説明

証明システム

【課題】カード等の証明媒体を紛失したり、盗まれたり、不正に読み取られたりしても、実質的な情報悪用を不可能にし、証明媒体の情報の安全管理を可能にする。
【解決手段】証明媒体発行手段2,4により、証明に必要な全項目情報を登録し、そのうちの一部の項目の情報である媒体保持情報を記録した証明媒体10を発行することとし、証明時には、証明手段121 〜12n により、提示された記録媒体10に存在する媒体保持情報及び証明媒体の所持者が提示した所持者提示情報からなる情報と、発行側に記録された全項目情報とを照合することにより証明するようにする。つまり、媒体保持情報どうしの照合:第1の照合と、所持者提示情報どうしの照合:第2の照合の、両方とも一致したことを以て証明成立と判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所持したカード等の証明媒体にて所持者等についての証明をする証明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
運転免許等各種ライセンスの証明、身分の証明、渡航パスポート、渡航ビザ、健康保険証、車検証等は、証明についての担当官或いは証明(認証)機器に提示してその提示した者に係る資格、身分等を証明するシステムに用いられる証明媒体であり、その多くはカード形式が多く、提示した者に係る証明に必要な各種情報が記録されている。このように、カード類等の証明媒体にてその所持者に関する証明をする証明システムは、複雑な現代において社会の各種機構の安全、円滑な運営等に不可欠である。
【0003】
そして、証明媒体となるカード類には、カードの表面に所持者に関する情報を示す文字を記載し、証明を確認する確認担当者が視覚を通じてその文字、写真を確認するものがあり、また、所持者に関する情報を例えばコード化して記録し、読み取り機器(リーダー)により確認するもの(実用新案登録第3118160号公報)、或いは、文字、写真等を表面から視認できると共に、コード化した情報(電子情報やバーコード等)を読み取り機器(リーダー)にて読み取ることができるものもあり、多様化が進んでいる。
【0004】
従って、証明媒体となるカード類には、証明対象に応じた個人の重要な秘密情報が文字、図形、写真、バーコード等の各種コードがアナログ情報或いはディジタル情報として記録(記憶)されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3118160号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、証明媒体となるカード類には、証明対象(所持し証明される個人、法人等の代表者、或いは代理人等)に応じた個人の重要な秘密情報が記録(記憶)されているので、従来においては、紛失、窃盗等により他人に渡ると、自己の秘密情報が盗まれ、悪用されるという問題が起きることが少なくなかった。また、紛失、窃盗はされないが、証明確認者側の不正により不当に情報が読み取られることも少なくなく、社会問題にもなっていた。更には、対人関係のいざこざ等から会社の同僚等からカード類の個人情報が盗まれることも皆無ではなかった。
【0007】
このような、証明媒体の紛失、窃盗、不正読み取り等によるトラブルをなくすべく、本発明者がその原因を考察したところ、原因は、証明媒体そのものに、証明に必要な総ての情報を記録してあることであると気がついた。
【0008】
この点について詳細に説明する。例えば、本人の写真の名前(本名等)、生年月日、現住所の国名(例えば日本国)、都道府県名、都市郡名、町名、番地(丁目、番、号)、集合住宅名と棟、室番号によって本人の身分証明をするシステムの場合、証明媒体が盗難にあったり、紛失したりすると、これ等の情報の総て、即ち、本人の写真の名前(本名等)、生年月日、現住所の国名(例えば日本国)、都道府県名、都市郡名、町名、番地(丁目、番、号)、集合住宅名と棟、室番号が総て盗まれてしまうことになり、情報の悪用が可能となるのである。
【0009】
そこで、本発明者は、情報の悪用の可能性をなくすために、永年にわたり研究、検討したところ、証明に必要な情報の総てをカード等の証明媒体に記録するというのではなく、一部の情報をカードには記録せず、それによりカードの悪用を不可能にし、証明時には、そのカードに記録されていない情報をカード所持者に提示させることにより証明させるようにする画期的なシステムを創出し、本発明を為すに至ったものである。即ち、本発明は、カード等の証明媒体を紛失したり、盗まれたり、不正に読み取られたりしても、実質的な情報悪用が不可能になるようにして、証明媒体の情報の安全管理を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の証明システムは、それぞれの証明対象毎に証明に必要な項目の情報を全項目情報として登録し、この登録された全項目情報に関連する一部情報を媒体保持情報として記録した証明媒体を証明媒体所持者に発行する証明媒体発行手段と、証明の必要が生じたときに、上記証明媒体発行手段に登録された全項目情報と、上記証明媒体所持者が証明媒体の媒体保持情報と共に提示した全部の全項目情報とを照合し、この照合が一致したときに証明成立という証明結果を発する証明手段と、を有し、証明媒体所持者が、証明媒体に記録された関連する情報によって証明に必要な項目の情報を証明するようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項2の証明システムは、それぞれの証明対象毎に証明に必要な複数の項目全部の情報(以下、「全項目情報」という。)