説明

記録装置、記録装置の制御方法、及び、プログラム

【課題】カッターの存在に起因して不具合が発生することを抑制する。
【解決手段】インクジェットプリンター1の制御部15は、ロール紙の搬送に伴って、ロール紙の先端が、固定刃に対応する位置を通過する際に、記録ヘッド2が、ロール紙が延在している範囲から退避した場所に位置した状態となるよう、記録ヘッド2の走査、及び、ロール紙の搬送を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体を切断する切断部を備える記録装置、当該記録装置の制御方法、及び、当該記録装置を制御するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録媒体を切断するためのカッター可動刃とカッター固定刃で構成されるカッターユニット(切断部)を備える記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の記録装置では、記録媒体が所定の位置に至ったときに、カッター固定刃に対してカッター可動刃が相対的に移動して、記録媒体の切断が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−20328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述した記録装置のようにカッターを備える記録装置では、カッターの存在に起因して記録媒体が記録ヘッドに接触してしまうなどの不具合が発生することを極力防止したいとするニーズがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、カッターの存在に起因して不具合が発生することを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、記録装置であって、主走査方向に走査する記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送部と、前記記録媒体の搬送経路上の前記記録ヘッドの下流側に設けられ、前記記録媒体を切断する切断部と、前記搬送部による前記記録媒体の搬送に伴って、前記記録媒体の先端が、前記切断部の位置を通過する際に、前記記録ヘッドが前記記録媒体が延在している範囲から退避した位置に移動した状態となるように、前記記録ヘッドの走査、及び、前記搬送部による前記記録媒体の搬送を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、記録媒体の搬送に際し、記録媒体の先端が、搬送路に常に配置される切断部の固定刃などに引っかかる等して、記録媒体が撓んだ場合であっても、記録ヘッドが、記録媒体が延在している範囲から退避した状態であるため、撓んだ記録媒体に記録ヘッドが接触するといった事態が生じることを防止でき、当該接触に起因して記録媒体が汚れ、又は、破損する等の不具合が発生することを効果的に抑制できる。
【0006】
また、上記発明の記録装置であって、本発明は、前記記録ヘッドを主走査方向に走査させつつ、前記記録ヘッドによって前記記録媒体に記録を行った後、搬送方向に第1所定量、前記記録媒体を搬送する、という動作を繰り返すことにより、前記記録媒体への記録を実行するものであり、前記制御部は、搬送方向に前記第1所定量、前記記録媒体を搬送させる前に、当該搬送中に、前記記録媒体の先端が、前記切断部の位置を通過するか否かを判別し、通過する場合は、前記記録媒体が延在している範囲から前記記録ヘッドを退避させた上で、前記搬送部により前記第1所定量、前記記録媒体を搬送することを特徴とする。
この構成によれば、記録ヘッドを主走査方向に走査させつつ、記録ヘッドによって記録を行った後、搬送方向に第1所定量、記録媒体を搬送する、という動作を繰り返すことにより、記録媒体への記録を実行する記録装置において、記録媒体の先端が、切断部に対応する位置を通過するような搬送を行う際に、記録ヘッドを確実に退避することが可能となる。
【0007】
また、上記発明の記録装置であって、本発明は、前記制御部は、前記切断部によって前記記録媒体が切断された場合、搬送方向と逆方向に前記第1所定量より小さい第2所定量、前記記録媒体を搬送し、当該逆方向への搬送後、再び、前記記録媒体を前記第1所定量、搬送方向に搬送する場合、当該搬送中に、前記記録媒体の先端が、前記切断部の位置を通過するか否かを判別することなく、前記記録ヘッドを前記記録媒体が延在している範囲から退避させた上で、搬送を実行することを特徴とする。
この構成によれば、記録媒体の撓みが発生する可能性のある状況のときに、記録ヘッドを確実に退避させた状態としつつ切断部に対応する位置を通過するか否かの判別を行わない分、処理効率の向上を図ることができる。
【0008】
また、上記発明の記録装置であって、本発明は、前記制御部は、前記記録ヘッドにより前記記録媒体を記録した位置が前記切断部の位置を超えるように所定量搬送した後、切断部により切断し、その後、前記所定量以下の搬送量で逆方向へ搬送することを特徴とする。
