説明

記録装置、記録装置の制御方法、及び、プログラム

【課題】ノズルチェックの結果に応じてクリーニングを実行する際に、ノズルチェックの結果を反映して、不必要なクリーニングが実行されることを抑制する。
【解決手段】インクジェットプリンター1のクリーニング実行部41は、ノズルチェック実行部40によってノズルチェック処理が実行された場合、当該ノズルチェックを実行した結果と、ノズルチェック結果記憶部45により記憶された過去のノズルチェックの結果と、に基づいて、クリーニング処理を実行するか否かを判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のノズルを有する記録ヘッドを備える記録装置、当該記録装置の制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録ヘッドに設けられたノズルの吐出不良を検出するノズルチェックを行うことが可能に構成された記録装置(プリンター)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種の記録装置では、ノズルに吐出不良が検出された場合、クリーニングを実行し、吐出不良を解消するものがある。クリーニングでは、各ノズルに残留するインクが強制的に吸引されることにより、ノズルの吐出不良の解消が試みられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−198924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、クリーニングは、インクの消費を伴う処理である。従って、上述した記録装置のように、ノズルチェックの結果に応じてクリーニングを実行するものでは、ノズルチェックの結果を反映して、不必要なクリーニングを抑制し、インクの無駄な消費を抑制したいとするニーズがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、ノズルチェックの結果に応じてクリーニングを実行する際に、過去のノズルチェックの結果を反映して、不必要なクリーニングが実行されることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、記録装置であって、複数のノズルを有する記録ヘッドと、複数の前記ノズルの吐出不良を検出するノズルチェックを実行するノズルチェック実行部と、前記ノズルチェック実行部により実行された前記ノズルチェックの結果を記憶するノズルチェック結果記憶部と、前記記録ヘッドのクリーニングを実行するクリーニング実行部と、を備え、前記クリーニング実行部は、前記ノズルチェック実行部により前記ノズルチェックを実行した結果と、前記ノズルチェック結果記憶部により記憶された、少なくとも電源投入前に行われた前記ノズルチェックの結果を含む前記ノズルチェックの結果と、に基づいて、前記クリーニングを実行するか否かを判別することを特徴とする。
この構成によれば、ノズルチェックの結果に応じて一律にクリーニングを実行するのではなく、過去に行われたノズルチェックの結果を反映した上で、クリーニングを行うか否かを判別するため、過去に行われたノズルチェックの結果から実行する必要がないと判別されるクリーニングを実行しないことが可能となり、不必要なクリーニングを抑制できる。特に、電源投入前に行われたノズルチェックの結果を考慮した場合、電源投入後に行われる不必要なクリーニングを効果的に抑制できる。
ここで、ノズルチェックの結果が所定の条件を満たさない場合、クリーニングをし、さらにノズルチェックをする、という動作を繰り返すようにし、ノズルチェックした結果が所定の条件を満たしたときに、ノズルチェックを実行しない構成にしたとする。この場合において、電源をオフしたとき、ノズルチェックした結果を記憶していないと、電源投入する度に、ノズルチェックの結果が残っていないので、再び、上記動作を繰り返し行うこととなる。この場合、過去においてクリーニングを行った場合であっても、ノズルチェックの結果が所定の条件を満たすようにはならないことが判明しているのにもかかわらず、電源投入後にクリーニングを繰り返し実行することとなる。すなわち、電源を切る前に行ったものと、目的、内容が同じクリーニングを行うこととなる。このことは、時間やインクの無駄や、クリーニングに伴う機構の寿命が短くなる原因となる。そして、上記構成によれば、このような事態を回避できる。
【0006】
また、上記発明の記録装置であって、本発明は、前記クリーニング実行部は、前記ノズルチェック実行部によって前記ノズルチェックを実行し、いずれかの前記ノズルに前記吐出不良が検出された場合、前記クリーニング実行部によってクリーニングを実行するという動作を、所定の上限回数を上限として、全ての前記ノズルにおける前記吐出不良が解消するまで繰り返して実行し、前記ノズルチェック実行部による前記ノズルチェックの結果、前記吐出不良が検出されず、又は、全ての前記ノズルにおける前記吐出不良が解消した場合は、記録動作に移行し、前記所定の上限回数に至るまで前記クリーニングを実行しても前記吐出不良が解消しない場合は、前記吐出不良に係るエラーが発生していると判別し、前記ノズルチェック結果記憶部により前記ノズルチェックの結果を記憶し、前記ノズルチェック実行部による前記ノズルチェック後、当該ノズルチェックにより所定の許容数以内の前記ノズルについて吐出不良が検出された場合であっても、前記ノズルチェック結果記憶部により記憶された、前記電源投入前に行われた前記ノズルチェックの結果を含む前記ノズルチェックの結果から、当該所定の許容数以内の前記ノズルのそれぞれについて、前記吐出不良が解消しないエラーが発生していると判別できる場合であれば、前記クリーニングを実行しないと判別した上で、前記記録動作に移行することを特徴とする。
ここで、所定の許容数とは、印刷品質の維持という観点から、吐出不良が発生しているノズルの数として、許容される数である。そして、過去に行われたノズルチェックにおいて、許容数以内の特定のノズルについて、所定の上限回数を上限としてクリーニングを行っても吐出不良が解消しない場合は、ノズル自体や、記録ヘッドに何らかのエラーが発生しており、クリーニングを実行しても吐出不良が解消することはない一方、許容数の範囲内である限り、吐出不良を解消することなく記録を実行した場合であっても、印刷品質が維持されるものと想定される。
以上を踏まえ、上記構成によれば、クリーニングを行っても解消されない吐出不良が発生しており、さらに、吐出不良が発生しているノズルが、許容数以内の特定のノズルであり、従って、クリーニングを実行せずに通常の記録動作に移行してよい場合に、クリーニングを実行しないこととなり、不必要なクリーニングを抑制可能となる。また、電源投入する度に、クリーニングを繰り返すことを回避できる。
【0007】
また、上記発明の記録装置であって、本発明は、前記クリーニング実行部は、前記ノズルチェック結果記憶部により記憶された、前記電源投入前に行われた前記ノズルチェックの結果を含む前記ノズルチェックの結果から、前記所定の許容数を超える数の前記ノズルについて前記吐出不良が解消しないエラーが発生していると判別できる場合は、前記クリーニングを実行しないと判別することを特徴とする。
この構成によれば、許容数を超える数のノズルについて、クリーニングでは解消不可能な吐出不良が発生している場合は、クリーニングが実行されることがなく、エラーが発生していると判別されるため、不必要なクリーニングを抑制できる。また、電源投入する度に、同じ動作を繰り返すことを回避できる。
【0008】
