説明

診療情報入力装置、プログラム及び診療情報入力方法

【課題】電子カルテへ入力する傷病名に付加された傷病部位を他の傷病部位に容易に変更することができる診療情報入力装置、プログラム及び診療情報入力方法を提供する。
【解決手段】身体における傷病の位置を示す文字列が含まれた修飾語及び該修飾語が付加される傷病名を電子カルテに入力する診療情報入力装置1において、前記修飾語を受け付ける受付部と、該受付部が受け付けた修飾語から傷病の位置を示す文字列を抽出する抽出部と、傷病の位置を示す文字列及び該位置と異なる他の位置を示す文字列を関連付けて記憶してある記憶部から、前記抽出部が抽出した前記文字列に係る位置と異なる他の位置を示す文字列を検索する検索部と、前記受付部が受け付けた修飾語に含まれる前記文字列を、前記検索部が検索した他の位置を示す文字列と置換する置換部と、該置換部が置換した他の位置を示す文字列が含まれた修飾語を出力する出力部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子カルテに患者の傷病名を入力する診療情報入力装置、プログラム及び診療情報入力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医師は患者を診察し、診察した結果に基づいて傷病名を決定する。傷病名は無数に存在するため、電子カルテの利用者である医師が電子カルテに傷病名を入力する場合、非常に手間がかかる。そこで、利用者が電子カルテに傷病名を入力する場合、入力の手間を低減する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−318154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、傷病名には右自然気胸、右上顎骨折のように傷病部位が修飾語として付加される場合が一般的である。しかし、電子カルテに傷病名を入力する際、「右」、「左」のように傷病の位置を示す詳細情報が誤って入力されるときがある。電子カルテでは、かかる誤りを訂正することに手間がかかり、利用者に掛かる負担が大きい。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものである。その目的は、電子カルテへ入力する傷病名に付加された傷病部位を他の傷病部位に容易に変更することができる診療情報入力装置、プログラム及び診療情報入力方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願による開示の一観点は、身体における傷病の位置を示す文字列が含まれた修飾語及び該修飾語が付加される傷病名を電子カルテに入力する診療情報入力装置において、前記修飾語を受け付ける受付部と、該受付部が受け付けた修飾語から傷病の位置を示す文字列を抽出する抽出部と、傷病の位置を示す文字列及び該位置と異なる他の位置を示す文字列を関連付けて記憶してある記憶部から、前記抽出部が抽出した前記文字列に係る位置と異なる他の位置を示す文字列を検索する検索部と、前記受付部が受け付けた修飾語に含まれる前記文字列を、前記検索部が検索した他の位置を示す文字列と置換する置換部と、該置換部が置換した他の位置を示す文字列が含まれた修飾語を出力する出力部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本願による開示の一観点によれば、電子カルテへ入力する傷病名に付加された傷病部位を他の傷病部位に容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】診療情報入力装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図2】電子カルテシステムの機能構成例を示す機能ブロック図である。
【図3】診療情報入力装置の機能構成例を示す機能ブロック図である。
【図4】カルテ入力画面の画面レイアウト例を示す説明図である。
【図5】カルテ入力画面の画面レイアウト例を示す説明図である。
【図6】病名テーブルのレコードレイアウト例を示す説明図である。
【図7】修飾語テーブルのレコードレイアウト例を例示する説明図である。
【図8】主病名及び部位の検索処理並びに選択された主病名及び部位の表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】主病名及び部位の検索処理並びに選択された主病名及び部位の表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】カルテ入力画面の画面レイアウト例を示す説明図である。
【図11】シェーマテーブルのレコードレイアウト例を示す説明図である。
【図12】シェーマ画像表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】修飾語変換テーブルのレコードレイアウト例を示す説明図である。
【図14】関連修飾語一覧表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】関連修飾語一覧表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図16】病名編集処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図17】シェーマ画像及び関連修飾語一覧を表示する処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態をその図面に基づいて説明する。本実施の形態に係る診療情報入力装置は、電子カルテシステムにおいて使用されるPC(パーソナルコンピュータ)、ノート型PC、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)端末、PDA(Personal Digital Assistant)、ワークステーション、汎用コンピュータ等である。以下では、診療情報入力装置の例として、PCを挙げて説明する。
以下では、病気又は疾患は傷病(負傷及び疾病)を含み、病名は傷病名を含む。
なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0010】
本実施の形態に係る診療情報入力装置は、疾患部位が付加された病名を電子カルテシステムに新規登録又は編集登録する際に、シェーマ画像上に疾患の位置を表示する。また、診療情報入力装置は病名に付加した疾患部位について一又は複数の置換候補を一覧表示する。
【0011】
図1は、診療情報入力装置1のハードウェア構成例を示すブロック図である。診療情報入力装置1は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13を含む。さらに、診療情報入力装置1は、ハードディスク14、ディスクドライブ15、通信部16、表示部17及び操作部18を含む。診療情報入力装置1のハードウェア各部は、バス1bを介して相互に接続されている。
【0012】
CPU11は、診療情報入力装置1のハードウェア各部を制御するプロセッサである。CPU11は、ハードディスク14に記録されたプログラム1PをRAM13にロードし、プログラム1Pを実行する。
【0013】
ROM12は、例えば不揮発性の半導体メモリ又は半導体メモリ以外の読み出し専用記憶媒体である。ROM12は、診療情報入力装置1の起動時にCPU11が実行するBIOS(Basic Input/Output System)、ファームウェア等を記録している。
RAM13は、例えばSRAM(Static RAM)、DRAM(Dynamic RAM)であり、CPU11が実行する処理の過程で必要な作業変数、データ等を一時的に記録する。なお、RAM13は主記憶装置の一例であり、RAM13の代わりにフラッシュメモリ、メモリカード等が用いられてもよい。
【0014】
