説明

記録媒体式施解錠装置、記録媒体式施解錠装置の解錠方法、記録媒体式施解錠システム

【課題】安価な構成で、部屋に入室または退室する際、施解錠以外の部屋としての機能を制御する装置を提供する。
【解決手段】 部屋の外からQRコード部25を受け付けて25に記録された情報を読み取るCCDカメラ714と、714によって読み取った情報に基づいてドアを解錠または施錠する施解錠手段(ソレノイド811とデッドボルト800)とを備える記録媒体式施解錠装置は、部屋の内からQRコード部25を受け付けて25に記録された情報を読み取るCCDカメラ714と、714の読み取った情報に基づいて、複数種の指示を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体を受け付けて施錠または解錠する記録媒体式施解錠装置、記録媒体式施解錠装置の解錠方法、記録媒体式施解錠システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1のカード式ドア施解錠装置は、外から内へ入室する際にカードをドアに挿入して電気錠を解錠し、ドアの内からサムターン47を捻って施錠する。
また例えば特許文献2のホテル等の個室用電源装置では、名刺等の代用品で電源がON状態を維持されるのへ解消するため、宿泊カードPを検知するため、カード用の装填部20に複数個のセンサ26を配置し、宿泊カードには宿泊カードPに透過孔33を設け、センサ26の一つが透過孔33を介して透過光を検知する場合、正規の宿泊カードPであるとし電源をONとし、名刺等の他の紙葉類の場合、透過光を検知しないので電源をOFFとするようにした。
【特許文献1】特公平06−074689
【特許文献2】特開2001−16773
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の如くの従来例、例えば特許文献1では、ホテルにおいては、カードキーは施解錠のみに用いられるものであるから、客がルーム内に在室中か否かわからないので、清掃する際清掃員は清掃時間になるとドアをノックするなどして客が在室中で就寝中であれば起こしてしまうとか、清掃員が清掃したか否かを確認する点検者が点検を行ってよいかもわからないという問題が発生する。また、例えば特許文献2では名刺等に正規の宿泊カードPに似せて、透過光33の位置にボールペン先で穴を開ければ、不在にもかかわらずエアコンをつけっぱなしで外出することができる。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、例えばホテルの部屋において不在検知や不在時には確実に電気機器の電源をOFFにするとか、誰が在室中であるのかわかるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の記録媒体式施解錠装置は、部屋の外から記録媒体を受け付けて前記記録媒体に記録された情報を読み取る第1の記録媒体読取手段と、前記第1の記録媒体読取手段によって読み取った情報に基づいてドアを解錠または施錠する施解錠手段とを備える記録媒体式施解錠装置において、部屋の内から記録媒体を受け付けて前記記録媒体に記録された情報を読み取る第2の記録媒体読取手段と、前記第2の記録媒体読取手段により読み取った情報に基づいて、複数種の指示を出力する指示出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また本発明の記録媒体式施解錠装置の記録媒体処理方法は、部屋の外から記録媒体を受け付けて前記記録媒体に記録された情報を読み取る第1の記録媒体読取手段によってなされる第1の記録媒体読取ステップと、前記第1の記録媒体読取手段によって読み取った情報に基づいてドアを解錠または施錠する施解錠手段によってなされる施解錠ステップとを備える記録媒体式施解錠装置の記録媒体処理方法において、部屋の内から記録媒体を受け付けて前記記録媒体に記録された情報を読み取る第2の記録媒体読取手段によってなされる第2の読取ステップと、前記第2の記録媒体読取手段により読み取った情報に基づいて、複数種の指示を出力する指示出力手段によってなされる指示出力ステップと、を備えることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、部屋の内から記録媒体を受け付けて記録媒体に記録された情報を読み取る第2の記録媒体読取手段と、第2の記録媒体読取手段により読み取った情報に基づいて、複数種の指示を出力する指示出力手段と、を備えるので、例えば、読み取った情報に基づいてホテルの部屋で不在であることを確実に検知して電気機器の電源をOFFにするとか、誰が在室中であるのかわかるようにすることができる。
【0008】
また本発明の記録媒体式施解錠装置は、さらに、前記第1の記録媒体読取手段または前記第2の記録媒体読取手段により読み取った情報によって清掃員用と特定される場合には、清掃中の旨の指示出力を出力する清掃中指示出力手段と、前記清掃中指示出力手段によって清掃中の旨の指示出力中に、再び、前記第1の記録媒体読取手段または前記第2の記録媒体読取手段により読み取った情報によって清掃員用と特定される場合には清掃を完了した旨または次工程依頼の旨の指示出力を出力する清掃完了指示出力手段を備えることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、さらに第1の記録媒体読取手段または第2の記録媒体読取手段により読み取った情報によって清掃員用と特定される場合には、清掃中の旨の指示出力を出力する清掃中指示出力手段と、清掃中指示出力手段によって清掃中の旨の指示出力中に、再び、第1の記録媒体読取手段または第2の記録媒体読取手段により読み取った情報によって清掃員用と特定される場合には清掃を完了した旨または次工程依頼の旨の指示出力を出力する清掃完了指示出力手段を備えるので、清掃中の指示出力ができ、清掃完了により次工程として例えば点検作業等を行うことが可能とできる。なお清掃中の旨の指示出力中に、とは、清掃中の旨の指示出力中か否かを判定する手段を備えるとは限らず、A:第1の記録媒体読取手段または第2の記録媒体読取手段により読み取った情報によって清掃員用と特定される場合に次いで、再び、B:第1の記録媒体読取手段または第2の記録媒体読取手段により読み取った情報によって清掃員用と特定される場合であってもよい。この場合、上記Aによって清掃中の旨の指示出力がなされている為、当然、再びBを行えば、Aの段階で清掃中の旨の指示出力中ということになるので本発明に含まれる。
【0010】
また本発明の記録媒体式施解錠装置はさらに、前記第2の記録媒体読取手段は、記録媒体を受け入れ可能であり、受け入れ状態を保持するように構成され、前記指示出力手段は、前記受け入れ状態を保持する場合において、前記複数種の指示が、前記記録媒体から読み取った情報によって客用と特定される場合には客在室の旨の指示出力、前記記録媒体から読み取った情報によって清掃員用または点検者等の従業員用と特定される場合には清掃中または点検中等の作業中の旨の指示出力、であることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、第2の記録媒体読取手段は、記録媒体を受け入れ可能であり、受け入れ状態を保持するように構成され、指示出力手段は、受け入れ状態を保持する場合において、複数種の指示が、記録媒体から読み取った情報によって客用と特定される場合には客在室の指示出力、記録媒体から読み取った情報によって清掃員用または点検者等の従業員用と特定される場合には清掃中または点検中等の作業中の旨の指示出力、であるので、上記作用効果に加えて、客、清掃員または点検者、のいずれかが在室中であるのか確実にわかるようにできる。なお、清掃員用の記録媒体を部屋の外にある第1の記録媒体読取手段に挿入して放置したまま清掃作業をすると、清掃員用記録媒体を誰かが抜き取って他の部屋に自由に出入りできるようにして滞在中の客の持ち物などを盗難されてもこまるので、本発明の如く在室中か否かは部屋の内から記録媒体を受け入れ可能とし、受け入れ状態を保持する構成が望ましい。しかしながら、清掃員が複数の部屋を同時にドアを開いたまま清掃するような場合も想定され、この場合部屋の内から記録媒体を受け入れて、その状態を保持することができない。そのような清掃時の運用を行う場合においては、客不在の旨の出力中において、記録媒体を第1の記録媒体読取手段または第2の記録媒体読取手段によって読み取った情報が清掃員用であれば、清掃中等の作業中の旨の指示出力をするようにし、再び記録媒体を第1の記録媒体読取手段または第2の記録媒体読取手段によって読み取った情報が清掃員用であれば、清掃を完了した旨または次工程依頼の旨の指示出力をするように構成してもよい。
【0012】
また本発明の記録媒体式施解錠装置は、さらに前記第1の記録媒体読取手段は、受け付けた記録媒体から読み取った情報が、マスター用と特定される場合には無条件でドアを解錠し、前記マスター用以外と特定される場合には条件付で解錠されることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、上記作用効果に加えて、第1の記録媒体読取手段は、受け付けた記録媒体から読み取った情報が、マスター用と特定される場合には無条件でドアを解錠し、前記マスター用以外と特定される場合には条件付で解錠されるので、客が在室中に急病などで手遅れにならないようマスター用の記録媒体で解錠でき、その他の例えば清掃員用や点検者用の記録媒体では客が在室中であれば解錠不可とするようにすれば客が就寝中に誤って清掃員や点検員が入室してしまうことを防止できる。
【0014】
また本発明の記録媒体式施解錠装置は、さらに、前記指示出力手段は、さらにエアコン、電灯等の電気機器をON、またはONとする許可の旨の電気機器ON指示出力が可能であることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、上記作用効果に加えて、指示出力手段は、さらにエアコン、電灯等の電気機器をON、またはONとする許可の旨の電気機器ON指示出力が可能であるので好ましい。
【0016】
また本発明の記録媒体式施解錠装置は、さらに、前記第2の記録媒体読取手段は、記録媒体を受け入れ可能であり、受け入れ状態を保持するように構成され、前記指示出力手段は、前記複数種の指示が、前記受け入れていた記録媒体が排出または取り出された場合において、前記受け入れていた記録媒体から読み取った情報によって客用と特定される場合には客不在の指示出力、前記受け入れていた記録媒体から読み取った情報によって清掃員用または点検者等の従業員用と特定される場合には清掃または点検等の作業を完了した旨の指示出力、であることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、第2の記録媒体読取手段は、記録媒体を受け入れ可能であり、受け入れ状態を保持するように構成され、指示出力手段は、複数種の指示が、受け入れていた記録媒体が排出または取り出された場合において、受け入れていた記録媒体から読み取った情報によって客用と特定される場合には客不在の指示出力、受け入れていた記録媒体から読み取った情報によって清掃員用または点検者等の従業員用と特定される場合には清掃または点検等の作業を完了した旨の指示出力、であるので、上記作用効果に加え、客不在の旨、清掃を完了した旨、清掃または点検等の作業を完了した旨であるのか確実にわかるようにできる。なお、清掃員用の記録媒体を部屋の外にある第1の記録媒体読取手段に挿入して放置したまま清掃作業をすると、清掃員用記録媒体を誰かが抜き取って他の部屋に自由に出入りできるようにして滞在中の客の持ち物などを盗難されてもこまるので、本発明の如く在室中か否かは部屋の内から記録媒体を受け入れ可能とし、受け入れ状態を保持する構成が望ましい。
【0018】
また本発明の記録媒体式施解錠装置は、さらに前記指示出力手段は、さらに前記受け入れた記録媒体が排出または取り出された場合にエアコン、電灯等の電気機器をOFFとする電気機器OFF指示出力が可能であることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、指示出力手段は、さらに前記受け入れた記録媒体が排出または取り出された場合にエアコン、電灯等の電気機器をOFFとする電気機器OFF指示出力が可能であるので、退室とともにOFFとするため電気代が節約できる。なお、電気機器をOFとするタイミングは若干の時間的遅れ、を計時してOFFとする方が、ドアノブの位置確認や記録媒体の引き抜き受け取りができて好ましい。
【0020】
また本発明の記録媒体式施解錠装置は、さらに前記指示出力手段は、前記複数種の指示が、前記第1の記録媒体読取手段によって受け付けた記録媒体から読み取った情報によって客用と特定される場合には客不在の旨または清掃依頼の旨の指示出力、前記前記第1の記録媒体読取手段によって受け付けた記録媒体から読み取った情報によって清掃員用と特定される場合には清掃を完了した旨または次工程依頼の旨の指示出力、前記前記第1の記録媒体読取手段によって受け付けた記録媒体から読み取った情報によって点検者用と特定される場合には客が入室可能な旨または次工程依頼の旨の指示出力、の内少なくとも複数であることを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、指示出力手段は、前記複数種の指示が、前記第1の記録媒体読取手段によって受け付けた記録媒体から読み取った情報によって客用と特定される場合には客不在の旨または清掃依頼の旨の指示出力、前記前記第1の記録媒体読取手段によって受け付けた記録媒体から読み取った情報によって清掃員用と特定される場合には清掃を完了した旨または次工程依頼の旨の指示出力、前記前記第1の記録媒体読取手段によって受け付けた記録媒体から読み取った情報によって点検者用と特定される場合には客が入室可能な旨または次工程依頼の旨の指示出力、の内少なくとも複数であるので、上記作用効果に加え、客不在の旨または清掃依頼の旨、清掃を完了した旨または次工程依頼の旨、客が入室可能な旨または次工程依頼の旨のうち複数について何の旨であるのか確実にわかるようにできる。