この構成によれば、ラベルやチケットやレシートなどの1トランザクションの単位の記録を行った後、記録した領域の後端がラベルやチケットやレシートなどの記録媒体の後端にバランスよく配置される位置で切断するように、所定量記録紙の紙を搬送し、次のトランザクションのデータの受信時、所定量以下の搬送量で逆方向へ搬送し、ラベルやチケットやレシートなどの記録媒体の先端からバランスよく記録を開始することができる。このとき、切断された後の記録紙の先端は、切断部から搬送路の上流側へ戻っていることになる。
これは、記録ヘッドと切断部が搬送路上の異なる位置に配置されるため、必要となることである。また、この際、次のトランザクションの記録時に、記録紙の先端が切断部を通過する要因ともなる。
【0009】
また、上記発明の記録装置であって、本発明は、少なくとも一部に粘着剤を含む記録媒体への記録を実行可能に構成され、前記切断部で前記記録媒体を切断した際、前記切断部に前記粘着剤が付着することを特徴とする。
ここで、ラベルのように糊などの粘着剤を含む記録媒体への記録を実行する記録装置では、切断部の固定刃などに糊が付着し、これに記録媒体の先端が一時的に切断部に接着することに起因して、記録媒体の先端が、カッターに引っかかり易い状態にある、と言える。この状態で記録媒体を搬送すると、記録媒体の先端が切断部に接着した状態で記録媒体が撓み、記録ヘッドに接触してしまうことになる。なお、切断部に先端が接着した記録媒体は、搬送に伴い後方から押される力により先端が切断部の接着力から解放されて離れ、搬送路に沿った正常の姿勢に戻る。
これを踏まえ、上記構成によれば、カッターに記録媒体の先端が引っかかりやすく、従って、カッターの存在に起因した不具合をより抑制したい記録装置において、撓んだ記録媒体に記録ヘッドが接触するといった事態が生じることを防止でき、当該接触に起因して記録媒体が汚れ、又は、破損する等の不具合が発生することを効果的に抑制できる。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明は、主走査方向に走査する記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送部と、前記記録媒体の搬送経路上の前記記録ヘッドの下流側に設けられ、前記記録媒体を切断する切断部と、を備える記録装置の制御方法であって、前記搬送部によって前記記録媒体を搬送し、当該搬送に伴って、前記記録媒体の先端が、前記切断部の位置を通過する際に、前記記録ヘッドが、前記記録媒体が延在している範囲から退避した位置に移動した状態となるよう、前記記録ヘッドの走査、及び、前記搬送部による前記記録媒体の搬送を制御することを特徴とする。
この制御方法によれば、記録媒体の搬送に際し、記録媒体の先端が、カッターに引っかかる等して、記録媒体が撓んだ場合であっても、記録ヘッドが、記録媒体が延在している範囲から退避した状態であるため、撓んだ記録媒体に記録ヘッドが接触するといった事態が生じることを防止でき、当該接触に起因して記録媒体が汚れ、又は、破損する等の不具合が発生することを効果的に抑制できる。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明は、主走査方向に走査する記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送部と、前記記録媒体の搬送経路上の前記記録ヘッドの下流側に設けられ、前記記録媒体を切断する切断部と、を備える記録装置の各部を制御する制御部により実行されるプログラムであって、前記制御部に、前記搬送部による前記記録媒体の搬送に伴って、前記記録媒体の先端が、前記切断部の位置を通過する際に、前記記録ヘッドが、前記記録媒体が延在している範囲から退避した位置に移動した状態となるように、前記記録ヘッドの走査、及び、前記搬送部による前記記録媒体の搬送を制御させることを特徴とする。
このプログラムを実行すれば、記録媒体の搬送に際し、記録媒体の先端が、カッターに引っかかる等して、記録媒体が撓んだ場合であっても、記録ヘッドが、記録媒体が延在している範囲から退避した状態であるため、撓んだ記録媒体に記録ヘッドが接触するといった事態が生じることを防止でき、当該接触に起因して記録媒体が汚れ、又は、破損する等の不具合が発生することを効果的に抑制できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、カッターの存在に起因して不具合が発生することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】インクジェットプリンターの構成を示す図である。
【図2】インクジェットプリンターの構成を示す図である。
【図3】インクジェットプリンター及びホストコンピューターを示す図である。
【図4】ロール紙が切断される際の動作を説明するための図である。
【図5】インクジェットプリンターを横から見た図である。
【図6】インクジェットプリンターの動作を示すフローチャートである。
