説明

記録材判別装置及び画像形成装置

【課題】高速A/D変換回路を用いることなく、且つ、短い時間にて受信信号のサンプリングを完了し、より安価な構成で検知精度の高い記録材の判別を行う。
【解決手段】超音波を記録材に送信する送信部303と、超音波を送信させるための送信波信号を生成する送信波生成部302と、超音波を受信する受信部309と、受信した超音波をA/D変換するA/D変換回路311と、送信波生成部302に同一の送信波信号を異なる出力開始タイミングで複数回生成させ、A/D変換回路311にn回目に送信された超音波の所定の周期をサンプリングしてA/D変換させ、A/D変換された出力値に基づき、第n回目以降に送信される超音波の波形をサンプリングすることで求められるピーク値を検出するタイミングを設定し、求めたピーク値に基づいて記録材の坪量を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材の種類を判別する判別装置及び、その判別装置を搭載した画像形成装置に関する。より詳細には、記録材に超音波を送信して記録材を透過した超音波を検出し、記録材の坪量を判別する判別装置、及び、この判別装置の判別結果を用いて画像形成条件を制御する複写機、レーザプリンタ等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、レーザプリンタ等の画像形成装置は、静電潜像を担持する潜像担持体と、潜像担持体に現像剤を付与することにより静電潜像を現像剤像として可視化する現像装置と、所定方向に搬送される記録材に現像剤像を転写する転写装置を有している。更に、画像形成装置は、現像剤像の転写を受けた記録材を所定の定着処理条件にて加熱及び加圧することにより現像剤像を記録材に定着させる定着装置を備えている。
【0003】
従来、かかる画像形成装置においては、例えば、パーソナルコンピュータ(以下、PCという)や画像処理装置により、もしくは画像形成装置本体に設けられた操作パネル等を介して記録材のサイズや種類(以下、紙種ともいう)がユーザによって設定される。その設定に応じて、現像剤の転写条件(例えば転写電圧や転写時の記録材の搬送速度)や定着条件(例えば、定着温度や定着時の記録材の搬送速度)が制御されている。
【0004】
このユーザの負担を軽減するために、近年では、画像形成装置内部に記録材を判別するセンサを備えて記録材の種類を自動的に判別し、その判別結果に応じて転写条件あるいは定着条件等が設定されるよう制御する技術が提案されている。例えば、特許文献1では、記録材に対して超音波を送信し、記録材からの透過波のピーク値を検知することにより、記録材の単位面積あたりの重量(以下、坪量という)を判別する技術が開示されている。
【0005】
また、例えば特許文献2においては、超音波を用いた検出装置において受信信号のサンプリング方法として、以下の例が開示されている。すなわち、A/D変換回路のサンプリング周期Tに対して、検出したい受信信号の周波数が高い場合、サンプリングタイミングを1,2,3,・・・n回目と逐次ずらし、1〜n回の検出結果より受信信号を等価的に検出する。図10にこの検出例を示す。サンプリングタイミングを1回目からn回目まで逐次ずらし、受信信号を検出している。そして、受信信号の坪量を判断するためのピーク値(図中Pkと示す)を求める。この技術によれば、受信信号をデジタル値へと変換するために用いるA/D変換回路のサンプリング周波数が低くても、等価的に高いサンプリング周波数及び検出精度で受信信号のA/D変換が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭57−132055号公報
【特許文献2】特開平7−72127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在、画像形成装置に使用される記録材の種類は多岐にわたっている。画像形成装置はそれらの記録材に対し印字品質を低下させずに、画像を形成する必要がある。そのため画像形成装置が各々の記録材の特徴に合わせた制御を行うため、記録材判別装置には高い性能が求められている。
【0008】
このため、超音波を用いて記録材の坪量検知を行う場合、検知精度を向上させるためには、より高いサンプリング周波数で超音波の受信信号を検出する必要がある。特許文献1では、記録材の坪量を判別するために出力波形の1サイクルのピーク値を検出する際に、出力波形の周波数と比べて十分高速なA/D変換回路を用いてデジタル値に変換し、ソフトウェア処理にてピーク値の検出を行っている。しかし、この方法では高価な高速A/D変換回路が必要になるほか、デジタル値を一時保管しておくための記憶容量を有する記憶部も必要となり、コストアップの要因となる。
【0009】
