記録装置
【課題】サイズアップやコストアップを伴うことなく、安価で簡易な構成のヘッド装着機構を備えた記録装置を提供する。
【解決手段】記録装置は、インク吐出して被記録媒体に記録を行う記録手段と、記録手段を着脱可能に搭載し、被記録媒体の搬送方向と交差する方向に往復移動するキャリッジユニット1と、を有している。キャリッジユニット1は、キャリッジユニット1に搭載された記録手段をキャリッジユニット1に対して固定する固定位置と、その固定を解除する固定解除位置との間で移動可能な固定手段101と、固定手段101の固定位置と固定解除位置との切り替えを行う切替手段4aと、を有している。切替手段4aは、固定手段101を固定解除位置に位置させるときに、記録手段をキャリッジユニット1の搭載位置まで案内する案内路を形成する。
【解決手段】記録装置は、インク吐出して被記録媒体に記録を行う記録手段と、記録手段を着脱可能に搭載し、被記録媒体の搬送方向と交差する方向に往復移動するキャリッジユニット1と、を有している。キャリッジユニット1は、キャリッジユニット1に搭載された記録手段をキャリッジユニット1に対して固定する固定位置と、その固定を解除する固定解除位置との間で移動可能な固定手段101と、固定手段101の固定位置と固定解除位置との切り替えを行う切替手段4aと、を有している。切替手段4aは、固定手段101を固定解除位置に位置させるときに、記録手段をキャリッジユニット1の搭載位置まで案内する案内路を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録装置に関し、特に、記録媒体に沿って移動可能なキャリッジに着脱可能に装着された記録手段からインクを吐出して記録を行う記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
記録装置で用いられる記録方式の中には、比較的小型、安価、かつ高精細な記録可能な方法としてインクジェット記録方式がある。インクジェット記録方式を用いた記録装置(インクジェット記録装置)は、一般に、インク吐出口を有する記録手段(インクジェット記録ヘッドまたは記録ヘッドとインク貯留部とを一体に組み合わせたインクジェットヘッド)を有している。記録手段(インクジェットヘッド)はキャリッジに着脱可能に装着され、インクジェットヘッドを装着したキャリッジを走査させることで、記録動作を行うことができる。インクジェットヘッド内のインクを使い切ったときやインクジェットヘッドが故障したときには、新しいヘッドに交換することができる。それにより、インクジェット記録装置は、簡単に記録可能な状態に復帰できるようになっている。
【0003】
ヘッドをキャリッジに装着する際に、ヘッドをキャリッジに対して固定(位置決め)するためと、ヘッドと記録装置本体とを電気的に結合させるために、ヘッドをキャリッジに対して押圧する必要がある。多くの場合、ヘッドには、レジストを行っていない導体露出部を有する、基板(ヘッド基板)もしくはフレキシブル基板(FPC)が設けられ、ヘッドを搭載するキャリッジには、ヘッドの導体露出部と電気的な結合を行うための圧接コネクタが設けられている。この圧接コネクタは、金属にメッキを施した部材であり、金属の弾性変形を利用することでヘッドの導体露出部に圧接され、ヘッドの導体露出部と電気的に結合することができる。圧接コネクタは、キャリッジに搭載された基板(キャリッジ基板)に半田付けされており、キャリッジ基板は、フレキシブルフラットケーブル(FFC)やFPCを介して、記録装置本体側の回路基板(制御回路)に電気的に結合されている。
【0004】
従来のヘッドの装着方法としては、キャリッジ上方からヘッドを挿入して装着する方法(例えば、特許文献1参照)や、キャリッジ前方からヘッドを挿入して装着する方法(例えば、特許文献2参照)がある。
【0005】
キャリッジ上方からヘッドを装着する方法では、キャリッジに回転自在に設けられた固定手段によって、キャリッジに収容されたヘッドが固定されている。固定部材には操作部が設けられ、ユーザは、ヘッドをキャリッジに固定する際に、記録部の移動範囲内に設定された交換ポジションにおいて、操作部と共に固定部材を回転させ、キャリッジをヘッド着脱可能状態にする。その後、キャリッジにヘッドを挿入し、キャリッジに対してヘッドを押圧するように固定部材を回転させることで、ヘッドをキャリッジに固定させることができる。
【0006】
キャリッジ前方からヘッドを装着する方法では、ヘッドの落下防止やヘッドをキャリッジまで案内することを目的としてガイド部材(支持台)が用いられている。ヘッドは、支持台によってキャリッジ前方からキャリッジに案内され、ヘッドの押圧受け部が、バネで押圧されたヘッドセットカムの斜面を乗り越えることで、押圧力を受けて、キャリッジに固定されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−90343号公報
【特許文献2】特開2006−305808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
キャリッジ上方からヘッドを挿入する構成では、記録装置本体の上部のカバーもしくはスキャナを開放して、ヘッドを通過させるための空間や固定部材の操作部を回転させるための空間を十分に確保する必要があり、装置設計上の制約が大きくなる。また、記録装置本体の上部のカバーもしくはスキャナが開放できないようになっている場合、ヘッドの着脱のためには、ヘッドを記録装置の奥深くまで入れなければならず、操作性に問題がある。この問題に対して、ユーザの操作性を向上させるためには、キャリッジにアクセスするための記録装置本体の開口部分を広くする必要があるが、それにより、装置全体が大きくなってしまう。
【0009】
一方、キャリッジ前方からヘッドを挿入する構成では、ユーザが本体カバーもしくはスキャナを持ち上げる必要がないため、装置(キャリッジ)上方に十分な空間を設ける必要もない。また、ヘッドを固定する際にもヘッドをキャリッジに対して押し込んでいくだけでよいため、操作性を向上させることができる。しかしながら、上述の支持体は、ヘッドの挿入動作が記録部の拍車ユニットと高さ方向で干渉してしまうことを防止するために、キャリッジの走査範囲の外側に設ける必要がある。このことは、コストアップや装置本体の幅方向の増加につながってしまう。
【0010】
そこで本発明は、サイズアップやコストアップを伴うことなく、安価で簡易な構成のヘッド装着機構を備えた記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した目的を達成するために、本発明の記録装置は、インク吐出して被記録媒体に記録を行う記録手段と、記録手段を着脱可能に搭載し、被記録媒体の搬送方向と交差する方向に往復移動するキャリッジユニットと、を有している。キャリッジユニットは、キャリッジユニットに搭載された記録手段をキャリッジユニットに対して固定する固定位置と、その固定を解除する固定解除位置との間で移動可能な固定手段と、固定手段の固定位置と固定解除位置との切り替えを行う切替手段と、を有している。切替手段は、固定手段を固定解除位置に位置させるときに、記録手段をキャリッジユニットの搭載位置まで案内する案内路を形成する。
【発明の効果】
【0012】
以上、本発明によれば、サイズアップやコストアップを伴うことなく、安価で簡易な構成のヘッド装着機構を備えた記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の記録装置としてのインクジェットプリンタの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】本実施形態のキャリッジユニットを示す斜視図である。
【図3】ヘッドが装着された、図2に示すキャリッジユニットの斜視図である。
