説明

記録装置

【課題】
動画が時間軸上で複数の動画ファイルで記録される場合に、どの動画ファイルからも撮影位置を参照できるようにする。
【解決手段】
操作部(110)の記録開始の指示に従い、制御部(102)は、撮像部(1010)による動画データを画像処理部(105)により符号化させる。制御部(102)はまた、記録制御部(106)に動画データを記録するための動画ファイルを作成させ、位置情報取得部(109)により位置情報を取得可能であれば、記録中の動画ファイルに付加する。記録中の動画ファイルが一定のサイズに達するとクローズして、新たな動画ファイルを作成する。位置情報を取得可能であれば、新たな動画ファイルに取得した位置情報を付加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録装置に関し、特に、動画の記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動画を撮影して記録媒体に記録する装置が知られている。動画をメモリカードなどのランダムアクセスの記録媒体に記録する装置では、記録媒体に記録した動画を、所定のファイルシステムに従い動画ファイルとして管理する。動画の撮影中に、記録中の動画ファイルのサイズ(データ量)がファイルシステムにより規定された上限のサイズに達すると、自動的にファイルを分割して動画の記録を続ける装置も知られている(例えば、特許文献1)。この場合、1回の撮影で複数の動画ファイルが作成され、記録される。
【0003】
近年では、GPS衛星からの電波を受信して自機位置を計測し、撮影された動画と共にその位置情報を記録する撮像装置も登場している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−273327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
動画撮影時に位置情報を記録する場合、従来の撮像装置は、撮影開始時に自機位置を取得して記録する。1回の撮影中に複数の動画ファイルが記録される場合であっても、位置情報は先頭の動画ファイルに付加されるだけである。
【0006】
この結果、1回の撮影中に記録された動画を構成する2つ目以降の動画ファイルを参照する場合には位置が判明せず、結局、先頭の動画ファイルを参照せざるを得ない。先頭の動画ファイルを参照できないとき、例えば、編集や再生エラー等で失われた場合には、位置が判明できないことになる。
【0007】
本発明はこの様な問題を解決し、1回の動画の記録で複数の動画ファイルが生成される場合に、どの動画ファイルからも位置情報を参照できるようにした記録装置を提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る記録装置は、記録装置であって、前記記録装置の位置情報を取得する位置情報取得手段と、動画データを動画ファイルとして記録媒体に記録する記録手段と、記録開始の指示に応じて、動画ファイルを作成して前記位置情報取得手段により取得された位置情報と共に前記動画ファイルの記録を開始し、前記動画ファイルの記録中に、記録中の動画ファイルのサイズがファイル分割閾値に達したことに応じて、記録中の動画ファイルをクローズし、新たに動画ファイルを作成して前記位置情報取得手段により取得された位置情報と共に新たに作成された前記動画ファイルを前記記録媒体に記録するよう、前記記録手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、1回の動画の記録中に複数の動画ファイルが記録された場合にも、位置情報を適切に記録可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例の概略構成ブロック図である。
【図2】動画ファイルの形式を示す図である。
【図3】記録処理を示すフローチャートである。
【図4】記録処理を示すフローチャートである。
【図5】記録処理を示すフローチャートである。
【図6】記録処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の一実施形例である記録装置100の概略構成ブロック図である。なお、記録装置100は、所定の記録フォーマットに従い動画信号を記録媒体107に記録する。また、記録媒体107に記録された動画信号及びその他の情報は、FAT(File Allocation Table)ファイルシステムに従いファイルとして管理される。
【0013】
