説明

訪問候補地提示装置、訪問候補地提示装置方法、およびコンピュータプログラム

【課題】ユーザが訪問地を決めていない状態において、所定時間内に訪問できる訪問地をユーザに提示する。
【解決手段】この訪問候補地提示装置は、以下の構成を含む。経路の移動に要する時間の情報を含む経路ネットワークデータを格納する記憶部106、ユーザによってあらかじめ指定された訪問希望地点の位置と、関連情報と、を複数組、格納するRAM212、出発地点情報を取得するGPSユニット201、ユーザが訪問希望地点の訪問のために使用できる空き時間を受け取るコマンド入力部206と、経路ネットワークデータを参照して出発地点から訪問希望地点に至る訪問経路と、所要時間と、を決定する制御部104、空き時間内に訪問できる候補地点を決定する制御部210、候補地点の情報と関連情報に基づいて情報を出力する表示パネル202と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、所定時間内に訪問できる訪問地をユーザに提示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、コンピュータや携帯電話を利用した経路探索が行われている。ある技術においては、ユーザは、携帯電話からインターネットに接続し、電車案内サーバにアクセスする。そして、出発駅、目的駅、到着時刻を指定して、電車案内サーバに対して電車情報(出発・到着時刻、電車名など)の検索を依頼する。電車案内サーバは、時刻表データベースと乗り換えデータベースから複数の電車情報を抽出し、これを携帯電話に送信する。
【0003】
【特許文献1】特開2002−225712号公報
【0004】
上記のような従来技術においては、指定された到着時刻またはその前に目的地に到着するように、最短時間または最低のコストで目的地に移動することができる経路を検索する。
【0005】
しかし、上記の技術は、あらかじめ目的地(目的駅)が決まっている状態でしか使用することはできない。すなわち、ユーザ自身がどこに行くかを決めていない状態において、ユーザに対して所定時間内で訪問できる訪問地の候補やその訪問地への行き方を提示することはできない。上記の従来技術においては電車を利用する場合の探索が行われるが、このような問題は、電車、自動車、徒歩など目的地までの移動手段によらず、広く存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の問題の少なくとも一部を取り扱うためになされたものであり、ユーザが訪問地を決めていない状態において、所定時間内に訪問できる訪問地をユーザに提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、ユーザに対して訪問地の候補を提示する訪問候補地提示装置において、以下の態様を採用する。
第1の態様の訪問候補地提示装置は、ユーザが移動のために利用できる経路の集合を表す経路網情報であって、前記経路の移動に要する時間に関する情報を含む経路網情報を格納する経路網情報格納部と、ユーザによってあらかじめ指定された訪問希望地点の位置を特定する希望地点情報と、前記訪問希望地点に関連する関連情報と、を複数組、格納する訪問希望地情報格納部と、出発地点を特定する出発地点情報を取得する出発地情報取得部と、ユーザが訪問希望地点の訪問のために使用できる空き時間に関する空き時間情報を受け取る入力部と、前記経路網情報を参照しつつ、前記出発地点情報と前記希望地点情報とに基づいて、前記出発地点から前記訪問希望地点に至る訪問経路と、前記訪問経路にしたがって前記訪問希望地点を訪問するのに要する所要時間と、を決定し、前記空き時間情報と前記所要時間とに基づいて、前記空き時間内に訪問できる訪問希望地点である候補地点を決定する候補地点決定部と、前記候補地点の前記希望地点情報と前記関連情報に基づいて前記候補地点に関する情報を出力する出力部と、を備える。
【0008】
このような態様とすれば、ユーザは、ある地点に関心を持ったときにその訪問希望地点についての情報を訪問希望地情報格納部に格納し、後に空き時間ができたときに、空き時間情報を入力して、空き時間内に訪問できる訪問希望地点の情報を訪問候補地提示装置から受け取ることができる。すなわち、上記のような態様によれば、ユーザが訪問地を決めていない状態において、所定時間内に訪問できる訪問地をユーザに提示することができる。
【0009】
第2の態様の訪問候補地提示装置は、第1の態様の訪問候補地提示装置であって、前記出力部が、前記候補地点に関する情報の出力の少なくとも一部として、前記訪問経路を地図上に表示する訪問候補地提示装置である。このような態様とすれば、ユーザは、表示された訪問経路にしたがって候補地点を訪問することができる。
【0010】
第3の態様の訪問候補地提示装置は、第1または第2の態様の訪問候補地提示装置であって、さらに、前記入力部から入力された前記訪問希望地点を特定可能な個別情報に基づいて、更新されることができる更新情報を外部から取得し、前記更新情報に基づいて前記関連情報の少なくとも一部を生成し、前記訪問希望地情報格納部に格納する関連情報取得部を備える。このような態様とすれば、更新された新しい情報に基づいて、候補地点に関する情報を出力部に表示することができる。
【0011】
さらに他の態様の携帯端末は、ネットワークを介して接続される携帯端末と探索部とを備えユーザに対して訪問地の候補を提示する訪問候補地提示装置において使用される携帯端末であって、出発地点を特定する出発地点情報を取得する出発地情報取得部と、ユーザが訪問希望地点の訪問のために使用できる空き時間に関する空き時間情報を受け取る入力部と、前記出発地点情報と前記空き時間情報とを探索部に送信する端末送信部であって、前記探索部は、前記出発地点情報と前記空き時間情報とを前記携帯端末から受信する受信部と、ユーザが移動のために利用できる経路の集合を表す経路網情報であって、前記経路の移動に要する時間に関する情報を含む経路網情報を格納する経路網情報格納部と、ユーザによってあらかじめ指定された訪問希望地点の位置を特定する希望地点情報と、前記訪問希望地点に関連する関連情報と、を複数組、格納する訪問希望地情報格納部と、前記経路網情報を参照しつつ、前記出発地点情報と前記希望地点情報とに基づいて、前記出発地点から前記訪問希望地点に至る訪問経路と、前記訪問経路にしたがって前記訪問希望地点を訪問するのに要する所要時間と、を決定し、前記空き時間情報と前記所要時間とに基づいて、前記空き時間内に訪問できる訪問希望地点である候補地点を決定する候補地点決定部と、前記候補地点の前記希望地点情報と前記関連情報に基づいて前記候補地点に関する情報を前記携帯端末に送信する送信部と、を備える、端末送信部と、前記候補地点に関する情報を前記探索部から受信する端末受信部と、前記候補地点に関する情報を出力する出力部と、を備える。
【0012】
このような態様としても、ユーザは、ある地点に関心を持ったときにその訪問希望地点についての情報を訪問希望地情報格納部に格納し、後に空き時間ができたときに、空き時間情報を入力して、空き時間内に訪問できる訪問希望地点の情報を訪問候補地提示装置から受け取ることができる。そして、訪問希望地情報格納部と候補地点決定部が探索部に設けられているため、携帯端末の装備を簡略にすることができる。
【0013】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、訪問候補地提示法および訪問候補地提示装置、経路案内方法および経路案内装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
