説明

記録装置及びその冷却制御方法

【課題】機能拡張のためのオプション基板が取付可能な記録装置において、オプション基板が装着された場合の消費電力を最低限に抑えると共に記録装置の電源容量を低減することで装置の小型化とコストダウンを達成することである。
【解決手段】メイン基板とオプション基板のそれぞれに冷却ユニットがあることを前提とする。オプション基板が取付可能な記録装置において、オプション基板が装着されたかどうかを調べる。ここで、オプション基板が装着されている場合には、各冷却ユニットの駆動をプリンタコントローラに記憶されている各冷却ユニットの冷却性能や消費電力などの情報に基いて、これら冷却ユニットの内の少なくともをいずれかを駆動するように最適な制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録装置及びその冷却制御方法に関し、特に、機能拡張のためのオプション基板が装着可能な記録装置及びその冷却制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の画像形成を行う記録装置は、高画質化や記録速度の向上や記録媒体の扱いの充実や製品の複合化やオプション装着などが進むことで、回路部品の集積度が高くなり、回路動作周波数の上昇を招いている。この上昇に伴い装置の発熱量が増大し、温度上昇による装置の誤動作が発生する問題が生じているので、装置の冷却には多くの工夫がなされている。
【0003】
一般的な冷却方法としては、例えば、装置にファンを設け、装置全体に外部の冷却した空気を強制的に吸い込み冷却する方法や、あるいは装置全体の熱せられた空気を強制的に吸い出し冷却する方法が実施されている。
【0004】
特に発熱量の多い集積回路(IC)、例えば、CPUの上に直接ヒートシンク(放熱フィン、放熱器)を接触させてCPUを冷却し、ファンを回転させたり冷却風をヒートシンクに吹き付けることで、そのヒートシンクを冷却する方法が知られている。また、冷却用ファンからの流路上の空気を2方向以上に分岐させるための分岐材を設置することで冷却効果を向上させ、冷却装置の大型化とコストアップを防ぎ、装置の小型化を実現する画像形成装置などが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−047773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記従来例の冷却装置の制御方法では装置のメイン基板とオプション基板それぞれに冷却装置があるような場合、各冷却装置を100%の性能で動作させてしまい、放熱性能はオーバスペックとなり、無駄な電力を消費しているという問題がある。
【0007】
さらに冷却装置が装着されている記録装置の動作モードに応じて冷却装置を制御できないため、例えば、省電力モード時に冷却装置の消費電力の低減ができないという問題もある。また、近年の記録装置は上述のようなことが原因となり、各電気部品に対する電源供給量が増えてきている。記録装置(画像形成装置)の電源容量を決定する際、全ての電気部品が同時に100%動作することを想定すると、オーバスペックとなり装置サイズの増大やコストアップを招くことになる。記録装置には当然のことながらその小型化も要求されているので、電源に関しても最大容量を抑え、そのサイズの削減を行うことが求められている。
【0008】
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、オプション基板が装着可能な記録装置において、オプション基板が装着時の消費電力を最低限に抑えると共に記録装置の電源容量を低減することで装置の小型化とコストダウンを達成することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明の記録装置は次のような構成からなる。
【0010】
即ち、装置全体を制御するメイン基板と前記メイン基板からの発熱を冷却する第1の冷却ユニットとを含むプリンタコントローラと、プリンタエンジンと、前記プリンタコントローラと前記プリンタエンジンに電力を供給する電源制御部とを備えた記録装置であって、前記メイン基板に対して機能拡張のために、第2の冷却ユニットを備えたオプション基板が装着されたどうかを検出する検出手段と、前記第1の冷却ユニットと前記第2の冷却ユニットそれぞれの冷却性能と消費電力とに関する情報を格納する記憶手段と、前記記憶手段に格納された情報を分析する分析手段と、前記検出手段により前記オプション基板の装着が検出されない場合には、前記第1の冷却ユニットを駆動して前記記録装置を冷却するよう制御し、前記検出手段により前記オプション基板の装着が検出された場合には、前記分析手段による分析の結果に基づいて、前記第1の冷却ユニットと前記第2の冷却ユニットとの内、少なくともいずれかを駆動して前記記録装置を冷却するように制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0011】
また本発明を別の側面から見れば、装置全体を制御するメイン基板と前記メイン基板からの発熱を冷却する第1の冷却ユニットとを含むプリンタコントローラと、プリンタエンジンと、前記プリンタコントローラと前記プリンタエンジンに電力を供給する電源制御部とを備えた記録装置における冷却制御方法であって、前記メイン基板に対して機能拡張のために、第2の冷却ユニットを備えたオプション基板が装着されたどうかを検出する検出工程と、メモリに格納された前記第1の冷却ユニットと前記第2の冷却ユニットそれぞれの冷却性能と消費電力とに関する情報を分析する分析工程と、前記検出工程において前記オプション基板の装着が検出されない場合には、前記第1の冷却ユニットを駆動して前記記録装置を冷却するよう制御し、前記検出工程において前記オプション基板の装着が検出された場合には、前記分析工程における分析の結果に基づいて、前記第1の冷却ユニットと前記第2の冷却ユニットとの内、少なくともいずれかを駆動して前記記録装置を冷却するように制御する制御工程とを有することを特徴とする冷却制御方法を備える。
【発明の効果】
【0012】
従って本発明によれば、オプション基板が装着時の消費電力を最低限に抑えることができるという効果がある。これにより、記録装置の電源容量も少なくてすむので、電源部の小型化を図ることが可能になり、装置の小型化とコストダウンに貢献する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の代表的な実施例である画像形成装置(記録装置)の構成を示すブロック図である。
