説明

記録装置

【課題】BGMの構成やリズム、雰囲気に合った動画を簡単に記録することを可能とする。
【解決手段】動画を記録する記録手段と、一つの曲が複数箇所から構成される音楽の構成に係る構成情報に基づいて、前記記録手段による動画の記録時間を決定する制御手段とを備える。前記音楽データに対応する動画が複数シーンに分割される場合、使用者が任意に記録するシーンを選択可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラの使い方として、撮影した動画に後から音楽を合わせて鑑賞するというものがある。これには、ユーザが撮影した動画にBGMが付くことによって、動画撮影の撮影や編集に不慣れなユーザでも、手軽に動画の雰囲気を本格的なものへ変化させることが出来るという利点がある。
【0003】
現在、このようなビデオカメラの使い方をする場合には、ユーザが好きなように動画を撮影し、撮影した動画に対してBGMをアフレコ記録する方法がある。また、撮影した動画を再生する際に、同時に用意された音楽データを再生する、という方法がある。
【0004】
また、特許文献1では、動画の再生時に音楽のテンポ情報に応じて動画の再生速度を制御することにより、音楽に合わせて動画を再生表示する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−030932
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来技術では、再生時に音楽を付けるため、撮影された動画のシーンの切り替わり点が音楽の構成やリズムを考慮しておらず、動画に音楽が合わないように感じてしまうことが少なくない。シーンの切り替わりが存在しない場合でも、動画の再生時間と音楽の再生時間が合わず、動画は再生が続いているのにBGMが終了してしまうといったことも起きやすい。
【0007】
特許文献1のように音楽のテンポに合わせて動画の再生速度を制御する方法でも、やはり、シーンの切り替わり点を考慮しているわけではないため、音楽構成やリズムと合わないままとなってしまう。また、動画の再生速度を速くしたり遅くしたりしても、音楽の雰囲気と、もともとの動画の内容とがミスマッチとなってしまうことも多い。
【0008】
また、動画の長さを音楽のテンポに合わせて編集することで、シーンの切り替わり点を音楽の構成やリズムに合わせることも出来るが、動画の編集作業は手間がかかる上、音楽の雰囲気とあらかじめ撮影した動画の内容がマッチするとはやはり限らない。
【0009】
そこで、本発明は、BGMの構成やリズム、雰囲気に合った動画を、ユーザが簡単に記録することを可能とした記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
記録装置は、動画を記録する記録手段と、一つの曲が複数箇所から構成される音楽の構成に係る構成情報に基づいて、前記記録手段による動画の記録時間を決定する制御手段とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、BGMの構成やリズム、雰囲気に合った動画を簡単に録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例におけるデジタルビデオカメラのブロック図である。
【図2】本発明の実施例におけるデジタルビデオカメラの音楽選択メニュー画面である。
【図3】本発明の実施例における音楽データの構成の一例である。
【図4】本発明の実施例における音楽構成データの構造と音楽構成データの一例である。
【図5】本発明の実施例におけるシーン構成リストとシーン構成リストの一例である。
【図6】本発明の実施例1におけるシステムコントローラ102の動作を表すフローチャートである。
【図7】本発明の実施例におけるBGM付動画対応リストの構造とそのデータの一例である。
【図8】本発明の実施例における記録するシーンに必要な記録時間表示の一例である。
【図9】本発明の実施例2におけるシステムコントローラ102の動作を表すフローチャートである。
【図10】本発明の実施例2における撮影予定シーンの表示方法の一例である。
【図11】本発明の実施例2における撮影済シーンの表示方法の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施例1)
