説明

診断機構

【課題】熱式流量センサを用いている場合において、メイン流路又はセンサ流路のどちらで詰まりが発生しているかを診断できる診断機構を提供する。
【解決手段】流路7、8を流れる流体の流量を測定する流量センサ2に関する異常を診断する診断機構200であって、前記流量センサ2の出力する測定流量値が目標流量値となるように前記流路に設けられた流量制御バルブの開度を制御する流量制御部と、前記流量センサ2よりも上流において前記流路7、8が閉止されてから、前記測定流量値と前記目標流量値とが実質的に略等しい状態が終了するまでの少なくとも一部の期間を診断期間として、前記診断期間における前記測定流量値の時間積分に関連する値である検定値を出力する検定値出力部と、前記検定値と予め定めた規定値とを比較して、前記流量センサ2に関する異常の有無を診断する診断部とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体プロセス等において液体や気体等の流体の流量制御を行うためのマスフローコントローラや流量センサ等について、その異常の有無を診断するための診断機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
圧力式マスフローコントローラにおいては、例えば流体中に含まれるパーティクルが、ノズルやオリフィス等の差圧発生体において詰まってしまい、目標流量値の通りに流体制御を行えなくなることがある。このような不具合を防ぐために、流体の流れる流路や前述した差圧発生体に詰まりがあるかどうかをマスフローコントローラ自身で自己診断できるようにした診断機構が知られている。
【0003】
例えば、前記診断機構は、マスフローコントローラ内の流量制御バルブ、又は別途設けられた開閉バルブを全閉することにより、1次側から新たな流体がマスフローコントローラ内へと供給されないようにした状態で、図10のグラフに示すようにマスフローコントローラ内から流体が流出していくのに伴う流体の圧力低下量や圧力低下にかかる時間を測定し、詰まりの存在しない正常時に測定された規定値と比較するように構成されている。より具体的には、1次側からの流体の供給が遮断されて、流量制御バルブによる流量制御が行われていない状態では、正常であれば実線で示すような圧力低下が生じる。一方、流路内等に詰まりが存在する場合には、点線で示すように正常な場合比べて圧力低下が遅くなったり、ある圧力値に低下するまでにかかる時間が変わったりする。これらのような違いを検出することによって、前記診断機構は流路内等に詰まりがあるかどうかを診断するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開公報WO2008―053839号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前述したようなマスフローコントローラや流量センサの診断方法では、流路等の異常をうまく検出するためには、例えば、圧力低下量、圧力の低下時間のいずれに注目するのか、診断期間の開始時点と終了時点をいつにするのかといった各種パラメータを適宜検定者が設定する必要がある。
【0006】
このように検定者が設定すべきパラメータが多すぎるので、例えば各種構成機器や流路構成の違いを考慮しはじめると途端に診断アルゴリズムが複雑化してしまい、その結果実際に診断が行われる現場では使いにくいもののとなってしまう。
【0007】
本発明は上述したような問題点を鑑みてなされたものであり、診断アルゴリズムを簡単化することができるとともに、流量センサの測定流量値の異常や、その原因を精度よく診断することができる診断機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明の診断機構は、流路を流れる流体の流量を測定する流量センサに関連する異常を診断する診断機構であって、前記前記流量センサの出力する測定流量値が目標流量値となるように、前記流路に設けられた流量制御バルブの開度を制御する流量制御部と、前記流量センサよりも上流において前記流路が閉止されてから、前記測定流量値と前記目標流量値とが実質的に略等しい状態が終了するまでの少なくとも一部の期間を診断期間として、前記診断期間における前記測定流量値の時間積分に関連する値である検定値を出力する検定値出力部と、前記検定値と予め定めた規定値とを比較して、前記流量センサに関する異常の有無を診断する診断部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
ここで、「前記測定流量値と前記目標流量値とが実質的に略等しい状態」とは、前記測定流量値及び前記目標流量値に差があったとしても無視できる又は検出不能な程度に小さいことを意味する。
【0010】
このようなものであれば、前記流量センサよりも上流において前記流路が閉止されてから、前記測定流量値と前記目標流量値とが実質的に略等しい状態が終了するまでの少なくとも一部の期間を診断期間としているので、検定者が改めてパラメータを設定する必要が無く、診断アルゴリズムを簡単化することができる。さらに、前記流路が閉止されてから、目標流量値に測定流量値が追従している期間のみが診断期間に設定されているので、測定流量値の誤差と実際に流路を流れる流量値の誤差の両方を含んだ検定値となり、診断精度もよいものとすることができる。加えて、例えば診断期間が開始されるのを前記流路が閉止された時点からにすることもでき、この場合には診断を開始するのに待機する時間をなくすことができ、より早く診断結果を得ることができる。