【図2】プリンタコントローラの詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】プリンタエンジンの詳細な構成を示すブロック図である。
【図4】画像形成装置の前面外観図である。
【図5】画像形成装置の背面外観図である。
【図6】メイン基板とオプション基板のレイアウト構成を示す図である。
【図7】本発明の実施例1に従う冷却制御処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施例2に従う冷却制御処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施例3に従う冷却制御処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施例4に従う冷却制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施例について、さらに具体的かつ詳細に説明する。ただし、この実施例に記載されている構成要素の相対配置等は、特定の記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0015】
図1は、本発明の代表的な実施例である画像形成装置(記録装置)の概略構成を示すブロック図である。図1に示されているように、画像形成装置(記録装置)102は外部バス106を介してパーソナルコンピュータ等のホストコンピュータ(以下、ホスト)101と接続され、ホスト101から送信される画像データを受信して画像形成を行う。記録装置102はプリンタコントローラ103、プリンタエンジン104と電源制御部105等によって構成される。電源制御部105は記録装置102のプリンタコントローラ103やプリンタエンジン104などの各ブロックへの電力供給を制御している。記録装置102はインクジェット方式に従って記録を行う記録ヘッドを搭載している。
【0016】
図2はプリンタコントローラ103の内部構成を示すブロック図である。
【0017】
プリンタコントローラ103はホスト101から印刷指示と印刷用の画像データとを受信し、受信した画像データをプリンタエンジン104で印刷可能な二値画像データに変換し、プリンタエンジン104へと出力する機能を有する。プリンタコントローラ103は、メイン基板202と機能拡張が可能なオプション基板301を有する。
【0018】
メイン基板202はASIC203、操作部216、表示部217、オプション基板を装着する拡張インタフェース218、RTC部219、EEPROM220、RAM221、ROM222を有する。また、ASIC203の発熱とプリンタコントローラ103の各ブロックにおける発熱に対して放熱を行う冷却ユニット224を有する。ASIC203は、CPU204と画像処理部205と操作部制御回路部206と表示部制御回路部207とネットワークインタフェース208と拡張バス回路部209とを有する。また、ASIC203は、シリアル通信制御回路部210とEEPROMコントローラ211とRAMコントローラ212とROMコントローラ213とプリンタエンジンインタフェース214と冷却ユニット制御部223とを有する。
【0019】
これら各ブロックは、それぞれバスラインを介して、システムバスブリッジ215に接続されている。また、これらのブロックは、システム半導体装置として、つまり、1つのパッケージに封止されたプリンタコントローラASIC(アプリケーション専用集積回路)203として実現されている。CPU204は、プリンタコントローラ103の全体の制御を司り、RAM221又はROM222に格納されているプログラムを順次読み出し、実行する。これによってCPU204は、冷却ユニット制御部223へ冷却ユニット224の制御指示などを行う。
【0020】
また同様に、操作部制御回路部206と表示部制御回路部207とを介する操作部216と表示部217との制御を実行する。また、CPU204は、受信した画像データを画像形成データに変換するための画像処理部205の制御や、生成された画像形成データをプリンタエンジン104へ転送するためのプリンタエンジンインタフェース部214の制御等を実行する。
【0021】
画像処理部205は、ホスト101から受信した画像データを、プリンタエンジン104で印刷可能な二値画像データに変換する。操作部制御回路部206は、操作部216を構成するスイッチが出力する電気信号の状態をCPU204による読出命令に応じて、レジスタ情報として通知する。操作部制御回路部206は、スイッチが出力する電気信号の状態に変化が生じると、割り込み信号を生成し、CPU204に送信する。表示部制御回路部207は、表示部217を構成するLCDとLEDランプとに電気信号を出力する。
【0022】
ネットワークインタフェース208は、1000BASE−T等のネットワーク通信方式に準拠した送受信機能を提供するブロックである。また、ネットワークインタフェース208は、接続したネットワーク通信速度を示すLEDなどの表示部(不図示)を備えることもある。ネットワークインタフェース208は、ネットワークを介して接続されたホスト101との間でデータの送受信を行い、また、ネットワークに接続されているSMTPサーバにメッセージを送信する。
【0023】
シリアル通信制御回路部210は、シリアル通信インタフェースを介して、ASIC203に接続されているRTC部219を制御する。CPU204は、シリアル通信制御回路部210のレジスタに対するデータの入出力動作を実行して、接続されているRTC部219の情報を読み出し、また、RTC部219へ情報を書き込む。なお、シリアル通信インタフェースの通信方式として、2線式インタフェースのI2C(登録商標)、3線式インタフェースのSPI(登録商標)、Microwire(登録商標)のうち、いずれの方式を採用するようにしてもよい。
【0024】
EEPROMコントローラ211は、シリアル通信インタフェースを介して、プリンタコントローラASIC204に接続されているEEPROM220を制御する。EEPROMコントローラ211は、CPU204からの読出要求に応じて、必要な制御信号を生成し、EEPROM220に予め格納されているデータを読み出し、システムバスブリッジ215を介して、読出内容をCPU204に送り返す。また、EEPROMコントローラ211は、CPU204からの書込要求に応じて、必要な制御信号をシリアル通信インタフェース上に発生し、EEPROM220の内容を書き換える。なお、シリアル通信インタフェースの通信方式は、RTC部219を接続するシリアル通信インタフェースと同様に、I2C(登録商標)、SPI(登録商標)、Microwire(登録商標)のうち、いずれの方式を採用するようにしてもよい。
