説明

記録番組の整理装置及び記録番組の整理方法

【課題】実施形態によれば、ユーザの視聴履歴情報を有効に活用して、ユーザの嗜好番組を学習し、この学習結果に基づいて、記録媒体に記録する番組の信号ビットレートを設定することができる。
【解決手段】嗜好度情報生成手段は、ユーザが視聴した番組の履歴情報に基づいて、前記番組の嗜好度情報を生成する。ビットレート設定手段は、チューナで受信した第1の番組を記録媒体に記録する場合は、前記嗜好度情報に基づいて前記第1の番組の信号ビットレートを設定し、前記記録媒体から読み出した第2の番組を前記記録媒体に再記録する場合は、前記第2の番組の前記記録媒体への格納期間に基づいて信号ビットレートを設定する。記録再生手段は、ビットレート設定手段で設定された前記信号ビットレートに基づいて前記第1又は第2の番組を前記記録媒体に記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は記録番組の整理装置及び記録番組の整理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近は、デジタルテレビジョン放送される番組信号の受信装置として、複数のチューナを有し、複数チャンネル(例えば6チャンネルあるいは9チャンネル)の番組信号を同時に受信できる受信装置が開発されている。また、前記受信装置には、受信された複数の番組信号を大容量の記録媒体(ハードディスク)に記録することができる記録再生装置が接続される。
【0003】
上記のように複数チャンネルの全番組(又は特定時間帯の全番組)を自動的に長期間記録し続ける記録をタイムシフト録画と称する場合がある。
【0004】
上記した受信装置及び記録再生装置を含む装置を、以下番組信号記録再生装置と称することにする。この番組信号記録再生装置では、多くの番組信号がハードディスクに記録されている。このために、ユーザが視聴しようとする番組を選択する場合、ユーザは希望の番組を選択するまでに時間を要する場合がある。そこでこのような不具合を改善するために、番組推薦装置が開発されている。番組推薦装置は、ユーザが視聴した番組の番組情報からユーザの好み(嗜好性)を学習して嗜好モデルを作成し、この嗜好モデルを保存することができる。この番組推薦装置は、ユーザがハードディスクに記録されている番組を選択する際、嗜好モデルに基づいて推薦する番組情報を、ユーザにディスプレイを通じて提供することができる。
【0005】
さらにハードディスクに多くの番組信号が記録される場合、ハードディスクの容量には限界が生じる。ハードディスクの容量を有効に活用するために、ユーザが明示的に指定する番組信号に関してはユーザが設定しているビットレートで記録し、ユーザが明示的に指定していない番組信号に関しては、ユーザが設定しているビットレートよりも低いビットレートで記録する装置も開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−272451号公報
【特許文献2】特開2008−262398号公報
【特許文献3】特開2011−151810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記したように、多チャンネルの番組信号の記録再生装置において、ハードディスクに多くの番組信号を記録する場合、記録する番組信号のビットレートを低く調整する装置がある。しかし、記録する番組信号のビットレートを調整するに際し、一律に全ての番組信号のビットレートを低下させて記録したのでは、ユーザの意向に沿わない場合がある。例えば、ユーザが、高画質で視聴したいと思う番組が、低ビットレートで記録されるような事態が生じることもある。
【0008】
そこで本実施形態では、ユーザの視聴履歴情報を有効に活用して、ユーザの嗜好番組を学習し、この学習結果に基づいて、記録媒体に記録する番組の信号ビットレートを設定することができる、記録番組の整理装置及び記録番組の整理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態によれば、嗜好度情報生成手段は、ユーザが視聴した番組の履歴情報に基づいて、前記番組の嗜好度情報を生成する。ビットレート設定手段は、チューナで受信した第1の番組を記録媒体に記録する場合は、前記嗜好度情報に基づいて前記第1の番組の信号ビットレートを設定し、前記記録媒体から読み出した第2の番組を前記記録媒体に再記録する場合は、前記第2の番組の前記記録媒体への格納期間に基づいて信号ビットレートを設定する。記録再生手段は、ビットレート設定手段で設定された前記信号ビットレートに基づいて前記第1又は第2の番組を前記記録媒体に記録する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】実施形態に含まれる視聴履歴格納部に格納されているテーブルの一例を示す図である。