【0022】
また本発明の記録媒体式施解錠装置は、さらに前記指示出力手段は、さらに前記第1の記録媒体読取手段によって記録媒体を受け付けた場合にアコン、電灯等の電気機器をOFFとする電気機器OFF指示出力が可能であることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、指示出力手段は、さらに第1の記録媒体読取手段によって記録媒体を受け付けた場合にエアコン、電灯等の電気機器をOFFとする電気機器OFF指示出力が可能であるので、退室とともにOFFとするため電気代が節約できる。なお、電気機器をOFとするタイミングは若干の時間的遅れ、を計時してOFFとする方が、ドアノブの位置確認や記録媒体の引き抜き受け取りができて好ましい。
【0024】
また本発明の記録媒体式施解錠装置は、前記複数種の指示毎に、部屋の外部に異なる態様で表示する表示手段を備えることを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、複数種の指示毎に、部屋の外部に異なる態様で表示するので、上記作用効果に加え、現在入室可能か否か容易に判断できる。なお部屋外部とは、例えば、部屋の外の壁、ドアの外面、ホテルの管理室などが例示できる。またなお表示する手段としては、液晶モニターへの文字表示、上記例示の例えば、客在室、清掃中等と書かれた文字に隣接したLEDやランプの点灯や点滅などが例示できる。
【0026】
また本発明の記録媒体式施解錠装置は、さらに、前記記録媒体読取手段と前記第2の記録媒体読取手段は、1のセンサによって読み取ることを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、記録媒体読取手段と第2の記録媒体読取手段は、1のセンサによって読み取るので、上記作用効果に加え、本発明を安価に実現することができる。
【0028】
また本発明の記録媒体式施解錠システムは、さらに、前記請求項1乃至9いずれか記載の記録媒体式施解錠装置からの信号を受ける信号受信手段と、前記信号受信手段からの信号に基づく情報を処理する管理装置を備えることを特徴とする。
【0029】
記録媒体式施解錠装置からの信号を受ける信号受信手段と、信号受信手段からの信号に基づく情報を処理する管理装置を備えるので、上記作用効果に加え、記録媒体式施解錠装置からの信号に基づく情報を管理装置で処理することができる。
【0030】
また本発明の記録媒体式施解錠装置の記録媒体処理方法は、前記第2の記録媒体読取手段は、記録媒体を受け入れ可能であり、受け入れ状態を保持するように構成され、
前記指示出力手段は、前記第2の記録媒体読取手段が記録媒体の受け入れ状態を保持する場合において、前記記録媒体から読み取った情報によって客用と特定される場合には客在室の旨の指示出力、前記記録媒体から読み取った情報によって清掃員用または点検者等の従業員用と特定される場合には清掃中または点検中等の作業中の旨の指示出力、さらにエアコン、電灯等の電気機器をON、またはONとする許可の旨の電気機器ON指示出力をするよう構成され、前記第2の記録媒体読取手段の受け入れた記録媒体が排出または取り出された場合において、前記受け入れていた記録媒体から読み取った情報によって客用と特定される場合には客不在の旨または清掃依頼の旨の指示出力、前記受け入れていた記録媒体から読み取った情報によって清掃員用または点検者等の従業員用と特定される場合には清掃または点検等の作業を完了した旨の指示出力、エアコン、電灯等の電気機器をOFFとする電気機器OFF指示出力、をするよう構成され、前記指示出力ステップは、前記客在室の指示出力するとともに前記電気機器ON指示出力した後、前記客不在の旨または清掃依頼の旨の指示出力するとともに前記電気機器OFF指示出力した後、前記作業中の指示出力するとともに前記電気機器ON指示出力した後、前記作業を完了した旨の指示出力するとともに前記電気機器OFF指示出力するサイクルで繰り返し指示出力可能なことを特徴とする。
【0031】
この発明によれば、上記の如く各手段が構成され、指示出力ステップは、客在室の指示出力するとともに電気機器ON指示出力した後、客不在の旨または清掃依頼の旨の指示出力するとともに電気機器OFF指示出力した後、清掃中または点検中等の作業中の旨の指示出力するとともに電気機器ON指示出力した後、清掃または点検等の作業を完了した旨の指示出力するとともに電気機器OFF指示出力するサイクルで繰り返し指示出力可能であるので、例えばホテルにおいて、次工程の作業をするために客室に入って良いか否か把握可能であるとともに、客が滞在するため入室可能か否か把握可能である。
【0032】
なお、前記記録媒体とは、バーコード、QRコード等、光学的に読み取り可能な印字されたレシート、カード等の紙葉類、内蔵RFIDや磁気層を記録部として備えたカード、ICコイン等が例示できる。
【0033】
またなお、前記、記録媒体を受け付けて記録媒体に記録された情報を読み取る記録媒体読取手段、とは、バーコードリーダ、QRコードリーダ、RFIDリーダ、磁気層リーダ等を例示できる。RFIDリーダの場合、RFIDカードの記録情報のワンタッチ式読み取りや挿入式読み取りが例示できる。
【0034】
またなお管理装置で行う信号受信手段からの信号に基づく情報を処理するとは、例えば、解錠時刻、施錠時刻、所要の処理をした時刻、における記録媒体の記録情報から特定可能な客IDを、履歴情報として記録管理したり、所定期間(例えば月間)における客の総在室時間及び宿泊料金や滞在料金の算出、所要の処理をしている総時間等の集計を算出して管理すること等を例示できる。
【0035】
またなお受け入れ状態を保持するとは、記録媒体を、挟む、掴む、挿入する、クリップするなど、を例示できる。
【0036】
またなお第1の記録媒体読取手段または第2の記録媒体読取手段によって、読み取った情報によって、マスター用、客用、清掃員用、点検者用等と特定する、について、記録媒体にはID番号のみを記録させて、記録媒体から読み取ったID番号に基づいて管理装置等のネットワーク上の機器に問い合わせてID番号に対応させて記録した情報が客用、清掃員用、点検者用、マスター用である旨の情報を管理装置等のネットワーク上の機器から本発明の記録媒体式施解錠装置に送信して特定するようにしてもよいし、他にはマスター用、客用、清掃員用、点検者用である旨の情報を記録媒体に記録して読み出して特定してもよい。勿論、記録媒体にはID番号とマスター用、客用、清掃員用、点検者用である旨の情報を両方記録しておいてもよい。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、この発明によれば、部屋の内から記録媒体を受け付けて記録媒体に記録された情報を読み取る第2の記録媒体読取手段と、第2の記録媒体読取手段により読み取った情報に基づいて、複数種の指示を出力する指示出力手段と、を備えるので、例えば、読み取った情報に基づいてホテルの部屋で不在であることを確実に検知して電気機器の電源をOFFにするとか、誰が在室中であるのかとか、これら複数種の指示を出力することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の一実施形態による記録媒体式施解錠装置、記録媒体式施解錠装置の及び記録媒体式施解錠システムを、図面を参照して説明する。図1は記録媒体式施解錠システムの構成を示すブロック図である。この図において、符号1は、記録媒体式システムである。符号2は登録装置である。符号3は、管理装置である。符号4はチェックイン端末である。符号5はルーム管理装置である。符号6はプリペイド入金及びポストペイド入金におけるカウンタ入金装置である。符号7は本発明の記録媒体式施解錠装置71を含む客室制御システムである。符号8はフロア管理装置である。符号9は各フロアに設けられたプリペイド入金及びポストペイドによる入金を受け付けるフロア入金受付装置である。符号10は外線電話料金課金装置である。符号11はホテル内のテナント施設使用時にその料金を課金するテナント端末である。記録媒体式施解錠システム1は、上記各装置が通信可能に有線乃至無線で接続されている。
【0039】
本実施形態の記録媒体式施解錠システム1においては、上記各装置間はLANで接続されているが、フロア管理装置8、管理装置3、ルーム管理装置5の間の通信回線については、フロア管理装置8と他のそのフロアに存在する装置の間の通信回線の通信速度より高速な通信回線を利用するようにしてもよい。この場合、無線通信によって低速でデータ収集したフロア管理装置8の収集データを、リアルタイム性を維持しつつ、管理装置3、ルーム管理装置5が受信して、記録、管理、集計することができる。
【0040】
登録装置2を構成する登録コンピュータ21、管理装置3を構成する管理コンピュータ31、チェックイン端末装置4、ルーム管理装置5を構成するルーム管理コンピュータ51、カウンタ入金装置6、記録媒体式施解錠装置71及び記録媒体式施解錠装置71を含む客室制御システム7、フロア管理装置8、フロア入金受付装置9、外線電話料金課金装置10、テナント端末11は、制御部として夫々1乃至複数のCPUを搭載し、記録部としてRAM、ハードディスクを備え、他の装置との信号授受をするための入出力IF(インターフェース)回路及び通信IF回路(この実施の形態ではLANインターフェース、以後、夫々入出力IF、通信IFと記載する。以後インターフェース回路を単にIFと記載する)を備える。通常、CPUとRAM、ROMはアドレスバス及びデータバスで接続されるか、CPU内部に内蔵して制御部を構成し、記録部として接続されるハードディスクはUSB等の接続インターフェースにより接続され、入出力IFはCPUの端子であるポートや、インピーダンス変換等の必要な場合にはCPUバス接続されたIF回路の端子の前段にオペアンプやゲート回路にて受けて入力される。通信IFとは夫々の専用ICを所定の規則に従った回路でCPUと接続される。
【0041】
チェックイン端末装置4、カウンタ入金装置6、記録媒体式施解錠装置71、フロア入金受付装置9、テナント端末11は、印刷されたQRコードを画像情報として光学的に読み取るCCDカメラを内蔵しており、読み取ったQRコードに基づいた各種制御をルーム管理装置5と通信して行う。ここで、実際には、チェックイン端末装置4、カウンタ入金装置6、記録媒体式施解錠装置71、フロア入金受付装置9、テナント端末11は、読み取ったQRコードを所定の規則に従ってID情報(実際には文字情報ながら、以降カードキーによる客室の施解錠可能か否かを判断するためのID情報と呼ぶことにする。)に変換する機能を搭載しており、各種機器間の通信は、変換されたID情報に基づいた各種制御をルーム管理装置5と通信して行う。またなお、本実施形態のQRコードを印刷したQRコード部25以外の記録媒体としては、バーコード等の光学的に読み取り可能な画像を印字されたレシート、カード等のプラスチックや紙等で形成された紙葉類、内蔵RFIDや磁気層を記録部として備えたカード、ICコイン等が例示でき、それぞれID情報を特定可能な情報を読み取り可能である。
【0042】
まず本発明における記録媒体式施解錠装置を含んだ記録媒体式施解錠システムの大概要を説明する。客が登録装置2で登録する際、QRコードを印刷した、カードキーとなるQRコード部25を発行して、記録媒体式施解錠装置71において施錠及び解錠可能にするとともに、QRコード部25を記録媒体式施解錠装置71に客室の内から挿入すると客室内の電気機器の電源ONとしたり、各種サービスを受けることができる。またフロア入金受付機9、カウンタ入金装置6によりプリペイド或いはポストペイドによって入金された分の度数(有価価値情報であり、金額に換算することができる。以後度数と記載する。)をID情報に対応付けて付与し、記録媒体式施解錠装置71においてQRコード部25を客室の内から挿入すると上記客室内のサービスとして度数を引き落として有料サービスを受けることができる。またカウンタ入金装置6でチェックアウト時に請求書及び領収書61を発行するとともにポストペイドによって生じた不足金としての度数のマイナスがあれば入金を受け付けて精算可能であり、プリペイドによって生じた残金としての度数のプラスがあれば返金して精算可能である。勿論、記録媒体式施解錠システム1としての運用を、ルーム管理装置5に対する指示によって、プリペイドのみ、あるいはポストペイドのみを選択することも可能である。
【0043】
次に本発明における記録媒体式施解錠装置を含んだ記録媒体式施解錠システムについての概要を説明する。登録装置2はホテルの正面玄関近傍のカウンタに備えられ、チェックイン時の登録を受け付ける装置であり、宿泊客はホテルに到着するとまずこの登録装置2において登録を受け付ける。登録装置2においては、客がデジタルペン22で予め用意されたQRコードの印刷された登録カード23(記録媒体の1例)に住所氏名年齢連絡先等の登録情報(筆跡、例えば住所、電話番号、前泊地、翌日の宿泊予定地、パスポート番号等)を記入するとその筆跡情報がデジタルペン22からの無線信号を受けることで登録コンピュータ21に入力される。登録コンピュータ21では入力された登録情報(筆跡)を記憶部に記憶する。登録カード23は上下の間にミシン目の切り込みがなされ、切り込みに従い上側の実筆部24と下側のQRコード部25とが切り離し可能である。切り離したQRコード部25をチェックイン端末4に挿入するとチェックイン端末装置4はQRコードを読み取り、登録コンピュータ2は、受信したチェックイン端末装置4の読み取ったQRコードから変換したID情報と、無線通信で受信した登録情報(筆跡)等のチェックイン情報を、ルーム管理装置5に送信する。ルーム管理装置5は、受信したID情報と予約情報(管理装置3から受信)とから適切な客室を選択して、ID情報に対応付けて予約情報、客室番号、登録情報(筆跡)を記録部に記録する。実筆部24はカウンタにいるホテル従業員に渡され、個人情報漏洩防止のため該当宿泊客のチェックアウト後破棄する。なお、登録装置2は、個人情報保護のためスタンドアロンにてネットワークに接続しない形態をとってもよい。この場合記録媒体式システム1で処理する登録情報が一部限定されることになる。
