説明

記録媒体駆動装置

【課題】 小さい力量で容易に手動による操作状態を確保する。
【解決手段】 所定の部材が配置されたシャーシ31と、シャーシに回転自在に支持されたウォームホイール47、55と、シャーシ上に配置され二つの移動用挿通孔38a、38b、50a、50bを有するモーター支持板37、49と、モーター支持板に取り付けられた駆動モーター42、52と、駆動モーターのモーター軸に固定されウォームホイールに噛合されるウォーム43、53と、軸部41bと軸部の一端に設けられた押さえ部41aとを有し軸部がモーター支持板の移動用挿通孔に挿通されてシャーシに取り付けられた二つの取付ピン41と、取付ピンの押さえ部とモーター支持板との間に配置されモーター支持板をシャーシに押し付ける方向へ付勢する二つのバネ部材40とを設け、モーター支持板をウォームホイールの軸方向においてシャーシから離隔する方向へ移動させてウォームとウォームホイールの噛合を解除可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録媒体駆動装置についての技術分野に関する。詳しくは、モーター支持板をウォームホイールの軸方向へ移動させてウォームとウォームホイールの噛合を解除可能として小さい力量で容易に手動による操作状態を確保する技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスク状記録媒体やテープ状記録媒体等の各種の記録媒体に対する情報信号の記録又は再生を行うことができる記録媒体駆動装置がある。
【0003】
このような記録媒体駆動装置は、記録媒体がドライブ部まで搬送されて記録媒体に対する情報信号の記録又は再生が行われるものがある。
【0004】
記録媒体駆動装置に記録媒体が挿入されると、記録媒体は駆動モーターを有する搬送機構によってドライブ部まで搬送されてローディングされ情報信号の記録又は再生が行われ、情報信号の記録又は再生が終了した記録媒体はドライブ部から搬送機構によって搬送されてイジェクトされる。
【0005】
上記したローディング動作又はイジェクト動作において、例えば、搬送機構の故障等の不具合が発生したときには、記録媒体が搬送されなくなってしまうため、記録媒体駆動装置から記録媒体を取り出すことができなくなってしまう。
【0006】
そこで、記録媒体駆動装置には、記録媒体を記録媒体駆動装置から取り出すために、駆動モーターの駆動力によらず、手動により記録媒体の強制的なイジェクト動作を行うことが可能とされたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2001−344860号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上記した特許文献1に記載された記録媒体駆動装置にあっては、駆動モーターの駆動力の伝達経路を切断することなく滑り機構を伝達経路に介在させて強制的なイジェクト動作を行うようにしている。
【0009】
従って、滑り機構が介在する分、強制的なイジェクト動作を行うときに滑り機構において摩擦力が生じるため、一定以上の大きな力量によって手動によるイジェクト動作を行う必要がある。
【0010】
また、強制的なイジェクトを容易に行うことができるようにする必要もある。
【0011】
そこで、本発明記録媒体駆動装置は、上記した問題点を克服し、小さい力量で容易に手動による操作状態を確保することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
記録媒体駆動装置は、上記した課題を解決するために、記録媒体に対して情報信号の記録又は再生を行い、所定の部材が配置されたシャーシと、前記シャーシに回転自在に支持されたウォームホイールと、前記シャーシ上に配置され少なくとも二つの移動用挿通孔を有するモーター支持板と、前記モーター支持板に取り付けられた駆動モーターと、前記駆動モーターのモーター軸に固定され前記ウォームホイールに噛合されるウォームと、軸部と前記軸部の一端に設けられた押さえ部とを有し前記軸部が前記モーター支持板の移動用挿通孔に挿通されて前記シャーシに取り付けられた少なくとも二つの取付ピンと、前記取付ピンの押さえ部と前記モーター支持板との間に配置され前記モーター支持板を前記シャーシに押し付ける方向へ付勢する少なくとも二つのバネ部材とを備え、前記モーター支持板を前記ウォームホイールの軸方向において前記シャーシから離隔する方向へ移動させて前記ウォームと前記ウォームホイールの噛合を解除可能としたものである。
【0013】
従って、記録媒体駆動装置にあっては、モーター支持板がバネ部材の付勢力に抗してウォームホイールの軸方向へ移動されたときにウォームとウォームホイールの噛合が解除される。
【0014】
上記した記録媒体駆動装置においては、前記記録媒体が挿入され挿入された前記記録媒体を保持し所定の方向へ移動可能とされたディスクホルダーを設け、前記ディスクホルダーが前記駆動モーターの駆動力によって前記所定の方向へ移動可能とされ、前記モーター支持板を移動させて前記ウォームと前記ウォームホイールの噛合を解除したときに手動により前記ディスクホルダーを前記所定の方向へ移動可能とすることが望ましい。
【0015】
モーター支持板を移動させてウォームとウォームホイールの噛合を解除したときに手動によりディスクホルダーを移動可能とすることにより、ディスクホルダーに保持された記録媒体を手動により移動させることが可能となる。
【0016】
上記した記録媒体駆動装置においては、前記シャーシに治具挿入孔を形成し、前記治具挿入孔から挿入された治具によって前記モーター支持板を押圧して前記ウォームホイールの軸方向へ移動可能とすることが望ましい。
【0017】