【図3】実施形態に含まれるビットレート設定手段に用意されているビットレート設定のための参照テーブルの図である。
【図4】図1の視聴履歴取得部の動作手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】図1の嗜好モデル学習部の動作手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】図1の嗜好度算出部の動作手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】図1の実施形態の動作の一面であり、受信した番組を録画番組格納部に記録する系統を示したブロック図である。
【図8】図1の実施形態の動作の他の面であり、録画番組格納部から読み出した番組を再度録画番組格納部に記録する系統を示したブロック図である。
【図9】実施形態において表示器に表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1は一実施形態が適用されたテレビジョン受信装置を示している。受信装置101は、複数のチューナ(例えば9個のチューナ)を有し、同時に複数のチャンネル(全チャンネルで9個のチャンネル)を受信することができる。各チューナで復調されたストリーム信号は、ストリーム処理部102に入力されて分離される。ここで分離された放送番組に関するストリームを番組と称することにする。番組は、ここでは別の表現では番組信号と称してもよいし、放送番組、放送番組信号、或いはコンテンツと称してもよい。
【0012】
全チャンネルの番組は、記録媒体120に記録される。このときビットレート設定手段230により、各番組の信号ビットレートが設定される。そして、ビットレートが設定された番組は、記録再生手段220により、記録媒体120に記録される。
【0013】
視聴する番組に含まれるオーディオ信号は、ストリーム処理部102からオーディオ信号処理部103に入力され、映像信号は映像信号処理部105に入力される。オーディオ信号処理部103では、オーディオ復号処理が行われ、復号されたデジタルオーディオ信号は、オーディオ信号出力部104に入力される。デジタルオーディオ信号は、オーディオ信号出力部104においてアナログオーディオ信号に変換され、スピーカシステム111に供給される。映像信号処理部105では、映像復号処理が行われ、復号された映像信号は、映像信号出力部106に入力される。映像信号出力部106は、映像信号のカラー・輝度などの画質調整を行い、調整された映像信号が表示器112に供給される。
【0014】
受信装置101、ストリーム処理部102、オーディオ信号処理部103、オーディオ信号出力部104、映像信号処理部105、映像信号出力部106などは、制御装置200により、統括的に制御される。
【0015】
制御装置200は、ユーザ端末300からの操作信号を受けるモデム240を含む。ユーザ端末300は、例えばスマートフォンや、タブレットパーソナルコンピュータやパーソナルコンピュータそのもので構成され、リモートコントローラとして機能する。ユーザ端末300からの操作信号がモデム240で受信され、当該操作信号が指令解析部241で解析される。指令解析部241は、解析結果に応じて複数のブロックに対する制御信号を出力し、操作内容を装置全体の動作に反映する。
【0016】
制御装置200は、番組に対するユーザの嗜好度情報を生成する嗜好度情報生成手段210を有する。また、記録すべき番組のビットレートを嗜好度情報に基づいて設定するビットレート設定手段230を有する。そして、ビットレート設定手段230で設定されたビットレートに基づいて記録すべき番組の番組信号を記録媒体に記録する記録再生手段220を有する。また制御装置200は、ハードディスクドライブを制御し、ハードディスクを各種データの格納部として利用することができる。さらに制御装置200は、電子番組案内データ(EPGデータ)処理部260を有する。EPGデータ処理部260は、EPGデータは、放送信号に含まれるEPGデータを抽出する。