また、高速A/D変換回路の使用による装置のコストアップを解決するために、特許文献2においては、高速A/D変換回路を用いずに等価的にサンプリング周波数の高いA/D変換を実現すべく、等価サンプリング方式でのA/D変換処理を行っている。しかし、この方法ではサンプリングタイミングを逐次ずらしながら受信信号を検出して蓄積する必要があるため、サンプリングを完了するまでの時間が長くなってしまう。
【0010】
本発明は以上のような状況のもとでなされたものであり、高速A/D変換回路を用いることなく、且つ、短い時間にて受信信号のサンプリングを完了し、より安価な構成で検知精度の高い記録材の判別を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述の課題を解決するために、本発明は以下の構成を備える。
【0012】
(1)超音波を送信する送信手段と、前記送信手段に前記超音波を送信させるための送信波信号を生成する送信波生成手段と、前記送信手段から送信されて記録材を透過した超音波を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信した超音波を所定のサンプリング周波数でサンプリングしてA/D変換するA/D変換手段と、前記送信波生成手段に同一の送信波信号を異なる出力開始タイミングで複数回生成させ、前記A/D変換手段に前記同一の送信波信号により生成される超音波の波形のうち、第n回目に送信された超音波の波形の所定の周期をサンプリングしてA/D変換させ、A/D変換された出力値に基づき、第n回目以降に送信される超音波の波形をサンプリングすることで求められるピーク値を検出するタイミングを設定し、求めた前記ピーク値に基づいて記録材の坪量を算出する制御手段を有することを特徴とする記録材判別装置。
【0013】
(2)超音波を送信する送信手段と、前記送信手段に前記超音波を送信させるための送信波信号を生成する送信波生成手段と、前記送信手段から送信されて記録材を透過した超音波を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信した超音波を所定のサンプリング周波数でサンプリングしてA/D変換するA/D変換手段と、前記送信波生成手段に同一の送信波信号を異なる出力開始タイミングで複数回生成させ、前記A/D変換手段に前記同一の送信波信号により生成される超音波の波形のうち、n回目に送信された超音波の波形の所定の周期をサンプリングしてA/D変換させ、A/D変換された出力値に基づき、n回目以降に送信される超音波の波形をサンプリングすることで求められるピーク値を検出するタイミングを設定して前記ピーク値を求める制御手段を有し、画像情報を処理する画像処理手段と、潜像を担持する潜像担持体と、前記潜像担持体を露光走査して潜像を形成する露光手段と、前記潜像担持体に現像剤を付与することにより前記潜像を現像剤像として可視化する現像手段と、記録材に前記現像手段による前記現像剤像を転写する転写手段と、前記転写手段によって前記現像剤像を転写された前記記録材を所定の定着処理条件において、加熱及び加圧することにより前記現像剤像を記録材に定着させる定着手段とを備えた画像形成装置において、前記制御手段により求めた前記ピーク値に基づいて、前記画像処理手段、前記露光手段、前記現像手段、前記転写手段、前記定着手段のいずれかを制御することを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、高速A/D変換回路を用いることなく、且つ、短い時間にて受信信号のサンプリングを完了し、より安価な構成で検知精度の高い記録材の判別を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例1、2の記録材判別装置の受信素子と送信素子の配置図、及び記録材判別装置のブロック図
【図2】実施例1、2の記録材判別装置の送信波信号波形と受信信号波形を示した図、受信信号のピーク出力値と記録材坪量との関係を示した図
【図3】実施例1の超音波の受信信号波形のサンプリング方法を示した図
【図4】実施例1の超音波の受信信号波形のサンプリング方法を拡大して示した図
【図5】実施例1の超音波の出力開始タイミングを示した図
【図6】実施例1の超音波の検出結果を示した図、及びピーク検出完了までに必要なサンプリング回数を示した図
【図7】実施例2の超音波の送信波信号及び受信信号波形のサンプリング方法を示した図、及びピーク位置検出の演算方法を示した図
【図8】実施例2の超音波の受信信号波形のサンプリング方法を示した図
【図9】実施例3の画像形成装置の概略構成を示す図
【図10】従来例における等価サンプリング方法を示した図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に図面を参照して、本発明の実施例を説明する。なお、以下に示す実施例は一例であって、この発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0017】