【図4】ヘッドが装着された、図2に示すキャリッジユニットの断面図である。
【図5】図2に示すキャリッジユニットに搭載されるヘッドを示す斜視図である。
【図6】図5に示すヘッドを上面側から見た平面図である。
【図7】本実施形態におけるヘッド装着動作を示すフローチャートである。
【図8】ヘッドセットレバーが持ち上げられたキャリッジユニットの断面図である。
【図9】ヘッドセットレバーが押し下げられたキャリッジユニットの断面図である。
【図10】ヘッドの挿入動作を示す、キャリッジユニットの断面図である。
【図11】ヘッドの挿入動作を示す、キャリッジユニットを示す拡大断面図である。
【図12】ヘッドの挿入動作を示す、キャリッジユニットを示す断面図である。
【図13】ヘッドの挿入動作を示す、キャリッジユニットを示す拡大断面図である。
【図14】ヘッドの挿入動作を示す、キャリッジユニットを示す断面図である。
【図15】本実施形態の記録装置の画像形成動作の概略を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
【0015】
図1は、本発明の記録装置としてのインクジェットプリンタの一実施形態を示す斜視図である。
【0016】
図1に示す本実施形態のインクジェットプリンタは、給紙部(不図示)と、被記録媒体搬送部(用紙搬送部)5と、記録部17と、記録部17の記録手段を回復させるメインテナンス部3とから構成されている。記録動作は、ホスト装置(不図示)から送られた記録データが、制御基板上の記録装置制御部(不図示)に格納され、同制御部から記録動作開始命令が出されることで、開始される。なお、メインテナンス部3は、後述するヘッド(記録手段)2a,2bのインク吐出口部をキャッピングし、インク吐出口からインクを吸引することでインク吐出口内を正常に回復させる機能を有している。
【0017】
記録が開始されるとまず、給紙動作が行われる。給紙動作が始まるとLFモータ(搬送モータ)(不図示)が回転し、ギア列を経て給紙部に設置された給紙ローラ(不図示)が回転する。被記録媒体(不図示)が給紙ローラによって分離部(不図示)に搬送され、分離部により複数枚積載された被記録媒体は一枚ずつ引き出されて、用紙搬送部5に搬送される。用紙搬送部5まで搬送された被記録媒体は、搬送ローラ6とバネ力により搬送ローラ6に押圧されているピンチローラ(不図示)でニップされる。ニップ後、給紙ローラ(不図示)は駆動力を切断され、被記録媒体と連れ回りするようになる。ギア列を介してLFモータ(搬送モータ)(不図示)から駆動力を得ている搬送ローラ6が回転することにより、ニップされた被記録媒体は記録部17に搬送され、被記録媒体は所定改行量毎に排紙ローラ7側に搬送される。記録媒体先端が第一拍車列8にかかり、排紙ローラ7と第一拍車列8とによってニップされるまでは、被記録媒体は搬送ローラ6とピンチローラ(不図示)のみにより搬送される。しかしながら、排紙ローラ7と第一拍車列8とでニップされても、搬送ローラ6と排紙ローラ7との周速がほぼ等しく設定され、かつ2つのローラ6,7はギア列で接続され、同期して回転するため、被記録媒体が引っ張られたり弛んだりすることはない。被記録媒体の後端が搬送ローラ6を通過した後は、印字が終了して排紙されるまで排紙ローラ7のみで被記録媒体の搬送は行われる。
【0018】
記録部17は、主に記録手段としてのヘッド2a,2bと、ヘッド2a,2bを着脱可能に搭載し、被記録媒体の搬送方向と交差する方向に往復移動を行うキャリッジユニット1とからなる。ヘッド2a,2bは、カラーヘッド2aとブラックヘッド2bとを有している。キャリッジユニット1は、レフトプレート9およびライトプレート10に固定されたシャーシ11と、シャーシ11に固定されたガイドレール12とにより案内支持されている。キャリッジユニット1は、キャリッジモータ13とアイドラプーリ14との間に張架されたキャリッジベルト15を介して、キャリッジモータ13の駆動力が伝達されることにより往復運動する。シャーシ11に張架されたコードストリップ16をキャリッジユニット1に搭載されたエンコーダセンサ(図1には図示せず)で読み取ることで、適切なタイミングで被記録媒体に向けてインク滴を吐出することができる。このように1ライン分の記録を終了すると、用紙搬送部5により必要量だけ被記録媒体が搬送され、その後、再び1ライン分の記録動作が行われる。このような動作を繰り返すことにより、記録シート全面への記録を行うことができる。
【0019】
ヘッド2a,2bと記録装置本体との電気的な結合は、ヘッド2a,2bのFPC(不図示)に設けられた、レジストを行っていない導体露出部(後述)と、キャリッジユニット1のヘッドコネクタ(図1には図示せず)とによって行われる。ヘッドコネクタは、キャリッジユニット1に設けられたキャリッジ基板(不図示)に半田付けされており、キャリッジ基板は、FFC(不図示)を介して装置本体側の回路基板(制御回路)(不図示)と電気的に結合されている。ヘッド2a,2bにFFCを介してヘッドドライバの信号を伝達することで、記録データに応じてインク滴を吐出することができる。
【0020】
次に、本実施形態のインクジェットプリンタを構成する各部材について説明する。
【0021】
まず、図2から図4を参照して、キャリッジユニットの構成について説明する。
【0022】
図2は、キャリッジユニット1を示す斜視図であり、ヘッドを収容するための空間が形成された側から見た図である。図3および図4はそれぞれ、ヘッド(カラーヘッド2a,ブラックヘッド2b)を装着した状態のキャリッジユニット1を示す斜視図および断面図である。
【0023】
キャリッジユニット1は、キャリッジ100と、キャリッジ100に固定されたフロントカバー102と、フロントカバー102に回転(変位)可能に設けられたヘッドセットレバー4a,4bと、フレキシブルフラットケーブル(FFC)(不図示)とを有している。
【0024】
キャリッジ100には、エンコーダセンサ(不図示)と、ヘッドコネクタ104a,104bが半田付けされたキャリッジ基板104とが搭載されている。キャリッジ基板104は、上述したように、FFCを介して装置本体側の回路基板(制御回路)(不図示)と電気的に結合されている。また、キャリッジ100には、図2に示すように、ヘッド突起部受け部108a,108bと、ヘッド位置決め溝受け部107a,107bと、ヘッド2a,2bを案内するヘッドガイド部110とが形成されている。また、キャリッジ100には、板バネであるヘッドセットラテラルスプリング109が取り付けられている。
【0025】
フロントカバー102には、ヘッド受けボス111と、ヘッド誤装着防止リブ105a,105bとが形成されている。
【0026】
ヘッドセットレバー4a,4bは、ヘッド2a,2bを案内するガイド部401a,401bと、ヘッド2a,2bを支持する、ヘッド支持部402a,402bおよびヘッド支持面403a,403bとを有している。また、ヘッドセットレバー4a,4bは、図2に示す、押し下げられた第1の位置と、図2および図3に示す、持ち上げられた第2の位置との間を変位可能である。ヘッドセットレバー4a,4bが第1の位置にあるときには、ヘッド2a,2bを収容するための空間である収容部106a,106bが形成される(図2参照)。また、ヘッドセットレバー4a,4bが第2の位置にあるときには、ヘッド2a,2bがキャリッジユニット1に固定される(図3および図4参照)。
【0027】
さらに、キャリッジユニット1は、ヘッドセットカム101と、圧縮バネで構成され、キャリッジ100を支点としてヘッドセットカム101を押圧(付勢)するヘッドセットカムスプリング103とを有している。ヘッドセットカム101は、ヘッドセットカムスプリング103によって付勢され、図4に示すように、ヘッド2a,2b(ヘッド押圧受け部、後述)に当接し、ヘッド2a,2bを方向Aに引っ張るようになっている。それにより、ヘッド2a,2bを、ヘッドコネクタ104a,104bに対して押圧することができ、キャリッジユニット1に対して固定することができる。すなわち、ヘッドセットカム101は、ヘッド2a,2bをキャリッジユニット1に対して固定する固定手段として機能する。