A.第1実施例:
A1.全体構成:
図1は、本発明の第1実施例である訪問地提示システムのハードウェア構成を示す図である。第1実施例の訪問地提示システムは、経路探索サーバ100と、地図サーバ150と、施設サーバ170と、携帯電話200と、を含む。
【0015】
携帯電話200は、GPSユニット201と、表示パネル202と、音声出力部203と、振動機構204と、通信部205と、コマンド入力部206と、時計部209と、主制御部210と、通話制御部220とを有している。
【0016】
GPSユニット201は、GPS(Global Positioning System/全地球測位システム)の衛星からの電波を受信するためのアンテナを含むユニットである。GPSのアンテナが受信する電波に基づいて、GPSユニット201は、携帯電話200の現在位置を表す現在位置情報を生成することができる。
【0017】
表示パネル202は、画像を表示することができる液晶ディスプレイである。音声出力部203は、スピーカを含む装置であって、経路案内などのユーザへのメッセージやメロディなどを音声で出力できる装置である。振動機構204は、所定のパターンの振動でユーザの注意を促すことができる装置である。本明細書においては、画像、音声、振動を出力する装置202〜204を、まとめて「出力部」と呼ぶことがある。
【0018】
通信部205は、通信ネットワークとしてのインターネットINTを介して、経路探索サーバ100および地図サーバ150と通信を行い、情報を送受信することができる。なお、通信ネットワークとしては、インターネットのほかにLANやWAN、公衆回線等がある。コマンド入力部206は、テンキー206aとカーソルキー206bとを含む。ユーザは、テンキー206aとカーソルキー206bを介して携帯電話200に情報を入力する。時計部209は、主制御部210からの要求に応じて、現在時刻を表す現在時刻情報を出力する。通話制御部220は、通話のための着信呼出、音声/電気信号の変換などを行う回路である。
【0019】
主制御部210は、携帯電話200の各部を制御するための制御ユニットである。主制御部210は、それらの制御に使用されるCPU211、RAM212、ROM213を備えている。例えば、主制御部210は、CPUでアプリケーションソフトウェア230を実行することによって携帯電話200の各部を制御し、現在位置から目的地までの経路を表す経路データを入手して、経路案内(ルートガイド)を行うことができる。
【0020】
経路探索サーバ100は、通信部102と、制御部104と、記憶部106とを有している。経路探索サーバ100は、通信部102およびインターネットINTを介して携帯電話200や地図サーバ150と通信を行うことができる。経路探索サーバ100の制御部104は、記憶部106内の経路ネットワークデータを参照して、携帯電話200から受け取った出発地、経由地、目的地などのデータに基づいて、経路の探索を行う。その後、経路探索サーバ100は、通信部102を介して、探索した経路と所要時間の情報を含む経路データを携帯電話200に送信する。
【0021】
地図サーバ150は、通信部152と、制御部154と、地図データベース156とを有している。地図サーバ150は、通信部152およびインターネットINTを介して、携帯電話200や経路探索サーバ100と通信を行うことができる。地図サーバ150の制御部154は、地図データベース156内の地図画像データを参照して、携帯電話200から受け取ったデータに基づいて、携帯電話200が要求する領域の地図を表す地図画像データを切り出す。そして、切り出した地図画像データを、通信部152を介して、携帯電話200に送信する。
【0022】
施設サーバ170は、通信部172と、制御部174と、施設データベース176とを有している。施設データベース176は、個別情報としての施設の電話番号と、施設の地点の情報および施設の関連情報とを関連づけて格納している。施設の地点の情報は、施設が存在する地点の緯度および経度である。施設の関連情報は、例えば、名称、カテゴリー(遊園地、美術館、景勝地、飲食店、さらには飲食店のうちのフランス料理店、イタリア料理店など)、定休日を含む利用可能時間、予算(施設の入場料や平均予算)などである。
【0023】
施設サーバ170は、通信部172およびインターネットINTを介して、携帯電話200や他のインターネットINTに接続されたサーバ(図示せず)と通信を行うことができる。施設サーバ170の制御部174は、施設データベース176を参照して、携帯電話200から受け取った個別情報に基づいて、携帯電話200が要求する施設の地点の情報およびその施設の関連情報を表す施設データを生成する。そして、施設データを、通信部172を介して、携帯電話200に送信する。
【0024】
A2.訪問地提示システムにおける処理:
図2は、本実施例の訪問地提示システムにおける施設(訪問希望地)の登録処理を示すフローチャートである。携帯電話200のユーザは、携帯電話200を携帯している。そして、雑誌を見たり、パーソナルコンピュータでウェブサイトを見たりした場合であって、「いつか行ってみたい。」と感じた施設があった場合には、ユーザは、図2のステップS10で、本実施例のアプリケーションソフトウェア230を起動し、その施設の電話番号をテンキー206aを介して入力する。電話番号は、本実施例において訪問希望地としての施設を特定するために使用される。この訪問希望地を特定する情報を「個別情報」と呼ぶ。
【0025】
ステップS20では、携帯電話200の主制御部210は、施設サーバ170に個別情報を送信して、施設の地点情報および関連情報を問い合わせる。そして、それらを含む施設データを施設サーバ170から受け取る。そして、施設データをRAM212に格納する。その後、ユーザは、アプリケーションソフトウェア230を終了する。なお、ステップS20の機能を奏する携帯電話200の主制御部210の機能部を、訪問希望地情報格納部231として図1に示す。
【0026】
図2の処理は、ユーザが「行ってみたい。」と感じる施設を見つけるたびに実施することができる。その結果、携帯電話200のRAM212内には、複数の施設の施設データが蓄積される。これらの施設データの集合を訪問希望地データベース215と呼ぶ(図1参照)。
【0027】
図3は、本実施例の訪問地提示システムにおいて登録した施設の中から条件にあったものの提示を受ける利用処理を示すフローチャートである。図3の処理は、ユーザに空き時間ができ、ユーザが、その空き時間内で訪問できる施設を知りたい場合に実行される。例えば、出張先で打ち合わせが予定外に早く終わった場合であって、帰りの飛行機の出発時刻までに空き時間がある場合などに、この処理が実行される。
【0028】
図3のステップS110では、ユーザは、アプリケーションソフトウェア230を起動して、携帯電話200の主制御部210に対して出発地点SPを入力する。ここでは、ユーザは、GPSユニット201を介して取得される現在位置の情報を、出発地点の情報として指定する。具体的な指定は、コマンド入力部206を介して行われる。
【0029】
ただし、出発地点SPは、電話番号や施設名などで入力することもできる。電話番号や施設名で出発地点が入力されたときには、携帯電話200の主制御部210は、それらの情報を施設サーバ170に送信して地点の情報を問い合わせ、施設サーバ170から出発地点の地点情報(緯度および経度)を受け取る。なお、ステップS110の機能を奏する携帯電話200の主制御部210の機能部を、出発地情報取得部232として図1に示す。