【0025】
なお、RTC部219とEEPROM220とは、互いに異なる制御ブロック、即ち、シリアル通信制御回路部210、EEPROMコントローラ211によって制御される。しかし、1つの制御ブロックに、RTCデバイスとEEPROMデバイスとを接続し、デバイスアドレス情報に応じて、アクセスするデバイスを特定するようにしてもよい。
【0026】
RAMコントローラ212は、RAMバスを介して、ASIC203に接続されているRAM221を制御する。RAMコントローラ212は、CPU204とDMACとを有する各ブロックとRAM221との間で、書込み又は読出されるデータを中継する。RAMコントローラ212は、CPU204と各ブロックとからの読出要求や書込要求に応じて、必要な制御信号を生成し、RAM221への書込み、RAM221からの読出しを実行する。
【0027】
ROMコントローラ213は、ROMバスを介して、ASIC203に接続されているROM222を制御する。ROMコントローラ213は、CPU204による読出要求に応じて、必要な制御信号を生成し、ROM222に予め格納されている制御手順(プログラム)やデータを読出し、システムバスブリッジ215を介して、その読出内容をCPU204に転送する。また、ROM222がフラッシュメモリ等の電気的書換可能なデバイスで構成されている場合、ROMコントローラ213は必要な制御信号を発生し、ROM222の内容を書き換える。
【0028】
拡張バス回路部209は、拡張インタフェース218に装着されているオプション基板301を制御し、拡張バスを介して、オプション基板301にデータを送信する制御とオプション基板301が出力するデータを受信する制御とを行う。また、拡張バス回路部209は、拡張インタフェース218にオプション基板301が装着されたことを検知してCPU204にその旨を通知する。さらに、拡張バス回路部209は、拡張インタフェース218にオプション基板301が装着されたことを検知した場合、オプション基板の種類の判別を行い、これをCPU204に通知する。
【0029】
拡張インタフェース218には、オプション基板301としてLIPS(登録商標)やPostScript(登録商標)といったPDL(ページ記述言語)の処理ユニット等を装着できる。また、拡張インタフェース218には、大容量記憶機能を提供するハードディスクドライブユニット、又はUSBやIEEE1394の他、IEEE1284等に準拠した通信機能によって、ホスト101との間で通信する通信ユニット等を装着することができる。
【0030】
冷却ユニット制御部223はCPU204の制御指示を受けて、電源制御部105から冷却ユニット224に供給される電力のPWM(パルス幅変調)制御を行うことで、冷却ユニット224の駆動を制御する。また、冷却ユニット312に故障が生じた場合はそれを検知してCPU204に通知する。
【0031】
プリンタエンジンインタフェース214は、プリンタコントローラ103とプリンタエンジン104との間で、データを送受信するブロックである。プリンタエンジンインタフェース214は、DMAC(ダイレクトメモリアクセスコントローラ)を有する。そして、プリンタエンジンインタフェース214は、画像処理部205で生成され、RAM221に格納されている二値画像データを、RAMコントローラ212を介して、順次読み出し、プリンタエンジン104に転送する。
【0032】
なお、画像処理部205と、ネットワークインタフェース208と拡張バス回路部209とは、プリンタエンジンインタフェース214と同様にDMACを有し、メモリアクセス要求を発行する。
【0033】
システムバスブリッジ215は、ASIC203を構成する各ブロック間を接続し、また、複数のブロックから同時にアクセス要求が発行された場合に、バス権を調停する。CPU204とDMACを有する各ブロックとが、RAMコントローラ212を介して、RAM221へのアクセス要求をほぼ同時に発行する場合があり、システムバスブリッジ215は、予め指定された優先順位に従って、適切に調停する。
【0034】
操作部216は、記録装置102の動作を設定するボタンに連動するスイッチで構成され、これらスイッチの状態を、電気信号として出力する。また、操作部216は、操作ボタンを操作することによるスイッチ状態の変化を、電気信号の変化として出力する。操作部216には、動作モードを切り替えるオンラインボタンやメニュー画面の表示を指示するメニューボタン、メニュー画面から項目を選択するための上下左右方向の十字ボタン、選択項目を確定するOKボタンが設けられている。また、操作部216は、印刷の停止を指示するストップボタンと印刷用紙の給紙方法を選択する給紙選択ボタンも設けられている。
【0035】
表示部217は、LCDとLEDランプ等によって構成されている。LCDは、記録装置102の動作状態を表示し、また、操作部216のメニューボタン等の操作によってメニューを表示する。LEDランプは記録装置102の動作状態の表示や警告表示を行う。
【0036】
RTC部219は、シリアル通信インタフェースを備えているRTCデバイスと、基準となるクロックを生成するための水晶振動子等で構成されている。RTC部219は、年月日、曜日、秒単位の時刻を計時し、シリアル通信インタフェースを介して、時刻情報を通知する。
【0037】
EEPROM220は、シリアル通信インタフェースを備えたEEPROM等で構成され、記録装置102の制御に必要なパラメータを格納する。RAM221は、同期DRAM等で構成され、CPU204が実行する制御手順(プログラム)を一時的に格納し、画像処理部205において生成された画像形成データの一時的に記憶し、CPU204の作業領域等としての役割を果たす。また、RAM221は、ネットワークインタフェース208が、ホスト101から受信した画像データの一時的なバッファリングや拡張バスを介して接続されているオプション基板301との間で受け渡しされるデータを一時的に保存する。
【0038】
ROM222は、フラッシュメモリ等で構成され、CPU204が実行する制御手順(プログラム)を格納する。フラッシュメモリは、電気的書換可能な不揮発性のデバイスであり、決められたシーケンスに従うことによって格納内容を書き換えることができる。
