説明

訪問場所特定装置及び訪問場所特定方法

利用者の現在位置を特定する現在位置特定部(101)と、現在位置特定部(101)で特定された現在位置を含む所定の範囲内にある施設を、訪問場所の候補として特定する施設候補検索部(103A)と、利用者の支払い金額を検出する電子マネー部(108)及び金額特定部(104)と、施設候補検索部(103A)により複数の施設が特定されたときには、その複数の施設の中から、電子マネー部(108)及び金額特定部(104)により検出された支払い金額に対応する施設を選択し、選択した施設を最尤の訪問場所として特定する最尤施設決定部(105A)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、利用者が訪問した場所を特定する訪問場所特定装置及びその方法に関する。
【背景技術】
近年、GPS(Global Positioning System)により現在位置を取得して目的地まで案内するカーナビゲーション装置や、基地局を用いた測位によって近隣の施設情報を利用者に提示する携帯電話などの移動端末が実用化されている。
そこで、このような移動端末が取得した位置情報の履歴を利用して、利用者の行動や移動のパターンをモデル化する技術が提案されている(例えば、特開平11−149596号公報(第1図)参照)。
上記特許文献の車載情報装置は、GPSの測位結果により特定された過去の走行に関する情報(訪問場所など)を時系列に沿って蓄積しておき、利用者が向かおうとする場所(目的地)を、その蓄積された情報から予測して、その目的地の名称や所要時間などを提示する。
また上記特許文献の他にも、利用者の所持するPHSや携帯電話が交信した基地局から訪問場所を特定して、その訪問場所に関する情報を時系列に沿って蓄積しておき、その蓄積された情報から目的地を予測してその目的地に関連する情報を提供する技術が既に開示されている。
しかしながら、携帯電話やPHSの基地局によって特定される訪問場所の誤差は精度の良い方式でも数10m程度あるため、訪問場所をおおまかに特定できても利用者が訪問した施設までは正確に特定できないという問題がある。
また、上記特許文献では、GPSによる測位の誤差が数m程度であって、基地局を利用した測位を行う携帯電話やPHSと比べると比較的精度良く利用者の位置を特定することができるが、複数の施設が密集するショッピングモールや、1つの建物に複数の店舗が混在しているテナントビルなどの施設を利用者が訪れた場合には、いずれの施設を訪問したかを特定することが困難であるという問題がある。
したがって、上記従来の移動端末では、利用者の訪問場所を高い精度で特定することができないという問題ある。その結果、特定された訪問場所に基づいて利用者の行動パターンを正確にモデル化できず、目的地などの予測を行うことができない。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、利用者の訪問場所を高い精度で特定する訪問場所特定装置及び訪問場所特定方法を提供することを目的とする。
【発明の開示】
上記目的を達成するために、本発明に係る訪問場所特定装置は、利用者の訪問場所を特定する訪問場所特定装置であって、利用者の位置を特定する位置特定手段と、前記位置特定手段により特定された位置を含む所定の範囲内にある施設を、前記訪問場所の候補として特定する候補特定手段と、利用者の動向を検出する動向検出手段と、前記候補特定手段により複数の施設が特定されたときには、前記複数の施設の中から、前記動向検出手段により検出された動向に対応する施設を選択し、選択した施設を最尤の訪問場所として特定する最尤施設特定手段とを備えることを特徴とする。例えば、前記動向検出手段は、前記利用者の施設での支払い金額を検出し、前記最尤施設決定手段は、前記候補特定手段により複数の施設が特定されたときには、前記複数の施設の中から、前記動向検出手段により検出された支払い金額に対応する施設を選択し、選択した施設を最尤の訪問場所として特定する。又は、前記動向検出手段は、前記利用者の施設での滞在時間を検出し、前記最尤施設決定手段は、前記候補特定手段により複数の施設が特定されたときには、前記複数の施設の中から、前記動向検出手段により検出された滞在時間に対応する施設を選択し、選択した施設を最尤の訪問場所として特定することを特徴とする。
これにより、位置特定手段によって特定された利用者の位置に基づいて、候補特定手段が利用者の訪問場所である施設の候補を挙げ、その施設が複数あっても、その複数の施設の中から、動向検出手段により検出された動向に対応する施設が最尤の訪問場所として特定されるため、利用者の訪問場所を高い精度で特定することができる。例えば、複数の施設が密集するショッピングモールや、1つの建物に複数の店舗が混在しているテナントビルなどに利用者が訪問した場合、GPSなどにより取得される利用者の現在位置だけでは、いずれの施設を訪問したかを特定することが困難であるが、例えば利用者の支払い金額や滞在時間といった利用者の動向を検出することにより、訪問した施設を正確に特定することができる。
ここで、前記訪問場所特定装置は、さらに、前記最尤施設特定手段により特定された施設を記憶するための領域を有する記憶手段を備え、前記最尤施設特定手段は、最尤の訪問場所として特定した施設を前記記憶手段に履歴として記憶させることを特徴としても良い。
これにより、特定された訪問場所が記憶手段に履歴として記録されるため、その履歴を利用することで例えば利用者の行動パターンを正確に把握することができ、その結果、将来の行動を先読みして利用者に有益な情報を提供することができる。
また、前記候補特定手段は、複数の施設を識別するための識別情報、前記複数の施設の位置を示す施設位置情報、及び前記複数の施設の利用金額に関する金額情報を予め記憶している施設情報記憶手段と、前記施設情報記憶手段に記憶されている施設の中から、施設位置情報により示される位置が前記位置特定手段により特定された位置を含む所定の範囲内に含まれる施設を検索し、検索結果に該当する施設の識別情報及び金額情報を抽出する候補抽出手段とを備え、前記最尤施設特定手段は、前記候補抽出手段により複数の施設の識別情報及び金額情報が抽出されたときには、前記金額情報が前記動向検出手段により検出された支払い金額に対応する施設の識別情報を選択することを特徴としても良い。
これにより、候補特定手段が複数の施設の識別情報及び金額情報を抽出することにより、複数の施設の候補を挙げた場合にも、最尤施設特定手段によって利用者の支払い金額に見合う施設の識別情報が選択され、その施設が最尤の訪問場所として特定されるため、利用者の各施設での支払い動向に応じて利用者の訪問場所を高い精度で特定することができる。
また、前記候補特定手段は、複数の施設を識別するための識別情報、前記複数の施設の位置を示す施設位置情報、及び前記複数の施設のカテゴリーを予め記憶している施設情報記憶手段と、前記施設情報記憶手段に記憶されている施設の中から、施設位置情報により示される位置が前記位置特定手段により特定された位置を含む所定の範囲内に含まれる施設を検索し、検索結果に該当する施設の識別情報及びカテゴリーを抽出する候補抽出手段とを備え、前記最尤施設特定手段は、複数の施設のカテゴリーと前記各カテゴリーの利用金額に関するカテゴリー金額情報とを予め記憶しているカテゴリー記憶手段と、前記カテゴリー記憶手段に記憶されているカテゴリーの中から、前記カテゴリー金額情報が前記動向検出手段により検出された支払い金額に対応するカテゴリーを抽出するカテゴリー抽出手段と、前記候補抽出手段により複数の施設の識別情報及びカテゴリーが抽出されたときには、前記カテゴリーが前記カテゴリー抽出手段によって抽出されたカテゴリーに一致する施設の識別情報を選択する選択手段とを備えることを特徴としても良い。
これにより、候補特定手段が複数の施設の識別情報及びカテゴリーを抽出することにより、複数の施設の候補を挙げた場合にも、最尤施設特定手段によって利用者の支払い金額に見合うカテゴリーに対応する識別情報が選択され、その識別情報の施設が最尤の訪問場所として特定されるため、施設のカテゴリーに基づき、利用者の各施設での支払い動向に応じて利用者の訪問場所を高い精度で特定することができる。
ここで、前記候補特定手段は、複数の施設を識別するための識別情報、前記複数の施設の位置を示す施設位置情報、及び前記複数の施設の滞在時間に関する滞在時間情報を予め記憶している施設情報記憶手段と、前記施設情報記憶手段に記憶されている施設の中から、施設位置情報により示される位置が前記位置特定手段により特定された位置を含む所定の範囲内に含まれる施設を検索し、検索結果に該当する施設の識別情報及び滞在時間情報を抽出する候補抽出手段とを備え、前記最尤施設特定手段は、前記候補抽出手段により複数の施設の識別情報及び滞在時間情報が抽出されたときには、前記滞在時間情報が前記動向手段により検出された滞在時間に対応する施設の識別情報を選択することを特徴としても良い。
これにより、候補特定手段が複数の施設の識別情報及び滞在時間情報を抽出することにより、複数の施設の候補を挙げた場合にも、最尤施設特定手段によって利用者の滞在時間に見合う施設の識別情報が選択され、その施設が最尤の訪問場所として特定されるため、利用者の各施設での滞在動向に応じて利用者の訪問場所を高い精度で特定することができる。
また、前記候補特定手段は、複数の施設を識別するための識別情報、前記複数の施設の位置を示す施設位置情報、及び前記複数の施設のカテゴリーを予め記憶している施設情報記憶手段と、前記施設情報記憶手段に記憶されている施設の中から、施設位置情報により示される位置が前記位置特定手段により特定された位置を含む所定の範囲内に含まれる施設を検索し、検索結果に該当する施設の識別情報及びカテゴリーを抽出する候補抽出手段とを備え、前記最尤施設特定手段は、複数の施設のカテゴリーと前記各カテゴリーの滞在時間に関するカテゴリー滞在情報とを予め記憶しているカテゴリー記憶手段と、前記カテゴリー記憶手段に記憶されているカテゴリーの中から、前記カテゴリー滞在情報が前記動向検出手段により検出された滞在時間に対応するカテゴリーを抽出するカテゴリー抽出手段と、前記候補抽出手段により複数の施設の識別情報及びカテゴリーが抽出されたときには、前記カテゴリーが前記カテゴリー抽出手段によって抽出されたカテゴリーに一致する施設の識別情報を選択する選択手段とを備えることを特徴としても良い。
これにより、候補特定手段が複数の施設の識別情報及びカテゴリーを抽出することにより、複数の施設の候補を挙げた場合にも、最尤施設特定手段によって利用者の滞在時間に見合うカテゴリーに対応する識別情報が選択され、その識別情報の施設が最尤の訪問場所として特定されるため、施設のカテゴリーに基づき、利用者の各施設での滞在動向に応じて利用者の訪問場所を高い精度で特定することができる。
なお、本発明は、訪問場所特定方法又は上記訪問場所特定装置のプログラムとしても実現することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第1の実施の形態における訪問場所特定装置の構成を示す構成図である。
図2は、同上の施設データベースに格納される施設情報の内容を示す情報内容表示図である。
図3は、同上の施設候補検索部が最尤施設決定部に通知する施設候補情報の内容を示す情報内容表示図である。
図4は、同上の特定施設蓄積部が記憶する履歴データの内容を示す情報内容表示図である。
図5は、同上の訪問場所特定装置の動作を示すフロー図である。
図6は、本発明の第2の実施の形態における訪問場所特定装置の構成を示す構成図である。
図7は、同上の施設データベースに格納される施設情報の内容を示す情報内容表示図である。
図8は、同上の施設候補検索部が最尤施設決定部に通知する施設候補情報の内容を示す情報内容表示図である。
図9は、同上の特定施設蓄積部が記憶する履歴データの内容を示す情報内容表示図である。
図10は、同上の訪問場所特定装置の動作を示すフロー図である。
図11は、本発明の第3の実施の形態における訪問場所特定装置の構成を示す構成図である。
図12は、同上の施設データベースに格納される施設情報の内容を示す情報内容表示図である。
図13は、同上の施設利用金額記憶部に格納されるカテゴリー金額情報の内容を示す情報内容表示図である。
図14は、同上の施設候補検索部が最尤施設決定部に通知する施設候補情報の内容を示す情報内容表示図である。
図15は、同上の訪問場所特定装置の動作を示すフロー図である。
図16は、本発明の第4の実施の形態における訪問場所特定装置の構成を示す構成図である。
図17は、同上の施設滞在時間記憶部に格納されるカテゴリー滞在情報の内容を示す情報内容表示図である。
図18は、同上の施設候補検索部が最尤施設決定部に通知する施設候補情報の内容を示す情報内容表示図である。
図19は、同上の訪問場所特定装置の動作を示すフロー図である。
図20は、本発明の第5の実施の形態における訪問場所特定装置の構成を示す構成図である。
図21は、施設の位置関係を示す図である。
図22は、本発明の第5の実施の形態における施設情報の内容を示す情報内容表示図である。
図23は、同上の施設特定部が最尤の訪問施設を特定する方法の一例を説明するための説明図である。
図24は、同上の施設特定部が最尤の訪問施設を特定する方法の他の例を説明するための説明図である。
図25は、同上の施設特定部が最尤の訪問施設を特定する方法のさらに他の例を説明するための説明図である。
図26は、同上の訪問場所特定装置の動作を示すフロー図である。
図27は、同上の第1の変形例に係る訪問場所特定装置が利用者の移動方向に基づいて訪問施設を特定する方法の一例を説明するための説明図である。
図28は、同上の第2の変形例に係る訪問場所特定装置が移動経路に基づいて訪問施設を特定する方法の一例を説明するための説明図である。
図29は、同上の第2の変形例における所要時間情報の一例を示す情報内容表示図である。
図30は、同上の第2の変形例に係る訪問場所特定装置がメッセージを通知するタイミングを説明するための説明図である。
図31は、同上の第3の変形例に係る訪問場所特定装置の構成を示す構成図である。
図32は、同上の第3の変形例における情報表示部によって表示される広告情報の内容の一例を示す図である。
図33は、同上の第4の変形例に係る停車判定部が駐車場位置情報を取得する様子を示す図である。
図34は、同上の第5の変形例において、携帯端末の有無に応じて開閉するゲートを説明するための説明図である。
図35は、本発明の第6の本実施の形態における訪問場所特定装置の構成を示す構成図である。
図36は、同上のGPS受信部が位置情報を受信できなくなる様子を説明するための説明図である。
図37は、同上の施設情報の内容を示す情報内容表示図である。
図38は、同上の訪問場所特定装置の動作を示すフロー図である。
図39は、同上の訪問場所特定装置と利用者の所持品とを示す図である。
図40は、同上の所持品の変化の一例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
(実施の形態1)
