説明

記録装置

【課題】追記された像の視認性を向上させる。
【解決手段】電圧印加手段101は、印加される電圧および照射される光に応じて反射率が変化し描画がされる表示層を有する表示媒体に、反射率を変化させる電圧を印加する。光照射手段102は、表示媒体の裏面側から表示層に光を照射する。制御手段103は、表示媒体の表面側から表示層に光を照射する入力装置による描画の開始が指示されると、反射率を増加させる電圧を印加させ、反射率を増加させる電圧の印加と同期して光を照射させるよう電圧印加手段および光照射手段に対し第1の制御をし、第1の制御の後で、反射率を低下させる電圧を印加させ、光の照射を停止させるよう電圧印加手段および光照射手段に対し第2の制御をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像の書き込みに光および電圧印加が用いられる、いわゆる光書き込み型の電子ペーパが知られている。特許文献1は、光書き込み型の電子ペーパにおいて、光ペンによる手書き追記に加え、バックパネルからの露光を行う技術を開示している。特許文献2は、電子ペーパとは関係ないが、画像のシーン(性質)に応じて、コントラスト補正(ガンマ補正、明度補正)を行う技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−321736号公報
【特許文献2】特開2002−232728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、追記された像の視認性を向上させる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る記録装置は、印加される電圧および照射される光に応じて反射率が変化し描画がされる表示層を有する表示媒体に、前記反射率を変化させる電圧を印加する電圧印加手段と、前記表示媒体の裏面側から前記表示層に前記光を照射する光照射手段と、前記表示媒体の表面側から前記表示層に前記光を照射する入力装置による前記描画の開始が指示されると、前記反射率を増加させる電圧を印加させ、前記反射率を増加させる電圧の印加と同期して前記光を照射させるよう前記電圧印加手段および前記光照射手段に対し第1の制御をし、前記第1の制御の後で、前記反射率を低下させる電圧を印加させ、前記光の照射を停止させるよう前記電圧印加手段および前記光照射手段に対し第2の制御をする制御手段とを有する。
【0006】
請求項2に係る記録装置は、請求項1に係る記録装置において、前記表示層が、第1の波長帯の光を反射する第1の表示層と、前記第1の波長帯と異なる第2の波長帯の光を反射する第2の表示層とを有し、前記制御手段は、前記第1の制御において、前記第1の表示層の反射率および前記第2の表示層の反射率を所定量増加させる電圧の印加および光の照射をするように前記電圧印加手段および前記光照射手段を制御することを特徴とする。
【0007】
請求項3に係る記録装置は、請求項1に係る記録装置において、前記表示層が、第1の波長帯の光を反射する第1の表示層と、前記第1の波長帯と異なる第2の波長帯の光を反射する第2の表示層とを有し、前記制御手段は、前記第1の制御において、前記第1の表示層の反射率が第1のしきい値以下である部分の反射率を前記第1のしきい値まで増加させ、前記第2の表示層の反射率が第2のしきい値以下である部分の反射率を前記第2のしきい値まで増加させる電圧の印加および光の照射をするように、前記電圧印加手段および前記光照射手段を制御することを特徴とする。
【0008】
請求項4に係る記録装置は、請求項2または3に係る記録装置において、前記表示層が、前記第1の波長帯および前記第2の波長帯と異なる第3の波長帯の光を反射する第3の表示層を有し、前記制御手段は、前記第1の制御において、前記第1の表示層、前記第2の表示層および前記第3の表示層のうち2つの表示層の反射率を増加させるように、前記電圧印加手段および前記光照射手段を制御することを特徴とする。
【0009】
請求項5に係る記録装置は、請求項1−4のいずれかに係る記録装置において、前記入力装置が前記表示媒体の表面上を移動した軌跡を取得する取得手段を有し、前記制御手段は、前記第2の制御の後で、前記取得手段が取得した軌跡に応じて、前記表示層の反射率を変化させる電圧の印加および光の照射をするように前記電圧印加手段および前記光照射手段を制御する第3の制御をすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る記録装置によれば、第1の制御を行わない場合と比較して、追記された像の視認性が向上する。
請求項2に係る記録装置によれば、第1の波長帯の光を照射する入力装置を用いても、第2の波長帯の光を照射する入力装置を用いても、第1の制御を行わない場合と比較して、視認性が向上した追記を行うことができる。
請求項3に係る記録装置によれば、第1の制御の対象となる部分を限定する構成を有しない場合と比較して、処理の負荷を軽減できる。
請求項4に係る記録装置によれば、第1の波長帯、第2の波長帯および第3の波長帯のうち、反射率が増加される2つの波長帯のどちらかの光を照射する入力装置を用いれば、第1の制御を行わない場合と比較して、視認性が向上した追記を行うことができる。
請求項5に係る記録装置によれば、第1の制御により変化させられた反射率を、元の状態により近い状態に戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1a】一実施形態に係る記録システムの構成を示す図である。