治具挿入孔から挿入された治具によってモーター支持板を押圧してウォームホイールの軸方向へ移動可能とすることにより、治具によってモーター支持板が押圧されてウォームとウォームホイールの噛合が解除される。
【0018】
上記した記録媒体駆動装置においては、前記治具に保持用突部を設け、前記シャーシの治具挿入孔に前記治具を挿入して回転させ前記保持用突部を前記シャーシと前記モーター支持板の間に配置し、前記ウォームと前記ウォームホイールの噛合が解除された状態を保持することが望ましい。
【0019】
保持用突部をシャーシとモーター支持板の間に配置してウォームとウォームホイールの噛合が解除された状態を保持することにより、治具から手を離してもウォームとウォームホイールの噛合を解除した状態が保持される。
【0020】
上記した記録媒体駆動装置においては、前記シャーシに、前記移動用挿通孔に挿入され前記バネ部材を支持する取付ボスを設け、前記取付ピンを前記取付ボスに取り付けることが望ましい。
【0021】
シャーシに、移動用挿通孔に挿入されバネ部材を支持する取付ボスを設け、取付ピンを取付ボスに取り付けることにより、取付ピンとモーター支持板の間にバネ部材が配置される。
【発明の効果】
【0022】
本発明記録媒体駆動装置は、記録媒体に対して情報信号の記録又は再生を行い、所定の部材が配置されたシャーシと、前記シャーシに回転自在に支持されたウォームホイールと、前記シャーシ上に配置され少なくとも二つの移動用挿通孔を有するモーター支持板と、前記モーター支持板に取り付けられた駆動モーターと、前記駆動モーターのモーター軸に固定され前記ウォームホイールに噛合されるウォームと、軸部と前記軸部の一端に設けられた押さえ部とを有し前記軸部が前記モーター支持板の移動用挿通孔に挿通されて前記シャーシに取り付けられた少なくとも二つの取付ピンと、前記取付ピンの押さえ部と前記モーター支持板との間に配置され前記モーター支持板を前記シャーシに押し付ける方向へ付勢する少なくとも二つのバネ部材とを備え、前記モーター支持板を前記ウォームホイールの軸方向において前記シャーシから離隔する方向へ移動させて前記ウォームと前記ウォームホイールの噛合を解除可能としている。
【0023】
従って、小さい力量で噛合の解除のための操作を行うことができ、小さい力量で容易に手動による噛合の解除のための操作状態を確保することができる。
【0024】
請求項2に記載した発明にあっては、前記記録媒体が挿入され挿入された前記記録媒体を保持し所定の方向へ移動可能とされたディスクホルダーを設け、前記ディスクホルダーが前記駆動モーターの駆動力によって前記所定の方向へ移動可能とされ、前記モーター支持板を移動させて前記ウォームと前記ウォームホイールの噛合を解除したときに手動により前記ディスクホルダーを前記所定の方向へ移動可能としている。
【0025】
従って、ウォームとウォームホイールの噛合を解除することによりディスクホルダーを手動により移動させることが可能であるため、記録媒体駆動装置からディスクカートリッジを手動により強制的に取り出すことができる。
【0026】
請求項3に記載した発明にあっては、前記シャーシに治具挿入孔を形成し、前記治具挿入孔から挿入された治具によって前記モーター支持板を押圧して前記ウォームホイールの軸方向へ移動可能としている。
【0027】
従って、ウォームとウォームホイールの噛合の解除操作が容易であり、ウォームとウォームホイールの噛合の解除を容易にかつ短時間で行うことができる。
【0028】
請求項4に記載した発明にあっては、前記治具に保持用突部を設け、前記シャーシの治具挿入孔に前記治具を挿入して回転させ前記保持用突部を前記シャーシと前記モーター支持板の間に配置し、前記ウォームと前記ウォームホイールの噛合が解除された状態を保持するようにしている。
【0029】
従って、治具から手を離してもウォームとウォームホイールの噛合が解除された状態を保持することができ、ギヤの回転操作を容易に行うことができる。
【0030】
請求項5に記載した発明にあっては、前記シャーシに、前記移動用挿通孔に挿入され前記バネ部材を支持する取付ボスを設け、前記取付ピンを前記取付ボスに取り付けている。
【0031】
従って、ウォームとウォームホイールの噛合を解除するための構造が簡素であり、構造の簡素化を図った上でウォームとウォームホイールの噛合を容易に解除することができ、製造コストの高騰を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下に、本発明記録媒体駆動装置を実施するための最良の形態を添付図面に従って説明する。
【0033】
以下に示した最良の形態は、本発明記録媒体駆動装置を記録媒体としてディスクカートリッジに収納されるディスク状記録媒体が用いられるディスクチェンジャーに適用したものである。
【0034】
尚、本発明記録媒体駆動装置の適用範囲はディスクチェンジャーに限られることはない。本発明記録媒体駆動装置は、例えば、ディスク状記録媒体、テープ状記録媒体、カード型記録媒体等の各種の記録媒体を取り扱う各種の記録媒体駆動装置に広く適用することができる。
【0035】
以下の説明にあっては、ディスクカートリッジをディスクチェンジャーのカートリッジ挿脱口から挿入する方向を前方として前後上下左右の方向を示すものとする。
【0036】
尚、以下に示す前後上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、本発明の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
【0037】
[ディスクカートリッジの全体構成]
先ず、記録媒体駆動装置に用いられるディスクカートリッジの構成を説明する(図1及び図2参照)。
【0038】
