説明

記録媒体販売システム

【課題】時間的又は場所的な制約を受けることなく試聴して、顧客が十分納得してCD等の記録媒体を購入可能にする記録媒体販売システムを提供する。
【解決手段】CDショップは、顧客にIDカード10を作成し、IDカードリーダ20で個人情報を読み取った後にバーコードスキャナ30を貸与する。顧客は、このバーコードスキャナ30で関心のあるCDのバーコード情報を読み取り、店舗端末50へ送信する。この店舗端末50は、バーコード情報および顧客情報をデータセンター60へ送信し、電子メールで顧客の携帯電話70に送信し、適宜試聴した後に返信すると購入予約される。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録媒体販売システムに関し、例えば、CDショップに陳列する多数のCD(Compact Disc)を顧客が選択して、希望するCDを販売する顧客満足度の高い記録媒体販売システムに関する。
【0002】
【従来の技術】音楽の記録媒体は、従来のアナログ式レコード盤又は磁気テープに代わって、現在では大半がデジタル録音されたCD又はMD(Mini Disc)である。CDショップには、多数のCDがパッケージに収められ、ジャンル別に棚に陳列して販売されているのが一般的である。
【0003】図6は、CDショップにおいて顧客にCDを販売する従来の記録媒体販売システムの説明図である。特に、顧客がCDショップでCDを選択して購入する一般的なCD購入過程を示すフローチャートである。即ち、図6は、CDを購入しようとする客がCDショップに来店(INPUT)してから、CDを購入する(OUTPUT)するまでのステップを示す。先ず、客は、店内を歩いてCDを探す(ステップB1)。気になるCDが見つかる(ステップB2)。その場合には、CDを試聴機の場所へ持っていく(ステップB3)。
【0004】次に、そのCDが試聴可能か否か確認する(ステップB4)。試聴可能な場合には、客は試聴し、気に入る場合にはCDを購入し(ステップB5)、客は満足したCD購入者となる。尚、試聴機を先客が使用中の場合には、この先客の試聴が終了するまで待つこととなる。一方、そのCDが試聴できない場合、即ちCDショップに用意している試聴機に客が試聴したいCDが入っていない場合又は試聴機が使用中であり試聴する時間的な余裕がない場合等には、欲しいCDであれば購入することとなる(ステップB6)。このステップB6で購入を決定した客の状態は、十分な満足度が得られず、購入後に失望することもあり得る。
【0005】尚、当然のことながら、上述した各ステップで、客の購買意欲がなくなった場合には、購入を断念してCDショップを出ることになる。また、上述したステップB5およびB6において、CDの購入を断念した場合および他にも購入したいCDがある場合には、上述したステップB1へ戻り、再度CDを探して店内を歩き回ることとなる。
【0006】また、CDに記録された音楽等の著作物の利用に関する又は通信手段により伝送して利用する従来技術は、例えば特開2000−163488号公報の「デジタル著作物の利用監視方法、利用監視システム、デジタル著作物記録装置およびデジタル著作物再生装置」、特開2000−349726号公報の「音楽配信システム用の携帯電話」、特開2001−231027号公報の「音楽映像データの利用方法及び利用システム、音楽映像参照用情報の提供方法及び情報提供者への販売手数料の支払システム」、特開2001−236082号公報の「携帯電話・PHSによるインターネットを活用したカラオケシステム」、特開平7−182837号公報の「記録媒体商品の試用サービスシステム」、特開平10−232690号公報の「録音された音楽をリスナーに試聴させる装置」および特開平11−168464号公報の「ディジタル情報配信システム」等に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のCD販売システムでは、顧客はCD試聴機の場所でしかCDの試聴ができない。即ち、CDの試聴場所が限定されていた。このため、1つのCDを試聴しながら他のCDを探すことは不可能であった。また、CD試聴機で試聴できるのは、CDショップで選択してCD試聴機内に格納されているCDのみに制限されている。従って、CDショップ内に揃えている全てのCDを試聴することはできない。その結果、CDを購入後に初めて聴いて、満足できない場合もある。更に、上述の如く、CD試聴機を先客が使用中の場合には、試聴機が空くまで待たされ、時間を浪費することとなった。気になるCDが見つかり試聴したい場合でも、時間的な余裕がない場合には、そのCDを試聴することなく購入するか否かの決断をしなければならなかった。従って、従来のCD販売システムは、顧客満足度の点で不十分であった。
