説明

証明カード作成用顔画像撮影システム

【課題】申請者を直接撮像する機能と、申請者が希望する写真画像を採用する機能の双方の機能をもったシステムを提供する。
【解決手段】証明カード作成用顔画像撮影システム20は、申請者を直接撮像する直接撮像部12と、顔画像付申請書1が投入される申請書投入部11と、申請書投入部11に投入された顔画像付申請書1の顔画像2を撮像する申請書撮像部13と、申請書投入部11に投入された顔画像付申請書1を検出する検出センサ14と、直接撮像部12、申請書撮像部13および検出センサ14に接続された入力信号切替部17とを備えている。検出センサ14からの信号に基づいて入力信号切替部17は、顔画像付申請書1を検出した場合は申請書撮像部13からの情報を制御部21の画像取込部22へ送る。入力信号切替部17は顔画像付申請書1を検出しない場合は、直接撮像部12からの情報を画像取込部22へ送る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICチップを有するICカード等の証明カードを作成するための証明カード作成用顔画像撮影システムに係り、とりわけ、申請者が希望する顔画像を採用することが可能な証明カード作成用顔画像撮影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
身分証明証などの身分確認時に用いられる証明カードとして、電子情報が記録されたICチップを有するICカードが知られている。このようなICカードには、例えば、氏名、住所などの文字、数字等が印字されている。
【0003】
この場合、ICカードの表面には、氏名、住所などの文字、数字等が印字され、ICカードの裏面には文字、数字等が印字される。
【0004】
このようなICカードを作成する場合、申請場所において申請者が予め申請者に必要事項を記入しておき、必要に応じて申請者の顔画像をカメラにより撮像する。
【0005】
この場合、申請者は申請場所においてカメラにより顔画像が撮像されるが、申請者によっては自分が希望する写真画像を入手しておき、この写真画像の採用を希望する場合がある。
【0006】
現在申請者の顔画像を直接カメラにより撮像するシステムと、申請者が自分の希望する写真画像を採用するシステムの両者の機能を有するシステムの開発が進められているが、未だ実用化されていないのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−271951号公報
【特許文献2】特開平8−99487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、申請者の顔画像をカメラにより直接撮像する機能と、申請者が希望する写真画像を採用する機能の両者の機能を備えた簡便な証明カード作成用顔画像撮影システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、証明カード作成用顔画像撮影システムにおいて、申請者を撮像する直接撮像部と、文字及び顔画像を含む顔画像付申請書が投入される申請書投入部と、申請書投入部に投入された顔画像付申請書を検出する検出センサと、申請書投入部に投入された顔画像付申請書の顔画像を撮像する申請書撮像部と、直接撮像部、申請書撮像部および検出センサに接続された入力信号切替部と、入力信号切替部に接続された画像取込部を含む制御部とを備え、検出センサからの信号に基づいて入力信号切替部は、顔画像付申請書を検出した場合は申請書撮像部からの情報を画像取込部へ送り、顔画像付申請書を検出しない場合は直接撮像部からの情報を画像取込部へ送ることを特徴とする証明カード作成用顔画像撮影システムである。
【0010】
本発明は、証明カード作成用顔画像撮影システムにおいて、申請者を撮像する直接撮像部と、文字及び顔画像を含む顔画像付申請書が投入される申請書投入部と、申請書投入部に投入された顔画像付申請書を検出する検出センサと、申請書投入部に投入された顔画像付申請書の顔画像を撮像する申請書撮像部と、直接撮像部に接続された第1画像取込部と、申請書撮像部に接続された第2画像取込部とを含む制御部と、検出センサに接続された入力信号切替部とを備え、検出センサからの信号に基づいて入力信号切替部は、顔画像付申請書を検出しない場合は第1画像取込部の画像を用い、画像付申請書を検出した場合は第2画像取込部の画像を用いる信号を制御部に送ることを特徴とする証明カード作成用顔画像撮影システムである。
【0011】
