説明

記録装置及びその処理方法

【課題】複数の領域に分割された発熱素子群を単位として発熱素子の加熱条件を切り替えて記録を行なう構成において、領域の境界域におけるムラの発生を抑制する。
【解決手段】記録ヘッドは、発熱素子の配列方向に沿って複数の領域に分割された発熱素子群を単位として発熱素子の加熱条件を切り替えて画像を記録し、記録ヘッドに配される複数の温度検出素子からの検出値に基づいて各領域に対応して複数の温度情報を算出する算出手段と、各領域から算出された複数の温度情報の数と同数の記録データのセットを生成するためのマスクを用いて複数の記録データのセットを生成する画像処理手段と、各領域に対応して算出された複数の温度情報に基づいて、発熱素子の加熱条件を決定する決定手段と、各領域に対応した複数の記録データのセットに基づいて、対応する発熱素子に対して決定手段により決定された加熱条件に従った加熱制御を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置及びその処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙、OHP用シートなどの記録媒体に対して記録を行なう記録装置が知られている。インクジェット方式の記録ヘッドを搭載した記録装置では、濃度変動や濃度ムラの発生を抑制するため、吐出の速度・方向性(着弾精度)や、吐出量VDROP〔pl/dot〕に関しての吐出特性安定化を図っている。
【0003】
ここで、インクジェット方式の記録ヘッドの中でも、インク滴を吐出する手段として発熱素子(以下、ヒータと呼ぶ)により生成した気泡を用いる記録ヘッドが知られている。このような構成においては、上述した安定性を確保するため、例えば、分割パルス幅変調法(PWM制御法)を用いて(インク吐出量の)ヒータのプレパルスのパルス幅を記録ヘッドの温度に応じて変化させる技術が知られている。これにより、温度変動に起因する吐出量の変動を抑制する。
【0004】
上述した補正方法では、記録ヘッドの平均的な吐出量の制御を行なうため、ページ内・ページ間記録時の記録ヘッドの温度変動に起因する濃度の変化を抑制することはできる。しかし、記録ヘッド自身の持つ濃度ムラ(シリアル記録方式によるつなぎ方向のムラ)、すなわち、ノズル毎の吐出量のばらつきを補正することはできない。そのため、記録ヘッドに配された複数のノズル間における濃度ムラを完全に補正できないため、特に、一様なトーンの画像などでは濃度ムラが顕著に生じていた。
【0005】
そこで、このような濃度ムラに対処するため、記録ヘッドで記録したテストパターンの濃度ムラを読み取り、各ノズル(吐出口)に対する濃度信号を補正する、いわゆるヘッドシェーディング法:HS法が知られている。
【0006】
この方法では、ある決まった出力パターン(濃度信号一定)に基づいてムラ補正(HS法)を行なうことにより、複数のノズル間における吐出量のばらつきをある程度軽減することができる。そのため、この方法では、ある一定の濃度のパターン(ノズルを所定の記録比率で使用するパターン)の濃度ムラをなくすことができる。
【0007】
ここで、特許文献1の技術では、あらゆる階調において濃度ムラ・濃度スジのない画像を記録できるように、ノズル毎の記録特性(吐出量の特性)によって、複数の濃度領域毎に吐出パルスを変更している。また、特許文献2の技術では、記録幅を広げるために、オーバラップ領域を記録媒体の幅方向に増減可能とし、更にこの領域へのインク打ち込み量(記録画素数)の変更を可能にしている。これにより、複数の記録ヘッド間による記録時の濃度を均一化している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平05−220977号公報
【特許文献2】特開2009−160745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来、記録媒体の幅に相当する記録幅を持つ、いわゆる、フルラインタイプの記録ヘッドが設けられた記録装置が知られている。このような記録ヘッドを持つ記録装置においては、記録ヘッドを記録媒体に対して1回相対移動させることにより記録媒体のほぼ全面に画像を記録できる。
【0010】
このような長尺の記録ヘッドを採用した記録装置の場合、記録ヘッドに配された複数のノズルを複数の領域に分け、当該領域毎に吐出条件を設定して記録を行なう場合がある。このような構成において、同じ画像を連続して記録し続けた場合、記録ヘッド内に温度の分布が生じ、領域と領域との間でムラが発生することがある。
【0011】
ノズル毎に温度を検知し、その検知結果に応じて吐出パルスをノズル毎に設定することでこのようなムラの発生を抑えられるが、この場合、構成が非常に複雑となり、本体サイズ、処理速度、コスト面など多くの点から現実性は低い。また、上述したシェーディング法を用いたとしても、温度が均一であればムラを軽減できるが、記録ヘッド内に温度分布が生じていると、ムラが発生してしまう可能性がある。
