説明

記録担体

【課題】バーコードとタグを個別の工程で作製する必要がない非接触型の記録担体を提供する。
【解決手段】データを記憶するメモリと、質問器から非接触で送られてきた信号に従って、メモリからデータを読み出す制御回路と、読み出されたデータをアルゴリズムに従って変換するコンバータと、コンバータによって変換されたデータを用いて映像信号を生成する映像信号生成回路と、映像信号を用いてコードを表示する表示装置と、を有する。アルゴリズムに従って変換されたデータをメモリに予め記憶しておいても良い。この場合、アルゴリズムに従って変換を行うためのコンバータを設けなくとも良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線で信号の授受を行う記録担体に関する。
【背景技術】
【0002】
無線で信号の送受信を行い個体の識別をする技術(RFID:Radio frequency identification)は、様々な分野において実用化が進められており、新しい情報通信の形態としてさらなる市場の拡大が見込まれている。RFIDでは主に、リーダ、リーダライタまたはインテロゲータと呼ばれる質問器と、RFタグとの間で、無線で信号の送受信が行われる。RFタグには識別情報が記憶されており、質問器との間において無線で信号の送受信を行うことで、RFタグに記憶されている識別情報を非接触の状態で読み出し、対象の個体の識別を行うことができる。RFタグの形状は、カード状、或いはカードよりもさらに小型のチップ状であることが多いが、用途に合わせて様々な形状を採りうる。
【0003】
識別情報はRFタグに搭載されているメモリに記憶させることができるが、RFタグはそのメモリの種類によって、識別情報の書き換えが不可能なタイプと、識別情報の書き換えが可能なタイプとに分類される。データの書き換えが不可能なタイプのRFタグの場合、書き込まれた識別情報は基本的にそのまま保存され続ける。書き換えが可能なタイプのRFタグの場合も、一連の利用に際して識別情報の書き換えは行わないのが一般的である。しかし、書き換えが可能なタイプのRFタグは、書き換えが不可能なタイプとは異なり、一連の利用が終了した後に識別情報を書き換えることで、再利用することが可能である。
【0004】
ところで、識別情報などのデータの読み出し時におけるRFタグの信頼性は、バーコードと比較すると実用化に適するほど高くないのが現状である。RFタグは読み出されたデータが間違っている、もしくはデータが読み出せないという誤動作は1%程度と言われており、実用化のレベルには達していない。そこで、RFタグの読み取り時に誤動作が生じた場合に備えて、RFタグとバーコードを併用することで、RFタグの実用化を実現させる動きがある。下記特許文献1には、RFID機能を有するバーコード用シールについて記載されている。
【特許文献1】特開2001−5931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
バーコードは至近距離での読み取りが必要なので通信距離を短くせざるを得ず、利便さに欠けているが、RFタグとは異なり読み取り時の誤動作がほとんど起こらないというメリットを有する。よって、RFタグの読み取り時に誤動作が生じた場合でも、バーコードを併用することでデータをほぼ正確に読み出すことができる。そして、予めバーコードが有するデータとRFタグが有する識別情報とを結びつけるためのデータベースを用意しておき、該データベースを用いてバーコードのデータからRFタグの識別情報を引き出すことで、RFタグの読み取り時に誤動作が生じた場合でも個体の識別を行うことができる。
【0006】
しかし、バーコードとRFタグを併用する場合、それぞれを個別の工程で作製しなくてはならない。また、バーコードが有するデータは、目視で簡単に読み取ることができるため、識別情報を極秘に取り扱いたい場合に、識別情報に結びつく該データを容易に認識できるバーコードを用いることはセキュリティ上好ましくない。
【0007】
さらに、データを書き換えることができるタイプのRFタグの場合、RFタグを再利用する際に記憶されている識別番号の書き換えを行う必要がある。この場合、バーコードが有するデータの書き換えは不可能なので、RFタグに組み合わされているバーコードの付け替えを行わなくてはならず、作業が煩雑である。
【0008】
本発明は上述した問題に鑑み、バーコードとRFタグを個別の工程で作製する必要がない記録担体の提供を課題とする。また本発明は、バーコードを表示するか否かを選択することができる記録担体の提供を課題とする。また本発明は、データの書き換えを行う場合に、バーコードの付け替え作業の煩雑さを解消することができる記録担体の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の記録担体は、リーダ、リーダライタまたはインテロゲータと呼ばれる質問器から無線で送られてきた信号を受信し、該信号に従ってメモリに記憶されたデータを含む信号を無線で質問器に送信することができ、さらにメモリに記憶されたデータを、光学式マーク認識(OMR:Optical Mark Recognition)により読み取るためのコードを表示する表示装置を有する。該表示装置を有することで、記録担体に何らかの不具合が生じ、メモリに記憶されたデータを質問器が認識できなくなった場合に、表示装置において表示されたコードから光学的にデータを読み出すことができる。
【0010】
具体的に本発明の記録担体は、データを記憶するためのメモリと、質問器から無線で送られてきた信号に従って、前記メモリから前記データを読み出す制御回路と、読み出された前記データをアルゴリズムに従って変換するコンバータと、前記コンバータによって変換された前記データを用いて映像信号を生成する映像信号生成回路と、前記映像信号を用いてコードを表示する表示装置とを有する。
【0011】
なおコードは、一次元コード(バーコード)であっても良いし、2次元コードであっても良い。光学的にデータを読み出すことができるのであれば、あらゆる形態のコードを用いることができる。また、質問器との間において無線で信号の送受信を行うためのアンテナ回路を有していても良い。
【0012】
また本発明の記録担体は、メモリ、制御回路、変調回路、コンバータ、映像信号生成回路などの集積回路と、表示装置とを同じ基板上に形成していても良い。
【0013】
また本発明では、アルゴリズムに従って変換されたデータをメモリに記憶しておいても良い。この場合、アルゴリズムに従って変換を行うためのコンバータを記録担体内に設けなくとも良い。そして変換前のデータと、変換後のデータを同じメモリ内の別の領域に記憶させておいても良いし、別々のメモリに記憶させておいても良い。
【0014】
また表示装置は、複数の画素を有する画素部と、映像信号に従って該画素部の駆動を制御するための駆動回路とを有する。各画素には、映像信号に従って少なくとも2値の階調を表示することができる表示素子を有する。そして該表示素子には、例えば電子ペーパー或いはデジタルペーパーと呼ばれる表示装置に用いられているような、電圧の印加により階調を制御することができ、なおかつメモリ性を有する素子を用いることができる。
【0015】
具体的に表示装置には、非水系電気泳動型の表示素子、2つの電極間の高分子材料中に液晶のドロップレットを分散させたPDLC(polymer dispersed liquid crystal)方式の表示素子、2つの電極間にカイラルネマチック液晶またはコレステリック液晶を有する表示素子、2つの電極間に帯電した微粒子を有し、該微粒子を電界により粉体中で移動させる粉体移動方式の表示素子などを用いることができる。また非水系電気泳動型の表示素子には、2つの電極間に帯電した微粒子を分散させた分散液を挟み込んだ表示素子、帯電した微粒子を分散させた分散液を、絶縁膜を間に挟んだ2つの電極上に有する表示素子、それぞれ異なる電荷に帯電する二色の半球を有するツイスティングボールを、2つの電極間において溶媒中に分散させた表示素子、溶液中に帯電した微粒子が複数分散されているマイクロカプセルを2つの電極間に有する表示素子などが含まれる。
【0016】
また表示装置に用いることができる表示素子として、有機発光素子(OLED)に代表される発光素子、液晶素子などを用いることもできる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の記録担体は、表示装置を集積回路と同じ基板上に形成し、該表示装置においてコードを表示させることで、従来のようにコードと集積回路を別途形成する必要が無くなる。
【0018】
また本発明の記録担体は、表示装置においてコードを表示させるか否かを選択することができる。よって、セキュリティレベルを高めたい場合にコードを表示させないでおくなど、従来のバーコード付きRFタグに比べて様々な用途が期待できる。
【0019】
また本発明の記録担体は、メモリにおいてデータの書き換えが行われた場合でも、該データに合わせて表示されるコードを変更することができるので、コードの付け替えの煩雑さを解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0021】
(実施の形態1)
本発明の記録担体の構成について、図1(A)を用いて説明する。図1(A)は本発明の記録担体の一形態を大まかに示すブロック図である。図1(A)において記録担体100は、データを記憶するためのメモリ109と、質問器120から無線で送られてきた信号に従って、メモリ109からデータを読み出す制御回路108と、読み出されたデータをアルゴリズムに従って変換するコンバータ113と、コンバータ113によって変換されたデータを用いて映像信号を生成する映像信号生成回路112と、映像信号を用いてコードを表示する表示装置104とを有している。
【0022】
図1(A)に示した記録担体100の、より具体的な構成の一例を図2に示す。図2は本発明の記録担体の一形態を示すブロック図である。図2において記録担体100は、アンテナ回路101と、集積回路102と、蓄電池103と、表示装置104とを有している。集積回路102は、電源回路105と、復調回路106と、変調回路107と、制御回路108と、メモリ109と、充電回路110と、映像信号生成回路112と、コンバータ113とを有している。また表示装置104は、駆動回路114と、画素部115とを有している。
【0023】
質問器120から無線で信号が送られてくると、アンテナ回路101において該信号が受信され、質問器からの命令を含む信号が生成される。復調回路106は、アンテナ回路101において生成された信号を復調して、後段の制御回路108に出力する。制御回路108は復調回路106から入力された信号を解析し、質問器120から送られてきた命令の内容に従ってメモリ109に記憶されているデータを読み出す。なお制御回路108は復調回路106から入力される信号に従って演算処理を行うこともできる。上記演算処理を行う際に、メモリ109の領域の一部もしくは別途設けたメモリを一次キャッシュメモリまたは二次キャッシュメモリとして用いることができる。
【0024】
制御回路108において、メモリ109から読み出されたデータを含む出力用の信号が符号化され、変調回路107に送られる。変調回路107は該信号に従ってアンテナ回路101が受信している無線の信号を変調する。変調された無線の信号は質問器120で受信される。上記一連の動作により、記録担体100が有するメモリ109内のデータを質問器120に無線で送ることができる。よって、記録担体100の識別情報などのデータを認識することができる。
【0025】
一方電源回路105は、アンテナ回路101が受信した信号の電圧を整流し、平滑することで、電源用の電圧を生成する。電源回路105において生成された電源用の電圧は、制御回路108と、充電回路110とに与えられる。なお、アンテナ回路101が受信した信号を整流、平滑した後に、レギュレータなどの定電圧回路により電圧を安定化させてから、電源用の電圧として制御回路108と、充電回路110とに与えるようにしても良い。充電回路110は、電源回路105からの電源用の電圧の高さを調整し、該調整された電圧を用いて蓄電池103の充電を行う。また電源回路105において生成された電源用の電圧は、集積回路102内の復調回路106、変調回路107、制御回路108、メモリ109、映像信号生成回路112またはコンバータ113などの各種回路や、表示装置104に供給される。
【0026】
なお蓄電池103への充電が過剰に行われるのを防ぐように電源回路105を制御するための充電制御回路を、集積回路102に設けても良い。また電源回路105は、整流回路、平滑用の容量、レギュレータ、スイッチ回路などから構成することができる。上記スイッチ回路にダイオードを用いることで、充電制御回路を用いずとも蓄電池103への過剰な充電を抑えることができる。
【0027】
また、本発明の記録担体100では、復調回路106からの信号に従って、メモリ109に記憶されているデータが制御回路108により読み出され、コンバータ113に送られる。コンバータ113は、入力されたデータを定められたアルゴリズムに従って変換することで、コードを表示するための映像信号を生成し、映像信号生成回路112に出力する。該アルゴリズムは、メモリ109に記憶されていても良いし、別途用意されたメモリに記憶されていても良い。制御回路108によってメモリから読み出されたアルゴリズムを用い、コンバータ113はデータの変換を行う。映像信号生成回路112は、表示装置104の仕様に合わせて入力された映像信号に信号処理を施し、表示装置104に入力する。
【0028】
表示装置104では、入力された映像信号に従って駆動回路114が画素部115の動作を制御することで、メモリ109に記憶されているデータに対応したコードを画素部115に表示させる。画素部115に表示されたコードから、スキャナなどで光学的にデータを読み取ることができる。
【0029】
なお、表示されるコードの種類は、一次元コード(バーコード)や二次元コードであっても良いし、光学的にデータを読み出すことが出来るならば上記以外の形態を有するコードであっても良い。また、データの変換に用いられるアルゴリズムが、互いに異なる複数のコンバータ113を設け、表示装置に表示するコードの種類を切り替えることも可能である。
【0030】
なお、図2では蓄電池103を用いた記録担体の構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。蓄電池の代わりに一次電池を用いていても良い。図3は、一次電池を用いた本発明の記録担体の一形態を示すブロック図である。図2にて既に示したものには、図3でも同じ符号を付す。
【0031】
図3に示す記録担体100は、アンテナ回路101と、集積回路102と、一次電池111と、表示装置104とを有している。集積回路102は、復調回路106と、変調回路107と、制御回路108と、メモリ109と、映像信号生成回路112と、コンバータ113とを有している。また表示装置104は、駆動回路114と、画素部115とを有している。図3に示す記録担体100では、一次電池111から、集積回路102内の復調回路106、変調回路107、制御回路108、メモリ109、映像信号生成回路112またはコンバータ113などの各種回路や、表示装置104に電源用の電圧が供給される。
【0032】
