説明

診断テストシステムにおけるエラーの検出及び排除

【課題】サンプルの特性を測定するシステムを提供する。
【解決手段】このシステムは、メモリを有する診断測定装置と、サンプルを採取する診断テストストリップと、を含んで構成される。テストストリップは2つ以上の接触パッドを含んで構成される。各接触パッドは、それぞれ、予め設定された導電性を有する。2つ以上の接触パッドの導電性はテストストリップ特有の情報を表すコードを形成する。診断測定装置はプロセッサを更に含んで構成され、テストストリップ特有のコードを読取る。プロセッサは、コードのエラーを検出するエラー検出ルーチンを実行するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年4月12日出願の米国特許出願第11/734,473号に基づく優先権を主張する。
【0002】
本発明は、診断テストストリップを用いて液体中の特定成分を電気化学的に検知するシステム及び方法におけるエラー(誤り)の検出及び排除に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な産業において、液体中の特定成分の濃度を監視する業務上の必要がある。医療分野では、例えば、糖尿病患者は、自分の体液中の特定成分を監視する必要がある。例えば、コレステロール、タンパク質、及びグルコース等の特定液体成分の濃度を手軽に監視するために、人々が血液、尿、又は唾液等の体液をテストできるような複数のシステムが利用可能である。糖尿病は、インスリンの分泌不足を特徴とし、グルコースの正常な消化を妨げる膵臓疾患であり、その患者は、毎日のように、自分の血液中のグルコース濃度を注意深く監視する必要がある。人々が自分の血液中のグルコース濃度を手軽に監視できるような複数のシステムが利用可能である。これらのシステムは、一般的に、ユーザにより血液サンプルが塗布されるテストストリップと、血液サンプル中のグルコース濃度を測定するためにテストストリップを「読取る」測定器と、を含む。
【0004】
血液中のグルコース濃度の測定に利用可能な様々な技術の中で、電気化学技術は特に好ましい。なぜなら、測定を行うために、微量の血液サンプルを必要とするのみでよいからである。電気化学に基づくアンペロメトリックシステムにおいて、テストストリップは、一般的に、グルコースオキシダーゼ及びメディエータ等の試薬を収めるサンプル室と、複数の電極と、を含む。ユーザが血液サンプルをサンプル室に塗布すると、試薬がグルコースと反応し、測定器が、電極間に電圧を印加して、酸化還元反応(レドックス反応)を生じさせる。測定器は、発生電流を測定し、この電流に基づいて、グルコース濃度を算出する。また、電量分析(クーロメトリー)又はボルタンメトリーに基づく他のシステムも知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
テストストリップは、生物試薬(biological reagent)を含んでいるので、製造されたストリップ毎に、全く同じ感度の再現性を求めることは不可能である。それゆえ、テストストリップは、各別のロットで製造され、そのロット特有のデータは、測定器の正確な演算を補助するために、測定器のマイクロプロセッサにより、信号として用いられることが多い。このデータは、測定された電流を実際のグルコース濃度に正確に関連付けるための補助として用いられる。例えば、このデータは、演算中に、オンボードメモリ装置から、格納された較正値の特定群にアクセスし、それを用いるように、測定器のマイクロプロセッサに「信号伝達する」数字コードを表す。
【0006】
従来のシステムでは、ストリップにおける特定のロット特有のコードは、ユーザにより手作業で測定器に入力されるか、又は、共通の製造ロットのテストストリップと共にパッケージ化された一種のメモリ装置(ROMチップ等)を介して接続されている。このユーザによる手入力、又は、接続のステップは、間違ったコードデータが誤って入力されるリスクを増大させる。このようなエラーは、不正確な測定と、患者の病歴の不適当な記録と、をもたらしかねない。また、従来のシステムは、個々のストリップに組込まれたバーコード読取可能な情報も含んでいる。ストリップ毎に特定のバーコードを個々に刷り込むことは、ストリップ生産における製造費を大幅に増大させると共に、その情報を取得するために測定器に組込まれるバーコード読取装置の追加費用を必要とする。
【0007】
血液等の体液中の濃度レベルを正確に測定することは、多くのユーザの長期的な健康にとって非常に重要であることを、重要視すべきである。その結果として、液体中の濃度レベルを測定するために使用される測定器及びテストストリップには、高いレベルの信頼性が必要とされる。それゆえ、個々のテストストリップに対する信号伝達コード(signaling code)をより確実かつ正確に提供する、診断テストストリップ用の費用効果のある自動較正システムを有することが好ましい。
【0008】
機器(測定器)によって読取可能なストリップロット較正情報を個々のテストストリップに組込むことにより、ユーザが測定器のロット較正をストリップのバイアル(小びん)に対応させる必要がなくなる。ユーザに依存して測定器のロットコードを正確に較正する必要がなくなることで、この重要なステップにおけるユーザによるエラーの可能性が取り除かれる。
【0009】
ユーザによる技術上のエラーは自動較正システムから除去されているが、このシステムは、まだ、ストリップ及び機器の生産における標準的なばらつきに起因する潜在的な機器読取エラーの影響を受けている。これらのシステムは、ロットコードが電気的に、機械的に、光学的に、又はその他いずれの方法で組込まれていようとも、較正コードを誤って読取りやすい。機器読取エラー発生の可能性を排除又は少なくとも減少させることにより、システムの信頼性は大いに高められるであろう。
【0010】
読取エラーを完全に取り除くことは可能であるが、しかし、小型のストリップ構造体にエンコードされる有効なデータビット数には制限がある。自動較正に利用可能なデータビット数を減らすことなく読取エラーを最小化することは可能であるが、しかし、ロットコードの正確な数学的配列及び番号付けを必要とする。本明細書に記載の本発明にて教示されるこれらの技術の組み合わせは、エラー排除(error rejection)の所定許容レベルに応じて、読取エラーの排除率を100%にまで変化させるために用いることが可能である。
【0011】
ストリップ上にコード化することは、グルコーステストでは比較的新しいコンセプトであり、これは、グルコース測定の精度を大いに改善する可能性がある。エラーを含むテストストリップを検出及び排除すること、又は、読取エラーを訂正することによって、テストストリップのコード化エラーを防止しないシステムは、十分な性能が得られない可能性があると共に、グルコース測定で不正確な結果を生じる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の態様は、サンプルの特性を測定するシステム、液体中の成分濃度を測定する方法、及び、複数のビットを含んで構成されるコードを液体中の成分濃度を測定する診断テストストリップにエンコードする方法、を対象にしており、これらにより、予想されるビットエラーの影響が最小化され、従来の装置及び方法における1以上の制限及びデメリットが取り除かれる。
【0013】
本発明に従う一態様は、サンプルの特性を測定するシステムを対象としており、組込まれた情報を有し、かつ、サンプルを採取する診断テストストリップと、テストストリップを受入れ、組込情報を読取り、かつ、サンプルを測定する診断測定装置と、を含んで構成される。ここで、診断測定装置は、組込情報のエラー読取を検出するエラー検出ルーチンを更に含んで構成される。
【0014】
本発明に従う他の態様は、サンプルの特性を測定するシステムを対象としており、メモリを有する診断測定装置と、組込まれた導電パターンを有し、かつ、サンプルを採取する診断テストストリップと、を含んで構成される。また、導電パターンは、少なくとも第1のデータ及び第2のデータを表す。ここで、第1のデータは、サンプルの特性の測定に関連するパラメータ、診断測定装置の較正に使用可能なコード、又は、診断測定装置とテストストリップとの間の正常な接続を表示するパラメータ、のうちの少なくとも1つを表すデータであり、第2のデータは、サンプルの特性の正確な測定に影響を及ぼす潜在的エラーの検出及び排除に使用可能なデータである。
【0015】
本発明に従う他の態様は、液体中の成分濃度を測定する方法を対象としており、メモリ及びプロセッサを含んで構成される診断テスト測定器を提供すること、組込まれた少なくとも1つのコードを含んで構成される診断テストストリップを提供すること、テスト測定器にテストストリップを挿入し、テスト測定器が少なくとも1つのコードを読取ること、少なくとも1つのコードに対してエラー検出及び排除アルゴリズムを実行すること、及び、エラー検出及び排除アルゴリズムがエラーを検出しない場合に、液体の成分濃度を測定すること、を含んで構成される。
【0016】
本発明に従う他の態様は、物理的な配列にて配置された複数のビットを含んで構成される第1のコードを含む診断テストストリップを装置が読取る場合に生じ得る潜在的エラーの影響を最小化する方法を提供するものであり、各ビットが読取エラーを引き起こす確率を決定すること、この確率に基づいて、物理的な配列と異なるビットの論理配列を構成すること、を含んで構成される。また、論理配列は、潜在的な読取エラーの影響が最小化されるように配列されたビットを含んで構成される。
【0017】
本発明の付加的な特徴及び利点は、以下の記載において一部が説明され、この記載から一部が明らかであり、又は、本発明の実施により理解されるであろう。本発明の特徴及び利点は、添付した特許請求の範囲において特に指摘された要素及び組み合わせの手段によって実現及び達成されるであろう。
【0018】
