説明

記録媒体再生装置、記録媒体再生方法、及びコンピュータプログラム

【課題】最適な方式のレジューム再生を実行することができる記録媒体再生装置を提供する。
【解決手段】記録媒体再生装置100は、BD−ROM10から、コンテンツ及びBD−Jアプリケーションを読み取るピックアップ11と、BD−Jアプリケーションを実行してレジューム再生を実行可能なBD−Jアプリケーション実行部151と、BD−Jアプリケーションを起動せずに簡易レジューム再生を実行可能な簡易再生部152と、BD−Jアプリケーションがレジューム再生の機能を有するか否かを判断する再生制御部155とを備え、再生制御部155は、BD−Jアプリケーションがレジューム再生の機能を有すると判断した場合に、BD−Jアプリケーション実行部151にレジューム再生を実行させ、BD−Jアプリケーションがレジューム再生の機能を有しないと判断した場合に、簡易再生部152に簡易レジューム再生を実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、BD−ROMなどの記録媒体に記録されたデータを再生する記録媒体再生装置、記録媒体再生方法、及びコンピュータプログラムに関し、特に、記録媒体のレジューム再生を行う記録媒体再生装置、記録媒体再生方法、及びコンピュータプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、高画質、高音質で高度なインタラクティブ機能を有する情報を記録した大容量の記録媒体を再生する記録媒体再生装置(以下単に「再生装置」という。)が広く普及している。
【0003】
その中の代表的な再生装置が、ブルーレイディスク(BD:Blu−ray Disc、以下「BD」という。)の再生装置である。BDは、単層で25GB、2層で50GBの膨大なデータ容量を備えており、ハイビジョン画質の映画コンテンツを蓄積できる。このBDを用いた市販のパッケージソフトやレンタル用のパッケージソフトは、製造過程でデータが書き込まれ、追記や書き換えができない読み出し専用メディアであるBD−ROM(Blu−ray−Read−Only−Memory)として提供されている。
【0004】
このBD−ROMには、HDMVモードとBD−Jモードの二種類のフォーマットがある。HDMVモードは、従来のDVD−ROMのフォーマットの映像及び音声のコーデック仕様を拡張したものであり、高精細な映像や高品質のオーディオを蓄積し、再生できる。なお、HDMVモードのコンテンツ仕様は、DVD−ROMと同様である。一方、BD−Jモードは、HDMVモードに加えて、Java(登録商標)アプリケーション(以下、「BD−Jアプリケーション」という。)によって、映像を重ね合わせるなどのビジュアル的な表現を追加することができる。
【0005】
ここで、HDMVモードでは、コンテンツを再生している途中で再生を中止し、その後に再び再生を開始すると、前に再生が中止された位置から再生を再開することが可能である。以下、このように再生をいったん中止した後にその続きから再生を再開することを「レジューム再生」という。
【0006】
HDMVモードでは、コンテンツの再生途中で再生を中止する際に、再生装置において、中止した際の再生箇所を不揮発性メモリに記憶しておき、再度の再生の際には、不揮発性メモリから再生箇所を読み出して当該箇所から再生を再開することで、上述のようなレジューム再生を実現する。
【0007】
一方、BD−Jモードでは、上述のように、BD−Jアプリケーションによって再生が行われるため、上記のHDMVモードの場合と同様にしてレジューム再生をすることはできない。
【0008】
そのため、一部のBD−JモードのBD−ROMでは、BD−Jアプリケーションがレジューム再生をするために必要な情報を再生装置に保存する。再生の際には、再生装置がBD−Jアプリケーションを起動すると、BD−Jアプリケーションは再生装置に保存した情報を読み出して、レジューム再生を行う(例えば、特許文献1を参照)。以下、このようにBD−Jアプリケーションによって行うレジューム再生を「コンテンツレジューム再生」という。
【0009】
しかしながら、すべてのBD−JモードのBD−ROMのBD−Jアプリケーションが必ず上述のコンテンツレジューム再生の機能を有しているわけではなく、一部のBD−JモードのBD−ROMのBD−Jアプリケーションは、コンテンツレジューム再生の機能を有していない。
【0010】
このため、BD−JモードのBD−ROMのレジューム再生を可能とする再生装置として、再生を中止した際に、HDMVモードと同様にして停止箇所を不揮発性メモリに記憶し、再度の再生の際には、BD−Jアプリケーションを起動せずに、HDMVモードと同様にしてレジューム再生を行う再生装置も提案されている(例えば、特許文献2を参照)。以下、このようにBD−JモードのBD−ROMに対してもBD−Jアプリケーションを起動せずにHDMVと同様にして行うレジューム再生を「簡易レジューム再生」という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−193642号公報
【特許文献2】特開2010−33628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、再生の際には通常通りBD−Jアプリケーションを起動して、レジューム再生はBD−Jアプリケーションに委ねる再生装置によると、BD−ROMのBD−Jアプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有していない場合には、レジューム再生ができなくなってしまう。
【0013】
これに対して、簡易レジューム再生を行う再生装置では、BD−ROMのBD−Jアプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有しているか否かに関らず確実にレジューム再生をすることができるが、BD−Jアプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有しており、BD−Jアプリケーションによって再生してもレジューム再生が可能であるBD−ROMについても、BD−Jアプリケーションを起動せずにレジューム再生を行うことになる。その結果、BD−Jアプリケーションによって再生してもレジューム再生が可能であるBD−ROMについて、BD−Jアプリケーションに備わっている映像を重ね合わせるなどの他の機能を使用できなくなってしまう。
【0014】
なお、上述の問題は、コンテンツを記録した記録媒体にそのコンテンツを再生するための再生アプリケーションが記録されており、再生装置は再生アプリケーションを実行してコンテンツを再生でき、かつ、記録媒体のなかに、再生アプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有している記録媒体と再生アプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有していない記録媒体とが混在している状況において、同様に生じ得る。
【0015】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、記録媒体のなかに、再生アプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有している記録媒体と再生アプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有していない記録媒体とが混在している状況において、最適な方式のレジューム再生を実行することができる記録媒体再生装置、或いは、ユーザが最適な方式のレジューム再生を選択できる記録媒体再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記従来の課題を解決するために、本発明の記録媒体再生装置は、コンテンツ及び前記コンテンツを再生するための再生アプリケーションを記憶した記録媒体から、前記コンテンツ及び前記再生アプリケーションを読み取る読取部と、前記読取部で読み取られた前記再生アプリケーションを実行して前記コンテンツをレジューム再生させるコンテンツレジューム再生を実行可能な再生部と、前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有するか否かを判断する判断部とを備えた構成を有している。
【0017】
この構成により、判断部が、再生アプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有するか否かを判断するので、その判断の結果に基づいて、記録媒体再生装置は最適な方式のレジューム再生を実行することができ、或いは、ユーザは最適な方式のレジューム再生を選択して記録媒体再生装置に実行させることができる。
【0018】
また、上記の記録媒体再生装置は、前記判断部にて前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有すると判断された記憶媒体について、前記再生部に前記再生アプリケーションによる前記コンテンツレジューム再生を実行させる再生制御部をさらに備えた構成を有していてよい。
【0019】
この構成により、コンテンツレジューム再生の機能を有する記録媒体については、コンテンツレジューム再生を行なうことができる。
【0020】
また、上記の記録媒体再生装置において、前記再生部は、さらに、前記再生アプリケーションを起動せずに前記コンテンツをレジューム再生する簡易レジューム再生を実行可能であってよく、前記再生制御部は、前記判断部にて前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有しないと判断された記憶媒体について、前記再生部に前記簡易レジューム再生を実行させてよい。
【0021】