撮像部101は被写体を撮影し、被写体を示す動画データを生成して出力する。撮像部101は、ズームレンズ、フォーカスレンズ及び絞り等の光学系、CCD等の撮像素子、撮像素子の出力画像信号をデジタルデータに変換するAD変換器などを有する。
【0014】
制御部102はマイクロコンピュータ及び必要なメモリを有し、不揮発メモリ103に記憶されたプログラムに従い、操作部110からのユーザ指示に応じて記録装置100の各部の動作を制御する。不揮発メモリ103は、制御部102の動作プログラム及び固定データを記憶する。揮発メモリ104は、制御部102による処理及び画像処理部105による処理のためにデータを一時記憶し、また、各種の必要なデータを記憶する。
【0015】
画像処理部105は、撮影された動画データを符号化してその情報量を圧縮する。記録制御部106は、制御部102からの指示に従い、圧縮された動画データ及び各種の情報を記録媒体107に記録再生する。記録媒体107は、メモリカード又はハードディスク(HDD)等のランダムアクセス可能な記録媒体である。本実施例では、記録媒体107は、フラッシュメモリを内蔵した交換可能なメモリカードである。ユーザは、不図示の装着排出機構により記録装置100に記録媒体を装着及び排出できる。
【0016】
表示部108は、制御部102からの指示に従い、動画像及び各種の情報を表示する。表示部108は液晶パネル等の公知の表示装置からなる。
【0017】
位置情報取得部109は、Global Positioning System(GPS:全地球測位システム)等の公知の衛星測位システムを用いて、記録装置100の地球上での現在位置座標(緯度、経度及び高度)を計測する。位置情報取得部109は、計測された位置座標を示す情報を制御部102に出力する。位置情報取得部109は、GPS衛星からの信号を受信する受信回路と、時間を計測する高精度な時計を備え、受信した信号と時計の出力とに基づいて公知の方法により位置座標を決定する。
【0018】
操作部110は、ユーザにより操作可能な電源スイッチ、動画像の撮影の開始停止を指示するトリガスイッチ及びメニュースイッチ等の各種のスイッチを備える。制御部102は、操作部110からのユーザの指示に従い各部を制御する。ユーザは、メニュースイッチを操作して表示部108にメニュー画面を表示させ、このメニュー画面を利用して記録装置100の動作モード及び動画記録時の圧縮モードなどを変更でき、その設定を変更できる。
【0019】
図2を参照して、記録装置100により記録される動画ファイルの形式を簡単に説明する。図2は、記録媒体107に記録される動画ファイルのファイル構成の模式図を示す。本実施例では、動画をMOV形式のファイルで記録する。
【0020】
MOVファイル201は、動画データに関連する情報が格納されるmoovアトム202と、符号化された動画データ(動画ストリームデータ)が格納されるmdatアトム203とから構成される。mdatアトム203は、複数のチャンク(chunk cN)207で構成される。各チャンク207は複数のサンプル(sample sM)208から構成される。
【0021】
moovアトム202は、metaアトム204、mvhdアトム205及びtrakアトム206を含む。metaアトム204は、ファイル全体の情報として、他の機器及びアプリケーション等でも取り扱えるような情報を含むメタ情報を格納する。mvhdアトム205は、動画撮影情報として作成日時及びトラック数が記録されるヘッダ情報を格納する。trakアトム206は、mdatアトム203に格納される動画ストリームデータに関する情報を格納する。trakアトム206には、stszアトム211、stscアトム212及びstcoアトム213が格納される。stszアトム211は、各サンプル208のサイズの情報を格納する。stscアトム212は、各チャンク内のサンプル数の情報を格納する。stcoアトム213は、mdatアトム203の各チャンクへのオフセット値の情報を格納する。
【0022】
metaアトム204には、格納されているメタ情報がどのような情報であるかを示すkeyアトム209と、それらのメタ情報をリストとして格納しているlistアトム210が格納される。本実施では、metaアトム204には、位置情報キーと位置情報のリストを格納する。
【0023】
図3は記録装置100の記録時の処理を示すフローチャートである。図3を参照して、本実施例の撮影時の処理を説明する。図3に示す処理は、制御部102が各部を制御することにより実現される。
【0024】