【図7】図6のフローチャートの説明に利用する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1及び図2は、記録装置たるインクジェットプリンター1の構成、及び、基本的な動作を説明するため、インクジェットプリンター1が備える記録ヘッド2をロール紙3(記録媒体)と共に模式的に示す図である。
インクジェットプリンター1は、ロール紙3を搬送方向(図1(A)の矢印Y1が示す方向)に搬送する送り動作を行うと共に、適宜、記録ヘッド2からロール紙3にインクを吐出しつつ、記録ヘッド2を搬送方向と直交する主走査方向(図1(A)の矢印Y2が示す方向)に走査させて、ロール紙3に文字や図形、絵柄等の画像を記録するインクジェット式の記録装置である。
また、インクジェットプリンター1は、所定の位置でロール紙3を切断する機能も有している。
このインクジェットプリンター1は、ホストコンピューター5(図3)に接続されており、このホストコンピューター5から入力された制御コマンドに基づいてロール紙3に画像の記録を行う。
【0015】
インクジェットプリンター1は、図1及び図2に示すように、主走査方向に往復走査可能なキャリッジ6を備えている。このキャリッジ6には、インクを貯留したインクカートリッジ(不図示)が複数搭載されている。本実施形態では、キャリッジ6には、C(シアン)、K(ブラック)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)の4色のインクをそれぞれ貯留した4個のインクカートリッジが搭載されている。
キャリッジ6には、ロール紙3に向かってインクを吐出する記録ヘッド2が搭載されている。記録ヘッド2には、インクを微細なインク粒として吐出するノズル穴が多数開口している。記録ヘッド2は、例えばピエゾ素子を用いて構成されるアクチュエーターによって、インクカートリッジから供給されるインクをロール紙3へ向かって押し出して、ノズル穴から微細なインク粒を吐出する。
ノズル穴は、4列のノズル列8−11をなして配置されている。各ノズル列8−11は、記録ヘッド2において搬送方向に延在して形成されると共に、各ノズル列8−11は、主走査方向に所定間隔をあけて並んで形成されている。これら4つのノズル列8−11は、それぞれ異なるインクカートリッジからインクが供給され、それぞれ異なる色のインクを吐出する構成となっている。本実施形態では、ノズル列8はC(シアン)のインクカートリッジから、ノズル列9はK(ブラック)のインクカートリッジから、ノズル列10はY(イエロー)のインクカートリッジから、ノズル列11はM(マゼンタ)のカートリッジから供給されたインクを吐出する構成となっている。
なお、図1及び図2では、説明の便宜のため、ノズル列8−11を明示している。
【0016】
図3は、インクジェットプリンター1及びこのインクジェットプリンター1を制御するホストコンピューター5の機能的構成を示すブロック図である。
図3に示すように、インクジェットプリンター1は、制御部15と、モーター駆動回路16と、キャリッジ駆動モーター17と、媒体送りモーター18と、カッター駆動モーター23と、ヘッド駆動回路19と、入力部20と、表示部21と、インターフェイス部22(I/F)と、を備えている。
制御部15は、インクジェットプリンター1の各部を中枢的に制御するものであり、演算実行部としてのCPUや、このCPUに実行される基本制御プログラムや、この基本制御プログラムに係るデータ等を不揮発的に記憶するROM、CPUに実行されるプログラムやこのプログラムに係るデータ等を一時的に記憶するRAM、その他の周辺回路等を備えている。
【0017】
モーター駆動回路16は、キャリッジ駆動モーター17に接続され、制御部15の制御の下、キャリッジ駆動モーター17に対して駆動電流や駆動パルスを出力し、キャリッジ駆動モーター17を回転させる。このキャリッジ駆動モーター17の回転に応じて、キャリッジ6が主走査方向を往復走査する。
また、モーター駆動回路16は、媒体送りモーター18に接続され、制御部15の制御の下、媒体送りモーター18に対して駆動電流や駆動パルスを出力し、媒体送りモーター18を所定方向に所定の量だけ回転させる。この媒体送りモーター18の回転に応じて、図示せぬ搬送ローラーが回転し、ロール紙3が搬送方向に搬送される。本実施形態では、制御部15、モーター駆動回路16、媒体送りモーター18、搬送ローラー等が協働して搬送部として機能する。
また、モーター駆動回路16は、カッター駆動モーター23に接続される。カッター駆動モーター23は、可動刃(不図示)を駆動するモーターである。
インクジェットプリンター1は、図1、図2の位置T1に設けられた固定刃30(切断部)と、この固定刃30に交差するように、固定刃30に対して相対的に移動する可動刃とを備えており、固定刃30と可動刃とが交差し、これら刃の交差に伴ってロール紙3が切断される構成となっている。固定刃30は、ロール紙3の搬送経路7上に設けられている。