この構成により、コンテンツレジューム再生の機能を有する記録媒体については、コンテンツレジューム再生を行なうことができるとともに、コンテンツレジューム再生の機能を有しない記録媒体については、簡易レジューム再生を行なうことができるので、ユーザは、記録媒体がコンテンツレジューム再生の機能を有しているか否かを意識することなく、途中で再生を中止して、再開時には停止箇所からレジューム再生をでき、このときに、記録媒体がコンテンツレジューム再生の機能を有していれば、再生アプリケーションによる再生が可能になり、再生アプリケーションの機能を犠牲にすることがない。
【0022】
また、上記の記録媒体再生装置は、ユーザの入力を受け付ける入力受付部をさらに備えていてよく、前記再生制御部は、前記入力受付部が前記簡易レジューム再生を優先するためのユーザの入力を受け付けたときは、前記判断部にて前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有すると判断された記憶媒体についても、前記再生部に前記簡易レジューム再生を実行させてよい。
【0023】
この構成により、再生アプリケーションの機能を利用する必要がないとユーザが判断する場合には、再生アプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有していたとしも、簡易レジューム再生を行なうことができる。簡易レジューム再生の場合には、再生アプリケーションを起動する必要がないので、速やかにレジューム再生を行なうことができる。
【0024】
また、上記の記録媒体再生装置は、前記判断部にて前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有しないと判断された記憶媒体について、レジューム再生をしない旨の通知を表示させる表示制御部をさらに備えた構成を有していてよい。
【0025】
この構成により、ユーザは、レジューム再生ができないことを知ることができ、このとき、記録媒体再生装置に簡易レジューム再生の機能があれば、簡易レジューム再生を行なうことができ、簡易レジューム再生の機能がない場合には、レジューム再生を行なわずに通常通り先頭から再生をすることができる。
【0026】
また、上記の記録媒体再生装置において、前記再生部は、さらに、前記再生アプリケーションを起動せずに前記コンテンツをレジューム再生する簡易レジューム再生を実行可能であってよく、前記判断部にて前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有すると判断された場合に、前記コンテンツレジューム再生及び前記簡易レジューム再生を含むレジューム再生の方式の選択を前記ユーザから受け付け、前記判断部にて前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有しないと判断された場合に、前記コンテンツレジューム再生を除き前記簡易レジューム再生を含むレジューム再生の方式の選択を前記ユーザから受け付ける選択受付部と、前記選択受付部にて受け付けたレジューム再生の方式に従って、前記再生部にレジューム再生を実行させる再生制御部とをさらに備えた構成を有していてよい。
【0027】
この構成により、コンテンツレジューム再生の機能を有する記録媒体については、コンテンツレジューム再生を行なうことができるとともに、コンテンツレジューム再生の機能を有しない記録媒体については、ユーザの選択により簡易レジューム再生を行なうことができるので、ユーザは、記録媒体がコンテンツレジューム再生の機能を有しているか否かを意識することなく、再生途中で再生を中止して、再開時には停止箇所からレジューム再生をでき、このときに、記録媒体がコンテンツレジューム再生の機能を有していれば、再生アプリケーションによる再生が可能になり、再生アプリケーションの機能を犠牲にすることがない。また、再生アプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有している場合にも、再生アプリケーションの他の機能を利用する必要がない場合には、簡易レジューム再生を選択することで、再生アプリケーションを起動することなく停止箇所からの再生を速やかに再開できる。
【0028】
また、上記の記録媒体再生装置は、前記コンテンツレジューム再生を行うのに必要なレジューム情報を記録するための記憶部をさらに備えていてよく、前記判断部は、前記再生アプリケーションによって前記記憶部に前記レジューム情報が書き込まれる場合に、前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有すると判断してよい。
【0029】
この構成により、記録媒体再生装置が再生アプリケーションの内容を解析することにより再生アプリケーションがコンテンツレジュームの機能を有しているか否かを判断する必要はなく、記録媒体再生装置は、単にレジューム情報が記憶部に書き込まれるか否かを監視していれば再生アプリケーションがコンテンツレジュームの機能を有しているか否かを判断できる。
【0030】
また、上記の記録媒体再生装置において、前記判断部は、時間の情報が前記記憶部に書き込まれる場合に、前記レジューム情報が前記記憶部に書き込まれるとみなして、前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有すると判断してよい。
【0031】
レジューム再生をするためには、必ずレジューム情報として時間の情報が記憶部に書き込まれることになる。従って、時間の情報が記憶部に書き込まれるか否かを監視することで、再生アプリケーションの内容を解析することなく、再生アプリケーションがコンテンツレジュームの機能を有しているか否かを判断できる。
【0032】
また、上記の記録媒体再生装置において、前記判断部は、前記再生部が前記コンテンツの再生を中止する再生中止イベントが発生したときに、前記時間の情報が前記記憶部に書き込まれるか否かを判断してよい。
【0033】
この構成により、再生中止イベントが発生したタイミングで時間の情報の書き込みの有無を判断するので、レジューム情報として書き込んだのではない時間の情報をレジューム情報であると誤認識する可能性を低くできる。
【0034】
また、上記の記録媒体再生装置において、前記判断部は、前記再生部が前記コンテンツの再生を中止する再生中止イベントの発生に関わらず、前記時間の情報が前記記憶部に書き込まれるか否かを判断してよい。
【0035】
この構成により、時間の情報が書き込まれたときには、そのタイミングに関らずに、再生アプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有すると判断するので、時間の情報の書き込みを取り逃すことで再生アプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有することを判断できなくなるという可能性を低くできる。
【0036】
また、上記の記録媒体再生装置において、前記記録媒体には、前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有するか否かを示すレジューム機能有無情報が記録されていてよく、前記読取部は、前記記録媒体から前記レジューム機能有無情報を読み取り、前記判断部は、前記読取部にて読み取られた前記レジューム機能有無情報に基づいて、前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有するか否かを判断してよい。
【0037】
この構成により、記録媒体再生装置は、記録媒体に記録されたレジューム機能有無情報を参照するという簡単な処理で、再生アプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有するか否かを判断できる。
【0038】
また、上記の記録媒体再生装置において、前記再生アプリケーションは、前記コンテンツレジューム再生の機能の有無を通知する機能を有し、前記判断部は、前記再生アプリケーションによって前記コンテンツレジューム再生の機能の有無の通知を受けて、該通知に基づいて前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有するか否かを判断してよい。
【0039】
この構成により、記録媒体再生装置は、再生アプリケーションからの通知を受けてそれを参照するという簡単な処理で、再生アプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有するか否かを判断できる。
【0040】
また、上記の記録媒体再生装置は、前記コンテンツレジューム再生を行うのに必要なレジューム情報を記録するための記憶部と、前記再生制御部が前記再生部に前記簡易レジューム再生を実行させる場合に、前記記憶部に記憶された前記レジューム情報を消去するレジューム情報消去部とをさらに備えた構成を有していてよい。
【0041】
簡易レジューム再生は、本来ならば再生アプリケーションによってコンテンツを再生するところ、その再生アプリケーションを起動せずにHDMVモードと同様にして行なう再生である。よって、簡易レジューム再生を行なってコンテンツの再生がすべて終了すると、記録媒体再生装置は、通常の動作に戻って、再生アプリケーションを起動することになる。このときに、記憶部にレジューム情報が消去されずに残っていると、再生アプリケーションがそのレジューム情報に従ってコンテンツレジューム再生を行なうことになる。よって、簡易レジューム再生を実行する場合には再生アプリケーションによって書き込まれたレジューム情報を消去することで、上述のような重複したレジューム再生を防止することができる。
【0042】
また、上記の記録媒体再生装置は、前記コンテンツレジューム再生を行うのに必要なレジューム情報を、前記記録媒体を特定する情報とともに記録するための記憶部をさらに備えた構成を有していてよい。
【0043】
この構成により、第1の記録媒体についてコンテンツの再生が中止されてからその第1の記憶媒体がいったん記録媒体再生装置から取り出され、記録媒体再生装置が別の第2の記録媒体の再生を行なったとしても、再び第1の記録媒体を再生する際には、レジューム再生を行なうことができる。
