説明

記録媒体収容装置及び画像出力装置

【課題】画像出力装置の排出部に対して操作者が必要に応じて記録媒体の記録画像を目立たなくする収容容器を容易に着脱することができる画像出力装置を提供すること。
【解決手段】画像出力装置の排出部に設けられ、前記排出部から排出される記録媒体を収容し、前記記録媒体の記録画像を外部から目視不可とする収容容器を着脱自在に装着する収容容器装着手段を備えるように構成して課題を解決した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、記録媒体収容装置及び画像出力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開平5−286640号公報
【特許文献2】特開平5−319406号公報
【特許文献3】特開平6−219627号公報
【特許文献4】特開平6−219628号公報
【特許文献5】特開平7−315678号公報
【0003】
近年、上記画像出力装置は、コンビニエンスストアや公共施設などにも広く設置されてきており、文書の複写以外にもデジタルカメラ等で撮影した画像情報のプリントや文書情報のファクシミリ機能による送受信などに使用されている。かかる画像出力装置では、第三者が見得る状態で、画像情報のプリントや文書情報の受信などが行なわれるので、プライバシーの保護強化や情報の漏洩防止等を目的として、特定の個人宛にファクシミリ機能で受信された文書、あるいは個人的な目的で複写やプリントした文書や画像の内容が第三者に見られるのを防止するため、ファクシミリ機能で受信した文書等を封入した状態で出力する袋綴じ状封筒作成装置や記録紙後処理装置などが、種々提案されている。
【0004】
かかる提案に関連する技術としては、例えば、特開平5−286640号公報、特開平5−319406号公報、特開平6−219627号公報、特開平6−219628号公報、特開平7−315678号公報等に開示されたものが既に提案されている。
【0005】
上記特開平5−286640号公報に係る袋綴じ状封筒作成装置は、通常記録紙のサイズを自動的にまたは指定することにより選定する通常記録紙選定手段と、通常記録紙選定手段によって選定された通常記録紙の2倍のサイズの表紙記録紙を自動的に選定する表紙記録紙選定手段と、画像形成装置から排出された表紙記録紙をビン側に搬送する搬送手段と、表紙記録紙を画像形成装置とビンとの間の搬送経路中で略中央部分から二つに折るシート折り手段と、シート折り手段によって二つに折られた表紙記録紙を反折り目形成側を開口させてビンに収容する表紙記録紙排紙収容手段と、表紙記録紙収容手段によって開口した状態の表紙記録紙内に通常記録紙を排紙する通常記録紙排紙手段と、表紙記録紙の開口部を閉じる表紙記録紙閉鎖手段と、を備え、表紙記録紙に通常記録紙を挟み込んで袋綴じ状の簡易な封筒を作成するように構成したものである。
【0006】
また、上記特開平5−319406号公報に係る画像形成装置の記録紙後処理装置は、画像形成装置に接続される後処理装置に対して、通常の文書を排出する手段と、封入装置とを組み合わせて設け、前記後処理装置内において、秘密処理が指定される文書を、整合した状態で封入装置に向けて送り出す手段を設け、前記封入装置においては、文書の上下両面を覆うようにフィルムを供給する手段と、該フィルムをシールする手段とを配置するように構成したものである。
【0007】
さらに、上記特開平6−219627号公報に係る画像形成装置の記録紙後処理装置は、画像形成装置に接続される後処理装置に対して、通常の文書を排出する手段と、綴じ込み装置または封入装置とを組み合わせて設け、綴じ込みを指定した文書を綴じ込むか、または、秘密処理が指定される文書をプラスチック製のフィルムの袋に封入する手段を用いて、前記後処理装置内において文書を処理する装置において、前記後処理装置に配置した用紙整合手段により整合した文書に対して、封入装置内で搬送する搬送ローラ装置を、文書の厚さに対応させて、ローラ間の間隔を変更可能に設けるとともに、前記搬送ローラ装置に対して、任意の位置で駆動を行い得る駆動機構を配置するように構成したものである。
【0008】
又、上記特開平6−219628号公報に係る画像形成装置の記録紙後処理装置は、画像形成装置に接続される後処理装置に対して、通常の文書を排出する手段と、綴じ込みおよび袋に封入する装置を組み合わせて設け秘密処理が指定される文書を綴じ込んだ状態で、プラスチック製のフィルムの袋に封入する封入装置を配置し、前記封入装置に向けて送られる文書の上下の部分に重ねる状態で、プラスチック製のフィルムを送り出す機構を配置してなる装置において、前記封入装置において、文書の上下に重ねたフィルムの両側部と前後の部分を熱シール手段により袋を形成するとともに、前記フィルム部材には、文書の内容を隠すための印刷等が施され、受信者の表示を行う部分に透明な部分を形成し、前記文書の上下に配置するフィルム部材のうち、上フィルムの両側の熱シールを行う部分と、1つの文書に対応する前後の熱シールを行う部分とを、印刷を施さない部分として構成し、前記印刷を施さない周囲の部分に対して、熱シールによる接着を行って、封入文書を作成するように構成したものである。
【0009】
更に、上記特開平7−315678号公報に係る画像形成装置の記録紙後処理装置は、ファクシミリ等の画像形成装置に接続される後処理装置に対して、画像形成装置において作成した記録紙をそのまま排出する手段と、綴じ込みまたは袋に封入して排出する手段を組み合わせて設け、記録紙作成指令に応じた記録紙の処理を行うとともに、前記後処理装置に設ける記録紙を袋に封入する手段に、袋の前後を熱溶着させて切断するカッター装置と、袋の両側部を封止するサイドシール装置を設けた封入装置を装備した装置において、前記カッター装置を固定位置に配置するヒータ受け部材と、上下動可能に設けたヒータ部材により構成し、前記ヒータ部材を上昇させる位置で、記録紙の通過経路との間を区画するカバー部材を設け、前記カバー部材にはヒータ部材の上下動に連動させて揺動する手段を設け、ヒータ部材をヒータ受け部材に向けて移動させる動作により、ヒータ部材の移動経路から退避させる手段を構成するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、この発明が解決しようとする課題は、画像出力装置の排出部に対して操作者が必要に応じて記録媒体の記録画像を目立たなくする収容容器を容易に着脱することができる画像出力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち、請求項1に記載された発明は、画像出力装置の排出部に設けられ、前記排出部から排出される記録媒体を収容し、前記記録媒体の記録画像を外部から目視不可とする収容容器を着脱自在に装着する収容容器装着手段を備えたことを特徴とする記録媒体収容装置である。