本実施例に係る記録材の坪量を検知する記録材判別装置の構成、及び記録材の坪量を検知する動作における制御について説明する。なお、坪量とは記録材の単位面積あたりの重量[g/cm]をいい、この坪量により記録材が薄紙であるか厚紙であるかが判別される。
【0018】
[記録材判別装置の構成]
記録材Pの坪量を検知する記録材判別装置は、図1(a)に示すように、記録材Pに対して超音波を送信する送信素子305と、送信素子305から送信された超音波を受信する受信素子307を有している。送信素子305と受信素子307の間を通過した記録材Pは、図中の搬送方向に搬送され搬送ローラ対203を通過する。なお、本実施例における坪量検知センサの送信素子305と受信素子307の配置位置は、送信素子305と記録材Pとの距離と受信素子307と記録材Pとの距離が略等しい配置位置であり、送信素子305と受信素子307との間の距離はDである。図は、記録材Pが送信素子305と受信素子307との間の中間の位置に搬送された状態を示しており、送信素子305と記録材Pとの距離をdとすると、d≒D/2の関係になるように配置されている。なお、送信素子305と受信素子307は、搬送方向に直交する方向に図中上下に揃った位置に配置するのが望ましい。これらの素子が搬送方向にずれると、受信素子307の出力が小さくなってしまうからである。
【0019】
送信素子305と受信素子307は基本的に同様の構成を有しており、電気−機械エネルギー変換素子である圧電素子と、電極端子から成る。送信素子305では、電極端子にパルス電圧を入力すると圧電素子が発振する。これにより音波が発生し、発生した音波は空気中を伝搬する。音波が記録紙Pまで到達すると、音波の疎密に応じて記録紙Pが振動を起こす。記録紙Pが振動を起こすことにより、対向側すなわち受信素子307側の空気も振動する。このように、送信側の送信素子305で発生した音波が、記録紙を介して受信側に伝搬する。受信素子307の圧電素子は、周辺空気の振動の振幅に応じた出力電圧を電極端子に発生し、この出力電圧を基に超音波が送信された記録紙Pの坪量を検知する。これが超音波圧電素子を用いた記録材判別装置の動作原理である。
【0020】
[坪量検知の制御]
次に、坪量を検知する制御の一例を、図1(b)により説明する。CPU301は、送信波信号306を送信部303に送る。送信部303は、駆動回路304と送信素子305を有する。CPU301内にある送信波生成部302は、装置のファームウェアによって予め設定されている情報に基づいて、指定された周波数の送信波信号306を生成し出力する。送信波生成部302から送信された送信波信号306は、駆動回路304によって信号レベルが増幅され、駆動信号として送信素子305へと出力される。この増幅された駆動信号によって、送信素子305は超音波を出力する。ここで、送信波生成部302による送信波信号306の出力開始タイミングは、CPU301の動作周波数faで制御することが可能であり、本実施例ではCPU301の動作周波数faは例えば10MHzとする。
【0021】
送信素子305を駆動する周波数は、本実施例では例えば40kHzであり、送信素子305からは約9mmの波長を有する超音波が出力される。これは、記録材判別装置である坪量検知センサで用いた送信素子305と受信素子307の共振周波数が40kHzであることからこのように設定される。但し、これは本実施例における一例であり、本発明はこれに限定されるものでない。
【0022】
受信部309の受信素子307は、送信素子305からの超音波または記録材Pを透過した超音波を受信する。なお、受信部309は受信素子307、増幅回路308及び波形整形回路314から構成されている。受信素子307で受信した超音波は、増幅回路308にて増幅され、波形整形回路314で波形整形された後、受信信号310としてCPU301のA/D変換回路311へと出力される。A/D変換回路311は所定のサンプリング周波数fbで動作しており、本実施例におけるA/D変換回路311のサンプリング周波数fbは例えば200kHzと設定されている。A/D変換回路311の動作開始タイミング及び送信波生成部302からの送信波信号306の出力開始タイミングは、トリガ基準信号発生部312から出力されるトリガ信号を基準としている。A/D変換回路311で変換された超音波の受信信号は、デジタル値としてデータ処理部313へと出力されて格納され、所望のデータ処理が行われる。そして、データ処理部313は検出した超音波の受信信号から記録紙Pの坪量を算出し、また超音波の出力開始タイミングへのフィードバックを送信波生成部302に行う。
【0023】
図2(a)は送信素子305に出力する駆動回路304で生成された駆動信号の波形である送信波信号波形、及び受信素子307にて受信した超音波の受信信号波形を示している。なお、図2(a)では受信信号波形は、増幅回路308で増幅された後の波形と、波形整形回路314で波形整形された後の波形の両方が図示されている。送信素子305からの超音波は、空間を伝播し、受信素子307は超音波の受信信号を受信する。駆動回路304からは駆動周波数40kHzの送信波信号が複数送信され、受信素子307により受信した超音波は増幅回路308により増幅された受信信号へと変換される。増幅回路308により増幅された受信信号は、波形整形回路314により半波整流されたのちに受信信号310としてA/D変換回路311へと出力される。