【0012】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、複数の領域に分割された発熱素子群を単位として発熱素子の加熱条件を切り替えて記録を行なう構成において、領域の境界域におけるムラの発生を抑制できるようにした技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、吐出口からインクを吐出するための熱エネルギーを発生する複数の発熱素子が配列される記録ヘッドを有し、前記発熱素子の配列方向に沿って複数の領域に分割された発熱素子群を単位として発熱素子の加熱条件を切り替えて画像を記録する記録装置であって、前記複数の発熱素子の配列方向に沿って前記記録ヘッドに配される複数の温度検出素子からの検出値に基づいて各領域に対応して複数の温度情報を算出する算出手段と、各領域から算出された複数の温度情報の数と同数の記録データのセットを生成するためのマスクを用いて、各領域に対応する画像データをマスク処理することにより各領域に対応した複数の記録データのセットを生成する画像処理手段と、各領域に対応して算出された前記複数の温度情報に基づいて、対応する領域の前記複数の記録データのセットそれぞれを用いて記録動作を実行する際の前記発熱素子の加熱条件を決定する決定手段と、各領域に対応した複数の記録データのセットに基づいて、対応する発熱素子に対して前記決定手段により決定された加熱条件に従った加熱制御を行なうことにより前記記録ヘッドに配列された吐出口からインクを吐出させて画像を記録させる記録制御手段とを具備する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数の領域に分割された発熱素子群を単位として発熱素子の加熱条件を切り替えて記録を行なう構成において、領域の境界域におけるムラの発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる記録装置の外観構成の一例を示す図。
【図2】図1に示す記録装置10の内部構成の一例を示す図。
【図3】図2に示す記録ヘッドHの構成の一例を示す図。
【図4】記録ヘッドHにおける領域の分割の一例を示す図。
【図5】記録ヘッドHにおける各領域単位に設けられる回路構成の一例を示す図。
【図6】領域間において発生するムラの概要を説明するための図。
【図7】図6に示す画像の記録結果の概要を示す図。
【図8】図7の境界域における注目領域903の拡大図。
【図9】図8に示す注目領域903の記録パターンを更に詳細に示す図。
【図10】図1に示す記録装置10の制御系の構成の一例を示す図。
【図11】図1に示す記録装置10の処理の流れの一例を示すフローチャート。
【図12】変形例の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。以下の説明においては、インクジェット記録方式を用いた記録装置を例に挙げて説明する。
【0017】
なお、記録装置は、例えば、記録機能のみを有するシングルファンクションプリンタであっても良いし、また、例えば、記録機能、FAX機能、スキャナ機能等の複数の機能を有するマルチファンクションプリンタであっても良い。また、例えば、カラーフィルタ、電子デバイス、光学デバイス、微小構造物等を所定の記録方式で製造するための製造装置であっても良い。
【0018】
なお、以下の説明において、「記録」とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わない。更に人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かも問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン、構造物等を形成する、又は媒体の加工を行なう場合も表す。
【0019】
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、樹脂、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表す。
【0020】
更に、「インク」とは、上記「記録」の定義と同様広く解釈されるべきものである。従って、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成又は記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば、記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表す。
【0021】
図1は、本発明の一実施の形態に係わる記録装置の外観構成の一例を示す図である。
【0022】
記録装置10には、記録媒体の幅に相当する記録幅を持つ、いわゆる、フルラインタイプの記録ヘッドが設けられる。より具体的には、記録媒体の搬送方向と交差(本実施形態においては、直交)する方向に沿って複数のノズルからなるノズル列が当該記録幅を覆うように設けられている。各ノズル(吐出口)には、例えば、インクに与える熱エネルギーを発生する発熱素子(ヒータ)が設けられている。
【0023】
