説明

記録装置

【課題】記録媒体を1周以上回転させて記録ヘッドと対向する位置へ複数回搬送する場合
における、複数枚の連続記録のスループットを向上させる。
【解決手段】記録装置100は、円筒状の外周面104で用紙Pを保持し、回転軸まわり
に回転する回転ドラム102と、回転ドラム102の外周面104に対向して配され、回
転ドラム102に保持された用紙Pに対してインクを吐出して記録する記録ヘッド110
とを備える。回転ドラム102は、外周面104において、複数の用紙Pを回転方向に並
べて保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置及び記録方法に関する。本発明は、特に、回転ドラムに保持された
記録媒体にインクを吐出して記録する記録装置及び記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
記録媒体を回転ドラムの周面に吸着させた状態で回転ドラムを1周以上回転させ、記録
媒体を記録ヘッドと対向する位置に複数回搬送する記録装置が知られている(例えば、特
許文献1参照)。この記録装置では、回転ドラムが記録媒体を保持した状態で1周する度
に、記録媒体に形成するインクドットの位置を、回転ドラムの回転方向又は幅方向にノズ
ルのピッチ未満の微小ピッチずつずらす。これにより、インクドットを高密度化して高解
像度化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−235849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記記録装置では、1枚の記録媒体を回転ドラムにより1周以上回転さ
せる間、後続の記録媒体への記録を開始できない。よって、複数枚を連続的に記録する場
合に、スループットが低下する。そこで本発明では、記録媒体を回転ドラムにより1周以
上回転させて記録ヘッドと対向する位置へ複数回搬送する場合における、複数枚の連続記
録のスループットを向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態に係る記録装置は、円筒状の外周面で
記録媒体を保持し、回転軸まわりに回転する回転ドラムと、前記回転ドラムの外周面に対
向して配され、前記回転ドラムに保持された記録媒体に対してインクを吐出して記録する
記録ヘッドと、を備え、前記回転ドラムは、前記外周面で、複数の記録媒体を回転方向に
並べて保持する。これにより、先に回転ドラムへ送られ記録ヘッドにより記録された記録
媒体を回転ドラムにより回転させている間に、後続の記録媒体を回転ドラムにより記録ヘ
ッドと対向する位置へ搬送して当該記録媒体の記録を実施できる。従って、記録媒体を1
周以上回転させて記録ヘッドと対向する位置へ複数回搬送する場合における、複数枚の連
続印刷のスループットを向上できる。また、記録媒体が自身の反力により回転ドラムから
離れることを防止するべく、回転ドラムの外周面の曲率を下げた場合には、外周面の周長
が延長されるが、上記記録装置によれば、外周面の延長されたスペースで記録媒体を保持
するので、外周面の延長されたスペースを有効に利用できる。
【0006】
上記記録装置において、前記回転ドラムは、記録媒体を前記記録ヘッドと対向する位置
に複数回搬送し、前記記録ヘッドは、前記回転ドラムの回転軸方向に並んだ複数のノズル
により形成されたノズル列を、前記回転ドラムの回転方向に複数列備えており、前記回転
ドラムにより対向する位置に再送された記録媒体へ、前回の記録で形成したインクドット
に対して前記回転ドラムの回転方向にずらしてインクを吐出してもよい。これにより、イ
ンクドットを高密度化させて解像度を向上させると共に、複数枚の連続記録のスループッ
トを向上させることができる。
【0007】
上記記録装置において、前記記録ヘッドに対して前記回転ドラムを挟んだ反対側の位置
に、記録媒体に着弾したインクを乾燥させる乾燥部が配される。これにより、記録ヘッド
から乾燥部までの回転ドラムの回転方向に沿った距離を、最大限離すことができるので、
乾燥部の発熱による記録ヘッドの周囲の温度上昇を抑制でき、記録ヘッド内のインクの乾
燥によるノズルの目詰まりを抑制できる。
【0008】
上記記録装置において、前記回転ドラムは、前記複数の記録媒体として、第一の記録媒
体と第二の記録媒体とを保持し、前記第一の記録媒体における回転方向下流端と前記第二
の記録媒体における回転方向上流端との間隔は、前記第二の記録媒体における回転方向下
流端と前記第一の記録媒体における回転方向上流端との間隔よりも広く、前記第一の記録