上述した概略記載及び以下の詳細記載の双方は、単なる例示及び説明にすぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するものではないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に従う、テストストリップの全体断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に従う、測定器ストリップコネクタに挿入されたテストストリップの上面斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に従う、測定器ストリップコネクタに挿入されたテストストリップの全体断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に従う、テストストリップの遠位部の上面図であり、ストリップ遠位接触部を示す。
【図5】本発明の一実施形態に従う、テストストリップのストリップ遠位接触部を受入れた測定器ストリップコネクタを示す図である。
【図6】本発明に従う、組込まれたサンプルコードを有するテストストリップを示す図である。
【図7】本発明に従う、デジタルモードにて演算するマイクロコントローラ及び測定器ストリップコネクタを示す概略回路図である。
【図8】本発明に従う、トレンディングアルゴリズムを用いてエラーの検出及び排除を行う方法を示すフローチャートである。
【図9】本発明に従う、コードのビット係数を算出するチェックサムアルゴリズムを用いてエラーの検出及び排除を行う方法を示すフローチャートである。
【図10】本発明に従う、冗長コードを用いてエラーの検出及び排除を行う方法を示すフローチャートである。
【図11】本発明に従う、利用可能なコードの個数を選択的に削減する方法を用いてエラーの検出及び排除を行う方法を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態に従う、論理配列を構成する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付図面に図示される本発明の実施形態を、以下、詳細に説明する。可能な限り、同一の参照番号は、同一又は類似の構成を示すように図面の全体を通して使用される。
【0021】
例示的な実施形態に従い、本発明は、テストストリップ及び測定器を含み、発生し得るエラー(誤り)を検出、排除及び最小化する、体液成分測定システムに関する。また、個々のテストストリップは、特定のロットに属するテストストリップに関連するデータと、個々のストリップ特有のデータと、好ましくは、誤りの検出、排除、及び最小化に関連するデータと、に関する組込コードも含み得る。組込情報は、測定器により読取可能なデータであって、メモリに格納された、個々のストリップが属する製造ロットからのテストストリップ特有の、又は、個々のテストストリップ特有の、較正パラメータの特定群にアクセスし、それを用いるように、測定器のマイクロプロセッサに信号伝達するデータを表す。組込情報は、測定器により読取可能なデータであって、あらゆるエラーの検出、排除、又は訂正に関するデータを更に含む。本開示の目的上、「遠位部(distal)」は、通常使用時に、装置オペレータから離れたテストストリップの部分を示す一方、「近位部(proximal)」は、通常使用時に、装置オペレータに近い部分を示すものとする。
【0022】
テストストリップは、例えば、血液サンプル等のユーザの液体サンプルを受入れるサンプル室を含み得る。本明細書におけるサンプル室及びテストストリップは、同一所有者による米国特許第6,743,635号に記載された部材及び方法を用いて形成され、それを参照することによって、その全体が本明細書に組込まれる。それゆえ、サンプル室は、テストストリップの近端部(proximal end)に位置する第1の開口部と、サンプル室を通気する第2の開口部と、を含み得る。サンプル室は、毛細管現象により、血液サンプルを第1の開口部を介して入り込ませることができ、かつ、サンプル室内で血液サンプルを保持できる大きさで形成され得る。テストストリップは、近端部で最も幅が狭いテーパ部を含むことが可能であり、また、ユーザが第1の開口部を簡単に見つけられるように、そして、血液サンプルを簡単に塗布できるように、他の目印を含むことが可能である。測定器及びテストストリップは、例えば、米国特許出願第11/181,778号に記載されているようなものであってもよく、それを参照することによって、その全体が本明細書に組込まれると共に、以下に記載される。
【0023】
作用電極(working electrode)及び対電極(counter electrode)は、オプションとして充填−検出電極(fill-detect electrodes)と共に、サンプル室内に配置され得る。試薬層は、サンプル室内に配置され、好ましくは、少なくとも作用電極と接触する。試薬層は、グルコースオキシダーゼ等の酵素と、フェリシアン化カリウム(potassium ferricyanide)又はヘキサアンミンルテニウム(ruthenium hexamine)等のメディエータと、を含み得る。テストストリップは、その遠端部(distal end)の近傍に、導電線(conductive traces)を介して電極に電気接続される第1の複数のストリップ電気接触部を有する。加えて、テストストリップは、その遠端部の近傍に、第2の複数のストリップ電気接触部も含み得る。第2の複数の電気接触部は、ストリップが測定器に挿入される場合に、測定器により読取可能で、明確に識別可能なロットコードを提供できるように配置され得る。上述のように、読取可能コードは、測定器内のオンボードメモリユニットから、そのロットのテストストリップに関連する較正係数等のデータや、個々のテストストリップに対応する情報、そして好ましくは、発生し得るエラーの検出、排除、又は訂正に関する情報にアクセスするための信号として読取られ得る。
【0024】
測定器は電池式でもよく、節電のために未使用時に低電力スリープモードを維持してもよい。テストストリップが測定器に挿入されると、テストストリップの第1及び第2の複数の電気接触部が、測定器のうちの対応する電気接触部に接触する。第2の複数の電気接触部は、測定器内の1組の電気接触部をブリッジすることが可能であり、これにより、第2の複数の電気接触部の一部に電流が流れる。第2の複数の電気接触部を流れる電流は、測定器を起動させると共に、測定器をアクティブモードにする。測定器は、第2の複数の電気接触部から提供されるコード情報も読取る。そして、測定器は、例えば、実行予定の特定テストの識別や、正常な稼動状態の確認、又は、適用されるエラーの検出、排除、若しくは訂正の方法(メソッド)、アルゴリズム、若しくはルーチンのタイプの確認、をすることができる。加えて、測定器は、挿入されたストリップがテストストリップであるか、それとも、チェックストリップであるかを、特定のコード情報に基づいて識別することもできる。測定器は、チェックストリップを検出すると、チェックストリップシーケンスを実行する。測定器は、テストストリップを検出すると、テストストリップシーケンスを実行する。更に、測定器は、コード情報に基づいて、エラー検出ルーチン、エラー排除ルーチン、又はエラー訂正ルーチンを実行する。本発明の一実施形態に従い、測定器は内部メモリを有し得る。これは、較正や、エラーの検出、排除、若しくは訂正の方法、ルーチン、若しくはアルゴリズムを実行するためのマイクロプロセッサアルゴリズムを格納することができる。測定器の内部メモリは、ファームウェアも格納し得る。これは、格納されたマイクロプロセッサアルゴリズムや、エラーの検出、排除、若しくは訂正の方法、ルーチン、若しくはアルゴリズムを実行するための命令(インストラクション)と、測定器を通常稼動するための命令と、を含む。更に、本発明の一実施形態に従い、ファームウェアはアップグレード可能であり、これにより、追加又は代替の命令を内部メモリに格納することができる。
【0025】
テストストリップシーケンスにおいて、測定器は、作用電極と、対電極と、もし含まれるのであれば充填−検出電極と、のいずれの間にも低インピーダンス経路が形成されていないことを確認することによって、これらの電極の有効性を確認する。電極が有効である場合には、測定器は、ユーザに対して、テストストリップにサンプルを塗布可能であることを表示する。そして、測定器は、作用電極と対電極との間に滴下−検出電圧(drop-detect voltage)を印加し、作用電極と対電極との間の電流(すなわち、作用電極と対電極とをブリッジするように血液サンプルを流れる電流)を検出することにより、液体サンプル(例えば、血液サンプル)を検出する。サンプル室内に十分なサンプルが存在していること、及び、血液サンプルが試薬層に移動し、試薬層の化学成分に溶け込んだことを検出するために、測定器は、充填−検出電極の間に滴下−検出電圧を印加することが可能であり、充填−検出電極の間を流れるあらゆる発生電流を測定する。発生電流が所定期間内に十分なレベルに達すると、測定器は、ユーザに対して、十分なサンプルが存在していること、及び、試薬層に溶け込んだことを表示する。
【0026】
図1は、本発明に従う、テストストリップ10の一実施形態の全体断面図である。テストストリップ10は、米国特許出願第11/181,778号に記載のようなテストストリップを含んで構成され、それを参照することによって、その全体が本明細書に組込まれる。テストストリップ10は、近端接続部12と、遠端部14と、を含み、テストストリップ10の全長に沿って延びるベース層16と共に形成される。ベース層16は、電気絶縁材から形成されることが好ましく、テストストリップ10を構造的に支持するために十分な厚さを有する。ベース層16には、導電パターン(図示せず)が配置される。
【0027】
導電パターン(図示せず)は、近端部12の近傍のベース層16に配置される複数の電極と、遠端部14の近傍のベース層16に配置される複数のストリップ電気接触部と、対応する他の接触部と機械的に係合する部位に位置する複数のストリップ電気接触部に電極を電気接続する複数の導電線と、を含む。本発明に従う一実施形態において、複数の電極は、作用電極、対電極、及び、充填−検出電極を含み得る。
【0028】
誘電絶縁層18は、測定電極と複数のストリップ電気接触部との間のテストストリップの一部に沿って、導電パターンに形成され得る。これにより、電気接続時の傷入りやその他の破損を防ぐことができる。図1に示すように、テストストリップ10の近端部12は、ユーザの液体サンプルを受入れるように構成されるサンプル室20等のサンプル受入部を含む。サンプル室20は、その一部が、カバー22と、ベース層16に形成されて下部に位置する測定電極と、の間に形成されるスロットによって形成され得る。測定電極とストリップ電気接触部との相対位置により、ストリップ10の一端に近位電極部24が形成され、そして、他端に遠位ストリップ接触部26が形成される。