ここで、記録装置10には、記録媒体としてロール状のシートがロールユニット12に格納されている。本体部の上部には、上部カバー14が開閉自在に取り付けられており、この上部カバー14を開けることにより、ユーザは、本体に内蔵された記録ヘッド及び記録媒体の搬送部を見ることができる。
【0024】
また、本体部には、前カバー16が開閉自在に取り付けられており、この前カバー16を開けることにより、ユーザは、記録ヘッドHに供給される液体インクを貯蓄するインクタンクを見ることができる。これら上部カバー14や前カバー16によって、装置の外郭が構成されている。
【0025】
この他、本体部には、記録済みのシートを切断するカッター18が配置されている。また、前カバー16の下方には、記録装置10の電源スイッチ20が配置されており、前カバー16の上方には、各種ユーザ指示等を入力したり、各種情報を表示したりするための操作パネル22が配置されている。
【0026】
次に、図2及び図3を用いて、図1に示す記録装置10の内部構成の一例について説明する。
【0027】
まず、記録装置10の内部構成を説明する前に、ホスト装置24について説明する。ホスト装置24は、画像情報(画像データ)の供給元となり、記録装置10に接続されている。なお、ホスト装置24は、例えば、デジタルカメラやカード状の記憶媒体等であっても良い。
【0028】
記録装置10には、図3に示すように、複数の記録ヘッドHが記録媒体(シート)Pの搬送方向(矢印A方向)に沿って平行に並べられている。本実施形態においては、K(ブラック)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、の4色に対応した4つの記録ヘッドH(26K、26C、26M、26Y)が設けられる。記録ヘッドHの並び順は、シート搬送方向の上流側から、K、C、M、Yとなっており、それぞれの記録ヘッドは、シート搬送方向に沿ってその記録幅を揃えて配置される。なお、色数及び記録ヘッドの数は、必ずしも4つである必要はなく、適宜変更できる。
【0029】
これら4つの記録ヘッドHは、上述した通り、フルラインタイプの記録ヘッドであり、シートPの搬送方向に直交する方向(矢印A方向に直交する方向)に延びている。また、これら4つの記録ヘッドHの長さは、記録装置10で記録できる記録媒体のうち最大の幅(シートの搬送方向に直交する方向の長さ)よりもやや長い。
【0030】
記録装置10には、回復ユニット40が組み込まれている。この回復ユニット40によって、記録ヘッドHからのインク吐出状態が回復される。回復ユニット40には、キャッピング機構50が設けられており、このキャッピング機構50によって4つの記録ヘッドHのインク吐出口形成面26Ks、26Cs、26Ms、26Ysからインクが除去される。
【0031】
キャッピング機構50は、各記録ヘッドHに独立して設けられている。なお、図2では、6つのキャッピング機構50が示されているが、このうちの2つは、記録ヘッド追加時の予備的な機構である。キャッピング機構50は、周知のブレード、インク除去部材、ブレード保持部材、キャップ等から構成されている。また、回復ユニット40は、各記録ヘッドH内のインクに加圧すると同時にこのインクを吸引する。これにより、各記録ヘッドHと各サブタンク(図示せず)等との間でインクを循環させながらインク内の気泡を除去する。
【0032】
シートPは、ロールユニット12から供給され、搬送機構30によって矢印A方向に搬送される。搬送機構30は、シートPを載置して搬送する搬送ベルト30a、この搬送ベルト30aを回転させる搬送モータ30b、搬送ベルト30aに張力を与えるローラ30cなどから構成される。
【0033】
シートPに対して記録を行なう際には、記録装置10は、搬送中のシートPの記録開始位置がブラックの記録ヘッド26Kの下に到達した後に、画像データ(画像情報)に基づいて記録ヘッド26Kからブラックインクを吐出させる。同様に記録ヘッド26C、記録ヘッド26M、記録ヘッド26Yの順に、各色のインクを吐出させてカラー画像をシートP上に記録する。
【0034】
記録装置10には、上記の部品・部材の他、各記録ヘッドH(26K、26C、26M、26Y)に供給されるインクを貯留するメインタンク28K、28C、28M、28Yが設けられる。また、記録ヘッドHにインクを供給したり回復動作を行なったりするためのチューブポンプ(図示せず)なども設けられる。
【0035】
ここで、記録ヘッドHに配された複数のノズルは、当該複数のノズルのうちのいくつかを含む複数の領域に分割される。図4(a)を用いて、この記録ヘッドHにおける領域の分割について説明する。図4(a)は、記録ヘッドHをインク吐出面の方向から見た図である。
【0036】
記録ヘッドHには、複数(この場合、2592個)のノズル60が配列されている。ここでは、記録ヘッドH内における各領域のノズルをその並び順に#1、#2、#3・・・#2592の番号で示す。
【0037】
また、記録ヘッドHにおいては、複数のノズル(ヒータ)がその配列方向に沿って複数の領域に分割されている。この複数の領域に分割されたヒータ群を単位としてヒータの加熱条件が切り替えられる。
