説明

設定方法、設定プログラム及び電化製品

【課題】過去に既に設定した電化製品の設定値を利用して、未設定の電化製品の設定を行うことができる設定方法、設定プログラム及び電化製品を提供する。
【解決手段】設定を所望する第二電化製品(携帯型端末10)と通信可能に接続され、所定の設定項目について既に設定がされている第一電化製品(電化製品50)が実行する方法であって、第二電化製品とデータ通信可能に接続されたことを検知し、第一電化製品とデータ通信可能に接続されたことを検知したことに応じて、予め定められた設定項目について、第一電化製品に設定されているか否かを判断し、予め定められた設定項目が、当該第一電化製品に設定されていると判断した場合は、当該設定項目に対応する設定値を読出す。そして、ここで読出した設定値を、未設定の第二電化製品に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電化製品を設定する設定方法、設定プログラム及び電化製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、スマートフォンやパソコン等の電化製品を操作する初心者に対して、公衆回線を利用したネットワークを経由したリモートサポートを行うことにより、クライアントのパソコンや電化製品について、直接、そのパソコンや電化製品にアクセスして、トラブル等の状況をサポート側が把握して、トラブル対応を行うことが知られている。
【0003】
例えば、ユーザに複雑な設定をさせずにセキュリティを確保した状態で、サポート側のコンピュータからユーザ端末へのアクセスを行い、リモートアクセスを受付ける方法が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−026856号公報
【特許文献2】特開2005−149301号公報
【非特許文献1】東日本電信電話株式会社、“リモートサポートサービス”、[online]、[平成23年11月7日検索]、インターネット<URL:http://flets.com/osa/remote/>
【0005】
特許文献1及び2に記載の発明では、オペレータからのリモート操作によるクライアント側のソフトウェアについてのサポートは、リモートログインにより、ある程度可能となる。また、非特許文献1に示されるように、遠隔操作と電話を組み合わせることによりサポート対象の指示を行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ユーザが電化製品を設定する際に、毎回、オペレータを利用することは、ユーザにとって手間と時間がかかる。さらに、オペレータ側としても、サポートする電化製品が普及すれば普及するほど、サポート対象の電化製品が増えてしまい、サポートが必要な回数が増えてしまうという課題がある。
【0007】
また、一般に、会社や家庭で所有する複数の電化製品に対して、同じ設定をすることがある。例えば、無線LANのアクセスポイントに関する設定値は、同一の無線LANを使用する場合には、複数の電化製品でほぼ同一の設定をする。
【0008】
そこで、本発明者は、オペレータに連絡をとることなく、ユーザが過去に既に設定した電化製品の設定値を利用して、未設定の電化製品の設定を自動的に行う仕組みを提供できることが望ましいのではないということに着目した。
【0009】
本発明は、過去に既に設定した電化製品の設定値を利用して、未設定の電化製品の設定を行うことができる設定方法、設定プログラム及び電化製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0011】
第1の特徴に係る発明は、設定を所望する第二電化製品と通信可能に接続され、所定の設定項目について既に設定がされている第一電化製品であって、
前記第二電化製品とデータ通信可能に接続されたことを検知する手段と、
前記第一電化製品とデータ通信可能に接続されたことを検知したことに応じて、予め定められた設定項目について、前記第一電化製品に設定されているか否かを判断する手段と、
予め定められた設定項目が、当該第一電化製品に設定されていると判断した場合は、当該設定項目に対応する設定値を読み出す設定値読出手段と、
前記設定値読出手段が読み出した設定値を、当該第二電化製品に送信する設定値送信手段と、を備える第一電化製品を提供する。
【0012】