【0044】
また、上記の記録媒体再生装置は、前記コンテンツレジューム再生を行うのに必要なレジューム情報を記録するための記憶部と、前記記録媒体が前記記録媒体再生装置から取り出されたときに、前記記録部に記録されている前記レジューム情報を消去するレジューム情報消去部とをさらに備えた構成を有していてよい。
【0045】
この構成により、記憶部に記録されたレジューム情報は、常に記録媒体再生装置に装填されている記録媒体のレジューム情報となり、レジューム情報に対して記録媒体を特定する情報を付加する必要がなくなる。
【0046】
本発明の別の態様は、記録媒体再生方法であって、この記録媒体再生方法は、コンテンツ及び前記コンテンツを再生するための再生アプリケーションを記憶した記録媒体から、前記コンテンツ及び前記再生アプリケーションを読み取る読取ステップと、前記再生アプリケーションが、前記再生アプリケーションによって前記コンテンツをレジューム再生するコンテンツレジューム再生の機能を有するか否かを判断する判断ステップとを含んでいる。
【0047】
この構成によっても、判断ステップにて、再生アプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有するか否かを判断するので、その判断の結果に基づいて、最適な方式のレジューム再生を実行することができ、或いは、ユーザが最適な方式のレジューム再生を選択することができる。
【0048】
また、上記の記録媒体再生方法は、前記判断ステップにて前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有すると判断された記憶媒体について、前記読取ステップで読み取られた前記再生アプリケーションを起動して、前記コンテンツレジューム再生を実行するコンテンツレジューム再生ステップをさらに含んでいてよい。
【0049】
この構成により、コンテンツレジューム再生の機能を有する記録媒体については、コンテンツレジューム再生を行なうことができる。
【0050】
また、上記の記録媒体再生方法は、前記判断ステップにて前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有しないと判断された記憶媒体について、前記再生アプリケーションを起動せずに前記コンテンツをレジューム再生する簡易レジューム再生を実行する簡易レジューム再生ステップをさらに含んでいてよい。
【0051】
この構成により、コンテンツレジューム再生の機能を有する記録媒体については、コンテンツレジューム再生を行なうことができるとともに、コンテンツレジューム再生の機能を有しない記録媒体については、簡易レジューム再生を行なうことができるので、ユーザは、記録媒体がコンテンツレジューム再生の機能を有しているか否かを意識することなく、途中で再生を中止して、再開時には停止箇所からレジューム再生をでき、このときに、記録媒体がコンテンツレジューム再生の機能を有していれば、再生アプリケーションによる再生が可能になり、再生アプリケーションの機能を犠牲にすることがない。
【0052】
上記の記録媒体再生方法は、前記判断ステップにて前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有すると判断した場合に、前記コンテンツレジューム再生含むレジューム再生の方式の選択をユーザから受け付ける第1の選択受付ステップと、前記判断ステップにて前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有しないと判断した場合に、前記コンテンツレジューム再生を除くレジューム再生の方式の選択をユーザから受け付ける第2の選択受付ステップと、前記第1の選択受付ステップ又は前記第2の選択受付ステップにて受け付けたレジューム再生の方式に従って、レジューム再生を実行する再生制御ステップとをさらに含んでいてよい。
【0053】
この構成によっても、コンテンツレジューム再生の機能を有する記録媒体については、コンテンツレジューム再生を行なうことができるとともに、コンテンツレジューム再生の機能を有しない記録媒体については、簡易レジューム再生を行なうことができるので、ユーザは、記録媒体がコンテンツレジューム再生の機能を有しているか否かを意識することなく、再生途中で再生を中止して、再開時には停止箇所からレジューム再生をでき、このときに、記録媒体がコンテンツレジューム再生の機能を有していれば、再生アプリケーションによる再生が可能になり、再生アプリケーションの機能を犠牲にすることがない。
【0054】
本発明の別の態様は、コンピュータプログラムであって、このコンピュータプログラムは、コンピュータに上記のいずれかの記録媒体再生方法を実行させる。
【発明の効果】
【0055】
本発明によれば、再生アプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有するか否かを判断するので、その判断の結果に基づいて、記録媒体再生装置は最適な方式のレジューム再生を実行することができ、或いは、ユーザは最適な方式のレジューム再生を選択して記録媒体再生装置に実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態における光ディスク再生装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態における光ディスク再生装置を含むAVシステムの構成を示す図
【図3】本発明の実施の形態におけるBD−ROMの構成を示す図
【図4】本発明の実施の形態におけるindex.bdmvファイルとタイトルの関係を示す図
【図5】本発明の実施の形態における再生中止イベント発生時の信号処理部の動作を示すフロー図
【図6】本発明の実施の形態における応用例1の再生再開時の信号処理部の動作を示すフロー図
【図7】本発明の実施の形態における応用例2の再生再開時の信号処理部の動作を示すフロー図
【図8】本発明の実施の形態における応用例2の変形例の再生再開時の信号処理部の動作を示すフロー図
【図9】本発明の実施の形態における応用例3の再生再開時の信号処理部の動作を示すフロー図
【図10】本発明の実施の形態におけるコンテンツレジューム再生が選択可能な選択画面の表示例を示す図
【図11】本発明の実施の形態におけるコンテンツレジューム再生が選択不可能な選択画面の表示例を示す図
【図12】本発明の実施の形態における応用例3の変形例の再生再開時の信号処理部の動作を示すフロー図
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。以下では、記録媒体が光ディスクであり、具体的には映画作品又は音楽ライブ映像などのAV(Audio−Visual)コンテンツのデータが記録されたBD−ROMであり、記録媒体再生装置がBD−ROMを再生可能な光ディスク再生装置である場合を例にして説明する。
【0058】
図1は、本実施の形態の再生装置の構成を示すブロック図であり、図2は、本実施の形態の光ディスク再生装置を含むAVシステムの構成を示す図である。まず、図2を参照して、本実施の形態の光ディスク再生装置を含むAVシステムの構成を説明する。AVシステム1は、光ディスク再生装置(以下単に「再生装置」という。)100のほか、BD−ROM10、リムーバブルメディア42、モニタ43、WWWサーバ44、及びリモコン45を含んで構成される。
【0059】
モニタ43は、再生装置100に接続されて、再生映像を出力する装置である。モニタ43は、ディスプレイ及びスピーカを含んでおり、映像及び音声を出力する。また、モニタ43は、ユーザに対してポップアップメニュー及びユーザインターフェースなどの操作メニューも表示する。
【0060】
リモコン45は、ユーザが再生装置100を遠隔的に操作するための装置である。ユーザがリモコン45に対して各種の操作入力を行うと、リモコン45は、赤外線を用いて入力信号を再生装置100に送信する。よって、ユーザは、リモコン45を使って視覚的にディスク再生装置100を操作することができる。なお、モニタ43の表示画面上にタッチパネル46を取り付けて、ユーザが操作できるようにしてもよい。
【0061】
再生装置100は、BD−ROM10を読み取って、そこに記録されたコンテンツを再生することができる。再生装置10はさらにリムーバブルメディア42に記録されたデータを読み取ることにより、そこに記録されたコンテンツを再生することもできる。ユーザは、リモコン45や再生装置100上のボタンを操作することで、BD−ROM10やリムーバブルメディア42に記録されたコンテンツの再生などすることができる。
【0062】
また、再生装置100は、インターネットを介してWWWサーバ44に接続されており、WWWサーバ44から各種のデータをダウンロードできる。
【0063】
図1は、本実施の形態の再生装置100の構成を示すブロック図である。図1には、BD−ROMも合せて示されている。以下、図1を参照して、光ディスク再生装置100の構成及びBD−ROM10について説明する。
【0064】
再生装置100は、ピックアップ11、サーボ12、ローカルストレージ13、ネットワークインターフェース14、及び信号処理部15を備えている。
【0065】
ピックアップ11は、所望のデータをBD−ROM10からデータを取得して、そのデータを信号処理部15に出力する。サーボ12は、ピックアップ11を制御する。サーボ12は、ピックアップ11を記録媒体の半径方向へ移動(シーク)させるとともに、記録媒体の軸方向への移動(フォーカス)を調整する。ピックアップ11は、本発明の読取部に相当する。
【0066】
ローカルストレージ13は、後述するコンテンツレジューム再生に必要な情報(以下、「レジューム情報」という。)を記憶するための不揮発性のメモリである。ローカルストレージ13に対しては、信号処理部15によって情報の書込み、読出し、消去が行なわれる。ローカルストレージ13は、本発明の記憶部に相当する。ネットワークインターフェース14は、ネットワーク上のWWWサーバ44等からデータをダウンロードする。