媒体における回転方向下流端と前記第二の記録媒体における回転方向上流端との間に、前
記記録ヘッドから予備吐出されたインクを受け取るインク受け部が配されてもよい。これ
により、記録ヘッドが予備吐出している間の記録処理の中断を要しないので、複数枚の連
続印刷のスループットを向上できる。また、第一の記録媒体における回転方向下流端と第
二の記録媒体における回転方向上流端との間隔を、インク受け部の設置スペースが不要な
分、狭くできるので、回転ドラムの周長を短縮でき、回転ドラムを小型化できる。
【0009】
上記記録装置において、前記回転ドラムには、前記外周面と共に前記第一の記録媒体お
よび前記第二の記録媒体の先端をそれぞれ挟み持つ一対の保持部が配され、前記一対の保
持部のそれぞれは、外周面の内周側に配された軸部材、および、前記軸部材に揺動可能に
支持され、前記回転ドラムの幅方向に沿って配列された複数の爪部材を備え前記複数の爪
部材の端部は、前記外周面に形成された貫通孔から前記回転ドラムの外側へ突出すると共
に前記回転ドラムの回転方向上流側へ屈曲しており、前記回転ドラムの回転方向上流側へ
付勢される。これにより簡便な構成で複数の記録媒体を保持および解除することができる

【0010】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また
、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】一実施形態に係る記録装置100の概略構成を示す側面図である。
【図2】記録装置100のインク受け部126の概略構成を示す側面図である。
【図3】(A)、(B)は、記録ヘッド110におけるノズル128の配列と、ベタ印字の場合におけるインクドット130の配列とを示す概略図である。
【図4】他の実施形態に係る記録装置100の概略構成を示す側面図である。
【図5】他の実施形態に係る記録装置100の概略構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範
囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組
み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
図1は、一実施形態に係るインクジェット式の記録装置100の概略構成を示す側面図
である。この図に示すように、記録装置100は、円筒状の外周面104を有する回転ド
ラム102と、外周面104に対向して配された複数の記録ヘッド110とを備える。外
周面104の全域には、複数の貫通孔が縦横に形成される。回転ドラム102の内周側に
は、外周面104の貫通孔を通じて吸引する吸引部114が配される。当該吸引部114
により貫通孔に負圧が発生され、この負圧により用紙Pが外周面104に吸着される。従
って、回転ドラム102が回転することにより、用紙Pが回転ドラム102の回転軸周り
に回転して複数の記録ヘッド110と対向する位置(以下、記録位置という)を通過する

【0014】
複数の記録ヘッド110は、回転ドラム102の上側に、回転ドラム102の回転方向
に沿って配列される。各記録ヘッド110は、それぞれ黒(K)、シアン(C)、マゼン
タ(M)、イエロー(Y)のインクを外周面104に吸着した用紙Pへ向けて吐出する。
【0015】
回転ドラム102より搬送方向上流側に、ゲートローラ116が配される。ゲートロー
ラ116は、回転ドラム102の回転軸の側方に、外周面104に近接して配される。当
該ゲートローラ116は、用紙Pを回転ドラム102の外周面104へ搬送する。ゲート
ローラ116より搬送方向下流側、且つ、記録ヘッド110より搬送方向上流側に、押さ
えローラ118が配される。押さえローラ118は、外周面104に圧接されており、用
紙Pを外周面104に押し付ける。
【0016】
押さえローラ118より搬送方向下流側、且つ、記録ヘッド110より搬送方向上流側
に、用紙検出センサ106が配される。用紙検出センサ106により用紙Pの先端(回転
方向上流端)が検出されると、記録ヘッド110が、予め定められた時間が経過した後に
、インクの吐出を開始する。
【0017】
回転ドラム102には、外周面104と共に用紙Pの先端を挟み持つ保持部120が一
対配される。一対の保持部120の一方と他方とは、回転ドラム102の回転軸に対して
略対称に配される。一方の保持部120から他方の保持部120までの回転方向に沿った
距離と、他方の保持部120から一方の保持部120までの回転方向に沿った距離とは、
