説明

診断測定器のコーディング方法及び装置

診断テストシステム200は、ハウジング及び前記診断テストの実施に用いるテストメディアを受容するインターフェースを有し、テストメディアにつけたサンプルの診断テストを実施する測定器230と、関連するコーディング構成要素を有し、前記測定器230に適合するテストメ ディアを収容するように構成される容器210と、を含んで構成される。加えて、システムは、テストストリップの新容器に対して測定器を再較正するオン−コンテナコーディング方法を用いて、相互連結されたテスト容器から測定器を取り外し、新容器を再取り付けする機構を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2006年3月13日付け出願である米国特許出願11/373,284号の一部継続出願としての、2007年11月1日付け出願である先の米国特許出願第11/934,004号の優先権を主張する。上記出願における開示は本明細書において参照により完全に組み入れられるものとする。
【0002】
本発明は、診断テストの分野に関し、詳細には電子測定器を用いた診断テストシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
診断テストシステムは、一般的に、様々な種類のサンプルについて、様々な種類の診断テストを実施するために使用される。診断テストは、1つのサンプルにおける1以上の被分析物の存在、濃度又は総量を測定する定性的又は定量的なテストであってもよい。被分析物は医学的に有効な被分析物であって、例えば、グルコース、ケトン類、コレステロール、トリグリセリド、人間の絨毛性ゴナドトロピン(HCG)、ヘモグロビンA1C、フルクトサミン、炭水化物、腫瘍標識、鉛、抗癲癇薬、ビリルビン、肝機能指標、毒素又はそれらの代謝 物質、規制物質、血液凝固因子(PT,APTT)等であり、血液、尿、組織、唾液等の生体サンプルに含まれている。しかしながら、診断テストは医療分野に制限されるものではない。更に、医療診断テスト測定器は、非医療サンプルである水、土壌、汚水、砂、空気若しくは他のあらゆる適切なサンプル内の被分析物、又は化学パラメータを監視するために使用される。
【0004】
このような診断テストシステムは、サンプル中の被分析物の存在に反応するように構成されたテストメディア(例えば、テストストリップ、タブ、ディスク等)、及び、診断テストを実施し、使用者にその診断テスト結果を示すためにテストメディアと接続するように構成された独立の電子測定器と、を含む。
【0005】
使用者は、診断テストを実施するために、先ず初めにサンプルテストメディア(例えば、テストストリップ)を容器から取得し、次に、サンプリング装置を使用して(例えば、ランセットによる採血によって)、サンプルを得る。続いて、得たサンプルをテストメディアにつける(これは、テストメディアを測定器のインタフェースに挿入する前後のいずれのときでもよい)。次に測定器は、サンプルの診断テストを実施し、その結果を、例えば数値表示して使用者に示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の診断測定器は、ハウジングがディスプレイ、電子機器及びテストメディアを含むため大きくなる場合がある。加えて、血液テスト診断システムの使用者は、測定器だけで なく、テストメディア容器及びサンプリング装置をも管理及び携行しなければならない。
これら3つの構成要素は特定の順番で操作されなければならず、正確なテストを実施するためにはかなりの注意力及び巧みな操作が必要である。そして、この構成には、一部の使用者にとっては、操作ステップが面倒なだけでなく、テストメディア容器、サンプリング 装置及び測定器が相互に取り外される可能性があるため、使用に際して、使用者は診断テストを実施するために必要な1以上の構成要素が欠けていることに気付く場合がある。
【0007】
当技術分野では周知のように、異なる製造業者のテストメディア又は異なる製造ロットのテストメディアがサンプル中の被分析物の存在又は濃度に対して異なる反応を示すことがある。より正確な結果を得るために、電子測定器は、テストストリップのブランド又はロットから提供されたテストストリップに関して、1以上のブランド又はロットの特定較正パラメータが提供されることで較正される。この特定較正パラメータは、標準化基準(standardized reference)に対するテストメディアの特定ブランド又はロットの信号応答に関連するものである。このような較正によって、測定器により記録される結果は、サンプル中の被分析物の量をより正確に表す。
【0008】