以下、本発明における第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態における訪問場所特定装置の構成を示す構成図である。
本実施の形態の訪問場所特定装置は、利用者の訪問施設を高い精度で特定して、その特定した訪問施設の履歴を蓄積するものであって、GPS受信部107と、現在位置特定部101と、施設データベース102Aと、施設候補検索部103Aと、電子マネー部108と、金額特定部104と、最尤施設決定部105Aと、時計部109と、特定施設蓄積部106Aとを備えている。また、本実施の形態の訪問場所特定装置は、例えば携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末に内蔵されて利用者に携帯される。
GPS受信部107は、GPS衛星から現在位置に関する位置情報を受信する。
現在位置特定部101は、GPS受信部107から位置情報を取得して、その位置情報から訪問場所特定装置の現在位置、つまり利用者の現在位置を特定する。
施設データベース102Aは、施設の位置及び平均利用金額などを示す施設情報12aを予め格納している。
施設候補検索部103Aは、現在位置特定部101によって特定された現在位置に基づいて、その現在位置を中心に所定範囲内にある施設を、施設データベース102Aに格納されている施設情報12aから検索する。ここで、上述の所定の範囲は、GPSによる測位精度に応じて適当な値に設定されている。そして、施設候補検索部103Aは、検索結果に該当する施設に関する平均利用金額などの情報をその施設情報12aから読み出し、読み出した結果を示す施設候補情報13aを最尤施設決定部105Aに通知する。
つまり、施設候補検索部103Aは、GPSの測位に基づいて利用者の訪問施設の候補を挙げて、その結果を施設候補情報13aとして出力する。
電子マネー部108は、例えば鉄道の改札やコンビニエンスストアの決済に用いられる所謂プリペイドカードとしての機能と、残高の変更があった場合にその変更前後の残高を金額特定部104に通知する機能とを備えている。
つまり、利用者は予め所定の金額を入金しており、電子マネー部108はその金額を残高として記憶している。そして、利用者が店舗などの施設において支払いを行ったときには、電子マネー部108は、その店舗に設置される例えばPOS端末と通信することで、記憶している残高から上記支払いに要した金額を差し引いて残高を更新するとともに、更新前後の残高を金額特定部104に通知する。また、このような残高の記憶及び更新は、例えば電磁誘導の原理を用いて行われる。
金額特定部104は、電子マネー部108から通知された変更前後の残高から、利用者の支払いがあったか否かを判別する。つまり、金額特定部104は、変更後の残高が変更前の残高よりも少なくなっているときには、利用者の支払いがあったと判別し、支払い金額=[変更前の残高]−[変更後の残高」により支払い金額を特定する。また、金額特定部104は、利用者による入金により変更後の残高が変更前の残高よりも多くなっているときには、利用者の支払いがなかったと判別する。
時計部109は、計時して現在時刻(年月日を含む日時)を最尤施設決定部105Aに通知する。
最尤施設決定部105Aは、施設候補検索部103Aから通知された施設候補情報13aに複数の施設が候補として挙げられているときには、これら複数の施設の中から、時計部109から通知された現在時刻と、金額特定部104で特定された支払い金額とに対応する施設を選択し、その選択した施設を利用者が実際に訪問した訪問施設として決定する。即ち、最尤施設決定部105Aは、施設候補情報13aに示される施設の候補から、利用者が支払った金額とその日時(支払い日時)に見合う施設を訪問施設として特定する。
特定施設蓄積部106Aは、最尤施設決定部105Aからの制御に応じて、最尤施設決定部105Aで決定された施設(訪問施設)を時系列に沿って履歴データ16aとして記憶する。
図2は、施設データベース102Aに格納される施設情報12aの内容を示す情報内容表示図である。
施設情報12aには、経度及び緯度などの位置が格納される位置欄A1と、その位置にある施設の識別子が格納される識別子欄A2と、その施設の名称(施設名)が格納される施設名欄A3と、その施設における朝(例えば5:00〜11:00)の利用者の平均利用金額が格納される朝金額欄A4と、昼(例えば11:00〜17:00)の利用者の平均利用金額が格納される昼金額欄A5と、夜(例えば17:00〜5:00)の利用者の平均利用金額が格納される夜金額欄A6とがある。
上述の識別子は、各施設を一意に特定することができるように各施設に割り当てられたものである。また、平均利用金額は、一般の利用者がその施設において支払う平均的な金額(所謂客単価)である。
例えば、位置欄A1には、位置「東経e1北緯n1」、「東経e2北緯n2」などが格納されており、識別子欄A2には、位置「東経e2北緯n2」に関連付けて識別子「施設2」が格納され、施設名欄A3には、識別子「施設2」に関連付けて施設名「リーガルホスト」が格納されている。そして、朝金額欄A4には、施設「リーガルホスト」における利用者の朝の平均利用金額として「600円」が格納され、昼金額欄A5には、施設「リーガルホスト」における利用者の昼の平均利用金額として「900円」が格納され、夜金額欄A6には、施設「リーガルホスト」における利用者の昼の平均利用金額として「1500円」が格納されている。
ここで、同一の建物に複数の施設(店舗)が入居している場合には、これらの施設の識別子や施設名などは同一の位置に関連付けられる。
例えば、位置「東経e3北緯n3」にある建物に、施設「ボスバーガ」及び「町野映画館」並びに「コンビニPマート」が入居している場合には、図2の施設情報12aに示すように、施設「ボスバーガ」及び「町野映画館」並びに「コンビニPマート」の識別子及び施設名並びに平均利用金額は、位置「東経e3北緯n3」に関連付けられる。
また、施設の閉店時間などのためにサービスが提供されていない場合には、平均利用金額が特定されないことを示す情報(例えば図2中に示す横線「−」)が、施設情報12aのサービスが提供されていない時間帯に対応する金額欄に格納される。
なお、図2に示す施設情報12aは、1日を朝、昼、夜の時間帯に分けた場合の利用者1人あたりの平均利用金額を格納しているが、施設ごとの売り上げデータなどをもとにして、さらに細かい時間帯区分(早朝、朝、昼、夕方、夜、深夜など)や曜日ごとの利用金額を格納するようにしても良い。また、利用金額の情報として平均を利用する代わりに、利用金額の上限と下限を指定する方法や、平均と分散を用いて利用金額を統計的な分布として扱う方法の他、ファジィのメンバシップ関数を用いて利用金額に関する情報を表現しても良い。
図3は、施設候補検索部103Aが最尤施設決定部105Aに通知する施設候補情報13aの内容を示す情報内容表示図である。
この施設候補情報13aには、施設候補検索部103Aで検索された施設の識別子が格納される識別子欄B1と、その施設の施設名が格納される施設名欄B2と、その施設における朝の利用者の平均利用金額が格納される朝金額欄B3と、昼の利用者の平均利用金額が格納される昼金額欄B4と、夜の利用者の平均利用金額が格納される夜金額欄B5とがある。
例えば、施設候補検索部103Aは、現在位置特定部101によって特定された現在位置に基づいて、位置「東経e2北緯n2」及び位置「東経e3北緯n3」を含む範囲内にある施設を図2に示す施設情報12aから検索すると、施設情報12aから施設「リーガルホスト」、「ボスバーガ」、「町野映画館」、及び「コンビニPマート」の情報を読み出す。そして施設候補検索部103Aは、読み出したこれらの施設の識別子を識別子欄B1に格納し、施設名を施設名欄B2に格納し、朝の平均利用金額を朝金額欄B3に格納し、昼の平均利用金額を昼金額欄B4に格納し、夜の平均利用金額を夜金額欄B5に格納することで図3に示す施設候補情報13aを作成する。
図4は、特定施設蓄積部106Aが記憶する履歴データ16aの内容を示す情報内容表示図である。
履歴データ16aには、利用者が支払いを行った日時が格納される日時欄C1と、その日時に支払った金額が格納される金額欄C2と、その支払いが行われた施設の識別子が格納される識別子欄C3とがある。
例えば、最尤施設決定部105Aは、施設候補検索部103Aから図3に示す施設候補情報13aを取得するとともに、「250円」の金額の支払いがあったという通知を金額特定部104から受け、さらに、時計部109からの現在時刻の通知により、その支払いの日時が「2003年4月6日7:00」であると把握すると、その日時から朝に支払いがあったと判断する。そして最尤施設決定部105Aは、施設候補情報13aに示される施設「リーガルホスト」、「ボスバーガ」、「町野映画館」、及び「コンビニPマート」の中から、これらの施設の朝の平均利用金額が支払い金額「250円」の適合範囲に含まれる施設を探し出して施設「コンビニPマート」を訪問施設として特定する。ここで、適合範囲とは、例えば支払い金額の±20%の範囲であって、「200〜300円」の範囲となる。
また、最尤施設決定部105Aは、平均利用金額が支払い金額の適合範囲に含まれる施設を複数個特定したときには、これらの施設のうち、適合度の最も高い、つまり平均利用金額が支払い金額にもっとも近い施設を訪問施設として特定する。
訪問施設の特定の後、最尤施設決定部105Aは、既存の履歴データ16aの日時欄C1に日時「2003年4月6日7:00」を追加し、その日時に関連付けるように金額欄C2に支払い金額「250円」を追加し、さらに、その日時及び支払い金額に関連付けるように識別子欄C3に、特定した施設「コンビニPマート」の識別子「施設5」を格納する。つまり、最尤施設決定部105Aは、特定した訪問施設を時系列に沿って履歴データ16aに記録する。
また、最尤施設決定部105Aは、施設候補情報13aに示される施設の中から、これらの施設の平均利用金額が支払い金額の適合範囲に含まれる施設を探し出した結果、該当する施設がないと判断したときには、訪問施設を特定することができなかったことを示す所定の識別子(例えば、「施設0」)を履歴データ16aの識別子欄C3に格納する。
このように本実施の形態では、GPSの利用により候補に挙げられた幾つかの施設の中から、利用者の支払い金額とその日時に見合う施設が訪問施設として特定されるため、利用者の訪問施設を高い精度で特定することができる。例えば、複数の施設が密集するショッピングモールや、1つの建物に複数の店舗が混在しているテナントビルなどに利用者が訪問した場合、GPSなどにより取得される利用者の現在位置だけでは、いずれの施設を訪問したかを特定することが困難であるが、電子マネー部108及び金額特定部104が利用者の支払い動向を検出することにより、訪問施設を正確に特定することができる。また、本実施の形態では、特定された訪問施設が履歴データ16aに履歴として記録されるため、その履歴データ16aを利用することで利用者の行動パターンを正確に把握することができる。その結果、将来の行動を先読みして、例えば目的地にある店舗の情報など利用者に有益な情報を提供することができる。
このような本実施の形態の訪問場所特定装置の動作について図5を用いて説明する。
図5は、本実施の形態の訪問場所特定装置の動作を示すフロー図である。
まず、訪問場所特定装置は、GPS衛星から所定の時間間隔で位置情報を受信し、その位置情報から利用者の現在位置を特定する(ステップS101)。
次に、訪問場所特定装置は、ステップS101で特定した現在位置を中心に所定範囲内にある施設を、訪問施設の候補として施設データベース102Aの施設情報12aから抽出する(ステップS102)。
ここで、訪問場所特定装置は、残高の更新があったか否かを判別する(ステップS103)。残高の更新があったと判別したときには(ステップS103のY)、訪問場所特定装置は、さらに、その更新に基づいて利用者による支払いがあったか否かを判別する(ステップS104)。一方、残高の更新がなかったと判別したときには(ステップS103のN)、訪問場所特定装置は、ステップS101からの動作を繰り返し実行する。
そして、ステップS104で利用者による支払いがあったと判別したときには(ステップS104のY)、訪問場所特定装置は、その利用者の支払い金額を特定する(ステップS105)。例えば、更新前後の残高が{3000,2180}である場合には、3000−2180=820(円)が支払い金額として特定される。一方、ステップS104で利用者による支払いが無かったと判別したときには(ステップS104のN)、訪問場所特定装置は、ステップS101からの動作を繰り返し実行する。
ステップS105で支払い金額を特定した後、訪問場所特定装置は、ステップS102で候補として挙げられた訪問施設における支払い日時に応じた平均利用金額と、特定した支払い金額とを比較し、候補として挙げられた訪問施設の中に、平均利用金額が支払い金額の適合範囲に含まれる施設があるか否かを判別する(ステップS106)。
例えば、適合範囲を支払い金額の±20%とした場合、支払い金額「820円」の適合範囲は656円から984円までとなる。そこで支払いがあった時間帯が昼とすると、訪問場所特定装置は、図3に示す施設候補情報13aに訪問施設の候補として挙げられる施設の中に、平均利用金額が支払い金額の適合範囲に含まれる施設として、施設「リーガルホスト」及び「ボスバーガ」があると判別する。
ステップS106で支払い金額に見合う施設があると判別したときには(ステップS106のY)、訪問場所特定装置は、その施設を訪問施設として特定してその施設の識別子を、支払い日時と支払い金額とともに記憶する(ステップS107)。また、その施設が複数あるときには、訪問場所特定装置は、適合度の最も高い施設を訪問施設として特定してその識別子を記憶する。例えば、上述の例では、訪問場所特定装置は、施設「リーガルホスト」及び「ボスバーガ」のうち、平均利用金額が支払い金額と最も近い施設「ボスバーガ」を訪問施設として特定し、その施設の識別子「施設3」を、支払い日時と支払い金額とともに記憶する。
一方、ステップS106で支払い金額に見合う施設がないと判別したときには(ステップS106のN)、訪問場所特定装置は、訪問施設を特定することができなかったことを示す所定の識別子、例えば「施設0」を支払い日時と支払い金額とともに記憶する(ステップS108)。
(実施の形態2)
以下、本発明における第2の実施の形態について図面を参照して説明する。
図6は、本発明の第2の実施の形態における訪問場所特定装置の構成を示す構成図である。
本実施の形態の訪問場所特定装置は、利用者の訪問施設を高い精度で特定して、その特定した訪問施設の履歴を蓄積するものであって、GPS受信部107と、現在位置特定部101と、施設データベース102Bと、施設候補検索部103Bと、滞在判定部201と、滞在時間特定部202と、最尤施設決定部105Bと、時計部109と、特定施設蓄積部106Bとを備えている。また、本実施の形態の訪問場所特定装置は、例えば携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末や、カーナビゲーションシステムの移動端末に内蔵される形で利用者とともに移動する。