本発明は、制御部は入力信号切替部に接続された画像切替部を有し、画像切替部は入力信号切替部からの信号に基づいて、第1画像取込部の画像を用いる場合は第1画像取込部の画像を採用し、第2画像取込部の画像を用いる場合は第2画像取込部の画像を採用することを特徴とする証明カード作成用顔画像撮影システムである。
【0012】
本発明は、申請書投入部に投入された顔画像付申請書の文字を読み取り制御部へ送る文字情報読取部を更に備えたことを特徴とする証明カード作成用顔画像撮影システムである。
【0013】
本発明は、申請書投入部に投入されない顔画像付申請書の文字を読み取り制御部へ送る追加の文字情報読取部を更に備えたことを特徴とする証明カード作成用顔画像撮影システムである。
【0014】
本発明は、顔画像付申請書の全面を読み取り制御部へ送る文字、画像情報読取部を更に備えたことを特徴とする証明カード作成用顔画像撮影システムである。
【発明の効果】
【0015】
以上のように本発明によれば、検出センサにより顔画像付申請書の有無を検出することができ、検出センサからの信号により入力信号切換部を作動させる。入力信号切換部からの信号に基づいて制御部は顔画像付申請書を検出した場合は申請書撮像部からの画像を採用し、顔画像付申請書を検出しない場合は直接撮像部からの画像を採用する。このため申請者の顔画像を直接撮像してこれを用いる機能と、申請者が希望する写真画像を用いる機能をもった簡便な構造のシステムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明による証明カード作成用顔画像撮影システムを示す概略図。
【図2】図2(a)はICカードの表面を示す図であって、図2(b)はICカードの裏面を示す図。
【図3】図3は本発明による証明カード作成用顔画像撮影システムの第1の実施の形態を示すフローチャート。
【図4】図4は顔画像付申請書を示す図。
【図5】図5は本発明による証明カード作成用顔画像撮影システムを示す概略図。
【図6】図6は本発明による証明カード作成用顔画像撮影システムの第2の実施の形態を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
第1の実施の形態
以下、図1乃至図4を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。
【0018】
はじめに図2(a)(b)を参照して証明カード、例えばICカード11について説明する。
【0019】
図2(a)(b)に示すように、本発明による証明カード作成用顔画像撮影システムにより得られる証明カードは、カード基体111Bと、ICチップ111Aとを含む運転免許証のようなICカードからなり、ICカード111の表面111aには氏名、住所を表示する文字、数字等からなる印字部112および顔画像113が設けられている。またICカード111の裏面111bにも追加情報となる印字部115が設けられている。
【0020】
さらにICカード111の裏面111bには、たとえば臓器提供の意思を表示する文字からなる印字部116が設けられ、この印字部116はICカード111の裏面111bに貼付された保護シール117により隠されている。なお、保護シール117の代わりに、ICカード111の裏面111bに追加の備考紙が貼付されることもある。
【0021】
次に図1により証明カード作成用顔画像撮影システムについて説明する。
【0022】
図1に示すように、証明カード作成用顔画像撮影システム10は、顔画像付申請書1(図4)が投入される申請書投入部11と、申請書投入部11に投入された顔画像付申請書1の有無を検出する検出センサ14と、申請者を撮像する直接撮像部12と、申請書投入部11に投入された顔画像付申請書1の顔画像2を撮像する(接写する)申請書撮像部13と、直接撮像部12および申請書撮像部13に接続された入力切替部17とを備えている。
【0023】
この場合、申請書投入部11に投入される顔画像付申請書1は、図4に示すように上方に顔画像2を有し、下方に氏名、住所等の文字3を有している。
【0024】
また検出センサ14は外部信号制御部16を介して入力信号切替部17に接続され、入力信号切替部17は制御部21に内蔵された画像取込部22に接続されている。
【0025】
そして入力信号切替部17は検出センサ14からの信号に基づいて、顔画像付申請書1が有る場合は申請者撮像部13からの画像(RGBなど)を画像取込部22へ送り、顔画像付申請書1が無い場合は直接撮像部12からの画像(RGBなど)を画像取込部22へ送るようになっている。