診断テストを実施する前に、測定器は適切に較正される必要がある。使用者は、夫々の 「コーディング」ステップにおいて、測定器に適切な較正パラメータを提供することが要求される。例えば、テストメディア容器には、測定器がメモリに格納している適切な較正 情報にアクセス可能なように測定器に入力するためのコード番号が付けられる。
このコード番号は、測定器に較正データを提供するために、例えば、測定器に設けられたボタン又は他の使用者入力装置を用いて、手入力される。これに替えて、例えば、製造業者のウェブサイトから較正データをダウンロードすることもできる。また、他の方法では、テストメディア容器には、較正データが電子的に格納されたコードチップ(例えば、ROM等)が付随して提供される。使用者は、コードチップを測定器の対応するポートに挿入することにより測定器に較正データを提供する。
【0009】
これら従来のコーディング方法は、使用者にとって、不便又は困難な場合がある。例えば、高齢者や寝たきりの使用者は、較正データのダウンロードが困難であり、また、コードチップの挿入には、測定器とのデータ接続を達成するために物理的な位置合わせを適切に調整しなければならないため、その挿入が困難な場合がある。さらに、コードチップは、誤って挿入されたり、又は紛失の虞もある。このため、対応するテストメディアを使用できなくなったり、又は非対応のコーディングデバイスと共にテストメディアを使用することにもなりかねない。更に、使用者は、新しいブランド又はロットのテストメディアと共に使用するための、測定器の較正を忘れることもある。従って、使用者は、誤った較正パラメータ若しくはコードを入力したり、又は、あるブランド又はロットのテストメディアを、異なるブランド又はロットのテストメディアで較正された測定器に使用する可能性がある。一旦、測定器が特定ロットのテストメディアで較正された場合に、該測定器の使用者が他のロットのテストメディアを使用すると、使用者に対して深刻な影響を与える誤った結果を招くことがあり得る。例えば、テストが血糖値の自己テストである場合、誤った結果を受けて、使用者が処置を行うか、あるいは処置を怠り、健康を損なうこともある。
【0010】
上述したコーディングの問題に対する可能な解決案は、全ての市販メディアに同様の機能を保証することである。この方法は、「ユニバーサルコーディング(universal coding)」と称される。ユニバーサルコーディング技法は、厳密な合格基準で管理及び分類されたストリップロット、すなわち、全てのストリップを較正パラメータの単一セットに適合させ、これによって、測定器に格納されるパラメータの複数セットの必要性を取り除くことができる。このユニバーサルコーディングは、測定器を多数の異なるテストストリップ容器に使用可能とすることにより、測定器を取り替えるコストを節約する。製造の観点からすると、ユニバーサルコーディングされたメディアは、製造されたストリップロットが同一に機能し、測定器の固定較正データに適合するようコード化されるように厳密に管理される必要がある。この方法は、テクニックに依存せず 、また、異なるストリップロットが混ざり合うことに起因するエラーの防止に役立つ。更に、ユニバーサルコーディングは、測定器とストリップロットコードとの間に不適合が生じないように補正コードを常に有する。しかし、この方法により課される小幅な制限枠は、固有の相違を含む大規模な製造プロセスに対して十分に適合しない。高スループットのバッチ系の製造技術を用いた場合、テストメディアが完全に一致した機能を確実に示すことはほぼ不可能であるため、ユニバーサルコーディング技法は、常に不適合なメディアロットとなる。このメディアは、コスト及び望ましくない廃棄物を増加させるため使用に適さない。
【0011】
従って、持ち運びに便利であり、使用者が較正されていないブランド又はロットのテストメディアを診断測定器に使用する機会を最小限に抑える診断テストシステムが要求される。
【0012】
また、1つのテスト容器から取り外されて他のテスト容器において再利用することができる、持ち運び可能な測定器も更に要求される。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本明細書に記載された態様は、診断テストシステムの提供により上記の要求及び他の要求を満たす。診断テストシステムは、ハウジング及びコーディング情報を示す信号を受信するインタフェースを有し、テストメディアにつけたサンプルの診断テストを実施する測定器と、テストメディアに関連するコーディング構成要素を有し、前記測定器に適合するテストメディアを収容するように構成される容器と、を含み、付随するテスト容器から新容器への測定器の付け替えは、ロットの特定コード情報をメディアの新容器から測定器へ転送する複数のコーディング方法のうちの1つを用いることを含む。
【0014】