【0024】
記録材の坪量は、受信信号波形の振幅が各周期で最大となったピーク出力値Pkより算出することができる。本実施例においては、図2(a)に示すようにピーク出力値Pk〜Pk(nはピーク出力値の数を示す)のうち、特定の3波目のピーク出力値Pkを用いて坪量の検知を行うが、Pk〜Pkの任意のピーク出力値を用いて坪量の検知を行ってもよい。以下、本実施例においては3波目のピーク出力値Pkをピーク出力値Pkとして述べる。図2(b)に受信信号のピーク出力値と記録材の坪量[g/m]の関係を示す。図2(b)のグラフからわかるように、記録材の坪量が大きいほど、受信信号のピーク出力値は低下する傾向にある。したがって、受信信号のピーク出力値から記録材Pの坪量を検出することができ、記録材Pの種類(薄紙、厚紙等)を検出することができる。
【0025】
[受信信号のピーク出力値の検出方法]
次に、本実施例における超音波の受信信号波形からピーク出力値を検出する方法について述べる。超音波の受信信号波形は記録材の同一箇所を測定する場合は、同一坪量を検出することになるので、受信信号波形の繰り返し再現性は非常に高い。ピーク出力値の検出には、この高い繰り返し再現性を用い、超音波を複数回生成し複数回の繰り返し測定を行う。
【0026】
図3は複数回の繰り返し測定により得られる超音波の1回目から3回目の受信信号波形等を示している。測定の1回目(図3(a))では、まずトリガ基準信号発生部312が出力するトリガ基準信号を基準としてA/D変換回路311の動作を開始したのちに、トリガ基準信号を基準にして所望の出力開始タイミングDR後に送信素子305より超音波を出力する。本実施例においては、1周期分の送信波信号及び受信信号波形のみを図示している。しかし、実際には図2(a)に示すような複数の送信波信号を送信して超音波を生成し、受信信号波形においても図2(a)に示すような複数の受信信号波形を受信してピーク出力値Pk(=Pk)を検出する。受信素子307では記録材Pを透過した受信信号波形を受信し、受信部309はA/D変換回路311に受信信号310を出力する。A/D変換回路311は上述のトリガ基準信号を基準として、サンプリング周波数fbでデジタル値Y10〜Y1m(mはサンプリング数を示す)を検出する。A/D変換回路311によりサンプリングされたY10〜Y1mの検出結果はデータ処理部313に格納され、データ処理部313ではピーク出力値の算出等の演算処理が行われる。そして、データ処理部313は、演算処理の結果に応じて2回目における送信波の出力開始タイミング補正量DT’及び、出力開始タイミングDRを算出する。出力開始タイミング補正量DT’及び出力開始タイミングDRの算出方法については後述する。
【0027】
測定の2回目(図3(b))では、同様にトリガ基準信号発生部312が出力するトリガ基準信号を基準としてA/D変換回路311の動作を開始した後に、測定の1回目で得られた出力開始タイミングDR後に送信素子305より超音波の送信波信号を出力する。受信素子307では記録材Pを透過した受信信号波形を受信し、受信部309はA/D変換回路311へ受信信号310を出力する。A/D変換回路311はトリガ基準信号を基準として、サンプリング周波数fbでY20〜Y2mのデジタル値を検出する。A/D変換回路311によりサンプリングされたY20〜Y2mの検出結果はデータ処理部313に格納され、データ処理部313ではピーク出力値の算出等の演算処理が行われる。データ処理部313は、演算処理の結果に応じて測定の3回目における送信波の出力開始タイミング補正量DT’及び出力開始タイミングDRを算出する。測定の3回目(図3(c))も同様にして、Y30〜Y3mのデジタル値を検出する。
【0028】
[出力開始タイミング補正量及び出力開始タイミング]
次に、上述の送信波の出力開始タイミング補正量DT’及び、出力開始タイミングDRの算出方法について図4を用いて説明する。なお、出力開始タイミング補正量DT’は、以下で説明するタイミング補正量DTに対して、正負の符号を乗じたものである。A/D変換回路311は、測定のn回目で得られた検出結果Yn0〜Ynmの値をデータ処理部313に格納し、データ処理部313は、格納されたYn0〜Ynmの中から最大値を含む値の大きい上位2つの検出結果Ynk、Yn(k+1)を抽出する。図4では、データ処理部313は、Yn(m−3)をYnk、Yn(m−2)をYn(k+1)として抽出する(図中、黒丸部分)。
【0029】