【0026】
さらにまた、申請書投入部11に投入された顔画像付申請書1中の文字3を読み取る文字情報読取部(OCR)15が設けられ、文字情報読取部15からの情報は制御部21へ送られる。
【0027】
そして、上述の構成要素のうち、申請書撮像部13、検出センサ14、文字情報読取部15、外部信号制御部16および入力信号切替部17によって、持込写真制御部システム20が構成されている。
【0028】
さらにまた、持込写真制御システム20とは別個独立して、追加の文字情報読取部24と、文字、画像情報読取部25とが設けられ、これら追加の文字情報読取部24と文字、画像情報読取部25からの情報は制御部21へ送られる。
【0029】
この場合、追加の文字情報読取部24は、顔画像を持込まない申請者のために顔画像を含まない申請書の文字を読み取るものである。また文字、画像情報読取部25は、顔画像を含む申請書および顔画像を含まない申請書の双方に対応して、申請書の全面をスキャニングし、スキャニングの結果得られた情報を制御部21へ送るものである。
【0030】
また制御部21には、入手した顔画像情報および文字情報に基づいてICカード111の表面111aに印字部112および顔画像113を印字し、ICカード111の裏面111bに印字部115、116を印字することによりICカード111を作成するプリンタ23が接続されている。
【0031】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について図3により説明する。
【0032】
まず申請者が持ち込み写真の採用を希望する場合、申請者は予め顔画像2を含む顔画像付申請書1を準備しておき、この顔画像付申請書1を申請書投入部11に投入する。
【0033】
申請書投入部11に投入された顔画像付申請書1は検出センサ14により、顔画像付申請書1の有無が検出される。
【0034】
検出センサ14により顔画像付申請書1の存在が検出されると、検出センサ14からの信号が外部信号制御部16を介して入力信号切替部17に送られ、この入力信号切替部17は検出センサ14からの信号に基づいて申請書撮像部13からの画像を画像取込部22へ送るよう信号入力切替えを行なう。
【0035】
次に申請書投入部11に投入された顔画像付申請書1について、その文字3が文字情報読取部15により読み取られるとともに、顔画像付申請書1の顔画像2が申請書撮像部13により撮像される。
【0036】
申請書撮像部13により撮像された顔画像は、入力信号切替部17を経て制御部21の画像取込部22へ送られる。画像取込部22に取込まれた画像はディスプレイ(図示せず)に表示され、必要に応じてディスプレイを操作することにより顔画像の位置等が補正される。
【0037】
他方、申請者が持ち込み写真の採用を希望しない場合、申請者は顔画像を含まない申請書を準備する。
【0038】
この場合、当該申請書は申請書投入部11に投入されることはない。この場合、持込写真制御システム(持込写真処理)を用いることはなく、通常撮影処理を行う。
【0039】
すなわち、申請者はこの申請書を申請書投入部11に投入しないので、検出センサ14は顔画像付申請書1が無いと検出し、検出センサ14からの信号に基づいて入力信号切替部17は直接撮像部12からの画像を画像取込部22へ送るよう信号入力切替えを行う。
【0040】
次に持込写真制御システム20とは別個に設けられた追加の文字情報読取部24において申請書中の文字が読み取られ、また申請者が直接撮像部12において撮像される。
【0041】
このようにして直接撮像部12において撮像された申請者の画像は入力信号切替部17を経て制御部21の画像取込部22へ送られる。画像取込部22に取込まれた画像はディスプレイ(図示せず)に表示される。
【0042】
その後、顔画像付申請書1あるいは顔画像を含まない申請書は、いずれも持込写真制御システム20とは別個に設けられた文字、画像情報読取部25において、その全面がスキャニングされて読み取られる。そして文字、画像情報読取部25からの情報は制御部21へ送られる。
【0043】
上述のように、申請書撮像部13により撮像された画像、あるいは直接撮像部12により撮像された画像のいずれかを入力信号切替部17を介して制御部21の画像取込部22へ送ることができる。このためこの画像取込部22において顔画像を確定することができる(確定した画像(1))。
【0044】
次に制御部21において、顔画像付申請書1を用いた場合に、文字、画像情報読取部25において得られた情報のうち画像情報のみが抽出される(抽出した画像(2))。