【0029】
図2は、本発明に従う、測定器コネクタ30に挿入されたテストストリップ10の上面斜視図である。テストストリップ10は、近位電極部24を含み、これは、上述のように、サンプル室と、測定電極と、を含む。近位電極部24は、特殊な形状を有するように形成され得る。これにより、ユーザは、液体サンプルを受入れる端部を遠位ストリップ接触部26と区別することができる。測定器コネクタ30は、テストストリップ10を受入れる張出開口部まで延びる溝部(channel)32を含む。測定器コネクタ30は、溝部32の基部から所定高さまで延びる突起部(tangs)36を更に含む。突起部36の所定高さは、例えば、テストストリップ10の対応する隆起層を考慮して、テストストリップ10が溝部32に挿入可能な限度を制限するように選定される。
【0030】
測定器コネクタ30は、測定器コネクタ30の近端部に近い方に配置される第1の複数のコネクタ接触部38と、測定器コネクタ30の遠端部に近い方に配置される第2の複数のコネクタ接触部40と、を更に含む。
【0031】
図3は、本発明に従う、測定器コネクタ30に挿入されたテストストリップの全体断面図である。溝部32は、第1の複数のコネクタ接触部38を含んで構成されるコネクタの近位列を示す。加えて、溝部32は、第2の複数のコネクタ接触部40を含んで構成されるコネクタの遠位列を収容する。第1の複数のコネクタ接触部38及び第2の複数のコネクタ接触部40は、遠位ストリップ接触部26の各別の部位に接触する。
【0032】
コネクタ接触部は、高レベル又は低レベルのインピーダンスを有し、コードインデックスを生成するコードを作成する。本発明に従う一実施形態において、このコードは、実装された接触パッドの個数(P)に基づく2進コードである。ここで、コードの個数(N)は、N=2に等しい。本発明に従う一実施形態では2進コードを用いているが、本発明に従って他のタイプのコードを用いてもよく、それゆえ、実施形態は、これに限定されるものではない。
【0033】
また、本発明に従う他の実施形態では、自動起動又はウェークアップ機能(auto-on/wake-up feature)が組込まれる。しかし、この自動起動又はウェークアップ機能の実装時に予想されるコードの個数は、N=2−1に減少する。自動起動又はウェークアップ機能を有するシステムにおいて、全てがゼロ(全てが高インピーダンス)であるコードは、測定器をウェークアップしないので、有効なコードではない。コードは、その予想される個数が2か2−1かに関係なく、エンコードテスト情報と、較正情報と、エラーの検出、排除、最小化、又は訂正に関する情報と、を含む。予想されるコードの個数は、接触パッドの個数によって制限されるので、エラーの検出、排除、又は訂正の方法では、予想されるコードスペースを使い尽くさず、また、十分なテスト情報や較正情報をテストストリップ10にエンコード可能な方法、を用いることが重要である。
【0034】
テストストリップ10が測定器コネクタ30に挿入されると、1つの接触部が閉じられ、マイクロコントローラの割り込み(インタラプト)の引き上げ又は引き下げにより、測定器がウェークアップされる。そして、測定器は、出力電圧(Vout)を確認してテストタイプを判定した後、コードビットを読取ってコード値を決定する。選定されたコード値は、例えば、測定器のメモリに格納され、測定電極部に塗布された試薬と特に相関があるグルコースマッピングアルゴリズムに用いられる係数群と関連し得る。このコードは、上述のように、他のストリップパラメータ情報とも関連し得るものであり、また、測定器の異なる構成オプションも同様に選定し得る。これは、ストリップの識別(チェックストリップ、製造プローブ、及び異なるテストタイプ)の判定にも用いられ得る。更に、コードは、エラーの検出、排除、訂正のルーチン、方法、又はアルゴリズムを示し得る。
【0035】
個々のテストストリップに個別のコードデータを組込むことにより、測定精度に関連する利点に加えて、多くの利点がもたらされる。例えば、個々のストリップをコード化することにより、ユーザは測定器のロットコードを手入力する必要がなくなり、この重要なステップでのユーザによる技術上のエラーの可能性が取り除かれる。個々のテストストリップに直接格納されるストリップロットコードは、単一のストリップバイアルで混合ロットのストリップを輸送するための手段をも提供するであろう。これに対し、従来のボタン又はキー等によりコード化する技術では、バイアル内の全てのストリップが同一のロットからのものであることが必要となる(一般的に、同一ロットからの50個のストリップが1個のバイアルに収容される)。
【0036】
図4は、本発明の一実施形態に従う、テストストリップ10の遠位部の上面図であり、遠位ストリップ接触部26を示す。ベース層16に形成される導電パターン(図示せず)は、遠位ストリップ接触部26を含むように、テストストリップ10に沿って延びる。遠位ストリップ接触部26は、分割されて、各別の導電部42及び44を形成する。導電部44は、4つのコラムに分割されて、第1の複数のストリップ電気接触部を形成する。ここで、第1の複数のストリップ電気接触部は、各々が、46,48,50,及び52と表示されている。第1の複数のストリップ電気接触部46,48,50,及び52は、テストストリップ10の遠位部にて複数の測定電極に電気接続される。第1の複数のストリップ電気接触部46,48,50,及び52の個数は、単なる例示であり、このシステムに含まれる測定電極の個数に応じて、このシステムに含まれるストリップ電気接触部の個数が増減し得ることを理解すべきである。
【0037】
第1の複数のストリップ電気接触部46,48,50,及び52は、例えば、テストストリップ10の下部に位置する導電パターン(図示せず)によって形成される絶縁部(breaks)54を介して、分割される。追加の絶縁部54は、遠位ストリップ接触部26内の導電部42から導電部44を分割し、更なる絶縁部54は、遠位ストリップ接触部26の右上部を分離して、切欠部(notch region)56を形成する。尚、この詳細については、後述する。
【0038】
導電部42は、5つの各別の部位に分割され、第2の複数のストリップ電気接触部を構成し、接触パッド58,60,62,64,及び66を形成する。上述のように、ベース層16上の導電パターンは、ストリップの上側か、ストリップの下側か、又はこれらを組み合わせた両側に、適用され得る。接触パッド58,60,62,64,及び66は、測定器コネクタ30内の第2の複数のコネクタ接触部40と有効に接続されるように構成される。測定器は、測定器がテストストリップ10に関連するデータにアクセスするように信号伝達する情報を表す特定のコードを、この有効接続を介して受け取ると共に、接触パッドから読取る。絶縁部68は、遠位ストリップ接触部26の最遠接触端部70を分離する。
【0039】
図5は、本発明に従う、テストストリップ10の遠位ストリップ接触部26を受入れた測定器コネクタ30を示す。図5は、第1の複数のコネクタ接触部38(各々、1〜4と表示されている)と、第2の複数のコネクタ接触部40(各々、5〜9と表示されている)と、を示す。コネクタ接触部38及び40は、遠位ストリップ接触部26の各別の部位で接触する。特に、テストストリップ10がコネクタ30に適正に挿入されると、第1の複数のストリップ電気接触部46,48,50,及び52は、各々、第1の複数のコネクタ接触部38を形成するコネクタ接触部1〜4に電気接続される。同様に、第2の複数のストリップ電気接触部を形成する接触パッド58,60,62,64,及び66は、各々、第2の複数のコネクタ接触部40を形成するコネクタ接触部5〜9に電気接続される。
【0040】
本発明に従う一実施形態において、接触パッド66とコネクタ接触部9との間の接続は、地面(又は、極性が反転される電圧源)との共通接続を確立し、これにより、測定器と導電部42の少なくとも一部とを含む電気回路が完成される。この回路の完成により、測定器のウェークアップ機能を実行することができ、これにより、測定器に対して、低電力スリープモードから電力を上昇させる信号を送ることができる。従って、コネクタ接触部9は、接触パッド66とコネクタ接触部9との接続によって回路が最終閉成又はウェークアップする前に、接触部5〜8が適正な接続位置に確実に配置されるように、残りの接触部5〜8に対して近づけて配置され得る。更に、本発明に従う他の実施形態では、非導電性絶縁インクストリップがテストストリップ10の遠端部に形成可能となり、また、導電材が切欠部56(図4に図示)から除去可能となることによって、測定器の早期のウェークアップを防止することができる。
【0041】
すなわち、コネクタ溝部32内をテストストリップ10が遠位方向に移動する場合、コネクタ接触部9がテストストリップ10の最遠端部に係合する位置では共通接続は確立されない。むしろ、コネクタ接触部が切欠部56とインクストリップ(適用されている場合)とを通過し、接触パッド66の導電部位に係合したときにのみ、共通接続が確立され、これによって、信頼性の高い接続が可能となる。
【0042】
上述のように、接触パッド58,60,62,64,及び66は、測定器コネクタ30内で第2の複数のコネクタ接触部40と有効に接続されるように構成される。測定器は、測定器がテストストリップ10に関連するデータにアクセスするように信号伝達する特定のコードを、この有効接続を介して受け取ると共に、接触パッドから読取る。コード化された情報は、実行される特定のテストを示すパラメータ、テストプローブとの接続を示すパラメータ、チェックストリップとの接続を示すパラメータ、較正係数、温度補正係数、pH値補正係数、ヘマトクリット補正データ、及び、特定のテストストリップのブランドを認識するためのデータを含むデータ(データはこれらに限定されない)にアクセスするように、測定器に対して信号伝達する。加えて、コード化された情報は、エラーの検出、排除、又は訂正の方法を示し得る。
【0043】
図6は、本発明に従う、サンプルコードが組込まれたテストストリップを示す。図6に示すように、導電性接触パッド60及び64は、例えば、非導電性(絶縁)インク層75等の電気絶縁材により刷り重ねられる(オーバープリントされる)。非導電性インク層75は、対応するコネクタ接触部(この例では、コネクタ接触部6及び8)と、遠位ストリップ接触部26の導電部42内で様々の所定の接触パッドが位置するストリップ下部と、の間のインピーダンスを増大させる。
