説明

記録媒体再生装置

【課題】装置固有の再生制限情報や放送方式が異なっても、同じ制御用プログラムを使用でき、使用者による再生制限情報及び放送方式の変更が不可能である記録媒体再生装置を提供する。
【解決手段】記録媒体再生装置1は、再生制限情報が格納される格納手段が再書込み可能な不揮発性メモリ15であり、該不揮発性メモリ15から再生制限情報を読み出して、該再生制限情報と記録媒体2に記録された再生制限情報とを照合する制御部14を具える。そして、不揮発性メモリ15に再生制限情報が未設定であることを条件に、再生制限情報を設定可能な状態になる。不揮発性メモリ15には放送方式情報が格納されており、制御部14は、該不揮発性メモリ15から放送方式情報を読み出して、該放送方式情報が示す放送方式に応じた制御を行う。記録媒体再生装置1は、不揮発性メモリ15に再生制限情報が未設定であることを条件に、放送方式情報を設定又は変更可能な状態になる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、DVD(Digital Versatile Disk)等の記録媒体を再生するための記録媒体再生装置に関し、より詳細には、装置が固有に有する再生制限情報と記録媒体の有する再生制限情報が一致する場合に該記録媒体を再生する記録媒体再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】動画等のコンテンツの記録媒体として、光ディスクが広く用いられており、特に、高画質且つ長時間の動画の記録が可能なDVD-Videoディスクは、現在急速に普及している。DVD-Videoディスク(以下、DVDディスク)及びDVD-Videoプレーヤ(以下、DVDプレーヤ)では、コンテンツの創作者の著作権を国際的に保護するために再生制限用の規格が国際的に取り決められており、該規格では、DVDプレーヤの有する再生制限情報と、DVDディスクに記録された再生制限情報とが一致しなければ、DVDプレーヤはDVDディスクの再生を行わないことが定められている。
【0003】より詳細に述べると、個々のDVDプレーヤには、該プレーヤが使用される地域に対応した再生制限情報、すなわち地域情報が設定され、個々のDVDディスクにも該ディスクが販売される(使用される)地域に対応した地域情報が記録されている。DVDディスクには、当該規定に基づく保護を行うか否かを示す地域管理フラグも記録されており、該フラグが保護を行うことを示す場合には、DVDプレーヤは、挿入されたDVDディスクから地域情報を取り出して、自己に設定された地域情報と照合する。そして、DVDプレーヤは、これら地域情報が一致する場合には、DVDディスクに記録された動画等の再生情報を再生し、これら地域情報が異なる場合には再生情報を再生しない。
【0004】現在、地域情報として、所定の地域に対して割り当てられた地域番号(regional codes)が使用されている。具体的には、1は北米、2は日本及びヨーロッパ等、3は東南アジア等、4は中南米等、5はロシア及び東欧等、6は中国に対応しており、7と8は未使用となっている。DVDプレーヤは、その使用者が地域番号を変更不可能なように構成されている必要があるため、従来のDVDプレーヤでは、固有の地域番号は、DVDプレーヤの制御用プログラムに含めてROMに格納されていた。制御用プログラムは、DVDプレーヤの内部装置から送られる情報を処理してこれらに動作指令を送るための種々の処理手順を記述したものであり、ROMと接続されたCPUにより実行される。制御用プログラムには、地域番号の照合手順も記述される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構成のDVDプレーヤでは、地域番号が異なる複数の地域に販売される場合に、地域番号ごとに異なる制御用プログラムをROMに格納している。また、現在世界で広く採用されている放送方式には、日本等が採用するNTSC方式と、英国等が採用するPAL方式があり、放送方式ごとに異なる制御用プログラムをROMに格納することで、販売先の地域が採用する放送方式に対応している。従って、あるDVDプレーヤを世界中で販売しようとすると、地域番号及び放送方式によって異なる多数の制御用プログラムが必要であった。製造者はこれら制御用プログラムを作製し、検査し、管理しなければならず、これらの作業はDVDプレーヤの製造工程において製造者の大きな負担なっていた。さらに、制御用プログラムのバージョンアップを行う場合には、多数の制御用プログラムの変更、検査が必要となり、商品出荷の時点で幾つかの地域向けのDVDプレーヤの制御用プログラムがバージョンアップできなかった場合には、単一商品の機能が地域別に異なる事態が生じていた。