また、上記発明の記録装置であって、本発明は、前記クリーニング実行部は、前記クリーニングを前記所定の上限回数行った場合において、各前記クリーニングに応じて行われる前記ノズルチェックのそれぞれについて、異なった前記ノズルに前記吐出不良が検出されている場合には、前記クリーニングに起因したエラーが発生していると判別し、前記ノズルチェック結果記憶部によりその旨記憶することを特徴とする。
ここで、クリーニングにエラーが発生している場合、複数回、クリーニングを実行した際に、各クリーニングで異なるノズルについて、エラーが検出されるものと想定される。
これを踏まえ、上記構成によれば、クリーニングに起因したエラーが発生していることを適切に検出可能である。また、電源投入する度に、同じ動作を繰り返すことを回避できる。
【0009】
また、上記発明の記録装置であって、本発明は、前記クリーニング実行部は、前記ノズルチェック実行部による前記ノズルチェック後、当該ノズルチェックにより所定の許容数以内の前記ノズルについて吐出不良が検出された場合であっても、前記ノズルチェック結果記憶部により、前記ノズルチェックの結果として、前記クリーニングに起因したエラーが発生している旨の結果が記憶されている場合、前記クリーニングを実行しないと判別することを特徴とする。
ここで、クリーニングに起因したエラーが発生している場合、クリーニング自体に問題があるため、クリーニングのエラーを解消しない限りは、抜本的に吐出不良を解消することができないものと想定される。
そして、上記構成によれば、クリーニングにエラーが発生している状況下で、クリーニングを行うことが防止されるため、不必要なクリーニングを抑制できる。また、電源投入する度に、同じ動作を繰り返すことを回避できる。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明は、複数のノズルを有する記録ヘッドを備える記録装置の制御方法であって、前記記録ヘッドのノズルチェックを実行し、当該ノズルチェックの結果を記憶すると共に、前記ノズルチェックを実行した後、当該ノズルチェックを実行した結果と、記憶した、電源投入前に行われたノズルチェックの結果を含む前記ノズルチェックの結果とに基づいて、前記記録ヘッドのクリーニングを実行するか否かを判別することを特徴とする。
この制御方法によれば、ノズルチェックの結果に応じて一律にクリーニングを実行するのではなく、過去に行われたノズルチェックの結果を反映した上で、クリーニングを行うか否かを判別するため、過去に行われたノズルチェックの結果から実行する必要がないと判別されるクリーニングを実行しないことが可能となり、不必要なクリーニングを抑制できる。
特に、電源投入前に行われたノズルチェックの結果を考慮した場合、電源投入後に行われる不必要なクリーニングを効果的に抑制できる。すなわち、電源投入前に同様の目的でクリーニングを行っており、かつ、このクリーニングでは吐出不良が解消していない場合に、電源投入後に、同様の目的で無駄にクリーニングが実行されることを防止できる。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明は、複数のノズルを有する記録ヘッドと、記憶部を備える記録装置を制御する制御部により実行されるプログラムであって、前記制御部を、複数の前記ノズルの吐出不良を検出するノズルチェックを実行するノズルチェック実行部と、前記ノズルチェック実行部により実行されたノズルチェックの結果を前記記憶部に記憶するノズルチェック結果記憶部と、前記記録ヘッドのクリーニングを実行するものであり、前記ノズルチェック実行部によって前記ノズルチェックが実行された場合、当該ノズルチェックを実行した結果と、電源投入前に記憶したノズルチェックの結果を含む前記ノズルチェック結果記憶部により前記記憶部に記憶されたノズルチェックの結果と、に基づいて、前記クリーニングを実行するか否かを判別するクリーニング実行部と、として機能させることを特徴とする。
このプログラムを実行すれば、ノズルチェックの結果に応じて一律にクリーニングを実行するのではなく、過去に行われたノズルチェックの結果を反映した上で、クリーニングを行うか否かを判別するため、過去に行われたノズルチェックの結果から実行する必要がないと判別されるクリーニングを実行しないことが可能となり、不必要なクリーニングを抑制できる。
特に、電源投入前に行われたノズルチェックの結果を考慮した場合、電源投入後に行われる不必要なクリーニングを効果的に抑制できる。すなわち、電源投入前に同様の目的でクリーニングを行っており、かつ、このクリーニングでは吐出不良が解消していない場合に、電源投入後に、同様の目的で無駄にクリーニングが実行されることを防止できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ノズルチェックの結果に応じてクリーニングを実行する際に、ノズルチェックの結果を反映して、不必要なクリーニングが実行されることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】インクジェットプリンター及びホストコンピューターのブロック図。
【図2】従来のインクジェットプリンターの動作を示すフローチャートである。
【図3】インクジェットプリンターの動作を示すフローチャートである。
【図4】インクジェットプリンターの動作を示すフローチャートである。
【図5】各種エラーを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、インクジェットプリンター1(記録装置)、及び、インクジェットプリンター1を制御するホストコンピューター2の機能的構成を示すブロック図である。
インクジェットプリンター1は、インクジェットヘッド11(記録ヘッド)を備え、このインクジェットヘッド11に形成されたノズルからインクを吐出して、記録媒体にドットを形成するインクジェット式プリンターであり、クリーニング処理、及び、ノズルチェック処理を実行可能である。
【0015】
クリーニング処理とは、インクジェットヘッド11のノズル(不図示)内部に留まっているインクについて、時間の経過と共にインクの粘度が増加し、これに起因して吐出不良が起きることを防止するために、ノズルに留まっているインクを強制的に吸引する処理である。また、ノズルの表面をワイパーにより拭うワイピングや、ノズルからインクを吐出させるフラッシング、および、吸引を含めた組合せもクリーニング処理に含めてもよい。
インクジェットプリンター1は、インクジェットヘッド11のノズルに負圧を加え、ノズルに留まっているインクを吸い出す機構を備えており、当該機構によりクリーニング処理が実行される。
【0016】
ノズルチェック処理とは、インクジェットヘッド11に設けられたノズルのそれぞれについて、インクの吐出不良が発生しているか否かを検出する処理である。
ノズルチェック処理は、例えば、以下のようにして行われる。
すなわち、まず、所定の位置にインクジェットヘッド11を搬送する。当該所定の位置において、インクジェットヘッド11からインクが吐出され着弾する領域には、導電材が配置されていると共に、導電材を流れる電流の状態または電荷の変化を検出可能な構成となっている。インクジェットヘッド11の1のノズルの近傍には、吐出するインクを帯電させる電極が配置されている。
そして、インクジェットヘッド11の1のノズルから、電極により帯電したインク滴を、導電材が配置された領域に吐出すると共に、着弾したインクの電荷により導電材を流れる電流の状態または電荷の変化を検出し、検出した電流または電荷の状態に基づいて、想定された態様で、想定された量のインクが吐出されたか否かを判別することにより、当該1のノズルに、インクの吐出不良が発生しているか否かを検出する。1回のノズルチェック処理では、インクジェットヘッド11に設けられた全てのノズルについて順次行い、吐出不良が発生しているか否かの検出が行われる。
