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診断および治療のための腫瘍関連細胞表面抗原の同定
説明

診断および治療のための腫瘍関連細胞表面抗原の同定

【課題】腫瘍関連遺伝子産物が異常発現される疾病の治療および診断方法の提供。
【解決手段】腫瘍関連抗原の発現または活性を阻害する剤を含む医薬組成物であって、該腫瘍関連抗原が、(a)特定の核酸配列、その部分またはその誘導体を含む核酸、(b)ストリンジェントな条件下で、(a)の核酸とハイブリダイズする核酸、(c)(a)または(b)の核酸と縮重する核酸、および(d)(a)、(b)または(c)の核酸と相補的である核酸、からなる群から選択される核酸によってコードされる配列を有する、医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明により同定される腫瘍関連抗原またはその部分、それらをコードする核酸または該コード核酸に対する核酸、あるいは治療および診断のために本発明によって同定される腫瘍関連抗原に対する抗体またはその部分の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
各種学際的アプローチや古典的治療法の網羅的使用にもかかわらず、癌はいまだ主要な死因である。最近の治療コンセプトは、組換え腫瘍ワクチンや他の特定の方法、例えば抗体治療法を用いて治療コンセプト全般に、患者免疫系を導入することを目的とする。このようなストラテジーを成功に導く前提条件は、そのエフェクター機能が介入により強められるべき患者の免疫系による腫瘍特異的または腫瘍関連抗原またはエピトープの認識である。腫瘍細胞は、非悪性細胞と生物学的にかなり異なっている。これらの相違は、腫瘍発達の際に獲得した遺伝的変更によるもので、そして結果として、とりわけ癌細胞において質的または量的に変化した分子構造が形成される。腫瘍を担持する宿主の特異的免疫系により認識されるこの種の腫瘍関連構造は、腫瘍関連抗原と呼ばれる。腫瘍関連抗原の特異的認識は、2つの機能的に相関したユニットである細胞性および体液性メカニズムを包含する:CD4+およびCD8+Tリンパ球は、MHC(主要組織適合性複合体)クラスIIおよびIの分子に対して提示されたプロセシング抗原をそれぞれ認識し、一方でBリンパ球は、非プロセシング抗原に直接結合する循環性抗体分子を産生する。腫瘍関連抗原の潜在的な臨床治療的重要性は、免疫系による新生物形成細胞に対する抗原の認識により、ヘルパーT細胞の存在下で、細胞毒性エフェクター機構を開始させ、癌細胞の排除を導き得るという事実に起因する(Pardoll, Nat. Med. 4:525-31,1998)。従って、腫瘍免疫学の中心的目的は、これらの構造を分子学的に規定することである。これらの抗原の分子特性は、長い間謎であった。適切なクローニング技術の開発により初めて、細胞毒性Tリンパ球(CTL)の標的構造を分析すること(van der Bruggen et al., Science 254:1643-7,1991)または循環性自己抗体をプローブとして使用すること(Sahin et al., Curr. Opin. Immunol. 9:709-16,1997)、腫瘍関連抗原について系統的に腫瘍のcDNA発現ライブラリーをスクリーニングすることが可能となった。この目的のために、cDNA発現ライブラリーは、新しい腫瘍組織から調製され、適当な系において、タンパク質として組換え発現された。患者から単離された免疫エフェクター、すなわち腫瘍特異的溶解パターンを有するCTLクローン、または循環性自己抗体が各抗原をクローニングするために利用された。
【0003】
近年、非常に多数の抗原は、これらのアプローチにより様々な新生物形成において定義されている。癌/睾丸抗原(CTA)のクラスは、本明細書で非常に大きな興味の対象となる。それら(癌/睾丸の遺伝子またはCTG)をコードするCTAおよび遺伝子は、それらの特徴的な発現パターン[Tureci et al, Mol Med Today. 3:342-9,1997]により定義される。それらは、睾丸および胚細胞を除く正常組織において見出されないが、多くのヒト悪性腫瘍(malignomas)で発現され、腫瘍タイプ-特異的ではなく、非常に様々な起源の腫瘍存在物では異なる頻度を有する(Chen & Old, Cancer J. Sci. Am. 5:16-7, 1999)。CTAに対する血清反応性は、健常コントロールで見出されず、腫瘍患者にのみ見出される。このクラスの抗原は、特にその組織分布のために、免疫療法プロジェクトに対して特に貴重であり、現在臨床患者試験において治験されている(Marchand et al., Int. J. Cancer 80:219-30,1999; Knuth et al., Cancer Chemother. Pharmacol. 46:p46-51,2000)。
【0004】
しかし、上記に示された古典的方法において抗原同定のために利用されるプローブは、通常、すでに進行した患者からの免疫エフェクター(循環性自己抗体またはCTLクローン)である。多くのデータは、腫瘍は、例えばT細胞の寛容化および反応不顕性化(anergization)を導き、そして該疾病の経過中、特に効果的な免疫性認識をもたらし得るそれらの特異性が、免疫エフェクター特性から消失することを示す。現在の患者の試験からは、以前に見出され、利用されてきた腫瘍関連抗原に関する真の作用について明確な証拠を未だ提供されていない。そのため、自発的免疫応答を誘起するタンパク質が誤った標的構造であることを排除することはできない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Pardoll, Nat. Med. 4:525-31,1998
【非特許文献2】van der Bruggen et al., Science 254:1643-7,1991
【非特許文献3】Sahin et al., Curr. Opin. Immunol. 9:709-16,1997
【非特許文献4】Tureci et al, Mol Med Today. 3:342-9,1997
【非特許文献5】Chen & Old, Cancer J. Sci. Am. 5:16-7, 1999
【非特許文献6】Marchand et al., Int. J. Cancer 80:219-30,1999
【非特許文献7】Knuth et al., Cancer Chemother. Pharmacol. 46:p46-51,2000
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、癌の診断および治療するための標的構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に従って、この目的は、請求項によって達成される。
【0008】
本発明に従って、腫瘍に関連して発現した抗原およびそれについての核酸コードを同定および提供するためのストラテジーが遂行された。このストラテジーは、細胞表面上で到達され得る潜在的な癌特異的抗原に関して、ヒトタンパク質および核酸データベースの評価を基にしている。可能なら、全てのタンパク質を分析するための高処理量の方法論と組合せて、これに必要なフィルター基準の定義は、本発明の中心的役割を形成する。まず、データ検索から、基本原理"遺伝子からmRNAからタンパク質"に従って、1または複数のトランスメンブレンドメインの存在について試験される出来るだけ完全に全ての既知の遺伝子リストをつくる。この後に組織特異的な群(他の腫瘍組織の中で)にあたる分類およびmRNA実存在の検分に関するホモロジー探索を行う。最終的に、この方法で同定されるタンパク質が、腫瘍におけるそれらの異常な活性化について、例えば発現分析およびタンパク質化学方法によって評価される。
【0009】
データ検索は、腫瘍関連遺伝子を同定するための公知の方法である。しかし、従来のストラテジーにおいて、正常組織ライブラリーのトランスクリプトームが腫瘍組織ライブラリーから電子工学的に通常排除され、残っている遺伝子が腫瘍特異的であると予測される(Schmitt et al., Nucleic Acids Res. 27:4251-60,1999; Vasmatzis et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 95:300-4,1998; Scheurle et al., Cancer Res. 60:4037-43,2000)。
【0010】
しかし、本発明のコンセプトは、細胞表面で到達し得る癌特異的抗原をコードする全ての遺伝子をコンピューターにより抽出するためにデータ検索を利用すること、ついで腫瘍における異所性発現について該遺伝子を評価することに基づく。
【0011】
このように、本発明は、一態様において、腫瘍において特異に発現する遺伝子を同定するためのストラテジーに関する。該ストラテジーは、公共の配列ライブラリーの("イン・シリコ")と、研究室での実験評価("ウェット・ベンチ")とを組合せるものである。
【0012】
本発明に従って、様々な生物学的情報を基にして組み合わせたストラテジーにより、細胞表面上で到達し得る癌特異的抗原をコードする新規遺伝子を同定し得た。本発明に従って、これらの腫瘍関連遺伝子およびそれらによってコードされる遺伝子産物は、免疫原性作用とは独立して同定および提供された。
【0013】
本発明によって同定される腫瘍関連抗原は、(a)配列表の配列番号:1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、69、73、77、81、85、89、93、97、101、105、109、113、117、121、125、129、133、137、141、145、149、153、157、161、165、169、173、175、179、183、187、191、195、199、203、207、211、215、219、223、227、231、235、239、243、247、251、255、259、263、267、269、271、273、275、277、279、309からなる群から選択される核酸配列を含む核酸、その部分またはその誘導体、
(b)ストリンジェントな条件下で、(a)の核酸とハイブリダイズする核酸、
(c)(a)または(b)の核酸に縮重する核酸、および
(d)(a)、(b)または(c)の核酸と相補的である核酸、からなる群から選択される核酸によってコードされるアミノ酸配列を有する。
【0014】
好ましい実施態様において、本発明によって同定される腫瘍関連抗原は、配列表の配列番号:1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、69、73、77、81、85、89、93、97、101、105、109、113、117、121、125、129、133、137、141、145、149、153、157、161、165、169、173、175、179、183、187、191、195、199、203、207、211、215、219、223、227、231、235、239、243、247、251、255、259、263、267、269、271、273、275、277、279、309からなる群から選択される核酸によってコードされるアミノ酸配列を有する。
【0015】
別の好ましい実施態様において、本発明によって同定される腫瘍関連抗原は、配列表の配列番号:2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、114、118、122、126、130、134、138、142、146、150、154、158、162、166、170、174、176、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220、224、228、232、236、240、244、248、252、256、260、264、268、270、272、274、276、278、280から308、310からなる群から選択されるアミノ酸配列、その部分またはその誘導体を含む。
【0016】
本発明は、一般に、本発明により同定される腫瘍関連抗原またはその部分、それらをコードする核酸または該コード核酸に対する核酸、あるいは治療および診断のために本発明によって同定される腫瘍関連抗原に対する抗体またはその部分の使用に関する。この利用は、個々のものに関するだけでなく、2以上のかかる抗原、機能的断片、核酸、抗体などの組み合わせ、そして一実施態様においては、診断、治療および進行管理のための他の腫瘍関連遺伝子および抗原との組み合わせにも関する。
【0017】
細胞表面上または細胞表面で局在される本発明によって同定される腫瘍関連抗原の性質から、それらが治療および診断のための適当な標的または手段とみなされる。このために特に適当なものは、非トランスメンブレン部分、特に抗原の細胞外部分に対応するかまたはその部分が含まれる本発明によって同定される腫瘍関連抗原の部分である。それ故に、該抗原の非トランスメンブレン部分に対応するかまたはそれらを含む本発明によって同定される腫瘍関連抗原の部分、あるいは本発明によって同定される腫瘍関連抗原をコードする核酸の対応する部分が、治療または診断のために好ましい。同様に、抗原の非トランスメンブレン部分に対応するか、またはそれらを含む本発明によって同定される腫瘍関連抗原の部分に対する抗体の使用は、好ましい。
【0018】
治療および/または診断のために好ましい疾病は、1または1または複数の腫瘍関連抗原が選択的に発現または異常発現している疾病である。
【0019】
本発明は、腫瘍抗原と関連して発現され、そして遺伝子のスプライシング(スプライス変異体)を変化させることによるかまたは別のオープン・リーディング・フレームを利用して翻訳を変化させることによって産生される、核酸および遺伝子産物にも関する。該核酸は、配列の配列番号;1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、69、73、77、81、85、89、93、97、101、105、109、113、117、121、125、129、133、137、141、145、149、153、157、161、165、169、173、175、179、183、187、191、195、199、203、207、211、215、219、223、227、231、235、239、243、247、251、255、259、263、267、269、271、273、275、277、279、309を含む。
【0020】
さらに、遺伝子産物は、配列の配列番号:2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、114、118、122、126、130、134、138、142、146、150、154、158、162、166、170、174、176、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220、224、228、232、236、240、244、248、252、256、260、264、268、270、272、274、276、278、280から308、310の全ての配列を含む。本発明のスプライス変異体は、腫瘍疾病の診断および治療のための標的として、本発明に使用され得る。
【0021】
様々なメカニズムから、下記のようなスプライス変異体が生じ得る、例えば、
-異なる転写開始部位の利用
-さらなるエクソンの利用、
-1または2あるいはそれ以上のエクソンの完全な、または不完全なスプライシング、
-突然変異により変化したスプライス制御配列(欠失または新規の供与/受容配列の生成)、
-イントロン配列の不完全な除去。
【0022】
遺伝子のスプライシングの変化により、配列が変化した転写産物(スプライス変異体)が生じる。その変化した配列の領域においてスプライス変異体の翻訳は、元のタンパク質とは構造および機能において顕著に異なる変化したタンパク質が生じる。腫瘍関連スプライス変異体は、腫瘍関連転写産物および腫瘍関連タンパク質/抗原を提供し得る。これらは、腫瘍細胞を検出すること、および腫瘍の治療標的化のための両方の分子マーカーとして利用され得る。腫瘍細胞の、例えば血液、血清、骨髄、痰、気管支洗浄液、分泌液および組織生検における検出は、本発明に従って行うことができ、例えば、スプライス変異体特異的オリゴヌクレオチドを用いるPCR増幅による核酸の抽出後に行うことができる。本発明に従って、全ての配列依存的検出システムが検出に適当である。これらは、PCRは別として、例えば遺伝子チップ/マイクロアレイシステム、ノーザン・ブロット、RNase 保護アッセイ(RDA)およびその他のものが挙げられる。全ての検出システムは、一般的には、検出は少なくとも1つのスプライス変異体特異的核酸配列との特異的ハイブリダイゼーションに基づく。しかし、また、腫瘍細胞は、スプライス変異体によってコードされる特異的エピトープを認識する抗体によって、本発明に従って検出され得る。該抗体は、該スプライス変異体に特異的な免疫化ペプチドのために使用することによって調製できる。免疫化に適当なものは、特にアミノ酸であり、このエピトープは、健常細胞において提供されるのが好ましい遺伝子産物の変異体とは異なる。抗体を用いる腫瘍細胞の検出は、患者から単離したサンプルに対して行うことができ、あるいは静脈投与した抗体を用いる撮像として本明細書で実施され得る。
【0023】
診断上の有用性に加えて、新規のまたは変化したエピトープを有するスプライス変異体は、免疫療法のための魅力的な標的である。本発明のエピトープは、治療的に活性なモノクローナル抗体またはTリンパ球の標的化に利用され得る。受動免疫療法において、スプライス変異体特異的エピトープを認識する抗体またはTリンパ球は、養子免疫伝搬される。その他の抗原の場合には、抗体は、これらのエピトープを包含するポリペプチドの利用により、標準技術(動物の免疫化、組換え抗体の単離のパニングストラテジー)を用いて生成することができる。一方、該エピトープを含有するオリゴまたはポリペプチドをコードする核酸を免疫化に利用することが可能である。エピトープ特異的Tリンパ球の作成のためのイン・ビトロまたはイン・ビボでの様々な技術は、よく知られており、詳細に記載されており(例えば、Kessler JH, et al. 2001, Sahin et al., 1997)、おそらくスプライス変異体特異的エピトープを含むオリゴまたはポリペプチドまたは該オリゴまたはポリペプチドをコードする核酸の利用に基づく。スプライス変異体特異的エピトープを含むオリゴまたはポリペプチドまたは該ポリペプチドをコードする核酸は、能動免疫療法(ワクチン化、ワクチン治療)における医薬的に活性な物質としての利用にも使用され得る。
【0024】
腫瘍細胞における遺伝子の異所性発現は、それらのプロモーターの異なるメチル化パターンによるものであり得る(De Smet C et al., Mol. Cell Biol. 24(11):4781-90,2004; De Smet C et al., Mol. Cell Biol. 19(11):7327-35,1999; De Smet C et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U S A. 93(14):7149-53,1996)。メチル化におけるこれらの相違は、腫瘍において変化される各々遺伝子の状況についての間接的なマーカーとして使用され得る。従って、プロモーター領域内の塩基のメチル化に関する増加または低下により、診断上の目的のために使用され得る。
【0025】
一実施態様において、本発明は、本発明によって同定される腫瘍関連抗原を認識し、本発明によって同定される腫瘍関連抗原発現または異常発現を有する細胞に好ましくは選択的な剤を含む医薬組成物に関する。特定の実施態様、該剤は、細胞死の誘導、細胞増殖の低下、細胞膜への損傷またはサイトカインの分泌をもたらし得るし、好ましくは腫瘍阻害活性を有する。一実施態様において、剤は、腫瘍関連抗原をコードする核酸に選択的にハイブリダイズするアンチセンス核酸である。さらなる態様において、剤は腫瘍関連抗原に選択的に結合する抗体、特に腫瘍関連抗原に選択的に結合する補体活性化抗体である。別の実施態様において、剤は、各々異なる腫瘍関連抗原、少なくとも1つが本発明によって同定される腫瘍関連抗原である異なる腫瘍関連抗原を認識する2以上の剤を含む。認識には抗原の活性または発現の阻害を直接的に伴う必要はない。本発明のこの態様において、腫瘍に選択的に限定される抗原は、好ましくはこの特異的場所へのエフェクター機構のこの特異的位置への動員のための標識として働く。好ましい実施態様において、剤は、HLA分子上の抗原を認識し、このようにして標識された細胞を溶解する細胞毒性Tリンパ球である。別の実施態様において、剤は、腫瘍関連抗原に選択的に結合する抗体であり、そのため天然のまたは人工的なエフェクター機構を該細胞に動員する。別の実施態様において、剤は、他の細胞の該抗原を特異的に認識するエフェクター機能を増強するヘルパーTリンパ球である。
【0026】
一態様において、本発明は、本発明に従って同定される腫瘍関連抗原の発現または活性を阻害する剤を含む医薬組成物に関する。好ましい実施態様において、剤は、腫瘍関連抗原をコードする核酸に選択的にハイブリダイズするアンチセンス核酸である。別の実施態様において、剤は、腫瘍関連抗原に選択的に結合する抗体である。別の実施態様において、剤は、異なる腫瘍関連抗原の発現または活性を各々選択的に阻害する2以上の剤を含み、その少なくとも1つが本発明によって同定される腫瘍関連抗原である。
【0027】
本発明によって同定される腫瘍関連抗原の活性は、タンパク質またはペプチドのあらゆる活性であり得る。また、このように、本発明の治療および診断方法は、この活性を阻害または低下すること、またはこの活性を試験することも目的とし得る。
【0028】
本発明は、また、投与される際に、HLA分子と本発明によって同定される腫瘍関連抗原からのペプチドエピトープとの複合体の量を選択的に増加させる剤を含む医薬組成物に関する。一実施態様において、剤は、
(i)腫瘍関連抗原またはその部分、
(ii)該腫瘍関連抗原またはその部分をコードする核酸、
(iii)該腫瘍関連抗原またはその部分を発現する宿主細胞、および
(iv)腫瘍関連抗原のペプチドエピトープとMHC分子との単離複合体、
からなる群から選択される1または複数の成分を含む。一実施態様において、剤は、MHC分子と異なる腫瘍関連抗原からのペプチドエピトープとの複合体の量を各々選択的に増加させる2以上の剤を含んでおり、この少なくとも1つが本発明によって同定される腫瘍関連抗原である。
【0029】
本発明は、さらに、
(i)本発明によって同定される腫瘍関連抗原またはその部分、
(ii)本発明によって同定される腫瘍関連抗原またはその部分をコードする核酸、
(iii)本発明によって同定される腫瘍関連抗原またはその部分に結合する抗体、
(iv)本発明によって同定される腫瘍関連抗原をコードする核酸と特異的にハイブリダイズするアンチセンス核酸、
(v)本発明によって同定される腫瘍関連抗原またはその部分を発現する宿主細胞、および
(vi)本発明によって同定される腫瘍関連抗原またはその部分とHLA分子との単離複合体、
からなる群から選択される1または複数の成分を含む医薬組成物に関連する。
【0030】
本発明に従って同定される腫瘍関連抗原またはその部分をコードする核酸は、医薬組成物中において発現ベクター中にプロモーターに機能的に連結させて存在させてもよい。
【0031】
本発明の医薬組成物中に存在する宿主細胞は、腫瘍関連抗原またはその部分を分泌し、それを表面で発現するかまたはさらに該腫瘍関連抗原またはその部分に結合するHLA分子を発現するものでもよい。一実施態様において、宿主細胞は、内因的にHLA分子を発現する。別の実施態様において、宿主細胞は、HLA分子および/または腫瘍関連抗原またはその部分を組換え方法により発現する。宿主細胞は、好ましくは非増殖性である。好ましい実施態様において、宿主細胞は、抗原提示細胞、特に樹状細胞、単球またはマクロファージである。
【0032】
本発明の医薬組成物に存在する抗体は、モノクローナル抗体であり得る。別の実施態様において、抗体はキメラ抗体またはヒト化抗体、天然の抗体のフラグメントまたは合成抗体であり、これらの全てのものは、組み換え技術によって提供され得る。該抗体は、治療上または診断上有用な剤と結合され得る。
【0033】
本発明の医薬組成物中に存在するアンチセンス核酸は、6-50、特に10-30、15-30および20-30の配列、本発明によって同定される腫瘍関連抗原をコードする核酸の連続したヌクレオチドを含み得る。
【0034】
別の実施態様において、直接的または核酸の発現を介して本発明の医薬組成物によって提供される腫瘍関連抗原またはその部分は、細胞表面上でMHC分子に結合し、該結合により、好ましくは細胞溶解性応答をもたらし、および/またはサイトカイン放出を誘導する。
【0035】
本発明の医薬組成物は、医薬的に適合し得る担体および/またはアジュバンドを含み得る。アジュバンドは、サポニン、GM-CSF、CpGオリゴヌクレオチド、RNA、サイトカインまたはケモカインから選択され得る。本発明の医薬組成物は、選択的に腫瘍関連抗原の選択的発現または異常発現によって特徴付けられる疾病の処置に使用されるのが好ましい。好ましい実施態様において、該疾病は癌である。
【0036】
本発明は、1または複数の腫瘍関連抗原の発現または異常発現を特徴とする疾病の治療方法、診断方法またはモニタリング方法、すなわち退行、経過および/または発病の判定方法に関する。
【0037】
一実施態様において、本発明の処置方法は、本発明の医薬組成物を投与することを含む。
【0038】
本発明の診断方法および/またはモニタリング方法は、一般的には、(i)腫瘍関連抗原をコードする核酸またはその部分の量および/または(ii)腫瘍関連抗原またはその部分の量および/または(iii)腫瘍関連抗原に対する抗体またはその部分の量および/または(iv)患者から単離された生物学的サンプル中の腫瘍関連抗原またはその部分に特異的である細胞毒性またはヘルパーTリンパ球の量を検出および/または決定および/またはモニタリングのための手段の使用に関する。
【0039】
一態様において、本発明は、本発明によって同定される腫瘍関連抗原の発現または異常発現によって特徴づけられている疾病を診断する方法に関する。該方法は、(i)腫瘍関連抗原またはその部分をコードする核酸の検出および/または(ii)腫瘍関連抗原またはその部分の検出、および/または(iii)腫瘍関連抗原またはその部分に対する抗体の検出および/または(iv)患者から単離された生物学的サンプルにおいて腫瘍関連抗原にまたはその部分に特異的である細胞毒性またはヘルパーTリンパ球の検出、を含む。特に実施態様において、検出は、(i)生物学的サンプルを、腫瘍関連抗原またはその部分をコードする核酸、該腫瘍関連抗原またはその部分、腫瘍関連抗原またはその部分に特異的な抗体あるいは細胞毒性またはヘルパーTリンパ球に特異的に結合する剤と接触させること、そして(ii)剤と核酸またはその部分、腫瘍関連抗原またはその部分、抗体あるいは細胞毒性またはヘルパーTリンパ球との複合体の形成を検出することを含む。一実施態様において、疾病は、2種類以上の腫瘍関連抗原の発現または異常発現によって特徴づけられ、検出は、2種類以上の腫瘍関連抗原またはその部分をコードする核酸の検出、2または2種類以上の腫瘍関連抗原またはその部分の検出、2種類以上の腫瘍関連抗原またはその部分に結合する2または2以上の抗体の検出、または2種類以上の腫瘍関連抗原に特異的な2以上の細胞毒性またはヘルパーTリンパ球の検出を含む。別の実施態様において、患者から単離された生物学的サンプルは、比較し得る正常な生物学的サンプルと比較される。
【0040】
本発明の診断方法は、個別の腫瘍関連 遺伝子産物のプロモーター領域の変化したメチル化パターンを利用し得る。かかるメチル化パターンの検出は、制限酵素のたすけと共にPCRを基にした方法を用いて、または配列決定によって実施され得る。このために適切な方法は、次のようなものであり得る:(1) 患者の組織サンプルからのDNA抽出、例えばパラフィン包埋物を用いる、(2)重亜硫酸塩含有試薬を用いるDNAの処理(すなわち、Clark S.J. et al., nucleic acidd Res. 22(15):2990-7,1994に記載されている)、(3)PCRによるDNAの増幅、および(4)配列特異的増幅産物の量を決定することによる分析(例えば、定量的PCR、ハイブリダイゼーション技術、例えば、マイクロアレイ法による)。
【0041】
本発明の診断方法は、例えば細胞の移動挙動を試験することにより転移を予言し、故に疾病経過の悪化を予言するために、予測マーカーとしての本発明によって同定される腫瘍関連抗原の使用にも関する、このため、その他の方法よりも積極的な治療計画をなし得る。
【0042】
別の態様において、本発明は、本発明によって同定される腫瘍関連抗原の発現または異常発現によって特徴づけられている疾病の退行、経過または発病を判定するための方法に関する。この方法は、該疾病に罹患しているかまたは該疾病に罹患している疑いのある患者由来のサンプルを、(i)腫瘍関連抗原またはその部分をコードする核酸の量、(ii)腫瘍関連抗原またはその部分の量、(iii)腫瘍関連抗原またはその部分に結合する抗体の量、および(iv)腫瘍関連抗原またはその部分とMHC分子との複合体に特異的である細胞溶解性T細胞またはヘルパーT細胞の量からなる群から選択される1以上のパラメーターに関して、モニタリングすることを含む。該方法は、好ましくは、第一サンプルの第一の時点およびさらなるサンプルの第二の時点でのパラメーターを測定することを含み、該疾病の経過が、この2つのサンプルを比較することにより判定されることを含む。特定の実施態様において、該疾病は2種類以上の腫瘍関連抗原の発現または異常発現によって特徴づけられ、モニタリングは、(i)該2種類以上の腫瘍関連抗原またはその部分をコードする2以上の核酸の量、および/または(ii)該2種類以上の腫瘍関連抗原またはその部分の量、および/または(iii)該2種類以上の腫瘍関連抗原またはその部分に結合する2以上の抗体の量、および/または(iv)該2種類以上の腫瘍関連抗原またはその部分とMHC分子との複合体に特異的な2以上の細胞溶解性T細胞またはヘルパーT細胞の量、をモニタリングすることを含む。
【0043】
本発明に従って、核酸またはその部分の検出、または核酸またはその部分の量を決定するかモニタリングすることは、該核酸またはその部分に特異的にハイブリダイズするポリヌクレオチドプローブを用いて行うか、あるいは該核酸またはその部分の選択的増幅によって実施され得る。一実施態様において、ポリヌクレオチドプローブは、該核酸の6-50、特に10-30、15-30および20-30の連続したヌクレオチド配列を含む。
【0044】
本発明の診断方法の特定の実施態様において、本発明によって同定される腫瘍関連抗原をコードし、ゲノムDNAの形態で存在している核酸のプロモーター領域またはその部分は、選択的に増幅された後に重亜硫酸塩含有試薬により処理される。該核酸は、試験されるべき患者のサンプルから単離され、重亜硫酸塩含有試薬により処理されるのが好ましい。このような増幅において使用されるオリゴヌクレオチドは、重亜硫酸塩含有試薬で処理される核酸と結合する配列を有するのが好ましく、それに完全に相補的であるのが好ましい。、該オリゴヌクレオチドは、核酸のメチル化の様々な程度に順応され、区別され得る増幅産物をもたらすのが好ましい。