【図1b】一実施形態に係る記録システムの構成を示す図である。
【図2】電子ペーパ20を上面から見た外観図である。
【図3】電子ペーパ20の断面構造を示す図である。
【図4】カラー表示の原理を説明する図である。
【図5】表示層に印加される信号を例示する図である。
【図6】光ペン30による電子ペーパ20への追記を例示する図である。
【図7】記録装置10の構成を示す図である。
【図8】記録装置10の機能構成を示す図である。
【図9】光ペン30の構成を示す図である。
【図10】記録装置10の追記に係る動作を示すフローチャートである。
【図11】明度調整処理の一例を模式的に示す図である。
【図12】明度調整処理の別の例を模式的に示す図である。
【図13】明度調整処理の別の例を模式的に示す図である。
【図14】追記による明度の変化の一例を示す図である。
【図15】追記による明度の変化の一例を示す図である。
【図16】追記による明度の変化の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.構成
図1aおよび図1bは、本発明の一実施形態に係る記録システムの構成を示す図である。この記録システムは、記録装置10、電子ペーパ20および光ペン30を有する。電子ペーパ20は、記録装置10に着脱可能である。図1aは記録装置10から電子ペーパ20を外した状態を、図1bは記録装置10に電子ペーパ20を装着した状態を示している。電子ペーパ20は、光書き込み型の表示媒体である。「光書き込み型」の表示媒体とは、表示媒体に表示される情報の書き替えの際に光照射が用いられる表示媒体をいう。記録装置10は、電子ペーパ20に画像の記録(書き込み)、および記録された画像の消去(初期化)を行う装置である。光ペン30は、電子ペーパ20に記録された画像に利用者が追記を行う際に用いられる入力装置である。
【0013】
1−1.電子ペーパ20
図2は、電子ペーパ20を上面から見た外観図である。フレーム21は、電子ペーパ20の各構成を保持する。フレーム21は、機械的な剛性と、電気的な絶縁性と、光学的な遮光性を有する樹脂で作られている。表示体22は、画像の表示を行う構造体である。表示体22は、記憶性液晶であるコレステリック液晶を有している。コレステリック液晶は双安定の物質であり、電圧等によりエネルギーが与えられていない状態でも光の反射率が異なる2つの配向状態のいずれかを維持することができる。コレステリック液晶分子の安定な配向には、プレーナ配向とフォーカルコニック配向とがある。プレーナ配向において、コレステリック液晶分子は、特定の波長帯の光を反射(ブラッグ反射)する。フォーカルコニック配向において、コレステリック液晶分子は、光を透過する。表示体22は、原理的には、配向状態に応じた反射率の違いを利用して表示を行うものである。
【0014】
図3は、電子ペーパ20の断面、特に図2のIII−III線に沿った切断面の断面構造を示す
図である。面22aは、表示体22の上面(表示面)すなわち表面(第1の面)である。利用者は、面22aから画像を見る。また、利用者は、光ペン30を用いて面22a側から追記を行う。面22bは、表示体22の下面すなわち裏面(第2の面)である。記録装置20は、面22b側から画像の消去や書き込みを行う。
【0015】
保護層210および保護層275は、表示体22の表面を保護する層である。この例において、保護層210および275は、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂で作られている。
【0016】
液晶層230と、液晶層260と、液晶層265は、特定の波長帯の光を反射する液晶分子を含む層である。この例で、液晶層230、液晶層260、および液晶層265は、それぞれ、赤、緑、青の光を反射する。液晶層230、液晶層260、および液晶層265においては、コレステリック液晶が用いられている。具体的には、これらの層において、バインダー樹脂中にマイクロカプセル状のコレステリック液晶表示素子が分散されている。光の反射率は、コレステリック液晶分子の配向状態に応じて変化する。コレステリック液晶分子の配向状態は、印加される電圧(より正確には、与えられる電力)に応じて変化する。
【0017】
図4は、カラー表示の原理を説明する図である。図4において、縦軸は正規化された反射率を、横軸は液晶層に印加される電圧(駆動電圧)を示す。ここでは、赤、青、緑の3色の液晶層が積層された構成の表示体において、これら3つの液晶層全体に対して駆動電圧が印加される場合を例に説明する。曲線CR、CBおよびCGは、それぞれ赤、青および緑の液晶層の反射率−電圧曲線を示す。電圧Va、Vb、Vc、Vd、Ve、VfおよびVgは、各曲線におけるしきい値電圧を示す。しきい値電圧とは、正規化反射率が所定の値(例えば90%および10%)になる電圧である。例えば、電圧Vaは、曲線CRにおいて、正規化反射率が90%になる電圧である。また、Vbは、曲線CRにおいて正規化反射率が10%になり、かつ曲線CBにおいて正規化反射率が90%になる電圧である。図4の例ではこれらの電圧値が一致するように液晶層が設計されているが、曲線CRにおいて正規化反射率が10%になる電圧と、曲線CBにおいて正規化反射率が90%になる電圧とは異なっていてもよい。例えば電圧Vfを印加すると、緑の光は透過されるが、赤および青は反射され、利用者には紫色に見える。このように、電圧値によって、各液晶層の反射/透過の組み合わせを選択できる。すなわち、しきい値が他の層とずれた反射率−電圧曲線を有する液晶層を複数積層し、一組の電極で挟むことで、この一組の電極間に与えられる信号によりカラー表示を行うことが、原理的には可能である。