図1は本発明の実施例における記録装置としてのデジタルビデオカメラのブロック図である。操作部101は、電源スイッチ、モード切り替えスイッチ、記録開始、停止を指示するスイッチ、メニュースイッチ等、ユーザが操作するための各種のスイッチを備える。システムコントローラ102はデジタルビデオカメラ全体を制御する。システムコントローラ102は、マイコンとその動作を制御するためのプログラムコード、および各種情報を一時的に格納するためのRAMから成っている。記録の開始や停止といった制御は、このシステムコントローラ102によって制御される。撮像部103は、光学レンズと、光学レンズによって結像される像を光電変換する光電変換素子から構成される。撮像部103は、動画信号を撮影し、出力する。映像音声信号処理部104は、撮像部103から出力された動画信号を処理し、記録に適した形態に変換する。また、映像音声信号処理部104は、撮像部103から出力された動画信号を表示装置である液晶パネル106へと出力する。映像音声信号処理部104は、記録媒体であるハードディスクドライブ108から読み出した動画データや音声データをNTSC等の映像信号や音声信号へと変換し、それぞれ液晶パネル106、スピーカー107へと出力する。ビットマップ生成部105は、文字情報やアイコン等の表示用の情報を生成する。ビットマップ生成部105により生成された各種の表示用の情報は、映像信号として出力され映像音声信号処理部104によって出力される映像に重畳される。液晶パネル106は、映像音声信号処理部104によって生成された映像信号を映像として表示する。スピーカー107は、映像音声信号処理部104によって生成された音声信号を音声として出力する。ハードディスクドライブ(HDD)108は、動画信号や音声信号を記録する。また、動画のBGMとするための音楽データ、音楽の構成を表す音楽構成データもここに格納されている。
【0014】
本実施例のデジタルビデオカメラには大きく分けて二種類の動作モードが存在する。一つは、撮像部103によって光学レンズから得られる動画をHDD108に記録するための動画記録モードである。もう一つは、動画記録モードで記録された動画を再生し、液晶パネル106へ表示するための動画再生モードである。動画記録モードは、更に二種類の動作モードに細分することが出来る。一つは通常記録モードである。通常記録モードでは、ユーザによる記録開始の指示に応じて動画の撮影、記録を開始し、ユーザによる記録停止の指示に応じて動画の撮影、記録を停止する。
【0015】
もう一つはBGM記録モードである。BGM記録モードでは、ユーザが予め、動画を再生する際に使用するBGMを選択する。そして、ユーザによる記録開始の指示に応じて動画の撮影、記録を開始する。その後、選択したBGMに応じたタイミングでシステムコントローラ102により自動的に撮影、記録が停止される。なお、BGM記録モードで記録された動画は、再生を行う場合に自動的にその動画の記録時に選択したBGMのその動画に対応する箇所が再生される。
【0016】
図2は動画のBGMとする音楽を選択するための音楽選択メニュー画面である。「BGMなし」は記録する動画にBGMを合わせず、通常の記録を行うための選択肢を表している。「BGM1」〜「BGM5」はそれぞれ別々の音楽を表し、対応する音楽データは予めハードディスクドライブ108に格納されている。ユーザは操作部101を操作して音楽選択メニュー画面を表示させ、図2で黒色の三角で表示されている選択カーソルを操作し、BGMとして使用する音楽を選択する。この画面で「BGM1」〜「BGM5」を選択している状態で音楽再生スイッチを押すことで、選択されている音楽を再生することが出来る。「BGM1」〜「BGM5」を選択している状態で、操作部101の決定スイッチを押すことで使用する音楽が決定され、BGM付動画記録モードになる。「BGMなし」を選択した場合には、通常動画記録モードとなる。
【0017】
図3はHDD108に格納されている音楽データの構成の一例を表す図である。本実施例では、音楽の構成を「イントロ」「Aメロ」「Bメロ」「間奏」「サビ」という五種類のブロックによって構成されているものとして扱っている。なお、本実施例では説明のため、このような五種類のブロックにより音楽の構成を扱っているが、本発明は、この構成に限定されるものではない。音楽の1小節ないしは複数小節の区切り点、歌の歌い出し、歌い終わりなどの音楽的に特徴のある変化点などで区切られた構成なども考えられる。
【0018】
このようなブロックの切り替わりが、音楽のどの部分で切り替わっているのかをデータ化したものを本実施例では音楽構成データと呼び、音楽データと対になってHDD108に予め格納されている。図4(a)はこの音楽構成データの構造を示したものであり、ブロックの名称とそのブロックの長さが対になったリストで構成されている。図4(b)はこの音楽構成データの一例であり、「イントロ」部が15秒、「Aメロ」部が30秒、「Bメロ」部が25秒、「間奏」部が15秒、「サビ」部が35秒の長さであることを、このデータを利用するプログラムは知ることが出来る。
【0019】