【0012】
また、請求項2に記載された発明は、前記排出部から排出された記録媒体を、前記収容容器の内部へと案内する案内部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体収容装置である。
【0013】
さらに、請求項3に記載された発明は、前記画像出力装置の前記排出部から排出された記録媒体を受ける排出トレイを取り外した状態、又は前記排出トレイが退避した状態で、前記収容容器を着脱自在に構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の記録媒体収容装置である。
【0014】
又、請求項4に記載された発明は、前記収容容器は、前記排出部から排出される記録媒体を、当該記録媒体の自重によって内部に収容することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の記録媒体収容装置である。
【0015】
更に、請求項5に記載された発明は、前記収容容器は、フィルム状の合成樹脂によって上端面が全面開口し、且つ上端開口部の両側に環状の把手部を有する袋状に形成されており、前記収容容器は、環状の把手部を収容容器装着手段に係止することによって、当該収容容器装着手段に装着されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の記録媒体収容装置である。
【0016】
また、請求項6に記載された発明は、前記収容容器は、上端面が全面開口又は開閉自在な箱体状に形成されており、前記収容容器は、箱体状に形成された当該収容容器を収容容器装着手段に配置することによって装着されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の記録媒体収容装置である。
【0017】
さらに、請求項7に記載された発明は、前記収容容器装着手段の近傍に、当該収容容器装着手段に収容容器が装着されたか否かを検知する検知手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の記録媒体収容装置である。
【0018】
又、請求項8に記載された発明は、前記検知手段が前記収容容器装着手段に収容容器が装着されたことを検知しない場合は、記録媒体の排出を禁止することを特徴とする請求項7に記載の記録媒体収容装置である。
【0019】
更に、請求項9に記載された発明は、画像を記録媒体に出力する画像出力部と、
前記画像出力部によって画像が出力された記録媒体を排出する排出部と、
前記排出部に設けられ、前記排出部から排出される記録媒体を収容し、前記記録媒体の記録画像を外部から目視不可とする収容容器を着脱自在に装着する収容容器装着手段とを備えたことを特徴とする画像出力装置である。
【0020】
また、請求項10に記載された発明は、前記画像出力装置は、複数の排出部を備えており、前記収容容器装着手段は、複数の排出部のうちの少なくとも1つの排出部に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の画像出力装置である。
【0021】
さらに、請求項11に記載された発明は、前記収容容器装着手段の近傍に、当該収容容器装着手段に収容容器が装着されたか否かを検知する検知手段を備えたことを特徴とする請求項9又は10に記載の画像出力装置である。
【0022】
又、請求項12記載された発明は、前記画像出力装置は、前記画像出力部によって画像が出力された記録媒体を、通常の排出部に排出する通常排出モードと、
前記画像出力部によって画像が出力された記録媒体を、前記収容容器装着手段が設けられた排出部に排出する特殊排出モードとを備えていることを特徴とする請求項9乃至11のいずれかに記載の画像出力装置である。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に記載された発明によれば、画像出力装置の排出部に対して操作者が必要に応じて記録媒体の記録画像を目立たなくする収容容器を着脱することができる。
【0024】
また、請求項2に記載された発明によれば、装置の構成が複雑化することなく、排出部から排出される記録媒体を確実に既製の収容容器に収容することができる。
【0025】
さらに、請求項3に記載された発明によれば、収容容器を容易に着脱することができる。
【0026】
又、請求項4に記載された発明によれば、装置の構成を大幅に簡略化することができ、装置の占有面積の増大や、装置の大幅なコストアップを招くことがなく、しかも画像が形成された記録媒体が第三者の目に触れるのを防止し、プライバシーを保護することができる。
【0027】
更に、請求項5に記載された発明によれば、収容容器の入手及び取り扱いが容易となる。
【0028】
また、請求項6に記載された発明によれば、収容容器内に収容された記録媒体が不本位に屈曲したりするのを回避することができる。
【0029】
さらに、請求項7に記載された発明によれば、画像が出力された記録媒体が、誤って収容容器内に収容されずに、第三者の目に触れる状態で画像出力装置の外部に排出されるのを確実に防止することができる。
【0030】
又、請求項8に記載された発明によれば、記録媒体の記録画像が誤って露出するのを回避することができる。
【0031】
更に、請求項9に記載された発明によれば、装置の構成を大幅に簡略化することができ、装置の占有面積の増大や、装置の大幅なコストアップを招くことがなく、しかも画像が形成された記録媒体が第三者の目に触れるのを防止し、プライバシーを保護することができる。
【0032】
更に、請求項10に記載された発明によれば、利用者がプライバシーを保護する必要性があると判断した場合にのみ、画像が出力された記録媒体を収容容器の内部へと排出することができる。
【0033】
また、請求項11に記載された発明は、画像が出力された記録媒体が、誤って収容容器内に収容されずに、第三者の目に触れる状態で画像出力装置の外部に排出されるのを確実に防止することができる。
【0034】
さらに、請求項12に記載された発明によれば、利用者のニーズに応じて、画像が記録された記録媒体が第三者の目に触れるのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0036】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る記録媒体収容装置を適用したカラーの画像出力装置を示すものである。この画像出力装置は、画像読取装置を備えており、プリンターとしての機能以外に、複写機並びにファクシミリとしての機能を備えている。
【0037】