ハードディスク14は、CPU11が実行するプログラム1P、病名テーブル1T、修飾語テーブル2T、修飾語変換テーブル3T及びシェーマテーブルテーブル4Tを記憶している。
病名テーブル1Tは、病名に関する情報を格納するテーブルである。修飾語テーブル2Tは、病名に付加される修飾語を格納するテーブルである。修飾語は、疾患部位の名称を含む。修飾語変換テーブル3Tは、疾患部位の名称に含まれ、疾患の位置を示す文字列を格納するテーブルである。シェーマテーブル4Tは、身体部位の絵図であるシェーマ画像を格納するテーブルである。
【0015】
なお、ハードディスク14は、診療情報入力装置1の内部に取り付けられるものであっても、診療情報入力装置1の外部に置かれるものであってもよい。また、ハードディスク14は補助記憶装置の一例であり、大容量の情報の記録が可能なフラッシュメモリ、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blu-ray Disc、登録商標)等の光ディスク1aで代替してもよい。
【0016】
ディスクドライブ15は、外部の記録媒体であるCD、DVD、BD等の光ディスク1aから情報を読み込み、光ディスク1aに情報を記録する。CPU11は、操作部18からディスクドライブ15に対する光ディスク1aの排出命令を受け付けた場合、ディスクドライブ15の図示しないトレイを排出する。
【0017】
通信部16は、有線又は無線通信のモデム又はLAN(Local Area Network)カード等であり、LANのネットワークNと接続されている。診療情報入力装置1は、通信部16を介して電子カルテシステム2と接続されている。
なお、通信部16は、インターネット又は電話回線と接続することができてもよい。
【0018】
表示部17は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の画面を有し、CPU11からの指示に従って、プログラム1Pに係る各種情報を表示する。
【0019】
操作部18は、利用者が各種の入力を行うキーボード、マウス、電源スイッチ、ディスクドライブ15から光ディスク1aを排出するための操作ボタン等の入力デバイスを含む。操作部18は、利用者による操作に基づいて入力信号を生成する。生成された入力信号は、バス1bを介してCPU11に送信される。
【0020】
次に、診療情報入力装置1の機能について説明する。
まず、病名について説明する。病名には、疾患部位を示す修飾語が付加される場合がある。例えば、病名である骨折に、骨折した部位である顎が付加された場合、病名は顎骨折となる。また、疾患部位の中に、さらに詳細な疾患位置を示す修飾語が病名に付加される場合がある。例えば、骨折カ所が右上顎である場合、病名は右上顎骨折となる。従って、かかる場合の病名は修飾語と当該修飾語が付加される病名とに分けることができる。以下では、修飾語が付加される病名を主病名という。
【0021】
図2は、電子カルテシステム2の機能構成例を示す機能ブロック図である。図2の診療情報入力装置1に係る各機能部は、CPU11がハードディスク14に記録されたプログラム1Pに基づいて動作することにより実行される。
【0022】
電子カルテシステム2における病名の入力機能を含め、入力された病名がその後電子カルテシステム2で利用される形態の概要について機能の観点から説明する。
診療情報入力装置1は、病名入力部101を含む。病名入力部101は、病名テーブル1T、修飾語テーブル2T及び修飾語変換テーブル3Tを参照し、病名を生成する。病名入力部101は、生成した病名を患者病名テーブル5Tに記憶する。例えば、右上顎骨折という病名が患者病名テーブル5Tに記憶される。
また、病名入力部101は、シェーマテーブル4Tを参照し、シェーマ画像を表示部17に表示する。
以下、病名が右上顎骨折である場合について、説明を続ける。
【0023】
電子カルテシステム2は、例えば放射オーダ部及び手術オーダ部を含む。放射オーダ部は、患者病名テーブル5Tの病名を参照し、X線撮影をする疾患部位が右上顎であることの情報を含むオーダをオーダテーブル6Tに書き込む。オーダテーブル6Tは、医師の指示に基づくオーダ情報を記憶するテーブルである。手術オーダ部は、患者病名テーブル5Tを参照し、手術をする身体部位が右上顎であることの情報を含むオーダをオーダテーブル6Tに書き込む。
【0024】
電子カルテシステム2は、例えば診療行為入力部及び診療実施入力部を含む。診療行為入力部は、医師、診療放射線技師等が行う診療行為に係る情報を電子カルテシステム2に入力する。診療放射線技師は、オーダテーブル6Tを参照し、右上顎についてX線撮影を行う。医師は、オーダテーブル6T及び撮影されたX線映像を参照し、右上顎を手術する。診療実施入力部は、医師、診療放射線技師等が実施した診療結果を電子カルテシステム2の図示しないテーブルに書き込む。
【0025】
仮に、利用者が病名入力を誤り、疾患部位が右上顎ではなく、左上顎であった場合、誤った病名を元に誤ったオーダ情報が患者病名テーブル5T及びオーダテーブル6Tに書き込まれる。そして、誤ったオーダ情報に基づき、本来の疾患部位と異なる疾患部位についてX線撮影、検査、手術、処置等が実施されてしまう。
【0026】
診療情報入力装置1の病名入力部101の詳細について説明する。
図3は、診療情報入力装置1の機能構成例を示す機能ブロック図である。図3の診療情報入力装置1に係る各機能部は、CPU11がハードディスク14に記録されたプログラム1Pに基づいて動作することにより実行される。診療情報入力装置1の病名入力部101は、受付部101a、分割部101b、抽出部101c、検索部101d、置換部101e及び修飾語表示部101fを含む。受付部101aは、利用者から疾患部位を含む病名を受け付ける。分割部101bは、病名テーブル1T及び修飾語テーブル2Tを参照し、受付部101aが受け付けた病名を疾患部位と主病名とに分割する。なお、受付部101aは、疾患部位と主病名とを区別できる態様で病名を受け付ける場合もある。
【0027】
抽出部101cは、分割部101bにより分割された疾患部位から疾患の位置を抽出する。例えば、右上顎から右上を抽出する。検索部101dは、修飾語変換テーブル3Tから、抽出部101cが疾患部位から抽出した疾患の位置に関連する他の位置を検索する。例えば、検索部101dは、修飾語変換テーブル3Tから、右上に関連する右下、左上、左下等を検索する。置換部101eは、分割部101bが分割した疾患部位に含まれる疾患位置を検索部101dが検索した他の位置と置換し、新たな疾患部位の名称、すなわち主病名の修飾語を生成する。例えば、置換部101eは、右下顎、左上顎、左下顎等を生成する。修飾語表示部101fは、置換部101eが生成した修飾語を診療情報入力装置1の表示部17に一覧表示する。
【0028】
診療情報入力装置1は、疾患の位置を示すシェーマ画像を診療情報入力装置1の表示部17に表示する機能を有する。シェーマ検索部101gは、分割部101bが分割した疾患部位と主病名とに基づいて、シェーマテーブル4Tからシェーマ画像を検索する。シェーマ表示部101hは、シェーマ検索部101gが検索したシェーマ画像に疾患の位置を示す印が重畳された画像を生成する。シェーマ表示部101hは、生成した画像を診療情報入力装置1の表示部17に表示する。
【0029】
病名表示部101iは、修飾語表示部101fが一覧表示した修飾語のうち、例えば1つが選択された場合、選択された修飾語である疾患部位を分割部101bが分割した主病名と結合し、新たな病名を生成する。病名表示部101iは、生成した新たな病名を診療情報入力装置1の表示部17に表示する。入力部101jは、病名表示部101iが生成した新たな病名、又は病名表示部101iが表示部17に表示した新たな病名を電子カルテシステム2が有する患者病名テーブル5Tに書き込む。
【0030】
次に、診療情報入力装置1の動作について説明する。