共に、外周面104の周長DLの約1/2である。各保持部120は、回転ドラム102
の幅方向に沿って配列された複数の爪部材122を備える。
【0018】
爪部材122は、軸部材124に揺動可能に支持される。軸部材124は、外周面10
4の内周側に配される。爪部材122の揺動端部は、外周面104に形成された貫通孔か
ら回転ドラム102の外側へ突出する。この揺動端部には、回転ドラム102の回転方向
上流側へ屈曲した爪部が形成される。
【0019】
爪部材122が回転ドラム102の回転方向上流側へ付勢されることにより、爪部材1
22の爪部が外周面104に圧接される。これにより用紙Pの先端は、互いに圧接された
爪部材122の爪部と外周面104とにより狭持される。爪部材122は、カム機構等の
保持解除機構により、付勢力に抗して回転方向下流側へ変位する。これにより、爪部材1
22が用紙Pの先端から離間して、用紙Pの先端の保持が解除される。
【0020】
本実施形態において通紙可能な最大サイズ(例えば、A2サイズ)の用紙Pの縦長をP
L、用紙間距離をWとした場合、PL、W、DL、及び整数Nは、下記(1)式を満足す
る。ただし、Nは2以上であって、本実施形態は2である。即ち、外周面104の周長D
Lは、N枚の通紙可能な最大サイズの用紙Pを回転方向に間隔Wで並べることができるよ
うに設定される。
DL>N×(PL+W)…(1)
【0021】
回転ドラム102の内周側には、回転ドラム102の回転位相に応じたエンコーダ信号
を出力するエンコーダ140が配される。記録ヘッド110の駆動を制御する記録制御部
は、エンコーダ140から出力されるエンコーダ信号を基準に、インクの吐出タイミング
を制御する。
【0022】
回転ドラム102には、複数のインク受け部126が配される。本実施形態ではインク
受け部126が2個設けられる。図2には、インク受け部126が拡大して示されている
。この図に示すように、インク受け部126は、外周面104より内周側に配される。外
周面104にはインク受け部126に面して貫通孔が形成される。これにより、インク受
け部126は、この貫通孔を通じて外周面104に露出する。インク受け部126には、
スポンジ等の液体吸収部材が備えられる。これにより、記録ヘッド110からインク受け
部126へ吐出されたインクは、液体吸収部材に吸収される。
【0023】
記録ヘッド110は、用紙Pへの記録を開始する前に、気泡の除去、増粘したインクの
除去等を目的としたインク吐出、所謂予備吐出(フラッシング)を実施する。記録ヘッド
110は、インク受け部126へ向けて予備吐出する。
【0024】
図3(A)および(B)は、記録ヘッド110におけるノズル128の配列と、ベタ印
字の場合におけるインクドット130の配列とを示す概略図である。この図に示すように
、記録ヘッド110には、回転ドラム102の回転軸方向(すなわち用紙幅方向)に並ん
だ複数のノズル128によりノズル列132が形成される。さらのこのノズル列132が
、回転方向にM列配される。ここで、Mは1より大きい整数で、本実施形態では2である
。ノズル列132を形成するノズル128は、ピッチP0で用紙幅方向へ配列される。
【0025】
搬送方向に隣り合ったノズル列132は、P0/M分(本実施形態では、P0/2)、
用紙幅方向にずらして配される。これにより記録ヘッド110は、ノズル128の用紙幅
方向のピッチP0より狭いピッチP1(=P0/M)で、用紙幅方向にインクドット13
0を形成する。
【0026】
ここで、本実施形態の記録装置100は、まず用紙Pを回転ドラム102へ搬送し、搬
送された用紙Pの先端を保持部120が保持する。さらに記録装置100は、保持部12
0に保持された用紙Pを、複数の記録ヘッド110の記録位置へ搬送して記録する。その
後に、記録装置100は、保持部120による用紙Pの先端の保持を解除することなく回
転ドラム102を回転させる。これにより、用紙Pを複数の記録ヘッド110の記録位置
へ再送する。そして、当該用紙Pに対して再度の記録を実施する。
【0027】
図3(A)に示すように、全てのノズル128からインクを吐出するベタ印字を実施す
る場合、1パス目の記録では、インクドット130を、用紙幅方向にピッチP1で、搬送
方向にピッチP2で形成する。ここで、ピッチP1とピッチP2とを同一にする。
【0028】
そして、図3(B)に示すように、Mパス目の記録では、インクドット130を、前回
のパスの位置に対して、搬送方向に、P2/M分(本実施形態では、P2/2)、回転方
向にずらして形成する。これにより、Mパス目の記録が終了した段階で、インクドット1