ここで、本実施の形態が備える上記構成要素のうち、実施の形態1の構成要素と同じ符号を付して表されたものは、実施の形態1の構成要素と同一の構成及び機能を有するため説明を省略する。
施設データベース102Bは、施設の位置及び平均滞在時間などを示す施設情報12bを予め格納している。
施設候補検索部103Bは、現在位置特定部101によって特定された現在位置に基づいて、その現在位置を中心に所定範囲内にある施設を、施設データベース102Bに格納されている施設情報12bから検索する。ここで、上述の所定の範囲は、GPSによる測位精度に応じて適当な値に設定されている。そして、施設候補検索部103Bは、検索結果に該当する施設に関する平均滞在時間などの情報をその施設情報12bから読み出し、読み出した結果を示す施設候補情報13bを最尤施設決定部105Bに通知する。
つまり、施設候補検索部103Bは、GPSの測位に基づいて利用者の訪問施設の候補を挙げて、その結果を施設候補情報13bとして出力する。
時計部109は、計時して現在時刻(年月日を含む日時)を滞在判定部201に通知する。
滞在判定部201は、現在位置特定部101で特定された現在位置と、時計部109から通知される現在時刻に基づいて、訪問場所特定装置が所定の範囲内に、所定のしきい値となる時間以上あったか否か、つまり、利用者が所定の範囲内に所定時間以上の滞在を開始したか否かを判定し、滞在を開始したと判定したときには、その開始時刻(開始日時)を滞在時間特定部202に通知する。さらに、滞在判定部201は、訪問場所特定装置が上記所定の範囲の外に移動したか否か、つまり、利用者が滞在を終了したか否かを判定し、滞在を終了したと判定したときには、その終了時刻(終了日時)を滞在時間特定部202に通知する。
なお、滞在を開始したか否かを判定するための上記しきい値は、施設の平均滞在時間に基づいて適宜設定されるものであっても、何れの施設に対しても同一に設定されるものであっても良い。
滞在時間特定部202は、滞在の開始時刻及び終了時刻の通知を滞在判定部201から受けると、滞在時間=[滞在終了時刻]−[滞在開始時刻]により利用者の滞在時間を特定する。そして滞在時間特定部202は、特定した滞在時間と滞在開始時刻とを最尤施設決定部105Bに通知する。
最尤施設決定部105Bは、施設候補検索部103Bから通知された施設候補情報13bに複数の施設が候補として挙げられているときには、これら複数の施設の中から、滞在時間特定部202に特定された滞在時間と滞在開始時刻に対応する施設を選択し、その選択した施設を利用者が実際に訪問した訪問施設として決定する。即ち、最尤施設決定部105Bは、施設候補情報13bに示される施設の候補から、利用者が滞在した滞在時間とその滞在開始時刻に見合う施設を訪問施設として特定する。
特定施設蓄積部106Bは、最尤施設決定部105Bからの制御に応じて、最尤施設決定部105Bで特定された訪問施設を時系列に沿って履歴データ16bとして記憶する。
図7は、施設データベース102Bに格納される施設情報12bの内容を示す情報内容表示図である。
施設情報12bには、経度及び緯度などの位置が格納される位置欄D1と、その位置にある施設の識別子が格納される識別子欄D2と、その施設の名称(施設名)が格納される施設名欄D3と、その施設における朝(例えば5:00〜11:00)の利用者の平均滞在時間が格納される朝滞在時間欄D4と、昼(例えば11:00〜17:00)の利用者の平均滞在時間が格納される昼滞在時間欄D5と、夜(例えば17:00〜5:00)の利用者の平均滞在時間が格納される夜滞在時間欄D6とがある。
上述の識別子は、各施設を一意に特定することができるように各施設に割り当てられたものである。また、平均滞在時間は、一般の利用者がその施設において滞在する平均的な時間である。
例えば、位置欄D1には、位置「東経e1北緯n1」、「東経e2北緯n2」などが格納されており、識別子欄D2には、位置「東経e2北緯n2」に関連付けて識別子「施設2」が格納され、施設名欄D3には、識別子「施設2」に関連付けて施設名「リーガルホスト」が格納されている。そして、朝滞在時間欄D4には、施設「リーガルホスト」における利用者の朝の平均滞在時間として「30分」が格納され、昼滞在時間欄D5には、施設「リーガルホスト」における利用者の昼の平均滞在時間として「45分」が格納され、夜滞在時間欄D6には、施設「リーガルホスト」における利用者の夜の平均滞在時間として「90分」が格納されている。
ここで、同一の敷地に複数の施設(店舗)がある場合には、これらの施設の識別子や施設名などは同一の位置に関連付けられる。
例えば、位置「東経e4北緯n4」にある敷地に、施設「立ち食いそば」及び「公園」がある場合には、図7の施設情報12bに示すように、施設「立ち食いそば」及び「公園」の識別子及び施設名並びに平均滞在時間は、位置「東経e4北緯n4」に関連付けられる。
また、施設の閉店時間などのためにサービスが提供されていない場合には、平均滞在時間が特定されないことを示す情報(例えば図7中に示す横線「−」)が、施設情報12bのサービスが提供されていない時間帯に対応する滞在時間欄に格納される。
なお、図7に示す施設情報12bは、1日を朝、昼、夜の時間帯に分けた場合の利用者1人あたりの平均滞在時間を格納しているが、施設ごとの来客データなどをもとにして、さらに細かい時間帯区分(早朝、朝、昼、夕方、夜、深夜など)や曜日ごとの滞在時間を格納するようにしても良い。また、滞在時間の情報として平均を利用する代わりに、平均と分散を用いて滞在時間を統計的な分布として扱う方法の他、ファジィのメンバシップ関数を用いて滞在時間に関する情報を表現しても良い。
図8は、施設候補検索部103Bが最尤施設決定部105Bに通知する施設候補情報13bの内容を示す情報内容表示図である。
この施設候補情報13bには、施設候補検索部103Bで検索された施設の識別子が格納される識別子欄E1と、その施設の施設名が格納される施設名欄E2と、その施設における朝の利用者の平均滞在時間が格納される朝滞在時間欄E3と、昼の利用者の平均滞在時間が格納される昼滞在時間欄E4と、夜の利用者の平均滞在時間が格納される夜滞在時間欄E5とがある。
例えば、施設候補検索部103Bは、現在位置特定部101によって特定された現在位置を中心に半径20m以内の範囲にある施設を、図7に示す施設情報12bから検索しようとするときに、その範囲内に位置「東経e1北緯n1」及び位置「東経e4北緯n4」が含まれる場合、施設情報12bから施設「カットスタジオ」、「立ち食いそば」、及び「公園」を見つけ出してこれらの情報を読み出す。そして施設候補検索部103Bは、読み出したこれらの施設の識別子を識別子欄E1に格納し、施設名を施設名欄E2に格納し、朝の平均滞在時間を朝滞在時間欄E3に格納し、昼の平均滞在時間を昼滞在時間欄E4に格納し、夜の平均滞在時間を夜滞在時間欄E5に格納することで図8に示す施設候補情報13bを作成する。
図9は、特定施設蓄積部106Bが記憶する履歴データ16bの内容を示す情報内容表示図である。
履歴データ16bには、利用者が滞在を開始した滞在開始時刻(日時)が格納される日時欄F1と、その滞在の滞在時間が格納される滞在時間欄F2と、その滞在が行われた施設の識別子が格納される識別子欄F3とがある。
例えば、最尤施設決定部105Bは、施設候補検索部103Bから図8に示す施設候補情報13bを取得するとともに、日時「2003年4月6日10:05」から滞在時間「60分」の滞在があったという通知を滞在時間特定部202から受けると、その日時から朝に滞在があったと判断する。そして最尤施設決定部105Bは、施設候補情報13bに示される施設「カットスタジオ」、「立ち食いそば」、及び「公園」の中から、これらの施設の朝の平均滞在時間が滞在時間「60分」の適合範囲に含まれる施設を探し出して、施設「カットスタジオ」を訪問施設として特定する。ここで、適合範囲は、例えば滞在時間の±10%の範囲であって、「54分〜66分」の範囲となる。
また、最尤施設決定部105Bは、平均滞在時間が滞在時間の適合範囲に含まれる施設を複数個特定したときには、これらの施設のうち、適合度の最も高い、つまり平均滞在時間が滞在時間にもっとも近い施設を訪問施設として特定する。
訪問施設の特定の後、最尤施設決定部105Bは、既存の履歴データ16bの日時欄F1に日時「2003年4月6日10:05」を追加し、その日時に関連付けるように滞在時間欄F2に滞在時間「60分」を追加し、さらに、その日時及び滞在時間に関連付けるように識別子欄F3に、特定した施設「カットスタジオ」の識別子「施設1」を格納する。つまり、最尤施設決定部105Bは、特定した訪問施設を時系列に沿って履歴データ16bに記録する。
また、最尤施設決定部105Bは、施設候補情報13bに示される施設の中から、これらの施設の平均滞在時間が滞在時間の適合範囲に含まれる施設を探し出した結果、該当する施設がないと判断したときには、訪問施設を特定することができなかったことを示す所定の識別子(例えば、「施設0」)を履歴データ16bの識別子欄F3に格納する。
このように本実施の形態では、GPSの利用により候補に挙げられた幾つかの施設の中から、利用者の滞在時間とその滞在の開始時刻に見合う施設が訪問施設として特定されるため、利用者の訪問施設を高い精度で特定することができる。また、本実施の形態では、特定された訪問施設が履歴データ16bに履歴として記録されるため、その履歴データ16bを利用することで利用者の行動パターンを正確に把握することができる。
このような本実施の形態の訪問場所特定装置の動作について図10を用いて説明する。
図10は、本実施の形態の訪問場所特定装置の動作を示すフロー図である。
まず、訪問場所特定装置は、GPS衛星から所定の時間間隔で位置情報を受信し、その位置情報から利用者の現在位置を特定する(ステップS201)。
次に、訪問場所特定装置は、ステップS201で特定した現在位置を中心に所定範囲内にある施設を、訪問施設の候補として施設データベース102Bの施設情報12bから抽出する(ステップS202)。
ここで、訪問場所特定装置は、滞在の開始があったか否かを判別する(ステップS203)。滞在の開始があったと判別したときには(ステップS203のY)、訪問場所特定装置は、その滞在時間を特定する(ステップS204)。例えば、滞在の開始時刻及び終了時刻が{10:05,11:05}である場合には、11:05−10:05=60(分)が滞在時間として特定される。一方、滞在の開始がなかったと判別したときには(ステップS203のN)、訪問場所特定装置は、ステップS201からの動作を繰り返し実行する。
ステップS204で滞在時間を特定した後、訪問場所特定装置は、ステップS202で候補として挙げられた訪問施設における滞在開始時刻に応じた平均滞在時間と、特定した滞在時間とを比較し、候補として挙げられた訪問施設の中に、平均滞在時間が滞在時間の適合範囲に含まれる施設があるか否かを判別する(ステップS205)。
例えば、適合範囲を滞在時間の±10%とした場合、滞在時間「60分」の適合範囲は54分から66分までとなる。そこで滞在の開始時刻を昼の12:30とすると、訪問場所特定装置は、図8に示す施設候補情報13bに訪問施設の候補として挙げられる施設の中に、平均滞在時間が滞在時間の適合範囲に含まれる施設として、施設「カットスタジオ」があると判別する。
ステップS205で滞在時間に見合う施設があると判別したときには(ステップS205のY)、訪問場所特定装置は、その施設を訪問施設として特定してその施設の識別子を、滞在開始時刻及び滞在時間とともに記憶する(ステップS206)。例えば、上述の例では、訪問場所特定装置は施設「カットスタジオ」の識別子「施設1」を記憶する。また、その施設が複数あるときには、訪問場所特定装置は、適合度の最も高い施設を訪問施設として特定してその識別子を記憶する。
一方、ステップS205で滞在時間に見合う施設がないと判別したときには(ステップS205のN)、訪問場所特定装置は、訪問施設を特定することができなかったことを示す所定の識別子、例えば「施設0」を滞在開始時刻と滞在時間とともに記憶する(ステップS207)。
(実施の形態3)
以下、本発明における第3の実施の形態について図面を参照して説明する。
図11は、本発明の第3の実施の形態における訪問場所特定装置の構成を示す構成図である。
本実施の形態の訪問場所特定装置は、利用者の訪問施設を高い精度で特定して、その特定した訪問施設の履歴を蓄積するものであって、GPS受信部107と、現在位置特定部101と、施設データベース102Cと、施設候補検索部103Cと、電子マネー部108と、金額特定部104と、最尤施設決定部105Cと、時計部109と、特定施設蓄積部106Aと、施設カテゴリー候補検索部302と、施設利用金額記憶部301とを備えている。また、本実施の形態の訪問場所特定装置は、実施の形態1と同様、例えば携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末に内蔵されて利用者に携帯される。
ここで、本実施の形態が備える上記構成要素のうち、実施の形態1又は2の構成要素と同じ符号を付して表されたものは、実施の形態1又は2の構成要素と同一の構成及び機能を有するため説明を省略する。
施設データベース102Cは、施設の位置及びカテゴリーなどを示す施設情報12cを予め格納している。
施設候補検索部103Cは、現在位置特定部101によって特定された現在位置に基づいて、その現在位置を中心に所定範囲内にある施設を、施設データベース102Cに格納されている施設情報12cから検索する。ここで、上述の所定の範囲は、GPSによる測位精度に応じて適当な値に設定されている。そして、施設候補検索部103Cは、検索結果に該当する施設に関するカテゴリーなどの情報をその施設情報12cから読み出し、読み出した結果を示す施設候補情報13cを最尤施設決定部105Cに通知する。
つまり、施設候補検索部103Cは、GPSの測位に基づいて利用者の訪問施設の候補を挙げて、その結果を施設候補情報13cとして出力する。
時計部109は、計時して現在時刻(年月日を含む日時)を施設カテゴリー候補検索部302及び最尤施設決定部105Cに通知する。
施設利用金額記憶部301は、施設のカテゴリーごとの利用者の平均利用金額を示すカテゴリー金額情報31cを格納する。
施設カテゴリー候補検索部302は、施設利用金額記憶部301のカテゴリー金額情報31cに示される施設のカテゴリーの中から、金額特定部104で特定された支払い金額と、時計部109からの現在時刻の通知に基づく支払い日時とに対応するカテゴリーを検索し、該当するカテゴリーと支払い金額とを最尤施設決定部105Cに通知する。
最尤施設決定部105Cは、施設候補検索部103Cから通知された施設候補情報13cに示される施設の中から、施設カテゴリー候補検索部302で検索されたカテゴリーに対応する施設を選択し、その選択した施設を利用者が実際に訪問した訪問施設として決定する。即ち、最尤施設決定部105Cは、施設候補情報13cに示される施設の候補から、利用者が支払った金額とその支払い日時に見合う施設を訪問施設として特定する。
特定施設蓄積部106Aは、最尤施設決定部105Cからの制御に応じて、最尤施設決定部105Cで決定された施設(訪問施設)を時系列に沿って履歴データ16aとして記憶する。