【0008】
【発明の目的】本発明は、従来技術の上述した課題に鑑みなされたものであり、客が場所や時間に制限されることなく、真に希望するCD等の記録媒体を購入することを可能にし、顧客満足度の高い記録媒体販売システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するため、本発明による記録媒体販売システムは、次のような特徴的な構成を採用している。
【0010】(1)音声情報が格納された記録媒体ショップ内に陳列された多数の記録媒体から顧客が希望する記録媒体を選択してレジカウンタで販売する記録媒体販売システムにおいて、顧客は、前記記録媒体ショップ内で関心のある記録媒体を見つけたとき、該記録媒体のジャケットに添付されたバーコード情報を読み込むバーコードスキャナと、該バーコードスキャナで読み込まれた前記バーコード情報および顧客情報データセンターへ送信する店舗端末とを備え、前記データセンターから前記顧客の携帯端末に前記記録媒体に関する情報を含む電子メールを送信し、前記顧客は前記電子メールで試聴して購入希望を返信することにより前記記録媒体ショップに予約注文する記録媒体販売システム。
【0011】(2)前記記録媒体ショップは、前記顧客に個人情報を含むIDカードを作成して提供する上記(1)の記録媒体販売システム。
【0012】(3)前記バーコードスキャナは、前記顧客が前記IDカードを前記記録媒体ショップのIDカードリーダにて読み込んだ後に貸与される上記(1)又は(2)の記録媒体販売システム。
【0013】(4)前記バーコードスキャナは、前記記録媒体に添付されたバーコード情報の読取ボタンおよび前記読み取ったバーコード情報を前記店舗端末に送信する送信ボタンを有する上記(1)、(2)又は(3)の記録媒体販売システム。
【0014】(5)前記データセンターからの電子メールを受信する前記顧客の携帯端末は、電子メール機能を有する携帯電話である上記(1)の記録媒体販売システム。
【0015】(6)前記IDカードには、顧客の電子メールアドレスと共に好きな音楽ジャンルおよび好きなアーティスト名等の付帯情報を含み、前記店舗端末又は前記データセンターから選択された記録媒体情報を送信可能にする上記(2)の記録媒体販売システム。
【0016】(7)前記記録媒体はCDである上記(1)乃至(6)のいずれかの記録媒体販売システム。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、一例として記録媒体をCDとした本発明による記録媒体販売システムの好適実施形態の構成および動作を、添付図面を参照して詳細に説明する。尚、本明細書中、CDとは、デジタル的に音楽情報を記録した記録媒体一般を意味するものとする。
【0018】先ず、図1は、本発明による記録媒体販売システムの好適実施形態の全体システム構成図である。この記録媒体販売システムは、ID(個人識別)カード10、IDカードリーダ20、バーコードスキャナ30、CDショップ内に陳列された複数のCD40a〜40n、店舗端末50、データセンター60および携帯電話70により構成される。
【0019】顧客は、CDショップ店内を、自分の持つIDカード10と交換に、CDショップから受け取った(貸与された)バーコードスキャナ30を持ち、店内に陳列されたCD40a〜40nから自分が希望するCDを探す。関心のあるCD40が見つかれば、顧客は、そのCD(CDジャケット)40に添付されているバーコードラベル41を、バーコードスキャナ30でスキャンして読み取る。このバーコードラベル41の情報(CD識別情報)は、無線通信110を介して店舗端末50に送られる。
【0020】また、IDカード10よりIDカードリーダ20が読み取った個人識別情報も、通信ネットワーク100を介して、店舗端末50に送られる。店舗端末50は、これらの送られてきた2つの情報(バーコード情報と客の個人情報)を1つに統合し、通信ネットワーク120を介してデータセンター60に送信する。データセンター60は、送られてきた情報に基づき、顧客の携帯電話70の電子メールに、客が選んだCD40の音楽データを添付した電子メールを、通信ネットワーク130を介して送信する。