第1の特徴に係る発明によれば、第一電化製品は、設定を所望する第二電化製品とデータ通信可能に接続されたことを検知し、当該第一電化製品とデータ通信可能に接続されたことを検知したことに応じて、予め定められた設定項目について、第一電化製品に設定されているか否かを判断し、予め定められた設定項目が、当該第一電化製品に設定されていると判断した場合は、当該設定項目に対応する設定値を読み出す。そして、読み出した設定値を、当該第二電化製品に送信する。したがって、ユーザが過去に既に設定した電化製品(第一電化製品)の設定値を利用して、未設定の電化製品(第二電化製品)の設定を、ユーザの操作に依らず行うことが可能である。
【0013】
第1の特徴に係る発明は、装置のカテゴリであるが、方法、プログラムのカテゴリであっても同様の作用、効果を奏する。
【0014】
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、前記設定値読出手段は、前記設定項目が、当該第一電化製品に設定されていて、かつ、有効な設定であると判断した場合に、当該設定項目に対応する設定値を読出す第一電化製品を提供する。
【0015】
第2の特徴に係る発明によれば、単に設定値として数値や文字列が設定されていれば、設定されていると判断するのではなく、設定値が現時点で、その電化製品において有効に機能しているか否かを判断して、未設定の電化製品(第二電化製品)に設定を行うことが可能となる。
【0016】
第3の特徴に係る発明は、第1の特徴にかかる発明であって、前記設定値が記憶されているデータから設定値を抽出した設定値DBを備え、
前記設定値DBを前記第一電化製品と前記第二電化製品で同期することで、前記設定値送信手段が、前記設定値を前記第二電化製品に送信する第一電化製品を提供する。
【0017】
第4の特徴に係る発明は、第一電化製品と通信可能に接続される第二電化製品であって、
前記第一電化製品とデータ通信可能に接続されたことを検知する接続検知手段と、
前記接続検知手段が、前記第一電化製品とデータ通信可能に接続されたことを検知したことに応じて、予め定められた所定の設定項目について、前記第一電化製品の設定値を要求する設定値要求手段と、
要求した前記設定値を、前記第一電化製品より受信する設定値受信手段と、
前記設定値受信手段が受信した設定値を、当該第二電化製品に設定する設定値設定手段と、を備える第二電化製品を提供する。
【0018】
第5の特徴に係る発明は、第4の特徴に係る発明であって、前記設定値要求手段は、前記第一電化製品から前記設定値を受信できない場合は、前記第一電化製品とは異なる電化製品に対して、予め定められた所定の設定項目について、前記第一電化製品の設定値を要求する第二電化製品を提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、過去に既に設定した電化製品の設定値を利用して、未設定の電化製品の設定を行うことができる設定方法、設定プログラム及び電化製品を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、設定システム1の全体構成図及び携帯型端末10と電化製品50の機能ブロック図である。
【図2】図2は、携帯型端末10、電化製品50が実行する設定実行処理を示すフローチャートである。
【図3】図3は、電化製品50が実行する設定値DB更新処理を示すフローチャートである。
【図4】図4は、電化製品50が記憶する設定項目対応テーブルである。
【図5】図5は、携帯型端末10、電化製品50が実行する複数の電化製品を利用した設定実行処理を示すフローチャートである。
【図6】図6は、携帯型端末10に表示される画面イメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0022】
[設定システムのシステム構成]
図1は、本発明の好適な実施形態である設定システム1のシステム構成と各装置の機能ブロックを示す。設定システム1は、2台以上の電化製品から構成され、本実施例では、携帯型端末10、電化製品50から構成されるとして説明する。すなわち、携帯型端末10は、本発明の電化製品の一例であって、実施例での説明のために、既に設定がされている電化製品50を利用して、携帯型端末10の設定を行う処理について説明する。
【0023】
携帯型端末10及び電化製品50は、ソフトウェア的又はハードウェア的な設定を必要とする一般的な電化製品であってよく、後述する機能を備える情報機器や電化製品である。例えば、携帯型端末10及び電化製品50は、パソコン、携帯電話、スマートフォン、スレート端末、複合型プリンタ、テレビ、ルータ、NAS又はゲートウェイ等のネットワーク機器に加えて、冷蔵庫、洗濯機等の白物家電であってもよいし、電話機、ネットブック端末、電子書籍端末、電子辞書端末、携帯型音楽プレーヤ、携帯型コンテンツ再生・録画プレーヤ等の一般的な情報家電であってよい。
【0024】
