説明

記録媒体再生装置、記録媒体再生方法、記録媒体再生プログラムおよび記録媒体再生プログラムを格納した記録媒体

【課題】メニューから直接タイトルに遷移することができないように構成されている記録媒体でも自動再生を行うことができる記録媒体再生装置、記録媒体再生方法、記録媒体再生プログラムおよび記録媒体再生プログラムを格納した記録媒体を提供する。
【解決手段】再生制御部5で、表示されているメニュー内のボタンのナビゲーションコマンドを解析してタイトル遷移コマンドおよびPGC遷移コマンド、PG遷移コマンド、セル遷移コマンドを抽出し、タイトル遷移コマンドがあった場合は、そのナビゲーションコマンドを実行し、タイトル遷移コマンドがなくPGC遷移コマンドまたはPG遷移コマンドまたはセル遷移コマンドがあった場合は、それらを実行してメニューから遷移して再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メニュー画面を表示して操作されることで再生が行われる光ディスクなどの記録媒体を再生する記録媒体再生装置、記録媒体再生方法、記録媒体再生プログラムおよび記録媒体再生プログラムを格納した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばDVD(Digital Versatile Disc)などの映像コンテンツが格納されている記録媒体では、そのコンテンツの再生に当該記録媒体に格納されているメニュー画面を表示してユーザがそのメニューを操作することで再生が行われるように作成されているものが多い。
【0003】
この種の記録媒体、例えばDVDでは、メニュー操作を行わなければならないために、ユーザから見ると煩わしく感じることがあった。特に車載の再生装置では、走行中にメニューの操作を行うことを極力少なくすることが望ましい。
【0004】
このような問題に対して、例えば特許文献1に記載されたディスク再生装置や特許文献2に記載されたビデオコンテンツ記憶媒体の再生装置が提案されている。
【0005】
特許文献1に記載されたビデオコンテンツ記憶媒体の再生装置は、車両に搭載された状態において、車両が走行中であるかどうかを検出して、車両が走行中であることを検出している期間中は、タイトルメニュー用のPGCIとPTTメニュー用のPGCIを求めて、タイトルメニューテーブルと、PTTメニューテーブルを作成し、タイトルメニューテーブルには、タイトルメニュー用PGC内のVOBUのNV_PACKのPCIのBTN_CMDに設定されていたタイトル再生用のナビゲーションコマンドを、重複するものを除き全て登録して、タイトルメニューテーブルにタイトル再生用のナビゲーションコマンドが登録されたタイトルを再生対象タイトルとして決定する。そして、決定した再生対象タイトルのタイトル再生順を、予め設定した再生順ルールに従い決定して自動再生を行うことが記載されている。
【0006】
特許文献2に記載されたディスク再生装置は、タイトルメニューに含まれる各項目を順番に選択して、各項目の内容を自動的に再生している。いずれかの項目に対応した内容の再生が終了すると、システムコントローラは、再生動作が終了した項目を識別するデータを内蔵RAMに格納し、未再生項目の有無判定に使用することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許4059784号公報
【特許文献2】特開2000−156023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載されたビデオコンテンツ記憶媒体の再生装置は、ナビゲーションコマンドのうちタイトル再生用のナビゲーションコマンドのみを抽出しているが、DVDの場合、必ずしもメニューから直接タイトルに遷移するとは限らず、例えばメニューから別の映像を表示後タイトルを再生する場合や、別のメニューに遷移してそこで再度選択することでタイトルを再生する場合もある。これは例えば、別のPGCに遷移し、そのPGC内のボタンコマンドまたはプリコマンドやポストコマンドにタイトル再生用のナビゲーションコマンドを設定することによりすることで実現されるが、このような場合、最初のメニューにはタイトルに遷移するナビゲーションコマンドが無いため、特許文献1の方法では自動再生を行うことができない。この対策として、例えば、予めディスク内を全てサーチしてタイトル再生用のナビゲーションコマンドを全て抽出した上で自動再生することも考えられるが、抽出に時間がかかり自動再生するまでの待機時間が多くなってしまうため現実的ではない。
【0009】
また、特許文献2についても、タイトルメニューに含まれるいずれかの項目に対応した内容の再生することが記載されているのみであり、どのようにしてメニュー内の項目を選択するかについては記載されていない。そのため、上述した問題は何ら示唆されてなく考慮もされていない。
【0010】
そこで、本発明は、例えば、メニューから直接タイトルに遷移することができないように構成されている記録媒体でも自動再生を行うことができる記録媒体再生装置、記録媒体再生方法、記録媒体再生プログラムおよび記録媒体再生プログラムを格納した記録媒体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の記録媒体再生装置は、少なくとも映像情報とその映像情報の再生制御を行うコマンドとを含む再生単位から構成されるコンテンツと、前記再生単位から構成され、その再生単位にユーザからの操作を受け付けるためのボタンが含まれそのボタンの動作を規定するコマンドを含むメニューと、が記録された記録媒体を再生する再生手段を備えた記録媒体再生装置において、再生されている前記メニュー内の前記ボタンの動作を規定する前記コマンドを解析して前記メニューから前記コンテンツに遷移するコマンドおよび別の前記再生単位に遷移するコマンドを抽出する解析手段と、前記解析手段が解析した結果、前記コンテンツに遷移するコマンドが抽出された場合は、当該前記コンテンツに遷移するコマンドを実行し、前記コンテンツに遷移するコマンドが抽出されず別の前記再生単位に遷移するコマンドが抽出された場合は、当該別の前記再生単位に遷移するコマンドを実行するように制御して前記再生手段に再生させる自動再生制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載の記録媒体再生方法は、少なくとも映像情報とその映像情報の再生制御を行うコマンドとを含む再生単位から構成されるコンテンツと、前記再生単位から構成され、その再生単位にユーザからの操作を受け付けるためのボタンが含まれそのボタンの動作を規定するコマンドを含むメニューと、が記録された記録媒体を再生する記録媒体再生方法において、再生されている前記メニュー内の前記ボタンの動作を規定する前記コマンドを解析して前記メニューから前記コンテンツに遷移するコマンドおよび別の前記再生単位に遷移するコマンドを抽出し、前記解析した結果、前記コンテンツに遷移するコマンドが抽出された場合は、当該前記コンテンツに遷移するコマンドを実行し、前記コンテンツに遷移するコマンドが抽出されず別の前記再生単位に遷移するコマンドが抽出された場合は、当該別の前記再生単位に遷移するコマンドを実行するように制御して再生することを特徴としている。