【0030】
ステップS120では、ユーザによって入力された空き時間STが携帯電話200の主制御部210によって受け付けられる。空き時間STは、「3時間」などの時間の長さで入力されることもでき、「15時から18時」などの時間区間で入力されることもできる。なお、ステップS120の機能を奏する携帯電話200の主制御部210の機能部を空き時間情報入力部233として図1に示す。
【0031】
ステップS130では、携帯電話200の主制御部210は、訪問希望地データベース215に施設データが含まれている施設(訪問希望地点)のうち、出発地点SPを含む所定の範囲内に存在する施設について、出発地から各施設に至る経路および所要時間を、通信部205を介して経路探索サーバ100に問い合わせる。なお、経路および所要時間を問い合わせる施設は、例えば、出発地点SPから半径Rの範囲内に存在する施設とすることができる。半径Rは、ユーザが入力した空き時間STに基づいて決定することができる。半径Rは、空き時間STが大きいほど大きい値に定められる。また、それについて経路および所要時間を問い合わせる施設は、例えば、出発地点SPを含む行政区画(市や県など)の領域とすることもできる。出発地点SPから各施設までの経路データを通信部205を介して入手すると、携帯電話200の主制御部210は、それらの経路データをRAM212に格納する。なお、経路データには、各施設に行くのに要する所要時間RTの情報が含まれる。通信部205を介して、出発地から各施設に至る経路および所要時間を経路探索サーバ100に問い合わせ、通信部205を介して、経路データを経路探索サーバ100から受け取る主制御部210の機能部を、端末送受信部239として図1に示す。
【0032】
ステップS140では、携帯電話200の主制御部210は、経路データを取得した施設のうち、所要時間RTが空き時間STの1/2未満の施設を、候補地点として決定する。なお、ステップS140の機能を奏する携帯電話200の主制御部210の機能部を候補地点決定部234として図1に示す。ステップS150では、携帯電話200の主制御部210は、表示パネル202において、地図上に重ねてそれらの候補地点の位置および一部の関連情報を表示する。
【0033】
図4は、ステップS150で表示される表示パネル202上の表示を示す図である。図4においては、出発地点SPの周辺の地図に重ねて、ステップS140で定めた候補地点Pc1〜Pc3の位置が表示されている。なお、図4において破線で示す地点Pc4は、本実施例の技術の説明のために図中に示すものであり、実際には表示パネル202上には表示されない。
【0034】
図4の表示において、地図は道路R01〜R05を含む。地図データは、携帯電話200の主制御部210が地図サーバ150に要求して地図サーバ150から取得する。候補地点Pc1〜Pc3には、吹き出しB1〜B3が示される。吹き出しB1〜B3(B4)の上段には、関連情報の一部として、その施設のカテゴリーが示される。また、中段には、関連情報の一部として、施設の名称が示される。下段には出発地点SPからその施設に行くのに要する所要時間RTが示される。
【0035】
例えば、図3のステップS130で出発地からの経路が探索された訪問希望地点は、Pc1〜Pc4の4カ所であったとする。そして、訪問希望地点Pc1〜Pc4に行くための所要時間は、それぞれ1.0時間、0.5時間、1.5時間、2.5時間であったとする(図4参照)。図3のステップS120で入力された空き時間STが3.5時間であったとすると、訪問希望地点Pc1〜Pc3は、ステップS140において候補地点として選択される。一方、所要時間が空き時間の1/2を超える訪問希望地点Pc4は、ステップS140において候補地点として選択されない。このため、ステップS150においては、地点Pc1〜Pc3は表示パネル202上に表示されるが、Pc4は表示されない。なお、ステップS150の機能を奏する携帯電話200の主制御部210の機能部を出力制御部235として図1に示す。
【0036】
図3のステップS160では、ユーザは、表示パネル202上に表示された候補地点Pc1〜Pc3の中から、カーソルキー206bを操作して一つを選択し、訪問地点として確定した旨の入力を行う。具体的には、カーソルキー206bを操作して、一つの候補地点を選択し、さらに、カーソルキー206bの中央部分を押すと、選択されていた候補地点が訪問地点として入力される。なお、ステップS160において訪問地点の指示を受け取る機能を奏する携帯電話200の主制御部210の機能部を訪問地点入力部236として図1に示す。
【0037】
図3のステップS170では、携帯電話200の主制御部210は、選択された候補地点の経路データにしたがって、経路案内を行う。図4においては、選択された訪問地点Pc1に至る経路Rtを一点鎖線で示す。なお、ステップS170の機能を奏する携帯電話200の主制御部210の機能部を経路案内部237として図1に示す。
【0038】
このような態様とすれば、ユーザは、興味を持った時点でその施設を訪問希望地として携帯電話200に登録することができ(図2参照)、空き時間ができた時点で、過去に自分が興味を持った施設を携帯電話200に提示させることができる(図3参照)。よって、空き時間中に、自分が過去に興味を持った施設を訪れることができる。その結果、空き時間を有効に活用することができる。
【0039】
本実施例において、ステップS20が「訪問希望地情報格納工程」に相当する。ステップS110が「出発地情報取得工程」に相当する。ステップS120が「空き時間情報入力工程」に相当する。ステップS130が「経路決定工程」に相当する。ステップS140が「候補地点決定部工程」に相当する。ステップS150が「出力工程」に相当する。
【0040】
本実施例において、経路探索サーバ100の記憶部106が「経路網情報格納部」に相当する。携帯電話200のRAM212が「訪問希望地情報格納部」に相当する。コマンド入力部206とGPSユニット201と出発地情報取得部232が「出発地情報取得部」に相当する。コマンド入力部206と空き時間情報入力部233が「入力部」に相当する。制御部104と候補地点決定部234が「候補地点決定部」に相当する。表示パネル202と出力制御部235が「出力部」に相当する。
【0041】
B.第2実施例:
第1実施例では、携帯電話200の主制御部210は、図2のステップS20であらかじめ取得し、RAM212に蓄積した関連情報をユーザに対して表示する(図3のステップS150、および図4参照)。これに対して、第2実施例では、ユーザの要求に応じて、日々更新されている情報を施設サーバ170から取得して関連情報の一部とし、これを表示パネル202に表示する。このため、第2実施例においては、図2のステップS150とステップS160の間において、第1実施例では行われない処理が行われる。第2実施例の他の点は、第1実施例と同じである。
【0042】
第2実施例においては、施設サーバ170の制御部174は、インターネットINTに接続されているサーバであって各施設のホームページや個人のブログ(weblog)のサービスを提供しているサーバを定期的に巡回する。そして、施設の情報を収集し、その情報に基づいて施設データベース176内の施設の関連情報の少なくとも一部を更新する。このような態様とすることで、各施設を利用することによって得られるサービスや商品などの関連情報を、常に新しい情報に保つことができる。