【0045】
本発明に従って、腫瘍関連抗原またはその部分の検出または、腫瘍関連抗原またはその部分の量を決定することまたはモニタリングすることは、該腫瘍関連抗原に特異的に結合している抗体またはその部分を用いて実施され得る。
【0046】
特定の実施態様において、検出すべき腫瘍関連抗原またはその部分はMHC分子、特にHLA分子との複合体中に存在する。
【0047】
本発明に従って、抗体の検出、抗体の量の決定またはモニタリングは、該抗体に特異的に結合するタンパク質またはペプチドを用いて実施され得る。
【0048】
本発明に従って、抗原またはその部分とMHC分子との複合体に特異的である細胞溶解性T細胞またはヘルパーT細胞の検出または細胞溶解性T細胞またはヘルパーT細胞の量のモニタリングは、該抗原またはその部分とMHC分子との複合体を提示する細胞を用いて実施し得る。
【0049】
検出または決定またはモニタリングのために使用されるポリヌクレオチドプローブ、抗体、タンパク質またはペプチドまたは細胞は、好ましくは検出し得る方法で標識される。特定の実施態様において、検出し得るマーカーは、放射性マーカーまたは酵素的マーカーである。さらにTリンパ球は、その増幅、そのサイトカイン産生、およびそのMHCと腫瘍関連抗原またはその部分との複合体での特異的刺激によって開始される細胞毒性活性を検出することにより検出され得る。Tリンパ球は、組換えMHC分子またはその他の1または複数の腫瘍関連抗原の特定の免疫原性フラグメントを担持し、特異的T細胞レセプターを接触させることによって、特異的Tリンパ球を同定し得る2以上の組換えMHC分子の複合体を介して検出し得る。
【0050】
別の態様において、本発明は、本発明によって同定される腫瘍関連抗原の発現または異常発現によって特徴づけられる疾病を処置すること、診断することまたはモニタリングする方法に関し、この方法は、該腫瘍関連抗原またはその一部分に結合し、治療または診断薬と結合する抗体を投与することを含む。該抗体は、モノクローナル抗体であってもよい。別の実施態様において、該抗体はキメラ抗体またはヒト化抗体あるいは天然の抗体のフラグメントである。
【0051】
本発明は、本発明によって同定される腫瘍関連抗原の発現または異常発現によって特徴づけられる疾病に罹患している患者の処置方法に関し、該方法は、(i)該患者から免疫反応性細胞を含有するサンプルを取り出すこと、(ii)該サンプルと該腫瘍関連抗原またはその部分を発現する宿主細胞とを、該腫瘍関連抗原またはその部分に対して細胞溶解性T細胞の産生に好適な条件下で接触させること、そして(iii)腫瘍関連抗原またはその部分を発現する細胞を溶解するのに好適な量の細胞溶解性T細胞を患者に導入することを含む。本発明は、また、腫瘍関連抗原に対する細胞溶解性T細胞のT細胞レセプターのクローニングにも関する。該レセプターは、その他のT細胞に移され得、それによって(iii)にあるように、所望の特異性を受容する患者へと伝搬され得る。
【0052】
一実施態様において、該宿主細胞は、HLA分子を内因的的に発現する。別の実施態様において、宿主細胞は、HLA分子および/または腫瘍関連抗原またはその部分を組換え的に発現する。宿主細胞は、非増殖性のものが好ましい。好ましい実施態様において、宿主細胞は、抗原提示細胞、特に樹状細胞、単球またはマクロファージである。
【0053】
別の態様において、本発明は、腫瘍関連抗原の発現または異常発現によって特徴づけられる疾病に罹患している患者を処置する方法に関し、該方法は、(i)本発明によって同定される腫瘍関連抗原をコードし、該疾病に関連する細胞によって発現する核酸を同定すること、(ii)宿主細胞を該核酸またはその部分で形質転換すること、(iii)該核酸を発現させるために、形質転換した宿主細胞を培養すること(高効率のトランスフェクションが達成された場合、これは必須ではない)、そして(iv)該患者へ、宿主細胞またはその抽出物を、疾病に関連のある患者の細胞に対する免疫応答を増加させるのに好適な量で導入することを含む。該方法は、さらに腫瘍関連抗原またはその部分を提示するMHC分子を同定することも含み、ここで宿主細胞は同定されたMHC分子を発現し該腫瘍関連抗原またはその部分を提示する。該免疫応答は、B細胞応答またはT細胞応答のいずれでもよい。さらに、T細胞応答は、腫瘍関連抗原またはその部分を提示する宿主細胞に特異的であるか、または該腫瘍関連抗原またはその部分を発現する患者の細胞に特異的である細胞溶解性T細胞および/またはヘルパーT細胞の産生を含むものであり得る。
【0054】
本発明は、本発明によって同定される腫瘍関連抗原の発現または異常発現によって特徴づけられる疾病を処置する方法にも関し、該方法は、(i)腫瘍関連抗原を異常量で発現する患者からの細胞を同定すること、(ii)該細胞のサンプルを単離すること、(iii)該細胞を培養すること、および(iv)細胞に対する免疫応答を開始するための適当な量で該細胞を患者に導入することを含む。
【0055】
好ましくは、本発明に従って使用される宿主細胞は、非増殖性であるか、非増殖性にされたものである。腫瘍関連抗原の発現または異常発現によって特徴づけられる疾病は、特に癌である。
【0056】
本発明は、さらに(a)配列表の配列番号:1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、69、73、77、81、85、89、93、97、101、105、109、113、117、121、125、129、133、137、141、145、149、153、157、161、165、169、173、175、179、183、187、191、195、199、203、207、211、215、219、223、227、231、235、239、243、247、251、255、259、263、267、269、271、273、275、277、279、309からなる群から選択される核酸配列、その部分またはその誘導体を含む核酸、(b)ストリンジェントな条件下で、(a)の核酸とハイブリダイズする核酸、(c)(a)または(b)の核酸と縮重する核酸、および(d)(a)、(b)または(c)の核酸と相補的である核酸、からなる群から選択される核酸に関する。本発明は、さらに、配列表の配列番号:2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、114、118、122、126、130、134、138、142、146、150、154、158、162、166、170、174、176、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220、224、228、232、236、240、244、248、252、256、260、264、268、270、272、274、276、278、280から308、310からなる群から選択されるアミノ酸配列、その部分またはその誘導体を含むタンパク質またはポリペプチドをコードする核酸に関する。
【0057】
別の態様において、本発明は、本発明の核酸のプロモーター配列に関する。これらの配列は、好ましくは発現ベクターにおいて別の遺伝子に機能的に連結されうる、このように適切な細胞中で該遺伝子の選択的発現を確実にしうる。
【0058】
別の態様において、本発明は、本発明の核酸を含む組換え核酸分子、特にDNAまたはRNA分子に関する。
【0059】
本発明は、本発明の核酸または本発明の核酸を含む組換え核酸分子を含有する宿主細胞関する。
【0060】
宿主細胞は、HLA分子をコードする核酸を含み得る。一実施態様において、宿主細胞は、HLA分子を内因的に発現する。別の実施態様において、宿主細胞はHLA分子および/または本発明の核酸またはその部分を組換え発現する。好ましくは、宿主細胞は非増殖性である。好ましい実施態様において、宿主細胞は、抗原提示細胞、特に樹状細胞、単球またはマクロファージである。
【0061】
別の実施態様において、本発明は、本発明に従って同定された核酸とハイブリダイズすし、遺伝子のプローブとして、または"アンチセンス"分子として使用され得るオリゴヌクレオチドに関する。本発明に従って同定される核酸またはその部分とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドプライマーまたはコンピテントサンプルの形態の核酸分子は、本発明に従って同定される核酸に相同的な核酸を見出すために使用され得る。PCR増幅、サザンおよびノーザンハイブリダイゼーションは、相同的な核酸を見出すために用い得る。ハイブリダイゼーションは、低ストリンジェントな条件下で行ってもよく、より好ましくは中程度のストリンジェントな条件、最も好ましくは高ストリンジェントな条件下で実施され得る。本発明の用語"ストリンジェントな条件"は、ポリヌクレオチド間の特異的ハイブリダイゼーションを可能にする条件を指す。
【0062】
別の態様において、本発明は、
(a)配列表の配列番号:1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、69、73、77、81、85、89、93、97、101、105、109、113、117、121、125、129、133、137、141、145、149、153、157、161、165、169、173、175、179、183、187、191、195、199、203、207、211、215、219、223、227、231、235、239、243、247、251、255、259、263、267、269、271、273、275、277、279、309からなる群から選択される核酸配列、その部分またはその誘導体を含む核酸、(b)ストリンジェントな条件下で、(a)の核酸とハイブリダイズする核酸、(c)(a)または(b)の核酸と縮重する核酸、および(d)(a)、(b)または(c)の核酸と相補的である核酸、からなる群から選択される核酸によってコードされるタンパク質またはポリペプチドに関する。好ましい実施態様において、本発明は、配列表の配列番号 2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、114、118、122、126、130、134、138、142、146、150、154、158、162、166、170、174、176、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220、224、228、232、236、240、244、248、252、256、260、264、268、270、272、274、276、278、280 から 308、310からなる群から選択されるアミノ酸配列、その部分またはその誘導体配列を含むタンパク質またはポリペプチドに関する。
【0063】
別の態様において、本発明は、本発明によって同定される腫瘍関連抗原の免疫原性フラグメントに関する。該フラグメントは、好ましくはヒトHLAレセプターまたはヒト抗体に結合する。本発明のフラグメントは、好ましくは、少なくとも6、特に少なくとも8、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも30または少なくとも50のアミノ酸の配列を含む。
【0064】
別の態様において、本発明は、本発明によって同定される腫瘍関連抗原、またはその部分に結合する剤に関する。好ましい実施態様において、剤は抗体である。別の実施態様において、抗体は、キメラ、ヒト化抗体または組み換え技術によって提供される抗体または抗体のフラグメントである。さらに、本発明は以下の(i)と(ii)の複合体に選択的に結合する抗体に関する:(i)本発明によって同定される腫瘍関連抗原またはその部分、と(ii)本発明によって同定される腫瘍関連抗原またはその部分が結合するMHC分子、該抗体が(i)のみまたは(ii)のみに結合しない。本発明の抗体は、モノクローナル抗体であってもよい。別の実施態様において、該抗体はキメラ抗体であるかまたは天然の抗体のフラグメントである。
【0065】
本発明は、さらに、本発明によって同定される腫瘍関連抗原またはその部分または本発明の抗体に結合する本発明の剤と、治療薬または診断薬との結合体に関する。一実施態様において、治療薬または診断薬は毒素である。
【0066】
別の態様において、本発明は、本発明によって同定される腫瘍関連抗原の発現または異常発現を検出用キットに関し、該キットは以下の検出のための剤を含む:(i)腫瘍関連抗原またはその部分をコードする核酸、(ii)腫瘍関連抗原またはその部分、(iii)腫瘍関連抗原またはその部分に結合する抗体、および/または(iv)腫瘍関連抗原またはその部分とMHC分子との複合体に特異的であるT細胞。一実施態様において、核酸またはその部分の検出のための剤は、該核酸の選択的増幅のための核酸分子であり、これは、該核酸の特に6-50、特に10-30、15-30および20-30の連続ヌクレオチド配列を含む。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】図1:黒色腫における配列番号1のqPCR分析。健常皮膚組織、睾丸および黒色腫における配列番号1の定量的発現分析。相対的発現の対数表示(−倍の活性化)。
【図2】図2:黒色腫における配列番号1の従来のRT−PCR分析。健常者の皮膚(n=4)および睾丸(n=3)と比較した、比較黒色腫(n=14)および黒色腫細胞系(n=4)における配列番号1のRT−PCR発現分析。
【図3】図3:健常組織と腫瘍サンプル中の配列番号5のqPCR分析。正常組織(左側)および種々の腫瘍(各ケースにおいて3−5の個体サンプルからなるプール、右側)における配列番号5の定量的発現分析。A.相対的発現の対数表示(−倍活性化)。B.増幅フラグメントのゲル電気泳動分画後の撮像。
【図4】図4:配列番号5特異的発現の詳細な分析。A.様々なENT、腎臓および子宮腫瘍における配列番号5の定量的発現分析の対応する正常組織での発現の比較。対数表示。B.増幅フラグメントのゲル電気泳動分画後の撮像。
【図5】図5:配列番号5特異的配列とのザン・ブロット分析。睾丸特異的RNAと、配列番号7および8のプライマーを用いるPCR増幅により作製したDIG-標識したDNAプローブとのハイブリダイゼーション。レーン1:睾丸特異的RNA(2μg);レーン2:睾丸特異的RNA(1μg)。
【図6A】図6:LOC203413のqPCR分析健常組織(左)および腫瘍サンプル(各ケースにおいて3−5の個体サンプルからなるプール、右)におけるLOC203413の定量的発現分析。A.発現の対数表示(−倍活性化)。
【図6B】図6:LOC203413のqPCR分析健常組織(左)および腫瘍サンプル(各ケースにおいて3−5の個体サンプルからなるプール、右)におけるLOC203413の定量的発現分析。B.ゲル電気泳動分画後の結果。
【図7】図7:胃癌におけるLOC203413-特異的発現の詳細な分析。健常胃(n=6)での発現と比較した、様々な胃の腫瘍サンプル(n=10)中のLOC203413の定量的発現分析。A.相対的発現の直線表示. B. アンプリコンのゲル電気泳動分画後の撮像。
【図8】図8:LOC90625特異的発現のqPCR分析。正常組織(左)および腫瘍組織(各ケースにおいて3−5の個体サンプルからなるプール;右)におけるLOC90625の定量的発現分析。相対的発現の直線表示(−倍活性化)。
【図9】図9:腫瘍の様々なタイプにおけるLOC90652-特異的発現の詳細な分析。食道(n=8)、膵臓(n=5)および前立腺(n=10)の癌腫のサンプルと各々健常組織(n=3/4)とを比較したLOC90625の定量的発現分析;相対的発現の対数表示(−倍活性化)。
【図10】図10:腫瘍の様々なタイプでのFAM26AqRT−PCRの分析。A卵巣、B胃、食道、膵臓および肝臓の癌腫と各々健常組織とを比較した、FAM26Aの定量的RT−PCR発現分析。相対的発現の直線表示(−倍活性化)。
【図11】図11:FAM26A−特異的抗体の特性分析。配列番号291(A)および配列番号292(B)のペプチドを用いる免疫化によって生成した抗血清のウェスタン・ブロット分析。CHO細胞の抽出物を、各ケースでエピトープ特異的(A.1,3;B.2,4)プラスミドを用いるか、またはエピトープ非特異的(A.2,4;B.1,3)プラスミドを用いた形質転換後に分析した。矢印は、特異的フラグメントを示す。
【図12】図12:腫瘍中のFAM26Aタンパク質の分析。FAM26A−特異的抗体(配列番号:292)による、頸部、卵巣および膵臓腫瘍中のFAM26Aの検出。
【図13】図13:細胞系中のFAM26Aタンパク質の分析。配列番号:291-特異的抗体を用いる、細胞系中のFAM26Aタンパク質の分析。A.特異的なコントロール(レーン1−5) として前免疫性血清およびFAM26A−特異的抗体を用いるウェスタン・ブロット分析、B.SW480細胞の免疫蛍光分析。
【図14】図14:睾丸におけるFAM26A免疫組織学的検出。種々の希釈における(A、C)配列番号:292-特異的抗血清をもちいる健常睾丸中のFAM26Aタンパク質の免疫組織学的検出分析。
【図15】図15:腫瘍におけるFAM26Aの免疫組織学的検出分析。配列番号:292-特異的抗血清による癌腫サンプル(40倍率、1:300希釈)中のFAM26Aタンパク質の免疫組織学的検出分析。A.卵巣乳頭状嚢腺腫。B.子宮頸の扁平上皮癌腫。
【図16】図16:SEMA5B−特異的発現のqRT−PCR分析。正常組織(左)および腫瘍サンプル(各ケースにおいて3−5の個体サンプルからなるプール;右)でのSEMA5Bの定量的発現分析。相対的発現の直線表示(−倍活性化)。
【図17】図17:腎臓細胞癌腫サンプルにおけるSEMA5B−特異的発現の詳細な分析。A.健常腎臓組織(N=3)と比較した腎細胞癌腫サンプル(n=12)、とB.健常胸部組織(N=3)と比較した乳房癌腫(N=12)におけるSEMA5Bの定量的発現分析;相対的発現の対数表示(−倍活性化)。
【図18】図18:GJB5-特異的発現のqRT−PCR分析。健常組織サンプル(左)および癌腫(各ケースにおいて3−5の個体サンプルからなるプール;右)におけるGJB5の定量的発現分析。相対的発現の直線表示(−倍活性化)。
【図19】図19:腫瘍の様々なタイプにおけるGJB5-特異的発現の詳細な分析。A.結腸癌腫サンプル(n=12)、B.食道腫瘍(n=8)、C.胃の癌腫(n=10)およびD.膵臓腫瘍(n=5)と、各ケースにおける健常組織サンプルと比較した、GJB5の定量的発現分析;相対的発現(−倍活性化)の対数表示(A、C)または直線表示(B、D)。
【図20】図20:KLK5-特異的発現のqRT−PCR分析。健常組織サンプル(左)および腫瘍(各ケースにおいて3−5の個体サンプルからなるプール;右)におけるKLK5の定量的発現分析。相対的発現の直線表示(−倍活性化)。
【図21】図21:腫瘍の様々なタイプにおけるKLK5-特異的発現の詳細な分析。食道腫瘍(n=8)、ENT癌腫(n=5)および頸部腫瘍(n=4)と、各ケースにおける健常組織サンプルと比較した、KLK5の定量的発現分析;相対的発現の対数表示(−倍活性化)。
【図22】図22:LOC352765-特異的発現のqRT−PCR分析。健常組織サンプル(左)および腫瘍(各ケースにおいて3−5の個体サンプルからなるプール;右)におけるLOC352765の定量的発現分析。相対的発現の対数表示(−倍活性化)。
【図23】図23:腫瘍の様々なタイプにおけるLOC352765-特異的発現の詳細な分析。結腸癌腫(n=8)、乳房癌腫(n=5)およびENT腫瘍(n=4)と、各ケースでの健常組織サンプルと比較した、LOC352765の定量的発現分析;相対的発現の対数表示(−倍活性化)。
【図24】図24:SVCT1-特異的発現のqRT−PCR分析。健常組織サンプル(左)および腫瘍(各ケースにおいて3−5の個体サンプルからなるプール;右)サンプルにおけるSVCT1の定量的発現分析。相対的発現の対数表示(−倍活性化)。
【図25】図25:腫瘍の様々なタイプにおけるSVCT1-特異的発現の詳細な分析。A.腎臓癌腫(n=8)、B.食道腫瘍(n=5)およびENT腫瘍(n=4)と各ケースでの健常組織サンプルと比較した、SVCT1の定量的発現分析;相対的発現の対数表示(−倍活性化)。
【図26】図26:腎臓細胞癌腫およびENT腫瘍中のLOC199953-特異的発現のqRT−PCR分析。腎臓細胞癌腫(n=12)およびENT腫瘍(n=5)と、健常な腎臓特異的組織サンプルおよび皮膚特異的組織サンプルとを比較した、LOC199953の定量的発現分析;相対的発現の直線表示(−倍活性化)。
【図27】図27:TMEM31-特異的発現のqRT−PCR分析健常組織サンプル(左)および腫瘍組織サンプル(各ケースにおいて3−5の個体サンプルからなるプール;右)におけるTMEM31の定量的発現分析。相対的発現の対数表示(−倍活性化)。
【図28】図28:腫瘍の様々なタイプにおけるTMEM31-特異的発現の詳細な分析。A.胃癌腫(n=10)およびB.乳房癌腫(n=12)と各ケースにおける健常組織サンプルと比較した、TMEM31の定量的発現分析;相対的発現の対数表示(−倍活性化)。
【図29】図29:卵巣腫瘍および前立腺癌腫におけるFLJ25132-特異的発現のqRT−PCR分析。卵巣腫瘍(n=8)および前立腺癌腫(n=10)と、各ケースでの健常組織サンプルと比較したFLJ25132の定量的発現分析;相対的発現の直線表示(−倍活性化)。
【図30】図30:配列番号:57-特異的発現のqRT−PCR分析 健常組織サンプル(左)および腫瘍(各ケースにおいて3−5の個体サンプルからなるプール;右)における配列番号:57の定量的発現分析。相対的発現の直線表示(−倍活性化)。
【図31】図31:腫瘍の様々なタイプにおける配列番号57-特異的発現の詳細な分析。A.食道腫瘍(n=8)、B.肝臓癌腫(n=8)、C.腎臓癌腫およびD.頸部およびENT腫瘍と、各々のケースで健常組織サンプルと比較した配列番号:57の定量的発現分析;相対的発現の直線(A、C、D)表示または対数(b)表示(−倍活性化)。
【図32】図32:LOC119395-特異的発現のqRT−PCR分析。健常組織サンプル(左)および腫瘍組織サンプル(各ケースにおいて3−5の個体サンプルからなるプール;右)でのLOC119395の定量的発現分析。相対的発現の直線表示(−倍活性化)。
【図33】図33:腫瘍の様々なタイプにおけるLOC119395-特異的発現の詳細な分析。A.胸腫瘍(n=12)、B.食道癌腫(n=8)およびC.結腸および胃癌腫と、各ケースの健常組織サンプルとを比較したLOC119395の定量的発現分析;相対的発現の対数表示(−倍活性化)。
【図34】図34:LOC121838-特異的発現のqRT−PCR分析。A.健常組織サンプル(左)および腫瘍組織サンプル(各ケースにおいて3−5の個体サンプルからなるプール;右)のLOC121838-特異的発現定量的分析。相対的発現の直線表示(−倍活性化)。B.卵巣組織におけるLOC121838-特異的RNAの詳細な分析、対数表示。
【図35】図35:LOC221103-特異的発現のqRT−PCR分析。健常組織サンプル(左)および腫瘍組織サンプル(各ケースにおいて3−5の個体サンプルからなるプール; 右)におけるLOC221103-RNAの定量的発現分析。相対的発現の直線表示(−倍活性化)。
【図36】図36:肝臓サンプル中のLOC221103-特異的発現の詳細なqRT−PCR分析。肝臓腫瘍(n=8)および健常肝臓サンプルにおけるLOC221103-RNAの定量的発現分析。相対的発現の直線表示(−倍活性化)。
【図37】図37:LOC338579-特異的発現のqRT−PCR分析。健常組織サンプル(左)および腫瘍組織サンプル(各ケースにおいて3−5の個体サンプルからなるプール;右)におけるLOC338579-特異的RNAの定量的発現分析。相対的発現の対数表示(−倍活性化)。
【図38】図38:LOC90342-特異的発現qRT−PCR分析。健常組織サンプル(左)および腫瘍組織サンプル(各ケースにおいて3−5の個体サンプルからなるプール;右)におけるLOC90342-特異的RNAの定量的発現分析。相対的発現の対数表示(−倍活性化)。
【図39】図39:LRFN1-特異的発現のqRT−PCR分析。健常組織サンプル(左)および腫瘍組織サンプル(各ケースにおいて3−5の個体サンプルからなるプール;右)におけるLRFN1-特異的RNAの定量的発現分析。相対的発現の対数表示(−倍活性化)。
【図40】図40:LOC285916-特異的発現のqRT−PCR分析。A.健常組織サンプル(左)および腫瘍(各ケースにおいて3−5の個体サンプルからなるプール;右)におけるLOC285916-特異的発現の定量的分析。相対的発現の直線表示(−倍活性化)。B.腎臓組織およびENT腫瘍におけるLOC285916-特異的RNAの詳細な分析、対数表示。
【図41】図41:MGC71744-特異的発現のqRT−PCR分析。A.健常組織サンプル(左)および腫瘍組織サンプル(各ケースにおいて3−5の個体サンプルからなるプール;右)における、MGC71744-特異的発現の定量的分析。相対的発現の直線表示(−倍活性化)。B.様々な腎臓組織における、MGC71744-特異的RNAの詳細な分析、対数表示。
【図42】図42:LOC342982-特異的発現のqRT−PCR分析。健常組織サンプル(左)および腫瘍組織サンプル(各ケースにおいて3−5の個体サンプルからなるプール;右)におけるLOC342982-特異的RNAの定量的発現分析、。相対的発現の対数表示(−倍活性化)。
【図43】図43:LOC343169-特異的発現のqRT−PCR分析。A.健常組織サンプル(左)および腫瘍組織サンプル(各ケースにおいて、3−5の個々のサンプルを含むプール;右)におけるLOC343169-特異的発現の定量的分析。相対的発現の直線表示(−倍活性化)。B.様々な卵巣組織におけるLOC343169-特異的RNAの詳細な分析、対数表示。
【図44】図44:LOC340204-特異的発現のqRT−PCR分析。A.健常組織サンプル(左)および腫瘍組織サンプル(各ケースにおいて3−5の個体サンプルからなるプール;右)におけるLOC340204-特異的発現の定量的分析。相対的発現の直線表示(−倍活性化)。B.ゲル電気泳動分画後の選択された組織サンプルのゲル撮像。
【図45】図45:LOC340067-特異的発現のqRT−PCR分析。健常組織サンプル(左)および腫瘍組織サンプル(各ケースにおいて3−5の個体サンプルからなるプール;右)におけるLOC340067-特異的RNAの定量的発現分析。相対的発現の対数表示(−倍活性化)。
【図46】図46:LOC342780-特異的発現のqRT−PCR分析。健常組織サンプル(左)および腫瘍(各ケースにおいて3−5の個体サンプルからなるプール;右)におけるLOC342780-特異的RNAの定量的発現分析。相対的発現の対数表示(−倍活性化)。
【図47】図47:LOC339511-特異的発現のqRT−PCR分析。健常組織サンプル(左)および腫瘍組織サンプル(各ケースにおいて3−5の個体サンプルからなるプール;右)におけるLOC339511-特異的発現の定量的分析。相対的発現の直線表示(−倍活性化)。B.様々な肝臓-特異的組織におけるLOC339511-特異的RNAの詳細な分析;直線表示。
【図48】図48:C14orf37-特異的発現のqRT−PCR分析。健常組織サンプル(左)および腫瘍組織サンプル(各ケースにおいて3−5の個体サンプルからなるプール;右)におけるC14orf37の定量的発現分析。相対的発現の直線表示(−倍活性化)。
【図49】図49:ATP1A4-特異的発現のqRT−PCR分析。A.健常組織サンプルおよび腫瘍組織サンプル(各ケースにおいて3−5の個体サンプルからなるプール)におけるATP1A4の定量的発現分析。相対的発現の対数表示(−倍活性化)。B.様々な胸部特異的組織におけるATP1A4-特異的RNAの詳細な分析;対数表示。
【発明を実施するための形態】
【0068】
(本発明の詳細な説明)
本発明に従って、腫瘍細胞において選択的または異常に発現し、腫瘍関連抗原である遺伝子が記載される。
【0069】
本発明に従って、これらの遺伝子またはその誘導体は、治療のアプローチのための好ましい標的構造である。概念的に、該治療アプローチは、選択的に発現した腫瘍関連遺伝子産物の活性を阻害することを目的とし得る。これは、該異常型の各々の選択的発現が、腫瘍病原性に機能的に重要である場合、そしてそのライゲーションに対応する細胞の選択的ダメージが伴う場合に有用である。他の治療コンセプトは、瘍関連抗原を、腫瘍細胞に選択的に細胞傷害能を有するエフェクター機構を動員する標識として考えるものである。ここでは、標的分子それ自身の該機能および腫瘍進行におけるその役割は、完全に無関係である。
【0070】
本発明によれば、核酸の"誘導体"は、1つのまたは複数のヌクレオチドの置換、欠失および/または付加が該核酸に存在することを意味する。さらに、"誘導体"なる用語は、ヌクレオチドの塩基、糖またはリン酸における核酸の化学的誘導体化を含む。"誘導体"なる用語は、天然には生じないヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログを含有する核酸も含む。
【0071】
本発明によれば、核酸は、好ましくはデオキシリボ核酸(DNA)またはリボ核酸(RNA)である。本発明による核酸は、ゲノムDNA、cDNA、mRNA、組換え産生および化学合成された分子を含む。本発明に従って、核酸は、一本鎖または二本鎖および直鎖状でもよいし共有結合により閉環した分子であってもよい。
【0072】
本発明に記載された該核酸は、単離されるのが好ましい。"単離核酸"なる用語は、本発明に従って、該核酸が、(i)イン・ビトロで、例えばポリメラーゼ鎖反応(PCR)によって増幅されること、(ii)クローニングによって組換え産生されること、(iii)例えば、解裂およびゲル電気泳動分画によって精製されること、あるいは(iv)例えば、化学的に合成されるということ、を意味する。単離核酸は、組換えDNA技術による操作について利用し得る核酸であること。
【0073】
この2つの配列が、ハイブリダイゼーションによ核酸は2つの配列がハイブリダイズでき、互いに安定な二本鎖を形成することが出来る場合、別の核酸と"相補的"であり、ここでハイブリダイゼーションは好ましくはポリヌクレオチド間の特異的ハイブリダイゼーションを可能とする条件(ストリンジェントな条件)下で行う。ストリンジェントな条件は、例えば、以下に記載されている:Laboratory Manual, J. Sambrook et al., Editors, 2nd Edition, Cold Spring Harbor Laboratory press, Cold Spring Harbor, New York, 1989 または Current Protocols in Molecular Biology, F.M. Ausubel et al., Editors, John Wiley & Sons, Inc., New York、参照されたい。例えば、65℃でハイブリダイゼーション緩衝液(3.5xSSC、0.02% フィコール、0.02% ポリビニルピロリドン、0.02% 牛血清アルブミン、2.5 mM NaHPO (pH7)、0.5% SDS、2 mM EDTA)中でハイブリダイゼーションをいう。SSCは、0.15 M 塩化ナトリウム/0.15M クエン酸ナトリウム、pH7である。ハイブリダイゼーション後に、DNAが転移した該膜を以下の条件で洗浄する:2×SSC中で室温、次いで0.1-0.5×SSC/0.1×SDS中で68℃までの温度。