【0067】
信号処理部15は、ピックアップ11から出力されたデータ、ローカルストレージ13に保存されているデータ、ネットワークインターフェース14にてWWWサーバ44からダウンロードされたデータを処理する。信号処理部15は、これらのデータを処理して、モニタ43に出力することで、BD−ROM10に記録されたAVコンテンツなどを再生する。信号処理部15は、演算処理装置が所定のコンピュータプログラムを実行することで実現される。
【0068】
また、信号処理部15は、リモコン45からユーザの操作入力を受け付けて、その操作が受付可能かどうかを判断し、受付可能な場合はその操作入力に対応する処理を行う。信号処理部15はさらに、再生装置100に最初から組み込まれているユーザインターフェースをモニタ43に表示する機能も有する。
【0069】
信号処理部15は、BD−Jアプリケーション実行部151、簡易再生部152、データ処理部153、処理判断部154、再生制御部155、表示制御部156、及びユーザ操作受付部157を備えている。
【0070】
BD−Jアプリケーション実行部151は、BD−ROM10に記録されておりピックアップ11によって読み取られたBD−Jアプリケーションを実行する。BD−Jアプリケーションにコンテンツレジューム再生の機能がある場合には、BD−Jアプリケーション実行部151は、その機能に従ってコンテンツレジューム再生を行なう。
【0071】
簡易再生部152は、BD−Jアプリケーションを実行しないで、ピックアップ11によって読み取られたBD−ROM10のコンテンツを再生する。簡易再生部152は、レジューム再生を行なう場合には、簡易レジューム再生を行なう。簡易レジューム再生では、簡易再生部152は、BD−Jアプリケーションによらずに、ローカルストレージ13に記録されている停止箇所の記録に基づいて、当該停止箇所から再生を再開する。
【0072】
BD−Jアプリケーション実行部151及び簡易再生部152は、モニタ43に接続されており、モニタ43にコンテンツの出力を行なわせる。なお、BD−Jアプリケーション実行部151及び簡易再生部152は、本発明の再生部に相当する。
【0073】
データ処理部153は、ローカルストレージ13に対して、データの書込み、読出し、消去を行なう。BD−Jアプリケーション実行部151にてBD−Jアプリケーションが実行されているときは、データ処理部153は、そのBD−Jアプリケーションに従って、必要なデータをローカルストレージ13に対して書き込み、読み出し、又は消去する。データ処理部153は、また、再生制御部155による制御に基づいて、ローカルストレージ13に対するデータの書込み、読出し、消去を行う。
【0074】
処理判断部154は、データ処理部153の処理内容を判断する。具体的には、処理判断部154は、データ処理部153がローカルストレージ13に対してデータを書込み、又は読出しを行うときのデータの内容を識別する。処理判断部154は、特に、BD−Jアプリケーションが実行されているときに、データ処理部153によって、ローカルストレージ13に対して時間の情報が書き込まれたか否かを判断する。
【0075】
再生制御部155は、BD−Jアプリケーション実行部151によってBD−Jアプリケーションを起動させてコンテンツの再生を行なうか、簡易再生部152にBD−J合う理ケーションを起動せずにコンテンツの再生を行なわせるかを判断して、その判断に従って、BD−Jアプリケーション実行部151又は簡易再生部152を制御する。また、再生制御部155は、データ処理部153を制御して、データ処理部153に、ローカルストレージ13に対してデータの書込み、読出し、消去を行なわせる。
【0076】
表示制御部156は、モニタ43に接続されており、再生制御部155の制御に基づいて、モニタ43にユーザインターフェース等の所定の表示を行なわせる。ユーザ操作受付部157は、リモコン45からユーザの操作入力を受け付けて、その信号を再生制御部155に出力する。なお、ユーザ操作受付部157は、再生装置100に設けられたボタンやタッチパネル46よりユーザの操作入力を受けてもよく、再生装置100に接続されている機器から操作入力を受けてもよい。再生制御部155は、ユーザ操作受付部157にて受け付けたユーザ操作の入力に基づいて制御を行う。ユーザ操作部157は、本発明の入力受付部及び選択受付部に相当する。
【0077】
次に、BD−ROM10について説明する。図3は、BD−ROM10の構成を示す図である。上述のように、BD−ROM10には、映画作品又は音楽ライブ映像などのAV(Audio−Visual)コンテンツのデータが記録されている。
【0078】
BD−ROM10は、他の光ディスク、例えばDVD(Degital Versatile Disc)やCD(Compact Disc)などと同様に、その内周から外周に向けて螺旋状に記録領域を持ち、内周のリード・インと外周のリード・アウトの間に論理データを記録できる論理アドレス空間を有している。また、リード・インの内側にはBCA(Burst Cutting Area)と呼ばれる、ドライブでしか読み出せない特別な領域がある。この領域はアプリケーションからは読み出せないため、例えば著作権保護技術などに利用されている。
【0079】
論理アドレス空間は、ファイルシステム情報(ボリューム)を先頭に、映像データなどのアプリケーションデータが記録されている。ファイルシステムとは、UDFやISO9660などのことであり、通常のPCと同じように記録されている論理データをディレクトリ、ファイル構造を使って読み出すことが可能になっており、255文字のファイル名、ディレクトリ名を読み出すことが可能である。
【0080】
BD−ROM10のディスク上のディレクトリ及びファイル構成は、次のようになっている。ルートディレクトリ(ROOT)直下には、BDMVディレクトリとbd.certファイルが置かれている。BDMVディレクトリは、BD−ROM10で扱うAVコンテンツや管理情報などのデータが記録されているディレクトリである。bd.cert(ファイル名固定)は、仮想パッケージのために追加されたコンテンツをBD−ROM10上のデータとマージする際に、署名検証に用いられる証明書である。
【0081】
BDMVディレクトリの配下には、PLAYLISTディレクトリ、CLIPINFディレクトリ、STREAMディレクトリ、BDJOディレクトリ、JARディレクトリと呼ばれる5つのサブディレクトリが存在し、BDMVディレクトリには、index.bdmv、MovieObject.bdmvの2種類のファイルが配置されている。
【0082】
ここで、さらに詳しくindex.bdmv(ファイル名固定)について説明する。index.bdmvは、BD−ROM10全体に関する管理情報であり、映画作品のプロバイダを特定する識別子であるorganizationID(32bit)や、プロバイダが提供するBD−ROM10のそれぞれに割り当てられた識別子であるdiscID(128bit)等の情報を持ち、再生装置100のへのディスク挿入後に、index.bdmvが最初に読み出されることで、再生装置100においてディスクが一意に認識される。加えて、index.bdmvにはBD−ROM10において再生可能となる複数のタイトルと、個々のタイトルを規定するBD−Jオブジェクトとを対応付けて示すテーブルが含まれる。
【0083】
次に、拡張子“bdjo”が付与されたファイルについて説明する。拡張子“bdjo”が付与されたファイルは、BD−Jオブジェクトを格納したファイルである。BD−Jオブジェクトは、PlayList情報により示されるAVストリームと、アプリケーションとの関連付けにより、タイトルを定義する情報である。BD−Jオブジェクトは、アプリケーション管理テーブル(AMT)と、そのタイトルにおいて再生可能なPlayList一覧を示す。
【0084】
アプリケーション管理テーブルとは、アプリケーションシグナリングを実現するテーブルである。アプリケーションシグナリングとは、BD−ROM10におけるタイトルをアプリケーションの生存区間として管理し、アプリケーションの起動及び終了を司る制御をいう。ここで生存区間とは、BD−ROM10に記録されたコンテンツ全体の時間軸において、仮想マシンのヒープメモリ上でアプリケーションが生存し得る区間を示す。「生存」とは、そのアプリケーションが、ヒープメモリに読み出され、仮想マシンによる実行が可能になっている状態をいう。
【0085】
アプリケーション管理テーブルは、アプリケーションの識別子(アプリケーションID)とそのアプリケーションに属するJava(登録商標)アーカイブファイルのIDを羅列することでこのタイトルを生存区間とするアプリケーションを示す。つまり、一つのアプリケーションは一つ以上のJava(登録商標)アーカイブファイルで構成される。
【0086】
このようにBD−Jオブジェクト内のアプリケーション管理テーブルによって、セクタが管理されるJava(登録商標)アプリケーションを、「BD−Jアプリケーション」と呼ぶ。BD−Jアプリケーションは、本発明の再生アプリケーションに相当する。
【0087】
図4は、index.bdmvファイルとタイトルの関係を示す図である。タイトルとは、アプリケーションとAVストリームを組にした再生単位であり、index.bdmvファイルにはディスク上のタイトル構成が記載されており、ディスク上の各タイトルと、対応するアプリケーション(BD−JモードタイトルであればBD−Jアプリケーション、HDMVモードタイトルであればシナリオプログラム)の参照関係を管理している。
【0088】
また、特殊なタイトルとして「First Playback」と「TopMenu」が存在する。「First Playback」は、BD起動時に最初に自動的に再生されるタイトルである。主に、BDの利用規約表示などに用いられる。「TopMenu」はリモコンのメニューキーを押したときやタイトル再生が終了したときに再生され、主にタイトルの選択や、字幕/音声の言語選択を行うことに用いられる。