このほか、1のノズルから、ノズルチェックのために、記録媒体にインクを吐出し、記録媒体に形成されたドットをスキャナなどで光学的に読み取って、当該1のノズルに吐出不良が生じているか否かを判別するようにしてもよい。すなわち、1つ1つのノズルについて、ノズルの吐出不良が検出できるのであれば、いかなる方法を用いてノズルチェックを行ってもよい。
【0017】
図1に示すように、インクジェットプリンター1は、制御部23と、プリントエンジン24と、表示部25と、入力部29と、インターフェイス26と、記憶部27と、を備えている。
制御部23は、インクジェットプリンター1の各部を中枢的に制御するものであり、演算実行部としてのCPUや、このCPUに実行されるファームウェアをコンピューターに読み取り可能な態様で不揮発的に記憶するROM、CPUに実行されるプログラムやこのプログラムに係るデータ等を一時的に記憶するRAM、その他の周辺回路等を備えている。
プリントエンジン24は、制御部23の制御の下、各種センサーの検出値を監視しながら、上述したインクジェットヘッド11のほか、記録媒体を搬送する搬送ローラーを駆動するための搬送モーターや、インクジェットヘッド11を主走査方向に走査させるためのキャリッジを駆動するキャリッジ駆動モーター等を動作させて、記録媒体に画像に応じたドットを形成する。
また、プリントエンジン24は、クリーニング処理を実行するための各種機構(例えば、インクジェットヘッド11のノズルに負圧を加えるためのポンプ)を備え、制御部23の制御の下、クリーニング処理を実行する。
また、プリントエンジン24は、ノズルチェック処理を実行するための各種機構(例えば、導電材を流れる電流の状態を検出するセンサー)を備え、制御部23のノズルチェック実行部40の制御の下、ノズルチェック処理を実行する。
表示部25は、液晶表示パネル等の表示パネルを備え、制御部23の制御の下、表示パネルに各種情報を表示する。入力部29は、インクジェットプリンター1に設けられた各種操作スイッチに接続され、操作スイッチに対する操作を検出し、制御部23に出力する。
インターフェイス26は、制御部23の制御の下、ホストコンピューター2との間で、所定の規格に準拠した通信を行う。
記憶部27は、EEPROMや、ハードディスク等を備え、各種データを書き換え可能に記憶する。
【0018】
また、図1に示すように、ホストコンピューター2は、ホストコンピューター2の各部を中枢的に制御するホスト側制御部36と、表示パネルに各種情報を表示するホスト側表示部37と、各種入力デバイスに対する操作を検出し、ホスト側制御部36に出力するホスト側入力部38と、各種データを書き換え可能に記憶するホスト側記憶部39と、インクジェットプリンター1、及び、各種通信に係る処理を実行するホスト側通信インターフェイス35と、を備えている。
ホストコンピューター2には、インクジェットプリンター1制御用のプリンタードライバーがインストールされており、記録媒体への画像の記録に際し、ホスト側制御部36は、プリンタードライバーを読み出して実行することにより、記録媒体への画像の記録に係る各種動作を実行させるための制御コマンドを生成し、インクジェットプリンター1に出力する。
インクジェットプリンター1の制御部23は、入力された制御コマンドに基づいて、プリントエンジン24を制御して、記録に係る各種動作を実行する。
【0019】
ところで、本願発明を適用する前の、従来の、インクジェットプリンター1では、上述したノズルチェック処理を実行した場合、以下のような動作を行っていた。
【0020】
図2は、一部は従来のインクジェットプリンター1の動作を示すフローチャートである。
以下の動作において、ノズルチェック実行部40、及び、クリーニング実行部41の機能は、CPUによりファームウェアが読み出されて実行される等、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。
まず、ステップSA1において、制御部23のノズルチェック実行部40は、プリントエンジン24を制御して、ノズルチェック処理を実行する。このステップSA1のノズルチェック処理は、インクジェットプリンター1の電源がオンされたことをトリガーとしてノズルチェック実行部40により実行され、また、吐出不良等、インクジェットプリンター1に記録に係る何らかのエラーが生じた場合に、自動で、又は、ユーザーによる明示の指示に基づいてノズルチェック実行部40により実行される。
上述したように、ノズルチェック処理では、インクジェットヘッド11に設けられた全てのノズルについて、吐出不良が発生しているか否かの判別が行われる。
次いで、制御部23のクリーニング実行部41は、ノズルチェック処理の結果、クリーニング処理を実行する必要がある否かを判別する(ステップSA2)。ステップSA2では、ノズルチェック処理の結果、吐出不良が検出されたノズルが1つでも存在する場合は、当該吐出不良を解消すべく、クリーニング処理を実行する必要があると判別され、一方、吐出不良が検出されたノズルが1つも存在しない場合は、クリーニング処理を実行する必要がないと判別される。
【0021】
ステップSA2において、クリーニング処理を実行する必要がないと判別した場合(ステップSA2:NO)、制御部23は、変数である変数ACLの値を「0」に書き換え(ステップSA3)、通常動作(記録動作)に移行する(ステップSA4)。なお、変数ACLとは、プログラム上に定義された変数であって、クリーニング処理を実行した回数を格納するための変数を、説明の便宜を考慮して概念的に表現するものである。変数ACLのデフォルト値は、「0」である。
一方、ステップSA2において、クリーニング処理を実行する必要があると判別した場合(ステップSA2:YES)、制御部23は、クリーニング処理を実行した回数が上限回数J1(本実施形態では、4回)以内であるか否かを判別する(ステップSA5)。ここで、従来のインクジェットプリンター1は、ノズルチェック実行部40によってノズルチェックが実行された場合において、いずれかのノズルに吐出不良が検出された場合、クリーニング実行部41によってクリーニング処理を実行するという動作を、上限回数J1を上限として、全てのノズルにおける吐出不良が解消するまで実行し、吐出不良が検出されず、又は、全てのノズルにおける吐出不良が解消した場合は、通常動作に移行する構成となっており、ステップSA5では、クリーニング処理を実行した回数が、上限回数J1を超えたか否かの判別が行われている。なお、上限回数J1を上限として、吐出不良が解消するまでクリーニング処理を実行する構成については、従来のインクジェットプリンター1のみならず、本実施形態に係るインクジェットプリンター1についても同様である。
また、図2において、クリーニング処理を実行した回数を格納する変数ACLの値が、上限回数J1である「4」未満であるか否かが判別されているが、後述するステップSA7の順序の関係上、クリーニング処理を実行した回数が4回未満の場合は「YES」と判別され、クリーニング処理を実行した回数が4回の場合は「NO」と判別されることとなる。
【0022】
クリーニング処理を実行した回数が上限回数J1未満の場合(ステップSA5:YES)、クリーニング実行部41は、クリーニング処理を実行し(ステップSA6)、変数ACLの値をインクリメントし(ステップSA7)、処理手順をステップSA1へ戻す。