【0011】
ところで、熱式流量センサの場合、流量測定のためにメイン流路から分岐し再び当該メイン流路に合流するセンサ流路が形成されており、メイン流路からセンサ流路へ所定の割合で流体が分流されている。このため、メイン流路又はセンサ流路のいずれでも詰まりが発生する可能性があり、単に詰まりが存在するかどうかだけでなく、どちらの流路に詰まりがあるかを診断したい場合がある。
【0012】
例えば、本発明の診断機構が適用されているのが、前記流路がメイン流路と、前記メイン流路から分岐して再び当該メイン流路に合流するセンサ流路とを備えており、前記流量センサが、前記センサ流路に前記流体の流量を測定する流量検出機構を具備する熱式流量センサであれば、前記流量制御バルブにより流量制御を行えている期間のみが診断期間に設定されているので、メイン流路を流れる実際の流量値の誤差だけでなく、センサ流路の詰まりによる測定流量値の誤差を検定値に反映させることができ、検定値からどちらの流路に詰まりが発生しているのかを判別することが可能となる。
【0013】
より具体的には、メイン流路が詰まっている場合であれば、測定流量値と目標流量値が一致していたとしても実際に流量制御バルブを通過する流量は測定流量値よりも小さくなるので、診断期間は正常時よりも長くなることになる。従って、前記測定流量値を診断期間において時間積分した値は正常時よりも大きくなるので、検定値もより大きい値となる。
【0014】
一方、センサ流路が詰まっている場合であれば、測定流量値に誤差が生じるので測定流量値にメイン流路を流れる実際の流量に比べて小さい値を示すことになり、目標流量値と測定流量値とが一致していたとしても実際に流量制御バルブを通過する流量値は測定流量値よりも大きくなり、診断期間は正常時よりも短くなることになる。従って、前記測定流量値を診断期間において時間積分した値は正常時よりも小さくなるので、検定値もより小さい値となる。
【0015】
このように、メイン流路が詰まっている場合の検定値は、センサ流路が詰まっている場合の検定値よりも大きい値となるので、各検定値の間の値となるような規定値を定めておくことにより、どちらの流路に詰まりが発生しているのかについて診断することができる。
【0016】
一方、前記流量センサが、差圧式流量センサであっても本発明の診断機構により簡便なアルゴリズムで精度よく異常の有無を診断することができる。
【0017】
診断期間の前における流体の状態、例えば圧力値や目標流量値の影響を受けにくくするとともに、精度よく詰まりを診断するためには、前記検定値が、前記診断期間において前記測定流量値を時間積分した流量積分値であればよい。
【0018】
前記検定値の別の態様としては、前記検定値が前記診断期間の長さであってもよい。このようなものであっても、例えば、診断を行う場合の目標流量値を同じ値に揃えるようにしておけば、実質的に流量積分値を評価するのと同じことになり、同様の結果を得ることができる。
【0019】
前記診断期間が終了したかどうかを判断するための具体的な実施の態様としては、前記検定値出力部が、前記診断期間の終了時点を前記測定流量値と前記目標流量値の偏差に基づいて検出するものが挙げられる。
【0020】
前記診断期間の終了時点を検出する別の具体的な実施の態様としては、前記流量制御部が、前記検定値出力部が、前記診断期間の終了時点を前記流量制御バルブの開度が全開、又は所定の診断終了開度となったことに基づいて検出するものも挙げられる。
【0021】
前記診断期間を決めるための具体的な1つの態様としては、前記診断終了開度が、前記流量制御バルブの全開の開度から所定量だけ小さい開度であり、前記検定値出力部が、前記流量制御バルブの開度に基づいて前記診断期間の終了時点を検出するものである。このように設定すれば、診断のために完全に流量制御ができなくなるまで待機する必要がない。また、流量制御が継続されている状態のため前記流量センサの値に大きな変化がなくても、前記流量制御バルブの開度そのものをトリガとしているので、診断終了時点を確実に検出することができる。
【0022】
前記流量制御部による前記流量制御バルブの制御によって流路に流体の流量を目標流量に略保ち、流量制御を途切れることなく前記流量センサの異常の有無を診断できるようにするには、前記検定値出力部が、前記流量センサの上流に設けられた開閉バルブの開閉を制御可能に構成されており、当該検定値出力部が、前記流量制御バルブの開度が前記診断終了開度となった時点で前記開閉バルブを開放するよう構成されていればよい。このようにすれば、前記診断終了開度が、全開の開度よりも小さく、診断期間が終了した時点ですぐに新たな流体が上流から流入するので、流量制御を継続させ続けることができる。つまり、段取り替え等の合間等ではなく、実際に流量制御を行っている使用状態中に前記診断期間を設定したとしても、正常な流量制御を継続させ続けながら診断も行うことができ、いわゆるリアルタイムでの診断が可能となる。