ヘッド駆動回路19は、記録ヘッド2に接続され、制御部15の制御の下、記録ヘッド2のアクチュエーターを動作させることにより、ノズル列8−11のノズル穴から所定量のインクを吐出させる。
【0018】
入力部20は、インクジェットプリンター1の筐体に設けられた操作スイッチ等に接続され、ユーザーによる操作スイッチ等の操作を検出し、検出した操作に対応する操作信号を制御部15に出力する。
表示部21は、インクジェットプリンター1の筐体に設けられたLEDや液晶表示パネル等に接続され、制御部15の制御の下、LEDや液晶表示パネル等に各種情報を表示する。
インターフェイス部22は、信号伝送ケーブル等を介してホストコンピューター5に接続され、制御部15の制御の下、ホストコンピューター5との間で各種信号を送受信する。
【0019】
ホストコンピューター5は、ホスト側制御部25と、表示部26と、入力部27と、インターフェイス部28(I/F)と、を備えている。
ホスト側制御部25は、ホストコンピューター5の各部を中枢的に制御するものであり、CPUや、ROM、RAM、その他の周辺回路等を備えている。
表示部26は、液晶表示パネルを備え、ホスト側制御部25の制御の下、ホスト側制御部25から入力される映像信号に係る画像を液晶表示パネルに表示する。なお、表示部26は、液晶表示パネルではなく、有機ELパネルやCRTを備えていてもよい。
入力部27は、マウスやキーボード等の入力デバイスに接続され、ユーザーによる入力デバイスの操作を検出し、検出した操作に対応する操作信号をホスト側制御部25に出力する。
インターフェイス部22は、信号電線ケーブル等を介してインクジェットプリンター1に接続され、ホスト側制御部25の制御の下、インクジェットプリンター1との間で各種信号を送受信する。
【0020】
このホストコンピューター5には、プリンタードライバー等のインクジェットプリンター1を制御するためのプリンター制御用プログラムが記憶されており、ホストコンピューター5のホスト側制御部25は、プリンター制御用プログラムを読み出して、実行することにより、インクジェットプリンター1を制御するための制御コマンドを生成し、生成した制御コマンドをインクジェットプリンター1に出力することにより、インクジェットプリンター1を制御する。
【0021】
次いで、図1及び図2を用いて、ホストコンピューター5の制御の下、インクジェットプリンター1が、ロール紙3に画像を記録する際の基本的な動作について説明する。
なお、以下の説明は、固定刃30が存在しないものとして説明する。詳細は後述するが、本実施形態では、固定刃30の存在に対応して、特定の動作を実行する構成となっている。
ロール紙3と、記録ヘッド2との位置関係が図1(A)に示す状態であるものとする。
ここで、図1(A)における記録ヘッド2の位置P1は、いわゆるホームポジションと呼ばれる位置である。図1に示すように、記録ヘッド2がホームポジションたる位置P1に位置している場合、記録ヘッド2は、ロール紙3が延在している範囲を避けた状態となる。ロール紙3が延在している範囲を避けた状態とは、より具体的には、ロール紙3の全域と、記録ヘッド2とに上下方向において重なった部分が存在しない状態のことを言う。
図1(A)に示す状態から、ロール紙3への画像の記録が開始されると、制御部15は、キャリッジ駆動モーター17や、記録ヘッド2、その他の機構を制御して、記録ヘッド2に形成された所定のノズル穴から所定量のインクを吐出しつつ、図1(A)の位置P1から図1(B)の位置P2へ記録ヘッド2を走査させる。これにより、図1(B)に示すように、領域R1に、記録すべき画像に応じたドットが形成される。この領域R1の搬送方向における長さは、各ノズル列8−11のノズル列長によって規定される。
図1(B)に示すように、記録ヘッド2が位置P2に位置している場合、記録ヘッド2は、ロール紙3が延在している範囲を避けた状態ではなく、ロール紙3と記録ヘッド2とに上下方向において重なった部分が存在する。
次いで、制御部15は、記録ヘッド2が位置P2に位置した状態を維持したまま、媒体送りモーター18を制御して、所定量S1(第1所定量)だけ、ロール紙3を搬送方向へ搬送する。この所定量S1は、領域R1の搬送方向における長さ(ノズル列のノズル列長)に対応する長さである。図2(A)では、所定量S1だけ搬送した後の記録ヘッド2と、ロール紙3との関係を示している。
次いで、制御部15は、キャリッジ駆動モーター17や、記録ヘッド2、その他の機構を制御して、記録ヘッド2に形成された所定のノズル穴から所定量のインクを吐出しつつ、図2(A)の位置P2から図2(B)の位置P1へ記録ヘッド2を走査させる。これにより、領域R1と連続する領域R2において、画像に応じたドットが形成される。
以上のように、制御部15は、記録ヘッド2の主走査方向への走査とインクの吐出、ロール紙3の搬送方向への搬送を交互に繰り返すことによって、ロール紙3に画像に応じたドットを形成し、これにより、ロール紙3に画像を記録する。
【0022】
図4は、ロール紙3を切断する際の動作を説明するための図である。
次いで、ロール紙3を切断する際の、動作について簡単に説明する。