【0018】
図5は、表示層に印加される信号を例示する図である。この例では、表示層に対し信号VLCが印加されている。信号VLCにおいて、縦軸は電圧を、横軸は時間を示す。期間t1および期間t2において、信号VLCはそれぞれ電圧値が異なっている。これらの電圧値の組み合わせにより、3つの液晶層の配向状態の組み合わせが決定される。
【0019】
再び図3を参照して説明する。図4で説明したように、原理的には赤、緑、青の3層を1組の電極で挟んだ構造によりカラー表示が可能である。しかし、この例で、電子ペーパ20は、液晶層260(緑)および液晶層265(青)が1組の電極(透明電極270および透明電極245)に挟まれ、液晶層230(赤)が別の一対の電極(透明電極235および透明電極215)に挟まれた構造を有している。以下、透明電極270および245に挟まれた層を「第1の光アドレス層」、透明電極235および215に挟まれた層を「第2の光アドレス層」という。第1の光アドレス層と第2の光アドレス層はそれぞれ独立に制御される。また、以下において必要に応じて液晶層および感光層を含む層を「表示層」という。第1の光アドレス層および第2の光アドレス層はそれぞれ表示層の一例である。
【0020】
第1の光アドレス層は、面22a側から順に、液晶層265(青)、液晶層260(緑)および感光層255を有する。透明電極270および245は、第1の光アドレス層に電圧を印加するための電極である。透明電極270および245は、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムすず)等、光を透過する(透明な)材料で作られている。感光層255は、特定の波長の光(例えば緑色の光)が照射されると電荷を生じて暗状態より低抵抗化する。この例で、感光層255は、有機感光体(Organic Photoconductor:OPC)により形成されている。緑色の光が照射されると、暗状態よりも感光層255が低抵抗化するので、液晶層260および265にかかる電圧が増加する。感光層255は、ジブロモアントアントロン(DBA)等の赤色(第1の光アドレス層で反射される色の補色)の光を透過する材料で形成されている。
【0021】
液晶層265(青)および液晶層260(緑)の配向状態の制御は例えば以下のように行われる。まず、暗状態においてVe<V1L<Vfなる電圧V1Lが、光照射状態においてVg<V1Hなる電圧V1Hが液晶層265(青)および液晶層260(緑)に印加されるような、電圧V1が第1の光アドレス層に印加される。暗状態の部分については液晶層の配向状態が(B,G)=(P,F)となり、光照射された部分については配向状態が(B,G)=(P,P)となる。ここで、Pはプレーナ配向を、Fはフォーカルコニック配向を示す。(B,G)=(P,F)は、液晶層265(青)の配向状態がプレーナ配向であり、液晶層260(緑)の配向状態がフォーカルコニック配向であることを示す(以下同様)。
【0022】
次に、暗状態においてV2L<Vbなる電圧V2Lが、光照射状態においてVb<V2H<Vcなる電圧V2Hが液晶層265(青)および液晶層260(緑)に印加されるような、電圧V2が第1の光アドレス層に印加される。暗状態の部分については電圧V1による配向状態が維持される。光照射された部分については、液晶層265(青)の配向状態がフォーカルコニック配向となる。
【0023】
第2の光アドレス層は、面22a側から順に、液晶層230(赤)および感光層225を有する。透明電極235および215は、第2の光アドレス層に電圧を印加するための電極である。透明電極235および215は、ITOで作られている。感光層225は、特定の波長の光(例えば赤色の光)が照射されると電荷を生じて、暗状態よりも低抵抗化する。感光層225は、感光層255と同様に、OPCにより形成されている。感光層225は、チタニルフタロシアニン(TiOPC)等の青〜緑色(第2の光アドレス層で反射される色の補色)の光を透過する材料で形成されている。液晶層230の配向状態の制御は、例えば以下のように行われる。暗状態においてV3L<Vcなる電圧V3Lが、光照射状態においてVd<V3Hなる電圧V3Hが液晶層230(赤)に印加されるような、電圧V3が第2の光アドレス層に印加される。
【0024】
以上のように、光照射と電圧印加を組み合わせることにより、特定の層の特定の領域の液晶の配向を制御すること、すなわち、画像を形成することができる。なお上記の方法は、電子ペーパに対する書き込み方法(記録方法または配向状態の制御)のあくまで一例であり、液晶層と感光層とのインピーダンスの比などの特性に応じて、他の書き込み方法が用いられてもよい。また、画像の書き込みの前に液晶層を所定の配向状態にする(すなわち、それまでに描かれていた画像を消去する)リセット処理が行われてもよい。
【0025】
絶縁層240は、透明電極245と透明電極235とを絶縁するための層である。この例で、絶縁層240はPETで形成されている。
【0026】
