説明

記録装置、そのプログラム

【課題】ユーザの感情表現を記録することが出来る。
【解決手段】ユーザの複数の感情と対応する該複数の表示物102〜108を表示領域に表示する表示部と、前記表示物に対して操作される操作部と、を有し、前記表示領域には、前記表示物が表示される第1領域αと、前記操作された表示物の一部が切り離されて、該切り離された一部が表示される第2領域βと、が含まれることを特徴とする記録装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、人間の感情などを記録する記録装置、そのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
人間は、一日の日常生活において、喜怒哀楽などの感情表現を行なう場合がある。このような感情表現を行なった場合に、人間は通常、感情表現を行った日の一日後、または、一週間後には、行なった感情表現または、行なった感情表現の度合いなどを忘れる場合が多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
人間の行なった感情表現または、行なった感情表現の度合いなどを思い出すために、行なった感情表現を記録する記録装置が提案されることが期待されている。このような記録装置によりユーザが例えば「怒」の感情表現を行なった日時を認識できると、自分がどの日時に、どの程度、「怒」の感情表現を行なったかを認識でき、今後の生活の改善を見込むことが出来るからである。
【0004】
そこで、本発明は、ユーザの感情表現を記録することが出来る記録装置を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため、ユーザの複数の感情と対応する該複数の表示物を表示領域に表示する表示部と、前記表示物に対して操作される操作部と、を有し、前記表示領域には、前記表示物が表示される第1領域と、前記操作された表示物の一部が切り離されて、該切り離された一部が表示される第2領域と、が含まれることを特徴とする記録装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の記録装置によれば、ユーザの感情表現を記録することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施例の記録装置の機能構成例。
【図2】本実施例の記録装置の表示部の一例を示した図(その1)。
【図3】本実施例の記録装置の表示部の一例を示した図(その2)。
【図4】本実施例の記録装置の表示部の一例を示した図(その3)。
【図5】本実施例の記録装置の表示部の一例を示した図(その4)。
【図6】本実施例の記録装置の表示部の一例を示した図(その5)。
【図7】別の実施形態の記録装置の表示部の一例を示した図(その1)。
【図8】本実施例の記録装置の記憶構成例を示した図。
【図9】別の実施形態の記録装置の表示部の一例を示した図(その2)。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に本実施形態1の記録装置のハードウェア機能構成例を示す。図1に示すように、記録装置10は、制御部11、主記憶部12、補助記憶部13、ネットワークインターフェース部16、操作部17、表示部18を含む。
制御部11は、コンピュータの中で、各装置の制御やデータの演算、加工を行うCPUである。また、制御部11は、主記憶部12に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、入力装置や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、出力装置や記憶装置に出力する。
【0009】
主記憶部12は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などであり、制御部11が実行する基本ソフトウェアであるOSやアプリケーションソフトウェアなどのプログラムや画像データを記憶又は一時保存する記憶装置である。
【0010】
補助記憶部13は、HDD(Hard Disk Drive)などであり、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
【0011】
外部記憶装置I/F部14は、USB(Universal Serial Bus)などのデータ伝送路を介して接続された記憶媒体15(例えば、フラッシュメモリ、SDカードなど)と記録装置10とのインタフェースである。
【0012】
また、記憶媒体15に、所定のプログラムを格納し、この記憶媒体15に格納されたプログラムは外部記憶装置I/F部14を介して記録装置10にインストールされ、インストールされた所定のプログラムは記録装置10により実行可能となる。
【0013】
ネットワークインターフェース部16は、有線及び/又は無線回線などのデータ伝送路により構築されたLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのネットワークを介して接続された通信機能を有する周辺機器と記録装置10とのインタフェースであり、記録装置10内の構成部からの情報を取得する。
【0014】
操作部17は、例えば、キーボードやマウスなどの周辺機器であり、ユーザにより操作されるものである。また表示部18は、様々な表示画面が表示される。また、操作部17と表示部18とが一体的である場合には、キースイッチ(ハードキー)とタッチパネル機能(GUIのソフトウェアキーを含む:Graphical User Interface)を備えたLCD(Liquid Crystal Display)とから構成され、記録装置10が有する機能を利用する際のUI(User Interface)として機能する表示及び/又は入力装置である。
【0015】
[表示部18について]
次に、表示部18について、説明する。以下では、表示部18は、タッチパネル機能を備えたものであるとする。つまり、表示部18と操作部17とが一体化されたスマートフォンなどの構成である。そして、ユーザが、表示部18に表示されている表示物を操作する場合には、ユーザが直接、表示物に対して操作する。ここで、操作とは、ユーザの指やスタイラスペンなどによるタッチである。
【0016】