【0023】
いずれの流路が詰まっているかについて診断するための具体的な構成としては、前記診断部が、前記検定値が前記規定値よりも大きい場合には、前記メイン流路の詰まりによる異常であると診断し、前記流量積分値が前記規定値よりも小さい場合には、前記センサ流路の詰まりによる異常であると診断するように構成されたものであればよい。
【0024】
診断期間における圧力低下による流量測定への影響を小さくして、詰まりの評価を高精度に行うには、前記流体の圧力を測定して、その測定圧力値を出力する圧力センサを更に備え、前記検定値出力部が、前記測定圧力値に基づいて前記検定値を補正する(測定流量値を補正する)ように構成されていればよい。このようなものであれば、例えば、診断期間における圧力値の変化による影響を小さくすることができ、詰まりの有無やどちらの流路に詰まりが生じているかについてより精度良く診断することができる。
【0025】
診断期間における温度を揃える手間を省略するとともに、精度よく詰まりの診断を行えるようにするには、前記流体の温度を測定して、その測定温度を出力する温度センサを更に備え、前記検定値出力部が、前記測定温度に基づいて前記検定値を補正するように構成されたものであればよい。
【0026】
前記規定値として、精度のよりよい診断とするための具体的な値としては、前記規定値が、前記熱式流量センサの測定出力値が正常な時において前記検定値出力部が出力した検定値である値が挙げられる。
【発明の効果】
【0027】
このように本発明の診断機構によれば、簡便なアルゴリズムで流量センサや流路の異常について精度よく診断することができる。特に熱式流量センサ等のようにメイン流路とセンサ流路とを備えたものの場合、診断期間がメイン流路を閉止してから流量制御バルブにより流量制御が可能な期間に設定されているとともに、その診断期間における測定流量値の時間積分に関連した値を検定値としているので、メイン流路の詰まりの影響は検定値が増加する方向に現れ、センサ流路の詰まりの影響は検定値が減少する方向に現れるようにすることができる。従って、各流路における詰まりはそれぞれ逆向きに現れるので、どちらの流路に詰まりが発生しているのかまで診断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態に係る診断機構を示す模式図。
【図2】同実施形態における熱式流量センサ及びセンサ流路を拡大した模式的拡大図。
【図3】同実施形態における制御機構の構成を示す機能ブロック図。
【図4】同実施形態における診断時の測定流量値の経時変化を示す模式的グラフ。
【図5】同実施形態における診断時の流れを示すフローチャート。
【図6】本発明の別の実施形態に係る診断機構における動作を示す模式的グラフ。
【図7】同別の実施形態における異常時の検定値の変化を示す模式的グラフ。
【図8】本発明のさらに別の実施形態に係る診断機構の適用例を示す模式図。
【図9】本発明の他の実施形態に係る診断機構の適用例を示す模式図。
【図10】従来の圧力低下量により詰まりの診断方法を示す概念的グラフ。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0030】
本実施形態における診断機構200は、図1に示すように半導体製造工程において各種成分ガスの流量を制御するためのマスフローコントローラ100の部材を利用して構成してある。このマスフローコントローラ100は熱式流量センサ2を用いた所謂、熱式マスフローコントローラ100である。図1に示すように、この診断機構200を構成するために、成分ガスや窒素ガスが導入される上流側から、メイン流路7に沿って、第1開閉バルブ5、熱式マスフローコントローラ100、第2開閉バルブ6がこの順で設けてある。さらに、各開閉バルブ及びマスフローコントローラ100は、ガスパネルGと呼ばれる板状の部材で配管接続してある。ガスパネルGは板状の部材であり、その面板部に接続口が形成してあり、各接続口間をつなぐように板の内部に空洞を形成しておくことで、メイン流路7の一部を形成するようにしてある。
【0031】
前記熱式マスフローコントローラ100は、上流から前記メイン流路7にそって、圧力センサ1、熱式流量センサ2、流量制御バルブ3がこの順で設けてあり、これらの機器がケーシング内に収容されてパッケージ化された1つの流体制御機器にしてある。さらに、このケーシング内には、マスフローコントローラ100内での異常を診断するための演算や、前記流量制御バルブ3の制御等の各種制御を行う制御機構4を備えている。
【0032】
前記圧力センサ1は、メイン流路7を流れる流体の圧力を測定するものであり、その測定圧力値を前記制御機構4へと出力するように構成してある。
【0033】
前記熱式流量センサ2は、図2の拡大図に示すように前記メイン流路7から分岐させて再び当該メイン流路7に合流するように形成したセンサ流路8に、前記センサ流路8に設けられた流量を測定するための流量測定機構21と、前記センサ流路8の分岐点と合流点の間において前記メイン流路7に設けられている層流素子23とを備えたものである。すなわち、メイン流路7を流れる流体の一部をセンサ流路8にて測定することにより、全体の流量を測定できるように構成してある。なお、本実施形態では熱式流量センサ2は、質量流量を測定するものであるが、体積流量を出力するように構成してあっても構わない。