また、図2、図3に示す本発明の記録担体100では、表示装置104におけるコードの表示は常に行うこともできるし、質問器120からの命令によってコードの表示と非表示を切り替えることも可能である。そしてメモリ109が書き換え可能なタイプであるならば、表示装置104に表示されるコードを、書き換えたデータに合わせて変えることもできる。
【0033】
さらに図2、図3に示す本発明の記録担体100では、画素部115において画素にメモリ性を有する表示素子を用いる場合、書き換え時を除いて電力は殆ど消耗されず、コードの表示を長期間維持することができる。よって、メモリ109が壊れてデータが読み出せない、表示装置104への電源用の電圧の供給が行えない、その他、集積回路102が有する各種回路に不具合が生じて記録担体100と質問器120の間で通信が行えないなどの問題が生じても、表示装置104に一度でもコードを表示させた後であれば、表示されているコードからスキャナなどで光学的にデータを読み出すことが可能である。
【0034】
なお図2、図3に示す記録担体100と質問器との間における無線での信号の送受信は、キャリア(搬送波)として用いる信号を変調することで行われる。キャリアは、125kHz、13.56MHz、950MHz、2.45GHzなど規格により様々である。また、変調の方式も規格により振幅変調、周波数変調、位相変調など様々な方式があるが、規格に即した変調方式であればどの変調方式を用いても良い。さらに、質問器120と記録担体100との間における信号の伝送方式は、キャリアの波長によって電磁結合方式、電磁誘導方式、マイクロ波方式など様々な種類に分類することができる。
【0035】
また、図2、図3に示す記録担体100では、メモリ109は不揮発性メモリであることが望ましい。ただし、電源用の電圧をメモリ109に常に供給することでデータを保存することが出来るのであれば、揮発性メモリであっても良い。メモリ109として、例えばSRAM、DRAM、フラッシュメモリ、EEPROM、FeRAMなどを用いることができる。
【0036】
図2、図3では、アンテナ回路101を有する記録担体100の構成について説明しているが、本発明の記録担体は必ずしもアンテナ回路101を有していなくとも良い。なおアンテナ回路101は、アンテナと該アンテナに並列に接続された容量とを有することを想定しているが、アンテナの種類によっては、必ずしも容量をアンテナ回路101に設ける必要はない。アンテナの形状は、無線で信号を受信できるものであれば良い。例えばダイポールアンテナ、パッチアンテナ、ループアンテナ、八木アンテナなどを用いることができる。アンテナの形状は、キャリアの波長、伝送方式に合わせて適宜選択すれば良い。
【0037】
また図2、図3では、アンテナ回路101を1つだけ有する記録担体100の構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。電力を受信するためのアンテナ回路と、信号を受信するためのアンテナ回路と、2つのアンテナ回路を有していても良い。アンテナ回路が1つだと、例えば950MHzの電波で電力の供給と信号の伝送を両方行う場合、遠方まで大電力が伝送され、他の無線機器の受信妨害を起こす可能性がある。そのため、電力の供給は電波の周波数を下げて近距離にて行う方が望ましいが、この場合通信距離は必然的に短くなってしまう。しかしアンテナ回路が2つあると、電力を供給する電波の周波数と、信号を送るための電波の周波数とを使い分けることができる。例えば電力を送る際は電波の周波数を13.56MHzとして電磁誘導方式を用い、信号を送る際は電波の周波数を950MHzとして電波方式を用いることができる。このように、機能に合わせてアンテナ回路を使い分けることによって、電力の供給は近距離で行い、信号の伝送は遠距離で行うことを可能にすることができる。
【0038】
また図2、図3では、電池を有するアクティブ型の記録担体の構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。本発明の記録担体は、電池を有さず、質問器から無線で送信される電力のみを用いて動作を行うパッシブ型であっても良い。ただし、メモリ109が揮発性である場合、アクティブ型だと継続してメモリ109への電力の供給を行うことができるので、より望ましい。
【0039】
(実施の形態2)
本発明の記録担体の構成について、図1(B)を用いて説明する。図1(B)は本発明の記録担体の一形態を大まかに示すブロック図である。図1(B)において記録担体200は、データを記憶するためのメモリ209と、メモリ209に記憶されているデータをアルゴリズムに従って変換することで得られるデータが記憶されている映像信号用メモリ216と、質問器220から無線で送られてきた信号に従って、映像信号用メモリ216からデータを読み出す制御回路208と、読み出されたデータを用いて映像信号を生成する映像信号生成回路212と、映像信号を用いてコードを表示する表示装置204とを有している。
【0040】
図1(B)に示した記録担体200の、より具体的な構成の一例を図4に示す。図4は本発明の記録担体の一形態を示すブロック図である。図4において記録担体200は、アンテナ回路201と、集積回路202と、蓄電池203と、表示装置204とを有している。集積回路202は、電源回路205と、復調回路206と、変調回路207と、制御回路208と、メモリ209と、充電回路210と、映像信号生成回路212と、映像信号用メモリ216とを有している。また表示装置204は、駆動回路214と、画素部215とを有している。
【0041】
質問器220から無線で信号が送られてくると、実施の形態1の場合と同様に、アンテナ回路201において該信号が受信され、質問器220からの命令を含む信号が生成される。復調回路206は、アンテナ回路201において生成された信号を復調して、後段の制御回路208に出力する。制御回路208は復調回路206から入力された信号を解析し、質問器220から送られてきた命令の内容に従ってメモリ209に記憶されているデータを読み出す。なお、制御回路208は復調回路206から入力される信号に従って演算処理を行うこともできる。上記演算処理を行う際に、メモリ209の領域の一部もしくは別途設けたメモリを一次キャッシュメモリまたは二次キャッシュメモリとして用いることができる。
【0042】
制御回路208において、メモリ209から読み出されたデータを含む出力用の信号が符号化され、変調回路207に送られる。変調回路207は該信号に従ってアンテナ回路201が受信している無線の信号を変調する。変調された無線の信号は質問器220で受信される。上記一連の動作により、記録担体200が有するメモリ209内のデータを質問器220に無線で送ることができる。よって、記録担体200の識別情報などのデータを認識することができる。
【0043】
一方電源回路205は、アンテナ回路201が受信した信号の電圧を整流し、平滑することで、電源用の電圧を生成する。電源回路205において生成された電源用の電圧は、制御回路208と、充電回路210とに与えられる。なお、アンテナ回路201が受信した信号を整流、平滑した後に、レギュレータなどの定電圧回路により電圧を安定化させてから、電源用の電圧として制御回路208と、充電回路210とに与えるようにしても良い。充電回路210は、電源回路205からの電源用の電圧の高さを調整し、該調整された電圧を用いて蓄電池203の充電を行う。また電源回路205において生成された電源用の電圧は、集積回路202内の復調回路206、変調回路207、制御回路208、メモリ209、映像信号生成回路212または映像信号用メモリ216などの各種回路や、表示装置204に供給される。
【0044】
なお、蓄電池203への充電が過剰に行われるのを防ぐように電源回路205を制御するための充電制御回路を、集積回路202に設けても良い。また電源回路205は、整流回路、平滑用の容量、レギュレータ、スイッチ回路などから構成することができる。上記スイッチ回路にダイオードを用いることで、充電制御回路を用いずとも蓄電池203への過剰な充電を抑えることができる。
【0045】
また本発明の記録担体200では、定められたアルゴリズムに従ってメモリ209に記憶されているデータを変換することで得られる映像信号のデータが、映像信号用メモリ216に記憶されている。質問器220からの命令に従って映像信号用メモリ216に記憶されている該データが制御回路208により読み出され、映像信号として映像信号生成回路212に出力される。映像信号生成回路212は、表示装置204の仕様に合わせて入力された映像信号に信号処理を施し、表示装置204に入力する。
【0046】
表示装置204では、入力された映像信号に従って駆動回路214が画素部215の動作を制御することで、メモリ209に記憶されているデータに対応したコードを画素部215に表示させる。画素部215に表示されたコードから、スキャナなどで光学的にデータを読み取ることができる。
【0047】
なお表示されるコードの種類は、一次元コード(バーコード)や二次元コードであっても良いし、光学的にデータを読み出すことが出来るならば上記以外の形態を有するコードであっても良い。また、データの変換に用いられるアルゴリズムが互いに異なる複数の映像信号のデータを映像信号用メモリ216に記憶させておくことで、表示装置に表示するコードの種類を切り替えることも可能である。この場合、一つの映像信号用メモリ216内の異なる領域に上記複数のデータを記憶しておいても良いし、複数の映像信号用メモリ216を用いて上記複数のデータを記憶しておいても良い。
【0048】
また、図4ではメモリ209と映像信号用メモリ216とを有する記録担体200の構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。映像信号用メモリ216を設けずに、映像信号用メモリ216に記憶するべきデータもメモリ209に記憶させることも可能である。
【0049】
なお、図4では蓄電池203を用いた記録担体の構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。蓄電池の代わりに一次電池を用いていても良い。図5は、一次電池を用いた本発明の記録担体の一形態を示すブロック図である。図4にて既に示したものには、図5でも同じ符号を付す。
【0050】
図5に示す記録担体200は、アンテナ回路201と、集積回路202と、一次電池211と、表示装置204とを有している。集積回路202は、復調回路206と、変調回路207と、制御回路208と、メモリ209と、映像信号生成回路212と、映像信号用メモリ216とを有している。また表示装置204は、駆動回路214と、画素部215とを有している。図5に示す記録担体200では、一次電池211から、集積回路202内の復調回路206、変調回路207、制御回路208、メモリ209、映像信号生成回路212または映像信号用メモリ216などの各種回路や、表示装置204に電源用の電圧が供給される。
【0051】
また、図4、図5に示す本発明の記録担体200では、表示装置204におけるコードの表示は常に行うこともできるし、質問器220からの命令によってコードの表示と非表示を切り替えることも可能である。そしてメモリ209及び映像信号用メモリ216が書き換え可能なタイプであるならば、表示装置204に表示されるコードを、書き換えたデータに合わせて変えることもできる。
【0052】
さらに、図4、図5に示す本発明の記録担体200では、画素部215において画素にメモリ性を有する表示素子を用いる場合、書き換え時を除いて電力は殆ど消耗されず、コードの表示を長期間維持することができる。よって、メモリ209または映像信号用メモリ216が壊れてデータが読み出せない、表示装置204への電源用の電圧の供給が行えない、その他集積回路202が有する各種回路に不具合が生じて記録担体200と質問器220の間で通信が行えないなどの問題が生じても、表示装置204に一度でもコードを表示させた後であれば、表示されているコードからスキャナなどで光学的にデータを読み出すことが可能である。
【0053】
なお、図4、図5に示す記録担体200と質問器との間における無線での信号の送受信は、キャリア(搬送波)として用いる信号を変調することで行われる。キャリアは、125kHz、13.56MHz、950MHz、2.45GHzなど規格により様々である。また変調の方式も規格により振幅変調、周波数変調、位相変調など様々な方式があるが、規格に即した変調方式であればどの変調方式を用いても良い。また質問器220と記録担体200との間における信号の伝送方式は、キャリアの波長によって電磁結合方式、電磁誘導方式、マイクロ波方式など様々な種類に分類することができる。
【0054】
また、図4、図5に示す記録担体200では、メモリ209または映像信号用メモリ216は不揮発性メモリであることが望ましい。ただし、電源用の電圧をメモリ209または映像信号用メモリ216に常に供給することでデータを保存することが出来るのであれば、揮発性メモリであっても良い。メモリ209または映像信号用メモリ216として、例えばSRAM、DRAM、フラッシュメモリ、EEPROM、FeRAMなどを用いることができる。
【0055】
図4、図5では、アンテナ回路201を有する記録担体200の構成について説明しているが、本発明の記録担体は必ずしもアンテナ回路201を有していなくとも良い。なおアンテナ回路201は、アンテナと該アンテナに並列に接続された容量とを有することを想定しているが、アンテナの種類によっては、必ずしも容量をアンテナ回路201に設ける必要はない。アンテナの形状は、無線で信号を受信できるものであれば良い。例えばダイポールアンテナ、パッチアンテナ、ループアンテナ、八木アンテナなどを用いることができる。アンテナの形状は、キャリアの波長、伝送方式に合わせて適宜選択すれば良い。
【0056】
また図4、図5では、アンテナ回路201を1つだけ有する記録担体200の構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。電力を受信するためのアンテナ回路と、信号を受信するためのアンテナ回路と、2つのアンテナ回路を有していても良い。アンテナ回路が1つだと、例えば950MHzの電波で電力の供給と信号の伝送を両方行う場合、遠方まで大電力が伝送され、他の無線機器の受信妨害を起こす可能性がある。そのため、電力の供給は電波の周波数を下げて近距離にて行う方が望ましいが、この場合通信距離は必然的に短くなってしまう。しかしアンテナ回路が2つあると、電力を供給する電波の周波数と、信号を送るための電波の周波数とを使い分けることができる。例えば電力を送る際は電波の周波数を13.56MHzとして電磁誘導方式を用い、信号を送る際は電波の周波数を950MHzとして電波方式を用いることができる。このように、機能に合わせてアンテナ回路を使い分けることによって、電力の供給は近距離で行い、信号の伝送は遠距離で行うことを可能にすることができる。
【0057】
また図4、図5では、電池を有するアクティブ型の記録担体の構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。本発明の記録担体は、電池を有さず、質問器から無線で送信される電力のみを用いて動作を行うパッシブ型であっても良い。ただし、メモリ209が揮発性である場合、アクティブ型だと継続してメモリ209への電力の供給を行うことができるので、より望ましい。
【0058】