次に、データ処理部313は測定のn+1回(次回)目における出力開始タイミング補正量DTn+1を算出する。測定の2回目以降のn+1回目における超音波の出力開始タイミング補正量DTn+1はDTn+1=DT/2として算出する。すなわち、出力開始タイミング補正量DTn+1は、例えば出力開始タイミング補正量DTの半分の値とする。なお、半分の値ではなく、例えば1/3の値としてもよい。ここで、超音波の出力開始タイミング補正量DTの算出の基準となるDTは、CPU301の動作周波数fa、及びA/D変換回路311のサンプリング周波数fbから決まり、DT=A(fa/fb)として算出する。Aは時間に換算するための係数である。本実施例の場合、CPU301の動作周波数fa=10MHz,A/D変換回路311のサンプリング周波数fb=200kHzであるのでDT=50Aとなる。但し、制御上の1回目の出力開始タイミング補正量は0とする。
【0030】
そして、データ処理部313は、抽出したYnk、Yn(k+1)を比較し、Ynk>Yn(k+1)となる場合には測定のn+1回目における超音波の出力開始タイミング補正量DTn+1’をDTn+1’=−DTn+1とする。一方、Ynk<Yn(k+1)となる場合には測定のn+1回目における超音波の出力開始タイミング補正量DTn+1’をDTn+1’=+DTn+1とする。
【0031】
次に、トリガ基準信号を基準にした超音波の出力開始タイミングDRについて図5を用いて説明する。1回目の送信波信号は、出力開始タイミングDRで出力される。上述したように、1回目の出力開始タイミング補正量は0である。2回目の送信波信号は、出力開始タイミングDRに出力開始タイミング補正量DT’を加えた出力開始タイミングDRで出力される。そして、3回目の送信波信号は、出力開始タイミングDRから出力開始タイミング補正量DT′を減じた出力開始タイミングDRで出力される。このように、データ処理部313は、トリガ基準信号を基準にした超音波の出力開始タイミングDRを測定の前回の超音波の出力開始タイミングDRを基準にDRn+1=DR+DTn+1’として算出する。測定の1回目の出力開始タイミングDRは任意の初期値でよい。
【0032】
また、例えば1回目の測定の後に2回目の測定は行わずに3回目に測定を行い、この3回目の測定での出力開始タイミングは、1回目の出力開始タイミングを基準に算出してもよい。
【0033】
[受信信号波形のピーク値の検出結果]
こうして複数回、本実施例ではn+1回の繰り返し測定による超音波の受信信号波形の検出結果から最大値が算出される。すなわち、Y10〜Y1mから抽出されたY1k,Y1(k+1)、Y20〜Y2mから抽出されたY2k,Y2(k+1)、・・・、Y(n+1)0〜Y(n+1)mから抽出されたYn+1(k),Yn+1(k+1)から最大値が算出される。最大値は、Yn+1(k),Yn+1(k+1)の値が同じ値であればその値を最大値とし、異なる値であれば平均値を最大値とする。そして、この最大値は超音波の受信信号波形のピーク値として例えば図2(b)の対応関係に基づいて坪量の検出結果とされる。この計算は、データ処理部313で行う。図6(a)は40kHzの周波数を有する超音波の受信信号波形を200kHzのサンプリング周波数のA/D変換回路311にて受信し、上述の方法によりピーク値を検出した結果を模式的に表したものである。
【0034】
[受信波の測定回数]
ここで、CPU301の動作周波数faをA/D変換回路311のサンプリング周波数fbで除した値をBとする。データ処理部313は、受信波の測定回数はlogB以上となる最小の整数値まで測定を繰り返し実行することで、CPU301の動作周波数faで検出可能な最大分解能でのピーク値の検出を行うことができる。これは、受信波の測定回数nを2≧Bの条件まで繰り返すことにより、CPU301の動作周波数faで検出可能な最大分解能と同等のピーク値検出精度を得られることを意味する。本実施例の方法を用いて超音波の受信信号波形のサンプリングを行うことで、図9に示す従来の等価サンプリング方式による受信信号波形のピーク値を検出する方式と比較して、より少ない回数の繰り返し測定にて受信信号波形のピーク値を検出することができる。図6(b)は、受信信号のピーク値検出に必要なサンプリング回数をA/D変換回路311のサンプリング周波数(kHz)に応じてプロットしたグラフであり、従来例の等価サンプリング方式と本実施例でのサンプリング方式で比較して示している。このグラフから明らかなように、本実施例のサンプリング方式では受信信号のピーク値検出に必要なサンプリング回数は、サンプリング周波数に係らずほぼ一定である。一方、従来例の等価サンプリング方式では特にサンプリング周波数の低い領域において、受信信号のピーク値検出には多くのサンプリング回数が必要である。その結果、サンプリング周波数の低い領域において、本実施例のサンプリング方式の必要サンプリング回数と従来例のサンプリング方式の必要サンプリング回数の差が大きくなっていることがわかる。したがって、この図から本実施例のサンプリング方式では、使用するA/D変換回路311のサンプリング周波数が低いほど、従来例に比較してより少ないサンプリング回数にて受信信号のピーク値を検出することが可能である。