ディスクカートリッジ1はケース体2の内部に所要の各部が配置されて成り、ケース体2は上下方向において結合又は分離され可能とされた第1のシェル3と第2のシェル4を有している。ケース体2の内部には複数のディスク状記録媒体100、100、・・・が上下方向に等間隔で第2のシェル4に収納可能とされている。
【0039】
第1のシェル3の内部における前端部には左右に離隔してそれぞれロックレバー5、5が回動自在に支持されている。
【0040】
第1のシェル3の後端寄りの位置には左右に離隔してそれぞれロックスライダー6、6が前後方向へスライド自在に支持されている。
【0041】
第1のシェル3の前端部には開閉パネル7が取り付けられている。開閉パネル7には左右に離隔して挿入孔7a、7aが形成されている。開閉パネル7の左右両端部にはそれぞれ外方に開口された挿入用切欠7b、7bが形成されている。
【0042】
第1のシェル3と第2のシェル4が結合され第1のシェル3に開閉パネル7が取り付けられてケース体2が構成された状態においては、ケース体2の左右両側面にそれぞれ前後に延びる挿入溝2a、2aが形成される。挿入溝2a、2aは、後端がそれぞれロックスライダー6、6が位置する部分に連続され、前端がそれぞれ開閉パネル7の挿入用切欠7b、7bに連続される。
【0043】
第1のシェル3と第2のシェル4は、結合された状態においてロックレバー5、5とロックスライダー6、6によってロックされる。
【0044】
[記録媒体駆動装置の全体構成]
次に、記録媒体駆動装置10の構成を説明する(図3乃至図7参照)。
【0045】
記録媒体駆動装置10は外筐11の内部に所要の各部が配置されて成る。
【0046】
外筐11は、図3に示すように、後方及び下方に開口された外フレーム12と外フレーム12の後端部に取り付けられた前後方向を向くパネル13と外フレーム12の下端部に取り付けられた上下方向を向くベースフレーム14とから成る。
【0047】
パネル13の上端部には前後に貫通されたカートリッジ挿脱口が形成され、カートリッジ挿脱口がシャッター15によって開閉可能とされている。パネル13の下端部にはイジェクト釦16が配置されている。
【0048】
外筐11の内部にはホルダーカバー17が配置されている。ホルダーカバー17は天板部18と天板部18の左右両側縁からそれぞれ下方へ突出された側板部19、19とを有している(図3乃至図5参照)。
【0049】
側板部19の上端部には前後に延びる支持孔19aが形成されている。
【0050】
側板部19には前後に離隔してカム支持孔20、20が形成されている。カム支持孔20は前後に延びる水平部20aと上下に延びる垂直部20bとから成り、水平部20aの前端部と垂直部20bの上端部とが連続されている。
【0051】
側板部19の下端部には前後に離隔して外方へ突出された支持突ピン19b、19bが設けられている。
【0052】
ホルダーカバー17の側板部19、19の外面側にはそれぞれスライダー21、21が前後方向へ移動自在に支持されている(図4参照)。
【0053】
スライダー21には前後に離隔してカム孔22、22が形成されている。カム孔22は前後に延びる直線部22aと前方へ行くに従って下方へ変位するように傾斜された傾斜部22bとから成り、直線部22aの前端部と傾斜部22bの上端部とが連続されている。スライダー21の下端部には前後に延びる被支持孔21aが形成されている。
【0054】
スライダー21は被支持孔21aに支持突ピン19b、19bが摺動自在に係合されホルダーカバー17の側板部19に前後方向へ移動自在に支持されている。
【0055】
ホルダーカバー17にはディスクホルダー23が移動自在に支持されている(図4及び図5参照)。ディスクホルダー23は上ホルダー24と下ホルダー25から成る。
【0056】
上ホルダー24は上下方向を向く上面部26と上面部26の左右両側縁からそれぞれ下方へ突出された横面部27、27と上面部26の後縁から下方へ突出された突面部28とから成る。
【0057】
横面部27の外面には側方へ突出された摺動ピン27a、27aが前後に離隔して設けられている。横面部27、27の後端部には互いに近付く方向へ突出された解除片27b、27bが設けられている。横面部27の下端部には下方に開口された連結溝27c、27cが前後に離隔して形成されている。
【0058】
突面部28には左右に離隔してロック解除片28a、28aが設けられている。ロック解除片28a、28aは後方へ突出した状態で設けられている。
【0059】
上ホルダー24は摺動ピン27a、27a、・・・がそれぞれ支持孔19a、19aに側板部19、19の内面側から挿入されホルダーカバー17に前後方向へ移動自在に支持される。
【0060】
下ホルダー25は上下方向を向く下板部29と下板部29の左右両側縁からそれぞれ上方へ突出された横板部30、30とから成る。
【0061】
横板部30の外面には側方へ突出された摺動ピン30a、30aが前後に離隔して設けられている。横板部30の上端部には内方へ突出された保持片30b、30bが前後に離隔して設けられている。
【0062】
下ホルダー25は摺動ピン30a、30a、・・・がそれぞれカム支持孔20、20、・・・及びカム孔22、22、・・・に側板部19、19の内面側から挿入されホルダーカバー17及びスライダー21、21に前後方向及び上下方向へ移動自在に支持される。
【0063】
上ホルダー24と下ホルダー25は摺動ピン30a、30a、・・・がそれぞれ連結溝27c、27c、・・・に下方から挿入されて係合されることにより上下方向において結合される。
【0064】
外筐11のベースフレーム14上にはシャーシ31が取り付けられている(図4及び図5参照)。
【0065】