【0074】
本発明に従って、相補的核酸は、少なくとも40%、特に少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%および好ましくは少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99%、同一のヌクレオチドを有する。
【0075】
腫瘍関連抗原をコードする核酸は、本発明に従って、単独または他の核酸、特に異種核酸と組み合わせて存在してもよい。好ましい実施態様において、核酸は、該核酸と同種であっても異種であってもよい発現制御配列または調節配列に機能的に連結され得る。コード配列および調節配列は、該コード配列の発現または転写が該調節配列の制御あるいは影響下となるように互いに共有結合している場合、互いに"機能的に"連結している。コード配列が翻訳されて機能的タンパク質となり、ここで調節配列が該コード配列に機能的に連結している場合、該調節配列の誘導の結果、該コード配列の転写が起こり、コード配列におけるフレームシフトは起こらず、所望のタンパク質またはペプチドへと翻訳され得ないコード配列は生じない。
【0076】
"発現制御配列"または"調節配列"なる用語は、プロモーター、エンハンサーおよびその他の遺伝子発現を調節するコントロール要素を含む。特に本発明の実施態様において、発現制御配列は調節され得る。調節配列の正確な構造は、種または細胞タイプの機能として変わり得るが、一般的にはそれぞれ転写および翻訳の開始に関連のある5’非転写および5’非翻訳配列、例えばTATAボックス、キャップ配列、CAAT配列などを含む。より具体的には、5’非転写調節配列は、機能的に連結した遺伝子の転写制御のためのプロモーター配列を包含するプロモーター領域を含む。調節配列は、エンハンサー配列または上流アクチベーター配列をも含み得る。
【0077】
すなわち一方で、本明細書に記載する腫瘍関連抗原は、あらゆる発現制御配列とプロモーターとを組合せてもよい。しかし、他方では、本発明に従って本明細書中に記載の腫瘍関連遺伝子産物のプロモーターは、その他の遺伝子と組み合わせてもよい。これにより、これらのプロモーターの選択的活性が利用され得る。
【0078】
本発明に従って、核酸は、さらに宿主細胞由来の該核酸によってコードされるタンパク質またはポリペプチドの分泌を制御するポリペプチドをコードするその他の核酸と組合せて存在してもよい。本発明に従って、核酸はコードされるタンパク質またはポリペプチドが宿主細胞の細胞膜にアンカーされるように、あるいは該細胞の特定のオルガネラに区画化されるようにするポリペプチドをコードする別の核酸と組み合わせて存在してもよい。
【0079】
好ましい実施態様において、本発明による組換えDNA分子は核酸、例えば本発明の腫瘍関連抗原をコードする核酸の発現を制御する適当なプロモーターとともにベクター中にあってもよい。"ベクター"なる用語は、そのもっとも一般的な意味において、本明細書で使用され、該核酸が例えば原核生物および/または真核生物細胞に導入され、適当な場合ゲノムに組み込まれるのを可能にする核酸のためのあらゆる中間媒体を含む。この種のベクターは、細胞中で複製されたおよび/または発現されるのが好ましい。中間媒体は、例えばエレクトロポーレーション、マイクロプロジェクティルによる衝撃において、リポソーム投与において、アグロバクテリアによる移入においてまたはDNAまたはRNAウイルスを介する挿入において、使用するのに適用され得る。ベクターは、プラスミド、ファージミド、バクテリオファージまたはウイルスゲノムを含む。
【0080】
本発明によって同定される腫瘍関連抗原をコードする核酸は、宿主細胞のトランスフェクションに使用され得る。ここで、核酸は、組換えDNAとRNAの両方を意味する。組換えRNAは、DNAテンプレートのイン・ビトロ転写により調製され得る。さらに、使用前に安定化配列、キャップおよびポリアデニル化によって修飾してもよい。本発明に従って、"宿主細胞"なる用語は、外来核酸を用いて形質転換または形質導入され得るあらゆる細胞を含む。この用語"宿主細胞"は、本発明に従って、原核(例えば、E.coli)または真核生物細胞(例えば、樹状細胞、B細胞、CHO細胞、COS細胞、K562細胞、酵母細胞および昆虫細胞)を含む。特に好まれるのは、哺乳動物細胞、例えばヒト、マウス、ハムスター、ブタ、ヤギ、霊長類由来細胞である。該細胞は、多様な組織タイプ由来であってよく、一次細胞および細胞株を含み得る。具体的な例には、ケラチノサイト、末梢血白血球、骨髄の幹細胞および胚幹細胞が含まれる。別の実施態様において、宿主細胞は、抗原提示細胞、特に樹状細胞、単球またはマクロファージである。核酸は、宿主細胞中に1コピーまたは2コピー以上の形態で存在し得、一実施態様においては、宿主細胞中で発現され得る。
【0081】
本発明に従って、"発現"なる用語は、その最も一般的な意味で使用され、RNAまたはRNAおよびタンパク質の産物を含む。核酸の部分的発現をも含む。さらに、発現は、一過的または安定に実施され得る。哺乳動物細胞における好ましい発現系は、pcDNA3.1およびpRc/CMV(Invitrogen, Carlsbad, CA)を含み、選択的マーカー、例えば、G418に耐性を付与する遺伝子(したがって、安定に形質転換された細胞系を選択できる)およびサイトメガロウイルス(CMV)のエンハンサー−プロモーター配列を含む。
【0082】
HLA分子が腫瘍関連抗原またはその部分を提示する本発明の場合では、発現ベクターは、また該HLA分子をコードする核酸配列を含んでいてもよい。HLA分子をコードする核酸配列は、腫瘍関連抗原またはその部分をコードする核酸として同じ発現ベクター上に存在するか、または両方の核酸が、異なる発現ベクター上に存在し得る。後者の場合、2つの発現ベクターを細胞に共トランスフェクトすればよい。宿主細胞が腫瘍関連抗原またはその部分、またはHLA分子のどちらも発現しない場合、それらをコードする両核酸は、同じ発現ベクターまたは異なる発現ベクターで細胞に形質転換される。細胞がHLA分子をすでに発現している場合、腫瘍関連抗原またはその部分をコードする核酸配列のみを、細胞に形質転換すればよい。
【0083】
本発明は、腫瘍関連抗原をコードする核酸の増幅のためのキットも含む。かかるキットは、例えば、腫瘍関連抗原をコードする核酸にハイブリダイズする一対の増幅プライマーを含む。プライマーは、好ましくは、核酸の連続ヌクレオチドの6-50、特に10-30、15-30および20-30の配列を含み、かつプライマーダイマーが形成されないようにオーバーラップしないものである。プライマーの一方は腫瘍関連抗原をコードする核酸の一方の鎖にハイブリダイズし、他方のプライマーは腫瘍関連抗原をコードする核酸の増幅を可能とする配置において相補鎖にハイブリダイズする。
【0084】
"アンチセンス"分子または"アンチセンス"核酸は、核酸の発現を制御、特に減少させるために使用され得る。"アンチセンス分子"または"アンチセンス核酸"なる用語は、本発明によると、オリゴリボヌクレオチド、オリゴデオキシリボヌクレオチド、修飾オリゴリボヌクレオチドまたは修飾オリゴデオキシリボヌクレオチドであるオリゴヌクレオチドであって、生理条件下で特定の遺伝子を含むDNAあるいは該遺伝子のmRNAにハイブリダイズするものをいい、それによって、該遺伝子の転写および/または該mRNAの翻訳が阻害される。本発明に従って、この"アンチセンス分子"は、その通常のプロモーターに関してリバース配向で核酸またはその部分を含む構築体も含む。核酸またはその部分のアンチセンス転写産物は酵素を規定する天然のmRNAと二本鎖を形成することが出来、したがってmRNAの蓄積または活性な酵素への翻訳を阻害することが出来る。別の可能性は、核酸を不活性化するためのリボザイムの使用である。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、本発明に従って、標的核酸の6-50、特に10-30、15-30および20-30の連続するヌクレオチドの配列を有し、好ましくは標的核酸またはその部分に完全に相補的である。
【0085】
好ましい実施態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、N末端または5’上流部位、例えば、翻訳開始部位、転写開始部位またはプロモーター部位とハイブリダイズする。別の実施態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、3’非翻訳領域またはmRNAスプライシング部位とハイブリダイズする。
【0086】
一実施態様において、本発明のオリゴヌクレオチドはリボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチドまたはその組み合わせからなり、一つのヌクレオチドの5'末端ともう一つのヌクレオチドの3'末端が互いにホスホジエステル結合で連結している。これらのオリゴヌクレオチドは、常套方法によって合成してもよいし、組換え産生してもよい。
【0087】
好ましい実施態様において、本発明のオリゴヌクレオチドは、"修飾"オリゴヌクレオチドである。ここで、オリゴヌクレオチドは、その標的への結合能力を阻害しないで、様々に修飾して、例えばその安定性または治療効果を増加させ得る。本発明に従って、"修飾オリゴヌクレオチド"なる用語は以下のオリゴヌクレオチドを意味する:(i)少なくともそのヌクレオチドの2つが互いに合成インターヌクレオシド結合(即ち、ホスホジエステル結合ではないインターヌクレオシド結合)により連結されている、および/または
(ii)核酸において通常みられない化学基がオリゴヌクレオチドに共有結合している。
好ましい合成インターヌクレオシド結合は、ホスホロチオエート、アルキルホスホネート、ホスホロジチオエート、リン酸エステル、アルキルホスホノチオエート、ホスホラミダイト、カーバメート、カーボネート、ホスフェートトリエステル、アセトアミデート、カルボキシメチルエステルおよびペプチドである。
【0088】
"修飾オリゴヌクレオチド"なる用語は、共有結合により修飾された塩基および/または糖を有するオリゴヌクレオチドを含む。"修飾オリゴヌクレオチド"は、例えば、3'位のヒドロキシル基および5'位のホスフェート基以外の低分子量有機基に共有結合した糖残基を有するオリゴヌクレオチドである。修飾オリゴヌクレオチドは、例えば、2’-O−アルキル化糖残基またはリボース以外のその他の糖、例えばアラビノースを含み得る。
【0089】
好ましくは、本発明に記載のタンパク質およびポリペプチドは単離されたものである。"単離タンパク質"または"単離ポリペプチド"なる用語は、タンパク質またはポリペプチドが、その天然環境から分離されていることを意味する。単離タンパク質またはポリペプチドは実質的に精製された状態であり得る。用語"実質的に精製された"は、タンパク質またはポリペプチドが、自然またはイン・ビボでそれらが結合しているその他の物質を実質的に含まないということを意味する。
【0090】
このようなタンパク質およびポリペプチドは、例えば、抗体の産生および治療薬として免疫学的または診断アッセイにおいて利用できる。本発明に記載のタンパク質およびポリペプチドは、生物学的サンプル、例えば組織または細胞ホモジネートから単離されたものでもよく、様々な原核または真核発現系において組換え発現させたものでもよい。
【0091】
本発明の目的のために、タンパク質またはポリペプチドまたはアミノ酸配列の"誘導体"は、アミノ酸挿入変異体、アミノ酸欠失変異体および/またはアミノ酸置換変異体を含む。
【0092】
アミノ酸挿入変異体は、アミノ-および/またはカルボキシ-末端融合を含み、また、1または2以上のアミノ酸の特定のアミノ酸配列への挿入も含む。挿入を有するアミノ酸配列変異体の場合には、1または複数のアミノ酸残基がアミノ酸配列の特定の部位に挿入されているが、結果的に得られる産物の適当なスクリーニングを伴うランダム挿入も可能である。アミノ酸欠失バリアントは配列からの1または複数のアミノ酸の欠如によって特徴づけられる。アミノ酸置換バリアントは配列における少なくとも1残基が除去され、別の残基がその位置に挿入されていることによって特徴づけられる。好ましくは、修飾は相同的タンパク質またはポリペプチド間で保存されていないアミノ酸配列における位置のものである。好ましくは、アミノ酸を、類似の特性、例えば疎水性、親水性、電気陰性度、側鎖のおおきさなど(保存的置換)を有する別のアミノ酸への置換が提供される。保存的置換は、置換すべきアミノ酸と同じ群に属する以下に挙げる別のアミノ酸による交換に関する:
1.小さな脂肪族、非極性またはわずかな極性残基:Ala、Ser、Thr(Pro、Gly)
2.陰性荷電残基およびそのアミド:Asn、Asp、Glu、Gln
3.陽性荷電残基:His、Arg、Lys
4.大きな脂肪族、非極性残基:Met、Leu、Ile、Val(Cys)
5.大きな脂肪族残基:Phe、Tyr、Trp。
【0093】
タンパク質構造のその特定の部分により、3つの残基を括弧内に示す。Glyは、側鎖を有さない唯一の残基であり、このため側鎖に可とう性を与える。Proは、鎖を大幅に制限する例外的な構造をとる。Cysは、ジスルフィド結合を形成し得る。
【0094】
上記アミノ酸変異体は、既知のペプチド合成技術、例えば固体相合成(Merrifield, 1964)および類似方法、または組換えDNA操作によって容易に調製できる。予め決定した位置で置換突然変異の、配列既知のまたは部分的に既知のDNAへの導入技術は、よく知られており、例えばM13変異変異誘発などを含む。置換、挿入または欠失を有するタンパク質を調製するためのDNA配列の操作は、例えば、Sambrook et al. (1989)で詳細に記載される。
【0095】
本発明によると、タンパク質またはポリペプチドの"誘導体"は、1または複数の酵素に関連するあるあらゆる分子の置換、欠失および/または付加が含まれ、かかる分子としては、炭水化物、脂質および/またはタンパク質またはポリペプチドが挙げられる。"誘導体"なる用語は、該タンパク質またはポリペプチドのあらゆる機能的化学的等価物にも含む。
【0096】
本発明に従って、腫瘍関連抗原の一部またはフラグメントは、それが由来するポリペプチドの機能的特性を有する。このような機能特性は、抗体との相互作用、他のポリペプチドまたはタンパク質との相互作用、核酸の選択的結合および酵素活性があげられる。特定の特性は、HLAとの複合体を形成する能力であり、適当な場合、免疫応答が導かれる。この免疫応答は、細胞毒性またはヘルパーT細胞の刺激に基づきうる。本発明の腫瘍関連抗原の一部またはフラグメントは、腫瘍関連抗原の少なくとも6、特に少なくとも8、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも30または少なくとも50の連続したアミノ酸の配列を含むのが好ましい。腫瘍関連抗原の一部またはフラグメントは、非膜部分、特に抗原の細胞外部分に対応するか、またはそれらを含む腫瘍関連抗原の一部が好ましい。
【0097】
腫瘍関連抗原をコードする核酸の一部またはフラグメントは、本発明によれば、上記に定義したとおりに、少なくとも腫瘍関連抗原および/または該腫瘍関連抗原の部分または断片をコードする核酸の部分に関する。好ましくは、腫瘍関連抗原をコードする核酸の一部またはフラグメントは、オープン・リーディング・フレームに対応する一部分、特に配列表に示したようなものである。
【0098】
腫瘍関連抗原をコードする遺伝子の単離および同定は、1または複数の腫瘍関連抗原の発現によって特徴づけられる疾患の診断を可能とする。これら方法は、腫瘍関連抗原をコードする1または複数の核酸を決定すること、および/またはコードされる腫瘍関連抗原および/またはそれに由来するペプチドを決定することを含む。核酸は常套方法によって判定でき、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応または標識化プローブによるハイブリダイゼーションを含む。腫瘍関連抗原またはそれに由来するペプチドは、抗原および/またはペプチドの認識について患者の抗血清をスクリーニングすることによって決定できる。それはまた、対応する腫瘍関連抗原に対する特異性について患者のT細胞をスクリーニングすることによっても決定できる。
【0099】
本発明はまた本明細書に記載する腫瘍関連抗原に結合するタンパク質の単離も可能にし、これには抗体および該腫瘍関連抗原の細胞結合パートナーが含まれる。
【0100】
本発明によると、特定の態様は腫瘍関連抗原由来の「ドミナントネガティブ」ポリペプチドを提供することを包含する。ドミナントネガティブポリペプチドは不活性タンパク質バリアントであり、細胞機構と相互作用することにより、細胞性機構とのその相互作用から活性なタンパク質を置換するか、または活性なタンパク質と競合し、それにより該活性タンパク質の効果を低下させる、不活性タンパク質変異体である。例えば、リガンドに結合するが、リガンドに結合する反応としてのあらゆるシグナルを生成しないドミナントネガティブレセプターは、該リガンドの生理効果を低下させうる。同様に、通常標的タンパク質と相互作用するが該標的タンパク質をリン酸化しないドミナントネガティブな触媒的に不活性なキナーゼは、細胞シグナルの応答としての該標的タンパク質のリン酸化を低下しうる。同様に、遺伝子の制御領域におけるプロモーター部位に結合するが該遺伝子の転写を上昇させないドミナントネガティブな転写因子は、転写を上昇させることなくプロモーター結合部位を占有することによって正常な転写ファクターの効果を低下させ得る。
【0101】
細胞においてドミナントネガティブポリペプチドの発現の結果、活性タンパク質の機能が低下する。当業者は、タンパク質のドミナントネガティブ変異体を、例えば、従来の突然変異生成法によって、そして変異体ポリペプチドのドミナントネガティブ効果を評価することによって製造し得る。
【0102】
本発明は、腫瘍関連抗原に結合するポリペプチド等の物質も含む。かかる結合物質も、例えば、腫瘍関連抗原および腫瘍関連抗原とそれらの結合パートナーとの複合体を検出のためのスクリーニングアッセイにおいて、および該腫瘍関連抗原ならびにその結合パートナーとの複合体の精製において利用することが出来る。かかる物質は、かかる物質は例えばかかる抗原への結合によって、腫瘍関連抗原の活性の阻害にも用いることが出来る。
【0103】
それ故に本発明は、腫瘍関連抗原に選択的に結合することが出来る結合性物質、例えば、抗体または抗体断片を含む。抗体は、常套方法で提供されるポリクローナルおよびモノクローナル抗体も含む。
【0104】
唯一抗体分子の小さな部分、すなわちパラトープのみが抗体のそのエピトープへの結合に関与していることが知られている(cf. Clark, W.R. (1986), The Experimental Foundations of Modern Immunology, Wiley & Sons, Inc., New York; Roitt, I. (1991), Essential Immunology, 7th Edition, Blackwell Scientific Publications, Oxford)。pFc’およびFc領域は、例えば、補体カスケードのエフェクターであるが、抗原結合には関与していない。F(ab’)2フラグメントとして呼ばれるpFc’領域が酵素的に除かれた抗体またはpFc’領域を含まないように産生された抗体は、完全な抗体の両方の抗原結合部位を担持する。同様に、Fabフラグメントと呼ばれる、Fc領域が酵素的に除去されているかまたは該Fc領域を含まなように産生された抗体は、インタクトな抗体分子の一方の抗原結合部位を担持する。さらに、Fabフラグメントは、共有結合した抗体の軽鎖と該抗体のFdと呼ばれる重鎖の部分からなる。Fdフラグメントは、抗体特異性の主な決定因子であり(1つのFdフラグメントは、抗体の特異性を変化させずに10までの異なった軽鎖と結合できる)、Fdフラグメントは、単離されてもエピトープへの結合能力を保持する。
【0105】
抗体の抗原-結合部分のなかに、抗原エピトープと直接相互作用する相補性決定領域(CDR)およびパラトープの三次構造を維持するフレームワーク領域(FR) が位置する。IgGイムノグロブリンの重鎖のFdフラグメントおよび軽鎖の両方は、3つの相補性決定領域(CDR1からCDR3)によって分断され、4つのフレームワーク領域(FR1〜FR4)を含有する。CDR、特にCDR3領域は、さらに具体的には重鎖のCDR3領域が、抗体特異性に広範囲に関与し得る。
【0106】
哺乳動物抗体の非CDR領域は、元来の抗体のエピトープに対する特異性を維持したまま同じまたは異なる特異性を有する抗体の類似領域によって置換できることが知られている。このことにより、"ヒト化"抗体の開発が可能となり、非ヒトCDRが、ヒトFRおよび/またはFc/pFc’領域に共有結合して、機能的抗体が作られる。
【0107】
例えば、WO92/04381では、ヒト化マウスRSV抗体の産生と使用を記載しており、少なくともマウスFR領域の一部がヒト起源のFR領域によって置換されるた。この種の抗体は、抗原結合能を有するインタクトな抗体のフラグメントを包含し、"キメラ"抗体と呼ばれることが多い。
【0108】
本発明は、抗体のF(ab’)2、Fab、FvおよびFdフラグメント、キメラ抗体(ここでFcおよび/またはFRおよび/またはCDR1および/またはCDR2および/または軽鎖-CDR3領域が相同なヒトまたは非ヒト配列で置換されている)、キメラF(ab’)2-フラグメント抗体(ここでFRおよび/またはCDR1および/またはCDR2および/または軽鎖-CDR3領域が相同なヒトまたは非ヒト配列で置換されている)、キメラFab-フラグメント抗体(ここでFRおよび/またはCDR1および/またはCDR2および/または軽鎖-CDR3領域が相同なヒトまたは非ヒト配列と置換されている、キメラFdフラグメント抗体、ここでFRおよび/またはCDR1および/またはCDR2領域が相同なヒトまたは非ヒト配列と置換されている)、も提供する。本発明は、"1本鎖"抗体も含む。
【0109】
好ましくは、本発明に従って使用された抗体は、配列表の配列番号:2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、114、118、122、126、130、134、138、142、146、150、154、158、162、166、170、174、176、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220、224、228、232、236、240、244、248、252、256、260、264、268、270、272、274、276、278、280から308、310、その部分またはその誘導体、特に配列表の配列番号281〜308の配列のうちの1つに対する抗体であり、および/またはこれらのペプチドを用いる免疫付与によって得られる。
【0110】
本発明は、特異的に腫瘍関連抗原に結合するポリペプチドを含む。この種のポリペプチド結合物質は、例えば、単に溶液中に固定化形態で調製されているかあるいはファージ・ディスプレー・ライブラリーとして調製され得る縮重ペプチドライブラリーによって提供され得る。同様に、1または複数のアミノ酸を有するペプチドのコンビナトリアルライブラリーを調製することもできる。ペプトイドおよび非ペプチド合成残基のライブラリーも調製可能である。
【0111】
ファージ・ディスプレイは、本発明の結合性ペプチドを同定する際に、特に有効であり得る。この関連において、例えば、4から約80個のアミノ酸残基長の挿入部分を表すファージ・ライブラリー(例えば、M13、Fdまたはラムダ・ファージを用いて)を調製する。次いで、腫瘍関連抗原に結合する挿入部分を担持するファージを選抜する。この過程は、2サイクル以上を繰り返してもよく、腫瘍関連抗原に結合するファージを再選抜する。反復ラウンドは、特定配列を有するファージが濃縮される。DNA配列の分析を行って、発現ポリペプチドの配列を同定し得る。腫瘍関連抗原に結合する配列の最小の直線状部分を決定できる。酵母の"ツーハイブリッドシステム"を用いて、腫瘍関連抗原に結合するポリペプチドを同定してもよい。本発明に従って記載された腫瘍関連抗原またはそのフラグメントを、腫瘍関連抗原のペプチド結合パートナーを同定して選択するために、ファージ・ディスプレー・ライブラリーを包含するペプチドライブラリーをスクリーニングに使用され得る。かかる分子は、腫瘍関連抗原の機能の妨害のため、および他の当業者に知られた目的のために、例えばスクリーニングアッセイ、精製プロトコールに用いられ得る。
【0112】
上記抗体および他の結合分子は、例えば、腫瘍関連抗原を発現する組織の同定のために使用され得る。抗体は、腫瘍関連抗原を発現する細胞および組織を提示するために、特定の診断用物質と結合されてもよい。それらは、治療上有用な物質と結合され得る。診断用物質は、イオセタム酸(iocetamic acid)、イオパノ酸、ヨウ素酸カルシウム、ジアトリゾ酸ナトリウム、ジアトリゾ酸マグネシウム、メトリザミド、チロパノ酸ナトリウムおよび、例えばフッ素-18および炭素-11などの陽電子放射体、例えばヨウ素-123、テクネチウム-99m、ヨウ素-131およびインジウム-111などのガンマエミッター、例えばフルオリンおよびガドリニウムなどの核磁気共鳴のための核種を含む放射性診断薬、を含有するが、これらに限定しない。
【0113】
本発明に従って、"治療上有用な物質"なる用語は、所望のように、1または複数の腫瘍関連抗原を発現する細胞に選択的に導かれるあらゆる治療分子を意味し、抗癌剤、放射性活性ヨウ素標識化合物、毒素、細胞増殖抑制剤または細胞溶解剤等を包含する。抗癌剤には、例えば、アミノグルテチミド、アザチオプリン、ブレオマイシン、ブスルファン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、シクロスポリン、シタラビジン、ダカルバジン 、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、タキソール、エトポシド、フルオロウラシル、インターフェロン-α、ロムスチン、メルカプトプリン、メトトレキサート、ミトタン、プロカルバジンHCL、チオグアニン、硫酸ビンブラスチンおよび硫酸ビンクリスチンが含まれる。その他の抗癌剤は、例えばGoodman and Gilman,"The Pharmacological Basis of Therapeutics"、8th Edition、1990、McGraw-Hill、Inc., in paticular Chapter 52 (Antineoplastic Agents (Paul Calabresi and Bruce A. Chabner)に記載されている。毒素は、タンパク質、例えば、ヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質、コレラ毒素、百日咳毒、リシン、ゲロニン、アブリン、ジフテリア外毒素またはシュードモナス外毒素であり得る。毒素残基は、高エネルギーを放出する放射性核種、例えばコバルト-60であってもよい。
【0114】
"患者"なる用語は、本発明に従って、ヒト、ヒト以外の霊長類またはその他の動物、特に哺乳動物、例えば、ウシ、ウマ、ブタ、ウサギ、ヤギ、イヌ、ネコまたはゲッシ類、例えば、マウスおよびラットを意味する。特に好ましい実施態様では、患者はヒトである。
【0115】
本発明に従って、"疾病"なる用語は、腫瘍関連抗原が、発現しているかまたは異常に発現しているあらゆる病理的状態を指す。"異常発現"とは、本発明によると、発現が健常個体における状態と比較して変化し、好ましくは増加されることを意味する。発現の増加とは、少なくとも10%、特に少なくとも20%、少なくとも50%または少なくとも100%まで増加することをいう。一実施態様において、腫瘍関連抗原は疾病個体の組織においてのみ発現しており、健常個体における発現は抑制されている。かかる疾病の一例は、癌であり、特に、精上皮腫、黒色腫、奇形腫、神経膠腫、結腸癌、直腸癌、腎臓癌、胸部(breast)癌、前立腺癌、子宮癌、卵巣癌、子宮内膜癌、食道癌、血液癌、肝臓癌、膵臓癌、皮膚癌、脳腫瘍および肺癌、リンパ腫および神経芽細胞腫を含む。この例示は、肺腫瘍、胸部(breast)腫瘍、前立腺腫瘍、結腸腫瘍、腎(臓)細胞癌腫、頸部癌腫、結腸癌腫および乳房癌腫(mamma carcinoma)、または上記癌種または腫瘍種の転移を含む。
【0116】
本発明に従って、生物学的サンプルは、組織サンプルおよび/または細胞サンプルであり得るし、本明細書に記載した多様な方法での使用のために、常套手段、例えばパンチ生検を包含する組織診によって、および血液、気管支喘息吸引物、尿、糞便または他の体液を採取することによって得られ得る。
【0117】
本発明に従って、"免疫活性細胞"なる用語は、適当な刺激により免疫細胞(例えば、B細胞、ヘルパーT細胞または細胞溶解性T細胞)へと成熟し得る細胞を意味する。免疫活性細胞は、CD34 造血幹細胞、未成熟および成熟T細胞および未成熟および成熟B細胞を含む。腫瘍関連抗原を認識する細胞溶解性またはヘルパーT細胞の産生が必要な場合、免疫活性細胞を、細胞溶解性T細胞およびヘルパーT細胞の、産生、分化および/または選択に好ましい条件下で、腫瘍関連抗原を発現する細胞と接触させる。抗原に暴露された場合、細胞溶解性T細胞へのT細胞前駆体の分化は、免疫系のクローン選択に類似ししている。
【0118】
いくつかの治療方法は、患者の免疫系の反応を基にしており、抗原提示細胞、例えば1または複数の腫瘍関連抗原を提示する癌細胞の溶解を生じさせる。これに関して、例えば、腫瘍関連抗原とMHC分子との複合体に特異的な自己細胞毒性Tリンパ球が、細胞異常性を有する患者に投与される。かかる細胞毒性Tリンパ球のイン・ビトロ産生が知られている。T細胞の分化方法の例は、WO−A−96/33265において記載され得る。一般的には、細胞、例えば血液細胞を含有するサンプル、を患者から採取し、該細胞を、複合体を示し、細胞毒性Tリンパ球(例えば、樹状細胞)の増殖を引き起こし得る細胞と接触させる。標的細胞は、形質転換細胞、例えばCOS細胞であり得る。これらの形質転換細胞はその表面で所望の複合体を提示し、細胞毒性Tリンパ球と接触すると、細胞毒性Tリンパ球の増殖を刺激する。次いで、クローン拡張された自己細胞毒性Tリンパ球は、患者に投与される。
【0119】