一方で、クリーニング処理を実行した回数が上限回数J1となった場合(ステップSA5:NO)、換言すれば、4回(上限回数J1)、クリーニング処理を実行した場合であっても、いずれかのノズルに吐出不良が検出されている場合、従来のクリーニング実行部41は、回復しない吐出不良としてエラーにしていた。本発明では、エラーの要因をさらに特定するためステップSA8、SA9、SA10を追加している。回復しない吐出不良と判断した場合、処理手順をステップSA8へ移行する。
ステップSA8において、クリーニング実行部41は、実行した各クリーニング処理において、同一の1又は複数のノズルについて連続して吐出不良が検出されており、かつ、他のノズルについて、吐出不良が検出されていないか否かを判別する。
各クリーニング処理において、同一の1又は複数の特定のノズルについて、ノズルチェックする度に連続して吐出不良が検出され、かつ、他のノズルについて吐出不良が検出されてない場合(ステップSA8:YES)、クリーニング実行部41は、特定のノズルが吐出不良となっているヘッド故障エラーが発生していると判別し(ステップSA9)、表示部25を制御して、表示パネルにその旨表示する。この場合、通常動作へ移行せず、待機状態となる。
一方、吐出不良が検出されているものの、同一の1又は複数の特定のノズルについて、ノズルチェックする度に連続して吐出不良が検出されているような状況では無い場合、つまりノズルチェックする度に異なるノズルが吐出不良として検出する場合(ステップSA8:NO)、クリーニング実行部41は、特定のノズルが吐出不良となっているのではなく、適切なクリーニングが実施されていなく、クリーニングエラーが発生していると判別し(ステップSA10)、表示部25を制御して、表示パネルにその旨表示する。この場合、通常動作へ移行せず、待機状態となる。
なお、ヘッド故障エラー、及び、クリーニングエラーについては、後に詳述するため、その説明を省略する。
【0023】
以上のような動作をする従来のインクジェットプリンター1では、以下のような問題があった。
すなわち、ヘッド故障エラー(ステップSA9)や、クリーニングエラー(ステップSA10)が発生していると判別された場合、通常動作に移行することなく、表示パネルに各エラーが発生している旨表示される。この場合、ユーザーは、表示パネルを参照することにより、ヘッド故障エラー又はクリーニングエラーが発生し、待機状態に移行していることを認識し、当該認識に基づいて、待機状態を解消すべく、また、インクジェットプリンター1を一度リセットすべく、一旦、電源をオフし、再び、電源を投入(オン)することがある。なお、ソフトウェア的な要因で、ヘッド故障エラー又はクリーニングエラーが発生していると判別されるに至った場合は、電源のオフ、オンに伴うリセットによって当該エラーが解消する場合もある。
ユーザーによって電源が再びオンとされると、電源のオンに併せて、各種リセット処理、各種イニシャル処理(変数ACLがデフォルト値「0」にリセットされる処理が含まれている)が実行された後、再び、図2のフローチャートに示す動作が、ステップSA1を起点として、順次、実行されることとなる。この場合、ヘッド故障エラーや、クリーニングエラーは解消していないため、当該電源のオン後における動作において、上限回数J1回、ノズルチェック処理やクリーニング処理が繰り返し実行される可能性が高い。この場合、吐出不良が既に発生しており、かつ、上限回数J1回ノズルチェック処理やクリーニング処理を実行しても、吐出不良が解消していないことが判明している状況下で、再び、ノズルチェック処理やクリーニング処理を繰り返し実行することとなり、不必要である可能性があるノズルチェック処理やクリーニング処理を実行する事態が生じ得た。これは、何度もインクを吸引するので、インクの無駄な消費につながる可能性がある。また、処理時間も掛かる。さらに、ノズルチェック処理とクリーニング処理が無駄に繰り返されるので、それぞれの機構において故障や寿命を縮めることにもなってしまう。
以上を踏まえ、本実施形態に係るインクジェットプリンター1では、以下の動作を実行していた。
【0024】
図3は、本実施形態に係るインクジェットプリンター1の動作を示すフローチャートである。
以下の説明において、ノズルチェック実行部40、ノズルチェック結果記憶部45、及び、クリーニング実行部41の機能は、CPUがファームウェアを読み出して実行する等、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。
図3が示すフローチャートの動作は、インクジェットプリンター1の電源がオンされたことをトリガーとして、また、吐出不良等、インクジェットプリンター1に記録に係る何らかのエラーが生じた場合に、自動で、又は、ユーザーによる明示の指示に基づいて実行されるものである。
また、以下の説明では、説明の便宜のため、初めて、図3のフローチャートに係る動作を実行する場合と、2回目以降に図3のフローチャートに係る動作を実行する場合とを分けて説明する。初めて、図3のフローチャートに係る動作を実行する場合とは、インクジェットプリンター1について、第1回目に電源がオンされた場合である。
【0025】
まず、初めて、図3のフローチャートに係る動作を実行する場合について説明する。
ステップSB1において、ノズルチェック実行部40は、ノズルチェック処理を実行する(ステップSB1)。
次いで、クリーニング実行部41は、いずれかのノズルに吐出不良が発生しているか否かを判別する(ステップSB2)。いずれのノズルにも吐出不良が発生していない場合(ステップSB2:NO)、最終的に通常動作(ステップSB12)へ移行することとなるが、いずれのノズルにも吐出不良が発生していない場合に行われる処理(ステップSB10、11、12)については後述する。
ステップSB1のノズルチェック処理の結果、いずれかのノズルに吐出不良が発生していると判別された場合(ステップSB2:YES)、クリーニング実行部41は、適宜、ステップSB3、SB4、及び、SB5を実行するが、初めて図3のフローチャートに係る動作を実行する場合において、ステップSB2における判別が「YES」の場合(=いずれかのノズルに吐出不良が発生している場合)、後述する理由により、必ず、ステップSB6に至るまで処理手順が進み、ステップSB6の処理が実行されるため、説明の便宜を考慮して、ステップSB3、SB4、SB5、及び、付随する処理(ステップSB13、14)については、後述する。
【0026】
ステップSB6において、クリーニング実行部41は、クリーニング処理が実行された回数が、上限回数J2(本実施形態では「5回」)未満であるか否かを判別する。上限回数J2は、上述した上限回数J1と同一の目的で設定された閾値である。
クリーニング処理が実行された回数が、上限回数J2未満である場合(ステップSB6:YES)、クリーニング実行部41は、クリーニング処理を実行し(ステップSB7)、変数ACLをインクリメントし(ステップSB8)、処理手順をステップSB1へ戻す。
一方、クリーニング処理が実行された回数が、上限回数J2である場合(ステップSB6:NO)、クリーニング実行部41は、異常診断処理を実行する(ステップSB9)
【0027】
図4は、図3のステップSB9の異常診断処理におけるインクジェットプリンター1の動作を示すフローチャートである。
また、図5は、図4の異常診断処理の説明に利用するための図である。
異常診断処理において、まず、クリーニング実行部41は、上限回数J2回(5回)行ったノズルチェック処理において、許容数K1個(本実施形態では「1個」)を超えての同一のノズルについて、上限回数J2回連続して吐出不良が検出されているか否かを検出する(ステップSC1)。