診療情報入力装置1は、図示しない患者一覧画面を表示部17に表示する。患者一覧画面は、診療履歴を有する患者又は診療履歴を有さない患者の情報を示す一覧画面である。
患者一覧画面において、ある患者を選択し、所定ボタンをクリックした場合、診療情報入力装置1は、図示しない患者カルテ画面を表示部17に表示する。患者カルテ画面は、選択した患者の電子カルテを選択する画面である。患者カルテ画面は、選択された患者が診療を受けた診療科ラジオボタン及び病名ボタンを含む。当該診療科ラジオボタンのうち1つを選択し、病名ボタンをクリックした場合、診療情報入力装置1は、カルテ入力画面を表示部17に表示する。
【0031】
図4は、カルテ入力画面1fの画面レイアウト例を示す説明図である。カルテ入力画面1fは、ヘッダ部10f及びボディ部11fを含む。ヘッダ部10fは、患者ID、患者氏名、年齢、利用者及び診療科の各ラベルを含む。患者IDは、選択された患者の患者IDである。患者氏名は、選択された患者の氏名である。年齢は、選択された患者の年齢及び生年月日である。利用者は、診療情報入力装置1又は電子カルテシステム2を利用する医師の氏名である。診療科は、患者カルテ画面の診療科ラジオボタンで選択された診療科である。
【0032】
カルテ入力画面1fのボディ部11fは、病名一覧画面12f及び編集画面13fの各子画面を含む。病名一覧画面12fは、ボディ部11fの左半分を占め、選択された患者及び診療科について患者病名テーブル5Tに登録されている病名を一覧表示する画面である。病名一覧画面12fは、順番及び病名の各列を含む。順番は、表示される病名に付せられる連番である。病名は、選択された患者の診療履歴に係る病名である。図4の例では、慢性肝炎が示されているが、患者病名テーブル5Tに記憶された病名履歴が複数ある場合、診療情報入力装置1は、病名一覧画面12fに複数の病名を一覧表示する。
【0033】
編集画面13fは、ボディ部11fの右半分を占め、利用者により記載されたカルテに関する画面である。編集画面13fは、<Problem>、<S>、<O>、<A>及び<P>の各タグを含む。<Problem>は、利用者が問題点を記載する欄である。<S>は、Subjectiveの略であり、利用者が主訴を記載する欄である。<O>は、Objectiveの略であり、利用者が所見を記載する欄である。<A>は、Assessmentの略であり、利用者が評価を記載する欄である。<P>は、Planの略であり、利用者が治療計画を記載する欄である。
【0034】
カルテ入力画面1fのボディ部11fは、編集ボタン1bを含む。編集ボタン1bは、病名一覧画面12fの右下に配置されている。カルテ入力画面1fの編集ボタン1bがクリックされた場合、診療情報入力装置1は、カルテ入力画面1fと異なるレイアウトを有する別のカルテ入力画面を表示部17に表示する。
病名一覧画面12fの病名はカーソル移動により選択可能になっている。病名一覧画面12fの病名が未選択状態で編集ボタン1bがクリックされた場合、診療情報入力装置1は、病名を新規登録する別のカルテ入力画面を表示部17に表示する。一方、病名一覧画面12fの病名が選択状態で編集ボタン1bがクリックされた場合、診療情報入力装置1は、選択された病名を編集する別のカルテ入力画面を表示部17に表示する。
【0035】
図5は、カルテ入力画面2fの画面レイアウト例を示す説明図である。図5のカルテ入力画面2fは、利用者が診察結果に基づいて決定した病名を患者病名テーブル5Tに新規登録又は編集登録するための入力画面例である。また、カルテ入力画面2fは、利用者が記載した<Problem>、<S>、<O>、<A>及び<P>の各タグに対応する診療情報を電子カルテシステム2の所定テーブルに記憶する機能も有する。
【0036】
カルテ入力画面2fは、ヘッダ部20f及びボディ部21fを含む。カルテ入力画面2fのヘッダ部20fは、カルテ入力画面1fのヘッダ部10fと同じである。ボディ部21fは、病名検索登録画面22f及び編集画面23fを含む。
カルテ入力画面1fの病名一覧画面12fにおいて、病名が選択されず、編集ボタン1bがクリックされた場合、病名検索登録画面22f及び編集画面23fは、全ての入力欄が空欄である初期状態で表示される。
【0037】
病名検索登録画面22fは、カルテ入力画面2fのボディ部21fの左側半分を占める。病名検索登録画面22fは、登録病名画面26f、病名検索タブ画面24f及び検索結果画面25fの各子画面を含む。登録病名画面26fは、患者病名テーブル5Tに登録する病名が表示される画面である。例えば、病名検索登録画面22fの下部に配置された確定ボタン221bがクリックされた場合、登録病名画面26fに表示された病名が患者病名テーブル5Tに登録される。
【0038】
病名検索タブ画面24fは、登録するための病名を入力する画面である。病名検索タブ画面24fは、病名テキストボックス24t、テキスト検索タブ241t、病名ツリータブ242t、部位ツリータブ243t及び検索ボタン24bを含む。テキスト検索タブ241tがクリックされた場合、病名テキストボックス24tに操作部18のキーボードから病名を入力することが可能となる。図5は、テキスト検索タブ241tが選択された状態を例示している。
【0039】
病名ツリータブ242t及び部位ツリータブ243tは、疾患部位の名称を含む病名を病名テキストボックス24tに選択入力するためのタブである。
病名ツリータブ242tがクリックされた場合、診療情報入力装置1は病名テーブル1Tを参照し、病名一覧のタブページを表示する。病名一覧の中の1つの病名が選択された場合、選択された病名が病名テキストボックス24tに入力される。ここでの病名は主病名である。部位ツリータブ243tがクリックされた場合、診療情報入力装置1は修飾語テーブル2Tを参照し、部位一覧のタブページを表示する。部位一覧の中の1つの部位が選択された場合、選択された部位が既に入力された病名に付加されて病名テキストボックス24tに表示される。
【0040】
病名ツリータブ242t及び部位ツリータブ243tを使用し、主病名及び部位が病名テキストボックス24tに選択入力された場合、主病名と部位とはRAM13に記憶される。主病名は病名一覧において病名が選択されるタイミングで、部位は部位一覧において部位が選択されるタイミングでRAM13に記憶される。
なお、病名ツリータブ242t及び部位ツリータブ243tを用いて、病名テキストボックス24tに主病名及び部位が入力された場合、主病名と部位とを区別しやすくするために、例えば主病名を赤、ピンク等の目立つ色で彩色してもよい。
【0041】
検索ボタン24bは、病名テキストボックス24tに入力された病名を用いて、病名を検索するためのボタンである。診療情報入力装置1は、病名テキストボックス24tに入力された病名を患者病名テーブル5Tに直接書き込まない。診療情報入力装置1は、病名テーブル1T及び修飾語テーブル2Tに夫々登録されている主病名及び部位を患者病名テーブル5Tに書き込む。そのため、診療情報入力装置1は、病名テキストボックス24tに入力された疾患部位を含む病名に基づいて、一旦病名テーブル1T及び修飾語テーブル2Tから夫々主病名及び部位を検索する。
【0042】
病名ツリータブ242t及び部位ツリータブ243tを用いて、病名テキストボックス24tに病名が入力された状態で、検索ボタン24tがクリックされた場合、診療情報入力装置1は、RAM13に記憶した主病名及び部位を用いて、夫々病名テーブル1T及び修飾語テーブル2Tを検索する。
【0043】
テキスト検索タブ241tが選択され、病名テキストボックス24tに疾患部位を含む病名がキーボードを用いて入力された場合、診療情報入力装置1は、入力された文字列を主病名と部位との2つに分割する。診療情報入力装置1は、分割した主病名と部位との各文字列を用いて、病名テーブル1T及び修飾語テーブル2Tを検索する。
【0044】