【0006】加えて、上記のように制御用プログラムをROMに格納させると、販売地域の変更が生じた場合に、製造工程において柔軟かつ早急な対応が困難である。ある地域番号に対応する地域に販売するDVDプレーヤの数が増加した場合に、当該地域に対応した制御用プログラムが格納されたROMを具えたDVDプレーヤを新たに製造しなければならない。又は、製造されたDVDプレーヤのROMを交換しなければならない。この場合、記録媒体再生装置の組立て後に、ROMを交換することなく地域番号及び放送方式の設定が可能であれば、当該地域への販売用に、他の地域番号に対応する地域に販売される予定のDVDプレーヤを容易に割り当てることができ、在庫減少や納期短縮等の点で好ましい。
【0007】本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、装置固有の再生制限情報や装置が対応すべき放送方式が異なっても、同じ制御用プログラムを使用でき、製造工程において、記録媒体再生装置の組立て後でも、地域情報等の再生制限情報及び放送方式の設定ができる記録媒体再生装置を提供する。加えて、使用者による再生制限情報の変更及び放送方式の変更が不可能である記録媒体再生装置を提供する。
【0008】
【課題を解決する為の手段】本発明の記録媒体再生装置は、再生制限情報が格納される格納手段を具え、該再生制限情報と記録媒体に記録された再生制限情報とを照合し、これら再生制限情報が一致する場合に記録媒体に記録された再生情報を再生する記録媒体再生装置において、前記格納手段は、再書込み可能な不揮発性メモリ(15)であり、該不揮発性メモリ(15)から再生制限情報を読み出して、該再生制限情報と記録媒体(2)に記録された再生制限情報とを照合する制御部(14)を具えることを特徴とする。
【0009】さらに、本発明の記録媒体再生装置は、再生制限情報の代わりに再生制限情報が未設定であることを示す情報が不揮発性メモリ(15)に格納されていることを条件に、該不揮発性メモリ(15)に再生制限情報を格納可能な状態になる。さらに、本発明の記録媒体再生装置は、不揮発性メモリ(15)には放送方式を示す放送方式情報が格納されており、制御部(14)は、該不揮発性メモリ(15)から放送方式情報を読み出して、該放送方式情報が示す放送方式に応じた制御を行う。さらに、本発明の記録媒体再生装置は、再生制限情報の代わりに再生制限情報が未設定であることを示す情報が不揮発性メモリ(15)に格納されていることを条件に、放送方式情報を設定又は変更可能な状態になる。
【0010】
【作用及び効果】記録媒体再生装置(1)の再生制限情報を再書込み可能な不揮発性メモリ(15)に格納し、制御部(14)は、該不揮発性メモリ(15)から該再生制限情報を読み出して、これと記録媒体に記録された再生制限情報とを照合するので、記録媒体再生装置(1)が保持すべき再生制限情報の内容が異なっても、制御部(14)の処理及び制御手順を記述する制御用プログラムに同一のものを用いることができ、該制御用プログラムを格納するROM(31)の記録内容を同一にすることができる。また、再生制限情報は不揮発性メモリ(15)に格納されているから、製造工程において、記録媒体再生装置(1)の組立て後に所望の地域番号を容易に設定できる。記録媒体再生装置(1)は、再生制限情報の代わりに再生制限情報が未設定であることを示す情報が不揮発性メモリ(15)に格納されていることを条件に、該不揮発性メモリ(15)に再生制限情報を格納可能な状態になるので、一旦製造者が不揮発性メモリ(15)に再生制限情報を設定したならば、記録媒体再生装置(1)が再び再生制限情報を格納可能な状態になることはなく、不揮発性メモリ(15)に格納された再生制限情報はそのまま保持される。従って、使用者による再生制限情報の書換えが不可能になる。
【0011】再生制限情報に加えて放送方式情報を不揮発性メモリ(15)に格納し、制御部(14)が、該不揮発性メモリ(15)から放送方式情報を読み出して、該放送方式情報が示す放送方式に応じた制御を行うことにより、制御用プログラムを、複数の放送方式に選択的に対応可能に記述することが可能となる。よって、記録媒体再生装置(1)が保持すべき再生制限情報の内容が異なっても、さらには記録媒体再生装置(1)が対応すべき放送方式が異なっても、同じ制御用プログラムを用いることができ、制御用プログラムを格納するROM(31)の記録内容を同一にすることができる。また、放送方式情報は不揮発性メモリ(15)に格納されているから、製造工程において、記録媒体再生装置(1)の組立て後に放送方式情報を容易に設定できる。再生制限情報の代わりに再生制限情報が未設定であることを示す情報が不揮発性メモリ(15)に格納されていることを条件に、放送方式情報を設定又は変更可能な状態になることにより、一旦製造者が不揮発性メモリ(15)に再生制限情報を設定したならば、記録媒体再生装置(1)が再び放送方式情報を設定又は変更可能な状態になることはなく、不揮発性メモリ(15)に格納された放送方式情報はそのまま保持される。従って、使用者による放送方式情報の書換えが不可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本考案の実施例を図を用いて詳述する。図1は、本発明に係る記録媒体再生装置の概要を示すブロック図である。実施例において記録媒体再生装置(1)はDVDプレーヤであり、記録媒体(2)はDVDディスクである。記録媒体(2)には、動画及び音声等の再生情報以外に、再生制限情報として上述の地域番号が記録されている。
