記録媒体を前記挿排口から排出させる記録媒体の挿排出方法において、
前記搬送モータが挿入方向に回転されている間に前記記録媒体が予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定し、
前記測定された時間に応じて前記記録媒体の排出時における前記搬送モータのゲインを設定し、
前記設定したゲインで前記搬送モータを排出方向に回転させる
ことを特徴とする記録媒体の挿排出方法。
【請求項6】
コンピュータに、機器本体に設けた挿排口から記録媒体が挿入されると搬送モータを挿入方向に回転させて前記記録媒体をクランプ再生手段のクランプ位置まで搬送させ、排出操作に応じて前記搬送モータを排出方向に回転させて前記記録媒体を前記挿排口から排出させる記録媒体の挿排出プログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記搬送モータが挿入方向に回転されている間に前記記録媒体が予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定し、
前記測定された時間に応じて前記記録媒体の排出時における前記搬送モータのゲインを設定し、
前記設定したゲインで前記搬送モータを排出方向に回転させる
ことを特徴とする記録媒体の挿排出プログラム。
【請求項1】
記録媒体を出し入れするための挿排口が設けられた機器本体と、
前記機器本体内に挿入された前記記録媒体をクランプして当該記録媒体を再生するクランプ再生手段と、
前記記録媒体を前記機器本体内外に出し入れするための搬送モータと、
前記挿排口から前記記録媒体が挿入されると前記搬送モータを挿入方向に回転させて前記記録媒体を前記クランプ再生手段のクランプ位置まで搬送させると共に、排出操作に応じて前記搬送モータを排出方向に回転させて前記記録媒体を前記挿排口から排出させるモータ制御手段と、を備えた記録媒体再生装置において、
前記モータ制御手段により前記搬送モータが挿入方向に回転させられている間に前記記録媒体が予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された時間に応じて前記記録媒体の排出時における前記搬送モータのゲインを設定するゲイン設定手段と、を備え
前記モータ制御手段が、前記ゲイン設定手段により設定されたゲインで前記搬送モータを排出方向に回転させる
ことを特徴とする記録媒体再生装置。
【請求項2】
前記記録媒体が前記挿排口から挿入されたことを検知する挿入検知手段と、
前記クランプ再生手段が前記記録媒体をクランプしたことを検知するクランプ検知手段と、をさらに備えた記録媒体再生装置において、
前記測定手段が、前記挿入検知手段により前記記録媒体が前記挿排口から挿入されたことが検知されて前記モータ制御手段による前記搬送モータの挿入方向の回転が開始された時点から前記クランプ検知手段により前記クランプが検知されるまでの時間を前記予め定めた区間搬送されるのにかかる時間として測定する
ことを特徴とする請求項1に記載の記録媒体再生装置。
【請求項3】
互いに接離自在に設けられかつ互いに近づく方向に付勢されると共に、前記挿排口から前記記録媒体が挿入されると当該記録媒体の外縁に接触して互いに離れる方向に移動した後、互いに近づく方向に移動する一対の検知ピンと、
前記一対の検知ピンが、互いの中心から小径記録媒体を挿入したときの前記一対の検知ピンの移動範囲内に設定された第1所定距離内に位置しているか否かを検知する第1位置検知手段と、
前記一対の検知ピンが、互いの中心から前記小径記録媒体を挿入したときの前記一対の検知ピンの移動範囲外であり、かつ、大径記録媒体を挿入したときの前記一対の検知ピンの移動範囲内に設定された第2所定距離内に位置しているか否かを検知する第2位置検知手段と、
前記第1位置検知手段及び前記第2位置検知手段による検知結果に基づいて前記記録媒体の径を判別する径判別手段と、
前記クランプ再生手段が前記記録媒体をクランプしたことを検知するクランプ検知手段と、をさらに備え、前記小径記録媒体及び前記大径記録媒体の双方の再生が可能な記録媒体再生装置において、
前記測定手段が、前記第1位置検知手段により前記一対の検知ピンが互いの中心から前記第1所定距離外にあることが検知された後、互いの中心から前記第1所定距離内にあることが検知された時点から前記クランプ検知手段により前記クランプが検知されるまでの時間を前記予め定めた区間搬送されるのにかかる時間として測定する
ことを特徴とする請求項1に記載の記録媒体再生装置。
【請求項4】
前記ゲイン設定手段が、基準ゲインに(前記測定手段が測定した時間)/(基準時間)を乗じた値を前記記録媒体の排出時における前記搬送モータのゲインとして設定する
ことを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の記録媒体再生装置。
【請求項5】
機器本体に設けた挿排口から記録媒体が挿入されると搬送モータを挿入方向に回転させて前記記録媒体をクランプ再生手段のクランプ位置まで搬送させ、排出操作に応じて前記搬送モータを排出方向に回転させて前記記録媒体を前記挿排口から排出させる記録媒体の挿排出方法において、
前記搬送モータが挿入方向に回転されている間に前記記録媒体が予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定し、
前記測定された時間に応じて前記記録媒体の排出時における前記搬送モータのゲインを設定し、
前記設定したゲインで前記搬送モータを排出方向に回転させる
ことを特徴とする記録媒体の挿排出方法。
【請求項6】
コンピュータに、機器本体に設けた挿排口から記録媒体が挿入されると搬送モータを挿入方向に回転させて前記記録媒体をクランプ再生手段のクランプ位置まで搬送させ、排出操作に応じて前記搬送モータを排出方向に回転させて前記記録媒体を前記挿排口から排出させる記録媒体の挿排出プログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記搬送モータが挿入方向に回転されている間に前記記録媒体が予め定めた区間搬送されるのにかかる時間を測定し、
前記測定された時間に応じて前記記録媒体の排出時における前記搬送モータのゲインを設定し、
前記設定したゲインで前記搬送モータを排出方向に回転させる
ことを特徴とする記録媒体の挿排出プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−198420(P2011−198420A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−65668(P2010−65668)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】
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