図6は、病名テーブル1Tのレコードレイアウト例を示す説明図である。病名テーブル1Tは、主病名を管理するマスタテーブルである。病名テーブル1Tは、病名管理番号、病名表記及び病名表記カナの各列を含む。病名管理番号は、主病名を特定する識別記号であり、病名テーブル1Tの主キーである。病名表記は、主病名の漢字表記を格納する。病名表記カナは、主病名のカナ表記を格納する。図6は、主病名が骨折であるマスタレコードを例示している。
【0045】
図7は、修飾語テーブル2Tのレコードレイアウト例を例示する説明図である。修飾語テーブル2Tは、主病名に付加される修飾語を管理するマスタテーブルである。修飾語テーブル2Tは、修飾語管理番号、修飾語表記及び修飾語表記カナの各列を含む。修飾語管理番号は、修飾語を特定する識別記号であり、修飾語テーブル2Tの主キーである。修飾語表記は、修飾語の漢字表記を格納する。修飾語表記カナは、修飾語のカナ表記を格納する。図7は、左上顎、右上顎、左下顎及び右下顎に関する各部位のマスタレコードを例示している。
【0046】
検索結果画面25fは、病名テキストボックス24tに入力された病名を用いて、病名テーブル1T及び修飾語テーブル2Tを検索した結果が表示される画面である。例えば、診療情報入力装置1は、病名テキストボックス24tに入力された「右上顎骨折」を修飾語の「右上顎」及び主病名の「骨折」に分離する。診療情報入力装置1は、病名テーブル1Tから病名表記が「骨折」であるマスタレコードを検索する。その結果、図6の例では病名管理番号がT1420であるマスタレコードがヒットする。診療情報入力装置1は、修飾語テーブル2Tから修飾語表記が「右上顎」であるマスタレコードを検索する。その結果、図7の例では修飾語管理番号が5006であるマスタレコードがヒットする。診療情報入力装置1は、ヒットした結果を検索結果画面25fに表示する。
また、診療情報入力装置1は、検索した病名表記(主病名)及び病名管理番号、並びに修飾語表記(部位)及び修飾語管理番号を検索結果画面25fに対応付けてRAM13に記憶する。
【0047】
図5の検索結果画面25fは、コード及び名称の各列を含む。コードには、病名管理番号又は修飾語管理番号が表示される。名称には、主病名又は修飾語が表示される。図7は、コード及び名称に、修飾語管理番号「5006」及び修飾語表記「右上顎」と、病名管理番号「T1420」及び病名表記「骨折」とが表示される例を示している。
なお、主病名と修飾語とを区別しやすくするために、主病名を赤、ピンク等で彩色してもよい。
【0048】
病名テーブル1T又は修飾語テーブル2Tからマスタレコードが複数件数ヒットした場合、検索結果画面25fのコード又は名称にはヒットした件数だけマスタレコードのデータが表示される。例えば、病名テキストボックス24tに肺の病気である「気胸」を入力し、検索ボタン24bをクリックした場合、気胸には人工気胸、外傷性気胸、症候性気胸、自然気胸等の種類があるため、これらの複数の気胸が検索結果画面25fに表示される。また、肺の詳細位置を示す修飾語として、右、左があるため、これらの修飾語が検索結果画面25fに表示される。
あるいは、例えば、病名テキストボックス24tに「顎骨折」を入力し、検索ボタン24bをクリックした場合、主病名として骨折が検索結果画面25fに表示される。一方、修飾語である部位として左上顎、右上顎、左下顎及び右下顎が検索結果画面25fに表示される。
【0049】
編集画面23fは、カルテ入力画面2fのボディ部21fの右側半分を占める。カルテ入力画面2fの編集画面23fは、カルテ入力画面1fの編集画面13fと同じである。カルテ入力画面2fの編集画面23fは、enabledの状態で表示され、各タグで区切られた記入欄に主訴等を書き込むことができる。
【0050】
検索結果画面25fに表示された主病名が例えばダブルクリックされた場合、ダブルクリックされた主病名が登録病名画面26fに表示される。このとき、診療情報入力装置1は、主病名及びその病名管理番号を、登録病名画面26fと対応付けてRAM13に記憶する。
また、検索結果画面25fに表示された修飾語が例えばダブルクリックされた場合、ダブルクリックされた修飾語が既に選択されている病名と結合した態様で登録病名画面26fに表示される。このとき、診療情報入力装置1は、修飾語及びその修飾語管理番号を、登録病名画面26fと対応付けてRAM13に記憶する。
なお、本実施の形態では、修飾語は身体における疾患の位置を示す文字列が含まれた部位の名称である。
【0051】
図8及び図9は、主病名及び部位の検索処理並びに選択された主病名及び部位の表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。図8及び図9は、操作部18のキーボードから病名テキストボックス24tに病名が入力され、検索ボタン24bがクリックされてから、登録病名画面26fに登録対象である病名が表示されるまでの処理の手順を示している。以下では、病名テキストボックス24tに入力される病名には、疾患部位の名称が主病名の前に(左に)付加されているものとする。
【0052】
CPU11は、病名テキストボックス24tに入力された文字列を受け付ける(ステップS101)。CPU11は、カウンターnに1を代入する(ステップS102)。CPU11は、nがステップS101で受け付けた文字列の文字数以下か否か判定する(ステップS103)。CPU11は、nがステップS101で受け付けた文字列の文字数以下でないと判定した場合(ステップS103:NO)、処理を終了する。
【0053】
CPU11は、nがステップS101で受け付けた文字列の文字数以下であると判定した場合(ステップS103:YES)、CPU11は、ステップS101で受け付けた文字列の後ろからn文字を取得する(ステップS104)。CPU11は、病名テーブル1Tから病名表記が取得したn文字の文字列と等しいマスタレコードを検索する(ステップS105)。
【0054】
CPU11は、ステップS105の検索に成功したか否か判定する(ステップS106)。CPU11は、ステップS105の検索に成功しなかったと判定した場合(ステップS106:NO)、nをインクリメントし(ステップS107)、ステップS103に処理を戻す。CPU11は、ステップS105の検索に成功したと判定した場合(ステップS106:YES)、データベースからの戻り値である病名管理番号及び病名表記を検索結果画面25fに対応付けてRAM13に記憶する(ステップS108)。CPU11は、戻り値である病名管理番号及び病名表記を検索結果画面25fに表示する(ステップS109)。
【0055】
CPU11は、ステップS101で受け付けた文字列から、ステップS108でRAM13に記憶した病名表記を削除し、残りの文字列を取得する(ステップS110)。なお、残りの文字列は空文字である場合もあり得る。かかる場合は、利用者が病名テキストボックス24tに主病名のみを入力した場合である。CPU11は、修飾語テーブル2Tから、修飾語表記が残りの文字列と等しいマスタレコードを検索する(ステップS111)。
【0056】
CPU11は、ステップS111の検索に成功したか否か判定する(ステップS112)。CPU11は、ステップS111の検索に成功しなかったと判定した場合(ステップS112:NO)、ステップS115に処理を進める。CPU11は、ステップS111の検索に成功したと判定した場合(ステップS112:YES)、データベースからの戻り値である修飾語管理番号及び修飾語表記を検索結果画面25fに対応付けてRAM13に記憶する(ステップS113)。CPU11は、修飾語管理番号及び修飾語表記を検索結果画面25fに表示する(ステップS114)。
【0057】
