説明

記録装置、記録方法、再生装置、再生方法、プログラム、および記録再生装置

【課題】再生能力に応じたストリームの再生を可能にする再生制御情報を提供することができるようにする。
【解決手段】本技術の第1の側面の記録装置は、視点が異なる複数の画像のうちの所定の画像を符号化して得られた基本ストリームと、前記基本ストリームのピクチャを参照画像として符号化したピクチャを含む、他の画像を符号化して得られた依存ストリームとを含む第1のビデオストリームの再生制御情報として、前記基本ストリームの符号化方法と同じ符号化方法で符号化された第2のビデオストリームの再生制御情報のバージョン情報と同じバージョン情報を設定した情報を生成する第1の生成部と、前記第1のビデオストリームと、前記第1のビデオストリームの再生制御情報とを記録媒体に記録させる記録制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、例えば、再生能力に応じたストリームの再生を可能にする再生制御情報を提供することができるようにした記録装置、記録方法、再生装置、再生方法、プログラム、および記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、立体視が可能な画像を収録した3Dコンテンツが注目されている。3Dコンテンツのビデオデータには、左目用の画像(L画像)と右目用の画像(R画像)のデータが含まれる。L画像に写る被写体とR画像に写る被写体には、視差に相当するずれがある。
【0003】
例えば視差が設定されたL画像とR画像を交互に表示し、アクティブシャッタメガネをかけたユーザの左目と右目にそれぞれ届けることによって、被写体を立体的に認識させることが可能になる。
【0004】
L画像とR画像からなるステレオ画像の符号化方式としてMPEG-4 MVCがある。家庭用のビデオカメラで撮影したステレオ画像をMPEG-4 MVCによって符号化し、BD(Blu-ray Disc(商標))などに記録できるようにすることも検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−158972号公報
【特許文献2】特開2010−263614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、BDのアプリケーションフォーマットにBDAV(BD Audio Visual)がある。
【0007】
MPEG-4 MVCの符号化データをBDAVのアプリケーションフォーマットでどのようにBDに記録するのかについては規定されていない。また、そのようにしてBDに記録されたMPEG-4 MVCの符号化データをどのようにして再生するのかについても規定されていない。
【0008】
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、再生能力に応じたストリームの再生を可能にする再生制御情報を提供することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本技術の第1の側面の記録装置は、視点が異なる複数の画像のうちの所定の画像を符号化して得られた基本ストリームと、前記基本ストリームのピクチャを参照画像として符号化したピクチャを含む、他の画像を符号化して得られた依存ストリームとを含む第1のビデオストリームの再生制御情報として、前記基本ストリームの符号化方法と同じ符号化方法で符号化された第2のビデオストリームの再生制御情報のバージョン情報と同じバージョン情報を設定した情報を生成する第1の生成部と、前記第1のビデオストリームと、前記第1のビデオストリームの再生制御情報とを記録媒体に記録させる記録制御部とを備える。
【0010】
バージョン情報は、所定の桁数の数字であってもよいし、所定の数の文字や記号であってもよい。
【0011】
記録媒体には、記録装置のドライブに挿入された光ディスク、メモリカードの他、記録装置内蔵のフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)が含まれる。記録装置とネットワークを介して接続された装置が有する記録媒体や、記録装置とケーブルを介して接続された装置が有する記録媒体がデータの記録に用いられるようにしてもよい。
【0012】
前記第1のビデオストリームは、MPEG-4 MVCビデオストリームであり、前記第2のビデオストリームは、MPEG-4 AVCビデオストリームであるようにすることができる。
【0013】
前記基本ストリームと前記依存ストリームのそれぞれの符号化方法を示す符号化情報を含むファイルを生成する第2の生成部をさらに設けることができる。この場合、前記記録制御部には、前記ファイルを前記記録媒体にさらに記録させることができる。
【0014】
前記再生制御情報はPlayList fileであり、前記ファイルは、前記MPEG-4 MVCビデオストリームを含むトランスポートストリームファイルに対応するClip Information fileであるようにすることができる。
【0015】
前記第2の生成部には、前記Clip Information fileのProgramInfo()に前記符号化情報を含む2つのビデオ情報を設定させ、1つ目の前記ビデオ情報の前記符号化情報に、前記基本ストリームの符号化方法を示す値を設定させ、2つ目の前記ビデオ情報の前記符号化情報に、前記依存ストリームの符号化方法を示す値を設定させることができる。
【0016】
前記第2の生成部には、前記基本ストリームの符号化方法を示す値として、前記基本ストリームが、MPEG-4 AVCのビデオストリーム、または、MPEG-4 MVCのBase viewビデオストリームであることを示す値を設定させ、前記依存ストリームの符号化方法を示す値として、前記依存ストリームが、MPEG-4 MVCのDependent viewビデオストリームであることを示す値を設定させることができる。
【0017】
前記第2の生成部には、前記Clip Information fileのバージョン情報として、前記PlayList fileのバージョン情報と同じ情報を設定させることができる。
【0018】
前記複数の画像をMPEG-4 MVCによって符号化し、前記基本ストリームと前記依存ストリームを生成する符号化部をさらに設けることができる。
【0019】
本技術の第2の側面の再生装置は、視点が異なる複数の画像のうちの所定の画像を符号化して得られた基本ストリームと、前記基本ストリームのピクチャを参照画像として符号化したピクチャを含む、他の画像を符号化して得られた依存ストリームとを含む第1のビデオストリーム、および、前記基本ストリームの符号化方法と同じ符号化方法で符号化された第2のビデオストリームの再生制御情報のバージョン情報と同じバージョン情報が設定された前記第1のビデオストリームの再生制御情報が記録された記録媒体に記録されている前記第1のビデオストリームの再生制御情報に従って、前記第1のビデオストリームの復号を制御する制御部と、前記制御部による制御に従って、前記基本ストリームのみを復号するか、前記基本ストリームと前記依存ストリームを復号する復号部とを備える。
【0020】
前記基本ストリームと前記依存ストリームの復号が可能な前記復号部には、前記基本ストリームと前記依存ストリームを復号して前記所定の画像と前記他の画像を出力させることができる。
【0021】
前記依存ストリームの復号ができない前記復号部には、前記基本ストリームのみを復号して前記所定の画像を出力させることができる。
【0022】
本技術の第3の側面の記録再生装置は、視点が異なる複数の画像のうちの所定の画像を符号化して得られた基本ストリームと、前記基本ストリームのピクチャを参照画像として符号化したピクチャを含む、他の画像を符号化して得られた依存ストリームとを含む第1のビデオストリームの再生制御情報として、前記基本ストリームの符号化方法と同じ符号化方法で符号化された第2のビデオストリームの再生制御情報のバージョン情報と同じバージョン情報を設定した情報を生成する生成部と、前記第1のビデオストリームと、前記第1のビデオストリームの再生制御情報とを記録媒体に記録させる記録制御部と、前記記録媒体に記録されている前記第1のビデオストリームの再生制御情報に従って、前記第1のビデオストリームの復号を制御する制御部と、前記制御部による制御に従って、前記基本ストリームのみを復号するか、前記基本ストリームと前記依存ストリームを復号する復号部とを備える。
【発明の効果】
【0023】
本技術によれば、再生能力に応じたストリームの再生を可能にする再生制御情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】記録システムの構成例を示す図である。
【図2】MPEG-4 MVCについて説明する図である。
【図3】光ディスクのアプリケーションフォーマットの構造を示す図である。
【図4】光ディスクのディレクトリ構造を示す図である。
【図5】PlayList fileのシンタクスを示す図である。
【図6】図5のPlayList()のシンタクスを示す図である。
【図7】図6のPlayItem()のシンタクスを示す図である。
【図8】Clip information fileのシンタクスを示す図である。
【図9】図8のProgramInfo()のシンタクスを示す図である。
【図10】stream_coding_typeを示す図である。
【図11】3D対応記録装置の構成例を示すブロック図である。
【図12】MPEG-4 MVCビデオ用のPlayList fileを記録する3D対応記録装置の処理について説明するフローチャートである。
【図13】MPEG-4 MVCビデオ用のPlayList fileの具体例を示す図である。
【図14】Clip Information fileの具体例を示す図である。
【図15】図14のProgramInfo()の具体例を示す図である。
【図16】他の記録システムの構成例を示す図である。
【図17】2D対応記録装置の構成例を示すブロック図である。
【図18】MPEG-4 AVCビデオ用のPlayList fileを記録する2D対応記録装置の処理について説明するフローチャートである。
【図19】MPEG-4 AVCビデオ用のPlayList fileの具体例を示す図である。
【図20】Clip Information fileの具体例を示す図である。
【図21】図20のProgramInfo()の具体例を示す図である。
【図22】再生システムの構成例を示す図である。
【図23】3D対応再生装置の構成例を示すブロック図である
【図24】MPEG-4 MVCビデオ用のPlayList fileを再生する3D対応再生装置の処理について説明するフローチャートである。
【図25】3D対応再生装置の出力の切り替えについて説明する図である。
【図26】再生システムの他の構成例を示す図である。
【図27】2D対応再生装置の構成例を示すブロック図である。
【図28】MPEG-4 AVCビデオ用のPlayList fileを再生する2D対応再生装置の処理について説明するフローチャートである。
【図29】MPEG-4 MVCビデオ用のPlayList fileを再生する2D対応再生装置の処理について説明するフローチャートである。
【図30】2D対応再生装置の出力について説明する図である。
【図31】3D対応の記録再生装置を示す図である。
【図32】2D対応の記録再生装置を示す図である。
【図33】コンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本技術を実施するための形態について説明する。説明は以下の順序で行う。
1.記録側の例
1−1.3D対応記録装置について
1−2.2D対応記録装置について
2.再生側の例
2−1.3D対応再生装置について
2−2.2D対応再生装置について
3.変形例
【0026】
1.記録側の例
<1−1.3D対応記録装置について>
図1は、記録システムの構成例を示す図である。
【0027】
図1の記録システムは、3Dビデオカメラ1と3D対応記録装置2から構成される。3D対応記録装置2のドライブには光ディスク3が挿入される。光ディスク3は例えばBDである。
【0028】
3Dビデオカメラ1は、ステレオの動画像の撮影が可能な3D対応のビデオカメラである。3Dビデオカメラ1の前面には、3Dビデオカメラ1から被写体に向かって右側の位置と左側の位置にそれぞれレンズが設けられる。3Dビデオカメラ1の内部には、右側のレンズにより取り込まれた光に基づいてR画像を生成する右目用のカメラと、左側のレンズにより取り込まれた光に基づいてL画像を生成する左目用のカメラが設けられる。右目用のカメラと左目用のカメラとがそれぞれ別々の筐体のカメラとして設けられるようにしてもよい。
【0029】
撮影されたステレオ画像のデータは3Dビデオカメラ1の内部の記録媒体に記録される。記録媒体に記録されたステレオ画像のデータは、3Dビデオカメラ1がUSB(Universal Serial Bus)ケーブルなどを介して3D対応記録装置2に接続されたとき、3D対応記録装置2に転送される。
【0030】
3D対応記録装置2は、3Dビデオカメラ1から供給されたステレオ画像のデータを光ディスク3に記録することが可能な3D対応の記録装置である。3D対応記録装置2は、3Dビデオカメラ1から供給されたステレオ画像をMPEG-4 MVC(Multi-view Video coding)によって符号化する。
【0031】
ここで、MPEG-4 MVCについて図2を参照して説明する。