【0039】
この他、各回路ブロックは、動作モード等を設定するレジスタを備え、CPU204は、レジスタアクセスバス(不図示)を介して、各回路ブロックの動作モード等を設定することができる。
【0040】
冷却ユニット(第1の冷却ユニット)224はPWM制御方式の冷却ファンおよびヒートシンク等で構成され冷却ユニット制御部223の制御によって冷却ファンは駆動される。また、冷却ユニット224はASIC203に固定されている。
【0041】
オプション基板301は、メイン基板202の拡張インタフェース218と、拡張インタフェース308を介して接続される。オプション基板301はASIC302と拡張インタフェース308とRAM309とROM310と冷却ユニット(第2の冷却ユニット)312とを有する。ASIC302は、CPU303と拡張バス回路部304とRAMコントローラ305とROMコントローラ306と冷却ユニット制御部311とを有する。これらブロックそれぞれはバスラインを介して、システムバスブリッジ307に接続されている。また、これらのブロックは、システム半導体装置として、つまり、1つのパッケージに封止されたASIC302として実現されている。
【0042】
この実施例ではオプション基板301はホスト101より受信したPDLデータをメイン基板202から受信し、中間データであるディスプレイリストの生成とレンダリングを行い、レンダリング後のデータをメイン基板202へ送信する。
【0043】
即ち、ネットワークインタフェース208でホスト101からのPDLデータが受信されるとCPU204は受信したPDLデータを、拡張インタフェース218、308を介してオプション基板301のRAM309に格納する。CPU303はROM310に格納されたプログラムに基づきRAM309に格納されたPDLデータから中間データであるディスプレイリストの生成とレンダリングを行う。そして、CPU303はレンダリング後のデータを、再び拡張インタフェース308、218を介してメイン基板202のRAM221に格納されるよう送信する。
【0044】
そのため、ROM310はオプション基板301の制御制御プログラムとPDLデータを処理するための変換プログラムとを格納している。RAM309は、ROM310内のプログラムを展開したり、オプション基板301の制御プログラムの実行とPDLデータ処理時の作業領域として使用される。また、RAM309はホスト101との間で送受信される各種制御データを一時的に格納するためのバッファメモリとしても使用される。
【0045】
冷却ユニット制御部311はシステムバスブリッジと拡張インタフェースを介してメイン基板のCPU204から冷却ユニット312の制御指示を受け、電源制御部105から供給される電力のPWM制御を行い、冷却ユニット312の駆動制御を行う。また、冷却ユニット312に故障が生じた場合はそれを検知してCPU204に通知する。冷却ユニット312はPWM制御方式の冷却ファンおよびヒートシンク等で構成され冷却ユニット制御部311の制御によってその冷却ファンが駆動される。また、冷却ユニット312はASIC302に固定されている。ここで冷却ユニット312の放熱性能(冷却性能)は冷却ユニット224の放熱性能(冷却性能)よりも高い。
【0046】
プリンタエンジン104は、プリンタコントローラ103から送出された二値画像データに基づいて、記録媒体上に画像を記録する。
【0047】
図3はプリンタエンジンの構成を示すブロック図である。
【0048】
エンジンコントローラ402は、プリンタエンジン104の制御を行う。ヘッド制御部403は信号を記録ヘッド406に送り、記録ヘッド406からインクを吐出させる。モータ制御部404は、記録媒体となるメディアを搬送させる搬送モータ408、および記録ヘッド406をメディアの搬送方向に対して垂直に走査させるためのキャリッジモータ407の制御を行う。
【0049】
エンジンコントローラ402はヘッド制御部403、記録ヘッド406、モータ制御部404、キャリッジモータ407、搬送モータ408を相互に駆動させる。そして、記録ヘッド406から吐出させたインクをメディア上の所望の位置に定着させることによりメディア上に所望の画像を形成することができる。センサ制御部405は、インク残量検出部409、カバー開閉検出部410に接続され、各検出部のセンサ検出を制御する。ここで、センサ制御部405はヘッド制御部403やモータ制御部404と同様にエンジンコントローラ402に接続され、エンジンコントローラ402はセンサ制御部405での各センサが検出したデータをプリンタコントローラ103に送信する。
【0050】
図4は記録装置の前面外観図であり、図5は記録装置の背面外観図とプリンタコントローラの設置位置を示した図である。
【0051】
図5に示すように、プリンタコントローラ103を構成するメイン基板202とオプション基板301は記録装置102の背面側に設置される。さらに詳しく言うと、メイン基板202は記録装置102の背面に設置され、オプション基板301はASIC203の下方の位置にメイン基板202に対して垂直の位置で装着される。更なる詳細については後述する。
【0052】
図6はプリンタコントローラ103のレイアウト図である。
【0053】
図6では、プリンタコントローラ103を側面レイアウト図(左側)と正面レイアウト図(右側)とを示している。プリンタコントローラ103は前述のように、メイン基板202とオプション基板301で構成される。メイン基板202には図6に示されているように、ASIC203と冷却ユニット224として冷却用ファン(メイン基板側)224aと冷却用ヒートシンク(メイン基板側)224bが実装されている。冷却ファン224aの駆動により冷却風225が生成される。
【0054】
また、オプション基板301には、図6に示されているように、ASIC302と冷却ユニット312として冷却用ファン(オプション基板側)312aと冷却用ヒートシンク(オプション基板側)312bとが実装されている。冷却ファン312aの駆動により冷却風313が生成される。
【0055】
ここで、オプション基板301はメイン基板202に対して垂直の位置で装着されており、オプション基板301の側に配置されている冷却用ファン312aの冷却風313の流路上に、メイン基板側の冷却用ヒートシンク224bが配置されている。従って、冷却用ヒートシンク224bは冷却用ファン312aからの冷却風313を受け効率的に冷却を行うことができる。また、メイン基板202の側に配置されている冷却用ファン224aの冷却風225と、オプション基板301の側に配置されている冷却用ファン312aの冷却風313とを比較すると、冷却風313の方が強く、高い冷却力を有した構成となっている。