シャーシ31には前後に離隔してモーター支持部32、32が設けられている(図6参照)。モーター支持部32には中央部に上下に貫通された鍵穴状の治具挿入孔32aが形成されている。モーター支持部32には左右に離隔してそれぞれ上方へ突出された取付ボス33、33が設けられ、取付ボス33、33にはそれぞれ上方に開口されたネジ穴33a、33aが形成されている。
【0066】
シャーシ31の後端部には上方へ突出された支持部材34が取り付けられている(図6参照)。支持部材34の上端部には水平方向へ回動可能な排出レバー35が支持されている。排出レバー35には被作用部材36が連結され、被作用部材36の下端部はシャーシ31上に位置されている。
【0067】
シャーシ31の後側のモーター支持部32には第1のモーター支持板37が上下方向へ移動可能な状態で支持されている(図6参照)。
【0068】
第1のモーター支持板37は上下方向を向き左右に長い矩形状のベース部38とベース部38の右端部から上方へ突出された軸受部39とが一体に形成されて成る。ベース部38には、例えば、右端部における前端部と左端部にそれぞれ移動用挿通孔38a、38bが形成されている。
【0069】
第1のモーター支持板37は移動用挿通孔38a、38bにそれぞれ取付ボス33、33が挿入されてシャーシ31のモーター支持部32に配置される。
【0070】
第1のモーター支持板37がモーター支持部32に配置された状態において、取付ボス33、33にそれぞれバネ部材40、40が外嵌状に支持されそれぞれ取付ピン41、41が取付ボス33、33に取り付けられる(図6及び図7参照)。
【0071】
バネ部材40としては、例えば、圧縮コイルバネが用いられている。
【0072】
取付ピン41としては、例えば、ネジ部材が用いられ、取付ピン41は螺溝を有する軸部41aと軸部41aの軸方向における上端に設けられた押さえ部41bとから成る。取付ピン41は軸部41aがネジ穴33aに螺合されて取付ボス33に取り付けられる。
【0073】
取付ピン41、41がそれぞれ取付ボス33、33に取り付けられた状態においては、図7に示すように、バネ部材40、40がそれぞれ第1のモーター支持板37の上面と取付ピン41、41における押さえ部41b、41bの下面との間に配置される。従って、第1のモーター支持板32はバネ部材40、40に付勢されシャーシ31に押し付けられた状態とされる。第1のモーター支持板37はバネ部材40、40の付勢力に抗してシャーシ31から離隔する方向へ移動可能とされ、シャーシ31に上下方向へ移動自在に支持される。
【0074】
第1のモーター支持板37上には第1の駆動モーター42が取り付けられている(図4及び図6参照)。第1の駆動モーター42のモーター軸にはウォーム43が固定されている。第1の駆動モーター42はネジ止め等によって第1のモーター支持板37に取り付けられ、ウォーム43が軸受部39から外方へ突出されている。
【0075】
シャーシ31には回転カム44が支持され、回転カム44にはアームレバー45が連結されている。アームレバー45の一端部は被作用部材36の下端部に連結されている。
【0076】
シャーシ31には第1の減速ギヤ群46が支持されている。第1の減速ギヤ群46はウォームホイール47を有し、ウォームホイール47は第1の駆動モーター42のモーター軸に固定されたウォーム43に噛合されている。第1の減速ギヤ群46の一つのギヤ48は、図14に示すように、シャーシ31に形成されたギヤ配置孔31aに配置され、シャーシ31の下面側に露出されている。
【0077】
回転カム44は第1の駆動モーター42の駆動力が第1の減速ギヤ群46を介して伝達されることにより回転され、回転カム44の回転に伴ってアームレバー45が動作される。アームレバー45が動作されると被作用部材36が動作され、排出レバー35が支持部材34に対して回動される。
【0078】
シャーシ31の前側のモーター支持部32には第2のモーター支持板49が上下方向へ移動可能な状態で支持されている(図6参照)。
【0079】
第2のモーター支持板49は上下方向を向き左右に長い矩形状のベース部50とベース部50の右端部から上方へ突出された軸受部51とが一体に形成されて成る。ベース部50には、例えば、右端部における前端部と左端部にそれぞれ移動用挿通孔50a、50bが形成されている。
【0080】
第2のモーター支持板49は移動用挿通孔50a、50bにそれぞれ取付ボス33、33が挿入されてシャーシ31のモーター支持部32に配置される。
【0081】
第2のモーター支持板49がモーター支持部32に配置された状態において、取付ボス33、33にそれぞれバネ部材40、40が外嵌状に支持されそれぞれ取付ピン41、41が取付ボス33、33に取り付けられる(図6及び図7参照)。
【0082】
取付ピン41、41がそれぞれ取付ボス33、33に取り付けられた状態においては、図7に示すように、バネ部材40、40がそれぞれ第2のモーター支持板49の上面と取付ピン41、41における押さえ部41b、41bの下面との間に配置される。従って、第2のモーター支持板49はバネ部材40、40に付勢されシャーシ31に押し付けられた状態とされる。第2のモーター支持板49はバネ部材40、40の付勢力に抗してシャーシ31から離隔する方向へ移動可能とされ、シャーシ31に上下方向へ移動自在に支持される。
【0083】
第2のモーター支持板49上には第2の駆動モーター52が取り付けられている(図4及び図6参照)。第2の駆動モーター52のモーター軸にはウォーム53が固定されている。第2の駆動モーター52はネジ止め等によって第2のモーター支持板49に取り付けられ、ウォーム53が軸受部51から外方へ突出されている。
【0084】
シャーシ31には第2の減速ギヤ群54が支持されている。第2の減速ギヤ群54はウォームホイール55を有し、ウォームホイール55は第2の駆動モーター52のモーター軸に固定されたウォーム53に噛合されている。第2の減速ギヤ群54の一つのギヤ56は、図14に示すように、シャーシ31に形成されたギヤ配置孔31aに配置され、シャーシ31の下面側に露出されている。