図5(A)は、ステップSC1において「YES」と判別される場合、換言すれば、許容数K1個(1個)を超える同一のノズルについて、上限回数J2回連続して吐出不良が検出されている場合を説明するための図であり、インクジェットヘッド11に配置されたノズルを模式的に示している。図5(A)では、縦4個、横4個の計16個のノズルが、マトリクス状に配置されている。各ノズルを特定するために、目盛りとして、横に左から右へA、B、C、Dを割り振り、縦に上から下へ1、2、3、4を割り振り、各ノズルを、ノズルB2(図5(A)において、左から2番目かつ上から2番目に配置されたノズル)というように、表現するものとする。また、図5では、吐出不良が検出されたノズルを黒く塗りつぶして描画するものとする。
【0028】
さて、ステップSC1において「YES」と判別される場合は、図5(A)に示すような状況の場合である。すなわち、図5(A)に示すように、1回目のノズルチェック処理において、ノズルA2、及び、ノズルB3の2個(許容数K1個を超える個数)に吐出不良が検出され、その後全てのノズルチェック処理において、クリーニングを実行しても、ノズルA2、及び、ノズルB3について連続して吐出不良が検出される場合である。
以下、このようなエラーを、「ノズル詰まりエラー」と言うものとする。
ここで、許容数K1とは、印刷品質の維持という観点から、吐出不良が発生しているノズルの数として、許容される数であり、また、上記観点に準拠して、その値が適切に設定されている。本実施形態では、許容数K1は、「1」であるが、これは、吐出不良が発生しているノズルが「1個」以内であれば、吐出不良を解消することなく、記録を実行したとしても、印刷品質は維持されるということである。逆に、吐出不良が発生しているノズルが「2個」以上存在すれば、印刷品質が保証されない。
そして、許容数K1を超える数の特定のノズルについて、上限回数J2回クリーニングを行っても吐出不良が解消しない場合は、これら特定のノズルについては、ノズル自体や、インクジェットヘッド11に何らかのエラーが発生しており、クリーニングを実行しても吐出不良が解消することはなく、かつ、少なくとも、吐出不良が検出されたノズルの数が、許容数K1以内となるまでは、記録媒体への記録を実行すべきでない状況と言える。
【0029】
ステップSC1において、許容数K1個(1個)を超える同一のノズルについて、上限回数J2回連続して吐出不良が検出されている場合(ステップSC1:YES)、制御部23は、ノズル詰まりエラーが発生していると判別する(ステップSC2)。次いで、制御部23のノズルチェック結果記憶部45は、記憶部27に、ノズル詰まりエラーデータ50を記憶する(ステップSC3)。このノズル詰まりエラーデータ50は、ノズル詰まりエラーが発生していることを示す情報、及び、吐出不良が発生しているノズルを特定する情報(図5(A)の例では、ノズルA2、及び、ノズルB3を明示する情報)を含むデータである。本実施形態では、ノズル詰まりエラーデータ50が記憶部27に記憶されているか否かにより、ノズル詰まりエラーが発生しているか否かを管理する構成となっており、ノズル詰まりエラーが解消した場合、制御部23は、記憶部27からノズル詰まりエラーデータ50を削除する。なお、ノズル詰まりエラーが発生していることを、所定のフラグを用いて管理しても良いことは、勿論である。
ノズルチェック結果記憶部45により、記憶部27にノズル詰まりエラーデータ50が記憶された後は、クリーニング実行部41は、表示パネルにノズル詰まりエラーが発生した旨表示し、通常動作へ移行することなく、待機状態へ移行する。この場合、上述したように、ユーザーは、電源のオフ、オンを実行することがある。
【0030】
一方、ステップSC1において、許容数K1個(1個)を超える同一のノズルについて、上限回数J2回連続して吐出不良が検出されている状態では無い場合(ステップSC1:NO)、クリーニング実行部41は、許容数K1個(1個)以内の同一のノズルについて、上限回数J2回連続して吐出不良が検出されており、かつ、他のノズルに吐出不良が検出されていないか否かを判別する(ステップSC4)。
図5(B)は、許容数K1個(1個)以内の同一のノズルについて、上限回数J2回連続して吐出不良が検出されており、かつ、他のノズルに吐出不良が検出されていない場合(ステップSC4で「YES」と判別される場合)を説明するための図である。
図5(B)に示すように、ステップSC4で「YES」と判別される場合は、例えば、1回目のノズルチェック処理において、ノズルA1に吐出不良が検出され、その後全てのノズルチェック処理において、ノズルA1について連続して吐出不良が検出されると共に、他のノズルについて、吐出不良が検出されていない場合である。
以下、このようなエラーを「ヘッド故障エラー」と言うものとする。
【0031】
上述したように、許容数K1とは、印刷品質の維持という観点から、吐出不良が発生しているノズルの数として、許容される数である。そして、本実施形態では、許容数K1は、「1」であるが、これは、吐出不良が発生しているノズルが「1個」以内であれば、吐出不良を解消することなく、記録を実行したとしても、印刷品質は維持されるということである。
そして、許容数K1以内の特定のノズルについて、上限回数J2回クリーニングを行っても吐出不良が解消しない場合(ヘッド故障エラーが発生している場合)は、これら特定のノズルについては、ノズル自体や、インクジェットヘッド11に何らかのエラーが発生しており、クリーニングを実行しても吐出不良が解消することはない一方、許容数K1の範囲内である限り、吐出不良を解消することなく記録を実行した場合であっても、印刷品質が維持されることを意味する。
【0032】
ステップSC4において、許容数K1個(1個)以内の同一のノズルについて、上限回数J2回連続して吐出不良が検出されており、かつ、他のノズルに吐出不良が検出されていない場合(ステップSC4:YES)、クリーニング実行部41は、ヘッド故障エラーが発生していると判別する(ステップSC5)。
次いで、制御部23のノズルチェック結果記憶部45は、電源が再投入された場合に、ヘッド故障エラーが発生していることを表示パネルに表示することを示す情報が含まれた警告情報データ51を記憶部27に記憶する(ステップSC6)。本実施形態では、電源が投入された場合、制御部23は、記憶部27にアクセスし、警告情報データ51が記憶されている場合、表示部25を制御して、表示パネルに、ヘッド故障エラーが発生している旨の情報を表示する構成となっている。
さらに、ノズルチェック結果記憶部45は、記憶部27に、ヘッド故障エラーデータ52を記憶する(ステップSC7)。このヘッド故障エラーデータ52は、ヘッド故障エラーが発生していることを示す情報、及び、吐出不良が発生しているノズルを特定する情報(図5(B)の例では、ノズルA1を明示する情報)を含むデータである。
本実施形態では、ヘッド故障エラーデータ52が記憶部27に記憶されているか否かにより、ヘッド故障エラーが発生しているか否かが管理される構成となっており、ヘッド故障エラーが解消した場合、制御部23は、記憶部27からヘッド故障エラーデータ52を削除する。なお、ヘッド故障エラーが発生していることを、所定のフラグを用いて管理しても良いことは、勿論である。
ノズルチェック結果記憶部45により、記憶部27にヘッド故障エラーデータ52が記憶された後は、クリーニング実行部41は、表示パネルにヘッド故障エラーが発生した旨表示し、通常動作へ移行することなく、待機状態へ移行する。この場合、上述したように、ユーザーは、電源のオフ、オンを実行する。