【0045】
次に制御部21において、確定した画像(1)と、抽出した画像(2)とが比較され、同一写真と判定した場合は次ステップに進んで終了となる。同一写真でないと判定した場合は、例えば制御部21において入手した顔画像の取り違いと判断してエラー表示がディスプレイになされる。
【0046】
他方、顔画像を含まない申請書を用いた場合は、そのまま次ステップに進んで終了する。
【0047】
その後、プリンタ23は制御部21において入手した顔画像情報および文字情報に基づいて印字することにより、ICカード111を作成する。
【0048】
以上のように本実施の形態によれば、検出センサ14により顔画像付申請書1の有無を検出し、検出センサ14からの信号により入力信号切替部17を作動させる。そして顔画像付申請書1を検出した場合は、申請書撮像部13からの持ち込み写真を採用し、顔画像付申請書1を検出しない場合は、直接撮像部12からの画像を採用することができ、申請者の顔画像を直接撮像してこれを用いる機能と、申請者が希望する写真画像を用いる機能の双方の機能を発揮することができる。
【0049】
なお、持込写真処理と通常撮影処理との切り替えについては、通常撮影処理を基本状態とすることが好ましい。
【0050】
すなわち身分証明書を作成する場合、通常撮影処理により作成される場合が多いため、持込写真処理が終了した後、証明カード作成用顔画像撮影システム10を通常撮影処理のモードに戻しておくことが好ましい。
【0051】
このように持込写真処理が終了した後、証明カード作成用顔画像撮影システム10を通常撮影処理のモードに戻しておくことにより、システム全体の処理速度を速くすることができる。
【0052】
第2の実施の形態
次に図5および図6により本発明による証明カード作成用顔画像撮影システムの第2の実施の形態について説明する。
【0053】
図5に示すように、証明カード作成用顔画像撮影システム10は、顔画像付申請書1(図4)が投入される申請書投入部11と、申請書投入部11に投入された顔画像付申請書1の有無を検出する検出センサ14と、申請者を撮像する直接撮像部12と、申請書投入部11に投入された顔画像付申請書1の顔画像2を撮像する(接写する)申請書撮像部13と、検出センサ14に接続された入力切替部17とを備えている。
【0054】
この場合、申請書投入部11に投入される顔画像付申請書1は、図4に示すように上方に顔画像2を有し、下方に氏名、住所等の文字3を有している。
【0055】
上述のように検出センサ14は入力信号切替部17に接続されている。また入力信号切替部17は制御部21に内蔵された画像切替部28に接続され、画像切替部28は第1画像取込部22aおよび第2画像取込部22bに接続されている。
【0056】
さらにまた、申請書投入部11に投入された顔画像付申請書1中の文字3を読み取る文字情報読取部(OCR)15が設けられ、文字情報読取部15からの情報は制御部21へ送られる。
【0057】
また直接撮像部12は第1画像取込部22aに接続され、申請書撮像部13は第2画像取込部22bに接続されている。
【0058】
この場合、直接撮像部12からの画像(RGBなど)は第1画像取込部22aに送られ、また申請書撮像部13からの画像(RGBなど)は第2画像取込部22bに送られる。また入力信号切替部17は検出センサ14からの信号に基づいて、顔画像付申請書を検出しない場合は第1画像取込部22aの画像を用い、顔画像付申請書を検出した場合は第2画像取込部22bの画像を用いる旨の信号を制御部21の画像切替部28へ出力する。
【0059】
画像切替部28は入力信号切替部17からの信号に基づいて、第1画像取込部22aの画像又は第2画像取込部22bの画像のいずれかの画像を採用する。
【0060】
そして、上述の構成要素のうち、申請書撮像部13、検出センサ14、文字情報読取部15、および入力信号切替部17によって、持込写真制御部システム20が構成されている。
【0061】
さらにまた、持込写真制御システム20とは別個独立して、追加の文字情報読取部24と、文字、画像情報読取部25とが設けられ、これら追加の文字情報読取部24と文字、画像情報読取部25からの情報は制御部21へ送られる。
【0062】
この場合、追加の文字情報読取部24は、顔画像を持込まない申請者のために顔画像を含まない申請書の文字を読み取るものである。また文字、画像情報読取部25は、顔画像を含む申請書および顔画像を含まない申請書の双方に対応して、申請書の全面をスキャニングし、スキャニングの結果得られた情報を制御部21へ送るものである。