【0085】
シャーシ31の底面側にはそれぞれスライダー21、21に取り付けられた図示しないラックギヤが配置されている。第2の減速ギヤ群54は一部を除いてシャーシ31の下面側に支持されている。第2の減速ギヤ群54はラックギヤに噛合されている。
【0086】
スライダー21、21はそれぞれ第2の駆動モーター52の駆動力が第2の減速ギヤ群54を介してラックギヤに伝達されることにより前後方向へ移動される。スライダー21、21が前後方向へ移動されると、後述するように、ディスクホルダー23の下ホルダー25が上下方向へ移動される。
【0087】
外筐2の内部には前方側における下端部にディスク状記録媒体100、100、・・・に対する情報信号の記録又は再生を行うドライブ部57が配置されている(図3参照)。
【0088】
[記録媒体駆動装置の動作]
以下に、記録媒体駆動装置10の動作について説明する(図8乃至図13参照)。
【0089】
先ず、ディスクカートリッジ1が記録媒体駆動装置10に挿入される前の初期状態について説明する(図8参照)。
【0090】
初期状態において、スライダー21は前方の移動端に位置され、ディスクホルダー23は後方の移動端に位置されている。
【0091】
このとき上ホルダー24は後側の摺動ピン27aがホルダーカバー17における支持孔19aの後端部に係合されている。下ホルダー25は摺動ピン30aがホルダーカバー17におけるカム支持孔20の水平部20aの後端部とスライダー21におけるカム孔22の直線部22aの後端部に係合されている。
【0092】
初期状態においては、支持部材34の上端部に支持された排出レバー35は略左右方向に延びる状態で保持されている。
【0093】
上記した初期状態において、ディスクカートリッジ1がパネル13のカートリッジ挿脱口から挿入されると、ディスクカートリッジ1がディスクホルダー23に後方から挿入されていく(図9参照)。ディスクカートリッジ1がパネル13のカートリッジ挿脱口から挿入されるときには、シャッター15が押圧されて回動される。
【0094】
ディスクカートリッジ1がディスクホルダー23に後方から挿入されていくと、ケース体2に形成された挿入溝2a、2aにそれぞれ上ホルダー24の解除片27b、27bと下ホルダー25の保持片30b、30b、・・・が挿入される。
【0095】
挿入溝2a、2aにそれぞれ解除片27b、27bが挿入されると、ディスクカートリッジ1がディスクホルダー23の奥側まで移動されたときに、解除片27b、27bによってそれぞれロックスライダー6、6が押圧され、ロックスライダー6、6による第1のシェル3と第2のシェル4のロックが解除される。
【0096】
また、このときディスクホルダー23に設けられたロック解除片28a、28aがそれぞれ開閉パネル7の挿入孔7a、7aに挿入される。ロック解除片28a、28aがそれぞれ挿入孔7a、7aに挿入されると、ロック解除片28a、28aによってそれぞれロックレバー5、5が回動され、ロックレバー5、5による第1のシェル3と第2のシェル4のロックが解除される。
【0097】
上記したロックレバー5、5による第1のシェル3と第2のシェル4のロックの解除は、ロックスライダー6、6による第1のシェル3と第2のシェル4のロックの解除と同時に行われる。
【0098】
ロックレバー5、5とロックスライダー6、6による第1のシェル3と第2のシェル4のロックが解除されると、第1のシェル3と第2のシェル4が上下方向に分離可能な状態となる。
【0099】
上記したようにディスクカートリッジ1がディスクホルダー23の奥側まで挿入されたときには、ディスクカートリッジ1によって図示しないスイッチが操作され図示しない搬送機構によってディスクホルダー23とディスクカートリッジ1が一体になって前方へ移動されていく。
【0100】
ディスクホルダー23は上ホルダー24の前側の摺動ピン27aがホルダーカバー17における支持孔19aの前端部まで移動され、下ホルダー25は摺動ピン30aがホルダーカバー17におけるカム支持孔20の水平部20aの前端部とスライダー21におけるカム孔22の直線部22aの前端部まで移動される(図10参照)。上ホルダー24の前側の摺動ピン27aが支持孔19aの前端部に係合され下ホルダー25の摺動ピン30aがカム孔22の直線部22aの前端部に係合された位置は、ディスクホルダー23の上ホルダー24と下ホルダー25の分離が開始される分離開始位置とされる。
【0101】
ディスクホルダー23が分離開始位置まで移動されたときにはディスクカートリッジ1の全体が外筐11の内部に収納されており、パネル13のカートリッジ挿脱口が再びシャッター15によって閉塞される。
【0102】
ディスクホルダー23が分離開始位置まで移動されると、第2の駆動モーター52の回転が開始され、第2の駆動モーター52の駆動力がラックギヤを介してスライダー21、21に伝達されてスライダー21、21がホルダーカバー17に対して後方へ移動されていく。スライダー21は被支持孔21aがホルダーカバー17の支持突ピン19b、19bに案内されて後方へ移動される。
【0103】
スライダー21が後方へ移動されると、ディスクホルダー23における下ホルダー25の摺動ピン30aがカム孔22の傾斜部22bを下方へ向けて移動されてホルダーカバー17におけるカム支持孔20の垂直部20bを下方へ向けて移動され、下ホルダー25が下方へ向けて移動されていく。このときディスクカートリッジ1は第1のシェル3が上ホルダー24のロック解除片28a、28aと解除片27b、27bに保持され、第2のシェル4が下ホルダー25の保持片30b、30b、・・・によって保持されており、第1のシェル3は下方へ移動されず第2のシェル4が下ホルダー25と一体になって下方へ移動されていく。従って、第1のシェル3と第2のシェル4が分離される。