上述したように、本実施形態では、図示せぬ可動刃が固定刃に交差し、これにより、固定刃30が延在する位置である位置T1においてロール紙3が切断される。固定刃30は常に搬送路に臨む状態に配置されている。
ロール紙3と、固定刃30との位置関係が、図4(A)に示す状態であり、当該状態において、ロール紙3の切断が実行されるものとする。この場合、制御部15は、カッター駆動モーター23を制御して、可動刃を駆動し、位置T1において、ロール紙3の切断を実行する(図4(B))。
ロール紙3の切断後、図4(C)に示すように、制御部15は、ロール紙3を、搬送方向と逆方向(以下、単に「逆方向」という。図4の矢印Y3に示す方向である。)に所定量S2(第2所定量)、搬送する。
このように、ロール紙3の切断後、逆方向に所定量S2、搬送するのは、以下の理由による。すなわち、図4(C)を参照し、ロール紙3の切断後、ロール紙3に新たに画像を記録する場合において、記録ヘッド2と、固定刃30との搬送方向における離間に起因して発生する、ロール紙3の先端と、画像の先端との間のマージンM1をできるだけ小さくし、これにより、ロール紙3の無駄を抑制するためである。また、固定刃30の近傍に、ロール紙3の排出口がある場合には、インクジェットプリンター1が動作していないときに、ロール紙3が見えにくくなり、見た目が良くなるという効果もある。
【0023】
本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、全面ラベル紙や、ダイカットラベル等の「糊を含むロール紙3」に記録することも想定されている。
例えば、全面ラベル紙とは、ロール状の剥離紙の全域にシール(ラベル)が貼付されて構成された記録媒体である。ダイカットラベルは、台紙上に所定のサイズに切断されたラベルが貼付されたものである。ダイカットラベルでは、台紙の部分にも糊が僅かに付着している。したがって、固定刃30で切断する際、ラベルの部分はもちろん、台紙の部分を切断した場合にも固定刃30に糊が付着してしまう。
そして、このように糊を含むロール紙3に記録を行うことに起因して、従来、以下のような問題が発生していた。
【0024】
図5は、従来発生していた問題を説明するために使用する図である。
図5では、説明の明確化のため、各部材の現実の位置関係、縮尺、バランス、現実に起こり得る状態を無視し、説明の便宜を優先して、各部材を表現している。
図3(A)に示すように、固定刃30は、搬送経路7上に、その先端Q1が位置するように設けられている。そして、糊を含むロール紙3の切断を繰り返して実行した場合、図5(A)に示すように、固定刃30の先端Q1に糊が付着する事態が生じる場合がある。
このような場合において、固定刃30の先端Q1を、ロール紙3の先端3aが通過する場合、図5(B)に示すように、固定刃30の先端Q1に付着した糊に、ロール紙3の先端3aが引っかかり、これに起因して、ロール紙3が撓み、この撓んだ部分が、記録ヘッド2に接触し、接触に起因して、ロール紙3の破損や、汚れ等の不具合が生じる場合がある。
なお、固定刃30の先端Q1に、糊が付着していない場合であっても、固定刃30の一部にロール紙3の先端3aが引っかかり、上述したような事態が生じる場合はあり得る。
以上を踏まえ、本実施形態に係るインクジェットプリンター1では、以下のような動作を実行することにより、ロール紙3と記録ヘッド2との接触を防止し、不具合の発生を抑制している。
【0025】
図6は、インクジェットプリンター1の動作を示すフローチャートであり、図7は、図6のフローチャートの説明に供する図である。
上述したように、本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、記録ヘッド2の主走査方向への走査とインクの吐出、ロール紙3の搬送方向への搬送を交互に繰り返すことによって、ロール紙3に画像に応じたドットを形成し、これにより、ロール紙3に画像を記録するが、図6に示すフローチャートは、記録ヘッド2の走査を停止した後、ロール紙3の搬送方向への搬送を開始する前に、インクジェットプリンター1が行う動作を示している。すなわち、インクジェットプリンター1は、ロール紙3を所定量S1、搬送する前に、図6のフローチャートに示す動作を実行する。
【0026】
図6に示すように、まず、インクジェットプリンター1の制御部15は、ロール紙3の先端3aが、固定刃30の位置T1を搬送方向側へ向かって超えている状態(図4(A)に示す状態)であるか否かを判別する(ステップSA1)。
ロール紙3の先端3aが、固定刃30の位置T1を搬送方向側へ向かって超えている状態の場合(ステップSA1:YES)、ロール紙3の先端3aが、位置T1を通過することはないため、制御部15は、ロール紙3を所定量S1だけ搬送し(ステップSA6)、処理を終了する。本実施形態では、固定刃30の搬送方向側に、ロール紙3の有無を検出するセンサーが設けられており、制御部15は、当該センサーの検出値により、ステップSA1における判別を実行する。