【0056】
ここでは、オプション基板側に配置されている冷却用ファンの冷却風の流路上にメイン基板側の冷却用ヒートシンクが配置されているレイアウト構成を例に挙げたが、オプション基板とメイン基板とが反対の構成も応用可能である。また、冷却用ファンと相手側ユニットの冷却用ヒートシンク間にダクト等を設置して冷却風の流路を形成して、冷却の効率を向上させる構成でも応用可能である。
【0057】
以上説明した構成を用いれば、一方の冷却用ファンの冷却風の流路上に他方の冷却用ヒートシンクが配置されるので、より効率的に冷却を行うことができ、冷却ユニットの消費電力を低減することが可能である。
【0058】
次に以上説明した構成の記録装置において実行される冷却制御処理についてのいくつかの実施例について説明する。
【実施例1】
【0059】
図7は本発明の実施例1に従う冷却制御処理を示すフローチャートである。
【0060】
まず、記録装置102に電源が入り動作状態となり、ステップS601に進む。ステップS601では、オプション基板301がメイン基板202に装着されているどうかを拡張バス制御部がCPU204に通知し、CPU204はその通知を受けオプション基板301の装着の有無を判別する。
【0061】
ここで、オプション基板301が装着されているとCPU204に判別された場合はステップS603に進み、装着されていないと判別された場合はステップS602に進む。ステップS602では、CPU204は冷却ユニット制御部223に冷却ユニット224を駆動するように指示し、冷却ユニット制御部223は冷却ユニット224に電源制御部105からの電力を供給して冷却ユニット224を駆動させ、その後処理を終了する。
【0062】
これに対して、処理がステップS603に進んだ場合、CPU204はROM222に記憶されているASIC203、302の発熱情報と、冷却ユニット224、312の放熱情報と消費電力の情報を分析する。CPU204による分析ではASICの発熱情報と冷却ユニットの放熱性能の比較、及び各冷却ユニットの消費電力の比較などが行われる。そして、ステップS604では、CPU204がROM222に記憶されている発熱情報と放熱情報及び消費電力の情報の分析結果より、どちらかの冷却ユニットのみを駆動させることで放熱性能が十分であるか、両方の冷却ユニットの駆動が必要かを判断する。ここで、どちらかの冷却ユニットのみの駆動で十分であると判断された場合、処理はステップS605に進み、両方の冷却ユニットの駆動が必要であると判断された場合、処理はステップS608に進む。
【0063】
ステップS605では、ステップS603での分析結果より、どちらの冷却ユニットを駆動させるかを決定する。CPU204は駆動させる冷却ユニットの決定において、どちらの冷却ユニットの放熱性能も発熱情報に対して十分である場合、消費電力の低い冷却ユニットを優先して駆動させる決定を行う。ここで、冷却ユニット312を駆動する場合、処理はステップS606に進み、冷却ユニット224を駆動する場合、処理はステップS607に進む。ステップS606では、CPU204は冷却ユニット制御部311に冷却ユニット312を駆動するように指示し、冷却ユニット制御部311は冷却ユニット312に電源制御部105からの電力を供給して冷却ユニット312を駆動させ、その後処理を終了する。ステップS607では、CPU204は冷却ユニット制御部223に冷却ユニット224を駆動するように指示し、冷却ユニット制御部223は冷却ユニット224に電源制御部105からの電力を供給して冷却ユニット224を駆動させ、その後処理を終了する。
【0064】
さて、ステップS608では、双方の冷却ユニットの駆動において冷却ユニットの駆動時間が重なる同時駆動時間が必要であるかをステップS602の分析結果よりCPU204が判断する。ここで、同時駆動時間が必要であると判断された場合、処理はステップS610に進み、同時駆動時間が必要ないと判断された場合、処理はステップS609に進む。
【0065】
ステップS609では、CPU204は双方の冷却ユニット制御部に制御している冷却ユニットを、PWM制御で、双方の冷却ユニットの駆動時間が重ならない駆動パターンで動作を行うように指示する。この駆動パターンは複数あり、これらはROM222に記憶されている。従って、CPU204はROM222より適切な駆動パターンを選択して読み出し、双方の冷却ユニット制御部に送信する。このとき、CPU204は、ステップS603の分析結果より選択した駆動パターンの内で動作する双方の冷却ユニットの放熱性能が必要とされる放熱性能を満たす駆動パターンの中で消費電力が最も低い駆動パターンを選択する。このようにして、双方の冷却ユニット制御部はCPU204から受信した駆動パターンで冷却ユニットを駆動させ、その後処理を終了する。
【0066】
ステップS610では、CPU204は冷却ユニット制御部311に冷却ユニット312を駆動するように指示し、冷却ユニット制御部311は冷却ユニット312に電源制御部105からの電力を供給して冷却ユニット312を駆動させる。さらに、CPU204は冷却ユニット制御部223に冷却ユニット224をPWM制御で一定の駆動パターンで駆動させるように指示する。この駆動パターンは複数あり、これらはROM222に記憶されている。従って、CPU204はROM222より適切な駆動パターンを選択して読み出し、冷却ユニット制御部223に送信する。このとき、CPU204は、ステップS603の分析結果より冷却ユニット312の放熱性能と選択した駆動パターンの内で動作する冷却ユニット224の放熱性能が必要とされる放熱性能を満たす駆動パターンの中で消費電力が最も低い駆動パターンを選択する。このようにして、冷却ユニット制御部223はCPU204から受信した駆動パターンで冷却ユニット224を駆動させ、その後、処理を終了する。
【0067】
以上説明した実施例に従えば、オプション基板が取り付け可能な記録装置において、メイン基板とオプション基板のそれぞれに冷却ユニットがある場合に、各冷却ユニットの駆動を最適に行うことができる。これにより、冷却ユニットの放熱性能をオーバスペックになることなく、無駄な電力消費を防ぐことができる。また、記録装置の電源容量についても、冷却ユニットが同時に100%動作しオーバスペックとなることが防止されるので、電源容量のサイズを低減することができ、装置のコストアップを防ぐこともできる。