本実施の形態は、上記実施の形態と組み合わせて実施することができる。
【0059】
(実施の形態3)
本発明の記録担体の構成について、図6を用いて説明する。図6は本発明の記録担体の一形態を示すブロック図である。図6において記録担体300は、アンテナ回路301と、集積回路302と、蓄電池303と、表示装置304と、端子317とを有している。集積回路302は、電源回路305と、復調回路306と、変調回路307と、制御回路308と、メモリ309と、充電回路310と、映像信号生成回路312と、コンバータ313と、インターフェース318とを有している。また表示装置304は、駆動回路314と、画素部315とを有している。
【0060】
質問器から無線で信号が送られてくると、実施の形態1と同様に、アンテナ回路301において該信号が受信され、質問器からの命令を含む信号が生成される。復調回路306は、アンテナ回路301において生成された信号を復調して、後段の制御回路308に出力する。制御回路308は復調回路306から入力された信号を解析し、質問器から送られてきた命令の内容に従ってメモリ309に記憶されているデータを読み出す。なお制御回路308は復調回路306から入力される信号に従って演算処理を行うこともできる。上記演算処理を行う際に、メモリ309の領域の一部もしくは別途設けたメモリを一次キャッシュメモリまたは二次キャッシュメモリとして用いることができる。
【0061】
制御回路308において、メモリ309から読み出されたデータを含む出力用の信号が符号化され、変調回路307に送られる。変調回路307は該信号に従ってアンテナ回路301が受信している無線の信号を変調する。変調された無線の信号は質問器で受信される。上記一連の動作により、記録担体300からメモリ309内のデータを質問器に無線で送ることができる。よって、記録担体300の識別情報などのデータを認識することができる。
【0062】
また本実施の形態の記録担体300は、端子317を用いて直接質問器と接続することもできる。端子317から信号が入力されると、該信号はインターフェース318において、電圧の振幅の調整、波形の整形などの信号処理が施され、集積回路302内の各種回路や表示装置304などに入力される。また、集積回路302からインターフェース318及び端子317を介して、質問器へ出力用の信号を送ることもできる。端子317とインターフェース318を設けることで、無線での信号の送受信が不可能な場合でも、質問器と通信を行うことができる。
【0063】
一方電源回路305は、アンテナ回路301が受信した信号の電圧を整流し、平滑することで、電源用の電圧を生成する。電源回路305において生成された電源用の電圧は、制御回路308と、充電回路310とに与えられる。なお、アンテナ回路301が受信した信号を整流、平滑した後に、レギュレータなどの定電圧回路により電圧を安定化させてから、電源用の電圧として制御回路308と、充電回路310とに与えるようにしても良い。充電回路310は、電源回路305からの電源用の電圧の高さを調整し、該調整された電圧を用いて蓄電池303の充電を行う。また電源回路305において生成された電源用の電圧は、集積回路302内の復調回路306、変調回路307、制御回路308、メモリ309、映像信号生成回路312、コンバータ313またはインターフェース318などの各種回路や、表示装置304に供給される。
【0064】
なお、蓄電池303への充電が過剰に行われるのを防ぐように電源回路305を制御するための充電制御回路を、集積回路302に設けても良い。また、電源回路305は、整流回路、平滑用の容量、レギュレータ、スイッチ回路などから構成することができる。上記スイッチ回路にダイオードを用いることで、充電制御回路を用いずとも蓄電池303への過剰な充電を抑えることができる。
【0065】
なお本実施の形態では、端子317及びインターフェース318を介して、電源回路305や表示装置304に直接電源用の電圧を供給することができる。よって、無線で電力の供給が不可能な場合でも、記録担体300への電力の供給を行うことができる。
【0066】
また本発明の記録担体300では、復調回路306からの信号に従って、メモリ309に記憶されているデータが制御回路308により読み出され、コンバータ313に送られる。コンバータ313は、入力されたデータを定められたアルゴリズムに従って変換することで、コードを表示するための映像信号を生成し、映像信号生成回路312に出力する。該アルゴリズムは、メモリ309に記憶されていても良いし、別途用意されたメモリに記憶されていても良い。制御回路308によってメモリ309から読み出されたアルゴリズムを用い、コンバータ313はデータの変換を行う。またアルゴリズムを端子317から記録担体300に入力するようにしても良い。映像信号生成回路312は、表示装置304の仕様に合わせて入力された映像信号に信号処理を施し、表示装置304に入力する。
【0067】
表示装置304では、入力された映像信号に従って駆動回路314が画素部315の動作を制御することで、メモリ309に記憶されているデータに対応したコードを画素部315に表示させる。画素部315に表示されたコードから、スキャナなどで光学的にデータを読み取ることができる。
【0068】
また表示されるコードの種類は、一次元コード(バーコード)や二次元コードであっても良いし、光学的にデータを読み出すことが出来るならば上記以外の形態を有するコードであっても良い。また、データの変換に用いられるアルゴリズムが互いに異なる複数のコンバータ313を設け、表示装置304に表示するコードの種類を切り替えることも可能である。
【0069】
なお、図6では蓄電池303を用いた記録担体の構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。蓄電池303の代わりに一次電池を用いていても良い。図7は、一次電池を用いた本発明の記録担体の一形態を示すブロック図である。図6にて既に示したものには、図7でも同じ符号を付す。
【0070】
図7に示す記録担体300は、アンテナ回路301と、集積回路302と、一次電池311と、表示装置304と端子317を有している。集積回路302は、復調回路306と、変調回路307と、制御回路308と、メモリ309と、映像信号生成回路312と、コンバータ313と、インターフェース318とを有している。また表示装置304は、駆動回路314と、画素部315とを有している。図7に示す記録担体300では、一次電池311から、集積回路302内の復調回路306、変調回路307、制御回路308、メモリ309、映像信号生成回路312、コンバータ313またはインターフェース318などの各種回路や、表示装置304に電源用の電圧が供給される。
【0071】
また、図6、図7に示す本発明の記録担体300では、表示装置304におけるコードの表示は常に行うこともできるし、質問器からの命令によってコードの表示と非表示を切り替えることも可能である。そしてメモリ309が書き換え可能なタイプであるならば、表示装置304に表示されるコードを、書き換えたデータに合わせて変えることもできる。
【0072】
さらに、図6、図7に示す本発明の記録担体300では、画素部315において画素にメモリ性を有する表示素子を用いる場合、書き換え時を除いて電力は殆ど消耗されず、コードの表示を長期間維持することができる。よって、メモリ309が壊れてデータが読み出せない、表示装置304への電源用の電圧の供給が行えない、その他集積回路302が有する各種回路に不具合が生じて記録担体300と質問器の間で通信が行えないなどの問題が生じても、表示装置304に一度でもコードを表示させた後であれば、表示されているコードからスキャナなどで光学的にデータを読み出すことが可能である。
【0073】
なお、図6、図7に示す記録担体300と質問器の間における無線での信号の送受信は、キャリア(搬送波)として用いる信号を変調することで行われる。キャリアは、125kHz、13.56MHz、950MHz、2.45GHzなど規格により様々である。また変調の方式も規格により振幅変調、周波数変調、位相変調など様々な方式があるが、規格に即した変調方式であればどの変調方式を用いても良い。また質問器と記録担体300との間における信号の伝送方式は、キャリアの波長によって電磁結合方式、電磁誘導方式、マイクロ波方式など様々な種類に分類することができる。
【0074】
また図6、図7に示す記録担体300では、メモリ309は不揮発性メモリであることが望ましい。ただし、電源用の電圧をメモリ309に常に供給することでデータを保存することが出来るのであれば、揮発性メモリであっても良い。メモリ309として、例えばSRAM、DRAM、フラッシュメモリ、EEPROM、FeRAMなどを用いることができる。
【0075】
図6、図7では、アンテナ回路301を有する記録担体300の構成について説明しているが、本発明の記録担体は必ずしもアンテナ回路301を有していなくとも良い。なおアンテナ回路301は、アンテナと該アンテナに並列に接続された容量とを有することを想定しているが、アンテナの種類によっては、必ずしも容量をアンテナ回路301に設ける必要はない。アンテナの形状は、無線で信号を受信できるものであれば良い。例えばダイポールアンテナ、パッチアンテナ、ループアンテナ、八木アンテナなどを用いることができる。アンテナの形状は、キャリアの波長、伝送方式に合わせて適宜選択すれば良い。
【0076】
また図6、図7では、アンテナ回路301を1つだけ有する記録担体300の構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。電力を受信するためのアンテナ回路と、信号を受信するためのアンテナ回路と、2つのアンテナ回路を有していても良い。アンテナ回路が1つだと、例えば950MHzの電波で電力の供給と信号の伝送を両方行う場合、遠方まで大電力が伝送され、他の無線機器の受信妨害を起こす可能性がある。そのため、電力の供給は電波の周波数を下げて近距離にて行う方が望ましいが、この場合通信距離は必然的に短くなってしまう。しかしアンテナ回路が2つあると、電力を供給する電波の周波数と、信号を送るための電波の周波数とを使い分けることができる。例えば電力を送る際は電波の周波数を13.56MHzとして電磁誘導方式を用い、信号を送る際は電波の周波数を950MHzとして電波方式を用いることができる。このように、機能に合わせてアンテナ回路を使い分けることによって、電力の供給は近距離で行い、信号の伝送は遠距離で行うことを可能にすることができる。
【0077】
また図6、図7では、電池を有するアクティブ型の記録担体の構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。本発明の記録担体は、電池を有さず、質問器から無線で送信される電力のみを用いて動作を行うパッシブ型であっても良い。ただし、メモリ309が揮発性である場合、アクティブ型だと継続してメモリ309への電力の供給を行うことができるので、より望ましい。
【0078】
本実施の形態は、上記実施の形態と組み合わせて実施することができる。
【実施例1】
【0079】
本実施例では、本発明の記録担体の外観と、その内部の具体的な構成について説明する。
【0080】
図8(A)に、本発明の記録担体の斜視図を一例として示す。図8(A)に示す記録担体は、アンテナ回路401と、集積回路402と、表示装置403とを有している。図8(A)では、表示装置403の画素部に一次元コード404を表示している例を示す。
【0081】
また図8(B)に、図8(A)で示した記録担体において、基板405からカバー材406を取り外した様子を示す。基板405上にはアンテナ回路401及び集積回路402が設けられており、アンテナ回路401及び集積回路402は基板405とカバー材406の間に挟まれている。また表示装置403は、アンテナ回路401及び集積回路402と共に基板405上に設けられている。
【0082】
記録担体は、アンテナ回路401が集積回路402と共に基板405上に形成されていても良いし、基板405上に形成された集積回路402に別途用意したアンテナ回路401が接続されていても良い。また表示装置403は、集積回路402と共に基板405上に形成することができる。
【0083】
なお図8(A)、図8(B)に示した記録担体では、カバー材406は、表示装置403と重なる領域において開口部407を有している。表示装置403を開口部407において露出した状態とすることで、表示装置403に表示されるコードをスキャナで読み取ることができる。なおカバー材406は必ずしも開口部407を有する必要はない。例えばカバー材406が、少なくとも表示装置403と重なる領域において透光性を有するならば、表示装置403全体がカバー材406で覆われていても、表示装置403に表示されるコードをスキャナで読み取ることができる。
【0084】
なお、アンテナ回路401が有するアンテナの形状は、本実施例で示したダイポールアンテナに限定されない。アンテナの形状は、無線で信号を受信できるものであれば良い。例えばダイポールアンテナの他に、パッチアンテナ、ループアンテナ、八木アンテナなどを用いることができる。アンテナの形状は、キャリアの波長、伝送方式に合わせて適宜選択すれば良い。
【0085】
本実施例は、上記実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
【実施例2】
【0086】
本実施例では、本発明の記録担体が有するパッシブマトリクス型表示装置のより具体的な構成について、一例を挙げて説明する。
【0087】
図9(A)に、本発明の記録担体が有する表示装置の画素部500と、第1電極駆動回路501と、第2電極駆動回路502の上面図を示す。図9(A)では、画素部500の周辺に第1電極駆動回路501と、第2電極駆動回路502とが設けられている。画素部500は複数の画素503を有しており、各画素503には表示素子が設けられている。また図9(B)に、各画素503に設けられた表示素子の断面図を示す。
【0088】
表示素子507は、第1電極駆動回路501によって映像信号の電圧が与えられる第1電極504と、第2電極駆動回路502によって選択される第2電極505と、第1電極504及び第2電極505によって電圧が印加される表示材料506とを有する。
【0089】
なお本実施例では、第1電極504と第2電極505の間に表示材料506を有する表示素子507の構成を示しているが、本発明はこの構成に限定されない。絶縁膜を間に挟んだ第1電極と第2電極の上に表示材料を有する表示素子であっても良い。ただしこの場合、第2電極、絶縁膜、第1電極、光を反射する絶縁膜、表示材料の順に積層する。そして、表示材料が、第1電極と第2電極のうち第2電極のみと重なる領域と、第1電極と第2電極の両方と重なる領域とが形成されるように、第1電極を部分的に形成し、表示材料は帯電した微粒子を溶媒中に分散したものを用いる。
【0090】
また図9(B)では、表示材料506として、溶媒508と、溶媒508中に分散されたツイスティングボール509とを用いている。第1電極に印加される映像信号の電圧に従って、異なる電荷に帯電する二色の半球を有するツイスティングボール509が溶媒508中で回転することで、2値の階調の表示を行うことができる。なお本実施例で用いることができる表示材料はこれに限定されない。
【0091】