【0032】
MPEG-4 MVCビデオストリームは、Base viewビデオストリームと呼ばれる一本のビデオストリームと、Dependent viewビデオストリームと呼ばれる一本のビデオストリームから構成される。
【0033】
Base viewビデオストリームは、L画像とR画像のうちの例えばL画像をMPEG-4 AVCで符号化することによって得られたビデオストリームである。図2の縦方向の矢印で示すように、Base viewのピクチャには、他のviewのピクチャを参照画像とする予測符号化が許されていない。
【0034】
一方、Dependent viewのピクチャには、Base viewのピクチャを参照画像とする予測符号化が許されている。例えばL画像をBase viewにするとともにR画像をDependent viewとして符号化を行った場合、その結果得られるR画像のビデオストリームであるDependent viewビデオストリームのデータ量は、L画像のビデオストリームであるBase viewビデオストリームのデータ量に比較して少なくなる。
【0035】
なお、MPEG-4 AVCでの符号化であるから、図2の横方向の矢印で示すように、Base viewのピクチャについて、時間方向の予測符号化が行われている。また、Dependent viewのピクチャについても、view間の予測とともに、時間方向の予測符号化が行われている。Dependent viewのピクチャを復号するには、符号化時に参照先とした、対応するBase viewのピクチャの復号が先に終了している必要がある。
【0036】
MPEG-4 MVCビデオストリームに含まれるBase viewビデオストリームのみを単独で再生することによって、2D画像(L画像)の表示が可能になる。また、Base viewビデオストリームとDependent viewビデオストリームの両方のビデオストリームを再生することによって、ステレオ画像の表示が可能になる。
【0037】
図1の3D対応記録装置2は、ステレオ画像を符号化して得られたMPEG-4 MVCビデオストリームを、PlayList fileなどとともに光ディスク3に記録させる。MPEG-4 MVCビデオストリームなどが記録された光ディスク3は再生装置に提供される。
【0038】
MPEG-4 MVCビデオストリームとともに光ディスク3に記録されるPlayList fileは、MPEG-4 MVCビデオストリームの再生に用いられるものである。以下、適宜、MPEG-4 MVCビデオストリームとともに記録されるPlayList fileを、MPEG-4 MVCビデオ用のPlayList fileという。
【0039】
同様に、後述するMPEG-4 AVCビデオストリームとともに光ディスク3に記録される、MPEG-4 AVCビデオストリームの再生に用いられるPlayList fileを、適宜、MPEG-4 AVCビデオ用のPlayList fileという。
【0040】
[データの管理構造]
ビデオストリームの記録フォーマットについて説明する。図3は、光ディスク3のアプリケーションフォーマットの構造を示す図である。
【0041】
アプリケーションフォーマットは、AVストリームの管理のためにPlayListとClipの2つのレイヤをもつ。ここでは、1つのAVストリームと、その付属情報のペアをClipという。適宜、Clipを構成するAVストリームをClip AV streamといい、その付属情報をClip Informationという。
【0042】
Clip AV streamは時間軸上に展開され、Clipの中のエントリーポイントは主に時間ベースで指定される。Clip Informationは、Clip AV stream中の、データの読み出しを開始すべきアドレスを見つけるためなどに用いられる。
【0043】
PlayListは、Clipの再生区間を選択するために用いられる再生制御情報である。Clip中の1つの再生区間はPlayItemと呼ばれ、PlayItemは時間軸上のIN点とOUT点の対で表される。PlayListは複数のPlayItemによって構成される。
【0044】
図4は、光ディスク3のディレクトリ構造を示す図である。
【0045】
光ディスク3のディレクトリには、"PLAYLIST"ディレクトリ、"CLIPINF"ディレクトリ、"STREAM"ディレクトリが含まれる。
【0046】
"PLAYLIST"ディレクトリにはPlayList fileが格納される。PlayList fileは"rpls"または"vpls"の拡張子を有する。図4の例においては、"xxxxx.rpls"のファイル名が設定されたPlayList fileと、"yyyyy.vpls"のファイル名が設定されたPlayList fileが格納されている。
【0047】
"CLIPINF"ディレクトリには、それぞれのトランスポートストリームファイルに対応するClip Information fileが格納される。Clip Information fileは"clpi"の拡張子を有する。図4の例においては、"zzzzz.clpi"のClip Information fileが格納されている。
【0048】
"STREAM"ディレクトリには、AVストリームのファイルであるトランスポートストリームファイルが格納される。トランスポートストリームファイルは"m2ts"の拡張子を有する。図4の例においては、"zzzzz.m2ts"のトランスポートストリームファイルが格納されている。
【0049】
ファイル名が本体部と拡張子からなるものとすると、あるClip Information fileのファイル名の本体部と、対応するトランスポートストリームファイルのファイル名の本体部には同じ5桁の数字が設定される。図4の"zzzzz.m2ts"のトランスポートストリームファイルは、"zzzzz.clpi"のClip Information fileに対応するファイルである。
【0050】
図5は、PlayList fileのシンタクスを示す図である。”rpls”の拡張子をファイル名に有するPlayList fileと”vpls”の拡張子をファイル名に有するPlayList fileは基本的に同じ情報を含んでいる。以下、PlayList file、Clip Information fileに含まれる主な情報について説明する。
【0051】
2行目のversion_numberは、PlayList fileのバージョン番号を示す。3D対応記録装置2が作成するMPEG-4 MVCビデオ用のPlayList fileのversion_numberには、後述する、図16の2D対応記録装置102が作成するMPEG-4 AVCビデオ用のPlayList fileのversion_numberと同じ”0110”が設定される。
【0052】
PlayList fileに含まれるversion_number以外の情報は、例えば特開2001−158972号公報の図23に示される情報と同一の意味を持つ。
【0053】
すなわち、3行目のPlayList_start_addressは、PlayList fileの先頭のバイトからの相対バイト数を単位として、PlayList()の先頭アドレスを示す。
【0054】
4行目のMakerPrivateData_Start_addressは、PlayList fileの先頭のバイトからの相対バイト数を単位として、MakerPrivateData()の先頭アドレスを示す。
【0055】
6行目のPlayList()には、PlayItemに関する情報などが含まれる。
【0056】
10行目のPlayListMark()には、プログラムの開始点、シーンチェンジ点などの指定情報(マーク)に関する情報などが含まれる。
【0057】
14行目のMakerPrivateData()には、所定のPrivateDataが含まれる。
【0058】
図6は、図5のPlayList()のシンタクスを示す図である。
【0059】
2行目のversion_numberは、PlayList()のバージョン番号を示す。
【0060】
3行目のlengthは、lengthフィールドの直後からPlayList()の最後までのバイト数を示す。
【0061】
4行目のPlayList_typeは、PlayListのタイプを示す。PlayListのタイプには、AV記録のためのPlayList、オーディオ記録のためのPlayListなどがある。
【0062】
5行目のCPI_typeは、1ビットのフラグであり、PlayItem()およびSubPlayItem()によって参照されるClipのCPI_typeを示す。
【0063】
8行目のnumber_of_PlayItemsは、PlayList()の中にあるPlayItemの数を示す。
【0064】
15行目のPlayItem()は、PlayItemに関する情報である。それぞれのPlayItemにはPlayItem_idが割り当てられる。
【0065】
図7は、図6のPlayItem()のシンタクスを示す図である。
【0066】
2行目のClip_Information_file_nameは、Clip Information fileのファイル名の本体部に含まれる5桁の数字を示す。上述したように、あるClip Information fileのファイル名の本体部と、対応するトランスポートストリームファイルのファイル名の本体部には同じ5桁の数字が設定される。PlayItem()に含まれるClip_Information_file_nameから、読み出しの対象とするClip Information fileのファイル名と、対応するトランスポートストリームファイルのファイル名を特定することができる。
【0067】
5行目のIN_timeは、PlayItemの開始時刻を示す。
【0068】
6行目のOUT_timeは、PlayItemの終了時刻を示す。IN_timeとOUT_timeから、再生区間を特定することが可能になる。
【0069】
図8は、Clip information fileのシンタクスを示す図である。
【0070】
図8のClip information fileのファイル名は、Clip_Information_file_nameから特定された”zzzzz”を含む”zzzzz.clpi”である。
【0071】
2行目のversion_numberは、Clip information fileのバージョン番号を示す。Clip information fileのversion_numberにも、PlayList fileのversion_numberと同じ”0110”が設定される。
【0072】
4行目のProgramInfo_Start_addressは、Clip information fileの先頭のバイトからの相対バイト数を単位として、ProgramInfo()の先頭アドレスを示す。
【0073】
9行目のClipInfo()には、ClipInfo()のバージョン番号を示すversion_number、Clip Information fileに対応するトランスポートストリームファイルのタイプを示すClip_stream_type、トランスポートストリームのビットレートを示すTS_recording_rateなどが含まれる。
【0074】
17行目のProgramInfo()には、再生対象とするビデオストリームを格納するトランスポートパケットのPID、オーディオストリームを格納するトランスポートパケットのPIDなどの情報が含まれる。
【0075】
図9は、図8のProgramInfo()のシンタクスを示す図である。
【0076】
2行目のversion_numberは、ProgramInfo()のバージョン番号を示す。
【0077】
3行目のlengthは、このlengthフィールドの直後からProgramInfo()の最後までのバイト数を示す。
【0078】
11行目のnumber_of_videosは、ProgramInfo()に含まれるビデオ情報の数を示す。ビデオ情報は、14行目のvideo_stream_PID、15行目のstream_coding_type、および16行目のVideoCodingInfo()から構成される。
【0079】
3D対応記録装置2により生成されるPlayList fileはMPEG-4 MVCビデオストリームに含まれるBase viewビデオストリームとDependent viewビデオストリームの再生制御情報であるから、number_of_videosには2の値が設定される。
【0080】
一方、図16の2D対応記録装置102により生成されるPlayListは、MPEG-4 AVCビデオストリームの再生制御情報であるから、number_of_videosには1の値が設定される。
【0081】
12行目のnumber_of_audiosは、ProgramInfo()に含まれるオーディオ情報の数を示す。オーディオ情報は、19行目のaudio_stream_PID、20行目のstream_coding_type、および21行目のAudioCodingInfo()から構成される。
【0082】
14行目のvideo_stream_PIDは、program_sequenceに有効なビデオストリームを格納するトランスポートパケットのPIDを示す。
【0083】
15行目のstream_coding_typeは、video_stream_PIDで参照されるビデオストリームの符号化方法を示す。
【0084】
図10は、stream_coding_typeを示す図である。