【0044】
管理装置3は、予約、滞在中、チェックアウト済みか否かの情報(以下ステータス情報と呼ぶ)を客毎に管理し、売上集計を行う装置である。管理装置3では電話番号や氏名から客を特定して客に関する情報を表示する。管理装置3は、管理コンピュータ31と管理端末32にからなり、ホテルのフロントまたは制御室に設けられる。管理装置3ではチェックイン端末4でQRコードを読み取った際に、登録装置2を介してチェックイン端末4からの指示に基づきステータス情報をホテルの予約の状態から滞在状態(チェックイン状態とも言う)に書き換えて記憶し、カウンタ入金装置6からの精算情報または登録コンピュータ21からの精算情報を受けるとステータス情報を滞在状態からチェックアウト状態に書き換えて記憶する。またステータス情報が滞在中であれば、管理装置3は、入力された指示に基づき、客室番号、氏名、電話番号等から客を特定して、ルーム管理装置5から受信して、ルーム管理装置5で記録して管理される宿泊料金、客室毎の有料TV等やテナント端末11からのサービス提供に伴う売上情報、フロア入金受付装置9やカウンタ入金装置6からの入金情報、現在の度数、外線電話料金、ステータス情報等を各種機器から受信して表示する。そしてチェックアウト時におけるカウンタ入金装置6からの精算状況を受けてステータス情報を滞在状態からチェックアウト状態とし履歴情報として後程表示可能に記録管理する。管理装置3では他に、指示に基づき、管理端末32において客からの予約受け付けや予約希望の客の指定する宿泊希望日の空室状況の確認のための表示、ステータス情報の表示、が可能である。また、指示に基づき、各部屋毎、各フロア毎、各売上項目毎の売上集計を、日単位、週単位、月単位、1/4年単位、半年単位、年単位、3年単位、5年単位、10年単位での集計結果を表示することが可能である。なお、ルーム管理装置5、管理装置3は1のコンピュータで構成してもよく、複数のコンピュータで構成される場合には、一方の機能を他方で適宜選択して実施することもできる。ネットワーク上のいくつかの複数のコンピュータは、1のコンピュータで構成することもできる。
【0045】
ルーム管理装置5は、概して客室を管理する装置であり、やや詳細には、客室毎のカードキーとして機能するQRコード部25によって施解錠可能とするための管理、各種サービスを提供するための客室毎の度数の管理をする装置である。ルーム管理装置5は、ルーム管理コンピュータ51とルーム管理端末52にからなり、ホテルの制御室に設けられる。ルーム管理装置5は、チェックイン端末4において読み取ったQRコード情報を変換したID情報を受信すると、フロア管理装置8、81、82(各階や所定範囲のフロア毎に担当する)に送信し、フロア管理装置8、81、82は、ID情報に対応して割り当てられた客室に存在する記録媒体式施解錠装置71にID情報を無線通信によって送信し、記録媒体式席解錠装置71が受信したID情報に合致するQRコードを読み取ると施解錠可能にする。またルーム管理装置5では、ID情報に割り当てられた有価価値として度数を記憶する。度数はチェックイインに際してはカウンタ入金装置6、滞在中の追加入金としてフロア入金受付装置9でプリペイドにて入金されるとその分の度数を上記6、9が読み取ったQRコードを変換したID情報に対応付けて加算して記録する。また、記録媒体式施解錠装置71、テナント端末11において提供されたサービス料分の度数を上記71、11が読み取ったQRコードを変換したID情報に対応付けて減算して記録する。そしてチェックアウトの際、カウンタ入金装置6が請求書及び領収書61を発行するとともにポストペイドによって生じた不足金としての度数のマイナスがあれば入金を受け付けて精算する際には、その旨の指示に基づき度数を0とし、プリペイドによって生じた残金としての度数のプラスがあれば返金して精算する際には、その旨の指示に基づき度数を0とする。なお返金に際しては、カウンタ入金装置6に内蔵した紙幣や硬貨を返金してもよいし、カウンタで従業員が手渡しで返金してもよい。
【0046】
またルーム管理装置5は、指示に基づき、記録媒体式施解錠システム1としての運用を設定可能である。その運用として、プリペイドのみ、ポストペイドのみ、または、プリペイド及びポストペイド両方可能、を選択できる。また他の運用として、宿泊料金に係る宿泊料度数、サービス料金に係るサービス度数、を別々に客室(ID情報でもある)に対応付けて管理するのか、1の度数として管理するのかを選択できる。また他の運用として、客室内で提供されるサービス機器の利用に伴うサービス毎の課金額、ホテル内の施設の各所に設けられたテナント端末11でのサービス毎の課金額を設定できる。またルーム管理装置5は、入退室履歴、客室ステータス情報(在室中か不在中か、チェックアウトか、13時迄に清掃指示、通常清掃指示、清掃中、清掃完了、検査依頼、検査完了、予約受付可指示、ドンデス(起こさないで)指示)、ポイント、レンタルパソコン貸出、朝食有無、夕食有無、昼食有無、マッサージ希望、ランドリー希望、通信料等の客室情報を記憶管理する。
【0047】
客室制御システム7は、客室に設けられ、ドアに取り付けられた記録媒体式施解錠装置71、TV72及びTVコントローラ73(有料番組、カラオケ等)・エアコン・冷蔵庫、各種電灯(図示せず)・その他のサービス機器(図示せず、マッサージ機、電動式マージャン卓、キッチン、ルームサイクル、ルームランナー等)等のサービス機器からなる。客室制御システム7は、記録媒体式施解錠装置71に挿入されたQRコード部25のQRコード情報に基づき客室の錠前を施解錠したり、各種サービス機器を制御し、そのサービス機器の利用が有料であれば、客室(QRコードでもある)に対応付けて管理される度数を減算するようルーム管理装置5と通信する。前記記録媒体式施解錠装置71がルーム管理装置5からフロア管理装置8、81、82を介してID情報を受信した場合には、QRコード部25を新たに受け付けると、受信したID情報と新たに受け付けたQRコード部25のQRコードの文字情報が合致すれば、入室時の解錠、退室時の施錠(オートロックであれば自動施錠されるので不要)が可能となる。また入室によって入室信号を、退室によって退室信号を、ルーム管理装置5に出力する。ほかに、入退室に伴ってエアコンや電灯等の電気機器及びTV72、TVコントローラ73、客室冷蔵庫等の種々のサービス機器に対し制御が可能となる。その制御の例として例えば、TV72においてTVコントローラ73を介して提供される、配達される飲食物の注文受け、有料TV(カラオケ、ゲーム、映画等の配信)、他には冷蔵庫内の飲食物の提供等のサービスが受けられ、客室(QRコードでもある)に対応した度数を引き落とすようルーム管理装置に指示する。当該指示を受けるとルーム管理装置5は、同じく受信したID情報に対応して記憶され、サービス分の度数をルーム管理装置5に記憶される度数から減算更新する。
【0048】
カウンタ入金装置6は、登録装置2同様、ホテルの正面玄関近傍のカウンタに備えられ、チェックインの際の入金受け付け、チェックアウトの際の精算処理(残度数の返金、不足度数の入金)をする装置である。カウンタ入金装置6は、随時、入金を受け付け可能であり、入金を受けると同じく受け付けたQRコード25に対応させて、入金分の度数をルーム管理装置5に管理される度数に加算更新する。チェックアウトに際してはポストペイドによって度数の不足がある場合に入金を受け付けて精算することが可能であり、度数に余剰がある場合に度数分の金額を返金して精算することが可能であり、精算時に請求書及び領収書61を発行する。
【0049】
フロア入金受付装置9は、入金装置6と同様の機能ながら、返金処理機能と、請求書及び領収書61の発行機能がない装置である。フロア毎に配置されるので各客室からそう遠くない距離を歩けば随時追加入金しに行くことができる。
【0050】
外線電話料金課金装置10は、客室からの外線電話料金を、外部の電話会社の所有する電話料金通知コンピュータから受信した電話料金に、設定画面の指示に従って適宜に設定された設備費を上乗せ(上乗せしないことも選択可能)して計算し、外線電話料金分を正または負の有価価値である度数を引き落とす。この度数はルーム管理装置5において管理され、記録媒体式施解錠装置71に客室内から挿入されたQRコード部25に印字されたQRコードを変換したID情報に対応させて、ルーム管理装置5で管理する度数から外線電話料金分の度数を減算更新されて記憶される。
【0051】
テナント用端末11ではホテル内の居酒屋、床屋、ゲームセンタ、温水プール、浴場、及びショータイム等の有料サービスに掛かる費用分の度数を、受け付けたQRコードを変換したID情報に対応させて、ルーム管理装置5で管理する度数から減算更新する。
【0052】
次に、本実施の形態における記録媒体式施解錠装置71、記録媒体式施解錠装置71を含んだ客室制御システム7、及び記録媒体式施解錠システム1の詳細を説明する。
【0053】
記録媒体式施解錠システム1における登録装置2について説明する。ホテルに到着するとまずこの登録装置2において登録を受け付ける。登録装置2は、登録コンピュータ21とデジタルペン22からなる。客がデジタルペン22で予め用意されたQRコード付き登録カード23(記録媒体の1例)に住所氏名年齢連絡先等の登録情報を記入するとその情報が登録コンピュータ21にデジタルペン22から発信される無線通信にてその筆跡情報が入力される。登録カード23は、図2に示す如くの実筆部24として客の記入する顧客情報記入部241、カウンタにいるフロント係が記入する店員記入部242、案内243、図3(図2の登録カード23の裏面側)に示す如くの客の記入する客の禁煙部屋希望なのか喫煙可能な部屋を希望なのか備品として何を希望するのか等の嗜好情報記入部244、フロント係の記入する記入確認の旨の入力済みチェック部246、客が記入するネームプレート245、及びカードキーとなる記録媒体であるQRコード251が予め印字されたQRコード部25で構成され、顧客情報記入部241、店員記入部242、案内243、嗜好情報記入部244、ネームプレート245、及びQRコード部25はそれぞれ分離可能である。チェックイン端末装置4が、所定の装置で切断するように構成してもよい。
【0054】
登録コンピュータ21では制御部が、デジタルペン22で入力された顧客情報記入部241、店員記入部242、嗜好情報記入部244、及びネームプレート245に記載された文字情報を字体の画像情報をデジタルペンの経過時間に対応した位置情報により筆跡としての登録情報として記憶部に記憶する。登録カード23は上下の間にミシン目の切り込みがなされ、切り込みに従い上側の実筆部24としての嗜好情報記入部244と下側のQRコード部25とが切り離し可能である。切り離したQRコード部25をチェックイン端末4に挿入するとチェックイン端末装置4はQRコードを読み取る。なお実筆部24としての顧客情報記入部241はカウンタにいるホテル従業員に渡され、数年間ファイルに保存される。
【0055】
チェックイン端末装置4について説明する。図4はチェックイン端末装置4の正面斜視図である。図4に示す如く、チェックイン端末装置4は、QRコード25を挿入するための挿入孔41、ボタンとしてチェックインボタン44、クーポンボタン42、有料TV視聴不可を指示する有料TV視聴不可ボタン43、表示部としてルーム番号表示部47、チェックアウト予定日表示部46、予約金額表示部45を備え、をチェックイン端末4の側面に備える。またチェックイン端末装置4の内部には、CPUと、プログラムを記憶したROM、一時データを記憶するRAM、からなる制御部と、ハードディスクやRAMからなる記録部と、ルーム管理装置5とのデータ送受信のための通信IF(本実施の形態ではLANインターフェース回路を採用する。)、QRコードリーダ、上記ボタンに対応するボタン入力IF、上記表示部に対応する表示制御を行うための表示IF、これらの駆動電力を供給するための電源回路を備える。
【0056】
チェックイン端末装置4の制御部は、通信IF、QRコードリーダ、ボタンIF、表示IFと接続され、入力及び/または出力されて制御する。電源をONとすると制御部ではROMに記録されたプログラムを実行ステップ毎に、またプログラムに従って設定データを順次読み出し、読み出したプログラムを順次実行する。実行されるプログラムに従い、適宜に上記各IFからの信号を読み出し一時的な計算結果、読み出し情報等をRAMに記憶する。そしてプログラムによるチェックインに伴う処理結果を、通信IFを介して、管理装置3、ルームフロア管理装置5、及びフロア管理装置8、81、82へ送信し、これら管理装置からチェックインに必要な情報を受信する。
【0057】