【0028】
図5(a)および図5(b)は、本実施形態のヘッドを示す斜視図である。なお、カラーヘッド2aとブラックヘッド2bとでは、後述するヘッド押圧受け部を除いて、構成に差異がない。そのため、以下では、特に言及しない限り、図面にカラーヘッド2aのみを示し、カラーヘッド2aを例に挙げて、ヘッドの構成を説明する。
【0029】
ヘッド2aは、図5(a)および図5(b)を示すように、インクを吐出するインク吐出口204aと、キャリッジ100に電気的に接続される導体露出部206aとを有している。ここで、導体露出部206aが設けられた面をヘッド前面とし、それに対向する面をヘッド後面とする。また、インク吐出口204aが設けられた面をヘッド下面とし、それに対向する面をヘッド上面とする。
【0030】
また、ヘッド2aは、ヘッド上面に形成され、ヘッド2aが搭載位置(図4参照)にあるときにヘッドセットカム101と当接するヘッド押圧受け部201aを有している。また、ヘッド2aは、ヘッド前面に形成されたヘッド突起部208aと、ヘッド前面とヘッド下面との境界付近で、ヘッド側方へ突出する一対のラフガイド部202aと、ラフガイド部202aのヘッド後面側に形成されたヘッド位置決め溝203aとを有している。さらに、ヘッド下面の、インク吐出口204aの両側には、タブ両脇面207aが形成され、インク吐出口204aのヘッド後面側には、ヘッドセットレバー受け部205aが設けられている。ラフガイド部202aとタブ両脇面207aとヘッドセットレバー受け部205aとは、ヘッド2aをキャリッジユニット1へ装着する際に、ヘッドセットレバー4aやキャリッジ100に当接し、ヘッド2aを支持する役目を果たす。また、ヘッド突起部208aとヘッド位置決め溝203aとは、ヘッド2aをキャリッジユニット1へ装着する際に、ヘッド2aの位置決めの役目を果たす。さらに、ヘッド上面側には、フロントカバー102のヘッド受けボス111に当接するボス受け部209aが形成されている。
【0031】
図6は、本実施形態のヘッドを上面側から見た平面図である。図6を参照すると、ヘッド押圧受け部201a,201bは、カラーヘッド2aとブラックヘッド2bとで異なる位置に配置されている。ヘッド押圧受け部201a,201bは、ヘッド2a,2bを、対応する収容部とは異なる収容部に装着しようとしたときに、フロントカバー102に設けられた上述のヘッド誤装着防止リブ105a,105bと干渉するように構成されている。これにより、各ヘッド2a,2bを、対応する収容部とは異なる収容部に誤って装着してしまうことを防止することができる。
【0032】
次に、図2、図4、および図5を参照して、キャリッジユニットに対するヘッドの固定方法について説明する。
【0033】
キャリッジユニット1のヘッドセットカム101は、ヘッドセットカムスプリング103によって付勢され、ヘッド2aの押圧受け部201aに当接する。押圧受け部201aは、ヘッドセットカム101に押圧され、ヘッド2aを方向A(図4参照)に引き込むような力を受ける。その押圧力により、ヘッド2aは、キャリッジ100に対して固定されるとともにヘッドコネクタ104aに電気的に結合される。押圧されたヘッド2aは、ヘッド2aのヘッド突起部208aがキャリッジ100のヘッド突起部受け部108と接触し、ヘッドの位置決め溝203aがキャリッジ100の位置決め溝受け部107aと接触する。これにより、ヘッド2aは、キャリッジ100に対して、上下、前後方向の動きが規制される。また、ヘッド2aは、キャリッジ100に取り付けられたヘッドセットラテラルスプリング109により、キャリッジ100の左右方向に押圧されることで、位置決めされる。ヘッド2aとヘッドコネクタ104aとの電気的接触は、ヘッドコネクタ104aの金属ピンとヘッド2aの導体露出部206aとが接触することで行われる。
【0034】
次に、図7を参照して、本実施形態におけるユーザのヘッド装着動作について説明する。図7は、本実施形態のヘッド装着動作を示すフローチャートである。
【0035】
まず、ユーザがフロントドア(不図示)を開放する(ステップS1)と、ドアセンサ(不図示)によりフロントドアの開閉状態が確認される(ステップS2)。フロントドアが閉じている場合、キャリッジユニットはヘッド交換動作に移行しない。ドアセンサはフロントドアが開放していることを認識すると、ユーザに対してフロントドアが開いていることを表示基板に表示する。その後、ヘッドを交換するためのヘッド交換ドアがキャリッジ走査で開放され(ステップS3)、キャリッジは交換ポジションで停止し、ヘッド交換の準備ができたことが表示基板に表示される(ステップS4)。その後、ユーザが後述するようにヘッドセットレバーを操作してヘッドをキャリッジに固定する(ステップS5)。そして、ユーザがフロントドアおよびヘッド交換ドアを閉める(ステップS6)と、ドアセンサが、フロントドアが正しく閉じられているかどうかの判断を行う(ステップS7)。フロントドアが開いている場合、そのことが表示基板に表示され(ステップS8)、その後の動作に移行しない。ドアが閉じられたことが確認されると、次にヘッドが装着されているかどうかの確認が行われる(ステップS9)。ヘッドと記録装置本体とが電気的に結合されている場合、ヘッド装着動作は完了するが、電気的に結合されていない場合には、ヘッド未装着エラーが表示される(ステップS10)。この場合、再度ヘッド装着動作が行われる。
【0036】
次に、図8から図14を参照して、本実施形態のヘッドのキャリッジユニットへの挿入方法について詳細に説明する。図8および図9が、本実施形態のキャリッジユニットの断面図であり、図10から図14が、本実施形態のヘッドの挿入動作を示す、キャリッジユニットの断面図または拡大断面図である。
【0037】
まず、キャリッジユニット1が、図8に示す第2の位置にあるとする。このとき、ヘッドセットカム101は、ヘッドセットカムスプリング103によって付勢され、ヘッド2aを押圧してキャリッジユニット1に対して固定できる位置(固定位置)にある(図4参照)。
【0038】
次に、ヘッドセットレバー4aを、図9に示す第1の位置へ矢印Bの方向(図8参照)に回転させ、収容部がヘッド2aを受け入れ可能な状態にする。このとき、ヘッドセットカム101は、ヘッドセットレバー4aと当接し、ヘッドセットレバー4aによって上方に持ち上げられる。これにより、ヘッドセットカム101は、もはや図8に示す固定位置ではなくなり、ヘッド2aの固定を解除する位置(固定解除位置)となる。
【0039】
そして、図10に示すように、ヘッド前面をキャリッジ100の方向に向けながら、ヘッド2aをキャリッジユニット1に挿入する。このとき、2つのラフガイド部202aがヘッドセットレバー4aのヘッド支持部402aを乗り越えて、ガイド部401aと接触した状態を保ちながら、ヘッド2aをキャリッジユニット1に挿入する(図11参照)。あるいは、ヘッド2aのタブ両脇面207aとヘッドセットレバー4aのヘッド支持面403a(図2参照)とが接触した状態を保ったままにするか、これら2つの接触状態を同時に保ったままにする。そして、ヘッドのタブ両脇面207aがヘッドセットレバー4aのヘッド支持面403aを通過するまで、ヘッド2aを押し込んでいく。このとき、ヘッドセットレバー4aのヘッド支持面403aが下方に突出するように湾曲しているため、ヘッド2aのインク吐出部204aがヘッドセットレバー4aに接触することはない。
【0040】