【0013】
請求項6に記載の記録媒体再生プログラムは、少なくとも映像情報とその映像情報の再生制御を行うコマンドとを含む再生単位から構成されるコンテンツと、前記再生単位から構成され、その再生単位にユーザからの操作を受け付けるためのボタンが設けられそのボタンの動作を規定するコマンドを含むメニューと、が記録された記録媒体を再生する再生手段としてコンピュータを機能させる記録媒体再生プログラムにおいて、再生されている前記メニュー内の前記ボタンの動作を規定する前記コマンドを解析して前記メニューから前記コンテンツに遷移するコマンドおよび別の前記再生単位に遷移するコマンドを抽出する解析手段と、前記解析手段が解析した結果、前記コンテンツに遷移するコマンドが抽出された場合は、当該前記コンテンツに遷移するコマンドを実行し、前記コンテンツに遷移するコマンドが抽出されず別の前記再生単位に遷移するコマンドが抽出された場合は、当該別の前記再生単位に遷移するコマンドを実行するように制御して前記再生手段に再生させる自動再生制御手段と、して前記コンピュータを機能させることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施例にかかる記録媒体再生装置のブロック図である。
【図2】DVDのデータ構造の説明図である。
【図3】本実施例で対象とする遷移系コマンドの説明図である。
【図4】図1に示された記録媒体再生装置の自動でボタンを選択、決定する処理を示したフローチャートである。
【図5】図2に示されたフローチャートのボタンを選択、決定処理を示したフローチャートである。
【図6】図5に示されたフローチャートのタイトル遷移系コマンド選択処理を示したフローチャートである。
【図7】図6に示されたフローチャートのボタン選択処理を示したフローチャートである。
【図8】図5に示されたフローチャートのPGC遷移系コマンド選択処理を示したフローチャートである。
【図9】図5に示されたフローチャートのPG遷移系コマンド選択処理を示したフローチャートである。
【図10】図5に示されたフローチャートのセル遷移系コマンド選択処理を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態にかかる記録媒体再生装置を説明する。本発明の一実施形態にかかる記録媒体再生装置は、解析手段で、再生されているメニュー内のボタンの動作を規定するコマンドを解析してメニューからコンテンツに遷移するコマンドおよび別の再生単位に遷移するコマンドを抽出し、自動再生制御手段では、解析手段が解析した結果、コンテンツに遷移するコマンドが抽出された場合は、当該コンテンツに遷移するコマンドを実行し、コンテンツに遷移するコマンドが抽出されず別の再生単位に遷移するコマンドが抽出された場合は、当該別の再生単位に遷移するコマンドを実行するように制御して再生手段に再生させるので、メニューに再生単位に遷移するコマンド(タイトル再生用コマンド)が無い場合でも、他のメニューに遷移するコマンドを実行することで、その遷移先で再生単位に遷移するコマンドを検出することができる。そのため、どのようなメニュー構成の記録媒体でも自動再生が停止することなく実行することができる。
【0016】
また、自動再生制御手段が、複数の同じコンテンツに遷移するコマンドまたは別の再生単位に遷移するコマンドが抽出された場合は、当該コマンドに指定される再生単位に付加されている番号の昇順に実行するようにしてもよい。このようにすることにより、同じコマンドが抽出された場合は、再生単位に付与されている番号の昇順に自動再生を行うことができる。
【0017】
また、自動再生制御手段が、別の再生単位に遷移するコマンドのうち、データ構造の大きな再生単位に遷移するコマンドから優先的に実行するようにしてもよい。このようにすることにより、例えばDVDであれば、PGC、PG、CELLと再生単位が規定されている中でPGC間の遷移を最優先にすることができる。再生単位を遷移すればタイトル再生用コマンドが出現する可能性が出てくるが、PGやセルなどのメニューが規定されているPGC内での遷移よりも、他のPGCに遷移するほうがよりタイトルに近づくことができる(タイトル再生用コマンドが出現しやすい)ため、構成単位の大きなメニューに遷移するコマンドを最優先とする。
【0018】
また、解析手段が解析を行う前に予め定めた所定時間待機させる待機手段を備えてもよい。このようにすることにより、ユーザが操作するための猶予を与えることができ、また、自動再生に切り替えなどの操作をせずに所定時間待機後には自動再生を行うことができる。
【0019】
また、本発明の一実施形態にかかる記録媒体再生装置は、再生されているメニュー内のボタンの動作を規定するコマンドを解析してメニューからコンテンツに遷移するコマンドおよび別の再生単位に遷移するコマンドを抽出し、その解析した結果、コンテンツに遷移するコマンドが抽出された場合は、当該コンテンツに遷移するコマンドを実行し、コンテンツに遷移するコマンドが抽出されず別の再生単位に遷移するコマンドが抽出された場合は、当該別の再生単位に遷移するコマンドを実行するように制御して再生するので、メニューに再生単位に遷移するコマンド(タイトル再生用コマンド)が無い場合でも、他のメニューに遷移するコマンドを実行することで、その遷移先で再生単位に遷移するコマンドを検出することができる。そのため、どのようなメニュー構成の記録媒体でも自動再生が停止することなく実行することができる。
【0020】
また、本発明の一実施形態にかかる記録媒体再生プログラムは、解析手段で、再生されているメニュー内のボタンの動作を規定するコマンドを解析してメニューからコンテンツに遷移するコマンドおよび別の再生単位に遷移するコマンドを抽出し、自動再生制御手段では、解析手段が解析した結果、コンテンツに遷移するコマンドが抽出された場合は、当該コンテンツに遷移するコマンドを実行し、コンテンツに遷移するコマンドが抽出されず別の再生単位に遷移するコマンドが抽出された場合は、当該別の再生単位に遷移するコマンドを実行するように制御して再生手段に再生させるので、メニューに再生単位に遷移するコマンド(タイトル再生用コマンド)が無い場合でも、他のメニューに遷移するコマンドを実行することで、その遷移先で再生単位に遷移するコマンドを検出することができる。そのため、どのようなメニュー構成の記録媒体でも自動再生が停止することなく実行することができる。
【0021】
また、上述した記録媒体再生プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよい。このようにすることにより、記録媒体プログラムを機器に組み込む以外に単体でも流通させることができ、バージョンアップ等も容易に行える。
【実施例】
【0022】
本発明の一実施例にかかる記録媒体再生装置としてのDVDプレーヤ1を図1乃至図3を参照して説明する。記録媒体装置としてのDVDプレーヤ1は図3に示すように、ユーザ操作制御部4と、再生制御部5と、光ピックアップ6と、フロントエンド部7と、バックエンド部8と、DAC9と、スピーカ10と、ディスプレイドライバ11と、ディスプレイ12と、を備えている。