図12は、施設データベース102Cに格納される施設情報12cの内容を示す情報内容表示図である。
施設情報12cには、経度及び緯度などの位置が格納される位置欄G1と、その位置にある施設の識別子が格納される識別子欄G2と、その施設の名称(施設名)が格納される施設名欄G3と、その施設のカテゴリーが格納されるカテゴリー欄G4とがある。
上述の識別子は、各施設を一意に特定することができるように各施設に割り当てられたものである。また、平均利用金額は、一般の利用者がその施設において支払う平均的な金額(所謂客単価)である。
例えば、位置欄G1には、位置「東経e1北緯n1」、「東経e2北緯n2」などが格納されており、識別子欄G2には、位置「東経e2北緯n2」に関連付けて識別子「施設2」が格納され、施設名欄G3には、識別子「施設2」に関連付けて施設名「リーガルホスト」が格納されている。そして、カテゴリー欄G4には、施設「リーガルホスト」のカテゴリー「レストラン」が格納されている。また、実施の形態1の施設情報12aと同様、同一の建物に複数の施設(店舗)が入居している場合には、これらの施設の識別子や施設名などは同一の位置に関連付けられる。
図13は、施設利用金額記憶部301に格納されるカテゴリー金額情報31cの内容を示す情報内容表示図である。
カテゴリー金額情報31cには、施設のカテゴリーが格納されるカテゴリー欄H1と、そのカテゴリーにおける朝(例えば5:00〜11:00)の利用者の平均利用金額が格納される朝金額欄H2と、昼(例えば11:00〜17:00)の利用者の平均利用金額が格納される昼金額欄H3と、夜(例えば17:00〜5:00)の利用者の平均利用金額が格納される夜金額欄H4とがある。
例えば、図13に示すカテゴリー金額情報31cには、カテゴリー「軽食」がカテゴリー欄H1に格納され、そのカテゴリーに関連付けて朝の平均利用金額「400円」が朝金額欄H2に格納され、また、そのカテゴリーに関連付けて昼の平均利用金額「800円」が昼金額欄H3に格納され、さらに、そのカテゴリーの夜の平均利用金額が閉店などのために特定されないことを示す情報(図13中に示す横線「−」)が夜金額欄H4に格納されている。
なお、図13に示すカテゴリー金額情報31cは、1日を朝、昼、夜の時間帯に分けた場合の利用者1人あたりの平均利用金額を格納しているが、施設ごとの売り上げデータなどをもとにして、さらに細かい時間帯区分(早朝、朝、昼、夕方、夜、深夜など)や曜日ごとの利用金額を格納するようにしても良い。また、利用金額の情報として平均を利用する代わりに、利用金額の上限と下限を指定する方法や、平均と分散を用いて利用金額を統計的な分布として扱う方法の他、ファジィのメンバシップ関数を用いて利用金額に関する情報を表現しても良い。
ここで例えば、施設カテゴリー候補検索部302は、金額特定部104で支払い金額が「820円」と特定され、時計部109から通知される現在時刻に基づいて、その支払い日時が昼であると判別すると、図13に示すカテゴリー金額情報31cに示されるカテゴリーの中から、昼の平均利用金額が支払い金額「820円」の適合範囲に含まれるカテゴリーを検索する。その結果、施設カテゴリー候補検索部302は、カテゴリー「軽食」を見つけ出してそのカテゴリー「軽食」を最尤施設決定部105Cに通知する。ここで、適合範囲は、例えば支払い金額の±20%の範囲であって、「656〜984円」の範囲となる。また、施設カテゴリー候補検索部302は、平均利用金額が支払い金額の適合範囲に含まれるカテゴリーを複数個見つけ出したときには、これらのカテゴリーのうち、適合度の最も高い、つまり平均利用金額が支払い金額にもっとも近いカテゴリーを選択する。さらに、施設カテゴリー候補検索部302は、カテゴリー金額情報31cに示されるカテゴリーの中から、平均利用金額が支払い金額の適合範囲に含まれるカテゴリーを検索した結果、該当するカテゴリーがないと判断したときには、カテゴリーを見つけ出すことができなかったことを最尤施設決定部105Cに通知する。
図14は、施設候補検索部103Cが最尤施設決定部105Cに通知する施設候補情報13cの内容を示す情報内容表示図である。
この施設候補情報13cには、施設候補検索部103Cで検索された施設の識別子が格納される識別子欄I1と、その施設の施設名が格納される施設名欄I2と、その施設のカテゴリーが格納されるカテゴリー欄I3とがある。
例えば、施設候補検索部103Cは、現在位置特定部101によって特定された現在位置に基づいて、位置「東経e2北緯n2」及び位置「東経e3北緯n3」を含む範囲内にある施設を図12に示す施設情報12cから検索すると、施設情報12cから施設「リーガルホスト」、「ボスバーガ」、「町野映画館」、及び「コンビニPマート」の情報を読み出す。そして施設候補検索部103Cは、読み出したこれらの施設の識別子を識別子欄I1に格納し、施設名を施設名欄I2に格納し、カテゴリーをカテゴリー欄I3に格納することで図14に示す施設候補情報13cを作成する。
ここで、最尤施設決定部105Cは、施設カテゴリー候補検索部302からカテゴリー「軽食」の通知を受け、図14に示す施設候補情報13cを取得し、さらに、時計部109からの現在時刻の通知に基づいてその支払いの日時が「2003年4月6日7:00」であると把握すると、施設候補情報13cに示される施設「リーガルホスト」、「ボスバーガ」、「町野映画館」、及び「コンビニPマート」の中から、カテゴリーが「軽食」である施設を探し出して施設「ボスバーガ」を訪問施設として特定する。訪問施設の特定の後、最尤施設決定部105Cは、支払い日時「2003年4月6日7:00」、支払い金額「820円」、及び施設「ボスバーガ」の識別子「施設3」をそれぞれ関連付けて既存の履歴データ16aに格納する。また、最尤施設決定部105Cは、施設候補情報13cに示される施設の中から、施設カテゴリー候補検索部302から通知されたカテゴリーの施設を見つけ出せなかったときや、施設カテゴリー候補検索部302から、カテゴリーを見つけ出すことができなかったことを示す通知を受けたときには、訪問施設を特定することができなかったことを示す所定の識別子、例えば「施設0」を履歴データ16aの識別子欄C3に格納する。
このように本実施の形態では、GPSの利用により候補に挙げられた幾つかの施設の中から、利用者の支払い金額とその日時に見合う施設が訪問施設として特定されるため、利用者の訪問施設を高い精度で特定することができる。また、本実施の形態では、特定された訪問施設が履歴データ16aに履歴として記録されるため、その履歴データ16aを利用することで利用者の行動パターンを正確に把握することができる。
さらに本実施の形態では、施設情報12cに平均利用金額や滞在時間ではなくカテゴリーを格納したことにより、実施の形態1又は2の施設情報12a,12bの情報量と比べて施設情報12cの情報量を少なくし、施設データベース102Cの記憶領域を有効に利用することができる。また、施設情報12cを容易に構築することができる。
このような本実施の形態の訪問場所特定装置の動作について図15を用いて説明する。
図15は、本実施の形態の訪問場所特定装置の動作を示すフロー図である。
まず、訪問場所特定装置は、GPS衛星から所定の時間間隔で位置情報を受信し、その位置情報から利用者の現在位置を特定する(ステップS301)。
次に、訪問場所特定装置は、ステップS301で特定した現在位置を中心に所定範囲内にある施設を、訪問施設の候補として施設データベース102Cの施設情報12cから抽出する(ステップS302)。
ここで、訪問場所特定装置は、残高の更新があったか否かを判別する(ステップS303)。残高の更新があったと判別したときには(ステップS303のY)、訪問場所特定装置は、さらに、その更新に基づいて利用者による支払いがあったか否かを判別する(ステップS304)。一方、残高の更新がなかったと判別したときには(ステップS303のN)、訪問場所特定装置は、ステップS301からの動作を繰り返し実行する。
そして、ステップS304で利用者による支払いがあったと判別したときには(ステップS304のY)、訪問場所特定装置は、その利用者の支払い金額を特定する(ステップS305)。例えば、更新前後の残高が{3000,2180}である場合には、3000−2180=820(円)が支払い金額として特定される。一方、ステップS304で利用者による支払いが無かったと判別したときには(ステップS304のN)、訪問場所特定装置は、ステップS301からの動作を繰り返し実行する。
ステップS305で支払い金額を特定した後、訪問場所特定装置は、カテゴリー金額情報31cに示される支払い日時に応じた平均利用金額と、特定した支払い金額とを比較し、カテゴリー金額情報31cに含まれるカテゴリーの中に、平均利用金額が支払い金額の適合範囲に含まれるカテゴリーがあるか否かを判別する(ステップS306)。
そしてステップS306で支払い金額に見合うカテゴリーがあると判別したときには(ステップS306のY)、訪問場所特定装置は、ステップS302で抽出した施設の中から、その支払い金額に見合うカテゴリーの施設を見つけ出してその施設を訪問施設として特定し、その施設の識別子を支払い日時と支払い金額とともに記憶する(ステップS307)。
一方、ステップS306で支払い金額に見合うカテゴリーがないと判別したときには(ステップS306のN)、訪問場所特定装置は、訪問施設を特定することができなかったことを示す所定の識別子、例えば「施設0」を支払い日時と支払い金額とともに記憶する(ステップS308)。
(実施の形態4)
以下、本発明における第4の実施の形態について図面を参照して説明する。
図16は、本発明の第4の実施の形態における訪問場所特定装置の構成を示す構成図である。
本実施の形態の訪問場所特定装置は、利用者の訪問施設を高い精度で特定して、その特定した訪問施設の履歴を蓄積するものであって、GPS受信部107と、現在位置特定部101と、施設データベース102Cと、施設候補検索部103Cと、滞在判定部201と、滞在時間特定部202と、施設カテゴリー候補検索部402と、施設滞在時間記憶部401と、最尤施設決定部105Dと、時計部109と、特定施設蓄積部106Bとを備えている。また、本実施の形態の訪問場所特定装置は、実施の形態2と同様、例えば携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末や、カーナビゲーションシステムの移動端末に内蔵される形で利用者とともに移動する。
ここで、本実施の形態が備える上記構成要素のうち、実施の形態1〜3の構成要素と同じ符号を付して表されたものは、実施の形態1〜3の構成要素と同一の構成及び機能を有するため説明を省略する。
施設候補検索部103Cは、実施の形態3と同様、現在位置特定部101によって特定された現在位置を中心に所定範囲内にある施設を施設情報12cから検索する。そして、施設候補検索部103Cは、検索結果に該当する施設に関するカテゴリーなどの情報をその施設情報12cから読み出し、読み出した結果を示す施設候補情報13dを最尤施設決定部105Dに通知する。
滞在時間特定部202は、滞在の開始時刻及び終了時刻の通知を滞在判定部201から受けると、滞在時間=[滞在終了時刻]−[滞在開始時刻]により利用者の滞在時間を特定し、その特定した滞在時間と滞在開始時刻(日時)とを施設カテゴリー候補検索部402に通知する。
施設滞在時間記憶部401は、施設のカテゴリーごとの利用者の平均滞在時間を示すカテゴリー滞在情報41dを格納する。
施設カテゴリー候補検索部402は、施設滞在時間記憶部401のカテゴリー滞在情報41dに示される施設のカテゴリーの中から、滞在時間特定部202で特定された滞在時間と滞在開始時刻とに対応するカテゴリーを検索し、該当するカテゴリー及び滞在時間並びに滞在開始時刻を最尤施設決定部105Dに通知する。
最尤施設決定部105Dは、施設候補検索部103Cから通知された施設候補情報13dに示される施設の中から、施設カテゴリー候補検索部402で検索されたカテゴリーに対応する施設を選択し、その選択した施設を利用者が実際に訪問した訪問施設として決定する。即ち、最尤施設決定部105Dは、施設候補情報13dに示される施設の候補から、利用者が滞在した滞在時間とその滞在開始時刻に見合う施設を訪問施設として特定する。
特定施設蓄積部106Bは、最尤施設決定部105Dからの制御に応じて、最尤施設決定部105Dで特定された訪問施設を時系列に沿って履歴データ16bとして記憶する。
図17は、施設滞在時間記憶部401に格納されるカテゴリー滞在情報41dの内容を示す情報内容表示図である。
カテゴリー滞在情報41dには、施設のカテゴリーが格納されるカテゴリー欄J1と、そのカテゴリーにおける朝(例えば5:00〜11:00)の利用者の平均滞在時間が格納される朝滞在時間欄J2と、昼(例えば11:00〜17:00)の利用者の平均滞在時間が格納される昼滞在時間欄J3と、夜(例えば17:00〜5:00)の利用者の平均滞在時間が格納される夜滞在時間欄J4とがある。
例えば、図17に示すカテゴリー滞在情報41dには、カテゴリー「理容・美容」がカテゴリー欄J1に格納され、そのカテゴリーに関連付けて朝の平均滞在時間「60分」が朝滞在時間欄J2に格納され、また、そのカテゴリーに関連付けて昼の平均滞在時間「60分」が昼滞在時間欄J3に格納され、さらに、そのカテゴリーの夜の平均滞在時間が弊店などのために特定されないことを示す情報(図17中に示す横線「−」)が夜滞在時間欄J4に格納されている。
なお、図17に示す例では、1日を朝、昼、夜の時間帯に分けた場合の利用者1人あたりの平均滞在時間を格納しているが、施設ごとの来客データなどをもとにして、さらに細かい時間帯区分(早朝、朝、昼、夕方、夜、深夜など)や曜日ごとの滞在時間を格納するようにしても良い。また、滞在時間の情報として平均を利用する代わりに、平均と分散を用いて滞在時間を統計的な分布として扱う方法の他、ファジィのメンバシップ関数を用いて滞在時間に関する情報を表現しても良い。
ここで例えば、施設カテゴリー候補検索部402は、滞在時間特定部202から滞在時間が「60分」であって滞在開始時刻が「10時5分」である旨の通知を受けると、その滞在は朝であると判別し、図17に示すカテゴリー滞在情報41dに示されるカテゴリーの中から、朝の平均滞在時間が滞在時間「60分」の適合範囲に含まれるカテゴリーを検索し、カテゴリー「理容・美容」を見つけ出してそのカテゴリー「理容・美容」を最尤施設決定部105Dに通知する。ここで、適合範囲は、例えば滞在時間の±10%の範囲であって、「54〜66分」の範囲となる。また、施設カテゴリー候補検索部402は、平均滞在時間が滞在時間の適合範囲に含まれるカテゴリーを複数個見つけ出したときには、これらのカテゴリーのうち、適合度の最も高い、つまり平均滞在時間が滞在時間にもっとも近いカテゴリーを選択する。さらに、施設カテゴリー候補検索部402は、カテゴリー滞在情報41dに示されるカテゴリーの中から、平均滞在時間が滞在時間の適合範囲に含まれるカテゴリーを検索した結果、該当するカテゴリーがないと判断したときには、カテゴリーを見つけ出すことができなかったことを最尤施設決定部105Dに通知する。