【0034】
前記センサ流路8は、前記メイン流路7を構成する配管に対して概略U字状の中空細管を立設させることにより形成してある。
【0035】
前記流量測定機構21は、中空細管の外側に、2本の感熱抵抗体をコイル状に巻いて形成した上流側コイル211と下流側コイル212と、前記上流側コイル211及び前記下流側コイル212からの出力に基づいて流れている流量を算出する流量算出部213とを備えたものである。
【0036】
具体的には、中空細管は、感熱抵抗体により加熱されており、流体が流れていないときは、中空細管の中心に対して対称的な温度分布となっている。これに対し、流体が中空細管内に流れているときは、下流側コイル212には、上流側コイル211によって温められた流体が流入するため、上流側コイル211と比べて温度が高くなり、上流側コイル211及び下流側コイル212間に温度差が形成されて前記温度分布が非対称となる。前記流量算出部213は、このときの温度差と流体の質量流量には一定の関係が成り立っていることを用いて、質量流量を測定できるように構成されている。
【0037】
前記層流素子23としては、複数本の細管を外管の内部に挿入して形成したもの、又は多数の貫通孔を形成した薄い円板を複数枚積層して形成したもの等を用いることができ、メイン流路7及びセンサ流路8の分流比が所定の設計値となるようにするものである。
【0038】
前記流量制御バルブ3は、その開度を0%(全閉)〜100%(全開)の範囲で変更可能なものであり、前記制御機構4によりフィードバック制御されるものである。
【0039】
前記制御機構4は、CPU、メモリ、I/Oチャネル、ADコンバータ等を有したいわゆる演算装置であり、図3の機能ブロック図に示すように少なくとも流量制御部41、検定値出力部42、診断部43としての機能を発揮するものである。
【0040】
前記流量制御部41は、前記熱式流量センサ2の出力する測定流量値が目標流量値となるように前記流量制御バルブ3の開度を制御するように構成してある。この流量制御部41は、後述する診断期間においても前記測定流量値と前記目標流量値の偏差がゼロとなるように前記流量制御バルブ3の開度を制御し続けるように構成してある。
【0041】
前記検定値出力部42は、前記熱式流量センサ2及び前記流量制御バルブ3よりも上流において前記メイン流路7が閉止されてから、前記測定流量値と前記目標流量値とが実質的に略等しい状態が終了するまでの少なくとも一部の期間を診断期間として、前記診断期間における前記測定流量値の時間積分に関連する値である検定値を出力するように構成してある。本実施形態では、前記診断終了開度は全開の開度に設定してあり、前記診断期間は、前記第1開閉バルブ5を全閉にした状態から、前記測定流量値と前記目標流量値の偏差がゼロでなくなった時点(一致しなくなった時点)で診断期間を終了するように設定してある。また、検定値は、図4のグラフにおいて斜線で示す面積を用いており、前記診断期間における測定流量の時間積分である流量積分値を用いている。ここで、時間積分の演算方法としては、積分の定義通りに行ってもよいし、長方形の面積であることに着目して測定流量値に時間をかけて求めるようにしても構わない。
【0042】
前記診断部43は、前記検定値と予め定めた規定値とを比較して、前記熱式流量センサ2に関する異常の有無を診断するものである。前記規定値は、図4(a)に示すようにメイン流路7及びセンサ流路8に詰まりが存在しない状態で、予め測定しておいた流量積分値である。より具体的には、前記診断部43は、前記診断部43が、前記検定値が前記予め定めた値よりも大きい場合には、前記メイン流路7の詰まりによる異常であると診断し、前記流量積分値が前記予め定めた値よりも小さい場合には、前記センサ流路8の詰まりによる異常であると診断するように構成してある。
【0043】
次に前記メイン流路7及び前記センサ流路8の詰まりがあるかどうかについて自己診断を行う時の動作について図5のフローチャートを参照しながら説明する。なお、この診断方法は、例えば、半導体製造装置へ成分ガスを所定流量で流入させ続ける必要のあるタクトとタクトとの間で行われるものである。すなわち、流量制御が診断によって中断されてもよい期間において流量センサの診断を行う方法である。
【0044】
まず、マスフローコントローラ100内に成分ガス等が残留していないようにするために、窒素ガスを所定の流量で導入して成分ガスのパージを行う(ステップS1)。この際、マスフローコントローラ100の流量制御バルブ3は全閉状態からある所定の開度となるように目標流量値が設定される。このパージ時における目標流量値は、後述する診断期間における目標流量値よりも大きく設定してあり、パージ及び診断を行うのに十分な量の窒素ガスが前記熱式マスフローコントローラ100内に導入されるようにしてある。
【0045】