【0023】
ユーザ操作制御部4は、例えば図示しないリモートコントローラ(リモコン)などの操作手段からのボタン押下通知などの操作信号を再生部5に出力する。
【0024】
解析手段、自動再生制御手段としての再生制御部5は、ユーザ操作制御部4からの操作信号およびDVD14から読み出されたナビゲーションコマンドに基づいてフロントエンド部7に対してディスク情報読み取り要求や再生開始要求およびバックエンド部8のデコード設定などを行う。
【0025】
光ピックアップ6は、フロントエンド部7の制御によりDVD14に対してレーザ光を照射してその反射光を電気信号に変換してフロントエンド部7に出力する。光ピックアップ6は図示しないレーザダイオードや対物レンズを搭載したアクチュエータやレンズやプリズムなどから構成される光学系を備えている。
【0026】
フロントエンド部7は、サーボなどの光ピックアップ6の制御や、DVD14から読み出されたナビゲーションコマンドやコンテンツ情報としてのAVデータ(映像、音声)をそれぞれ再生部5とバックエンド部8へ出力する。
【0027】
バックエンド部8は、フロントエンド部7から入力されたAVデータをデコードしてAVデータストリームに変換して音声をDAC9、映像をディスプレイドライバ11に出力する。なお、フロントエンド部7とバックエンド部8の間またはフロントエンド部やバックエンド部8に振動などで再生が途切れないようにするためのデータを保持するメモリを備えてもよい。そして、上述した光ピックアップ6、フロントエンド部7、バックエンド部8で再生手段を構成している。
【0028】
DAC9は、バックエンド部8から入力された音声をデジタル/アナログ変換してスピーカ10から外部に出力する。
【0029】
ディスプレイドライバ11は、バックエンド部8から入力された映像をディスプレイ12に表示する形式に変換してディスプレイ12に出力する。
【0030】
ディスプレイ12は、例えば液晶ディスプレイなどで構成され、ディスプレイドライバ11から入力された映像データ(タイトルやメニュー等)を表示する。
【0031】
次に、上述した構成のDVDプレーヤ1で再生される記録媒体としてのDVD14(DVD−Video)のデータ構造について図2を参照して説明する。
【0032】
DVD−Videoは、メニューと複数のタイトルから構成されている。詳細にはこのメニューはビデオマネージャ(VMG)、タイトルはビデオタイトルセット(VTS)に含まれる。
【0033】
メニューやタイトルは、整数個のプログラムチェーン(PGC)から構成されている。PGCは、PGCインフォメーション(PGCI)とビデオオブジェクトセット(VOBS)から構成されている。PGCIはPCGを制御するためのナビゲーションデータが含まれ、プリコマンド、ポストコマンドといったナビゲーションコマンドが含まれている。VOBSは例えば映画などのコンテンツ自体またはメニュー表示時に再生される映像等のデータである。PGCは、1つ以上のプログラム(PG)から構成されている。PGは通常はチャプタの単位に分割されることが多い。また、PGは1つ以上のセルから構成されている。本実施形態では、PGC、PG、セルが再生単位に相当し、タイトルがコンテンツに相当する。また、本発明における映像とは、映画などのコンテンツそのもの以外にメニューを構成する静止画像や動画像など、再生時に表示される映像全てを含む。
【0034】
VOBSは整数個のビデオオブジェクト(VOB)を含み、VOBは整数個のセルが含まれる。1つのセルには整数個のVOBユニット(VOBU)が含まれる。VOBUはDVD−Videoにおけるデータパケットの最小単位であり、NV_PCK、V_PCK、A_PCK、SP_PCKから構成されていている。NV_PCKはナビゲーションパックと呼ばれ、VOBU毎のデータの管理情報が記録されている。V_PCKはビデオデータ、A_PCKは音声データ、SP_PCKはサブピクチャデータがそれぞれ記録されている。
【0035】
NV_PCKは、パックヘッダ、システムヘッダ、パケットヘッダ、sub_stream_id、プレゼンテーションコントロールインフォメーション(PCI)データ、パケットヘッダ、sub_stream_id、データサーチインフォメーション(DSI)データから構成されている。このうち、パケットヘッダ、sub_stream_id、PCIデータの並びの部分はPCIパケットと呼ばれている。
【0036】
PCIデータは、PCI_GI、NSML_AGLI、HLI、RECIが含まれ、HLIには、HL_GI、BTN_COLIT、BTNITが含まれ、BTNITにはBTNI#1〜BTNI#nが含まれている。このBTNI#1がメニュー内の一つのボタンが定義される情報であり、ボタンの数によってn個が定義できる。
【0037】
BTNI#1には、BTN_POSI、AJBTN_POSI、BTN_CMDが含まれ、このBTN_CMDに当該ボタンを操作された際の動作を規定したナビゲーションコマンドを設定する。
【0038】
次に、DVD−Videoで用いられるナビゲーションコマンドのうち、本実施例で対象とするタイトルやPGC、PG、セルへ遷移するコマンドを図3を参照して説明する。
【0039】
図3に示したように遷移系のコマンドは、タイトル遷移系コマンド(タイトル再生用のナビゲーションコマンド)、PGC遷移系コマンド、PG遷移系コマンド、セル遷移系コマンドに大きく分けられる。タイトル遷移系コマンドとしては、JumpTT、JumpVTS_TTN、JumpVTS_PTTNがあり、JumpTTは指定されたタイトルへサーチ(遷移)するコマンド、JumpVTS_TTNが現在のVTS内の指定されたタイトルへサーチするコマンド、JumpVTS_PTTNが現在のVTS内の指定されたタイトルのチャプタをサーチするコマンドである。
【0040】
また、JumpTTはVMGに含まれ、タイトルメニューが設定されるVMGマネージャ(VMGM)とDVD14の再生開始時に最初に再生すべきPGCであるファーストプレイプログラムチェーン(FP_PGC)で有効なコマンドであり、JumpVTS_TTNとJumpVTS_PTTNはVTSに含まれ、ルートメニュー、音声メニュー、字幕メニュー、アングルメニュー、チャプタメニューなどが設定されるVTSマネージャ(VTSM)とタイトル内で有効なコマンドであり、JumpTTとJumpVTS_TTN、JumpVTS_PTTNとは共存しない。
【0041】
PGC遷移系コマンドとしては、LinkPGCN、LinkTopPGC、LinkNextPGC、LinkGoUpPGC、LinkTailPGCがあり、LinkPGCNは指定されたPGCの再生を行うコマンド、LinkTopPGCは現在のPGCの先頭から再生を行うコマンド、LinkNextPGCは現在のPGCの次のPGCの再生を行うコマンド、LinkGoUpPGCはPGCIに記載されているGoUp_PGCNで指定されたPGCの再生を行うコマンド、LinkTailPGCは現在のPGCのポストコマンド・フェーズへ移行(ポストコマンドの実行)するコマンドである。また、これらのコマンドはVMGMとVTSMとタイトル内で有効なコマンドである。