【0043】
図5は、第2実施例の訪問地提示システムにおいて登録した施設の中から条件にあったものの提示を受ける利用処理を示すフローチャートである。図5のフローチャートにおいて、ステップS150以前の処理、およびステップS160以降の処理の内容は、第1実施例の図3のフローチャートと同じである。よって、技術の理解を容易にするために、図5において、ステップS150より前の処理は図示を省略する。
【0044】
ステップS150で、表示パネル202に候補地点の情報が表示された後(図4参照)、ステップS153では、さらなる関連情報の表示がユーザによって指示されたか否かが判定される。ステップS150で図4の表示がなされた状態において、ユーザがカーソルキー206bを操作して図4に表示された一つの候補地点を選択し、テンキー206aに含まれるメニューキーを押すと、表示パネル202にサブメニュー(図示せず)が表示される。カーソルキー206bを操作して、そのサブメニューのうちの「詳細」の選択肢を選択し、カーソルキー206bの中央部分を押すと、選択されていた候補地点のさらなる関連情報の表示が指示される。図5のステップS153では、そのような操作を通じてさらなる関連情報の表示がユーザによって指示されたか否かが判定される。
【0045】
ステップS155では、携帯電話200の主制御部210は、施設サーバ170に個別情報(電話番号)を送信して、施設の関連情報を問い合わせる。そして、施設の関連情報を含む施設データを施設サーバ170から受け取る。なお、ステップS155において施設サーバ170から携帯電話200に送られる関連情報は、その時点における最新の関連情報である。この関連情報には、施設のホームページに記載された情報やブログに書かれた情報であって施設サーバ170がインターネットINT上から収集した情報が含まれる。ステップS155の機能を奏する携帯電話200の主制御部210の機能部を関連情報取得部238として図1に示す。
【0046】
なお、第2実施例においては、図2のステップS20において施設サーバ170から送られる関連情報は、図5のステップS155において施設サーバ170から送られる関連情報よりも少ない情報とすることができる。ステップS20において施設サーバ170から送られる関連情報は、例えば、ステップS150で候補地点を示す際に表示される情報(施設名やカテゴリーの情報)のみとすることができる。そのような態様とすることで、ユーザが選択していない候補地点に関する情報に関する通信の負荷を低減することができる。
【0047】
図6は、ステップS157において、最初に表示パネル202に表示される内容を示す図である。図6の例は、図5のステップS153において候補地点Pc1(図4参照)の関連情報の表示が指示された場合の例である。図6の表示においては、施設のカテゴリーIr1、名称Ir2、その施設に行くのに要する時間RT、営業時間Ir3、予算(入館料)Ir4が表示されている。
【0048】
また、ステップS157の表示においては、施設サーバ170によって施設のホームページから取得された情報を見るためのメニューM1、施設サーバ170によってブログから取得された情報を見るためのメニューM2も表示される。メニューM1を選択することで、ユーザは、施設のホームページから取得された情報を表示パネル202に表示させることができる。メニューM2を選択することで、ユーザは、ブログから取得された情報を表示パネル202に表示させることができる。図6の例では、暫定的にメニューM1が選択されている。この状態でカーソルキー206bの中央部分を押下することにより、メニューM1が確定的に選択される。
【0049】
図5のステップS157で最新の関連情報が表示された後、後、処理はステップS153に戻る。すなわち、表示は図4の状態に戻る。第2実施例のような態様とすれば、ユーザは、図5のステップS150〜S160の処理において、最新の関連情報を見て、それらに基づいて訪問地点を決定することができる。なお、本実施例において、制御部174と関連情報取得部238が、「関連情報取得部」に相当する。
【0050】
C.第3実施例:
第1実施例では、ユーザは、携帯電話200に施設の電話番号(個別情報)を入力する(図2のステップS10)。そして、施設の電話番号は携帯電話200から施設サーバ170に送信され、施設サーバ170からその施設の施設データが携帯電話200に送信される。そして、施設データは携帯電話200のRAM212に格納される(図2参照)。また、空き時間に基づく候補地点の決定に際しては、携帯電話200の主制御部210が、経路データを取得した施設のうち、所要時間RTが空き時間STの1/2未満の施設を、候補地点として決定する(図3のステップS140)。しかし、第3実施例においては、施設の個別情報は、まず、ユーザによってパーソナルコンピュータ180に入力され、パーソナルコンピュータ180から経路探索サーバ100に送信される。そして、第1実施例において、携帯電話200が行っていた処理の一部を、経路探索サーバ100が行う。第3実施例の他の点は、第1実施例と同じである。
【0051】
図7は、本発明の第3実施例である訪問地提示システムのハードウェア構成を示す図である。図7において、図1と同じ構成は図1において示した符号と同じ符号で示す。なお、図7においては、地図サーバ150と施設サーバ170については、技術の理解を容易にするため、簡略化して示している。第3実施例の訪問地提示システムは、経路探索サーバ100と、地図サーバ150と、施設サーバ170と、パーソナルコンピュータ180と、携帯電話200と、を含む。
【0052】
パーソナルコンピュータ180(以下「PC180」と表記する)は、たとえば、ユーザの自宅のパーソナルコンピュータである。PC180は、ディスプレイ182と、通信部185と、入力部186と、CPU187と、RAM188と、ROM189と、を有している。
【0053】
ディスプレイ182は、画像を表示することができる液晶ディスプレイである。通信部185は、インターネットINTを介して、経路探索サーバ100と通信を行い、情報を送受信することができる。入力部186は、キーボードとマウスとを含む。ユーザは、キーボードやマウスを介してPC180に情報を入力する。CPU187は、RAM188やROM189に格納されたデータに基づいて様々な機能を実現する。たとえば、CPU187においてアプリケーションプログラムとしてのウェブブラウザが実行されると、PC180の各部が制御され、ユーザは、インターネットに接続されたウェブサーバ(図7において図示せず)のデータを閲覧することができる。なお、RAM188は、半導体メモリと、ハードディスクとを含む。
【0054】
第3実施例における経路探索サーバ100と、地図サーバ150と、施設サーバ170と、携帯電話200と、のハードウェア構成は、第1実施例と同じである。ただし、経路探索サーバ100と携帯電話200の機能は第1実施例とは異なる。また、それに伴って、第1実施例において施設サーバ170から携帯電話200に送信されていた施設データは、施設サーバ170から経路探索サーバ100に送信される。これらの点については、後に説明する。
【0055】
第3実施例においては、図2の処理は、PC180と、経路探索サーバ100とによって行われる。ユーザは、雑誌を見たり、PC180でウェブサイトを見たりした場合であって、行ってみたいと感じた施設があった場合には、図2のステップS10において、PC180上でアプリケーションソフトウェア190を起動する。そして、その施設の電話番号を、入力部186(キーボード)を介してPC180に入力する。