【0035】
これまで説明したように、本実施例によれば、高速A/D変換回路を用いることなく、且つ、短い時間にて受信信号のサンプリングを完了し、より安価な構成で検知精度の高い記録材の判別を行うことができる。
【実施例2】
【0036】
本実施例においては、超音波の受信信号波形のピーク値を検出及び算出する方法以外の基本的な構成は実施例1と同様であるため、基本的な構成に関する詳細な説明は省略する。また、本実施例においても実施例1と同様に1波分の送信波信号及び受信信号波形のみを図示して説明をするが、実施例1の図2(a)と同様に複数の送信波信号を送信して超音波を生成し、複数の受信信号波形の中から受信信号波形のピーク出力値Pkを検出する。
【0037】
本実施例では、受信信号波形のピーク値を検出するにあたり、測定の1回目の受信信号波形の検出結果から、A/D変換回路311でサンプリングした受信信号波形のピーク位置からの時間ずれ量を予測する。そして、本実施例では測定の2回目の受信信号波形のピーク値を取得すべく、超音波の出力開始タイミングを補正することを特徴とする。
【0038】
[受信信号波形のピーク値の算出方法]
図7(a)を用いて、本実施例の特徴である超音波の受信信号波形のピーク値を算出する方法を説明する。超音波の受信信号波形の検出方法は実施例1と同様である。まず、トリガ基準信号発生部312から出力されるトリガ基準信号を基準としてA/D変換回路311の動作を開始したのちに、トリガ基準信号を基準として所望の出力開始タイミングDR後に送信素子305より超音波を出力する。測定の1回目の出力開始タイミングDRは任意の初期値でよい。受信素子307では記録材Pを透過した受信信号波形を受信し、受信部309は受信信号310をA/D変換回路311へと出力する。A/D変換回路311は前述のトリガ基準信号を基準として動作を開始しているため、Y10〜Y1mのデジタル値を検出する。データ処理部313は、検出したY10〜Y1mの中から、最大値を含む値が大きい上位3つの検出値をY1(k−1)、Y1k、Y1(k+1)として抽出する。ここでは、Y1(k−1)=Y1(m−3)、Y1k=Y1(m−2)、Y1(k+1)=Y1(m−1)である。
【0039】
次に、データ処理部313は、Y1(k−1)、Y1k、Y1(k+1)からA/D変換回路311でサンプリングした測定の1回目での受信信号波形の検出ポイントのピーク位置からの時間ずれ量を算出する。A/D変換回路311のサンプリング周波数fbにおけるサンプリング周期をtとすると、Y1(k−1)、Y1k、Y1(k+1)の抽出値は図7(b)に示すようにY1k=(時間,検出値)として次のようになる。すなわち、Y1(k−1)=(−t,α)、Y1k=(0,β)、Y1(k+1)=(t,γ)と表すことができる。坪量検知に用いる超音波の受信信号波形は略正弦波であるため、Y1(k−1)、Y1k、Y1(k+1)の3点の検出値から受信波形を2次関数y=ax+bx+cに近似する。このときの定数a、b、cは下記の式(1)乃至(3)より求められる。
a=(α+γ−2β)/2t ・・・・・・ 式(1)
b=(γ−α)/2t ・・・・・・・ 式(2)
c=β ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 式(3)
【0040】
次に、近似した2次曲線より、Y1(k−1)、Y1k、Y1(k+1)の3点と、先の式(1)乃至(3)を用いて、下記式(4)により受信波形のピーク位置Pk=(p,q)を算出する。
p={(α−γ)t}/{2(α+γ−2β)}・・式(4)
【0041】
式(4)より、データ処理部313は、測定の1回目で受信信号波形をA/D変換回路311でサンプリングしたポイントにおける、受信信号波形のピーク位置(極値)までの時間ずれ量pを算出する。測定の1回目と2回目の送信波信号の出力及び受信される受信信号波形を図8(a)、(b)に示す。測定の2回目における超音波の出力開始タイミングDRは、出力開始タイミング補正量をDT=−pとし、DR=DR+DTとする。データ処理部313は、2回目の測定での超音波の受信信号検出結果Y21〜Y2mから最大値(図8(b)のY2(m−2))を抽出することにより、超音波の受信信号波形のピーク値を検出することができる。なお、上述の例では1回目の検知結果に基づいて2回目における超音波の出力開始タイミングDRを決定したが、例えばn回目の検知結果に基づいてn+1回目の出力開始タイミングDRを決定してもよい。この場合、n+1回目でピーク値を検出することができる。なお、実施例1でも述べたように、例えばn回目の検知結果に基づいてn+2回目以降(n回目以降のいずれかの回)の出力開始タイミングを決定し、ピーク値を検出してもよい。
【0042】