【0042】
PG遷移系コマンドとしては、LinkPGN、LinkTopPG、LinkNextPG、LinkPrevPGがあり、LinkPGNは現PGC内の指定されたPGの再生を行うコマンド、LinkTopPGは現在PG先頭の再生を行うコマンド、LinkNextPGは現PGC内の次のPGの再生を行うコマンド、LinkPrevPGは現PGC内の前のPGの再生を行うコマンドである。また、これらのコマンドはVMGMとVTSMとタイトル内で有効なコマンドである。
【0043】
セル遷移系コマンドとしては、LinkCN、LinkTopC、LinkNextC、LinkPrevCがあり、LinkCNは現PGC内で指定されたセルの再生を行うコマンド、LinkTopCは現セル先頭の再生を行うコマンド、LinkNextCは現セルの次のセルの再生を行うコマンド、LinkPrevCは現セルの前のセルの再生を行うコマンドである。また、これらのコマンドはVMGMとVTSMとタイトル内で有効なコマンドである。
【0044】
次に、上述した構成のDVDプレーヤ1で上述した構成のDVD14(DVD−Video)を自動でボタンを選択、決定して再生する際の動作を図4ないし図10のフローチャートを参照して説明する。図4ないし図10に示したフローチャートは再生制御部5で実行される。
【0045】
まず、図4のフローチャートを説明する。図4は自動でボタンを選択、決定する処理(勿論決定後は決定されたコマンドに従って再生が行われる)を示したフローチャートである。
【0046】
まず、ステップS101において、現在再生しているデータがメニューであるか否かを判断し、メニューである場合はステップS102に進み、メニュー以外である場合は自動でボタンを選択、決定する処理を終了する。現在再生しているデータがメニューであるか否かは、当該データの再生位置がメニューに相当する領域(VMGMやVTSMなど)か否かで判断する。
【0047】
次に、ステップS102において、当該メニューにボタンがあるか否かを判断し、ボタンがある場合はステップS103に進み、ボタンが無い場合は自動でボタンを選択、決定する処理を終了する。
【0048】
次に、ステップS103において、ユーザの操作が無く予め定めた指定時間が経過したか否かを判断し、経過した場合はステップS104に進み、未経過の場合は本ステップで待機する。本実施例は、自動再生がいきなり行われるのではなく、ユーザが操作する時間を設けてその時間を経過した場合には、自動再生を行うように構成され、本ステップは、そのユーザが操作する猶予を与えるために解析を行う前に予め定めた所定時間待機させている。なお、予め定めた指定時間が経過したか否かは、再生制御部5内にタイマを設けて計時すればよい。
【0049】
次に、ステップS104において、ナビゲーションコマンド解析処理を行ってステップS105に進む。ナビゲーションコマンドの解析処理は現在表示しているメニューのBTN_CMDに記載されているナビゲーションコマンドを抽出する処理である。
【0050】
次に、ステップS105において、ボタン選択および決定処理を行って自動でボタンを選択、決定する処理を終了する。ボタン選択および決定処理を図5のフローチャートに示す。
【0051】
図5のフローチャートのステップS201において、ステップS104において抽出したナビゲーションコマンドに本フローチャートで処理の対象とするコマンドがあるか否かを判断し、ある場合はステップS202に進み、無い場合はボタン選択および決定処理を終了する。本フローチャートで処理の対象とするコマンドとは図3に示したタイトル遷移系コマンド、PGC遷移系コマンド、PG遷移系コマンド、セル遷移系コマンドである。
【0052】
次に、ステップS202において、タイトル遷移系コマンドがあるか否かを判断し、ある場合はステップS203に進み、無い場合はステップS205に進む。
【0053】
次に、ステップS203において、タイトル遷移系コマンド選択処理を行ってステップS204に進む。タイトル遷移系コマンド選択処理は図6のフローチャートに示すが説明は後述する。
【0054】
次に、ステップS204において、ステップS203の結果、選択可能なボタンがあるか否かを判断し、ある場合はステップS213に進み、無い場合はステップS205に進む。
【0055】
次に、ステップS205において、PGC遷移系コマンドがあるか否かを判断し、ある場合はステップS206に進み、無い場合はステップS208に進む。
【0056】
次に、ステップS206において、PGC遷移系コマンド選択処理を行ってステップS207に進む。PGC遷移系コマンド選択処理は図8のフローチャートに示すが説明は後述する。
【0057】
次に、ステップS207において、ステップS206の結果、選択可能なボタンがあるか否かを判断し、ある場合はステップS213に進み、無い場合はステップS208に進む。
【0058】
次に、ステップS208において、PG遷移系コマンドがあるか否かを判断し、ある場合はステップS209に進み、無い場合はステップS211に進む。
【0059】
次に、ステップS209において、PG遷移系コマンド選択処理を行ってステップS210に進む。PG遷移系コマンド選択処理は図9のフローチャートに示すが説明は後述する。
【0060】
次に、ステップS210において、ステップS209の結果、選択可能なボタンがあるか否かを判断し、ある場合はステップS213に進み、無い場合はステップS211に進む。
【0061】
次に、ステップS211において、セル遷移系コマンド選択処理を行ってステップS212に進む。セル遷移系コマンド選択処理は図10のフローチャートに示すが説明は後述する。
【0062】
次に、ステップS212において、ステップS211の結果、選択可能なボタンがあるか否かを判断し、ある場合はステップS213に進み、無い場合はステップS215に進む。
【0063】
ステップS213においては、ステップS204、S207、S210で選択可能とされたボタンの実行履歴を更新、つまり、未実行から実行に更新してステップS214に進む。この実行履歴は、再生制御部5の内部メモリなどに記憶し、本ステップや後述するステップS215を実行する毎に更新する。
【0064】
次に、ステップS214において、ステップS204、S207、S210で選択可能とされたボタンのナビゲーションコマンドを実行してボタン選択および決定処理を終了する。
【0065】
ステップS215においては、ボタン実行履歴をクリアしてステップS202に戻る。本ステップでは当該メニュー内の全ボタンが実行済みであるのでクリアしている。以後は再度各ボタンの選択および実行を行う。
【0066】