【0056】
ステップS20では、PC180は、通信部185を介して、経路探索サーバ100に個別情報としての施設の電話番号を送信する。経路探索サーバ100の制御部104は、その個別情報を受信すると、その個別情報を施設サーバ170に送信して、施設の地点情報および関連情報を問い合わせる。そして、制御部104は、それらを含む施設データを施設サーバ170から受け取り、記憶部106に格納する。また、制御部104は、それらの処理が完了した旨の情報をPC180に送信する。処理が完了した旨の表示がPC180のディスプレイ182においてされると、ユーザは、アプリケーションソフトウェア190を終了する。
【0057】
図2の処理は、ユーザが「行ってみたい。」と感じる施設を見つけるたびに実施することができる。その結果、経路探索サーバ100の記憶部106内には、複数の施設の施設データが蓄積される。これらの施設データの集合を訪問希望地データベース1065と呼ぶ(図7参照)。
【0058】
第3実施例においては、図3の処理の一部も、経路探索サーバ100によって行われる。まず、図3の処理において、ステップS110,S120の処理は、第1実施例と同様に行われる。
【0059】
図3のステップS130では、携帯電話200の主制御部210は、出発地点SPの情報と(ステップS110参照)、空き時間の情報と(ステップS120参照)を、通信部205を介して経路探索サーバ100に送信する。経路探索サーバ100は、出発地点SPと空き時間の情報を受信する。そして、経路探索サーバ100の制御部104は、訪問希望地データベース1065に施設データが含まれている施設(訪問希望地点)のうち、出発地点SPを含む所定の範囲内に存在する施設について、出発地から各施設に至る経路および所要時間RTを計算する。なお、出発地点SPを含む所定の範囲は、第1実施例と同様に決定することができる。出発地点SPと空き時間の情報を経路探索サーバ100に送信する携帯電話200の主制御部210の機能部は、端末送受信部239である(図7参照)。出発地点SPと空き時間の情報を携帯電話200から受信する制御部104の機能部を送受信部1049として図7に示す。
【0060】
図3のステップS140では、経路探索サーバ100の制御部104は、経路および所要時間を計算した施設のうち、所要時間RTが空き時間STの1/2未満の施設を、候補地点として決定する。そして、候補地点の経路および所要時間を経路データとして、携帯電話200に送信する。その際、候補地点の施設データも、携帯電話200に送信する。携帯電話200は、通信部205を介して、経路データおよび施設データを受信する。なお、訪問希望地点に至る経路および所要時間RTを計算し(ステップS130)、候補地点を決定する(ステップS140)経路探索サーバ100の制御部104の機能部を候補地点決定部1044として図7に示す。また、経路データおよび施設データを携帯電話200に送信する制御部104の機能部は、送受信部1049である(図7参照)。経路データおよび施設データを受信する携帯電話200の主制御部210の機能部は、端末送受信部239である。
【0061】
ステップS150では、携帯電話200の主制御部210は、表示パネル202において、地図上に重ねてそれらの候補地点の位置および一部の関連情報を表示する(図4参照)。図3のステップS160以下の処理は、第1実施例と同じである。
【0062】
このような態様とすれば、ユーザは、興味を持った時点でその施設を訪問希望地として自宅のPC180から経路探索サーバ100に登録することができる(図2参照)。そして、外出先で空き時間ができた時に、過去に自分が興味を持った施設を携帯電話200に提示させることができる(図3および図4参照)。よって、外出先における空き時間中に、自分が過去に興味を持った施設を訪れることができる。その結果、空き時間を有効に活用することができる。
【0063】
本実施例において、携帯電話200が「携帯端末」に相当する。コマンド入力部206とGPSユニット201と出発地情報取得部232が「出発地情報取得部」に相当する。コマンド入力部206と空き時間情報入力部233が「入力部」に相当する。端末送受信部239および通信部205が、「端末送信部」および「端末受信部」に相当する。表示パネル202と出力制御部235が「出力部」に相当する。
【0064】
また、本実施例において、経路探索サーバ100の記憶部106が「経路網情報格納部」および「訪問希望地情報格納部」に相当する。制御部104の候補地点決定部1044が「候補地点決定部」に相当する。制御部104の送受信部1049および通信部102が、「受信部」および「送信部」に相当する。
【0065】
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。例えば次のような変形も可能である。
・上記実施例では、ステップS120では、時間を入力している。このほか、空き時間を入力する際には、年月日を特定して、入力する態様とすることもできる。
【0066】
・上記実施例においては、ユーザは、携帯電話200に対して訪問したい施設の個別情報として電話番号を入力する(図2のステップS10参照)。このほか、個別情報の入力は、他の態様で実現することもできる。例えば、コマンド入力部206を介して住所や施設名を入力してもよい。すなわち、個別情報の入力は、施設を特定することができる情報が入力できる態様であれば、どのようなものであってもよい。
【0067】
また、上記実施例においては、携帯電話200の主制御部210が個別情報に基づいて、施設の地点の情報および関連情報を表す施設データを、施設サーバ170から取得する。このほか、関連情報の一部をユーザが入力する態様とすることもできる。
【0068】
例えば、携帯電話がデジタルスチルカメラを備えている場合には、以下のような態様とすることもできる。すなわち、一度訪れた施設においてユーザが撮影した写真の画像データを、訪問希望地データベース215のデータの一部として、RAM212に格納することもできる。そのような態様においては、図5のステップS157においてその写真を他の情報とともに表示することができる。そのような態様とすれば、ユーザは自己が撮影した写真に基づいて、過去にその施設を訪問した際の状況を思い出しつつ、訪問する施設を決定することができる。
【0069】
さらに、例えば、ユーザの友人の家を訪問希望地点とする場合には、その友人の電話番号と住所をユーザがテンキー206aを介して携帯電話に入力し、携帯電話が備えるカメラで撮影した友人の写真のデータとともに、訪問希望地データベース215のデータの一部(関連情報)として、RAM212に格納することもできる。すなわち、関連情報の全部または一部(たとえば主要な部分)をユーザが自ら入力する態様とすることもできる。
【0070】
外部の画像を取得できる画像取得部と、その画像を解析して情報を取り出すことができる画像解析部を携帯電話200が備えている場合には、以下のような態様とすることもできる。すなわち、個別情報や関連情報の入力は、雑誌や本に掲載されたバーコードや2次元コードなどの画像の読み取りによって行われることもできる。また、画像解析部が文字認識の機能を有する場合には、雑誌や本に掲載された施設の住所や電話番号、インターネットINT上のURL等を文字認識を行わせることによって、個別情報や関連情報の入力を行うこともできる。このような態様とすれば、ユーザがキーを介して情報を入力する態様に比べて、より簡便な手続でより多くの情報を入力することができる。