図2において、1はカラーの画像出力装置の本体を示すものであり、この装置本体1の上方には、原稿2を一枚ずつ分離した状態で自動的に搬送する自動原稿搬送装置3と、当該自動原稿搬送装置3によって搬送される原稿2の画像を読み取る原稿読取装置4が配設されている。この原稿読取装置4は、プラテンガラス5上に配置された原稿2を光源6によって照明し、原稿2からの反射光像を、フルレートミラー7及びハーフレートミラー8、9及び結像レンズ10からなる縮小光学系を介してCCD等からなる画像読取素子11上に走査露光することにより、この画像読取素子11によって原稿2の反射光像を予め定められたドット密度(例えば、16ドット/mm)で読み取るようになっている。
【0038】
上記原稿読取装置4によって読み取られた原稿2の反射光像は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)(各8bit)の3色の原稿反射率データとして画像処理装置12に送られ、この画像処理装置12では、原稿2の反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の予め定められた画像処理が施される。また、画像処理装置12は、図示しないパーソナルコンピュータや電話回線等から送られてくる画像データに対しても、予め定められた画像処理を行なうように構成されている。なお、上記画像処理装置12は、図示しないパーソナルコンピュータや電話回線等に対して送信する画像データに対しても、必要に応じて予め定められた画像処理を行なう。
【0039】
そして、上記の如く画像処理装置12で予め定められた画像処理が施された画像データは、同じく画像処理装置12によって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)(各8ビット)の4色の画像データに変換され、次に述べるように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの画像露光装置14に送られ、この画像露光装置14では、予め定められた色の原稿2の画像データに応じてLED発光素子アレイから出射される光によって画像露光が行われる。
【0040】
上記カラーの画像出力装置本体1の内部には、図2に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット(画像出力部)13Y、13M、13C、13Kが、第1色目のイエロー(Y)の画像形成ユニット13Yが相対的に高く、最終色の黒(K)の画像形成ユニット13Kが相対的に低くなるように、水平方向に対して予め定められた角度だけ傾斜した状態で一定の間隔を隔てて並列的に配置されている。
【0041】
このように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kを、予め定められた角度だけ傾斜した状態で配置することにより、これら4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kを水平に配置した場合に比較して、幅方向の距離を短く設定することができ、装置本体1の幅を小さくして小型化が可能となる。
【0042】
これらの4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kは、基本的に、同様に構成されており、図2に示すように、大別して、図示しない駆動手段によって予め定められた速度で回転駆動される像担持体としての感光体ドラム15と、この感光体ドラム15の表面を一様に帯電する一次帯電用の帯電ロール16と、当該感光体ドラム15の表面に予め定められた色に対応した画像を露光して静電潜像を形成するLEDプリントヘッドからなる画像露光装置14と、感光体ドラム15上に形成された静電潜像を予め定められた色のトナーで現像する現像器17と、感光体ドラム15の表面を清掃するクリーニング装置18とから構成されている。
【0043】
上記感光体ドラム15としては、例えば、直径30mmのドラム状に形成され、表面に有機感光体を被覆したものが用いられ、図示しない駆動モーターによって予め定められた回転速度で回転駆動される。
【0044】
また、上記帯電ロール16としては、例えば、芯金の表面に合成樹脂やゴムからなり電気抵抗を調整した導電層を被覆したロール状の帯電器が用いられ、この帯電ロール16の芯金には、予め定められた帯電バイアスが印加されるものが用いられている。さらに、この帯電ロール16の表面には、当該帯電ロール16の表面に付着したトナー等の異物を除去するためのクリーニングロール16aが接触するように配置されている。
【0045】
上記画像露光装置14は、図2に示すように、4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13K毎にそれぞれ個別に配置されており、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kに設けられた画像露光装置14としては、LED発光素子を予め定められたピッチ(例えば、600dpi〜1200dpi)で直線状に配置したLED発光素子アレイと、当該LED発光素子アレイの各LED発光素子から出射された光を感光体ドラム15上にスポット状に結像するセルフォックレンズ(商品名)アレイとを備えたものが用いられる。また、上記画像露光装置14は、図2に示すように、下方から感光体ドラム15上に画像を走査露光するように構成されている。
【0046】
なお、上記画像露光装置14としては、LED発光素子アレイからなるものに限らず、レーザービームを各感光体ドラム15の軸方向に沿って走査露光するものなどを用いても勿論良い。この場合には、4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kに対して共通の画像露光装置14を1つ配置しても良い。
【0047】
上記画像処理装置12からは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kに個別に設けられた画像露光装置14Y、14M、14C、14Kに、各色の画像データが順次出力され、これらの画像露光装置14Y、14M、14C、14Kから画像データに応じて出射された光束は、対応する感光体ドラム15の表面に走査露光され、静電潜像が形成される。上記感光体ドラム15上に形成された静電潜像は、現像器17Y、17M、17C、17Kによって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
【0048】