ボタン入力IFはCPUのON、OFF入力を受ける入力ポートに接続される。表示IFはCPUのデータバスに接続されルーム番号表示部47、チェックアウト予定日表示部46、予約金額表示部45に対応した3種のチップセレクト出力ポートからON信号を、同じくルーム番号表示部47、チェックアウト予定日表示部46、予約金額表示部45に対応した3種のチップイネーブル端子に受けると、データバスのデータをラッチし、ラッチしたデータを上記3種のチップイネーブル端子の入力指示に従って、ルーム番号表示部47、チェックアウト予定日表示部46、予約金額表示部45に7セグメントLEDに数字として表示するようLEDが点灯可能なON−OFF信号に変換して表示する。通信IFは、CPUのデータバスに接続され、CPUのチップセレクト出力ポートからのON信号をチップイネーブル端子に受けるとデータバスのデータをラッチして、ラッチしたデータに含まれる宛先の管理装置3、5、8、81、82へヘッダーとして含めたチェックイン処理結果をデータ化してLAN通信規格に従って送信する。
【0058】
チェックイン端末装置4では、電源をONとし、次いで客に手渡すカードキーとなるQRコード部25を挿入孔41に挿入すると、内蔵する光透過センサによって挿入の旨の信号を制御部に出力する。制御部では挿入の旨の信号を受けると、QRコード251を内蔵するCCDカメラ(図示しない)によって読み取るようにQRコードリーダに指示する。QRコードリーダではQRコード251を画像情報として読み取り、制御部に画像情報を送信する。制御部では画像情報をRAMに記憶し、ROMに記憶された画像情報をID情報に変換して再びRAMに記憶後、各ボタン44、42、43の入力待ちの待機状態をとる。またその後、有料TV視聴不可ボタン43が押されると、有料TVを見ない客である旨の有料TV視聴不可情報をRAMに記憶する。またクーポンボタン42が押されると、旅行代理店に既に入金済みの客であるので、クーポン客である旨のクーポン客情報をRAMに記憶する。
【0059】
次いでチェックインボタン44が押されると、チェックイン端末装置4は、登録装置2に、ID情報、有料TV視聴不可情報、クーポン客情報、チェックイン完了の旨の情報、等のチェックイン情報を送信する。登録装置2(登録コンピュータ21)では、チェックイン情報を受信すると記録部に記録するとともに、チェックイン登録画面が起動し、宿泊客の電話番号、氏名、及び住所、の内少なくとも1つである客情報をチェックイン登録画面に従っての従業員による書き込みを受け付けて、書き込み完了の旨のボタン入力を受けると、管理装置3に客を特定する為に客情報と、ステータス情報を予約状態から滞在状態に書き換える旨の書換指示と、予約時に入力した予約情報を送信する旨の送信指示を送信し、予約情報を登録装置2からの待ち受け状態になる。
【0060】
管理装置3は、通信IFが受信した書換指示を制御部が検知すると、ステータス情報を予約状態から滞在状態に書き換え、受信した送信指示に従って予約情報を客情報に基づき検索して特定し、その特定した予約情報を通信IFを介して登録装置2(登録コンピュータ21)に送信する。登録装置2(登録コンピュータ21)では、制御部は、通信IFが受信した予約情報、記録部に記録したチェックイン情報、及びデジタルペン22で入力した登録情報、をルーム管理装置5に通信IFを介して送信し、チェックインする客の宿泊する客室番号がルーム管理装置5から返信されるまで待ち受け状態となる。
【0061】
ルーム管理装置5は、制御部が、通信IFが受信した上記予約情報、チェックイン情報、及び登録情報を検知すると、これら情報を条件に、記録部に記録されている客室の情報から、その宿泊客に適した客室を検索して登録装置2に客室番号を通信IFを介して返信し、次いで、チェックイン情報に基づき、検索した客室の記録媒体式施解錠装置71に、その客室を管理するフロア管理装置8、81、82、のいずれかを介して通信IFを介して送信し、記録媒体式施解錠装置71がQRコード部25を受け付けた際に施解錠可能とするとともに、有料または無料の各種サービスを受けることができるようにする。また登録装置2(登録コンピュータ21)は、通信IFが受信した客室番号を、入出力IFを介して表示し、従業員は、その客室番号を客に告げることになる。
【0062】
ルーム管理装置5は、制御部が、通信IFが上記客室情報、予約情報、チェックイン情報、及び登録情報、等の客情報を受信したことを新たに検知すると、上記客室情報、予約情報、チェックイン情報、登録情報、客室番号、度数、ID情報等の客情報をID情報に対応付けて記録部に記憶する。
【0063】
ここで客情報をID情報に対応付けて記憶するとは、1例として、1人(1室でもよい)の客情報の記録エリア領域長を例えば10Kバイトとすると、全員の客情報の記録エリアの先頭アドレスから収容可能人数分×10kバイトが全員の客情報の記録エリア領域長である。そして制御部は、客のチェックイン毎に上記各情報宿泊客全員に口座番号を割り当て記録部に記録する、上記先頭アドレスに10kバイト×口座番号を加えたアドレスによって個々の客の記録エリアを指定し、個々の客についての10kバイトの範囲内で割り当てた客情報夫々の項目を、該項目それぞれの記録部の記録エリアに記録する。また制御部は、操作に基づき表示IFを介してモニタに、ID情報及び客室番号をルーム管理端末52の画面表示させ、これら情報入力を検知すると、上記客情報の中から客室番号またはID情報に合致する客情報を検索して表示IFを介してモニタに表示する。また制御部は、ネットワーク上の他の機器からの指示を、通信IFを介して受けたことを検知すると、付随して送信された客室番号またはID情報により、同様に、客情報の中の度数情報等を検索して通信IFを介して送信する。
【0064】
またルーム管理装置5は、制御部が、上記検索にて客に適した部屋を割り当ててそのルーム番号を記録部における上記記録エリアに記録するとともにチェックイン端末装置4に通信IFを介して送信する。また同制御部は、記録部に記録した、予約時に入力した予約情報の1つである予約金額の情報、チェックアウト予定日の情報を読み出してチェックイン端末装置に通信IFを介して送信する。チェックイン端末装置4では制御部は、通信IFを介して受信したこれら情報に基づいて、表示IFに出力して、ルーム番号表示部47にその客室Noを表示し、チェックアウト予定日表示部46にチェックアウト予定日、予約金額表示部45に予約金額を表示する。
【0065】
またルーム管理装置5は、制御部が、通信IFを介してチェックイン端末装置4から受信して記録部に記録した客情報を読み出して、クーポン客情報がある場合には、予約情報に基づきクーポン客であるか否かを照合し、クーポン客である場合には、既に宿泊料金を納入済みであるので、以下詳述する運用情報に従い、上記納入済み金額情報を利用できない度数として宿泊料金分の度数もさらに加えてルーム管理装置5に通信IFを介して送信する。さらにクーポン客でない場合にも予約金額情報を利用できない度数として宿泊料金の一部としての度数に加えて記録部に更新しての記録をし、通信IFを介してルーム管理装置5に送信する。
【0066】
ルーム管理装置5は、随時、運用情報を設定可能である。図5(運用設定画面)に示す如く、ルーム管理装端末52において、制御部が表示IFを介して常時表示する、「運用設定」をマウス等でクリックして選択すると、ポストペイド有と無のチェックボックスX、プリペイド有と無のチェックボックスY、予約金、宿泊料金、設備費、管理費、サービス税、消費税、有料TV、温水プール、冷蔵庫内飲料、食事オーダー、冷暖房代、カラオケ、入湯料、ボーリング、貸しマージャン、貸しパソコン、黒板、貸しTV会議システム、貸しキッチン等(表示されている文字)、任意設定であるp1、p2、・・・夫々について、有料指定A、使用可能度数B、共通度数指定C、グループ指定D、ポストペイドE、プリペイドF、が夫々表示IFを介して表示する。これらチェックボックスにホテルの経営者が、チェックを入れて「入力完了」をクリックすると、このクリックを、入出力IFを介して制御部が検知されることになり、検知によって記録部に運用情報として記録部に記録される。
【0067】
なお任意設定であるp1、p2、・・・は、そのp1、p2、・・の文字をマウスでクリックすると、任意の文字をキーボード等にて入力可能である。このように例えば、こここに「バーベキュー」と入力すると、本記録媒体式施解錠システム1を導入後、ホテルの有料サービスとしてホテルのベランダでバーベキューを行うためのバーベキュー用の道具と材料を貸し出すサービスを追加する場合、ルーム管理装置5の端末52において、TVコントローラ73を介してTV72に表示し、リモコンで選択可能なサービスとして「バーベキュー」と表示し、宿泊客が選択すると、度数を引き落とすことで、ルームサービスがバーベキューを運んで客に貸し出すような運用を追加することができる。なお有料サービスを追加するベランダの大きい部屋は限られているので、ルーム管理装置端末52において、「バーベキュー」とTVコントローラ73を介してTV72に表示して客が選択可能とする部屋番号を全体の部屋の中から指定可能に構成される。部屋番号を全体の部屋の中から指定すると、ルーム管理装置5の記録部に記録され、記録媒体式施解錠装置71にQRコード部25が挿入されると、挿入された記録媒体式施解錠装置71の設置される部屋番号が、上記バーベキュー可能と指定された部屋番号であれば、TVコントローラ73を介してTV72に客が選択可能に表示し、客に「バーベキュー」を選択されれば、ルーム管理装置5の記録部に記録される客情報を更新して、バーベキューサービス分を度数から引き落とすよう客情報を更新する。
【0068】
またなお、有料指定Aは、チェック「v」されるとそのサービスは有料と指定され、利用すると度数が引き落とされる。有料指定Aをチェックしないと、他のB、C、・・・、Fの欄が入力不可の「−」マークが付され、マウスでその欄をクリックしても「v」が付かない。また各種サービスのうち故障により利用できないサービスが部屋毎に異なる場合別の画面で有料指定解除する部屋番号を入力すると、有料指定から外される。使用可能Bは、チェック「v」されると、度数の引き落としが可能となり、チェックされないとチェックアウト以外では引き落とし不可能な度数として処理される。共通度数指定Cは、チェック「v」されると当該サービスを利用すると共通度数から引き落とされ、チェックしないとグループ指定Dで指定されたグループの度数から引き落とされる。
【0069】
またグループ指定Dは、プルダウンメニューより他のサービスで指定したグループの度数から引き落とされ、グループ指定されなければ別個の度数として引き落とされる。なお、あるサービスで共通度数指定Cにチェック「v」されていれば、そのサービスを利用時に共通度数から利用時に引き落とされ、通度数の利用を、ホテルの仕入れ先別、テナント別に異なる利用料金として集計することができる。共通度数指定Cにチェックされていなければ、別個の度数としてカウンタ入金装置6m、またはフロア入金受付装置7において別途入金する必要がある。またサービス毎にポストペイドEとプリペイドFはチェック「v」されると、ポストペイド、プリペイド可能な度数としての運用ができる。但し、XとY、EとFは両方チェック「v」可能なチェックボックスながら、Xのみのチェック「v」された場合にはEのみ選択可能となり、Yのみチェックされた場合にはFのみ選択可能に制御する。またYとYの両方にチェックがない場合にはEとF全てのサービスのチェックボックスが選択不可能に制御する。(図5)
【0070】
ルーム管理装置5では、チェックイン端末装置4のチェックインボタン44が押されると、予め用意された客室毎の口座(客室毎に割り当てられた記録部の所定記録領域)に、利用可能な度数と、利用不可能な度数とを0としてID情報とともに記憶する。また上記クーポン客である場合の前払いの宿泊料金分を利用不可能な度数として、当該口座に記憶する。また前払い予約金についても利用不可能な度数として、当該口座に記憶する。
【0071】
ホテルの営業情報及び客毎の客情報を管理をするための管理装置3について説明する。管理装置3は、管理コンピュータ31と管理コンピュータ31の管理をするために表示あるいは指示をする管理端末32(パソコン)にからなる。管理装置3の内部には、CPUとプログラムを記憶した半導体ハードディスク、一時データを記憶するRAMからなる制御部と、ルーム管理装置5等とのデータ送受信のための通信IF(ここではLANインターフェース)、これらの駆動電力を供給するための電源回路を備える。半導体ハードディスクには、記録部として機能し全ての客についての客情報、即ち客毎のQRコード251の画像情報、デジタルペン22で入力した登録情報、有料TV視聴不可情報、クーポン客情報、予約時に入力した予約情報、予約金額情報、納入済み金額情報、ホテルの予約の状態から滞在状態に書き換えたステータス情報、ルーム番号情報を記録する。
【0072】
また管理装置3は、管理端末32からの指示である、客からの予約受け付けに基づく記録部への記録や確認のための管理端末32への表示出力、あるいはプリンターへの印字出力が可能である。また管理装置3では予約を電話やインターネットで受け付けることができ、電話での口頭による従業員が、予約日時、希望の部屋、宿泊料金、人数、食事の注文、等を入力し、当該客の上記客情報につての記録エリアを割り当てて、前記入力に従い記憶する。
【0073】
また管理装置3では、全体、客毎、従業員によって任意に設定可能な客層(男、女、子供、年齢層別、宿泊地域、利用頻度)毎、曜日毎、連休と平常時毎、祝日と平常毎、部屋毎、フロア(階)毎、売上項目毎、の売上集計を、所望に指定された所定期間日単位、週単位、月単位、1/4年単位、半年単位、年単位、3年単位、5年単位、10年単位で集計し、管理端末32やプリンターにそれぞれの集計結果を出力することが可能である。また適宜に日時毎あるいは日時時刻毎に客からの予約、チェックイン、チェックアウト、その間の各売上、を履歴情報として記録部に記録し、管理端末32やプリンターに全体、客毎、従業員によって任意に設定可能な客層(男、女、子供、年齢層別、宿泊地域、利用頻度)毎、曜日毎、連休と平常時毎、祝日と平常毎、部屋毎、フロア(階)毎、売上項目毎、の売上履歴を、所望に指定された所定期間日単位、週単位、月単位、1/4年単位、半年単位、年単位、3年単位、5年単位、10年単位で管理端末32やプリンターにそれぞれの集計結果を出力することが可能である。またこれらデータに基づきデータマイニング機能(データの深堀による分析であり、連休には家族連れが多く、注文としてなべが多く、通常時の土曜にはカップルが多く、スィーツの注文が多い等の結果を導き出す。)も搭載し、ホテル経営の一助とできる。そしてさらに税務署に届け出る財務諸表として、PL(損益計算書)、BS(貸借対照表)とその算出根拠となる固定資産の減価償却、人件費、光熱費、食品購入費、消耗品購入費、等各科目の履歴、集計結果を任意の期間で管理端末32やプリンターにそれぞれの結果を出力することが可能である。