なお本実施例では、メモリ性を有する表示材料を用いた表示素子を例に挙げて説明したが、本発明で用いられる表示素子はこの構成に限定されない。本発明の記録担体は、有機発光素子(OLED)に代表される発光素子、液晶素子などを用いることもできる。
【0092】
本実施例は、上記実施の形態または上記実施例と組み合わせて実施することが可能である。
【実施例3】
【0093】
本実施例では、本発明の記録担体が有するアクティブマトリクス型表示装置のより具体的な構成について、一例を挙げて説明する。
【0094】
図10(A)に、本発明の記録担体が有する表示装置の画素部600と、信号線駆動回路601と、走査線駆動回路602の上面図を示す。図10(A)では、画素部600の周辺に信号線駆動回路601と、走査線駆動回路602とが設けられている。画素部600は複数の画素603を有している。
【0095】
画素603はトランジスタ610と、表示素子607と、保持容量611とを有している。図10(B)に、各画素603に設けられた表示素子607の断面図を示す。表示素子607は、第1電極604と、第2電極605と、第1電極604及び第2電極605によって電圧が印加される表示材料606とを有する。トランジスタ610のゲート電極は、走査線駆動回路602によって選択される走査線612に接続されている。またトランジスタ610のソース領域とドレイン領域は、一方が信号線駆動回路601から映像信号の電圧が与えられる信号線613に、他方が表示素子607の第1電極604に、直接或いは電気的に接続される。
【0096】
なお図10(A)では、表示素子607の第1電極604と第2電極605の間に印加された電圧を保持するために、表示素子607と並列に保持容量611が接続されているが、表示材料606のメモリ性の高さが表示を維持するのに十分な程度に高いのであれば、保持容量611を必ずしも設ける必要はない。
【0097】
なお本実施例では、第1電極604と第2電極605の間に表示材料606を有する表示素子607の構成を示しているが、本発明はこの構成に限定されない。絶縁膜を間に挟んだ第1電極と第2電極の上に表示材料を有する表示素子であっても良い。ただしこの場合、第2電極、絶縁膜、第1電極、光を反射する絶縁膜、表示材料の順に積層する。そして、表示材料が、第1電極と第2電極のうち第2電極のみと重なる領域と、第1電極と第2電極の両方と重なる領域とが形成されるように、第1電極を部分的に形成し、表示材料は帯電した微粒子を溶媒中に分散したものを用いる。
【0098】
また図10(B)では、表示材料606として、溶媒608と、溶媒608中に分散されたツイスティングボール609とを用いている。第1電極604に印加される映像信号の電圧に従って、異なる電荷に帯電する二色の半球を有するツイスティングボール609が溶媒608中で回転することで、2値の階調の表示を行うことができる。なお本実施例で用いることができる表示材料はこれに限定されない。
【0099】
またトランジスタ610の形状は図10(B)に示した形態に限定されない。例えばトランジスタ610として、ゲート電極が基板と活性層の間に設けられたボトムゲート型のトランジスタを用いても良い。
【0100】
なお本実施例では、各画素にスイッチング素子として機能するトランジスタを一つ設けたアクティブマトリクス型の画素部の構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。画素に設けるトランジスタの数は複数であっても良いし、トランジスタ以外に容量、抵抗、コイルなどの素子が電気的に接続されていても良い。
【0101】
なお本実施例では、メモリ性を有する表示材料を用いた表示素子を例に挙げて説明したが、本発明で用いられる表示素子はこの構成に限定されない。本発明の記録担体は、有機発光素子(OLED)に代表される発光素子、液晶素子などを用いることもできる。
【0102】
本実施例は、上記実施の形態または上記実施例と組み合わせて実施することが可能である。
【実施例4】
【0103】
本実施例では、画素部に表示されるシンボルの種類と、画素部の構成について説明する。
【0104】
図11(A)に、一次元コードを表示している画素部1801の様子を示す。一次元コードは、情報の表示を行うためのシンボル1802と、シンボル1802の左右に設けられるマージン1803とを有している。シンボル1802は、一次元コードが有する情報や、一次元コードの規格により異なるが、基本的には複数のバーとスペースが順に並んだ構成を有している。また図11(A)に示すように、バーとスペースが並んでいる領域の下に、数字が表示されていても良い。
【0105】
マージン1803は一次元コードを読み取るために設けられている余白の領域である。マージン1803は、規格により異なるが、シンボル1802が有するバーのうち、最も細いバーの幅の10倍以上、左右にそれぞれ設けるのが望ましい。画素部1801に表示される一次元コードのマージン1803の幅が固定されている場合、画素部1801のうち、予めマージン1803として用いる領域に画素を配置しないでおくことも可能である。
【0106】
図11(B)に、マージン1803の幅が予め固定されている一次元コードを表示する場合において、画素部1801において画素が配置される領域(画素配置領域)1804を示す。画素配置領域1804にはシンボル1802を表示することができる。そして画素配置領域1804は、一対のマージン1803の間に配置されている。
【0107】
なお図11(B)では、マージン1803となる領域に敢えて画素を配置せず、シンボル1802を表示する領域にのみ画素を配置する例について示しているが、本発明はこの構成に限定されない。マージン1803となる領域にも画素を配置し、映像信号によりマージン1803となる領域を形成するようにしても良い。
【0108】
次に図12(A)に、二次元コードを表示している画素部901の様子を示す。二次元コードは、情報の表示を行うためのシンボル902と、シンボル902の上下左右に設けられるマージン903とを有している。シンボル902は、二次元コードが有する情報や、二次元コードの規格により異なるが、基本的には複数のセルとスペースが配置された構成を有している。また図12(A)に示すように、シンボル902の配置されている方向に関わらずデータの読み出しが可能になるように、シンボル902内に切り出しシンボル905が表示されていても良い。
【0109】
マージン903は二次元コードを読み取るために設けられている余白の領域である。マージン903は、規格により異なるが、シンボル902が有するセルの幅の4倍以上、左右上下にそれぞれ設けるのが望ましい。画素部901に表示される二次元コードのマージン903の幅が固定されている場合、画素部901のうち、予めマージン903として用いる領域に画素を配置しないでおくことも可能である。
【0110】
図12(B)に、マージン903の幅が予め固定されている二次元コードを表示する場合において、画素部901において画素が配置される領域(画素配置領域)904を示す。画素配置領域904にはシンボル902を表示することができる。そして画素配置領域904は、上下左右、マージン903に囲まれている。
【0111】
なお図12(B)では、マージン903となる領域に敢えて画素を配置せず、シンボル902を表示する領域にのみ画素を配置する例について示しているが、本発明はこの構成に限定されない。マージン903となる領域にも画素を配置し、映像信号によりマージン903となる領域を形成するようにしても良い。
【0112】
本実施例は、上記実施の形態または上記実施例と組み合わせて実施することが可能である。
【実施例5】
【0113】
次に、本発明の記録担体の作製方法について詳しく述べる。なお本実施例では薄膜トランジスタ(TFT)を半導体素子の一例として示すが、本発明の記録担体に用いられる半導体素子はこれに限定されない。例えばTFTの他に、記憶素子、ダイオード、抵抗、容量、インダクタなどを用いることができる。
【0114】
まず図13(A)に示すように、耐熱性を有する基板700上に、絶縁膜701、剥離層702、絶縁膜703と、半導体膜704とを順に形成する。絶縁膜701、剥離層702、絶縁膜703及び半導体膜704は連続して形成することが可能である。
【0115】
基板700として、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板、セラミック基板等を用いることができる。また、ステンレス基板を含む金属基板、またはシリコン基板等の半導体基板を用いても良い。プラスチック等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板は、上記基板と比較して耐熱温度が一般的に低い傾向にあるが、作製工程における処理温度に耐え得るのであれば用いることが可能である。
【0116】
プラスチック基板として、ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表されるポリエステル、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂などが挙げられる。
【0117】
なお本実施例では、剥離層702を基板700上の全面に設けているが本発明はこの構成に限定されない。例えばフォトリソグラフィ法などを用いて、基板700上において剥離層702を部分的に形成する様にしても良い。
【0118】
絶縁膜701、絶縁膜703は、CVD法やスパッタリング法等を用いて、酸化珪素、窒化珪素(SiNx、Si等)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y>0)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y>0)等の絶縁性を有する材料を用いて形成する。
【0119】
絶縁膜701、絶縁膜703は、基板700中に含まれるNaなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が半導体膜704中に拡散し、TFTなどの半導体素子の特性に悪影響を及ぼすのを防ぐために設ける。また絶縁膜703は、剥離層702に含まれる不純物元素が半導体膜704中に拡散するのを防ぎ、なおかつ後の半導体素子を剥離する工程において、半導体素子を保護する役目も有している。
【0120】
絶縁膜701、絶縁膜703は、単数の絶縁膜を用いたものであっても、複数の絶縁膜を積層して用いたものであっても良い。本実施例では、膜厚100nmの酸化窒化珪素膜、膜厚50nmの窒化酸化珪素膜、膜厚100nmの酸化窒化珪素膜を順に積層して絶縁膜703を形成するが、各膜の材質、膜厚、積層数は、これに限定されるものではない。例えば、下層の酸化窒化珪素膜に代えて、膜厚0.5〜3μmのシロキサン系樹脂をスピンコート法、スリットコーター法、液滴吐出法、印刷法などによって形成しても良い。また、中層の窒化酸化珪素膜に代えて、窒化珪素膜(SiNx、Si等)を用いてもよい。また、上層の酸化窒化珪素膜に代えて、酸化珪素膜を用いていても良い。また、それぞれの膜厚は、0.05〜3μmとするのが望ましく、その範囲から自由に選択することができる。
【0121】
或いは、剥離層702に最も近い、絶縁膜703の下層を酸化窒化珪素膜または酸化珪素膜で形成し、中層をシロキサン系樹脂で形成し、上層を酸化珪素膜で形成しても良い。
【0122】
なおシロキサン系樹脂とは、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサン系樹脂は、置換基に水素の他、フッ素、アルキル基、または芳香族炭化水素のうち、少なくとも1種を有していても良い。
【0123】
酸化珪素膜は、シランと酸素、TEOS(テトラエトキシシラン)と酸素等の組み合わせの混合ガスを用い、熱CVD、プラズマCVD、常圧CVD、バイアスECRCVD等の方法によって形成することができる。また、窒化珪素膜は、代表的には、シランとアンモニアの混合ガスを用い、プラズマCVDによって形成することができる。また、酸化窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜は、代表的には、シランと一酸化二窒素の混合ガスを用い、プラズマCVDによって形成することができる。
【0124】
剥離層702は、金属膜、金属酸化膜、金属膜と金属酸化膜とを積層して形成される膜を用いることができる。金属膜と金属酸化膜は、単層であっても良いし、複数の層が積層されていても良い。また、金属膜や金属酸化膜の他に、金属窒化物や金属酸化窒化物を用いてもよい。剥離層702は、スパッタ法やプラズマCVD法等の各種CVD法等を用いて形成することができる。
【0125】
剥離層702に用いられる金属としては、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)またはイリジウム(Ir)等が挙げられる。剥離層702は、上記金属で形成された膜の他に、上記金属を主成分とする合金で形成された膜、或いは上記金属を含む化合物を用いて形成された膜を用いても良い。
【0126】
また剥離層702は珪素(Si)単体で形成された膜を用いても良いし、珪素(Si)を主成分とする化合物で形成された膜を用いても良い。或いは、珪素(Si)と上記金属とを含む合金で形成された膜を用いても良い。珪素を含む膜は、非晶質、微結晶、多結晶のいずれでもよい。
【0127】
剥離層702は、上述した膜を単層で用いても良いし、上述した複数の膜を積層して用いても良い。金属膜と金属酸化膜とが積層された剥離層702は、元となる金属膜を形成した後、該金属膜の表面を酸化または窒化させることで形成することができる。具体的には、酸素雰囲気中または一酸化二窒素雰囲気中で元となる金属膜にプラズマ処理を行ったり、酸素雰囲気中または一酸化二窒素雰囲気中で金属膜に加熱処理を行ったりすればよい。また元となる金属膜上に接するように、酸化珪素膜または酸化窒化珪素膜を形成することでも、金属膜の酸化を行うことが出来る。また元となる金属膜上に接するように、酸化窒化珪素膜、窒化珪素膜を形成することで、窒化を行うことが出来る。
【0128】
金属膜の酸化または窒化を行うプラズマ処理として、プラズマ密度が1×1011cm−3以上、好ましくは1×1011cm−3から9×1015cm−3以下であり、マイクロ波(例えば周波数2.45GHz)などの高周波を用いた高密度プラズマ処理を行っても良い。
【0129】
なお基となる金属膜の表面を酸化することで、金属膜と金属酸化膜とが積層した剥離層702を形成するようにしても良いが、金属膜を形成した後に金属酸化膜を別途形成するようにしても良い。例えば金属としてタングステンを用いる場合、スパッタ法やCVD法等により元となる金属膜としてタングステン膜を形成した後、該タングステン膜にプラズマ処理を行う。これにより、金属膜に相当するタングステン膜と、該金属膜に接し、なおかつタングステンの酸化物で形成された金属酸化膜とを、形成することができる。
【0130】
なおタングステンの酸化物はWOで表される。Xは2以上3以下の範囲内にあり、Xが2の場合(WO)、Xが2.5の場合(W)、Xが2.75の場合(W11)、Xが3の場合(WO)となる。タングステンの酸化物を形成するにあたりXの値に特に制約はなく、エッチングレート等をもとにXの値を定めれば良い。
【0131】