【0013】記録媒体(2)は、回転駆動部(3)が有するターンテーブル上に配置される。回転駆動部(3)は、該ターンテーブルに接続された回転軸を有するスピンドルモータを具えており、該モータの駆動により記録媒体(2)が回転させられる。ピックアップ部(4)は、記録媒体(2)の記録情報を検出するための光ピックアップと該光ピックアップの移動機構とを具えている。光ピックアップは、記録媒体(2)の記録面近傍を移動しつつ、該記録面にレーザ光を照射すると共にその反射光を検出し、該反射光を電気信号に変換する。ドライブ制御部(5)は、このような回転駆動部(3)及びピックアップ部(4)の動作に必要なサーボ制御を行う。
【0014】光ピックアップからの電気信号は、RFアンプ(6)によって増幅されて信号処理部(7)へ出力される。信号処理部(7)は、この電気信号をデジタル信号化すると共に、所定のデータフォーマットを該デジタル信号に与えるための復調処理を行う。A/V分離器(8)は、信号処理部(7)から出力されたデジタル信号を画像情報信号と音声情報信号に分離し、これら信号はそれぞれビデオデコーダ部(9)とオーディオデコーダ部(10)へ出力される。
【0015】記録媒体(2)の再生情報は、所定の方式に基づいて圧縮された後に該記録媒体(2)に記録されている。ビデオデコーダ部(9)は画像情報信号を、オーディオデコーダ部(10)は音声情報信号を解凍することにより圧縮前の画像情報信号と音声情報信号を出力する。これら画像情報信号と音声情報信号は、D/A変換器(11)(12)によってそれぞれビデオ出力とオーディオ出力に変換されて、表示装置(20)へ出力される。なお、画像情報信号は、ビデオプロセッサ(13)を介してD/A変換器(11)に入力される。画像情報には、動画情報と字幕や選択画面等のサブピクチャ情報とがあり、ビデオプロセッサ(13)は、必要な場合には動画情報信号とサブピクチャ情報信号を合成した画像情報信号を生成する。
【0016】制御部(14)は、信号処理部(7)等の内部装置から受け取ったデータを処理して動作指令をこれら内部装置に与えることにより、記録媒体制御装置(1)が所定の動作を行うように制御する。図2に示すように、制御部(14)は、各種演算処理を行うCPU(30)と、必要な処理手順等が記述された制御用プログラムが格納されたROM(31)と、処理データの一時格納用のRAM(32)とで物理的に構成されている。図1を再度参照すると、制御部(14)には、再書込可能な不揮発性メモリ(15)が接続されている。本実施例の場合、不揮発性メモリ(15)にはEEPROMを用いており、該EEPROMには、記録媒体制御装置(1)が使用される地域に対応した地域番号、及び各種放送方式を示す放送方式情報が格納されている。
【0017】また、制御部(14)には、記録媒体制御装置(1)の操作に必要な各種ボタン等を具えると共に、制御部(14)へこれらボタンに対応した信号を出力する操作部(16)が接続されている。記録媒体制御装置(1)は、リモートコントローラ(21)でも操作が可能であり、操作部(16)はリモートコントローラ(21)が送信した光信号を電気信号に変換して制御部(14)へ出力する。
【0018】不揮発性メモリ(15)を用いた制御部(14)の処理について説明する。まず、地域番号照合処理について説明する。ビデオデコーダ部(13)は、画像情報信号を解凍すると共に、画像情報信号に添付された記録媒体(2)の地域番号情報を分離して制御部(14)へ出力する。制御部(14)は、不揮発性メモリ(15)から、これに格納された記録媒体再生装置(1)に固有の地域番号を読み出す。そして、制御部(14)は、記録媒体(2)の地域番号と、不揮発性メモリ(15)の地域番号とを照合して、これら地域番号が異なる場合には、記録媒体(2)の再生を中止する指令を必要な内部装置に送る。
【0019】従来の記録媒体再生装置では、装置の地域番号は、制御用プログラムに含められて制御部(14)のROM(31)に格納されており、地域番号ごとに異なる制御用プログラムが存在していた。本発明の記録媒体再生装置(1)では、装置固有の地域番号を不揮発性メモリ(15)に格納し、制御部(14)が該地域番号を読み出すようにしている。装置の地域番号がどの値であっても、同じ制御用プログラムが用いられ、ROM(31)に記録される内容も同じである。