図2から図5を用いて、本実施形態1の表示部18に表示される画面の推移を示す。図2に示すように、初期画面として、ユーザの複数の感情と対応する該複数の表示物が表示されている。
【0017】
この実施形態では、ユーザの複数の感情とは、例えば、「喜」「怒」「哀」「楽」であるとする。そして、これら「喜」「怒」「哀」「楽」と対応する複数の表示物を、それぞれ喜表示物102、怒表示物104、哀表示物106、楽表示物108、とする。また、これらの表示物が表示されている領域を第1領域αとする。
【0018】
そして、ユーザは現時点で抱いた感情に相当する表示物をタッチする。例えば、ユーザが「喜」の感情を抱いた場合には、該ユーザは喜表示物102をタッチする。そうすると、図3に示すように、喜表示物102の一部102’が分離される。そして、図4に示すように分離された喜表示物102の一部102’は、下方(後述する第2領域β方向)に移動し、該喜表示物102の一部102’の形状は矩形状に変形し表示される。
【0019】
そして、ユーザは、他の感情を抱いた時点で、該感情に対応する表示物102〜108のいずれかにタッチする。そうすると、図5に示すように、他の感情に対応する表示物も矩形状に変形され、蓄積・表示される。また、図5に示すように、矩形状に変形された表示物が表示される領域を第2領域βとする。
【0020】
また、ユーザは表示物を第2領域βに蓄積させる際には、表示物102〜108をタッチして第2領域βに向かってドラッグするような操作をしてもよい。
【0021】
また、表示物の一部の量は、操作(操作量)に応じて定まるようにしてもよい。換言すれば、ユーザの抱いた感情の度合いに応じた操作が表示物に対して行われるようにしてもよい。具体的には、ユーザが抱いた感情の度合いに応じて、表示物の操作をさせる。第1の例として、ユーザが抱いた感情の度合いをユーザによる表示物のタッチ回数に比例させる。例えば、ユーザが大きく「喜」の感情を抱いた場合には、ユーザは多数回、喜表示物をタッチする。また、ユーザが少し「喜」の感情を抱いた場合には、ユーザは少数回(例えば、1回)タッチする。
【0022】
また、第2の例として、ユーザによる表示物のタッチ時間を、ユーザが抱いた感情の度合いに比例させる。例えば、ユーザが大きく「喜」の感情を抱いた場合には、ユーザは多時間分、喜表示物をタッチする。また、ユーザが少し「喜」の感情を抱いた場合には、ユーザは少時間分、タッチする。
【0023】
上記の例では、感情の例として、「喜怒哀楽」としたが、その他の感情の例として、「はい」「いいえ」などとしても良い。
【0024】
また、表示物102〜108の挙動について説明する。ユーザが表示物102〜108の何れかをタッチすると、該タッチされた箇所の座標を座標取得手段112が取得する。そして、表示制御手段114が、取得した座標に応じた画面を表示させる。
【0025】
また、表示物102〜108の挙動を例えば、スライム状のようにしてもよい。例えば、ユーザが「喜」表示物102をタッチすると、該「喜」表示物102は、震えるような挙動をするようにすれば良い。また、表示物のほかの例として、ユーザの感情に限らず、計数対象物としてもよい。例えば、表示物を男児、女児、成人男性、成人女性、老人男性、老人女性とする。そして、例えば、交通量調査などで、調査者が、歩行者の種類を視認し、歩行者の種類に応じた表示物をタッチするようにしても良い。このように、表示物を計数対象物とすると、カウンターとして用いることが出来る。
【0026】
この実施形態1の記録装置であれば、ユーザが感情を抱いた場合に、該ユーザがその感情に対応した表示物に対して操作(例えば、タッチ)を行ない、第2領域βに該操作され表示物を蓄積させるように表示する。従って、ユーザは、所定日数間(例えば、3日間)に、抱いた感情をまとめて認識することが出来る。その結果、該ユーザの今後の日常生活の改善を見込むことが出来る。例えば、「怒」の表示物が多く蓄積されて表示されている場合には、ユーザは、該所定日数間に、怒るという感情を多く抱いたということである。従って、ユーザ自身で、今後の日常生活において、「怒る」という感情を抱かないように反省することが出来る。
【0027】
また、例えば、学校に通う子供を持つ親は、子供の学校生活において、子供がどのような感情を抱いているかを認識し難い。そこで、本実施形態1の記録装置を子供に持たせて、該子供が感情を抱いた時に記録装置を操作させるようにすることで、親は、学校生活で子供が抱いた感情を容易に認識することが出来る。従って、例えば、「哀」の表示物が多い場合には、親は即座に「子供が学校生活において、かなり哀しい感情を抱いている」ことを認識できる。その他の例として、アンケートなどに用いることが出来、このアンケート結果をマーケティング市場などで用いることが出来る。
【0028】
また、実施形態1の他の実施形態として、図6に示すように、第2領域βに蓄積表示された表示物を円グラフγで表示することも出来る。この円グラフγを表示させることで、ユーザは、蓄積表示された感情を、視覚的に認識しやすくすることができる。また、図6記載の第2領域βの蓄積表示、または/および、円グラフγは別画面に表示させるようにしてもよい。例えば、ユーザが操作部を操作することで、第1領域α、第2領域β、円グラフγと切り換えることができるようにする。
【0029】
[実施形態2]
次に、実施形態2の記録装置について説明する。実施形態2の記録装置の表示画面100には、操作部により操作がされた時刻と、第2領域βに表示された表示物の一部の量とが対応付けられて、表示される。図7に、実施形態2の表示画面100に表示される画面の一例を示す。図7の横軸は時間軸を示し、縦軸は表示物の一部の量を示す。
【0030】
図7に、実施形態2の表示画面100の一例を示す。図7に示す棒グラフについて、「喜」で示す棒グラフはドットが付されている。「怒」で示す棒グラフはハッチングが付されている。「哀」で示す棒グラフは、何ら付されていない。「楽」で示す棒グラフは、横線が付されている。
【0031】
図7の例では、11時台に、「喜」についての表示物102と、「怒」についての表示物104と、ユーザによりがタッチされている。つまり、ユーザは感情「喜」と「怒」を抱いたということである。このように、実施形態2の表示画面100であれば、ユーザは、感情を抱いた種類と、その種類の感情を頂いた時刻を、容易に認識することが出来る。