CPU11は、検索結果画面25fに表示した主病名又は部位に対するダブルクリック操作を受け付ける(ステップS115)。CPU11は、ダブルクリック操作を受け付けた主病名及び病名管理番号、又は部位及び修飾語管理番号を登録病名画面26fと対応付けてRAM13に記憶する(ステップS116)。CPU11は、ダブルクリック操作を受け付けた主病名又は部位を登録病名画面26fに表示し(ステップS117)、処理を終了する。なお、ステップS115からステップS117までの処理は、ステップS111において部位の検索に成功する場合を含むことから、CPU11は主病名と部位との2つについて処理を行う。ステップS111において部位の検索に失敗した場合、CPU11は主病名のみについて処理を行う。
【0058】
登録病名画面26fへの主病名及び部位の表示と同時に、編集画面23fに疾患部位を含むシェーマ画像と関連修飾語一覧が表示される。
図10は、カルテ入力画面2fの画面レイアウト例を示す説明図である。図10の編集画面23fに表示されるシェーマ画像23sには、疾患の位置を示す印が重畳して表示される。図10の例では、顔面のシェーマ画像23sの右上顎部分に丸印が重畳して示されている。
なお、疾患の位置を示す印は、赤、ピンク等の彩色により強調されてもよい。
【0059】
関連修飾語一覧23rは、登録病名画面26fに表示された疾患部位に関連する部位の名称を一覧表示するダイアログである。疾患部位に関連する部位の名称は、疾患部位の名称を置換することが可能な部位の名称である。図10の関連修飾語一覧23rの例では、関連修飾語一覧23rの最上位に関連候補というタイトルが、その下に左上顎、左下顎及び右下顎が表示されている。登録病名画面26fに表示された病名に含まれる疾患部位である右上顎は、関連修飾語一覧23rにリストアップされた左上顎、左下顎又は右下顎と置換可能である。
【0060】
例えば、利用者がシェーマ画像23s及び関連修飾語一覧23rを見て、入力した右上顎骨折が誤っており、正しい病名が左上顎骨折であることに気付いたとする。かかる場合、関連修飾語一覧23rの左上顎の部分が例えばクリックされたとき、登録病名画面26fに表示されている右上顎骨折の「右上顎」の部分は「左上顎」に置換される。
【0061】
さらに、利用者が病名の「左上顎」部分を「右下顎」に変更したい場合、関連修飾語一覧23rの右下顎の部分をクリックすれば、登録病名画面26fに表示されている左上顎骨折の「左上顎」の部分は「右下顎」に置換される。
このように、カルテ入力画面2fによれば、疾患部位の名称に含まれる疾患の位置を手軽に編集することができる。
なお、シェーマ画像23sにおいて疾患の位置を示す印は、疾患の位置が変更された場合、変更された新たな位置に再表示される。
【0062】
利用者は、登録病名画面26fに表示された病名及びシェーマ画像23sにおける印の位置を確認し、病名が正しいと判断した場合、病名検索登録画面22fの下部に配置された確定ボタン221bをクリックする。確定ボタン221bがクリックされた場合、診療情報入力装置1は、登録病名画面26fに表示された病名を患者病名テーブル5Tに書き込む。
【0063】
病名検索登録画面22fの下部に配置された中止ボタン222bは、カルテ入力画面2fに入力した情報をクリアするボタンである。中止ボタン222bがクリックされた場合、診療情報入力装置1は、病名検索登録画面22fの各子画面を初期化して再表示する。
【0064】
次に、診療情報入力装置1がシェーマ画像23s及び関連修飾語一覧23rを編集画面23fに表示する動作の詳細について説明する。シェーマ画像23sは、シェーマテーブル4Tに基づいて表示される。関連修飾語一覧23rは、修飾語テーブル2T及び修飾語変換テーブル3Tに基づいて表示される。
【0065】
図11は、シェーマテーブル4Tのレコードレイアウト例を示す説明図である。シェーマテーブル4Tは、シェーマ画像23sを管理するマスタテーブルである。シェーマテーブル4Tは、病名管理番号、修飾語管理番号、シェーマ画像ファイル、座標X及び座標Yの各列を含む。病名管理番号は、病名テーブル1Tの病名管理番号と同じである。修飾語管理番号は、修飾語テーブル2Tの修飾語管理番号と同じである。病名管理番号及び修飾語管理番号は、シェーマテーブル4Tの主キーである。シェーマ画像ファイルは、ハードディスク14に記憶されているシェーマ画像ファイルのパス及びファイル名である。なお、シェーマ画像ファイル列は、シェーマ画像23sのファイルそのものを格納してもよい。
【0066】
座標X及び座標Yは、シェーマ画像23sにおける疾患の位置を示す座標である。つまり、シェーマテーブル4Tには、病名管理番号及び修飾語管理番号の組合せに対して疾患の位置を示す座標が登録されている。図11では、例えば1レコード目は、左上顎を含む顔面のシェーマ画像23s(003.jpg)を示し、座標X及び座標Yはシェーマ画像23sにおける左上顎の座標を示している。例えば2レコード目は、右上顎を含む顔面のシェーマ画像23s(003.jpg)を示し、座標X及び座標Yはシェーマ画像23sにおける右上顎の座標を示している。
【0067】
なお、シェーマテーブル4Tは、修飾語管理番号の列を複数含んでもよい。主病名に付加される修飾語には、様々な種類の語が含まれる。例えば、修飾語テーブル2Tは、図7に示したマスタレコード以外にも、「慢性」、「急性」、「悪性」、「萎縮性」、「遺伝性」、「合併症」、「症候群」、「不全」等がある。主病名及びこれら複数の修飾語の組合せについて、シェーマ画像ファイルを関連付ける場合、組み合わせられる修飾語の数と同じ列数の修飾語管理番号列をシェーマテーブル4Tに用意する。
【0068】
図12は、シェーマ画像表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。図12では、登録病名画面26fに表示される病名に関する主病名及び部位が夫々病名管理番号及び修飾語管理番号としてRAM13に記憶されているものとする。
【0069】
CPU11は、RAM13から病名管理番号及び修飾語管理番号を読み出す(ステップS201)。CPU11は、シェーマテーブル4Tから、シェーマテーブル4Tの病名管理番号及び修飾語管理番号が夫々読み出した病名管理番号及び修飾語管理番号に等しいマスタレコードを検索する(ステップS202)。CPU11は、ヒットしたマスタレコードからシェーマ画像ファイルのパス及びファイル名、座標X及び座標Yを抽出する(ステップS203)。
【0070】
CPU11は、シェーマ画像23Sをハードディスク14から読み出す(ステップS204)。CPU11は、読み出したシェーマ画像23sに対して、ステップS203で抽出した座標X及び座標Yの位置に基づいて疾患の位置を示す印を重畳する(ステップS205)。CPU11は、シェーマ画像23s及び疾患の位置を示す印が重畳された画像を編集画面23fに表示し(ステップS206)、処理を終了する。
【0071】
図13は、修飾語変換テーブル3Tのレコードレイアウト例を示す説明図である。修飾語変換テーブル3Tは、優先順位、修飾語置換対象文字列及び置換候補文字列の各列を含む。優先順位は、疾患部位の名称に含まれる疾患の位置を示す文字列を抽出する場合、当該文字列を抽出する優先度を格納する。優先順位は、例えば数字で示され、数字が大きいほど、又は数字が小さいほど優先順位は高いと予め決めておく。以下では、優先順位は、数字で示され、数字が大きいほど優先順位が高いものとする。
【0072】
修飾語置換対象文字列は、関連修飾語一覧23rに表示される部位の置換候補を生成するために、病名に含まれる置換対象の文字列を格納する。多くの場合、疾患の位置を示す文字列は、1パターンではなく、複数パターンが考えられる。例えば、図13の例では、右、左、右上、左下の4パターンが示されている。
なお、疾患の位置を示す文字列は、左右、上下に限らない。例えば、手の指の骨折の場合、疾患の位置を示す文字列として、母指末節骨、示指末節骨、中指末節骨、環指末節骨及び小指末節骨がある。更に、左手、右手の区別をする場合、病名は左母指末節骨骨折、右母指末節骨骨折、左示指末節骨骨折、右示指末節骨骨折等となる。
【0073】