【0074】
カウンタ入金装置6について説明する。カウンタ入金装置6は、チェックイン及びチェックアウト時の精算を行う。カウンタ入金装置6は、チェックインの際チェックイン端末装置にて発行したQRコード部25が挿入可能であり、現金の入金及び返金が可能であり、チェックイン時及び随時のプリペイドによる入金分あるいは予めの予約金額分の度数の付与、チェックアウト時の残度数の返金を行うとともに請求書及び領収書61の発行を行う。
【0075】
カウンタ入金装置6は、外面に入金口(図示しない)、返金口(図示しない)、QRコード25を挿入する挿入口(図示しない)、タッチパネル式モニタ(図示しない)、請求書及び領収書61の発行口(図示しない)を備える。またカウンタ入金装置6の内部には、制御部としてCPU、ダウンロードしたプログラム、及び演算途中の一時結果を記録するRAMを備え、記録部としてハードディスク及びバックアップRAM(停電後1ヶ月データを保持する)、電源を供給する電源部を備え、入金口からの入金を受けてストックする入金ストッカーと、返金口へ返金するための現金を収納する現金収納庫を備え、QRコード25が挿入されたときにQRコードを読み取るCCDカメラを備え、モニタに表示する表示IFを備え、入金口から入金ストッカーの間には、搬送機構と、現金の真贋判定するビルバリ、他のルーム管理装置5等とネットワーク接続する通信IF、上記タッチパネルのタッチ位置に応じたボタン指示を検知するボタン入力IFを備え、現金収納庫から返金口の間には、搬送機構を備え、発行口へ発行するレシート用紙であるロール紙をセット可能であり、請求書及び領収書61を発行する際には、ロール紙からレシート用紙を引き出す搬送部と、請求書及び領収書の内容を印字する印刷部を備える。
【0076】
カウンタ入金装置6は、制御部、記録部、通信IF、ボタン入力IF、ビルバリ、CCDカメラ、各搬送機構、モニタ、ロール紙の印刷部及び搬送部の各部と接続され、制御部からの命令をこれら各部が実行する。
【0077】
カウンタ入金装置6の制御部は、チェックアウトした客がQRコード部25をQRコード挿入口に挿入されたことを検知すると、CCDカメラによってQRコードを読み取るよう指令し、読み取ったQRコードをID情報に変換してルーム管理装置5に、現在の図4で示す運用設定した各度数を送信するよう指令する。カウンタ入金装置6の制御部は、ルーム管理装置5から通信IFを介して受けた各度数と、現在選択されているサービス名とそのサービスが選択中か非選択かを選択中表示IFを介してモニタに表示するとともに「新たなサービスを追加選択する場合にはその「サービス名」を押してください。選択するサービスがなければ「終了」ボタンを押してください。精算する場合には「精算」ボタンを押してください。」と表示する。そこでボタン入力IFを介して制御部が「新たなサービス名」が選択されたことを検知すると「現金を投入してください」と表示IFを介して表示し、入金待ちとなる。
【0078】
カウンタ入金装置6の制御部は、入金処理として、入金口への現金挿入を検知すると、ビルバリを作動させて入金分の現金を識別し、識別OKなら入金ストッカーに搬送機構に指示して入金ストッカーに搬送し、識別NGなら入金口へ搬送機構に指示して搬送させる。ここで他の入金処理として、登録装置2において、手渡しの現金、または、クレジットカードやデビットカードによる現金、の入金を受けた場合には登録コンピュータ21より選択されたサービスについての入金分の度数を加算するよう、またはビルバリによる識別OKの場合には、ルーム管理装置5へ入金分の度数の加算するよう、ID情報と共に入金額に対応した金額情報(度数、通貨として円等)を、通信IFを介して送信し、ルーム管理装置5から入金分の度数が加算されて選択された各サービスに対応する各度数を、表示IFを介して表示させる。
【0079】
またカウンタ入金装置6の制御部は、精算処理として、タッチパネル式モニタにおいて「精算」ボタンが押されたことを、ボタン入力IFを介して検知すると、全てのサービスに対応したプラスの残度数分の現金を返金するべく、現金収納庫からの現金を搬送機構に指示して搬送させて返金口から返金させ、請求書及び領収書61を発行する。なお、宿泊料金分の度数については、チェックアウト時の時刻に応じて、違約金やこれまでの宿泊料金を差し引いた残度数分が、同様に返金させる。なお、宿泊料金については図4で設定した運用設定において、利用不可能な度数として設定されているケースが多い。また、各サービスに対応した度数の合計がマイナスであれば、各サービスに対応したマイナス分の度数の合計金額をその金額を入金してくださいの文字を、表示IFを介して表示するとともに入金待ちとし、その後上記同様の入金処理を行い、釣銭があれば、返金口より上記同様返金させ、請求書及び領収書61を発行する。なお、請求書及び領収書61は、各種サービスを分けて複数の請求書及び領収書として発行できるようにしてもよい。この場合には、上記選択されたサービス名と、各サービスに対応した度数と、選択、非選択を並べて表示する際、更に並べて本、別1、別2、・・・と客が選択できるようにし、本請求書及び領収書、別1の請求書及び領収書、別2の請求書及び領収書として、発行可能にする。
【0080】
フロア管理装置8、81、82、・・・について説明する。ドアに設けられる記録媒体式施解錠装置71は、稼動するドアに有線によって配線工事すると工事費が高くなったり、ドアが稼動して人が出入りするためドアと壁面間に露出した有線部分の耐久性が問題となる。このためフロア管理装置8、81、82は、記録媒体式施解錠装置71と無線通信する構成とすることが望ましい。ところが、異なる階においては電波を鉄筋や鉄骨が吸収し通信できないため、少なくとも各階に1台は配置されることが望ましく、さらには無線通信の電波検知有効エリア内に配置されることが望ましい。
【0081】
フロア管理装置8、81、82、・・・は、CPUとプログラムを記録したROM、ダウンロードしたプログラムの一部を格納し、演算結果を一時格納するRAMからなる制御部、記録媒体式施解錠装置71と無線通信する無線通信部、ルーム管理装置5と通信するための有線または無線による高速通信部、これらに電源を供給する電源部からなる。各部屋に配置される記録媒体式施解錠装置71からの情報を無線通信部から随時受けて、ルーム管理装置5と高速通信部を介して高速に定期的に通信し、記録媒体式施解錠装置71からの情報、ルーム管理装置5からの情報を、それぞれ、ルーム管理装置5、記録媒体施解錠装置71へ中継して送信する。
【0082】
テナント端末11について説明する。テナント端末11は、ホテル内のレストラン、イベント会場に設置されるもので、レストランの場合には無線式可搬型端末であり、イベント会場の場合には入口に配置される固定式端末であり、QRコード部25のQRコードを読み取るCCDカメラを内蔵し、QRコードを翳すと制御部がCCDカメラの撮影した映像情報をID情報に変換する。テナント端末11は、CPUとプログラムを記録したROM、ダウンロードしたプログラムの一部を格納し、演算結果を一時格納するRAMからなる制御部、ルーム管理装置5と通信するための無線通信部からなる。テナント端末11が固定式端末の場合、テナント毎に客がテナントに滞在した滞在時間に応じて度数を引き落とす従量課金制と、1回受け付けるとそのテナントのイベントが受けられるも入場料徴収制を選択可能である。また無線式可搬型端末の場合、レストラン等で用いられ、オーダー課金制をとる。
【0083】
テナント端末11は、レストラン等の場合、オーダー課金制であり、店員がオーダーを受けると、QRコード部25を客から受けて翳し、注文毎の値段に対応した度数を引き落とすよう引き落とし度数情報と、ID情報をルーム管理装置5に送信する。ルーム管理装置5は、通信IFが受信したID情報に基づいて記憶部に記録される該当度数(図5の運用設定で設定された度数のうち起動した有料サービスに対応する度数)が引き落とし可能であれば注文OKを返し、該当度数(図5の運用設定で設定された度数のうち起動した有料サービスに対応する度数)から引き落とし度数を引き落とす。テナント端末装置11は、ルーム管理装置5から注文OKを受信すると「注文OK」と表示する。
【0084】
テナント端末11が、固定式端末の場合であって入場料課金制を採用する場合、そのテナントの入口において客から受けたQRコード部25を店員がテナント端末11に翳し、人数を入力して確定ボタンを押すと、人数に入場料を乗じた額に対応した度数を引き落とすよう引き落とし度数情報と、ID情報をルーム管理装置5に送信する。ルーム管理装置5は、通信IFが受信したID情報に基づいて記憶部に記録される該当度数(図5の運用設定で設定された度数のうち起動した有料サービスに対応する度数)が引き落とし可能であれば入場OKを返し、該当度数(図5の運用設定で設定された度数のうち起動した有料サービスに対応する度数)から引き落とし度数を引き落とす。テナント端末装置11は、ルーム管理装置5から入場OKを受信すると「入場OK」と表示する。
【0085】
テナント端末11が、固定式端末の場合であって従量課金制を採用する場合、そのテナントの入口において客から受けたQRコード部25を店員がテナント端末11に翳し、人数を入力して確定ボタンを押すと、経過時間に入場した人数に対応した度数の引き落とし開始情報と、ID情報をルーム管理装置5に送信する。ルーム管理装置5は、通信IFが受信したID情報に基づいて記憶部に記録される該当度数(図5の運用設定で設定された度数のうち起動した有料サービスに対応する度数)が引き落とし可能であれば入場OKを返し、該当度数(図5の運用設定で設定された度数のうち起動した有料サービスに対応する度数)から経過時間毎に対応する度数に入場人数を状態額分の度数を引き落とす。テナント端末装置11は、ルーム管理装置5から入場OKを受信すると「入場OK」と表示する。客がそのテナントから退場する際には、テナントの入口において客から受けたQRコード部25を店員がテナント端末11に翳し、退場する人数を入力して確定ボタンを押すと、読み取ったID情報と退場人数をルーム管理装置5に無線通信部を介して送信する。ルーム管理装置5は、通信IFが受信した退場人数をID情報に基づいて読み出した元の人数から減算し、これ以降、該当度数(図5の運用設定で設定された度数のうち起動した有料サービスに対応する度数)から経過時間毎に対応する度数に入場人数を状態額分の度数を引き落とす。
【0086】
フロア入金受付装置9について説明する。フロア入金受付装置9は、上記カウンタ入金装置6の返金口、現金収納庫、現金収納庫から返金口の間の搬送機構、レシート発行口、ロール紙受け、及びロール紙搬送部、がないものであり、上記入金処理のみ可能であり、精算処理ができない点が上記カウンタ入金装置6と異なる。フロア入金受付装置9は、客が滞在中に、所望のサービスを受けるために入金するのに、わざわざ1F等にあるカウンタのカウンタ入金装置6まで行かなくても入金して度数の加算ができるようにしたものである。
【0087】
次に客室に設けられる客室制御システム7、客室制御システム7を構成する記録媒体式施解錠装置71、TV72、TVコントローラ73、エアコン、及び冷蔵庫等を説明する。
【0088】
記録媒体式施解錠装置71は、図6(ドア内部の断面イメージ図)に示す如く、ドア内部に下記構成を備える。その内部の構成として、CPUと演算結果を一時記憶したり、プログラムを記憶する為のRAM(ルーム管理装置5が外部サーバから受信したものを、フロア管理装置8を介してダウンロードしたプログラムを記憶する)と電源ONで起動される割込み処理(例えばノンマスカラブルインターラプト端子に電源ON時の電源信号立ち上りをワンショットパルスに変換して入力する)によって実行される初期プログラムを格納したROM等からなる制御部711、表示部713、内部表示部722、錠機構部716、電源部712(制御部711やCCDカメラ714等への電力供給。外部からの無線による交流波信号を電力に変換して整流し例えば電気2重層コンデンサ等の大容量コンデンサに電力を貯える充電部810を含む。)、制御部711と通信可能に接続されたCCDカメラ714、制御部711と通信可能に接続され、制御と外部の例えばルーム管理装置5とデータ通信するための無線通信部715、制御部711と通信可能に接続され、施解錠するデッドボルト800を進退させる電気的駆動手段(例えばソレノイド)を有する錠機構部716を備える。
【0089】
制御部711は、錠機構部716に対し、錠機構部716の有するソレノイドへ施錠、または解錠する指示信号を出力し、錠機構部716から施錠状態にあるか解錠状態にあるかの信号(例えば、光学式センタ(投光部と受光部)により錠のデッドボルト800の内側端部の位置を検知する。ロックがかかりドアが開かない状態の場合デッドボルト800の外側端部が外側に突出するのでデッドボルト800の内側端部は存在しないことから光学式センサは透過し、反対にロックがかかっていないドアが開く状態の場合デッドボルト800の外側端部が内側に退去しているのでデッドボルト800の内側端部は存在し光学式センサは透過しない)を入力する。また無線通信部715は、室内のTVコントローラ73、エアコン、及び冷蔵庫等と通信可能に構成される。