ヘッド2aをキャリッジユニット1に対して押し込んでいくと、図12および図13に示すように、ヘッド2aのタブ両脇面207aがヘッドセットレバー4aのヘッド支持面403aを通過する。このとき、ヘッド2aのラフガイド部202aは、キャリッジ100のヘッドガイド部110、またはヘッドセットレバー4aのガイド部401aに支持されている。また、ヘッド2aのヘッドセットレバー受け部205aは、ヘッドセットレバー4aのヘッド支持部402aに支持されている。これらにより、ヘッド2aはキャリッジユニット1から落下することがなくなり、そのため、ユーザはヘッド2aを保持している必要がなくなる。また、この位置では、ヘッドセットレバー4aを方向C(図12参照)に回転移動させても、ヘッドセットカム101がヘッド2aの押圧受け部201aに当接する位置まで、ヘッド2aが移動することはない。つまり、ヘッド2aは、ヘッドセットレバー4aによって持ち上げられるが、フロントカバー102のヘッド誤装着防止リブ105aと接触してしまい、それ以上の移動が停止される。そのため、ヘッド2aがヘッドコネクタ104aを押圧することはない。
【0041】
その後、図14に示すように、ヘッド後面側のヘッドセットレバー受け部205aがヘッドセットレバー4aのヘッド支持部402aを通過すると、ヘッドセットレバー4aを持ち上げてヘッド2aをキャリッジユニット1にセットできる状態となる。なお、このとき、ヘッド2aのラフガイド部202aは、キャリッジ100のヘッドの位置決め溝受け部107aの斜面にあり、ヘッド2aのボス受け部209aは、フロントカバー102のヘッド受けボス111に支持されている。すなわち、この位置でも、ヘッド2aは、ラフガイド部202aの2点とボス受け部209aの2点とで支えられ、キャリッジユニット1から落下することはない。
【0042】
図14に示す位置では、ヘッド2aは、ヘッドセットレバー4aと接触していないため、ヘッドセットレバー4aの回転動作に関して影響を与えることがなく、そのため、ヘッドセットレバー4aを方向Cに回転移動させることができる。ヘッドセットレバー4aを方向Cに回転移動させると、ヘッドセットカム101は、ヘッドセットレバー4aとの当接が解除され、付勢手段であるヘッドセットカムスプリング103により、固定解除位置(図9参照)から固定位置(図8参照)へと付勢される。そして、ヘッドセットカム101は、ヘッド2aの押圧受け部201aに当接し、ヘッドセットカムスプリング103の付勢力により、ヘッド2aを方向Aに押圧して移動させる。この押圧力により、ヘッド2aがキャリッジユニット1に対して固定されるとともに(図4参照)、ヘッド2aの導体露出部206aがヘッドコネクタ104aの金属ピンと接触して電気的に結合される。
【0043】
以上のように、本実施形態では、キャリッジユニットに対して前方からヘッドを装着することができる。それにより、キャリッジユニットの上方に十分な空間を確保する必要がなく、そのため、記録装置本体のカバーなどを持ち上げる必要もない。また、本実施形態では、キャリッジユニットのヘッドセットレバーが、ヘッドの固定手段であるヘッドセットカムの位置を切り替える切換手段として機能するだけでなく、ヘッドをヘッドキャリッジユニットの搭載位置まで案内するガイド部としても機能する。すなわち、ヘッドセットカム(固定手段)の切替手段であるヘッドセットレバーが、ヘッドセットカムを固定解除位置に位置させるときに、ヘッドを搭載位置まで案内する案内路を形成している。これにより、ヘッドを支持してキャリッジユニットに案内する部材を、キャリッジユニットとは別の部材として設ける必要がなく、記録装置のサイズアップやコストアップを抑制するヘッド装着機構を実現することができる。
【0044】
また、本実施形態では、ヘッドがキャリッジユニットの搭載位置にあるときに、ヘッドセットレバーを第1の位置から第2の位置へと変位させることで、ヘッドセットカムを固定解除位置から固定位置へと移動させることができる。すなわち、ヘッドセットレバーを移動させるだけで、ヘッドをキャリッジユニットに対して固定することができ、ヘッド交換作業時のユーザの操作性を向上させることができる。さらに、本実施形態は、ヘッドセットレバーがヘッドを固定する状態(第2の位置)にあって、キャリッジユニットが走査される際に、拍車ユニットと干渉しない点でも有利である。
【0045】
図15は、本実施形態における記録装置の画像形成動作の概略を示すブロック図である。
【0046】
各種信号を処理する制御部B1のインターフェイス部には、制御部B1に信号を送るためのパーソナルコンピュータB2が接続され、記録装置本体には、制御部B1に直接信号を送るための操作パネルB3が装備されている。制御部B1は、パーソナルコンピュータB2あるいは操作パネルB3から画像形成命令を受信した際に画像形成動作を開始する。あるいは、制御部B1内部のタイマーによって画像形成動作は開始される。このとき、制御部B1は、モータドライバB4を介して搬送モータB5に対して電力を供給するよう指令を出すと同時に、画像形成モータドライバB12を介して画像形成部モータB13に対しても電力を供給するよう指令を出す。搬送モータB5は、主駆動伝達系B6に接続され、この主駆動伝達系B6を介して、画像形成動作時に記録媒体を主体的に搬送する主搬送ローラユニットB7を駆動する。主搬送ローラユニットB7は、搬送駆動伝達系B8に接続され、この搬送駆動伝達系B8を介して、給紙された記録媒体を主搬送ローラの位置まで搬送する搬送ローラユニットB9を駆動する。
【0047】
また、画像形成モータB13は、画像形成部B14に接続され、その駆動によって、画像形成動作を行う。さらに、画像形成部B14は、搬送駆動伝達系B8の動作と協働して、積載された記録媒体を一枚ずつに分離し、給紙する給紙ローラユニットB11を動作させるための給紙駆動伝達系B10の動作を行う。この給紙駆動伝達系B10の動作により、給紙路ローラユニットB11に対する動力伝達・非伝達を切り替え、各種タイミングによって両者を選択的に切り替える。結果として、給紙ローラユニットB11と搬送ローラユニットB9の同期駆動/非同期駆動を行うことが可能となる。
【0048】
各モータの回転状態や負荷状態、記録紙の搬送状態は、プリンタ各所に設けられた各種センサB15によって検知され、その情報は信号の形で制御部B1に送られる。制御部B1は命令とセンサ情報に基づいて各モータを制御し、印字を行う。
【0049】
なお、上述した実施形態でのヘッド装着機構は、画像形成部B14で行われるものである。
【符号の説明】
【0050】
1 キャリッジユニット
2a,2b ヘッド
4 ヘッドセットレバー
101 ヘッドセットカム
【技術分野】
【0001】
本発明は記録装置に関し、特に、記録媒体に沿って移動可能なキャリッジに着脱可能に装着された記録手段からインクを吐出して記録を行う記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
記録装置で用いられる記録方式の中には、比較的小型、安価、かつ高精細な記録可能な方法としてインクジェット記録方式がある。インクジェット記録方式を用いた記録装置(インクジェット記録装置)は、一般に、インク吐出口を有する記録手段(インクジェット記録ヘッドまたは記録ヘッドとインク貯留部とを一体に組み合わせたインクジェットヘッド)を有している。記録手段(インクジェットヘッド)はキャリッジに着脱可能に装着され、インクジェットヘッドを装着したキャリッジを走査させることで、記録動作を行うことができる。インクジェットヘッド内のインクを使い切ったときやインクジェットヘッドが故障したときには、新しいヘッドに交換することができる。それにより、インクジェット記録装置は、簡単に記録可能な状態に復帰できるようになっている。
【0003】