【0017】
また制御装置200は、記録媒体に記録されている番組のうち、特に興味ある番組の画質を低下させないように指定することができる番組特別指定部271を含んでも良い。さらにまた制御装置200は、記録媒体に記録された後、長時間経過した番組、或いはユーザの興味の薄い番組などを条件付で一括して整理する一括整理部272を含んでもよい。
【0018】
嗜好度情報生成手段210、記録再生手段220、及びビットレート設定手段230は、図面の下段に取り出し、それぞれの主な構成要素を細分化して示している。
【0019】
嗜好度情報生成手段210は、視聴履歴取得部10、視聴履歴格納部20、嗜好モデル学習部11、嗜好情報格納部21、嗜好度算出部12、嗜好度格納部22を有する。また記録再生手段220は、記録再生制御部12、録画番組格納部23を有する。またビットレート設定手段230は、トランスコーダ14を含む。
【0020】
上記した視聴履歴格納部20、嗜好情報格納部21、及び嗜好度格納部22としては、ハードディスクの一部の領域が利用されてもよいし、或いは、半導体メモリ(ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリなど)が利用されてもよい。録画番組格納部23としては、ハードディスクの記録領域が利用される。
【0021】
視聴履歴取得部10は、例えば放送信号から取得できる複数チャンネルの番組情報(上記のEPGデータ)をテーブルとして視聴履歴格納部20に格納する。更に視聴履歴取得部10は、ユーザがテレビ番組を視聴した際に、視聴履歴格納部20のテーブル上の当該番組の欄に対して視聴フラグをつける。
【0022】
視聴フラグとしては、放送中の番組が放送と同時に、ユーザにより視聴されたときに付された視聴フラグ、及び録画番組格納部23に格納されている番組が再生されて、ユーザにより視聴されたときに付加された視聴フラグがある。視聴フラグに基づいて、日、週、月当たりの視聴回数を求めることができる。
【0023】
嗜好モデル学習部11は、視聴履歴格納部20に格納されている過去のEPGデータと、ユーザが視聴した番組に付与されている視聴フラグを含む嗜好情報から、ユーザの番組嗜好に関する嗜好モデルを学習する。学習した嗜好モデルは嗜好情報格納部21に格納される。例えば、番組の視聴履歴から、番組の視聴頻度を求め、また視聴時間(番組の全時間に対する視聴割合の時間)などを条件として番組に対する関心度を設定し、またジャンル毎に分類したモデルを得る。関心度は、例えば、ジャンル別、出演者別などをキーとして、視聴回数にポイントをプラスすることで関心度を得ることができる。
【0024】
この嗜好モデルは、ここで説明する内容に限定されるものではなく、各種の方法があることに留意されたい。
【0025】
次に、嗜好度算出部12は、嗜好情報格納部21に格納されている嗜好モデルと、過去・未来の番組情報を有するEPGデータから、各番組の嗜好度(ユーザが視聴する確率を意味しており視聴確率と称しても良い)を算出する。
【0026】
即ち、視聴モデルは、上記したようにある番組に対するユーザの視聴頻度、関心度の情報を含む。したがって、この視聴頻度、関心度をパラメータとし、過去・未来の同様な番組(連続ドラマ・ニュース番組など)が一定期間において視聴される確率(視聴度)を求める。例えば、複数(例えば50)の視聴候補番組P1−P50が嗜好情報格納部21の嗜好モデルに掲げられていた場合、EPGデータによる全番組(例えば150)の中に、該当する視聴候補番組が存在するかどうかを判定する。そして、視聴候補番組P1−P50が存在した場合は、それぞれの番組が選択される確率(1/150)に対して、例えば上記したポイントの高い番組については、視聴確率を高く設定し、任意の単位で嗜好度を割り当てる。例えば、嗜好モデルで管理数番組数が上限50であれば、1乃至50度を割り当てる。なおここで述べる視聴度の考え方は一例であり、この方法に限定されるものではないことに留意されたい。算出したEPGデータの各番組の嗜好度は、嗜好度格納部22に格納される。
【0027】