次に、前記検定値出力部42は、前記第1開閉バルブ5に対して全閉指令を入力し、その時点を診断期間の開始点として記憶する(ステップS2)。前記流量制御部41は、診断期間用に予め定めてある一定の流量値に目標流量値を変更し、目標流量値と測定流量値が一致し続けるように前記流量制御バルブ3の開度を制御する(ステップS3)。なお、前記目標流量値は、ステップS1において窒素ガスによるパージを行う際よりも前記流量制御バルブの開度が小さくなるように、パージ時における目標流量値よりも小さい値に設定してある。ここで、ステップS2とステップS3との順序が逆になってもよいが、前記第1開閉バルブ5を全閉した時点で、制御対象となる流体は前記第1開閉バルブ5から前記流量制御バルブ3の間にある流体だけであるので、時間が経過するごとに流出した分だけその圧力が低下していくことになる。従って、測定流量値を目標流量値と同じように一定の値を保つためには、前記流量制御部41は、前記流量制御バルブ3の開度は徐々に大きく制御していくことになる。最終的には、流量制御バルブ3の開度が全開(100%)となってしまうので、これ以降は流体の流量制御を行うことができず、図4のグラフに示すように流量はゼロに向かって減少していくことになる。つまり、流量制御バルブ3の開度が全開となった時点で目標流量値と測定流量値との間に偏差が生じる(偏差がゼロにならなくなる)ので(ステップS4)、前記検定値出力部42はこの偏差が生じた時点で診断期間が終了したことを検出してその期間の長さ(経過時間)を記憶する(ステップS5)。
【0046】
そして、前記検定値出力部42は、前記診断期間における測定流量値を積分した値である流量積分値を算出し、その値を検定値として診断部43へと出力する(ステップS6)。
【0047】
前記診断部43は、算出された検定値である流量積分値が、規定値である正常時の流量積分値と比較してその大小によってメイン流路7又はセンサ流路8のいずれが詰まっているかについて診断する(ステップS7)。具体的には、検定値の方が規定値よりも小さい場合には、センサ流路8が詰まっていると判断し、検定値の方が規定値よりも大きい場合にはメイン流路7が詰まっていると診断する。なお、検定値が正常時と略同じである場合にはどちらの流路にも詰まりは生じていないと診断する。
【0048】
ここで、なぜ検定値の大小によりセンサ流路8又はメイン流路7のいずれかにおいて詰まりが生じていると診断できるかについて説明する。
【0049】
センサ流路8が詰まっており、メイン流路7は詰まっていない場合には、分流比が所定通りにならず、センサ流路8に流れる流量が少なくなるため、測定流量値は実際に流れている流量よりも小さい値を示すことになる。すると、目標流量値に対して測定流量値を一致させるように流量制御バルブ3が制御されると、実際には目標流量値よりも多い流量が流出し続けることになる。このため、診断期間における前記第1開閉バルブ5と前記流量制御バルブ3の間にあった流体の単位時間当たりの消費量は、測定流量値に誤差が存在しない場合に比べて大きくなるので、診断期間も短くなることになる。従って、図4(b)に示すように測定流量値は正常時と同じ値であっても、診断期間は短くなっているので、センサ流路8が詰まっている場合には流量積分値は正常時よりも小さい値となる。
【0050】
逆に、メイン流路7が詰まっており、センサ流路8が詰まっていない場合には、メイン流路7のみが流体が流れにくくなっているので、測定流量値は実際に流れている流量よりも大きい値を示していることになる。従って、目標流量値に測定流量値を一致させ続けていたとしても、実際に前記流量制御バルブ3から流出している流量は正常時よりも少なくなるので、診断期間は逆に長くなる。このことから、先ほどと同様に考えると、図4(c)に示すようにメイン流路7が詰まっている場合には流量積分値は正常時よりも大きな値となる事が分かる。
【0051】
このように本実施形態の熱式マスフローコントローラ100の自己診断に用いられる診断機構200によれば、詰まりの有無だけでなく、メイン流路7又はセンサ流路8のいずれにおいて詰まりが生じているのかを診断することができる。
【0052】
別の実施形態について説明する。
【0053】
この実施形態は、流量制御を途切れさせることなく継続させたままリアルタイムで前記流量センサ2の診断を行うことができるようにしたものである。より具体的には、ハードウェアの構成としては図1に示したものと略同じであるが、制御機構4の構成が変更してあるため、前記診断終了開度の設定と、前記検定値出力部42の構成が前記実施形態とは若干異なっている。
【0054】
すなわち、前記診断終了開度が、前記流量制御バルブ3の全開の開度よりも所定量だけ小さい開度に設定してあり、例えば、全開の開度に対して80%の開度等に設定してある。ここで、診断終了開度の設定としては、診断期間を十分な長さに取ることができればどのような開度に設定しても構わない。
【0055】
また、前記検定値出力部42は、マスフローコントローラ100の上流に設けられた第1開閉バルブ5の開閉を制御可能に構成されたものであり、前記流量制御バルブ3の開度が診断終了開度となった時点で、前記第1開閉バルブ3を開放するように構成してある。
【0056】
このように構成された診断機構200における診断時の動作について説明する。
【0057】