ヘッドをキャリッジに装着する際に、ヘッドをキャリッジに対して固定(位置決め)するためと、ヘッドと記録装置本体とを電気的に結合させるために、ヘッドをキャリッジに対して押圧する必要がある。多くの場合、ヘッドには、レジストを行っていない導体露出部を有する、基板(ヘッド基板)もしくはフレキシブル基板(FPC)が設けられ、ヘッドを搭載するキャリッジには、ヘッドの導体露出部と電気的な結合を行うための圧接コネクタが設けられている。この圧接コネクタは、金属にメッキを施した部材であり、金属の弾性変形を利用することでヘッドの導体露出部に圧接され、ヘッドの導体露出部と電気的に結合することができる。圧接コネクタは、キャリッジに搭載された基板(キャリッジ基板)に半田付けされており、キャリッジ基板は、フレキシブルフラットケーブル(FFC)やFPCを介して、記録装置本体側の回路基板(制御回路)に電気的に結合されている。
【0004】
従来のヘッドの装着方法としては、キャリッジ上方からヘッドを挿入して装着する方法(例えば、特許文献1参照)や、キャリッジ前方からヘッドを挿入して装着する方法(例えば、特許文献2参照)がある。
【0005】
キャリッジ上方からヘッドを装着する方法では、キャリッジに回転自在に設けられた固定手段によって、キャリッジに収容されたヘッドが固定されている。固定部材には操作部が設けられ、ユーザは、ヘッドをキャリッジに固定する際に、記録部の移動範囲内に設定された交換ポジションにおいて、操作部と共に固定部材を回転させ、キャリッジをヘッド着脱可能状態にする。その後、キャリッジにヘッドを挿入し、キャリッジに対してヘッドを押圧するように固定部材を回転させることで、ヘッドをキャリッジに固定させることができる。
【0006】
キャリッジ前方からヘッドを装着する方法では、ヘッドの落下防止やヘッドをキャリッジまで案内することを目的としてガイド部材(支持台)が用いられている。ヘッドは、支持台によってキャリッジ前方からキャリッジに案内され、ヘッドの押圧受け部が、バネで押圧されたヘッドセットカムの斜面を乗り越えることで、押圧力を受けて、キャリッジに固定されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−90343号公報
【特許文献2】特開2006−305808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
キャリッジ上方からヘッドを挿入する構成では、記録装置本体の上部のカバーもしくはスキャナを開放して、ヘッドを通過させるための空間や固定部材の操作部を回転させるための空間を十分に確保する必要があり、装置設計上の制約が大きくなる。また、記録装置本体の上部のカバーもしくはスキャナが開放できないようになっている場合、ヘッドの着脱のためには、ヘッドを記録装置の奥深くまで入れなければならず、操作性に問題がある。この問題に対して、ユーザの操作性を向上させるためには、キャリッジにアクセスするための記録装置本体の開口部分を広くする必要があるが、それにより、装置全体が大きくなってしまう。
【0009】
一方、キャリッジ前方からヘッドを挿入する構成では、ユーザが本体カバーもしくはスキャナを持ち上げる必要がないため、装置(キャリッジ)上方に十分な空間を設ける必要もない。また、ヘッドを固定する際にもヘッドをキャリッジに対して押し込んでいくだけでよいため、操作性を向上させることができる。しかしながら、上述の支持体は、ヘッドの挿入動作が記録部の拍車ユニットと高さ方向で干渉してしまうことを防止するために、キャリッジの走査範囲の外側に設ける必要がある。このことは、コストアップや装置本体の幅方向の増加につながってしまう。
【0010】
そこで本発明は、サイズアップやコストアップを伴うことなく、安価で簡易な構成のヘッド装着機構を備えた記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した目的を達成するために、本発明の記録装置は、インク吐出して被記録媒体に記録を行う記録手段と、記録手段を着脱可能に搭載し、被記録媒体の搬送方向と交差する方向に往復移動するキャリッジユニットと、を有している。キャリッジユニットは、キャリッジユニットに搭載された記録手段をキャリッジユニットに対して固定する固定位置と、その固定を解除する固定解除位置との間で移動可能な固定手段と、固定手段の固定位置と固定解除位置との切り替えを行う切替手段と、を有している。切替手段は、固定手段を固定解除位置に位置させるときに、記録手段をキャリッジユニットの搭載位置まで案内する案内路を形成する。
【発明の効果】
【0012】
以上、本発明によれば、サイズアップやコストアップを伴うことなく、安価で簡易な構成のヘッド装着機構を備えた記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の記録装置としてのインクジェットプリンタの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】本実施形態のキャリッジユニットを示す斜視図である。
【図3】ヘッドが装着された、図2に示すキャリッジユニットの斜視図である。
【図4】ヘッドが装着された、図2に示すキャリッジユニットの断面図である。
【図5】図2に示すキャリッジユニットに搭載されるヘッドを示す斜視図である。
【図6】図5に示すヘッドを上面側から見た平面図である。
【図7】本実施形態におけるヘッド装着動作を示すフローチャートである。
【図8】ヘッドセットレバーが持ち上げられたキャリッジユニットの断面図である。
【図9】ヘッドセットレバーが押し下げられたキャリッジユニットの断面図である。
【図10】ヘッドの挿入動作を示す、キャリッジユニットの断面図である。
【図11】ヘッドの挿入動作を示す、キャリッジユニットを示す拡大断面図である。
【図12】ヘッドの挿入動作を示す、キャリッジユニットを示す断面図である。
【図13】ヘッドの挿入動作を示す、キャリッジユニットを示す拡大断面図である。
【図14】ヘッドの挿入動作を示す、キャリッジユニットを示す断面図である。
【図15】本実施形態の記録装置の画像形成動作の概略を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
【0015】
図1は、本発明の記録装置としてのインクジェットプリンタの一実施形態を示す斜視図である。
【0016】
図1に示す本実施形態のインクジェットプリンタは、給紙部(不図示)と、被記録媒体搬送部(用紙搬送部)5と、記録部17と、記録部17の記録手段を回復させるメインテナンス部3とから構成されている。記録動作は、ホスト装置(不図示)から送られた記録データが、制御基板上の記録装置制御部(不図示)に格納され、同制御部から記録動作開始命令が出されることで、開始される。なお、メインテナンス部3は、後述するヘッド(記録手段)2a,2bのインク吐出口部をキャッピングし、インク吐出口からインクを吸引することでインク吐出口内を正常に回復させる機能を有している。
【0017】
記録が開始されるとまず、給紙動作が行われる。給紙動作が始まるとLFモータ(搬送モータ)(不図示)が回転し、ギア列を経て給紙部に設置された給紙ローラ(不図示)が回転する。被記録媒体(不図示)が給紙ローラによって分離部(不図示)に搬送され、分離部により複数枚積載された被記録媒体は一枚ずつ引き出されて、用紙搬送部5に搬送される。用紙搬送部5まで搬送された被記録媒体は、搬送ローラ6とバネ力により搬送ローラ6に押圧されているピンチローラ(不図示)でニップされる。ニップ後、給紙ローラ(不図示)は駆動力を切断され、被記録媒体と連れ回りするようになる。ギア列を介してLFモータ(搬送モータ)(不図示)から駆動力を得ている搬送ローラ6が回転することにより、ニップされた被記録媒体は記録部17に搬送され、被記録媒体は所定改行量毎に排紙ローラ7側に搬送される。記録媒体先端が第一拍車列8にかかり、排紙ローラ7と第一拍車列8とによってニップされるまでは、被記録媒体は搬送ローラ6とピンチローラ(不図示)のみにより搬送される。しかしながら、排紙ローラ7と第一拍車列8とでニップされても、搬送ローラ6と排紙ローラ7との周速がほぼ等しく設定され、かつ2つのローラ6,7はギア列で接続され、同期して回転するため、被記録媒体が引っ張られたり弛んだりすることはない。被記録媒体の後端が搬送ローラ6を通過した後は、印字が終了して排紙されるまで排紙ローラ7のみで被記録媒体の搬送は行われる。