【0033】
図5(C)は、ステップSC4において、許容数K1個(1個)以内の同一のノズルについて、上限回数J2回連続して吐出不良が検出されており、かつ、他のノズルに吐出不良が検出されていない状態ではない場合(ステップSC4で「NO」と判別される場合)の一例を示す図である。
図5(C)に示すように、ステップSC4でNOと判別される場合には、例えば、上限回数J2回行われたノズルチェック処理において、連続して、ノズルA1に吐出不良が検出される一方、各ノズルチェック処理において、異なるノズルについて吐出不良が検出され場合がある。このような場合、クリーニング処理が適切に行われなかったなどクリーニング処理自体に何らかの問題があり、これに起因して、クリーニング処理の後に行われるノズルチェック処理において、一貫性なくノズルに吐出不良が検出されるものと想定される。
図5(D)は、別の一例を示す図である。
図5(D)に示すように、ステップSC4でNOと判別される場合には、例えば、上限回数J2回行われたノズルチェック処理において、連続して、吐出不良が検出されるノズルが存在せず、各ノズルチェック処理において、異なるノズルについて吐出不良が検出され場合がある。この場合も、クリーニング処理自体に何らかの問題があり、これに起因して、クリーニング処理の後に行われるノズルチェック処理において、一貫性なくノズルに吐出不良が検出されるものと想定される。
つまり、ステップSC4でNOと判別される場合、すなわち、「許容数K1個(1個)以内の同一のノズルについて、上限回数J2回連続して吐出不良が検出されており、かつ、他のノズルに吐出不良が検出されていない状態」ではない場合、クリーニング処理自体に何らかのエラーが発生し、これに起因して、上限回数J2回、クリーニング処理を行っても、全てのノズルについての吐出不良が解消しないものと想定される。
以下、このようなエラーを「クリーニングエラー」と言うものとする。
【0034】
さて、ステップSC4において、許容数K1個(1個)以内の同一のノズルについて、上限回数J2回連続して吐出不良が検出されており、かつ、他のノズルに吐出不良が検出されていない状態」ではない場合(ステップSC4:NO)、クリーニング実行部41は、クリーニングエラーが発生していると判別する(ステップSC8)。
次いで、制御部23のノズルチェック結果記憶部45は、記憶部27に、クリーニングエラーデータ53を記憶する(ステップSC9)。このクリーニングエラーデータ53は、クリーニングエラーが発生していることを示す情報を含むデータである。本実施形態では、クリーニングエラーデータ53が記憶部27に記憶されているか否かにより、クリーニングエラーが発生しているか否かが管理される構成となっており、クリーニングエラーが解消されると、制御部23は、記憶部27からクリーニングエラーデータ53を削除する。なお、クリーニングエラーが発生していることを、所定のフラグを用いて管理しても良いことは、勿論である。
ノズルチェック結果記憶部45により、記憶部27にクリーニングエラーデータ53が記憶された後は、クリーニング実行部41は、表示パネルにクリーニングエラーが発生した旨表示し、通常動作へ移行することなく、待機状態へ移行する。この場合、上述したように、ユーザーは、電源のオフ、オンを実行する。
【0035】
さて、前掲図3に戻り、2回目以降に図3のフローチャートに示す動作を実行する場合におけるインクジェットプリンター1の動作について説明する。
まず、図3のステップSB1において、電源が再投入される等の所定の事象をトリガーとして、ノズルチェック実行部40により、ノズルチェック処理が実行される。
次いで、クリーニング実行部41は、ステップSB1におけるノズルチェック処理の結果、いずれかのノズルに吐出不良が発生していることが検出されたか否かを判別する(ステップSB2)。
いずれのノズルにも吐出不良が発生していない場合(ステップSB2:NO)、クリーニング実行部41は、記憶部27にアクセスし、警告情報データ51が記憶されている場合は、当該警告情報データ51を削除する(ステップSB10)。上述したように、警告情報データ51は、電源投入時に、制御部23が、ヘッド故障エラーが発生している旨の情報を表示するか否かを判別するためのデータであるが、いずれのノズルにも吐出不良が発生していない場合は、ヘッド故障エラーが解消しており、以後、電源が投入された際に、ヘッド故障エラーが発生している旨の表示をすべきではないからである。
次いで、クリーニング実行部41は、変数ACLをリセットし(ステップSB11)、通常動作へ移行する(ステップSB12)。
【0036】
一方、ステップSB2において、いずれかのノズルについて、吐出不良が検出された場合(ステップSB2:YES)、クリーニング実行部41は、吐出不良が検出されたノズルの数が、許容数K1以内であり、かつ、吐出不良が検出されたノズルのそれぞれについて、過去に行われた異常診断処理において、ヘッド故障エラーとして吐出不良が検出されているか否かを判別する(ステップSB3)。
ステップSB3の処理について詳述すると、クリーニング実行部41は、記憶部27を参照し、記憶部27にヘッド故障エラーデータ52が記憶されているか否かを判別する。
ヘッド故障エラーデータ52が記憶されていない場合は、過去に行われた異常診断処理において、ヘッド故障エラーが発生したと判別されていないため、クリーニング実行部41は、処理手順をステップSB4へ移行する。
一方、ヘッド故障エラーデータ52が記憶されている場合は、クリーニング実行部41は、当該データの内容を参照し、ヘッド故障エラーが発生していると判別する際に、吐出不良が発生していると判別されたノズルを特定する。図5(B)の例では、ノズルA1が、該当する。
次いで、クリーニング実行部41は、ステップSB2で吐出不良が発生していると判別されたノズルと、過去において、ヘッド故障エラーとして吐出不良が発生していると判別されたノズルとが、完全に一致するか否かを判別する。完全に一致しない場合は、クリーニング実行部41は、処理手順をステップSB4へ移行する。
【0037】
一方、完全に一致する場合は、クリーニング実行部41は、処理手順をステップSB11へ移行して変数ACLをリセットし、通常動作へ移行する(ステップSB12)。
このように、本実施形態では、吐出不良が検出されたノズルの数が、許容数K1以内であり、かつ、直近のノズルチェック処理において、吐出不良が発生していると判別されたノズルと、過去において、ヘッド故障エラーとして吐出不良が発生していると判別されたノズルとが、完全に一致する場合は、クリーニング処理を実行することなく(=吐出不良の解消を試みることなく)、通常動作へ移行する。これは、以下の理由による。
すなわち、上記のような場合は、吐出不良が発生しているノズルについて、クリーニング処理を改めて実行した場合であっても、吐出不良が解消する可能性が低く、また、吐出不良が発生しているノズル数が許容数K1以内であるため、吐出不良を解消することなく記録媒体への記録を行った場合であっても、印刷品質は維持されるためである。そして、上記のような場合に、クリーニング処理を実行することなく通常動作へ移行することにより、不必要なクリーニング処理が実行されることを回避でき、無駄なインクの消費を抑制できる。
【0038】
続くステップSB4において、クリーニング実行部41は、吐出不良が検出されたノズルの数が、許容数K1を超えており、かつ、吐出不良が検出されたノズルのそれぞれについて、過去に行われた異常診断処理において、ノズル詰まりエラーとして吐出不良が検出されているか否かを判別する。