【0020】不揮発性メモリ(15)には、地域番号に加えて、放送方式情報も格納されている。本実施例の場合、放送方式情報として、PAL方式を示す「0」、又はNTSC方式を示す「1」のいずれか1つの数値が、不揮発性メモリ(15)に格納されている。制御用プログラムは、これら放送方式に選択的に対応可能なように記述されている。つまり、制御用プログラムは、放送方式が異なる場合に処理手順やパラメータが異なる部分については、PAL用の処理とNTSC用とが並記してあり、制御部(14)は、不揮発性メモリ(15)に格納された上記数値を読み出して、該数値が示す放送方式に対応した処理を行う。
【0021】従来の記録媒体再生装置では、予め決められた放送方式に対応した制御用プログラムを制御部(14)のROM(31)に格納させていた。本発明は、制御部(14)に接続された不揮発性メモリ(15)に、放送方式を示す放送方式情報を格納しており、1つの制御用プログラムで異なる放送方式に対応できる。装置が対応すべき放送方式が何であれ、ROM(31)に記録される内容は同じである。
【0022】次に、記録媒体再生装置(1)が地域番号及び放送方式を設定する際の動作について説明する。この設定動作は、例えば記録媒体再生装置(1)の出荷前に、製造者が、記録媒体再生装置(1)が販売される地域の地域番号及び放送方式を、不揮発性メモリ(15)に設定するために行われる。
【0023】図3は、記録媒体再生装置(1)が行う設定動作において、制御部(14)が行う処理のフローチャートである。記録媒体再生装置(1)は、電源を入れると(S101)、所定時間(例えば10秒間)の間、入力待ち状態になる(S102)。制御部(14)は、該継続時間の間に、地域番号・放送方式設定可能状態への移行を促す信号が、操作部(16)から入力されたか否かを判別する(S103)。信号入力が無かった場合、記録媒体再生装置(1)は、記録媒体(2)の再生可能状態に移行する(S104)。入力があった場合、制御部(14)は、不揮発性メモリ(15)に格納された地域番号を読み出す(S105)。
【0024】不揮発性メモリ(15)には、地域番号が未設定であることを示すために、地域番号として不使用の番号がデフォルト値として格納されている。本実施例では、「0」が不揮発性メモリ(15)に格納されている。制御部(14)は、地域番号として格納されている番号が0か否かを、つまり地域番号が未設定であるか否かを判別する(S106)。格納されている番号が0でない場合には、すでに地域番号が設定されているために入力待ち状態に戻る(再生可能状態に移行してもよい)。格納されている番号が0である場合には、地域番号が未設定であるので、不揮発性メモリ(15)の地域番号・放送方式設定可能状態に移行する(S107)。
【0025】この状態では、制御部(14)からビデオプロセッサ(13)へ画像信号が送られて、図4に示すような設定画面が表示装置(20)の表示画面に表示される。この設定画面により、記録媒体再生装置(1)に設定される地域番号及び放送方式が容易に認識可能となり、リモートコントローラ(21)を用いたこれらの設定が容易になる。
【0026】設定画面には、各地域番号に対応した表示領域(40)が設けられており、製造者は、リモートコントローラ(21)を操作することにより、画面上のポインタ(41)を所望の地域番号の表示領域に移動させる。選択された表示領域(40)は、選択されたことが明確になるように、他の表示領域と異なる表示色になる。この状態で、リモートコントローラ(21)の決定ボタンを押すと操作部(16)から制御部(14)へ、当該地域番号データの入力がされる。また、該地域番号が、表示部(42)に表示される。図の場合は、地域番号「2」を選択して入力した状況を示している。
【0027】制御部(14)は、設定可能状態において地域番号の制御部(14)への入力の有無を判別し(S108)、入力があった場合には、該地域番号を制御部(14)のRAM(32)に格納する(S109)。
【0028】不揮発性メモリ(15)には、設定動作の際に記録媒体再生装置(1)に接続された表示装置(20)が採用する放送方式を示す数値(放送方式情報)が、デフォルト値として格納されている。本実施例ではNTSCを示す「1」が格納されている。設定画面には、地域番号と同様に各放送方式を示す表示領域(42)が設けられ、製造者は、ポインタ(41)を所望の放送方式を示す表示領域上に配置し、リモートコントローラ(21)の決定ボタンを押すと操作部(16)から制御部(14)へ、当該地域番号データの入力がされる。制御部(14)は、設定可能状態において放送方式データの制御部(14)への入力の有無を判別し(S110)、入力があった場合には、該地域番号を制御部(14)のRAM(32)に格納する(S111)。図3に示すフローチャートでは、地域番号の設定の後に放送方式の設定が行われているが、これらの順序はどちらでもよい。
【0029】本実施例では、放送方式情報のデフォルト値にNTSCを示す「1」が記録されているが、これは設定動作の際に、表示装置(20)に図4のような設定画面を表示させるには、あらかじめ表示装置(20)が採用する放送方式を示す放送方式情報を不揮発性メモリ(15)に格納しておく必要があることによる。設定動作において、必ずしも表示装置(20)に設定画面を表示させる必要はないから、地域番号と同様に、デフォルト値として放送方式情報が未設定状態を示す値を不揮発性メモリ(15)に格納しておいてもよい。なお、この場合、放送方式情報が未設定状態のままで地域番号が設定されることを防止することが必要となる。