【0018】
記録部17は、主に記録手段としてのヘッド2a,2bと、ヘッド2a,2bを着脱可能に搭載し、被記録媒体の搬送方向と交差する方向に往復移動を行うキャリッジユニット1とからなる。ヘッド2a,2bは、カラーヘッド2aとブラックヘッド2bとを有している。キャリッジユニット1は、レフトプレート9およびライトプレート10に固定されたシャーシ11と、シャーシ11に固定されたガイドレール12とにより案内支持されている。キャリッジユニット1は、キャリッジモータ13とアイドラプーリ14との間に張架されたキャリッジベルト15を介して、キャリッジモータ13の駆動力が伝達されることにより往復運動する。シャーシ11に張架されたコードストリップ16をキャリッジユニット1に搭載されたエンコーダセンサ(図1には図示せず)で読み取ることで、適切なタイミングで被記録媒体に向けてインク滴を吐出することができる。このように1ライン分の記録を終了すると、用紙搬送部5により必要量だけ被記録媒体が搬送され、その後、再び1ライン分の記録動作が行われる。このような動作を繰り返すことにより、記録シート全面への記録を行うことができる。
【0019】
ヘッド2a,2bと記録装置本体との電気的な結合は、ヘッド2a,2bのFPC(不図示)に設けられた、レジストを行っていない導体露出部(後述)と、キャリッジユニット1のヘッドコネクタ(図1には図示せず)とによって行われる。ヘッドコネクタは、キャリッジユニット1に設けられたキャリッジ基板(不図示)に半田付けされており、キャリッジ基板は、FFC(不図示)を介して装置本体側の回路基板(制御回路)(不図示)と電気的に結合されている。ヘッド2a,2bにFFCを介してヘッドドライバの信号を伝達することで、記録データに応じてインク滴を吐出することができる。
【0020】
次に、本実施形態のインクジェットプリンタを構成する各部材について説明する。
【0021】
まず、図2から図4を参照して、キャリッジユニットの構成について説明する。
【0022】
図2は、キャリッジユニット1を示す斜視図であり、ヘッドを収容するための空間が形成された側から見た図である。図3および図4はそれぞれ、ヘッド(カラーヘッド2a,ブラックヘッド2b)を装着した状態のキャリッジユニット1を示す斜視図および断面図である。
【0023】
キャリッジユニット1は、キャリッジ100と、キャリッジ100に固定されたフロントカバー102と、フロントカバー102に回転(変位)可能に設けられたヘッドセットレバー4a,4bと、フレキシブルフラットケーブル(FFC)(不図示)とを有している。
【0024】
キャリッジ100には、エンコーダセンサ(不図示)と、ヘッドコネクタ104a,104bが半田付けされたキャリッジ基板104とが搭載されている。キャリッジ基板104は、上述したように、FFCを介して装置本体側の回路基板(制御回路)(不図示)と電気的に結合されている。また、キャリッジ100には、図2に示すように、ヘッド突起部受け部108a,108bと、ヘッド位置決め溝受け部107a,107bと、ヘッド2a,2bを案内するヘッドガイド部110とが形成されている。また、キャリッジ100には、板バネであるヘッドセットラテラルスプリング109が取り付けられている。
【0025】
フロントカバー102には、ヘッド受けボス111と、ヘッド誤装着防止リブ105a,105bとが形成されている。
【0026】
ヘッドセットレバー4a,4bは、ヘッド2a,2bを案内するガイド部401a,401bと、ヘッド2a,2bを支持する、ヘッド支持部402a,402bおよびヘッド支持面403a,403bとを有している。また、ヘッドセットレバー4a,4bは、図2に示す、押し下げられた第1の位置と、図2および図3に示す、持ち上げられた第2の位置との間を変位可能である。ヘッドセットレバー4a,4bが第1の位置にあるときには、ヘッド2a,2bを収容するための空間である収容部106a,106bが形成される(図2参照)。また、ヘッドセットレバー4a,4bが第2の位置にあるときには、ヘッド2a,2bがキャリッジユニット1に固定される(図3および図4参照)。
【0027】
さらに、キャリッジユニット1は、ヘッドセットカム101と、圧縮バネで構成され、キャリッジ100を支点としてヘッドセットカム101を押圧(付勢)するヘッドセットカムスプリング103とを有している。ヘッドセットカム101は、ヘッドセットカムスプリング103によって付勢され、図4に示すように、ヘッド2a,2b(ヘッド押圧受け部、後述)に当接し、ヘッド2a,2bを方向Aに引っ張るようになっている。それにより、ヘッド2a,2bを、ヘッドコネクタ104a,104bに対して押圧することができ、キャリッジユニット1に対して固定することができる。すなわち、ヘッドセットカム101は、ヘッド2a,2bをキャリッジユニット1に対して固定する固定手段として機能する。
【0028】
図5(a)および図5(b)は、本実施形態のヘッドを示す斜視図である。なお、カラーヘッド2aとブラックヘッド2bとでは、後述するヘッド押圧受け部を除いて、構成に差異がない。そのため、以下では、特に言及しない限り、図面にカラーヘッド2aのみを示し、カラーヘッド2aを例に挙げて、ヘッドの構成を説明する。
【0029】
ヘッド2aは、図5(a)および図5(b)を示すように、インクを吐出するインク吐出口204aと、キャリッジ100に電気的に接続される導体露出部206aとを有している。ここで、導体露出部206aが設けられた面をヘッド前面とし、それに対向する面をヘッド後面とする。また、インク吐出口204aが設けられた面をヘッド下面とし、それに対向する面をヘッド上面とする。
【0030】
また、ヘッド2aは、ヘッド上面に形成され、ヘッド2aが搭載位置(図4参照)にあるときにヘッドセットカム101と当接するヘッド押圧受け部201aを有している。また、ヘッド2aは、ヘッド前面に形成されたヘッド突起部208aと、ヘッド前面とヘッド下面との境界付近で、ヘッド側方へ突出する一対のラフガイド部202aと、ラフガイド部202aのヘッド後面側に形成されたヘッド位置決め溝203aとを有している。さらに、ヘッド下面の、インク吐出口204aの両側には、タブ両脇面207aが形成され、インク吐出口204aのヘッド後面側には、ヘッドセットレバー受け部205aが設けられている。ラフガイド部202aとタブ両脇面207aとヘッドセットレバー受け部205aとは、ヘッド2aをキャリッジユニット1へ装着する際に、ヘッドセットレバー4aやキャリッジ100に当接し、ヘッド2aを支持する役目を果たす。また、ヘッド突起部208aとヘッド位置決め溝203aとは、ヘッド2aをキャリッジユニット1へ装着する際に、ヘッド2aの位置決めの役目を果たす。さらに、ヘッド上面側には、フロントカバー102のヘッド受けボス111に当接するボス受け部209aが形成されている。
【0031】
図6は、本実施形態のヘッドを上面側から見た平面図である。図6を参照すると、ヘッド押圧受け部201a,201bは、カラーヘッド2aとブラックヘッド2bとで異なる位置に配置されている。ヘッド押圧受け部201a,201bは、ヘッド2a,2bを、対応する収容部とは異なる収容部に装着しようとしたときに、フロントカバー102に設けられた上述のヘッド誤装着防止リブ105a,105bと干渉するように構成されている。これにより、各ヘッド2a,2bを、対応する収容部とは異なる収容部に誤って装着してしまうことを防止することができる。