携帯型端末10と電化製品50の間の通信は、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、TransferJet(登録商標)、Felica(登録商標)、Wi−Fiにより近距離無線通信で実現されてもよいし、有線によるケーブル接続で実現されてもよい。
【0025】
[各機能の説明]
携帯型端末10は、制御部11として、CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等を備え、インターフェース部13として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi(Wireless Fidelity対応デバイス又は、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、TransferJet(登録商標)、Felica(登録商標)を実現するデバイス又は、有線ケーブルによる接続可能とするデバイス等の、他の電化製品50とのデータ通信を実現するデバイスを備える。
【0026】
携帯型端末10は、タッチパネル入力部14として、制御部で制御したデータや画像を出力表示し、かつ、ユーザからの入力を受付けるタッチパネルを備える。タッチパネル入力部の代替として、通常のモニタ、キーボード、マウス等であってもよい。加えて、携帯型端末10は、データやファイルを記憶するデータ記憶部12として、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等による、データのストレージ部を備える。
【0027】
データ記憶部12には、診断対象となるデータが記憶されている。診断対象となるデータとは、例えば、携帯型端末10のアプリケーション設定に関するデータが記述されたアプリ設定データ30、Wi−Fi等の通信設定に関するデータが記述された通信設定データ31、オペレーティングシステム(Operating System)の設定に関するデータが記述されたOS設定データ32である。
【0028】
設定値DB33は、上述のアプリ設定データ30、通信設定データ31、OS設定データ32の設定値が設定項目ごとに記憶されたデータベースである。設定値DB33は、後述する設定項目対応テーブルを記憶する。
【0029】
携帯型端末10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、データ記憶部12と協働して、設定値確認モジュール20、設定項目読出モジュール21、設定モジュール22を実現する。また、携帯型端末10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、インターフェース部13と協働して、接続検知モジュール24、設定値受信モジュール23を実現する。
【0030】
電化製品50は、携帯型端末10と同様に、制御部151として、CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等を備え、インターフェース部153として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi(Wireless Fidelity)対応デバイス又は、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、TransferJet(登録商標)、Felica(登録商標)を実現するデバイス又は、有線ケーブルによる接続可能とするデバイス等の、他の電化製品50とのデータ通信を実現するデバイスを備える。
【0031】
電化製品50は、一般には、入出力部154として、制御部で制御したデータや画像を出力表示する出力部と、ユーザからの入力を受付ける入力部を備える。入力部としては、通常のモニタ、キーボード、マウス等であってもよい。加えて、電化製品50は、データやファイルを記憶するデータ記憶部152として、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等による、データのストレージ部を備える。
【0032】
データ記憶部152には、診断対象となるデータが記憶されている。診断対象となるデータとは、例えば、電化製品50のアプリケーション設定に関するデータが記述されたアプリ設定データ170、Wi−Fi等の通信設定に関するデータが記述された通信設定データ171、オペレーティングシステム(Operating System)の設定に関するデータが記述されたOS設定データ172である。
【0033】