上記各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15上に、順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの上方にわたって傾斜した状態で配置されたベルト状の中間転写体としての中間転写ベルト20上に、4つの一次転写ロール21によって順次多重に転写される。
【0049】
この中間転写ベルト20は、複数のロールによって張架されたベルト状部材であって、当該ベルト状部材の下辺走行領域が、その走行方向に沿った下流側が相対的に低く、且つ上流側が相対的に高くなるように、水平方向に対して傾斜した状態で配置されている。
【0050】
即ち、上記中間転写ベルト20は、図2に示すように、ドライブロール22と、バックアップロール23と、テンションロール24と、第1のアイドラーロール25と、第2のアイドラーロール26との間に一定のテンションで掛け回されており、図示しない定速性に優れた専用の駆動モーターによって回転駆動されるドライブロール22により、矢印方向に予め定められた速度で循環駆動されるようになっている。上記中間転写ベルト20としては、例えば、可撓性を有するポリイミド等の合成樹脂フィルムを帯状に形成し、この帯状に形成された合成樹脂フィルムの両端を溶着等の手段によって接続することにより、無端ベルト状に形成したものや、あるいは最初から無端ベルト状に形成したものなどが用いられる。上記中間転写ベルト20は、その下辺走行領域において、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15Y、15M、15C、15Kに接触するように配置されている。
【0051】
また、上記中間転写ベルト20には、図2に示すように、水平方向Hに対して角度θだけ傾斜した状態で配置された中間転写ベルト20の低位側の端部に配置され、中間転写ベルト20上に一次転写されたトナー像を記録媒体上に二次転写する二次転写手段としての二次転写ロール27が、バックアップロール23によって張架された中間転写ベルト20の表面に当接するように配置されている。
【0052】
上記中間転写ベルト20上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、バックアップロール23に圧接する二次転写ロール27によって、圧接力及び静電気力で記録媒体としての記録用紙28上に二次転写され、これらの各色のトナー像が転写された記録用紙28は、鉛直方向の上方に位置する定着器29へと搬送される。上記二次転写ロール27は、バックアップロール23の側方に圧接しており、鉛直方向の下方から上方に搬送される記録用紙28上に、各色のトナー像を二次転写するようになっている。
【0053】
上記二次転写ロール27としては、例えば、ステンレス等の金属からなる芯金の外周に、導電剤を添加した発泡ゴム材料等の導電性発泡体からなる発泡層を予め定められた厚さに被覆したものが用いられる。
【0054】
そして、上記各色のトナー像が転写された記録用紙28は、定着器29によって熱及び圧力で定着処理を受けた後、定着器29の出口ロール30及び用紙排出経路31を介して第1の排出部としての第1の排出ロール32によって本体1の胴体部に設けられた第1の排出トレイ(フェイスダウントレイ)33上に排出されるか、又は第2の排出部としての第2の排出ロール34によって本体1の胴体の上方に設けられた途中で屈曲した平板状の第2の排出トレイ35上に排出されるか、又は第3の排出部としての第3の排出ロール36によって本体1の側方(図示例では、左側面上方)に突出するように設けられた第3の排出トレイ37上に排出される。なお、上記第3の排出ロール36は、フェイスアップトレイとしての第3の排出トレイ37上に画像面を上にした状態で排出するものである。
【0055】
上記記録用紙28は、図2に示すように、複合機本体1の内部に配置された給紙トレイ40、又は複合機本体1の下方に複数段配設された給紙トレイ41〜43から予め定められたサイズ及び材質のものが、給紙ローラ44及び用紙分離搬送用のローラ対45、46により一枚ずつ分離された状態で給紙され、搬送ロール49及び用紙搬送路47を介して、レジストロール48まで一旦搬送されて停止される。上記給紙トレイ40〜43の何れかから供給された記録用紙28は、予め定められたタイミングで回転するレジストロール48によって中間転写ベルト20の二次転写位置へ送出される。上記記録用紙28としては、普通紙以外にも、表面又は表裏両面にコーティング処理が施されたコート紙等の厚紙なども供給可能となっており、コート紙からなる記録用紙28には、写真画像なども出力される。
【0056】
なお、上記カラー画像出力装置において、フルカラーやモノクロの両面コピーをとる場合には、片面に画像が定着された記録用紙28を、第1乃至第3の排出ロール32、34、36によって第1乃至第3の排出トレイ33、35、37上にそのまま排出せずに、記録用紙28を第2の排出ロール34へと一旦搬送し、当該記録用紙28の後端が第2の排出ロール34によって挟持されている間に、図示しない切替ゲートによって記録用紙28の搬送方向を切り替え、複合機本体1の側面に設けられた両面用搬送ユニット50へと搬送する。そして、この両面用搬送ユニット50では、搬送径路51に沿って設けられた搬送用のローラ対52〜54により、記録用紙28がその搬送方向を逆転して表裏を反転した状態で、再度レジストロール48へと搬送され、今度は、当該記録用紙28の裏面に画像が転写・定着された後、第1の排出トレイ33乃至第3の排出トレイ37のいずれかに排出される。
【0057】
図2中、55Y、55M、55C、55Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の現像器17に、予め定められた色のトナーを供給するトナーカートリッジをそれぞれ示しており、黒(K)色のトナーを収容したトナーカートリッジ55Kは、使用頻度が高いため、他のカラーのトナーカートリッジと比較して大型に形成されている。
【0058】
また、図2中、56は手差しトレイを示すものであり、この手差しトレイ56からは、所望の材質及びサイズの記録媒体28が、給紙ローラ57及び用紙分離搬送用のローラ対58、59により搬送ロール60を介して、レジストロール48へと搬送される。
【0059】
図2は上記カラー画像出力装置の各画像形成ユニット(画像出力部)をも示すものである。
【0060】