【0032】
次に、図2、図4、および図5を参照して、キャリッジユニットに対するヘッドの固定方法について説明する。
【0033】
キャリッジユニット1のヘッドセットカム101は、ヘッドセットカムスプリング103によって付勢され、ヘッド2aの押圧受け部201aに当接する。押圧受け部201aは、ヘッドセットカム101に押圧され、ヘッド2aを方向A(図4参照)に引き込むような力を受ける。その押圧力により、ヘッド2aは、キャリッジ100に対して固定されるとともにヘッドコネクタ104aに電気的に結合される。押圧されたヘッド2aは、ヘッド2aのヘッド突起部208aがキャリッジ100のヘッド突起部受け部108と接触し、ヘッドの位置決め溝203aがキャリッジ100の位置決め溝受け部107aと接触する。これにより、ヘッド2aは、キャリッジ100に対して、上下、前後方向の動きが規制される。また、ヘッド2aは、キャリッジ100に取り付けられたヘッドセットラテラルスプリング109により、キャリッジ100の左右方向に押圧されることで、位置決めされる。ヘッド2aとヘッドコネクタ104aとの電気的接触は、ヘッドコネクタ104aの金属ピンとヘッド2aの導体露出部206aとが接触することで行われる。
【0034】
次に、図7を参照して、本実施形態におけるユーザのヘッド装着動作について説明する。図7は、本実施形態のヘッド装着動作を示すフローチャートである。
【0035】
まず、ユーザがフロントドア(不図示)を開放する(ステップS1)と、ドアセンサ(不図示)によりフロントドアの開閉状態が確認される(ステップS2)。フロントドアが閉じている場合、キャリッジユニットはヘッド交換動作に移行しない。ドアセンサはフロントドアが開放していることを認識すると、ユーザに対してフロントドアが開いていることを表示基板に表示する。その後、ヘッドを交換するためのヘッド交換ドアがキャリッジ走査で開放され(ステップS3)、キャリッジは交換ポジションで停止し、ヘッド交換の準備ができたことが表示基板に表示される(ステップS4)。その後、ユーザが後述するようにヘッドセットレバーを操作してヘッドをキャリッジに固定する(ステップS5)。そして、ユーザがフロントドアおよびヘッド交換ドアを閉める(ステップS6)と、ドアセンサが、フロントドアが正しく閉じられているかどうかの判断を行う(ステップS7)。フロントドアが開いている場合、そのことが表示基板に表示され(ステップS8)、その後の動作に移行しない。ドアが閉じられたことが確認されると、次にヘッドが装着されているかどうかの確認が行われる(ステップS9)。ヘッドと記録装置本体とが電気的に結合されている場合、ヘッド装着動作は完了するが、電気的に結合されていない場合には、ヘッド未装着エラーが表示される(ステップS10)。この場合、再度ヘッド装着動作が行われる。
【0036】
次に、図8から図14を参照して、本実施形態のヘッドのキャリッジユニットへの挿入方法について詳細に説明する。図8および図9が、本実施形態のキャリッジユニットの断面図であり、図10から図14が、本実施形態のヘッドの挿入動作を示す、キャリッジユニットの断面図または拡大断面図である。
【0037】
まず、キャリッジユニット1が、図8に示す第2の位置にあるとする。このとき、ヘッドセットカム101は、ヘッドセットカムスプリング103によって付勢され、ヘッド2aを押圧してキャリッジユニット1に対して固定できる位置(固定位置)にある(図4参照)。
【0038】
次に、ヘッドセットレバー4aを、図9に示す第1の位置へ矢印Bの方向(図8参照)に回転させ、収容部がヘッド2aを受け入れ可能な状態にする。このとき、ヘッドセットカム101は、ヘッドセットレバー4aと当接し、ヘッドセットレバー4aによって上方に持ち上げられる。これにより、ヘッドセットカム101は、もはや図8に示す固定位置ではなくなり、ヘッド2aの固定を解除する位置(固定解除位置)となる。
【0039】
そして、図10に示すように、ヘッド前面をキャリッジ100の方向に向けながら、ヘッド2aをキャリッジユニット1に挿入する。このとき、2つのラフガイド部202aがヘッドセットレバー4aのヘッド支持部402aを乗り越えて、ガイド部401aと接触した状態を保ちながら、ヘッド2aをキャリッジユニット1に挿入する(図11参照)。あるいは、ヘッド2aのタブ両脇面207aとヘッドセットレバー4aのヘッド支持面403a(図2参照)とが接触した状態を保ったままにするか、これら2つの接触状態を同時に保ったままにする。そして、ヘッドのタブ両脇面207aがヘッドセットレバー4aのヘッド支持面403aを通過するまで、ヘッド2aを押し込んでいく。このとき、ヘッドセットレバー4aのヘッド支持面403aが下方に突出するように湾曲しているため、ヘッド2aのインク吐出部204aがヘッドセットレバー4aに接触することはない。
【0040】
ヘッド2aをキャリッジユニット1に対して押し込んでいくと、図12および図13に示すように、ヘッド2aのタブ両脇面207aがヘッドセットレバー4aのヘッド支持面403aを通過する。このとき、ヘッド2aのラフガイド部202aは、キャリッジ100のヘッドガイド部110、またはヘッドセットレバー4aのガイド部401aに支持されている。また、ヘッド2aのヘッドセットレバー受け部205aは、ヘッドセットレバー4aのヘッド支持部402aに支持されている。これらにより、ヘッド2aはキャリッジユニット1から落下することがなくなり、そのため、ユーザはヘッド2aを保持している必要がなくなる。また、この位置では、ヘッドセットレバー4aを方向C(図12参照)に回転移動させても、ヘッドセットカム101がヘッド2aの押圧受け部201aに当接する位置まで、ヘッド2aが移動することはない。つまり、ヘッド2aは、ヘッドセットレバー4aによって持ち上げられるが、フロントカバー102のヘッド誤装着防止リブ105aと接触してしまい、それ以上の移動が停止される。そのため、ヘッド2aがヘッドコネクタ104aを押圧することはない。
【0041】
その後、図14に示すように、ヘッド後面側のヘッドセットレバー受け部205aがヘッドセットレバー4aのヘッド支持部402aを通過すると、ヘッドセットレバー4aを持ち上げてヘッド2aをキャリッジユニット1にセットできる状態となる。なお、このとき、ヘッド2aのラフガイド部202aは、キャリッジ100のヘッドの位置決め溝受け部107aの斜面にあり、ヘッド2aのボス受け部209aは、フロントカバー102のヘッド受けボス111に支持されている。すなわち、この位置でも、ヘッド2aは、ラフガイド部202aの2点とボス受け部209aの2点とで支えられ、キャリッジユニット1から落下することはない。
【0042】
図14に示す位置では、ヘッド2aは、ヘッドセットレバー4aと接触していないため、ヘッドセットレバー4aの回転動作に関して影響を与えることがなく、そのため、ヘッドセットレバー4aを方向Cに回転移動させることができる。ヘッドセットレバー4aを方向Cに回転移動させると、ヘッドセットカム101は、ヘッドセットレバー4aとの当接が解除され、付勢手段であるヘッドセットカムスプリング103により、固定解除位置(図9参照)から固定位置(図8参照)へと付勢される。そして、ヘッドセットカム101は、ヘッド2aの押圧受け部201aに当接し、ヘッドセットカムスプリング103の付勢力により、ヘッド2aを方向Aに押圧して移動させる。この押圧力により、ヘッド2aがキャリッジユニット1に対して固定されるとともに(図4参照)、ヘッド2aの導体露出部206aがヘッドコネクタ104aの金属ピンと接触して電気的に結合される。
【0043】