ロール紙3の先端3aが、固定刃30の位置T1を搬送方向側へ向かって超えていない状態(図7(A)に示す状態)の場合(ステップSA1:NO)、制御部15は、固定刃30の位置T1と、ロール紙3の先端3aとの搬送方向における離間量D1(図7(A)参照)を取得する(ステップSA2)。ここで、図示は省略したが、インクジェットプリンター1には、所定の位置をロール紙3の先端3aが通過したことを検出するセンサーが設けられており、かつ、当該センサーによってロール紙3の先端3aが検出された後におけるロール紙3の搬送量が厳密に管理され、かつ、搬送量に基づいて、位置T1と、ロール紙3の先端3aとの離間量D1が、常時、管理される構成となっている。
【0027】
次いで、制御部15は、ロール紙3を所定量S1だけ搬送する際の、当該所定量S1が、ステップSA2で取得した離間量D1を上回るか否かを判別する(ステップSA3)。
ここで、所定量S1が、離間量D1を上回る場合は、ロール紙3を所定量S1だけ搬送方向に搬送した場合、搬送中に、ロール紙3の先端3aが、固定刃30の位置T1を通過することとなり、一方、所定量S1が、離間量D1を下回る場合は、ロール紙3を所定量S1だけ搬送方向に搬送した場合、ロール紙3の先端3aが、固定刃30の位置T1に至らないこととなる。
ステップSA3において、所定量S1が、離間量D1を下回る場合、すなわち、ロール紙3を所定量S1だけ搬送方向に搬送したときに、ロール紙3の先端3aが、固定刃30の位置T1に至らない場合(ステップSA3:NO)、ロール紙3の先端3aが、位置T1を通過することはないため、制御部15は、ロール紙3を所定量S1だけ搬送し(ステップSA6)、処理を終了する。
一方、ステップSA3において、所定量S1が、離間量D1を上回る場合、すなわち、ロール紙3を所定量S1だけ搬送方向に搬送したときに、ロール紙3の先端3aが、固定刃30の位置T1を通過する場合(ステップSA3:YES)、制御部15は、さらに、記録ヘッド2がホームポジションたる位置P1に位置しているか否かを判別する(ステップSA4)。
記録ヘッド2が位置P1に位置している場合(ステップSA4:YES)、制御部15は、ロール紙3を搬送した後(ステップSA6)、処理を終了し、一方、記録ヘッド2が位置P1に位置していない場合(ステップSA4:NO)、制御部15は、記録ヘッド2を位置P1へ移動した上で(ステップSA5)、ロール紙3を所定量S1だけ搬送し(ステップSA6)、処理を終了する。
つまり、図7(B)に示すように、記録ヘッド2が位置P1に位置していない場合は、ステップSA5の処理により、記録ヘッド2を位置P1に移動させた後、すなわち、記録ヘッド2をロール紙3が延在している範囲から退避した位置に移動させた後、ステップSA6の処理により、ロール紙3を所定量S1だけ搬送方向へ搬送する。
ステップSA4、及び、ステップSA5は、以下のことを目的として行われる処理である。
【0028】
上述したように、本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、ロール紙3の先端3aが、固定刃30を通過する場合、固定刃30の存在に起因して、ロール紙3が撓む場合があり、さらに、ロール紙3が撓んだときに、記録ヘッド2がロール紙3が延在する範囲に位置している場合は、記録ヘッド2がロール紙3に接触し、所定の不具合が発生する可能性がある。
これを踏まえ、ステップSA4、及び、ステップSA5では、ロール紙3の先端3aが、固定刃30を通過するような搬送が行われる場合は、記録ヘッド2を、ホームポジションたる位置P1、すなわち、ロール紙3が延在している範囲から退避した位置へ移動し、仮に、ロール紙3が撓んだ場合であっても、ロール紙3と記録ヘッド2とが接触する事態が生じることを確実に防止することを目的として、各処理が行われる。
より具体的には、図7(B)に示すように、ロール紙3を所定量S1だけ搬送方向へ搬送したときに、ロール紙3の先端3aが固定刃30の位置T1を通過する場合において、記録ヘッド2が位置P1に位置していない場合は、ステップSA5の処理により、記録ヘッド2を位置P1に移動させた後、ステップSA6の処理により、ロール紙3を所定量S1だけ搬送方向へ搬送する。これにより、図7(C)に示すように、ロール紙3が撓んだ場合であっても、記録ヘッド2がロール紙3の上部に位置せず、従って、ロール紙3と記録ヘッド2とが接触することがない。
【0029】
なお、本実施形態では、図4を用いて説明したように、制御部15は、ロール紙3を切断した後、所定量S2だけ、ロール紙3を逆方向へ搬送する。そして、この所定量S2は、ロール紙3の搬送方向への搬送量である所定量S1よりも十分に小さい値とされる。従って、ロール紙3を切断した後、1回目の搬送方向への搬送により、ロール紙3の先端3aが固定刃30の位置T1を通過することとなる。
これを踏まえ、制御部15は、ロール紙3の切断後、1回目にロール紙3を搬送方向へ搬送する場合は、図6のフローチャートに示した動作を実行することなく、当該搬送の前に、記録ヘッド2を位置P1へ移動させた上で、当該搬送を実行する。これにより、ロール紙3の撓みに起因したロール紙3と記録ヘッド2との接触を防止しつつ、図6のフローチャートに示す動作を実行しない分、処理効率を向上できる。