設定値DB173は、上述のアプリ設定データ170、通信設定データ171、OS設定データ172の設定値が設定項目ごとに記憶されたデータベースである。設定値DB173は、後述する設定項目対応テーブルを記憶する。
【0034】
電化製品50において、制御部151が所定のプログラムを読み込むことで、データ記憶部152と協働して、設定値読出モジュール162、設定値更新モジュール163を実現する。また、電化製品50において、制御部151が所定のプログラムを読み込むことで、インターフェース部153と協働して、接続検知モジュール160、設定値送信モジュール161を実現する。
【0035】
[設定実行処理]
図2は、携帯型端末10と電化製品50が実行する設定実行処理のフローチャートである。
【0036】
最初に、携帯型端末10の接続検知モジュール24は、ユーザからの操作により、電化製品50に対する接続要求があったことを検知し、電化製品50に対して接続要求を送信する(ステップS01)。例えば、接続検知モジュール24は、上述した近距離無線通信のデバイスを有効にしたことを検知し、電化製品50に接続要求を行う。また、有線のケーブルである場合には、接続検知モジュール24は、携帯型端末10と電化製品50とをケーブルで接続したことを検知して、電化製品50に対して接続要求を送信する。
【0037】
一方、電化製品50は、携帯型端末10からの接続要求の待ち受けとなっており、電化製品50の接続検知モジュール160は、携帯型端末10からの接続要求を検知すると(ステップS02:「YES」)、ステップS05からの処理を開始する。この接続要求があるまでは、ステップS02をループする(ステップS02:「NO」)。
【0038】
次に、携帯型端末10の設定項目読出モジュール21は、携帯型端末10に予め記憶された設定項目であって、電化製品50から設定値を取得する設定項目を読出す(ステップS03)。
【0039】
設定項目とは、携帯型端末10又は電化製品50に所定の設定値が設定されるハードウェア的又はソフトウェア的な設定対象である。例えば、通信設定データとして、SSID(Service Set Identifier)の値を「mobile01」と設定した場合には、設定値が「mobile01」であり、設定項目がSSIDである。
【0040】
ここで、設定項目読出モジュール21により読出される設定項目は、電化製品50から取得する設定項目として、予めユーザにより指定されて、列挙されていてもよいし、携帯型端末10の接続検知モジュール24が接続要求を行う前後のタイミングで、ユーザにより読出しを行う設定項目の指定を受付けてもよい。
【0041】
次に、設定項目読出モジュール21は、電化製品50に対して設定項目に対応する設定値を要求する(ステップS04)。これに応じて、電化製品50の設定値読出モジュール162は、要求された設定値に対応する設定項目を読出して、設定値として設定されているかを判断して、適切な設定値を決定する(ステップS05)。
【0042】
ここで、設定値として設定されているとは、例えば、設定項目に該当する設定値が、数値又は文字列として、アプリ設定データ170等の設定データに記載されているか否かで判断できる。また、適切な設定値を決定するとは、電化製品50に一つの設定項目に対して、複数の設定値が設定されている場合に、電化製品50において、有効な一の設定値に決定する処理である(有効性の判断については後述する)。
【0043】
次に、電化製品50の設定値送信モジュール161は、決定した設定値を携帯型端末10に送信する(ステップS06)。これに応じて、携帯型端末10の設定値受信モジュール23は、送信された設定値を受信する。そして、携帯型端末10の設定モジュール22は、要求した設定項目に対して、受信した設定値を設定する(ステップS07)。ここで、設定項目に対して、受信した設定値を設定するとは、設定項目が記載されているアプリ設定データ30等の設定データに、受信した設定値を書き込む処理であってよい。
【0044】
[設定値DB更新処理]
次に、電化製品50が実行する設定値DB更新処理について説明する(設定済みの機器という意味で電化製品50を用いて説明するが、携帯型端末10が本処理を実行してもよい)。設定値DB更新処理は、設定値DB33、173に記憶される設定値を更新する処理である。
【0045】
上述の設定実行処理では、設定値DBを利用しないで、アプリ設定データ30、170、通信設定データ31、171等、設定データの記憶場所が設定される対象ごとに、点在した状態で処理が行われていた。この場合に、電化製品50の種類によって、アプリ設定データ30等の管理の方法が異なる(設定データのファイル、レジストリ、メモリ等の格納場所や格納方法が異なる)ため、設定値を電化製品50と携帯型端末10間で送受信する処理を行うのが困難な場合が多い。