図18は、施設候補検索部103Cが最尤施設決定部105Dに通知する施設候補情報13dの内容を示す情報内容表示図である。
この施設候補情報13dには、実施の形態3の施設候補情報13cと同様、施設候補検索部103Cで検索された施設の識別子が格納される識別子欄K1と、その施設の施設名が格納される施設名欄K2と、その施設のカテゴリーが格納されるカテゴリー欄K3とがある。
例えば、施設候補検索部103Cは、現在位置特定部101によって特定された現在位置に基づいて、位置「東経e1北緯n1」及び位置「東経e4北緯n4」を含む範囲内にある施設を図12に示す施設情報12cから検索すると、施設情報12cから施設「カットスタジオ」、「立ち食いそば」、及び「公園」の情報を読み出す。そして施設候補検索部103Cは、読み出したこれらの施設の識別子を識別子欄K1に格納し、施設名を施設名欄K2に格納し、カテゴリーをカテゴリー欄K3に格納することで図18に示す施設候補情報13dを作成する。
ここで、最尤施設決定部105Dは、施設カテゴリー候補検索部402からカテゴリー「理容・美容」の通知を受け、図18に示す施設候補情報13dを取得すると、施設候補情報13dに示される施設「カットスタジオ」、「立ち食いそば」、及び「公園」の中から、カテゴリーが「理容・美容」である施設を探し出して施設「カットスタジオ」を訪問施設として特定する。訪問施設の特定の後、最尤施設決定部105Dは、施設カテゴリー候補検索部402から通知された滞在開始時刻「2003年4月6日7:00」、滞在時間「60分」、及び施設「カットスタジオ」の識別子「施設1」をそれぞれ関連付けて既存の履歴データ106bに格納する。また、最尤施設決定部105Dは、施設候補情報13dに示される施設の中から、施設カテゴリー候補検索部302から通知されたカテゴリーの施設を見つけ出せなかったときや、施設カテゴリー候補検索部402から、カテゴリーを見つけ出すことができなかったことを示す通知を受けたときには、訪問施設を特定することができなかったことを示す所定の識別子、例えば「施設0」を履歴データ106bの識別子欄F3に格納する。
このように本実施の形態では、GPSの利用により候補に挙げられた幾つかの施設の中から、利用者の滞在時間とその日時に見合う施設が訪問施設として特定されるため、利用者の訪問施設を高い精度で特定することができる。また、本実施の形態では、特定された訪問施設が履歴データ16bに履歴として記録されるため、その履歴データ16bを利用することで利用者の行動パターンを正確に把握することができる。
さらに本実施の形態では、実施の形態3と同様、施設情報12cに平均利用金額や滞在時間ではなくカテゴリーを格納したことにより、実施の形態1又は2の施設情報12a,12bの情報量と比べて施設情報12cの情報量を少なくし、施設データベース102Cの記憶領域を有効に利用することができる。また、施設情報12cを容易に構築することができる。
このような本実施の形態の訪問場所特定装置の動作について図19を用いて説明する。
図19は、本実施の形態の訪問場所特定装置の動作を示すフロー図である。
まず、訪問場所特定装置は、GPS衛星から所定の時間間隔で位置情報を受信し、その位置情報から利用者の現在位置を特定する(ステップS401)。
次に、訪問場所特定装置は、ステップS401で特定した現在位置を中心に所定範囲内にある施設を、訪問施設の候補として施設データベース102Cの施設情報12cから抽出する(ステップS402)。
ここで、訪問場所特定装置は、利用者の滞在が開始されたか否かを判別する(ステップS403)。滞在が開始されたと判別したときには(ステップS403のY)、訪問場所特定装置は、滞在時間を特定する(ステップS404)。例えば、滞在の開始時刻及び終了時刻が{10:05,11:05}である場合には、11:05−10:05=60(分)が滞在時間として特定される。一方、滞在が開始されなかったと判別したときには(ステップS403のN)、訪問場所特定装置は、ステップS401からの動作を繰り返し実行する。
ステップS404で滞在時間を特定した後、訪問場所特定装置は、カテゴリー滞在情報41dに示される滞在開始時刻に応じた平均滞在時間と、特定した滞在時間とを比較し、カテゴリー滞在情報41dに含まれるカテゴリーの中に、平均滞在時間が滞在時間の適合範囲に含まれるカテゴリーがあるか否かを判別する(ステップS405)。
そしてステップS405で滞在時間に見合うカテゴリーがあると判別したときには(ステップS405のY)、訪問場所特定装置は、ステップS402で抽出した施設の中から、その滞在時間に見合うカテゴリーの施設を見つけ出してその施設を訪問施設として特定し、その施設の識別子を滞在開始時刻と滞在時間とともに記憶する(ステップS406)。
一方、ステップS405で滞在時間に見合うカテゴリーがないと判別したときには(ステップS405のN)、訪問場所特定装置は、訪問施設を特定することができなかったことを示す所定の識別子、例えば「施設0」を滞在開始時刻と滞在時間とともに記憶する(ステップS407)。
(実施の形態5)
上記実施の形態1及び実施の形態3では、利用者の支払い金額を利用して最尤の訪問施設を特定し、上記実施の形態2及び実施の形態4では、利用者の滞在時間を利用して最尤の訪問施設を特定している。
本実施の形態では、利用者の移動距離や移動方向を利用することで、最尤の訪問施設を特定する。
具体的に、本実施の形態の訪問場所特定装置は、携帯電話やPDAなどの携帯端末に内蔵された一部の構成要素と、車両に搭載されたカーナビゲーションシステムのGPS機能を有する構成要素とを備えて構成される。そしてこの訪問場所特定装置は、利用者に携帯される携帯端末の移動距離や移動方向を検出し、その検出結果と、カーナビゲーションシステムのGPS機能による位置特定結果とを利用する。したがって、この訪問場所特定装置は、利用者が携帯端末を携帯して車両から降車した場合、その車両の位置と、その位置からの利用者の移動距離や移動方向とに基づいて、利用者の最尤の訪問施設を特定する。
図20は、本実施の形態の訪問場所特定装置の構成を示す構成図である。
この訪問場所特定装置は、GPS受信部2101と、現在位置特定部2102と、施設情報蓄積部2104と、施設候補検索部2105と、移動距離検出部2106と、停車判定部2103と、施設特定部2107と、特定施設蓄積部2108とを備えている。
GPS受信部2101は、GPS衛星から現在位置に関する位置情報を受信する。
現在位置特定部2102は、GPS受信部2101から位置情報を取得して、その位置情報から車両の現在位置を特定する。
これらGPS受信部2101及び現在位置特定部2102は、車両のカーナビゲーションシステムに具備されている。
停車判定部2103は、現在位置特定部2102で特定された現在位置を履歴として蓄積することで、車両が停止しているか否かを判断するとともに、その車両が停止した位置(停車位置)を特定する。例えば、一定期間内における車両の現在位置の変化に基づいて、車両が停止しているか否かを判断することが可能である。ただし、停車判定部2103は、信号待ち等で車両が止まっている場合は、車両が停止しているとは判断しない。そこで、停車判定部2103は、車両のギアがパーキングにいれられたことに基づいて、車両が停止したと判断してもよい。又は、停車判定部2103は、エンジンが停止したことに基づいて、車両が停止したと判断してもよい。
施設情報蓄積部2104は、施設に関する情報である施設情報2104aを蓄積している。
図21は、施設の位置関係を示す図である。
例えば、図21に示すように、車両が停車される共用駐車場の周辺には、いくつかの施設(店舗A〜H)がある。
図22は、施設情報2104aの内容を示す情報内容表示図である。
施設情報2104aは、図21に示すように、各施設の名称とその施設の所在地(緯度、経度)を示す。
施設候補検索部2105は、施設情報蓄積部2104の施設情報2104aに示される施設の中から、停車判定部2103で特定された停車位置の周辺にある施設を、利用者の訪問施設の候補として検索する。施設候補検索部2105は、例えば、停車位置から半径1Km以内にある施設を施設情報2104aから検索して、その施設の名称と所在地を示す施設候補情報2105aを施設特定部2107に通知する。
移動距離検出部2106は、停車判定部2103で車両の停止が検出されると、利用者の移動距離の測定を開始する。即ち、移動距離検出部2106は、3Dジャイロを備えて構成されており、携帯端末を携帯して利用者が移動する移動距離を測定する。また、移動距離検出部2106は、万歩計等を備えることにより、利用者の振動に基づいて歩数をカウントし、その歩数から利用者の移動距離を測定しても良い。
施設特定部2107は、施設候補検索部2105で検索された施設の候補から、移動距離検出部2106で検出された移動距離を用いて、利用者の最尤の訪問施設を特定する。移動距離検出部2106は、車両が停車した後の利用者の移動距離を検出することができる。そこで、利用者が車両を離れてある店舗等に訪問すると、利用者が車両に戻ってくるまでの往復距離が移動距離として検出される。施設特定部2107は、検出された移動距離の半分の距離Dを算出し、車両の停車位置から半径D以内にある施設を、最尤の訪問施設として特定する。ここで、半径D以内の施設の中でも、車両の停車位置に最も近い施設に利用者が訪問したとすると、検出された移動距離が長すぎることとなる。そこで、施設特定部2107は、半径D以内にあって、かつ車両の停車位置から最も遠い施設を、最尤の訪問施設として特定する。
図23は、施設特定部2107が最尤の訪問施設を特定する方法の一例を説明するための説明図である。
例えば、この図23に示すように、車両の停車位置が特定されて、半径Dが200mとして算出された場合には、その停車位置から200m以内にある店舗Aが、最尤の訪問施設として特定される。また、半径Dが300mとして算出された場合には、店舗D又は店舗Gが最尤の訪問施設として特定される。この場合には、店舗Aは訪問施設として特定されない。なお、停車位置から半径D以内であって最も遠い距離付近に複数の店舗が存在するような場合には、施設特定部2107は、利用者にこれらの店舗を提示して、何れかの店舗を訪問施設として選択するように促してもよい。
図24は、施設特定部2107が最尤の訪問施設を特定する方法の他の例を説明するための説明図である。
この図24に示すように、車両の停車位置が図23に示す位置と異なる場合でも、施設特定部2107は、その停車位置からの距離に基づいて最尤の訪問施設を特定する。
図25は、施設特定部2107が最尤の訪問施設を特定する方法のさらに他の例を説明するための説明図である。
この図25に示すように、施設特定部2107は、駐車場の人の出入口からの距離に基づいて最尤の訪問施設を特定してもよい。この場合、現在位置特定部2102は、地図データなどを用いることにより、駐車場の人の出入口を現在位置として特定し、その特定結果を施設特定部2107に通知するのである。
特定施設蓄積部2108は、施設特定部2107で特定された訪問施設を履歴データとして蓄積する。
なお、本実施の形態では、特定された訪問施設を履歴として蓄積したが、必ずしも履歴として蓄積する必要がない。例えば、最尤の訪問施設が特定された場合には、利用者が車両に戻って運転を開始するときに、その訪問施設に関する情報を広告情報として提示することで、訪問施設の広告効果を向上させることができる。
なお、複数の店舗が最尤の訪問施設として特定された場合には、その複数の店舗のいずれかに訪問したという履歴を特定施設蓄積部2108に蓄積させてもよい。また、特定施設蓄積部2108に蓄積された履歴に基づいて、利用者の行動予測や、利用者のプロファイル作成を行う場合には、最尤の訪問施設としていずれか1つに特定されなかった複数の店舗に対して、不確定要素としての重みを考慮することが考えられる。
次に、本実施の形態の動作について図26を用いて説明する。
図26は、本実施の形態の訪問場所特定装置の動作を示すフロー図である。
まず、訪問場所特定装置は、GPSを利用することにより位置情報を取得して車両の現在位置を特定し(ステップS2201)、その現在位置の時間的な変化に基づいて、車両が停止したか否かを判別する(ステップS2202)。
ここで、訪問場所特定装置は、車両が停止していないと判別したときには(ステップS2202のN)、ステップS2201の動作を継続して実行し、車両が停止していると判別したときには(ステップS2202のY)、その現在位置を車両の停車位置として記憶する(ステップS2203)。
次に、利用者が携帯端末を携帯して車両から外に出ることにより、訪問場所特定装置は、利用者の移動距離の測定を開始する(ステップS2204)。そして、訪問場所特定装置は、車両が動きだしたことを検知すると(ステップS2205のY)、その停車位置と移動距離から最尤の訪問施設を特定する(ステップS2206)。一方、訪問場所特定装置は、車両が停止した状態にあると判断すると(ステップS2205のN)、ステップS2204の動作を継続して実行する。
以上の動作が実行されることで、車両の停車位置と利用者の移動距離から、利用者の最尤の訪問施設が特定される。
このように本実施の形態では、動向検出手段は、位置特定手段によって特定された位置を起点とした前記利用者の移動態様を検出し、最尤施設特定手段は、候補特定手段により複数の施設が特定されたときには、その複数の施設の中から、動向検出手段により検出された移動態様に対応する施設を選択し、選択した施設を最尤の訪問場所として特定することを特徴とする。また本実施の形態では、その動向検出手段は、利用者の移動態様として移動距離を検出し、最尤施設特定手段は、その移動距離に対応する施設を最尤の訪問場所として特定する。
これにより本実施の形態では、利用者の移動距離に応じた施設が最尤の訪問場所として特定されるため、利用者の訪問場所を高い精度で特定することができる。特に、利用者の訪問目的地と、位置特定手段によって特定された位置(例えば車両の停車位置)が離れている場合には、利用者がどこに訪問したかを高い精度で特定することができる。
(変形例1)
本実施の形態では、万歩計や3Dジャイロ等を具備する移動距離検出部2106によって計測された利用者の移動距離に基づいて、最尤の訪問施設を特定した。
本変形例では、移動距離検出部2106の代わりに、電子コンパス等のような自動的に利用者の移動方向を検出する移動方向検出部を備えて、車両の停車位置と利用者の移動方向から最尤の訪問施設を特定する。
図27は、利用者の移動方向に基づいて訪問施設を特定する方法の一例を説明するための説明図である。
この図27に示すように、車両の停車位置から見た店舗A〜Hの方向は、図22に示す施設情報2104aから特定される。そこで、移動方法検出部が利用者の移動方向αを検出した場合には、施設特定部2107は、利用者の最尤の訪問施設が店舗Bまたは店舗Gであると判断する。
なお、訪問場所特定装置は、利用者の移動距離と移動方向とに基づいて訪問施設を特定しても良い。