【実施例2】
【0068】
図8は本発明の実施例2に従う冷却制御処理を示すフローチャートである。
【0069】
ここでは、ROM222にはメイン基板202のレイアウト構成とオプション基板301の種類及び各レイアウト構成が記憶されており、メイン基板202にオプション基板301が装着されている状態であるとする。
【0070】
まず、ステップS701では、拡張バス回路部209が装着されているオプション基板301の種類の判別を行い、これをCPU204に通知する。
【0071】
次に、ステップS702では、CPU204がROM222記憶されており、ステップS701で通知されたオプション基板の種類に対応したレイアウト構成におけるASIC302の発熱情報と冷却ユニット312の放熱情報及び消費電力の情報を読み出す。同時に、CPU204はROM222記憶されているメイン基板202のASIC203の発熱情報と冷却ユニット224の放熱情報及び消費電力の情報を読み出す。CPU204は読み出した双方のASICの発熱情報と冷却ユニットの放熱性能の比較と、各冷却ユニットにおける消費電力の比較などの分析を行なう。
【0072】
その後、ステップS703では、図7に記載のステップS604に移動し、以降の処理は図7に記載されたフローチャートに従って処理を実行する。このとき、ステップS604以降の処理を行う場合に用いられる分析結果は、ステップS702での分析結果が使用される。
【0073】
従って以上説明した実施例に従えば、メイン基板とオプション基板のレイアウト構成を考慮して冷却ユニットの駆動制御を行うことができるので、レイアウト構成を考慮せず冷却ユニットを駆動する場合に比べて、さらに無駄な電力消費を防ぐことができる。
【実施例3】
【0074】
図9は本発明の実施例3に従う冷却制御処理を示すフローチャートである。
【0075】
ここでは、メイン基板202にオプション基板301が装着されており、冷却ユニットはどちらか一方のみが動作している状態であり、記録装置102は省電力モードを有し、第1の省電力モードと第2の省電力モードがあるとしている。
【0076】
第1の省電力モードではオプション基板はオフ状態であり、CPU204がオプション基板301への電力供給停止の指示を電源制御部105に行う。
【0077】
第2の省電力モードではCPU204がプリンタエンジン104への電力供給停止の指示を電源制御部105に行い、また画像処理部205へ供給しているクロック周波数の低減を行う。さらにCPU204は、ネットワークの通信速度を低速な通信速度に切り替えるようネットワークインタフェース208に指示し、ネットワークインタフェース208は一度リンクを切断してから通信速度を低速な速度に切り替える。そして、CPU204はRAMにセルフリフレッシュ状態になるように指示し、RAMはセルフリフレッシュ状態に移行する。
【0078】
以上のことを前提として、まずステップS801では、CPU204が冷却ユニット制御部223、311に冷却ユニット224、312の動作状態の確認要求を発行する。これに応じて、各冷却ユニット制御部は制御している冷却ユニットの状態の情報をCPU204に送信し、CPU204はその情報より、どちらの冷却ユニットが駆動しているかを判断する。ここで、冷却ユニット312が駆動している場合、処理はステップS802に進み、冷却ユニット224が駆動している場合、処理はステップS804に進む。
【0079】
ステップS802では、記録装置102が第1の省電力モードへの移行の条件が成立するのを待ち合わせ、その条件が成立したら記録装置102は第1の省電力モードに移行する。その後、処理はステップS803に進む。第1の省電力モードへの移行の条件とは、PDLデータの受信が一定時間なく経過した場合、または操作部216により第1の省電力モードへの移行が設定された場合である。ここで、一定時間とは、例えば、10分であり、CPU204がCPUタイマを使用して計測している。
【0080】
ステップS803では、CPU204は第1の省電力モードに移行して一定時間経過後に冷却ユニット制御部311に冷却ユニット312の駆動停止を指示すり。冷却ユニット制御部311は電源制御部105から冷却ユニット312へ供給されている電力を停止し、冷却ユニット312の駆動を停止する。第1の省電力モードに移行後の一定時間とは、例えば、3分であり、CPU204がCPUタイマを使用して計測している。また、CPU204は冷却ユニット312の停止指示後に、冷却ユニット制御部223に冷却ユニット224の駆動開始を指示する。冷却ユニット制御部223は電源制御部105から冷却ユニット224への電力供給を開始して、冷却ユニット224は駆動を開始する。その後、処理はステップS804に進む。
【0081】
ステップS804では、記録装置102が第2の省電力モード移行の条件が成立するのを待ち合わせ、条件が成立したら記録装置102は第2の省電力モードに移行する。その後、処理はステップS805に進む。第2の省電力モードへの移行の条件とは、印刷ジョブ待ちの状態で一定時間が経過した場合、または操作部216により第2の省電力モードへの移行が指示された場合である。ここで、一定時間とは、例えば、10分であり、CPU204がCPUタイマを使用して計測している。
【0082】
ステップS805では、CPU204は第2の省電力モードに移行して一定時間経過後に冷却ユニット制御部223に冷却ユニット224の駆動停止を指示する。冷却ユニット制御部223は電源制御部105から冷却ユニット224へ供給されている電力を停止し、冷却ユニット224の駆動を停止し、その後処理を終了する。第2の省電力モードに移行後の一定時間とは、例えば、3分であり、CPU204がCPUタイマを使用して計測している。
【0083】
なお、この実施例では、冷却ユニットがどちらかのみ駆動している場合を例として説明したが、双方の冷却ユニットがPWM制御よって駆動している場合も同様に、この実施例は応用可能である。
【0084】
以上説明した実施例に従えば、冷却ユニットを装着されている記録装置の省電力モードへの移行に応じて、冷却ユニットを一定時間後に停止するため、省電力モード時における消費電力を更に削減することができる。
【実施例4】
【0085】
図10は本発明の実施例4に従う冷却制御処理を示すフローチャートである。
【0086】
ここでは、メイン基板202にオプション基板301が装着されている状態であるとする。
【0087】