半導体膜704は、絶縁膜703を形成した後、大気に曝さずに形成することが望ましい。半導体膜704の膜厚は20〜200nm(望ましくは40〜170nm、好ましくは50〜150nm)とする。なお半導体膜704は、非晶質半導体であっても良いし、多結晶半導体であっても良い。また半導体は珪素だけではなくシリコンゲルマニウムも用いることができる。シリコンゲルマニウムを用いる場合、ゲルマニウムの濃度は0.01〜4.5atomic%程度であることが好ましい。
【0132】
なお半導体膜704は、公知の技術により結晶化しても良い。公知の結晶化方法としては、レーザ光を用いたレーザ結晶化法、触媒元素を用いる結晶化法がある。或いは、触媒元素を用いる結晶化法とレーザ結晶化法とを組み合わせて用いることもできる。また、基板700として石英のような耐熱性に優れている基板を用いる場合、電熱炉を使用した熱結晶化方法、赤外光を用いたランプアニール結晶化法、触媒元素を用いる結晶化法、950℃程度の高温アニールを用いた結晶化法のうち少なくとも2つ以上を組み合わせた結晶化法を用いても良い。
【0133】
例えばレーザ結晶化を用いる場合、レーザ結晶化の前に、レーザに対する半導体膜704の耐性を高めるために、550℃、4時間の加熱処理を該半導体膜704に対して行なう。そして連続発振が可能な固体レーザを用い、基本波の第2高調波〜第4高調波のレーザ光を照射することで、大粒径の結晶を得ることができる。例えば、代表的には、Nd:YVOレーザ(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を用いるのが望ましい。具体的には、連続発振のYVOレーザから射出されたレーザ光を非線形光学素子により高調波に変換し、出力10Wのレーザ光を得る。そして、好ましくは光学系により照射面にて矩形状または楕円形状となるようにレーザ光を成形して、半導体膜704に照射する。このときのパワー密度は0.01〜100MW/cm程度(好ましくは0.1〜10MW/cm)が必要である。そして、走査速度を10〜2000cm/sec程度とし、照射する。
【0134】
連続発振の気体レーザとして、Arレーザ、Krレーザなどを用いることが出来る。また連続発振の固体レーザとして、YAGレーザ、YVOレーザ、YLFレーザ、YAlOレーザ、フォルステライト(MgSiO)レーザ、GdVOレーザ、Yレーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザなどを用いることが出来る。
【0135】
またパルス発振のレーザとして、例えばArレーザ、Krレーザ、エキシマレーザ、COレーザ、YAGレーザ、Yレーザ、YVOレーザ、YLFレーザ、YAlOレーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ti:サファイアレーザ、銅蒸気レーザまたは金蒸気レーザを用いることができる。
【0136】
また、パルス発振のレーザ光の発振周波数を10MHz以上とし、通常用いられている数十Hz〜数百Hzの周波数帯よりも著しく高い周波数帯を用いてレーザ結晶化を行なっても良い。パルス発振でレーザ光を半導体膜704に照射して半導体膜704が溶融してから半導体膜704が完全に固化するまでの時間は数十nsec〜数百nsecと言われている。よって上記周波数を用いることで、半導体膜704がレーザ光によって溶融してから固化するまでに、次のパルスのレーザ光を照射できる。したがって、半導体膜704中において固液界面を連続的に移動させることができるので、走査方向に向かって連続的に成長した結晶粒を有する半導体膜704が形成される。具体的には、含まれる結晶粒の走査方向における幅が10〜30μm、走査方向に対して垂直な方向における幅が1〜5μm程度の結晶粒の集合を形成することができる。該走査方向に沿って連続的に成長した単結晶の結晶粒を形成することで、少なくともTFTのチャネル方向には結晶粒界のほとんど存在しない半導体膜704の形成が可能となる。
【0137】
なおレーザ結晶化は、連続発振の基本波のレーザ光と連続発振の高調波のレーザ光とを並行して照射するようにしても良いし、連続発振の基本波のレーザ光とパルス発振の高調波のレーザ光とを並行して照射するようにしても良い。
【0138】
なお、希ガスや窒素などの不活性ガス雰囲気中でレーザ光を照射するようにしても良い。これにより、レーザ光照射による半導体表面の荒れを抑えることができ、界面準位密度のばらつきによって生じる閾値のばらつきを抑えることができる。
【0139】
上述したレーザ光の照射により、結晶性がより高められた半導体膜704が形成される。なお、予め半導体膜704に、スパッタ法、プラズマCVD法、熱CVD法などで形成した多結晶半導体を用いるようにしても良い。
【0140】
また本実施例では半導体膜704を結晶化しているが、結晶化せずに非晶質半導体膜または微結晶半導体膜のまま、後述のプロセスに進んでも良い。非晶質半導体、微結晶半導体を用いたTFTは、多結晶半導体を用いたTFTよりも作製工程が少ない分、コストを抑え、歩留まりを高くすることができるというメリットを有している。
【0141】
非晶質半導体は、珪素を含む気体をグロー放電分解することにより得ることができる。珪素を含む気体としては、SiH、Siが挙げられる。この珪素を含む気体を、水素、水素及びヘリウムで希釈して用いても良い。
【0142】
次に半導体膜704に対して、p型を付与する不純物元素又はn型を付与する不純物元素を低濃度に添加するチャネルドープを行う。チャネルドープは半導体膜704全体に対して行っても良いし、半導体膜704の一部に対して選択的に行っても良い。p型を付与する不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。n型を付与する不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。ここでは、不純物元素として、ボロン(B)を用い、当該ボロンが1×1016〜5×1017/cmの濃度で含まれるよう添加する。
【0143】
次に図13(B)に示すように、半導体膜704を所定の形状に加工(パターニング)し、島状の半導体膜705〜708を形成する。そして、島状の半導体膜705〜708を覆うように、ゲート絶縁膜709を形成する。ゲート絶縁膜709は、プラズマCVD法またはスパッタリング法などを用い、窒化珪素、酸化珪素、窒化酸化珪素または酸化窒化珪素を含む膜を、単層で、または積層させて形成することができる。積層する場合には、例えば、基板700側から酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化珪素膜の3層構造とするのが好ましい。
【0144】
ゲート絶縁膜709は、高密度プラズマ処理を行うことにより島状の半導体膜705〜708の表面を酸化または窒化することで形成しても良い。高密度プラズマ処理は、例えばHe、Ar、Kr、Xeなどの希ガスと酸素、酸化窒素、アンモニア、窒素、水素などの混合ガスとを用いて行う。この場合プラズマの励起をマイクロ波の導入により行うことで、低電子温度で高密度のプラズマを生成することができる。このような高密度のプラズマで生成された酸素ラジカル(OHラジカルを含む場合もある)や窒素ラジカル(NHラジカルを含む場合もある)によって、半導体膜の表面を酸化または窒化することにより、1〜20nm、代表的には5〜10nmの絶縁膜が半導体膜に接するように形成される。この5〜10nmの絶縁膜をゲート絶縁膜709として用いる。
【0145】
上述した高密度プラズマ処理による半導体膜の酸化または窒化は固相反応で進むため、ゲート絶縁膜と半導体膜の界面準位密度をきわめて低くすることができる。また高密度プラズマ処理により半導体膜を直接酸化または窒化することで、形成される絶縁膜の厚さのばらつきを抑えることが出来る。また半導体膜が結晶性を有する場合、高密度プラズマ処理を用いて半導体膜の表面を固相反応で酸化させることにより、結晶粒界においてのみ酸化が速く進んでしまうのを抑え、均一性が良く、界面準位密度の低いゲート絶縁膜を形成することができる。高密度プラズマ処理により形成された絶縁膜を、ゲート絶縁膜の一部または全部に含んで形成されるトランジスタは、特性のばらつきを抑えることができる。
【0146】
次に図13(C)に示すように、ゲート絶縁膜709上に導電膜を形成した後、該導電膜を所定の形状に加工(パターニング)することで、島状の半導体膜705〜708の上方に電極710を形成する。本実施例では積層された2つの導電膜をパターニングして電極710を形成する。導電膜は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等を用いることが出来る。また上記金属を主成分とする合金を用いても良いし、上記金属を含む化合物を用いても良い。または、半導体膜に導電性を付与するリン等の不純物元素をドーピングした、多結晶珪素などの半導体を用いて形成しても良い。
【0147】
本実施例では、1層目の導電膜として窒化タンタル膜またはタンタル(Ta)膜を、2層目の導電膜としてタングステン(W)膜を用いる。2つの導電膜の組み合わせとして、本実施例で示した例の他に、窒化タングステン膜とタングステン膜、窒化モリブデン膜とモリブデン膜、アルミニウム膜とタンタル膜、アルミニウム膜とチタン膜等が挙げられる。タングステンや窒化タンタルは、耐熱性が高いため、2層の導電膜を形成した後の工程において、熱活性化を目的とした加熱処理を行うことができる。また、2つの導電膜の組み合わせとして、例えば、n型を付与する不純物がドーピングされた珪素とニッケルシリサイド、n型を付与する不純物がドーピングされたSiとWSix等も用いることが出来る。
【0148】
また、本実施例では電極710を積層された2つの導電膜で形成しているが、本実施例はこの構成に限定されない。電極710は単層の導電膜で形成されていても良いし、3つ以上の導電膜を積層することで形成されていても良い。3つ以上の導電膜を積層する3層構造の場合は、モリブデン膜とアルミニウム膜とモリブデン膜の積層構造を採用するとよい。
【0149】
導電膜の形成にはCVD法、スパッタリング法等を用いることが出来る。本実施例では1層目の導電膜を20〜100nmの厚さで形成し、2層目の導電膜を100〜400nmの厚さで形成する。
【0150】
なお電極710を形成する際に用いるマスクとして、レジストの代わりに酸化珪素、酸化窒化珪素等をマスクとして用いてもよい。この場合、パターニングして酸化珪素、酸化窒化珪素等のマスクを形成する工程が加わるが、エッチング時におけるマスクの膜減りがレジストよりも少ないため、所望の幅を有する電極710を形成することができる。またマスクを用いずに、液滴吐出法を用いて選択的に電極710を形成しても良い。
【0151】
なお液滴吐出法とは、所定の組成物を含む液滴を細孔から吐出または噴出することで所定のパターンを形成する方法を意味し、インクジェット法などがその範疇に含まれる。
【0152】
次に、電極710をマスクとして、島状の半導体膜705〜708に、n型を付与する不純物元素(代表的にはP(リン)またはAs(砒素))を低濃度にドープする(第1のドーピング工程)。第1のドーピング工程の条件は、ドーズ量:1×1015〜1×1019/cm、加速電圧:50〜70keVとしたが、これに限定されるものではない。この第1のドーピング工程によって、ゲート絶縁膜709を介してドーピングがなされ、島状の半導体膜705〜708に、低濃度不純物領域711がそれぞれ形成される。なお、第1のドーピング工程は、pチャネル型TFTとなる島状の半導体膜706をマスクで覆って行っても良い。
【0153】
次に図14(A)に示すように、nチャネル型TFTとなる島状の半導体膜705、707、708を覆うように、マスク712を形成する。そしてマスク712に加えて電極710をマスクとして用い、島状の半導体膜706に、p型を付与する不純物元素(代表的にはB(ホウ素))を高濃度にドープする(第2のドーピング工程)。第2のドーピング工程の条件は、ドーズ量:1×1019〜1×1020/cm、加速電圧:20〜40keVとして行なう。この第2のドーピング工程によって、ゲート絶縁膜709を介してドーピングがなされ、島状の半導体膜706に、p型の高濃度不純物領域713が形成される。
【0154】
次に図14(B)に示すように、マスク712をアッシング等により除去した後、ゲート絶縁膜709及び電極710を覆うように、絶縁膜を形成する。該絶縁膜は、プラズマCVD法やスパッタリング法等により、珪素膜、酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜または窒化酸化珪素膜や、有機樹脂などの有機材料を含む膜を、単層または積層して形成する。本実施例では、膜厚100nmの酸化珪素膜をプラズマCVD法によって形成する。
【0155】
そして、垂直方向を主体とした異方性エッチングにより、ゲート絶縁膜709及び該絶縁膜を部分的にエッチングする。上記異方性エッチングによりゲート絶縁膜709が部分的にエッチングされて、島状の半導体膜705〜708上に部分的に形成されたゲート絶縁膜714が形成される。また上記異方性エッチングにより、ゲート絶縁膜709及び電極710を覆うように形成された絶縁膜が部分的にエッチングされて、電極710の側面に接するサイドウォール715が形成される。サイドウォール715は、LDD(Lightly Doped drain)領域を形成する際のドーピング用のマスクとして用いる。本実施例ではエッチングガスとしては、CHFとHeの混合ガスを用いる。なお、サイドウォール715を形成する工程は、これらに限定されるものではない。
【0156】
次に図14(C)に示すように、pチャネル型TFTとなる島状の半導体膜706を覆うようにマスク716を形成する。そして、形成したマスク716に加えて電極710及びサイドウォール715をマスクとして用い、n型を付与する不純物元素(代表的にはPまたはAs)を島状の半導体膜705、707、708に高濃度にドープする(第3のドーピング工程)。第3のドーピング工程の条件は、ドーズ量:1×1019〜1×1020/cm、加速電圧:60〜100keVとして行なう。この第3のドーピング工程によって、島状の半導体膜705、707、708に、n型の高濃度不純物領域717が形成される。
【0157】
なおサイドウォール715は、後に高濃度のn型を付与する不純物をドーピングし、サイドウォール715の下部に低濃度不純物領域またはノンドープのオフセット領域を形成する際のマスクとして機能するものである。よって、低濃度不純物領域またはオフセット領域の幅を制御するには、サイドウォール715を形成する際の異方性エッチングの条件またはサイドウォール715を形成するための絶縁膜の膜厚を適宜変更し、サイドウォール715のサイズを調整すればよい。なお、半導体膜706において、サイドウォール715の下部に低濃度不純物領域またはノンドープのオフセット領域を形成しても良い。
【0158】
次に、マスク716をアッシング等により除去した後、不純物領域の加熱処理による活性化を行っても良い。例えば、50nmの酸化窒化珪素膜を形成した後、550℃、4時間、窒素雰囲気中において、加熱処理を行なえばよい。
【0159】