抗原特異的細胞毒性Tリンパ球を選択する別の方法において、MHCクラスI分子/ペプチド複合体の蛍光発生テトラマーは、細胞毒性Tリンパ球の特異的クローンを検出するために使用され得る(Altman et al., Science 274:94-96,1996; Dunbar et al., Curr. Biol.8:413-416,1998)。可溶性MHCクラスI分子は、β2ミクログロブリンおよび該MHCクラスI分子に結合するペプチド抗原の存在下にイン・ビトロで折りたたまれる。MHC/ペプチド複合体は精製され、次いでビオチンで標識される。テトラマーは、4:1のモル比でビオチン化ペプチド-MHC複合体と標識化アビジン(例えば、フィコエリトリン)を混合することによって形成される。次いで、テトラマーは、細胞毒性Tリンパ球、例えば、末梢血またはリンパ節と接触される。テトラマーは、ペプチド抗原/MHCクラスI複合体を認識する細胞毒性Tリンパ球に結合する。テトラマーに結合した細胞は、反応性細胞毒性Tリンパ球を単離するために蛍光制御細胞ソーティングによって分類され得る。次いで、単離細胞毒性Tリンパ球は、イン・ビトロで増殖され得る。
【0120】
養子免疫伝達 (Greenberg, J. Immunol. 136(5):1917,1986; Riddel et al., Science 257:238,1992; Lynch et al., Eur. J. Immunol. 21:1403-1410,1991; Kast et al., Cell 59:603-614,1989)と呼ばれる治療方法において、所望の複合体を提示する細胞(例えば、樹状細胞)は、治療すべき患者の細胞毒性Tリンパ球と混合され、そうして特異的細胞毒性Tリンパ球が増殖する。次いで、特異的複合体を提示する特定の異常細胞によって特徴づけられる細胞異常を有する患者に、増殖した細胞毒性Tリンパ球は投与される。次いで、細胞毒性Tリンパ球は、異常細胞を溶解し、それによって所望の治療効果を達成する。
【0121】
高い親和性親和性を有するものは、寛容の発生により消滅したために、しばしば、患者のT細胞レパートリーの中で、この腫の特異的複合体に対する低い親和性を有するT細胞のみが増殖され得る。ここで代わりとなるのは、T細胞レセプター自体の移入であろう。このためにもまた、所望の複合体を提示する細胞(例えば、樹状細胞)は、健常個体の細胞毒性Tリンパ球と組み合わせられる。この結果、ドナーが以前にその特異的複合体と接触していない場合、高親和性の特異的細胞毒性Tリンパ球の増殖が起こる。これらの増殖した特異的Tリンパ球の高親和性T細胞レセプターがクローニングされ、遺伝子導入、例えばレトロウイルスベクターを用いて、所望により、その他の患者のT細胞へと移入され得る。次いで、養子免疫伝達を、これらの遺伝的に変化したTリンパ球を用いて行い得る(Stanislawski et al., Nat Immunol. 2:962-70, 2001; Kessels et al., Nat Immunol.2:957-61,2001)。
【0122】
上記治療態様は、少なくともいくつかの患者の異常細胞が腫瘍関連抗原とHLA分子との複合体を提示するという事実から出発する。かかる細胞はそれ自体公知の方法によって同定できる。複合体を提示する細胞が同定されたら出来るだけ早く、それらを細胞毒性Tリンパ球を含む患者からのサンプルと混合する。細胞毒性Tリンパ球が複合体を提示する細胞を溶解すると腫瘍関連抗原の存在が推定できる。
【0123】
養子免疫伝達は本発明によって適用できる唯一の治療形態ではない。細胞毒性Tリンパ球はそれ自体公知の方法でイン・ビボでも作ることが出来る。一つの方法では複合体を発現する非増殖性細胞を用いる。ここで用いられる細胞は通常複合体を発現する細胞、例えば、照射された腫瘍細胞または複合体の提示に必要な一方または両方の遺伝子(即ち、抗原ペプチドとそれを提示するHLA分子)を形質転換された細胞であろう。様々な細胞型を利用できる。さらに、目的の遺伝子の一方または両方を担持するベクターを使用することも可能である。特に好ましくはウイルスまたは細菌ベクターである。例えば腫瘍関連抗原またはその部分をコードする核酸は、特定の組織または細胞型において該腫瘍関連抗原またはそのフラグメントの発現を制御するプロモーターおよびエンハンサー配列と機能的に連結され得る。核酸は発現ベクターに組み込まれ得る。発現ベクターは非修飾染色体外核酸、プラスミドまたはウイルスゲノムであり得、それに外来核酸を挿入され得る。腫瘍関連抗原をコードする核酸はレトロウイルスゲノムに導入してもよく、それによって、核酸の標的組織または標的細胞のゲノムへの組込みが可能となる。かかる系において、微生物、例えば、ワクシニアウイルス、ポックスウイルス、単純ヘルペスウイルス、レトロウイルスまたはアデノウイルスが目的の遺伝子を担持し、事実上、宿主細胞に"感染"する。別の好適な形態は組換えRNAの形態における腫瘍関連抗原の導入であり、これは例えば、リポソーム移入またはエレクトロポーレーションによって細胞に導入され得る。その結果、得られた細胞は目的の複合体を提示し、自己細胞毒性Tリンパ球に認識され、自己細胞毒性Tリンパ球が増殖する。
【0124】
抗原提示細胞へのイン・ビボでの取り込みを可能とするための同様の効果は腫瘍関連抗原またはそのフラグメントとアジュバントとを混合することにより達成できる腫瘍関連抗原またはそのフラグメントは、タンパク質、(例えば、ベクター内で)DNAまたはRNAとして表されうる。腫瘍関連抗原はプロセシングされてHLA分子に対するペプチドパートナーを生ずるが、そのフラグメントはさらなるプロセシングの必要なく提示されうる。後者は特に、それらがHLA分子に結合しうる場合である。完全な抗原が樹状細胞によってイン・ビボでプロセシングされる投与形態が好ましい。というのはこれによって有効な免疫応答に必要とされるヘルパーT細胞応答も産生されうるからである(Ossendorp et al.,Immunol Lett. 74:75-9、2000; Ossendorp et al.,J. Exp. Med. 187:693-702、1998)。一般に、例えば皮内注射によって患者に有効量の腫瘍関連抗原を投与することが可能である。しかし、注射はリンパ節内に行うことも可能である(Maloy et al.,Proc Natl Acad Sci USA 98:3299-303、2001)。それは樹状細胞への取り込みを促進する試薬と組み合わせて行うことも出来る。好ましい腫瘍関連抗原は、多くの癌患者の同種癌抗血清またはT細胞と反応するものを含む。しかし特に興味深いのは、自発的免疫応答が前から存在しないものに対するものである。明らかに、腫瘍を溶解しうるこれら免疫応答を誘導することが可能である(Keogh et al.,J. Immunol. 167:787-96、2001; Appella et al.,Biomed Pept Proteins Nucleic Acids 1:177-84、1995; Wentworth et al.,Mol Immunol. 32:603-12、1995)。
【0125】
本発明に記載の医薬組成物は、免疫化のためのワクチンとしても使用することもできる。本発明によると、"免疫化"または"ワクチン免疫化"なる用語は、抗原に対する免疫応答の上昇または活性化を意味する。腫瘍関連抗原またはそれをコードする核酸の使用により癌に対する免疫効果を試験するための動物モデルを使用することができる。例えば、ヒト癌細胞をマウスに導入して腫瘍を導き、腫瘍関連抗原をコードする1または複数の核酸を投与すればよい。癌細胞に対する効果(例えば、腫瘍サイズの低下)は、核酸による免疫化の有効性のための尺度として測定すればよい。
【0126】
免疫化用組成物の一部として、1または複数の腫瘍関連抗原またはその刺激性のフラグメントを1または複数のアジュバントとともに投与して免疫応答を誘導し、あるいは免疫応答を上昇させる。アジュバントは抗原に組み込まれるか、抗原と共に投与される物質であって、免疫応答を増強させるものである。アジュバントは、抗原蓄積(reservoir)の提供(細胞外またはマクロファージ中)、マクロファージの活性化および/または特定のリンパ球の刺激によって免疫応答を増強しうる。アジュバントは公知であり、これらに限定されないが以下を含む:一リン酸化脂質A(MPL, SmithKline Beecham)、サポニン、例えば、QS21(SmithKline Beecham)、DQS21(SmithKline Beecham; WO 96/33739)、QS7、QS17、QS18およびQS-L1(So et al.,Mol. Cell 7:178-186、1997)、フロイント不完全アジュバント、フロイント完全アジュバント、ビタミンE、モンタニド、ミョウバン、CpGオリゴヌクレオチド(Kreig et al.,Nature 374:546-9、1995参照)および生分解性油、例えば、スクアレンおよび/またはトコフェロールから調製される様々な油中水乳剤。好ましくは、ペプチドはDQS21/MPLとの混合物として投与する。DQS21とMPLの比は典型的には約1:10〜10:1であり、好ましくは約1:5〜5:1、特に約1:1である。ヒトへの投与用のワクチン製剤は典型的にはDQS21とMPLを約1μg〜約100μgの範囲で含む。
【0127】
患者の免疫応答を刺激するその他の物質を投与してもよい。例えば、リンパ球に対するその調節特性のため、サイトカインをワクチン免疫化に使用するのが可能である。かかるサイトカインには、例えばインターロイキン-12(IL-12)が含まれ、これは、ワクチンの保護作用を増強することが示されており(Science 268:1432-1434、1995参照)、またGM-CSFおよびIL−18も含まれる。
【0128】
免疫応答を増強し、それゆえワクチン免疫化に使用できる化合物が多数存在する。該化合物にはタンパク質または核酸の形態で提供される共刺激性分子が含まれる。かかる共刺激性分子の例はB7-1およびB7-2であり(それぞれCD80およびCD86)、樹状細胞(DC)上に発現されてT細胞上に発現するCD28分子と相互作用する。この相互作用は抗原/MHC/TCR−刺激(シグナル1)T細胞に対して共刺激(シグナル2)を提供し、それによって該T細胞の増殖およびエフェクター機能が増強される。B7はまたT細胞上のCTLA4(CD152)とも相互作用し、CTLA4およびB7リガンドについての研究から、B7-CTLA4相互作用は抗腫瘍免疫およびCTL増殖を増強しうることが示された(Zheng, P. et al.,Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95(11):6284-6289 (1998))。
【0129】
B7は典型的には腫瘍細胞では発現せず、したがってT細胞に対する有効な抗原提示細胞(APC)はない。B7発現の誘導は、腫瘍細胞がより有効に細胞毒性Tリンパ球の増殖とエフェクター機能を刺激するのを可能にする。B7/IL-6/IL-12の組み合わせによる共刺激により、T細胞集団におけるIFN−ガンマおよびTh1-サイトカインプロフィールの誘導が明らかとなり、その結果さらにT細胞活性が増強される(Gajewski et al.,J. Immunol. 154:5637-5648 (1995))。
【0130】
細胞毒性Tリンパ球の完全な活性化および完全なエフェクター機能には、ヘルパーT細胞上のCD40リガンドと樹状細胞によって発現されるCD40分子との相互作用を介する該ヘルパーT細胞の関与が必要である(Ridge et al.,Nature 393:474 (1998), Bennett et al.,Nature 393:478 (1998), Schonberger et al.,Nature 393:480 (1998))。この共刺激シグナルのメカニズムはおそらくB7産生の増加と関係があり、樹状細胞(抗原提示細胞)によるIL-6/IL-12産生を伴う。したがってCD40-CD40L相互作用はシグナル1(抗原/MHC-TCR)とシグナル2(B7-CD28)の相互作用を補充する。
【0131】
樹状細胞の刺激のための抗-CD40抗体の使用は、通常炎症応答の範囲外であるか、あるいは非プロフェッショナル抗原提示細胞(腫瘍細胞)によって提示される腫瘍抗原への応答を直接増強すると考えられる。これらの状況において、ヘルパーTおよびB7共刺激シグナルは提供されない。このメカニズムは、抗原でパルスされた樹状細胞に基づく治療との関連において、またはTヘルパーエピトープが既知のTRA前駆体で規定されていない状況において使用され得る。
【0132】
本発明はまた、核酸、ポリペプチドまたはペプチドの投与を提供する。ポリペプチドおよびペプチドはそれ自体公知の方法で投与すればよい。一実施態様において、核酸はエキソビボ方法で投与され、即ち、患者から細胞を取り出して、該細胞の遺伝子操作により腫瘍関連抗原を取り込ませ、変化した細胞を患者に再導入する。これは一般に患者の細胞への遺伝子の機能的コピーのイン・ビトロでの導入および遺伝的に変化した細胞の患者への再導入を含む。遺伝子の機能的コピーは調節要素の機能的制御下にあり、それによって遺伝子が遺伝的に改変された細胞で発現できる。トランスフェクションおよび形質導入方法は当業者に知られている。本発明はまた、ベクター、例えば、ウイルスおよび標的制御リポソームを用いることによるイン・ビボでの核酸の投与も提供する。
【0133】
好適な態様において、腫瘍関連抗原をコードする核酸の投与用のウイルスベクターは、以下からなる群から選択される:アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ポックスウイルス、例えば、ワクシニアウイルスおよび弱毒ポックスウイルス、セムリキ森林熱ウイルス、レトロウイルス、シンドビスウイルスおよびTyウイルス様粒子。特に好ましいのはアデノウイルスおよびレトロウイルスである。レトロウイルスは典型的には複製欠損のものである(即ち、それらは感染性粒子を産生できない)。
【0134】
本発明に従って、イン・ビトロまたはイン・ビボで細胞に核酸を導入するための様々な方法を利用できる。この種の方法には以下が含まれる:核酸 CaPO4沈殿のトランスフェクション、DEAEによる核酸トランスフェクション、目的の核酸を担持する上記ウイルスによるトランスフェクションまたは感染、リポソーム媒介トランスフェクションなど。特定の態様において、特定の細胞に核酸を送達するのが好ましい。かかる実施態様において、細胞への核酸の投与に用いられる担体(例えば、レトロウイルスまたはリポソーム)は結合標的制御分子を有していてもよい。例えば、分子、例えば標的細胞上の表面膜タンパク質または標的細胞上のレセプターのリガンドに特異的な抗体を核酸担体に組み込むか結合すればよい。好ましい抗体は、腫瘍関連抗原に選択的に結合する抗体を含む。リポソームを介した核酸の投与が望ましい場合、エンドサイトーシスに関連する表面膜タンパク質に結合するタンパク質をリポソーム製剤に組み込んで、標的制御および/または取り込みを可能とすればよい。かかるタンパク質には、特定の細胞型に特異的なキャプシドタンパク質またはそのフラグメント、取り込まれるタンパク質に対する抗体、細胞内部位に案内するタンパク質等が含まれる。
【0135】
本発明の治療用組成物は、医薬上許容し得る調製物中で投与され得る。かかる調製物は通常、医薬上許容し得る濃度の塩、緩衝物質、保存料、担体、補助免疫増強物質、例えば、アジュバント(例えば、CpGオリゴヌクレオチド)およびサイトカインならびに適切な場合、治療上活性なその他の化合物を含む。
【0136】
本発明の治療上活性な化合物はいずれの常套経路で投与してもよく、かかる経路には注射または注入によるものが含まれる。投与は例えば以下のように行えばよい:経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下または経皮。好ましくは、抗体は肺噴霧剤により治療的に投与される。アンチセンス核酸は好ましくは、ゆっくりと静脈内から投与される。
【0137】
本発明の組成物は有効量にて投与される。"有効量"とは、単独でまたはさらなる用量とともに、所望の反応または所望の効果を達成する量をいう。1または複数の腫瘍関連抗原の発現によって特徴付けられる特定の疾病または特定の症状を治療する場合、所望の反応は疾病の経過の阻害に関する。これには疾病の進行の遅延が含まれ、特に、疾病の進行の妨害である。疾患または症状の治療における所望の反応は該疾患または症状の発症の遅延または発症の予防であってよい。
【0138】
本発明の組成物の有効量は治療すべき症状、疾患の重症度、患者の個々のパラメーター、例えば、年齢、生理状態、身長および体重、治療期間、併用療法の種類(存在する場合)、投与の特定の経路およびそのような因子に依存する。
【0139】
本発明の医薬組成物は好ましくは無菌であり、所望の反応または所望の効果を達成するために有効量の治療上活性な物質を含む。
【0140】
本発明の組成物の投与用量は様々なパラメーター、例えば、投与タイプ、患者の症状、望ましい投与期間等に依存する。患者における反応が最初の用量で不十分な場合、より高い用量(あるいは別のより局所的な投与経路により達成される有効に高い用量)を用いればよい。
【0141】
一般に、1ng〜1mg、好ましくは10ng〜100μgの用量の腫瘍関連抗原を製剤し、治療用または免疫応答の誘導または上昇のために投与する。腫瘍関連抗原をコードする核酸(DNAおよびRNA)の投与が望ましい場合、1ng〜0.1mgの用量を製剤し、投与する。
【0142】
本発明の医薬組成物は、一般に医薬上許容される組成物中で医薬上許容される量を投与する。"医薬上許容される"なる用語は、医薬組成物の活性成分の作用と相互作用しない非毒性物質をいう。この種の調製物は通常、塩、緩衝物質、保存料、担体および適当な場合はその他の治療上活性な化合物を含む。医薬中に使用する場合、塩は医薬上許容されるものでなければならない。しかし、医薬上許容されない塩を用いて医薬上許容される塩を調製してもよく、これも本発明に含まれる。この種の薬理上および医薬上許容される塩としてはこれらに限定されないが、以下の酸から調製されるものが挙げられる:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、クエン酸、ギ酸、マロン酸、コハク酸など。医薬上許容される塩はアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩またはカルシウム塩として調製してもよい。
【0143】
本発明の医薬組成物は医薬上許容される担体を含んでいてもよい。本発明によると、"医薬上許容される担体"なる用語は、1または複数のヒトへの投与に好適な適合性の固体または液体充填剤、希釈剤またはカプセル化物質をいう。"担体"なる用語は、適用を促進するためにその中に活性成分が混合される天然または合成の有機または無機成分をいう。本発明の医薬組成物の成分は、通常、所望の医薬効果を実質的に損なう相互作用が起こらないようなものである。
【0144】
本発明の医薬組成物は、好適な緩衝物質、例えば塩中の酢酸、塩中のクエン酸、塩中のホウ酸および塩中のリン酸を含んでいてもよい。
【0145】
医薬組成物は、適当である場合、好適な保存料、例えば、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、パラベンおよびチメロサールを含んでいてもよい。
【0146】
医薬組成物は、通常均一な剤形において提供され、それ自体公知の方法で調製できるものである。本発明の医薬組成物はカプセル、錠剤、トローチ剤、懸濁液、シロップ、エリキシルの形態または例えば乳濁液の形態であってよい。
【0147】
非経口投与に好適な組成物は通常、活性化合物の無菌の水性または非水性調製物を含み、それは好ましくはレシピエントの血液と等張である。許容される担体および溶媒の例は、リンゲル液および等張食塩水である。さらに、通常、無菌の不揮発性油が溶液または懸濁液の媒体として用いられる。
【0148】
本発明を以下の図面と実施例によりさらに詳細に説明するが、これらは単に例示の目的であり、限定を意図するものではない。詳細な説明および実施例の記載により、本発明に含まれうるさらなる態様は当業者に明らかである。
【実施例】
【0149】
実施例:
材料および方法
用語"イン・シリコ"および"電子工学”とは、単に、データベースに基づく方法を利用することを意味し、研究室的実験過程をシュミレーションするのにも用いられる。
【0150】
特に断りのない限り、その他のすべての用語および表現は当業者に理解されるように用いられる。言及する技術および方法はそれ自体公知の方法で行い、例えば、以下に記載されている。Sambrook et al.、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、2nd Edition (1989) Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y。キットおよび試薬の使用を含むすべての方法は、製造業者の指示にしたがって行われる。
【0151】
実施例1:
腫瘍関連抗原を同定するためのデータ検索を基にしたストラテジー
本発明に従って、公共のヒトタンパク質および核酸データベースを、細胞表面上で到達し得る癌特異的抗原に関してスクリーニングした。可能であれば、全てのタンパク質を分析するための高処理方法と共に、それについて必要とされるスクリーニング基準の定義が、このストラテジーの中心的役割を形成する。
【0152】
出発点は、ヒトゲノムプロジェクトによって主に予測された潜在的遺伝子からなり、その遺伝子は国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)のRefSeqデータベース(Pruitt et al., Trends Genet. Jan; 16(1):44-47, 2000)に登録している唯一の例示的タンパク質(XP)またはmRNA(XM)として供託されている。別のアプローチにおいて、確認されたタンパク質登録物(NP)、同じデータベースのそれぞれに対応するmRNA(NM)を、同じ方法で分析した。遺伝子→mRNA→タンパク質の基本的原理(仮説)に従って、該タンパク質を、タンパク質分析のための複数の予測プログラムを組み合わせて、トランスメンブレンドメインの存在についてまず試験した。RefSeqデータベースのヒトXP分画の19 544登録物の全てを、スクリーニング基準を満足させる2025仮説タンパク質と共に分析した。ヒトNP分画は、全19 110の登録物を提供したが、フィルター処理した結果、その一部の4634タンパク質が得られた。
【0153】
これらの2025および4634のタンパク質に各々に対応するmRNAを、次いで、それぞれ、BLASTアルゴリズム(Altschul et al.,Nucleid Acid Res. 25:3389-3402,1997)を用いてNCBIのESTデータベース(Boguski et al., Nat. Genet. 4(4):332-333,1993)においてホモロジー探索に供した。この探索におけるスクリーニング基準を、厳格に設定した。1270の仮説的mRNAの全ては、ESTデータベースにおいて少なくとも1つのヒットを記録したが、あるケースにおいて、ヒット数は1000を超えた。
【0154】
次に、基礎をなすcDNAライブラリーの組織特異的起源および該ライブラリーの名前を、これらの有効なヒット各々について決定した。それらから得た組織を、重要でない臓器(グループ3)から、絶対的に重要な臓器(グループ0)まで、4つの異なるグループに分けた。もう一つのグループであるグループ4は、癌組織から得たあらゆるサンプルからなる。この5つのグループに対するヒットの分布を表に記録し、グループ0−2の合計に対するグループ3と4の合計の最良の比率に従って分類した。そのESTヒットが、もっぱら癌組織由来mRNAが最上位に達し、その次は、グループ3の重要でない臓器の組織中でmRNAが見出された。
【0155】
最初のアプローチで決定された転写物および対応するタンパク質が、まず仮説的構築体であるため、さらなるスクリーニング基準を、mRNAが存在し、従ってタンパク質も実在することを証明する意図をもって用いた。この目的のために、各mRNAを、予測された遺伝子座と比較した。少なくとも1つのスプライシング過程をもっている、すなわち少なくとも2つのエクソンにわたって分散する転写物のみをより詳細な分析に使用した。
【0156】
記載した全てのフィルター物の連続適用により、予測したトランスメンブレンドメインおよびそれに関連したトポロジーから、細胞外で到達し得ると考えられ得る本発明の腫瘍関連抗原を導いた。ESTデータから誘導された発現プロファイルは、全てのケースにおいて、せいぜい重要でない臓器にのみにしか広がり得ない癌特異的発現を示す。
【0157】
実施例2:
イン・シリコ分析によって同定された腫瘍関連抗原を確認するストラテジー
該標的を、免疫療法目的(モノクローナル抗体、ワクチン化、T細胞レセプター介在治療法、を用いる抗体治療;cf. EP B 0 879 282)のための標的、または癌治療治療において、また診断上の問題のための他の標的化アプローチ(小分子化合物、siRNA等)を利用するために、本発明に従って同定される該標的の確認は、中心的重要なことである。この関連において、検証は、RNAおよびタンパク質レベルの両方で発現分析により実施される。
【0158】
1.RNA発現の試験
同定される腫瘍抗原は、種々の組織または組織特異的細胞系から得るRNAにより、まず評価される。健常組織を腫瘍組織と比較した示差発現パターンは、二次的治療用途のために決定的な重要性に関するものであるので、該標的遺伝子はこれらの組織サンプルを用いて特徴分析されるのが好ましい。
【0159】
全RNAを、分子生物の標準的方法によってネイティブ組織サンプルまたは腫瘍細胞系から単離する。この単離は、例えば、製造者指示書に従って、RNeasy Maxiキット(Qiagen, Cat. No. 75162)を用いて実施し得る。この単離方法は、カオトロピック試薬グアニジウムイソチオシアネートの使用に基づく。代わりとして、酸性フェノールも、単離(Chomczynski & Sacchi, Anal. Biochem. 162:156-159,1987)に使用され得る。組織を、グアニジウムイソチオシアネート処理した後、酸性フェノールを用いてRNAを抽出し、次いでイソプロパノールにより沈殿させ、DEPC処理水に抽出した。
【0160】
次いで、この方法で単離されたRNA(2−4μg)を、例えばSuperscript II (Invitrogen)を用いて製造者の指示書に従って、cDNAに転写した。cDNA合成を、関連のある製造者の標準的プロトコールに従ってランダムヘキサマー(例えば、Roch Diagnostics)と共にプライミングした。品質制御のために、cDNAを、非常に低く発現するp53遺伝子に特異的なプライマーを用いて、30サイクル以上増幅させた。p53陽性cDNAサンプルのみを、次の反応工程に使用した。
【0161】
該標的を、様々な正常および腫瘍組織および腫瘍細胞系から単離したcDNAアーカイブに基づいてPCRまたは定量的PCR(qPCR)により発現分析を実行することによって、詳細に分析した。この目的のために、上記反応混合物のcDNA(0.5μl)を、具体的な製造者のプロトコール(反応混合物の全量:25−50μl)に従って、DNAポリメラーゼ(例えば、1UのHotStarTaq DNAポリメラーゼ, Qiagen)を用いて増幅した。このポリメラーゼとは違って、該増幅混合物は、0.3mM dNTP、反応緩衝液(DNAポリメラーゼの製造会社によるが、終濃度1×)および各ケース中0.3 mM 遺伝子特異的フォワードおよびリバースプライマー、を含む。
【0162】
標的遺伝子の特異的プライマーは、可能な限り、ゲノムコンタミネーションから偽陽性結果を導かないように、それらを2つの異なるエクソンに位置づけるような方法で選択される。非定量的エンド・ポイントPCRにおいて、cDNAを、一般的にDNAを変性させ、Hot-Start酵素を活性化させるために、95℃で15分間インキュベートした。次にDNAを35サイクル以上(95℃で1分、プライマー-特異的ハイブリダイゼーション温度(おおよそ55-65℃)で1分、アンプリコンを伸張させるために1分72℃で)増幅した。次に、PCR混合物(10μl)を、アガロースゲルに適用し、電子フィールドで分画した。DNAを、臭化エチジウムで染色することによって、ゲルで可視化し、PCRの結果を像撮した。
【0163】
従来のPCRに代えて、標的遺伝子の発現を定量的リアルタイムPCRによって分析し得る。多様な分析システムは、この分析に利用されているが、この最もよく知られている方法は、ABI PRISM 配列検出システム、iCycler(Biorad)およびLight Cycler (Roch Diagnostics)である(TaqMan, Applied Biosystem)。上記のとおりに、特異的PCR混合物を該リアルタイム機器内で実行に供した。DNA挿入染色剤(例えば、臭化エチジウム、CybrGreen)を添加することによって、新しく合成したDNAを特異的光励起(染色の製造者情報に従って)により可視化した。増幅中に測定した多数の測定点により、全過程をモニターでき、標的遺伝子の核酸濃度を定量的に判定できる。PCR混合物を、ハウスキーピング遺伝子(例えば、18S RNA、β-アクチン)を測定することによって、標準化した。蛍光的に標識化したDNAプローブを介する別のストラテジーは、同様に特異的組織サンプル中の標的遺伝子の定量測定を可能にする(参照、Applied BiosystemsからのTaqMan を参照されたい)。
【0164】
2.クローニング
腫瘍抗原の別の特性分析を必要とする完全な標的遺伝子は、一般の分子物学的方法(例えば、"Current Protocol in Molecular Biology", John Wiley & Sons Ltd., Wiley InterScience)に従ってクローニングした。標的遺伝子をクローニングするか、またはその配列を分析するために、該遺伝子を、まずプルーフリーディング機能(例えば、pfu、Roche Diagnostics)を有するDNAポリメラーゼによって増幅した。次いで、該アンプリコンを、クローニングベクター中に標準的方法によってライゲートした。陽性クローンを、配列分析によって同定し、次に予測プログラムおよび既知のアルゴリズムにより分析した。
【0165】
3.タンパク質の予測
本発明に従って見出された多くの遺伝子(特に、RefSeqXMドメインからのものである)から、完全長の遺伝子のクローニング、オープン・リーディング・フレームの決定およびタンパク質配列の推理および分析を必要とする遺伝子を新たに発見した。完全長配列をクローニングするために、我々は、cDNAエンドの急速な増幅および遺伝子特異的プローブを用いるcDNA発現ライブラリーのスクリーニングのための一般プロトコール(Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboraory Manual, 2nd edition (1989), Cold Spring Harbor Laboraory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.)を用いた。
【0166】