【0085】
図10に示すように、stream_coding_typeの値が0x1Bであることは、video_stream_PIDで参照されるビデオストリームがMPEG-4 AVCビデオストリーム、またはMPEG-4 MVCのBase viewビデオストリームであることを示す。
【0086】
また、stream_coding_typeの値が0x20であることは、video_stream_PIDで参照されるビデオストリームがMPEG-4 MVCのDependent viewビデオストリームであることを示す。
【0087】
図9の16行目のVideoCodingInfo()は、video_stream_PIDで参照されるビデオストリームの内容に関する情報が含まれる。
【0088】
19行目のaudio_stream_PIDは、program_sequenceに有効なオーディオストリームを格納するトランスポートパケットのPIDを示す。
【0089】
20行目のstream_coding_typeは、audio_stream_PIDで参照されるオーディオストリームの符号化方法を示す。
【0090】
21行目のAudioCodingInfo()は、audio_stream_PIDで参照されるビデオストリームの内容に関する情報が含まれる。
【0091】
3D対応記録装置2においては、以上のような情報からなるMPEG-4 MVCビデオ用のPlayList fileと、MPEG-4 MVCビデオストリームを含むトランスポートストリームファイルに対応するClip Information fileが生成される。また、MPEG-4 MVCビデオ用のPlayList fileとClip Information fileが、MPEG-4 MVCビデオストリームを含むトランスポートストリームファイルとともに光ディスク3に記録される。
【0092】
[3D対応記録装置の構成]
図11は、3D対応記録装置2の構成例を示すブロック図である。
【0093】
3D対応記録装置2は、MPEG-4 MVCビデオエンコーダ11、オーディオエンコーダ12、マルチプレクサ13、ECC符号化部14、記録制御部15、およびコントローラ21から構成される。3Dビデオカメラ1から入力されたステレオ画像はMPEG-4 MVCビデオエンコーダ11に供給され、オーディオデータはオーディオエンコーダ12に供給される。
【0094】
MPEG-4 MVCビデオエンコーダ11は、3Dビデオカメラ1により撮影されたL画像をMPEG-4 AVCによって符号化し、Base viewビデオストリームを生成する。また、MPEG-4 MVCビデオエンコーダ11は、3Dビデオカメラ1により撮影されたR画像を、適宜、L画像を参照画像として用いて符号化し、Dependent viewビデオストリームを生成する。MPEG-4 MVCビデオエンコーダ11は、Base viewビデオストリームとDependent viewビデオストリームからなるMPEG-4 MVCビデオストリームをマルチプレクサ13に出力する。
【0095】
オーディオエンコーダ12は、3Dビデオカメラ1から供給されたオーディオデータを所定の符号化方法で符号化し、符号化して得られたオーディオストリームをマルチプレクサ13に出力する。
【0096】
マルチプレクサ13は、MPEG-4 MVCビデオエンコーダ11から供給されたMPEG-4 MVCビデオストリームと、オーディオエンコーダ12から供給されたオーディオストリームとを多重化する。マルチプレクサ13は、多重化することによって得られたAVストリームのファイルであるトランスポートストリームファイルをECC符号化部14に出力する。
【0097】
ECC符号化部14は、マルチプレクサ13から供給されたトランスポートストリームファイルに誤り訂正符号化を施し、誤り訂正符号化後のトランスポートストリームファイルを記録制御部15に出力する。また、ECC符号化部14は、コントローラ21から供給されたMPEG-4 MVCビデオ用のPlayList fileとClip Information fileに誤り訂正符号化を施し、誤り訂正符号化後のPlayList fileとClip Information fileを記録制御部15に出力する。
【0098】
記録制御部15は、ECC符号化部14から供給されたトランスポートストリームファイル、MPEG-4 MVCビデオ用のPlayList file、およびClip Information fileを光ディスク3に記録させる。
【0099】
コントローラ21は、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)などより構成され、所定のプログラムに従って3D対応記録装置2の全体の動作を制御する。プログラムが実行されることによって、コントローラ21においてはPlayList file生成部31とClip Information file生成部32が実現される。
【0100】
PlayList file生成部31は、MPEG-4 MVCビデオエンコーダ11により生成されたMPEG-4 MVCビデオストリームを参照し、MPEG-4 MVCビデオ用のPlayList fileを生成する。MPEG-4 MVCビデオ用のPlayList fileには図5〜図7の各情報が含まれる。PlayList file生成部31は、生成したMPEG-4 MVCビデオ用のPlayList fileをECC符号化部14に出力する。
【0101】
Clip Information file生成部32は、MPEG-4 MVCビデオエンコーダ11により生成されたMPEG-4 MVCビデオストリームを参照し、MPEG-4 MVCビデオストリームを含むトランスポートストリームファイルに対応するClip Information fileを生成する。MPEG-4 MVCビデオストリームを含むトランスポートストリームファイルに対応するClip Information fileには図8、図9の各情報が含まれる。Clip Information file生成部32は、生成したClip Information fileをECC符号化部14に出力する。
【0102】
L画像とR画像のMPEG-4 MVCによる符号化が3Dビデオカメラ1において行われ、MPEG-4 MVCビデオストリームが3Dビデオカメラ1から入力されるようにしてもよい。この場合、3Dビデオカメラ1から入力されたMPEG-4 MVCビデオストリームは、そのままマルチプレクサ13に供給される。マルチプレクサ13に供給されたMPEG-4 MVCビデオストリームは、MPEG-4 MVCビデオエンコーダ11により生成されたMPEG-4 MVCビデオストリームと同様に各部において処理が行われた後、光ディスク3に記録される。
【0103】
[3D対応記録装置の動作]
ここで、図12のフローチャートを参照して、MPEG-4 MVCビデオ用のPlayList fileを記録する3D対応記録装置2の処理について説明する。図12の処理は、例えばL画像とR画像が3Dビデオカメラ1から入力されたときに開始される。
【0104】
PlayList file、Clip Information file、およびビデオの処理について主に説明するが、オーディオについても上述したようにして処理が行われる。他のフローチャートの説明においても同様である。
【0105】
ステップS1において、MPEG-4 MVCビデオエンコーダ11は、3Dビデオカメラ1から入力されたL画像とR画像をMPEG-4 MVCによって符号化し、Base viewビデオストリームとDependent viewビデオストリームを含むMPEG-4 MVCビデオストリームを生成する。オーディオストリームと多重化されることによって、MPEG-4 MVCビデオストリームを含むトランスポートストリームファイルが生成される。
【0106】
ステップS2において、Clip Information file生成部32は、生成されたトランスポートストリームファイルに対応するClip Information fileのファイル名を設定し、version_number(図8)に”0110”を設定する。
【0107】
ステップS3において、Clip Information file生成部32は、生成されたトランスポートストリームファイルに対応するClip Information fileのProgramInfo()のnumber_of_videos(図9)に2の値を設定する。また、Clip Information file生成部32は、ProgramInfo()の1つ目のビデオ情報のstream_coding_typeに0x1Bを設定し、2つ目のビデオ情報のstream_coding_typeに0x20を設定する。
【0108】
Clip Information file生成部32においては、ファイル名、version_number、ProgramInfo()のnumber_of_videos、stream_coding_type以外にも、MPEG-4 MVCビデオストリームに関する各種の情報がClip Information fileに設定される。各種の情報が設定されることによって生成されたClip Information fileはECC符号化部14に供給される。
【0109】
ステップS4において、PlayList file生成部31は、PlayList fileのversion_number(図5)に”0110”を設定する。
【0110】
ステップS5において、PlayList file生成部31は、PlayItem()のClip_Information_file_name(図7)に、Clip Information fileのファイル名に含まれる5桁の数字を設定する。
【0111】
PlayList file生成部31においては、version_number、PlayItem()のClip_Information_file_name以外にも、MPEG-4 MVCビデオストリームに関する各種の情報がPlayList fileに設定される。各種の情報が設定されることによって生成されたPlayList fileはECC符号化部14に供給される。
【0112】
ECC符号化部14に供給されたPlayList fileとClip Information fileは、MPEG-4 MVCビデオストリームを含むトランスポートストリームファイルとともに誤り訂正符号化が施された後、記録制御部15に供給される。
【0113】
ステップS6において、記録制御部15は、PlayList file、Clip Information file、トランスポートストリームファイルを光ディスク3に記録させ、処理を終了させる。
【0114】
[MPEG-4 MVCビデオ用のPlayList fileとClip Information fileの具体例]
図13は、図12の処理によって生成されたMPEG-4 MVCビデオ用のPlayList fileの具体例を示す図である。
【0115】
2行目に示すように、MPEG-4 MVCビデオ用のPlayList fileのversion_numberには”0110”の値が設定される(図12のステップS4)。version_numberに設定される”0110”は、MPEG-4 AVCビデオ用のPlayList fileのversion_numberの値(図19)と同じ値である。
【0116】
11行目に示すように、PlayList()の中のPlayItem()には、MPEG-4 MVCビデオストリームを含むトランスポートストリームファイルに対応するClip Information fileのファイル名の本体部を示す”yyyyy”が設定される(図12のステップS5)。
【0117】
図14は、図12の処理によって生成されたClip Information fileの具体例を示す図である。
【0118】
1行目に示すように、Clip Information fileのファイル名は”yyyyy.clpi”である。MPEG-4 MVCビデオストリームを含むトランスポートストリームファイルのファイル名は”yyyyy.m2ts”となる。
【0119】
2行目に示すように、Clip Information fileのversion_numberには”0110”の値が設定される(図12のステップS2)。version_numberに設定される”0110”は、MPEG-4 AVCビデオストリームを含むトランスポートストリームファイルに対応するClip Information fileのversion_numberの値(図20)と同じ値である。
【0120】
14行目のProgramInfo()には、MPEG-4 MVCビデオストリームに含まれるBase viewビデオストリームとDependent viewビデオストリームの両方のビデオストリームに関する情報が含まれる。
【0121】
図15は、図14のClip Information fileのProgramInfo()の具体例を示す図である。
【0122】
6行目に示すように、number_of_videosには2の値が設定される。すなわち、ProgramInfo()の中にはビデオ情報が2回現れる(video(0)とvideo(1))。
【0123】
8〜17行目のvideo(0)が1つ目のビデオ情報になる。9行目に示すように、video(0)のvideo_stream_PIDには0x1011が設定される。0x1011は、Base viewビデオストリームを格納するトランスポートパケットのPIDを示す。