【0038】
ここで、領域1には、1インチあたり#1から#1296のノズルが設けられており、領域2には、1インチあたり#1297から#2592のノズルが設けられている。詳細については後述するが、記録ヘッドHにおいては、各領域において複数種類(本実施形態においては、2種類、3種類)のヒータの加熱条件の設定が可能となっている。
【0039】
次に、図4(b)を用いて、記録ヘッドHに設けられる温度検出センサ(温度検出素子)について説明する。
【0040】
記録ヘッドHからインクを吐出させて記録を行なう場合、インク吐出の速度・方向性(着弾精度)や、インク吐出量の安定化させる必要があるが、このような安定化は、記録ヘッドHの温度に影響される部分が大きい。そのため、当該温度に応じてヒータの加熱条件を決定することが好ましい。
【0041】
そこで、記録ヘッドHには、複数(この場合、5つ)の温度検出センサ(ダイオードセンサ)Di1〜Di5がノズルの配列方向に沿って設けられる。記録装置10においては、これらの検出結果によって記録ヘッド内の各領域における加熱条件を決定する。
【0042】
この場合、記録ヘッド内の各領域に対応して3つの温度検出センサが設けられている。領域1と領域2との間の温度検知には温度検出センサがひとつあれば事足りるため、温度検出センサDi3のみ結線されている。
【0043】
ここで、記録ヘッドH内の各領域の加熱条件を決定するための各領域の制御温度(各領域を代表する温度)の算出方法について説明する。
【0044】
(1)各温度検出センサの検出値の平均処理
取得した温度検出センサDiからの検出値には、ノイズによる検知誤差が含まれているため、例えば、4回分の平均値を求め、各温度検出センサの位置での温度とする。
【0045】
(式1)

(2)各領域における平均温度の算出
加熱条件を設定するための制御温度の1つとしては、記録ヘッドH内の各領域に設けられた3つの温度検出センサDiの検出結果(上記平均処理後の値)の平均値を使用する。領域1の平均値の算出には、「式1」で求められたDi1、Di2、Di3の平均処理後の温度を用いれば良い。領域2の平均値の算出には、「式1」で求められたDi3、Di4、Di5の平均処理後の温度を用いれば良い。これにより、領域1及び領域2それぞれに対応したヒータの加熱条件を決定するための制御温度が求められる。
【0046】
また、本実施形態においては、隣接する領域間(領域1と領域2との間)における制御温度も求める。この領域間における制御温度は、「式1」で求められたDi3の平均値を使用すれば良い。
【0047】
(式2)

次に、図5(a)を用いて、記録ヘッドHにおける各領域単位に設けられる回路構成の一例について説明する。
【0048】
記録ヘッドHには、各領域に対応して回路(ヘッドチップ)が設けられており、当該回路上には、更に第1の回路と、第2の回路とが設けられる。第1の回路は、シフトレジスタ回路704と、ラッチ回路705と、ヒータ選択回路706とから構成されており、第2の回路は、シフトレジスタ回路703と、ラッチ回路702と、ヒータ選択回路707とから構成されている。その他、各領域に対応して設けられる回路(ヘッドチップ)には、第1の回路及び第2の回路いずれかからの駆動信号を選択するセレクタ708や、当該駆動信号に基づいてヒータ701へ通電を行なうドライバ711等も設けられる。
【0049】
記録ヘッドHは、記録データのセット(IDATA1、IDATA2)、ヒートイネーブル信号(HENB1、HENB2)、ラッチ信号DLT、記録クロック信号DCLK等に基づいて動作する。なお、これら信号は、記録装置10の本体部から転送されてくる。
【0050】
ここで、第1の回路における動作について説明する。第1の回路は、上述したIDATA1、HENB1、ラッチ信号DLT、記録クロック信号DCLK等に基づいて動作する。
【0051】
IDATA1が記録ヘッドH側に転送されてくると、第1の回路においては、シフトレジスタ回路704の1296ビット目から順番に当該記録データを格納していく。なお、IDATA1は、DCLK704に同期して転送されてくる。
【0052】
最初にDCLK704に同期して記録ヘッド側に転送されてきた記録データは、1ビット目(1segに対応)に格納され、最後に転送されてきた記録データは、1296ビット目(1296segに対応)に格納される。
【0053】
余白部の無効データ(Nullデータ)も含めた1ライン分の記録データのセットが記録ヘッドH側へ転送されると、第1の回路においては、ラッチ信号DLTがアクティブになったタイミングで当該記録データのセットをラッチ回路705に保持する。
【0054】
続いて、第1の回路は、ヒータ選択回路706において、HENB1(ヒータの通電時間を規定する役割を果たす)と、ラッチ回路705に保持された記録データのセットとの論理積を取り、その結果に応じて駆動信号を出力し、ヒータ701へ通電を行なう。これにより、対応するノズルからインクの吐出が行なわれる。
【0055】