【0071】
・上記実施例においては、ステップS140において候補地点を決定する際には、所要時間RTが空き時間STの1/2未満である訪問希望地が選択される。このほか、候補地点を決定する際には、所要時間RTと空き時間STによって定められる他の条件にしたがって候補地点を決定することもできる。例えば、施設サーバ170は、各訪問希望地について、その施設を利用するのに必要な標準な時間である標準滞在時間ETを、関連情報として保持することができる。ステップS140において候補地点を決定する際には、例えば、(RT×2+ET)がSTよりも小さい、という条件を満たすものを候補地点とすることができる。(RT×2+ET)に所定の定数K(0<K<1)を掛けたものがSTよりも小さい、という条件を満たすものを候補地点とすることができる。すなわち、候補地点の決定は、所要時間RTと空き時間STに基づいて様々な方法で行うことができる。ただし、選択される候補地点については、所要時間RTは空き時間STの1/2未満となることが好ましい。
【0072】
・上記実施例においては、出発地点が入力され(図3のステップS110)、空き時間が入力されて(ステップS120)、それらに基づいて出発地から各施設に至る経路および所要時間が探索される(ステップS130)。しかし、ステップS130に先だって(たとえば、ステップS110において出発地点を入力する際)、さらに、ユーザが到着地を入力することとしてもよい。そして、ステップS130においては、出発地から各施設を経て、到着地に至る経路および所要時間を探索することとしてもよい。そのような態様においては、ステップS140において、出発地から各施設に至る経路および所要時間と、各施設から到着地に至る経路および所要時間と、に基づいて、候補地点としての施設が決定されることが好ましい。
【0073】
このような態様とすれば、システムは、出発地を出て施設を訪れて出発地に戻ってくる態様以外に、出発地を出て施設を訪れて出発地とは異なる到着地に至る態様に基づいて、ユーザに訪問候補地を提案することができる。なお、訪問地点を訪れた後、出発地に戻ってくるのか、出発地とは異なる到着地に向かうのかについては、ステップS130に先だって、ユーザがコマンド入力部206などの入力部を介して指定できることが好ましい。
【0074】
・上記実施例においては、ステップS130では、出発地点SPを含む所定の範囲内に存在する施設について、経路探索を行う。その結果、ステップS150では、出発地点SPを含む所定の範囲内に存在し、かつ所要時間が所定値以下である候補地点が決定される。このほか、候補地点は、他の条件に基づいて決定することもできる。
【0075】
例えば、ユーザは、図2のステップS10において、個別情報としての電話番号を入力するとともに、その施設(訪問希望地点)の「優先度」を設定することができる。そして、図3のステップS130では、他の条件と組み合わせて、その優先度のもっとも高い訪問希望地点から所定数(例えば10カ所)の訪問希望地点について、経路と所要時間を探索することができる。また、候補地点をリストの形式で表示する場合には、優先度の高い順に各候補地点を表示することが好ましい。このような態様とすれば、ステップS150において、ユーザがより強く行きたいと望む候補地点を表示することができる。
【0076】
また、ユーザが所定の施設の会員となっており、携帯電話200や経路探索サーバ100などのシステムのいずれかの構成要素にその情報が格納されている場合には、以下のような態様とすることもできる。すなわち、施設の関連情報として、会員制度を有しているか否かの情報を含むこととし、ユーザが会員となっている施設については、カテゴリーが同じである他の施設に比べて優先的にユーザに提示することもできる(ステップS150参照)。このような態様とすれば、ユーザは、自己が持っている会員としての資格を活用して、空き時間を過ごすことができる。
【0077】
同様に、ユーザが所定のクレジットカードやプリペイドカードを有しており、その情報が携帯電話200に格納されている場合には、以下のような態様とすることもできる。すなわち、施設の関連情報として、利用可能なクレジットカードおよびプリペイドカードの情報を含むこととし、ユーザが有しているクレジットカードやプリペイドカードが利用できる施設については、カテゴリーが同じである他の施設に比べて優先的にユーザに提示することもできる(ステップS150参照)。このような態様とすれば、ユーザは、自己が持っているクレジットカードやプリペイドカードを活用して、空き時間を過ごすことができる。
【0078】
すなわち、本発明の一態様として、ユーザが施設を利用する際に享受できる利点に関するユーザの情報を訪問候補地提示装置内に保持し、訪問希望地の関連情報としてそれらの利点の享受の可否に関する情報を保持する態様とすることができる。
【0079】
さらに、関連情報のうちの利用可能時間の情報と、空き時間の情報と、を利用して、ユーザに提示する候補地点を限定することもできる。例えば、空き時間が絶対的な日時を含んで指定された場合には(図3のステップS120参照)、空き時間として指定された日時において利用可能な施設に限定して、各施設への経路や時間の探索や、施設のユーザへの提示を行うことができる(図3のステップS130〜S170参照)。また、現在時刻からの時間区間で空き時間を指定された場合には(図3のステップS120参照)、その空き時間として指定された時間区間において利用可能な施設に限定して、各施設への経路や時間の探索や、施設のユーザへの提示を行うことができる(図3のステップS130〜S170参照)。なお、このような態様において、現在時刻は時計部209から取得することができる。利用可能時間の情報としては、例えば、景勝地について、桜がきれいな季節、紅葉がきれいな季節、等の情報を含むこともできる。
【0080】
また、施設の利用の可否が天気に左右されるような施設については、関連情報は、利用に適した天気の情報を含むことができる。そのような態様においては、空き時間の入力(図3のステップS120)とともに空き時間の天気を入力することとし、その天気において利用可能な施設に限定して、各施設への経路や時間の探索や、施設のユーザへの提示を行うことができる(図3のステップS130〜S170参照)。なお、天気の情報は、訪問候補地提示装置のいずれかの構成(例えば、携帯電話200や施設サーバ170)が、外部のサーバから入手することとしてもよい。
【0081】
そして、各施設に至る経路および所要時間の探索の際には(ステップS130)、移動手段を指定する態様とすることもできる。移動手段とは、例えば、徒歩(公共交通機関の利用の有無の指定を含む)、自動車、オートバイ、自転車などである。そして、移動手段に基づいて、経路および所要時間を決定することが好ましい。
【0082】
また、空き時間の天気を入力する態様において、例えば、自転車やオートバイ、徒歩など、移動に関するユーザの抵抗感が天気に左右される移動手段が指定されている場合には、天気をも考慮して移動経路を決定することが好ましい。また、雨天の場合に候補地点を決定する際には、晴天の場合よりも所要時間が短い施設に限定して候補値点を提示することも好ましい。さらに、自転車やオートバイなど、飲酒できない移動手段が指定されている場合には、「居酒屋」、「バー」など、アルコール飲料を提供することを主たるサービスとする施設については、ユーザに提示しないような態様とすることもできる。