なお、光ペン30で追記を行わない記録システムにおいて、電子ペーパ20は、液晶層260と感光層255との間、および液晶層230と感光層225との間に、それぞれ光吸収層を有していてもよい。液晶層260と感光層255との間の光吸収層は、液晶層265および260で反射される波長帯の光(この例では青〜緑色)の光を吸収する層である。液晶層230と感光層225との間の光吸収層は、液晶層230で反射される波長帯の光(この例では赤色)の光を吸収する層である。本実施形態の電子ペーパ20は光ペン30で追記を行うためのものなので、光吸収層は有していない。
【0027】
電極23は、記録装置10等の外部装置からの電気信号を受ける接点である。この例で電極23は、電極23a、23bおよび23cの3つの電極を有する。電極23bは、グランド電位を与える電極である。電極23aおよび23bにより第1の光アドレス層に電圧が印加され、電極23bおよび23cにより第2の光アドレス層に電圧が印加される。電極23は、図1bに示すように電子ペーパ20が記録装置10に装着されると記録装置10側の電極145と電気的に接触する位置に配置されている。
【0028】
RFタグ24は、電子ペーパ20の個別情報を記憶する記憶装置である。個別情報とは、例えば「所有者名」や、「書き換え回数累計値」や、「シリアルナンバー」など、電子ペーパ20またはその利用者の属性を示す情報である。RFタグ24に記憶されている情報は、専用のリーダ/ライタにより読み出すことができる。
【0029】
図6は、光ペン30による電子ペーパ20への追記(表示の書き替え)を例示する図である。信号V4および信号V5は、それぞれ、第1の光アドレス層および第2の光アドレス層に印加される電圧を示している。この例では、信号V4および信号V5ともDC300Vの電圧が500msec印加されている。この電圧値は、第1の光アドレス層において液晶層260(緑)の配向をフォーカルコニックにするが、液晶層265(青)の配向は変化させない電圧値である。光強度LGおよび光強度LRは、それぞれ、緑色および赤色の光の強度を示している。この例では、100μW/cm2の強度の緑色光および赤色光が、表示体22に照射される。B−ChLC、G−ChLCおよびR−ChLCは、それぞれ、液晶層265(青)、液晶層260(緑)および液晶層230(赤)の配向状態を示している。Fはフォーカルコニック配向を、Pはプレーナ配向を示す。この例で、液晶層265(青)の配向状態は電圧印加および光照射の前後で変化しないが、液晶層260(緑)および液晶層230(赤)の配向状態は電圧印加および光照射によりフォーカルコニック配向に変化する。
【0030】
図6中、下段の図は、電圧印加および光照射の前後の表示状態を示している。B、C、G、Y、W、M、RおよびKは、それぞれ、青、シアン、緑、黄、白、マゼンタ、赤および黒を示している。例えば、赤が表示されていた領域は、3つの液晶層の配向状態は、(R,G,B)=(P,F,F)である。この例では、電圧印加および光照射により液晶層260(緑)および液晶層230(赤)がフォーカルコニック配向となるので、3つの液晶層の配向状態は、(R,G,B)=(F,F,F)となる。すなわち、赤が表示されていた領域は黒となる。同様に、電圧印加および光照射により、緑および黄の領域は黒となり、シアン、白およびマゼンタの領域は青となる。青および黒の領域は変化しない。このように、光ペン30を用いることにより、黒または青の軌跡が電子ペーパ20に記録される。
【0031】
1−2.記録装置10
図1aを参照して、記録装置10について説明する。筐体11は、記録装置10の各構成を保持する機能と、記録装置10内部(特に電子ペーパ20に記録を行う部分)に外光が侵入しないように遮光を行う機能と、利用者が電子ペーパ20を記録装置10に装着したときに電子ペーパ20を保持する機能と有する。筐体11は、この例においてはエンジニアリングプラスチックなどの樹脂で製作されている。
【0032】
図7は、記録装置10の構成を示す図である。制御部110は、記録装置10の各要素を制御する制御装置である。この例で、制御部110は、演算装置としてのCPU(Central Processing Unit)や、記憶装置としてのHDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)や、入出力装置としてのI/Oポートを備えたコンピュータである。HDDやROMには、記録装置10を制御するためのプログラムや各種のデータが記憶されている。CPUは、HDDやROMからプログラムを読み込んで実行することで記録装置10の各部の動作を制御する。また、CPUは、プログラム実行時のワークエリアとしてRAMを使用する。
【0033】
操作パネル115は、利用者からの指示操作を受け付け、受け付けた操作に応じた信号を制御部110に出力する。操作パネル115は、ユーザが指示を入力するための装置、例えば電源スイッチやテンキーと、利用者への情報の提供を行うための表示装置、例えば表示ランプや液晶ディスプレイとを有する。
【0034】
通信I/F120は、記録装置10が光ペン30等の外部機器とデータのやりとりを行うためのインターフェースである。この例において、通信I/F120は、無線通信を行う。
【0035】