【0089】
次に、BD−ROM10のコンテンツを再生している途中で再生が中止されるときの処理について説明する。コンテンツを再生している途中で再生が中止される状況とは、再生中止イベントが発生する状況であり、再生中止イベントには、再生の停止が指示されること、再生中に電源OFFが指示されること、再生中にメニュータイトルへの移行が指示されること、再生中や一時停止中にBD−ROM10が再生装置100から取り出されること、一時停止の状態で所定の時間が経過したことにより再生装置100がスリープ状態になること等が含まれる。
【0090】
BD−Jアプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有している場合には、再生中止イベントが発生すると、BD−Jアプリケーションは、データ処理部153に対してコンテンツレジューム情報をローカルストレージ13に書き込むよう指示する。ここで、上述のように、再生装置100では、BD−Jアプリケーションがコンテンツレジューム再生機能を有しているか否かは直接には把握できない。しかしながら、BD−Jアプリケーションがコンテンツレジューム再生を行う場合には、再生中止イベントが発生した際に再生していた位置を特定するための情報が必要になる。
【0091】
タイトル番号の情報があれば、レジューム再生の際に、タイトルの先頭から再生できる。タイトル番号に追加してさらにチャプタ番号があれば、そのタイトルのチャプタの先頭等から再生することができるが、再生を中止する前とまったく同じ位置から再生することはできない。再生を中止する前とまったく同じ位置からレジューム再生をするためには、時間の情報が必要になると考えられる。換言すれば、時間の情報がなければ、レジューム再生はできない。
【0092】
そこで、本実施の形態では、レジューム再生をするには必ず時間の情報が必要であることに着目し、BD−Jアプリケーションによって、データ処理部153に対して、ローカルストレージ13に時間の情報を書き込むよう指示されたか否かを判断する。すなわち、データ処理部153がローカルストレージ13に時間の情報を書き込む場合に、レジューム情報がローカルストレージ13に書き込まれるとみなして、BD−Jアプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有すると判断する。この判断は、処理判断部154がデータ処理部153の処理を監視することで行う。
【0093】
図5は、再生中止イベント発生時の信号処理部15の動作を示すフロー図である。再生中止イベントが発生すると(ステップS51)、処理判断部154は、データ処理部153がローカルストレージ13に書き込もうとしている書込み情報の中に時間の情報があるか否かを判断する(ステップS52)。時間の情報があるときは(ステップS52にてYES)、処理判断部154は、データ処理部153に対して、ローカルストレージ13にレジューム状態として、コンテンツレジューム再生機能があることを記録させる(ステップS53)。
【0094】
そして、データ処理部153は、BD−Jアプリケーションによって指示された書込み情報をローカルストレージ13に書き込む(ステップS54)。なお、処理判断部154が判断した結果、書込み情報に時間の情報がないと判断した場合には、データ処理部153は、そのままBD−Jアプリケーションによって指示された書込み情報をローカルストレージ13に書き込む(ステップS54)。
【0095】
なお、再生中止イベントが発生した場合には、再生制御部155もデータ処理部153に指示をして、簡易レジューム情報として、時間の情報、オーディオ番号の情報、字幕番号の情報等を書き込むよう指示する。データ処理部153は、BD−Jアプリケーションによる指示とは別に、再生制御部155の指示に従って、BD−Jアプリケーションによって時間の情報を書き込むアドレスとは別のアドレスに、再生中止イベントが発生した際の簡易レジューム情報を書き込む。
【0096】
これは、上述のように、再生制御部155は、BD−Jアプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有しているか否かを直接判断することはできないので、仮にBD−Jアプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有していない場合には、再生制御部155が指示をして書き込んだ簡易レジューム情報を用いて簡易レジューム再生をすることができるし、BD−Jアプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有している場合にも、ユーザが簡易レジューム再生を望む場合には、簡易レジューム再生をできるようにするためである。
【0097】
なお、再生制御部155は、処理判断部154が判断した結果、書込み情報に時間の情報がないと判断した場合にのみ、データ処理部153に指示をして簡易レジューム情報をローカルストレージ13に書き込むよう指示してもよい。
【0098】
また、再生制御部155は、再生中止イベントが発生した際に、BD−Jアプリケーションとは別にデータ処理部153に対して簡易レジューム情報を書き込ませる指示をしなくてもよい。この場合は、BD−Jアプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有していれば、コンテンツレジューム再生が可能であるし、BD−Jアプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有していなければ、再生を中止した位置でのレジューム再生を行わないことになる。なお、後者の場合にも、再生を中止した際に、BD−Jアプリケーションがそのときのタイトル又はチャプタの情報をローカルストレージ13に保存していれば、当該タイトル又はチャプタからの再生の再開は可能となる。
【0099】
なお、再生中止の状況が発生した際に、再生制御部155がBD−Jアプリケーションとは別にデータ処理部153に対して簡易レジューム情報を書き込ませる指示をしない場合であって、かつ、図5のフローのステップS52にて時間の情報が書き込まれていないと判断された場合には、再生中止イベントが発生した際に、再生制御部155は、表示制御部156を制御して、モニタ43にレジューム再生を行わないことを通知する表示をさせて、ユーザに注意喚起してもよい。
【0100】
このような注意喚起により、ユーザは、現在の再生位置を記憶しておくことで、再生を再開する場合には、自らその再生位置から再生を再開するように再生装置100を操作することができる。さらに、注意喚起とともに、再生を中止するか否かを再度ユーザに問い合わせて、その問い合わせに対してユーザからさらに再生中止の操作入力を受けた場合に、再生を中止するようにしてもよい。
【0101】
また、上述のコンテンツレジューム情報及び簡易レジューム情報には、BD−ROM10を特定する情報を付加してもよい。BD−ROM10を特定する情報を付加することで、BD−ROM10が再生装置100から取り出されて、再び再生装置100に挿入された際にも、そのBD−ROM10に対してレジューム再生を行うことができる。
【0102】
また、コンテンツレジューム情報及び簡易レジューム情報に、BD−ROM10を特定する情報を付加しなくてもよい。この場合には、BD−ROM10が再生装置100から取り出される場合には、再生制御部155がデータ処理部153に指示をして、コンテンツレジューム情報及び簡易レジューム情報をローカルストレージ13から消去させる。このとき、データ処理部153は、本発明のレジューム情報消去部として機能する。
【0103】
このように、コンテンツレジューム情報及び簡易レジューム情報にBD−ROM10を特定する情報を付加しない場合において、BD−ROM10が再生装置100から取り出されるときにコンテンツレジューム情報及び簡易レジューム情報をローカルストレージ13から消去することで、新たに再生装置100に装填されたBD−ROM10に対して、他のBD−ROM10のレジューム情報に従ってレジューム再生が行われることを防止できる。
【0104】
以上説明したように、本実施の形態の再生装置100は、再生中止イベントが発生した際に、データ処理部153がBD−Jアプリケーションの指示に従ってローカルストレージ13に時間の情報を書き込むか否かによって、そのBD−Jアプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有するか否かを判断する。再生の際には、この判断結果を応用して、最適な再生が可能である。この判断結果には、複数の応用例がある。以下、順に説明する。
【0105】
(応用例1:コンテンツレジューム再生機能の有無を通知する例)
図6は、応用例1による再生再開時のフロー図である。応用例1は、再生中止イベントが発生した際に、再生制御部155がデータ処理部153に対して簡易レジューム情報を記録させないタイプの再生装置100、すなわち、簡易レジューム再生の機能を有しない、又は簡易レジューム再生の機能が無効化されている再生装置100における応用例である。この場合には、コンテンツレジューム再生ができなければ、レジューム再生ができないことになる。
【0106】
再生制御部155は、BD−ROM10が装填された状態でユーザ操作受付部157より再生の指示を受けると、ローカルストレージ13を参照して、そのBD−ROM10にコンテンツレジューム再生の機能があるか否かを判断する(ステップS61)。コンテンツレジューム再生の機能があることを示す情報がない場合には(ステップS61にてNO)、再生制御部155は、表示制御部156を制御して、モニタ43に、ディスクの先頭から再生を開始すること、又はレジューム再生をしないことを通知する表示をさせる(ステップS62)。
【0107】