30を、回転方向にピッチP2/Mで形成できる。従って、各パスで形成するインクドッ
ト130の密度を上げることなく、記録終了後のインクドット130の密度を高めること
ができる。これにより、用紙Pに対して、一斉にインク滴を高密に着弾させることにより
生じる滲みを抑制すると共に、高解像度化することができる。また、同色の印字について
は、単一の記録ヘッド110により実施されるので、複数の記録ヘッド110により同色
の印字を実施する場合に生じるインクの特性差による色再現性の低下を抑制できる。
【0029】
本実施形態の記録装置100は、保持部120により先端を保持された1枚目の用紙P
に対して1パス目の記録を実施している間に、2枚目の用紙Pを回転ドラム102へ搬送
する。ここで、1枚目の用紙Pにおける後端と2枚目の用紙Pにおける先端との間隔が、
上記用紙間距離Wとなる。
【0030】
次に、1パス目の記録をされた1枚目の用紙Pを回転させている間に、2枚目の用紙P
を記録ヘッド110の記録位置へ搬送して1パス目の記録を実施する。そして、1パス目
の記録をされた2枚目の用紙Pを回転させている間に、1枚目の用紙Pを記録ヘッド11
0の記録位置へ再送して2パス目の記録を実施する。
【0031】
次に、保持部120による1枚目の用紙Pの保持、及び吸引部114による1枚目の用
紙Pの吸引を解除して、1枚目の用紙Pを回転ドラム102の搬送方向下流側へ搬送する
と共に、2枚目の用紙Pを記録ヘッド110の記録位置へ再送して2パス目の記録を実施
する。そして、保持部120による2枚目の用紙Pの保持、及び吸引部114による2枚
目の用紙Pの吸引を解除して、2枚目の用紙Pを回転ドラム102の搬送方向下流側へ搬
送すると共に、3枚目の用紙Pを回転ドラム102へ搬送して1パス目の記録を実施する
。以下、上述した1枚目と2枚目との用紙Pの記録と同様の処理が、連続印刷の終了まで
繰り返される。
【0032】
以上、本実施形態では、回転ドラム102が、複数の用紙Pを外周面104の回転方向
に並べて保持する。これにより、先に回転ドラム102へ送られ記録ヘッド110により
記録された用紙Pを、回転ドラム102により回転させている間に、後続の用紙Pを回転
ドラム102により記録ヘッド110の記録位置へ搬送して当該後続の用紙Pへ記録する
ことができる。従って、用紙Pを1周以上回転させて記録ヘッド110の記録位置へ複数
回搬送する場合における、複数枚の連続印刷のスループットを向上できる。また、用紙P
が自身の反力により回転ドラム102から離れることを防止するべく、回転ドラム102
の外周面104の曲率を下げた場合には、外周面104の周長が延長されるが、本実施形
態によれば、外周面104の延長されたスペースで用紙Pを保持するので、外周面104
の延長されたスペースを有効に利用できる。
【0033】
また、本実施形態では、記録ヘッド110には、用紙幅方向に並んだ複数のノズル12
8により形成されるノズル列132が、回転方向に複数配される。これにより、記録ヘッ
ド110が、1パス目の記録で形成したインクドット130から回転方向へずれた位置に
インクを吐出する。よって、インクドット130を高密度化させて解像度を向上させると
共に、複数枚の連続印刷のスループットを向上させることができる。
【0034】
次に、他の実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同様の構成には同一の符
号を付すと共に説明は省略する。
【0035】
図4は、他の実施形態に係る記録装置200の概略構成の側面図である。この図に示す
ように、記録装置200は、用紙Pに着弾したインクを乾燥させる乾燥部202を備える
。記録ヘッド110が吐出するインクには紫外線硬化剤が含有されている場合に、乾燥部
202の一例は紫外線を照射するランプである。
【0036】
乾燥部202は、記録ヘッド110に対して回転ドラム102を挟んだ反対側の位置、
即ち、回転ドラム102の下側に配される。当該乾燥部202は、外周面104に吸着さ
れた用紙Pに向けて紫外線を照射する。これにより、用紙Pに着弾したインクに含有され
た紫外線硬化剤が硬化して、当該インクが乾燥する。よって、2パス目にインク滴が用紙
Pに着弾した後に用紙Pに生じる滲みを抑制できる。
【0037】
ここで、本実施形態では、乾燥部202と記録ヘッド110との回転方向に沿った距離
を最大限離すと共に、乾燥部202と記録ヘッド110との間に回転ドラム102を介在
させている。これにより、乾燥部202の発熱による記録ヘッド110の周囲の温度上昇
を抑制でき、記録ヘッド110内のインクの乾燥によるノズル128の目詰まりを抑制で