【0021】顧客は、自分の持つ携帯電話70で受信した電子メールの音楽データを再生することにより、何時でも、何処でもCD40の試聴が可能である。顧客は、このようにしてCD40を試聴した後に、CD40を購入するか否か決断する。このCD40の購入を決めると、携帯電話70で受信した電子メールを、通信ネットワーク130を介してデータセンター60に返信する。その情報が、データセンター60から店舗端末50に通信ネットワーク120を介して送られ、CD40の購入予約ができる。CDショップ内では、店舗端末50がデータセンター60からのCD購入予約情報を受信すると、そのCD40をレジカウンタに用意しておき、客が購入のために来店した際に販売する。
【0022】次に、図3に示す如く、顧客の持つIDカード10は、顧客の個人情報が格納されているカードであり、顧客がCDショップで作る。IDカード10には、顧客の携帯電話の電子メールアドレス、好きな音楽ジャンル、好きなアーティスト名等が格納されている。また、必要に応じて個人名、住所、電話番号等も格納可能である。IDカードリーダ20は、顧客の持つIDカード10に格納されている個人情報を、読み込むことのできる装置である。また、IDカードリーダ20は、店舗端末50と通信ネットワーク100により接続されている。IDカードリーダ20は、IDカード10より読み取った情報を店舗端末50に送信する機能も備えている。
【0023】図4に示す如く、バーコードスキャナ30は、CDショップ店よりIDカード10と交換に貸与され、店内のCD40に添付されているバーコードラベル41のバーコード情報(CD識別情報)を読み取ることができる装置である。このバーコードスキャナ30は、本体31に読取ボタン32を持ち、この読取ボタン32を押下することにより、バーコードデータ読取位置35でバーコードラベル41をスキャン(走査)する。そして、読み取ったバーコード情報を内部メモリに保持可能である。保持しているデータを消去する必要があれば、取消ボタン33を押下することにより、保持しているバーコード情報を消去できる。
【0024】また、バーコードスキャナ30は、店舗端末50と無線通信110で接続されており、読み取ったバーコード情報を店舗端末50に送信する機能も備えている。本体31に送信ボタン34を有し、この送信ボタン34を押下することにより、内部に保持しているバーコード情報を店舗端末50に送信する。バーコードスキャナ30は、店舗端末50と無線通信110で接続されているので、バーコードスキャナ30は店内を自由に持ち歩くことができる。
【0025】CD40a〜40nは、CDショップの店内に商品として陳列された多数の音楽CDである。CD40には、各CDを識別するためのバーコードラベル41が添付されている。尚、CD40は、各CDを識別できるバーコードラベルさえあればよいので、CDジャケットだけでもよい(即ち、音楽が記録された記録媒体を含まなくてもよい)。
【0026】店舗端末50は、情報処理装置であり、例えばパーソナルコンピュータ(PC)又はワークステーション(WS)サーバ等である。店舗端末50は、IDカードリーダ20から通信ネットワーク100を介して送信されてくる顧客の個人情報(図3参照)を処理する機能およびバーコードスキャナ30から無線通信110を介して送信されてくるバーコード情報を処理する機能も備えている。また、店舗端末50は、自らが受信した顧客の個人情報と、バーコード情報(CD識別情報)を統合し1つの情報として、通信ネットワーク120を介してデータセンター60に送信する機能を備えている。
【0027】更に、店舗端末50は、データセンター60から送信されてくる情報を受信する機能も備えている。データセンター60から送信されてくる情報は、顧客が購入すると決めたCD40の情報であり、その購入するCD40の情報を表示できる画面(ディスプレイ)も備えている。データセンター60は、WSサーバ等の情報処理装置から構成される。データセンター60は、一般的に販売されている音楽CDに入っている曲の、音楽データの一部又は全部をデータベース化して保有している。データセンター60は、店舗端末50から通信ネットワーク120を介して送信されてくる顧客の個人情報およびバーコード情報(CD識別情報)を統合した情報を受け取り、それを処理する機能を備えている。