さらに、本明細書に記載された態様は、テストストリップ容器を受けるレセプタクルを有する測定器ハウジングを更に提供する。また、測定器ハウジングは、メディアプレーヤー、地上波ラジオ又は衛星ラジオ、トラベルアラームクロック、テストアラーム、音声メモ記録装置、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、又は他の追加機能等のうちの少なくともいずれか1つを受けるように構成されてもよい。これにより、該装置には、テストストリップ容器に配置されたコードと同様に、該装置が測定器に連結して使用するために読み取らせるコードが設けられる。
【0015】
また、本明細書においては、第1の容器から取り外されて第2の容器に取り付けることが可能な測定器ハウジングを開示する。測定器ハウジングは、当該測定器ハウジング及び容器を着脱自在に係合するように構成された少なくとも1つの上部取付アタッチメントを含んで構成されてもよい。
【0016】
一態様においては、測定器ハウジングは、当該測定器ハウジングを十分に回し、そのかみ合わせを外すことによって容器から取り外せるように構成される。例えば、測定器ハウジングは、少なくとも約8分の1回転、少なくとも約4分の1回転、又は少なくとも約2分の1回転されることができる。
【0017】
他の態様においては、容器は、当該容器を測定器ハウジングを十分に回し、そのかみ合わせを外すことによって容器から取り外せるように構成される。
例えば、容器は、少なくとも約8分の1回転、少なくとも約4分の1回転、又は少なくとも約2分の1回転されることができる。
【0018】
さらに他の態様においては、上部取付アタッチメントは、容器から測定器ハウジングを取り外すことが可能なフックである。他の態様においては、上部取付アタッチメントは、リングである。他の態様においては、測定器ハウジングが圧入ポスト(press fit post)を含んで構成され、容器が圧力嵌めのポストを受けるように構成された開口部を含んで構成される。一態様において、上部取付アタッチメントは、ロック及び突起部の組合せである。一態様において、上部取付アタッチメントは、タブである。
【0019】
本発明の付加的な態様及び利点は、一部は以下の記載で説明され、一部は記載から明らかになるか、又は本発明の実施により知ることが出来る。本発明の利点は、添付の特許請求範囲において、特に指摘した構成要素及び組み合わせによって実現され、達成される。
【0020】
なお、上述した概略的な記載及び以下の詳細な記載は、当然のことながら、単なる例示上及び説明上の記載であり、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。
【0021】
本明細書の一部に組み込まれて構成される添付図面は、本発明の幾つかの実施形態を例示し、その記載と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1A】本願明細書に開示の実施形態と整合した統合システムの斜視図である。
【図1B】図1Aで表される統合システムの他の図である。
【図2A】本願明細書に開示の実施形態と整合した統合システムの斜視図である。
【図2B】図2Aにおいて表される統合化システムの他の図である。
【図3A】本願明細書に開示の実施形態と整合した統合システムの斜視図である。
【図3B】図3Aにおいて表される統合化システムの他の図である。
【図3C】図3Aにおいて表される統合化システムの他の図である。
【図4A】本願明細書に開示の実施形態と整合した統合システムの斜視図である。
【図4B】図4Aにおいて表される統合化システムの他の図である。
【図4C】図4Aにおいて表される統合化システムの他の図である。
【図5A】本願明細書に開示の実施形態と整合した統合システムの斜視図である。
【図5B】図5Aにおいて表される統合化システムの他の図である。
【図6A】本願明細書に開示の実施形態と整合した統合システムの斜視図である。
【図6B】図6Aにおいて表される統合化システムの他の図である。
【図7A】イジェクトボタンを押すことにより容器から取り外すことが可能な測定器ハウジングを含んだ統合システムの実施形態の図である。
【図7B】図7Aにおいて表される統合化システムの他の図である。
【図7C】図7A及び図7Bにおいて表される測定器ハウジングの図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書の一部に組み込まれて構成される添付図面は、本発明の幾つかの実施形態を例示し、その記載と共に本発明の原理を説明するために用いられる。同一の参照番号は 、同一又は類似の構成を示すように、可能な限り図面の全体を通して使用される。
【0024】
図1A及び図1Bは、本発明の例示的な一実施態様に従って診断テストを実施する統合システム200を示す。例示的な統合システム200は、例えば、テストストリップ等のテストメディアを収容する容器210、及び、容器210に収容されたテストストリップを用いて診断テストを実施する測定器230を含む。