また、水素を含む窒化珪素膜を、100nmの膜厚に形成した後、410℃、1時間、窒素雰囲気中において加熱処理を行ない、島状の半導体膜705〜708を水素化する工程を行なっても良い。或いは、水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の加熱処理を行ない、島状の半導体膜705〜708を水素化する工程を行なっても良い。加熱処理には、熱アニール、レーザーアニール法またはRTA法などを用いることが出来る。加熱処理により、水素化のみならず、半導体膜に添加された不純物元素の活性化も行うことが出来る。また、水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)を行っても良い。この水素化の工程により、熱的に励起された水素によりダングリングボンドを終端することができる。
【0160】
上述した一連の工程により、nチャネル型TFT718、721と、容量720と、pチャネル型TFT719とが形成される。なお容量720は、電極として機能する島状の半導体膜707と、ゲート絶縁膜714と、電極710とで形成されている。
【0161】
次に図15(A)に示すように、TFT718、719、721及び容量720を保護するための絶縁膜722を形成する。絶縁膜722は必ずしも設ける必要はないが、絶縁膜722を形成することで、アルカリ金属やアルカリ土類金属などの不純物がTFT718、719、721及び容量720へ侵入するのを防ぐことが出来る。具体的に絶縁膜722として、窒化珪素、窒化酸化珪素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素などを用いるのが望ましい。本実施例では、膜厚600nm程度の酸化窒化珪素膜を、絶縁膜722として用いる。この場合、上記水素化の工程は、該酸化窒化珪素膜形成後に行っても良い。
【0162】
次に、TFT718、719、721及び容量720を覆うように、絶縁膜722上に絶縁膜723を形成する。絶縁膜723は、アクリル、ポリイミド、ベンゾシクロブテン、ポリアミド、エポキシ等の、耐熱性を有する有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)、アルミナ等を用いることができる。シロキサン系樹脂は、置換基に水素の他、フッ素、アルキル基、または芳香族炭化水素のうち少なくとも1種を有していても良い。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、絶縁膜723を形成しても良い。
【0163】
絶縁膜723の形成には、その材料に応じて、CVD法、スパッタ法、SOG法、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン印刷、オフセット印刷等)、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター等を用いることができる。
【0164】
次に島状の半導体膜705〜708がそれぞれ一部露出するように絶縁膜722及び絶縁膜723にコンタクトホールを形成する。そして、導電膜724と、該コンタクトホールを介して島状の半導体膜705〜708に接する導電膜725〜732とを形成する。コンタクトホール開口時のエッチングに用いられるガスは、CHFとHeの混合ガスを用いたが、これに限定されるものではない。
【0165】
導電膜724〜732は、CVD法やスパッタリング法等により形成することができる。具体的に導電膜724〜732として、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジム(Nd)、炭素(C)、珪素(Si)等を用いることが出来る。また上記金属を主成分とする合金を用いても良いし、上記金属を含む化合物を用いても良い。導電膜724〜732は、上記金属が用いられた膜を単層または複数積層させて形成することが出来る。
【0166】
アルミニウムを主成分とする合金の例として、アルミニウムを主成分としニッケルを含むものが挙げられる。また、アルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素または珪素の一方または両方とを含むものも例として挙げることが出来る。アルミニウムやアルミニウムシリコンは抵抗値が低く、安価であるため、導電膜724〜732を形成する材料として最適である。特にアルミニウムシリコン膜は、導電膜724〜732をパターニングするとき、レジストベークにおけるヒロックの発生をアルミニウム膜に比べて防止することができる。また、珪素(Si)の代わりに、アルミニウム膜に0.5%程度のCuを混入させても良い。
【0167】
導電膜724〜732は、例えば、バリア膜とアルミニウムシリコン膜とバリア膜の積層構造、バリア膜とアルミニウムシリコン膜と窒化チタン膜とバリア膜の積層構造を採用するとよい。なお、バリア膜とは、チタン、チタンの窒化物、モリブデンまたはモリブデンの窒化物を用いて形成された膜である。アルミニウムシリコン膜を間に挟むようにバリア膜を形成すると、アルミニウムやアルミニウムシリコンのヒロックの発生をより防止することができる。また、還元性の高い元素であるチタンを用いてバリア膜を形成すると、島状の半導体膜705〜708上に薄い酸化膜ができていたとしても、バリア膜に含まれるチタンがこの酸化膜を還元し、導電膜725〜732と島状の半導体膜705〜708が良好なコンタクトをとることができる。またバリア膜を複数積層するようにして用いても良い。その場合、例えば、導電膜724〜732を下層からチタン、窒化チタン、アルミニウムシリコン、チタン、窒化チタンの5層構造とすることが出来る。
【0168】
なお、導電膜725、726はnチャネル型TFT718の高濃度不純物領域717に接続されている。導電膜727、728はpチャネル型TFT719の高濃度不純物領域713に接続されている。導電膜731、732はnチャネル型TFT721の高濃度不純物領域717に接続されている。導電膜729、730は容量720の高濃度不純物領域717に接続されている。
【0169】
次に図15(B)に示すように、導電膜724〜732を覆うように絶縁膜733を形成し、その後、導電膜724、732の一部が露出するように、該絶縁膜733にコンタクトホールを形成する。そして該コンタクトホールおいて導電膜724と接するように導電膜734を、また導電膜732と接するように導電膜735を形成する。導電膜724〜732に用いることが出来る材料であるならば、導電膜734、735の材料として使用することが出来る。
【0170】
絶縁膜733は、有機樹脂膜、無機絶縁膜またはシロキサン系絶縁膜を用いて形成することができる。有機樹脂膜ならば、例えばアクリル、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテンなどを用いることが出来る。無機絶縁膜ならば酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)に代表される炭素を含む膜などを用いることができる。なおフォトリソグラフィ法で開口部を形成するのに用いるマスクを、液滴吐出法または印刷法で形成することができる。また絶縁膜733はその材料に応じて、CVD法、スパッタ法、液滴吐出法または印刷法などで形成することが出来る。
【0171】
次に図15(C)に示すように、導電膜734、735を覆うように、絶縁膜733上に保護層736を形成する。保護層736は、後に剥離層702を境にして基板700を剥離する際に、絶縁膜733、導電膜734、735を保護することができる材料を用いる。例えば、水またはアルコール類に可溶なエポキシ系、アクリレート系、シリコン系の樹脂を全面に塗布することで保護層736を形成することができる。
【0172】
本実施例では、スピンコート法で水溶性樹脂(東亜合成製:VL−WSHL10)を膜厚30μmとなるように塗布し、仮硬化させるために2分間の露光を行ったあと、紫外線を裏面から2.5分、表面から10分、合計12.5分の露光を行って本硬化させて、保護層736を形成する。なお、複数の有機樹脂を積層する場合、有機樹脂同士では使用している溶媒によって塗布または焼成時に一部溶解する、密着性が高くなりすぎるなどの恐れがある。従って、絶縁膜733と保護層736を共に同じ溶媒に可溶な有機樹脂を用いる場合、後の工程において保護層736の除去がスムーズに行なわれるように、絶縁膜733を覆うように、無機絶縁膜(窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、AlN膜、またはAlN膜)を形成しておくことが好ましい。
【0173】
次に図15(C)に示すように、絶縁膜703から絶縁膜733上に形成された導電膜734、735までの、TFTに代表される半導体素子や各種導電膜を含む層(以下、「素子形成層738」と記す)と、保護層736とを、基板700から剥離する。本実施例では、第1のシート材737を保護層736に貼り合わせ、物理的な力を用いて基板700から素子形成層738と、保護層736とを剥離する。剥離層702は、全て除去せず一部が残存した状態であっても良い。
【0174】
また上記剥離は、剥離層702のエッチングを用いた方法で行っても良い。この場合、剥離層702が一部露出するように溝を形成する。溝は、ダイシング、スクライビング、UV光を含むレーザ光を用いた加工、フォトリソグラフィ法などにより、溝を形成する。溝は、剥離層702が露出する程度の深さを有していれば良い。そしてエッチングガスとしてフッ化ハロゲンを用い、該ガスを溝から導入する。本実施例では、例えばClF(三フッ化塩素)を用い、温度:350℃、流量:300sccm、気圧:800Pa、時間:3hの条件で行なう。また、ClFガスに窒素を混ぜたガスを用いても良い。ClF等のフッ化ハロゲンを用いることで、剥離層702が選択的にエッチングされ、基板700を素子形成層738から剥離することができる。なおフッ化ハロゲンは、気体であっても液体であってもどちらでも良い。
【0175】
次に図16(A)に示すように、素子形成層738の上記剥離により露出した面に、第2のシート材744を貼り合わせる。そして、素子形成層738及び保護層736を第1のシート材737から剥離した後、保護層736を除去する。
【0176】
第2のシート材744として、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、可撓性を有する紙またはプラスチックなどの有機材料を用いることができる。または第2のシート材744として、フレキシブルな無機材料を用いていても良い。プラスチック基板は、極性基のついたポリノルボルネンからなるARTON(JSR製)を用いることができる。また、ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表されるポリエステル、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂などが挙げられる。
【0177】
なお基板700上に複数の記録担体に対応する半導体素子を形成している場合には、素子形成層738を記録担体ごとに分断する。分断は、レーザ照射装置、ダイシング装置、スクライブ装置等を用いることができる。
【0178】
次に図16(B)に示すように、メモリ性を有する表示材料を用いて画素部を形成する。本実施例ではマイクロカプセル739を含む表示材料745を用いた例を示す。表示材料745は、例えば印刷法を用いることで、電極として機能する導電膜735上に選択的に塗布することが出来る。そして表示材料745を導電膜735と導電膜740の間に挟むように、導電膜740が形成された基板741を第2のシート材744に貼り合わせる。導電膜735に用いることが出来る材料であれば、導電膜740の材料として使用することが出来る。
【0179】
本実施例ではマイクロカプセル739として、青色の溶液中にTiを含む白色の微粒子が複数分散されているタイプのものを用いている。このマイクロカプセル739に電圧を印加することで、白色の微粒子がマイクロカプセル739中で電気泳動し、電圧の極性に応じて白または青の表示を行うことが出来る。
【0180】
なお本発明で用いることが出来るマイクロカプセルは、このタイプに限定されない。例えば本発明では、白色及び黒色が半球ずつに分かれ、それぞれの半球が異なる電荷に帯電するような球状のマイクロカプセルを用いていても良い。このタイプのマイクロカプセルを用いる場合、マイクロカプセルが電圧の印加により自由に回転することが出来るよう、表示材料中にマイクロカプセルを浮遊させるための溶媒を設ける。
【0181】
次に図16(B)に示すように、支持体746に形成されたアンテナ742を導電膜734と電気的に接続させる。アンテナ742と導電膜734との電気的な接続は、異方導電性フィルム(ACF(Anisotropic Conductive Film))743でアンテナ742と導電膜734とを圧着させることにより行うことが出来る。異方導電性フィルムの他に、異方導電性ペースト(ACP(Anisotropic Conductive Paste))等を用いて圧着させても良い。また、銀ペースト、銅ペーストまたはカーボンペースト等の導電性接着剤や半田接合等を用いて接続を行うことも可能である。
【0182】
なお本実施例では、半導体素子を形成した後に、別途用意したアンテナ742を半導体素子に電気的に接続させる例について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。アンテナを半導体素子と同じ基板上に形成するようにしても良い。この場合、アンテナとして機能する導電膜を、その一部が導電膜734と接するように形成すれば良い。アンテナとして機能する導電膜は、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)などの金属を用いて形成することが出来る。アンテナとして機能する導電膜は、上記金属で形成された膜の他に、上記金属を主成分とする合金で形成された膜、或いは上記金属を含む化合物を用いて形成された膜を用いても良い。アンテナとして機能する導電膜は、上述した膜を単層で用いても良いし、上述した複数の膜を積層して用いても良い。
【0183】
アンテナとして機能する導電膜は、CVD法、スパッタリング法、スクリーン印刷やグラビア印刷等の印刷法、液滴吐出法、ディスペンサ法、めっき法、フォトリソグラフィ法、蒸着法等を用いて形成することが出来る。
【0184】
例えばスクリーン印刷法を用いる場合、粒径が数nmから数十μmの導電性を有する粒子(導電体粒子)を有機樹脂に分散させた導電性のペーストを、絶縁膜733上に選択的に印刷することでアンテナとして機能する導電膜を形成することができる。導電体粒子は、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、錫(Sn)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)またはチタン(Ti)等を用いて形成することが出来る。導電体粒子は上記金属で形成されたものの他に、上記金属を主成分とする合金で形成されていても良いし、上記金属を含む化合物を用いて形成されていても良い。またハロゲン化銀の微粒子または分散性ナノ粒子も用いることができる。また、導電性ペーストに含まれる有機樹脂として、ポリイミド、シロキサン系樹脂、エポキシ樹脂、珪素樹脂等を用いることが出来る。
【0185】
上記金属の合金の一例として、銀(Ag)とパラジウム(Pd)、銀(Ag)と白金(Pt)、金(Au)と白金(Pt)、金(Au)とパラジウム(Pd)、銀(Ag)と銅(Cu)の組み合わせが挙げられる。また例えば、銅(Cu)を銀(Ag)でコートした導電体粒子なども用いることが可能である。
