説明

設定情報集中記録装置、機器IDおよび保守サービス提供方法並びにプログラム

【課題】設定情報を一括して記録しておく記憶装置を別途提供することで、機器の交換を容易にし、復旧時間を大幅に短縮すること。
【解決手段】設定情報集中記憶装置10が、保守用ネットワーク20を介して接続された各装置30の障害、交換、ソフトウェア更新等が発生したときに各装置30に係わる設定情報を各装置30の識別情報をもとに各装置30に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個別の装置の設定情報を一括して記録しておく設定情報集中記憶装置、装置ごとの機器IDをもとにした設定情報の記録・復元方法により、保守サービスを提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
保守サービスへの要求は、従来の機器自体の価格が高価であった時代には機器の修理であった。ところが最近では機器単体の価格は安くなり、複数の機器を組み合わせて大きなシステムを構成するようになってきている。そのため、機器単体を対象とした保守サービスは時代と合わなくなってきていた。
【0003】
保守サービスでは、機器が故障した場合の対応として、1)機器の故障個所を特定してその故障個所を修理するという方法、あるいは2)機器そのものを新品と交換するという方法をとることがある。
【0004】
ここで、集中管理装置の不揮発メモリ部には、集中管理装置自身、及び加入者登録した個々の通信制御装置をそれぞれ識別するためのCS識別子及びPS識別子(登録データ)が配置され、これらを基に管理センターにより遠隔管理がされ、登録データは、管理センター5側でも格納され、運用中の集中管理装置を新たな集中管理装置に交換する場合、登録データは、管理センターから通信網を介して新たな集中管理装置に転送され、その不揮発メモリ部に再構成されることで、システムの継続、復旧を短時間で容易に行う技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、エレベータ遠隔保守制御システム1は、乗りかご2を有する複数のエレベータ15と、各エレベータ15毎に割り振られ各エレベータ15の保守点検制御を行うエレベータ通信制御装置5とを備えている。各エレベータ通信制御装置5は、通信ネットワーク9に接続されて繋がれており、この通信ネットワーク9には遠隔保守制御装置12が接続されている。エレベータ15の保守点検に関するプログラム等を含む制御プログラム情報40は、通信ネットワーク9上を移動して、遠隔保守制御装置12と各エレベータ通信制御装置5との間でエレベータ15の保守点検に関するプログラム等を伝送することで、複数のエレベータの保守点検を各エレベータの特性に応じて迅速かつ安全に行う技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
また、ユーザシステム内に設けられ、IT機器のトラブル情報、構成情報又は性能情報を収集するリモートゲートウェイと、リモートゲートウェイと通信ネットワークを介して接続され、リモートゲートウェイから送信された情報に基づいてIT機器の監視を行うセンタシステムとを有するシステムにおいて、ユーザシステム内にセンタシステムから送信された設定情報に基づいてIT機器の設定を行う設定手段を具備することで、IT機器から各種情報を採取し、且つ、IT機器の設定も自動で行うことにより、サービス導入を簡単に行うことが可能な技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
また、保守センターからのリモート保守開始の操作によりボタン電話装置の主装置が通信網から発IDを受信し、登録されている保守センターであればリモート保守モードに移行して着信自動応答を行い、その後、保守センターから設定データの読み出しや書き込みを受信することで、保守先が不在時にリモート保守を行う技術が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【特許文献1】特開2002−135437号公報
【特許文献2】特開2003−081552号公報
【特許文献3】特開2005−309669号公報
【特許文献4】特開平09−294160号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の関連技術では、1)の方法では機器の修理中は機器が使えなくなるという欠点があり、また2)の方法では故障した機器を新品と交換したあとに故障した機器と同様の設定をする必要があり、復旧に時間がかかるという欠点があった。
【0009】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、本発明では、機器個別の設定情報を機器自体に持たせずに、設定情報を一括して記録しておく記憶装置を別途提供することで、機器の交換を容易にし、復旧時間を大幅に短縮することを実現する設定情報集中記録装置、機器IDおよび保守サービス提供方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の設定情報集中記憶装置は、端末機器とネットワークを介して接続され、
端末機器の障害、交換、ソフトウェア更新等が発生したときに端末機器に係わる設定情報を端末機器の識別情報をもとに端末機器に設定することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の機器IDおよび保守サービス提供方法は、設定情報集中記憶装置が、ネットワークを介して接続された端末機器の障害、交換、ソフトウェア更新等が発生したときに端末機器に係わる設定情報を端末機器の識別情報をもとに端末機器に設定することを特徴とする。
【0012】