ここで、IDATA1に対する制御温度の設定値は、上述した各領域の平均温度を算出するための「式2」に従って算出される。IDATA2に対する制御温度の設定値は、領域間の温度として「式1」に基づいて温度検出センサDi3の平均温度に従って算出される。つまり、IDATA1及びIDTA2に対しては異なる加熱条件が設定される場合がある。IDTA1及びIDATA2は、同じ画像データに対して異なるマスクを使用することにより得られ、IDTA1及びIDATA2を足し合わせた場合、元の画像データとなる。
【0056】
第2の回路においても、上記同様の制御を行なえば良いため、ここではその説明については省略する。このように本実施形態においては、各領域に対応して、複数種類のマスクにより複数の記録データのセットを生成し、当該複数の記録データのセットそれぞれに対して異なる加熱条件を設定する。
【0057】
なお、上述した説明では、1つの領域に対して2系統の回路が設けられていたが、これに限られず、3系統以上の回路を設けても良い。例えば、3系統の回路を設ける場合には、図5(b)に示す構成にすれば良い。この場合、1つの領域に対して3系統の記録データのセット及び加熱条件を設定することができる。
【0058】
次に、図6を用いて、上述した領域間において発生するムラについて説明する。ここでは、記録ヘッドの温度(温度検出結果)と記録画像と記録画像の濃度との関係を用いて、記録ヘッドの領域間で生じるムラについて説明する。
【0059】
記録装置において、例えば、均一濃度の画像801を長時間、連続して記録し続けたとする。この場合、温度検出結果802に示すような温度分布が記録ヘッドの内部に生じる。
【0060】
領域1では、均一の濃度で画像を記録し続けるため、温度検出センサDi1〜Di3は、同等の検出温度(検出値)を出力する。一方、領域2では、記録に用いられたノズルと、そうでないノズルとが混在するため、温度検出センサDi3〜Di5は、それぞれ異なる検出温度を出力する。
【0061】
ここで、従来の構成において、記録ヘッドHに設けられたこれら検知温度素子の検出温度に応じて、インクの吐出量を制御するためにヒータの加熱条件を変更したとする。この場合、各領域の平均温度によって加熱条件を設定するため、一定に近い検出温度を示す領域1では、目標の吐出量を達成でき、均一な濃度の画像を記録することができる。
【0062】
これに対して、領域2においては、領域の平均温度に対して、各位置で温度差が生じているため、記録画像の濃度803に示すような、濃度を持つ画像が記録されることとなる。領域2内のみの濃度勾配を見てみると、濃度勾配が連続的に変化しているため、視覚的にはムラとしては認識され難い。しかし、領域1及び領域2の境界域においては、濃度差(ギャップ)が生じているため、わずかなギャップであっても視覚的にムラとして知覚されてしまう。
【0063】
図7は、図6に示す画像の記録結果の概要を示す図である。すなわち、領域1の全体及び領域2の一部に配されたノズルを用いて記録が行なわれた画像の記録結果について説明する。符号901は、従来技術の手法で記録された画像を示しており、符号902は、本実施形態の手法で記録された画像を示している。
【0064】
従来手法による画像901では、領域1と領域2との境界域において、濃度ギャップが発生しており、ムラが生じている。これに対して、本実施形態の手法による画像902では、濃度ギャップによるムラの発生が軽減されている。
【0065】
これは、本実施形態の手法においては、領域1と領域2との境界域において、図6(a)で説明したIDATA1及びIDATA2として、それぞれマスク処理を実施したデータを転送しているためである。このようなマスク処理を行なった上で、温度検出センサの検出結果に応じて各領域で異なるヒータの加熱条件を設定する。
【0066】
ここで、このマスク処理について説明する。図8は、図7の境界域における注目領域903の拡大図を示している。なお、注目領域71〜73は、それぞれパターンの異なるマスクにより処理されており、ここでは、注目領域の一例として、3通りの例を示している。
【0067】
領域の境界域に配されるノズルは、領域1の場合、#1080から#1296の216ノズルとなり、領域2では#1297から#1513の216ノズルとなっている。この境界域においては、異なるマスクにより処理されたIDATA1及びIDATA2に対して異なるヒータの加熱条件が適用されて記録が行なわれている。境界域においては、色差のギャップが生じる可能性があるが、このように処理することにより、本実施形態においては、グラデーション状に画像が形成され、色差のギャップが緩和されている。
【0068】
また、上記した従来手法の手法と本実施形態の手法とによる記録結果についての評価結果について説明する。評価方法としては、実際に発生したムラの濃度、色差を画像編集ソフトで再現し、それをディスプレイ上で擬似的に評価する手法を用いている。
【0069】
この結果、符号901に示す従来手法の場合、境界のムラははっきりと知覚できるが、符号902に示す本実施形態の手法の場合、濃度のギャップがぼかされ、ムラの軽減が見られた。つまり、本実施形態の手法では、画像品質の向上に充分な効果が得られていることが認識できた。