【0186】
なおアンテナとして機能する導電膜の形成にあたり、印刷法や液滴吐出法で導電性のペーストを押し出した後に焼成することが好ましい。例えば、導電性のペーストに、銀を主成分とする導電体粒子(例えば粒径1nm以上100nm以下)を用いる場合、150〜300℃の温度範囲で焼成することにより、アンテナとして機能する導電膜を形成することができる。焼成は、赤外ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプなどを用いたランプアニールで行なっても良いし、電気炉を用いたファーネスアニールで行なっても良い。またエキシマレーザや、Nd:YAGレーザを用いたレーザーアニール法で行なっても良い。また、半田や鉛フリーの半田を主成分とする微粒子を用いてもよく、この場合は粒径20μm以下の微粒子を用いることが好ましい。半田や鉛フリーの半田は、低コストであるといった利点を有している。
【0187】
印刷法、液滴吐出法を用いることで、露光用のマスクを用いずともアンテナとして機能する導電膜を形成することが可能になる。また、液滴吐出法、印刷法だと、フォトリソグラフィ法と異なり、エッチングにより除去されてしまうような材料の無駄がない。また高価な露光用のマスクを用いなくとも良いので、記録担体の作製に費やされるコストを抑えることができる。
【0188】
なお本実施例では素子形成層738を基板700から剥離して利用する例を示しているが、剥離層702を設けずに、基板700上に上述の素子形成層738を作製し、記録担体として利用しても良い。
【0189】
また本実施例では、全てのTFT718、719、721と、容量720とにおいて、ゲート絶縁膜714の膜厚を全て同じにしているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば容量720が有するゲート絶縁膜714の膜厚と、TFT718、719、721が有するゲート絶縁膜714の膜厚とが異なるようにしても良い。或いは、より高速での駆動が要求される回路において、他の回路よりもTFTが有するゲート絶縁膜の膜厚を薄くするようにしても良い。
【0190】
なお本実施例では薄膜トランジスタを例に挙げて説明しているが、本発明はこの構成に限定されない。薄膜トランジスタの他に、単結晶シリコンを用いて形成されたトランジスタ、SOIを用いて形成されたトランジスタなども用いることができる。また、有機半導体を用いたトランジスタであっても良いし、カーボンナノチューブを用いたトランジスタであってもよい。
【0191】
本実施例は、上記実施の形態、実施例と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【実施例6】
【0192】
本実施例では、単結晶基板に形成された半導体素子上に絶縁膜を形成する、本発明の作製方法について説明する。なお本実施例では半導体素子としてトランジスタを用いた場合を例に挙げて説明するが、単結晶基板に形成される半導体素子はトランジスタに限定されない。
【0193】
まず図17(A)に示すように、半導体基板800に形成されたトランジスタ801及びトランジスタ802を覆うように、絶縁膜803を形成する。
【0194】
半導体基板800は、例えば、n型またはp型の導電型を有する単結晶シリコン基板、化合物半導体基板(GaAs基板、InP基板、GaN基板、SiC基板、サファイア基板、ZnSe基板等)、貼り合わせ法またはSIMOX(Separation by Implanted Oxygen)法を用いて作製されたSOI(Silicon on Insulator)基板等を用いることができる。
【0195】
トランジスタ801とトランジスタ802は、互いに素子分離用絶縁膜804により電気的に分離されている。素子分離用絶縁膜804の形成には、選択酸化法(LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法)またはトレンチ分離法等を用いることができる。
【0196】
また半導体基板800にはpウェル805が形成されており、該pウェル805にトランジスタ802が形成されている。なお本実施例ではn型の導電型を有する単結晶シリコン基板を半導体基板800として用い、該半導体基板800にpウェル805を形成した例を示している。半導体基板800に形成されたpウェル805は、p型の導電型を付与する不純物元素を半導体基板800に選択的に導入することによって形成することができる。p型を付与する不純物元素としては、ボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)等を用いることができる。
【0197】
なお本実施例では、半導体基板800としてn型の導電型を有する半導体基板を用いているため、トランジスタ801が形成される領域にはnウェルを形成していない。しかし、n型を付与する不純物元素を導入することにより、トランジスタ801が形成される領域にnウェルを形成してもよい。n型を付与する不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。
【0198】
また半導体基板800としてp型の導電型を有する半導体基板を用いる場合、該半導体基板にn型を付与する不純物元素を選択的に導入し、nウェルを形成すれば良い。そして該nウェルにトランジスタ801を形成することができる。
【0199】
トランジスタ801及びトランジスタ802は、ゲート絶縁膜806を有している。本実施例では、半導体基板800を熱酸化することで形成された酸化珪素膜を、ゲート絶縁膜806として用いる。また、熱酸化により酸化珪素膜を形成した後、窒化処理を行うことによって酸化珪素膜の表面を窒化させて酸窒化珪素膜を形成し、酸化珪素膜と酸窒化珪素膜とが積層された層を、ゲート絶縁膜806として用いても良い。また熱酸化ではなく、プラズマ処理を用いてゲート絶縁膜806を形成してもよい。例えば、高密度プラズマ処理により半導体基板800の表面を酸化または窒化することで、ゲート絶縁膜806として用いる酸化珪素(SiOx)膜または窒化珪素(SiNx)膜を形成することができる。
【0200】
またトランジスタ801及びトランジスタ802は、ゲート絶縁膜806上に導電膜807を有している。本実施例では導電膜807が、順に積層された2層の導電膜で形成されている例を示している。導電膜807は、単層の導電膜を用いていても良いし、3層以上の導電膜が積層された構造を用いていても良い。
【0201】
導電膜807として、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等を用いることが出来る。また導電膜807は、上記金属で形成された膜の他に、上記金属を主成分とする合金で形成された膜、或いは上記金属を含む化合物を用いて形成された膜を用いても良い。または、半導体膜に導電性を付与するリン等の不純物元素をドーピングした、多結晶珪素などの半導体を用いて形成しても良い。本実施例において導電膜807は、窒化タンタルを用いた導電膜と、タングステンを用いた導電膜とが積層された構成を有している。
【0202】
またトランジスタ801は、半導体基板800にソース領域またはドレイン領域として機能する一対の不純物領域809を有する。そして一対の不純物領域809の間が、トランジスタ801のチャネル形成領域に相当する。不純物元素としては、n型を付与する不純物元素またはp型を付与する不純物元素を用いる。n型を付与する不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型を付与する不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。本実施例では、不純物元素としてボロン(B)を用いる。
【0203】
またトランジスタ802は、半導体基板800のpウェル805にソース領域またはドレイン領域として機能する一対の不純物領域808を有する。そして一対の不純物領域808の間が、トランジスタ802のチャネル形成領域に相当する。不純物元素は、n型を付与する不純物元素またはp型を付与する不純物元素を用いる。n型を付与する不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型を付与する不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。本実施例では、不純物元素として、リン(P)を用いる。
【0204】
次に絶縁膜803にコンタクトホールを形成し、不純物領域808、809を一部露出させる。次にコンタクトホールを介して不純物領域808、809と接続する導電膜810〜813を形成する。導電膜810〜813は、CVD法やスパッタリング法等により形成することができる。
【0205】
絶縁膜803は、無機絶縁膜、有機樹脂膜またはシロキサン系絶縁膜を用いて形成することができる。無機絶縁膜ならば酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)に代表される炭素を含む膜などを用いることができる。有機樹脂膜ならば、例えばアクリル、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテンなどを用いることが出来る。また絶縁膜803はその材料に応じて、CVD法、スパッタ法、液滴吐出法または印刷法などで形成することが出来る。
【0206】
なお本発明の記録担体に用いるトランジスタは、本実施例において図示した構造に限定されるものではない。例えば、逆スタガ構造であっても良い。
【0207】
次に図17(B)に示すように絶縁膜815を形成する。そして絶縁膜815をエッチングしコンタクトホールを形成し、導電膜810、813の一部を露出させる。絶縁膜815は樹脂には限定せず、CVD酸化膜など他の膜であっても良いが、平坦性の観点から樹脂であることが望ましい。また、感光性樹脂を用いて、エッチングを用いずにコンタクトホールを形成しても良い。次に絶縁膜815上に、コンタクトホールを介して導電膜810と接する導電膜816、導電膜813と接する導電膜817を形成する。
【0208】
次に導電膜816に接するように、絶縁膜815上に電極818を形成する。図17(B)では、光を反射しやすい導電膜を用いて電極818を形成し、反射型の液晶素子を作製する例を示すが、本発明はこの構成に限定されない。画素電極を透明導電膜で形成することで、透過型の液晶素子を形成することができる。なお反射型の液晶素子の場合、電極818を敢えて設けず、導電膜816の一部を電極として用いることもできる。また液晶素子に限らず、メモリ性を有する表示材料を用いた表示素子、有機発光素子(OLED)に代表される発光素子なども用いることができる。
【0209】
そして、導電膜816、電極818を覆うように、配向膜819を形成し、ラビング処理を施す。配向膜819は、表示装置となる領域に、パターニング等により選択的に形成する。
【0210】
次に液晶を封止するためのシール材820を形成する。一方、透明導電膜を用いた電極821と、ラビング処理が施された配向膜822とが形成された基板823を用意する。そして、シール材820で囲まれた領域に液晶824を滴下し、別途用意しておいた基板823を、電極821と電極818とが向かい合うように、シール材820を用いて貼り合わせる。なおシール材820にはフィラーが混入されていても良い。
【0211】
なお、カラーフィルタや、ディスクリネーションを防ぐための遮蔽膜(ブラックマトリクス)などが形成されていても良い。また、基板823の電極821が形成されている面とは逆の面に、偏光板825を貼り合わせておく。
【0212】
電極818または電極821に用いられる透明導電膜には、例えば酸化珪素を含む酸化インジウムスズ(ITSO)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)などを用いることができる。電極818と液晶824と電極821が重なり合うことで、液晶素子826が形成されている。
【0213】
上述した液晶の注入は、ディスペンサ式(滴下式)を用いているが、本発明はこれに限定されない。基板823を貼り合わせてから液晶を注入するディップ式(汲み上げ式)を用いていても良い。
【0214】
次に、支持体830に形成されたアンテナ831を導電膜817と電気的に接続させる。アンテナ831と導電膜817との電気的な接続は、異方導電性フィルム(ACF(Anisotropic Conductive Film))832でアンテナ831と導電膜817とを圧着させることにより行うことが出来る。異方導電性フィルムの他に、異方導電性ペースト(ACP(Anisotropic Conductive Paste))等を用いて圧着させても良い。また、銀ペースト、銅ペーストまたはカーボンペースト等の導電性接着剤や半田接合等を用いて接続を行うことも可能である。
【0215】
なお本実施例では、半導体素子を形成した後に、別途用意したアンテナ831を半導体素子に電気的に接続させる例について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。アンテナを半導体素子と同じ基板上に形成するようにしても良い。この場合、アンテナとして機能する導電膜を、その一部が導電膜817と接するように形成すれば良い。アンテナとして機能する導電膜は、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、ニッケル(Ni)などの金属を用いて形成することが出来る。アンテナとして機能する導電膜は、上記金属で形成された膜の他に、上記金属を主成分とする合金で形成された膜、或いは上記金属を含む化合物を用いて形成された膜を用いても良い。アンテナとして機能する導電膜は、上述した膜を単層で用いても良いし、上述した複数の膜を積層して用いても良い。
【0216】
アンテナとして機能する導電膜は、CVD法、スパッタリング法、スクリーン印刷やグラビア印刷等の印刷法、液滴吐出法、ディスペンサ法、めっき法、フォトリソグラフィ法、蒸着法等を用いて形成することが出来る。
【0217】
例えばスクリーン印刷法を用いる場合、粒径が数nmから数十μmの導電性を有する粒子(導電体粒子)を有機樹脂に分散させた導電性のペーストを、絶縁膜733上に選択的に印刷することでアンテナとして機能する導電膜を形成することができる。導電体粒子は、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、錫(Sn)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)またはチタン(Ti)等を用いて形成することが出来る。導電体粒子は上記金属で形成されたものの他に、上記金属を主成分とする合金で形成されていても良いし、上記金属を含む化合物を用いて形成されていても良い。またハロゲン化銀の微粒子または分散性ナノ粒子も用いることができる。また、導電性ペーストに含まれる有機樹脂として、ポリイミド、シロキサン系樹脂、エポキシ樹脂、珪素樹脂等を用いることが出来る。
【0218】
上記金属の合金の一例として、銀(Ag)とパラジウム(Pd)、銀(Ag)と白金(Pt)、金(Au)と白金(Pt)、金(Au)とパラジウム(Pd)、銀(Ag)と銅(Cu)の組み合わせが挙げられる。また例えば、銅(Cu)を銀(Ag)でコートした導電体粒子なども用いることが可能である。