また、本発明のプログラムは、コンピュータに、ネットワークを介して接続された端末機器の障害、交換、ソフトウェア更新等が発生したときに端末機器に係わる設定情報を端末機器の識別情報をもとに端末機器に設定する処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、機器個別の設定情報を機器自体に持たせずに、設定情報を一括して記録しておく記憶装置を別途提供することで、機器の交換を容易にし、復旧時間を大幅に短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1を参照して、本実施の形態の構成を説明する。
【0015】
本実施の形態では各装置30には個別の設定情報を持たせず、設定情報はすべて設定情報集中記録装置10に保存するものとする。
【0016】
各装置30と設定情報を一括して記録しておく記憶装置とは保守用ネットワーク20で接続されているものとする。
【0017】
設定情報集中記録装置10は、保守サービス提供者側に設置される。
【0018】
以下に、図2を参照して本実施の形態の動作を詳細に説明する。
【0019】
まず、機器を新規に設置する場合は、必ず設定情報集中記録装置10と通信可能な保守用ネットワーク20に接続する(S201)。
【0020】
次に、ある機器に対して設定をした場合、その設定情報は保守用ネットワーク20を経由して設定情報集中記録装置10に送信する(S202)。その際に、各装置30が持つ固有のIDとともに送信する。
【0021】
設定情報集中記録装置10は、設定情報と各装置30が持つ固有IDを受信する(S203)と、設定情報を固有IDとともに記憶する(S204)。
【0022】
ある機器が故障した際(S205)には、機器を丸ごと交換し、その設定を機器固有のIDをもとに自動で設定すべく、故障した機器の固有IDと交換する新品の機器の固有IDとの対応をあらかじめ保守サービス提供者が設定情報集中記録装置10に伝えておく(S206)。新品の機器を保守用ネットワーク20に接続すると、故障した機器の設定が新品の機器に引き継がれる(S207)。すなわち、保守センター等から書き込み信号を送出するのではなく、交換した機器がセンター側に自動で設定等を取得するのである。
【0023】
本発明では「複数の機器を組み合わせて構成されるシステム」におけるサービスレベルの維持に主眼を置き、障害発生からシステムを迅速に復旧させるために「機器と設計(設定)の分離」を実現する。
【0024】
上記の本実施の形態によれば、復旧時間の大幅短縮が図れる。その理由は、機器自体は設定情報を持たないため、その機器が故障した場合は機器を交換するだけで良いためである。また、機器の交換が容易になる。その理由は、機器の設定と機器自体とが分離されているためである。
【0025】
さらに、保守要員の負担の軽減が図れる。従来の保守要員は、1)機器の故障した部分を特定して部品を交換することや、2)機器を新品と交換した後に設定を復旧するといった高度な技能が必要であった。本発明により、機器を交換するだけで復旧が可能となるため、保守要員に高度な技能が不要となる。
【0026】
なお、上述する各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。例えば、設定情報集中記録装置10、各装置30の機能を実現するためのプログラムを各装置に読込ませて実行することにより各装置の機能を実現する処理を行ってもよい。さらに、そのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であるCD−ROMまたは光磁気ディスクなどを介して、または伝送媒体であるインターネット、電話回線などを介して伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態に係るシステム構成示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る処理動作のフローチャートである。
【符号の説明】
【0028】
10 設定情報集中記憶装置
20 保守用ネットワーク
30 各装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末機器とネットワークを介して接続され、
端末機器の障害、交換、ソフトウェア更新等が発生したときに端末機器に係わる設定情報を端末機器の識別情報をもとに端末機器に設定することを特徴とする設定情報集中記憶装置。
【請求項2】
端末機器に係わる設定情報を置き換えられた端末機器に自動的に設定することを特徴とする請求項1記載の設定情報集中記憶装置。
【請求項3】
設定情報集中記憶装置が、ネットワークを介して接続された端末機器の障害、交換、ソフトウェア更新等が発生したときに端末機器に係わる設定情報を端末機器の識別情報をもとに端末機器に設定することを特徴とする機器IDおよび保守サービス提供方法。
【請求項4】
設定情報集中記憶装置が、端末機器に係わる設定情報を置き換えられた端末機器に自動的に設定することを特徴とする請求項3記載の機器IDおよび保守サービス提供方法。
【請求項5】
コンピュータに、ネットワークを介して接続された端末機器の障害、交換、ソフトウェア更新等が発生したときに端末機器に係わる設定情報を端末機器の識別情報をもとに端末機器に設定する処理を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
コンピュータに、端末機器に係わる設定情報を置き換えられた端末機器に自動的に設定する処理を実行させることを特徴とする請求項5記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−65447(P2009−65447A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−231467(P2007−231467)
【出願日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】