図6(a)に示すように、半導体製造工程等においてマスフローコントローラ100が用いられている場合、製造スケジュールに応じてガス種の変更等のための段取り替えが行われるため、ロットの製造ごとに稼働期間と休止期間が交互に繰り返されていることがある。前記実施形態の診断方法では、目標流量値と測定流量値が乖離するまで待機する必要があったため、製造製品に対して悪影響を与えないように休止期間中に診断を行う必要がある。しかしながら、休止期間中ごとに流量センサ2の診断を行うことになると、休止期間が長くなってしまい、タクトタイムが長くなってしまうという側面もあった。また、あるロットの製造が終わってから診断が行われるため、ある休止期間で流量センサの異常が発見された場合、直前の稼働期間中に製造されたロットの全てが不良品となっている可能性があり、そのロットごと廃棄する必要がある。
【0058】
一方、本実施形態の診断方法では、稼働期間中において流量センサ2の診断をリアルタイムで行うとともに、流量制御も行えるようにしている。具体的には図6(b)に示すように稼働期間中において、前記検定値出力部42は、まず、前記第1開閉バルブ5を閉止して、前記流量センサの診断を開始する。すると、マスフローコントローラ100に対して上流側から新たな流体が流入しないため、圧力値は低下することとなる。流入する流量が低下するため、前記流量制御部41は前記流量制御バルブ3の開度を大きくしていくことにより、測定流量値を目標流量値に追従させる。そして、前記流量制御バルブ3の開度が予め定めた前記診断終了開度となった時点で前記検定値出力部42は、診断期間を終了し、当該診断期間における測定流量値の積分値を検定値として算出する。さらに診断期間が終了した時点で、前記検定値出力部42は、前記第1開閉バルブ5を開放し、再び新たな流体がマスフローコントローラ100内に流入するようにする。すると、新たな流体が流入することにより圧力値が再び上昇するとともに、流入する流量が増加することから、前記流量制御部41は測定流量値を目標流量値に追従させるように前記流量制御バルブ3の開度を前記診断終了開度よりも小さい開度へと変化させていくことになる。そして、前記流量制御バルブ3の開度が所定の診断開始開度となった時点で、前記検定値出力部42は前記第1開閉バルブ5を閉止するとともに、診断期間の開始点として記憶する。以降は、上述した動作を繰り返すことにより、測定流量値が目標流量値に略追従するように流量制御を継続しながら、前記検定値出力部42は検定値の算出を繰り返すことになる。また、前記診断部43は、前記検定値出力部42から新たな検定値が出力される度に、予め定めた規定値と比較して流量センサ2について異常の有無を判定する。従って、稼働期間中において、正常な場合であれば目標流量を常に流しながら、前記流量センサ2の診断を繰り返すことができる。
【0059】
なお、前記実施形態と同様の理由で、この実施形態でもどちらの流路に詰まりがあるかを判定することができる。具体的には図7(a)に示すようにセンサ流路8に詰まりがある場合には、診断期間が短くなるため検定値は規定値よりも小さい値が出力されることになる。また、図7(b)に示すようにメイン流路7に詰まりがある場合には、診断期間が長くなるため検定値は規定値よりも大きな値が出力されることになる。従って、前記診断部43は稼働期間中であっても流量センサ2の異常、特にどちらの流路に異常があるかについてまで診断することができる。
【0060】
この実施形態の診断機構200であれば、稼働期間中に常に流量センサ2が正常かどうかを常にモニタリングすることができ、異常が発生した瞬間に半導体の製造を止めることができるようになる。従って、休止期間に診断を行っていた場合、直前の稼働期間中に製造されたロット全てを廃棄しなくてはならなかったのに対して、この実施形態であれば異常が発生するまでに製造されたロットの一部についてはそのままその後の工程に使用する等できる。
【0061】
その他の実施形態について説明する。
【0062】
前記実施形態では、診断を行うために全閉する開閉バルブ5は、前記マスフローコントローラ100の直前に設けられたものを利用していたが、その他の配管上に設けられた開閉バルブ等を全閉することにより、前記マスフローコントローラ100に新たに流体が流入しないようにすることで診断を開始するようにしても構わない。
【0063】
例えば、図8に示すように、前記マスフローコントローラ100にガスを導入するためのラインが、窒素ガスを導入するための窒素ガスラインL1と、成分ガスを導入するための成分ガスラインL2と、前記窒素ガスラインL1と前記成分ガスラインL2とが合流した後のラインであり、前記マスフローコントローラ100に接続される合流後ラインL3とからなる場合、窒素ガスラインL1又は成分ガスラインL2上に設けられた開閉バルブ51、52を閉止することで、診断を開始できるようにしても構わない。このような構成における診断時の動作について説明すると、窒素ガスを用いて診断を行う場合には、まず、成分ガスラインL2上の開閉バルブ52を予め閉止しておき、窒素ガスラインL1上の開閉バルブ51を開放しておいて、前記マスフローコントローラ100内の成分ガスのパージを行う。次に、窒素ガスラインL1上の開閉バルブ51を閉止して、窒素ガスが導入されないようにするとともに、前記マスフローコントローラ100の診断が開始される。なお、マスフローコントローラ100の流量制御バルブ3の動作は、前記実施形態と同様にすればよい。