【0044】
接触パッド58,60,62,64,及び66を、対応するコネクタ接触部40に接続すると、測定器は、非導電性インク層75で刷り重ねられた接触パッドの番号及びパターンに基づいて、特定のコードを読取るであろう。すなわち、非導電性インク層75の使用は、測定器によって読取られるスイッチング回路網(switching network)を提供する。接触パッド58,60,62,64,及び66の導電面のうちの1つに、絶縁体を刷り重ねる場合には、絶縁体により、そこに沿って流れる電流の流れが妨げられると共に、接触パッドとコネクタ接触部との間の導電性経路が変更される。絶縁体を刷り重ねない場合には、導体を流れる電流は比較的スムーズである。
【0045】
特定のコードを読取ると、測定器の内部メモリは、格納されたマイクロプロセッサアルゴリズムを用いて、特定のテストストリップに関する特定の較正情報、又は、エラーの検出、排除、若しくは訂正の方法、ルーチン、若しくはアルゴリズムにアクセスすることができる。測定器は、アナログ又はデジタル方式でコードを読取ることができる。アナログモードでは、初期設定抵抗ラダー(preset resistive ladder)を、測定器内にて、第2の複数のコネクタ接触部40(図5に5〜9で表示)に相互に接続する。これにより、電圧降下、抵抗、又は電流測定を用いて、プリントされた非導電性インクの順列を、各別のロットコードに関連付けることができる。また、各コードが、少なくとも1つの非導電性インクのないパッドを有する場合には、アナログ方式は、同時に、自動起動又はウェークアップ機能としても用いられ得る。ここで、非導電性インクのないパッドは、開回路を閉じて測定器をウェークアップさせるように、低インピーダンス接続を行うことができる。アナログの電圧、抵抗、又は電流のレベルは、測定器がテストストリップ10特有の上述のあらゆるデータにアクセスするように信号伝達するために、用いられ得る。
【0046】
デジタルモードでは、図7に概略的に示すように、各接触パッド58〜66が、個々の入力として読取られており、アナログ方式にて用いられる単一入力とは異なっている。デジタル方式を、同時に、自動起動又はウェークアップ機能として用いるためには、入力を、一緒にワイヤーオアー(wire-orred)するか、又は、マイクロコントローラの割り込みコントローラに接続する必要がある。測定器のマイクロコントローラをウェークアップさせるように低インピーダンスの接続を行うために、各コードは、非導電性インク75のない少なくとも1つのパッドを有していなければならない。
【0047】
高レベル及び低レベルのインピーダンスを有する非導電性インク75は、実装されたパッドの個数(P)に基づいて、コードインデックスを生成する2進コードを作成する。ここで、コードの個数は、N=2である。尚、コードは、全てのストリップ電気接触部が電気絶縁材で覆われていない配列を含んで構成され得る(コードは、全てが論理「1」、すなわち、全てが導体であろう)。しかしながら、上述のように、自動起動又はウェークアップ機能の実装時に予想されるコードの個数は、N=2−1に減少する。自動起動又はウェークアップ機能を有するシステムでは、全てがゼロ(全てが絶縁体)のコードは、測定器をウェークアップしないので、有効なコードではない。
【0048】
テストストリップ10が測定器コネクタ30に挿入されると、1つの接触部が閉じられ、マイクロコントローラの割り込みの引き上げ又は引き下げにより、測定器がウェークアップされる。そして、測定器は、出力電圧(Vout)を確認してテストタイプを判定した後、コードビット(S1,S2,S3,S4)を読取ってコード値を決定する。選定されたコード値は、例えば、測定器のメモリに格納され、測定電極部に塗布された試薬と特に相関があるグルコースマッピングアルゴリズムに用いられる係数群と関連し得る。加えて、選定されたコード値は、エラーの検出、排除、又は訂正のアルゴリズムと関連し得る。コード値が確認信号用として所定範囲内に入るか否かを判定するために、図7に示すVoutにおける直列抵抗Rでの電圧降下が検出され得る。これは、ストリップの識別(チェックストリップ、製造プローブ、及び異なるテストタイプ)の判定にも用いられ得る。
【0049】
(非導電性インク75による絶縁層を接触パッドのうちの1つに適用するかしないかによって)高インピーダンスレベル又は低インピーダンスレベルを提供し、加えて、特定の抵抗性材料(resistive element)を特定の接触パッド上に適用してもよい。抵抗性材料は、回路内でインピーダンスのレベル上昇をもたらし、これにより、電気回路を流れる電流を減少させる(しかし、必ずしも阻止するものではない)。従って、特定の抵抗性材料を特定の接触パッド上に適用することにより、テストストリップの接触パッドの直上に中間レベルの抵抗が提供される。この中間レベルの抵抗が、対応する測定器コネクタ接触部との係合を介して測定器に接続されると、測定器は、この「中間」レベルを検出する(例えば、オームの法則及びキルヒホッフの法則を適用して電圧降下の回路測定を行う)。
【0050】
このような中間レベルの検出は、測定器のプロセッサに対して、テストストリップ10に関するコードデータの完全に新しい群にアクセスするように警告するものである。換言すれば、接触パッドの設定個数で利用可能なコードの個数を増加させるために、抵抗性材料のコーティングを用いることが可能となる。例えば、ストリップは、非導電性絶縁インク75を用いた特定のパターンによる特定のコードと共に形成され得る。導電性接触パッドのうちの1つが特定の抵抗性材料を含んで形成されている場合に、測定器は、非導電性インク75のパターンにより表される同一のコードを直ちに読取り、全く異なるデータ群にアクセスする。一例として、図6に示す接触パッド66(又は、利用可能なあらゆる接触パッド)は、抵抗性材料を含んで形成される。一例として、抵抗性材料は、プリントされた導電性インクの状態で提供され得るが、この例は、限定を目的とするものではない。抵抗性材料を形成する、プリントされたインクの厚さと、インク成分の抵抗率とは、特定の接触パッドに望ましい抵抗を得るために変更可能である。このコードの増加により利用可能となる追加情報は、ヘマトクリット補正に関する情報、測定器のアップグレードに関する情報、特定のストリップタイプに関する情報、又は、エラーの検出及び排除のアルゴリズムにて用いられるチェックサム(詳細を後述する)を含むことができるが、追加情報は、これらに限定されるものではない。従って、接触パッドの設定個数で利用可能なコード構成の個数を増加させるために、このような抵抗性材料を用いることが可能である。
【0051】
本発明の一実施形態に従って、接触パッド58,60,62,64,及び66は、コードの個々のユニット値を表すために用いられ、これらが組み合わされると、コード値を形成する。一実施形態において、接触パッドはデジタルビットを表し、これは、2進法でエンコードされ得る。すなわち、各接触パッド58,60,62,64,及び66はそれぞれ、コードにおける「1」又は「0」の2進値を表し得る。これにより、仮に接触パッド58に2進値の1が割り当てられると、接触パッドの個数をnとして、これは、2n−1に等しい。この例において、接触パッド58は、デジタルの「1」が割り当てられると、ユニット値として2又は16を有する一方、デジタルの「0」が割り当てられると、ユニット値として0を有する。同様に、接触パッド60は、ユニット値として8又は0を有し、接触パッド62は、ユニット値として4又は0を有し、接触パッド64は、ユニット値として2又は0を有し、そして、接触パッド66は、ユニット値として1又は0を有する。従って、01010で表されるコードは、個別のユニット値として0,8,0,2,0を有すると共に、組み合わせコード値10を有する。
【0052】
本発明の実施形態に従って、接触パッド58,60,62,及び64は、また、上述のデジタルビット以外のユニット値も有し得る。例えば、接触パッド58,60,62,及び64は、アナログ読取値、記号、又はピクトグラムの形式のユニット値を有し得る。アナログ読取ユニット値は、接触パッド58,60,62,及び64に関する特性(例えば、抵抗)の実際の読取りに関連し得る。そして、コード値は、個々の抵抗の組み合わせであり得る。
【0053】
記号又はピクトグラムユニット値は、線、図形、画像等の形式であってもよい。例えば、接触パッド58は、ユニット値として4本の線を有し、接触パッド60は、ユニット値として3本の線を有する、等であり、コード値は、線の合計本数に等しい。他の例では、接触パッド58,60,62,64,及び66は、各パッド毎に、異なる形状を有しており、コード値は、これらの形状の群である。また、デジタルの「1」若しくは「0」、又は、アナログ読取値が所定値以上であることを条件として、記号又はピクトグラムが接触パッド上に存在することを許可するために、記号又はピクトグラムを、デジタルビット及びアナログ読取値と共に用いてもよい。
【0054】
接触パッド58,60,62,64,及び66は、上述の組込コードの個々のビットを表し、これは、米国特許出願第11/181,778号に完全に記載されており、それを参照することによって、その全体が本明細書に組込まれる。本明細書を通じて述べているように、本発明の一実施形態に従って、組込コードは、エラーを検出又は排除する方法を実施可能にする情報を含み得る。本発明に従う一実施形態において、エラーを検出又は排除する方法では、エラーを検出又は排除するために、トレンディングアルゴリズム(trending algorithm)を用いる。例えば、50個のテストストリップを収容する1個のバイアルを考える。測定器が前回読取ったコードと異なるコードを読取り、かつ、使用されたテストストリップの個数が50個未満である場合は、測定器は、潜在的なエラーがあると表示する。すなわち、本発明の一実施形態に従って、トレンディングアルゴリズムは、読取コードが、エラーとして認定されるために期待値から十分に離れているか否かを判定する根拠として、最近の、及び超過時間(over-time)のトレンドを用いる。
【0055】