このように本変形例では、動向検出手段は、利用者の移動態様として移動方向を検出し、最尤施設特定手段は、移動方向に対応する施設を最尤の訪問場所として特定することを特徴とする。これにより本変形例では、利用者の移動方向に応じた施設が最尤の訪問場所として特定されるため、利用者の訪問場所を高い精度で特定することができる。
(変形例2)
本変形例の訪問場所特定装置は、利用者の移動経路に基づいて、最尤の訪問施設を特定する。
このような本変形例の訪問場所特定装置は、利用者が車両を走行させてその車両を停車させたときには、GPS受信部2101で受信された位置情報を用いて停車位置を特定するとともに、利用者の移動距離及び移動方向の検出結果に基づいて停車位置からの移動経路を導出する。そして訪問場所特定装置は、その移動経路に基づいて、最尤の訪問施設を特定する。本変形例の移動距離検出部2106は、3Dジャイロや電子コンパスなどにより携帯端末の移動距離及び移動方向を検出して、利用者の移動経路を導出する。
図28は、移動経路に基づいて訪問施設を特定する方法の一例を説明するための説明図である。
利用者が車両を停車させた後、携帯端末を携帯して店舗Bと店舗Aを訪問すると、訪問場所特定装置は、図28に示すように、利用者の移動経路を導出し、その移動経路と施設情報2104aに基づいて店舗Bと店舗Aが最尤の訪問施設であると判断する。
ここで、本変形例に係る訪問場所特定装置は、駐車場に戻らなければならない旨のメッセージをユーザに通知しても良い。
この場合、訪問場所特定装置の施設情報蓄積部2104は、各店舗から共用駐車場まで移動するのに要する時間を示す所要時間情報を蓄積している。
図29は、所要時間情報の一例を示す情報内容表示図である。
この図29に示すように、所要時間情報2104bには、各店舗から共用駐車場まで移動するのに要する所要時間が登録されている。
また、訪問場所特定装置の施設特定部2107は、施設駐車場に備えられた機器から、駐車を開始した時刻(駐車開始時刻)と駐車を終了すべき時刻(駐車終了時刻)などを示す駐車情報を取得する。例えば、その駐車開始時刻から駐車終了時刻までの駐車に対しては、駐車料金は無料であって、その駐車終了時刻以降の駐車に対しては、駐車料金は有料となる。
即ち、訪問場所特定装置の施設特定部2107は、移動経路から訪問場所を特定すると、所要時間情報2104bに示されるその訪問施設の所要時間と、現在時刻と、駐車終了時刻とに基づいて、利用者が現在時刻において駐車場に戻るべきであるか否かを判断する。
図30は、訪問場所特定装置がメッセージを通知するタイミングを説明するための説明図である。
この図30に示すように、訪問場所特定装置の施設特定部2107は、利用者の訪問施設が店舗Aであると判断すると、現在時刻(例えば、15時20分)に、所要時間情報2104bに示されるその店舗Aの所要時間(10分)を足し合わせることにより、現在時刻から駐車場に移動を開始した場合におけるその駐車場への到着予定時刻(15時30分)を算出する。そして施設特定部2107は、その到着予定時刻と駐車終了時刻とを比較して、到着予定時刻が駐車終了時刻に一致又は近ければ、今から駐車場にもどらなければ駐車料金がかかるというメッセージを利用者に知らせる。また、図29に示す所要時間情報2104bから明らかなように、店舗C、店舗E等に訪問している利用者に対しては、早めにメッセージが通知される。
(変形例3)
本実施の形態とその変形例1及び2では、車両が停車されてからの利用者の移動距離や移動方向、移動経路に基づいて、利用者の最尤の訪問施設を特定した。
本変形例に係る訪問場所特定装置は、利用者が車両に戻ってエンジンを始動させたときに、特定された訪問施設に関する広告情報を利用者に提示する。これにより、利用者のニーズにあった広告を提供することができる。
図31は、本変形例に係る訪問場所特定装置の構成を示す構成図である。
本変形例に係る訪問場所特定装置は、図20に示す訪問場所特定装置が備える構成要素の他に、施設情報選択部2608と情報表示部2609とを備える。また、本変形例に係る施設情報蓄積部2104が蓄積する施設情報2104cには、各施設の名称とその施設の所在地の他に、その施設を訪問した利用者に対して提示する広告に関する情報(広告情報)が含まれている。
施設情報選択部2608は、施設特定部2107で訪問施設が特定されると、その訪問施設に対応する広告情報を、施設情報蓄積部2104の施設情報2104cから検索する。そして、施設情報選択部2608は、該当する広告情報があれば、その広告情報を施設情報2104cから抽出し、情報表示部2609に出力する。
情報表示部2609は、車両のカーナビゲーションシステムや、携帯端末に搭載された液晶ディスプレイなどにより構成されており、施設情報選択部2608から取得した広告情報の内容を利用者に表示する。
図32は、情報表示部2609によって表示される広告情報の内容の一例を示す図である。
例えば、施設特定部2107がABスーパーを訪問施設として特定すると、情報表示部2609は、図32に示すように、ABスーパーに関する広告情報の内容を提示する。
このように本変形例では、訪問場所特定装置は、さらに、最尤施設特定手段によって特定された施設に関する広告情報を取得して、その広告情報を利用者に提示する情報提示手段を備えることを特徴とする。これにより本変形例では、最尤施設特定手段によって特定された施設の広告情報が提示されるため、利用者は興味のある施設の広告情報を閲覧することができる。また、施設の宣伝広告の効果を高めることができる。即ち、利用者が訪問した店舗の広告が、利用者がその店舗から離れてからも提示されるため、利用者はその店舗に対して親近感をもつことができ、再び来店する可能性が高くなる。
(変形例4)
本実施の形態では、車両のGPS受信部2101で受信された位置情報を用いて車両の停車位置を特定し、その停車位置から訪問可能な施設の候補を検索した。
本変形例に係る訪問場所特定装置は、駐車場の位置を示す駐車場位置情報を、駐車場のゲートに設置された機器から無線通信媒体を介して取得し、その駐車場位置情報によって示される駐車場の位置を、停車位置として扱う。
即ち、本変形例に係る停車判定部2103は、GPS受信部2101によって受信された位置情報に基づいて停車位置を特定することなく、単に、駐車位置情報を取得して、その駐車位置情報の示す位置を停車位置の代わりに取り扱う。また、停車判定部2103は、この駐車位置情報を取得した後にエンジンが停止されると、車両が停止したと判断する。
図33は、本変形例に係る停車判定部2103が駐車場位置情報を取得する様子を示す図である。
具体的に、車両が駐車場のゲートを通過するときに、又はゲートの開閉と同時に、停車判定部2103は、ゲートに設置された送信機X1から駐車場位置情報を取得し、その駐車位置情報に示される駐車場の位置を、停車位置として扱う。施設候補検索部2105は、施設情報蓄積部2104の施設情報2104aに示される施設の中から、その停車位置(駐車場の位置)の周辺にある施設を、利用者の訪問施設の候補として検索する。
また、訪問場所特定装置は、ゲートに設置された送信機X1から、駐車位置情報の他にも、その駐車場の周辺にある施設に関する周辺施設情報を取得しても良い。この周辺施設情報には、例えば駐車場の周辺にある施設の名称、所在地、及び広告などが含まれている。この場合、施設候補検索部2105は、単に、周辺施設情報を取得して、その周辺施設情報を施設候補情報2105aとして施設特定部2107に出力する。
(変形例5)
本変形例に係る訪問場所特定装置は、駐車場の適切な駐車料金を設定することができる。
一般に、共用駐車場は、特定の店舗とだけ契約している場合がある。例えば、利用者が契約した店舗を訪れた場合、あるいはその店舗で所定の金額分の購入をした場合に、駐車料金を無料にする等の契約をしている場合がある。そこで、本変形例に係る訪問場所特定装置は、上記契約を行っている店舗を訪問施設として特定したときには、駐車料金を無料に設定したり、逆に、上記契約を行っていない店舗を訪問施設として特定したときには、駐車料金を有料に設定する。このように設定された駐車料金は、駐車場を管理する管理システムに通知され、その管理システムは、その駐車料金の入金があったときに、ゲートを開いて車両を通過させる。なお、所定の金額分の購入を行ったか否かは、例えば上記実施の形態3における金額特定部104で特定される支払い金額に基づいて、又は、後述する実施の形態6で特定される所持品の変化に基づいて判断される。さらに、本変形例では、所定の金額分の購入が行われていない場合に、その旨を利用者に通知しても良い。
また、本変形例に係る訪問場所特定装置は、車両の停車位置からの移動距離に応じて駐車料金を設定しても良い。
このような場合には、利用者は、携帯端末(移動距離を測定する装置)を車内に放置して施設の訪問を行うことで、正確な移動距離の測定を防止して駐車料金を安くしようと考える。そこで、駐車場の管理システムは、携帯端末を検知した場合に限って、人専用のゲートを開き、携帯端末を検知しない場合には、そのゲートを閉ざす。
図34は、携帯端末の有無に応じて開閉するゲートを説明するための説明図である。
この図34に示すように、利用者が携帯端末M1を携帯して人専用のゲートに向かうと、管理システムはその携帯端末M1を検知して、そのゲートを開く。一方、利用者が携帯端末M1を車両に残したまま駐車場から出ようとゲートに向かうと、管理システムはその携帯端末M1を検知しないので、そのゲートを閉じた状態に維持する。なお、この携帯端末M1には、訪問場所特定装置の移動距離検出部2106などの構成要素が内蔵されている。
これにより、利用者は常に携帯端末M1を携帯して施設を訪問することとなり、不正な駐車料金が設定されるのを防ぐことができる。
また、本変形例に係る訪問場所特定装置は、特定した訪問施設に応じて駐車料金を設定しても良い。これにより、従来では駐車時間に応じて駐車料金が設定されることが多かったが、訪問した店舗に応じて適切に駐車料金を設定することができる。特に、美容院や、カルチャースクール等を訪問するために、一度、駐車すると多くの時間を費やす利用者と、他の目的で長時間駐車している利用者とを区別することが可能になる。
また、本変形例に係る訪問場所特定装置は、駐車場の周辺にある何れかの施設を訪問したか否かで駐車料金を設定しても良い。
駅周辺の駐車場には、例えば2時間以内の駐車については駐車料金を無料とするサービスを行っているところがある。このような駐車場は、駅周辺の施設を利用する利用者に向けたサービスとして、そのような駐車料金を設定している。しかしながら、駐車時間だけで駐車料金を設定すると、例えば、利用者がその駐車場に車両を停車させ、駅周辺の施設を利用することなく、電車等で移動して他の駅周辺の施設を利用して2時間以内に戻ってくると、駐車料金は本来有料とすべきところ無料となってしまう。
そこで、本変形例に係る訪問場所特定装置は、駐車後の移動経路などにより、駐車場の周辺にあって駐車料金が減額又は免除される一群の施設のうちの何れかを、利用者が訪問したか否かを判別し、訪問したと判別したときには、減額された駐車料金を設定したり、駐車料金を無料として設定したりする。一方、訪問していないと判別したときには、訪問場所特定装置は、駐車料金を減額又は免除することなく正規の駐車料金を設定する。
これにより、駅周辺の駐車場の管理システムは、その駐車場周辺の施設を訪問するために訪れた利用者に対してのみ、駐車料金を減額又は免除することができ、他の目的で訪れた利用者に対しては、正規の駐車料金を徴収することができる。
なお、この場合には、訪問場所特定装置は、駐車場周辺の一群の施設の何れかを利用者が訪問したか否かを判別できれば足り、利用者の訪問施設までを特定する必要はない。したがって、訪問場所特定装置の構成を簡略化することができる。
このように本変形例では、訪問場所特定装置は、さらに、位置特定手段により特定された位置が駐車場であるときには、前記動向検出手段によって検出された利用者の動向に応じた駐車料金を算出する料金算出手段を備えることを特徴とする。例えば、その動向検出手段は、位置特定手段によって特定された位置を起点とした前記利用者の移動経路を検出し、前記料金算出手段は、動向検出手段によって検出された利用者の移動経路に応じた駐車料金を算出する。これにより本変形例では、利用者の動向、つまり移動経路に応じた駐車料金が算出されるため、適切な駐車料金を利用者に対して請求することができる。
また、訪問場所特定装置とは別に、駐車料金算出システムを想起することができる。この駐車料金算出システムは、車両の停車位置を特定する停車位置特定手段と、前記車両の利用者の動向を検出する動向検出手段と、前記停車位置特定手段により特定された停車位置が駐車場である場合には、前記動向検出手段により検出された前記停車位置からの動向に基づいて、駐車料金を算出する料金算出手段とを備えることを特徴とする。例えば、停車位置特定手段は車両に搭載され、動向検出手段及び料金算出手段は利用者の携帯端末に搭載される。この駐車料金算出システムにより算出された駐車料金は、駐車場の管理システムに通知されてそのシステムに設定される。
これにより、上記駐車料金算出システムでは、駐車時間に関わらずに利用者の動向に即した適切な駐車料金を算出することができる。
(実施の形態6)
実施の形態5では、車両のGPSにより絶対的な位置情報を受信し、利用者の保有する携帯端末の3Dジャイロや万歩計等により相対的な移動距離などを検出することで、利用者の最尤の訪問場所を特定した。
本実施の形態では、携帯電話等の携帯端末でアクセスされた情報に基づいて、訪問施設を特定する。
具体的に、本実施の形態の訪問場所特定装置は、携帯電話やPDAなどの通信機能を有する携帯端末に内蔵されており、その通信機能によりアクセスされた情報の内容と、GPSにより特定された位置とを利用して、利用者の最尤の訪問施設を特定する。
図35は、本実施の形態の訪問場所特定装置の構成を示す構成図である。
この訪問場所特定装置は、GPS受信部2701と、現在位置特定部2702と、施設情報蓄積部2704と、施設候補検索部2705と、情報取得履歴検出部2706と、位置取得状況判定部2703と、施設特定部2707と、特定施設蓄積部2708とを備えている。
GPS受信部2701は、GPS衛星から現在位置に関する位置情報を受信する。
現在位置特定部2702は、GPS受信部2701から位置情報を取得して、その位置情報から訪問場所特定装置の現在位置、つまり利用者の現在位置を特定する。
これらGPS受信部2701及び現在位置特定部2702は、他の構成要素とともに携帯端末に具備されている。
位置取得状況判定部2703は、GPSによって位置情報が受信できているか否かを判定する。即ち、GPS受信部2701が位置情報を受信できないときには、現在位置特定部2702は当然に現在位置を特定することができない。そこで位置取得状況判定部2703は、位置情報に基づく車両の現在位置の特定が現在位置特定部2702で行われているか否かを判定する。さらに、位置取得状況判定部2703は、現在位置の特定が行われているとき、つまり位置情報の受信可能時には、その特定された現在位置を施設候補検索部2705に通知し、現在位置の特定が行われていないとき、つまり位置情報の受信不能時には、最近に特定された現在位置(以下、「最近現在位置」という)を施設候補検索部2705に通知する。また、位置取得状況判定部2703は、位置情報の受信不能時には、その受信不能である旨を情報取得履歴検出部2706に通知する。