上記イエロー色、マゼンタ色、シアン色及び黒色の4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kは、図2に示すように、すべて同様に構成されており、これらの4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kでは、上述したように、それぞれイエロー色、マゼンタ色、シアン色及び黒色のトナー像が予め定められたタイミングで順次形成されるように構成されている。上記各色の画像形成ユニット13Y、13M,13C、13Kは、上述したように、感光体ドラム15を備えており、これらの感光体ドラム15の表面は、一次帯電用の帯電ロール16によって一様に帯電される。その後、上記感光体ドラム15の表面は、画像露光装置14から画像データに応じて出射される光束が走査露光されて、各色に対応した静電潜像が形成される。上記感光体ドラム15上に走査露光される光束は、当該感光体ドラム15の直下よりやや右側寄りの斜め下方から、予め定められた傾斜角度で露光されるように設定されている。上記感光体ドラム15上に形成された静電潜像は、図4に示すように、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの現像器17の現像ロール17aによってそれぞれイエロー色、マゼンタ色、シアン色、黒色の各色のトナーにより現像されて可視トナー像となり、これらの可視トナー像は、一次転写ロール21の帯電によって中間転写ベルト20上に順次多重に転写される。
【0061】
上記各現像器17Y、17M、17C、17Kは、トナーとキャリアからなる二成分の現像剤を用いた二成分現像方式を採用しており、現像ロール17aの表面にトナーとキャリアからなる二成分現像剤の磁気ブラシを形成して、対応する色の感光体ドラム15Y、15M、15C、15Kの表面に形成された静電潜像を現像するように構成されている。
【0062】
なお、トナー像の転写工程が終了した後の感光体ドラム15の表面は、図2に示すように、クリーニング装置18によって残留トナーや紙粉等が除去されて、次の画像形成プロセスに備える。上記クリーニング装置18は、図2に示すように、クリーニングブレード61を備えており、このクリーニングブレード61によって、感光体ドラム15上の廃トナーや紙粉等を除去するようになっている。上記クリーニングブレード61によって除去された廃トナー等は、クリーニング装置18の内部に設けられた図示しない搬送用オーガーによって、予め定められたタイミングで複写機本体1のフロント側へと搬送され、図示しない搬送用のパイプを介して、図2に示すように、廃トナー回収容器70へと搬送される。
【0063】
また、トナー像の転写工程が終了した後の中間転写ベルト20の表面は、図2に示すように、二次転写後、クリーニング装置63によって残留トナーや紙粉等が除去されて、次の画像形成プロセスに備える。上記クリーニング装置63は、図2に示すように、クリーニングブレード64を備えており、このクリーニングブレード64によって、中間転写ベルト20上の残留トナーや紙粉等を除去するようになっている。上記クリーニングブレード64によって除去された廃トナー等は、クリーニング装置63の内部に設けられた搬送用オーガー65によって、予め決められたタイミングで装置本体1のフロント側へと搬送され、図示しない搬送用のパイプを介して、廃トナー回収容器70へと搬送される。
【0064】
ところで、この実施の形態1に係る記録媒体収容装置を適用したカラーの画像出力装置は、企業のオフィス等に設置されて使用される以外にも、コンビニエンスストアや公共施設などに設置されて不特定多数の利用者であるユーザーによって使用される。そして、この画像出力装置では、コンビニエンスストアや公共施設などにおいて、文書の複写以外にもデジタルカメラ等で撮影した画像情報のプリントや文書情報のファクシミリ機能による送受信などが行なわれる。
【0065】
上記カラー画像出力装置本体1は、電話回線等の通信回線100を介して、他のファクシミリを備えた画像出力装置101などと接続されており、他の画像出力装置72との間で文書情報102等の送受信が可能となっている。
【0066】
また、上記カラー画像出力装置は、図3に示すように、画像が複写やプリントされた記録用紙28を、単に装置本体1の胴体に設けられた第1及び第2の排出トレイ33、35に排出したり、装置本体1の側面に設けられた第3の排出トレイ37に排出する通常排出モード以外に、画像が複写やプリントされた記録用紙28が、第三者の目に触れるのを防止した状態で排出する秘密(特殊)排出モードを備えている。
【0067】
このカラー画像出力装置は、電話回線等の通信回線100を介して、他のファクシミリを備えた画像出力装置101などと接続されており、他の画像出力装置72から送られてきた文書情報102を出力する機能を備えている。また、このカラー画像出力装置は、図2に示すように、画像読取装置4によって読み取った文書等の画像情報や、図示しない記憶媒体に記憶された写真画像なども、複写やプリントすることが可能となっている。
【0068】
その際、上記他の画像出力装置102から送られてきた私文書等の文書情報102や、画像読取装置4によって読み取った文書等の画像情報、あるいは図示しない記憶媒体に記憶された写真画像などの画像情報は、個人情報を含んでいる場合もあり、カラー画像出力装置によって出力する際に、第三者の目に触れずに秘密の状態で出力し、プライバシーを保護したいというニーズが存在する。
【0069】
そこで、この実施の形態に係るカラー画像出力装置では、図1に示すように、排出部としての第1乃至第3の排出ロール32、34、36のうち、第3の排出ロール36の排出口外側に、当該第3の排出ロール36から排出される記録用紙28を収容する既製の収容容器を装着する収容容器装着手段としての装着用アーム80が2つ設けられている。上記装着用アーム80は、装置本体1の側面において、第3の排出ロール36の軸方向に沿った両端部の複合機本体1の側面1aにそれぞれ配置されており、最大サイズの記録用紙28の排出方向と角度を成して交差する方向の両側に離間した状態で設けられている。上記装着用アーム80は、図1に示すように、例えば、第3の排出トレイ37の代わりに装置本体1の側面に固定した状態で装着されるが、第3の排出トレイ37を折り畳み自在に構成して、当該装着用アーム80を使用する際には、第3の排出トレイ37を下方又は上方へ折り畳んで、装着用アーム80を使用するように構成しても良い。
【0070】
上記装着用アーム80は、図4及び図5に示すように、その円弧形状に形成された基端部81が装置本体1の側面1aに固定した状態で取り付けられているとともに、当該基端部81には、水平方向外側に向けて腕部82が一体的に突設されている。また、上記両方の腕部82の先端部近傍には、円筒形状の係止部83が角度をなして交差するように且つ互いに離反する方向へ向けて設けられているとともに、当該係止部83の端部には、円板状の抜止部84が設けられている。
【0071】