【0124】
また、10行目に示すように、video(0)のstream_coding_typeには0x1Bが設定される(図12のステップS3)。図10を参照して説明したように、0x1Bは、video_stream_PIDで参照されるビデオストリームが、MPEG-4 AVCビデオストリーム、またはMPEG-4 MVCのBase viewビデオストリームであることを示す。
【0125】
11〜14行目に示すように、video(0)のVideoCodingInfo()には、ビデオフォーマットが1080iであることを示すvideo_format、フレームレートが29.97Hzであることを示すframe_rate、およびアスペクト比が16:9であることを示すdisplay_aspect_ratioが含まれる。
【0126】
18〜27行目のvideo(1)が2つ目のビデオ情報になる。19行目に示すように、video(1)のvideo_stream_PIDには0x1012が設定される。0x1012は、Dependent viewビデオストリームを格納するトランスポートパケットのPIDを表す。
【0127】
また、20行目に示すように、video(1)のstream_coding_typeには0x20が設定される(図12のステップS3)。図10を参照して説明したように、0x20は、video_stream_PIDで参照されるビデオストリームが、MPEG-4 MVCのDependent viewビデオストリームであることを示す。
【0128】
21〜24行目に示すように、video(1)のVideoCodingInfo()には、ビデオフォーマットが1080iであることを示すvideo_format、フレームレートが29.97Hzであることを示すframe_rate、およびアスペクト比が16:9であることを示すdisplay_aspect_ratioが含まれる。
【0129】
<1−2.2D対応記録装置について>
図16は、他の記録システムの構成例を示す図である。
【0130】
図16の記録システムは、2Dビデオカメラ101と2D対応記録装置102から構成される。2D対応記録装置102のドライブには光ディスク3が挿入される。
【0131】
2Dビデオカメラ101は、図1の3Dビデオカメラ1とは異なり、ステレオの動画像の撮影ができない2D対応のビデオカメラである。2Dビデオカメラ101の前面にはレンズが1つ設けられる。
【0132】
撮影された2Dの動画像は2Dビデオカメラ101の内部の記録媒体に記録される。記録媒体に記録された2D画像のデータは、2Dビデオカメラ101がUSBケーブルなどを介して2D対応記録装置102に接続されたとき、2D対応記録装置102に転送される。
【0133】
2D対応記録装置102は、2Dビデオカメラ101から供給された2D画像を光ディスク3に記録することが可能な2D対応の記録装置である。2D対応記録装置102は、図1の3D対応ビデオカメラ1により撮影されたステレオ画像を光ディスク3に記録する機能を有していない。
【0134】
2D対応記録装置102は、2Dビデオカメラ101から供給された2D画像をMPEG-4 AVCによって符号化する。2D対応記録装置102は、符号化して得られたMPEG-4 AVCビデオストリームを、PlayList file、Clip Information fileとともに光ディスク3に記録させる。2D対応記録装置102が生成するPlayList fileはMPEG-4 AVCビデオ用のPlayList fileであり、図5〜図7の各情報が含まれる。また、2D対応記録装置102が生成するClip Information fileはMPEG-4 AVCビデオストリームを含むトランスポートストリームファイルに対応するClip Information fileであり、図8、図9の各情報が含まれる。
【0135】
MPEG-4 AVCビデオストリームなどが記録された光ディスク3は再生装置に提供される。
【0136】
[2D対応記録装置の構成]
図17は、2D対応記録装置102の構成例を示すブロック図である。
【0137】
2D対応記録装置102は、MPEG-4 AVCビデオエンコーダ111、オーディオエンコーダ112、マルチプレクサ113、ECC符号化部114、記録制御部115、およびコントローラ121から構成される。2Dビデオカメラ101から入力された2D画像はMPEG-4 AVCビデオエンコーダ111に供給され、オーディオデータはオーディオエンコーダ112に供給される。
【0138】
MPEG-4 AVCビデオエンコーダ111は、2Dビデオカメラ101により撮影された2D画像をMPEG-4 AVCによって符号化し、MPEG-4 AVCビデオストリームを生成する。MPEG-4 AVCビデオエンコーダ111は、生成したMPEG-4 AVCビデオストリームをマルチプレクサ113に出力する。
【0139】
オーディオエンコーダ112は、2Dビデオカメラ101から供給されたオーディオデータを所定の符号化方法で符号化し、符号化して得られたオーディオストリームをマルチプレクサ113に出力する。
【0140】
マルチプレクサ113は、MPEG-4 AVCビデオエンコーダ111から供給されたMPEG-4 AVCビデオストリームと、オーディオエンコーダ112から供給されたオーディオストリームとを多重化する。マルチプレクサ113は、多重化することによって得られたAVストリームのファイルであるトランスポートストリームファイルをECC符号化部114に出力する。
【0141】
ECC符号化部114は、マルチプレクサ113から供給されたトランスポートストリームファイルに誤り訂正符号化を施し、誤り訂正符号化後のトランスポートストリームファイルを記録制御部115に出力する。また、ECC符号化部114は、コントローラ121から供給されたMPEG-4 AVCビデオ用のPlayList fileとClip Information fileに誤り訂正符号化を施し、誤り訂正符号化後のPlayList fileとClip Information fileを記録制御部115に出力する。
【0142】
記録制御部115は、ECC符号化部114から供給されたトランスポートストリームファイル、MPEG-4 AVCビデオ用のPlayList file、およびClip Information fileを光ディスク3に記録させる。
【0143】
コントローラ121は、CPU,ROM,RAMなどより構成され、所定のプログラムに従って2D対応記録装置102の全体の動作を制御する。プログラムが実行されることによって、コントローラ121においてはPlayList file生成部131とClip Information file生成部132が実現される。
【0144】
PlayList file生成部131は、MPEG-4 AVCビデオエンコーダ111により生成されたMPEG-4 AVCビデオストリームを参照し、MPEG-4 AVCビデオ用のPlayList fileを生成する。PlayList file生成部131は、生成したMPEG-4 AVCビデオ用のPlayList fileをECC符号化部114に出力する。
【0145】
Clip Information file生成部132は、MPEG-4 AVCビデオエンコーダ111により生成されたMPEG-4 AVCビデオストリームを参照し、MPEG-4 AVCビデオストリームを含むトランスポートストリームファイルに対応するClip Information fileを生成する。Clip Information file生成部132は、生成したClip Information fileをECC符号化部114に出力する。
【0146】
2D画像のMPEG-4 AVCによる符号化が2Dビデオカメラ101において行われ、MPEG-4 AVCビデオストリームが2Dビデオカメラ101から入力されるようにしてもよい。この場合、2Dビデオカメラ101から入力されたMPEG-4 AVCビデオストリームは、そのままマルチプレクサ113に供給される。マルチプレクサ113に供給されたMPEG-4 AVCビデオストリームは、MPEG-4 AVCビデオエンコーダ111により生成されたMPEG-4 AVCビデオストリームと同様に各部において処理が行われた後、光ディスク3に記録される。
【0147】
[2D対応記録装置の動作]
ここで、図18のフローチャートを参照して、MPEG-4 AVCビデオ用のPlayList fileを記録する2D対応記録装置102の処理について説明する。図18の処理は、例えば2D画像が2Dビデオカメラ101から入力されたときに開始される。
【0148】
ステップS101において、MPEG-4 AVCビデオエンコーダ111は、2Dビデオカメラ101から入力された2D画像をMPEG-4 AVCによって符号化し、MPEG-4 AVCビデオストリームを生成する。オーディオストリームと多重化されることによって、MPEG-4 AVCビデオストリームを含むトランスポートストリームファイルが生成される。
【0149】
ステップS102において、Clip Information file生成部132は、生成されたトランスポートストリームファイルに対応するClip Information fileのファイル名を設定し、version_number(図8)に”0110”を設定する。
【0150】
ステップS103において、Clip Information file生成部132は、生成されたトランスポートストリームファイルに対応するClip Information fileのProgramInfo()のnumber_of_videos(図9)に1の値を設定する。また、Clip Information file生成部132は、ProgramInfo()のビデオ情報のstream_coding_typeに0x1Bを設定する。
【0151】
Clip Information file生成部132においては、ファイル名、version_number、ProgramInfo()のnumber_of_videos、stream_coding_type以外にも、MPEG-4 AVCビデオストリームに関する各種の情報がClip Information fileに設定される。各種の情報が設定されることによって生成されたClip Information fileはECC符号化部114に供給される。
【0152】
ステップS104において、PlayList file生成部131は、PlayList fileのversion_number(図5)に”0110”を設定する。
【0153】
ステップS105において、PlayList file生成部131は、PlayItem()のClip_Information_file_name(図7)に、Clip Information fileのファイル名に含まれる5桁の数字を設定する。
【0154】
PlayList file生成部131においては、version_number、PlayItem()のClip_Information_file_name以外にも、MPEG-4 AVCビデオストリームに関する各種の情報がPlayList fileに設定される。各種の情報が設定されることによって生成されたPlayList fileはECC符号化部114に供給される。
【0155】
ECC符号化部114に供給されたPlayList fileとClip Information fileは、MPEG-4 AVCビデオストリームを含むトランスポートストリームファイルとともに誤り訂正符号化が施された後、記録制御部115に供給される。
【0156】
ステップS106において、記録制御部115は、PlayList file、Clip Information file、トランスポートストリームファイルを光ディスク3に記録させ、処理を終了させる。
【0157】
[MPEG-4 AVCビデオ用のPlayList fileとClip Information fileの具体例]
図19は、図18の処理によって生成されたMPEG-4 AVCビデオ用のPlayList fileの具体例を示す図である。
【0158】
2行目に示すように、MPEG-4 AVCビデオ用のPlayList fileのversion_numberには”0110”の値が設定される(図18のステップS104)。version_numberに設定される”0110”は、MPEG-4 MVCビデオ用のPlayList fileのversion_numberの値(図13)と同じ値である。
【0159】
11行目に示すように、PlayList()の中のPlayItem()には、MPEG-4 AVCビデオストリームを含むトランスポートストリームファイルに対応するClip Information fileのファイル名の本体部を示す”xxxxx”が設定される(図18のステップS105)。
【0160】
図20は、図18の処理によって生成されたClip Information fileの具体例を示す図である。
【0161】
1行目に示すように、Clip Information fileのファイル名は”xxxxx.clpi”である。MPEG-4 AVCビデオストリームを含むトランスポートストリームファイルのファイル名は”xxxxx.m2ts”となる。
【0162】
2行目に示すように、Clip Information fileのversion_numberには”0110”の値が設定される(図18のステップS102)。version_numberに設定される”0110”は、MPEG-4 MVCビデオストリームを含むトランスポートストリームファイルに対応するClip Information fileのversion_numberの値(図14)と同じ値である。