この方法で見出されたフラグメントをアッセンブルした後、潜在的なオープン・リーディング・フレーム(ORF)を、一般的な予測プログラムを用いて予測した。ポリA尾部およびポリアデニル化モチーフの位置により潜在的遺伝子産物の配向が予め決定されるので、特定配向の3つのリーディングフレームだけが、可能な6つのリーディングフレームの中に残る。前者は、しばしば、タンパク質をコードし得る1つの十分に大きなオープン・リーディング・フレームのみを産生するが、一方別のリーディングフレームは、ストップコドンが多すぎ、あらゆる現実的なタンパク質をコードしない。別のオープン・リーディング・フレームの場合には、至適な転写開始のためのKozak 基準を考慮すること、および起こり得る推定タンパク質配列を分析することによって、オーセンティックなORFの同定の助けとなる。該ORFは、潜在的ORFから推定されたタンパク質に対する免疫性血清を生成することによって、そして組織および細胞系において実際のタンパク質を認識するために該免疫性血清を分析することによってさらに検証される。
【0167】
4.抗体の産生
本発明によって同定される腫瘍関連抗原は、例えば抗体を用いることによって分析される。本発明は、抗体に関する診断上または治療上の使用をさらに含む。抗体は、元々のおよび/または変性状態(Anderson et al., J. Immunol. 143: 1899-1904, 1989; Gardsvoll, J. Immunol. Methods 234: 107-116, 2000; Kayyem et al., Eur. J. Biochem. 208: 1-8,1992; Spiller et al., J. Immunol. Methodss 224: 51 60,1999)においてタンパク質を認識し得る。
【0168】
標的タンパク質に特異的に結合する特異的抗体を含む抗血清を、様々な標準的方法によって調製し得る;例えば、"Monoclonal Antibody: A Practical Approach" by Phillip Shepherd, Christopher Dean ISBN 0-19-963722-9," Monoclonal Antibody: A Laboratory Manual" by Ed Harlow, David Lane ISBN: 0879693142 and "Using Antibody: A Laboratory Manual: Portable Protocol NO" by Edward Harlow, David Lane, Ed Harlow ISBN: 0879695447。それらの本来の形態において複合膜タンパク質を認識するアフィン(affine)および特異的抗体を生成することも可能である(Azorsa et al., J. Immunol. Methods 229: 35-48, 1999; Anderson et al., J. Immunol. 143: 1899-1904,1989; Gardsvoll, J. Immunol. Methods. 234: 107-116,2000)。これは、治療上の使用だけでなく、多くの診断用途についての使用を意図される抗体調製の際に特に重要である。この目的のために、全長タンパク質および細胞外の部分配列の両方が免疫化に使用され得る。
【0169】
ポリクローナル抗体の免疫化および産生
動物種(例えば、ウサギ、マウス)を、所望の標的タンパク質の最初の注射により免疫化する。免疫原に対する動物の免疫応答を、所定の時間内での(先の免疫化の約2−4週間後)2回目または3回目の免疫化によって増強し得る。様々な所定の時間後に(最初の採血は4週間後、次いで約2週間毎に計5回までの採血)、血液を動物から採取し、免疫血清を得た。この方法で採取した免疫性血清は、フロー・サイトメトリー、免疫蛍光または免疫組織化学により、ウェスタン・ブロッティングにおける標的タンパク質を検出し、分析され得るのに使用し得るポリクローナル抗体を含む。
【0170】
動物は、通常4つの十分に確立された方法の1つで免疫するが、その他の方法も利用できる。免疫化は、標的タンパク質に特異的なペプチドを用いて、この全長タンパク質または実験的にまたは予測プログラムによって同定できるタンパク質の細胞外部分配列を用いて行い得る。予測プログラムは常に完全に機能するわけではないので、トランスメンブレンドメインによって互いに分離された2つのドメインを用いることも可能である。この場合、2つのドメインのうち1つは、細胞外に存在すべきである、こうすると実験的に証明され得る(下記を参照)。
【0171】
(1)第一の場合において、ペプチド(長さ:8−12個のアミノ酸)をイン・ビトロ方法(業者サービスによって行い得る)によって合成し、ペプチドを免疫化に使用する。通常、3回の免疫化を行う(例えば、5−100μg/免疫化の濃度)。免疫化を、商業的サービスのプロバイダーによって実施し得る。
【0172】
(2)あるいは、免疫化は組換えタンパク質を用いて実施され得る。この目的のため、標的遺伝子のクローニングされたDNAを発現ベクターにクローニングし、標的タンパク質を、特定の製造業者の条件と同様に、例えば細胞不含イン・ビトロにおいて、細菌(例えば、E. coli)中、酵母(例えば、S. pombe)中、昆虫T細胞または哺乳動物細胞中で合成する(例えば、Roche Diagnostics, Invitrogen, Clontech, Qiagen)。標的タンパク質を、ウイルス発現系(例えば、バキュロウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス)を用いて合成することが可能である。該系のいずれかでの合成後、通常、クロマトグラフ方法を用いて標的タンパク質を精製する。これに関して、精製(例えば、Hisタグ、Qiagen;FLAGタグ、Roche Diagnostics; GST融合タンパク質)のためのたすけとして、分子アンカーを有する免疫化タンパク質を使用してもよい。多様なプロトコールが、例えば以下においてみられる"Current Protocol in Molecular Biology", John Wiley & Sons Ltd., Wiley Interscience。標的タンパク質が精製された後、免疫化を上記のとおりに実施する。
【0173】
(3)所望のタンパク質を内因的に合成する細胞系が利用できる場合、この細胞系を用いて、特異的抗血清を産生するために直接使用することができる。この場合、免疫化を、各回約1−5×10細胞により1−3回の注射で実施する。
【0174】
(4)免疫化は、DNAを注射することによって実施し得る(DNA免疫化)。この目的のために、標的遺伝子を、標的配列が強力な真核生物プロモーター(例えば、CMVプロモーター)の制御下となるように、まず発現ベクターにクローニングする。次に、DNA(例えば、注射あたり1−10μg)を、遺伝子銃を用いて生物(例えば、マウス、ウサギ)における強い血流を有する毛細血管領域に、免疫原として移入した。移入されたDNAは、動物細胞に取り込まれ、標的遺伝子が発現し、該動物は最終的に標的タンパク質に対する免疫応答を発生させる(Jung et al., Mol.Cells 12: 41 49, 2001; Kasinrerk et al., Hybrid Hybridomics 21: 287-293, 2002)。
【0175】
モノクローナル抗体の産生
モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ技術(技術詳細:"Monoclonal antibodies: A Practical Approach" by Philip Shepherd, Christopher Dean ISBN 0 19 963722 9; " Antibodies: A Laboratory Manual" by Ed Harlow, David Lane ISBN: 0 87 9693142, "Using antibodies: A Laboratory Manual: Portable Protocol NO" by Edward Harlow, David Lane, Ed Harlow ISBN: 0 87 9695447)の助けにより伝統的に産生される。使用する新しい方法は"SLAM"技術である。ここでは、B細胞は全血から単離され、該細胞がモノクローナルを作成する。次いで、単離B細胞の上清を、その抗体特異性について分析する。ハイブリドーマ技術とは対照的に、抗体遺伝子の可変領域を、1細胞のPCRによって増幅し、適当なベクターにクローニングした。この方法において、モノクローナル抗体の産生が促進される(de Wildt et al., J. Immunol. Methods 207:61-67,1997)。
【0176】
5.抗体を用いるタンパク質-化学的方法によって標的物の検証
上記した通りに産生され得る抗体を使用して、標的タンパク質について多くの重要な説明をなす。標的タンパク質の評価に関する下記分析は特に有用である:
【0177】
抗体の特異性
細胞培養に基づくアッセイ、次いでウェスタン・ブロッティングは、抗体が所望の標的タンパク質にのみ特異的に結合するという事実を証明するために最も適当である(様々なバリエーションが例えば"Current Protocol in proteinas chemistry", John Wiley & Sons Ltd., Wiley InterScienceに記載されている)。これを示すために、細胞に、強力な真核生物プロモーター(例えば、サイトメガロウイルスプロモーター;CMV)の制御下の標的タンパク質に対するcDNAで形質転換した。広範で多様な方法(例えば、エレクトロポーレーション、リポソームを基にした形質転換、リン酸カルシウム沈殿)が、cDNAを用いる細胞系の形質転換について十分確立されている(例えば、Lemoine et al., Methods Mol. Biol. 75: 441-7,1997)。あるいは、標的遺伝子を内因的に発現する細胞系を使用することも可能である(標的遺伝子特異的RT−PCRを介する検出)。コントロールとして、理想的な場合においては、相同遺伝子を実験においてトランスフェクトし、以下のウェスタン・ブロッティングにおいて分析する抗体の特異性を確認することができる。
【0178】
次いで、ウェスタン・ブロッティングにおいて、標的タンパク質を含有する可能性のある細胞培養物または組織サンプルからの細胞を、1%強度のSDS溶液で溶解し、タンパク質をこの過程において変性させ得る。溶解液を、8−15%強度の変性ポリアクリルアミドゲル(1%SDS含有) (SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動、SDS PAGE)での電気泳動によりサイズに応じて分画する。次いで、タンパク質を、複数のブロッティング方法の一つによって、特定メンブレン(例えば、ニトロセルロース, Schleicher & Schuell)に移す(例えば、セミドライエレクトロブロット;Biorad)。所望のタンパク質を、このメンブレン上で可視化し得る。この目的のために、該膜を、まず標的タンパク質を認識する抗体(該抗体の特異性に応じて希釈約1:20−1:200)と60分間インキュベートする。洗浄工程後、該膜をマーカー(例えば、酵素、例えばペルオキシダーゼまたはアルカリフォスファタ−ゼ)と結合し、一次抗体を認識する二次抗体とインキュベートする。次いで、染色または化学ルミネセンス反応(例えばECL、Amersham Bioscience)において、標的タンパク質を膜上で可視化し得るようにすることができる。標的タンパク質に対して高い特異性を有する抗体は、理想的な場合において、所望のタンパク質それ自身のみを認識するはずである。
【0179】
標的タンパク質の局在性
様々な方法を使用して、イン・シリコアプローチで同定された標的タンパク質の膜局在性を確認する。上記抗体を用いる重要かつ十分に確立された方法は、免疫蛍光(IF)である。この目的のために、標的タンパク質(RT−PCRによるRNAまたはウェスタン・ブロッティングによるタンパク質の検出)を合成するか、またはプラスミドDNAを用いて形質転換した樹立細胞系の細胞が利用される。広範で多様な方法(例えば、エレクトロポーレーション、リポソームを基にした形質転換、リン酸カルシウム沈殿)は、DNA(例えば、Lemoine et al., Methods Mol. Biol. 75: 441 7,1997)による細胞系の形質転換のために十分確立されている。細胞に形質転換されたプラスミドは、免疫蛍光において、非修飾タンパク質をコードするかあるいは標的タンパク質に様々なアミノ酸マーカーを結合させうる。主要マーカーは、例えば、蛍光性の様々な蛍光形態にある緑色蛍光タンパク質(GFP)、6−12個のアミノ酸の短いペプチド配列であって、それに対する高い親和性および特異的抗体が利用し得るもの、あるいはそのシステイン特異的蛍光物質(Invitrogen)を介して結合し得る短いアミノ酸配列Cys−Cys−X−X−Cys−Cysである。標的タンパク質を合成する細胞は、例えばパラホルムアルデヒドやメタノールを用いて固定される。該細胞は、その後所望により界面活性剤(例えば、0.2% Triton X 100)とのインキュベーションによって透過性となる。次いで、細胞を標的タンパク質または結合マーカーの1つに対する一次抗体とともにインキュベートする。洗浄工程後、混合物を、一次抗体に結合する蛍光マーカー(例えば、フルオレセイン, Texas Red, Dako)と結合した二次抗体と共にインキュベートする。この方法で標識した細胞を、次いでグリセロールで被覆し、製造者説明書に従って蛍光顕微鏡により分析する。この場合、特異的蛍光発光は、用いる物質に応じた特異的励起によって達成される。通常、この分析により、標的タンパク質の確実な局在性が認められ、抗体の質および標的タンパク質は、標的タンパク質に加えて、その局在が既に文献に記載されている結合したアミノ酸マーカーまたはその他のマーカータンパク質の染色をする二重染色によって確認される。GFPおよびその誘導体は、特定のケースを示しており、直接励起可能であり、それ自体蛍光を発する。界面活性剤の使用を通じて制御され得る膜透過性は、免疫原性エピトープが細胞の内側または外側のいずれに位置づけらているかを免疫蛍光において示すことができる。このようにして、選択されたタンパク質の予測は実験的に支持される。一方、別の可能性は、フロー・サイトメトリーにより細胞外ドメインを検出することである。この目的のために、細胞は非透過性条件下(例えば、PBS/Na アジド/2% FCS/5mM EDTAを用いて)で固定され、製造者指示書に従ってフローサイトメーターにて分析される。細胞外エピトープのみが、この方法で分析されるべき抗体によって認識され得る。免疫蛍光との差違は、例えばヨウ化プロピジウムまたはトリパンブルーを用いて死細胞と生存細胞とを区別できること、すなわち偽陽性の結果を避けることである。
【0180】
別の重要な検出は、特異的組織サンプルに対する免疫組織化学(IHC)によるものである。この方法の目的は、機能的にインタクトな組織集合体において、タンパク質の局在性を同定することである。IHCは特に以下に役立つ:
(1)腫瘍および正常組織における標的タンパク質の量の算出を可能とすること、
(2)どの程度の多くの腫瘍および健常組織における細胞が標的遺伝子を合成するかを分析すること、および
(3)標的タンパク質が検出し得る組織における細胞タイプ(腫瘍または健常細胞)を規定すること。一方、標的遺伝子のタンパク質の量は、デジタルカメラおよび適当なソフトウェア(例えば、Tillvision, Till-photonics, Germany)を用いる組織免疫蛍光によって定量化され得る。この技術は、頻繁に出版されており、そのため、染色の詳細および顕微鏡は、例えば以下にみることができる:"Diagnostic Immunohistochemistry" by David J., MD Dabbs ISBN: 0 44 3065667またはin "Microscopy, Immunohistochemistry, and Antigen Retrieval Methods: For Light and Electron Microscopy" ISBN: 0 30 6467704。抗体の特性により、有意な結果を得るために様々なプロトコールが使用されるべきであることに留意すべきである(一例を下記にしめす)。
【0181】
通常、組織学的に規定された腫瘍組織および、参照として、対応する健康組織をIHCに用いる。標的遺伝子の存在がRT−PCR分析によって知られている陽性および陰性コントロール細胞系を用いることも可能である。バックグラウンドコントロールは常に含まれなければならない。
【0182】
4ホルマリン固定(別の、例えばメタノールを用いる固定化方法も可能である)およびμmの厚さのパラフィン包埋組織片を、ガラス支持体にのせ、例えばキシレンにより脱パラフィン化する。サンプルを、TBS−Tで洗浄し、血清中でブロッキングする。この後、次いで一次抗体(希釈1:2〜1:2000)と共に1−18時間インキュベーションし、通常、アフィニティー精製した抗体を使用する。洗浄工程に続いて、アルカリフォスファタ−ゼ(あるいは:例えば、ペルオキシダーゼ)と結合した、一次抗体に対する二次抗体と約30−60分間インキュベーション行う。この後、該アルカリフォスファタ−ゼ(cf.例えば, Shi et al., J. Histochem. Cytochem. 39: 741-748,1991; Shin et al., Lab. Invest. 64: 693-702,1991)を用いる染色反応に供する。抗体特異性を示すために、免疫原を前もって添加することによって反応をブロッキングできる。
【0183】
タンパク質修飾の分析
二次的タンパク質修飾、例えば、N−およびO−グリコシル化またはミリストイル化などは、免疫原性エピトープへの接近の可能性を損なうかまたは完全に防ぎ、そのため抗体治療の効力に疑問を呼ぶ。さらに、二次修飾のタイプと量が、正常組織および腫瘍組織において異なることを示している(例えば、Durand & Seta, 2000; Clin. Chem. 46: 795-805; Hakomori, 1996; Cancer Res. 56: 5309-18)。それ故に、これらの修飾の分析は、抗体の治療的成功に重要である。潜在的な結合部位は、特異的アルゴリズムによって予測され得る。
【0184】
タンパク質修飾の分析は、通常、ウェスタン・ブロッティング(上記を参照されたい)によって行う。通常、数kDaのサイズを有するグリコシル化により、標的タンパク質の総分子量が大きくなり、これらはSDS−PAGEで分画できる。特異的O−N−グリコシルド結合、タンパク質分解物を検出するために、O−またはN−グリコシラーゼ(それぞれの製造者の指示書に従って、例えばPNgase、エンドグリコシラーゼF、エンドグリコシラーゼH、Roche Diagnostics)を用いてインキュベートし、SDSによって変性させる。この後に、上記のとおりにウェスタン・ブロッティングを行う。こうして、グリコシダーゼとのインキュベーションの後、標的タンパク質のサイズが低下していれば、特異的グリコシル化を検出することができ、このようにして修飾の腫瘍特異性を分析できる。
【0185】
標的遺伝子の機能分析
標的分子の機能は、その治療有用性については重要である。これは、機能分析が治療上利用し得る分子の特性分析における重要成分であるからである。機能分析は、細胞培養実験の細胞において、または他のイン・ビボ動物モデルにより行い得る。これは、変異による標的分子の遺伝子のスイッチ・オフ(ノックアウト)、あるいは細胞または生物体への標的配列の挿入(ノックイン)のいずれかを包含する。このように、まず分析されるべき(機能損失)遺伝子機能を損失するやり方によって、細胞コンテクストにおいて機能修飾を分析することが可能である。第二のケースにおいて、分析される遺伝子の添加によって生じた修飾は、分析され得る(機能獲得)。
【0186】
a.細胞における機能分析
トランスフェクション
機能獲得を分析するために、標的分子の遺伝子を細胞に移入すべきである。この目的のために、標的分子を合成し得る細胞を、DNAで形質転換する。通常、本明細書中標的分子の遺伝子は、強力な真核生物プロモーター(例えば、サイトメガロウイルスプロモーター;CMV)の下に存在する。広範で多様な方法(例えば、エレクトロポーレーション、リポソームを基にしたトランスフェクション、リン酸カルシウム沈殿)は、DNAにより細胞系を形質転換するために十分確立されている(例えば、Lemoine et al., Methodd Mol. Biol. 75: 441-7,1997)。遺伝子を、一過的に、ゲノムを組み込まずに、あるいは安定に、ゲノムを組み込んで、例えばネオマイシン選択後にいずれかを合成し得る。
【0187】
RNA干渉(siRNA)
細胞中の標的分子の完全な機能損失を誘導し得る標的遺伝子の発現の阻害は、RNA干渉(siRNA)技術によって生じ得る(Hannon, GJ. 2002. RNA. Nature 418: 244 51; Czauderne et al. 2003. Nucl. Acid Res. 31: 670 82)。この目的のために、細胞を、標的分子に特異的である、約20−25のヌクレオチド長の短い二本鎖RNA分子で形質転換した。次いで、酵素的方法により、標的遺伝子の特異的RNAの分解を生じ、このため標的タンパク質の機能阻害を生じ、この結果、標的遺伝子が分析可能となる。
【0188】
次いで、トランスフェクションまたはsiRNAの手段によって修飾された細胞系を、様々な方法で分析した。最も一般的な例を次に示す。
【0189】
1.増殖および細胞周期挙動
細胞増殖を分析するための多様な方法は、確立されており、様々な会社により商業的に供給されている(例えば、Roche Diagnostics, Invitrogen; アッセイ方法の詳細は、多くの適用プロトコールで説明されている)。細胞培養実験における多くの細胞は、単に計測することによって、または細胞の代謝活性を測定する比色分析アッセイ(例えば、wst1、Roche Diagnostics)によって決定され得る。代謝アッセイ方法では、酵素マーカーを介して直接実験で細胞の数を測定する。細胞増殖は、DNA合成の速度を分析することによって直接測定され得る、例えばブロモデオキシウリジン(BrdU)を添加することによって、結合したBrdU特異的抗体を介して比色分析的に検出される。
【0190】
2.アポトーシスおよび細胞毒性
細胞アポトーシスおよび細胞毒性を検出するための多数のアッセイ系は利用できる。この決定的な特徴は、不可逆的であり、細胞の確実な死を生じる、具体的な酵素依存性のゲノムDNAのフラグメント化である。これらの特定のDNAフラグメントを検出する方法は、市販購入し得る。利用し得る別の方法は、組織片中の壊れたDNA一本鎖を検出できるTUNELアッセイである。細胞毒性は、細胞の生存状態のマーカーとして機能する細胞透過性の変化により主に検出される。これは、一方、細胞培養上清中の細胞内で通常見出され得るマーカーの分析を包含する。他方で、インタクト細胞によって吸収されない染色マーカーの吸収性を分析することも可能である。最もよく知られた染色マーカーの例は、トリパンブルーおよびヨウ化プロピジウムであり、一般的な細胞内マーカーは、上清中で酵素的に検出されうる乳酸脱水素酵素である。多様な市販製造会社(例えば、Roche Diagnostics, Invitrogen)の様々なアッセイ系が利用できる。
【0191】
3.遊走アッセイ
細胞の遊走能力を、特異的遊走アッセイで、好ましくは、Boyden チャンバー(Corning Costar) (Cinamon G., Alon R. J. Immunol. Methods. 2003 Feb; 273(1-2):53-62; Stockton et al. 2001.Mol. Biol.Cell. 12: 1937-56)を用いて分析した。この目的のために、細胞を特異的な孔サイズを有するフィルター上で培養した。遊走し得る細胞は、このフィルターを通って、別の培養容器に遊走し得る。次いで、顕微鏡分析の後、標的分子の機能獲得または機能損失によって誘導された遊走挙動に関する起こり得る変化を判定することができる。
【0192】
b.動物モデルにおける機能分析
標的遺伝子機能を分析するための細胞培養実験の可能な別法は、動物モデルでのイン・ビボ実験では複雑とされる。細胞を基にした方法と比較すると、これらのモデルデルは、全生物の中で、唯一検出し得る欠陥のある進化または疾病を検出し得る利点を持つ。ヒトの疾患について複数のモデルは現在利用できる(Abate-Shen & Shen. 2002.Trends in Genetics S1-5; Matsusue et al. 2003.J. Clin. Invest. 111:737-47)。様々な動物モデル、例えば酵母、線虫またはゼブラダニオ(zebra fish)が集中して特徴分析されてきた。しかし、その他の種よりも好ましいモデルは、哺乳動物モデル、例えばマウス(Mus musculus)であり、それらがヒトの事象内において生物学的過程を再現する最良の可能性を与えるためである。一方、マウスについて、新規遺伝子をマウスのゲノムに組み込むトランスジェニック法が、近年確立されてきた(機能獲得;Jegstrup I. et al. 2003. Lab Anim. 2003 Jan.; 37(1):1−9)。一方、別法としては、マウスゲノム中の遺伝子をスイッチ・オフし、そうして所望の遺伝子の機能喪失を誘導する(ノックアウトモデル、機能喪失;Zambrowicz BP & Sands AT. 2003.Nat. Rev. Drug Discov. 2003 Jan; 2(1):38-51; Niwa H. 2001.Cell Struct. Funct. 2001 Jun; 26(3):137-48); 技術詳細は数多く出版されてきた。
【0193】
マウスモデルを作成した後、トランスジーンにより誘導されか、または遺伝子の機能喪失によって誘導された変更は、全生物にわたって分析され得る(Balling R, 2001.Ann. Rev. Genomics Hum. Genet. 2:463-92)。このように、例えば、挙動試験に加えて確立した血液パラメーターを生物化学的に試験することもできる。組織学的分析、免疫組織化学または電子顕微鏡から、この変更を細胞レベルで特徴分析できる。遺伝子の特異的発現パターンを、イン・シチュ・ハイブリダイゼーションによって検出し得る(Peters T. et al. 2003.Hum. Mol. Genet 12:2109-20)。
【0194】
実施例3:診断上および治療上の癌標的として配列番号1/2の同定
配列番号:1(核酸配列)は、染色体6(6q26-27)上の新規遺伝子によってコードされており、推定タンパク質配列(配列番号:2)を示す。この遺伝子座の別のオープン・リーディング・フレームは、推定タンパク質配列の配列番号:268をコードする配列番号:267である。両タンパク質の配列は、以前から既知のタンパク質との相同性をしめさなかった。
【0195】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプルにおける遺伝子特異的転写産物の量を、特異的な定量的RT−PCR(プライマー対配列番号:3および4)の確立後に調べた。
【0196】
転写産物は分析したいずれの正常な組織においても検出されなかった。驚くべきことに我々は、その遺伝子は本来の組織として正常な皮膚では発現しなかったが(図1)、試験したほとんど全ての黒色腫サンプルで相当な転写産物の量を非常に特異的に検出した。黒色腫に対するこのマーカーの選択性を、従来のRT−PCRによって確認した(図2)。驚くべきことに、我々は、遺伝子特異的変異体(おそらく配列番号:1および配列番号:267)を反映する、2つのフラグメントをこの過程で増幅した。
【0197】
このように、我々は、この遺伝子が、黒色腫細胞について完全な特異的マーカーであり、試験された各正常な組織には存在しないため、治療および診断上のアプローチのためのバイオマーカーとして適当であることを示す。
【0198】
特に、本発明に従って、モノクローナル抗体の標的構造として配列番号:2または268の細胞外部分を利用することが可能となる。これは、とりわけ、次のエピトープである:配列番号:2に基づくアミノ酸1−50、配列番号:268に基づくアミノ酸1−12、配列番号:2に基づくアミノ酸70-88、配列番号:268、および配列番号:281に基づくアミノ酸33-129。
【0199】
本発明に従って、ワクチンなどのその他の標的配向性アプローチ、ならびに標的構造としてこの遺伝子のみを有し、そのためいずれの健常細胞にも影響しない小分子化合物を用いる治療は、治療用に想像し得るものでもある。該遺伝子は、腫瘍細胞に対するその選択性のために、診断に利用され得る。
【0200】
実施例4:診断上および治療上癌の標的としての配列番号:5/6の同定
配列番号:5(核酸配列)は、染色体11(11q12.1)上の新規遺伝子によってコードされ、推定タンパク質配列(配列番号:6)を示す。この遺伝子座の別のオープン・リーディング・フレームは、推定タンパク質配列の配列番号:270をコードする配列番号:269である。両タンパク質配列は、以前から既知のタンパク質との相同性を示さない。
【0201】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプルにおける遺伝子特異的転写産物の量(各々のケースにおけるサンプルのプール)を、遺伝子特異的定量的RT−PCR(プライマー対、配列番号:7および8)を確立し、試験した。我々は、睾丸を除く試験した健常組織では、少しも特異的RNAを検出できないか、あるいはできたとしても非常に少量のみであった(図3;A.定量的RT−PCR;B.ゲル撮像)。
【0202】
結果として、胚細胞-特異的遺伝子産物を発現する高確率の座が存在する。しかし、この遺伝子は、多くの腫瘍サンプル中で活性化され、特異的RNAは実質的な量で検出できた(図3)。最も高い罹患率および発現レベルを腎臓細胞腫瘍で見出した。しかし、特異的転写物は、胃、脾臓、ENTおよび肺癌で検出され得る(図4;A.定量的RT−PCR;B.ゲル撮像)。対応する正常組織の試験を反復しても、遺伝子特異的転写物を検出できなかった。この遺伝子座からの発現をさらに証明するために、ノーザン・ブロットをさらに行った。この目的のために、プローブを、製造者の指示書に従ってジゴキシジン−dUTP(Roche Diagnostics)を用いて、プライマー対配列番号:7および8の特異的PCRにおいて調製した。次いで、プローブを、睾丸組織由来の全RNAの2μg(図5、レーン1)および1μg(図5、レーン2)を各々用いてハイブリダイズし、該プローブのジゴキシジンを、次いで特異的色調反応で検出した。約3.1kBの遺伝子特異的フラグメントを、実験において検出して、この座の発現を追加確認した(図5)。
【0203】
こうして、遺伝子座は、もっぱら睾丸の胚細胞おいて視覚的な正常組織で発現される"癌/睾丸抗原"の典型的な代表例である。腫瘍では、癌/睾丸抗原は、頻繁にスイッチ・オンされるが、それらの下にある体腔正常組織細胞では発現しない。この機能的かつ構造的に異種クラスのいくつかのメンバーは、それらの魅力的な選択的組織分布ために、フェーズI/II試験における癌による特異的な免疫療法アプローチについてすでに試験されている(例えば、Scanlan MJ, Gure AO, Jungbluth AA, Old LJ, Chen YT. 2002.Immunol. Rev. 2002 Oct; 188:22-32)。