以上のように、本実施形態では、キャリッジユニットに対して前方からヘッドを装着することができる。それにより、キャリッジユニットの上方に十分な空間を確保する必要がなく、そのため、記録装置本体のカバーなどを持ち上げる必要もない。また、本実施形態では、キャリッジユニットのヘッドセットレバーが、ヘッドの固定手段であるヘッドセットカムの位置を切り替える切換手段として機能するだけでなく、ヘッドをヘッドキャリッジユニットの搭載位置まで案内するガイド部としても機能する。すなわち、ヘッドセットカム(固定手段)の切替手段であるヘッドセットレバーが、ヘッドセットカムを固定解除位置に位置させるときに、ヘッドを搭載位置まで案内する案内路を形成している。これにより、ヘッドを支持してキャリッジユニットに案内する部材を、キャリッジユニットとは別の部材として設ける必要がなく、記録装置のサイズアップやコストアップを抑制するヘッド装着機構を実現することができる。
【0044】
また、本実施形態では、ヘッドがキャリッジユニットの搭載位置にあるときに、ヘッドセットレバーを第1の位置から第2の位置へと変位させることで、ヘッドセットカムを固定解除位置から固定位置へと移動させることができる。すなわち、ヘッドセットレバーを移動させるだけで、ヘッドをキャリッジユニットに対して固定することができ、ヘッド交換作業時のユーザの操作性を向上させることができる。さらに、本実施形態は、ヘッドセットレバーがヘッドを固定する状態(第2の位置)にあって、キャリッジユニットが走査される際に、拍車ユニットと干渉しない点でも有利である。
【0045】
図15は、本実施形態における記録装置の画像形成動作の概略を示すブロック図である。
【0046】
各種信号を処理する制御部B1のインターフェイス部には、制御部B1に信号を送るためのパーソナルコンピュータB2が接続され、記録装置本体には、制御部B1に直接信号を送るための操作パネルB3が装備されている。制御部B1は、パーソナルコンピュータB2あるいは操作パネルB3から画像形成命令を受信した際に画像形成動作を開始する。あるいは、制御部B1内部のタイマーによって画像形成動作は開始される。このとき、制御部B1は、モータドライバB4を介して搬送モータB5に対して電力を供給するよう指令を出すと同時に、画像形成モータドライバB12を介して画像形成部モータB13に対しても電力を供給するよう指令を出す。搬送モータB5は、主駆動伝達系B6に接続され、この主駆動伝達系B6を介して、画像形成動作時に記録媒体を主体的に搬送する主搬送ローラユニットB7を駆動する。主搬送ローラユニットB7は、搬送駆動伝達系B8に接続され、この搬送駆動伝達系B8を介して、給紙された記録媒体を主搬送ローラの位置まで搬送する搬送ローラユニットB9を駆動する。
【0047】
また、画像形成モータB13は、画像形成部B14に接続され、その駆動によって、画像形成動作を行う。さらに、画像形成部B14は、搬送駆動伝達系B8の動作と協働して、積載された記録媒体を一枚ずつに分離し、給紙する給紙ローラユニットB11を動作させるための給紙駆動伝達系B10の動作を行う。この給紙駆動伝達系B10の動作により、給紙路ローラユニットB11に対する動力伝達・非伝達を切り替え、各種タイミングによって両者を選択的に切り替える。結果として、給紙ローラユニットB11と搬送ローラユニットB9の同期駆動/非同期駆動を行うことが可能となる。
【0048】
各モータの回転状態や負荷状態、記録紙の搬送状態は、プリンタ各所に設けられた各種センサB15によって検知され、その情報は信号の形で制御部B1に送られる。制御部B1は命令とセンサ情報に基づいて各モータを制御し、印字を行う。
【0049】
なお、上述した実施形態でのヘッド装着機構は、画像形成部B14で行われるものである。
【符号の説明】
【0050】
1 キャリッジユニット
2a,2b ヘッド
4 ヘッドセットレバー
101 ヘッドセットカム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インク吐出して被記録媒体に記録を行う記録手段と、該記録手段を着脱可能に搭載し、前記被記録媒体の搬送方向と交差する方向に往復移動するキャリッジユニットと、を有する記録装置であって、
前記キャリッジユニットが、
前記キャリッジユニットに搭載された前記記録手段を前記キャリッジユニットに対して固定する固定位置と、該固定を解除する固定解除位置との間で移動可能な固定手段と、
前記固定手段の前記固定位置と前記固定解除位置との切り替えを行う切替手段と、
を有し、
前記切替手段が、前記固定手段を前記固定解除位置に位置させるときに、前記記録手段を前記キャリッジユニットの搭載位置まで案内する案内路を形成する、記録装置。
【請求項2】
前記切換手段が、前記キャリッジユニットに対して変位可能に設けられ、前記固定手段を前記固定解除位置に位置させるとともに、前記案内路を形成する第1の位置と、前記固定手段を前記固定位置に位置させる第2の位置との間で変位可能である、請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記キャリッジユニットが、前記固定手段を前記固定解除位置から前記固定位置に付勢する付勢手段を有し、
前記切換手段が、前記固定手段を前記固定解除位置に保持するように、前記付勢手段に当接する前記第1の位置と、前記付勢手段との前記当接を解除する前記第2の位置との間で変位可能である、請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記記録手段が、前記案内路に案内される際に前記切替手段に支持されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項1】
インク吐出して被記録媒体に記録を行う記録手段と、該記録手段を着脱可能に搭載し、前記被記録媒体の搬送方向と交差する方向に往復移動するキャリッジユニットと、を有する記録装置であって、
前記キャリッジユニットが、
前記キャリッジユニットに搭載された前記記録手段を前記キャリッジユニットに対して固定する固定位置と、該固定を解除する固定解除位置との間で移動可能な固定手段と、
前記固定手段の前記固定位置と前記固定解除位置との切り替えを行う切替手段と、
を有し、
前記切替手段が、前記固定手段を前記固定解除位置に位置させるときに、前記記録手段を前記キャリッジユニットの搭載位置まで案内する案内路を形成する、記録装置。
【請求項2】
前記切換手段が、前記キャリッジユニットに対して変位可能に設けられ、前記固定手段を前記固定解除位置に位置させるとともに、前記案内路を形成する第1の位置と、前記固定手段を前記固定位置に位置させる第2の位置との間で変位可能である、請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記キャリッジユニットが、前記固定手段を前記固定解除位置から前記固定位置に付勢する付勢手段を有し、
前記切換手段が、前記固定手段を前記固定解除位置に保持するように、前記付勢手段に当接する前記第1の位置と、前記付勢手段との前記当接を解除する前記第2の位置との間で変位可能である、請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記記録手段が、前記案内路に案内される際に前記切替手段に支持されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の記録装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−39796(P2013−39796A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179609(P2011−179609)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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