図5(a)は、ユーザが選択した音楽に対して、音楽の構成にあった動画を撮影するために必要なシーンとその長さを表すデータの構成を示したものであり、シーンの番号とそのシーンの長さが対になったリストで構成されている。本発明では、これをシーン構成リストと呼ぶ。システムコントローラ102は、ユーザによってBGMとする音楽データが決定されると、その音楽データに対応する音楽構成データをHDD108から読み込む。そして、システムコントローラ102は、その音楽構成データをもとに、選択された音楽に適した動画を撮影するために必要なシーン数と各シーンの長さを決定する。本実施例では、選択された音楽の「イントロ」部、「Aメロ」部、「Bメロ」部、「間奏」部、「サビ」部の各ブロックに対してそれぞれ1シーンを割り当てる。ただし、選択された音楽に適した動画を撮影するために必要なシーン数と各シーンの長さを決定する方法はこれに限るものではなく、例えば「イントロ」部と「Aメロ」部をまとめて1シーンとしてもよい。決定されたシーン構成リストは、システムコントローラ102内のRAMに書き込まれる。
【0020】
図6は、BGM記録モードでのシステムコントローラ102の動作を表すフローチャートである。なお、フローチャート中のNは、次に撮影するシーンが何シーン目かを記憶するための変数であり、その実体はシステムコントローラ102内のRAM中に存在する。また、フローチャート中のTは、次に撮影するシーンに必要な記録時間を記憶するための変数であり、実体は変数Nと同様にシステムコントローラ102内のRAM中に存在する。
【0021】
ステップS601では、変数Nに1を格納する。これは、まだシーンを撮影しておらず、次に撮影するシーンが1シーン目となるためである。その後、ステップS602へ進む。
【0022】
ステップS602では、変数TにNシーン目に必要な記録時間を格納し、ステップS603へ進む。Nシーン目に必要な記録時間については、図5で説明したシーン構成リストが、ユーザがBGMを選択した際に予めシステムコントローラ102のRAM上に書き込まれているため、これを参照して変数Tに必要時間をセットする。
【0023】
ステップS603では、ビットマップ生成部105に対して指示を行い、記録時間Tを表示させるための映像信号を生成させる。生成された映像信号は映像音声信号処理部104によって撮像部からの映像に重畳され、液晶パネル106によって表示される。表示例を図8に示す。これにより、ユーザは次に記録するシーンに必要な記録時間がT秒であることを知ることが出来る。
【0024】
ステップS604では、操作部101のBGM再生スイッチが押されたかどうかを判定する。BGM再生スイッチが押された場合にはステップS605へ、押されていなければステップS608へ進む。
【0025】
ステップS605では、映像音声信号処理部104に対して指示を行い、選択したBGMのNシーン目に合わせる箇所の始まりから再生する。このNシーン目に合わせる箇所の始まりとは、1シーン目からN−1シーン目までの長さの合計分、BGMの先頭から経過した箇所である。
【0026】
ステップS606では、ステップS605でBGMの再生を開始してから経過した時間が、T秒を超えていればステップS607へと進む。T秒を超えていなければ、T秒経過するまで、ステップS606に留まり判定を続ける。
【0027】
ステップS607では、ステップS606でBGMの再生を始めてからT秒経過したと判定されたため、次のシーンに対応する部分のBGMの再生が終了したと判断し、映像音声信号処理部104に対して指示を行いBGMの再生を停止する。BGMの再生を停止した後はステップS604へと戻る。
【0028】
ステップS604からステップS608までの動作で説明したとおり、ユーザは音楽再生スイッチを押すことで次に記録するシーンに合わせる部分のBGMを聞くことが出来る。そのため、これからどのようなシーンを撮ればBGMの雰囲気に合うのかをイメージしやすくなる。
【0029】
ステップS608では、操作部101の録画スイッチが押されたかどうかを判定する。録画スイッチが押された場合にはステップS609へ、押されていなければステップS604へ戻る。
【0030】
ステップS609では、映像音声信号処理部104に対して動画の記録開始を指示する。記録指示に従い、映像音声信号処理部104では撮像部103から入力される動画信号を符号化し、HDD108に記録する。このとき、記録する動画が何番目のシーンに対応しているかを示す情報をHDD108に記録する。更に記録中の動画に対応する音楽(曲)と、その曲における対応箇所を示す情報を記録する。
【0031】
図7(a)はこの情報の構造を表しており、使用するBGMの番号とそれぞれのシーンに対応するチャプタ番号、それぞれのシーンで使用するBGMは先頭から何秒経過した部分なのか、の情報のリストから成っている。本実施例ではこのリストを、BGM付動画対応リストと呼ぶ。ここで、チャプタ番号とは、動画の記録時に個々の動画に対して一意に付けられる番号であるとする。本実施例では、Nシーン目に対応するBGMの使用部分は、1シーン目からN−1シーン目までの長さの合計分、BGMの先頭から経過した箇所である。システムコントローラ102はこれを計算し、データに書き込む。
【0032】