なお、切断後の逆方向への搬送の搬送量(所定量S2)の値にかかわらず、ロール紙3を搬送方向へ搬送する際は、かならず、図6のフローチャートに示す動作をするようにしても良いことは、勿論である。
【0030】
以上説明したように、本実施形態では、制御部15は、ロール紙3の搬送に伴って、ロール紙3の先端3aが、固定刃30(切断部)に対応する位置を通過する際に、記録ヘッド2がロール紙3が延在している範囲から退避した場所に位置した状態となるよう、記録ヘッド2の走査、及び、ロール紙3の搬送を制御する。
これによれば、ロール紙3の搬送に際し、ロール紙3の先端3aが、固定刃30に引っかかる等して、ロール紙3が撓んだ場合であっても、記録ヘッド2が、ロール紙3が延在している範囲から退避した状態であるため、撓んだロール紙3に記録ヘッド2が接触するといった事態が生じることを防止でき、当該接触に起因してロール紙3が汚れ、又は、破損する等の不具合が発生することを効果的に抑制できる。
【0031】
また、本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、記録ヘッド2を主走査方向に走査させつつ、記録ヘッド2によって記録を行った後、搬送方向に所定量S1(第1所定量)、ロール紙3を搬送する、という動作を繰り返すことにより、ロール紙3への記録を実行するものである。そして、制御部15は、搬送方向に第1所定量(所定量S1)、ロール紙3を搬送させる前に、当該搬送中に、ロール紙3の先端3aが、固定刃30に対応する位置を通過するか否かを判別し、通過する場合は、ロール紙3が延在している範囲から記録ヘッド2を退避させた上で、所定量S1、ロール紙3を搬送する。
これによれば、記録ヘッド2を主走査方向に走査させつつ、記録ヘッド2によって記録を行った後、搬送方向に所定量S1、ロール紙3を搬送する、という動作を繰り返すことにより、ロール紙3への記録を実行するインクジェットプリンター1において、ロール紙3の先端3aが、固定刃30に対応する位置を通過するような搬送を行う際に、記録ヘッド2を確実に退避することが可能となる。
【0032】
また、本実施形態では、制御部15は、ロール紙3が切断された場合、搬送方向と逆方向に所定量S1より小さい所定量S2、ロール紙3を搬送し、当該逆方向への搬送後、再び、ロール紙3を所定量S1、搬送方向に搬送する場合、搬送中に、ロール紙3の先端3aが、固定刃30に対応する位置を通過するか否かを判別することなく、記録ヘッド2をロール紙3が延在している範囲から退避させた上で、搬送を実行する。
これによれば、ロール紙3の撓みが発生する可能性のある状況のときに、記録ヘッド2を確実に退避させた状態としつつ、固定刃30に対応する位置を通過するか否かの判別を行わない分、処理効率の向上を図ることができる。
【0033】
また、本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、糊を含む記録媒体への記録を実行可能に構成されている。
ここで、糊を含む記録媒体への記録を実行するインクジェットプリンター1では、固定刃30に糊が付着し、これに起因して、ロール紙3の先端3aが、カッターに引っかかり易い状態にある、と言える。
こえを踏まえ、上記によれば、固定刃30に記録媒体の先端が引っかかりやすく、従って、カッターの存在に起因した不具合をより抑制したいインクジェットプリンター1において、撓んだロール紙3に記録ヘッドが接触するといった事態が生じることを防止でき、当該接触に起因してロール紙3が汚れ、又は、破損する等の不具合が発生することを効果的に抑制できる。
【0034】
なお、本発明は、記録ヘッド2により記録媒体に記録した位置が、切断部(固定刃30)の位置を超えるように所定量搬送した後、切断部により切断し、その後、当該所定量以下の搬送量で逆方向へ搬送する記録装置に適用可能である。
上記動作は、例えば、ラベルやチケット、レシート等の1トランザクションの単位の記録を行った後、記録した領域の後端がラベルやチケットやレシートなどの記録媒体の後端にバランスよく配置される位置で切断するように、所定量記録紙の紙を搬送し、次のトランザクションのデータの受信時、所定量以下の搬送量で逆方向へ搬送し、ラベルやチケットやレシートなどの記録媒体の先端からバランスよく記録を開始することを目的として行われる。このとき、切断された後の記録媒体の先端は、切断部から搬送路の上流側へ戻っていることになるため、記録媒体を搬送方向に搬送する際に、本発明を適用して、記録媒体の先端が、切断部を通過する際に、記録ヘッド2を所定の位置へ退避させることが可能である。これは、記録ヘッドと切断部が搬送路上の異なる位置に配置されるため、必要となることである。また、この際、次のトランザクションの記録媒体に、記録紙の先端が切断部を通過する要因ともなる。
【0035】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、記録媒体の一例として、ロール紙3を用いて説明したが、記録媒体はロール紙3に限らず、単票紙等であってもよい。