まず、ステップS901では、CPU204が冷却ユニット制御部223、311に冷却ユニット224、312の動作状態の確認要求を発行する。これに応じて、各冷却ユニット制御部は制御している冷却ユニットの状態の情報をCPU204に送信し、CPU204はその情報より各冷却ユニットの駆動状況を把握する。ここで、冷却ユニット224のみが駆動している場合、処理はステップS902に進み、そうでない場合、処理はステップS906に進む。
【0088】
ステップS902では、冷却ユニット224に故障が生じ冷却ユニット制御部223に検知されるまで処理を待ち合わせ、故障が検知された場合、冷却ユニット制御部223はCPU204にその故障を通知し、その後、処理はステップS903に進む。
【0089】
ステップS903では、CPU204は冷却ユニット制御部223に冷却ユニット224の駆動停止を指示する。これに応じて、冷却ユニット制御部223は電源制御部105から冷却ユニット224へ供給されている電力を停止し、冷却ユニット224の駆動を停止する。また、CPU204は冷却ユニット224の停止指示後に冷却ユニット部311に冷却ユニット312の駆動開始を指示する。これに応じて、冷却ユニット制御部311は電源制御部105から冷却ユニット312への電力供給を開始して、冷却ユニット312は駆動を開始する。その後、ステップS904に進む。
【0090】
ステップS904では、冷却ユニットの故障をユーザに通知する。ステップS905では、CPU204はROM222に記憶されているASIC203、302の発熱情報と冷却ユニット224、312の放熱情報の分析を行う。CPU204は故障した冷却ユニットが装着されているASICの発熱情報と駆動している冷却ユニットの放熱性能を比較し、冷却ユニットの故障したASICを駆動中の冷却ユニットの放熱性能で対応できる動作モードまたは動作周波数を決定する。その後、処理は終了する。
【0091】
さて、ステップS906では、CPU204が把握した冷却ユニットの駆動状況より、冷却ユニット312のみが駆動しているかどうかを判断する。ここで、冷却ユニット312のみが駆動している場合、処理はステップS907に進み、そうでない場合はステップS909に進む。
【0092】
ステップS907では、冷却ユニット312に故障が生じ冷却ユニット制御部311に検知されるまで、処理を待ち合わせ、故障が検知された場合、冷却ユニット制御部311はCPU204にその故障を通知し、処理はステップS908に進む。
【0093】
ステップS908では、CPU204は冷却ユニット制御部311に冷却ユニット312の駆動停止を指示する。これに応じて、冷却ユニット制御部311は電源制御部105から冷却ユニット312へ供給されている電力を停止し、冷却ユニット312の駆動を停止する。また、CPU204は冷却ユニット312の停止指示後に冷却ユニット224に冷却ユニット224の駆動開始を指示する。これに応じて、冷却ユニット制御部223は電源制御部105から冷却ユニット224への電力供給を開始して、冷却ユニット224は駆動を開始する。その後、ステップS904に進む。
【0094】
以下、上述したステップS904〜S905の処理を実行する。
【0095】
さて、ステップS909では、CPU204が把握した冷却ユニットの駆動状況より、双方の冷却ユニットがPWM駆動していることを確認する。次に、ステップS910では、冷却ユニット224に故障が生じ、その故障が冷却ユニット制御部223に検知されたかどうかを調べる。ここで、故障が検知されると、冷却ユニット制御部223はCPU204にその故障を通知する。その後、処理はステップS912に進む。これに対して、故障が検知されない場合、ステップ911に進む。ステップS911では、さらに冷却ユニット312に故障が生じたかどうかを調べる。ここで、故障が冷却ユニット制御部311に検知されると、冷却ユニット制御部311はCPU204にその故障を通知する。その後、処理はステップS913に進む。これに対して、故障が検知されない場合、ステップ910に戻る。
【0096】
ステップS912では、CPU204は冷却ユニット制御部223に冷却ユニット224の駆動停止を指示する。これに応じて、冷却ユニット制御部223は電源制御部105から冷却ユニット224へ供給されている電力を停止し、冷却ユニット224の駆動を停止する。また、CPU204は冷却ユニット224の停止指示後に冷却ユニット制御部311に冷却ユニット312を常に駆動させるように指示する。これに応じて、冷却ユニット制御部311は電源制御部105から冷却ユニット312へ常に電力供給を行うように制御し、冷却ユニット312を常時駆動させる。その後、処理はステップS904に進む。
【0097】
以下、上述したステップS904〜S905の処理を実行する。
【0098】
さて、ステップS913では、CPU204は冷却ユニット制御部311に冷却ユニット312の駆動停止を指示する。これに応じて、冷却ユニット制御部311は電源制御部105から冷却ユニット312へ供給されている電力を停止し、冷却ユニット312の駆動を停止する。また、CPU204は冷却ユニット312の停止指示後に冷却ユニット制御部223に冷却ユニット224を常に駆動させるように指示する。これに応じて、冷却ユニット制御部223は電源制御部105から冷却ユニット224へ常に電力供給を行うように制御し、冷却ユニット312を常時駆動させる。その後、処理はステップS904に進む。
【0099】
以下、上述したステップS904〜S905の処理を実行する。
【0100】
従って以上説明した実施例に従えば、冷却ユニットの故障を検知して冷却ユニットの制御を行い、故障していない冷却ユニットにより冷却を行うと同時に故障した冷却ユニットが搭載された記録装置の動作モードや動作周波数の決定をすることができる。これにより、熱による誤動作が発生し装置全体が停止したり装置全体が故障することを防止できる。
【0101】
なお、本発明は、前述の実施例に限定されるものではなく種々の応用が可能である。例えば、前述の実施例では画像形成装置(記録装置)としてインクジェット方式を採用した記録装置を例に挙げ説明を行ったが、電子写真方式を採用した記録装置などにも応用が可能である。
【0102】
このように、本発明は前記実施例によって限定されるものではなく、その実施に当ってはその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置全体を制御するメイン基板と前記メイン基板からの発熱を冷却する第1の冷却ユニットとを含むプリンタコントローラと、プリンタエンジンと、前記プリンタコントローラと前記プリンタエンジンに電力を供給する電源制御部とを備えた記録装置であって、