【0046】
そこで、設定値DB33、173を用いることで、点在して記憶された設定データを統合して記憶することが可能となる。図4に示すように、設定項目対応テーブルとして、設定値DB33、173に、設定項目と設定値を記憶することで、円滑に電化製品50から携帯型端末10への設定が可能となる。
【0047】
例えば、図4の設定項目対応テーブルと同一のものが電化製品50に記憶されており、携帯型端末10では、設定項目対応テーブルと同一で、SSIDの設定値のみが設定されていないテーブルが記憶されているとする。その場合に、電化製品50から設定項目「SSID」の設定値「mobile01」を取得して携帯型端末10に設定を行う。
【0048】
ここで、設定項目対応テーブルが更新されると、このテーブルに対応付けられた設定データが更新される。すなわち、設定項目「SSID」の設定値「mobile01」が更新された場合は、対応する通信設定データ31の設定項目「SSID」の設定値が更新される。
【0049】
ここで、設定値DB更新処理について、図3に基づいて説明する。電化製品50の設定値更新モジュール163は、予め定められた定期的な日時であるか否かを判断する(ステップS10)。例えば、定期的な日時とは、午前12時であってもよいし、毎週金曜日であってもよい。設定値更新モジュール163は、予め定められた日時であると判断した場合(ステップS10:「YES」)には、ステップS11に処理を移す。設定値更新モジュール163は、予め定められた日時ではないと判断した場合(ステップS10:「NO」)は、待受けとなって、処理をループする。
【0050】
次に、設定値更新モジュール163は、設定項目リストの読出しを行う(ステップS11)。設定項目リストとは、設定項目対応テーブルの設定項目の列であってよい。すなわち、設定項目リストとは、携帯型端末10が電化製品50から取得して設定してほしいとユーザが所望する設定項目のリストである。設定項目リストとは、この設定項目リスト中の設定項目一つ一つに対して、設定値が有効であるか否かを判断する(ステップS12)。
【0051】
設定値が有効であるか否かとは、設定されている設定値によって機能が実現されているか否かで判断される。例えば、設定項目「SSID設定」では、設定値「mobile01」を電化製品50が使用することで、Wi―Fiの機能が実現しているか否かで、有効か否かを判断する。ここで、Wi―Fiの機能が実現しているか否かは、本処理を行なっている現時点で、実際に有効であるか否かで判断してもよい。
【0052】
また、例えば、設定項目「キーボード入力」については、設定値が「ローマ字」として、本処理を行なっている現時点で、ユーザが「ローマ字」入力の機能を選択して、実際に入力しているか否かで、有効か否かを判断してよい。
【0053】
設定値更新モジュール163は、当該設定値が有効であると判断した場合(ステップS12:「YES」)は、設定値DB173に記憶すべき設定値として決定し(ステップS13)、記憶する(ステップS14)。そして、設定項目リスト中の、他の設定項目について同様にステップS12からの処理を行う。
【0054】
一方、設定値更新モジュール163は、当該設定値が有効でないと判断した場合(ステップS12:「NO」)は、当該設定値は設定値DB173に記憶すべき設定値ではないので、設定値を記憶しない。そして、設定項目リスト中の、他の設定項目について同様にステップS12からの処理を行う。
【0055】
このように、設定値DB173、33により、設置値を設定する側とされる側で同期して管理することで、電化製品50間で、円滑に設定値の同期を行うことが可能となる。
【0056】
[複数の電化製品を利用した設定実行処理]
次に、複数の電化製品を利用した設定実行処理について説明する。本処理は、上述の例に沿って説明すると、未設定の携帯型端末10が、設定済みと想定される電化製品50に設定値を取得しに行ったときに、この電化製品50に有効に設定がされていない場合に、この電化製品50とは異なる他の電化製品50の設定値を取得する処理である。
【0057】
最初に、設定実行処理と同様に、携帯型端末10の接続検知モジュール24は、ユーザからの操作により、電化製品50に対する接続要求があったことを検知し、電化製品50に対して接続要求を送信する(ステップS20)。電化製品50は、携帯型端末10からの接続要求の待ち受けとなっており、電化製品50の接続検知モジュール160は、携帯型端末10からの接続要求を検知すると(ステップS21:「YES」)、ステップS24からの処理を開始する。この接続要求があるまでは、ステップS21をループする(ステップS21:「NO」)。