そこで、疾患部位の名称を構成する文字列のうち、どの部分が疾患の位置を示す文字列であるかを判定するために、複数パターンの位置を示す文字列を修飾語変換テーブル3Tに予め登録しておく。複数パターンの位置を示す文字列のうち、どの文字列を置換対象の文字列とするかは、優先順位の高い順に決定される。
【0074】
置換候補文字列は、修飾語置換対象文字列と置き換わる候補の文字列を格納する。候補の文字列が複数ある場合、例えばカンマ区切りで列挙される。例えば、図13の1レコード目の場合、修飾語置換対象文字列である右に対して、置換候補文字列は左、上、下及び中の4つがカンマで区切られて登録されている。
【0075】
図14及び図15は、関連修飾語一覧表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。図14及び図15では、登録病名画面26fに対応する主病名及び病名管理番号と部位及び修飾語管理番号とがRAM13に記憶されているものとする。以下では、例として疾患部位を含む病名が右上顎骨折である場合、疾患部位の右上顎及び主病名の骨折、並びにこれらの管理番号が登録病名画面26fに対応してRAM13に記憶されている例を扱う。
【0076】
CPU11は、RAM13から疾患部位を読み出す(ステップS301)。すなわち、CPU11は、「右上顎」を読み出す。CPU11は、修飾語変換テーブル3Tから優先順位が最も高い修飾語置換対象文字列を取得する(ステップS302)。ここでは、図13に示した4件のマスタレコードが修飾語変換テーブル3Tに登録されているものとする。従ってステップS302において、CPU11は優先順位が最も高い200に対応する「左上」を取り出す。
【0077】
CPU11は、ステップS301で読み出した疾患部位に、ステップS302で取得した修飾語置換対象文字列が含まれているか否か判定する(ステップS303)。すなわち、CPU11は、「右上顎」に「左上」が含まれているか否か判定する。CPU11は、ステップS301で読み出した疾患部位に、ステップS302で取得した修飾語置換対象文字列が含まれていないと判定した場合(ステップS303:NO)、ステップS302で取得した修飾語置換対象文字列の優先順位が最低か否か判定する(ステップS304)。
【0078】
CPU11は、ステップS302で取得した修飾語置換対象文字列の優先順位が最低であると判定した場合(ステップS304:YES)、処理を終了する。すなわち、CPU11は、取得した修飾語置換対象文字列の優先順位が最低の10である場合、処理を終了する。CPU11は、ステップS302で取得した修飾語置換対象文字列の優先順位が最低ではないと判定した場合(ステップS304:NO)、次の処理を実行する。CPU11は、ステップS302で取得した修飾語置換対象文字列よりも優先順位が1ランク低い修飾語置換対象文字列を修飾語変換テーブル3Tから取得し(ステップS305)、ステップS303に処理を戻す。すなわち、CPU11は、優先順位が200の次に低い100に対応する「右上」を取得し、「右上顎」に「右上」が含まれているか否か判定する。
【0079】
なお、ステップS303、ステップS304及びステップS305のループにおいて、上述ではステップS302で取得した修飾語置換対象文字列を例に挙げた。しかし、ステップS305において、優先順位が1ランク低い修飾語置換対象文字列を修飾語変換テーブル3Tから取得した場合、ステップS301で読み出した疾患部位から探す文字列は、優先順位が1ランク低い修飾語置換対象文字列に変わる。そこで、以下の処理では、ステップS301で読み出した疾患部位から探す文字列を「現在取得している修飾語置換対象文字列」と記述する。
【0080】
CPU11は、ステップS301で読み出した疾患部位に、現在取得している修飾語置換対象文字列が含まれていると判定した場合(ステップS303:YES)、次の処理を実行する。CPU11は、ステップS301で読み出した疾患部位に含まれる修飾語置換対象文字列を、修飾語変換テーブル3Tの置換候補文字列で置換する(ステップS306)。「右上顎」には、「右上」が含まれている。従って、CPU11は、修飾語変換テーブル3Tの修飾語置換対象文字列が「右上」であるマスタレコードの置換候補文字列「右下」、「左上」及び「左下」で、読み出した疾患部位「右上顎」に含まれる「右上」部分を置換する。その結果、CPU11は、置換後の疾患部位である「右下顎」、「左上顎」及び「左下顎」を生成する。
【0081】
CPU11は、修飾語テーブル2Tから修飾語表記が生成した置換後の疾患部位に等しいマスタレコードを検索する(ステップS307)。すなわち、CPU11は、修飾語テーブル2Tから修飾語表記が「右下顎」、「左上顎」又は「左下顎」に等しいマスタレコードを検索する。CPU11は、ヒット件数が0件か否か判定する(ステップS308)。CPU11は、ヒット件数が0件であると判定した場合(ステップS308:YES)、処理を終了する。
【0082】
CPU11は、ヒット件数が0件でないと判定した場合(ステップS308:NO)、ヒットしたマスタレコードの修飾語管理番号及び修飾語表記をRAM13に記憶する(ステップS309)。CPU11は、ヒットしたマスタレコードの修飾語表記が含まれた関連修飾語一覧23rを編集画面23fに表示し(ステップS310)、処理を終了する。
図7の修飾語テーブル2Tには、修飾語表記が「右下顎」、「左上顎」又は「左下顎」に等しいマスタレコードが3件ある。そのため、図10に示したように、関連修飾語一覧23rには、「右下顎」、「左上顎」及び「左下顎」が表示される。
【0083】
次に、登録病名画面26fに表示された病名に含まれる疾患部位を関連修飾語一覧23rに表示された部位で置換する動作について説明する。
関連修飾語一覧23rに表示された部位のいずれかが例えばクリックされた場合、診療情報入力装置1は登録病名画面26fと対応付けてRAM13に記憶した部位及び修飾語管理番号を、クリックされた部位及び当該部位に対応する修飾語置換番号で上書き更新する。また、診療情報入力装置1は、登録病名画面26fに表示された病名に含まれる部位の名称を、クリックされた部位の名称と置換する。また、診療情報入力装置1は、シェーマ画像23sに重畳して表示されている印を編集後の疾患の位置に再表示する。
【0084】
図16は、病名編集処理の手順の一例を示すフローチャートである。CPU11は、関連修飾語一覧23rにおけるクリック操作を受け付ける(ステップS401)。CPU11は、クリックされた部位を特定する(ステップS402)。CPU11は、登録病名画面26fと対応付けてRAM13に記憶した部位及び修飾語管理番号を、夫々クリックされた部位及び当該部位に対応する修飾語置換番号で上書き更新する(ステップS403)。
【0085】
CPU11は、登録病名画面26fに表示された病名に含まれる疾患部位の名称を、クリックされた部位の名称と置換し、登録病名画面26fに置換後の病名を再表示する(ステップS404)。CPU11は、クリックされた部位の修飾語管理番号と、登録病名画面26fと対応付けてRAM13に記憶した病名管理番号とを用いて、シェーマテーブル4Tを検索する(ステップS405)。CPU11は、検索結果に基づいて、シェーマ画像23sに疾患の位置を示す印を重畳した画像を生成する(ステップS406)。CPU11は、生成した画像を編集画面23fに表示し(ステップS407)、処理を終了する。なお、ステップS406における処理は、図12におけるステップS203及びステップS204の処理を含む。
【0086】
利用者は、登録病名画面26fに表示される病名及び編集画面23fに表示される疾患位置を確認する。利用者は、疾患位置が誤っていると判断した場合、関連修飾語一覧23rに表示された他の疾患位置を含む部位をクリックし、正しい病名を登録病名画面26fに再表示する。利用者は、登録病名画面26fに表示された病名を電子カルテシステム2に登録する場合、病名検索登録画面22fの確定ボタン221bをクリックする。確定ボタン221bがクリックされた場合、診療情報入力装置1は、登録病名画面26fに表示された病名を患者病名テーブル5Tに書き込む。