【0028】データセンター60は、その情報に基づき顧客が選択した音楽CD40の情報を、音楽データを添付した電子メールの形式で、顧客の持つ携帯電話70に、通信ネットワーク130を介して送信できる機能も備えている。携帯電話70の表示画面(電子メール表示画面)には、図5に示す如く、例えばアーティスト名、CDタイトル、ジャンルおよび曲名(音楽ファイル)等が表示される。また、データセンター60は、顧客が音楽データを試聴後に、CDを購入する場合に送信されてくる電子メールを受信可能である。その電子メールに基づき顧客のCD購入予約情報を作成し、店舗端末50に通信ネットワーク120を介して送信する機能も備えている。
【0029】携帯電話70は、電子メール機能を有する携帯電話である(又は電子メール機能を有する他の携帯端末であってもよい)。携帯電話70は、図5に示す如く、データセンター60から通信ネットワーク130を介して送信されてくる電子メールを受信して表示画面に表示する機能を備えている。更に、この携帯電話70は、受信した電子メールに対する返信機能も備えている。携帯電話70が受信した電子メールは、図5に示す如く、音楽データが添付されているので、携帯電話70は、その音楽データを再生して聴くことのできる再生機能も備えている。
【0030】次に、図1〜図5を参照して、本発明による記録媒体(例えば,CD)購入システムの動作を説明する。図2は、CD購入システムの動作を示すフローチャートである。CD40の購入を意図してCDショップに来た顧客(INPUT)は、先ずCDショップで作成したIDカード10をIDカードリーダ(端末)20に挿入する(ステップA1)。IDカード10に格納されている情報は、図3に示すとおりである。このIDカード10に格納されている顧客の個人情報は、IDカードリーダ20が読み取って、通信ネットワーク100を介して店舗端末50に送られる。
【0031】次に、客は、そのIDカード10と交換に店員から携帯型のバーコードスキャナ30を受け取る(ステップA2)。顧客は、そのバーコードスキャナ30を持って店内に陳列されたCD40a〜40nを見て回り、関心のあるCDを探す(ステップA3)。関心のあるCD40を見つけると、CD40に添付されているバーコードラベル41を、バーコードスキャナ30でスキャンして読み取る(ステップA4)。バーコードスキャナ30は、図4に示す如く、読取ボタン32を備えている。CD40に添付されているバーコードラベル41に、データ読取位置35を向け、読取ボタン32を押下すれば、バーコード情報を読み取る。読み取ったバーコード情報を消去するには、取消ボタン33を押下すれば、バーコードスキャナ30が保持しているデータを消去する。
【0032】次に、顧客は、バーコードスキャナ30で読み取ったCD40に添付されたバーコードラベル41のバーコード情報を、店舗端末50に送信する(ステップA5)。送信は、図4に示すバーコードスキャナ30の送信ボタン34を押下すればよい。このバーコード情報(CD識別情報)およびIDカード10に格納されている情報が、店舗端末50で統合され1つの情報として、データセンター60へ送信される。これにより、データセンター60は、内部に所有する音楽データベースから、顧客が選んだCD40の音楽データを抽出し、図5R>5に示す如き音楽データが添付された電子メールにして、通信ネットワーク130を介して顧客の携帯電話70に音楽データが届く(ステップA6)。
【0033】以下、顧客の状況により2通りに分かれる。顧客は、その後の時間に余裕があるなら、携帯電話70に届けられた電子メールを開き、図5に示す如く、添付されている音楽データを、その場で携帯電話70を使用して再生し試聴する(ステップA7)。この場合に、携帯電話70で試聴するので、顧客は店内を歩き回って他のCDを探したり又は他の場所へ移動しても何ら支障はない。もし、顧客がその場で試聴する時間的余裕がないなら、携帯電話70に音楽データの添付された電子メールを受信しているので、店を出て、時間的余裕のできた適当な時に音楽データを携帯電話70で再生して試聴可能である(ステップA8)。