図5のフローチャートで説明したように、タイトル遷移系コマンドがない場合は、PGC遷移系コマンドの選択処理を行い、PGC遷移系コマンドがない場合は、PG遷移系コマンドの選択処理を行い、PG遷移系コマンドがない場合は、セル遷移系コマンドの選択処理を行う。即ち、コンテンツに遷移するコマンドが抽出された場合は、当該コンテンツに遷移するコマンドを実行し、コンテンツに遷移するコマンドが抽出されず別の再生単位に遷移するコマンドが抽出された場合は、当該別の再生単位に遷移するコマンドを実行している。また、図5のフローチャートのように動作させることで、PGC、PG、セルがデータ構造の大きい順に優先順位が付き、その優先順位でコマンドの選択をすることができる。これはデータ構造が大きい再生単位を優先することでデータ構造上より遠くの再生単位への遷移することができるためである。
【0067】
次に、タイトル遷移系コマンド選択処理を図6のフローチャートを参照して説明する。まず、ステップS301において、タイトル遷移系コマンドが複数あるか否かを判断し、1個の場合はステップS302に進み、複数ある場合はステップS303に進む。
【0068】
次に、ステップS302において、ボタン選択処理を行って処理を終了する。ボタン選択処理を図7のフローチャートに示す。まず、ステップS401において、選択できるボタンが複数あるか否かを判断し、1個である場合はステップS402に進み、複数ある場合はステップS405に進む。
【0069】
次に、ステップS402において、その1個のボタンが実行済みであるかチェックしてステップS403に進む。
【0070】
次に、ステップS403において、ステップS402の結果未実行であったか否かを判断し、未実行であった場合はステップS404に進み、実行済みであった場合は処理を終了する。
【0071】
次に、ステップS404において、選択した番号、つまり、未実行のボタン番号(BTNI#nのn)を設定して処理を終了する。
【0072】
一方、ステップS405においては、選択できるボタンが複数あるので、サーチ先番号昇順に実行済みであるかチェックしてステップS406に進む。サーチ先番号とは、例えばタイトル1、タイトル2やPGC1、PGC2などのように当該ボタンのナビゲーションコマンドで遷移する先の番号(即ち、再生単位に付加されている番号)を示している。
【0073】
次に、ステップS406において、未実行のボタンを発見したか否かを判断し、発見した場合はステップS404に進み、未発見の場合は処理を終了する。
【0074】
図7のフローチャートで説明したように、同じコマンドが複数ある場合は番号の再生単位に付加されている番号の昇順に優先順位を高くしている。これはJumpTT、JumpVTS_TTN、JumpVTS_PTTN、LinkPGCN、LinkPGN、LinkCNなど遷移先の番号を指定するコマンドで発生する可能性がある。
【0075】
図6のフローチャートに戻って、ステップS303においては、複数のタイトル遷移系コマンドのうちJumpTTがあるか否かを判断し、ある場合はステップS304に進み、無い場合はステップS306に進む。
【0076】
次に、ステップS304において、ボタン選択処理を行ってステップS305へ進む。ボタン選択処理は上述した図7に示したフローチャートを実行する。
【0077】
次に、ステップS305において、ステップS304の結果、未実行のボタンを発見したか否か、つまり、ボタン選択処理でボタンが選択されたか否かを判断し、発見した場合(ボタンが選択された場合)はタイトル遷移系コマンド選択処理を終了し、未発見の場合(ボタンが選択されなかった場合)はステップS306に進む。
【0078】
次に、ステップS306において、JumpVTS_TTNがあるか否かを判断し、ある場合はステップS307に進み、無い場合はステップS309に進む。
【0079】
次に、ステップS307において、ボタン選択処理を行ってステップS308へ進む。ボタン選択処理は上述した図7に示したフローチャートを実行する。
【0080】
次に、ステップS308において、ステップS307の結果、未実行のボタンを発見したか否か、つまり、ボタン選択処理でボタンが選択されたか否かを判断し、発見した場合(ボタンが選択された場合)はタイトル遷移系コマンド選択処理を終了し、未発見の場合(ボタンが選択されなかった場合)はステップS309に進む。
【0081】
次に、ステップS309において、ボタン選択処理を行ってタイトル遷移系コマンド選択処理を終了する。ボタン選択処理は上述した図7に示したフローチャートを実行する。なお、本ステップでは、図3に示したタイトル遷移系コマンドのうちJumpTT、JumpVTS_TTNではないことが確定しているので、JumpVTS_PTTが設定されているボタンが選択されることとなる。
【0082】
図6のフローチャートで説明したように、タイトル遷移系コマンドは、JumpVTS_TTNよりもJumpVTS_PTTNのほうが優先順位が高くなっている。これはユーザが再生したいのはコンテンツの先頭からであることが多いためである。また、JumpTTとJumpVTS_TTN、JumpVTS_PTTNは上述したように共存しないので、これらは特に優先順位を設けているわけではなく処理の都合上JumpTTを先にしている。
【0083】
次に、PGC遷移系コマンド選択処理を図8のフローチャートを参照して説明する。まず、ステップS501において、PGC遷移系コマンドが複数あるか否かを判断し、1個の場合はステップS502に進み、複数ある場合はステップS503に進む。
【0084】
次に、ステップS502において、ボタン選択処理を行ってPGC遷移系コマンド選択処理を終了する。ボタン選択処理は上述した図7に示したフローチャートを実行する。
【0085】
次に、ステップS503において、複数のPGC遷移系コマンドのうちLinkPGCNがあるか否かを判断し、ある場合はステップS504に進み、無い場合はステップS506に進む。
【0086】
次に、ステップS504において、ボタン選択処理を行ってステップS505へ進む。ボタン選択処理は上述した図7に示したフローチャートを実行する。
【0087】
次に、ステップS505において、ステップS504の結果、未実行のボタンを発見したか否か、つまり、ボタン選択処理でボタンが選択されたか否かを判断し、発見した場合(ボタンが選択された場合)はPGC遷移系コマンド選択処理を終了し、未発見の場合(ボタンが選択されなかった場合)はステップS506に進む。
【0088】
次に、ステップS506において、LinkTailPGCがあるか否かを判断し、ある場合はステップS507に進み、無い場合はステップS509に進む。
【0089】
次に、ステップS507において、ボタン選択処理を行ってステップS508へ進む。ボタン選択処理は上述した図7に示したフローチャートを実行する。
【0090】
次に、ステップS508において、ステップS507の結果、未実行のボタンを発見したか否か、つまり、ボタン選択処理でボタンが選択されたか否かを判断し、発見した場合(ボタンが選択された場合)はPGC遷移系コマンド選択処理を終了し、未発見の場合(ボタンが選択されなかった場合)はステップS509に進む。
【0091】
次に、ステップS509において、LinkGoUpPGCがあるか否かを判断し、ある場合はステップS510に進み、無い場合はステップS512に進む。
【0092】
次に、ステップS510において、ボタン選択処理を行ってステップS511へ進む。ボタン選択処理は上述した図7に示したフローチャートを実行する。