【0058】
次に、設定実行処理と同様に、携帯型端末10の設定項目読出モジュール21は、携帯型端末10に予め記憶された設定項目を読出してもよいが、ここでは、所定の機能を実行した際に、機能が実行可能か否かによって、設定値を要求する処理について説明する。
【0059】
携帯型端末10は、携帯型端末10で動作する所定の機能を起動したときに、機能していない機能を抽出する。本例では、無線LANの機能が使用可能であるか否かが判断される(ステップS22)。そして、無線LANの機能が設定不可能である場合(ステップS22:「NO」)には、当該機能に予め対応付けられた設定値を、電化製品50に要求する(ステップS23)。一方、無線LANの機能が設定可能である場合(ステップS22:「YES」)には、処理を終了するが、無線LAN以外の他の機能が使用可能であるか否かを確認して、使用不可能な機能について、ステップS23以降の処理を実行してもよい。
【0060】
次に、設定実行処理と同様に、設定項目読出モジュール21は、電化製品50に対して設定項目(SSID)に対応する設定値を要求する(ステップS23)。これに応じて、設定実行処理と同様に、電化製品50の設定値読出モジュール162は、要求された設定値に対応する設定項目を読出して、設定値として設定されているかを判断して、設定値の要求が成功するか失敗するかを判断してもよい。
【0061】
ここでは、このように適切な設定値として設定されているかを判断するのではなく、設定値に対応する機能が、現時点で使用可能であるか否かにより判断して(ステップS24)、設定値の要求が成功するか失敗するかを判断する例で説明する。すなわち、設定値の要求に対して、当該設定値と予め対応付けられている機能が、使用可能であるか否かを判断する。
【0062】
本例では、無線LANは使用可能か否かが判断され、無線LANが使用不可能と判断した場合(ステップS24:「NO」)は、設定値の要求失敗として、ステップS25に処理を移す。一方、無線LANが使用可能と判断した場合(ステップS24:「YES」)は、設定値の要求成功として、ステップS27に処理を移す。
【0063】
無線LANが使用可能と判断した場合(ステップS24:「YES」)は、上述の設定実行処理と同様に、電化製品50の設定値読出モジュール162は、SSIDの設定値を読出して、有効な設定値を決定する(ステップS27)。ここでの有効なSSID設定値の決定とは、無線LANとして電波を検知している複数のSSID設定値のうち、現時点で、LANへのアクセスやインターネットへのアクセスが可能な一のSSIDの設定値を、SSID設定値として決定する処理である。
【0064】
次に、電化製品50の設定値送信モジュール161は、決定したSSID設定値と、このSSID設定値に関連したセキュリティ情報等を携帯型端末10に送信する(ステップS28)。
【0065】
これに応じて、携帯型端末10の設定モジュール22は、設定値の要求が成功した(ステップS29)として、SSID設定値を設定する(ステップS30)。
【0066】
図6は、携帯型端末10に電化製品50を通信可能に接続した後に、設定項目「SSID」について、設定情報を読出している画面イメージ図である。設定情報を読出している旨のメッセージ61と、有効なSSIDの設定値に関するメッセージ62が表示される。その後、読出したSSIDの設定値を、携帯型端末10に設定する。
【0067】
一方、無線LANが使用不可能と判断した場合(ステップS24:「NO」)は、設定値の要求が失敗したとして(ステップS25)、携帯型端末10は、今回、設定値を要求した電化製品50とは異なる他の電化製品50に対して、設定値の要求を行う(ステップS26)。そして、この他の電化製品50にて、再度、設定値が有効に設定されているか確認する、あるいは、設定値に対応する機能が使用可能であるかが、同様に確認されて、ステップS24以降と同様の処理を行う。
【0068】
ここで、他の電化製品50においても、設定値の要求が失敗した場合には、再度、その他の電化製品50に対して、設定値を要求してもよい。このように、設定値が有効に設定されている、もしくは、設定値に対応する機能が現時点で使用されているか否かを判断して、実際に有効な設定値を取得するため、未設定である携帯型端末10を適切に設定することが可能となる。
【0069】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD−ROMなど)、DVD(DVD−ROM、DVD−RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0070】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0071】