ステップSB4の処理について詳述すると、クリーニング実行部41は、記憶部27を参照し、記憶部27にノズル詰まりエラーデータ50が記憶されているか否かを判別する。
ノズル詰まりエラーデータ50が記憶されていない場合は、過去に行われた異常診断処理において、ノズル詰まりエラーが発生したと判別されていないため、クリーニング実行部41は、処理手順をステップSB5へ移行する。
一方、ノズル詰まりエラーデータ50が記憶されている場合は、クリーニング実行部41は、当該データの内容を参照し、ノズル詰まりエラーが発生していると判別する際に、吐出不良が発生していると判別されたノズルを特定する。図5(B)の例では、ノズルA2、及び、ノズルB3が、該当する。
次いで、クリーニング実行部41は、ステップSB2で吐出不良が発生していると判別されたノズルと、過去において、ノズル詰まりエラーとして吐出不良が発生していると判別されたノズルとが、完全に一致するか否かを判別する。完全に一致しない場合は、クリーニング実行部41は、処理手順をステップSB5へ移行する。
【0039】
一方、完全に一致する場合は、クリーニング実行部41は、処理手順をステップSB13へ移行して、ノズル詰まりエラーが発生していると判別する。当該判別後、クリーニング実行部41は、ノズル詰まりエラーが発生している旨の表示を行い、待機状態へ移行する。この場合、クリーニング処理は実行されないこととなる。
このように、本実施形態では、吐出不良が検出されたノズルの数が、許容数K1を超えており、かつ、過去において、ノズル詰まりエラーとして吐出不良が検出されたノズルについて、引き続き、直近のノズルチェック処理において、吐出不良が発生していると判別された場合は、クリーニング処理を実行することなく、ノズル詰まりエラーが発生していると判別し、待機状態へ移行する。これは、以下の理由による。
すなわち、上記のような場合は、吐出不良が発生しているノズルについて、クリーニング処理を改めて実行した場合であっても、吐出不良が解消する可能性が低く、また、吐出不良が発生しているノズル数が許容数K1を超えているため、吐出不良を解消することなく記録媒体への記録を行った場合、印刷品質を保証できないからである。そして、上記のような場合に、クリーニング処理を実行することなく待機状態へ移行することにより、不必要なクリーニング処理が実行されることを回避でき、無駄なインクの消費を抑制できる。
【0040】
さらに、続く、ステップSB5において、クリーニング実行部41は、過去に行われた異常診断処理において、クリーニングエラーが発生していると判別されているか否かを判別する(ステップSB5)。
ステップSB5の処理について詳述すると、クリーニング実行部41は、記憶部27を参照し、記憶部27にクリーニングエラーデータ53が記憶されているか否かを判別する。
クリーニングエラーデータ53が記憶されていない場合は、過去に行われた異常診断処理において、クリーニングエラーが発生したと判別されていないため、クリーニング実行部41は、処理手順をステップSB6へ移行する。
一方、クリーニングエラーデータ53が記憶されている場合は、クリーニング実行部41は、過去に行われた異常診断処理において、クリーニングエラーが発生していると判別されていると判別し、処理手順をステップSB14へ移行する。このステップSB14において、クリーニング実行部41は、クリーニングエラーが発生していると判別する。当該判別後、クリーニング実行部41は、クリーニングエラーが発生している旨の表示を行い、待機状態へ移行する。この場合、クリーニング処理は実行されないこととなる。
このように、本実施形態では、既にクリーニングエラーが発生している状況下では、クリーニング実行部41は、クリーニング処理を実行することなく、クリーニングエラーが発生していると判別し、待機状態へ移行する。これは、以下の理由による。
すなわち、上記のような場合は、クリーニング処理自体に何らかの問題がある状況であるため、クリーニング処理を実行すべきではないからである。そして、上記のような場合に、クリーニング処理を実行することなく待機状態へ移行することにより、不必要なクリーニング処理が実行されることを回避でき、無駄なインクの消費を抑制できる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、複数のノズルを有するインクジェットヘッド11と、ノズルチェック処理を実行するノズルチェック実行部40と、ノズルチェック実行部40により実行されたノズルチェック処理の結果を記憶するノズルチェック結果記憶部45と、インクジェットヘッド11のクリーニングを実行するクリーニング実行部41と、を備えている。そして、クリーニング実行部41は、ノズルチェック実行部40によってノズルチェック処理が実行された場合、当該ノズルチェック処理を実行した結果と、前記ノズルチェック結果記憶部45により記憶された過去のノズルチェック処理の結果と、に基づいて、クリーニングを実行するか否かを判別する。
これによれば、ノズルチェック処理の結果に応じて一律にクリーニングを実行するのではなく、過去に行われたノズルチェック処理の結果を反映した上で、ノズルチェックを行うか否かを判別するため、過去に行われたノズルチェックの結果を考慮した場合、実行する必要がないと判別されるクリーニングを実行しないことが可能となり、不必要なクリーニングを抑制できる。
【0042】
また、本実施形態では、クリーニング実行部41は、ノズルチェック実行部40によってノズルチェック処理が実行された場合において、いずれかのノズルに吐出不良が検出された場合、クリーニング実行部41によって再びクリーニングを実行するという動作を、上限回数J2を上限として、全ての前記ノズルにおける吐出不良が解消するまで実行し、吐出不良が検出されず、又は、全てのノズルにおける吐出不良が解消した場合は、通常動作に移行し、上限回数J2、クリーニング処理を実行しても吐出不良が解消しない場合は、各種エラーが発生していると判別し、ノズルチェック結果記憶部45によりノズルチェックの結果を含む各種データ(ノズル詰まりエラーデータ、ヘッド故障エラーデータ52、及び、クリーニングエラーデータ53)を記憶部27に記憶する。
そして、クリーニング実行部41は、ノズルチェック実行部40によってノズルチェック処理が実行された場合、当該ノズルチェック処理により、許容数K1以内の所定のノズルについて吐出不良が検出された場合であっても、ノズルチェック結果記憶部45により、過去のノズルチェックにて、当該所定のノズルのそれぞれについて、クリーニングによって解消しない吐出不良が発生している旨の結果を示す情報が含まれるヘッド故障エラーデータ52が記憶されている場合、クリーニング処理を実行せずに、通常動作に移行する。
これによれば、クリーニング処理を行っても解消されない吐出不良が発生しており、さらに、吐出不良が発生しているノズルが、許容数以内の特定のノズルであり、従って、クリーニング処理を実行せずに通常動作に移行してよい場合に、クリーニング処理を実行しないこととなり、不必要なクリーニングを抑制可能となる。
【0043】
また、本実施形態では、クリーニング実行部41は、ノズルチェック実行部40によってノズルチェック処理が実行された場合、当該ノズルチェック処理により、許容数K1を超える数の所定のノズルについて吐出不良が検出された場合であって、ノズルチェック結果記憶部45により、過去のノズルチェック処理にて、当該所定のノズルのそれぞれについて、クリーニング処理によって解消しない吐出不良が発生している旨の結果を示す情報を含むノズル詰まりエラーデータ50が記憶されている場合、クリーニング処理を実行せず、かつ、エラーが発生していると判別する。