【0204】
抗体は、配列番号:282および283のペプチドを利用することによって産生される。特に、本発明に従って、モノクローナル抗体の標的構造として、配列番号:6および配列番号:270の細胞外細胞性ドメインを利用することは可能である。
【0205】
実施例5:診断上および治療上の癌の標的としてLOC203413の同定
遺伝子座LOC203413(核酸配列:配列番号:9;アミノ酸配列:配列番号:10)の遺伝子またはタンパク質は、X染色体(Xq24)上の遺伝子であり、これまで特徴分析されていなかった。トランスメンブレンドメインの他に、別の機能的モチーフをもたずおよび以前から既知のタンパク質とは相同性でない。
【0206】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプル中の転写産物の量(サンプルのプール、図に示した数)を、LOC203413に特異的な定量的RT−PCR(プライマー対、配列番号:11および12)を確立し、試験した(図6;A:定量的評価、B.ゲル電気泳動分画後の撮像)。LOC203413に特異的なRNAは、睾丸を除いて、今回試験したいずれの健常組織でも検出できなかった。結果として、LOC203413は、胚細胞-特異的遺伝子産物であるという高い可能性をもつ。図6から明らかなように、LOC203413-特異的転写物は、胃、膵臓、食道、乳房(mammary)、卵巣および前立腺癌で検出でき、高発現は、特に、胃および乳房の癌腫で観察された。より詳細な分析のために、健常胃のサンプルおよび胃の癌腫サンプルを、定量的RT−PCR(図7A)でさらに特性分析した。LOC203413は、有意な発現がいずれの健常胃のサンプルでも検出できなかったにもかかわらず、癌の70%において発現した。胃の癌腫由来のMKN45細胞系は、LOC203413も発現する。さらに、特異的発現を、試験した膵臓腫瘍の2/3rdsおよび肝臓癌腫の40%で検出した(図7B)。
【0207】
このように、LOC203413は、睾丸の胚細胞を除く正常組織において発現される癌/睾丸抗原のクラスの典型的な例示である。しかし、癌/睾丸抗原は、基本的な体腔正常組織細胞において発現しないが、腫瘍において頻繁に作動する。この機能的および構造的異種クラスのいくつかのメンバーは、癌に対する特異的免疫療法のアプローチに関し、フェーズI/II試験において、その魅力的な選択的組織分布を基にしてすでに試験されている(例えば、Scanlan MJ, Gure AO, Jungbluth AA, Old LJ, Chen YT. 2002.Immunol. Rev. 2002 Oct; 188:22−32)。
【0208】
特に、本発明に従って、モノクローナル抗体の標的構造としてLOC203413の細胞外ドメインを利用できる。このように、アミノ酸22-113(配列番号:284)は、エピトープとして注目される。保存されたN−グリコシル化モチーフは、配列番号:10に基づいたアミノ酸34および83位の配列に位置し、このモチーフは、腫瘍特異的抗体を産生するために特に適当であり得る。LOC203413特異的抗体を、配列番号:285および286下に列挙したペプチドを用いて産生した。
【0209】
本発明に従って、他の標的−配向性アプローチ、例えばワクチン、および標的構造としてこの遺伝子のみを有し、このためにあらゆる健常細胞において影響しない小分子化合物を用いる治療は、治療上信頼できるものである。該遺伝子は、腫瘍細胞についてのその選択性のために診断上利用され得るものである。
【0210】
実施例6:診断上および治療上の癌標的としてLOC90625の同定
遺伝子LOC90625(核酸配列:配列番号13)は、以前に分析されていない染色体21(21q22.3)上の遺伝子である。それは、以前から既知のタンパク質と相同ではないが、トランスメンブレンドメインを有するタンパク質(アミノ酸配列:配列番号:14)をコードする。
【0211】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプルにおける(サンプルのプール、数字は図内に示した) 遺伝子特異的転写物の量を、LOC90625に特異的な定量的なRT−PCR(プライマー対、配列番号:15および16)において確立した後に調べた(図8)。LOC90625は、健常組織において非常に選択的に発現し、特異的転写物は、特に睾丸で検出し得る。その他の全ての分析した健常組織において、LOC90625に特異的な発現は、仮にあったとしても、低いレベルでしか検出できない(図8)。驚くべきことに、我々は、腫瘍のいくつかのタイプにおいてLOC90625に特異的な過剰発現を検出した。LOC90625は、各々の健常組織サンプルと比較して、特に前立腺、食道および膵臓癌において非常に過剰発現した(図8および9A)。
【0212】
LOC90625は、選択的に発現された抗原であり、これは、増殖している組織において明らかに増加発現される。従って、治療上利用できる腫瘍における選択的過剰発現は、観察され得る。
特に、LOC90625の細胞外ドメインは、特にモノクローナル抗体の標的構造として本発明に従って利用され得る。該構造は、例えば1−19(配列番号:287)または他のアミノ酸40−160(配列番号:288)であってもよい。LOC203413特異的抗体を、配列番号:289および290のペプチドを用いて産生した。
【0213】
実施例7:診断上および治療上の癌の標的としてのFAM26Aタンパク質の同定
染色体10 (10q24)上に位置するFAM26A遺伝子(配列番号17:NM_182494)は、配列番号:18(NP_872300)の遺伝子産物をコードする。FAM26Aは、いくつかのトランスメンブレンドメインを有し、N−グリコシル化モチーフがアミノ酸位置142に位置づけられる。推定タンパク質配列はPMP/クラウジンファミリーとわずかに相同性を示す。
【0214】
本発明に従って、健常組織および腫瘍サンプルにおける遺伝子特異的転写物の量を、FAM26Aに特異的な定量的なRT−PCR(プライマー対、配列番号19および20)の確立後に調べた(図10)。驚くべきことに、我々は、種々の腫瘍においてFAM26Aの過剰発現を検出できた。FAM26Aを、対応する健常組織と比して、特に卵巣、胃、食道、膵臓および肝臓腫瘍において著しく高いレベルで発現した。本発明に従って、多様な腫瘍組織におけるFAM26Aの選択的に高い発現は、分子診断方法、例えば、組織生検において腫瘍細胞を検出するためのRT−PCRに、利用され得る。
【0215】
発現データをさらに評価するために、FAM26A−特異的抗体を、動物の免疫化によって産生させた。ポリクローナル抗体を、配列番号:291および292として挙げたペプチドを用いて産生した。抗体の特異性を、ウェスタン・ブロット分析によって示した(図11A:配列番号:291;B:配列番号:292)。この目的のために、COS細胞を、FAM26フラグメント-コード化プラスミド構築体を用いて形質転換した。ウェスタン・ブロットは、両抗体で特異的シグナルを示したが、個々のコントロールでは検出できなかった(図11)。また、我々は、配列番号:292に特異的な抗体を用いて様々な頸部、卵巣および膵臓腫瘍においてもFAM26Aを検出し(図12)、さらに各ケースのRT−PCR陽性であった細胞系SW480、EFO−27およびSNU−16においても、配列番号:291-特異的抗体を用いてFAM26Aを検出した(図13A)。ここで、我々は、約50kDaの特異的バンドに加えて、約40kDaの弱いバンドも見出した。後者は、ほぼ予測したサイズと対応する。50kDaでの主なフラグメントは、翻訳後に修飾されたタンパク質を示す。内因的FAM26Aタンパク質を、配列番号:292-特異的抗体を用いる免疫蛍光によってSW480細胞においてさらに検出した。この分析から、プラズマ膜における局在性が明らかとなった(図13B)。組織集団におけるFAM26Aの局在性を分析するために、健常睾丸サンプルを免疫組織学的に分析した。睾丸において、FAM26Aタンパク質が、精母細胞の膜において特異的に検出された、この結果から、FAM26Aの膜局在性があるようである(図14)。このことを腫瘍サンプル中でも確認した(図15)。
【0216】
FAM26Aの細胞外ドメインは、特にモノクローナル抗体の標的構造として、本発明に従って利用され得る。これらは、配列番号:17、該アミノ酸38-48(配列番号:293)および該アミノ酸129-181(配列番号:294) に基づく。一方、C末端アミノ酸199-334(配列番号:295)は、診断上または治療上の目的のために、抗体産生のための好ましいエピトープであり得る。さらに、位置142でのN−グリコシル化モチーフは、治療用抗体のための興味深い攻めるポイントであり得る。
【0217】
実施例8:診断上および治療上の癌の標的としてのSEMA5Bの同定
配列番号:22のタンパク質をコードする該遺伝子セマホリン(semaphorin)5B(SEMA5B;配列番号:21)は、染色体3(3q21.1)上に位置する。SEMA5Bは、トランスメンブレンタンパク質のタイプIであり、セマホリンのファミリーに属する。
【0218】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプル中の遺伝子特異的転写物の量(サンプルのプール、数字は図内に示される)を、SEMA5Bに特異的な定量的RT−PCR(プライマー対、配列番号:23および24)の確立後に調べた(図16)。我々は、健常組織において、SEMA5Bは睾丸および皮膚に非常に選択的に限定されることがわかった。分析された全ての他の健常組織において、SEMA5B−特異的発現を、低いレベルで、または全く検出できなかった(図16)。対照的に、我々は、驚くべきことに、個別の健常組織との比較において、腫瘍のいくつかのタイプ、特に腎臓癌腫および胸部癌腫においてSEMA5B-特異的過剰発現を見出した(図17AおよびB)。
【0219】
腫瘍における該選択的過剰発現を治療上利用し得た。
SEMA5B(aa 20-1035;配列番号:296)の細胞外ドメイン、特に、本発明に従って、抗体の標的構造として利用され得る。SEMA5Bは、トランスメンブレンドメインタンパク質(TM aa 1035-1057)のタイプIであり、そのC末端は、細胞の内側に位置づけられた(aa 1058-1151)。SEMA5B−特異的抗体を、配列番号:297および298のペプチドを用いることによって産生した。
【0220】
実施例9:診断上および治療上癌の標的としてGJB5の同定
タンパク質GBJ5(核酸配列:配列番号:25;アミノ酸配列:配列番号:26)は、コネクシンファミリーのメンバーである。該遺伝子は、2つのエクソンを含み、染色体1(1p35.1)上に位置している。推定アミノ酸配列は、273のアミノ酸のタンパク質をコードする。コネクシンは、小さな細胞質分子、イオンおよび二次的トランスミッターを交換するために使用され、こうして個々の細胞を互いにコミュニケートできる個々の細胞を可能にし得る"ギャップ・ジャンクション"を介した細胞-細胞接触において重要な機能を持っている。ギャップ・ジャンクションは、膜チャンネルを形成するいくつかのコネクシンサブユニットからなる。コネクシンの11の異なるメンバーが、現在までに説明されており、この全てのものは染色体1上の遺伝子クラスターに位置づけられる(Richard, G.; Nature Genet. 20: 366-369,1998)。GBJ5は、4つのトランスメンブレンドメインを有する、タンパク質のNおよびC末端が細胞の内側に位置づけられる。
【0221】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプルにおける遺伝子特異的転写物の量を、GBJ5に特異的な定量的なRT−PCR(プライマー対、配列番号:27、28)を確立した後に調べた(サンプルのプール、数字は図内に示される)。我々の試験により、正常組織における発現の示差分布を明らかにする。我々は、GBJ5転写物が、視覚的にもっぱら食道および皮膚において発現され、この転写物は分析した全て他の組織においては非常に弱いか、または全く検出できなかったことを見出した(図18)。非常に強力な腫瘍特異的過剰発現を、食道、結腸、胃および膵臓癌腫において観察した(図18)。これを、4つの癌腫の個々のサンプルを分析することによって確認した(図19 A−D)。さらに、GBJ5-特異的転写は、確立された細胞系 LoVo、MKN45およびNCI−N87(図19A−D)において、明確に検出され得る。
【0222】
GBJ5の細胞外ドメインは、特に治療抗体の標的構造として本発明に従って利用され得る。配列番号:26を基にしたアミノ酸41-75(配列番号:299)およびアミノ酸150および187(配列番号:300)の領域は、細胞外に位置する。GBJ5-特異的抗体を、配列番号:301および302のペプチドを用いることによって産生した。
【0223】
実施例10:診断上および治療上の癌の標的としてのKLK5の同定
遺伝子KLK5(配列番号:29)およびその翻訳産物(配列番号:30)は、カリクレインファミリー、非常に異なる生理学的機能を有するセリンプロテアーゼのグループのメンバーである。該遺伝子は、染色体19(19q13.3-13.4)上に位置し、セリンプロテアーゼをコードする。KLK5は、前駆体として合成され、単層角質層におけるタンパク質分解によって活性化される(Brattsand, M et al; J. Biol. Chem. 274:1999)。活性なプロテアーゼ(aa 67-293)が分泌され、皮膚の落屑(desquamation)の過程に関与する。プロペプチド(aa 30−67)が残り、トランスメンブレンドメイン(aa 1−29)を介して細胞表面に結合する(Ekholm, E et al; Jour Investigative Dermatol, 114; 2000)。
【0224】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプルにおけるKLK5-特異的転写物の分布を、KLK5に特異的な定量的なRT−PCR(プライマー対、配列番号:31、32)(図20)の確立後に調べた。ほとんどの正常組織において、KLK5の発現は、存在しないレベルにまで非常に低く、KLK5の穏やかな発現が睾丸、食道、皮膚および前立腺において唯一見出された。我々は、対応する正常組織と比較して、食道、頸部およびENT腫瘍においてKLK5の有意な過剰発現を検出した(図20、21)。検出し得るが明らかに弱いKLK5-特異的発現は、他の組織(例えば、胃および膵臓癌)での幾つかの腫瘍においても検出され得る。
【0225】
KLK5の細胞外ドメインは、本発明に従って、治療抗体(配列番号:303)として標的構造として特に利用され得る。プロペプチド(アミノ酸:30から67)の領域は、特に、この目的のために適当である。KLK5-特異的抗体を、配列番号:304に挙げられたペプチドを用いることによって産生した。
【0226】
実施例11:診断上および治療上の癌標的としてLOC352765の同定
LOC352765遺伝子座は、染色体9(9q34.12)上に位置づけられる。遺伝子(配列番号:33)は、配列番号:34の遺伝子産物をコードする。LOC352765タンパク質は、N末端でトランスメンブレンドメインを有する。仮定したタンパク質は、以前から既知のタンパク質との相同性を示さない。
【0227】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプルにおける(サンプルのプール)遺伝子特異的転写物の量を、LOC352765に特異的な定量的なRT−PCR(プライマー対、配列番号:35および36)の確立後に調べた(図22)。LOC352765は、健常組織において非常に選択的に発現され、そして我々は、睾丸、皮膚および膀胱において唯一検出し得るために特異的転写物を見出した。これに対して、LOC352765-特異的過剰発現を、腫瘍のいくつかのタイプにおいて検出した。特に、胸部腫瘍において、発現は、発現の最高レベルを有する正常組織よりも高かった。我々は、結腸および卵巣癌腫およびENT腫瘍において、明確に過剰発現されるLOC352765を見出した(図22、23)。
【0228】
腫瘍におけるその選択的過剰発現のために、LOC352765を治療上利用され得る。LOC352765(アミノ酸44-211、配列番号:34)の細胞外ドメインは、特に、本発明に従って、治療の他の標的形態抗体の標的構造として利用され得る。特異的抗体を、配列番号305〜306のペプチドを用いることによって産生した。
【0229】
実施例12:診断上および治療上の癌の標的としてSVCT1の同定
遺伝子SVCT1(配列番号:37)は、染色体7(7q33)上に位置し、配列番号:8の遺伝子産物をコードする。SVCT1タンパク質は、4つのトランスメンブレンドメインを有し、以前に知られたタンパク質に対し相同性を示さない。
【0230】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプルにおける(サンプルのプール)遺伝子特異的転写物の量を、SVCT1に特異的な定量的なRT−PCR(プライマー対、配列番号:39および40)(図24)の確立後に調べた。健常組織におけるSVCT1を、腎臓、睾丸、胸腺および乳腺に対して選択的に限定した。これに対して、SVCT1-特異的過剰発現を、驚くべきことに腫瘍のいくつかのタイプで検出した。SVCT1は、特に腎臓、食道および膵臓およびENT腫瘍の癌腫において強く過剰発現し、そして対応する元々の健常組織と比較するだけでなく、最も高い過剰発現のレベルを有する正常組織に関する比較においても強く過剰発現した(図24、25)。
【0231】
SVCT1は、腫瘍におけるその選択的過剰発現のために、治療上利用され得る。SVCT1の細胞外ドメインは、特に、本発明に従って、抗体の標的構造として、そして治療の他の標的化形態のために利用され得る。特異的抗体を、配列番号:307および308のペプチドを用いることによって産生した。
【0232】
実施例13:診断上および治療上の癌の標的としてLOC199953の同定
LOC199953遺伝子座(核酸配列:配列番号:41;アミノ酸配列:配列番号:42)の遺伝子またはタンパク質は、染色体1(1q36.22)上に位置づけられる。タンパク質は、いくつかのトランスメンブレンドメインを有する。この遺伝子座の別のオープン・リーディング・フレームは、その遺伝子産物配列番号:272を有する配列番号:271、および対応する遺伝子産物配列番号:274を有する配列番号:273である。それ以外の仮定タンパク質は、以前に知られるタンパク質ドメインに対して相同を示さない。
【0233】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプルにおいて遺伝子特異的転写物の量を、LOC199953に特異的な定量的なRT−PCR(プライマー対、配列番号:43および44)の確立後に調べた。LOC199953は、健常組織において選択的に発現され、およびいくつかの腫瘍では過剰発現した。特に、ENTおよび腎臓癌腫において、正常組織と比して、腫瘍サンプルの約50%の過剰発現を同定することができる(図26)。
本発明に従って、LOC199953の細胞外ドメインは、抗体の標的構造として利用され得る。
【0234】
実施例14: 診断上および治療上の癌標的としてのTMEM31の同定
LOC203562 遺伝子座の遺伝子 TMEM31(配列番号45)は染色体X(Xq22.2) 上に位置する。この遺伝子は配列番号46のタンパク質をコードする。このタンパク質は2つのトランスメンブレンドメインを有し、あるいは以前から既知のタンパク質に対し相同性を示さない。
【0235】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプルにおける遺伝子特異的転写物の量を、TMEM31に特異的な定量的RT−PCR(プライマー対 配列番号47および48)を確立して、調べた。健常組織において、TMEM31は非常に選択的で、特に睾丸に限定されている(図27)。驚くべきことに、腫瘍のいくつかのタイプにおいても発現を認めた。一方、対応する正常組織においては発現を検出し得なかった。この腫瘍は、特に腎臓、結腸、胃、乳房、肝臓および肺臓の癌腫ならびに ENT 癌腫である(図27、28)。
【0236】
このように、TMEM31は睾丸の生殖細胞の正常組織で専ら発現される癌/睾丸抗原クラスの典型的な代表である。しかし、癌/睾丸抗原は、腫瘍においてしばしば作動するが、基本的な正常組織の体細胞では発現されない。この機能的および構造的な異種クラスのいくつかのメンバーが、癌に対する特異的免疫療法のアプローチに関し、フェーズI/II試験において、その魅力的な選択的組織分布を基にしてすでに試験されている (例えば、Scanlan MJ, Gure AO, Jungbluth AA, Old LJ, Chen YT. 2002.Immunol. Rev. 2002 Oct; 188:22-32)。
細胞外TMEM31ドメインを抗体の標的構造として、本発明に従って使用できる。
【0237】
実施例15: 診断上および治療上の癌標的としての FLJ25132の同定
FLJ25132遺伝子/タンパク質(核酸配列:配列番号49、アミノ酸配列:配列番号50) は染色体17(17q25.3)上に位置する。FLJ25132 はトランスメンブレンドメインを有し、あるいは以前から既知のタンパク質に対し相同性を示さない。
【0238】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプルにおける遺伝子特異的転写物の量を、FLJ25132に特異的な定量的RT−PCR(プライマー対 配列番号51および52)を確立して、調べた。FLJ25132は、今回試験した癌腫サンプルにおいては健常組織に比して部分的に過剰発現される(図29)。FLJ25132の顕著な過剰発現を特に卵巣および前立腺の癌において検出した。
細胞外FLJ25132ドメインを抗体の標的構造として、本発明に従って使用できる。
【0239】
実施例16: 診断上および治療上の癌標的としてのLOC143724、LOC284263、LOC283435および LOC349260の同定
遺伝子座 (対応のコードされる遺伝子および遺伝子産物で)、LOC143724、LOC284263、LOC283435および LOC349260は、その類似のプロファイルの故に結合している。
【0240】
配列番号53の遺伝子は、染色体11上のLOC143724遺伝子座に存在し(11q13.1)、遺伝子産物、配列番号54をコードする。配列番号275は、その遺伝子産物、配列番号276で、この遺伝子座についての別のオープン・リーディング・フレームを提示し、これは、配列番号53の分離転写物かスプライス変異体である。配列番号55および56のプライマーを、この遺伝子の遺伝子特異的増幅に使用した。
【0241】
配列番号89の遺伝子は、染色体18上の LOC284263遺伝子座に存在し(18q21.1)、配列番号90の遺伝子産物をコードする。配列番号91および92のプライマーを、この遺伝子の遺伝子特異的増幅に使用した。
【0242】
配列番号117の遺伝子は、染色体12上の LOC283435遺伝子座に存在し(12q24.32)、配列番号118の遺伝子産物をコードする。配列番号119および120によるプライマーを、この遺伝子の遺伝子特異的増幅に使用した。
【0243】
配列番号121の遺伝子は、染色体9上のLOC349260遺伝子座に存在し(9q11.2)、配列番号122の遺伝子産物をコードする。配列番号123および124のプライマーを、この遺伝子の遺伝子特異的増幅に使用した。
全タンパク質がトランスメンブレンドメインを有し、加えて、以前から既知のタンパク質に対しいかなる相同性も示さない。
【0244】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプルにおける遺伝子特異的転写物の量を、特異的な定量的RT−PCR分析法を確立して、調べた。4遺伝子のいずれをも、睾丸以外では調べた健常組織において検出しなかった。結果として、この遺伝子が生殖細胞特異性である蓋然性が高い。しかし、驚くべきことに、有意な発現を種々の腫瘍サンプルにおいて認めた。
【0245】
このように、この4遺伝子は睾丸の生殖細胞の正常組織で専ら発現される癌/睾丸抗原クラスの典型的な代表である。しかし、癌/睾丸抗原は、腫瘍においてしばしば作動するが、基本的な正常組織の体細胞では発現されない。この機能的および構造的な異種クラスのいくつかのメンバーが、癌に対する特異的免疫療法のアプローチに関し、フェーズI/II試験において、、その魅力的な選択的組織分布を基にしてすでに試験されている (例えば、Scanlan MJ, Gure AO, Jungbluth AA, Old LJ, Chen YT. 2002. Immunol. Rev. 2002 Oct; 188:22-32)。
4遺伝子の細胞外ドメインを抗体の標的構造として、本発明に従って使用し得る。
【0246】
実施例17: 診断上および治療上の癌標的としての配列番号57の配列の同定
配列番号57の配列は、染色体1上の遺伝子から誘導され(1p21.3)、配列番号58のタンパク質配列をコードする。配列番号277は、その遺伝子産物、配列番号278で、この遺伝子座の別の転写物を提示する。このトランスメンブレンタンパク質は、以前から既知のタンパク質に対していかなる相同性も示さない。
【0247】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプルにおける遺伝子特異的転写物の量を、特異的な定量的RT−PCR(プライマー対 配列番号59および60)を確立して、調べた。配列番号57は今回試験した健常組織において選択的に発現される(図30)。特異的転写物は、分析した腫瘍のほぼすべてのタイプにおいて検出可能であり、特に肝臓、ENT および腎臓の腫瘍で過剰発現された。このことを、個体の腫瘍サンプルと健常組織サンプルとの比較分析により確認した(図31)。
配列番号58の配列を抗体の標的構造として、特に、細胞外に位置するアミノ酸20-38および90-133でもって、本発明に従って使用し得る。
【0248】
実施例18: 診断上および治療上の癌標的としてのLOC119395の同定
配列番号61の配列は、染色体17上のLOC119395遺伝子座に存在し(17q25.3)、配列番号62の遺伝子産物をコードする。このトランスメンブレンタンパク質は、以前から既知のタンパク質に対していかなる相同性も示さない。
【0249】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプルにおける遺伝子特異的転写物の量を、LOC119395に特異的な定量的RT−PCR(プライマー対 配列番号63および64)を確立して、調べた(図32)。LOC119395は今回試験した健常組織において非常に選択的に発現され、少数の組織でのみで検出可能である(図32)。一方、LOC119395特異的転写物が、分析した腫瘍のほぼすべてのタイプにおいて検出可能であった。部分的に、顕著なLOC119395の腫瘍選択的過剰発現を特に胃、卵巣および前立腺の癌において認めた。このことを、個体の腫瘍サンプルの健常組織サンプルとの比較分析により確認した(図33)。LOC119395の過剰発現を乳房癌腫および食道腫瘍においてそれぞれの健常組織と比較して検出することができた。腫瘍選択的発現を結腸癌および胃癌腫で同定した(図33)。
細胞外LOC119395ドメイン(アミノ酸44-129)を抗体の標的構造として、本発明に従って使用し得る。
【0250】
実施例19: 診断上および治療上の癌標的としてのLOC121838の同定
染色体13上のLOC121838遺伝子座に位置し(13q14.11)、配列番号65の該転写物をもつ遺伝子は、配列番号66の遺伝子産物をコードする。このトランスメンブレンタンパク質は、以前から既知のタンパク質に対していかなる相同性も示さない。
【0251】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプルにおける遺伝子特異的転写物の量を、LOC121838に特異的な定量的RT−PCR(プライマー対 配列番号67および68)を確立して、調べた(図34A)。LOC121838は今回試験した健常組織において非常に選択的に発現され、少数の組織でのみで検出可能である(図34AおよびB)。一方、LOC121838特異的転写物が、分析した腫瘍の多くのタイプにおいて検出可能であった。LOC121838の顕著な腫瘍選択的過剰発現を特に卵巣および食道の癌において認めた。
細胞外LOC121838ドメインを抗体の標的構造として、本発明に従って使用し得る。
【0252】
実施例20: 診断上および治療上の癌標的としてのLOC221103の同定
染色体11上のLOC221103遺伝子座に位置し(11q12.3)、配列番号69の転写物をもつ遺伝子は、配列番号70の遺伝子産物をコードする。このトランスメンブレンタンパク質は、以前から既知のタンパク質に対していかなる相同性も示さない。
【0253】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプルにおける遺伝子特異的転写物の量を、LOC221103に特異的な定量的RT−PCR(プライマー対 配列番号71および72)を確立して、調べた。今回試験した健常組織において、LOC221103は肝臓でのみ発現されるか、あるいは検出可能でない(図35)。驚くべきことに、LOC221103特異的転写物が肝臓癌腫において過剰発現される(図36)。
細胞外LOC221103ドメインを抗体の標的構造として、本発明に従って使用し得る。
【0254】
実施例21: 診断上および治療上の癌標的としてのLOC338579の同定
染色体10上のLOC338579遺伝子座に位置し(10q11.21)、配列番号73の転写物をもつ遺伝子は、配列番号74の遺伝子産物をコードする。このトランスメンブレンタンパク質は、以前から既知のタンパク質に対していかなる相同性も示さない。
【0255】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプルにおける遺伝子特異的転写物の量を、LOC338579に特異的な定量的RT−PCR(プライマー対 配列番号75および76)を確立して、調べた。LOC338579は健常組織において睾丸でのみ、そして低レベルでは肝臓および胸腺で認めた。驚くべきことに、健常組織に比較して、LOC338579過剰発現を結腸癌および肝臓癌腫で認めた(図37)。
細胞外LOC338579ドメインを抗体の標的構造として、本発明に従って使用し得る。
【0256】
実施例22: 診断上および治療上の癌標的としてのLOC90342の同定
染色体2上のLOC90342遺伝子座に位置し(2q11.2)、配列番号77の転写物をもつ遺伝子は、配列番号78の遺伝子産物をコードする。このトランスメンブレンタンパク質は、プロテインキナーゼC および様々なホスホリパーゼに保存されるカルシウム結合モチーフ(CalB) を含む。