【0025】
測定器230は、測定器ハウジング231内に含まれる。測定器ハウジング231には、容器210の開口部211を選択的に閉じるために容器210に係合する上部取付アタッチメント270が取り付けられる。又は、測定器ハウジング231は、上部取付アタッチメント270を含んでもよい。当業者には明らかなように、本明細書で用いる用語「取り付ける」は、「属する」、「関連する」、「付着する」、「接合する」、「連結する」、「締める」、「固定する」、「固着する」等 を意味するように用いられる。
【0026】
図1A及び図1Bにおいて表される実施形態では、上部取付アタッチメント270はロックである。ロック270は測定器ハウジング231から突出しており、容器210上の対応する突起部288に係合するように構成される。突起部288は、容器210の上縁部分に沿って設けられてもよい。
【0027】
さらに他の実施態様では、測定器ハウジング231は、ハウジング231の側壁に沿って位置するタブ272を含んで構成される。タブ272は、ユーザがタブ272に対し、例えば指又は親指などで押し上げることによって測定器ハウジング231を容器210から取り外しやすくするために、側壁よりも張り出している。
【0028】
一実施態様においては、タブ272は1つ以上の隆起を含んで構成され、ユーザがタブ272に対し力を加える際の補助となる。当該隆起は、ユーザの指又は親指がタブ272から滑るのを防止するように機能し得る。
【0029】
他の実施態様では、タブ272は、ハウジング231の側壁から離れるように角度をつけて張り出していてもよい。ハウジング231の側壁に対し平行である垂直面に対して測定した場合、タブ272の角度は、約1度から約90度まで、約20度から約70度まで、又は約40度から50度までの範囲にわたる。また、その角度は約45度であってもよい。
【0030】
図2A及び図2Bは1つの突起部を表しているが、当業者は、当該上部取付アタッチメントが1つ以上のタブを含んで構成され得ることを容易に理解する。例えば、2つのタブは相互に最大約180度まで離れた間隔を置いて設けられることができ、ユーザは、例えば両手の手のひらの中又は接地面上において容器210を固定しつつ、容器210を持って各々のタブを押し上げることができる。
【0031】
図3A、図3B及び図3Cは、容器210に対して測定器ハウジング231を着脱自在に取り付けるための、更に他の上部取付アタッチメントを表す。当該実施形態においては、測定器ハウジング231は、少なくとも1つのレバー274及び少なくとも1つのフック290を含んで構成され、これらは、少なくとも1つのレバー274に対して力を加えることで少なくとも1つのフック290を動かすように相互に連結されている。レバー274は、可撓性の物質及び/又は可撓性の構造を含んで構成される。容器210は、フック290を受けることが可能な少なくとも1つの移動止め(detent)276を含んで構成される。ユーザは、レバー274をハウジング231に向けて押し込むことにより、ハウジング231を取り外す。レバー274をハウジング231の方向に押し込むことによって、移動止め276からフック290が取り外される。そして、ハウジング231は、容器210の上端部から取り外されることができる。
【0032】
図3Aから図3Cは、1つの閉鎖機構として共に作用する1つのレバー、1つのフック及び1つの移動止めを表している。当業者は、レバー、フック及び移動止めの複数の組合せが用いられ得ることを容易に理解する。ある例示的な実施態様では、上部取付アタッチメントは、2つのレバー、2つのフック及び対応する2つの移動止めを含んで構成される。
【0033】
他の実施態様では、測定器ハウジングは、少なくとも1つのフックを作動させるように構成された、例えばボタンのような機構を含んで構成される。図4A、図4B及び図4Cは、少なくとも1つのレバー274、少なくとも1つの移動止め276及びボタン278を含んで構成された上部取付アタッチメントのためのさらに他の構造を含んで構成される。ボタン278及び少なくとも1つの移動止め276は、ボタン278を押すことによって移動止め276が係合されるように相互に連結される。移動止め276が容器210の凹部領域(図示略)の範囲内で配置される場合、ボタン278を押すことによって、凹部領域から移動止め276が取り外される。ハウジング231を容器210に取り付けるため、ユーザは、移動止め276及び凹部領域の位置が合うように、ハウジング231を容器210に隣接させて置き、そして、ボタン278を押すことによって、移動止め276を凹部領域に係合することができる。
【0034】