そして、上記装着用アーム80には、図6に示すように、例えば、コンビニエンスストア等で商品を収容するために使用される既製の収容容器としてのビニールやポリエチレン等の合成樹脂からなる半透明又は不透明な袋体85が、その上端部に設けられた環状の把手部86を、円板状の抜止部84を通過させた状態で係止部83に係止させることによって装着自在となっている。
【0072】
なお、上記袋体85は、図7に示すように、ビニールやポリエチレン等の合成樹脂製のフィルムによって、上端面87のみが全面開口した半透明あるいは不透明な袋状に形成されている。また、この袋体85には、その開口部86の幅方向に沿った両端部に、袋体85を手で下げるための環状の把手部86がそれぞれ設けられている。上記把手部86は、袋体85の表裏両面の上端部85a、85bを上方へ向けて細長い長方形状に突出させるとともに、その上端部85a、85bの端部同士を互いに溶着することにより、側面から手を入れることが可能な環状の空間88が形成されている。上記袋体85は、図6に示すように、その把手部86の環状の空間88を介して、装着用アーム80の係止部83に係止される。
【0073】
さらに、上記カラー画像出力装置の本体1には、図4及び図5に示すように、排出部としての第3の排出ロール36の排出口側に、当該第3の排出ロール36から排出される記録用紙28を、装着用アーム80に装着された袋体85の内部へと案内するガイド部材90が設けられている。このガイド部材90は、第3の排出ロール36の軸方向に沿った両端部に位置する排出ロール36a、36bに対応した位置にそれぞれ配設されており、当該ガイド部材90は、第3の排出ロール36から排出される記録用紙28の上面を案内する上面案内板91と、この上面案内板91と予め定められた間隔を隔てて対向するように配設された記録用紙28の下面を案内する下面案内板92とから構成されている。
【0074】
また、上記上面案内板91は、図5に示すように、その基端部91aが第3の排出ロール36の排出部上方に固定した状態で水平方向に沿って取り付けられているとともに、その中間部91bは、予め定められた曲率半径を有するように下方へ向けて湾曲しており、先端部91cが鉛直方向の下方に向けて直線状に突設されている。
【0075】
一方、上記下面案内板92は、図5に示すように、その基端部92aが第3の排出ロール36の排出部下方に、例えば、排出ロール36の下方ロールの回転軸に固定した状態で水平方向に沿って取り付けられているとともに、その中間部92bは、予め定められた曲率半径を有するように下方へ向けて湾曲しており、先端部92cが鉛直方向の下方に向けて直線状に突設されている。上記ガイド部材90の上面案内板91及び下面案内板92の先端部は、図6に示すように、袋体85の上端開口部87の内部に位置するように配置され、第3の排出ロール36から排出される記録用紙28を袋体85の内部に確実に案内可能となっている。
【0076】
図8は上記カラー画像出力装置の操作パネルを示す構成図である。
【0077】
図8において、110は操作パネルを示すものであり、この操作パネル110には、画像が出力された記録用紙28を排出する排出部を指定する排出部指定部111が設けられているとともに、画像が出力された記録用紙28が、第三者の目に触れるのを防止した状態で排出する秘密(特殊)排出モードを指定する秘密(特殊)排出モード指定部112が設けられている。
【0078】
通常、カラー画像出力装置は、他の画像出力装置101等からファクシミリ機能によって画像情報102が送られてくると、当該カラー画像出力装置が画像の出力中でない限り、他の画像出力装置101から送られてきた画像情報102をそのまま出力するが、秘密(特殊)排出モード指定部112によって秘密排出モードが指定されている場合には、他の画像出力装置101から送られてきた画像情報102を第1の排出ロール32等によってそのまま出力するのではなく、画像が出力された記録用紙28を第3の排出ロール36から既製の収容容器としての袋体85の内部に直接排出するように設定されている。
【0079】
その際、上記カラー画像出力装置では、秘密(特殊)排出モード指定部112によって秘密排出モードが指定された場合に、図11に示すように、装着用アーム80に袋体85が装着されているか否かを機械的又は光学的に検知する検知手段としてのセンサー113を備え、装着用アーム80に袋体85が装着されていることを検知した場合にのみ、第3の排出ロール36から記録用紙28を排出するように構成しても良い。
【0080】
以上の構成において、この実施の形態に係るカラー画像出力装置の場合には、次のようにして、シート折り手段や閉鎖手段、あるいは文書を覆うフィルム供給手段や、フィルムシール手段などを備えた装置と比較して、装置構成の複雑化に伴う装置の占有面積の増大や、装置の大幅なコストアップを招くことがなく、画像が形成された記録媒体が第三者の目に触れるのを防止し、プライバシーを保護することが可能となっている。
【0081】
すなわち、この実施の形態に係るカラー画像出力装置では、ファクシミリ機能を用いて、電話回線等の通信回線100を介して接続されたファクシミリ機能を備えた画像出力装置101から文書情報102を送受信することが可能となっている。その際、このカラー画像出力装置では、受信した文書情報102が記録された記録用紙28を、第1の排出ロール32又は第2の排出ロール34によって排出する通常排出モード以外に、画像が複写やプリントされた記録用紙28が、第三者の目に触れるのを防止するため、第3の排出ロール36から排出する秘密排出モードを備えている。
【0082】
上記カラー画像出力装置では、図8に示すように、秘密(特殊)排出モード指定部112によって秘密排出モードが指定されると、ユーザーインターフェースの表示パネルに、ユーザーに複合機本体1の側面1aに設けられた装着用アーム80に、袋体85を装着するように促すメッセージが表示され、ユーザーによって装着用アーム80に袋体85が装着される。
【0083】
その後、上記カラー画像出力装置では、スタートボタンが押されると、画像処理装置12のメモリに記憶された文書情報が出力され、文書情報が形成された記録用紙28が、第3の排出ロール36から装着用アーム80に装着された袋体85の内部に排出される。この第3の排出ロール36から排出された記録用紙28は、複数枚排出される場合であっても、図9に示すように、案内部材90によって袋体85の内部に確実に案内され、第三者の目に触れることなく、袋体85の内部に収容される。
【0084】
そのため、上記カラー画像出力装置によれば、図6に示すように、既製の袋体85を装着用アーム80に装着するという簡単な構成で、装置の占有面積の増大や、装置の大幅なコストアップを招くことなく、画像が出力された記録用紙28の画像情報が第三者の目に触れるのを防止することができ、プライバシーを保護することが可能となっている。
【0085】
実施の形態2