操作部110により記録装置100の電源が投入されると、制御部102は記録装置100の各部を制御して、撮像部101により得られた動画データに応じた被写体の動画像を表示部108に表示し、記録待機状態となる。本実施例では、記録する動画の各フレームの画面サイズ(画素数)を複数の画面サイズの一つに設定することができる。
【0025】
この状態で、操作部110により記録開始の指示があると、図3の処理が開始される。制御部102は、まず、記録制御部106に対し、新たに動画データを記録するための動画ファイルを作成する様に指示する(S301)。この指示に応じて、記録制御部106は、記録媒体107に動画ファイルを作成する。
【0026】
次に、制御部102は、位置情報取得部109により位置情報が取得可能であるか否かを判別する(S302)。本実施例では、制御部102は、電源投入に応じて測位を開始するように位置情報取得部109に指示する。そして、記録装置100の電源が投入されている間、位置情報取得部109は、GPS衛星からの信号を継続して受信し、測位を行う。ただし、記録装置100が地下や、ビルなどの物陰にあるなどの理由により、GPS衛星からの信号を受信できないときには位置座標を決定できないことがある。そこで、S302では、制御部102が位置情報取得部109に位置情報を取得可能か否かを問い合わせることにより、位置情報を取得可能か否かを判別する。位置情報を取得できない場合(S302)、位置情報取得部109は制御部102に位置情報取を取得できない旨の応答を送る。位置情報を取得可能な場合(S302)、位置情報取得部109は、制御部102に対して位置情報を送る。
【0027】
制御部102は、位置情報取得部109から位置情報が送られた場合、これを取得し(S303)、図2に示すmetaアトム204に記録するよう、記録制御部106に指示する。記録制御部106は、作成された動画ファイルにおけるmetaアトム204に位置情報を格納し、記録媒体107に記録する(S304)。位置情報取得部109が位置情報を取得できなかった場合(S302)、記録制御部106は、metaアトム204に位置情報を格納すること無く、動画ファイルを記録媒体107に記録する。
【0028】
制御部102は、撮像部101により得られた動画データを画像処理部105により圧縮し、圧縮動画データを一旦、揮発メモリ104に記憶する。制御部102は、圧縮動画データを所定のタイミングで揮発メモリ104から読み出し、記録制御部106に送る。制御部102は記録制御部106を制御して、揮発メモリ104から読み出した圧縮動画データを動画ファイルとして図2に示すファイル構成に従い記録媒体107に記録させる(S305)。
【0029】
本実施例では、記録媒体107に記録可能な動画データのデータレートは、圧縮動画データのデータレートよりも大きい。そのため、圧縮動画データを一旦、揮発メモリ104に記憶する。そして、制御部102は、決められたタイミングで未記録の圧縮動画データを揮発メモリ104より読み出し、記録制御部106に送る。一回の読み出し書き込み処理では、所定量の未記録の圧縮動画データが揮発メモリ104から読み出されて記録媒体107に記録される。
【0030】
この様に動画ファイルの記録を開始した後、制御部102は、操作部110から記録停止の指示を受けたか否かを判別する(S306)。記録停止の指示を受けた場合(S306)、制御部102は、記録制御部106に記録停止を指示する。記録制御部106は、記録停止の指示を受けると、記録媒体107への圧縮動画データの記録を停止して、記録中の動画ファイルをクローズする(S307)。このとき、図2に示すファイル構成の形式に従い、moovアトム202に必要なデータを記録してからファイルをクローズする。また、制御部102は、記録媒体107への動画ファイルの記録が停止されると、記録媒体107のファイルシステムの管理情報の内容を更新する。
【0031】
記録停止の指示が無い場合(S306)、制御部102は、記録中の動画ファイルのサイズ(データ量)がファイル分割のための閾値(ファイル分割閾値)に達したか否かを判別する(S308)。本実施例では、記録中の動画ファイルのサイズがファイルシステムにより規定された上限サイズに達すると、記録中の動画ファイルをクローズし、新たに動画ファイルをオープンして動画の記録を継続する。例えば、FAT32の場合には、上限のサイズが4ギガバイト(GB)である。制御部102は、記録中の動画ファイルのファイルサイズをその記録開始から継続的にチェックしている。そして、制御部102は、揮発メモリ104からの1回の圧縮動画データの書き込みが完了する度に、記録中の動画ファイルのサイズが上限サイズに基づいて決定したファイル分割閾値に達したか否かを判別する。ファイル分割閾値は、ファイルシステムで規定された上限サイズよりも少ないサイズである。