ビットレート設定部230と相俟って、記録再生制御部13は、嗜好度格納部22に格納されている未来の番組の嗜好度の大小に基づき、例えば最高ビットレート・高ビットレート・中ビットレート・低ビットレート・最低ビットレートの5段階の信号ビットレートを設定する。信号ビットレートの大きさは、最高ビットレート>高ビットレート>中ビットレート>低ビットレート>最低ビットレートである。嗜好度がある一定値a以上の番組に関しては最高ビットレート、嗜好度がa未満b以上(a>b)の番組に関しては高ビットレート、嗜好度がb未満の番組に関しては中ビットレートで録画を行う。
【0028】
上記のように番組が、録画番組格納部23に格納される。ここで、ビットレート設定部230に含まれるトランスコーダ14は、録画番組格納部23の中で、録画した日時から一定期間(例えば1週間)経過した番組データに対して再トランスコードを行う。
【0029】
トランスコーダ14は、嗜好度格納部22を参照し、録画番組格納部23の録画番組データの中で嗜好度がa以上の番組に関しては録画ビットレートを最高ビットレートのままで維持する。録画番組データの中で嗜好度がa未満b以上の番組に関してはビットレートを高ビットレートから中ビットレートに、嗜好度がb未満の番組に関してはビットレートを中ビットレートから低ビットレートに下げて再トランスコードを行う。
【0030】
また、トランスコーダ14は、録画した日時から更に一定期間(例えば1ヶ月)が経過した番組データに対して再トランスコードを行う。このとき、トランスコード部14は、嗜好度格納部22を参照し、録画番組格納部23の録画番組データの中で嗜好度がa以上の番組に関してはビットレートを最高ビットレートから高ビットレートに、嗜好度がa未満b以上の番組に関してはビットレートを中ビットレートから低ビットレートに、嗜好度がb未満の番組に関してはビットレートを低ビットレートから最低ビットレートに下げて再トランスコードを行う。
【0031】
またビットレート設定手段(トランスコーダ)は、番組が、ニュース番組及び天気予報番組であった場合は、再記録される番組の信号ビットレートを低下する割合を大きくすることができる。或いは、保存期間もしくは番組内容によっては削除するように設定することも可能である。
【0032】
図2は、例えば、視聴履歴格納部20に格納されている番組情報(EPGデータ)テーブルの一例である。このテーブルの分類項目としては、例えばチャンネル、番組名、視聴フラグ、1週間当たりの視聴回数、1ヶ月当たりの視聴回数、格納期間、特別指定情報(ユーザが特別に指定した情報、インターネットなどで評判になり話題となっているかどうかを示す情報、ユーザが登録したキーワードなど)、番組の現在の信号ビットレート、その他番組情報(出演者、再放送、シリーズドラマ種別、連続ドラマ種別、ジャンルなど)、があり、これらを記述する領域がある。上記のユーザが特別に指定する番組としては、例えばユーザ自身が出演した番組、或いは記念式典、重要なイベント(スポーツの決勝戦)などユーザが特に関心を持っているような番組がある。特別に指定する番組は、ユーザが入力する特別指定情報により指定される。
【0033】
図3は、先に説明したビットレート設定手段230が信号ビットレートを設定するために準備している設定情報である。
【0034】
図4は、EPGデータの取得動作と合わせて視聴履歴取得部の動作を示すフローチャートである。EPGデータは、例えば1日1回の割合で取得される(ステップSA5,SA1)。取得されたEPGデータは、視聴履歴格納部にて格納或いは更新される。テレビ番組が視聴されると、EPGデータの視聴番組欄に視聴フラグが付けられる。また視聴回数データの更新が行われる(図2のテーブル参照)(ステップSA3,SA4)。次にステップSA5に移行する。
【0035】
図5は、嗜好モデル学習部11の学習ルーチンを示している。視聴履歴格納部20のEPGデータ(実際には図2で示したテーブルの情報)を利用して嗜好モデルを学習する(ステップSB1)。学習した嗜好モデルは、嗜好情報格納部21に格納される(ステップSB2)。次に、例えば3、4週間待機し、ステップSB1に移行して、次の新しい嗜好モデルの作成を行う。
【0036】
図6は、嗜好度算出部12の動作を示している。嗜好モデルと、過去・未来のEPGデータから、各番組の嗜好度を算出する。算出した嗜好度が嗜好度格納部22に格納される(ステップSC1,SC2)。その後例えば24時間経過を待ち、ステップSC1に戻り嗜好度の計算を行う。