【0090】
また記録媒体式施解錠装置71は、室外のドア外面に入室中表示、清掃指示、点検指示、ドンデス(Don‘t Disturb:起こさないで)表示等を表示する表示部713を備え、室外から中間の錠機構部716を介して室内側の握玉718へ一体的に連動して作動し、ドアを開閉するためのラッチボルト802を、壁面側の受座801へ進退させる外側握玉719を備え、錠機構部716に作用し錠のロックを外すことが可能なマスターキーシリンダ720を備え、室外からのドリル穴やドアと壁面間から違法に挿入されるサムターン回し機器をロック解除サムターン717へ接触させることを防止するカバー付であって錠機構部716の錠のロックを室内側から外すことが可能なロック解除サムターン717を備え、押すと表示部713におけるドンデス表示させるためのドンデスボタン723を備え、QRコード部25を室内及び室外から挿入可能であり、1台のみのCCDカメラで写すことが可能な位置に導くためのカードガイド717を備え、有料TV等のサービス毎に設定され複数の有料サービス実行開始を指示する指示ボタン721(指示入力手段)を備え、及び室内側から宿泊客のサービス指定状況や本記録媒体式施解錠装置71の操作の各段階に従った操作方法のガイドを表示する内側表示部722を備える。なお、カードガイド717は、客室内側に複数の挿入口を備え、QRコード部25を複数受け入れられるようにしてもよい。この場合、各カードガイド717に対応してCCDカメラは複数備えるようにしてもよいが、CCDカメラ714を移動させて1のCCDカメラで複数のカードガイド717に挿入された記録媒体のQRコードを撮像するようにしてもよい。またロック解除サムターン717を捻ることで、及びマスターキーシリンダ720にマスターキーを挿入して捻ることで強制的に錠機構部716の解錠、及び施錠が可能である。
【0091】
また記録媒体式施解錠装置71の制御部711は、上記構成に加え、記録部としてハードディスク及びバックアップRAM(例えば停電後1年間はデータを保持する)からなる記憶部、無線通信部との通信IF、723、721等のボタンが押されたことを検知するためのボタン入力IF、表示部713、内側表示部722に表示させるための表示IF、CCDカメラ714を制御して写真を取らせたりその写真のQRコードをID情報等の文字情報に変換するためのQR制御部を備える。
【0092】
図6において、CCDカメラ714(第1の記録媒体読取手段であり、かつ第2の記録媒体読取手段である。即ち共通の読取手段である。)は、ドア内に記録媒体式施解錠装置71の筐体(筐体はドア内に固定されている)に固定される。またQRコード部25をドアの外(廊下側であり図6における向かって右側)側から挿入し、カードガイド717に案内されてQRコード25の挿入先端部がカードガイド717の奥端部に達すると、QRコード251を撮像可能な位置に位置する。QRコード25は、挿入先端部がカードガイド717の奥端部に達した状態で、挿入後端部はドアの外側に露出し、QRコード25の挿入先端部と挿入後端部の間で折れ曲がるようにカードガイド717は形成される。このためQRコード25がカードガイド717から外れて落ちてしまうことはない。またCCDカメラ714は、QRコード部25をドアの内(客室側であり図6における向かって左側)側から挿入し、カードガイド717に案内されてQRコード25の挿入先端部がカードガイド717の奥端部に達すると、QRコード251が撮像可能な位置に位置する。なおここでCCDカメラ714が上下に隣接して挿入されたドアの内側からのQRコード25とドア外側からのQRコード25を鮮明に撮像可能なように自動焦点調整を行うよう構成させてもよい。
【0093】
カードガイド717は、ドアの外から挿入されたQRコード部25がCCDカメラ714に近く、ドアの内から挿入されたQRコード部25がCCDカメラ714に遠いように形成される。このようにすると、ホテルの同一の客室に複数の客が宿泊する場合、他の客の記録媒体を部屋の内から挿入した状態で在室信号を外部に出力し続けることができるとともに、共通の読み取り手段が外から新たに挿入した記録媒体を内から挿入される記録媒体に邪魔されることなく読み取り可能であるので、客の一人が客室から退室する際施錠したり、退室後再び入室する際、解錠することが可能となる。
【0094】
またカードガイド717は、ドアの外から挿入されたQRコード部25と、ドアの内から挿入されたQRコード25の間に仕切り(図示しない)を備える。仕切りは、板状であってCCDカメラ714がドアの外から挿入されたQRコード部25とドアの内から挿入されたQRコード部25を撮像可能な孔を備える。この仕切りによって、泥棒などが部屋の外側から部屋の内側にある記録媒体を抜き取ることを防止できる。この仕切りがないと、泥棒は部屋の外側から部屋の内側にある記録媒体を抜き取ることができ、例えば記録媒体がQRコードやバーコードなどの画像を識別して施解錠する場合、これらQRコードやバーコードをコピー機でコピーして、その客室に侵入することができるので危険である。
【0095】
なおカードガイド717をドア外側からのQRコード25挿入用と、ドア内側からのQRコード25挿入用と2つ備え、CCDカメラ714はQRコード251を撮像可能な位置に必要に応じて所定の軌道上を回転と移動を行うように構成させてもよい。また、CCDカメラの向きを室内側や室外側に向けるためのCCDカメラ移動機構と通信可能に接続され、制御するカメラ移動機構IFからなる。カメラ移動機構は、移動中にブレが生じないようレール等の所定の軌道に沿って移動させるようにしてもよい。
【0096】
なおカードガイド717のドアの内側と外側に形成される挿入口をそれぞれドアの中央に向かって上下方向に幅広から徐々に幅狭に形成し、ドア外面付近に設けられたドア外面に沿って水平方向に回転自在とする回転軸を設け、カードガイド717のドア内部側を回転自在に構成し、ドア中央部付近でカードガイド717のカード挿入方向に対して長く形成された長穴で、ドアの内側からのカードガイド717とドアの外側からのカードガイド717を留めるように形成してもよい。この場合CCDカメラ714はドアの内側からのカードガイド717またはドアの外側からのカードガイド717の挿入方向に対し垂直にQRコード251を撮像可能な位置に位置するように形成するとよい。このように形成することでドアの厚みによらず、本記録媒体式施解錠装置71をドアに取り付けることができる。
【0097】
次に記録媒体式施解錠装置71についての動作を説明する。図7(記録媒体式施解錠装置71のフローチャート)示す如く、プログラムは電源ONで起動される割込み処理(例えばノンマスカラブルインターラプト端子に電源ON時の電源信号立ち上りをワンショットパルスに変換して入力する)によってROMから1ステップずつクロック入力に同期して初期プログラムを読み出して自己診断や初期設定を行い、初期プログラムを終了すると下記BGJを実行する。以下図7の制御フローチャートに沿って説明する。この例では、記録媒体式施解錠装置71の割込み処理がなされないときに実行される所謂BGJ(バックグランドジョブ)によって実行される。図7中のスタートはリターンで再び実行されるプログラムの基点となり、スタートからリターン迄を繰り返し実行する。
【0098】
まず記録媒体式施解錠装置71の制御部は、ステップ751において、QR制御部に指令し、CCDカメラ714と通信してQRコード部に印字されたQRコードの画像データを読み込む。するとQR制御部は、読み込んだ画像データをダウンロードしたデータを記憶した記憶部のRAMの変換データに従い文字データに変換する。
【0099】
そこで文字データに変換できなければ画像を180度回転させて同様に文字データに変換できるかを確認する。QRコードはQRコード部25に対しカードガイド挿入方向側に中央からややずれた位置であり挿入方向に対し左右対称の位置に印字され、ドアの内側と外側の両方向からカードガイド717に沿って挿入するとQRコード25の挿入方向端部がカードガイド717の挿入方向奥側のストッパに当接してちょうどQRコードがCCDカメラで撮影可能な位置で止まるので、画像を180度回転させて文字情報に変換することができる。
【0100】
画像を回転させない状態で文字情報に変換されたときにはドア外側からの挿入と識別可能であり、画像を180度回転させて文字情報に変換されたときにはドア内側からの挿入と識別可能である。また制御部は、他のデータの読み取りとしては、無線通信部を介して、フロア管理装置8、81、82、・・・を介してルーム管理装置5からの情報を読み取り、内側表示部722の外面に配置された指示ボタン721をボタン入力IFを介して読み取り、冷蔵庫内の飲料が抜き取られたか否かの情報を、無線通信部を介して読み取り、TVコントローラ73から無線通信部を介して有料TVの課金額を読み取り、を実行する(ステップ751、「記録媒体読取手段」として例示)。
【0101】
次いで、記録媒体式施解錠装置71の制御部は、ステップ752において、読みとった画像情報がないか、QRコードか否かを判断し、QRコードでない場合または画像情報がない場合には、客不在の旨の情報をID情報、客室番号とともにルーム管理装置5に無線通信部715を介して出力し(「記録媒体から読みとった情報が偽である場合または情報が読み取れない場合、所要の処理として不在信号を出力する不在出力手段」として例示)、スタートに戻る。またQRコードである場合には、ステップ753を実行する(ステップ752、「記録媒体読取手段によって読み取った情報に基づいて」の例として例示)。
【0102】
次いで、記録媒体式施解錠装置71の制御部は、ステップ753において、読み取ったQRコードをID情報(詳細には文字情報)に変換して、ルーム管理装置5にフロア管理装置8、81、82、・・・のいずれかを介して送信する(ステップ752、「記録媒体読取手段によって読み取った情報に基づいて」の例として例示)。
【0103】
次いで、記録媒体式施解錠装置71の制御部は、ステップ754において、ルーム管理装置5からのフロア管理装置8、81、82、・・・のいずれかを介して、無線通信部が受信した、ID情報が正規のものであるかいなかの認証情報に基づいて、認証NGであればスタートに戻り、認証OKであればステップ756を実行する(ステップ754、「記録媒体読取手段によって読み取った情報に基づいて」の例として例示)。
【0104】
次いで、記録媒体式施解錠装置71の制御部は、ステップ756において、ステップ751によって読み込んだQRコードの方向より、QRコード部25がドアの外側からの挿入なのか内側からの挿入なのかを判定する。外からの挿入の場合ステップ757へ移行し、内からの挿入の場合ステップ756へ移行する(ステップ756、「記録媒体読取手段によって読み取った情報に基づいて」の例として例示)。
【0105】
次いで、記録媒体式施解錠装置71の制御部は、ステップ757からステップ772において、QRコード部25が外からの挿入であるので施錠または解錠する。ステップ757においては、現在の鍵の状態を錠機構部716からの情報に基づいて判断する。現在の鍵の状態が施錠状態であればステップ758へ、解錠状態であればステップ773へ移行する(ステップ757)。
【0106】
次いで、記録媒体式施解錠装置71の制御部は、ステップ757の判定で鍵の状態が施錠状態であるなら、ステップ758において、読み取ったQRコードから変換したID情報が客用であればステップ761に移行し、ID情報が清掃員用であればステップ760に行こうし、ID情報が点検員用であればステップS759に移行する(ステップ758、「記録媒体読取手段によって読み取った情報に基づいて」の例として例示)。またここでID情報がマスターキーなら無条件で解錠してリターンしスタートに戻る。
【0107】
次いで、記録媒体式施解錠装置71の制御部は、ステップ758の判定で客用と判定されたなら、ステップ761において、点検作業が終了し、他の客付けもなされていない客室である状態である、客待ち中か否かを判定し、客待ち中であればステップ771に移行し、客待ち中でなければ、その客室には未だ入室してはいけない状態であるので何もしないでリターンし、スタートに戻る(ステップ761、「記録媒体読取手段によって読み取った情報に基づいて」の例として例示)。
【0108】
次いで、記録媒体式施解錠装置71の制御部は、ステップ771において、錠機構部716へ解錠指示し、無線通信部715を介してエアコンON、電灯ONを指示する(ステップ771、「施解錠手段」の例として例示)。その後リターンしスタートに戻る。
【0109】
記録媒体式施解錠装置71の制御部は、ステップ758の判定で清掃員用と判定されたなら、ステップ760において、記憶部から在室情報を読み出して客が不在中か否かを判定し、不在中であれば(図7ステップS760のYES)ステップ770に移行し、在室中であれば(No)解錠しないでリターンしてスタートに戻る。なお客が不在中か在室中かの在室情報についての設定は後程ステップ784で説明する(ステップ760、「記録媒体読取手段によって読み取った情報に基づいて」の例として例示)。
【0110】
記録媒体式施解錠装置71の制御部は、ステップ760の判定で不在中(YES)と判定された場合に、ステップ770において、錠機構部716へ解錠指示し、無線通信部715を介してエアコンON、電灯ONを指示し、さらにID情報、客室番号、清掃中信号出力を、ルーム管理装置5へ無線通信部715を介して送信し、表示部713に清掃中のランプを点灯させる信号を出力する(ステップ770、「施解錠手段」の例として例示)(「清掃中指示出力手段」の例として例示)。ルーム管理装置5ではこれら情報を受けて、客室番号に基づいてどの部屋が清掃中か、及び従業員を特定するID情報によってその従業員が行った清掃を履歴情報として定期(例えば月次)集計可能に記憶部に記憶する。その後リターンしスタートに戻る。