【0163】
14行目のProgramInfo()には、MPEG-4 AVCビデオストリームに関する情報が含まれる。
【0164】
図21は、図20のClip Information fileのProgramInfo()の具体例を示す図である。
【0165】
6行目に示すように、number_of_videosには1の値が設定される。すなわち、ProgramInfo()の中にはビデオ情報が1回現れる(video(0))。
【0166】
8〜17行目のvideo(0)がビデオ情報になる。9行目に示すように、video(0)のvideo_stream_PIDには0x1011が設定される。0x1011は、MPEG-4 AVCビデオストリームを格納するトランスポートパケットのPIDを示す。
【0167】
また、10行目に示すように、video(0)のstream_coding_typeには0x1Bが設定される(図18のステップS103)。図10を参照して説明したように、0x1Bは、video_stream_PIDで参照されるビデオストリームが、MPEG-4 AVCビデオストリーム、またはMPEG-4 MVCのBase viewビデオストリームであることを示す。
【0168】
11〜14行目に示すように、video(0)のVideoCodingInfo()には、ビデオフォーマットが1080iであることを示すvideo_format、フレームレートが29.97Hzであることを示すframe_rate、およびアスペクト比が16:9であることを示すdisplay_aspect_ratioが含まれる。
【0169】
2.再生側の例
次に、3D対応記録装置2から提供された光ディスク3と、2D対応記録装置102から提供された光ディスク3を再生する再生側の装置の構成と動作について説明する。
【0170】
3D対応記録装置2から提供された光ディスク3には、MPEG-4 MVCビデオストリームを含むトランスポートストリームファイル、MPEG-4 MVCビデオ用のPlayList file、およびClip Information fileが記録されている。一方、2D対応記録装置102から提供された光ディスク3には、MPEG-4 AVCビデオストリームを含むトランスポートストリームファイル、MPEG-4 AVCビデオ用のPlayList file、およびClip Information fileが記録されている。
【0171】
<2−1.3D対応再生装置について>
図22は、再生システムの構成例を示す図である。
【0172】
図22の再生システムは、3D対応再生装置201と3D対応表示装置202から構成される。3D対応再生装置201のドライブには、3D対応記録装置2から提供された光ディスク3が挿入される。
【0173】
3D対応再生装置201は、MPEG-4 MVCビデオストリームの再生が可能な3D対応の再生装置である。3D対応再生装置201は、光ディスク3に記録されているMPEG-4 MVCビデオ用のPlayList fileに従ってMPEG-4 MVCビデオストリームを再生する。
【0174】
3D対応再生装置201は、Base viewビデオストリームを復号して得られたL画像と、Dependent viewビデオストリームを復号して得られたR画像を、フレームシーケンシャル形式で3D対応表示装置202に出力する。3D対応再生装置201と3D対応表示装置202は例えばHDMI(High Definition Multimedia Interface)ケーブルを介して接続される。
【0175】
3D対応表示装置202は、フレームシーケンシャル形式のステレオ画像の表示が可能な3D対応のTVである。3D対応表示装置202にはLCD(Liquid Crystal Display)などよりなる表示デバイスが設けられる。3D対応表示装置202は、3D対応再生装置201から供給されたL画像とR画像を受信し、交互に表示する。当然、3D対応表示装置202は2D画像を表示する機能も有する。
【0176】
[3D対応再生装置の構成]
図23は、3D対応再生装置201の構成例を示すブロック図である。
【0177】
3D対応再生装置201は、読み出し部211、ECC復号部212、デマルチプレクサ213、MPEG-4 MVCビデオデコーダ214、オーディオデコーダ215、およびコントローラ221から構成される。
【0178】
読み出し部211は、トランスポートストリームファイル、PlayList file、およびClip Information fileを光ディスク3から読み出し、ECC復号部212に出力する。3D対応記録装置2から提供された光ディスク3から読み出されたトランスポートストリームファイルにはMPEG-4 MVCビデオストリームが含まれる。3D対応記録装置2から提供された光ディスク3から読み出されたPlayList fileは、MPEG-4 MVCビデオ用のPlayList fileである。
【0179】
ECC復号部212は、読み出し部211から供給されたトランスポートストリームファイルに誤り訂正復号を施し、誤り訂正復号後のトランスポートストリームファイルをデマルチプレクサ213に出力する。また、ECC復号部212は、読み出し部211から供給されたPlayList fileとClip Information fileに誤り訂正復号を施し、誤り訂正復号後のPlayList fileとClip Information fileをコントローラ221に出力する。
【0180】
デマルチプレクサ213は、ECC復号部212から供給されたトランスポートストリームファイルからMPEG-4 MVCビデオストリームとオーディオストリームを抽出する。デマルチプレクサ213は、MPEG-4 MVCビデオストリームをMPEG-4 MVCビデオデコーダ214に出力し、オーディオストリームをオーディオデコーダ215に出力する。
【0181】
MPEG-4 MVCビデオデコーダ214は、デマルチプレクサ213から供給されたMPEG-4 MVCビデオストリームに含まれるBase viewビデオストリームをMPEG-4 AVCによって復号し、L画像を出力する。また、MPEG-4 MVCビデオデコーダ214は、MPEG-4 MVCビデオストリームに含まれるDependent viewビデオストリームを、適宜、Base viewビデオストリームを復号することによって得られたL画像を参照画像として復号し、R画像を出力する。MPEG-4 MVCビデオデコーダ214からは、L画像とR画像が交互に3D対応表示装置202に出力される。
【0182】
オーディオデコーダ215は、デマルチプレクサ213から供給されたオーディオストリームを復号し、オーディオデータを3D対応表示装置202に出力する。3D対応表示装置202においては、オーディオデコーダ215から供給されたオーディオデータに基づいて音声が出力される。
【0183】
コントローラ221は、CPU,ROM,RAMなどより構成され、所定のプログラムに従って3D対応再生装置201の全体の動作を制御する。プログラムが実行されることによって、コントローラ221においてはPlayList file解析部231とClip Information file解析部232が実現される。
【0184】
PlayList file解析部231は、ECC復号部212から供給されたPlayList fileを解析し、各部を制御する。
【0185】
例えば、PlayList file解析部231は、PlayList fileのPlayItem()中のClip_Information_file_nameから、読み出しの対象とするClip Information fileのファイル名を特定する。また、PlayList file解析部231は、Clip Information fileのファイル名から、読み出しの対象とするトランスポートストリームファイルを特定する。PlayList file解析部231により特定されたファイル名に基づいて、ファイルの読み出しが読み出し部211により行われる。
【0186】
Clip Information file解析部232は、ECC復号部212から供給されたClip Information fileを解析し、各部を制御する。
【0187】
例えば、Clip Information file解析部232は、Clip Information fileのProgramInfo()中のビデオ情報に含まれるvideo_stream_PIDから、抽出対象とするビデオストリームを格納するトランスポートパケットのPIDを特定する。また、Clip Information file解析部232は、Clip Information fileのProgramInfo()中のオーディオ情報に含まれるaudio_stream_PIDから、抽出対象とするオーディオストリームを格納するトランスポートパケットのPIDを特定する。Clip Information file解析部232により特定されたPIDに基づいて、トランスポートパケットの抽出がデマルチプレクサ213により行われる。
【0188】
[3D対応再生装置の動作]
ここで、図24のフローチャートを参照して、MPEG-4 MVCビデオ用のPlayList fileを再生する3D対応再生装置201の処理について説明する。
【0189】
図24の処理は、3D対応再生装置201のドライブに光ディスク3が挿入され、再生が指示されたときに開始される。再生が指示されたとき、PlayList fileが光ディスク3から読み出され、ECC復号部212により誤り訂正復号が施された後、PlayList file解析部231に供給される。
【0190】
ステップS201において、PlayList file解析部231は、PlayList fileのversion_numberに”0110”が設定されていることを確認する。
【0191】
これにより、PlayList file解析部231は、光ディスク3から読み出されたPlayList fileが、図13の各情報を含むMPEG-4 MVCビデオ用のPlayList file、または、図19の各情報を含むMPEG-4 AVCビデオ用のPlayList fileであることを特定することができる。
【0192】
ステップS202において、PlayList file解析部231は、PlayItem()のClip_Information_file_nameに基づいて、PlayItem()が参照するClipのClip Information fileのファイル名を特定し、読み出し部211を制御して読み出す。光ディスク3から読み出されたClip Information fileは、ECC復号部212により誤り訂正復号が施された後、Clip Information file解析部232に供給される。
【0193】
ステップS203において、Clip Information file解析部232は、Clip Information fileのversion_numberに”0110”が設定されていることを確認する。
【0194】
これにより、Clip Information file解析部232は、光ディスク3から読み出されたClip Information fileが、図14または図20の各情報を含むClip Information fileであることを特定することができる。
【0195】
ステップS204において、Clip Information file解析部232は、Clip Information fileのProgramInfo()中のnumber_of_videosに2の値が設定されていることに基づいて、ProgramInfo()に2つのビデオ情報が含まれることを特定する。また、Clip Information file解析部232は、1つ目のビデオ情報のstream_coding_typeに0x1Bが設定され、2つ目のビデオ情報のstream_coding_typeに0x20が設定されていることを確認する。
【0196】
これにより、Clip Information file解析部232は、再生対象のビデオストリームがMPEG-4 MVCビデオストリームであることを特定することができる。
【0197】
ステップS205において、Clip Information file解析部232は、読み出し部211を制御し、Clip Information fileに対応する、MPEG-4 MVCビデオストリームを含むトランスポートストリームファイルを光ディスク3から読み出す。読み出しの対象となるトランスポートストリームファイルのファイル名は、ステップS202において読み出されたClip Information fileのファイル名から特定される。
【0198】
Clip Information file解析部232は、Clip Information fileの1つ目のビデオ情報のvideo_stream_PIDから、Base viewビデオストリームを格納するトランスポートパケットのPIDを特定する。また、Clip Information file解析部232は、2つ目のビデオ情報のvideo_stream_PIDから、Dependent viewビデオストリームを格納するトランスポートパケットのPIDを特定する。
【0199】