【0037】
図7は、放送番組が受信装置101で受信され、録画番組格納部23に格納されるときに、信号ビットレートが設定されて格納される経路を示している。新しく自身した番組は、ビットレート設定手段230により、信号ビットレートが設定され、記録再生制御部12において、所定の記録フォーマットに変換されて、録画番組格納部23に格納される。
【0038】
図8は、録画番組格納部23に格納されている番組が記録再生制御部12により読み出され、ビットレート設定手段230により、信号ビットレートが低下されて、再度記録再生制御部12において、所定の記録フォーマットに変換されて、録画番組格納部23に格納される経路を示している。
【0039】
この場合、基本的には、ビットレート設定手段230は、記録媒体に記録される番組の内容及び又は前記記録媒体に記録されていた期間に応じて、信号ビットレートを低下させる方向へ調整する。しかし、ビットレート設定手段230は、番組が、連続ドラマ番組、シリーズ番組、又は特別指定情報で、特別に指定されている番組であった場合は、信号ビットレートの低下を抑制してもよい。特別指定情報としては、ネットワークから取得した当該番組に関するキーワード若しくはユーザが登録した当該番組に関するキーワードである。
【0040】
信号ビットレートの低下を抑制する場合、抑制の程度を決める方法としては、種々の形態が可能である。特別指定番組、番組の内容、ジャンルなど応じて、信号ビットレートの低下の程度が0%、5%、10%などになるように各種設定可能としてもよい。また番組の内容とジャンルと格納期間の長さに応じて、信号ビットレートの低下の程度が5%、10%、20%など変化するようにしてもよい。
【0041】
したがって、制御装置200は、ユーザ端末300から、嗜好履歴のテーブルに特別指定情報を入力する手段も含む。またユーザ端末300からキーワード(例えば保存、最高、優秀、推薦など)を入力する手段も含む。
【0042】
図9は番組に対して特別指定を行う場合、及び一括整理を行う場合のメニュー画面の例を示している。図9の画面91は、メニューであり、「特別指定」が表示されると共にその意味内容が説明されている。また「一括整理」が表示されると共にその意味内容が説明されている。
【0043】
ユーザがユーザ端末を操作し、カーソルを移動させて「特別指定」を選択し、決定ボタンを押すと、画面92が現れる。このときは図1の特別指定部271が起動する。この画面92は、図2のテーブルを利用して作成されたものであり、チャンネル番号と、番組名と、特別指定情報の欄が表示される。ここで、ユーザが所望の番組に対応する特別指定情報の行にカーソルを移動させて、設定ボタンを押すと、その欄に「Set」が表示され、特別指定が行われたことが表示される。図の例では、番組XXXと番組WWWが特別指定されている。この設定により、番組XXXと番組WWWが1週間後、或いは1ヵ月後に図8で示したように、トランスコーダを通過しても、信号ビットレートの低下は実施されない。
【0044】
次に画面91において、ユーザがユーザ端末を操作し、カーソルを移動させて「一括生理」を選択し、決定ボタンを押すと、画面93が現れる。このときは図1の一括整理部722が起動する。この画面は、録画番組格納部23に多くの番組が記録されている状態で、一括整理を行いたい場合に活用される。画面93では、「特別指定されている番組を除いて、・・・ランク以下は一括消去されます」と言うコメントが現れる。ユーザは、・・・のブランクに対して、ユーザ端末を操作して、例えば図3で示したビットレートb、c、dなどを入力することができる。例えばcをブランクに入力して、決定ボタンを操作すると、信号ビットレートc以下の番組は一括消去されることになる。
【0045】
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザの視聴履歴情報を有効に活用して、ユーザの嗜好番組を学習し、この学習結果に基づいて、記録媒体に記録する番組の信号ビットレートを設定することができる。よってハードディスクなどの記録媒体を有効に使用することができ、ハードウエアの増設、費用負担の軽減を得ることができる。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