【0032】
記録中の動画ファイルのサイズがファイル分割閾値に達していない場合(S308)、制御部102は、同じ動画ファイルへの記録を継続する。また、記録中の動画ファイルのサイズがファイル分割閾値に達していた場合(S308)、制御部102は、記録制御部106を制御して、記録中の動画ファイルをクローズさせ(S309)、新たな動画ファイルを作成させる(S310)。
【0033】
新たな動画ファイルを作成すると(S310)、制御部102は、位置情報取得部109により位置情報が取得可能であるか否かを判別する(S311)。位置情報が取得可能である場合(S311)、制御部102は、前述の様に、位置情報取得部109から位置情報を取得する(S303)。そして、制御部102は、記録制御部106に指示して、新たに作成された動画ファイルのmetaアトム204に位置情報を記録させる(S304)。一方、位置情報が取得できなかい場合(S311)、制御部102は、metaアトム204に位置情報を格納すること無く、動画ファイルに圧縮動画データを追記するように記録制御部106に指示する。
【0034】
この様に、本実施例では、動画撮影中に、記録中の動画ファイルのサイズが上限サイズに達する度に動画ファイルを分割し、新たに動画ファイルを作成する場合、位置情報を取得して新たな動画ファイルに記録する。この結果、1回の撮影の動画が時間軸方向で複数の動画ファイルに分割して記録されるとしても、各動画ファイルに位置情報が付加されており、個々の動画ファイルのみで撮影時の位置を決定できる。
【実施例2】
【0035】
図4は、図1に示す実施例の別の動画撮影時の処理を示すフローチャートである。図4において、S401−S407及びS412−S414の処理はそれぞれ、図3のS301−S307及びS308−S310の処理と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0036】
S406において、動画ファイルの記録中に記録停止の指示を受けなかった場合、制御部102は、記録中の動画ファイルのサイズがファイル分割の余裕サイズ(第2の値)に達したか否かを判別する(S408)。本実施例では、余裕サイズは、ファイル分割閾値よりも所定量少ない値とした。例えば、余裕サイズとして、ファイルシステムで規定された上限サイズよりも所定値だけ少ない値を設定する。例えば、ファイルシステムで規定された上限サイズが4GBの場合、余裕サイズを3.5GBに設定する。或いは、数秒から数分の圧縮動画データに対応するデータ量を上限サイズより減算した値を、余裕サイズとする。この場合には、圧縮動画データのデータレートにより余裕サイズを決定することになる。また、ファイル分割閾値よりも少ない値であれば、これ以外の値を余裕サイズとして設定してもよい。その際、余裕サイズは上限サイズと近い値であり、ファイルが分割されても問題無いとユーザが判断できるサイズとすることが望ましい。
【0037】
記録中の動画ファイルのサイズが分割の余裕サイズに達していない場合(S408)、制御部102は、記録中の動画ファイルへの圧縮動画データの記録を継続する。記録中の動画ファイルのサイズが分割の余裕サイズに達していた場合(S408)、制御部102は、位置情報取得部109により位置情報が取得可能であるか否かを判別する(S409)。位置情報を取得可能な場合(S409)、制御部102は記録制御部106に指示して、記録中の動画ファイルをクローズさせ(S410)、新たに動画ファイルを作成させる(S411)。そして、制御部102は、S403に戻り、位置情報取得部109により取得された位置情報を新たに作成された動画ファイルのmetaアトム204に記録するように記録制御部106に指示する。
【0038】
位置情報を取得できない場合(S409)、制御部102は、記録中の動画ファイルのサイズがファイル分割閾値に達したか否かを判別する(S412)。ファイル分割閾値に達していない場合(S412)、制御部102は、S405に戻って動画ファイルの記録を継続する。
【0039】
本実施例では、ファイル分割閾値よりも小さい余裕サイズの段階で、位置情報を取得し、位置情報を取得できない場合には、ファイル分割閾値に達するまで位置情報取得を試行する。そして、位置情報を取得できた場合、又は、位置情報を取得できずにファイル分割閾値に到達した場合に、ファイル分割を実行する。これより位置情報を取得しにくい撮影環境であっても、可能な限り各動画ファイルに位置情報を埋め込むことが可能になる。