図7(b)はこの情報の一例であり、使用するBGMはBGM2である。1シーン目に対応する動画はチャプタ17の動画、対応するBGMの再生位置は0秒目である。2シーン目に対応する動画はチャプタ18の動画、対応するBGMの再生位置は15秒目である。3シーン目に対応する動画はチャプタ19の動画、対応するBGMの再生位置は45秒目である。4シーン目に対応する動画はチャプタ20の動画、対応するBGMの再生位置は70秒目である。5シーン目に対応する動画はチャプタ21の動画、対応するBGMの再生位置は85秒目であることを表している。録画処理を開始した後、ステップS610へと進む。
【0033】
ステップS610では、ステップS609で録画を開始してから経過した時間が、T秒を超えていればステップS611へと進む。T秒を超えていなければ、T秒経過するまで、ステップS610に留まり判定を続ける。
【0034】
ステップS611では、ステップS610で録画を開始してからT秒経過したと判定されたため、撮影中のシーンに必要な時間分の録画が終了したと判断し、映像音声信号処理部104に対して指示を行い録画を停止する。録画を停止した後はステップS612へと進む。
【0035】
ステップS608からステップS611までの動作で説明したとおり、ユーザ操作により記録を開始すると、そのシーン合わせるBGMに必要な時間だけ記録を行い、自動的に記録が停止する。このため、シーンの切り替わり目は自動的にBGMの構成に合うようになる。
【0036】
ステップS612では、変数Nの示す数が必要なシーン数と同じであるかを判定する。同じである場合には、BGMに合わせるために必要な全てのシーンの撮影が終了したと判断し、ここで終了となる。同じでない場合には、必要な全てのシーンの撮影がまだ終了していないと判断し、ステップS613へと進む。ステップS613では、変数Nに格納されている数を1増やし、ステップS602へと戻る。これにより、ここまでのフローチャートで説明した流れを必要なシーン数分繰り返すこととなる。
【0037】
図6のフローチャートに沿って記録された動画は、デジタルビデオカメラが動画再生モードとして動作している場合に再生することが出来る。再生モード時にユーザが操作部101を操作して音楽再生を指示すると、現在選択されているBGMに対応づけて記録された動画が、そのシーン番号順に再生され、同時にBGMの対応する箇所が再生される。この再生する動画を選び出す作業は、記録時に作成されたBGM付動画対応リストを参照して行われる。
【0038】
本実施例では、BGMに対応する動画をBGM付動画対応リストによって管理しているが、一般的なデジタルビデオカメラで利用されているプレイリストに、動画撮影時に順次撮影する動画を登録する方式であっても良い。さらにこのプレイリストに対応するBGMの情報を付加し、プレイリスト再生時にその情報を参照して再生開始と同時にBGMを再生するといった利用方法が考えられる。
【0039】
なお、本実施例では、音楽構成データは予めHDD108に音楽データとともに記録されている。ただし、本発明はこの構成に限るものではなく、例えば音楽データをシステムコントローラ102によって解析し、音楽データ中の音量が急激に変化する点や、音楽の特定の周波数成分が多くなる点などを抽出し、それらの点を音楽構成データとして自動的に生成するといった構成も考えられる。さらに、音楽を再生しながらユーザが任意の箇所の再生中に決定スイッチ等を操作することで、音楽構成データを作成するといった構成も考えられる。
【0040】
この音楽構成データについて、本実施例では音楽データとは別に、対応する音楽構成データがハードディスクドライブ108に記録されていることを前提としているが、音楽データのヘッダ部分に対応する音楽構成データを付加する構成でも良い。
【0041】
以上に説明したように、本実施例のデジタルビデオカメラによれば、ユーザが予め動画の再生時に使用するBGMを選択しておくことによって、選択したBGMに適したシーン数とシーンの長さを判断し、記録開始後、必要なシーンの長さが記録された時点で自動的に記録を停止することにより、シーンの切り替わり目が自動的にBGMの構成に合うようになる。
【0042】
また、ユーザは音楽再生スイッチを押すことで次に記録するシーンに合わせる部分のBGMを聞くことが出来るため、これからどのようなシーンを撮ればBGMの雰囲気に合うのかをイメージしやすくなり、よりBGMに適したシーンを撮影しやすくなる。
【0043】
(実施例2)
図9は、システムコントローラ102の他の動作を表すフローチャートである。実施例1と異なり、本実施例ではユーザがシーンを撮影する順番を自由に変えられるようになっている。そのために、BGM記録モードでは、図10のように液晶パネル106に撮影予定のシーンが図示される。ここでは、一本の帯の中を複数の領域を区切り、その一区切りを一つのシーンとして、一番左の区切りから1シーン目、その隣を2シーン目…、として表示している。また、次にどのシーンを撮影するかをユーザが選択可能となるように、同じく図10に示すようなシーン選択カーソルを、シーンを囲う太枠として表示している。ユーザは操作部101を操作し、次に撮影するシーンを選択する。