【0093】
次に、ステップS511において、ステップS510の結果、未実行のボタンを発見したか否か、つまり、ボタン選択処理でボタンが選択されたか否かを判断し、発見した場合(ボタンが選択された場合)はPGC遷移系コマンド選択処理を終了し、未発見の場合(ボタンが選択されなかった場合)はステップS512に進む。
【0094】
次に、ステップS512において、LinkTopPGCがあるか否かを判断し、ある場合はステップS513に進み、無い場合はステップS515に進む。
【0095】
次に、ステップS513において、ボタン選択処理を行ってステップS514へ進む。ボタン選択処理は上述した図7に示したフローチャートを実行する。
【0096】
次に、ステップS514において、ステップS513の結果、未実行のボタンを発見したか否か、つまり、ボタン選択処理でボタンが選択されたか否かを判断し、発見した場合(ボタンが選択された場合)は処理を終了し、未発見の場合(ボタンが選択されなかった場合)はステップS515に進む。
【0097】
次に、ステップS515において、ボタン選択処理を行ってPGC遷移系コマンド選択処理を終了する。ボタン選択処理は上述した図7に示したフローチャートを実行する。なお、本ステップでは、図3に示したPGC遷移系コマンドのうちLinkPGCN、LinkTailPGC、LinkGoUpPGC、LinkTopPGCではないことが確定しているので、LinkNextPGCが設定されているボタンが選択されることとなる。
【0098】
図8のフローチャートで説明したように、PGC遷移系コマンドは、LinkPGCN、LinkTailPGC、LinkGoUpPGC、LinkTopPGC、LinkNextPGCの優先順位となっている。これは別の場所(PGC)へ遷移することを優先しているためである。また、LinkTailPGCはポストコマンド・フェーズへ移行させたい場合に設定され、また、ポストコマンドに別の場所に遷移するコマンドが設定されている可能性があるため2番目の優先順位としている。
【0099】
次に、PG遷移系コマンド選択処理を図9のフローチャートを参照して説明する。まず、ステップS601において、PG遷移系コマンドが複数あるか否かを判断し、1個の場合はステップS602に進み、複数ある場合はステップS603に進む。
【0100】
次に、ステップS602において、ボタン選択処理を行ってPG遷移系コマンド選択処理を終了する。ボタン選択処理は上述した図7に示したフローチャートを実行する。
【0101】
次に、ステップS603において、複数のPG遷移系コマンドのうちLinkPGNがあるか否かを判断し、ある場合はステップS604に進み、無い場合はステップS606に進む。
【0102】
次に、ステップS604において、ボタン選択処理を行ってステップS605へ進む。ボタン選択処理は上述した図7に示したフローチャートを実行する。
【0103】
次に、ステップS605において、ステップS604の結果、未実行のボタンを発見したか否か、つまり、ボタン選択処理でボタンが選択されたか否かを判断し、発見した場合(ボタンが選択された場合)はPG遷移系コマンド選択処理を終了し、未発見の場合(ボタンが選択されなかった場合)はステップS606に進む。
【0104】
次に、ステップS606において、LinkNrxtPGがあるか否かを判断し、ある場合はステップS607に進み、無い場合はステップS609に進む。
【0105】
次に、ステップS607において、ボタン選択処理を行ってステップS608へ進む。ボタン選択処理は上述した図7に示したフローチャートを実行する。
【0106】
次に、ステップS608において、ステップS607の結果、未実行のボタンを発見したか否か、つまり、ボタン選択処理でボタンが選択されたか否かを判断し、発見した場合(ボタンが選択された場合)はPG遷移系コマンド選択処理を終了し、未発見の場合(ボタンが選択されなかった場合)はステップS609に進む。
【0107】
次に、ステップS609において、LinkPrevPGがあるか否かを判断し、ある場合はステップS610に進み、無い場合はステップS612に進む。
【0108】
次に、ステップS610において、ボタン選択処理を行ってステップS611へ進む。ボタン選択処理は上述した図7に示したフローチャートを実行する。
【0109】
次に、ステップS611において、ステップS610の結果、未実行のボタンを発見したか否か、つまり、ボタン選択処理でボタンが選択されたか否かを判断し、発見した場合(ボタンが選択された場合)はPG遷移系コマンド選択処理を終了し、未発見の場合(ボタンが選択されなかった場合)はステップS612に進む。
【0110】
次に、ステップS612において、ボタン選択処理を行ってPG遷移系コマンド選択処理を終了する。ボタン選択処理は上述した図7に示したフローチャートを実行する。なお、本ステップでは、図3に示したPG遷移系コマンドのうちLinkPGN、LinkNextPG、LinkPrevPGではないことが確定しているので、LinkTopPGが設定されているボタンが選択されることとなる。
【0111】
図9のフローチャートで説明したように、PG遷移系コマンドは、LinkPGN、LinkNextPG、LinkPrevPG、LinkTopPGの優先順位となっている。これは別の場所(PG)へ遷移することを優先しているためである。また、LinkNextPGは複数ページで構成されているメニューにおいて、次ページに移動する際に用いられるコマンド、LinkPrevPGは前ページに戻る際に用いられるコマンドであり、ページ移動という動作を考慮して2番目、3番目の優先順位としている。LinkTopPGは同じPGをサーチするコマンドであるため優先順位を最も低くしている。
【0112】
次に、セル遷移系コマンド選択処理を図10のフローチャートを参照して説明する。まず、ステップS701において、セル遷移系コマンドが複数あるか否かを判断し、1個の場合はステップS702に進み、複数ある場合はステップS703に進む。
【0113】
次に、ステップS702において、ボタン選択処理を行ってセル遷移系コマンド選択処理を終了する。ボタン選択処理は上述した図7に示したフローチャートを実行する。
【0114】
次に、ステップS703において、複数のセル遷移系コマンドのうちLinkCNがあるか否かを判断し、ある場合はステップS704に進み、無い場合はステップS706に進む。
【0115】
次に、ステップS704において、ボタン選択処理を行ってステップS705へ進む。ボタン選択処理は上述した図7に示したフローチャートを実行する。
【0116】
次に、ステップS705において、ステップS704の結果、未実行のボタンを発見したか否か、つまり、ボタン選択処理でボタンが選択されたか否かを判断し、発見した場合(ボタンが選択された場合)はセル遷移系コマンド選択処理を終了し、未発見の場合(ボタンが選択されなかった場合)はステップS706に進む。
【0117】
次に、ステップS706において、LinkNextCがあるか否かを判断し、ある場合はステップS707に進み、無い場合はステップS709に進む。
【0118】