ローカルストレージ13に、そのBD−ROM10にコンテンツレジューム再生の機能があることを示す情報がある場合には(ステップS61にてYES)、再生制御部155は、BD−Jアプリケーション実行部151にBD−Jアプリケーションを起動させ、ローカルストレージ13に、そのBD−ROM10にコンテンツレジューム再生の機能があることを示す情報がない場合には、上述のように表示をさせた上でBD−Jアプリケーション実行部151にBD−Jアプリケーションを起動させる(ステップS63)。
【0108】
ステップS63では、そのBD−ROM10にコンテンツレジューム再生の機能がある場合には、BD−Jアプリケーションによってコンテンツレジューム再生が行われ、そのBD−ROM10にコンテンツレジューム再生の機能がない場合には、BD−Jアプリケーションが実行されてもコンテンツレジューム再生が行われない。
【0109】
(応用例2:コンテンツレジューム再生機能がない場合に簡易レジューム再生行う例)
図7は、応用例2による再生再開時のフロー図である。応用例2は、再生中止の状況が発生した際に、再生制御部155がデータ処理部153に対して簡易レジューム情報を記録させるタイプの再生装置100、すなわち、有効な簡易レジューム再生の機能を有する再生装置100における応用例である。この場合には、コンテンツレジューム再生ができない場合にも、簡易レジューム再生をすることができる。
【0110】
再生制御部155は、BD−ROM10が装填された状態でユーザ操作受付部157より再生の指示を受けると、ローカルストレージ13を参照して、そのBD−ROM10にコンテンツレジューム再生の機能があるか否かを判断する(ステップS71)。コンテンツレジューム再生の機能があることを示す情報がある場合には(ステップS71にてYES)、再生制御部155は、BD−Jアプリケーション実行部151にBD−Jアプリケーションを起動させる。これにより、BD−Jアプリケーションはコンテンツレジューム再生を行う(ステップS72)。
【0111】
コンテンツレジューム再生の機能があることを示す情報がない場合には(ステップS71にてNO)、再生制御部155は、BD−Jアプリケーション実行部151にBD−Jアプリケーションを起動させることなく、簡易再生部152にレジューム再生を行わせる。簡易再生部152は、ローカルストレージ13に保存された簡易レジューム情報を利用して、簡易レジューム再生を行う(ステップS73)。
【0112】
応用例2の変形例として、コンテンツレジューム再生の機能があることを示す情報がない場合に、ユーザに対して、BD−Jアプリケーションを起動しない簡易レジューム再生を行うか、レジューム再生をせずにBD−Jアプリケーションによって通常の再生を行うかを問うてもよい。
【0113】
図8は、この変形例のフロー図である。図8において、図7と同じ処理には同じステップ番号を付してある。ステップS71にてローカルストレージ13にコンテンツレジューム再生の機能があることを示す情報がない場合には(ステップS71にてNO)、ユーザに簡易レジューム再生を行うか否かを選択させる(ステップS84)。
【0114】
このとき、再生制御部155は、表示制御部156を制御して、モニタ43に、簡易レジューム再生を行うか否かの選択をするための表示をさせる。ユーザは、リモコンを操作することで、簡易レジューム再生を行うか否かの選択操作を行うことができる。この選択操作の入力は、ユーザ操作受付部157にて受信されて、再生制御部155に出力される。このとき、ユーザ操作受付部157は、本発明の選択受付部として機能する。
【0115】
ユーザによって簡易レジューム再生が選択されると(ステップS84にてYES)、再生制御部155は、簡易再生部152に簡易レジューム再生を行わせる(ステップS73)。ユーザによって通常再生が選択されると(ステップS84にてNO)、再生制御部155は、BD−Jアプリケーション実行部151にBD−Jアプリケーションを起動させる。この場合には、BD−Jアプリケーションにはコンテンツレジューム再生の機能がないので、通常の再生が行われる(ステップS85)。
【0116】
以上のように、応用例2によれば、BD−Jアプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有する場合には、コンテンツレジューム再生を行なうことができるとともに、BD−Jアプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有しない場合には、簡易レジューム再生を行なうことができるので、ユーザは、BD−ROM10がコンテンツレジューム再生の機能を有しているか否かを意識することなく、途中で再生を中止して、再開時には停止箇所からレジューム再生をでき、このときに、BD−ROM10がコンテンツレジューム再生の機能を有していれば、BD−Jアプリケーションによる再生が可能になり、BD−Jアプリケーションの機能を犠牲にすることがない。
【0117】
(応用例3:レジューム再生の方式をユーザに選択させる例)
応用例1及び応用例2では、BD−Jアプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有する場合には自動的にBD−Jアプリケーションを起動させてコンテンツレジューム再生を行った。応用例3では、BD−Jアプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有する場合にも、ユーザが簡易レジューム再生やBD−Jアプリケーションを起動するがコンテンツレジューム再生を行なわない通常再生を選択できるようにする。
【0118】
図9は、応用例3による再生再開時のフロー図である。再生制御部155は、BD−ROM10が装填された状態でユーザ操作受付部157より再生の指示を受けると、ローカルストレージ13を参照して、そのBD−ROM10にコンテンツレジューム再生の機能があるか否かを判断する(ステップS91)。そして、再生制御部155は、表示制御部156を制御して、モニタ43に、レジューム再生の方式を選択するための表示をさせることで、レジューム再生の方式をユーザに選択させる(ステップS92)。
【0119】
ユーザは、リモコン45を操作することで、いずれかの方式のレジューム再生を選択する選択操作を行うことができる。この選択操作の入力は、ユーザ操作受付部157にて受信されて、再生制御部155に出力される。このとき、ユーザ操作受付部157は、本発明の選択受付部として機能する。
【0120】
ステップS92においてレジューム再生の方式をユーザに選択される際に、ステップS91においてそのBD−ROM10にコンテンツレジューム再生の機能があると判断されている場合は、コンテンツレジューム再生を含み、さらに簡易レジューム再生、通常再生(レジューム再生なし)を含むレジューム再生の方式を選択可能にユーザに提示して、それらのいずれかを選択させる。
【0121】
図10は、この場合の選択画面の表示例である。ユーザは、この選択画面において、コンテンツレジューム再生ボタン、簡易レジューム再生ボタンか、通常再生ボタンのいずれかを指示することで、レジューム再生の方式を選択することができる。
【0122】
一方、ステップS92においてレジューム再生の方式をユーザに選択される際に、ステップS91においてそのBD−ROM10にコンテンツレジューム再生の機能がないと判断されている場合は、コンテンツレジューム再生を除くレジューム再生の方式、すなわち簡易レジューム再生か、通常再生(レジューム再生なし)かを選択可能にユーザに提示して、それらのいずれかを選択させる。
【0123】
図11は、この場合の選択画面の表示例である。この選択画面では、コンテンツレジューム再生、簡易レジューム再生、及び通常再生のボタンが表示されるが、コンテンツレジューム再生は選択できない。具体的には、コンテンツレジューム再生ボタンにカーソルが移動しないようにしてもよいし、コンテンツレジューム再生ボタンが指示されたときに、コンテンツレジューム再生ができない旨の警告を表示してもよい。
【0124】
ステップS92にてユーザがコンテンツレジューム再生を選択すると、再生制御部155は、BD−Jアプリケーション実行部151にBD−Jアプリケーションを起動させる。BD−Jアプリケーションは、ローカルストレージ13に保存されているコンテンツレジューム情報に基づいて、コンテンツレジューム再生を行う(ステップS93)。
【0125】
ステップS92にてユーザが簡易レジューム再生を選択すると、再生制御部155は、簡易再生部152に簡易レジューム再生を行わせる(ステップS94)。この場合のように、コンテンツレジューム情報がローカルストレージ13に保存されているにもかかわらず簡易レジューム再生を行う場合には、データ処理部153は、ローカルストレージ13に保存されているコンテンツレジューム情報を消去する(ステップS96)。このとき、データ処理部153は、本発明のレジューム情報消去部として機能する。
【0126】
このようにコンテンツレジューム情報がローカルストレージ13に保存されているにもかかわらず簡易レジューム再生を行う場合にコンテンツレジューム情報を消去するのは、以下の理由による。すなわち、再生制御部155は、簡易レジューム再生が終了すると、通常通りBD−Jアプリケーション実行部151にBD−Jアプリケーションを起動させる。このときに、コンテンツレジューム情報が残っていると、BD−Jアプリケーションは、そのコンテンツレジューム情報に従って、コンテンツレジューム再生を行ってしまう。すなわち、連続して同じ位置からレジューム再生が行なわれることになる。よって、コンテンツレジューム情報がローカルストレージ13に保存されているにもかかわらず簡易レジューム再生を行う場合には、ローカルストレージ13からコンテンツレジューム情報を消去することで、このような連続したレジューム再生を回避する。
【0127】
ステップS92にてユーザが通常再生を選択すると、再生制御部155は、データ処理部153に指示をして、ローカルストレージ13に保存されたコンテンツレジューム情報を消去させた上で、BD−Jアプリケーション実行部151にBD−Jアプリケーションを起動させる。BD−Jアプリケーション実行部151がBD−Jアプリケーションを起動すると、このとき、すでにローカルストレージ13のコンテンツレジューム情報は消去されているので、BD−Jアプリケーションは、通常通り、コンテンツレジューム再生を行わない再生を行う(ステップS95)。