【実施例3】
【0040】
図5は、図1に示す実施例の更に別の動画撮影時の処理を示すフローチャートである。図4において、S501−S514の処理は、図4のS401−S414の処理と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0041】
本実施例でも、位置情報を取得できずに記録中の動画ファイルのサイズがファイル分割閾値に達してした場合(S509,S512)、記録中の動画ファイルをクローズして、新たな動画ファイルを作成する(S514)。本実施例では、更に、制御部102は、以前に記録された何れかの動画ファイルに位置情報を付加して記録済みか否かを判別する(S515)。すなわち、制御部102は、記録開始の指示の後に作成された1以上の動画ファイルのうちの何れかの動画ファイルに位置情報が付加されているか否かを判別する。
【0042】
先行記録された動画ファイルの何れかに位置情報が付加されていた場合(S515)、制御部102は、位置情報が付加された動画ファイルのうち最も後に作成された動画ファイルの位置情報を読み出すように記録制御部106に指示する。記録制御部106は、指定された動画ファイルのmetaアトム204に付加された位置情報を読み出し、制御部102に送る(S516)。制御部102は、記録制御部106からの位置情報を、S514で新たに作成した動画ファイルのmetaアトム204に付加して記録する様に記録制御部106に指示する。記録制御部106は、制御部102の指示に従い、新たに作成した動画ファイルに位置情報を付加して記録する(S517)。
【0043】
記録開始の指示の後に作成された1以上の動画ファイルの何れにも位置情報が付加されていない場合(S515)、制御部102は、位置情報を新たな動画ファイルに付加すること無く、新たな動画ファイルへの圧縮動画データの記録を実行する(S505)。
【0044】
本実施例では、動画ファイルの切り替え時に位置情報を取得できない場合でも、位置情報を有する記録済みの動画ファイルから位置情報を取得して、新たな動画ファイルに付加する。このような処理により、各動画ファイルに位置情報を付加できない可能性を低減できる。
【実施例4】
【0045】
図6は、図1に示す実施例の更に別の動画撮影時の処理を示すフローチャートである。図6において、S601−S611及びS613−S618の処理はそれぞれ、図5のS501−S511及びS512−S517の処理と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0046】
記録中の動画ファイルが分割の余裕サイズに達するまでに(S608)、制御部102は、記録中の動画ファイルに、第3実施例で説明したように分割前の動画ファイルの位置情報を記録しているか否かを判別する(S612)。
【0047】
記録中の動画ファイルにS609で取得された位置情報を記録していた場合、制御部102は、その動画ファイルの記録を継続する(S605)。また、記録中の動画ファイルに分割前の動画ファイルの位置情報を付加していた場合、制御部102は、位置情報取得部109による位置情報取得が可能か否かを判別する(S602)。そして、位置情報が取得できた場合、制御部102は、記録中の動画ファイルに付加されている位置情報を、新たに取得された位置情報に変更するように記録制御部106に指示する。記録制御部106は、記録中の動画ファイルのmetaアトム204に格納された位置情報を、S603で新たに取得された位置情報に変更する。また、位置情報取得部109により位置情報を取得できない場合には、そのまま動画ファイルの記録を継続する。
【0048】
本実施例では、分割前に記録された動画ファイルに付加された位置情報を新たな動画ファイルに記録している場合にも、可能な限り、現在の位置情報を取得し動画ファイルに記録しようとする。つまり、ファイル作成時に位置情報が取得できなくても、その後に取得できた位置情報を動画ファイルに付加する。
【0049】
動画ファイルがファイル分割閾値に達したときに位置情報が取得できなかった場合、第3実施例と同様に、ファイル分割前に記録された動画ファイルに付加された位置情報を新たな動画ファイルに付加してもよい。
【0050】
また、第1実施例でも、第4実施例と同様に、分割前に記録された動画ファイルに付加された位置情報を新たな動画ファイルに付加していた場合、動画ファイルの記録中も繰り返し位置情報を取得できたか否かを判別してもよい。そして、位置情報を取得できた時点で、記録中の動画ファイルに付加されている位置情報を、新たに取得され位置情報に変更する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録装置であって、