【0063】
また制御部21には、入手した顔画像情報および文字情報に基づいてICカード111の表面111aに印字部112および顔画像113を印字し、ICカード111の裏面111bに印字部115、116を印字することによりICカード111を作成するプリンタ23が接続されている。
【0064】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について図6により説明する。
【0065】
まず申請者が持ち込み写真の採用を希望する場合、申請者は予め顔画像2を含む顔画像付申請書1を準備しておき、この顔画像付申請書1を申請書投入部11に投入する。
【0066】
申請書投入部11に投入された顔画像付申請書1は検出センサ14により、顔画像付申請書1の有無が検出される。
【0067】
検出センサ14により顔画像付申請書1の存在が検出されると、検出センサ14からの信号が入力信号切替部17に送られ、この入力信号切替部17から更に画像切替部28へ信号が送られる。
【0068】
この場合、画像切替部28は入力信号切替部17からの信号に基づいて、第2画像取込部22bの画像を採用するよう画像の切替えを行う。
【0069】
次に申請書投入部11に投入された顔画像付申請書1について、その文字3が文字情報読取部15により読み取られるとともに、顔画像付申請書1の顔画像2が申請書撮像部13により撮像される。
【0070】
申請書撮像部13により撮像された顔画像は、制御部21の第2画像取込部22bへ送られ、第2画像取込部22bに取込まれた画像はディスプレイ(図示せず)に表示され、必要に応じてディスプレイを操作することにより顔画像の位置等が補正される。
【0071】
他方、申請者が持ち込み写真の採用を希望しない場合、申請者は顔画像を含まない申請書を準備する。
【0072】
この場合、当該申請書は申請書投入部11に投入されることはない。この場合、持込写真制御システム(持込写真処理)を用いることはなく、通常撮影処理を行う。
【0073】
すなわち、申請者はこの申請書を申請書投入部11に投入しないので、検出センサ14は顔画像付申請書1は無しと検出する。検出センサ14からの信号は入力信号切替部17を介して画像切替部28へ送られ、画像切替部28は第1画像取込部22aの画像を採用するよう画像の切替えを行う。
【0074】
次に持込写真制御システム20とは別個に設けられた追加の文字情報読取部24において申請書中の文字が読み取られ、また申請者が直接撮像部12において撮像される。
【0075】
このようにして直接撮像部12において撮像された申請者の画像は制御部21の第1画像取込部22aへ送られる。第2画像取込部22aに取込まれた画像はディスプレイ(図示せず)に表示される。
【0076】
その後、顔画像付申請書1および顔画像を含まない申請書は、いずれも持込写真制御システム20とは別個に設けられた文字、画像情報読取部25において、その全面がスキャニングされて読み取られる。そして文字、画像情報読取部25からの情報は制御部21へ送られる。
【0077】
上述のように、直接撮像部12により撮像された画像、あるいは申請書撮像部13により撮像された画像のいずれかが制御部21の第1画像取込部22a又は第2画像取込部22bへ送られ、この第1画像取込部22a又は第2画像取込部22bにおいて顔画像が確定される(確定した画像(1))。
【0078】
次に制御部21において、顔画像付申請書1を用いた場合に、文字、画像情報読取部25において得られた情報のうち画像情報のみが抽出される(抽出した画像(2))。
【0079】
次に制御部21において、確定した画像(1)と、抽出した画像(2)とが比較され、同一写真と判定した場合は次ステップに進んで終了となる。同一写真でないと判定した場合は、例えば制御部21において入手した顔画像の取り違いと判断してエラー表示がディスプレイになされる。
【0080】
他方、顔画像を含まない申請書を用いた場合は、そのまま次ステップに進んで終了する。
【0081】
その後、プリンタ23は制御部21において入手した顔画像情報および文字情報に基づいて印字することにより、ICカード111を作成する。
【0082】
以上のように本実施の形態によれば、検出センサ14により顔画像付申請書1の有無を検出し、検出センサ14からの信号により入力信号切替部17および画像切替部28を作動させる。そして顔画像付申請書1を検出した場合は、申請書撮像部13からの持ち込み写真を採用し、顔画像付申請書1を検出しない場合は、直接撮像部12からの画像を採用することができ、申請者の顔画像を直接撮像してこれを用いる機能と、申請者が希望する写真画像を用いる機能の双方の機能を発揮することができる。