図8は、本発明に従う、トレンディングアルゴリズムを用いてエラーの検出及び排除を行う方法を示すフローチャートである。まず、テストストリップ10が測定器に挿入されて、測定器により読取られる(S801)。次に、テストストリップの所定の特性が記録され、測定器のメモリに保存される(S802)。テストストリップの所定の特性は、ロットコード又は他のテストストリップに関する製造情報を含むあらゆる性能指標であるか、又は、テストストリップにより測定される特性に関連し得る。次に、記録された特性に基づいてトレンディング分析を行って、期待値を得る(S803)。トレンディング分析では、過去に使用されたテストストリップからの記録された特性と、現在のテストストリップからの記録された特性と、を分析して、期待値を得る。トレンディング分析は、読取ったテストストリップ群を平均化すること、又は、学習アルゴリズムを用いること、を含み得る。本発明の実施形態に従って、学習アルゴリズムは、自動適応学習アルゴリズムを含んで構成され、ユーザフィードバックを含んでもよい。
【0056】
図8に戻り、次に、測定器は、現在のテストストリップの記録された特性が、算出された期待値と異なるか否かを判定する(S804)。記録された特性が、算出された期待値と異ならない場合には、測定器は、エンコードされたデータを読取り、処理する(S807)。また、測定器は、エンコードされたデータを、トレンディング分析に用いられるデータポイントとして、格納し得る。記録された特性が、算出された期待値と異なる場合には、測定器は、読取エラーを表示し(S805)、ユーザは、テストストリップを取り外し、新しいストリップを取り付ける(S806)。また、本発明の一実施形態に従って、記録された特性が算出された期待値と異なる場合には、測定器は、読取エラーを表示し(S805)、ユーザに追加入力するように指示する(S808)。例えば、50個のストリップを収容する1個のバイアルの前例に関して、読取エラーの表示後に、測定器は、ユーザに対し、テストストリップが新しいバイアルからのものであるか否か、新しいバイアルのロットコードか否かの問い合わせを行うか、若しくは、再読取りを行うために、ユーザに対し、測定器へのストリップの再挿入のみを指示する。次に、この指示に対する応答に応じて、測定器は、エンコードされたデータを読取り、処理し(S807)、次に、このエンコードされたデータを、トレンディング分析に用いられるデータポイントとして、格納する。
【0057】
本発明に従う他の実施形態において、組込コードは、エラーを検出又は排除する方法を実施可能にする情報を含み得る。この方法では、コードのビット係数(modulus of the bits)の算出を含むチェックサムを用いて、エラーの検出及び排除の少なくとも一方を行う。チェックサムを行うために、チェックサム用の追加ビットが、組込コードに沿ってテストストリップ10に組込まれるが、この組込コードは、測定器に対して、テストストリップ10特有の上述のあらゆるデータにアクセスするように信号伝達するために用いられる。テストストリップ10が測定器に挿入されると、チェックサム方法を示すコードがそこにエンコードされ、測定器に対して、測定器のメモリに格納されたチェックサムアルゴリズムを実行するように信号伝達する。一般的に、測定器は、較正コード係数を決定するアルゴリズムを実行し、この係数を期待値と比較する。本発明に従う具体的な一実施形態において、チェックサム方法では、較正コードのビット係数を算出し、この係数を、テストストリップ10にも同様にエンコードされた係数値と比較する。算出された係数が、エンコードされた係数と一致しない場合には、テストストリップにエンコードされた読取較正コードが排除される。チェックサムビットは、上述のように、プリントされた絶縁パッドを用いて、又は、接触パッドの抵抗を変更することにより、又は、接触パッド58,60,62,64,及び66に光学マーカーを配置することにより、エンコードされ得る。本発明に従う一実施形態において、チェックサムビットは、較正ビットと異なる方法を用いてエンコードされ得る。較正ビットのエンコードに用いられた方法と異なる方法を用いてチェックサムビットをエンコードすることにより、製作公差に起因するエラーが、チェックサムビットと較正ビットとの間で重複することはない。これにより、一致しないチェックサムによって、エラーが確実に排除され得る。本発明に従う実施形態において、チェックサムビットは、2進数若しくはバイナリであってもよく、又は、他のエンコード方法に基づいてもよい。また、チェックサムビットは、磁気的手段又は光学的手段(例えば、バーコード)、テストストリップ10の基板に形成される切欠部等の既知の手法によりエンコードが可能である。
【0058】
本発明の一実施形態に従って、チェックサムビットは、パリティビットチェックサム、又は単数ビットチェックサムであってもよく、また、複数ビットチェックサムであってもよい。パリティビットチェックサムは、エラーの検出用に単数ビットを犠牲にするのみのエラーの検出又は排除方法を可能にする。しかしながら、パリティビットチェックサムは、奇数の読取ビットエラーを防ぐのみであり、偶数の読取ビットエラーは検出されない。パリティビットチェックサムでは、100%の単数ビットエラーが排除されると共に、50%の複数ビットエラーが検出及び排除される。本発明に従う一例において、上述のように、情報をエンコードするために、2進法を用いるテストストリップに対して、接触パッドの個数Pを採用すると、N=2として、N個のコードがもたらされる。パリティビットを利用すると、有効なコードスペースは、N/2又はN=2P−1に減少され得る。
【0059】
複数ビットチェックサムは、パリティビットチェックサムに比べてロバスト性があるが、タスクの実行に利用可能なビットをより多く犠牲にする。複数ビットチェックサムは、より高いレベルでエラーを検出及び排除し、奇数ビットエラーと、一部の偶数ビットエラーと、の両方を検出する。しかしながら、複数ビットチェックサムを用いると、より多くのビット数が使用され、ビットオーダーでエラーを検出することができない。複数チェックサムでは、較正ビットに関連するチェックサムのビット数に基づいて、100%の単数ビットエラーが排除されると共に、少なくとも75%の複数ビットエラーが排除される。2進法に対して、C個のチェックサムビット(C<P)を用いると、有効なコードスペースは、N=2P−Cに減少され得る。
【0060】
図9は、本発明に従う、コードのビット係数の算出を含むチェックサムアルゴリズムを用いてエラーの検出及び排除を行う方法を示すフローチャートである。まず、テストストリップ10が測定器に挿入され、それに組込まれたコードが、測定器によって読取られる(S901)。測定器は、測定器のプロセッサに対して、コード係数を決定するように、そして、この係数を特定値と比較するように命令するインストラクションを含むメモリを備える。テストストリップ10に組込まれるコードには、係数の組込期待値も含まれており、これを測定器が読取って、メモリに格納する。次に、測定器は組込コードのビット係数を決定し(S902)、この係数を格納された期待値と比較する(S903)。測定器は、期待値が係数と一致するか否かを判定する(S904)。期待値と係数とが一致する場合には、測定器は、次に、上述のあらゆる因子を示すテストストリップ10のエンコードデータを読取り、処理する(S905)。これは、テストストリップ10にエンコードされた情報で特定されたように、液体サンプルのテストを行うことを含む。ビット係数が期待値と一致しない場合には、測定器は、読取エラーを表示し(S906)、ユーザは、テストストリップを取り外し、新しいストリップを取り付ける(S907)。
【0061】
本発明に従う他の実施形態では、冗長コードがテストストリップ10にエンコードされ得る。テストストリップ10に冗長コードをエンコードすることにより、測定器は、複数ビット読取エラーを検出及び排除することができる。テストストリップのロットを示すコード、又は、上述の他のあらゆる因子が、まず、テストストリップ10にエンコードされ、次に、同一のコード、又は冗長コードが、テストストリップ10に再度エンコードされる。そして、コードが測定器によって排除されないようにするためには、両方のコードが一致しなければならない。本発明に従う一実施形態において、コードの冗長反復(redundant iteration)は、コードの初期反復(original iteration)と異なるビット列でエンコードされる。初期コード及び冗長コードが異なるビット列でエンコードされると、コードは、製造場所のばらつきによる影響を受けにくくなる。組込コードのビット列を変更することにより、物理的な移動又は機械のオフセット量によるばらつきは、両方のコードにて同一のビットエラーに変換されることはないであろう。仮に、同一のビットエラーが全ての組込コードに存在していると、エラーは検出されないので、これは、有利である。
【0062】
本発明に従う他の実施形態では、冗長コードが、異なるビット列でエンコードされる代わりに、コードが、異なる製造手法、若しくは組込手法を用いて、又は、電気的手法、光学的手法、若しくは磁気的手法等の異なる手法を用いて、エンコードされ得る。また、エラーの検出及び排除のレベルを向上させるために、冗長コードは、更に、上述のようなチェックサムと併用され得る。
【0063】
図10は、本発明に従う、冗長コードを用いてエラーの検出及び排除を行う方法を示すフローチャートである。まず、テストストリップ10が測定器に挿入されて、第1のコードが測定器によって読取られ(S1001)、この後、コードの冗長反復である第2のコードが読取られる(S1002)。次に、測定器は、第1のコードが第2のコードと一致するか否かを判定する(S1003)。第1のコードと第2のコードとが一致する場合には、測定器は、次に、上述のあらゆる因子を示すテストストリップ10のエンコードデータを読取り、処理する(S1004)。これは、テストストリップ10にエンコードされた情報で特定されたように、液体サンプルのテストを行うことを含む。第1のコードと第2のコードとが一致しない場合には、ユーザは、テストストリップ10を取り外し、新しいストリップを取り付けて、プロセスを再開させる(S1005)。
【0064】