【0044】
なお、フローチャート中のNは、次に撮影するシーンが何シーン目かを記憶するための変数であり、その実体はシステムコントローラ102内のRAM中に存在する。また、フローチャート中のTは、次に撮影するシーンに必要な記録時間を記憶するための変数であり、実体は変数Nと同様にシステムコントローラ102内のRAM中に存在する。
【0045】
ステップS901では、変数Nに1を格納する。これは、まだシーンを撮影しておらず、次に撮影するシーンが1シーン目となるためである。その後、ステップS902へ進む。ステップS902では、次に撮影するシーンがNシーン目であるとユーザが分かるように、Nシーン目を選択状態として表示する。図10はその表示の一例であり、選択中のシーンをシーン選択カーソルというカーソル枠で囲んで表示している。その後、ステップS903へ進む。
【0046】
ステップS903では、操作部101の次シーン選択スイッチが押されたかどうかを判定する。次シーン選択スイッチが押された場合にはステップS904へ、押されていなければステップS906へ進む。
【0047】
ステップS904では、現在変数Nに格納されている値が、必要なシーン数よりも小さい場合にのみステップS905へ進み、そうでなければ、ステップS902へ戻す。これは、変数Nに格納されている値が必要なシーン数以上の場合、現在選択中のシーンより先のシーンが存在しないためである。ステップS905では、変数Nに格納されている数を1増やし、ステップS902へと戻る。これにより、次に撮影するシーンは一つ先のシーンとなる。
【0048】
ステップS906では、操作部101の前シーン選択スイッチが押されたかどうかを判定する。前シーン選択スイッチが押された場合にはステップS906へ、押されていなければステップS907へ進む。ステップS907では、現在変数Nに格納されている値が、2より大きい場合にのみステップS908へ進み、そうでなければ、ステップS902へ戻す。これは、変数Nに格納されている値が1の場合、現在選択中のシーンが最初のシーンとなり、これより前のシーンが存在しないためである。
【0049】
ステップS908では、変数Nに格納されている数を1減らし、ステップS902へと戻る。これにより、次に撮影するシーンは一つ前のシーンとなる。ステップS909では、変数TにNシーン目に必要な記録時間を格納し、ステップS910へ進む。Nシーン目に必要な記録時間については、図5で説明したシーン構成リストが、ユーザがBGMを選択した際に予めシステムコントローラ102のRAM上に書き込まれているため、これを参照して変数Tに必要時間をセットする。
【0050】
ステップS910では、操作部101のBGM再生スイッチが押されたかどうかを判定する。BGM再生スイッチが押された場合にはステップS911へ、押されていなければステップS914へ進む。ステップS911では、映像音声信号処理部104に対して指示を行い、選択したBGMのNシーン目に合わせる箇所の始まりから再生する。このNシーン目に合わせる箇所の始まりとは、1シーン目からN−1シーン目までの長さの合計分、BGMの先頭から経過した箇所である。ステップS912では、ステップS911でBGMの再生を開始してから経過した時間が、T秒を超えていればステップS913へと進む。T秒を超えていなければ、T秒経過するまで、ステップS912に留まり判定を続ける。
【0051】
ステップS913では、ステップS912でBGMの再生を始めてからT秒経過したと判定されたため、次のシーンに対応する部分のBGMの再生が終了したと判断し、映像音声信号処理部104に対して指示を行いBGMの再生を停止する。BGMの再生を停止した後はステップS902へと戻る。
【0052】
ステップS914では、操作部101の録画スイッチが押されたかどうかを判定する。録画スイッチが押された場合にはステップS915へ、押されていなければステップS902へ戻る。ステップS915では、映像音声信号処理部104に対して録画指示を行う。録画指示に従い、映像音声信号処理部104では撮像部103から入力される動画信号をHDD108に記録する。このとき、記録する動画に対応するBGMの曲を識別する情報も記録する。また、対応した曲のうち、対応する箇所を示す情報も記録する。これについては実施例1での説明と同様である。なお、Nシーン目を既に記録済みだった場合、記録済みのNシーン目の動画は削除され、代わりにここで記録開始された動画がNシーン目の動画として扱われる。録画処理を開始した後、ステップS916へと進む。ステップS916では、ステップS915で録画を開始してから経過した時間が、T秒を超えていればステップS917へと進む。T秒を超えていなければ、T秒経過するまで、ステップS916に留まり判定を続ける。