これまで説明したように、本実施例によれば、高速のA/D変換回路を用いることなく等価的にサンプリング周波数の高いA/D変換を実現することができるため、安価な構成で精度の高い記録材の坪量検知を行うことが可能となる。また、測定の2回目で超音波の受信信号ピーク値を検出することができるため、従来の等価サンプリング方式と比較した場合、より短時間で受信波形のピークを検出することが可能となり、より短時間での坪量検知を行うことが可能となる。
【0043】
以上、本実施例によれば、高速A/D変換回路を用いることなく、且つ、短い時間にて受信信号のサンプリングを完了し、より安価な構成で検知精度の高い記録材の判別を行うことができる。
【実施例3】
【0044】
本実施例では、実施例1、2で述べた記録材判別装置を備えた画像形成装置について述べる。実施例1及び実施例2おいて説明した構成を有する記録材判別装置は、図1(a)に示すように画像形成装置中の記録紙が給紙されてから転写されるまでの記録材搬送経路上に配置される。この位置に配置された記録材判別装置の検知結果に基づいて、後述する画像形成装置の印刷条件が制御される。
【0045】
この画像形成装置の概略の構成を図9に示す。画像情報を処理する画像処理部(不図示)、静電潜像を担持する潜像担持体10、潜像担持体10を露光走査して潜像を形成する露光部20、潜像担持体に現像剤を付与することにより静電潜像を現像剤像として可視化する現像部30を有している。また、画像形成装置は搬送される記録材Pに現像剤像を転写する転写部40と、転写された記録材Pを所定の定着処理条件において、加熱及び加圧することにより現像剤像を記録材に定着させる定着部50を有している。実際の画像形成装置の制御では、通紙される記録紙の坪量の検知を行い、坪量に応じて記録紙の搬送速度やトナー像を転写する際の転写電圧、トナー像の定着に最適な温度などを可変させて、通紙される記録紙に最適な印刷条件になるべく制御を実施する。また、坪量に応じて画像形成処理部の画像情報の処理方法、露光部の露光量及び現像部の現像バイアスを可変させて、通紙される記録紙に最適な印刷条件になるべく制御を実施してもよい。連続して複数枚搬送される記録紙の坪量を検出する場合は、後続の記録材の坪量検知での1回目の超音波の出力開始タイミングDRは、任意に設定した初期値、または先行の通紙記録材の坪量検知で使用した出力開始タイミングの最終値DRの値から開始する。
【0046】
以上、本実施例によれば、高速A/D変換回路を用いることなく、且つ、短い時間にて受信信号のサンプリングを完了し、より安価な構成で検知精度の高い記録材の判別を行うことができる。
【符号の説明】
【0047】
302 送信波生成部
303 送信部
309 受信部
311 A/D変換回路
313 データ処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を送信する送信手段と、前記送信手段に前記超音波を送信させるための送信波信号を生成する送信波生成手段と、前記送信手段から送信されて記録材を透過した超音波を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信した超音波を所定のサンプリング周波数でサンプリングしてA/D変換するA/D変換手段と、前記送信波生成手段に同一の送信波信号を異なる出力開始タイミングで複数回生成させ、前記A/D変換手段に前記同一の送信波信号により生成される超音波の波形のうち、n回目に送信された超音波の波形の所定の周期をサンプリングしてA/D変換させ、A/D変換された出力値に基づき、n回目以降に送信される超音波の波形をサンプリングすることで求められるピーク値を検出するタイミングを設定し、求めた前記ピーク値に基づいて記録材の坪量を算出する制御手段を有することを特徴とする記録材判別装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記送信波生成手段に同一の送信波信号を異なる出力開始タイミングで複数回生成させ、前記A/D変換手段に前記同一の送信波信号により生成される超音波の波形のうち、n回目に送信された超音波の波形の所定の周期をサンプリングしてA/D変換させ、A/D変換された出力値に基づき、n+1回目に送信される超音波の波形をサンプリングすることで求められるピーク値を検出するタイミングを設定し、求めた前記ピーク値に基づいて記録材の坪量を算出することを特徴とする請求項1記載の記録材判別装置。
【請求項3】
トリガ基準信号を発生するトリガ基準信号発生手段を有し、
前記A/D変換手段は、前記トリガ基準信号に基づいて前記所定の1周期をサンプリングしてA/D変換し、
前記送信波生成手段は、前記トリガ基準信号に基づいて前記出力開始タイミングで前記送信波信号を生成することを特徴とする請求項1記載の記録材判別装置。
【請求項4】
前記制御手段は、所定の駆動周波数で駆動され、
各回の前記所定の1周期をサンプリングしてA/D変換した複数の出力値のうち大きさが上位の2つの出力値と、前記所定の駆動周波数を前記所定のサンプリング周波数で除した値に基づいて、次回の前記出力開始タイミングを算出することを特徴とする請求項1記載の記録材判別装置。