【0034】上述したステップA7又はA8の何れを選んでも、音楽データを携帯電話70で試聴し、そのCD40が気に入って購入したいのであれば、図5に示す如く、データセンター60から通信ネットワーク130を介して送信されてきた電子メールに返信する(ステップA9)。この返信は、通信ネットワーク130、データセンター60および通信ネットワーク120を通して店舗端末50にCD購入予約情報が送信される。そこで、CDショップは、レジカウンタに購入したいCD40を用意する。その後、顧客は、都合の良い時にCDショップのレジカウンタに行けば、CD40を購入できる(ステップA10)。
【0035】上述したステップでCD40を購入した客の心理状態は、試聴を経ているので、大半が満足状態であることが期待できる(OUTPUT)。当然のことであるが、上述した各ステップにおいて顧客の購買意欲がなくなった場合には、顧客はCDを購入することなく店をでることになる。また、ステップA7において、関心があり且つ試聴したCD40を購入しない場合や、他にも購入したいCDがある場合には、ステップA3に戻り、再び店内のCD40a〜40nを見て回ることとなる。
【0036】尚、図3に示す如く、IDカード10に好きな音楽ジャンルおよび好きなアーティストを登録しておくと、その情報に基づき、定期的にデータセンター60から、図5に示す如き新着CD情報メールを顧客の携帯電話70に送信可能である。これにより、CD40の販売促進を行うことが可能である。
【0037】以上、本発明による記録媒体販売システムの好適実施形態の構成および動作を詳述した。しかし、斯かる実施形態は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではない。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であること、当業者には容易に理解できよう。例えば,記録媒体としてはCDやMDに限らず他の任意の記録媒体を用いることができることは勿論である。
【0038】
【効果の説明】以上の説明から理解される如く、本発明の記録媒体販売システムによると、次の如き実用上の顕著な効果が得られる。第1に、顧客がCD等の記録媒体を試聴する場合に、時間的制約を受けないことである。その理由は、顧客が関心を持った記録媒体(例えば,CD)に添付されているバーコードラベルを、バーコードリーダで読み取るだけで、自分の携帯電話に音楽データの添付された電子メールが送信されてくるので、その電子メールを受信すれば、携帯電話を使用して何時でも記録媒体(例えば,CD)を試聴できるからである。これにより、記録媒体(例えば,CD)の試聴に時間的制約がなくなり、時間的余裕がない顧客が記録媒体(例えば,CD)を試聴せずに購入するケースは減少する。
【0039】第2に、顧客が記録媒体(例えば,CD)を試聴する場合に、場所の制約がなくなることである。その理由は、第1の効果と同様で、顧客は音楽データの添付された電子メールを受信すれば、その音楽データを自分の携帯電話で再生するのみで記録媒体(例えば,CD)の試聴ができるので、記録媒体(例えば,CD)試聴機の場所を限定されることなく、また歩きながらでも記録媒体(例えば,CD)の試聴が可能である。これにより、関心のある記録媒体(例えば,CD)を試聴しながら、他の記録媒体(例えば,CD)を探す又は他の用事をこなすことも可能である。
【0040】第3に、顧客が試聴可能な記録媒体(例えば,CD)が限定されなくなることである。その理由は、これまで記録媒体(例えば,CD)ショップの記録媒体(例えば,CD)試聴機に収納されている記録媒体(例えば,CD)は、店側の選択により決められていたが、データセンターは音楽データを大量に保有するので、記録媒体(例えば,CD)に添付されているバーコードラベルをバーコードスキャナで読み込ませるのみで、その音楽データが携帯電話の電子メールに送信されて、記録媒体(例えば,CD)を試聴できるからである。これにより、客は、理論上、店にある全ての記録媒体(例えば,CD)を試聴でき、記録媒体(例えば,CD)を購入後に、その記録媒体(例えば,CD)を初めて聴くことは減少する。
【0041】第4に、記録媒体(例えば,CD)試聴機が使用中で記録媒体(例えば,CD)を試聴できない又は待ち時間がなくなることである。その理由は、上述した第1および第2の効果と同様に、自分の携帯電話を試聴機として使用し、電子メールで送信されてくる音楽データを試聴すればよいので、記録媒体(例えば,CD)試聴機が使用中で待たされることはなくなるからである。これにより、顧客が記録媒体(例えば,CD)を試聴する際に、他の顧客の行動に左右されることはなくなる。