10・・・視聴履歴取得部、11・・・嗜好モデル学習部、12・・・嗜好度算出部、13・・・記録再生制御部、20・・・視聴履歴格納部、21・・・嗜好情報格納部、22・・・嗜好度格納部、23・・・録画番組格納部、101・・・受信装置、102・・・ストリーム処理部、103・・・オーディオ信号処理部、104・・・オーディオ信号出力部、105・・・映像信号処理部、106・・・映像信号出力部、111・・・スピーカシステム、112・・・表示器、200・・・制御装置、210・・・嗜好度情報生成手段、220・・・記録再生手段、230・・・ビットレート設定手段、240・・・モデム、241・・・指令解析部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが視聴した番組の履歴情報に基づいて、前記番組の嗜好度情報を生成する嗜好度情報生成手段と、
チューナで受信した第1の番組を記録媒体に記録する場合は、前記嗜好度情報に基づいて前記第1の番組の信号ビットレートを設定し、前記記録媒体から読み出した第2の番組を前記記録媒体に再記録する場合は、前記第2の番組の前記記録媒体への格納期間に基づいて信号ビットレートを設定するビットレート設定手段と、
ビットレート設定手段で設定された前記信号ビットレートに基づいて前記第1又は第2の番組を前記記録媒体に記録する記録再生手段と、
を有する記録番組の整理装置。
【請求項2】
前記ビットレート設定手段は、前記記録媒体に記録される前記第2の番組の内容及び又は前記記録媒体に記録されていた期間に応じて、信号ビットレートを低下させる方向へ調整する手段をさらに含む請求項1記載の記録番組の整理装置。
【請求項3】
前記ビットレート設定手段は、前記第2の番組が、連続ドラマ番組、シリーズ番組、又は特別情報で特別に指定されている番組であった場合は、前記信号ビットレートの低下を抑制する請求項2記載の記録番組の整理装置。
【請求項4】
前記特別情報は、ネットワークから取得した当該第2の番組に関するキーワード若しくはユーザが登録した当該第2の番組に関するキーワードが存在する場合は、前記信号ビットレートの低下を抑制する請求項3記載の記録番組の整理装置。
【請求項5】
前記ビットレート設定手段は、前記第2の番組が前記記録媒体に格納されていた格納期間が長いほど、前記再記録される前記第2の番組の信号ビットレートを低下する割合を大きくする請求項2記載の記録番組の整理装置。
【請求項6】
前記ビットレート設定手段は、前記第2の番組が、ニュース番組及び天気予報番組であった場合は、前記再記録される第2の番組の信号ビットレートを低下する割合を大きくする請求項2記載の記録番組の整理装置。
【請求項7】
さらに前記第2の番組の信号ビットレートの低下を抑制するために、前記第2の番組に対して特別の指定を行う特別指定部を有する請求項1記載の記録番組の整理装置。
【請求項8】
さらに前記記録媒体に記録されており、所定の信号ビットレートの指示を入力することにより、前記所定のビットレート以下の条件となる複数の番組を一括消去する一括整理部を有する請求項1記載の記録番組の整理装置。
【請求項9】
ユーザが視聴した番組の履歴情報に基づいて、前記番組の嗜好度情報を生成する嗜好度情報生成手段と、少なくとも前記嗜好度情報に基づいて第1の番組の信号ビットレートを設定するビットレート設定手段と、前記ビットレート設定手段で設定された前記信号ビットレートに基づいて前記第1の番組を前記記録媒体に記録する記録再生手段とを有した装置の記録番組の整理方法において、
制御装置が、チューナで受信した第1の番組を記録媒体に記録する場合は、前記嗜好度情報に基づいて前記第1の番組の信号ビットレートを設定し、前記記録媒体から読み出した第2の番組を前記記録媒体に再記録する場合は、前記第2の番組の前記記録媒体への格納期間に基づいて信号ビットレートを設定し、
前記設定された前記信号ビットレートに基づいて前記第1又は第2の番組を前記記録媒体に記録する、記録番組の整理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−106127(P2013−106127A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247283(P2011−247283)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】