【0111】
記録媒体式施解錠装置71の制御部は、ステップ758の判定で点検員用と判定されたなら、ステップ759において、記憶部から在室情報、及び点検依頼中か否かを示す情報を読み出して客が不在中であってかつ点検依頼中かを判定し、YESであれば(図7ステップ759のYES)ステップ772に移行し、そうでなければ(ステップ759のNO)解錠しないでリターンしてスタートに戻る。なお客が不在中か在室中かの在室情報についての設定は後程ステップ784で説明し、点検依頼中か否かを示す情報の設定は後程ステップ776で説明する(ステップ758、「記録媒体読取手段によって読み取った情報に基づいて」の例として例示)。
【0112】
記録媒体式施解錠装置71の制御部は、ステップ759の判定で点検依頼中であって客不在中(YES)と判定された場合に、ステップ772において、錠機構部716へ解錠指示し、無線通信部715を介してエアコンON、電灯ONを指示する(ステップ772、「施解錠手段」の例として例示)。その後リターンしスタートに戻る。
【0113】
記録媒体式施解錠装置71の制御部は、ステップ757の判定で解錠と判定された場合、ステップ773において、錠機構部716に施錠する旨の信号を出力し、無線通信部715を介して、エアコンOFF及び電灯OFFとし、不在の旨の情報をID情報、客室番号とともにルーム管理装置5に無線通信部715を介して出し、その他の各種サービス及び各種有料サービスを終了する。次いでステップ774に移行する(「所要の処理として部屋内の電気機器の電源をOFFとする」例として例示)。
【0114】
記録媒体式施解錠装置71の制御部は、ステップ774において、ステップ758と同様QRコード部25の種別を判定し、点検員用であればステップ762を実行し、点検完了の旨の情報をID情報、客室番号とともにルーム管理装置5に無線通信部715を介して出力する(ステップ762、「清掃完了指示出力手段」の例として例示)。またステップ774において、QRコード部25の種別を判定し、清掃員用であればステップ776を実行し、点検依頼の旨の情報をID情報、客室番号とともにルーム管理装置5に無線通信部715を介して出力する(ステップ776)。またまたステップ774において、QRコード部25の種別を判定し、客用であればステップ775を実行し、客不在の旨の情報をID情報、客室番号とともにルーム管理装置5に無線通信部715を介して出力し、かつその客がチェックアウトすべき時間(ルーム管理装置5に指示して送信した情報を受信した情報)か否かを判定し、精算合計処理の許可を通信IFを介してルーム管理装置5へ送信する(ステップ775)。
【0115】
また記録媒体式施解錠装置71の制御部は、ステップ756の判定でQRコード部25の挿入方向が内からの場合、ステップ777において、鍵の状態を錠機構部716から請け施錠状態にある場合はステップ779へ移行し、解錠状態にある場合には、ステップ778において、ロックをかけるべく錠機構部716に指示信号を出力して施錠する。(ステップ778、「施解錠手段」の例として例示)(「複数種の指示を出力する指示出力手段」の1の指示として例示)。但し、QRコード部25を内から挿入した状態で、ロック解除サムターン717を回してロックすることもそのロックを解除することもできる。これは同一の客室に複数の客が滞在する場合、1名が客室に残った状態で他の同室者が客室外に出る場合に対応できるようにしたものである。
【0116】
記録媒体式施解錠装置71の制御部は、ステップ779において、ステップ751にて読み込んだQRコードの読み取りにより、ステップ758と同様の判定を行い、QRコード部25が客用なのか、点検員用なのか、清掃員用なのかに応じて、それぞれ、ステップ782、ステップ780、ステップ781に移行する(ステップ779、「第2の記録媒体読取手段による読み取りに起因して」の例として例示)。
【0117】
記録媒体式施解錠装置71の制御部は、ステップ780においてはID情報と点検中である旨の情報と客室番号を、ルーム管理装置5に無線通信部715を介して出力するとともに表示部713、内側表示部722に点検中である旨を表示するべく表示IFを介して出力する(ステップ780、「施解錠以外の所要の処理を行う処理手段」の例として例示)(「複数種の指示を出力する指示出力手段」の1の指示として例示)。ルーム管理装置5ではこれら情報を受けて、客室番号に基づいてどの部屋が点検中か、及び従業員を特定するID情報によってその従業員が行った点検を履歴情報として定期(例えば月次)集計可能に記憶部に記憶する。
【0118】
記録媒体式施解錠装置71の制御部は、ステップ781においてはID情報と清掃中である旨の情報と客室番号を、ルーム管理装置5に無線通信部715を介して出力するとともに表示部713、内側表示部722に点検中である旨を表示するべく表示IFを介して出力する(ステップ781、「施解錠以外の所要の処理を行う処理手段」の例として例示)(「複数種の指示を出力する指示出力手段」の1の指示として例示)(「清掃中指示出力手段」の例として例示)。なお、ステップ770において清掃中と既に表示してあるので、清掃員はドアの内側からQRコード部25をカードガイド717に挿入する必要はない。これは清掃員が客室を清掃する際、複数の客室のドアを開けたままで、同じ清掃用具(電気掃除機、モップ、シーツ、タオル)を持って順次行き来するのに、ドアをいちいち開けたり閉めたりしていては作業効率が悪いためのである。ルーム管理装置5ではこれら情報を受けて、客室番号に基づいてどの部屋が清掃中か、及び従業員を特定するID情報によってその従業員が行った清掃を履歴情報として定期(例えば月次)集計可能に記憶部に記憶する。
【0119】
記録媒体式施解錠装置71の制御部は、ステップ782において、客用のQRコード部25が挿入されている場合であって指示ボタン721で指定される場合か(「読み取りに起因するとともに所定の操作に起因して施解錠以外の所要の処理を行う処理手段」の例として例示)(「指示入力手段」の例として例示)、または予めチェックイン時等においてチェックイン情報として登録した有料サービスによって指令される有料サービスを、例えばTVコントローラ73を介してTV72で有料TVを見る場合、における有料サービス起動した場合(ステップ782の判定でYES)、ステップ783に移行し、ステップ783においては、ルーム管理装置5に無線通信部715を介して有料サービス分の該当度数(図5の運用設定で設定された度数のうち起動した有料サービスに対応する度数)の引き落としを指示する旨の情報とID情報と客室番号の送信を行い(ステップ783、「施解錠以外の所要の処理を行う処理手段」の例として例示)(「複数種の指示を出力する指示出力手段」の1の指示として例示)、ステップ784に移行する。ステップ782において有料サービスが起動されていない場合には、ステップ784に移行する。
【0120】
記録媒体式施解錠装置71の制御部は、ステップ784において、ID情報、客在室の旨の情報、客室番号を、ルーム管理装置5に無線通信部715を介して出力するとともに表示部713、内側表示部722に客在室である旨を表示するべく表示IFを介して出力する(ステップ784、「施解錠以外の所要の処理を行う処理手段」の例として例示)(「複数種の指示を出力する指示出力手段」の1の指示として例示)。また同時に無料サービスとして、図5の運用設定において設定された有料指定Aの「v」が入力されなかったサービス、例えばインターネット接続許可をTVコントローラ73(パソコンに接続するLAN端子を備え、外部インターネットに接続される。)に信号出力する。ルーム管理装置5ではこれら情報を受けて、客室番号に基づいてどの部屋が在室中か、及び客を特定するID情報によってその客の利用履歴情報として記録し、既述のデータマイニングや集計が可能なよう、記憶部に記憶する。
【0121】
ステップ780、781、784に続いて、記録媒体式施解錠装置71の制御部は、ステップ785において、上記した情報以外の必要な情報を外部に出力する。例えば、一例としてステップ751において読み込んだ内側表示の各種有料サービスの開始を指示するボタンを、ボタン入力IFを介して読み込んだ場合、ここでルーム管理装置5に、ID情報と部屋番号と開始する有料サービスを特定するサービスID情報を、無線通信部715を介して出力するとともに、表示IFを介して、内側表示部722に指定された有料サービスが開始された旨を表示する(ステップ785、施解錠以外の所要の処理を行う処理手段」の例として例示)。
【0122】
なお、ステップ780、784における、それぞれ点検中である旨の情報、在室情報の出力は、カードガイド717からQRコード部25のQRコードをCCDカメラが認識する場合に限り(即ちカードガイド717にドアの内からQRコード25が挿入する限り)出力するように構成してもよい。この場合、不在の旨の情報をID情報、客室番号とともにルーム管理装置5に無線通信部715を介して出し、その他の各種サービス及び各種有料サービスを終了する。(「所要の処理として部屋内の電気機器の電源をOFFとする」例として例示)。
【0123】
このように構成する方が、客や点検員がQRコード25をステップ773において外からカードガイド717に挿入し忘れて施錠しないで客室に誰もいなくなることを検知できないことを防止できる。さらにQRコード部25をドアの内から引き抜いた際に、ステップ773においてエアコンOFF、電灯OFFとするのではなく、エアコン、ややディレー時間をおいて電灯(急に電灯OFFとした場合握玉718、ロック解除サムターン717がどこにあるのかわからなくなる)をOFFとするように構成してもよい。このように構成する方が、客や点検員がQRコード25をステップ773において外からカードガイド717に挿入し忘れて施錠しないで客室に誰もいなくなる場合においても電気代が節約できる(「在室出力手段」として例示)。
【0124】
なお、TV72、TV73は、ステップ771において電源ONとすることができ、捨ステップ773、ステップ752でNOの場合には電源ONとできないように構成される。TVコントローラ73は、ビデオゲーム機と同様TV72のビデオ端子に、音声と映像情報を出力し、図5の運用設定、チェックイン情報で指定した有料TV視聴不可の情報、及び指示ボタン721による有料サービス開始に従い、有料TV、カラオケ、ゲーム等が提供する。これら有料サービスを提供する場合、それぞれの有料サービス指定情報、ID情報、客室番号を、記録媒体式施解錠装置71からルーム管理装置5に送信して、ルーム管理装置5はこれら情報に基づいて、ID情報で指定される口座から有料サービス分の度数を引き落とす。
【0125】
次に、記録媒体式施解錠装置71における電気回路及び機構について、図8(記録媒体式施解錠装置の電気回路及び機構ブロック図)に基づいて説明する。ドア内部に内蔵される錠機構部716は、充電部810(電源部712に含まれる)、ロック解除サムターン717、ロックするための鉄製(導電体であり導電性のある金属がよい)デッドボルト800、ロック解除サムターン717からの手動駆動力をデッドボルト800に伝達するサムターン駆動力伝達機構815、デッドボルト800に誘電される電力をピックアップするためのコイル808、デッドボルト800を施解錠するための自己保持型ソレノイド811、ロックしないでドアのラッチするラッチボルト802、握玉718、握玉718の手動駆動力をラッチボルト802に伝達する握玉駆動力伝達機構814、制御部711からなる。
【0126】
また、ドアが自己発電するための機構として、ドアを壁に回動可能に軸支する蝶番と、蝶番からの回転駆動力を所定の減速比で増速する回転力伝達機構806を介して得て充電部810に電力を供給するモータ803(自己発電の例)、ドアの外側外面に配置された太陽発電素子805(自己発電の例)、握玉718の回転駆動力を所定の減速比で増速する回転力伝達機構807、回転力伝達機構807からの回転力を得て充電部810に電力を供給するモータ804(自己発電の例)を備える。
【0127】
また、閉めた状態のドアについての回動端部側に対向する壁面に設けられるステンレス製の受座801は、ドアの錠機構部716から突出するデッドボルト800及びラッチボルト802をドアが開かないよう係止する。また受座801には交流電源812から交流電力を受けて、ロック時に突出したデッドボルト800(突出部の1例)を介して電磁誘導させるコイル812を備える(電磁誘導の例)。なお交流電源812では50〜60Hzより高周波な交流電圧を供給し、電磁誘導の効率を上げて電源提供するようにしてもよい。この場合、例えば50HzAC100Vを整流してDC電源とし、そのDC電源をサイリスタのアノードに接続しゲートに1Kzのクロックを入力し、カソードから1KzのON−OFF信号として出力するようにしてもよい。
【0128】
コイル812からのデッドボルト800を経由して電磁誘導された交流波は、コイル808によってピックアップされ充電部810内の整流回路、フィルター回路を介して、充電可能な電池として機能する、電気2重層コンデンサに充電される。またモータ803、太陽発電素子805、モータ804からの電力も電気2重層コンデンサに充電される。(以後、交流電源812、コイル812、デッドボルト800、コイル808、充電部810を介して充電することを第1充電手段と呼ぶ)
【0129】