図10はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、画像が出力された記録媒体を第3の排出部によって排出するのではなく、画像が出力された記録媒体を第2の排出部によって排出する構成において、当該第2の排出部によって排出される記録媒体が第三者の目に触れるのを防止可能となっている。
【0086】
すなわち、この実施の形態2では、図11及び図12に示すように、第1の排出ロール32から排出される記録用紙28を、ビニールやポリエチレン製の袋体85に収容するように構成されている。上記第1の排出ロール32は、その排出口が装置本体1の胴体に設けられた第1の排出トレイ33の端部に面して配設されている。この第1の排出ロール32の排出口外側には、その上部に当該第1の排出ロール32から排出される記録用紙28を収容する袋体85を装着する装着用アーム80が設けられている。この装着用アーム80は、第1の排出ロール32の軸方向に沿った両端部の上方にそれぞれ配設されており、最大サイズの記録用紙28の排出方向と直交する方向の両側に離間した状態で設けられている。この実施の形態2では、画像が出力された記録媒体を第3の排出部によって排出するのではなく、画像が出力された記録媒体を第2の排出部によって排出する構成において、当該第2の排出部によって排出される記録媒体85が第三者の目に触れるのを防止可能となっている。
【0087】
なお、図示例では、便宜上、第2の排出トレイ35の図示が省略されているが、装着用アーム80は、第2の排出トレイ35と干渉するものではなく、第2の排出トレイ35は、そのまま設けても良い。
【0088】
上記装着用アーム80は、図10及び図11に示すように、装置本体1の第1の排出トレイ33に面した側面1bに垂直に固定した状態で取り付けられているとともに、当該装着用アーム80の先端部近傍の上端面には、円筒形状の係止部83が直交するように立設されているとともに、当該係止部83の上端部には、円板状の抜止部84が設けられている。
【0089】
また、この実施の形態2では、図10及び図11に示すように、第1の排出ロール32の下方に、当該第1の排出ロール32から排出される記録用紙28を、袋体85の内部へと案内する板状のガイド部材90が、第1の排出トレイ33と略平行になるように配設されている。このガイド部材90は、第1の排出ロール32から排出される記録用紙28の下面側をガイドすることにより、記録用紙28を袋体85の内部へと案内するものである。
【0090】
そして、この実施の形態2では、図12に示すように、袋体85を第1の排出トレイ33の右端側の開口部から、ガイド部材90を内部に収容した状態で、第1の排出トレイ33に沿って第1の排出ロール32の基端部へと覆うように装着し、当該袋体85の把手部86を装着用アーム80の係止部83に係止することによって配設される。
【0091】
この状態で、上記カラー画像出力装置では、図12に示すように、第1の排出ロール32によって画像が出力された記録用紙28を排出することにより、当該第1の排出ロール32から排出される記録用紙28は、その先端部がガイド部材90によってガイドされて袋体85の内部へと案内され、袋体85の内部に確実に収容される。
【0092】
このように、上記実施の形態2の場合には、カラー画像出力装置の第1の排出ロール32によって画像が記録された記録用紙28を排出する場合に、画像が記録された記録用紙28が袋体85の内部に収容され、外部に露出することがない。
【0093】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0094】
実施の形態3
図13はこの発明の実施の形態3を示すものであり、前記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態3では、画像が出力された記録媒体を第1乃至第3の排出手段によって排出するのではなく、片面に画像が出力された記録媒体の表裏を反転する両面用搬送経路を用いて、画像が出力された記録媒体が第三者の目に触れるのをより一層確実に防止可能となっている。
【0095】
上記カラー画像出力装置は、上述したように、記録用紙28の片面のみならず、記録用紙28の両面に画像を形成することが可能に構成されているが、当該カラー画像出力装置がコンビニエンスストアや公共施設など、不特定多数のユーザーが広く使用する場所に設置される場合には、本来備えている両面画像形成機能を使用しない場合が多い。
【0096】
そこで、この実施の形態3では、上記カラー画像出力装置において、両面画像形成機能を使用しない代わりに、画像が出力された記録媒体が第三者の目に触れるのをより一層確実に防止することが可能となるように構成されている。
【0097】
上記カラー画像出力装置において、フルカラーやモノクロの両面コピーをとる場合には、図2等に基づいて上述したように、片面に画像が定着された記録用紙28を、第1の排出ロール32乃至第3の排出ロール36によって第1乃至第3の排出トレイ33、35、37上にそのまま排出せずに、記録用紙28を第2の排出ロール34へと一旦搬送し、当該記録用紙28の後端を第2の排出ロール34によって挟持している間に、図示しない切替ゲートによって記録用紙28の搬送方向を切り替え、装置本体1の側面に設けられた両面用搬送ユニット50へと搬送するように構成されている。
【0098】
この実施の形態3では、図13に示すように、両面用搬送ユニット50の一部をそのまま使用するとともに、当該両面用搬送ユニット50の代わりに、収容容器装着部95を備えるように構成されている。上記カラー画像出力装置では、秘密(特殊)排出モード指定部112によって秘密排出モードが指定されると、片面に画像が定着された記録用紙28は、両面用搬送ユニット50の位置へと搬送されるが、この両面用ユニット50の代わりに、搬送径路51の上端部のみが設けられており、当該搬送径路51の下方は、収容容器としての収容箱85を配置した状態で装着する空間からなる収容箱装着部95となっている。
【0099】
この収容箱装着部95は、使用する収容箱85の形状に合わせて設定されており、秘密(特殊)排出モード指定部112によって秘密排出モードが指定された場合に、両面用搬送ユニット50の位置へと搬送される記録用紙28が、図14に示すように、搬送径路51の下方に設けられた収容箱装着部95に配置された収容箱85の内部に収容される。
【0100】
上記収容箱85としては、図15に示すように、例えば、上面が全面開口するか又は開閉自在な蓋体85dを備えた厚さの比較的薄い直方体状の箱体が用いられる。なお、上記記録用紙28は、自重によって収容箱の内部に収容されるものであり、前記実施の形態1又は2のように、記録用紙28を収容箱の内部に案内するガイド部材は、特に設ける必要がない。