他の実施態様では、ボタン278は測定器ハウジング231から移動止め276を取り外すように構成される。当該実施態様では、ボタン278を押すステップによって、測定器ハウジング231を容器210から取り外すことができる。そして、測定器ハウジング231を容器210又は第2の容器に再度取り付けるため、ユーザは、測定器ハウジング231を容器210又は第2の容器に嵌合(snap)することができる。
【0035】
ボタン278は、統合システム200が右手で保持したまま、右手の親指又は人さし指で簡易に押すことができる。しかし、ボタン278は測定器ハウジング231の他の場所に配置されてもよい。例えば、ボタン278は、左利きのユーザにとってより便利であるように、測定器ハウジング231の右側面、又は測定器230の上部への配置が可能である。
【0036】
図5A及び図5Bは、圧入ポスト282を含んで構成された上部取付アタッチメントを表す。測定器ハウジング231は、圧入ポスト282を含んで構成され、容器210は、圧入ポスト282を受ける大きさの開口部284を含んで構成される。圧入ポスト282は開口部284に嵌まり、この開口部284を密閉して光、液体及び蒸気の浸入を封じる。図5Bに表される一実施態様では、圧入ポスト282は、部分ポスト282'及び部分ポスト282"を含んで構成される。部分ポスト282'及び部分ポスト282"は、間に隙間を形成するように間隔を空けて配置される。
【0037】
さらに他の実施態様では、コネクタが容器210をハウジング231に取り付ける。コネクタは、容器210及び/又はハウジング231に着脱可能に取り付けられることができる。図6A及び図6Bに表される実施態様では、コネクタはスナップ式(snap-on)のアダプタリング286を含んで構成される。スナップ式のアダプタリング286は、容器210の断面形状に対応する大きさである。スナップ式のアダプタリングは、柔軟に、摩擦によって容器110に係合するように構成されることができる。
【0038】
他の実施態様では、コネクタは、容器210に着脱可能にネジ止めするスナップ式アダプタリングである。アダプタリング286の内部表面上の相互係合するネジ山は、容器210の外部表面上のネジ山に係合する。ネジ山は、さらに、測定器ハウジング231上のネジ山に係合してもよい。
【0039】
他の実施態様では、コネクタは、例えば、溶接、接着剤等によって、容器210又は測定器ハウジング231に固定されてもよい。例えば、コネクタが永久的又は半永久的に容器210に固定される場合、ハウジング231はコネクタに着脱可能に取り付けられることができる。例えば、容器210の着脱可能な態様は、4分の1回転、嵌合、又はネジ山であってもよい。他の例としては、コネクタは、永久的又は半永久的に測定器ハウジング231に固定され、容器210に着脱可能に取り付けられてもよい。
【0040】
アダプタリング286の形状としては、容器210及び測定器ハウジング231の断面形状に対応する形状をとることができる。一実施態様において、アダプタリング286の形状は、円形である。他の実施態様においては、アダプタリング286の形状は、長円形である。さらに他の実施態様においては、アダプタリング286の形状は、楕円形である。他の実施態様においては、アダプタリング286の形状は、矩形である。
【0041】
さらに他の実施態様では、コネクタは、第1の断面形状の容器210及び第2の断面形状の測定器ハウジング231を連結できる大きさとなっている。
【0042】
図7Aから図7Cは、測定器ハウジング231がイジェクトボタン292を含む実施態様を表わす。イジェクトボタン292は、押し下げて、測定器ハウジング231を容器210から取り外すように構成される。
【0043】
図7Aから図7Cでは、イジェクトボタン292は、測定器ハウジング231の上部の上に配置されるように表わされているが、当業者であれば、イジェクトボタン292が測定器ハウジング231に沿ったいかなる適切な位置にも配置され得ることを理解する。
【0044】
一具体例では、容器210及び閉止部240は、射出成形工程を用い、ポリプロピレンで形成される。しかしながら、その他の材料及び工程もまた、本発明の範囲から逸脱しない限りにおいて用いることができる。
【0045】
他の実施形態は、本明細書及び本明細書に開示される発明の実行を考慮することにより、当業者に明らかになるであろう。また、本明細書及び実施形態は、単に例示的なものに過ぎないことを意図するものである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング及びコーディング情報を示す信号を受信するインタフェースを含み、テストメディアにつけたサンプルの診断テストを実施する測定器と、
前記測定器に適合するテストメディアを収容するように構成され、当該テストメディアに関連するコーディング構成要素及び上端部を有する容器と、を含んで構成され、