【0083】
なお、持込写真処理と通常撮影処理との切り替えについては、通常撮影処理を基本状態とすることが好ましい。
【0084】
すなわち身分証明書を作成する場合、通常撮影処理により作成される場合が多いため、持込写真処理が終了した後、証明カード作成用顔画像撮影システム10を通常撮影処理のモードに戻しておくことが好ましい。
【0085】
このように持込写真処理が終了した後、証明カード作成用顔画像撮影システム10を通常撮影処理のモードに戻しておくことにより、システム全体の処理速度を速くすることができる。
【符号の説明】
【0086】
1 顔画像付申請書
2 顔画像
10 証明カード作成用顔画像撮影システム
11 申請書投入部
12 直接撮像部
13 申請書撮像部
14 検出センサ
15 文字情報読取部
17 入力信号切替部
21 制御部
22 画像取込部
22a 第1画像取込部
22b 第2画像取込部
23 プリンタ
24 追加の文字情報読取部
25 文字、画像情報読取部
28 画像切替部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
証明カード作成用顔画像撮影システムにおいて、
申請者を撮像する直接撮像部と、
文字及び顔画像を含む顔画像付申請書が投入される申請書投入部と、
申請書投入部に投入された顔画像付申請書を検出する検出センサと、
申請書投入部に投入された顔画像付申請書の顔画像を撮像する申請書撮像部と、
直接撮像部、申請書撮像部および検出センサに接続された入力信号切替部と、
入力信号切替部に接続された画像取込部を含む制御部とを備え、
検出センサからの信号に基づいて入力信号切替部は、顔画像付申請書を検出した場合は申請書撮像部からの情報を画像取込部へ送り、顔画像付申請書を検出しない場合は直接撮像部からの情報を画像取込部へ送ることを特徴とする証明カード作成用顔画像撮影システム。
【請求項2】
証明カード作成用顔画像撮影システムにおいて、
申請者を撮像する直接撮像部と、
文字及び顔画像を含む顔画像付申請書が投入される申請書投入部と、
申請書投入部に投入された顔画像付申請書を検出する検出センサと、
申請書投入部に投入された顔画像付申請書の顔画像を撮像する申請書撮像部と、
直接撮像部に接続された第1画像取込部と、申請書撮像部に接続された第2画像取込部とを含む制御部と、
検出センサに接続された入力信号切替部とを備え、
検出センサからの信号に基づいて入力信号切替部は、顔画像付申請書を検出しない場合は第1画像取込部の画像を用い、画像付申請書を検出した場合は第2画像取込部の画像を用いる信号を制御部に送ることを特徴とする証明カード作成用顔画像撮影システム。
【請求項3】
制御部は入力信号切替部に接続された画像切替部を有し、画像切替部は入力信号切替部からの信号に基づいて、第1画像取込部の画像を用いる場合は第1画像取込部の画像を採用し、第2画像取込部の画像を用いる場合は第2画像取込部の画像を採用することを特徴とする請求項2記載の証明カード作成用顔画像撮影システム。
【請求項4】
申請書投入部に投入された顔画像付申請書の文字を読み取り制御部へ送る文字情報読取部を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の証明カード作成用顔画像撮影システム。
【請求項5】
申請書投入部に投入されない顔画像付申請書の文字を読み取り制御部へ送る追加の文字情報読取部を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の証明カード作成用顔画像撮影システム。
【請求項6】
顔画像付申請書の全面を読み取り制御部へ送る文字、画像情報読取部を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の証明カード作成用顔画像撮影システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−78055(P2013−78055A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217820(P2011−217820)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】