【0101】
このように、上記実施の形態3では、秘密(特殊)排出モード指定部112によって秘密排出モードが指定されると、画像が出力された記録用紙28を、通常の第1乃至第3の排出ロール32、34、36によって排出トレイ上に排出するのではなく、通常、記録用紙28を排出する機能を備えていない両面用搬送ユニット50から収容箱85へと直接排出するように構成されているので、画像が出力された記録用紙28が、第三者の目に触れる虞れがなく、第三者の目に触れるのをより一層確実に防止することが可能となる。
【0102】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】図1はこの発明の実施の形態1に係る記録媒体収容装置を適用したカラー画像出力装置の要部を示す斜視構成図である。
【図2】図2はこの発明の実施の形態1に係る記録媒体収容装置を適用したカラー画像出力装置を示す構成図である。
【図3】図3はこの発明の実施の形態1に係る記録媒体収容装置を適用したカラー画像出力装置の要部を示す斜視図である。
【図4】図4はこの発明の実施の形態1に係る記録媒体収容装置を適用したカラー画像出力装置の要部を示す斜視図である。
【図5】図5はこの発明の実施の形態1に係る記録媒体収容装置を適用したカラー画像出力装置の要部を示す側面構成図である。
【図6】図6はこの発明の実施の形態1に係る記録媒体収容装置を適用したカラー画像出力装置の要部を示す側面構成図である。
【図7】図7は袋体を示す模式図である。
【図8】図8は操作パネルを示すブロック図である。
【図9】図9はこの発明の実施の形態1に係る記録媒体収容装置を適用したカラー画像出力装置の使用状態を示す斜視図である。
【図10】図10はこの発明の実施の形態2に係る記録媒体収容装置を適用したカラー画像出力装置の要部を示す斜視構成図である。
【図11】図11はこの発明の実施の形態2に係る記録媒体収容装置を適用したカラー画像出力装置を示す正面構成図である。
【図12】図12はこの発明の実施の形態2に係る記録媒体収容装置を適用したカラー画像出力装置を示す正面構成図である。
【図13】図13はこの発明の実施の形態3に係る記録媒体収容装置を適用したカラー画像出力装置の要部を示す構成図である。
【図14】図14はこの発明の実施の形態3に係る記録媒体収容装置を適用したカラー画像出力装置の要部を示す構成図である。
【図15】図15は収容箱を示す斜視構成図である。
【符号の説明】
【0104】
1:カラー画像出力装置本体、32:第1の排出ロール、34:第2の排出ロール、36:第3の排出ロール、80:装着用アーム、85:袋体(収容容器)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像出力装置の排出部に設けられ、前記排出部から排出される記録媒体を収容し、前記記録媒体の記録画像を外部から目視不可とする収容容器を着脱自在に装着する収容容器装着手段を備えたことを特徴とする記録媒体収容装置。
【請求項2】
前記排出部から排出された記録媒体を、前記収容容器の内部へと案内する案内部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体収容装置。
【請求項3】
前記画像出力装置の前記排出部から排出された記録媒体を受ける排出トレイを取り外した状態、又は前記排出トレイが退避した状態で、前記収容容器を着脱自在に構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の記録媒体収容装置。
【請求項4】
前記収容容器は、前記排出部から排出される記録媒体を、当該記録媒体の自重によって内部に収容することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の記録媒体収容装置。
【請求項5】
前記収容容器は、フィルム状の合成樹脂によって上端面が全面開口し、且つ上端開口部の両側に環状の把手部を有する袋状に形成されており、前記収容容器は、環状の把手部を収容容器装着手段に係止することによって、当該収容容器装着手段に装着されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の記録媒体収容装置。
【請求項6】
前記収容容器は、上端面が全面開口又は開閉自在な箱体状に形成されており、前記収容容器は、箱体状に形成された当該収容容器を収容容器装着手段に配置することによって装着されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の記録媒体収容装置。
【請求項7】
前記収容容器装着手段の近傍に、当該収容容器装着手段に収容容器が装着されたか否かを検知する検知手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の記録媒体収容装置。
【請求項8】
前記検知手段が前記収容容器装着手段に収容容器が装着されたことを検知しない場合は、記録媒体の排出を禁止することを特徴とする請求項7に記載の記録媒体収容装置。
【請求項9】
画像を記録媒体に出力する画像出力部と、
前記画像出力部によって画像が出力された記録媒体を排出する排出部と、
前記排出部に設けられ、前記排出部から排出される記録媒体を収容し、前記記録媒体の記録画像を外部から目視不可とする収容容器を着脱自在に装着する収容容器装着手段とを備えたことを特徴とする画像出力装置。
【請求項10】
前記画像出力装置は、複数の排出部を備えており、前記収容容器装着手段は、複数の排出部のうちの少なくとも1つの排出部に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の画像出力装置。
【請求項11】
前記収容容器装着手段の近傍に、当該収容容器装着手段に収容容器が装着されたか否かを検知する検知手段を備えたことを特徴とする請求項9又は10に記載の画像出力装置。
【請求項12】
前記画像出力装置は、前記画像出力部によって画像が出力された記録媒体を、通常の排出部に排出する通常排出モードと、
前記画像出力部によって画像が出力された記録媒体を、前記収容容器装着手段が設けられた排出部に排出する特殊排出モードとを備えていることを特徴とする請求項9乃至11のいずれかに記載の画像出力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−149956(P2010−149956A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−327629(P2008−327629)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】