【0064】
また、前記実施形態では、熱式流量センサ及びそれを用いたマスフローコントローラの診断を行う診断機構200であったが、例えば図9に示されるような差圧式流量センサ9及びそれを用いたマスフローコントローラ100の診断を行うものであっても構わない。より具体的には、このマスフローコントローラ100は、流路7の上流から流量制御バルブ3、差圧式流量センサ9を設けたものであり、前記マスフローコントローラ100の前段には、開閉バルブ5が設けてあり、前記流量制御バルブ3及び開閉バルブ5の制御及び診断に関する各種演算等を行う制御機構4を備えたものである。前記差圧式流量センサ9について詳述すると、流体抵抗部材92の前後にそれぞれ第1圧力センサ91、第2圧力センサ93が設けてあり、前記流体抵抗部材92により生じる差圧を各圧力センサ91,93で測定して、その差圧に基づいて流路7を流れる流量を測定するように構成してある。この実施形態でも、前記実施形態と同じ診断アルゴリズムにより、流路7における詰まりの有無等の診断が行われる。このようなものであって、簡便なアルゴリズムにより精度よく流量センサ等の診断を行うことができる。また、本発明の診断機構は、マスフローコントローラに設けられている流量センサだけを対象とするものではなく、例えば、配管上に設けられている単体の流量センサに対して診断を行えるように構成しても構わない。加えて、流量センサに関連する異常とは、例えば、前記実施形態のように流量センサの設けられた流路の詰まりだけでなく、流量センサを構成する機器やそれに接続される配管に生じる異常を含む概念であり、前記実施形態で記載した異常に限られるものではない。
【0065】
前記実施形態の診断機構では、前記測定流量値をそのまま用いて検定値を算出し、詰まりの有無についての診断を行っていたが、前記圧力センサから出力される圧力測定値に基づいて、前記測定流量値を補正した上で検定値を算出するようにしても構わない。近年、圧力の過渡的な又は静的な変化に基づく流量測定誤差又は流量制御誤差を補正するために、流体の圧力を測定する圧力センサを備えた流体流量測定装置又は流量測定装置が知られている。このようなものであれば、予め設けられた圧力センサを診断時にも使用して、通常の測定又は流量制御時のみならず、診断時の圧力低下による測定誤差を測定流量値から無くし、詰まりによる影響だけを抽出できるようになり、より精度よく診断を行うことができるようになる。
【0066】
また、流体の温度に基づいて、前記測定流量値を補正するようにしても構わない。例えば、前記流体の温度を測定して、その測定温度を出力する温度センサを更に備えておいてもよいし、前記熱式流量センサにおける感熱抵抗体の出力を利用して温度測定を行うようにしても構わない。このようにすれば、診断の開始時における圧力や温度等といった初期条件を厳密揃えなくても、該当する条件に換算して診断を行うことができ、診断精度をよくすることができる。
【0067】
さらに、前記診断期間の終了時点を検出する方法は、目標流量値と測定流量値との間で偏差が発生したかどうかだけでなく、前記流量制御バルブの開度から判断するようにしてもよい。例えば、前記流量制御バルブの開度そのものを検出するようにして全開となった時点で診断期間の終了を検出するようにしてもよいし、ソレノイドバルブ等であればバルブに入力される電圧が100%となった事を持って診断期間が終了したと判断するようにしても構わない。
【0068】
前記検定値出力部は、前記流量センサよりも上流において前記流路が閉止されてから、前記測定流量値と前記目標流量値とが実質的に略等しい状態が終了するまでの少なくとも一部の期間を診断期間とするものであればよいので、例えば、診断期間の開始点は、前記流量センサよりも上流において前記流路が閉止されてから所定時間経過後を診断期間の開始点としてもよい。
【0069】
また、前記検定値出力部は、前記測定流量値と前記目標流量値とが実質的に略等しい状態が継続しており、かつ、前記流量制御バルブの開度が所定の診断終了開度となるまでの期間を診断期間として、前記診断期間における前記測定流量値の時間積分に関連する値である検定値を出力するように構成してあるものであってもよい。
【0070】
さらに、前記流量センサよりも上流において前記流路が閉止されるのは、開閉バルブによるものであってもよいし、開度が制御可能な流量制御バルブ等によるものであってもよい。この場合、診断期間が終了してから再び流路を開放する際には、流量制御バルブの開度を全開にしてもよいし、所定の開度だけ開けるようにしても構わない。
【0071】
前記実施形態では、検定値として流量積分値を用いていたが、測定流量値を時間積分したものに関連する値であればその他のものであってもよい。例えば、検定値を診断期間の長さ(経過時間)としても構わない。このようなものであっても、前記実施形態で説明したのと同じように、センサ流路が詰まっている場合には、検定値は小さくなり、メイン流路が詰まっている場合には検定値が大きくなるという特性を有することから、どちらの流路が詰まっているのかを診断することができる。加えて、前記診断期間において目標流量値は常に一定であったが、経時的に変化する目標流量値であってもよい。この場合でも、診断期間が開始されてから流量制御バルブによる流量制御が不能になるまでの間について、測定流量から流量積分値を算出して検定値とすることにより診断を行うことができる。