Clip Information file解析部232は、特定したPIDをデマルチプレクサ213に出力し、Base viewビデオストリームとDependent viewビデオストリームを抽出させる。デマルチプレクサ213により抽出されたBase viewビデオストリームとDependent viewビデオストリームはMPEG-4 MVCビデオデコーダ214に供給される。
【0200】
ステップS206において、Clip Information file解析部232は、MPEG-4 MVCビデオデコーダ214を制御し、Base viewビデオストリームとDependent viewビデオストリームを再生させ、処理を終了する。Base viewビデオストリームを復号することによって得られたL画像とDependent viewビデオストリームを復号することによって得られたR画像は3D対応表示装置202に供給され、表示される。
【0201】
これにより、3D対応再生装置201は、MPEG-4 MVCビデオ用のPlayList fileに従ってMPEG-4 MVCビデオストリームを再生し、ステレオ画像を表示させることができる。
【0202】
図25は、3D対応再生装置201の出力の切り替えについて説明する図である。
【0203】
3D対応再生装置201と表示装置を接続するケーブルがHDMIケーブルである場合、3D対応再生装置201は、表示能力に関する情報を表示装置から取得することができる。3D対応再生装置201は、表示装置の表示能力に応じて、再生対象とするビデオストリームを切り替える。
【0204】
3D対応再生装置201に接続された表示装置が、フレームシーケンシャル形式のステレオ画像の表示が可能な3D対応表示装置202である場合を考える。
【0205】
この場合、3D対応再生装置201は、上述したようにして、MPEG-4 MVCビデオ用のPlayList fileに従って、MPEG-4 MVCビデオストリームを再生する。3D対応再生装置201は、矢印#1で示すように、Base viewビデオストリームを復号することによって得られたL画像とDependent viewビデオストリームを復号することによって得られたR画像を3D対応表示装置202に出力し、表示させる。
【0206】
これにより、3D対応表示装置202においては、立体視が可能なステレオ画像がフレームシーケンシャル形式で表示されることになる。
【0207】
一方、3D対応再生装置201に接続された表示装置が、ステレオ画像の表示ができない2D対応表示装置302である場合を考える。
【0208】
この場合、3D対応再生装置201は、MPEG-4 MVCビデオ用のPlayList fileに従って、MPEG-4 MVCビデオストリームに含まれるBase viewビデオストリームとDependent viewビデオストリームのうち、Base viewビデオストリームのみを再生する。Base viewビデオストリームはL画像をMPEG-4 AVCで符号化することによって得られたストリームであるから単独での再生が可能である。
【0209】
Base viewビデオストリームのみの再生は、例えば、Clip Information fileのProgramInfo()に含まれる1つ目のビデオ情報を用いて行われる。この場合、2つ目のビデオ情報は用いられない。3D対応再生装置201は、矢印#2で示すように、Base viewビデオストリームを復号することによって得られたL画像を2D対応表示装置302に出力し、表示させる。
【0210】
これにより、2D対応表示装置302においては、立体視ができない2D画像が表示されることになる。
【0211】
このように、MPEG-4 MVCビデオ用のPlayList fileによれば、表示装置の表示能力に応じて出力を切り替えることが可能になる。
【0212】
<2−2.2D対応再生装置について>
図26は、再生システムの他の構成例を示す図である。
【0213】
図26の再生システムは、2D対応再生装置301と2D対応表示装置302から構成される。2D対応再生装置301のドライブには、2D対応記録装置102から提供された光ディスク3、または、3D対応記録装置2から提供された光ディスク3が挿入される。
【0214】
2D対応再生装置301は、MPEG-4 AVCビデオストリームの再生が可能な2D対応の再生装置である。2D対応再生装置301は、MPEG-4 MVCビデオストリームの再生機能を有していない。3D非対応の再生装置である2D対応再生装置301に、MPEG-4 AVCビデオストリームが記録されている光ディスク3だけでなく、MPEG-4 MVCビデオストリームが記録されている光ディスク3を再生させる場合についても説明する。
【0215】
2D対応記録装置102から提供された光ディスク3を再生する場合、2D対応再生装置301は、光ディスク3に記録されているMPEG-4 AVCビデオ用のPlayList fileに従ってMPEG-4 AVCビデオストリームを再生する。
【0216】
一方、3D対応記録装置2から提供された光ディスク3を再生する場合、2D対応再生装置301は、光ディスク3に記録されているMPEG-4 MVCビデオ用のPlayList fileに従って、MPEG-4 MVCビデオストリームに含まれるBase viewビデオストリームのみを再生する。2D対応再生装置301によるBase viewビデオストリームのみの再生は、図25を参照して説明したように、3D対応再生装置201がBase viewビデオストリームのみを再生する場合と同様にして行われる。
【0217】
2D対応再生装置301は、MPEG-4 AVCビデオストリームを再生して得られた2D画像、またはBase viewビデオストリームを再生して得られたL画像を2D対応表示装置302に出力する。2D対応再生装置301と2D対応表示装置302はHDMIケーブルを介して接続される。
【0218】
2D対応表示装置302は、ステレオ画像の表示ができない2D対応のTVである。2D対応表示装置302は、2D対応再生装置301から供給された画像を受信し、2D画像を表示する。
【0219】
[2D対応再生装置の構成]
図27は、2D対応再生装置301の構成例を示すブロック図である。
【0220】
2D対応再生装置301は、読み出し部311、ECC復号部312、デマルチプレクサ313、MPEG-4 AVCビデオデコーダ314、オーディオデコーダ315、およびコントローラ321から構成される。
【0221】
読み出し部311は、トランスポートストリームファイル、PlayList file、およびClip Information fileを光ディスク3から読み出し、ECC復号部312に出力する。
【0222】
2D対応記録装置102から提供された光ディスク3を再生する場合、光ディスク3から読み出されたトランスポートストリームファイルにはMPEG-4 AVCビデオストリームが含まれる。この場合、光ディスク3から読み出されたPlayList fileは、MPEG-4 AVCビデオ用のPlayList fileである。
【0223】
一方、3D対応記録装置2から提供された光ディスク3を再生する場合、光ディスク3から読み出されたトランスポートストリームファイルにはMPEG-4 MVCビデオストリームが含まれる。この場合、光ディスク3から読み出されたPlayList fileは、MPEG-4 MVCビデオ用のPlayList fileである。
【0224】
ECC復号部312は、読み出し部311から供給されたトランスポートストリームファイルに誤り訂正復号を施し、誤り訂正復号後のトランスポートストリームファイルをデマルチプレクサ313に出力する。また、ECC復号部312は、読み出し部311から供給されたPlayList fileとClip Information fileに誤り訂正復号を施し、誤り訂正復号後のPlayList fileとClip Information fileをコントローラ321に出力する。
【0225】
デマルチプレクサ313は、2D対応記録装置102から提供された光ディスク3を再生する場合、ECC復号部312から供給されたトランスポートストリームファイルから、MPEG-4 AVCビデオストリームとオーディオストリームを抽出する。デマルチプレクサ313は、MPEG-4 AVCビデオストリームをMPEG-4 AVCビデオデコーダ314に出力し、オーディオストリームをオーディオデコーダ315に出力する。
【0226】
また、デマルチプレクサ313は、3D対応記録装置2から提供された光ディスク3を再生する場合、ECC復号部312から供給されたトランスポートストリームファイルから、MPEG-4 MVCビデオストリームに含まれるBase viewビデオストリームと、オーディオストリームを抽出する。デマルチプレクサ313は、Base viewビデオストリームをMPEG-4 AVCビデオデコーダ314に出力し、オーディオストリームをオーディオデコーダ315に出力する。
【0227】
Base viewビデオストリームはL画像をMPEG-4 AVCで符号化することによって得られたビデオストリームである。2D対応記録装置102から提供された光ディスク3を再生する場合であっても3D対応記録装置2から提供された光ディスク3を再生する場合であっても、MPEG-4 AVCビデオデコーダ314にはMPEG-4 AVCビデオストリームが供給されることになる。
【0228】
MPEG-4 AVCビデオデコーダ314は、デマルチプレクサ313から供給されたMPEG-4 AVCビデオストリームをMPEG-4 AVCによって復号し、2D画像を出力する。
【0229】
オーディオデコーダ315は、デマルチプレクサ313から供給されたオーディオストリームを復号し、オーディオデータを2D対応表示装置302に出力する。2D対応表示装置302においては、オーディオデコーダ315から出力されたオーディオデータに基づいて音声が出力される。
【0230】
コントローラ321は、CPU,ROM,RAMなどより構成され、所定のプログラムに従って2D対応再生装置301の全体の動作を制御する。プログラムが実行されることによって、コントローラ321においてはPlayList file解析部331とClip Information file解析部332が実現される。
【0231】
PlayList file解析部331は、ECC復号部312から供給されたPlayList fileを解析し、各部を制御する。PlayList file解析部331は、図23のPlayList file解析部231と同様の機能を有する。
【0232】
Clip Information file解析部332は、ECC復号部312からClip Information fileを解析し、各部を制御する。Clip Information file解析部332は、図23のClip Information file解析部232と同様の機能を有する。
【0233】
[2D対応再生装置の動作]
ここで、図28のフローチャートを参照して、MPEG-4 AVCビデオ用のPlayList fileを再生する2D対応再生装置301の処理について説明する。図28の処理は、2D対応記録装置102から提供された光ディスク3を再生する処理となる。
【0234】
図28の処理は、2D対応再生装置301のドライブに光ディスク3が挿入され、再生が指示されたときに開始される。再生が指示されたとき、PlayList fileが光ディスク3から読み出され、ECC復号部312により誤り訂正復号が施された後、PlayList file解析部331に供給される。
【0235】
ステップS301において、PlayList file解析部331は、PlayList fileのversion_numberに”0110”が設定されていることを確認する。
【0236】
これにより、PlayList file解析部331は、光ディスク3から読み出されたPlayList fileが、図13の各情報を含むMPEG-4 MVCビデオ用のPlayList file、または、図19の各情報を含むMPEG-4 AVCビデオ用のPlayList fileであることを特定することができる。
【0237】
ステップS302において、PlayList file解析部331は、PlayItem()のClip_Information_file_nameに基づいて、PlayItem()が参照するClipのClip Information fileのファイル名を特定し、読み出し部311を制御して読み出す。光ディスク3から読み出されたClip Information fileは、ECC復号部312により誤り訂正復号が施された後、Clip Information file解析部332に供給される。
【0238】
ステップS303において、Clip Information file解析部332は、Clip Information fileのversion_numberに”0110”が設定されていることを確認する。
【0239】
これにより、Clip Information file解析部332は、光ディスク3から読み出されたClip Information fileが、図14または図20の各情報を含むClip Information fileであることを特定することができる。
【0240】
ステップS304において、Clip Information file解析部332は、Clip Information fileのProgramInfo()中のnumber_of_videosに1の値が設定されているに基づいて、ProgramInfo()に1つのビデオ情報が含まれることを特定する。また、Clip Information file解析部332は、ビデオ情報のstream_coding_typeに0x1Bが設定されていることを確認する。