【請求項5】
前記送信波生成手段が前記同一の送信波信号を生成する回数がn回であり、
前記出力開始タイミングが、1回目の所定の出力開始タイミングと出力開始タイミング補正量からなり、
1回目の前記出力開始タイミング補正量が、前記所定の駆動周波数を前記所定のサンプリング周波数で除した値であり、
2回目からn回目までの前記出力開始タイミング補正量が、前回の出力開始タイミング補正量より小さな値であり、
前記大きさが上位の2つのデジタル値を、サンプリングの順にY1とY2とした場合に、Y1がY2より大きい場合には、前記出力開始タイミング補正量を負の値とし、Y1がY2より小さい場合には、前記出力開始タイミング補正量を正の値とすることを特徴とする請求項4記載の記録材判別装置。
【請求項6】
前記大きさが上位の2つのデジタル値を、前記A/D変換手段によるサンプリングの順にY1とY2とした場合に、
前記制御手段は、Y1がY2より大きい場合には、前記出力開始タイミングを早め、Y1がY2より小さい場合には、前記出力開始タイミングを遅らせることを特徴とする請求項4記載の記録材判別装置。
【請求項7】
前記出力開始タイミングが、所定の出力開始タイミングと出力開始タイミング補正量からなり、
前記制御手段が、n回目の前記A/D変換手段によってサンプリングしてA/D変換された大きさが上位の3つのデジタル値Y1、Y2、Y3に基づく2次曲線の極値と前記Y2の値の差に基づいて前記出力開始タイミング補正量を算出し、n回目以降の前記3つのデジタル値の最大値をピーク値とすることを特徴とする請求項1記載の記録材判別装置。
【請求項8】
前記制御手段が、n回目の前記A/D変換手段によってサンプリングしてA/D変換された大きさが上位の3つのデジタル値Y1、Y2、Y3に基づく2次曲線の極値と前記Y2の値の差に基づいて前記出力開始タイミング補正量を算出し、n+1回目の前記3つのデジタル値の最大値をピーク値とすることを特徴とする請求項7記載の記録材判別装置。
【請求項9】
前記所定の駆動周波数を前記所定のサンプリング周波数で除した値をBとした場合に、前記制御手段は、前記送信波生成手段に前記同一の送信波信号をlogB以上となる最小の整数値となる回数まで繰り返し生成させることを特徴とする、請求項4乃至6のいずれか1項に記載の記録材判別装置。
【請求項10】
複数枚搬送される記録材の坪量を検出する場合には、
後続の記録材の坪量検知における1回目の前記同一の送信波信号の前記出力開始タイミングは所定の値から開始することを特徴とする、請求項5または7に記載の記録材判別装置。
【請求項11】
複数枚搬送される記録材の坪量を検出する場合には、
後続の記録材の坪量検知における1回目の送信波信号の前記出力開始タイミングは先に通紙された記録材の前記出力開始タイミングの最終値から開始することを特徴とする、請求項5または7に記載の記録材判別装置。
【請求項12】
超音波を送信する送信手段と、前記送信手段に前記超音波を送信させるための送信波信号を生成する送信波生成手段と、前記送信手段から送信されて記録材を透過した超音波を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信した超音波を所定のサンプリング周波数でサンプリングしてA/D変換するA/D変換手段と、前記送信波生成手段に同一の送信波信号を異なる出力開始タイミングで複数回生成させ、前記A/D変換手段に前記同一の送信波信号により生成される超音波の波形のうち、n回目に送信された超音波の波形の所定の周期をサンプリングしてA/D変換させ、A/D変換された出力値に基づき、n回目以降に送信される超音波の波形をサンプリングすることで求められるピーク値を検出するタイミングを設定して前記ピーク値を求める制御手段を有し、
画像情報を処理する画像処理手段と、潜像を担持する潜像担持体と、前記潜像担持体を露光走査して潜像を形成する露光手段と、前記潜像担持体に現像剤を付与することにより前記潜像を現像剤像として可視化する現像手段と、記録材に前記現像手段による前記現像剤像を転写する転写手段と、前記転写手段によって前記現像剤像を転写された前記記録材を所定の定着処理条件において、加熱及び加圧することにより前記現像剤像を記録材に定着させる定着手段とを備えた画像形成装置において、
前記制御手段により求めた前記ピーク値に基づいて、前記画像処理手段、前記露光手段、前記現像手段、前記転写手段、前記定着手段のいずれかを制御することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−96855(P2013−96855A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240245(P2011−240245)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】