【0087】
利用者は、電子カルテシステム2に登録済みである病名を編集する場合、病名一覧画面12fにおいて、編集対象の病名を選択した状態で編集ボタン1bをクリックする。かかる場合、診療情報入力装置1は選択された病名を編集するカルテ入力画面2fを表示部17に表示する。診療情報入力装置1は、患者病名テーブル5Tから疾患部位が含まれた病名を読み出し、読み出した病名を登録病名画面26fに表示する。また、診療情報処理装置1は、病名に含まれる疾患部位に基づき、シェーマ画像23s及び関連修飾語一覧23rを編集画面23fに表示する。利用者は、病名に含まれる疾患部位を編集する場合、関連修飾語一覧23rの部位をクリックする。
なお、利用者は、主病名を編集し直したい場合、病名検索タブ画面24fを用いて入力し直すことになる。
【0088】
診療情報入力装置1によれば、病名入力又は病名編集に際し、主病名に付加される疾患部位を容易に変更することができる。
疾患部位の名称に含まれる疾患の位置を変更する場合、診療情報入力装置1は関連修飾語一覧23rに疾患位置の置換候補を含む部位の名称を一覧表示する。利用者は関連修飾語一覧23rの中から置換する疾患位置を含む疾患部位を選択することにより、所望の病名を患者病名テーブル5Tに入力する。
【0089】
診療情報入力装置1は、病名入力又は病名編集に際し、シェーマ画像23sを表示する。シェーマ画像23sには利用者が入力した疾患の位置が例えば丸印で示されるため、利用者は主病名に付加した疾患部位の名称の誤りを認知しやすい。
関連修飾語一覧23r及びシェーマ画像23sを表示することにより、誤った疾患部位が含まれた病名が患者病名テーブル5Tに登録されることはなくなる。そのため、患者病名テーブル5Tに基づく処理に病名の誤りが引き継がれることはなくなり、誤った疾患の位置に対するX線撮影、手術、処置等が行われることが防止される。
【0090】
本実施の形態では、検索結果画面25fの主病名及び疾患部位がダブルクリックされ、病名が登録病名画面26fに表示される場合、同時にシェーマ画像23s及び関連修飾語一覧23rが表示された。しかし、シェーマ画像23s及び関連修飾語一覧23rは、確定ボタン221bがクリックされた場合に表示されてもよい。確定ボタン221bがクリックされた場合、登録病名画面26fに表示されている病名が患者病名テーブル5Tに書き込まれる。そこで、診療情報入力装置1は、病名を患者病名テーブル5Tに書き込む前に、関連修飾語一覧23rを利用して病名を編集するか否かの意思確認のためのYesNoダイアログを表示する。利用者が病名の編集をしないことを選択した場合、診療情報入力装置1は登録病名画面26fに表示されている病名を患者病名テーブル5Tに書き込む。一方、利用者が病名の編集をすることを選択した場合、診療情報入力装置1は関連修飾語一覧23rに対するクリックイベントを受け付けるため、待機状態に入る。
【0091】
図17は、シェーマ画像23s及び関連修飾語一覧23rを表示する処理の手順の一例を示すフローチャートである。図17は、確定ボタン221bがクリックされた後にシェーマ画像23s及び関連修飾語一覧23rを表示する処理の手順を示している。
CPU11は、確定ボタン221bのクリックを受け付ける(ステップS501)。CPU11は、シェーマ画像23s及び関連修飾語一覧23rを編集画面23fに表示する(ステップS502)。CPU11は、YesNoダイアログを表示する(ステップS503)。CPU11は、YesNoダイアログのYesが選択されたか否か判定する(ステップS504)。
【0092】
CPU11は、YesNoダイアログのYesが選択されたと判定した場合(ステップS504:YES)、関連修飾語一覧23rに対するクリックを受け付ける(ステップS505)。CPU11は、検索結果画面25fに表示している病名をクリックされた部位を含む病名に変換し、変換後の病名を検索結果画面25fに再表示し(ステップS506)、ステップS501に処理を戻す。ステップS506において、CPU11はシェーマ画像23sに重畳された疾患位置を示す印を関連修飾語一覧23rで選択された疾患位置に再表示する。
【0093】
CPU11は、YesNoダイアログのYesが選択されていない、すなわちNoが選択されたと判定した場合(ステップS504:No)、検索結果画面25fに表示された病名を患者病名テーブル5Tに書き込み(ステップS507)、処理を終了する。
【0094】
診療情報入力装置1を動作させるためのプログラム1Pは、ディスクドライブ15を介して光ディスク1aから読み込まれてもよい。あるいは、プログラム1Pは、通信部16を介して外部の情報処理装置又は記録装置から読み込まれてもよい。さらに、プログラム1Pを記録したフラッシュメモリ等の半導体メモリ1cが、診療情報入力装置1内に実装されていてもよい。
【0095】
以上の実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0096】
(付記1)
身体における傷病の位置を示す文字列が含まれた修飾語及び該修飾語が付加される傷病名を電子カルテに入力する診療情報入力装置において、
前記修飾語を受け付ける受付部と、
該受付部が受け付けた修飾語から傷病の位置を示す文字列を抽出する抽出部と、
傷病の位置を示す文字列及び該位置と異なる他の位置を示す文字列を関連付けて記憶してある記憶部から、前記抽出部が抽出した前記文字列に係る位置と異なる他の位置を示す文字列を検索する検索部と、
前記受付部が受け付けた修飾語に含まれる前記文字列を、前記検索部が検索した他の位置を示す文字列と置換する置換部と、
該置換部が置換した他の位置を示す文字列が含まれた修飾語を出力する出力部と
を備える診療情報入力装置。
【0097】
(付記2)
前記受付部は修飾語及び該修飾語が付加される傷病名を受け付け、
前記出力部は一又は複数の前記修飾語を選択可能な態様で表示し、
前記出力部が表示した一又は複数の前記修飾語のいずれかが選択された場合、選択された修飾語及び前記受付部が受け付けた前記傷病名を表示するための情報を生成する生成部を備える
付記1に記載の診療情報入力装置。
【0098】
(付記3)
前記出力部が表示した一又は複数の前記修飾語のいずれかが選択された場合、選択された修飾語及び前記受付部が受け付けた前記傷病名を前記電子カルテに入力する入力部を備える
付記2に記載の診療情報入力装置。
【0099】
(付記4)
修飾語、該修飾語が付加される傷病名、シェーマ画像及び該修飾語に応じた傷病の位置が関連付けて記憶してあるシェーマ記憶部から、前記受付部が受け付けた修飾語及び該修飾語が付加される傷病名に対応するシェーマ画像及び該修飾語に応じた傷病の位置を検索するシェーマ検索部と、
該シェーマ検索部が検索したシェーマ画像に、該シェーマ検索部が検索した前記傷病の位置を示す所定の画像を重畳して表示するための情報を生成するシェーマ生成部と
を備える付記2又は付記3に記載の診療情報入力装置。
【0100】
(付記5)
前記シェーマ検索部は、前記出力部が表示した一又は複数の前記修飾語のいずれかが選択された場合、前記シェーマ記憶部から、選択された修飾語及び前記受付部が受け付けた前記傷病名に対応するシェーマ画像及び選択された該修飾語に応じた傷病の位置を検索する
付記4に記載の診療情報入力装置。
【0101】
(付記6)
前記受付部は修飾語を有する傷病名を受け付け、
前記受付部が受け付けた傷病名を修飾語及び該修飾語が付加される傷病名に分割する分割部を備え、
前記抽出部は前記分割部が分割した修飾語から傷病の位置を示す文字列を抽出し、
前記生成部は、前記出力部が表示した一又は複数の前記修飾語のいずれかが選択された場合、選択された修飾語及び前記分割部が分割した前記傷病名を表示するための情報を生成し、
前記入力部は、前記出力部が表示した一又は複数の前記修飾語のいずれかが選択された場合、選択された修飾語及び前記分割部が分割した前記傷病名を前記電子カルテに入力する