【0072】
また、前記実施形態では規定値は正常時において算出された流量積分値であったが、その他の値であっても構わない。例えば、正常時の流量積分値に所定の値を加えたり、乗じたりしたものであっても構わない。要するに、メイン流路が詰まった時の検定値とセンサ流路が詰まった時の検定値との間の大きさとなるような値を規定値として設定してもよい。
【0073】
診断を開始する際において、前記実施形態では第1開閉バルブを全閉していたが、前記流量測定センサ及び前記流量制御バルブの上流に設けられているバルブ等により全閉しても構わない。
【0074】
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、様々な変形や実施形態の組み合わせを行っても構わない。
【符号の説明】
【0075】
200・・・診断機構
2・・・熱式流量センサ
3・・・流量制御バルブ
41・・・流量制御部
42・・・検定値出力部
43・・・診断部
7・・・メイン流路(流路)
8・・・センサ流路(流路)
9・・・差圧式流量センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路を流れる流体の流量を測定する流量センサに関連する異常を診断する診断機構であって、
前記流量センサの出力する測定流量値が目標流量値となるように、前記流路に設けられた流量制御バルブの開度を制御する流量制御部と、
前記流量センサよりも上流において前記流路が閉止されてから、前記測定流量値と前記目標流量値とが実質的に略等しい状態が終了するまでの少なくとも一部の期間を診断期間として、前記診断期間における前記測定流量値の時間積分に関連する値である検定値を出力する検定値出力部と、
前記検定値と予め定めた規定値とを比較して、前記流量センサに関する異常の有無を診断する診断部とを備えたことを特徴とする診断機構。
【請求項2】
前記流路がメイン流路と、前記メイン流路から分岐して再び当該メイン流路に合流するセンサ流路とを備えており、前記流量センサが、前記センサ流路に前記流体の流量を測定する流量検出機構を具備する熱式流量センサである請求項1記載の診断機構。
【請求項3】
前記流量センサが、差圧式流量センサである請求項1記載の診断機構。
【請求項4】
前記検定値が、前記診断期間において前記測定流量値を時間積分した時間積分値である請求項1、2又は3記載の診断機構
【請求項5】
前記検定値が、前記診断期間の長さである請求項1、2又は3記載の診断機構。
【請求項6】
前記検定値出力部が、前記診断期間の終了時点を前記測定流量値と前記目標流量値の偏差に基づいて検出する請求項1、2、3、4又は5記載の診断機構。
【請求項7】
前記検定値出力部が、前記診断期間の終了時点を前記流量制御バルブの開度が全開又は所定の診断終了開度となったことに基づいて検出する請求項1、2、3、4又は5記載の診断機構。
【請求項8】
前記診断終了開度が、前記流量制御バルブの全開の開度から所定量だけ小さい開度である請求項7記載の診断機構。
【請求項9】
前記検定値出力部が、前記流量センサの上流に設けられたバルブを制御可能に構成されており、
当該検定値出力部が、前記流量制御バルブの開度が前記診断終了開度となった時点で前記バルブを開くよう構成されている請求項7又8記載の診断機構。
【請求項10】
前記診断部が、前記検定値が前記規定値よりも大きい場合には、前記メイン流路の詰まりによる異常であると診断し、前記流量積分値が前記規定値よりも小さい場合には、前記センサ流路の詰まりによる異常であると診断するように構成された請求項2、4、5、6、7、8又は9記載の診断機構。
【請求項11】
前記流体の圧力を測定して、その測定圧力値を出力する圧力センサを更に備え、
前記流量積分値算出部が、前記測定圧力値に基づいて前記検定値を補正するように構成された請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の診断機構
【請求項12】
前記流体の温度を測定して、その測定温度を出力する温度センサを更に備え、
前記流量積分値算出部が、前記測定温度に基づいて前記検定値を補正するように構成された請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11記載の診断機構。
【請求項13】
前記規定値が、前記流量センサの測定出力値が正常な時において前記検定値出力部が出力した検定値である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載の診断機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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