図36は、GPS受信部2701が位置情報を受信できなくなる様子を説明するための説明図である。
例えば、図36に示すように、携帯端末を携帯する利用者が屋外にいるときには、GPS受信部2701は位置情報を受信する。その結果、現在位置特定部2702は、その受信された位置情報に基づいて利用者の現在位置を特定する。
ところが、利用者が雑居ビルなどの建物内に入ったり、地下街に入ると、GPS受信部2701は位置情報を受信することができなくなる。その結果、現在位置特定部2702は、利用者の現在位置を特定することができなくなる。このような場合、雑居ビルには例えばレストランや映画館などの複数の施設があるため、利用者の訪問施設を特定することができない。そこで、本実施の形態では、インターネットなどを介して携帯端末によってアクセスされた情報を利用するのである。
施設情報蓄積部2704は、施設に関する情報である施設情報2704aを蓄積している。
図37は、施設情報2704aの内容を示す情報内容表示図である。
施設情報2704aは、各施設の名称、所在地(経度、緯度)、キーワード、及びURL(Uniform Resource Locator)を示す。
施設候補検索部2705は、位置取得状況判定部2703から現在位置の通知を受けたときには、施設情報蓄積部2704の施設情報2104aに示される施設の中から、その現在位置にある又はその現在位置に最も近い施設を、利用者の訪問施設の候補として検索する。
また、施設候補検索部2705は、位置取得状況判定部2703から最近現在位置の通知を受けたときには、施設情報蓄積部2704の施設情報2104aに示される施設の中から、最近現在位置の周辺にある施設を、利用者の訪問施設の候補として検索する。
そして施設候補検索部2705は、その検索結果に該当する施設に関する情報(施設の名称やURLなど)を施設情報2104aから抽出して施設候補情報2705aを作成し、その施設候補情報2705aを施設特定部2707に通知する。なお、施設候補情報2705aを通知するときには、施設候補検索部2705は、その施設候補情報2705aが現在位置に基づいて作成されたものであるのか、最近現在位置に基づいて作成されたものであるのかを施設特定部2707に通知する。
情報取得履歴検出部2706は、位置情報が受信不能であることを知らせる通知を位置取得状況判定部2703から受けたときには、その後に携帯端末の通信機能によってアクセスされた情報(アクセス情報)を取得するとともに、そのアクセス情報を蓄積する。例えば、図29に示すように、利用者が雑居ビルに入ったときには、位置情報が受信不能になるため、情報取得履歴検出部2706は、それ以降にアクセスされたアクセス情報を取得して蓄積する。
施設特定部2707は、施設候補検索部2705で検索された施設の候補から、利用者の最尤の訪問施設を特定する。具体的に、施設特定部2707は、現在位置に基づいて作成された施設候補情報2705aを取得したときには、その施設候補情報2705aにより示される施設が、利用者の最尤の訪問施設であると判断する。
一方、施設特定部2707は、最近現在位置に基づいて作成された施設候補情報2705aを取得したときには、情報取得履歴検出部2706に蓄積されたアクセス情報を取得する。そして、施設特定部2707は、その施設候補情報2705aに示される幾つかの施設の中から、そのアクセス情報に関連する施設を検索し、検索結果に該当する施設を、利用者の最尤の訪問施設として特定する。
例えば、利用者は、雑居ビルに入って、位置情報が受信不能になった後に、携帯端末を操作してインターネットを介してレストランのメニュー情報にアクセスし、そのメニュー情報の内容を閲覧する。この場合、訪問場所特定装置は、そのメニュー情報をアクセス情報として扱い、その雑居ビルにある幾つかの施設の中から、メニュー情報に関連する施設を検索する。そして訪問場所特定装置は、その検索結果に該当するレストランが利用者の最尤の訪問施設であると判断する。また、利用者が音楽情報にアクセスしていた場合には、訪問場所特定装置は、CDショップが利用者の最尤の訪問施設であると判断する。
特定施設蓄積部2708は、施設特定部2707で特定された訪問施設を履歴データとして蓄積する。
このように本実施の形態では、GPSにより現在位置が特定できるときには、その現在位置にある施設又は現在位置に最も近い施設を、利用者の最尤の訪問施設として特定するとともに、GPSにより現在位置が特定できなくても、最近に特定された現在位置とアクセス情報とに基づいて、利用者の最尤の訪問施設を特定することができる。
次に、本実施の形態の動作について図38を用いて説明する。
図38は、本実施の形態の訪問場所特定装置の動作を示すフロー図である。
まず、訪問場所特定装置は、GPSを利用することにより位置情報を受信して、利用者の現在位置を特定する(ステップS2800)。
次に、訪問場所特定装置は、位置情報が取得不能か否かを判別し(ステップS2802)、取得不能であると判別したときには(ステップS2802のY)、最近に特定された現在位置(最近現在位置)、つまりステップS2800で特定された現在位置に基づいて、施設の候補を見つけ出す(ステップS2804)。
ここで、訪問場所特定装置は、利用者の携帯端末によるインターネットを介したアクセス情報へのアクセスを検出すると(ステップS2806)、ステップS2804で見つけ出した施設の候補の中から、そのアクセス情報に関連する施設を検索し、その検索結果に該当する施設を、利用者の最尤の訪問施設として特定する(ステップS2808)。
一方、ステップS2802で位置情報が取得可能と判別したときには(ステップS2802のN)、訪問場所特定装置は、その位置情報を受信して、ステップS2800と同様に現在位置を特定する(ステップS2810)。そして、訪問場所特定装置は、ステップS2810で特定した現在位置に基づいて訪問施設を特定する(ステップS2812)。
以上の動作が実行されることで、位置情報が取得不能であるときにも、最近現在位置とアクセス情報から利用者の訪問施設が特定される。
即ち本実施の形態では、前記動向検出手段は、利用者によって閲覧された閲覧情報を検出し、最尤施設特定手段は、候補特定手段により複数の施設が特定されたときには、その複数の施設の中から、動向検出手段により検出された閲覧情報に対応する施設を選択し、選択した施設を最尤の訪問場所として特定することを特徴とする。これにより本変形例では、利用者の興味を持つ閲覧情報に関連する施設が訪問場所として特定されるため、利用者の最尤の訪問場所を高い精度で特定することができる。特に、利用者が屋内や地下街に入った場合に効果を奏する。
なお、本実施の形態では、利用者のアクセス情報を蓄積することで、訪問施設の特定を行ったが、利用者の周囲温度の変化や、周囲の音を蓄積しておくことで、訪問場所を特定することができる。例えば、利用者の周囲温度が低下しているときには、訪問場所特定装置は、利用者の訪問施設が、エアコンで温度調節されている施設であると判断したり、周囲の音が大きいときには、訪問場所特定装置は、利用者の訪問施設が、ゲームセンター等であると判断する。
また、本実施の形態では、車両を雑居ビルの駐車場に止めた場合も、同様の方法で訪問場所を特定することができる。
また、本実施の形態では、利用者の所持品の変化を用いて訪問場所を特定しても良い。
図39は、訪問場所特定装置と利用者の所持品とを示す図である。
この図39に示すように、例えば財布や定期券などの利用者の各所持品にはそれぞれICタグ(RFIDタグ)1が付されている。また、訪問場所特定装置は、ICタグ1と通信するタグリーダを具備し、携帯電話2に内蔵されている。
このような訪問場所特定装置は、タグリーダによるICタグ1との通信に基づいて、利用者の所持品の変化を特定することができる。
図40は、所持品の変化の一例を説明するための説明図である。
例えば、この図40に示すように、訪問場所特定装置は、位置情報の受信可能時に、タグリーダによるICタグ1との通信結果に基づいて、財布、定期券、音楽プレーヤ、及び自宅の鍵を利用者の所持品として特定する。そして、位置情報の取得不能時に、訪問場所特定装置は、タグリーダによるICタグ1との通信結果に基づいて、音楽CDが所持品として追加されたことを検知する。その結果、訪問場所特定装置は、その追加された所持品が音楽CDであるため、利用者の訪問施設はCDショップであると判断する。
このように上記例では、動向検出手段は、利用者に所持される所持品のうち増減した所持品を検出し、最尤施設特定手段は、候補特定手段により複数の施設が特定されたときには、その複数の施設の中から、動向検出手段により検出された所持品に対応する施設を選択し、選択した施設を最尤の訪問場所として特定することを特徴とする。これにより上記例では、所持品から最尤の訪問施設が特定されるため、特に買い物などをした利用者の訪問場所を高い精度で特定することができる。
以上、本発明に係る訪問場所特定装置について、実施の形態1〜6及びそれらの変形例を用いて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、実施の形態1及び実施の形態3では、電子マネー部108及び金額特定部104を備えて利用者の支払い動向を検出し、実施の形態2及び実施の形態4では、滞在判定部201及び滞在時間特定部202を備えて利用者の滞在動向を検出したが、電子マネー部108及び金額特定部104と滞在判定部201及び滞在時間特定部202とを備えて利用者の支払い動向及び滞在動向を検出しても良い。この場合には、施設候補情報に挙げられる施設の中から、利用者の支払い動向と滞在動向に応じた施設が選択されて、その施設が訪問施設として特定されるため、訪問施設をより高い精度で特定することができる。
つまり、支払い動向の検出は、駅の売店やコンビニなど比較的滞在時間が短い施設を判別する場合に有用であって、滞在動向の検出は、公園や公共施設など支払いが発生しない施設を判別する場合に有用であって、支払い動向と滞在動向の双方を検出して利用することにより互いの欠点を補って、訪問施設を特定する精度を向上させることができる。
また、実施の形態1〜4に、利用者が屋内又は屋外にいるかを検出するユニットを備えて、その動向に応じて訪問施設を特定しても良い。例えば、そのユニットは、天気を示す天気情報を取得して天気を特定し、晴れならば利用者は屋外にいる可能性が高いと判別し、雨ならば利用者は屋内にいる可能性が高いと判別する。そして、訪問施設の候補として、映画館と公園が挙げられている場合において、利用者が屋内にいると判断されたときには、映画館が訪問施設として特定される。さらに、施設情報には、平均利用金額又は平均滞在時間を朝昼夜の時間帯に分けて格納させたが、雨・曇り・晴れの天気に分けて格納しても良い。
また、実施の形態1〜6では施設データベース又は施設情報蓄積部を備えたが、施設データベースや施設情報蓄積部を備えずに、施設候補検索部がネットワークを介して外部のサーバにアクセスし、そのサーバに格納されている施設情報の中から施設を検索しても良い。さらに、実施の形態1〜6では、施設データベース又は施設情報蓄積部に予め施設情報を格納させておいたが、外部のサーバからネットワークを介して施設情報をダウンロードしてこれを施設データベース又は施設情報蓄積部に格納しても良い。
さらに、実施の形態3では施設利用金額記憶部301を備え、実施の形態4では施設滞在時間記憶部401を備えたが、上述の施設データベースの場合と同様、施設利用金額記憶部301や施設滞在時間記憶部401を備えなくても良く、カテゴリー金額情報31cやカテゴリー滞在情報41dを外部のサーバからダウンロードしても良い。このように、ネットワークを介してアクセス可能なサーバを、実施の形態1〜6の構成要素の一部として利用しても良いことは言うまでもない。
また、実施の形態1〜6では、GPS受信部107で受信されるGPS衛星からの位置情報に基づいて現在位置を特定したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、無線基地局からの測量やRFタグの利用に基づいて現在位置を特定しても良い。
また、実施の形態1及び3では、電子マネー部103にプリペイドカードとしての機能を備えたが、その機能を備えずに、予め入金されているお金の残高を把握する機能を備えていれば良い。さらに、電子マネー部103及び金額特定部104の変わりに、クレジットカードやデビットカードの支払い明細書を電子的に取得し、その支払い明細書から利用者の支払い金額を特定するユニットを備えても良い。この場合には、支払い明細書が、利用者の支払いがあったときではなく、後日に配信されるため、施設候補検索部は検索結果を記憶しておき、最尤施設決定部は支払い明細書の配信があったときに、施設候補検索部に記憶されている施設から訪問施設を特定する。ここで、支払い明細書には、支払いが行われた施設を一意に特定するための情報が含まれていないため、本発明に係る訪問場所特定装置は、その支払い明細書に記載された支払い動向と、GPSによる測位結果とに基づいて訪問施設を特定するのである。
また、電子マネー部103にクレジットカードとしての機能を備えても良い。この場合には、電子マネー部103は、利用者が予め開設する銀行口座の残高を把握し、利用者の電子マネー部103を利用した支払い金額は、利用者の銀行口座から引き落とされて、施設の管理者が開設する銀行口座に振り込まれることとなる。
さらに、実施の形態1〜4では、一般の利用者の平均利用金額や平均滞在時間が記録された施設情報を用いたが、施設情報に利用者本人の平均利用金額や平均滞在時間を記録せておいても良い。例えば、施設情報には初期設定として一般利用者の平均利用金額や平均滞在時間が記録されてあり、利用者本人の実際の利用に応じて金額特定部又は滞在時間特定部がその記録されたデータを更新する。これにより、利用者の訪問施設をより高い精度で特定することができる。また、施設データベースに、一般利用者用の施設情報と、各利用者に対応した施設情報とを格納しておいても良い。これにより、施設情報を使い分けることができ、使い勝手を向上することができる。
また、実施の形態1〜6では、訪問施設が特定されなかったときには、その旨を示す識別子を履歴データに記録したが、施設候補情報13aに候補として挙げられる施設の識別子を全て履歴データに記録しても良く、候補として挙げられる施設のうち、最も適合度の高い施設を履歴データに記録しても良い。また、履歴データの内容を書き換え可能なように構成しても良い。この場合、支払い又は滞在があったときに、訪問施設が特定されなくても、その後に訪問施設が明らかになったときには、その訪問施設の識別子が履歴データに上書きされる。
産業上の利用の可能性
本発明に係る訪問場所特定装置は、利用者の訪問場所を高い精度で特定するという作用効果を奏し、例えば利用者の行動バターンを分析してその行動バターンに応じた情報提供サービス等を行う携帯電話やカーナビゲーションシステムなどに備えられる装置として有用である。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】