【0083】
・上記実施例においては、候補地点Pc1〜Pc3は地図上においていずれも同じ丸印で示されている(図4参照)。このほか、候補地点を表示する際には、各候補地点の関連情報を反映させたアイコンで表示することもできる。そのような態様とすれば、ユーザは、直感的に施設が提供する商品やサービスを判断することができる。
【0084】
また、上記実施例では、候補地点は地図上に表示される(図4参照)。しかし、候補地点は、リスト(一覧表)の形式で表示されることもできる。そのような態様とすれば、画面上により多くの文字情報を表示することができる。なお、候補地点をリストの形式で表示する場合には、「所要時間」、「予算」、「ユーザが入力した優先度」、「口コミによる評価値」などの様々なパラメータに沿った順番で候補地点を表示することができる。
【0085】
さらに、関連情報を表示する際には、各候補地点について、複数の評価値を表す多角形のチャートを表示する態様とすることもできる。例えば、評価値は、「所要時間」、「予算」、「ユーザが入力した優先度」、「口コミによる評価値」などとすることができる。そのような態様とすれば、ユーザは、直感的に候補地点の中から訪問地点を決定することができる(図3のステップS160参照)。
【0086】
・上記実施例においては、ユーザに提示される情報は、あらかじめ訪問地提示システム(携帯電話200や施設サーバ170)に格納されている情報である。このほか、ユーザに関連情報の提示を指示される前の状態においては、インターネットINT上の情報の格納場所の情報(例えばURL)を保持することとし、ユーザに関連情報の提示を指示された後に、その格納場所から情報を取得する態様とすることもできる。
【0087】
・地図サーバ150の地図データベース156内に格納されている画像データとしての地図画像データは、ラスタデータとして保持されていてもよいし、ベクトルデータとして保持されていてもよい。ユーザが携帯する端末装置としての携帯電話200に送信される地図画像データも、ラスタデータであってもよいし、ベクトルデータであってもよい。さらに、地図データベース156内の地図画像データと、端末装置に送信される地図画像データは、いずれか一方をベクトルデータとし、他方をラスタデータとすることもできる。
【0088】
・上記実施例においては、地図表示システムは、その構成要素として、経路探索サーバ100、地図サーバ150、施設サーバ170、PC180、携帯電話200、などを含む。このほか、端末としての携帯電話200は、電話機能を備えない機器としての、PDA(Personal Data Assistant)やノート型のコンピュータなどとすることもできる。
【0089】
また、上記第3実施例においては、訪問希望地の登録はPC180から行い(図2のステップS10)、候補地点の表示は携帯電話200で行う(図3のステップS150参照)。しかし、訪問希望地の登録は、第1実施例のように、携帯端末から行うこともでき、第3実施例のように、据え置き型の端末から行うこともできる。そして、候補地点の表示も、携帯端末から行ってもよいし、PC180などの据え置き型の端末から行うこともできる。すなわち、訪問候補地提示装置において、情報の入力および出力は、訪問候補地提示装置を構成する任意の構成要素から行うことができる。
【0090】
ただし、GPS等を介して取得される現在位置を出発地点とせず、他の地点を出発地点として候補地点の表示を行わせる場合には、所定の方法で端末に出発地点を入力することが好ましい。その際、出発地点の特定は、電話番号、住所、施設名などで行われてもよいし、ユーザが直接意味を理解できない数値や文字のコードで行われてもよい。カメラなどの画像入力機器を介して、2次元コードで出発地を特定してもよい。また、端末に地図を表示させて、その地図上の一点を指定する態様としてもよい。
【0091】
また、位置取得部を備えユーザが携帯する携帯端末に、経路探索サーバ100、地図サーバ150、施設サーバ170の機能の一部または全部を備える態様とすることもできる。そして、経路探索サーバ100と、地図サーバ150と、施設サーバ170とは、同じサーバであってもよい。すなわち、訪問候補地提示装置は、その各構成要素が一つの筐体内に収納されている一つの装置であってもよい。また、訪問候補地提示装置は、その構成要素が、互いにデータ通信回線で結ばれている2以上の装置として構成されるものとすることもできる。経路データを生成する機能、特定領域を選択する機能などの各機能については、各装置に1以上の任意の機能を割り当てることができる。そして、各機能は、それぞれ一つの装置で実現されてもよく、2以上の装置が協働して実現してもよい。なお、2以上の構成要素が通信回線で結ばれている態様においては、ユーザに対して情報を出力する出力部は、ユーザに携帯されるものであることが好ましい。
【0092】
・上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、アプリケーションソフトウェア230(図1)の機能の一部を制御回路が実行するようにすることもできる。
【0093】
このような機能を実現するコンピュータプログラムは、磁気ディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。ホストコンピュータは、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してプログラム供給装置からホストコンピュータにコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがホストコンピュータのマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをホストコンピュータが直接実行するようにしてもよい。
【0094】
この明細書において、ホストコンピュータとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。コンピュータプログラムは、このようなホストコンピュータに、上述の各部の機能を実現させる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
【0095】
なお、この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の第1実施例である地図表示システムのハードウェア構成を示す図。
【図2】訪問地提示システムにおける施設の登録処理を示すフローチャート。
【図3】本実施例の訪問地提示システムにおいて登録した施設の中から条件にあったものの提示を受ける利用処理を示すフローチャート。
【図4】ステップS150で表示される表示パネル202上の表示を示す図。
【図5】第2実施例の訪問地提示システムにおいて登録した施設の中から条件にあったものの提示を受ける利用処理を示すフローチャート。
【図6】ステップS157において、最初に表示パネル202に表示される内容を示す図。
【図7】本発明の第3実施例である訪問地提示システムのハードウェア構成を示す図。
【符号の説明】
【0097】
100…経路探索サーバ
102…通信部
104…制御部
106…記憶部
150…地図サーバ
152…通信部
154…制御部
156…地図データベース
170…施設サーバ
172…通信部
174…制御部
176…施設データベース