【0104】
スライダー21が後方へ移動されると、下ホルダー25は、例えば、下方の移動端まで移動される(図11参照)。下ホルダー25が下方の移動端まで移動された状態においては、下ホルダー25の摺動ピン30aがカム孔22の傾斜部22bの下端部及びカム支持孔20の垂直部20bの下端部に係合される。
【0105】
スライダー21の移動によって下ホルダー25が移動されて停止されると、第1の駆動モーター42の回転が開始されて排出レバー35が回動される。
【0106】
下ホルダー25の移動中には、排出レバー35は下ホルダー25に保持された第2のシェル4の後方に位置されている(図12参照)。
【0107】
上記したように、排出レバー35が回動されると、下ホルダー25の停止位置に応じた高さに存在するディスク状記録媒体100の外周面が排出レバー35によって前方へ押圧され、押圧されたディスク状記録媒体100が第2のシェル4からドライブ部57側へ排出される。ディスク状記録媒体100が第2のシェル4からドライブ部57側へ排出されると、排出されたディスク状記録媒体100が図示しないディスク取出機構によって取り出されてドライブ部57に装着され、ディスク状記録媒体100に対する情報信号の記録又は再生が行われる。
【0108】
情報信号の記録又は再生が終了したディスク状記録媒体100は、外筐11のパネル13に配置されたイジェクト釦16が操作されることによりディスク取出機構によってドライブ部57から取り出されてイジェクト動作が開始される。ディスク取出機構によって取り出されたディスク状記録媒体100は第2のシェル4の内部に再び収納される。
【0109】
ディスク状記録媒体100が第2のシェル4に収納されると、第2の駆動モーター52の反転が開始されてスライダー21、21がホルダーカバー17に対して前方へ移動されていく。
【0110】
スライダー21が前方へ移動されると、下ホルダー25の摺動ピン30aがカム孔22の傾斜部22bを上方へ向けて移動されてホルダーカバー17におけるカム支持孔20の垂直部20bを上方へ向けて移動され、下ホルダー25が第2のシェル4と一体になって上方へ向けて移動されていく。
【0111】
下ホルダー25は、例えば、上方の移動端まで移動され、第1のシェル3に第2のシェル4が結合される(図10参照)。下ホルダー25が上方の移動端まで移動された状態においては、下ホルダー25の摺動ピン30aがカム孔22の直線部22aの前端部及びホルダーカバー17におけるカム支持孔20の垂直部20bの上端部に係合される。
【0112】
下ホルダー25が下方の移動端から上方の移動端まで移動され第2のシェル4が第1のシェル3に結合されると、搬送機構によってディスクホルダー23がディスクカートリッジ1と一体になって後方へ移動されていく。
【0113】
ディスクホルダー23は搬送機構によって後方の移動端まで移動され(図9参照)、ディスクカートリッジ1の後端部がパネル13のカートリッジ挿脱口から後方へ突出される。
【0114】
使用者は、パネル13のカートリッジ挿脱口から後方へ突出されたディスクカートリッジ1の後端部を把持してディスクカートリッジ1を記録媒体駆動装置10から引き出すことが可能である。
【0115】
ディスクカートリッジ1がディスクホルダー23に対して後方へ移動されるときには、上ホルダー24に設けられたロック解除片28a、28aがそれぞれ開閉パネル7の挿入孔7a、7aから引き出される。ロック解除片28a、28aがそれぞれ挿入孔7a、7aから引き出されると、ロックレバー5、5が回動されて第1のシェル3と第2のシェル4が結合状態でロックされる。
【0116】
同時に、ディスクカートリッジ1のディスクホルダー23に対する後方への移動により、上ホルダー24に設けられた解除片27b、27bによるロックスライダー6、6に対する押圧が解除される。解除片27b、27bによるロックスライダー6、6に対する押圧が解除されると、ロックスライダー6、6によって第1のシェル3と第2のシェル4が結合状態でロックされる。
【0117】
[ウォームとウォームホイールの噛合の解除動作]
記録媒体駆動装置10にあっては、以下のように、ウォーム43、53とウォームホイール47、55の噛合状態をそれぞれ解除することができる(図14乃至図17参照)。噛合の解除は、例えば、各部の故障や動作不良等により、排出レバー35の第1の駆動モーター42による動作が行われなくなった場合やディスクホルダー23の第2の駆動モーター52による動作が行われなくなった場合に行われる。
【0118】
ウォーム43とウォームホイール47の噛合状態を解除することにより、手動により第1の減速ギヤ群46を回転させて排出レバー35を回動させることが可能である。例えば、排出動作の途中で停止した排出レバー35を手動で初期状態に戻し、ディスク状記録媒体100をディスクカートリッジ1に強制的に収納することが可能である。
【0119】
また、ウォーム53とウォームホイール55の噛合状態を解除することにより、手動により第2の減速ギヤ群54を回転させてディスクホルダー23を移動させることが可能である。例えば、移動の途中で停止したディスクホルダー23を手動で初期状態に戻し、ディスクカートリッジ1を記録媒体駆動装置10から強制的に排出することが可能である。
【0120】
ウォーム43の噛合の解除とウォーム53の噛合の解除とは何れも同様の操作によって行うことが可能であるため、以下には、例として、ウォーム53とウォームホイール55の噛合を解除する場合について説明する。
【0121】