デッドボルト800は、ロック解除サムターン717からの駆動力を、サムターン駆動力伝達機構815を介して得ることと、自己保持型ソレノイド811からの駆動力を得ることと、マスターシリンダ720からの施解錠駆動力を得ることで壁側の受座801の方向に突出してドアを施錠したり、受座801の方向に突出した状態からドア側に退去してドアを解錠する。なお自己保持型ソレノイド811は、制御部711からプラス電圧を受けると突出して、その後0Vの電力となってもその状態を保持し、制御部711からマイナス電圧を受けると退去して、その後0Vの電力となってもその状態を保持するものである。この実施例では充電部810からの電力を、制御部711を介して自己保持型ソレノイド811へ提供する。
【0130】
また、交流電源812に電力線通信モジュールをつけて、当該電力線通信モジュールが重畳波を交流電圧に重畳させて、コイル813を介して制御部711と、外部の例えばルーム管理装置5の間、室内のTVコントローラ73の間、エアコンの間、電灯の間、その他の記録媒体式施解錠装置71に制御される電気機器との間、において通信制御させるようにしてもよい。
【0131】
また、この実施の形態では、交流電力をデッドボルト800を介してドアが非接触に受けたが、デッドボルト以外の導電性のある金属部材(充電伝達部材)でドア外部からの電力を受けるようにしてもよい。ドアの回転軸側の端部に、充電伝達部材を配し、ドアの回動に際し邪魔にならない位置(例えば、ドアの開閉方向と反対側からドアの回動半径外のスペースに突出させる)壁からドア側に突出するようにしてもよい。このようにすれば、デッドボルト800が壁側に突出した施錠状態でなくても充電することができる。
【0132】
また、充電手段における第2の実施の形態(以降第2充電手段と呼ぶ)を、図9、図10に沿って説明する。図8における制御部711、握玉718、握玉駆動力伝達機構814、ラッチボルト802、充電部810、ロック解除サムターン717、サムターン駆動力伝達機構815、デッドボルト800、自己保持型ソレノイド811、交流電源812を第2充電手段(図9)としても採用する。
【0133】
第2充電手段としては、上記第1充電手段におけるデッドボルト800に変えてコの字状の鉄心902、910のそれぞれの中央部にコイル812、808を巻いたものを用いる。鉄心902、910は、コの字の両端間に耐摩耗性の高いエンジニアリングプラスチックである樹脂部906を備える。また鉄心902、910のコの字の両端部は外部に露出するので、角部が面取りまたはR取りがなされているが、極力鉄心902と901の対向する面が平面を為し接触した際の接触面積を増やすよう形成される。
【0134】
この実施の形態においては、鉄心910側がドアに固定され、鉄心902は、ドアが閉じられた際に鉄心910と接触するようにバネ903(伸縮手段)を介して壁からドア方向に突出する。バネ903の一端は鉄心902側、他端はチャンバー(空間の意味)901の奥側に固定され、バネ903によってドア方向に付勢されている。また鉄心902のコの字両端間に突出方向に長く形成された長穴905を備え、受座801に固定された貫通棒904が、鉄心902の突出方向と反対側の長穴905の端部に当接することで、バネ903の付勢力による外部への飛び出しを規制する。また受座801によって鉄心902は略所定の軌道で突出するようガイドされるが、受座801と鉄心902の間に若干の隙間を有している。
【0135】
このためドアと壁のドア枠の建て付けがわるくドアに対しドア枠が平行でない時でも、鉄心902の奥部側角部が、突出方向に対する上下方向及び左右方向に形成された隙間によっていずれかの方向に偏った位置に位置することができるので、鉄心910(電磁誘導可能材)と接触する際、910及び902の対向面の平面に沿って密着することができる。
【0136】
即ち、ドアとドア枠の間に10mm程度の隙間が形成させるのが一般的であるが、上記の如く鉄心910と902が密着することで空間ロスのない磁気回路を形成することで、極めて高い充電効率とすることができる。第2充電手段としては、ドアが閉じられた際に、鉄心910に鉄心902が直接当接する形態をとるので極めて電磁誘導による充電部810の充電効率が高い。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】本発明の一実施形態における記録媒体式施解錠システムの構成を示すブロック図である。
【図2】登録カード23の外観を示す図である。
【図3】登録カード23の外観を示す図である。
【図4】チェックイン端末装置4の外観を示す図である。
【図5】ルーム管理装置5で設定する各サービス毎の運用設定時に表示される画面を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態における記録媒体式施解錠装置におけるドア内部の断面イメージを示す説明図である。
【図7】本発明の一実施形態における記録媒体式施解錠装置における動作を示すフローチャート図である。
【図8】本発明の一実施形態における記録媒体式施解錠装置における電気回路及び機構ブロック図である。
【図9】本発明の一実施形態における記録媒体式施解錠装置における充電手段の第2実施形態ブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態における記録媒体式施解錠装置における充電手段の第2実施形態詳細説明図である。
【符号の説明】
【0138】
1・・・記録媒体式施解錠システム、2・・・登録装置、3・・・管理装置、4・・・チェックイン端末装置、5・・・ルーム管理装置、6・・・カウンタ入金装置、7・・・客室制御システム、71・・・記録媒体式施解錠装置、8、81、82・・・フロア管理装置、9・・・フロア入金受付装置、11・・・テナント端末、714・・・CCDカメラ、717・・・カードガイド、713・・・表示部、722・・・内部表示部、800・・・デッドボルト、803、804・・・モータ、810・・・充電部、811・・・自己保持型ソレノイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋の外から記録媒体を受け付けて前記記録媒体に記録された情報を読み取る第1の記録媒体読取手段と、前記第1の記録媒体読取手段によって読み取った情報に基づいてドアを解錠または施錠する施解錠手段とを備える記録媒体式施解錠装置において、
部屋の内から記録媒体を受け付けて前記記録媒体に記録された情報を読み取る第2の記録媒体読取手段と、
前記第2の記録媒体読取手段により読み取った情報に基づいて、複数種の指示を出力する指示出力手段と、
を備えることを特徴とする記録媒体式施解錠装置。
【請求項2】
前記第1の記録媒体読取手段または前記第2の記録媒体読取手段により読み取った情報によって清掃員用と特定される場合には、清掃中の旨の指示出力を出力する清掃中指示出力手段と、
前記清掃中指示出力手段によって清掃中の旨の指示出力中に、再び、前記第1の記録媒体読取手段または前記第2の記録媒体読取手段により読み取った情報によって清掃員用と特定される場合には清掃を完了した旨または次工程依頼の旨の指示出力を出力する清掃完了指示出力手段を備えることを特徴とする請求項1記載の記録媒体式施解錠装置。
【請求項3】
前記第2の記録媒体読取手段は、記録媒体を受け入れ可能であり、受け入れ状態を保持するように構成され、
前記指示出力手段は、前記受け入れ状態を保持する場合において、
前記複数種の指示が、前記記録媒体から読み取った情報によって客用と特定される場合には客在室の旨の指示出力、前記記録媒体から読み取った情報によって清掃員用または点検者等の従業員用と特定される場合には清掃中または点検中等の作業中の旨の指示出力、であることを特徴とする請求項1記載の記録媒体式施解錠装置。
【請求項4】
前記第1の記録媒体読取手段は、受け付けた前記記録媒体から読み取った情報によってマスター用と特定される場合には無条件でドアを解錠し、前記マスター用以外と特定される場合には条件付で解錠されることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか記載の記録媒体施解錠装置。
【請求項5】
前記指示出力手段は、さらにエアコン、電灯等の電気機器をON、またはONとする許可の旨の電気機器ON指示出力が可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれか記載の記録媒体式施解錠装置。
【請求項6】
前記第2の記録媒体読取手段は、記録媒体を受け入れ可能であり、受け入れ状態を保持するように構成され、
前記指示出力手段は、
前記複数種の指示が、
前記受け入れていた記録媒体が排出または取り出された場合において、
前記受け入れていた記録媒体から読み取った情報によって客用と特定される場合には客不在の旨または清掃依頼の旨の指示出力、前記受け入れていた記録媒体から読み取った情報によって清掃員用または点検者等の従業員用と特定される場合には清掃または点検等の作業を完了した旨の指示出力、であることを特徴とする請求項1または請求項1、請求項3、請求項5のいずれか記載の記録媒体式施解錠装置。
【請求項7】
前記指示出力手段は、さらに前記受け入れた記録媒体が排出または取り出された場合にエアコン、電灯等の電気機器をOFFとする電気機器OFF指示出力が可能であることを特徴とする請求項6記載の記録媒体式施解錠装置。
【請求項8】
前記指示出力手段は、
前記複数種の指示が、
前記第1の記録媒体読取手段によって受け付けた記録媒体から読み取った情報によって客用と特定される場合には客不在の旨または清掃依頼の旨の指示出力、前記前記第1の記録媒体読取手段によって受け付けた記録媒体から読み取った情報によって清掃員用と特定される場合には清掃を完了した旨または次工程依頼の旨の指示出力、前記前記第1の記録媒体読取手段によって受け付けた記録媒体から読み取った情報によって点検者用と特定される場合には客が入室可能な旨または次工程依頼の旨の指示出力、の内少なくとも複数であることを特徴とする請求項1、請求項3乃至請求項7のいずれか記載の記録媒体式施解錠装置。
【請求項9】
前記指示出力手段は、さらに前記第1の記録媒体読取手段によって前記記録媒体を受け付けた場合にエアコン、電灯等の電気機器をOFFとする電気機器OFF指示出力が可能であることを特徴とする請求項8記載の記録媒体式施解錠装置。
【請求項10】
前記複数種の指示毎に、部屋の外部に異なる態様で表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項9いずれか記載の記録媒体式施解錠装置。
【請求項11】
前記第1の記録媒体読取手段と前記第2の記録媒体読取手段は、1のセンサによって読み取ることを特徴とする請求項1乃至請求項10いずれか記載の記録媒体式施解錠装置。
【請求項12】
前記請求項1乃至11いずれか記載の記録媒体式施解錠装置からの信号を受ける信号受信手段と、
前記信号受信手段からの信号に基づく情報を処理する管理装置を備えることを特徴とする記録媒体式施解錠システム。
【請求項13】
部屋の外から記録媒体を受け付けて前記記録媒体に記録された情報を読み取る第1の記録媒体読取手段によってなされる第1の記録媒体読取ステップと、前記第1の記録媒体読取手段によって読み取った情報に基づいてドアを解錠または施錠する施解錠手段によってなされる施解錠ステップとを備える記録媒体式施解錠装置の記録媒体処理方法において、
部屋の内から記録媒体を受け付けて前記記録媒体に記録された情報を読み取る第2の記録媒体読取手段によってなされる第2の読取ステップと、
前記第2の記録媒体読取手段により読み取った情報に基づいて、複数種の指示を出力する指示出力手段によってなされる指示出力ステップと、
を備えることを特徴とする記録媒体式施解錠装置の記録媒体処理方法。
【請求項14】
前記第2の記録媒体読取手段は、記録媒体を受け入れ可能であり、受け入れ状態を保持するように構成され、
前記指示出力手段は、前記第2の記録媒体読取手段が記録媒体の受け入れ状態を保持する場合において、前記記録媒体から読み取った情報によって客用と特定される場合には客在室の旨の指示出力、前記記録媒体から読み取った情報によって清掃員用または点検者等の従業員用と特定される場合には清掃中または点検中等の作業中の旨の指示出力、さらにエアコン、電灯等の電気機器をON、またはONとする許可の旨の電気機器ON指示出力をするよう構成され、
前記第2の記録媒体読取手段の受け入れた前記記録媒体が排出または取り出された場合において、前記受け入れていた記録媒体から読み取った情報によって客用と特定される場合には客不在の旨または清掃依頼の旨の指示出力、前記受け入れていた記録媒体から読み取った情報によって清掃員用または点検者等の従業員用と特定される場合には清掃または点検等の作業を完了した旨の指示出力、及びエアコン、電灯等の電気機器をOFFとする電気機器OFF指示出力、をするよう構成され、
前記指示出力ステップは、前記客在室の指示出力するとともに前記電気機器ON指示出力した後、前記客不在の旨または清掃依頼の旨の指示出力するとともに前記電気機器OFF指示出力した後、前記作業中の指示出力するとともに前記電気機器ON指示出力した後、前記作業を完了した旨の指示出力するとともに前記電気機器OFF指示出力するサイクルで繰り返し指示出力可能なことを特徴とする請求項11記載の記録媒体式施解錠装置の記録媒体処理方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−162010(P2009−162010A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−1656(P2008−1656)
【出願日】平成20年1月8日(2008.1.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000137203)株式会社マースエンジニアリング (218)
【出願人】(508007994)株式会社ホテルサンルート博多 (3)
【Fターム(参考)】