次に、ステップS707において、ボタン選択処理を行ってステップS708へ進む。ボタン選択処理は上述した図7に示したフローチャートを実行する。
【0119】
次に、ステップS708において、ステップS707の結果、未実行のボタンを発見したか否か、つまり、ボタン選択処理でボタンが選択されたか否かを判断し、発見した場合(ボタンが選択された場合)はセル遷移系コマンド選択処理を終了し、未発見の場合(ボタンが選択されなかった場合)はステップS709に進む。
【0120】
次に、ステップS709において、LinkPrevCがあるか否かを判断し、ある場合はステップS710に進み、無い場合はステップS712に進む。
【0121】
次に、ステップS710において、ボタン選択処理を行ってステップS711へ進む。ボタン選択処理は上述した図7に示したフローチャートを実行する。
【0122】
次に、ステップS711において、ステップS710の結果、未実行のボタンを発見したか否か、つまり、ボタン選択処理でボタンが選択されたか否かを判断し、発見した場合(ボタンが選択された場合)はセル遷移系コマンド選択処理を終了し、未発見の場合(ボタンが選択されなかった場合)はステップS712に進む。
【0123】
次に、ステップS712において、ボタン選択処理を行ってセル遷移系コマンド選択処理を終了する。ボタン選択処理は上述した図7に示したフローチャートを実行する。なお、本ステップでは、図3に示したセル遷移系コマンドのうちLinkC、LinkNextC、LinkPrevCではないことが確定しているので、LinkTopCが設定されているボタンが選択されることとなる。
【0124】
図9のフローチャートで説明したように、セル遷移系コマンドは、LinkCN、LinkNextC、LinkPrevC、LinkTopCの優先順位となっている。これは別の場所(セル)へ遷移することを優先しているためである。また、LinkNextCは複数ページで構成されているメニューにおいて、次ページに移動する際に用いられるコマンド、LinkPrevCは前ページに戻る際に用いられるコマンドであり、ページ移動という動作を考慮して2番目、3番目の優先順位としている。LinkTopCは同じセルをサーチするコマンドであるため優先順位を最も低くしている。
【0125】
以上のようにして再生制御部5を動作させることで、メニュー表示時に、そのメニューを構成するボタンのナビゲーションコマンドにタイトル遷移系コマンドが無い場合は、PGC遷移系コマンドまたはPG遷移系コマンドまたはセル遷移系コマンドのいずれかを選択することができるため、当該メニューで停止することなく他のPGC、PG、セルなどの再生単位に遷移して、そこで再度メニューが現れた場合は、これらのフローチャートを再度実行してタイトル遷移系コマンドが現れるまで繰り返すことができる。
【0126】
本実施例によれば、再生制御部5で、表示されているメニュー内のボタンのナビゲーションコマンドを解析してタイトル遷移コマンドおよびPGC遷移コマンド、PG遷移コマンド、セル遷移コマンドを抽出し、タイトル遷移コマンドがあった場合は、そのナビゲーションコマンドを実行し、タイトル遷移コマンドがなくPGC遷移コマンドまたはPG遷移コマンドまたはセル遷移コマンドがあった場合は、それらを実行してメニューから遷移して再生するので、タイトル遷移コマンドが無い場合でも、他のPGCなどの再生単位に遷移するコマンドを実行することで、遷移先でタイトル遷移コマンドを検出することができる。そのため、どのようなメニュー構成の記録媒体でも自動再生が停止することなく実行することができる。
【0127】
また、同じコマンドが複数あった場合は、遷移先の番号が昇順になっているナビゲーションコマンドから順に実行しているので、同じコマンドが複数あった場合でも順番に実行することができる。
【0128】
また、タイトル遷移系コマンドが無い場合はPGC遷移系コマンドを実行し、PGC遷移系コマンドが無い場合はPG遷移系コマンドを実行し、PG遷移系コマンドが無い場合はセル遷移系コマンドを実行するようにして、各遷移系コマンドに優先順位を設けているので、より大きいデータ構造の再生単位の遷移を優先することができる。より大きい単位で遷移することで、例えばメニューが規定されているPGC内での遷移(PGやセル遷移)よりも、他のPGCに遷移するほうがよりタイトルに近づくことができる(タイトル遷移コマンドが出現しやすい)。
【0129】
また、解析を行う前に予め定めた指定時間処理を待機させているので、ユーザが操作するための猶予を与えることができ、また、自動再生に切り替えなどの操作をせずに指定時間待機後には自動再生を行うことができる。
【0130】
なお、上述した実施例では記録媒体としてDVDで説明したが、それに限らずブルーレイディスクなど、少なくとも映像情報とその映像情報の再生制御を行うコマンドとを含む再生単位から構成されるコンテンツと、再生単位から構成され、その構成単位にユーザからの操作を受け付けるためのボタンが含まれそのボタンの動作を規定するコマンドを含むメニューと、が記録された記録媒体であれば適用できる。
【0131】
また、上述した実施例のユーザ操作制御部4、再生制御部5、光ピックアップ6、フロントエンド部7、バックエンド部8などをコンピュータで動作するプログラムとして構成することで、本発明を記録媒体再生プログラムとして構成することができる。
【0132】
前述した実施例によれば、以下の記録媒体再生装置、記録媒体再生方法および記録媒体再生プログラムが得られる。
【0133】
(付記1)少なくとも映像情報とその映像情報の再生制御を行うナビゲーションコマンドとを含むPGCから構成されるタイトルと、PGC、PG、セルから構成され、そのPGC、PG、セルにユーザからの操作を受け付けるためのボタンが含まれそのボタンの動作を規定するナビゲーションコマンドを含むメニューと、が記録されたDVD14を再生する光ピックアップ6、フロントエンド部7、バックエンド部8を備えたDVDプレーヤ1において、
再生されているメニュー内のナビゲーションコマンドを解析してメニューからタイトル遷移コマンドおよびPGC遷移コマンド、PG遷移コマンド、セル遷移コマンドを抽出する再生制御部5と、
再生制御部5が解析した結果、タイトル遷移コマンドが抽出された場合は、当該タイトル遷移コマンドを実行し、タイトル遷移コマンドが抽出されずPGC遷移コマンドまたはPG遷移コマンドまたはセル遷移コマンドが抽出された場合は、当該PGC遷移コマンドまたはPG遷移コマンドまたはセル遷移コマンドを実行するように制御して光ピックアップ6、フロントエンド部7、バックエンド部8に再生させる再生制御部5と、
を備えたことを特徴とするDVDプレーヤ1。
【0134】
(付記2)少なくとも映像情報とその映像情報の再生制御を行うナビゲーションコマンドとを含むPGCから構成されるタイトルと、PGC、PG、セルから構成され、そのPGC、PG、セルにユーザからの操作を受け付けるためのボタンが含まれそのボタンの動作を規定するナビゲーションコマンドを含むメニューと、が記録されたDVD14を再生する記録媒体再生方法において、