【0219】
なおアンテナとして機能する導電膜の形成にあたり、印刷法や液滴吐出法で導電性のペーストを押し出した後に焼成することが好ましい。例えば、導電性のペーストに、銀を主成分とする導電体粒子(例えば粒径1nm以上100nm以下)を用いる場合、150〜300℃の温度範囲で焼成することにより、アンテナとして機能する導電膜を形成することができる。焼成は、赤外ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプなどを用いたランプアニールで行なっても良いし、電気炉を用いたファーネスアニールで行なっても良い。またエキシマレーザや、Nd:YAGレーザを用いたレーザーアニール法で行なっても良い。また、半田や鉛フリーの半田を主成分とする微粒子を用いてもよく、この場合は粒径20μm以下の微粒子を用いることが好ましい。半田や鉛フリーの半田は、低コストであるといった利点を有している。
【0220】
印刷法、液滴吐出法を用いることで、露光用のマスクを用いずともアンテナとして機能する導電膜を形成することが可能になる。また、液滴吐出法、印刷法だと、フォトリソグラフィ法と異なり、エッチングにより除去されてしまうような材料の無駄がない。また高価な露光用のマスクを用いなくとも良いので、記録担体の作製に費やされるコストを抑えることができる。
【0221】
なお、本実施例は、上記実施の形態または実施例と適宜組み合わせて実施することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0222】
【図1】本発明の記録担体の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の記録担体の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の記録担体の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の記録担体の構成を示すブロック図。
【図5】本発明の記録担体の構成を示すブロック図。
【図6】本発明の記録担体の構成を示すブロック図。
【図7】本発明の記録担体の構成を示すブロック図。
【図8】本発明の記録担体の構成を示す斜視図
【図9】本発明の記録担体が有する画素部の構成を示す上面図及び断面図。
【図10】本発明の記録担体が有する画素部の構成を示す上面図及び断面図。
【図11】本発明の記録担体が有する画素部の構成を示す上面図。
【図12】本発明の記録担体が有する画素部の構成を示す上面図。
【図13】本発明の記録担体の作製方法を示す図。
【図14】本発明の記録担体の作製方法を示す図。
【図15】本発明の記録担体の作製方法を示す図。
【図16】本発明の記録担体の作製方法を示す図。
【図17】本発明の記録担体の作製方法を示す図。
【符号の説明】
【0223】
100 記録担体
101 アンテナ回路
102 集積回路
103 蓄電池
104 表示装置
105 電源回路
106 復調回路
107 変調回路
108 制御回路
109 メモリ
110 充電回路
111 一次電池
112 映像信号生成回路
113 コンバータ
114 駆動回路
115 画素部
120 質問器
200 記録担体
201 アンテナ回路
202 集積回路
203 蓄電池
204 表示装置
205 電源回路
206 復調回路
207 変調回路
208 制御回路
209 メモリ
210 充電回路
211 一次電池
212 映像信号生成回路
214 駆動回路
215 画素部
216 映像信号用メモリ
220 質問器
300 記録担体
301 アンテナ回路
302 集積回路
303 蓄電池
304 表示装置
305 電源回路
306 復調回路
307 変調回路
308 制御回路
309 メモリ
310 充電回路
311 一次電池
312 映像信号生成回路
313 コンバータ
314 駆動回路
315 画素部
317 端子
318 インターフェース
401 アンテナ回路
402 集積回路
403 表示装置
405 基板
406 カバー材
407 開口部
500 画素部
501 第1電極駆動回路
502 第2電極駆動回路
503 画素
504 第1電極
505 第2電極
506 表示材料
507 表示素子
508 溶媒
509 ツイスティングボール
600 画素部
601 信号線駆動回路
602 走査線駆動回路
603 画素
604 第1電極
605 第2電極
606 表示材料
607 表示素子
608 溶媒
609 ツイスティングボール
610 トランジスタ
611 保持容量
612 走査線
613 信号線
700 基板
701 絶縁膜
702 剥離層
703 絶縁膜
704 半導体膜
705 半導体膜
706 半導体膜
709 ゲート絶縁膜
710 電極
711 低濃度不純物領域
712 マスク
713 高濃度不純物領域
714 ゲート絶縁膜
715 サイドウォール
716 マスク
717 高濃度不純物領域
718 TFT
718 TFT
719 TFT
720 容量
721 TFT
722 絶縁膜
723 絶縁膜
724 導電膜
725 導電膜
727 導電膜
729 導電膜
731 導電膜
732 導電膜
733 絶縁膜
734 導電膜
735 導電膜
736 保護層
737 シート材
738 素子形成層
739 マイクロカプセル
740 導電膜
741 基板
742 アンテナ
743 異方導電性フィルム
744 シート材
745 表示材料
746 支持体
800 半導体基板
801 トランジスタ
802 トランジスタ
803 絶縁膜
804 素子分離用絶縁膜
805 pウェル
806 ゲート絶縁膜
807 導電膜
808 不純物領域
809 不純物領域
810 導電膜
813 導電膜
815 絶縁膜
816 導電膜
817 導電膜
818 電極
819 配向膜
820 シール材
821 電極
822 配向膜
823 基板
824 液晶
825 偏光板
826 液晶素子
830 支持体
831 アンテナ
832 異方導電性フィルム
901 画素部
902 シンボル
903 マージン
904 画素配置領域
905 切り出しシンボル
1801 画素部
1802 シンボル
1803 マージン
1804 画素配置領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを記憶するメモリと、
質問器から無線で送られてきた信号に従って、前記メモリから前記データを読み出す制御回路と、
読み出された前記データをアルゴリズムに従って変換するコンバータと、
前記コンバータによって変換された前記データを用いて映像信号を生成する映像信号生成回路と、
前記映像信号を用いてコードを表示する表示装置と、
を有することを特徴とする記録担体。
【請求項2】
第1データを記憶する第1メモリと、
前記第1データをアルゴリズムに従って変換することで得られる第2データを記憶する第2メモリと、
質問器から無線で送られてきた信号に従って、前記第2メモリから前記第2データを読み出す制御回路と、
読み出された前記第2データを用いて映像信号を生成する映像信号生成回路と、
前記映像信号を用いてコードを表示する表示装置と、
を有することを特徴とする記録担体。
【請求項3】
データを記憶するメモリと、
質問器から無線で送られてきた信号に従って、前記メモリから前記データを読み出す制御回路と、
読み出された前記データをアルゴリズムに従って変換するコンバータと、
前記コンバータによって変換された前記データを用いて映像信号を生成する映像信号生成回路と、
前記映像信号を用いてコードを表示する表示装置と、を有し、
前記表示装置は、メモリ性を有する表示材料を用いた表示素子を有することを特徴とする記録担体。
【請求項4】
第1データを記憶する第1メモリと、
前記第1データをアルゴリズムに従って変換することで得られる第2データを記憶する第2メモリと、
質問器から無線で送られてきた信号に従って、前記第2メモリから前記第2データを読み出す制御回路と、
読み出された前記第2データを用いて映像信号を生成する映像信号生成回路と、
前記映像信号を用いてコードを表示する表示装置と、を有し、
前記表示装置は、メモリ性を有する表示材料を用いた表示素子を有することを特徴とする記録担体。
【請求項5】
データを記憶するメモリと、
質問器から無線で送られてきた信号に従って、前記メモリから前記データを読み出す制御回路と、
読み出された前記データをアルゴリズムに従って変換するコンバータと、
前記コンバータによって変換された前記データを用いて映像信号を生成する映像信号生成回路と、
前記映像信号を用いてコードを表示する表示装置と、を有し、
前記メモリは書き換えができる不揮発性メモリであることを特徴とする記録担体。
【請求項6】
第1データを記憶する第1メモリと、
前記第1データをアルゴリズムに従って変換することで得られる第2データを記憶する第2メモリと、
質問器から無線で送られてきた信号に従って、前記第2メモリから前記第2データを読み出す制御回路と、
読み出された前記第2データを用いて映像信号を生成する映像信号生成回路と、
前記映像信号を用いてコードを表示する表示装置と、を有し、
前記第1メモリまたは前記第2メモリは書き換えができる不揮発性メモリであることを特徴とする記録担体。
【請求項7】
データを記憶するメモリと、
質問器から無線で送られてきた信号に従って、前記メモリから前記データを読み出す制御回路と、
読み出された前記データをアルゴリズムに従って変換するコンバータと、
前記コンバータによって変換された前記データを用いて映像信号を生成する映像信号生成回路と、
前記映像信号を用いてコードを表示する表示装置と、を有し、
前記表示装置は、メモリ性を有する表示材料を用いた表示素子を有し、
前記メモリは書き換えができる不揮発性メモリであることを特徴とする記録担体。
【請求項8】
第1データを記憶する第1メモリと、
前記第1データをアルゴリズムに従って変換することで得られる第2データを記憶する第2メモリと、
質問器から無線で送られてきた信号に従って、前記第2メモリから前記第2データを読み出す制御回路と、
読み出された前記第2データを用いて映像信号を生成する映像信号生成回路と、
前記映像信号を用いてコードを表示する表示装置と、を有し、
前記表示装置は、メモリ性を有する表示材料を用いた表示素子を有し、
前記第1メモリまたは前記第2メモリは書き換えができる不揮発性メモリであることを特徴とする記録担体。
【請求項9】
データを記憶するメモリと、
質問器からの電波を受信して信号を生成するアンテナ回路と、
前記信号に従って、前記メモリから前記データを読み出す制御回路と、
読み出された前記データをアルゴリズムに従って変換するコンバータと、
前記コンバータによって変換された前記データを用いて映像信号を生成する映像信号生成回路と、
前記映像信号を用いてコードを表示する表示装置と、
を有することを特徴とする記録担体。
【請求項10】
第1データを記憶する第1メモリと、
質問器からの電波を受信して信号を生成するアンテナ回路と、
前記第1データをアルゴリズムに従って変換することで得られる第2データを記憶する第2メモリと、
前記信号に従って、前記第2メモリから前記第2データを読み出す制御回路と、
読み出された前記第2データを用いて映像信号を生成する映像信号生成回路と、
前記映像信号を用いてコードを表示する表示装置と、
を有することを特徴とする記録担体。
【請求項11】
データを記憶するメモリと、
質問器からの電波を受信して信号を生成するアンテナ回路と、
前記信号に従って、前記メモリから前記データを読み出す制御回路と、
読み出された前記データをアルゴリズムに従って変換するコンバータと、
前記コンバータによって変換された前記データを用いて映像信号を生成する映像信号生成回路と、
前記映像信号を用いてコードを表示する表示装置と、を有し、
前記表示装置は、メモリ性を有する表示材料を用いた表示素子を有することを特徴とする記録担体。
【請求項12】
第1データを記憶する第1メモリと、
前記第1データをアルゴリズムに従って変換することで得られる第2データを記憶する第2メモリと、
質問器からの電波を受信して信号を生成するアンテナ回路と、
前記信号に従って、前記第2メモリから前記第2データを読み出す制御回路と、
読み出された前記第2データを用いて映像信号を生成する映像信号生成回路と、
前記映像信号を用いてコードを表示する表示装置と、を有し、
前記表示装置は、メモリ性を有する表示材料を用いた表示素子を有することを特徴とする記録担体。
【請求項13】
データを記憶するメモリと、
質問器からの電波を受信して信号を生成するアンテナ回路と、
前記信号に従って、前記メモリから前記データを読み出す制御回路と、
読み出された前記データをアルゴリズムに従って変換するコンバータと、
前記コンバータによって変換された前記データを用いて映像信号を生成する映像信号生成回路と、
前記映像信号を用いてコードを表示する表示装置と、を有し、
前記メモリは書き換えができる不揮発性メモリであることを特徴とする記録担体。
【請求項14】
第1データを記憶する第1メモリと、
前記第1データをアルゴリズムに従って変換することで得られる第2データを記憶する第2メモリと、
質問器からの電波を受信して信号を生成するアンテナ回路と、
前記信号に従って、前記第2メモリから前記第2データを読み出す制御回路と、
読み出された前記第2データを用いて映像信号を生成する映像信号生成回路と、
前記映像信号を用いてコードを表示する表示装置と、を有し、
前記第1メモリまたは前記第2メモリは書き換えができる不揮発性メモリであることを特徴とする記録担体。
【請求項15】
データを記憶するメモリと、
質問器からの電波を受信して信号を生成するアンテナ回路と、
前記信号に従って、前記メモリから前記データを読み出す制御回路と、
読み出された前記データをアルゴリズムに従って変換するコンバータと、
前記コンバータによって変換された前記データを用いて映像信号を生成する映像信号生成回路と、
前記映像信号を用いてコードを表示する表示装置と、を有し、
前記表示装置は、メモリ性を有する表示材料を用いた表示素子を有し、
前記メモリは書き換えができる不揮発性メモリであることを特徴とする記録担体。
【請求項16】
第1データを記憶する第1メモリと、
前記第1データをアルゴリズムに従って変換することで得られる第2データを記憶する第2メモリと、
質問器からの電波を受信して信号を生成するアンテナ回路と、
前記信号に従って、前記第2メモリから前記第2データを読み出す制御回路と、
読み出された前記第2データを用いて映像信号を生成する映像信号生成回路と、
前記映像信号を用いてコードを表示する表示装置と、を有し、
前記表示装置は、メモリ性を有する表示材料を用いた表示素子を有し、
前記第1メモリまたは前記第2メモリは書き換えができる不揮発性メモリであることを特徴とする記録担体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−234633(P2008−234633A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−32507(P2008−32507)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】