【0070】
ここで、図9(a)は、図8に示す注目領域903の記録パターンを更に詳細に示す図である。すなわち、図9(a)には、図8に示す領域1内の領域71、72、73を拡大した図を領域74〜76としてそれぞれ示されている。
【0071】
第1の例として示される境界域の記録画像74では、ノズルの配置方向(以下、横とする)に対して直交する方向(以下、縦とする)へはパターンが変更されていない。つまり、このときに用いられるマスクは、ヒータの配列方向に沿って縞状のパターンを有している。このマスクのサイズは、横2592(ノズルの配列数)×縦1ノズルとなり、記録装置10の処理負荷を軽減できることになる。
【0072】
また、第2の例として示される境界域の記録画像75では、斜め方向へのパターンが繰り返されている。つまり、ノズルの配置方向(横)に対して直交する方向(縦)へパターンの変更がある。このとき用いられるマスクのサイズは、横2592(ノズルの配列数)×縦9ノズルとなり、マスク容量が上記第1の例に示す場合よりも大きくなる。
【0073】
第3の例として示される境界域の記録画像76は、分散系のパターンとなっている。つまり、このときに用いられるマスクは、ヒータの配列方向に対して記録画素とそうでない画素とが分散したパターンを有している。このマスクのサイズは、上述した第1の例や第2の例よりも更に大きくなり、横2592(ノズルの配列数)×縦50ノズルとなる。
【0074】
サイズの面から見ると、第1の例で用いられるマスクの場合に最も処理負荷が軽くなる。一方、隣接する領域間のムラをよりぼかして、境界域を認識し難くするという意味では、その効果は、第1の例のマスク<第2の例のマスク<第3の例のマスクの順で効果が大きくなる。
【0075】
なお、ここでは、マスクのパターンやサイズについて3つ例を挙げて説明したが、これに限られない。マスクの適用範囲を広範囲に広めたり、逆に狭めたり、パターンの変更や、記録ヘッド毎にマスク処理を変更するなどしても良い。このような変更は、記録ヘッドの特性やノズル数、また、インクの色や種類、特性、又は色ごとのムラの発生ポイントをずらすなどにより十分考えられるため、適宜行なえば良い。
【0076】
また、上述した通り、領域1及び領域2の境界域の記録データをマスク処理する際には、IDATA1用のマスクとIDATA2用のマスクとの2種類が必要となる。マスクが2種類必要となるのは、各領域から算出された複数の検出温度の数(本実施形態においては、2つ)と同数の記録データのセット(IDATA1、IDATA2)を生成するためである。
【0077】
ここで、図9(b)は、IDATA1及びIDATA2と、記録画像との対応関係が示される。
【0078】
注目領域においては、濃い部分77と薄い部分78とがある。この場合、領域1の#1080〜#1296のノズルに対応した領域の濃い部分77は、IDATA1に基づいて記録されており、薄い部分78は、IDATA2に基づいて記録されている。
【0079】
また、領域2の#1297〜#1513のノズルに対応した領域の濃い部分77は、IDATA2に基づいて記録されており、薄い部分78は、IDATA1に基づいて記録されている。なお、不図示ではあるが、領域1の#1〜#1079のノズルに対応した領域は、IDATA1に基づいて記録され、領域2の#1514〜#2592のノズルに対応した領域も、IDATA1に基づいて記録される。
【0080】
このように本実施形態においては、各領域に対応する画像データのうち、隣接する領域間の境界域(領域間の所定範囲)の記録に用いられる画像データと境界域以外の画像データとに対して異なるマスクパターンを有するマスクを用いて画像データを処理する。
【0081】
次に、図10を用いて、図1に示す記録装置10の制御系の構成の一例について説明する。
【0082】
記録装置10の構成は大きく、制御部30と、複数の記録ヘッドHとに分けられる。制御部30は、例えば、CPU、RAMやROM、その他、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等により実現される。
【0083】
ここで、制御部30には、格納メモリ31と、温度情報取得部32と、領域温度算出部33と、画像処理部34と、決定部35と、ヘッド制御部36とが設けられる。
【0084】
格納メモリ31は、ホスト装置24から送られてくる画像データを一時的に格納する。温度情報取得部32は、記録ヘッドHにおける複数の温度検出センサの検出結果を取得する。領域温度算出部33は、温度情報取得部32により取得された複数の温度検出センサの検出結果に基づいて、記録ヘッドHにおける各領域を代表する制御温度と、隣接する領域間の境界域の制御温度とを算出する。
【0085】
画像処理部34は、画像データに対してマスク処理等を施し、複数の記録データのセットを生成する。画像処理部34においては、例えば、画像データを記録ヘッドのノズルの並び方向へ変換する処理等も行なう。
【0086】