噛合の解除は治具60を用いて行う(図14及び図15参照)。治具60は、例えば、回転操作部61と回転操作部61から突出された押圧用軸部62とから成り、押圧用軸部62はシャフト部62aとシャフト部62aの先端部から側方へ突出された保持用突部62bとから成る。
【0122】
先ず、治具60の押圧用軸部62の先端部をシャーシ31のモーター支持部32に形成された治具挿入孔32aに下方から挿入していく(図14参照)。
【0123】
次に、治具挿入孔32aに挿入した押圧用軸部62によって第2のモーター支持板49を下方から押圧し、第2のモーター支持板49をバネ部材40、40の付勢力に抗してモーター支持部32から離隔させる。第2のモーター支持板49をモーター支持部32から離隔させることにより、第2のモーター支持板49に取り付けられた第2の駆動モーター52が治具60によって押し上げられ、ウォーム53とウォームホイール55の噛合が解除される。
【0124】
次いで、治具60を押圧用軸部62の軸回り方向へ回転し、保持用突部62bを第2のモーター支持板49とモーター支持部32の間に形成された隙間に位置させる(図15参照)。このとき治具60から手を離しても第2のモーター支持板49とモーター支持部32の間に保持用突部62bが位置されているため、第2のモーター支持板49とモーター支持部32の間に一定の隙間が保持され、ウォーム53とウォームホイール55の噛合の解除状態が保持される。
【0125】
シャーシ31のギヤ配置孔31aに配置された第2の減速ギヤ群54のギヤ56には、挿入用凹部56a、56a、・・・が周方向に離隔して形成されている。このとき回転用治具70を用いてギヤ56を回転させることが可能である。
【0126】
回転用治具70は、例えば、回転操作部71と回転操作部71から突出された回転用軸部72とから成り、回転用軸部72の先端部には周方向に離隔して挿入用突部72a、72a、・・・が設けられている。
【0127】
回転用治具70の挿入用突部72a、72a、・・・をそれぞれ挿入用凹部56a、56a、・・・に挿入し、回転用治具70を回転用軸部72の軸回り方向へ回転させることにより、ギヤ56を回転させることができる。従って、回転用治具70を用いることにより手動によってギヤ56を回転させてディスクホルダー23を初期状態の位置まで移動させ、記録媒体駆動装置10からディスクカートリッジ1を強制的に排出することが可能である。
【0128】
また、ウォーム43とウォームホイール47の噛合の解除も上記と同様に行うことができ、ウォーム43とウォームホイール47の噛合が解除された状態において、ギヤ48に形成された挿入用凹部48a、48a、・・・にそれぞれ回転用治具70の挿入用突部72a、72a、・・・を挿入し、回転用治具70を回転用軸部72の軸回り方向へ回転させることにより、ギヤ48を回転させることができる。従って、回転用治具70を用いることにより手動によってギヤ48を回転させて排出レバー35を初期状態の位置まで回動させ、第2のシェル4にディスク状記録媒体100を収納することが可能である。
【0129】
ウォーム43、53とウォームホイール47、55の再度の噛合は、治具挿入孔32aから治具60を引き出すことにより行うことができる。
【0130】
治具挿入孔32aから治具60を引き出すと、シャーシ31から離隔する方向へ移動されていた第1のモーター支持板37又は第2のモーター支持板49がバネ部材40、40、・・・の付勢力によってシャーシ31に近付く方向へ移動される。従って、第1のモーター支持板37又は第2のモーター支持板49はシャーシ31に接し、ウォーム43、53とウォームホイール47、55が再び噛合される。
【0131】
[まとめ]
以上に記載した通り、記録媒体駆動装置10にあっては、第1のモーター支持板37と第2のモーター支持板49をそれぞれウォームホイール47、55の軸方向においてシャーシ31から離隔する方向へ移動させてウォーム43、53とウォームホイール47、55の噛合を解除可能としている。
【0132】
従って、小さい力量で噛合の解除のための操作を行うことができ、小さい力量で容易に手動による噛合の解除のための操作状態を確保することができる。
【0133】
また、記録媒体駆動装置10にあっては、ウォーム43とウォームホイール47の噛合を解除することによりディスクホルダー23を手動により移動させることが可能であるため、記録媒体駆動装置10からディスクカートリッジ1を手動により強制的に取り出すことができる。
【0134】
さらに、シャーシ31に形成された治具挿入孔32aに治具60を挿入して第1のモーター支持板37又は第2のモーター支持板49を下方から押圧してウォームホイール47、55を押し上げることによりウォーム43、53とウォームホイール47、55の噛合を解除することができる。
【0135】
従って、ウォーム43、53とウォームホイール47、55の噛合の解除操作が容易であり、ウォーム43、53とウォームホイール47、55の噛合の解除を容易にかつ短時間で行うことができる。
【0136】
さらにまた、治具60に保持用突部62bを設け、治具挿入孔32aに治具60を挿入して回転させ保持用突部62bをシャーシ31と第1のモーター支持板37又は第2のモーター支持板49の間に配置し、ウォーム43、53とウォームホイール47、55の噛合が解除された状態を保持することができる。
【0137】
従って、治具60から手を離してもウォーム43、53とウォームホイール47、55の噛合が解除された状態を保持することができ、ギヤ48、56の回転操作を容易に行うことができる。
【0138】
加えて、記録媒体駆動装置10にあっては、第1のモーター支持板37と第2のモーター支持板49の移動用挿通孔38a、38b、50a、50bに挿入された取付ボス33、33、・・・にバネ部材40、40、・・・が支持され取付ピン41、41、・・・が取付ボス33、33、・・・に取り付けた構造とされている。