前記記録装置の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
動画データを動画ファイルとして記録媒体に記録する記録手段と、
記録開始の指示に応じて、動画ファイルを作成して前記位置情報取得手段により取得された位置情報と共に前記動画ファイルの記録を開始し、前記動画ファイルの記録中に、記録中の動画ファイルのサイズがファイル分割閾値に達したことに応じて、記録中の動画ファイルをクローズし、新たに動画ファイルを作成して前記位置情報取得手段により取得された位置情報と共に新たに作成された前記動画ファイルを前記記録媒体に記録するよう、前記記録手段を制御する制御手段
とを備えることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記制御手段は、記録中の前記動画ファイルのサイズが前記ファイル分割閾値よりも小さい余裕サイズに達したことに応じて、前記位置情報取得手段が前記位置情報を取得可能か否かを判別し、前記位置情報を取得できた場合には、記録中の前記動画ファイルをクローズし、新たに動画ファイルを作成して前記取得手段により取得された位置情報と共に新たに作成された前記動画ファイルを前記記録媒体に記録するように前記記録手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記制御手段は、記録中の前記動画ファイルのサイズが前記余裕サイズに達したことに応じて前記位置情報を取得できないと判別した場合、記録中の前記動画ファイルのサイズが前記ファイル分割閾値に達するまでの間に前記取得手段により前記位置情報が取得できるようになったことに応じて、記録中の前記動画ファイルをクローズし、新たに動画ファイルを作成して前記位置情報取得手段により取得された位置情報と共に新たに作成された前記動画ファイルを前記記録媒体に記録するように前記記録手段を制御することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記制御手段は、記録中の前記動画ファイルのサイズが前記ファイル分割閾値に達するまでの間に前記位置情報取得手段により前記位置情報が取得できなかった場合、記録中の前記動画ファイルをクローズし、新たに動画ファイルを作成して、前記新たに作成された前記動画ファイルに前記位置情報を付加せずに前記記録媒体に記録するように前記記録手段を制御することを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
前記制御手段は、記録中の前記動画ファイルのサイズが前記ファイル分割閾値に達したことに応じて前記位置情報取得手段により前記位置情報を取得できなかった場合、記録中の動画ファイルをクローズして新たに動画ファイルを作成し、前記記録開始の指示の後に記録された1以上の動画ファイルの何れかに付加された位置情報と共に新たに作成された動画ファイルを記録するように前記記録手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記記録開始の指示の後に記録された1以上の動画ファイルの何れかに付加された位置情報と共に新たに作成された動画ファイルを記録した場合、前記新たに作成された動画ファイルの記録中に、新たに前記位置情報取得手段により前記位置情報が取得されたことに応じて、前記新たに作成された動画ファイルに付加された位置情報を、前記新たに取得された位置情報に変更するように前記記録手段を制御することを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
【請求項7】
前記位置情報取得手段は、衛星測位システムを用いて前記記録装置の位置を計測することにより前記位置情報を取得することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の記録装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−257131(P2012−257131A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129719(P2011−129719)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】