きる。
【0038】
なお、本実施形態では、乾燥部202は紫外線照射型のランプであって、紫外線硬化剤
を含有するインクに紫外線を照射することにより、インクを乾燥させた。しかし、例えば
、乾燥部202をヒータランプとして、インクを加熱してインク中の溶媒を蒸発させるこ
とにより、インクを乾燥させる等してもよい。
【0039】
図5は、他の実施形態に係る記録装置300の概略構成を示す側面図である。この図に
示すように、記録装置300は、回転ドラム302を備える。回転ドラム302は、第一
の記録媒体としての用紙P1と第二の記録媒体としての用紙P2とを外周面304で保持
して回転する。
【0040】
ここで、用紙P1の先端と用紙P2の後端との間隔W1は、用紙P2の先端と用紙P1
の後端との間隔W2よりも広い。さらに、インク受け部126が、用紙P1の先端と用紙
P2の後端との間に配されている。これにより、用紙P1の先端と用紙P2の後端との間
が、記録ヘッド110の記録位置を通過している間に、記録ヘッド110の回復処理を実
施できる。よって、回復処理を実施している間の記録の中断を要しないので、複数枚の連
続印刷のスループットを向上できる。
【0041】
用紙P1の先端と用紙P2の後端との間隔W1を、インク受け部126の設置スペース
を確保できる広さとする一方、用紙P2の先端と用紙P1の後端との間隔W2を、インク
受け部126の設置スペースが不要な分、狭くしている。これにより、回転ドラム102
の周長を短縮でき、回転ドラム102を小型化できる。
【0042】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態
に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えること
が可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発
明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0043】
100 記録装置、102 回転ドラム、104 外周面、106 用紙検出センサ、
110 記録ヘッド、114 吸引部、116 ゲートローラ、118 押さえローラ、
120 保持部、122 爪部材、124 軸部材、126 インク受け部、128 ノ
ズル、130 インクドット、132 ノズル列、140 エンコーダ、200 記録装
置、202 乾燥部、300 記録装置、302 回転ドラム、304 外周面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の外周面で記録媒体を保持し、回転軸まわりに回転する回転ドラムと、
前記回転ドラムの外周面に対向して配され、前記回転ドラムに保持された記録媒体に対
してインクを吐出して記録する記録ヘッドと、を備え、
前記回転ドラムは、第一の記録媒体と第二の記録媒体とを回転方向に並べて保持し、
前記第一の記録媒体における回転方向下流端と前記第二の記録媒体における回転方向上
流端との間隔は、前記第二の記録媒体における回転方向下流端と前記第一の記録媒体にお
ける回転方向上流端との間隔よりも広く、前記第一の記録媒体における回転方向下流端と
前記第二の記録媒体における回転方向上流端との間に、前記記録ヘッドから予備吐出され
たインクを受け取るインク受け部が配される記録装置。
【請求項2】
前記回転ドラムには、前記外周面と共に前記第一の記録媒体および前記第二の記録媒体
の先端をそれぞれ挟み持つ一対の保持部が配され、
前記一対の保持部のそれぞれは、外周面の内周側に配された軸部材、および、前記軸部
材に揺動可能に支持され、前記回転ドラムの幅方向に沿って配列された複数の爪部材を備

前記複数の爪部材の端部は、前記外周面に形成された貫通孔から前記回転ドラムの外側
へ突出すると共に前記回転ドラムの回転方向上流側へ屈曲しており、前記回転ドラムの回
転方向上流側へ付勢される請求項1に記載の記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−107401(P2013−107401A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−47676(P2013−47676)
【出願日】平成25年3月11日(2013.3.11)
【分割の表示】特願2008−321906(P2008−321906)の分割
【原出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】