本発明の他の実施形態に従って、エラーを検知及び排除するために、コード削減方法(code reduction method)を用いることが可能である。上述のチェックサム及び冗長コード化方法にて、特に、較正ロット情報やテストタイプ等のコード化に用いられる排他ビット(exclusive bits)を必要とする場合には、コード削減スキームにより、コード化情報の全てのビットが用いられる。この実施形態では、特定の組み合わせビット又はコードが、所定の許容範囲内の又は有効なコード群から除外されたものとして識別される。有効なコード群は測定器のメモリに格納され得る。この方法により、複数ビットエラーの検出及び排除が可能になると共に、チェックサム又は冗長コードを用いる場合に比べて、エラーの検出及び排除水準が向上する。
【0065】
有効なコードの総数は、メンバーの個数Mを有し得る除外群に基づいて、選択的に削減され得る。ここで、Nは予想されるコードの個数であり、M>0、及び、M<Nである。
除外用に選択される群は、利用可能なコードの許容個数を保持しつつ、エラーの検出及び排除の許容レベルに達するように選択される。削減用に選択されるコード群若しくは無効なコード群は、コード中の「1」若しくは「0」の個数に関連するか、又は、ビットが偶数若しくは奇数であることに関連し得る。除外手段は、これらの例に限定されないが、実装がより容易であることは理解されるであろう。
【0066】
一例として、エラーの検出及び排除用のコードをエンコードするために、2進法に対して、接触パッドの個数Pを採用すると、N=2として、N個のコードがもたらされる。例えば、Y≦Pとして、「1」のカウント数がYに等しいコードの値を取り除くことによって、有効なコードの個数を選択的に削減することで、「1」のカウント数(又は「0」のカウント数)が、対称性を有する。ここで、「1」が0個であるカウント数は、「1」がP個であるカウント数と等しく、「1」が2個であるカウント数は「1」がP−1個であるカウント数と等しい。
【0067】
他の例において、P=5の2進法を用いると、N=32個のコードスペースがもたらされ、検出率又は排除率は0%となる(すなわち、全てのコードが有効となる)。2個の「1」を含む値を有するコードを選択的に除外することにより、予想されるコードの個数は10個減少して22個になり、予想される検出率又は排除率は45.5%となる。同様に、選択的に除外するコードとして、0個又は1個の「1」を含む値を有するコードを用いることにより、低レベルの保護を選択することができる。1個の「1」を有する有効なコードは5個有り、また、0個の「1」を有する有効なコードは1個あるので、コードスペースは6個減少して26個になり、エラーの検出率又は排除率は23%となる。すなわち、製造欠陥等に起因し、測定器により検出及び排除される無効なコードの割合は、23%である。
【0068】
本発明に従って、コードを選択的に除外する上述の方法は、これまで述べてきたように、利用可能なコード値及びユニット値に拡張される。例えば、群{A,B,C,D}の中のユニット値を含んで構成される4ユニットコードを考える。この群から利用可能なコード値は、{A,B,C,D}、{B,B,C,D}、{C,B,C,D}、{D,B,C,D}、{A,C,C,D}等を含むことが可能であり、{A,B,C,D}の全ての可能な配列及び反復を含む。既知の公差に起因して、特定のコード値、又は特定のユニット値は、それに関連するエラーを含む傾向がより強くなり得る。例えば、コード値{D,D,A,C}、又は4番目に位置するユニット値{A}は、エラー率が高いこと、又は、異なるコード値若しくはユニット値として読み誤まる可能性が高いこと、が理解され得る。従って、エラーの可能性があるコード値又はユニット値の群は、除外群として生成され、又は、逆に、許容範囲内のコード値群として生成されるので、エラー率の高い又は重大なエラーを発生させるユニット値又はコード値が除外され得る。この方法は、上述のようなデジタルビット、アナログ読取値、記号、又はピクトグラム等のユニット値に、更に適用可能である。
【0069】
図11は、本発明に従う、利用可能なコード値の個数を選択的に削減する方法を用いてエラーの検出及び排除を行う方法を示すフローチャートである。尚、この方法は、特定のユニット値を選択的に削減することによっても、用いられ得る。まず、テストストリップ10が測定器に挿入され、それに組込まれたコードが、測定器によって読取られる(S1101)。測定器は、このコード値を、測定器のメモリに格納され得る所定の許容コード値と比較する(S1102)。測定器は、テストストリップ10のコード値が、所定の許容コード値群のコード値と一致するか否かを判定する(S1103)。本発明に従う一実施形態において、所定の許容コード値群は、既知の製作公差及び条件に基づく、エラーを含まない可能性が最も高いコード値を含む。テストストリップ10のコード値が、所定の許容コード値群のコード値と一致する場合に、コード値は、有効なコードであると判定され、測定器は、次に、上述のあらゆる因子を示すテストストリップ10のエンコードデータを読取り、処理する(S1104)。これは、テストストリップ10にエンコードされた情報で特定されたように、液体サンプルのテストを行うことを含む。コード値が、所定の許容コード値群に含まれるコード値と一致しない場合には、テストストリップ10は製造欠陥を含む可能性があるので、測定器はエラーを表示し、ユーザは、テストストリップ10を取り外し、新しいストリップを取り付ける(S1105)。
【0070】
本発明に従う他の実施形態では、配列方法(arrangement method)を用いて、予想されるビットエラーの影響を最小限に抑える。ビットエラーの検出及び排除スキームの利用が最善ではない状況において、ビットエラーの影響を抑制することは、好ましい選択肢である。テストストリップ10に組込まれたビットは、一般的に、エラー発生の可能性が異なっている。この異なる可能性を用いて、ビットエラーの影響を減少させるように、ビットを、実際の物理的な位置と異なる位置に配置する論理配列を構成することにより、予想されるビットエラーの影響を最小限に抑えることができる。下記の表1は、4ビットの2進コード体系における16個のコードと、予想される単数ビットエラーと、を示す。エラーコードは、複数ビットを足し合わせることにより決定される。ここで、複数ビットでは、3番ビットの「1」が8に等しく、2番ビットの「1」が4に等しく、1番ビットの「1」が2に等しく、0番ビットの「1」が1に等しい。
【0071】
【表1】

【0072】
表1に示すように、予想される全ての2進コードは、予想される4個の単数ビットエラーを有する。表1の結果を、更に、下記の表2に示す。表2は、エラーグリッドを用いた同一の結果を示す。表2は、期待されるコードにどれだけ近いか、又はどれだけ遠いかのみを示しており、単数ビットエラーは、読取コードを乖離させる原因となり得る。縦方向の値は、所望の(実際の)コード値に一致し、横方向の値は、実際の読取コード値に一致する。黒塗り部分は期待されるコードを示し、格子線の部分は最小のビットエラーを示し、斜線の部分は、次に大きなビットエラーを示し、横線の部分は、次に大きなビットエラーを示し、縦線の部分は、最大のビットエラーを示す。
【0073】
【表2】

【0074】
表2に示すように、製作公差により、及び、特定のビットが不正確でエラーを引き起こす可能性により、特定のコードは、特定の単数ビットエラーを有する可能性が高く、特定の単数ビットエラーは、読取コードを、期待されるコードから他のコードへと更に乖離させる原因となり得る。最大のビットエラー及び最小のビットエラーに対するコードの論理配列を構成することにより、期待されるコードからの乖離度合を、最小限に抑えることができ、更に、許容範囲内の結果をもたらし得る。この論理配列により、所定の許容ビットエラー率を有するコードは、コードスペースとして利用可能であり、最小ビットでのエラーに関係なく、測定された特性の大きさにあまり影響しないと認められ得る。
【0075】
図12は、本発明の一実施形態に従う、論理配列を構成する方法を示すフローチャートである。まず、コード中の各ビットがエラーになる確率を決定する(S1201)。この確率は、例えば、製作公差に基づき得る。一例として、接触パッド58,60,62,64,及び66を有するテストストリップ10に関して、パッド58によりエンコードされるビットは、エラーを有する確率が最も高い。なぜなら、パッド58は、ストリップの端部に位置しており、製造工程にて接触パッド58が傷つけられ、又は誤って製造される可能性が高いからである。逆に、接触パッド62等の内側パッドは、エラーを有する確率が最も低い。従って、エラーを有する確率が最も高いビットは、エラーを有する確率が最も低いビットに論理的に置き換えられる(S1202)。次に、同様のプロセスで、エラーを有する確率が次に高いビットは、エラーを有する確率が次に低いビットに論理的に置き換えられ、同様の論理的な置き換えが、全てのビットに対して行われるまで続けられる(S1203)。全てのビットが論理的に置き換えられた後に、ビットの論理配列が構成される(S1204)。論理配列では、ビットが、テストストリップ10上に現れている列と異なる列で並べられ得る。例えば、接触パッドの配列が58,60,62,64,66であるテストストリップ10の論理配列は、62,66,58,64,60となり得る。
【0076】
更に、論理配列は、2つの方法(順次配列又は非順次配列)により実行され得る。順次配列では、コードを順に保持するように、論理ビットが配列される。非順次配列では、初期ビットは順に残るが、結果として生じるコードスペースは、論理的な置き換えに基づいて、論理的に配列される。論理配列は、測定器が、テストストリップに組込まれた実際のコードを、どうやって読取るのかを決定する。すなわち、順次配列では、測定器は、テストストリップが論理コード配列を有するとして、テストストリップを読取るであろうし、非順次配列では、測定器は、テストストリップが実際のコードを有するとして、テストストリップを読取り、実際のコードを、論理配列により作成される論理コードスペースに関連付けるであろう。更に、順次配列方法又は非順次配列方法を用いることにより、許容コードを有すると測定器が認識し得るコードスペースが作成される。これにより、最小のビットエラーを含むコードを有するテストストリップは、許容範囲内となる一方、最大のビットエラーを含むコードを有するテストストリップは、許容範囲外となる。
【0077】