決定部35は、領域温度算出部33により算出された制御温度に基づいて、記録データのセットそれぞれを用いた記録動作を実行する際のヒータの加熱条件を決定する。なお、本実施形態においては、ヒータの加熱条件とは、ヒータへの通電時間を指すが、これに限られない。例えば、プレパルスとメインパルスとの長さの関係等を加熱条件としても良い。
【0087】
ヘッド制御部36は、決定部35による決定結果に基づいて各種信号を生成し、記録ヘッドHの動作を制御する。すなわち、ヘッド制御部36においては、記録データのセット(IDATA1、IDATA2)、ヒートイネーブル信号(HENB1、HENB2)、ラッチ信号DLT、記録クロック信号DCLK等を記録ヘッドHに向けて転送することで記録動作を制御する(記録制御)。なお、この各種信号によりヒータへの加熱制御も行なう。
【0088】
次に、図11を用いて、記録装置10における処理の流れの一例について説明する。ここでは、ヒータの加熱条件を決定する際の処理の流れについて説明する。
【0089】
まず、記録動作が開始すると、記録装置10は、制御部30において、所定周期(例えば、10ms周期)で割り込み処理を発生させる(S101でYESの後、S102)。すなわち、割込み処理を開始する。
【0090】
この処理ではまず、記録装置10は、温度情報取得部32において、記録ヘッドHに設けられた各温度検出センサDiの検出値を取得する(S103)。そして、領域温度算出部33において、当該検出値に基づいて制御に用いる温度(制御温度)の算出を行なう(S104)。例えば、IDATA1に対する制御温度の設定値は、上述した各領域の平均温度を算出するための「式2」に従って算出する。IDATA2に対する制御温度の設定値は、領域間の温度として「式1」に基づいて温度検出センサDi3の平均温度を算出する。
【0091】
続いて、記録装置10は、決定部35において、当該算出した制御温度に基づいて加熱条件テーブル(不図示)を参照し(S105)、それぞれに対応したヒータの加熱条件を決定する。すなわち、IDATA1に基づく記録時のヒータの加熱条件と、IDATA2に基づく記録時のヒータの加熱条件とを決定する(S106)。
【0092】
なお、図11の説明では、記録動作時に所定周期毎(例えば、10ms毎)にヒータの加熱条件を設定(ページ内PWM制御)しているが、これに限られない。例えば、ページ間毎に当該加熱条件の変更(ページ間PWM制御)を行なっても良い。
【0093】
また、IDATA2に対する制御温度の設定値は、Di3の平均温度値のみに限られず、他の温度を参考にしても良い。例えば、温度検出センサDi3の検出温度と領域2の平均温度との差分を求め、領域2の平均温度よりも温度検出センサDi3の検出温度が高いときには、温度検出センサDi3の検出温度に温度の差分を加えた値とする。また、領域2の平均温度よりも温度検出センサDi3の検出温度が低いときには、温度検出センサDi3の検出温度から温度の差分を引いた値とするなどすれば良い。また、特開平5−31916号公報や特開平5−208505号公報に記載されるように、温度検出センサの無い場合であっても、現在温度を演算し、演算結果よって加熱条件を決定しても良い。
【0094】
以上説明したように本実施形態によれば、各領域に対応して複数の温度情報を算出するとともに、各領域に対応する画像データをマスク処理して複数の記録データのセット(各領域毎の温度情報と同数の記録データのセット)を生成する。そして、各領域に対応して算出された複数の温度情報に基づいて、対応する領域の複数の記録データのセットそれぞれを用いた記録動作を実行する際のヒータの加熱条件(ヒータへの通電時間)を決定する。
【0095】
すなわち、複数の領域に分割されたヒータ群(発熱素子群)を単位としてヒータの加熱条件を切り替えて記録を行なう構成において、領域の境界域におけるムラの発生を抑制できる。これにより、従来の構成よりも、記録画質を向上させられる。
【0096】
以上が本発明の代表的な実施形態の一例であるが、本発明は、上記及び図面に示す実施形態に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【0097】
例えば、上述した説明においては、記録ヘッド内を2つの領域に分ける場合について説明したが、これに限られず、3以上の領域に分けても良い。例えば、図12には、領域が2つに分けられた記録ヘッド121の他、3つの領域に分けられた記録ヘッド122と、4つの領域に分けられた記録ヘッド123とが示されている。記録ヘッド122及び123は、記録ヘッド121に比べて、ノズルの配置方向にノズル数が増やされており、その分、領域数が増えている。
【0098】
記録ヘッド122及び123の場合、ムラが発生する可能性のある領域が、記録ヘッド121よりも多くなっている。この場合、図5(b)に示すように、3系統のヒータの加熱条件を設定できる記録ヘッドと、IDATA1〜3に対応したマスクパターンとを用いる。このようにすれば、上記同様の処理で各境界域で発生するムラに対応することができる。すなわち、記録ヘッドの長尺化が更に進み、それに伴ってノズル数が増え、領域数が多くなったとしても、上記実施形態の処理を適用することができる。
【0099】