前記メイン基板に対して機能拡張のために、第2の冷却ユニットを備えたオプション基板が装着されたどうかを検出する検出手段と、
前記第1の冷却ユニットと前記第2の冷却ユニットそれぞれの冷却性能と消費電力とに関する情報を格納する記憶手段と、
前記記憶手段に格納された情報を分析する分析手段と、
前記検出手段により前記オプション基板の装着が検出されない場合には、前記第1の冷却ユニットを駆動して前記記録装置を冷却するよう制御し、前記検出手段により前記オプション基板の装着が検出された場合には、前記分析手段による分析の結果に基づいて、前記第1の冷却ユニットと前記第2の冷却ユニットとの内、少なくともいずれかを駆動して前記記録装置を冷却するように制御する制御手段とを有することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記記憶手段には、前記オプション基板が装着された場合に、前記メイン基板に対する前記オプション基板のレイアウト構成の情報が格納され、
前記分析手段は前記レイアウト構成の情報を分析し、
前記制御手段は該分析の結果に基づいて、前記第1の冷却ユニットと前記第2の冷却ユニットとの内、少なくともいずれかを駆動して前記記録装置を冷却するように制御することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記記録装置に前記オプション基板が装着されている場合、前記第1の冷却ユニットと前記第2の冷却ユニットの内、いずれかが駆動しているのかを判断する判断手段とをさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記記録装置は、前記オプション基板への電力供給を停止する第1の省電力モードと、前記プリンタエンジンへの電力供給を停止する第2の省電力モードとを備え、
前記制御手段は、
前記判断手段により前記第2の冷却ユニットが駆動されていると判断された場合、前記記録装置が前記第1の省電力モードへ移行するなら、前記第2の冷却ユニットの駆動を停止し、前記第1の冷却ユニットの駆動を開始するよう制御し、
前記判断手段により前記第1の冷却ユニットが駆動されていると判断された場合、前記記録装置が前記第2の省電力モードへ移行するなら、前記第1の冷却ユニットの駆動を停止するよう制御することを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
前記第1の冷却ユニットと前記第2の冷却ユニットの故障を検知する検知手段をさらに有し、
前記判断手段はさらに前記第1の冷却ユニットと前記第2の冷却ユニットの両方が駆動していることを判断することが可能であり、
前記制御手段は、
前記判断手段により前記第1の冷却ユニットと前記第2の冷却ユニットの内のいずれかが駆動していると判断され、前記検知手段により前記判断手段により駆動していると判断された前記第1の冷却ユニット或いは前記第2の冷却ユニットの故障が検知された場合、前記検知手段により故障が検知された冷却ユニットの駆動を停止し、駆動されていない冷却ユニットの駆動を開始するよう制御し、
前記判断手段により前記第1の冷却ユニットと前記第2の冷却ユニットの両方が駆動していると判断され、前記検知手段により前記第1の冷却ユニット或いは前記第2の冷却ユニットの故障が検知された場合、前記検知手段により故障が検知された冷却ユニットの駆動を停止し、もう一方の冷却ユニットを常時駆動するよう制御することを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項6】
前記検知手段により前記第1の冷却ユニット或いは前記第2の冷却ユニットの故障が検知された場合、前記故障をユーザへ通知する通知手段をさらに有することを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
【請求項7】
前記制御手段はさらに、
駆動する冷却ユニットの冷却性能に基いて、装置の動作モードや前記メイン基板や前記オプション基板に搭載されたCPUの動作周波数を決定することを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
【請求項8】
前記第1の冷却ユニットの冷却性能よりも前記第2の冷却ユニットの冷却性能が高いことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項9】
前記第1の冷却ユニットと前記第2の冷却ユニットはPWM制御によって駆動され、
前記制御手段は、前記第1の冷却ユニットと前記第2の冷却ユニットを同時駆動する時間がないように制御することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項10】
前記プリンタエンジンはインクジェット方式に従って記録を行う記録ヘッドを備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項11】
装置全体を制御するメイン基板と前記メイン基板からの発熱を冷却する第1の冷却ユニットとを含むプリンタコントローラと、プリンタエンジンと、前記プリンタコントローラと前記プリンタエンジンに電力を供給する電源制御部とを備えた記録装置における冷却制御方法であって、
前記メイン基板に対して機能拡張のために、第2の冷却ユニットを備えたオプション基板が装着されたどうかを検出する検出工程と、
メモリに格納された前記第1の冷却ユニットと前記第2の冷却ユニットそれぞれの冷却性能と消費電力とに関する情報を分析する分析工程と、
前記検出工程において前記オプション基板の装着が検出されない場合には、前記第1の冷却ユニットを駆動して前記記録装置を冷却するよう制御し、前記検出工程において前記オプション基板の装着が検出された場合には、前記分析工程における分析の結果に基づいて、前記第1の冷却ユニットと前記第2の冷却ユニットとの内、少なくともいずれかを駆動して前記記録装置を冷却するように制御する制御工程とを有することを特徴とする冷却制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−158085(P2012−158085A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−19143(P2011−19143)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】