前記ハウジング及び前記容器の少なくともいずれか一方が、前記ハウジングを前記容器に着脱可能に取り付けるように構成される上部取付アタッチメントを含んで構成された診断テストシステム。
【請求項2】
前記上部取付アタッチメントは、前記ハウジングを前記容器の上端部に着脱可能に取り付けるように構成される請求項1記載の診断テストシステム。
【請求項3】
前記上部取付アタッチメントは、前記ハウジングから突出している少なくとも1つのロックと、前記容器の縁の少なくとも1つの部分から突出している少なくとも1つの対応する突起部と、を含んで構成され、前記各ロックは、前記各突起部の少なくとも1つの部分をスライド可能に移動するように構成されており、第1位置においては、前記各ロック及び前記各突起部は、前記測定器ハウジングが前記容器の上端部から取り外し可能であるように係合されていない一方、第2位置においては、前記各ロック及び前記各突起部は、前記測定器ハウジングが前記容器の上端部から取り外されることを防ぐように係合されている請求項1記載の診断テストシステム。
【請求項4】
前記ハウジングは、前記第1位置から前記第2位置へと移動するように中央軸の周りを回転する請求項3記載の診断テストシステム。
【請求項5】
前記測定器ハウジングは、前記ハウジングの側壁から張り出した少なくとも1つのタブを含んで構成され、当該タブは上面を有する請求項1記載の診断テストシステム。
【請求項6】
前記各タブの上面が、1つ以上の隆起を含んで構成される請求項5記載の診断テストシステム。
【請求項7】
前記タブは、前記側壁と実質的に平行な垂直面に対し、約1度から約90度までの範囲内の角度で前記側壁から張り出している請求項5記載の診断テストシステム。
【請求項8】
前記上部取付アタッチメントは、前記ハウジングと一体成型され各々がフックと相互連結された少なくとも1つのレバーを含んで構成され、前記容器は、前記フックを受けるように構成された少なくとも1つの移動止めを含んで構成される請求項1記載の診断テストシステム。
【請求項9】
前記測定器ハウジングはフック及びレバーと相互連結されたボタンを含んで構成される一方、前記容器は移動止めを含んで構成され、前記ボタンを押すことで付随的に前記フックが当該移動止めから取り外される請求項1記載の診断テストシステム。
【請求項10】
前記測定器ハウジングは圧入ポストを含んで構成される一方、前記容器は前記圧入ポストを受ける大きさの開口部を含んで構成される請求項1記載の診断テストシステム。
【請求項11】
前記圧入ポストは、第1の部分ポスト及び第2の部分ポストを含んで構成され、前記第1の部分ポスト及び前記第2の部分ポストは間隔をあけて配置されている請求項10記載の診断テストシステム。
【請求項12】
前記ハウジング及び前記容器の間に配置されたコネクタをさらに含んで構成される請求項1記載の診断テストシステム。
【請求項13】
前記コネクタは、前記容器の断面形状に対応する大きさのスナップ式のアダプタリングを含んで構成される請求項12記載の診断テストシステム。
【請求項14】
前記スナップ式のアダプタリングは永久的又は半永久的に前記容器に取り付けられるように構成され、前記ハウジングは前記スナップ式のアダプタリングに着脱可能に取り付け可能である請求項13記載の診断テストシステム。
【請求項15】
前記スナップ式のアダプタリングは永久的又は半永久的に前記ハウジングに取り付けられるように構成され、前記容器は前記スナップ式のアダプタリングに着脱可能に取り付け可能である請求項13記載の診断テストシステム。
【請求項16】
前記コネクタは、ネジ止め式のアダプタリングを含んで構成される請求項12記載の診断テストシステム。
【請求項17】
前記コネクタは、第1の断面形状を有する前記容器に対応する大きさであり、且つ第2の断面形状を有する前記ハウジングに対応する大きさである請求項12記載の診断テストシステム。
【請求項18】
前記ハウジングは、当該ハウジングを前記容器から取り外すように構成されたイジェクトボタンを含んで構成される請求項1記載の診断テストシステム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【公表番号】特表2011−504584(P2011−504584A)
【公表日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532228(P2010−532228)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/081691
【国際公開番号】WO2009/058935
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(504144529)ニプロ ダイアグナスティックス,インコーポレーテッド (28)
【Fターム(参考)】