なお、上述した説明では、フルラインタイプの記録ヘッドを採用した記録装置を例に挙げて説明したが、これに限られない。すなわち、複数の領域に分割されたヒータ群(発熱素子群)を単位としてヒータの加熱条件を切り替えて記録を行なう記録ヘッドを有する記録装置であれば何でも良い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出口からインクを吐出するための熱エネルギーを発生する複数の発熱素子が配列される記録ヘッドを有し、前記発熱素子の配列方向に沿って複数の領域に分割された発熱素子群を単位として発熱素子の加熱条件を切り替えて画像を記録する記録装置であって、
前記複数の発熱素子の配列方向に沿って前記記録ヘッドに配される複数の温度検出素子からの検出値に基づいて各領域に対応して複数の温度情報を算出する算出手段と、
各領域から算出された複数の温度情報の数と同数の記録データのセットを生成するためのマスクを用いて、各領域に対応する画像データをマスク処理することにより各領域に対応した複数の記録データのセットを生成する画像処理手段と、
各領域に対応して算出された前記複数の温度情報に基づいて、対応する領域の前記複数の記録データのセットそれぞれを用いて記録動作を実行する際の前記発熱素子の加熱条件を決定する決定手段と、
各領域に対応した複数の記録データのセットに基づいて、対応する発熱素子に対して前記決定手段により決定された加熱条件に従った加熱制御を行なうことにより前記記録ヘッドに配列された吐出口からインクを吐出させて画像を記録させる記録制御手段と
を具備することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記算出手段は、
前記複数の温度検出素子からの検出値に基づいて、各領域を代表する温度情報と隣接する領域間の境界域の温度情報とを各領域毎に算出する
ことを特徴とする請求項1記載の記録装置。
【請求項3】
前記画像処理手段は、
隣接する領域間の境界域の記録に用いられる画像データと該境界域以外の画像データとに対して異なるマスクパターンを有するマスクを用いて各領域に対応する画像データを処理する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の記録装置。
【請求項4】
前記境界域の記録に用いられる画像データに対するマスクパターンは、
前記発熱素子の配列方向に沿って縞状のパターン、
前記発熱素子の配列方向に対して斜め方向への繰り返しパターン、
前記発熱素子の配列方向に対して記録画素とそうでない画素とが分散したパターン
のいずれかであることを特徴とする請求項3記載の記録装置。
【請求項5】
前記決定手段は、
前記加熱条件として、記録動作時の前記発熱素子への通電時間を決定する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項6】
前記記録ヘッドは、
前記発熱素子の配列方向に複数の発熱素子が記録媒体の記録幅を覆うように配列されており、
前記記録制御手段は、
前記発熱素子の配列方向と交差する方向に記録媒体を搬送させながら、前記記録ヘッドに配列された吐出口からインクを吐出させて画像を記録させる
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項7】
吐出口からインクを吐出するための熱エネルギーを発生する複数の発熱素子が配列される記録ヘッドを有し、前記発熱素子の配列方向に沿って複数の領域に分割された発熱素子群を単位として発熱素子の加熱条件を切り替えて画像を記録する記録装置の処理方法であって、
算出手段が、前記複数の発熱素子の配列方向に沿って前記記録ヘッドに配される複数の温度検出素子からの検出値に基づいて各領域に対応して複数の温度情報を算出する工程と、
画像処理手段が、各領域から算出された複数の温度情報の数と同数の記録データのセットを生成するためのマスクを用いて、各領域に対応する画像データをマスク処理することにより各領域に対応した複数の記録データのセットを生成する工程と、
決定手段が、各領域に対応して算出された前記複数の温度情報に基づいて、対応する領域の前記複数の記録データのセットそれぞれを用いて記録動作を実行する際の前記発熱素子の加熱条件を決定する工程と、
記録制御手段が、各領域に対応した複数の記録データのセットに基づいて、対応する発熱素子に対して前記決定手段により決定された加熱条件に従った加熱制御を行なうことにより前記記録ヘッドに配列された吐出口からインクを吐出させて画像を記録させる工程と
を含むことを特徴とする処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−22883(P2013−22883A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161353(P2011−161353)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000208743)キヤノンファインテック株式会社 (1,218)
【Fターム(参考)】