デジタイザ125は、光ペン30のペン先の位置を検出する。この例においては、デジタイザ125として電磁誘導方式のセンサ等、公知の技術が用いられる。制御部110のCPUは、デジタイザ125から取得した位置を示すデータを、光ペン30が移動した軌跡のデータとしてHDDに記憶する。デジタイザ125は、電子ペーパ20が記録装置10に装着された状態で、電子ペーパの表示面上の光ペン30の位置を検出できる位置に設けられている。
【0036】
RFタグリーダライタ130は、電子ペーパ20に内蔵されたRFタグ24に書き込まれた情報の読み書きを行う。RFタグリーダライタ130は、RFタグ24から読み出した情報を制御部110に出力する。また、RFタグリーダライタ130は、制御部110の制御下でRFタグ24に情報を書き込こむ。
【0037】
電源135は、制御部110や、電極145(すなわち電子ペーパ20)等に電力を供給する。着脱センサ140は、記録装置10に電子ペーパ20が装着されているか否かを検知し、検知した結果を電源135に出力する。この例においては、着脱センサ140として押しボタンスイッチが用いられる。図1aに示すように、記録装置10に電子ペーパ20が装着されてなければ押しボタンスイッチは押されていない。図1bに示すように電子ペーパ20が装着されると押しボタンスイッチは押される。電極145は、3つの端子を有する。各端子は、電子ペーパ20の23a、23bおよび23cにそれぞれ対応する。電極145は、電源135が発生した電圧の電子ペーパ20への供給に用いられる。電極145は、図1bに示すように電子ペーパ20が記録装置10に装着されたときに電子ペーパ20の電極23と電気的に接触する位置に配置されている。
【0038】
リアルタイムクロック150は、時間を計測する時計機能を有する。リアルタイムクロック150は、この情報を制御部110と、後述する環境温度履歴記録部155に出力する。環境温度履歴記録部155は、環境温度センサ160から取得した環境温度情報と、リアルタイムクロック150から取得した時間の情報を結びつけて内蔵メモリに記録する。また、環境温度履歴記録部155は、制御部110からの要求に応じて、記録した温度履歴情報を制御部110に出力する。環境温度センサ160は、記録装置10の環境温度を測定し、測定した環境温度を環境温度履歴記録部155に出力する。
【0039】
画像処理部170は、制御部110の制御下で、LCDパネル195に描画する画像を示す画像データを処理する。画像処理部170は、処理した画像データを画像バッファ175に出力する。画像処理部170における画像処理は、例えば、複数の画像や、画像と文字との重ね合わせや、表示色の変更などである。画像バッファ175は、画像データを記憶するVRAM(Video Random Access Memory)である。
【0040】
バックライト制御180は、制御部110の制御下でバックライト185を駆動する。バックライト185は、バックライト制御180の制御下で、LCDパネル195に照射する光を発生する。この例において、バックライト185の光は、赤色と緑色のスペクトルを含んでいる。具体的に、バックライト185は、白色光を発生する冷陰極管を含んでいる。
【0041】
LCD駆動190は、画像バッファ175に記憶された画像データを読み出し、読み出した画像データに従ってLCDパネル195を駆動することにより、画像を表示させる。すなわち、LCDパネル195は、バックライト185からの光を選択的に透過する、透過型のカラー液晶パネルである。
【0042】
図8は、記録装置10の機能構成を示す図である。電圧印加手段101は、電子ペーパ20(印加される電圧および照射される光に応じて反射率が変化し描画がされる液晶層を有する表示媒体の一例)に、反射率を変化させる電圧を印加する。光照射手段102は、表示媒体の裏面側から液晶層に光を照射する。制御手段103は、表示媒体の表面側から光ペン30(液晶層に光を照射する入力装置の一例)による描画の開始が指示されると、明度調整処理と、明度調整処理の後で、追記処理を行う。明度調整処理については後述するが、反射率を増加させる電圧を印加させ、反射率を増加させる電圧の印加と同期して前記光を照射させるよう電圧印加手段101および光照射手段102に行われる第1の制御の一例である。追記処理は、反射率を低下させる電圧を印加させ、光の照射を停止させるよう電圧印加手段101および光照射手段102に対し行われる第2の制御の一例である。
【0043】
取得手段104は、光ペン30が電子ペーパ20の表面上を移動した軌跡を取得する。また、制御手段103は、追記処理の後で、光ペン30の軌跡に応じて再描画処理を行う。再描画処理については後述するが、液晶層の反射率を変化させる電圧の印加および光の照射をするように電圧印加手段101および光照射手段102に対して行われる第3の制御の一例である。
【0044】
制御部110に制御された電源135は、電圧印加手段101の一例である。バックライト制御180、バックライト180、LCD駆動190およびLCDパネル195は、光照射手段102の一例である。明度調整処理または追記処理のための命令群を実行している制御部110は、制御手段103の一例である。デジタイザ125は、取得手段104の一例である。
【0045】
1−3.光ペン30
図9は、光ペン30の構成を示す図である。図9は、光ペン30の断面を模式的に示した図である。この例で、光ペン30は、ボールペンや鉛筆、万年筆といった筆記具に類似した形状をしており、利用者は筆記具を使う要領で電子ペーパ20に書き込み(記録)を行う。
【0046】