【0257】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプルにおける遺伝子特異的転写物の量を、LOC90342に特異的な定量的RT−PCR(プライマー対 配列番号79および80)を確立して、調べた(図38)。LOC90342は少数の健常組織においてのみ認めた。その大部分は毒性に関係がない(図38)。一方、LOC90342特異的転写物を、分析した腫瘍の複数タイプで認めた。部分的に、LOC90342の顕著な腫瘍選択的過剰発現を、特に胃、肝臓、膵臓、前立腺、卵巣および肺の癌で観測した。
【0258】
この膜タンパク質は単一のトランスメンブレンドメイン(アミノ酸707-726)を有する。細胞外LOC90342ドメインを抗体の標的構造として、本発明に従って使用し得る。
【0259】
実施例23: 診断上および治療上の癌標的としてのLRFN1の同定
LRFN1(配列番号81) は染色体19(19q13.2)に位置する遺伝子である。この遺伝子は配列番号82のタンパク質をコードする。該タンパク質は、トランスメンブレンドメインを有し、Myb DNA−結合ドメインおよび C2-タイプ・イムノグロブリン・ドメインに相同性を示す。
【0260】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプルにおける遺伝子特異的転写物の量を、LRFN1に特異的な定量的RT−PCR(プライマー対 配列番号83および84)を確立して、調べた(図39)。LRFN1は、試験した正常な組織の大部分で非常に弱く発現されるが、活性化されたPBMCおよび脳では例外である(図39)。一方、LRFN1特異的転写物について試験した腫瘍のいくつかのタイプで増加検出を認めた。LRFN1の顕著な選択的過剰発現を対応する正常組織に比して、特に胃、膵臓、食道および乳房の癌で認めた。
【0261】
この膜タンパク質はトランスメンブレンドメイン(アミノ酸448−470)を有する。細胞外LFRN1ドメインを治療上の抗体の標的構造として、本発明に従って使用し得る。
【0262】
実施例24: 診断上および治療上の癌標的としてのLOC285916の同定
染色体7上のLOC285916遺伝子座に位置し(7p22.3)、配列番号85の該転写物をもつ遺伝子は、配列番号86の遺伝子産物をコードする。このトランスメンブレンタンパク質は、以前から既知のタンパク質に対していかなる相同性も示さない。
【0263】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプルにおける遺伝子特異的転写物の量を、LOC285916に特異的な定量的RT−PCR(プライマー対 配列番号87および88)を確立して、調べた。試験した正常な組織において、LOC285916は、睾丸で選択的に発現され、試験した他のすべての組織では全くまたはほんの僅かしか発現を認めなかった(図40A)。驚くべきことに、LOC285916特異的転写物を、試験した腫瘍のすべてのタイプで認めた。顕著な腫瘍特異的過剰発現を、特に乳房、食道、腎臓、ENT および肺の癌腫で検出できた(図40AおよびB)。
【0264】
細胞外LOC285916ドメイン (アミノ酸42−93)を治療上の抗体の標的構造として、本発明に従って使用し得る。
【0265】
実施例25: 診断上および治療上の癌標的としてのMGC71744の同定
染色体17上 (17p13.2)の配列番号93のMGC71744遺伝子は、配列番号94の遺伝子産物をコードする。このトランスメンブレンタンパク質は、以前から既知のタンパク質に対していかなる相同性も示さない。
【0266】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプルにおける遺伝子特異的転写物の量を、MGC71744に特異的な定量的RT−PCR(プライマー対 配列番号95および96)を確立して、調べた(図41)。MGC71744は健常組織でほとんど発現されない。少量の特異的転写物を肺および脾臓でのみ認めた。試験したすべての他の健常組織におけるMGC71744特異的発現のレベルは低いか、全く検出できなかった (図41A)。一方、驚くべきことに、MGC71744特異的過剰発現をいくつかのタイプの腫瘍、特に腎臓の癌腫(図41A および B)で、健常組織に比して、認めた。
【0267】
細胞外MGC71744ドメイン (N末端、アミノ酸67−85)を抗体の標的構造として、本発明に従って使用し得る。
【0268】
実施例26: 診断上および治療上の癌標的としてのLOC342982の同定
染色体19上のLOC342982遺伝子座に位置し(19p13.13)、配列番号97の転写物を有する遺伝子は、配列番号98のタンパク質をコードする。このトランスメンブレンタンパク質は、C-タイプ・レクチンの炭水化物結合ドメインに相同性を示す。
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプル(サンプルのプール)における遺伝子特異的転写物の量を、LOC342982に特異的な定量的RT−PCR(プライマー対 配列番号99および100)を確立して、調べた。LOC342982特異的RNAは、分析した多くの正常組織で低レベルでのみ選択的に発現されるか、または発現が検出可能でなかった(図42)。一方、試験した腫瘍のほとんどすべてのクラスが、部分的に腫瘍特異的な過剰発現を示した。主に、膵臓、腎臓、肺および乳房の癌腫が LOC342982特異的RNAの非常に強い発現を示した(図42)。
【0269】
細胞外LOC342982ドメイン(アミノ酸178−339)を、特にモノクローナル抗体の標的構造として、本発明に従って使用し得る。
【0270】
実施例27: 診断上および治療上の癌標的としてのLOC343169/OR6F1の同定
染色体1上のLOC343169遺伝子座に位置し(1q44)、配列番号101の転写物を有する遺伝子 OR6F1は、配列番号102のタンパク質をコードする。OR6F1は、いくつかのトランスメンブレンドメインを有し、臭覚レセプターのファミリーに、すなわち G タンパク質結合レセプターの大きいファミリーに属する。
【0271】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプル(サンプルのプール)における遺伝子特異的転写物の量を、LOC343169/OR6F1に特異的な定量的RT−PCR(プライマー対 配列番号103および104)を確立して、調べた(図43A)。LOC343169/OR6F1は、特に睾丸および脾臓において検出可能な特異的転写物でもって、非常に選択的に発現される。LOC343169/OR6F1特異的発現レベルは、分析したすべての他の健常組織で低いか、または検出できない(図43A)。一方、驚くべきことに、LOC343169/OR6F1特異的過剰発現をいくつかのタイプの腫瘍で検出した。LOC343169/OR6F1の特異的過剰発現を特に乳房、卵巣、腎臓、前立腺、膵臓および肝臓の癌腫で認めた(図43A)。個体サンプルの分析で、卵巣癌における過剰発現を確認した。LOC343169/OR6F1は、増殖組織で明らかに増加し選択的に発現される抗原である。このように、腫瘍における選択的過剰発現を観察でき、治療的に利用できる。細胞外ドメインを、特にモノクローナル抗体の標的構造として、本発明に従って使用し得る。
【0272】
実施例28: 診断上および治療上の癌標的としてのLOC343169/OR6F1の同定
染色体6上のLOC340204遺伝子座に位置し(6p21.31)、配列番号105の該転写物を有する遺伝子は、配列番号106のタンパク質をコードする。該タンパク質はトランスメンブレンドメインを有する。さらに、該タンパク質は、"コリパーゼ(colipase)"ドメインに対して強い相同性を示す。膵臓リパーゼについてのコファクター機能はコリパーゼに由来する。配列番号279は、その遺伝子産物 配列番号280を持ち、該遺伝子座の別の転写物を示し、これは配列番号105の分離転写物およびスプライス変異体の両方であり得る。
【0273】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプルにおける遺伝子特異的転写物の量を、LOC340204に特異的な定量的RT−PCR(プライマー対 配列番号107および108)を確立して、調べた。LOC340204は、健常組織で選択的に発現され、そしていくつかの腫瘍で強く発現される。種々の正常組織に比し腫瘍サンプルにおける顕著な発現を、特に胃、膵臓、卵巣および食道の癌腫で検出した(図44)。
【0274】
細胞外LOC340204ドメインを、特にモノクローナル抗体の標的構造として、本発明に従って使用し得る。
【0275】
実施例29: 診断上および治療上の癌標的としてのLOC340067の同定
染色体5上のLOC340067遺伝子座に位置し(5q22.3)、配列番号109の転写物を有する遺伝子は、配列番号110のタンパク質をコードする。このトランスメンブレンタンパク質は、他のタンパク質ドメインに対する相同性を示さない。
【0276】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプルにおける遺伝子特異的転写物の量を、LOC340067に特異的な定量的RT−PCR(プライマー対 配列番号111および112)を確立して、調べた。LOC340067は、健常組織で選択的に発現され、いくつかの腫瘍で強く過剰発現された(図45)。顕著な過剰発現を、種々の健常組織に比して腫瘍サンプルで特に膵臓、乳房、肝臓、卵巣、肺および腎臓の癌において検出した。
【0277】
細胞外LOC340067ドメインを、特にモノクローナル抗体の標的構造として、本発明に従って使用し得る。
【0278】
実施例30: 診断上および治療上の癌標的としてのLOC342780の同定
染色体18上のLOC342780遺伝子座に位置し(18q21.32)、配列番号309の転写物を有する遺伝子は配列番号310のタンパク質をコードする。このトランスメンブレンタンパク質は、以前から詳しくは特性解明されていない多くのC. elegans タンパク質に存在するアシルトランスフェラーゼ・ドメインを含む。
【0279】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプル(サンプルのプール、図に番号を示す)における遺伝子特異的転写物の量を、LOC342780に特異的な定量的RT−PCR(プライマー対 配列番号311および312)を確立して、調べた。LOC342780は、健常組織で非常に選択的に発現され、特に前立腺、胃、睾丸、肺および乳腺で検出できる特異的転写物をもつ(図46)。一方、LOC342780特異的発現は、驚くべきことに、分析したすべてのタイプの腫瘍で検出した。LOC342780の腫瘍特異的過剰発現を特に乳房、卵巣、腎臓および肝臓の癌腫において認めた(図46)。
【0280】
LOC342780は、増殖組織で明らかに増加的に、選択的に発現される抗原である。腫瘍における選択的過剰発現を観察でき、これは治療上使用可能である。細胞外に位置するアミノ酸76-89、316-345、399-493および650-665(配列番号310を基にして)は、本発明に従って、モノクローナル抗体の標的構造として使用できる。
【0281】
実施例31: 診断上および治療上の癌標的としてのLOC339511の同定
配列番号113の配列を、染色体1(1q23.1)に位置する遺伝子から誘導する。この遺伝子は配列番号114のタンパク質をコードする。このトランスメンブレンタンパク質は臭覚7-トランスメンブレンレセプターのグループに対する相同性を示す。
【0282】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプルにおける遺伝子特異的転写物の量を、LOC339511に特異的な定量的RT−PCR(プライマー対 配列番号115および116)を確立して、調べた。健常組織において、LOC339511が肝臓で選択的に発現された(図47A)。癌腫サンプルにおいて、LOC339511特異的転写物を肝臓腫瘍で同定した。結腸癌、乳房および肺の癌でさらに検出可能な弱い発現を持つ。特異的発現を腫瘍と健常組織で比較すると、いくつかの腫瘍サンプルで発現の増加を検出した(図47B)。
【0283】
配列番号113の細胞外ドメインを本発明に従って、モノクローナル抗体の標的構造として使用できる。特に、細胞外に位置するアミノ酸残基1-23、82-100、167-175および226-236は、それ故に特にモノクローナル抗体をつくるのに適切である。
【0284】
実施例32:診断上および治療上の癌の標的としてのC14orf37の同定
C14orf37(配列番号 125)は、染色体14(14q22.3)に位置し、配列番号:126の遺伝子産物をコードする遺伝子である。このトランスメンブレンタンパク質は、以前から知られているタンパク質と相同性がないことを示した。
【0285】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプルにおける遺伝子特異的転写物の量を、C14orf37に特異的な定量的RT−PCR(プライマー対 配列番号127および128)を確立して、調べた。C14orf37は種々の健常組織、最も強くは睾丸で発現される(図48)。種々の健常組織に比較して顕著な過剰発現を特に腎臓癌で検出した。
配列番号126の細胞外ドメインを本発明に従って、モノクローナル抗体の標的構造として使用できる。
【0286】
実施例33:診断上および治療上の癌標的としてのATP1A4の同定
ATP1A4遺伝子(配列番号129) は染色体1に位置する(1q21-23)。この遺伝子は配列番号130のタンパク質をコードする。ATP1A4は、8つのトランスメンブレンドメインをもつ内在性トランスメンブレンタンパク質であり、これはプラズマメンブレンに位置する。ATP1A4はタンパク質複合体の部分であり、N末端で提示されるナトリウム/カリウムATPaseの触媒性部分をもつ(Woo et al., J. 2000. Biol. Chem. 275, 20693-99)。ATP1A4は、カチオン ATPase ファミリーの多くの他の代表物に対して強い相同性を示す。
【0287】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプルにおける遺伝子特異的転写物の量を、ATP1A4に特異的な定量的RT−PCR(プライマー対 配列番号131および132)を確立して、調べた。ATP1A4は健常組織、特に睾丸で選択的に発現される(図49)。比較の健常組織に比して強い過剰発現をいくつかの腫瘍サンプルで検出した。健常組織に比較して顕著な過剰発現を腫瘍サンプルにおいて、特に膵臓、乳房、肝臓および腎臓の癌腫で検出した(図49)。膵臓および乳房の癌腫での発現が非常に高い。
【0288】
ATP1A4の細胞外ドメインを本発明に従って、モノクローナル抗体の標的構造として使用できる。配列番号130に基づく下記のアミノ酸残基は細胞外に位置する:アミノ酸残基129-137、321-329、816-857および977-990。
【0289】
実施例34:診断上および治療上の癌標的としての配列番号133−264の同定
配列番号133-266の配列は33遺伝子(核酸配列、アミノ酸配列)であり、特異的RT−PCR反応について個別のPCRプライマーをもつ。全タンパク質が1以上のトランスメンブレンドメインをもつが、タンパク質ドメインに対する相同性についての情報はほとんどない。
【0290】
本発明に従って、健常組織および癌腫サンプルにおける遺伝子特異的転写物の量を、これらの遺伝子について特異的な定量的RT−PCRで調べた。すべての遺伝子について、比較の健常組織に比して部分的に強い過剰発現を腫瘍サンプルで検出した。
【0291】
このグループのすべての遺伝子が治療上および診断上使用可能である。細胞外ドメインを本発明に従って、モノクローナル抗体の標的構造として使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
腫瘍関連抗原の発現または活性を阻害する剤を含む医薬組成物であって、該腫瘍関連抗原が、
(a)配列表の配列番号:1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、69、73、77、81、85、89、93、97、101、105、109、113、117、121、125、129、133、137、141、145、149、153、157、161、165、169、173、175、179、183、187、191、195、199、203、207、211、215、219、223、227、231、235、239、243、247、251、255、259、263、267、269、271、273、275、277、279、309からなる群から選択される核酸配列、その部分またはその誘導体を含む核酸、
(b)ストリンジェントな条件下で、(a)の核酸とハイブリダイズする核酸、
(c)(a)または(b)の核酸と縮重する核酸、および
(d)(a)、(b)または(c)の核酸と相補的である核酸、
からなる群から選択される核酸によってコードされる配列を有する、医薬組成物。
【請求項2】
腫瘍関連抗原を発現するか、異常に発現する細胞に対して選択的である腫瘍阻害活性を有する剤を含む医薬組成物であって、
該腫瘍関連抗原が、
(a)配列表の配列番号:1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、69、73、77、81、85、89、93、97、101、105、109、113、117、121、125、129、133、137、141、145、149、153、157、161、165、169、173、175、179、183、187、191、195、199、203、207、211、215、219、223、227、231、235、239、243、247、251、255、259、263、267、269、271、273、275、277、279、309からなる群から選択される核酸配列、その部分またはその誘導体を含む核酸、
(b)ストリンジェントな条件下で、(a)の核酸とハイブリダイズする核酸、
(c)(a)または(b)の核酸と縮重する核酸、および
(d)(a)、(b)または(c)の核酸と相補的である核酸、
からなる群から選択される核酸によってコードされる配列を有する、医薬組成物。
【請求項3】
剤が、細胞死の誘導、細胞増殖の低下、細胞膜への損傷またはサイトカインの分泌を引き起こす、請求項2記載の医薬組成物。
【請求項4】
剤が、腫瘍関連抗原をコードする核酸と選択的にハイブリダイズするアンチセンス核酸である、請求項1または2記載の医薬組成物。
【請求項5】
剤が腫瘍関連抗原に選択的に結合する抗体である、請求項1または2記載の医薬組成物。
【請求項6】
剤が腫瘍関連抗原に選択的に結合する補体活性化抗体である、請求項2記載の医薬組成物。
【請求項7】
投与された場合に、HLA分子と腫瘍関連抗原またはその部分との複合体の量を選択的に増加させる剤を含む医薬組成物であって、
該腫瘍関連抗原が、
(a)配列表の配列番号:1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、69、73、77、81、85、89、93、97、101、105、109、113、117、121、125、129、133、137、141、145、149、153、157、161、165、169、173、175、179、183、187、191、195、199、203、207、211、215、219、223、227、231、235、239、243、247、251、255、259、263、267、269、271、273、275、277、279、309からなる群から選択される核酸配列、その部分またはその誘導体を含む核酸、
(b)ストリンジェントな条件下で、(a)の核酸とハイブリダイズする核酸、
(c)(a)または(b)の核酸と縮重する核酸、および
(d)(a)、(b)または(c)の核酸と相補的である核酸、
からなる群から選択される核酸によってコードされる配列を有する、医薬組成物。
【請求項8】
請求項7に記載の医薬組成物であって、
剤が、
(i)腫瘍関連抗原またはその部分、
(ii)腫瘍関連抗原またはその部分をコードする核酸、
(iii)腫瘍関連抗原またはその部分を発現する宿主細胞、および
(iv)腫瘍関連抗原またはその部分およびHLA分子との単離複合体、
からなる群から選択される1または複数の成分を含む、医薬組成物。
【請求項9】
請求項1、2または7に記載の医薬組成物であって、
該剤が、各々の場合に異なる腫瘍関連抗原の発現または活性を選択的に阻害し、各々の場合に異なる腫瘍関連抗原を発現する細胞に選択的であるか、あるいは異なる腫瘍関連抗原またはその部分とHLA分子との複合体の量を増加させる2以上の剤を含み、
少なくとも1つの該腫瘍関連抗原が、
(a)配列表の配列番号:1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、69、73、77、81、85、89、93、97、101、105、109、113、117、121、125、129、133、137、141、145、149、153、157、161、165、169、173、175、179、183、187、191、195、199、203、207、211、215、219、223、227、231、235、239、243、247、251、255、259、263、267、269、271、273、275、277、279、309からなる群から選択される核酸配列、その部分またはその誘導体を含む核酸、
(b)ストリンジェントな条件下で、(a)の核酸とハイブリダイズする核酸、
(c)(a)または(b)の核酸と縮重する核酸、および
(d)(a)、(b)または(c)の核酸と相補的である核酸、
からなる群から選択される核酸によってコードされる配列を有する、医薬組成物。
【請求項10】
(i)腫瘍関連抗原またはその部分、
(ii)腫瘍関連抗原またはその部分をコードする核酸、
(iii)腫瘍関連抗原またはその部分に結合する抗体、
(iv)腫瘍関連抗原をコードする核酸と特異的にハイブリダイズするアンチセンス核酸、
(v)腫瘍関連抗原またはその部分を発現する宿主細胞、および
(vi)腫瘍関連抗原またはその部分とHLA分子との間の単離複合体、
からなる群から選択される1または複数の成分を含み、
該腫瘍関連抗原が、
(a)配列表の配列番号:1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、69、73、77、81、85、89、93、97、101、105、109、113、117、121、125、129、133、137、141、145、149、153、157、161、165、169、173、175、179、183、187、191、195、199、203、207、211、215、219、223、227、231、235、239、243、247、251、255、259、263、267、269、271、273、275、277、279、309からなる群から選択される核酸配列、その部分またはその誘導体を含む核酸
(b)ストリンジェントな条件下で、(a)の核酸とハイブリダイズする核酸、
(c)(a)または(b)の核酸と縮重する核酸、および
(d)(a)、(b)または(c)の核酸と相補的である核酸、
からなる群から選択される核酸によってコードされる配列を有する、医薬組成物。
【請求項11】
(ii)の核酸が、発現ベクター中に存在する、請求項8または10いずれかに記載の医薬組成物。
【請求項12】
(ii)の核酸が、プロモーターに機能的に連結している、請求項8または10いずれかに記載の医薬組成物。
【請求項13】
宿主細胞が腫瘍関連抗原またはその部分を分泌する、請求項8または10いずれかに記載の医薬組成物。
【請求項14】
宿主細胞が、腫瘍関連抗原またはその部分に結合するHLA分子をさらに発現する、請求項8または10いずれかに記載の医薬組成物。
【請求項15】
宿主細胞が、HLA分子および/または腫瘍関連抗原またはその部分を組換え方法において発現する、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
宿主細胞が、HLA分子を内因的に発現する、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項17】
宿主細胞が、抗原提示細胞である、請求項8、10、14または16のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項18】
抗原提示細胞が、樹状細胞、単球またはマクロファージである、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
宿主細胞が、非増殖性である、請求項8、10および13-18のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項20】
抗体が、モノクローナル抗体である、請求項5または10いずれかに記載の医薬組成物。
【請求項21】
抗体が、キメラ抗体またはヒト化抗体である、請求項5または10いずれかに記載の医薬組成物。
【請求項22】
抗体が、天然抗体のフラグメントである、請求項5または10いずれかに記載の医薬組成物。
【請求項23】
抗体が、治療薬または診断薬に結合している、請求項5または10いずれかに記載の医薬組成物。
【請求項24】
アンチセンス核酸が、腫瘍関連抗原をコードする核酸の6-50の連続したヌクレオチドの配列を含む、請求項4または10に記載の医薬組成物。
【請求項25】
医薬組成物によって提供される腫瘍関連抗原またはその部分が、異常な量の該腫瘍関連抗原またはその部分を発現する細胞表面上のMHC分子に結合する、請求項8および10-13いずれかに記載の医薬組成物。
【請求項26】
結合により細胞溶解性反応を引き起こし、および/またはサイトカイン放出を誘導する、請求項25記載の医薬組成物。
【請求項27】
医薬的に許容し得る担体および/またはアジュバンドをさらに含む、請求項1-26のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項28】
アジュバンドが、サポニン、GM-CSF、CpGオリゴヌクレオチド、サイトカインまたはケモカインである、請求項27記載の医薬組成物。
【請求項29】
腫瘍関連抗原の発現または異常発現によって特徴付けられる疾病の処置に使用され得る、請求項1-28のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項30】
疾病が癌である、請求項29記載の医薬組成物。
【請求項31】
疾病が、結腸癌、直腸癌、腎臓癌、胸部癌、前立腺癌、子宮癌、卵巣癌、子宮内膜癌、食道癌、血液癌、肝臓癌、膵臓癌、皮膚癌、脳腫瘍、または肺癌、リンパ腫、または神経芽細胞腫、肺腫瘍、胸部腫瘍、前立腺腫瘍、結腸腫瘍、腎細胞癌腫、頸部癌腫、結腸癌腫、または乳房癌腫(mammacarcinoma)または前記癌タイプまたは腫瘍の転移である、請求項29に記載の医薬組成物。
【請求項32】
該腫瘍関連抗原が、配列表の配列番号:2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、114、118、122、126、130、134、138、142、146、150、154、158、162、166、170、174、176、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220、224、228、232、236、240、244、248、252、256、260、264、268、270、272、274、276、278、280から308、310からなる群から選択されるアミノ酸配列、その部分またはその誘導体を含む、請求項1-31のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項33】
以下の検出を含む腫瘍関連抗原の発現または異常発現によって特徴付けられる疾病を診断する方法:
(i)腫瘍関連抗原またはその部分をコードする核酸の検出、および/または
(ii)腫瘍関連抗原またはその部分の検出、および/または
(iii)腫瘍関連抗原またはその部分に対する抗体の検出、および/または
(iv)患者から単離された生物学的サンプル中の、腫瘍関連抗原またはその部分に特異的である細胞毒性またはヘルパーTリンパ球の検出、
ここで、該腫瘍関連抗原は以下の核酸からなる群から選択される核酸によってコードされる配列を有する:
(a)配列表の配列番号:1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、69、73、77、81、85、89、93、97、101、105、109、113、117、121、125、129、133、137、141、145、149、153、157、161、165、169、173、175、179、183、187、191、195、199、203、207、211、215、219、223、227、231、235、239、243、247、251、255、259、263、267、269、271、273、275、277、279、309からなる群から選択される核酸配列、その部分またはその誘導体を含む核酸、
(b)ストリンジェントな条件下で、(a)の核酸とハイブリダイズする核酸、
(c)(a)または(b)の核酸と縮重する核酸、および
(d)(a)、(b)または(c)の核酸と相補的である核酸。
【請求項34】
検出が、
(i)生物学的サンプルと、腫瘍関連抗原をコードする核酸またはその部分、腫瘍関連抗原またはその部分、抗体あるいは細胞毒性またはヘルパーTリンパ球に特異的に結合する剤とを接触させること、および
(ii)剤と、核酸またはその部分、腫瘍関連抗原またはその部分、抗体または細胞毒性またはヘルパーTリンパ球との複合体の形成を検出すること、
を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
検出が、比較し得る正常な生物学的サンプルでの検出と比較される、請求項33または34に記載の方法。
【請求項36】
疾病が2種類以上の腫瘍関連抗原の発現または異常発現によって特徴付けられ、検出が、該2種類以上の腫瘍関連抗原またはその部分をコードする2種類以上の核酸の検出、該2種類以上の腫瘍関連抗原またはその部分の検出、該2種類以上の腫瘍関連抗原またはその部分に結合する2以上の抗体の検出、または2種類以上の腫瘍関連抗原に対して特異的な2以上細胞毒性またはヘルパーTリンパ球の検出を含む、請求項33-35のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
核酸またはその部分が、該核酸またはその部分に特異的にハイブリダイズするポリヌクレオチドプローブを用いて検出される、請求項33-36いずれかに記載の方法。
【請求項38】
ポリヌクレオチドプローブが、腫瘍関連抗原をコードする核酸の6-50個の連続したヌクレオチドの配列を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
核酸またはその部分が、該核酸またはその部分を選択的に増幅することによって検出される、請求項33-36いずれかに記載の方法。
【請求項40】