再生されているメニュー内のナビゲーションコマンドを解析してメニューからタイトル遷移コマンドおよびPGC遷移コマンド、PG遷移コマンド、セル遷移コマンドを抽出し、前記解析した結果、タイトル遷移コマンドが抽出された場合は、当該タイトル遷移コマンドを実行し、タイトル遷移コマンドが抽出されずPGC遷移コマンドまたはPG遷移コマンドまたはセル遷移コマンドが抽出された場合は、当該PGC遷移コマンドまたはPG遷移コマンドまたはセル遷移コマンドを実行するように制御して再生することを特徴とする記録媒体再生方法。
【0135】
(付記3)少なくとも映像情報とその映像情報の再生制御を行うナビゲーションコマンドとを含むPGCから構成されるタイトルと、PGC、PG、セルから構成され、そのPGC、PG、セルにユーザからの操作を受け付けるためのボタンが含まれそのボタンの動作を規定するナビゲーションコマンドを含むメニューと、が記録されたDVD14を再生する光ピックアップ6、フロントエンド部7、バックエンド部8としてコンピュータを機能させる記録媒体再生プログラムにおいて、
再生されているメニュー内のナビゲーションコマンドを解析してメニューからタイトル遷移コマンドおよびPGC遷移コマンド、PG遷移コマンド、セル遷移コマンドを抽出する再生制御部5と、
再生制御部5が解析した結果、タイトル遷移コマンドが抽出された場合は、当該タイトル遷移コマンドを実行し、タイトル遷移コマンドが抽出されずPGC遷移コマンドまたはPG遷移コマンドまたはセル遷移コマンドが抽出された場合は、当該PGC遷移コマンドまたはPG遷移コマンドまたはセル遷移コマンドを実行するように制御して光ピックアップ6、フロントエンド部7、バックエンド部8に再生させる再生制御部5と、
してコンピュータを機能させることを特徴とする記録媒体再生プログラム。
【0136】
これらのDVDプレーヤ1、記録媒体再生方法、記録媒体再生プログラムによれば、タイトル遷移コマンドが無い場合でも、PGC遷移コマンドやPG遷移コマンドやセル遷移コマンドを実行することで、その遷移先でタイトル遷移コマンドを検出することができる。そのため、どのようなメニュー構成のDVD14でも自動再生が停止することなく実行することができる。
【0137】
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。すなわち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0138】
1 DVDプレーヤ(記録媒体再生装置)
5 再生制御部(解析手段、自動再生制御手段)
6 光ピックアップ(再生手段)
7 フロントエンド部(再生手段)
8 バックエンド部(再生手段)
14 DVD(記録媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも映像情報とその映像情報の再生制御を行うコマンドとを含む再生単位から構成されるコンテンツと、前記再生単位から構成され、その再生単位にユーザからの操作を受け付けるためのボタンが含まれそのボタンの動作を規定するコマンドを含むメニューと、が記録された記録媒体を再生する再生手段を備えた記録媒体再生装置において、
再生されている前記メニュー内の前記ボタンの動作を規定する前記コマンドを解析して前記メニューから前記コンテンツに遷移するコマンドおよび別の前記再生単位に遷移するコマンドを抽出する解析手段と、
前記解析手段が解析した結果、前記コンテンツに遷移するコマンドが抽出された場合は、当該前記コンテンツに遷移するコマンドを実行し、前記コンテンツに遷移するコマンドが抽出されず別の前記再生単位に遷移するコマンドが抽出された場合は、当該別の前記再生単位に遷移するコマンドを実行するように制御して前記再生手段に再生させる自動再生制御手段と、
を備えたことを特徴とする記録媒体再生装置。
【請求項2】
前記自動再生制御手段が、複数の同じ前記コンテンツに遷移するコマンドまたは別の前記再生単位に遷移するコマンドが抽出された場合は、当該コマンドに指定される前記再生単位に付加されている番号の昇順に実行することを特徴とする請求項1に記載の記録媒体再生装置。
【請求項3】
前記自動再生制御手段が、別の前記再生単位に遷移するコマンドのうち、データ構造の大きな前記再生単位に遷移する前記コマンドから優先的に実行することを特徴とする請求項1または2に記載の記録媒体再生装置。
【請求項4】
前記解析手段が解析を行う前に予め定めた所定時間待機させる待機手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の記録媒体再生装置。
【請求項5】
少なくとも映像情報とその映像情報の再生制御を行うコマンドとを含む再生単位から構成されるコンテンツと、前記再生単位から構成され、その再生単位にユーザからの操作を受け付けるためのボタンが含まれそのボタンの動作を規定するコマンドを含むメニューと、が記録された記録媒体を再生する記録媒体再生方法において、
再生されている前記メニュー内の前記ボタンの動作を規定する前記コマンドを解析して前記メニューから前記コンテンツに遷移するコマンドおよび別の前記再生単位に遷移するコマンドを抽出し、前記解析した結果、前記コンテンツに遷移するコマンドが抽出された場合は、当該前記コンテンツに遷移するコマンドを実行し、前記コンテンツに遷移するコマンドが抽出されず別の前記再生単位に遷移するコマンドが抽出された場合は、当該別の前記再生単位に遷移するコマンドを実行するように制御して再生することを特徴とする記録媒体再生方法。
【請求項6】
少なくとも映像情報とその映像情報の再生制御を行うコマンドとを含む再生単位から構成されるコンテンツと、前記再生単位から構成され、その再生単位にユーザからの操作を受け付けるためのボタンが設けられそのボタンの動作を規定するコマンドを含むメニューと、が記録された記録媒体を再生する再生手段としてコンピュータを機能させる記録媒体再生プログラムにおいて、
再生されている前記メニュー内の前記ボタンの動作を規定する前記コマンドを解析して前記メニューから前記コンテンツに遷移するコマンドおよび別の前記再生単位に遷移するコマンドを抽出する解析手段と、
前記解析手段が解析した結果、前記コンテンツに遷移するコマンドが抽出された場合は、当該前記コンテンツに遷移するコマンドを実行し、前記コンテンツに遷移するコマンドが抽出されず別の前記再生単位に遷移するコマンドが抽出された場合は、当該別の前記再生単位に遷移するコマンドを実行するように制御して前記再生手段に再生させる自動再生制御手段と、
して前記コンピュータを機能させることを特徴とする記録媒体再生プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載の記録媒体再生プログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−54846(P2012−54846A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197340(P2010−197340)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】