【0030】地域番号及び放送方式の設定がされると、製造者は終了信号を入力する。例えば、図4に示す表示画面の右下に位置する、設定終了と示された表示領域(43)にポインタ(41)を移動させ、リモートコントローラ(21)の決定ボタンを押すと、操作部(16)から制御部(14)へ終了信号が入力される。制御部(14)は、終了信号の入力の有無を判別し(S112)、入力がない場合には設定可能状態を維持する。入力があった場合、制御部(14)は、RAM(32)に設定すべき地域番号が格納されているか否かを判別する(S113)。地域番号が格納されていない場合、設定可能状態を維持する。地域番号が格納されている場合、不揮発性メモリ(15)を消去して、RAM(32)に格納された地域番号及び放送方式情報を該不揮発性メモリ(15)に書き込む(S114)。なお、設定可能状態において放送方式情報の入力が無かった場合には、制御部(14)は、消去前と同じ放送方式情報を書き込む。その後、設定可能状態は終了し、記録媒体再生装置(1)は入力待ち状態に移行する(再生可能状態に移行してもよい)。
【0031】以上のような手順により、記録媒体再生装置(1)の地域番号及び放送方式の設定が行われる。地域番号及び放送方式の設定をするためには、地域番号が未設定、すなわち不使用の番号である「0」が不揮発性メモリ(15)に記録されていることが条件となっているために、現在使用されている適切な地域番号が不揮発性メモリ(15)に格納された後には起動することはない。従って、製造者が出荷前に販売地域に対応した地域番号を一旦設定したならば、使用者がこれを変更することはできない。
【0032】上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る記録媒体再生装置の概要を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る記録媒体再生装置の制御部の物理的構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る記録媒体再生装置の地域番号・放送方式設定動作を示すフローチャートである。
【図4】地域番号・放送方式設定可能状態において、記録媒体再生装置に接続された表示装置に表示される設定画面の図である。
【符号の説明】
(1) 記録媒体再生装置
(2) 記録媒体
(14) 制御部
(15) 不揮発性メモリ
(20) 表示装置
(31) ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】再生制限情報が格納される格納手段を具え、該再生制限情報と記録媒体に記録された再生制限情報とを照合し、これら再生制限情報が一致する場合に記録媒体に記録された再生情報を再生する記録媒体再生装置において、前記格納手段は、再書込み可能な不揮発性メモリ(15)であり、該不揮発性メモリ(15)から再生制限情報を読み出して、該再生制限情報と記録媒体(2)に記録された再生制限情報とを照合する制御部(14)を具えることを特徴とする記録媒体再生装置。
【請求項2】再生制限情報の代わりに再生制限情報が未設定であることを示す情報が不揮発性メモリ(15)に格納されていることを条件に、該不揮発性メモリ(15)に再生制限情報を格納可能となる請求項1に記載の記録媒体再生装置。
【請求項3】不揮発性メモリ(15)には放送方式を示す放送方式情報が格納されており、制御部(14)は、該不揮発性メモリ(15)から放送方式情報を読み出して、該放送方式情報が示す放送方式に応じた制御を行う請求項1又は請求項2に記載の記録媒体再生装置。
【請求項4】再生制限情報の代わりに再生制限情報が未設定であることを示す情報が不揮発性メモリ(15)に格納されていることを条件に、放送方式情報を設定又は変更可能となる請求項3に記載の記録媒体再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図3】
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【公開番号】特開2003−283992(P2003−283992A)
【公開日】平成15年10月3日(2003.10.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−87334(P2002−87334)
【出願日】平成14年3月27日(2002.3.27)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(397016699)三洋テクノ・サウンド株式会社 (16)
【Fターム(参考)】