検出すべき腫瘍関連抗原またはその部分が、MHC分子との複合体にある、請求項33-36のいずれかに記載のいずれかに記載の方法。
【請求項41】
MHC分子がHLA分子である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
腫瘍関連抗原またはその部分が、腫瘍関連抗原またはその部分に特異的に結合する抗体を用いて検出される、請求項33-36および40-41のいずれかに記載の方法。
【請求項43】
抗体が、該抗体に特異的に結合するタンパク質またはペプチドを用いて検出される、請求項33-36のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
腫瘍関連抗原の発現または異常発現によって特徴付けられる疾病の、退行、経過または発病を判定するための方法であって、
ここで、該疾病に罹患しているか、または疾病に罹患していると疑われる患者からのサンプルを、
(i)腫瘍関連抗原またはその部分をコードする核酸の量、
(ii)腫瘍関連抗原またはその部分の量、
(iii)腫瘍関連抗原またはその部分に結合する抗体の量、および
(iv)腫瘍関連抗原またはその部分とMHC分子との複合体に特異的である細胞溶解性またはサイトカイン放出性T細胞の量、
からなる群から選択される1または複数のパラメーターについて、モニタリングすることを含み、
該腫瘍関連抗原が、
(a)配列表の配列番号:1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、69、73、77、81、85、89、93、97、101、105、109、113、117、121、125、129、133、137、141、145、149、153、157、161、165、169、173、175、179、183、187、191、195、199、203、207、211、215、219、223、227、231、235、239、243、247、251、255、259、263、267、269、271、273、275、277、279、309からなる群から選択される核酸配列、その部分またはその誘導体を含む核酸、
(b)ストリンジェントな条件下で、(a)の核酸とハイブリダイズする核酸,
(c)(a)または(b)の核酸と縮重する核酸、および
(d)(a)、(b)または(c)の核酸と相補的である核酸、
からなる群から選択される核酸によってコードされる配列を有する、方法。
【請求項45】
第一の時点での第一サンプルのパラメーターと、第二の時点での別のサンプルのパラメーターとを測定することを含み、疾病の経過をこの2つのサンプルの比較により決定する、請求項44記載の方法。
【請求項46】
疾病が2種類以上の腫瘍関連抗原の発現または異常発現によって特徴付けられ、モニタリングが以下をモニタリングすることを含む請求項44または45に記載の方法:
(i)2種類以上の腫瘍関連抗原またはその部分をコードする2以上の核酸の量、
(ii)2種類以上の腫瘍関連抗原またはその部分の量、
(iii)2種類以上の腫瘍関連抗原またはその部分と結合する2以上の抗体の量、および/または
(iv)該2種類以上の腫瘍関連抗原またはその部分とMHC分子との複合体について特異的である、2以上の細胞溶解性またはサイトカイン放出性T細胞の量。
【請求項47】
核酸またはその部分の量が、該核酸またはその部分に特異的にハイブリダイズするポリヌクレオチドプローブを用いてモニターされる、請求項44-46のいずれかに記載の方法。
【請求項48】
ポリヌクレオチドプローブが、腫瘍関連抗原をコードする核酸の6-50個の連続したヌクレオチド配列を含む、請求項47記載の方法。
【請求項49】
核酸またはその部分の量が、該核酸またはその部分を選択的に増幅することによってモニターされる、請求項44-46のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
腫瘍関連抗原またはその部分の量が、該腫瘍関連抗原またはその部分に特異的に結合する抗体を用いてモニターされる、請求項44-46のいずれかに記載の方法。
【請求項51】
抗体の量が、抗体に特異的に結合するタンパク質またはペプチドを用いてモニターされる、請求項44-46のいずれかに記載の方法。
【請求項52】
細胞溶解性またはサイトカイン放出性T細胞の量が、腫瘍関連抗原またはその部分とMHC分子との複合体を提示する細胞を用いてモニターされる、請求項44-46のいずれかに記載の方法。
【請求項53】
ポリヌクレオチドプローブ、抗体、タンパク質またはペプチドあるいは細胞が、検出し得る方法で標識される、請求項37-38、42、43、47-48および50-52のいずれかに記載の方法。
【請求項54】
検出し得るマーカーが、放射性マーカーまたは酵素的マーカーである、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
サンプルが体液および/または体組織を含む、請求項33-54のいずれかに記載の方法。
【請求項56】
腫瘍関連抗原の発現または異常発現によって特徴づけられる疾病の処置方法であって、請求項1-32のいずれかの医薬組成物を投与することを含み、
該腫瘍関連抗原が、
(a)配列表の配列番号:1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、69、73、77、81、85、89、93、97、101、105、109、113、117、121、125、129、133、137、141、145、149、153、157、161、165、169、173、175、179、183、187、191、195、199、203、207、211、215、219、223、227、231、235、239、243、247、251、255、259、263、267、269、271、273、275、277、279、309からなる群から選択される核酸配列、その部分またはその誘導体を含む核酸、
(b)ストリンジェントな条件下で、(a)の核酸とハイブリダイズする核酸、
(c)(a)または(b)の核酸と縮重する核酸、および
(d)(a)、(b)または(c)の核酸と相補的である核酸、
からなる群から選択される核酸によってコードされる配列を有する、方法。
【請求項57】
腫瘍関連抗原の発現または異常発現によって特徴づけられる疾病を処置、診断またはモニターする方法であって、ここで該腫瘍関連抗原またはその部分に結合し、治療薬または診断薬と結合した抗体を投与することを含み、
該腫瘍関連抗原が、
(a)配列表の配列番号:1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、69、73、77、81、85、89、93、97、101、105、109、113、117、121、125、129、133、137、141、145、149、153、157、161、165、169、173、175、179、183、187、191、195、199、203、207、211、215、219、223、227、231、235、239、243、247、251、255、259、263、267、269、271、273、275、277、279、309からなる群から選択される核酸配列、その部分またはその誘導体を含む核酸、
(b)ストリンジェントな条件下で、(a)の核酸とハイブリダイズする核酸、
(c)(a)または(b)の核酸と縮重する核酸、および
(d)(a)、(b)または(c)の核酸と相補的である核酸、
からなる群から選択される核酸によってコードされる配列を有する、方法。
【請求項58】
抗体がモノクローナル抗体である、請求項42、50または57いすれかに記載の方法。
【請求項59】
抗体がキメラ抗体またはヒト化抗体である、請求項42、50または57いずれかに記載の方法。
【請求項60】
抗体が天然抗体のフラグメントである、請求項42、50または57いずれかに記載の方法。
【請求項61】
以下の工程を含む、腫瘍関連抗原の発現または異常発現によって特徴づけられている疾病に罹患している患者を処置する方法:
(i)該患者から免疫活性細胞を含有するサンプルを取出す工程、
(ii)該サンプルを、腫瘍関連抗原またはその部分に対する細胞溶解性またはサイトカイン放出性T細胞の産生に適する条件下で、該腫瘍関連抗原またはその部分を発現する宿出細胞と接触させる工程、および
(iii)腫瘍関連抗原またはその部分を発現する細胞を溶解するのに適当な量の細胞溶解性またはサイトカイン放出性T細胞を、患者に導入する工程、
ここで該腫瘍関連抗原は以下からなる群から選択される核酸によってコードされる配列を有する:
(a)配列表の配列番号:1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、69、73、77、81、85、89、93、97、101、105、109、113、117、121、125、129、133、137、141、145、149、153、157、161、165、169、173、175、179、183、187、191、195、199、203、207、211、215、219、223、227、231、235、239、243、247、251、255、259、263、267、269、271、273、275、277、279、309からなる群から選択される核酸配列、その部分またはその誘導体を含む核酸、
(b)ストリンジェントな条件下で、(a)の核酸とハイブリダイズする核酸、
(c)(a)または(b)の核酸と縮重する核酸、および
(d)(a)、(b)または(c)の核酸と相補的である核酸。
【請求項62】
宿主細胞が、腫瘍関連抗原またはその部分に結合するHLA分子を組換え発現する、請求項61記載の方法。
【請求項63】
宿主細胞が、腫瘍関連抗原またはその部分に結合するHLA分子を内因的に発現する請求項62記載の方法。
【請求項64】
以下の工程を含む、腫瘍関連抗原の発現または異常発現によって特徴づけられる疾病に罹患している患者を処置する方法:
(i)該疾病に関連のある細胞によって発現される核酸を同定する工程、
ここで該核酸は、下記核酸からなる群から選択される:
(a)配列表の配列番号:1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、69、73、77、81、85、89、93、97、101、105、109、113、117、121、125、129、133、137、141、145、149、153、157、161、165、169、173、175、179、183、187、191、195、199、203、207、211、215、219、223、227、231、235、239、243、247、251、255、259、263、267、269、271、273、275、277、279、309からなる群から選択される核酸配列、その部分またはその誘導体を含む核酸、
(b)ストリンジェントな条件下で、(a)の核酸とハイブリダイズする核酸、
(c)(a)または(b)の核酸と縮重する核酸、および
(d)(a)、(b)または(c)の核酸と相補的である核酸、
(ii)宿主細胞を該核酸またはその部分を用いて形質転換する工程、
(iii)形質転換された宿主細胞を、該核酸の発現のために培養する工程、および
(iv)疾病に関連する患者の細胞に対する免疫応答を増加させるための適当な量で、該患者に宿主細胞またはその抽出物を導入する工程。
【請求項65】
腫瘍関連抗原またはその部分を提示するMHC分子を同定する工程をさらに含み、該宿主細胞が同定されたMHC分子を発現し腫瘍関連抗原またはその部分を提示する、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
免疫応答がB細胞応答またはT細胞応答を含む、請求項64または65に記載の方法。
【請求項67】
免疫応答が、腫瘍関連抗原またはその部分を提示する宿主細胞に特異的であるか、または腫瘍関連抗原またはその部分を発現する患者の細胞に特異的である細胞溶解性またはサイトカイン放出性T細胞の産生を含むT細胞応答である、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
宿主細胞が非増殖性である、請求項61-67のいずれかに記載の方法。
【請求項69】
腫瘍関連抗原の発現または異常発現によって特徴づけられる疾病を処置する方法であって、下記工程を含む方法:
(i)異常な量の腫瘍関連抗原のを発現する患者からの細胞を同定する工程、
(ii)該細胞のサンプルを単離する工程、
(iii)該細胞を培養する工程、および
(iv)該細胞に対する免疫応答を開始させるために適当な量で、該細胞を患者に導入する工程、
ここで該腫瘍関連抗原は以下の核酸からなる群から選択される核酸によってコードされる配列を有する:
(a)配列表の配列番号:1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、69、73、77、81、85、89、93、97、101、105、109、113、117、121、125、129、133、137、141、145、149、153、157、161、165、169、173、175、179、183、187、191、195、199、203、207、211、215、219、223、227、231、235、239、243、247、251、255、259、263、267、269、271、273、275、277、279、309からなる群から選択される核酸配列、その部分またはその誘導体を含む核酸、
(b)ストリンジェントな条件下で、(a)の核酸とハイブリダイズする核酸、
(c)(a)または(b)の核酸と縮重する核酸、および
(d)(a)、(b)または(c)の核酸と相補的である核酸。
【請求項70】
疾病が癌である、請求項33-69いずれかに記載の方法。
【請求項71】
請求項1-32のいずれかに記載の有効量の医薬組成物を投与することを含む、患者における癌の進行を阻害する方法。
【請求項72】
腫瘍関連抗原が、配列表の配列番号:2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、114、118、122、126、130、134、138、142、146、150、154、158、162、166、170、174、176、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220、224、228、232、236、240、244、248、252、256、260、264、268、270、272、274、276、278、280から308、310からなる群から選択されるアミノ酸配列、その部分またはその誘導体を含む、請求項33-71のいずれかに記載の方法。
【請求項73】
(a)配列表の配列番号:1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、69、73、77、81、85、89、93、97、101、105、109、113、117、121、125、129、133、137、141、145、149、153、157、161、165、169、173、175、179、183、187、191、195、199、203、207、211、215、219、223、227、231、235、239、243、247、251、255、259、263、267、269、271、273、275、277、279、309からなる群から選択される核酸配列、その部分またはその誘導体を含む核酸、
(b)ストリンジェントな条件下で、(a)の核酸とハイブリダイズする核酸、
(c)(a)または(b)の核酸と縮重する核酸、および
(d)(a)、(b)または(c)の核酸と相補的である核酸、
からなる群から選択される核酸。
【請求項74】
配列表の配列番号:2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、114、118、122、126、130、134、138、142、146、150、154、158、162、166、170、174、176、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220、224、228、232、236、240、244、248、252、256、260、264、268、270、272、274、276、278、280から308、310からなる群から選択されるアミノ酸配列、その部分またはその誘導体を含むタンパク質またはポリペプチドをコードする核酸。
【請求項75】
請求項73または74に記載の核酸を含む、組換えDNAまたはRNA分子。
【請求項76】
ベクターである請求項75記載の組換えDNA分子、組換えDNA分子。
【請求項77】
ベクターが、ウイルスベクターまたはバクテリオファージである、請求項76記載の組換えDNA分子。
【請求項78】
核酸の発現を制御する発現制御配列をさらに含む、請求項75-77のいずれかに記載の組換えDNA分子。
【請求項79】
発現制御配列が、該核酸と同種または異種である、請求項78記載の組換えDNA分子。
【請求項80】
請求項73または74いずれかに記載の核酸または請求項75-79のいずれかに記載の組換えDNA分子を含む、宿主細胞。
【請求項81】
HLA分子をコードする核酸をさらに含む、請求項80記載の宿主細胞。
【請求項82】
請求項73に記載の核酸によってコードされるタンパク質またはポリペプチド。
【請求項83】
配列表の配列番号:2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、114、118、122、126、130、134、138、142、146、150、154、158、162、166、170、174、176、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220、224、228、232、236、240、244、248、252、256、260、264、268、270、272、274、276、278、280 から 308、310からなる群から選択されるアミノ酸配列、その部分またはその誘導体配列を含む、タンパク質またはポリペプチド。
【請求項84】
請求項82または83に記載のタンパク質またはポリペプチドの免疫原性フラグメント。
【請求項85】
ヒトHLAレセプターまたはヒト抗体に結合する請求項82または83に記載のタンパク質またはポリペプチドのフラグメント。
【請求項86】
タンパク質またはポリペプチドまたはその一部に特異的に結合する剤であって、該タンパク質またはポリペプチドが、
(a)配列表の配列番号:1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、69、73、77、81、85、89、93、97、101、105、109、113、117、121、125、129、133、137、141、145、149、153、157、161、165、169、173、175、179、183、187、191、195、199、203、207、211、215、219、223、227、231、235、239、243、247、251、255、259、263、267、269、271、273、275、277、279、309、からなる群から選択される核酸配列、その部分またはその誘導体を含む核酸、
(b)ストリンジェントな条件下で、(a)の核酸とハイブリダイズする核酸、
(c)(a)または(b)の核酸と縮重する核酸、および
(d)(a)、(b)または(c)の核酸と相補的である核酸、
からなる群から選択される核酸によってコードされる、剤。
【請求項87】
タンパク質またはポリペプチドが、配列表の配列番号:2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、114、118、122、126、130、134、138、142、146、150、154、158、162、166、170、174、176、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220、224、228、232、236、240、244、248、252、256、260、264、268、270、272、274、276、278、280 から 308、310からなる群から選択されるアミノ酸配列、その部分またはその誘導体配列を含む、請求項86に記載の剤。
【請求項88】
抗体である、請求項86または87に記載の剤。
【請求項89】
抗体が、モノクローナル、キメラまたはヒト化抗体または抗体のフラグメントである、請求項88に記載の剤。
【請求項90】
以下の(i)および(ii)の複合体に選択的に結合する抗体:
(i)タンパク質またはポリペプチドまたはその部分、
(ii)該タンパク質またはポリペプチドまたはその部分が結合するMHC分子、
ここで該抗体は(i)または(ii)の単独には結合せず、該タンパク質またはポリペプチドは下記核酸からなる群から選択される核酸によってコードされる:
(a)配列表の配列番号:1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、69、73、77、81、85、89、93、97、101、105、109、113、117、121、125、129、133、137、141、145、149、153、157、161、165、169、173、175、179、183、187、191、195、199、203、207、211、215、219、223、227、231、235、239、243、247、251、255、259、263、267、269、271、273、275、277、279、309からなる群から選択される核酸配列、その部分またはその誘導体を含む核酸、
(b)ストリンジェントな条件下で、(a)の核酸とハイブリダイズする核酸、
(c)(a)または(b)の核酸と縮重する核酸、および、
(d)(a)、(b)または(c)の核酸と相補的である核酸。
【請求項91】
タンパク質またはポリペプチドが、配列表の配列番号:2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、114、118、122、126、130、134、138、142、146、150、154、158、162、166、170、174、176、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220、224、228、232、236、240、244、248、252、256、260、264、268、270、272、274、276、278、280 から 308、310からなる群から選択されるアミノ酸配列、その部分またはその誘導体配列を含む、請求項90記載の抗体。
【請求項92】
モノクローナル、キメラまたはヒト化抗体または抗体フラグメントである、請求項90または91に記載の抗体。
【請求項93】
請求項86-89のいずれかに記載の剤、または請求項90-92いずれかに記載の抗体と治療薬または診断薬との結合体。
【請求項94】
治療薬または診断薬が毒素である、請求項93記載の結合体。
【請求項95】
以下の検出のための剤を含む腫瘍関連抗原の発現または異常発現を検出するためのキット:
(i)腫瘍関連抗原またはその部分をコードする核酸、
(ii)腫瘍関連抗原またはその部分、
(iii)腫瘍関連抗原またはその部分に結合する抗体、および/または、
(iv)腫瘍関連抗原またはその部分とMHC分子との複合体に特異的なT細胞、
ここで、
ここで該腫瘍関連抗原は、以下の核酸からなる群から選択される核酸によってコードされる配列を有する:
(a)配列表の配列番号:1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、69、73、77、81、85、89、93、97、101、105、109、113、117、121、125、129、133、137、141、145、149、153、157、161、165、169、173、175、179、183、187、191、195、199、203、207、211、215、219、223、227、231、235、239、243、247、251、255、259、263、267、269、271、273、275、277、279、309からなる群から選択される核酸配列、その部分またはその誘導体を含む核酸、
(b)ストリンジェントな条件下で、(a)の核酸とハイブリダイズする核酸、
(c)(a)または(b)の核酸と縮重する核酸、および
(d)(a)、(b)または(c)の核酸と相補的である核酸。
【請求項96】
腫瘍関連抗原またはその部分をコードする核酸の検出のための剤が、該核酸の選択的増幅のための核酸分子である、請求項95記載のキット。
【請求項97】
核酸の選択的増幅のための核酸分子が、腫瘍関連抗原をコードする核酸の6-50の連続したヌクレオチドの配列を含む、請求項96記載のキット。
【請求項98】
配列表の配列番号:1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、69、73、77、81、85、89、93、97、101、105、109、113、117、121、125、129、133、137、141、145、149、153、157、161、165、169、173、175、179、183、187、191、195、199、203、207、211、215、219、223、227、231、235、239、243、247、251、255、259、263、267、269、271、273、275、277、279、309からなる群から選択される核酸配列を含む核酸に由来する、プロモーター領域を含む、組換えDNA分子。
【請求項99】
配列表の配列番号:2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、114、118、122、126、130、134、138、142、146、150、154、158、162、166、170、174、176、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220、224、228、232、236、240、244、248、252、256、260、264、268、270、272、274、276、278、280 から 308、310の腫瘍抗原の発現または活性を阻害する剤を含む、医薬組成物。
【請求項100】
配列表の配列番号:2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、114、118、122、126、130、134、138、142、146、150、154、158、162、166、170、174、176、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220、224、228、232、236、240、244、248、252、256、260、264、268、270、272、274、276、278、280 から 308、310による配列を含むタンパク質の細胞外領域に結合する抗体。
【請求項101】
剤が、該腫瘍抗原をコードする核酸と選択的にハイブリダイズするアンチセンス核酸である、請求項99に記載の医薬組成物。
【請求項102】
アンチセンス核酸が、該腫瘍抗原をコードする核酸の6−50の連続したヌクレオチドの配列を含む、請求項101に記載の医薬組成物。
【請求項103】
剤が、RNA干渉(RNAi)である、請求項99に記載の医薬組成物。
【請求項104】
RNAiが"短いヘアピン"構造(shRNA)を含む、請求項103に記載の医薬組成物。
【請求項105】
shRNAが、発現ベクターによる形質転換後の転写により産生される、請求項104に記載の医薬組成物。
【請求項106】
shRNAが、レトロウイルスの転写により産生される、請求項104に記載の医薬組成物。
【請求項107】
shRNAがレンチウイルス系により媒介される、請求項104に記載の医薬組成物。
【請求項108】
剤が化学低分子である、請求項99に記載の医薬組成物。
【請求項109】
化学低分子が、該腫瘍抗原に結合する、請求項108に記載の医薬組成物。
【請求項110】
化学低分子が、配列表の配列番号:2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、46、50、54、58、62、66、70、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、114、118、122、126、130、134、138、142、146、150、154、158、162、166、170、174、176、180、184、188、192、196、200、204、208、212、216、220、224、228、232、236、240、244、248、252、256、260、264、268、270、272、274、276、278、280 から 308、310の配列を含むタンパク質の細胞外領域に結合する、請求項109に記載の医薬組成物。
【請求項111】
少なくとも1つの腫瘍抗原の発現または異常発現によって特徴付けられる転移性腫瘍を、処理、診断またはモニタリングする方法であって、少なくとも1つの腫瘍抗原またはその部分に結合し、治療薬または診断薬と結合している抗体を投与すことを含んでおり、ここで少なくとも1つの腫瘍抗原は、下記核酸からなる核酸によってコードされる配列を有する方法:
(a)配列表の配列番号:1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、49、53、57、61、65、69、73、77、81、85、89、93、97、101、105、109、113、117、121、125、129、133、137、141、145、149、153、157、161、165、169、173、175、179、183、187、191、195、199、203、207、211、215、219、223、227、231、235、239、243、247、251、255、259、263、267、269、271、273、275、277、279、309からなる群から選択される核酸配列を含む核酸、その部分またはその誘導体、
(b)ストリンジェントな条件下で、(a)の核酸とハイブリダイズする核酸、
(c)(a)または(b)の核酸と縮重する核酸、および
(d)(a)、(b)または(c)の核酸と相補的である核酸。
【請求項112】
抗体がモノクローナル抗体である、請求項111に記載の方法。
【請求項113】
抗体がキメラ抗体またはヒト化抗体である、請求項111に記載の方法。
【請求項114】
抗体が天然抗体のフラグメントである、請求項111に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【公開番号】特開2013−63975(P2013−63975A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−223869(P2012−223869)
【出願日】平成24年10月9日(2012.10.9)
【分割の表示】特願2006−527354(P2006−527354)の分割
【原出願日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(505186821)ガニュメート・ファーマシューティカルズ・アクチェンゲゼルシャフト (14)
【氏名又は名称原語表記】GANYMED PHARMACEUTICALS AG
【Fターム(参考)】