筐体305は、光ペン30の各構成を保持する。この例における筐体305は、機械的な剛性と、電気的な絶縁性と、光学的な遮光性を有する樹脂で作られている。スイッチ310は、利用者から光ペン30への指示の入力に用いられる。例えば、後述する手書き追記モードへの移行や、電源のオン・オフ、書き込み色の選択などの指示が、スイッチ310により入力される。スイッチ310は、操作に応じた信号を制御部335に出力する。バッテリ315は、光ペン30の各構成に電力を供給する電源である。
【0047】
通信モジュール320は、記録装置10と通信を行うための装置である。通信モジュール320は、制御部335の制御下でアンテナ325を介して記録装置10と無線通信を行う。アンテナ325は、通信に用いられる電波の送受信を行う。
【0048】
加速度センサ330は、光ペン30の光軸(すなわち、筐体305の長手方向)に対する加速度のX軸、Y軸およびZ軸成分を検出し、検出結果を制御部335に出力する3次元加速度センサである。制御部335は、制御や演算を行うCPUと、記憶装置であるROMやRAMと、入出力を行うI/Oポートを有する。CPUは、利用者が光ペン30の電源投入を行うと、予めROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、読み出した制御プログラムを実行して光ペン30の制御を行う。CPUは作業領域としてRAMを使用する。例えば、制御部335は、加速度センサ330から出力される加速度を用いて、光ペン30の移動速度を算出する。
【0049】
センサ340は、光ペン30のペン先の筆圧を検出するセンサである。具体的には、センサ340は、光ペン30のペン先(この例ではレンズ360)に加えられている圧力を検出し、検出結果を示す信号を制御部335に出力する。利用者が、光ペン30を用いて電子ペーパ20に書き込み(記録)を行うときはレンズ360が電子ペーパ20に接触して圧力が加えられる。レンズ360に加わった圧力は、導光路355、光源350を介して、センサ340に伝えられる。センサ345は、光ペン30のペン先と電子ペーパ20の面22aとの距離があらかじめ決められたしきい値以下になったことを検出するセンサである。センサ345は、検出結果を制御部335に出力する。この例で、センサ345は、フォトダイオード等の受光素子を有する。センサ345は、電子ペーパ20の面22aで反射された、光源350の光を受け、光強度に応じた信号を制御部335に出力する。制御部335は、距離センサから出力される信号により示される光強度があらかじめ決められたしきい値を超えると、ペン先と電子ペーパ20との距離がしきい値(例えば5mm)以下になったと判断する。
【0050】
光源350は、利用者が電子ペーパ20に書き込み(記録)を行うための光を出力する。この例で、光源350は、電子ペーパ20に赤色の書き込み行うための赤色光を発生するための赤色LEDと、青色と緑色の書き込みを行うための緑色光を発生するための緑色LEDを含んでいる。導光路355は、光源350が発生した光をレンズ360に導く。この例において、導光路355は、光の透過率の高い透明樹脂で構成されている。レンズ360は、光源350から出力された光を集光する。この例において、レンズ360は、光学ガラスで作られている。レンズ360により集光された追記光361は電子ペーパ20の面22aに照射される。
【0051】
2.動作
図10は、記録装置10の追記に係る動作を示すフローチャートである。追記は、電子ペーパ20が記録装置10に装着された状態において、光ペン30を用いて行われる。追記に先立ち、記録装置10は、電子ペーパ20に元画像を書き込む。「元画像」とは、追記の前に記録装置10により電子ペーパ20に書き込まれる画像をいう。電子ペーパ20は、元画像を表示している(ステップS11)。このとき、記録装置10は、元画像を示す画像データを記憶している。この状態で、利用者は、追記を行うために光ペン30の電源をオンにする。(ステップS12)。光ペン30の電源がオンにされると、制御部335は、通信モジュール320および通信I/F120を介して、記録装置10に電源がオンになった旨を通知する。なお、この時点において、光ペン30は、追記光361を照射していない。
【0052】
光ペン30の電源がオンになったことを通知されると、記録装置10の制御部110は、追記のための前処理として明度(階調値)の調整をする(ステップS13)。明度調整は、記憶装置10に記憶されている元画像の画像データに対して行われる。
【0053】
図11は、明度調整処理の一例を模式的に示す図である。この例では、赤、青および緑の成分のうち、赤および青の成分について、明度が増加される。ここで、明度調整処理の対象なる画素は、明度が調整される色成分(この例では赤および青)の明度が所定のしきい値(例えば百分率で20%)以下の画素である。明度の増加量は、あらかじめ決められている(例えば百分率で40ポイント)。
【0054】
図12および図13は、明度調整処理の別の例を模式的に示す図である。この例では、赤、青および緑の成分について、明度が増加される。明度調整処理の対象となる画素および明度の増加量は、図11で説明したものと同じである。
【0055】
ふたたび図10を参照して説明する。制御部110は、明度調整された元画像(以下「調整後画像」という)の画像データを、画像バッファ175に書き込む。画像バッファ175に合成画像を書き込んだ後で、制御部110は、バックライト制御180およびLCD駆動190を制御し、調整後画像を電子ペーパ20に書き込む(ステップS14)。調整後画像を電子ペーパ20に書き込んだ後は、制御部110は、光照射を停止するようにバックライト制御180およびLCD駆動190を制御する。