更に、本発明の一実施形態に従って、エラーの訂正を行う方法を用いることにより、ビットコードエラーを有すると検出され又は排除されたコードを訂正してもよい。例えば、本発明に従って、ハミングコードを効果的に用いることにより、エラーを訂正することができる。なぜなら、テストストリップに組込まれたビット数は、固定長であるからである。ハミングコードは、電気通信において周知であり、送信されるデジタルデータ又はスキャンデータ(例えば、磁気ストライプ又はバーコード)のエラーを防止するために用いられる。ハミングコードは、一般的に、組込情報と共に組込まれる追加エラー訂正ビット又は追加エラーチェックビットを用いる。ここで、追加エラー訂正ビット又は追加エラーチェックビットは、異なる不正確なビットが異なるエラー結果を生み出すように、配列される。これにより、ビットエラーの識別及び訂正が可能となる。特に、ハミングコードは、組込情報の4ビット毎に3ビットのエラーチェックビットを含んでおり、あらゆる単数ビットエラーを訂正することができると共に、全ての単数ビットエラー及び2ビットエラーを検出することができる。
【0078】
本発明に従うテストストリップ10にてハミングコードを含むためには、テストストリップ10上に、情報の4ビット毎に3ビットのエラーチェックビットを追加しなければならない。エラーチェックビットは、上述のように、プリントされた絶縁パッドを用いて、又は、接触パッドの抵抗を変更することによって、テストストリップ10に組込まれ得る。また、エラーチェックビットは、接触パッド58,60,62,64,及び66に光学マーカーを配置することにより、エンコードされ得る。一例として、自動ウェーク機能の指定に用いられる1個の接触パッドを含む、上述のような接触パッド58,60,62,64,及び66を有するテストストリップを用いる場合には、テストストリップは、4個の使用可能パッドと、4ビットと、を含む。接触パッド58,60,62,64,及び66にて抵抗を変更することにより、又は、接触パッド58,60,62,64,及び66に光学マーカーを配置することにより、ハミングコード用に、3ビットの追加エラーチェックビットをエンコードすることができる。
【0079】
更に、上述の方法は、必ずしも排他的なものではなく、単独の方法よりも高いレベルのエラーの検出及び排除がもたらされるように組み合わせて用いられ得る。例えば、チェックサムの使用は、削減されるコード群と組み合わせられる。更に、係数又はチェックサムは、ハミングコードに組み合わせて用いられ得る。これにより、単独の方法よりも高いレベルでのビットエラーの検出と、それに続くビットエラーの訂正と、が可能となる。
【0080】
ハミングコードは周知であり、動的な送信コードの訂正には用いられているが、ハミングコードは、本発明に従うコードのような、静的な読取コードの訂正には用いられていない。更に、本発明のテストストリップに組込まれるビットは、静的に読取られ、エラーの検出時に再送信されることがないので、例えば、ハミングコードを用いることにより、エラーの検出時にテストストリップ10を取り外すことなく、エラーを訂正することは、ユーザの時間及び費用の節約に有効であり得る。上述のように方法を組み合わせること(例えば、係数を、削減されるコード群と組み合わせること)も可能である。
【0081】
本発明の他の実施形態は、本明細書を考察することにより、及び、本明細書にて開示された本発明を実施することにより、当業者にとって自明となるであろう。本明細書及び実施形態は単なる例示として考慮されるべきであり、本発明の真の範囲及び精神は、特許請求の範囲により示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルの特性を測定するシステムであって、
前記サンプルを採取する診断テストストリップと、
前記テストストリップを受入れ、かつ、前記サンプルを測定する診断測定装置と、
を含んで構成され、
前記テストストリップは2つ以上の接触パッドを含んで構成され、各接触パッドは、それぞれ、予め設定された導電性を有し、前記2つ以上の接触パッドの前記導電性は前記テストストリップ特有の情報を表すコードを形成し、
前記診断測定装置はプロセッサを更に含んで構成され、前記テストストリップ特有の前記コードを読取り、前記プロセッサは、前記コードのエラーを検出するエラー検出ルーチンを実行するように構成されるサンプル特性測定システム。
【請求項2】
前記コードは、その一部が、正常な稼動状態の確認と、エラー検出の種類と、適用される訂正の方法と、のうちの少なくとも1つを識別するための情報を表す請求項1に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項3】
機械可読媒体を更に含んで構成され、
前記エラー検出ルーチンは、前記媒体に保存されるエラー検出アルゴリズムを含んで構成され、該エラー検出アルゴリズムは、前記診断測定装置によって読取られた前記コードのエラーを検出する請求項1又は請求項2に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項4】
前記エラー検出アルゴリズムは、チェックサムアルゴリズムを含んで構成され、該チェックサムアルゴリズムは、前記コードを読取るステップ、及び、前記コードに含まれるビットの係数を決定するステップ、を含んで構成され、前記係数が期待値と異なる場合に、前記エラー検出アルゴリズムは、前記コードがエラーを含むことを表示する請求項3に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項5】
前記コードは、第1の配列にてエンコードされた第1の情報を含む第1のコードと、第2の配列にてエンコードされた前記第1の情報を含む第2のコードと、を含んで構成され、前記エラー検出アルゴリズムは、冗長コードアルゴリズムを含んで構成される請求項3に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項6】
前記エラー検出ルーチンによって実行される前記冗長コードアルゴリズムは、前記第1のコードを読取ること、及び、前記第2のコードを読取ること、を含んで構成され、前記第1のコードと前記第2のコードとが一致しない場合に、前記エラー検出アルゴリズムは、前記第1のコードがエラーを含むことを表示する請求項5に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項7】
前記第1のコードは第1のエンコード方法を用いてエンコードされる一方、前記第2のコードは第2のエンコード方法を用いてエンコードされ、
前記第1のエンコード方法及び前記第2のエンコード方法は、各々が、プリントされた絶縁接触パッドを用いて前記コードをエンコードすること、可変抵抗を有する接触パッドを用いてエンコードすること、光学マーカーを用いてエンコードすること、又は、磁気的にエンコードすることを含む請求項6に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項8】
前記コードは複数のユニットを含んで構成され、各ユニットはそれぞれユニット値を有し、コード値は、前記ユニット値の組み合わせを含んで構成される請求項3に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項9】
前記ユニット値は、デジタルビット、アナログ読取値、記号、又はピクトグラムを含む請求項8に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項10】
前記エラー検出アルゴリズムは、前記コード値と、所定の許容コード値群と、を比較することを含んで構成され、前記コード値が前記所定の許容コード値群に含まれていない場合に、前記エラー検出アルゴリズムは、前記コードがエラーを含むことを表示する請求項8に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項11】
前記エラー検出アルゴリズムは、前記ユニット値と、所定の許容ユニット値群と、を比較することを含んで構成され、所定番目の前記ユニット値が前記所定の許容ユニット値群に含まれていない場合に、前記エラー検出アルゴリズムは、前記コードがエラーを含むことを表示する請求項8に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項12】
サンプルの特性を測定するシステムであって、
メモリを有する診断測定装置と、
組込まれた導電パターンを有し、かつ、前記サンプルを採取する診断テストストリップと、
を含んで構成され、
前記導電パターンは、少なくとも第1のデータ及び第2のデータを表し、前記第1のデータは、前記サンプルの特性の測定に関連するパラメータ、前記診断測定装置の較正に使用可能なコード、及び、前記診断測定装置と前記テストストリップとの間の正常な接続を表示するパラメータ、のうちの少なくとも1つを表すデータであり、前記第2のデータは、前記サンプルの特性の正確な測定に影響を及ぼす潜在的エラーの検出及び排除に使用可能なデータであるサンプル特性測定システム。
【請求項13】
前記第1のデータは、実行予定の特定のテスト、前記テストストリップとの接続を示すパラメータ、較正係数、温度補正係数、pH値補正係数、ヘマトクリットデータ、及び、前記テストストリップの特定の種類の認識に用いられるデータ、のうちの少なくとも1つを表すデータを更に含んで構成される請求項12に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項14】
前記サンプルの特性は、前記サンプルのグルコース濃度であり、該グルコース濃度は、被験者のグルコース濃度を示す請求項12に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項15】
前記第1のデータは、前記診断測定装置の自動較正の実行に用いられるデータである請求項12に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項16】
トレンディングアルゴリズムは、前記テストストリップの特性と、過去に使用されたテストストリップの記録された特性を分析して得られる期待値と、を比較する請求項12に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項17】