【0139】
従って、ウォーム43、53とウォームホイール47、55の噛合を解除するための構造が簡素であり、構造の簡素化を図った上でウォーム43、53とウォームホイール47、55の噛合を容易に解除することができ、製造コストの高騰を抑制することができる。
【0140】
尚、上記には、ディスクホルダー23又は排出レバー35を手動で動作させるためにウォーム43、53とウォームホイール47、55の噛合を解除する構造の例を示したが、上記した構造は、ディスクホルダー23又は排出レバー35を手動で動作させるための機構に用いられる構造に限られることはない。上記した構造は、駆動モーターの駆動力がウォームとウォームホイールを介して伝達されて動作される機構であれば、任意の機構に用いることが可能である。
【0141】
上記した最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】図2乃至図17と共に本発明記録媒体駆動装置の実施の形態を示すものであり、本図は、記録媒体駆動装置に用いられるディスクカートリッジの斜視図である。
【図2】ディスクカートリッジの側面図である。
【図3】記録媒体駆動装置をディスクカートリッジとともに示す斜視図である。
【図4】記録媒体駆動装置の内部構造を示す分解斜視図である。
【図5】記録媒体駆動装置の内部構造を示す斜視図である。
【図6】シャーシとシャーシに配置された各部を一部を分解して示す斜視図である。
【図7】ウォームとウォームホイールの噛合を解除するための構造の一部を示す拡大断面図である。
【図8】図9乃至図13と共に記録媒体駆動装置の動作を示すものであり、本図は、記録媒体駆動装置にディスクカートリッジが挿入される前の状態を示す概略側面図である。
【図9】記録媒体駆動装置にディスクカートリッジが挿入されている状態を示す概略側面図である。
【図10】ディスクホルダーが分離可能位置に移動された状態を示す概略側面図である。
【図11】ディスクホルダーが下方の移動端に移動された状態を示す概略側面図である。
【図12】排出レバーによってディスク状記録媒体が第2のシェルから排出される前の状態を示す概略平面図である。
【図13】排出レバーによってディスク状記録媒体が第2のシェルから排出されている状態を示す概略平面図である。
【図14】治具が治具挿入孔に挿入される前の状態を示す斜視図である。
【図15】治具が治具挿入孔に挿入されウォームとウォームホイールの噛合が解除された状態を示す斜視図である。
【図16】ギヤとギヤを回転するための治具を示す拡大斜視図である。
【図17】回転用治具によってギヤが回転されている状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0143】
10…記録媒体駆動装置、23…ディスクホルダー、31…シャーシ、32a…治具挿入孔、33…取付ボス、37…第1のモーター支持板、38a…移動用挿通孔、38b…移動用挿通孔、40…バネ部材、41…取付ピン、41a…軸部、41b…押さえ部、42…第1の駆動モーター、43…ウォーム、47…ウォームホイール、49…第2のモーター支持板、50a…移動用挿通孔、50b…移動用挿通孔、52…第2の駆動モーター、53…ウォーム、55…ウォームホイール、60…治具、62b…保持用突部、100…ディスク状記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に対して情報信号の記録又は再生を行い、
所定の部材が配置されたシャーシと、
前記シャーシに回転自在に支持されたウォームホイールと、
前記シャーシ上に配置され少なくとも二つの移動用挿通孔を有するモーター支持板と、
前記モーター支持板に取り付けられた駆動モーターと、
前記駆動モーターのモーター軸に固定され前記ウォームホイールに噛合されるウォームと、
軸部と前記軸部の一端に設けられた押さえ部とを有し前記軸部が前記モーター支持板の移動用挿通孔に挿通されて前記シャーシに取り付けられた少なくとも二つの取付ピンと、
前記取付ピンの押さえ部と前記モーター支持板との間に配置され前記モーター支持板を前記シャーシに押し付ける方向へ付勢する少なくとも二つのバネ部材とを備え、
前記モーター支持板を前記ウォームホイールの軸方向において前記シャーシから離隔する方向へ移動させて前記ウォームと前記ウォームホイールの噛合を解除可能とした
記録媒体駆動装置。
【請求項2】
前記記録媒体が挿入され挿入された前記記録媒体を保持し所定の方向へ移動可能とされたディスクホルダーを設け、
前記ディスクホルダーが前記駆動モーターの駆動力によって前記所定の方向へ移動可能とされ、
前記モーター支持板を移動させて前記ウォームと前記ウォームホイールの噛合を解除したときに手動により前記ディスクホルダーを前記所定の方向へ移動可能とした
請求項1に記載の記録媒体駆動装置。
【請求項3】
前記シャーシに治具挿入孔を形成し、
前記治具挿入孔から挿入された治具によって前記モーター支持板を押圧して前記ウォームホイールの軸方向へ移動可能とした
請求項1に記載の記録媒体駆動装置。
【請求項4】
前記治具に保持用突部を設け、
前記シャーシの治具挿入孔に前記治具を挿入して回転させ前記保持用突部を前記シャーシと前記モーター支持板の間に配置し、前記ウォームと前記ウォームホイールの噛合が解除された状態を保持するようにした
請求項3に記載の記録媒体駆動装置。
【請求項5】
前記シャーシに、前記移動用挿通孔に挿入され前記バネ部材を支持する取付ボスを設け、
前記取付ピンを前記取付ボスに取り付けた
請求項1に記載の記録媒体駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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