【図27】

【図28】

【図29】

【図30】

【図31】

【図32】

【図33】

【図34】

【図35】

【図36】

【図37】

【図38】

【図39】

【図40】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の訪問場所を特定する訪問場所特定装置であって、
利用者の位置を特定する位置特定手段と、
前記位置特定手段により特定された位置を含む所定の範囲内にある施設を、前記訪問場所の候補として特定する候補特定手段と、
利用者の動向を検出する動向検出手段と、
前記候補特定手段により複数の施設が特定されたときには、前記複数の施設の中から、前記動向検出手段により検出された動向に対応する施設を選択し、選択した施設を最尤の訪問場所として特定する最尤施設特定手段と
を備えることを特徴とする訪問場所特定装置。
【請求項2】
前記訪問場所特定装置は、さらに、
前記最尤施設特定手段により特定された施設を記憶するための領域を有する記憶手段を備え、
前記最尤施設特定手段は、最尤の訪問場所として特定した施設を前記記憶手段に履歴として記憶させる
ことを特徴とする請求の範囲第1項記載の訪問場所特定装置。
【請求項3】
前記動向検出手段は、
前記利用者の施設での支払い金額を検出し、
前記最尤施設決定手段は、
前記候補特定手段により複数の施設が特定されたときには、前記複数の施設の中から、前記動向検出手段により検出された支払い金額に対応する施設を選択し、選択した施設を最尤の訪問場所として特定する
ことを特徴とする請求の範囲第1項記載の訪問場所特定装置。
【請求項4】
前記候補特定手段は、
複数の施設を識別するための識別情報、前記複数の施設の位置を示す施設位置情報、及び前記複数の施設の利用金額に関する金額情報を予め記憶している施設情報記憶手段と、
前記施設情報記憶手段に記憶されている施設の中から、施設位置情報により示される位置が前記位置特定手段により特定された位置を含む所定の範囲内に含まれる施設を検索し、検索結果に該当する施設の識別情報及び金額情報を抽出する候補抽出手段とを備え、
前記最尤施設特定手段は、
前記候補抽出手段により複数の施設の識別情報及び金額情報が抽出されたときには、前記金額情報が前記動向検出手段により検出された支払い金額に対応する施設の識別情報を選択する
ことを特徴とする請求の範囲第3項記載の訪問場所特定装置。
【請求項5】
前記候補特定手段は、
複数の施設を識別するための識別情報、前記複数の施設の位置を示す施設位置情報、及び前記複数の施設のカテゴリーを予め記憶している施設情報記憶手段と、
前記施設情報記憶手段に記憶されている施設の中から、施設位置情報により示される位置が前記位置特定手段により特定された位置を含む所定の範囲内に含まれる施設を検索し、検索結果に該当する施設の識別情報及びカテゴリーを抽出する候補抽出手段とを備え、
前記最尤施設特定手段は、
複数の施設のカテゴリーと前記各カテゴリーの利用金額に関するカテゴリー金額情報とを予め記憶しているカテゴリー記憶手段と、
前記カテゴリー記憶手段に記憶されているカテゴリーの中から、前記カテゴリー金額情報が前記動向検出手段により検出された支払い金額に対応するカテゴリーを抽出するカテゴリー抽出手段と、
前記候補抽出手段により複数の施設の識別情報及びカテゴリーが抽出されたときには、前記カテゴリーが前記カテゴリー抽出手段によって抽出されたカテゴリーに一致する施設の識別情報を選択する選択手段とを備える
ことを特徴とする請求の範囲第3項記載の訪問場所特定装置。
【請求項6】
前記動向検出手段は、
前記利用者の施設での滞在時間を検出し、
前記最尤施設決定手段は、
前記候補特定手段により複数の施設が特定されたときには、前記複数の施設の中から、前記動向検出手段により検出された滞在時間に対応する施設を選択し、選択した施設を最尤の訪問場所として特定する
ことを特徴とする請求の範囲第1項記載の訪問場所特定装置。
【請求項7】
前記候補特定手段は、
複数の施設を識別するための識別情報、前記複数の施設の位置を示す施設位置情報、及び前記複数の施設の滞在時間に関する滞在時間情報を予め記憶している施設情報記憶手段と、
前記施設情報記憶手段に記憶されている施設の中から、施設位置情報により示される位置が前記位置特定手段により特定された位置を含む所定の範囲内に含まれる施設を検索し、検索結果に該当する施設の識別情報及び滞在時間情報を抽出する候補抽出手段とを備え、
前記最尤施設特定手段は、
前記候補抽出手段により複数の施設の識別情報及び滞在時間情報が抽出されたときには、前記滞在時間情報が前記動向手段により検出された滞在時間に対応する施設の識別情報を選択する
ことを特徴とする請求の範囲第6項記載の訪問場所特定装置。
【請求項8】
前記候補特定手段は、
複数の施設を識別するための識別情報、前記複数の施設の位置を示す施設位置情報、及び前記複数の施設のカテゴリーを予め記憶している施設情報記憶手段と、
前記施設情報記憶手段に記憶されている施設の中から、施設位置情報により示される位置が前記位置特定手段により特定された位置を含む所定の範囲内に含まれる施設を検索し、検索結果に該当する施設の識別情報及びカテゴリーを抽出する候補抽出手段とを備え、
前記最尤施設特定手段は、
複数の施設のカテゴリーと前記各カテゴリーの滞在時間に関するカテゴリー滞在情報とを予め記憶しているカテゴリー記憶手段と、
前記カテゴリー記憶手段に記憶されているカテゴリーの中から、前記カテゴリー滞在情報が前記動向検出手段により検出された滞在時間に対応するカテゴリーを抽出するカテゴリー抽出手段と、
前記候補抽出手段により複数の施設の識別情報及びカテゴリーが抽出されたときには、前記カテゴリーが前記カテゴリー抽出手段によって抽出されたカテゴリーに一致する施設の識別情報を選択する選択手段とを備える
ことを特徴とする請求の範囲第6項記載の訪問場所特定装置。
【請求項9】
前記動向検出手段は、
前記位置特定手段によって特定された位置を起点とした前記利用者の移動態様を検出し、
前記最尤施設特定手段は、
前記候補特定手段により複数の施設が特定されたときには、前記複数の施設の中から、前記動向検出手段により検出された移動態様に対応する施設を選択し、選択した施設を最尤の訪問場所として特定する
ことを特徴とする請求の範囲第1項記載の訪問場所特定装置。
【請求項10】
前記動向検出手段は、
前記利用者の移動態様として移動距離を検出し、
前記最尤施設特定手段は、
前記移動距離に対応する施設を最尤の訪問場所として特定する
ことを特徴とする請求の範囲第9項記載の訪問場所特定装置。
【請求項11】
前記動向検出手段は、
前記利用者の移動態様として移動方向を検出し、
前記最尤施設特定手段は、
前記移動方向に対応する施設を最尤の訪問場所として特定する
ことを特徴とする請求の範囲第9項記載の訪問場所特定装置。
【請求項12】
前記動向検出手段は、
前記利用者によって閲覧された閲覧情報を検出し、
前記最尤施設特定手段は、
前記候補特定手段により複数の施設が特定されたときには、前記複数の施設の中から、前記動向検出手段により検出された閲覧情報に対応する施設を選択し、選択した施設を最尤の訪問場所として特定する
ことを特徴とする請求の範囲第1項記載の訪問場所特定装置。
【請求項13】
前記動向検出手段は、
前記利用者に所持される所持品のうち増減した所持品を検出し、
前記最尤施設特定手段は、
前記候補特定手段により複数の施設が特定されたときには、前記複数の施設の中から、前記動向検出手段により検出された所持品に対応する施設を選択し、選択した施設を最尤の訪問場所として特定する
ことを特徴とする請求の範囲第1項記載の訪問場所特定装置。
【請求項14】
前記訪問場所特定装置は、さらに、
前記位置特定手段により特定された位置が駐車場であるときには、前記動向検出手段によって検出された利用者の動向に応じた駐車料金を算出する料金算出手段を備える
ことを特徴とする請求の範囲第1項記載の訪問場所特定装置。
【請求項15】
前記動向検出手段は、
前記位置特定手段によって特定された位置を起点とした前記利用者の移動経路を検出し、
前記料金算出手段は、
前記動向検出手段によって検出された利用者の移動経路に応じた駐車料金を算出する
ことを特徴とする請求の範囲第14項記載の訪問場所特定装置。
【請求項16】
前記位置特定手段は、
前記利用者によって走行される車両が停車した位置を特定し、
前記動向検出手段は、
前記車両が停車した後の利用者の動向を検出する
ことを特徴とする請求の範囲第1項記載の訪問場所特定装置。
【請求項17】
前記訪問場所特定装置は、さらに、
前記最尤施設特定手段によって特定された施設に関する広告情報を取得して、前記広告情報を利用者に提示する情報提示手段を備える
ことを特徴とする請求の範囲第1項記載の訪問場所特定装置。
【請求項18】
前記訪問場所特定装置は、携帯端末に備えられており、
前記位置特定手段は、
利用者によって携帯される前記携帯端末の位置を特定し、
前記動向検出手段は、
前記位置特定手段による位置の特定が不可能となったときの前記利用者の動向を検出する
ことを特徴とする請求の範囲第1項記載の訪問場所特定装置。
【請求項19】
利用者の訪問場所を特定する訪問場所特定方法であって、
利用者の位置を特定する位置特定ステップと、
前記位置特定ステップで特定された位置を含む所定の範囲内にある施設を、前記訪問場所の候補として特定する候補特定ステップと、
利用者の動向を検出する動向検出ステップと、
前記候補特定ステップで複数の施設が特定されたときには、前記複数の施設の中から、前記動向検出ステップで検出された動向に対応する施設を選択し、選択した施設を最尤の訪問場所をとして特定する最尤施設特定ステップと
を含むことを特徴とする訪問場所特定方法。
【請求項20】
利用者の訪問場所を特定するためのプログラムであって、
利用者の位置を特定する位置特定ステップと、
前記位置特定ステップで特定された位置を含む所定の範囲内にある施設を、前記訪問場所の候補として特定する候補特定ステップと、
利用者の動向を検出する動向検出ステップと、
前記候補特定ステップで複数の施設が特定されたときには、前記複数の施設の中から、前記動向検出ステップで検出された動向に対応する施設を選択し、選択した施設を最尤の訪問場所をとして特定する最尤施設特定ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【国際公開番号】WO2005/024688
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【発行日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−513628(P2005−513628)
【国際出願番号】PCT/JP2004/012414
【国際出願日】平成16年8月23日(2004.8.23)
【特許番号】特許第3832770号(P3832770)
【特許公報発行日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】