200…携帯電話
201…GPSユニット
202…表示パネル
203…音声出力部
204…振動機構
205…通信部
206…コマンド入力部
206a…テンキー
206b…カーソルキー
209…時計部
210…主制御部
211…CPU
212…RAM
213…ROM
215…訪問希望地データベース
220…通話制御部
230…アプリケーションソフトウェア
231…訪問希望地情報格納部
232…出発地情報取得部
233…時間情報入力部
234…候補地点決定部
235…出力制御部
236…訪問地点入力部
237…経路案内部
238…関連情報取得部
INT…インターネット
Ir1…カテゴリー
Ir2…名称
Ir3…営業時間
M1…施設のホームページからの情報を見るためのメニュー(選択肢)
M2…ブログから取得された情報を見るためのメニュー(選択肢)
Pc1〜Pc3…訪問希望地点(候補地点)
Pc4…訪問希望地点
R01〜R05…道路
RT…所要時間
Rt…候補地点に向かう経路
SP…出発地点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに対して訪問地の候補を提示する訪問候補地提示装置であって、
ユーザが移動のために利用できる経路の集合を表す経路網情報であって、前記経路の移動に要する時間に関する情報を含む経路網情報を格納する経路網情報格納部と、
ユーザによってあらかじめ指定された訪問希望地点の位置を特定する希望地点情報と、前記訪問希望地点に関連する関連情報と、を複数組、格納する訪問希望地情報格納部と、
出発地点を特定する出発地点情報を取得する出発地情報取得部と、
ユーザが訪問希望地点の訪問のために使用できる空き時間に関する空き時間情報を受け取る入力部と、
前記経路網情報を参照しつつ、前記出発地点情報と前記希望地点情報とに基づいて、前記出発地点から前記訪問希望地点に至る訪問経路と、前記訪問経路にしたがって前記訪問希望地点を訪問するのに要する所要時間と、を決定し、前記空き時間情報と前記所要時間とに基づいて、前記空き時間内に訪問できる訪問希望地点である候補地点を決定する候補地点決定部と、
前記候補地点の前記希望地点情報と前記関連情報に基づいて前記候補地点に関する情報を出力する出力部と、を備える訪問候補地提示装置。
【請求項2】
請求項1記載の訪問候補地提示装置であって、
前記出力部は、前記候補地点に関する情報の出力の少なくとも一部として、前記訪問経路を地図上に表示する、訪問候補地提示装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の訪問候補地提示装置であって、
さらに、
前記入力部から入力された前記訪問希望地点を特定可能な個別情報に基づいて、更新されることができる更新情報を外部から取得し、前記更新情報に基づいて前記関連情報の少なくとも一部を生成し、前記訪問希望地情報格納部に格納する関連情報取得部を備える、訪問候補地提示装置。
【請求項4】
ユーザに対して訪問地の候補を提示する方法であって、
(a)コンピュータが、ユーザによって指定された訪問希望地点の位置を特定する希望地点情報と、前記訪問希望地点に関連する関連情報と、を複数組、訪問希望地情報格納部に格納する訪問希望地情報格納工程と、
(b)コンピュータが、出発地点を特定する出発地点情報を取得する出発地情報取得工程と、
(c)コンピュータが、訪問希望地点の訪問のために使用できる空き時間に関する空き時間情報のユーザからの入力を受け付ける空き時間情報入力工程と、
(d)コンピュータが、ユーザが移動のために利用できる経路の集合を表す経路網情報であって、前記経路の移動に要する時間に関する情報を含む経路網情報を参照しつつ、前記出発地点情報と前記希望地点情報とに基づいて、前記出発地点から前記訪問希望地点に至る訪問経路と、前記訪問経路にしたがって前記訪問希望地点を訪問するのに要する所要時間と、を決定する経路決定工程と、
(e)コンピュータが、前記空き時間情報と前記所要時間とに基づいて、前記空き時間内に訪問できる訪問希望地点である候補地点を決定する候補地点決定工程と、
(f)コンピュータが、前記候補地点の前記希望地点情報と前記関連情報に基づいて前記候補地点に関する情報を出力する出力工程と、を備える訪問候補地提示方法。
【請求項5】
コンピュータにおいて実行されることにより、ユーザに対して訪問地の候補を提示するコンピュータプログラムであって、
ユーザによって指定された訪問希望地点の位置を特定する希望地点情報と、前記訪問希望地点に関連する関連情報と、を複数組、格納する訪問希望地情報格納機能と、
出発地点を特定する出発地点情報を取得する出発地情報取得機能と、
ユーザが訪問希望地点の訪問のために使用できる空き時間に関する空き時間情報を入力する空き時間情報入力機能と、
ユーザが移動のために利用できる経路の集合を表す経路網情報であって、前記経路の移動に要する時間に関する情報を含む経路網情報を参照しつつ、前記出発地点情報と前記希望地点情報とに基づいて、前記出発地点から前記訪問希望地点に至る訪問経路と、前記訪問経路にしたがって前記訪問希望地点を訪問するのに要する所要時間と、を決定する経路決定機能と、
前記空き時間情報と前記所要時間とに基づいて、前記空き時間内に訪問できる訪問希望地点である候補地点を決定する候補地点決定部機能と、
前記候補地点の前記希望地点情報と前記関連情報に基づいて前記候補地点に関する情報を出力する出力機能と、
を前記コンピュータに実現させる、コンピュータプログラム。
【請求項6】
ネットワークを介して接続される携帯端末と探索部とを備えユーザに対して訪問地の候補を提示する訪問候補地提示装置において使用される携帯端末であって、
出発地点を特定する出発地点情報を取得する出発地情報取得部と、
ユーザが訪問希望地点の訪問のために使用できる空き時間に関する空き時間情報を受け取る入力部と、
前記出発地点情報と前記空き時間情報とを探索部に送信する端末送信部であって、
前記探索部は、
前記出発地点情報と前記空き時間情報とを前記携帯端末から受信する受信部と、
ユーザが移動のために利用できる経路の集合を表す経路網情報であって、前記経路の移動に要する時間に関する情報を含む経路網情報を格納する経路網情報格納部と、
ユーザによってあらかじめ指定された訪問希望地点の位置を特定する希望地点情報と、前記訪問希望地点に関連する関連情報と、を複数組、格納する訪問希望地情報格納部と、
前記経路網情報を参照しつつ、前記出発地点情報と前記希望地点情報とに基づいて、前記出発地点から前記訪問希望地点に至る訪問経路と、前記訪問経路にしたがって前記訪問希望地点を訪問するのに要する所要時間と、を決定し、前記空き時間情報と前記所要時間とに基づいて、前記空き時間内に訪問できる訪問希望地点である候補地点を決定する候補地点決定部と、
前記候補地点の前記希望地点情報と前記関連情報に基づいて前記候補地点に関する情報を前記携帯端末に送信する送信部と、を備える、端末送信部と、
前記候補地点に関する情報を前記探索部から受信する端末受信部と、
前記候補地点に関する情報を出力する出力部と、を備える携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−78484(P2010−78484A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−247810(P2008−247810)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】