【0056】
調整後画像が電子ペーパ20に書き込まれた後で、利用者は光ペン30を用いて、電子ペーパ20に追記を行う(ステップS15)。
【0057】
図14、図15および図16は、追記による明度の変化の一例を示す図である。図14は、図11の調整後画像に対して青で追記が行われた例を示している。以下、追記が行われた後の画像を「追記後画像」という。図15は、図12の調整後画像に対して赤で追記が行われた例を示している。図16は、図13の調整後画像に対して赤および青で追記が行われた例を示している。なお、明度調整により明度が調整される色と、光ペン30から照射される光の色とは同一でなくてもよい。例えば、図11の例のように赤および青の明度を調整した場合に、赤の単色光のみを照射する光ペンにより追記が行われてもよい。
【0058】
図6で説明したように、この例で、追記は反射率(明度)を減少させる態様で行われる。したがって、図11−13で例示されたように、追記に用いられる色の反射率が元画像においてある値よりも低い部分に関しては、本実施形態で説明した明度調整処理をしない場合、追記で反射率を減少させたとしてもその変化を視認することができず、追記された像を認識することが難しい。本実施形態の記録装置10によれば、追記に先立って行われる明度調整処理により、明度調整処理をしない場合と比較して追記による反射率の変化量が大きくなる。
【0059】
再び図10を参照する。光ペン30による追記が完了すると、利用者は、光ペン30の電源をオフにする(ステップS16)。電源をオフにするための操作が行なわれると、制御部335は、通信モジュール320および通信I/F120を介して、記録装置10に電源がオフになる旨を通知する。
【0060】
電源がオフになる旨を通知されると、記録装置10の制御部110は、追記後画像の再描画を行う(ステップS17)。詳細には以下のとおりである。追記が行われている間、制御部110は、デジタイザ125により検出された、光ペン30の位置を、光ペン30の軌跡として記憶する。また、制御部110は、光ペン30の軌跡とは別に、追記が行われている間も元画像の画像データを保持(記憶)し続けている。電源がオフになる旨を光ペン30から通知されると、記録装置10の制御部110は、光ペン30の奇跡と元画像とを合成した画像を生成する。以下のこの画像を「合成画像」という。制御部110は、合成画像を画像バッファ175に書き込む。画像バッファ175に合成画像を書き込んだ後で、制御部110は、バックライト制御180およびLCD駆動190を制御し、合成画像を電子ペーパ20に書き込む。
【0061】
明度調整処理を行うと、元画像において画像のコントラストが全体的に低下する場合があるが、追記後画像の再描画により、元画像のコントラストは維持したまま、光ペン30の軌跡が追加される。
【0062】
3.他の実施形態
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下で説明する変形例のうち2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。
【0063】
3−1.変形例1
前処理の具体例は、図11−13で説明した明度調整処理に限定されない。例えば、処理対象となる画素に対し、あらかじめ決められた明度(例えば百分率で50%、すなわちグレー階調)となるように明度を調整してもよい。あるいは、対象となる画素の明度を所定の割合で増加させる処理が前処理として行われてもよい。さらにあるいは、元画像の色相を変更する処理が前処理として行われてもよい。
【0064】
3−2.変形例2
追記後画像の再描画は省略されてもよい。すなわち、図10のステップS16およびS17の処理は省略されてもよい。この構成では、追記を行うと元画像のコントラストが追記前よりも低下する場合があるが、元画像のコントラストが重要で無い場合や、元画像よりも光ペン30の軌跡の方が重要度が高い場合などには有効である。
【0065】
3−3.変形例3
前処理(図10:ステップS13)を開始する契機となるイベントは、光ペン30の電源がオンになったこと(ステップS12)に限定されない。例えば、光ペン30と電子ペーパ20との距離が所定のしきい値以下になったことを契機として前処理が開始されてもよい。あるいは、記録装置10の操作パネル115に対して所定の操作が行われたことを契機として前処理が開始されてもよい。再描画(ステップS17)を開始する契機となるイベントについても同様である。例えば、光ペン30と電子ペーパ20との距離が所定のしきい値以上になったことを契機として再描画が開始されてもよい。
【0066】
3−4.変形例4
前処理の対象となる画素は、実施形態で説明したものに限定されない。例えば、すべての画素が前処理の対象となってもよい。
【0067】
3−5.変形例5
図8に示される機能構成を実現するための装置構成は、図7で示されるものに限定されない。要求される機能を実現できるものであれば、どのような構成の装置が用いられてもよい。例えば、光照射手段102は、バックライト185およびLCDパネル195に限定されない。発光色を変えられるバックライトと透過型モノクロ液晶パネルが、露光手段14として用いられてもよい。光ペン30についても同様である。