【0241】
これにより、Clip Information file解析部332は、再生対象のビデオストリームがMPEG-4 AVCビデオストリームであることを特定することができる。
【0242】
ステップS305において、Clip Information file解析部332は、読み出し部311を制御し、Clip Information fileに対応する、MPEG-4 AVCビデオストリームを含むトランスポートストリームファイルを光ディスク3から読み出す。読み出しの対象となるトランスポートストリームファイルのファイル名は、ステップS302において読み出されたClip Information fileのファイル名から特定される。
【0243】
Clip Information file解析部332は、Clip Information fileのビデオ情報のvideo_stream_PIDから、MPEG-4 AVCビデオストリームを格納するトランスポートパケットのPIDを特定する。Clip Information file解析部332は、特定したPIDをデマルチプレクサ313に出力し、MPEG-4 AVCビデオストリームを抽出させる。デマルチプレクサ313により抽出されたMPEG-4 AVCビデオストリームはMPEG-4 AVCビデオデコーダ314に供給される。
【0244】
ステップS306において、Clip Information file解析部332は、MPEG-4 AVCビデオデコーダ314を制御し、MPEG-4 AVCビデオストリームを再生させ、処理を終了する。MPEG-4 AVCビデオストリームを復号することによって得られた2D画像は2D対応表示装置302に供給され、表示される。
【0245】
これにより、2D対応再生装置301は、MPEG-4 AVCビデオ用のPlayList fileに従ってMPEG-4 AVCビデオストリームを再生し、2D画像を表示させることができる。
【0246】
次に、図29のフローチャートを参照して、MPEG-4 MVCビデオ用のPlayList fileを再生する2D対応再生装置301の処理について説明する。図29の処理は、3D対応記録装置2から提供された光ディスク3を再生する処理となる。
【0247】
図29の処理も、2D対応再生装置301のドライブに光ディスク3が挿入され、再生が指示されたときに開始される。再生が指示されたとき、PlayList fileが光ディスク3から読み出され、ECC復号部312により誤り訂正復号が施された後、PlayList file解析部331に供給される。図29のステップS311乃至S313の処理は、図28のステップS301乃至S303の処理と同じ処理である。
【0248】
すなわち、ステップS311において、PlayList file解析部331は、PlayList fileのversion_numberに”0110”が設定されていることを確認する。
【0249】
ステップS312において、PlayList file解析部331は、PlayItem()のClip_Information_file_nameに基づいて、PlayItem()が参照するClipのClip Information fileのファイル名を特定し、読み出し部311を制御して読み出す。
【0250】
ステップS313において、Clip Information file解析部332は、Clip Information fileのversion_numberに”0110”が設定されていることを確認する。
【0251】
ステップS314において、Clip Information file解析部332は、Clip Information fileのProgramInfo()中のnumber_of_videosに2の値が設定されていることに基づいて、ProgramInfo()に2つのビデオ情報が含まれることを特定する。また、Clip Information file解析部332は、1つ目のビデオ情報のstream_coding_typeに0x1Bが設定されていることを確認する。2つ目のビデオ情報のstream_coding_typeに設定されている0x20については、Clip Information file解析部332は無視する。
【0252】
これにより、Clip Information file解析部332は、再生対象のビデオストリームがMPEG-4 MVCビデオストリームに含まれるBase viewビデオストリーム、すなわちMPEG-4 AVCビデオストリームであることを特定することができる。
【0253】
ステップS315において、Clip Information file解析部332は、読み出し部311を制御し、Clip Information fileに対応する、MPEG-4 MVCビデオストリームを含むトランスポートストリームファイルを光ディスク3から読み出す。読み出しの対象となるトランスポートストリームファイルのファイル名は、ステップS312において読み出されたClip Information fileのファイル名から特定される。
【0254】
Clip Information file解析部332は、Clip Information fileの1つ目のビデオ情報のvideo_stream_PIDから、Base viewビデオストリームを格納するトランスポートパケットのPIDを特定する。Clip Information file解析部332は、特定したPIDをデマルチプレクサ313に出力し、Base viewビデオストリームを抽出させる。デマルチプレクサ313により抽出されたBase viewビデオストリームはMPEG-4 AVCビデオデコーダ314に供給される。
【0255】
ステップS316において、Clip Information file解析部332は、MPEG-4 AVCビデオデコーダ314を制御し、MPEG-4 AVCビデオストリームであるBase viewビデオストリームを再生させ、処理を終了する。Base viewビデオストリームを復号することによって得られた2D画像は2D対応表示装置302に供給され、表示される。
【0256】
これにより、2D対応再生装置301は、MPEG-4 MVCビデオ用のPlayList fileに従って、MPEG-4 AVCビデオストリームに含まれるBase viewビデオストリームを再生し、2D画像を表示させることができる。
【0257】
図30は、2D対応再生装置301の出力について説明する図である。
【0258】
3D対応記録装置2から提供された光ディスク3を再生する場合、図29の処理が行われることによって、2D対応再生装置301からは、Base viewビデオストリームを再生することによって得られたL画像が出力される。ステレオ画像の表示ができない2D対応表示装置302においては、2D画像の表示が行われる。
【0259】
上述した各情報を含むPlayList fileによれば、MPEG-4 MVCビデオストリームの再生が可能な3D対応の再生装置にMPEG-4 MVCビデオストリームを再生させ、ステレオ画像を出力させることができる。また、MPEG-4 MVCビデオストリームの再生ができない2D対応の再生装置にBase viewビデオストリームのみを再生させ、2D画像を出力させることができる。
【0260】
すなわち、2D再生のみ対応の再生装置でも再生できるように互換性を維持した形で、MPEG-4 MVCビデオストリームを再生するPlayList fileを提供することができる。
【0261】
<変形例>
図31に示すように、3D対応記録装置2と3D対応再生装置201の構成を1つの装置に設け、3D対応の記録再生装置を実現することも可能である。
【0262】
また、図32に示すように、2D対応記録装置102と2D対応再生装置301の構成を1つの装置に設け、2D対応の記録再生装置を実現することも可能である。
【0263】
[コンピュータの構成例]
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0264】
図33は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0265】
CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503は、バス504により相互に接続されている。
【0266】
バス504には、さらに、入出力インタフェース505が接続されている。入出力インタフェース505には、キーボード、マウスなどよりなる入力部506、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部507が接続される。また、入出力インタフェース505には、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部508、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部509、リムーバブルメディア511を駆動するドライブ510が接続される。
【0267】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU501が、例えば、記憶部508に記憶されているプログラムを入出力インタフェース505及びバス504を介してRAM503にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0268】
CPU501が実行するプログラムは、例えばリムーバブルメディア511に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供され、記憶部508にインストールされる。
【0269】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0270】
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0271】
[構成の組み合わせ例]
本技術は、以下のような構成をとることもできる。
【0272】
(1)
視点が異なる複数の画像のうちの所定の画像を符号化して得られた基本ストリームと、前記基本ストリームのピクチャを参照画像として符号化したピクチャを含む、他の画像を符号化して得られた依存ストリームとを含む第1のビデオストリームの再生制御情報として、前記基本ストリームの符号化方法と同じ符号化方法で符号化された第2のビデオストリームの再生制御情報のバージョン情報と同じバージョン情報を設定した情報を生成する第1の生成部と、
前記第1のビデオストリームと、前記第1のビデオストリームの再生制御情報とを記録媒体に記録させる記録制御部と
を備える記録装置。
【0273】
(2)
前記第1のビデオストリームは、MPEG-4 MVCビデオストリームであり、
前記第2のビデオストリームは、MPEG-4 AVCビデオストリームである
前記(1)に記載の記録装置。
【0274】
(3)
前記基本ストリームと前記依存ストリームのそれぞれの符号化方法を示す符号化情報を含むファイルを生成する第2の生成部をさらに備え、
前記記録制御部は、前記ファイルを前記記録媒体にさらに記録させる
前記(2)に記載の記録装置。
【0275】
(4)
前記再生制御情報はPlayList fileであり、
前記ファイルは、前記MPEG-4 MVCビデオストリームを含むトランスポートストリームファイルに対応するClip Information fileである
前記(3)に記載の記録装置。
【0276】
(5)
前記第2の生成部は、
前記Clip Information fileのProgramInfo()に前記符号化情報を含む2つのビデオ情報を設定し、
1つ目の前記ビデオ情報の前記符号化情報に、前記基本ストリームの符号化方法を示す値を設定し、
2つ目の前記ビデオ情報の前記符号化情報に、前記依存ストリームの符号化方法を示す値を設定する
前記(4)に記載の記録装置。
【0277】
(6)
前記第2の生成部は、
前記基本ストリームの符号化方法を示す値として、前記基本ストリームが、MPEG-4 AVCのビデオストリーム、または、MPEG-4 MVCのBase viewビデオストリームであることを示す値を設定し、
前記依存ストリームの符号化方法を示す値として、前記依存ストリームが、MPEG-4 MVCのDependent viewビデオストリームであることを示す値を設定する
前記(5)に記載の記録装置。
【0278】
(7)
前記第2の生成部は、前記Clip Information fileのバージョン情報として、前記PlayList fileのバージョン情報と同じ情報を設定する
前記(4)乃至(6)のいずれかに記載の記録装置。
【0279】
(8)
前記複数の画像をMPEG-4 MVCによって符号化し、前記基本ストリームと前記依存ストリームを生成する符号化部をさらに備える
前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の記録装置。
【0280】
(9)
視点が異なる複数の画像のうちの所定の画像を符号化して得られた基本ストリームと、前記基本ストリームのピクチャを参照画像として符号化したピクチャを含む、他の画像を符号化して得られた依存ストリームとを含む第1のビデオストリームの再生制御情報として、前記基本ストリームの符号化方法と同じ符号化方法で符号化された第2のビデオストリームの再生制御情報のバージョン情報と同じバージョン情報を設定した情報を生成し、