【0032】
次に、図7に示す画面の生成の手法を説明する。CPU内には、時刻取得手段116を有する。そして、時刻取得手段は、ユーザが表示物102〜108の何れかをタッチすると、該タッチされた時刻を取得する。そして、時刻取得手段116は、該タッチされた表示物の感情と、該タッチされた時刻とを対応付けて、主記憶部12や補助記憶部13に記憶させる。該記憶させる方式の一例を図8に示す。図8の例では、感情「喜」には、時刻A1時B1分、A2時B2分などにタッチされたことを示す。このような方式で、主記憶部12や補助記憶部13に記憶させる。
【0033】
そして、ユーザが操作部17に対して、表示部18の表示を切り換えるように操作されると、図2〜図6の表示から、図7の表示に切替される。切り換えられる操作とは、例えば、表示部18に、切り換えるための切換スイッチを表示させる。そして、ユーザが該切換スイッチを押下することで、図7の表示に切替される。また、操作部17から切り換えるための操作がされると、該切替操作情報が、操作部17で生成される。そして、表示制御部が該切替操作情報を取得すると、図2〜図6の表示から、図7の表示に切替える。
【0034】
また、図7の例では、時刻を0時〜24時としたが、他の時間帯に設定してもよく、例えば、3日間としてもよく、また、時刻をユーザが通常生活している時間帯(例えば、7時〜12時)などとしても良い。
【0035】
また、図9に、実施形態2の表示画面100の変形例を示す。実施形態2の変形例では、感情を抱いた際のコメントを添付することが出来る。図9の例では、コメント202は、例えば、11時台に「怒」の表示物104がタッチされた際に、添付されたコメントである。また、コメント204は、20時台に「喜」の表示物102がタッチされた際に、添付されたコメントであるが、ユーザの顔写真なども添付することが出来る。また、添付される写真の他の例としては表示物102〜108をタッチしたときの感情に関連するものであればよく、例えば、ユーザの該感情を表現した顔や、ユーザのペットなどであれば良い。
【0036】
また、図7や図9のユーザの所望する時間帯を切り取って、拡大させて表示させることが出来る。また、過去の図7や図9の画面を表示させるようにすることが出来る。
【0037】
この実施形態2の記録装置によれば、ユーザは、感情を抱いた種類と、その種類の感情を頂いた時刻を、容易に認識することが出来る。従って、例えば、ユーザは、就寝前などに、一日の感情のバイオリズムを認識できる。また、感情を抱いたときのコメント、または/および、該感情に関連する写真を、該感情に付加することで、ユーザは更に詳細な感情のバイオリズムを認識できる。
【0038】
また、本実施例は、以上の例に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、その他様々の構成をとりうることはもちろんである。
【0039】
また、記録装置10の処理をコンピュータに実行させる情報処理プログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよいが、具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto−Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP−ROM(Electronically Erasable and Programmable−Read Only Memory)等を用いることができる。
【0040】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0041】
また、上述した実施形態とは別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接このプログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに凖ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、本装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
11・・・制御部
12・・・主記憶部
13・・・補助記憶部
14・・・外部記憶装置I/F部
16・・・ネットワークI/F部
17・・・操作部
18・・・表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの複数の感情と対応する該複数の表示物を表示領域に表示する表示部と、
前記表示物に対して操作される操作部と、を有し、
前記表示領域は、前記表示物が表示される第1領域と、
前記操作された表示物の一部が切り離されて、該切り離された一部が表示される第2領域と、が含まれることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記表示領域に、
前記操作部により操作がされた時刻と、前記第2領域に表示された表示物の一部の量とが対応付けられて、表示されることを特徴とする請求項1記載の記録装置。
【請求項3】
前記表示領域に、
前記時刻と、前記表示物の一部の量と、ユーザのコメントと、が対応付けられて表示されることを特徴とする請求項2記載の記録装置。
【請求項4】
前記表示物の一部の量は、前記操作に応じて定まることを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の記録装置。
【請求項5】
ユーザの複数の感情と対応する該複数の表示物を表示領域に表示する表示部と、
前記表示物に対して操作される操作部と、を有するコンピュータに、
請求項1〜4何れか1項に記載の記録装置の各手順を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−174258(P2012−174258A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53515(P2011−53515)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(511063653)
【出願人】(511063664)
【Fターム(参考)】