【0042】第5に、記録媒体(例えば,CD)を購入する際に、記録媒体(例えば,CD)を持ち歩かなくて良いことである。その理由は、関心のある記録媒体(例えば,CD)のバーコード情報を読み取り、携帯電話でCD試聴後に、その音楽データが送信されてきた電子メールに返信するだけで、記録媒体(例えば,CD)ショップのレジカウンタに購入したいCDが用意されるからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による記録媒体販売システムの好適実施形態の全体を示すシステム構成図である。
【図2】図1に示す記録媒体販売システムで、客がCD購入する場合のフローチャートである。
【図3】客に発行されるIDカードの個人情報の1例を示す図である。
【図4】図1中に示すバーコードリーダおよびCDに添付されているバーコード情報を示す図である。
【図5】データセンターから携帯電話に送信される電子メールの表示画面の1例を示す図である。
【図6】従来の記録媒体販売システムのフローチャートである。
【符号の説明】
10 IDカード
20 IDカードリーダ
30 バーコードスキャナ
40a〜40n CD
41 バーコードラベル
50 店舗端末
60 データセンター
70 携帯電話

【特許請求の範囲】
【請求項1】音声情報が格納された記録媒体ショップ内に陳列された多数の記録媒体から顧客が希望する記録媒体を選択してレジカウンタで販売する記録媒体販売システムにおいて、顧客は、前記記録媒体ショップ内で関心のある記録媒体を見つけたとき、該記録媒体のジャケットに添付されたバーコード情報を読み込むバーコードスキャナと、該バーコードスキャナで読み込まれた前記バーコード情報および顧客情報データセンターへ送信する店舗端末とを備え、前記データセンターから前記顧客の携帯端末に前記記録媒体に関する情報を含む電子メールを送信し、前記顧客は前記電子メールで試聴して購入希望を返信することにより前記記録媒体ショップに予約注文することを特徴とする記録媒体販売システム。
【請求項2】前記記録媒体ショップは、前記顧客に個人情報を含むIDカードを作成して提供することを特徴とする請求項1に記載の記録媒体販売システム。
【請求項3】前記バーコードスキャナは、前記顧客が前記IDカードを前記記録媒体ショップのIDカードリーダにて読み込んだ後に貸与されることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録媒体販売システム。
【請求項4】前記バーコードスキャナは、前記記録媒体に添付されたバーコード情報の読取ボタンおよび前記読み取ったバーコード情報を前記店舗端末に送信する送信ボタンを有することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の記録媒体販売システム。
【請求項5】前記データセンターからの電子メールを受信する前記顧客の携帯端末は、電子メール機能を有する携帯電話であることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体販売システム。
【請求項6】前記IDカードには、顧客の電子メールアドレスと共に好きな音楽ジャンルおよび好きなアーティスト名等の付帯情報を含み、前記店舗端末又は前記データセンターから選択された記録媒体情報を送信可能にすることを特徴とする請求項2に記載の記録媒体販売システム。
【請求項7】前記記録媒体はCDであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の記録媒体販売システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2003−196363(P2003−196363A)
【公開日】平成15年7月11日(2003.7.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−396326(P2001−396326)
【出願日】平成13年12月27日(2001.12.27)
【出願人】(000227205)エヌイーシーインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】