前記第1のビデオストリームと、前記第1のビデオストリームの再生制御情報とを記録媒体に記録させる
ステップを含む記録方法。
【0281】
(10)
視点が異なる複数の画像のうちの所定の画像を符号化して得られた基本ストリームと、前記基本ストリームのピクチャを参照画像として符号化したピクチャを含む、他の画像を符号化して得られた依存ストリームとを含む第1のビデオストリームの再生制御情報として、前記基本ストリームの符号化方法と同じ符号化方法で符号化された第2のビデオストリームの再生制御情報のバージョン情報と同じバージョン情報を設定した情報を生成し、
前記第1のビデオストリームと、前記第1のビデオストリームの再生制御情報とを記録媒体に記録させる
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【0282】
(11)
視点が異なる複数の画像のうちの所定の画像を符号化して得られた基本ストリームと、前記基本ストリームのピクチャを参照画像として符号化したピクチャを含む、他の画像を符号化して得られた依存ストリームとを含む第1のビデオストリーム、および、前記基本ストリームの符号化方法と同じ符号化方法で符号化された第2のビデオストリームの再生制御情報のバージョン情報と同じバージョン情報が設定された前記第1のビデオストリームの再生制御情報が記録された記録媒体に記録されている前記第1のビデオストリームの再生制御情報に従って、前記第1のビデオストリームの復号を制御する制御部と、
前記制御部による制御に従って、前記基本ストリームのみを復号するか、前記基本ストリームと前記依存ストリームを復号する復号部と
を備える再生装置。
【0283】
(12)
前記基本ストリームと前記依存ストリームの復号が可能な前記復号部は、前記基本ストリームと前記依存ストリームを復号して前記所定の画像と前記他の画像を出力する
前記(11)に記載の再生装置。
【0284】
(13)
前記依存ストリームの復号ができない前記復号部は、前記基本ストリームのみを復号して前記所定の画像を出力する
前記(11)に記載の再生装置。
【0285】
(14)
視点が異なる複数の画像のうちの所定の画像を符号化して得られた基本ストリームと、前記基本ストリームのピクチャを参照画像として符号化したピクチャを含む、他の画像を符号化して得られた依存ストリームとを含む第1のビデオストリーム、および、前記基本ストリームの符号化方法と同じ符号化方法で符号化された第2のビデオストリームの再生制御情報のバージョン情報と同じバージョン情報が設定された前記第1のビデオストリームの再生制御情報が記録された記録媒体に記録されている前記第1のビデオストリームの再生制御情報に従って、前記基本ストリームのみを復号するか、前記基本ストリームと前記依存ストリームを復号する
ステップを含む再生方法。
【0286】
(15)
視点が異なる複数の画像のうちの所定の画像を符号化して得られた基本ストリームと、前記基本ストリームのピクチャを参照画像として符号化したピクチャを含む、他の画像を符号化して得られた依存ストリームとを含む第1のビデオストリーム、および、前記基本ストリームの符号化方法と同じ符号化方法で符号化された第2のビデオストリームの再生制御情報のバージョン情報と同じバージョン情報が設定された前記第1のビデオストリームの再生制御情報が記録された記録媒体に記録されている前記第1のビデオストリームの再生制御情報に従って、前記基本ストリームのみを復号するか、前記基本ストリームと前記依存ストリームを復号する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【0287】
(16)
視点が異なる複数の画像のうちの所定の画像を符号化して得られた基本ストリームと、前記基本ストリームのピクチャを参照画像として符号化したピクチャを含む、他の画像を符号化して得られた依存ストリームとを含む第1のビデオストリームの再生制御情報として、前記基本ストリームの符号化方法と同じ符号化方法で符号化された第2のビデオストリームの再生制御情報のバージョン情報と同じバージョン情報を設定した情報を生成する生成部と、
前記第1のビデオストリームと、前記第1のビデオストリームの再生制御情報とを記録媒体に記録させる記録制御部と、
前記記録媒体に記録されている前記第1のビデオストリームの再生制御情報に従って、前記第1のビデオストリームの復号を制御する制御部と、
前記制御部による制御に従って、前記基本ストリームのみを復号するか、前記基本ストリームと前記依存ストリームを復号する復号部と
を備える記録再生装置。
【符号の説明】
【0288】
1 3Dビデオカメラ, 2 3D対応記録装置, 3 光ディスク, 101 2Dビデオカメラ, 102 2D対応記録装置, 201 3D対応再生装置, 202 3D対応表示装置, 301 2D対応再生装置, 302 2D対応表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
視点が異なる複数の画像のうちの所定の画像を符号化して得られた基本ストリームと、前記基本ストリームのピクチャを参照画像として符号化したピクチャを含む、他の画像を符号化して得られた依存ストリームとを含む第1のビデオストリームの再生制御情報として、前記基本ストリームの符号化方法と同じ符号化方法で符号化された第2のビデオストリームの再生制御情報のバージョン情報と同じバージョン情報を設定した情報を生成する第1の生成部と、
前記第1のビデオストリームと、前記第1のビデオストリームの再生制御情報とを記録媒体に記録させる記録制御部と
を備える記録装置。
【請求項2】
前記第1のビデオストリームは、MPEG-4 MVCビデオストリームであり、
前記第2のビデオストリームは、MPEG-4 AVCビデオストリームである
請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記基本ストリームと前記依存ストリームのそれぞれの符号化方法を示す符号化情報を含むファイルを生成する第2の生成部をさらに備え、
前記記録制御部は、前記ファイルを前記記録媒体にさらに記録させる
請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記再生制御情報はPlayList fileであり、
前記ファイルは、前記MPEG-4 MVCビデオストリームを含むトランスポートストリームファイルに対応するClip Information fileである
請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
前記第2の生成部は、
前記Clip Information fileのProgramInfo()に前記符号化情報を含む2つのビデオ情報を設定し、
1つ目の前記ビデオ情報の前記符号化情報に、前記基本ストリームの符号化方法を示す値を設定し、
2つ目の前記ビデオ情報の前記符号化情報に、前記依存ストリームの符号化方法を示す値を設定する
請求項4に記載の記録装置。
【請求項6】
前記第2の生成部は、
前記基本ストリームの符号化方法を示す値として、前記基本ストリームが、MPEG-4 AVCのビデオストリーム、または、MPEG-4 MVCのBase viewビデオストリームであることを示す値を設定し、
前記依存ストリームの符号化方法を示す値として、前記依存ストリームが、MPEG-4 MVCのDependent viewビデオストリームであることを示す値を設定する
請求項5に記載の記録装置。
【請求項7】
前記第2の生成部は、前記Clip Information fileのバージョン情報として、前記PlayList fileのバージョン情報と同じ情報を設定する
請求項4に記載の記録装置。
【請求項8】
前記複数の画像をMPEG-4 MVCによって符号化し、前記基本ストリームと前記依存ストリームを生成する符号化部をさらに備える
請求項1に記載の記録装置。
【請求項9】
視点が異なる複数の画像のうちの所定の画像を符号化して得られた基本ストリームと、前記基本ストリームのピクチャを参照画像として符号化したピクチャを含む、他の画像を符号化して得られた依存ストリームとを含む第1のビデオストリームの再生制御情報として、前記基本ストリームの符号化方法と同じ符号化方法で符号化された第2のビデオストリームの再生制御情報のバージョン情報と同じバージョン情報を設定した情報を生成し、
前記第1のビデオストリームと、前記第1のビデオストリームの再生制御情報とを記録媒体に記録させる
ステップを含む記録方法。
【請求項10】
視点が異なる複数の画像のうちの所定の画像を符号化して得られた基本ストリームと、前記基本ストリームのピクチャを参照画像として符号化したピクチャを含む、他の画像を符号化して得られた依存ストリームとを含む第1のビデオストリームの再生制御情報として、前記基本ストリームの符号化方法と同じ符号化方法で符号化された第2のビデオストリームの再生制御情報のバージョン情報と同じバージョン情報を設定した情報を生成し、
前記第1のビデオストリームと、前記第1のビデオストリームの再生制御情報とを記録媒体に記録させる
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項11】
視点が異なる複数の画像のうちの所定の画像を符号化して得られた基本ストリームと、前記基本ストリームのピクチャを参照画像として符号化したピクチャを含む、他の画像を符号化して得られた依存ストリームとを含む第1のビデオストリーム、および、前記基本ストリームの符号化方法と同じ符号化方法で符号化された第2のビデオストリームの再生制御情報のバージョン情報と同じバージョン情報が設定された前記第1のビデオストリームの再生制御情報が記録された記録媒体に記録されている前記第1のビデオストリームの再生制御情報に従って、前記第1のビデオストリームの復号を制御する制御部と、
前記制御部による制御に従って、前記基本ストリームのみを復号するか、前記基本ストリームと前記依存ストリームを復号する復号部と
を備える再生装置。
【請求項12】
前記基本ストリームと前記依存ストリームの復号が可能な前記復号部は、前記基本ストリームと前記依存ストリームを復号して前記所定の画像と前記他の画像を出力する
請求項11に記載の再生装置。
【請求項13】
前記依存ストリームの復号ができない前記復号部は、前記基本ストリームのみを復号して前記所定の画像を出力する
請求項11に記載の再生装置。
【請求項14】
視点が異なる複数の画像のうちの所定の画像を符号化して得られた基本ストリームと、前記基本ストリームのピクチャを参照画像として符号化したピクチャを含む、他の画像を符号化して得られた依存ストリームとを含む第1のビデオストリーム、および、前記基本ストリームの符号化方法と同じ符号化方法で符号化された第2のビデオストリームの再生制御情報のバージョン情報と同じバージョン情報が設定された前記第1のビデオストリームの再生制御情報が記録された記録媒体に記録されている前記第1のビデオストリームの再生制御情報に従って、前記基本ストリームのみを復号するか、前記基本ストリームと前記依存ストリームを復号する
ステップを含む再生方法。
【請求項15】
視点が異なる複数の画像のうちの所定の画像を符号化して得られた基本ストリームと、前記基本ストリームのピクチャを参照画像として符号化したピクチャを含む、他の画像を符号化して得られた依存ストリームとを含む第1のビデオストリーム、および、前記基本ストリームの符号化方法と同じ符号化方法で符号化された第2のビデオストリームの再生制御情報のバージョン情報と同じバージョン情報が設定された前記第1のビデオストリームの再生制御情報が記録された記録媒体に記録されている前記第1のビデオストリームの再生制御情報に従って、前記基本ストリームのみを復号するか、前記基本ストリームと前記依存ストリームを復号する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項16】
視点が異なる複数の画像のうちの所定の画像を符号化して得られた基本ストリームと、前記基本ストリームのピクチャを参照画像として符号化したピクチャを含む、他の画像を符号化して得られた依存ストリームとを含む第1のビデオストリームの再生制御情報として、前記基本ストリームの符号化方法と同じ符号化方法で符号化された第2のビデオストリームの再生制御情報のバージョン情報と同じバージョン情報を設定した情報を生成する生成部と、
前記第1のビデオストリームと、前記第1のビデオストリームの再生制御情報とを記録媒体に記録させる記録制御部と、
前記記録媒体に記録されている前記第1のビデオストリームの再生制御情報に従って、前記第1のビデオストリームの復号を制御する制御部と、
前記制御部による制御に従って、前記基本ストリームのみを復号するか、前記基本ストリームと前記依存ストリームを復号する復号部と
を備える記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2012−249019(P2012−249019A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−118297(P2011−118297)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】