【0068】
3−6.変形例6
電子ペーパ20の具体的構成は、実施形態で説明したものに限定されない。電子ペーパ20は、例えば、一組の透明電極の間に、RGBの3つの液晶層を挟んだ構成を有していてもよい。あるいは、電子ペーパ20は、一組の透明電極の間に1つの液晶層を挟んだ光アドレス層を複数有していてもよい。また、液晶層の数も3つに限定されない。4層以上の液晶層が用いられてもよいし、モノクロ表示の電子ペーパであれば単一の液晶層が用いられてもよい。また、液晶層のしきい値の設計も図4で例示したものに限定されない。液晶層のしきい値は、表示層の構造や駆動方法に応じて設計される。
【0069】
3−7.変形例7
記録装置10または光ペン30による追記は、赤と青の2色によるものに限定されない。RGBの3色、またはいずれかの単色の追記が行われてもよい。あるいは、記録装置10と光ペン30とで異なる色の追記が行われてもよい。
【符号の説明】
【0070】
10…記録装置、20…電子ペーパ、21…フレーム、22…表示体、23…電極、24…RFタグ、30…光ペン、101…電圧印加手段、102…光照射手段、103…制御手段、104…取得手段、110…制御部、115…操作パネル、120…通信I/F、125…デジタイザ、130…RFタグリーダライタ、135…電源、140…着脱センサ、145…電極、150…リアルタイムクロック、155…環境温度履歴記録部、170…画像処理部、175…画像バッファ、180…バックライト制御、185…バックライト、190…LCD駆動、195…LCDパネル、210…保護層、215…透明電極、230…液晶層、235…透明電極、240…絶縁層、245…透明電極、255…感光層、260…液晶層、265…液晶層、270…透明電極、275…保護層、305…筐体、310…スイッチ、315…バッテリ、320…通信モジュール、325…アンテナ、330…加速度センサ、335…制御部、340…センサ、345…センサ、350…光源、355…導光路、360…レンズ、361…追記光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印加される電圧および照射される光に応じて反射率が変化し描画がされる表示層を有する表示媒体に、前記反射率を変化させる電圧を印加する電圧印加手段と、
前記表示媒体の裏面側から前記表示層に前記光を照射する光照射手段と、
前記表示媒体の表面側から前記表示層に前記光を照射する入力装置による前記描画の開始が指示されると、前記反射率を増加させる電圧を印加させ、前記反射率を増加させる電圧の印加と同期して前記光を照射させるよう前記電圧印加手段および前記光照射手段に対し第1の制御をし、前記第1の制御の後で、前記反射率を低下させる電圧を印加させ、前記光の照射を停止させるよう前記電圧印加手段および前記光照射手段に対し第2の制御をする制御手段と
を有する記録装置。
【請求項2】
前記表示層が、第1の波長帯の光を反射する第1の表示層と、前記第1の波長帯と異なる第2の波長帯の光を反射する第2の表示層とを有し、
前記制御手段は、前記第1の制御において、前記第1の表示層の反射率および前記第2の表示層の反射率を所定量増加させる電圧の印加および光の照射をするように前記電圧印加手段および前記光照射手段を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記表示層が、第1の波長帯の光を反射する第1の表示層と、前記第1の波長帯と異なる第2の波長帯の光を反射する第2の表示層とを有し、
前記制御手段は、前記第1の制御において、前記第1の表示層の反射率が第1のしきい値以下である部分の反射率を前記第1のしきい値まで増加させ、前記第2の表示層の反射率が第2のしきい値以下である部分の反射率を前記第2のしきい値まで増加させる電圧の印加および光の照射をするように、前記電圧印加手段および前記光照射手段を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項4】
前記表示層が、前記第1の波長帯および前記第2の波長帯と異なる第3の波長帯の光を反射する第3の表示層を有し、
前記制御手段は、前記第1の制御において、前記第1の表示層、前記第2の表示層および前記第3の表示層のうち2つの表示層の反射率を増加させるように、前記電圧印加手段および前記光照射手段を制御する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の記録装置。
【請求項5】
前記入力装置が前記表示媒体の表面上を移動した軌跡を取得する取得手段を有し、
前記制御手段は、前記第2の制御の後で、前記取得手段が取得した軌跡に応じて、前記表示層の反射率を変化させる電圧の印加および光の照射をするように前記電圧印加手段および前記光照射手段を制御する第3の制御をする
ことを特徴とする請求項1−4のいずれかの項に記載の記録装置。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−271414(P2010−271414A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−121216(P2009−121216)
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】