【0128】
以上のように、応用例3によっても応用例2と同様に、BD−Jアプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有する場合には、コンテンツレジューム再生を行なうことができるとともに、BD−Jアプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有しない場合には、簡易レジューム再生を行なうことができる。
【0129】
また、応用例3によれば、BD−Jアプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有する場合にも、あえて簡易レジューム再生を選択することができる。簡易レジューム再生では、BD−Jアプリケーションを起動する必要がないので、前回の再生中止位置から速やかに再生を再開できるという利点がある。さらに、応用例3によれば、BD−Jアプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有する場合にも、コンテンツレジューム再生を行なわない通常再生を選択することができる。
【0130】
なお、上記の応用例3の説明では、再生装置100が簡易レジューム再生の機能を有することを前提として説明をした。以下では、再生装置100が簡易レジューム再生の機能を有しない場合を応用例3の変形例として説明する。
【0131】
図12は、この変形例のフロー図である。BD−ROM10が装填された状態でユーザ操作受付部157より再生の指示を受けると、ローカルストレージ13を参照して、そのBD−ROM10にコンテンツレジューム再生の機能があるか否かを判断する(ステップS121)。ローカルストレージ13にコンテンツレジューム再生の機能があることを示す情報がない場合には(ステップS121にてNO)、再生制御部155は、BD−Jアプリケーション実行部151にBD−Jアプリケーションを起動させる。このとき、コンテンツレジューム情報がないので、BD−Jアプリケーションは、コンテンツレジューム再生を行なわない通常再生を行う(ステップS123)。
【0132】
ステップS121にてローカルストレージ13にコンテンツレジューム再生の機能があることを示す情報がある場合には(ステップS121にてYES)、ユーザにコンテンツレジュームを行うか否かを選択させる(ステップS122)。ユーザがコンテンツレジューム再生を行うことを選択しなかった場合には(ステップS122にてNO)、再生制御部155は、データ処理部153にローカルストレージ13に保存されているコンテンツレジューム情報を消去させた上で、BD−Jアプリケーション実行部151にBD−Jアプリケーションを起動させる。
【0133】
BD−Jアプリケーション実行部151がBD−Jアプリケーションを起動すると、このとき、すでにローカルストレージ13のコンテンツレジューム情報は消去されているので、BD−Jアプリケーションは、コンテンツレジューム再生を行わない通常再生を行う(ステップS123)。
【0134】
ユーザがコンテンツレジューム再生を行うことを選択した場合には(ステップS122にてYES)、再生制御部155は、BD−Jアプリケーション実行部151にBD−Jアプリケーションを起動させる。このとき、BD−Jアプリケーションは、ローカルストレージ13に保存されているコンテンツレジューム情報に基づいて、コンテンツレジューム再生を行なう(ステップS124)。
【0135】
このように、応用例3の変形例によれば、BD−Jアプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有する場合にも、通常再生を選択することができる。
【0136】
以上のように、本発明の実施形態によれば、処理判断部154が、BD−Jアプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有するか否かを判断するので、その判断の結果に基づいて、再生装置100は最適な方式のレジューム再生を実行することができる。あるいは、処理判断部154が、BD−Jアプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有するか否かを判断するので、ユーザは最適な方式のレジューム再生を選択して再生装置100に実行させることができる。
【0137】
仮に再生装置100が処理判断部154を有しておらず、BD−Jアプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有しているか否かを判断しない場合において、コンテンツレジューム再生が可能なものについてコンテンツレジューム再生を行なおうとすれば、再生装置100は、すべてのBD−ROMについて、BD−Jアプリケーションを起動して再生を行なうことになる。そうすると、BD−Jアプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有していない場合には、レジューム再生は行なわれないことになる。従って、すべてのBD−ROMについて確実にレジューム再生を行なおうとすれば、すべてのBD−ROMについてBD−Jアプリケーションを起動せずに、簡易レジューム再生を行なわなければならない。
【0138】
これに対して、上記の実施の形態の再生装置100では、装填されたBD−ROM10について、コンテンツレジューム再生が可能であるか否かを判断するので、その判断結果に基づいて、コンテンツレジューム再生が可能である場合にはBD−Jアプリケーションを起動し、不可能である場合には簡易レジューム再生を行なうことができる。なお、コンテンツレジューム再生が可能である場合にも、ユーザの指示に基づいて簡易レジューム再生を行なえるようにしてもよいことは、上記で説明したとおりである。
【0139】
なお、上記の実施の形態では、処理判断部154がデータ処理部153の処理を監視し、特に、再生中止イベントが発生した際にデータ処理部153がローカルストレージ13に時間の情報を書き込むか否かによって、BD−Jアプリケーションがコンテンツレジューム情報をローカルストレージ13に保存しており、即ちBD−Jアプリケーションがコンテンツレジューム再生の機能を有するか否かを判断した。しかし、コンテンツレジューム再生の機能の有無を判断する方法はこれに限られない。
【0140】
例えば、BD−Jアプリケーションが、コンテンツレジューム再生を行なうことを再生装置100に通知する機能を有していてもよい。この場合には、データ処理部153は、BD−Jアプリケーションのそのような通知機能に従って、ローカルストレージ13に、当該BD−ROM10がコンテンツレジューム再生の機能を有することを示す情報を保存する。
【0141】
また、BD−ROM10に、コンテンツレジューム再生を行なうことを示す情報が記録されていてもよい。この場合には、ピックアップ11が、再生制御部155の指示に従って、当該コンテンツレジューム再生を行なうことを示す情報をBD−ROM10から読み出して、データ処理部153が、再生制御部155の指示に従って、当該コンテンツレジューム再生を行なうことを示す情報をローカルストレージ13に保存する。また、BD−ROM10から読み出したコンテンツレジューム再生を行なうことを示す情報を処理判断部154に記憶しておき、必要なときにその情報を元にコンテンツレジューム再生を行ない、又はコンテンツレジューム再生が可能であることを認識してもよい。
【0142】
なお、上記の実施の形態では、処理判断部154は、再生中止イベントが発生したときに、データ処理部153がローカルストレージ13に時間の情報を記録しているか否かを判断したが、処理判断部154は、再生中止イベントの有無に関らず、常に、データ処理部153の処理を監視して、データ処理部153がローカルストレージ13に時間の情報を書き込む場合に、それをコンテンツレジューム情報であるとみなして、ローカルストレージ13に当該BD−ROM10がコンテンツレジューム再生の機能を有することを示す情報を書き込むようにしてもよい。
【0143】
また、上記の実施の形態では、処理判断部154は、データ処理部153がローカルストレージ13に時間の情報を書き込む場合に、それをコンテンツレジューム情報であるとみなして、ローカルストレージ13に当該BD−ROM10がコンテンツレジューム再生の機能を有することを示す情報を書き込んだが、コンテンツレジューム再生の機能を有することを示す情報を再生装置に保存しておかなくてもよい。コンテンツレジューム再生の機能を有することを示す情報が再生装置に保存されていない場合には、再生開始前にローカルストレージ13に時間の情報が保存されているか否かを調べ、時間の情報が保存されている場合には、それをコンテンツレジューム情報であるとみなして、コンテンツレジューム再生を行ない、又はコンテンツレジューム再生が可能であると認識してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0144】
以上のように、本発明は、記録媒体再生装置は最適な方式のレジューム再生を実行することができ、或いは、ユーザは最適な方式のレジューム再生を選択して記録媒体再生装置に実行させることができるという効果を有し、BD−ROMなどの記録媒体に記録されたデータを再生する記録媒体再生装置等として有用である。
【符号の説明】
【0145】
10 BD−ROM
11 ピックアップ
12 サーボ
13 ローカルストレージ
14 ネットワークインターフェース
15 信号処理部
151 BD−Jアプリケーション実行部
152 簡易再生部
153 データ処理部
154 処理判断部
155 再生制御部
156 表示制御部
157 ユーザ操作受付部
42 リムーバブルメディア
43 モニタ
44 WWWサーバ