1 設定システム、10 携帯型端末、50 電化製品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定を所望する第二電化製品と通信可能に接続され、所定の設定項目について既に設定がされている第一電化製品であって、
前記第二電化製品とデータ通信可能に接続されたことを検知する手段と、
前記第一電化製品とデータ通信可能に接続されたことを検知したことに応じて、予め定められた設定項目について、前記第一電化製品に設定されているか否かを判断する手段と、
予め定められた設定項目が、当該第一電化製品に設定されていると判断した場合は、当該設定項目に対応する設定値を読出す設定値読出手段と、
前記設定値読出手段が読み出した設定値を、当該第二電化製品に送信する設定値送信手段と、
を備える第一電化製品。
【請求項2】
前記設定値読出手段は、前記設定項目が、当該第一電化製品に設定されていて、かつ、有効な設定であると判断した場合に、当該設定項目に対応する設定値を読出す請求項1に記載の第一電化製品。
【請求項3】
請求項1に記載の第一電化製品は、前記設定値が記憶されているデータから設定値を抽出した設定値DBを備え、
前記設定値DBを前記第一電化製品と前記第二電化製品で同期することで、前記設定値送信手段が、前記設定値を前記第二電化製品に送信する第一電化製品。
【請求項4】
第一電化製品と通信可能に接続される第二電化製品であって、
前記第一電化製品とデータ通信可能に接続されたことを検知する接続検知手段と、
前記接続検知手段が、前記第一電化製品とデータ通信可能に接続されたことを検知したことに応じて、予め定められた所定の設定項目について、前記第一電化製品の設定値を要求する設定値要求手段と、
要求した前記設定値を、前記第一電化製品より受信する設定値受信手段と、
前記設定値受信手段が受信した設定値を、当該第二電化製品に設定する設定値設定手段と、
を備える第二電化製品。
【請求項5】
前記設定値要求手段は、前記第一電化製品から前記設定値を受信できない場合は、前記第一電化製品とは異なる電化製品に対して、予め定められた所定の設定項目について、前記第一電化製品の設定値を要求する請求項4に記載の第二電化製品。
【請求項6】
設定を所望する第二電化製品と通信可能に接続され、所定の設定項目について既に設定がされている第一電化製品が実行する設定方法であって、
前記第二電化製品とデータ通信可能に接続されたことを検知するステップと、
前記第一電化製品とデータ通信可能に接続されたことを検知したことに応じて、予め定められた設定項目について、前記第一電化製品に設定されているか否かを判断するステップと、
予め定められた設定項目が、当該第一電化製品に設定されていると判断した場合は、当該設定項目に対応する設定値を読出すステップと、
読出した前記設定値を、当該第二電化製品に送信するステップと、
を備える設定方法。
【請求項7】
設定を所望する第二電化製品と通信可能に接続され、所定の設定項目について既に設定がされている第一電化製品に、
前記第二電化製品とデータ通信可能に接続されたことを検知するステップ、
前記第一電化製品とデータ通信可能に接続されたことを検知したことに応じて、予め定められた設定項目について、前記第一電化製品に設定されているか否かを判断するステップ、
予め定められた設定項目が、当該第一電化製品に設定されていると判断した場合は、当該設定項目に対応する設定値を読出すステップ、
読出した前記設定値を、当該第二電化製品に送信するステップ、
を実行させるためのプログラム。
【請求項8】
第一電化製品と通信可能に接続される第二電化製品に、
前記第一電化製品とデータ通信可能に接続されたことを検知するステップ、
前記第一電化製品とデータ通信可能に接続されたことを検知したことに応じて、予め定められた所定の設定項目について、前記第一電化製品の設定値を要求するステップ、
要求した前記設定値を、前記第一電化製品より受信するステップ、
受信した前記設定値を、当該第二電化製品に設定するステップ、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−105347(P2013−105347A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249187(P2011−249187)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(500132694)