前記テストストリップの特性が、前記期待値と異なる場合に、前記診断測定装置は、エラーがあることを表示する請求項16に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項18】
前記記録された特性を分析することは、前記記録された特性に対して自動適応学習アルゴリズムを実行して前記期待値を得ることを含んで構成される請求項16に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項19】
前記自動適応学習アルゴリズムは、ユーザフィードバックを組込んで前記期待値を得ることを含む請求項18に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項20】
前記第2のデータは、チェックサムデータを含んで構成される請求項12に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項21】
前記チェックサムデータは、前記第2のデータのビットの係数を含んで構成される請求項20に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項22】
前記係数が期待値と異なる場合に、前記診断測定装置は、エラーがあることを表示する請求項21に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項23】
前記第2のデータは、所定の順に配列された第3及び第4のデータを含んで構成される請求項12に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項24】
前記第3及び第4のデータは、同一である請求項23に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項25】
前記第3及び第4のデータは、異なる順に配列される請求項24に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項26】
前記診断測定装置は、前記第3及び第4のデータを読取り、前記第3及び第4のデータが同一ではないと判定した場合に、エラーを表示する請求項24に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項27】
前記第3のデータは、第1のエンコード方法を用いてエンコードされる一方、前記第4のデータは、第2のエンコード方法を用いてエンコードされる請求項24に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項28】
前記第1のエンコード方法及び前記第2のエンコード方法は、各々が、プリントされた絶縁接触パッドを用いてエンコードすること、可変抵抗を有する接触パッドを用いてエンコードすること、光学マーカーを用いてエンコードすること、又は、磁気的にエンコードすることを含む請求項27に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項29】
前記第2のデータは、コード値を有するコードを含んで構成され、該コードは複数のユニットを有し、各ユニットはそれぞれユニット値を有し、前記コード値は、前記ユニット値の組み合わせを含んで構成される請求項12に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項30】
前記ユニット値は、デジタルビット、アナログ読取値、記号、又はピクトグラムを含む請求項29に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項31】
前記潜在的エラーを検出及び排除することは、前記コード値と、所定の許容コード値群と、を比較することを含んで構成され、前記コード値が前記所定の許容コード値群に含まれていない場合に、前記診断測定装置は、エラーを表示する請求項29に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項32】
前記潜在的エラーを検出及び排除することは、前記ユニット値と、所定の許容ユニット値群と、を比較することを含んで構成され、前記ユニット値が前記所定の許容ユニット値群に含まれていない場合に、前記診断測定装置は、エラーを表示する請求項29に記載のサンプル特性測定システム。
【請求項33】
液体中の成分濃度を測定する方法であって、
メモリ及びプロセッサを含んで構成される診断テスト測定器を提供すること、
予め設定された導電性を有し、診断テストストリップ特有の少なくとも1つのコードを表す2つ以上の接触パッドを含んで構成される前記テストストリップを提供すること、
前記テスト測定器に前記テストストリップを挿入し、前記テスト測定器が前記少なくとも1つのコードを読取ること、
前記少なくとも1つのコードに対してエラー検出及び排除アルゴリズムを実行すること、及び、
前記エラー検出及び排除アルゴリズムがエラーを検出しない場合に、前記液体の成分濃度を測定すること、
を含んで構成される成分濃度測定方法。
【請求項34】
前記少なくとも1つのコードは、その一部が、正常な稼動状態の確認と、エラー検出の種類と、適用される訂正の方法と、のうちの少なくとも1つを識別するための情報を表す請求項33に記載の成分濃度測定方法。
【請求項35】
前記エラー検出及び排除アルゴリズムは、
少なくとも1つのコードの係数を算出するステップ、
該係数と予め算出された期待値とを比較するステップ、及び、
前記係数が前記期待値と異なる場合に、前記テストストリップがエラーを含むことを表示するステップ、
を含んで構成される請求項33又は請求項34に記載の成分濃度測定方法。
【請求項36】
前記少なくとも1つのコードは、第1の情報を含む第1のコードと、前記第1の情報も含む第2のコードと、を含んで構成される請求項33又は請求項34に記載の成分濃度測定方法。
【請求項37】
前記エラー検出及び排除アルゴリズムを実行することは、
前記第1のコードを読取ること、及び、
前記第2のコードを読取ること、
を含んで構成され、
前記第1のコードと前記第2のコードとが一致しない場合には、前記第1のコードのエラーが表示される請求項36に記載の成分濃度測定方法。
【請求項38】
第1の列に前記第1の情報を含むように前記第1のコードをエンコードすること、及び、
第2の列に前記第1の情報を含むように前記第2のコードをエンコードすること、
を更に含んで構成される請求項36に記載の成分濃度測定方法。
【請求項39】
第1のエンコード方法を用いて前記第1のコードをエンコードすること、及び、
第2のエンコード方法を用いて前記第2のコードをエンコードすること、
を更に含んで構成される請求項36に記載の成分濃度測定方法。
【請求項40】
前記第1のエンコード方法及び前記第2のエンコード方法は、各々が、プリントされた絶縁接触パッドを用いてエンコードすること、又は、可変抵抗を有する接触パッドを用いてエンコードすることを含む請求項39に記載の成分濃度測定方法。
【請求項41】
前記少なくとも1つのコードは複数のユニットを含んで構成され、各ユニットはそれぞれユニット値を有し、コード値は、前記ユニット値の組み合わせを含んで構成される請求項33に記載の成分濃度測定方法。
【請求項42】
前記ユニット値は、デジタルビット、アナログ読取値、記号、又はピクトグラムを含む請求項41に記載の成分濃度測定方法。
【請求項43】
前記エラー検出及び排除アルゴリズムを実行することは、前記コード値と、前記テスト測定器の前記メモリに格納された許容コード値のデータ群と、を比較することを含んで構成され、前記コード値が前記許容コード値のデータ群に含まれていない場合に、前記エラー検出アルゴリズムは、前記コードがエラーを含むことを表示する請求項41に記載の成分濃度測定方法。
【請求項44】
前記エラー検出及び排除アルゴリズムを実行することは、前記ユニット値と、許容ユニット値のデータ群と、を比較することを含んで構成され、所定番目の前記ユニット値が前記許容ユニット値のデータ群に含まれていない場合に、前記エラー検出アルゴリズムは、前記コードがエラーを含むことを表示する請求項41に記載の成分濃度測定方法。
【請求項45】
前記エラー検出及び排除アルゴリズムを実行することは、
前記少なくとも1つのコードに含まれるエラーを検出すること、及び、
前記テスト測定器にて当該エラーを自動的に表示すること、
を含んで構成される請求項33に記載の成分濃度測定方法。
【請求項46】
前記少なくとも1つのコードは、ハミングコードを含む請求項33に記載の成分濃度測定方法。
【請求項47】
物理的な配列にて配置された複数のビットを含んで構成される第1のコードを含む診断テストストリップを装置が読取る場合に生じ得る潜在的エラーの影響を最小化する方法であって、
各ビットが読取エラーを引き起こす確率を決定すること、
該確率に基づいて、前記物理的な配列と異なるビットの論理配列を構成すること、
を含んで構成され、
該論理配列は、潜在的な読取エラーの影響が最小化されるように配列されたビットを含んで構成されるエラー影響最小化方法。
【請求項48】
前記論理配列は、読取エラーを引き起こす確率が最も高いビットを、読取エラーを引き起こす確率が最も低いビットと論理的に置き換え、かつ、読取エラーを引き起こす確率が最も低いビットを、読取エラーを引き起こす確率が最も高いビットと論理的に置き換えて配列されたビットを含んで構成される請求項47に記載のエラー影響最小化方法。
【請求項49】
前記論理配列は、順に読取られる第2のコードになる請求項48に記載のエラー影響最小化方法。
【請求項50】
前記論理配列は、順には読取られない第2のコードになる請求項48に記載のエラー影響最小化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−40966(P2013−40966A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−258808(P2012−258808)
【出願日】平成24年11月27日(2012.11.27)
【分割の表示】特願2010−503134(P2010−503134)の分割
【原出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【出願人】(504144529)ニプロ ダイアグナスティックス,インコーポレーテッド (28)