また、上述した実施形態では、記録装置として、インクジェット式のプリンターを例としたが、記録装置の記録方式はこれに限らず、例えば、サーマル式や、ドットインパクト式であってもよい。すなわち、カッターを備えており、記録ヘッドの移動が可能に構成された記録装置に広く本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0036】
1…インクジェットプリンター(記録装置)、2…記録ヘッド、3…ロール紙(記録媒体)、3a…先端(記録媒体の先端)、5…ホストコンピューター、7…搬送経路、15…制御部(搬送部)、16…モーター駆動回路(搬送部)、18…媒体送りモーター(搬送部)、30…固定刃(切断部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主走査方向に走査する記録ヘッドと、
記録媒体を搬送する搬送部と、
前記記録媒体の搬送経路上の前記記録ヘッドの下流側に設けられ、前記記録媒体を切断する切断部と、
前記搬送部による前記記録媒体の搬送に伴って、前記記録媒体の先端が、前記切断部の位置を通過する際に、前記記録ヘッドが前記記録媒体が延在している範囲から退避した位置に移動した状態となるように、前記記録ヘッドの走査、及び、前記搬送部による前記記録媒体の搬送を制御する制御部と、を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記記録ヘッドを主走査方向に走査させつつ、前記記録ヘッドによって前記記録媒体に記録を行った後、搬送方向に第1所定量、前記記録媒体を搬送する、という動作を繰り返すことにより、前記記録媒体への記録を実行するものであり、
前記制御部は、
搬送方向に前記第1所定量、前記記録媒体を搬送させる前に、当該搬送中に、前記記録媒体の先端が、前記切断部の位置を通過するか否かを判別し、通過する場合は、前記記録媒体が延在している範囲から前記記録ヘッドを退避させた上で、前記搬送部により前記第1所定量、前記記録媒体を搬送することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記切断部によって前記記録媒体が切断された場合、搬送方向と逆方向に前記第1所定量より小さい第2所定量、前記記録媒体を搬送し、
当該逆方向への搬送後、再び、前記記録媒体を前記第1所定量、搬送方向に搬送する場合、当該搬送中に、前記記録媒体の先端が、前記切断部の位置を通過するか否かを判別することなく、前記記録ヘッドを前記記録媒体が延在している範囲から退避させた上で、搬送を実行することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記記録ヘッドにより前記記録媒体を記録した位置が前記切断部の位置を超えるように前記記録媒体を搬送した後、前記切断部により切断し、その後、前記所定量以下の搬送量で逆方向へ搬送することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の記録装置。
【請求項5】
少なくとも一部に粘着剤を含む記録媒体への記録を実行可能に構成され、前記切断部で前記記録媒体を切断した際、前記切断部に前記粘着剤が付着する場合があることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の記録装置。
【請求項6】
主走査方向に走査する記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送部と、前記記録媒体の搬送経路上の前記記録ヘッドの下流側に設けられ、前記記録媒体を切断する切断部と、を備える記録装置の制御方法であって、
前記搬送部によって前記記録媒体を搬送し、当該搬送に伴って、前記記録媒体の先端が、前記切断部の位置を通過する際に、前記記録ヘッドが、前記記録媒体が延在している範囲から退避した位置に移動した状態となるよう、前記記録ヘッドの走査、及び、前記搬送部による前記記録媒体の搬送を制御することを特徴とする記録装置の制御方法。
【請求項7】
主走査方向に走査する記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送部と、前記記録媒体の搬送経路上の前記記録ヘッドの下流側に設けられ、前記記録媒体を切断する切断部と、を備える記録装置の各部を制御する制御部により実行されるプログラムであって、
前記制御部に、
前記搬送部による前記記録媒体の搬送に伴って、前記記録媒体の先端が、前記切断部の位置を通過する際に、前記記録ヘッドが、前記記録媒体が延在している範囲から退避した位置に移動した状態となるように、前記記録ヘッドの走査、及び、前記搬送部による前記記録媒体の搬送を制御させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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