【0053】
ステップS917では、ステップS916で録画を開始してからT秒経過したと判定されたため、撮影中のシーンに必要な時間分の録画が終了したと判断し、映像音声信号処理部104に対して指示を行い録画を停止する。録画を停止した後はステップS918へと進む。
【0054】
ステップS918では、Nシーン目が撮影済みであるとユーザが分かるように、Nシーン目の表示を変化させる。図11はその表示の一例であり、撮影済みのシーンの色を未撮影シーンの色とは別の色で表示している。その表示を変化させた後、ステップS919へ進む。
【0055】
ステップS919では、全シーンの録画が終了したかどうかをチェックする。全シーンの録画が終了している場合はここで終了となる。そうでなければ、ステップS902に戻る。
【0056】
以上に説明したように、本実施例のデジタルビデオカメラによれば、ユーザが予め動画の再生時に使用するBGMを選択しておく。そして、選択したBGMに適したシーン数とシーンの長さを判断し、記録開始後、必要なシーンの長さが記録された時点で自動的に記録を停止する。これにより、シーンの切り替わり目が自動的にBGMの構成に合うようになる。
【0057】
また、ユーザは撮影開始前に次に記録するシーンに合わせる部分のBGMを聞くことが出来る。そのため、これからどのようなシーンを撮ればBGMの雰囲気に合うのかをイメージしやすくなり、よりBGMに適したシーンを撮影しやすくなる。
【0058】
さらに、ユーザはどのシーンから撮影するかを任意に選択出来るため、ユーザが撮影しようと考えている場面をBGM中の雰囲気の合う部分に当てはめることが出来る。
【0059】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0060】
この様に、本発明の実施形態では、動画を記録する記録手段と、一つの曲が複数箇所から構成される音楽の構成に係る構成情報に基づいて、記録手段による動画の記録時間を決定する制御手段とを備える。また、音楽データに対応する動画が複数シーンに分割される場合、使用者が任意に記録するシーンを選択可能である。また、決定された動画の記録時間を表示する表示手段を備える。また、構成情報は、音楽データのメロディの変化点、音楽の1小節ないしは複数小節の区切り点の何れかに基づいて決定される。また、取得した音楽データに対応する前記構成情報を生成する手段を備える。また、記録手段は、前記複数の箇所にそれぞれ対応した動画を識別するための付加情報を記録する。また、記録された動画を再生する再生手段を備え、再生手段は、付加情報に基づいて、複数の前記記録された動画を再生する順番を決定するとともに、複数の動画に対応する箇所の音楽を再生する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画を記録する記録手段と、
一つの曲が複数箇所から構成される音楽の構成に係る構成情報に基づいて、前記記録手段による動画の記録時間を決定する制御手段とを備える記録装置。
【請求項2】
前記音楽データに対応する動画が複数シーンに分割される場合、使用者が任意に記録するシーンを選択可能であることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記決定された動画の記録時間を表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項4】
前記構成情報は、前記音楽データのメロディの変化点、音楽の1小節ないしは複数小節の区切り点、の何れかに基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項5】
取得した音楽データに対応する前記構成情報を生成する手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項6】
前記記録手段は、前記複数の箇所にそれぞれ対応した動画を識別するための付加情報を記録することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項7】
前記記録された動画を再生する再生手段を備え、
前記再生手段は、前記付加情報に基づいて、複数の前記記録された動画を再生する順番を決定するとともに、複数の前記動画に対応する箇所の前記音楽を再生することを特徴とする請求項6に記載の記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−20686(P2013−20686A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155906(P2011−155906)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】