この構成によれば、許容数K1を超える数のノズルについて、クリーニング処理では解消不能な吐出不良が発生している場合は、クリーニング処理が実行されることがなく、エラーが発生していると判別されるため、不必要なクリーニング処理を抑制できる。
【0044】
また、本実施形態では、クリーニング実行部41は、ノズルチェック実行部40によってノズルチェック処理が実行された場合、当該ノズルチェックにより、いずれかのノズルについて吐出不良が検出された場合であっても、ノズルチェック結果記憶部45により、過去のノズルチェック処理にて、クリーニングに起因したエラーが発生している旨の結果を示す情報を含むクリーニングエラーデータ53が記憶されている場合、クリーニング処理を実行せず、かつ、エラーが発生していると判別する。
これによれば、クリーニング処理自体にエラーが発生している状況下で、クリーニング処理を行うことが防止されるため、不必要なクリーニング処理を抑制できる。
【0045】
また、本実施形態では、クリーニング実行部41は、クリーニング処理を上限回数J2回行った後、全てのノズルにおける吐出不良が解消していない場合において、各クリーニング処理において異なったノズルに吐出不良が検出されている場合、クリーニング処理に起因したエラーが発生していると判別し、ノズルチェック結果記憶部45によりその旨の情報を含むクリーニングエラーデータ53を記憶する。
これによれば、クリーニング処理に起因したエラーが発生していることを適切に検出可能である。
【0046】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、上限回数J2として5回を、許容数K1として1個を例示したが、上限回数J2は、許容数K1の値は、これらに限定されるものではないことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0047】
1…インクジェットプリンター(記録装置)、11…インクジェットヘッド(記録ヘッド)、23…制御部、40…ノズルチェック実行部、41…クリーニング実行部、45…ノズルチェック結果記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノズルを有する記録ヘッドと、
複数の前記ノズルの吐出不良を検出するノズルチェックを実行するノズルチェック実行部と、
前記ノズルチェック実行部により実行された前記ノズルチェックの結果を記憶するノズルチェック結果記憶部と、
前記記録ヘッドのクリーニングを実行するクリーニング実行部と、を備え、
前記クリーニング実行部は、
前記ノズルチェック実行部により前記ノズルチェックを実行した結果と、前記ノズルチェック結果記憶部により記憶された、少なくとも電源投入前に行われた前記ノズルチェックの結果を含む前記ノズルチェックの結果と、に基づいて、前記クリーニングを実行するか否かを判別することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記クリーニング実行部は、
前記ノズルチェック実行部によって前記ノズルチェックを実行し、いずれかの前記ノズルに前記吐出不良が検出された場合、前記クリーニング実行部によってクリーニングを実行するという動作を、所定の上限回数を上限として、全ての前記ノズルにおける前記吐出不良が解消するまで繰り返して実行し、
前記ノズルチェック実行部による前記ノズルチェックの結果、前記吐出不良が検出されず、又は、全ての前記ノズルにおける前記吐出不良が解消した場合は、記録動作に移行し、前記所定の上限回数に至るまで前記クリーニングを実行しても前記吐出不良が解消しない場合は、前記吐出不良に係るエラーが発生していると判別し、前記ノズルチェック結果記憶部により前記ノズルチェックの結果を記憶し、
前記ノズルチェック実行部による前記ノズルチェック後、当該ノズルチェックにより所定の許容数以内の前記ノズルについて吐出不良が検出された場合であっても、前記ノズルチェック結果記憶部により記憶された、前記電源投入前に行われた前記ノズルチェックの結果を含む前記ノズルチェックの結果から、当該所定の許容数以内の前記ノズルのそれぞれについて、前記吐出不良が解消しないエラーが発生していると判別できる場合であれば、前記クリーニングを実行しないと判別した上で、前記記録動作に移行することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記クリーニング実行部は、
前記ノズルチェック結果記憶部により記憶された、前記電源投入前に行われた前記ノズルチェックの結果を含む前記ノズルチェックの結果から、前記所定の許容数を超える数の前記ノズルについて前記吐出不良が解消しないエラーが発生していると判別できる場合は、前記クリーニングを実行しないと判別することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記クリーニング実行部は、
前記クリーニングを前記所定の上限回数行った場合において、各前記クリーニングに応じて行われる前記ノズルチェックのそれぞれについて、異なった前記ノズルに前記吐出不良が検出されている場合には、前記クリーニングに起因したエラーが発生していると判別し、前記ノズルチェック結果記憶部によりその旨記憶することを特徴とする請求項2又は3に記載の記録装置。
【請求項5】
前記クリーニング実行部は、
前記ノズルチェック実行部による前記ノズルチェック後、当該ノズルチェックにより所定の許容数以内の前記ノズルについて吐出不良が検出された場合であっても、前記ノズルチェック結果記憶部により、前記ノズルチェックの結果として、前記クリーニングに起因したエラーが発生している旨の結果が記憶されている場合、前記クリーニングを実行しないと判別することを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【請求項6】
複数のノズルを有する記録ヘッドを備える記録装置の制御方法であって、
前記記録ヘッドのノズルチェックを実行し、当該ノズルチェックの結果を記憶すると共に、
前記ノズルチェックを実行した後、当該ノズルチェックを実行した結果と、記憶した、電源投入前に行われたノズルチェックの結果を含む前記ノズルチェックの結果とに基づいて、前記記録ヘッドのクリーニングを実行するか否かを判別することを特徴とする記録装置の制御方法。
【請求項7】
複数のノズルを有する記録ヘッドと、記憶部とを備える記録装置を制御する制御部により実行されるプログラムであって、
前記制御部を、
複数の前記ノズルの吐出不良を検出するノズルチェックを実行するノズルチェック実行部と、
前記ノズルチェック実行部により実行されたノズルチェックの結果を前記記憶部に記憶するノズルチェック結果記憶部と、
前記記録ヘッドのクリーニングを実行するものであり、前記ノズルチェック実行部によって前記ノズルチェックが実行された場合、当該ノズルチェックを実行した結果と、電源投入前に記憶したノズルチェックの結果を含む前記ノズルチェック結果記憶部により前記記憶部に記憶されたノズルチェックの結果と、に基づいて、前記クリーニングを実行するか否かを判別するクリーニング実行部と、として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−213978(P2012−213978A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81765(P2011−81765)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】