付記3から付記5までのいずれか一つに記載の診療情報入力装置。
【0102】
(付記7)
前記検索部は、傷病の位置を示す文字列及び該位置と異なる複数の他の位置を示す文字列を関連付けて記憶してある記憶部から、前記抽出部が抽出した前記文字列に係る位置と異なる複数の前記他の位置を示す文字列を検索し、
前記置換部は、前記受付部が受け付けた修飾語に含まれる前記文字列を、前記検索部が検索した複数の前記他の位置を示す文字列に基づいて、他の位置を示す文字列と夫々置換し、
前記出力部は前記置換部が夫々置換した前記他の位置を示す文字列が含まれた修飾語を複数出力する
付記1から付記6までのいずれか一つに記載の診療情報入力装置。
【0103】
(付記8)
前記修飾語は傷病部位の名称を含む
付記1から付記7までのいずれか一つに記載の診療情報入力装置。
【0104】
(付記9)
身体における傷病の位置を示す文字列が含まれた修飾語及び該修飾語が付加される傷病名を電子カルテに入力する処理を、制御部を有するコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
与えられた前記修飾語から傷病の位置を示す文字列を前記制御部により抽出し、
傷病の位置を示す文字列及び該位置と異なる他の位置を示す文字列を関連付けて記憶してある記憶部から、抽出した前記文字列に係る位置と異なる他の位置を示す文字列を前記制御部により検索し、
与えられた前記修飾語に含まれる前記文字列を、検索した他の位置を示す文字列と前記制御部により置換し、
置換した他の位置を示す文字列が含まれた修飾語を前記制御部により出力する
処理を制御部を有するコンピュータに実行させるプログラム。
【0105】
(付記10)
身体における傷病の位置を示す文字列が含まれた修飾語及び該修飾語が付加される傷病名を、制御部を有するコンピュータにより電子カルテに入力する診療情報入力方法において、
前記修飾語を前記制御部により受け付け、
受け付けた前記修飾語から傷病の位置を示す文字列を前記制御部により抽出し、
傷病の位置を示す文字列及び該位置と異なる他の位置を示す文字列を関連付けて記憶してある記憶部から、抽出した前記文字列に係る位置と異なる他の位置を示す文字列を前記制御部により検索し、
受け付けた前記修飾語に含まれる前記文字列を、検索した他の位置を示す文字列と前記制御部により置換し、
置換した他の位置を示す文字列が含まれた修飾語を前記制御部により出力する
診療情報入力方法。
【符号の説明】
【0106】
1 診療情報入力装置
11 CPU
14 ハードディスク
17 表示部
2 電子カルテシステム
1P プログラム
3T 修飾語変換テーブル
4T シェーマテーブル
5T 患者病名テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体における傷病の位置を示す文字列が含まれた修飾語及び該修飾語が付加される傷病名を電子カルテに入力する診療情報入力装置において、
前記修飾語を受け付ける受付部と、
該受付部が受け付けた修飾語から傷病の位置を示す文字列を抽出する抽出部と、
傷病の位置を示す文字列及び該位置と異なる他の位置を示す文字列を関連付けて記憶してある記憶部から、前記抽出部が抽出した前記文字列に係る位置と異なる他の位置を示す文字列を検索する検索部と、
前記受付部が受け付けた修飾語に含まれる前記文字列を、前記検索部が検索した他の位置を示す文字列と置換する置換部と、
該置換部が置換した他の位置を示す文字列が含まれた修飾語を出力する出力部と
を備える診療情報入力装置。
【請求項2】
前記受付部は修飾語及び該修飾語が付加される傷病名を受け付け、
前記出力部は一又は複数の前記修飾語を選択可能な態様で表示し、
前記出力部が表示した一又は複数の前記修飾語のいずれかが選択された場合、選択された修飾語及び前記受付部が受け付けた前記傷病名を表示するための情報を生成する生成部を備える
請求項1に記載の診療情報入力装置。
【請求項3】
前記出力部が表示した一又は複数の前記修飾語のいずれかが選択された場合、選択された修飾語及び前記受付部が受け付けた前記傷病名を前記電子カルテに入力する入力部を備える
請求項2に記載の診療情報入力装置。
【請求項4】
修飾語、該修飾語が付加される傷病名、シェーマ画像及び該修飾語に応じた傷病の位置が関連付けて記憶してあるシェーマ記憶部から、前記受付部が受け付けた修飾語及び該修飾語が付加される傷病名に対応するシェーマ画像及び該修飾語に応じた傷病の位置を検索するシェーマ検索部と、
該シェーマ検索部が検索したシェーマ画像に、該シェーマ検索部が検索した前記傷病の位置を示す所定の画像を重畳して表示するための情報を生成するシェーマ生成部と
を備える請求項2又は請求項3に記載の診療情報入力装置。
【請求項5】
前記シェーマ検索部は、前記出力部が表示した一又は複数の前記修飾語のいずれかが選択された場合、前記シェーマ記憶部から、選択された修飾語及び前記受付部が受け付けた前記傷病名に対応するシェーマ画像及び選択された該修飾語に応じた傷病の位置を検索する
請求項4に記載の診療情報入力装置。
【請求項6】
前記受付部は修飾語を有する傷病名を受け付け、
前記受付部が受け付けた傷病名を修飾語及び該修飾語が付加される傷病名に分割する分割部を備え、
前記抽出部は前記分割部が分割した修飾語から傷病の位置を示す文字列を抽出し、
前記生成部は、前記出力部が表示した一又は複数の前記修飾語のいずれかが選択された場合、選択された修飾語及び前記分割部が分割した前記傷病名を表示するための情報を生成し、
前記入力部は、前記出力部が表示した一又は複数の前記修飾語のいずれかが選択された場合、選択された修飾語及び前記分割部が分割した前記傷病名を前記電子カルテに入力する
請求項3から請求項5までのいずれか一項に記載の診療情報入力装置。
【請求項7】
身体における傷病の位置を示す文字列が含まれた修飾語及び該修飾語が付加される傷病名を電子カルテに入力する処理を、制御部を有するコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
与えられた前記修飾語から傷病の位置を示す文字列を前記制御部により抽出し、
傷病の位置を示す文字列及び該位置と異なる他の位置を示す文字列を関連付けて記憶してある記憶部から、抽出した前記文字列に係る位置と異なる他の位置を示す文字列を前記制御部により検索し、
与えられた前記修飾語に含まれる前記文字列を、検索した他の位置を示す文字列と前記制御部により置換し、
置換した他の位置を示す文字列が含まれた修飾語を前記制御部により出力する
処理を制御部を有するコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項8】
身体における傷病の位置を示す文字列が含まれた修飾語及び該修飾語が付加される傷病名を、制御部を有するコンピュータにより電子カルテに入力する診療情報入力方法において、
前記修飾語を前記制御部により受け付け、
受け付けた前記修飾語から傷病の位置を示す文字列を前記制御部により抽出し、
傷病の位置を示す文字列及び該位置と異なる他の位置を示す文字列を関連付けて記憶してある記憶部から、抽出した前記文字列に係る位置と異なる他の位置を示す文字列を前記制御部により検索し、
受け付けた前記修飾語に含まれる前記文字列を、検索した他の位置を示す文字列と前記制御部により置換し、
置換した他の位置を示す文字列が含まれた修飾語を前記制御部により出力する
診療情報入力方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−200546(P2012−200546A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−70565(P2011−70565)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】