45 リモコン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ及び前記コンテンツを再生するための再生アプリケーションを記憶した記録媒体から、前記コンテンツ及び前記再生アプリケーションを読み取る読取部と、
前記読取部で読み取られた前記再生アプリケーションを実行して前記コンテンツをレジューム再生させるコンテンツレジューム再生を実行可能な再生部と、
前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有するか否かを判断する判断部と、
を備えたことを特徴とする記録媒体再生装置。
【請求項2】
前記判断部にて前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有すると判断された記憶媒体について、前記再生部に前記再生アプリケーションによる前記コンテンツレジューム再生を実行させる再生制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の記録媒体再生装置。
【請求項3】
前記再生部は、さらに、前記再生アプリケーションを起動せずに前記コンテンツをレジューム再生する簡易レジューム再生を実行可能であり、
前記再生制御部は、前記判断部にて前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有しないと判断された記憶媒体について、前記再生部に前記簡易レジューム再生を実行させる
ことを特徴とする請求項2に記載の記録媒体再生装置。
【請求項4】
ユーザの入力を受け付ける入力受付部をさらに備え、
前記再生制御部は、前記入力受付部が前記簡易レジューム再生を優先するためのユーザの入力を受け付けたときは、前記判断部にて前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有すると判断された記憶媒体についても、前記再生部に前記簡易レジューム再生を実行させる
ことを特徴とする請求項3に記載の記録媒体再生装置。
【請求項5】
前記判断部にて前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有しないと判断された記憶媒体について、レジューム再生をしない旨の通知を表示させる表示制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の記録媒体再生装置。
【請求項6】
前記再生部は、さらに、前記再生アプリケーションを起動せずに前記コンテンツをレジューム再生する簡易レジューム再生を実行可能であり、
前記判断部にて前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有すると判断された場合に、前記コンテンツレジューム再生及び前記簡易レジューム再生を含むレジューム再生の方式の選択を前記ユーザから受け付け、前記判断部にて前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有しないと判断された場合に、前記コンテンツレジューム再生を除き前記簡易レジューム再生を含むレジューム再生の方式の選択を前記ユーザから受け付ける選択受付部と、
前記選択受付部にて受け付けたレジューム再生の方式に従って、前記再生部にレジューム再生を実行させる再生制御部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の記録媒体再生装置。
【請求項7】
前記コンテンツレジューム再生を行うのに必要なレジューム情報を記録するための記憶部をさらに備え、
前記判断部は、前記再生アプリケーションによって前記記憶部に前記レジューム情報が書き込まれる場合に、前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有すると判断する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の記録媒体再生装置。
【請求項8】
前記判断部は、時間の情報が前記記憶部に書き込まれる場合に、前記レジューム情報が前記記憶部に書き込まれるとみなして、前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有すると判断することを特徴とする請求項7に記載の記録媒体再生装置。
【請求項9】
前記判断部は、前記再生部が前記コンテンツの再生を中止する再生中止イベントが発生したときに、前記時間の情報が前記記憶部に書き込まれるか否かを判断することを特徴とする請求項8に記載の記録媒体再生装置。
【請求項10】
前記判断部は、前記再生部が前記コンテンツの再生を中止する再生中止イベントの発生に関わらず、前記時間の情報が前記記憶部に書き込まれるか否かを判断することを特徴とする請求項8に記載の記録媒体再生装置。
【請求項11】
前記記録媒体には、前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有するか否かを示すレジューム機能有無情報が記録されており、
前記読取部は、前記記録媒体から前記レジューム機能有無情報を読み取り、
前記判断部は、前記読取部にて読み取られた前記レジューム機能有無情報に基づいて、前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有するか否かを判断する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の記録媒体再生装置。
【請求項12】
前記再生アプリケーションは、前記コンテンツレジューム再生の機能の有無を通知する機能を有し、
前記判断部は、前記再生アプリケーションによって前記コンテンツレジューム再生の機能の有無の通知を受けて、該通知に基づいて前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有するか否かを判断する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の記録媒体再生装置。
【請求項13】
前記コンテンツレジューム再生を行うのに必要なレジューム情報を記録するための記憶部と、
前記再生制御部が前記再生部に前記簡易レジューム再生を実行させる場合に、前記記憶部に記憶された前記レジューム情報を消去するレジューム情報消去部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の記録媒体再生装置。
【請求項14】
前記コンテンツレジューム再生を行うのに必要なレジューム情報を、前記記録媒体を特定する情報とともに記録するための記憶部をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の記録媒体再生装置。
【請求項15】
前記コンテンツレジューム再生を行うのに必要なレジューム情報を記録するための記憶部と、
前記記録媒体が前記記録媒体再生装置から取り出されたときに、前記記録部に記録されている前記レジューム情報を消去するレジューム情報消去部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の記録媒体再生装置。
【請求項16】
コンテンツ及び前記コンテンツを再生するための再生アプリケーションを記憶した記録媒体から、前記コンテンツ及び前記再生アプリケーションを読み取る読取ステップと、
前記再生アプリケーションが、前記再生アプリケーションによって前記コンテンツをレジューム再生するコンテンツレジューム再生の機能を有するか否かを判断する判断ステップと、
を含むことを特徴とする記録媒体再生方法。
【請求項17】
前記判断ステップにて前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有すると判断された記憶媒体について、前記読取ステップで読み取られた前記再生アプリケーションを起動して、前記コンテンツレジューム再生を実行するコンテンツレジューム再生ステップをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の記録媒体再生方法。
【請求項18】
前記判断ステップにて前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有しないと判断された記憶媒体について、前記再生アプリケーションを起動せずに前記コンテンツをレジューム再生する簡易レジューム再生を実行する簡易レジューム再生ステップをさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の記録媒体再生方法。
【請求項19】
前記判断ステップにて前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有すると判断した場合に、前記コンテンツレジューム再生含むレジューム再生の方式の選択をユーザから受け付ける第1の選択受付ステップと、
前記判断ステップにて前記再生アプリケーションが前記コンテンツレジューム再生の機能を有しないと判断した場合に、前記コンテンツレジューム再生を除くレジューム再生の方式の選択をユーザから受け付ける第2の選択受付ステップと、
前記第1の選択受付ステップ又は前記第2の選択受付ステップにて受け付けたレジューム再生の方式に従って、レジューム再生を実行する再生制御ステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の記録媒体再生方法。
【請求項20】
コンピュータに、請求項16ないし請求項19のいずれか一項に記載の記録媒体再生方法を実行させるためのコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−181892(P2012−181892A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44104(P2011−44104)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】