を証明システム中枢部に登録し、一つの証明対象毎に上記証明に必要な複数の項目の特定の一部の項目の情報(以下、「媒体保持情報」という。)を記録した証明媒体を発行する証明媒体発行手段と、上記登録された証明対象の全部又は一部について各証明対象毎に、証明に必要な複数の項目全部の情報(全項目情報)を受け或いは保持し、証明の必要が生じたときに、上記証明システム中枢部に登録された上記媒体保持情報と、証明媒体所持者が提示した証明媒体に記録された上記媒体保持情報との照合(以下、「第1の照合」という。)、及び上記証明システム中枢部に登録された媒体保持情報以外の情報と、上記証明媒体所持者が提示した上記媒体保持情報以外の情報(以下、「所持者提示情報」という。)との照合(以下、「第2の照合」という。)をし、第1及び第2の照合が共に一致したという結果が得られたとき、証明成立という証明結果を発する証明手段と、を有し、証明媒体所持者が、証明媒体に記録された媒体保持情報と、照明時に提示する、全項目情報から媒体保持情報を除いた項目の情報により証明するようにしたことを特徴とする。
【0012】
尚、本発明において、証明対象とは、証明を受ける人、或いは団体、機関等を指す。
情報の項目には、ネーム(氏名、名称、芸名、ペンネーム、コンピュータネーム等)、写真、生年月日、国籍、住所の国名、住所の都道府県、住所の都市又は郡、住所の町又は村、住所の番地(丁目、番、号)、住所のマンション等、室名等がなり得るが、勿論、これ等に限定されるものではない。
【0013】
例えば、社員証の場合には、社員ID、所属部署等が情報の項目になり得るし、保険証の場合には、保険の書類、保険加入番号等が情報の項目として追加され得る等、証明の種類により項目の種類が異なり得る。証明媒体は、証明される側の者(本人、法人等の代表者、代理人)が所持し媒体保持情報が記録される、或いはされた物であり、樹脂或いは紙等からなるカードが典型例であるが、必ずしもそれに限定されず、例えばアームバンド構成にすることもできる。要するに、所持が可能で情報の書き込み、読み出しが可能なるものであれば、カード以外の物も証明媒体になり得る。
【0014】
請求項3の証明システムは、請求項1又は2に記載の証明システムにおいて、前記証明媒体発行手段が、各証明対象毎に前記全項目情報を登録する際に、証明対象を特定するIDを設定し、そのIDを通じてこれに対応する全項目情報にアクセスできるようにすると共に、発行する証明媒体にも同じIDを媒体保持情報と共に記録するようにしてなることを特徴とする。
【0015】
請求項4の証明システムは、請求項1乃至3のいずれかに記載の証明システムにおいて、証明対象又はその代理人からのコピー証明媒体発行申請を受けると、その証明対象に対して既に発行済みの証明媒体と同じ内容の記録を持つコピー証明媒体を発行する機能を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1又は2の証明システムによれば、証明媒体には全項目情報ではなく、所持者自身のみが認識している情報を除いた一部の項目の情報である媒体保持情報を記録し、証明時には、その所持者のみが認識している固有情報を提示情報として及びこれに加えて媒体保持情報として所持者自らが所定機器を操作して提供し、証明媒体発行手段に登録された全項目情報(媒体保持情報及び所持者提示情報からなる)とを照合することにより証明できるので、証明媒体が紛失したり、盗まれたり、不正使用によりその媒体内の全情報が盗まれたりしても、実質的な情報悪用が不可能になるようにすることができる。従って、証明媒体の情報の安全管理が可能になる。
【0017】
例えば、情報の全項目が、証明対象(本人)の写真、ネーム(例えば氏名、ペンネーム等)、生年月日、国籍、住所の国名、住所の都道府県、住所の都市又は郡、住所の町又は村、住所の番地(丁目、番、号)、住所のマンション等、室名である場合において、証明対象の写真、国籍、住所の国名、住所の都道府県、住所の都市又は郡の各項目を媒体保持情報とし、それ以外のネーム、生年月日、住所の町又は村、住所の番地(丁目、番、号)、住所のマンション等、室名の項目の情報を所持者提示情報とすれば、証明媒体が紛失等してそれに記録された情報の全部が盗まれたとしても所持者特有の所持者提示情報は盗まれない。従って、盗まれた情報によりその所持者を特定することが不可能になり、実質的に情報悪用が不可能になる。
【0018】
請求項3の証明システムによれば、請求項1又は2の証明システムにおいて、証明対象を特定するIDを設定し、そのIDを通じてこれに対応する全項目情報にアクセスできるようにすると共に、発行する証明媒体にも同じIDを媒体保持情報と共に記録するようにしてなるので、IDを介して証明媒体の所持者である証明対象を特定し、更に、そのIDを介して証明媒体発行手段に記録された全項目情報にアクセスすることが可能であり、情報管理、証明管理を容易に為し得る。
【0019】
請求項4の証明システムによれば、請求項1乃至3のいずれかの証明システムにおいて、証明対象又はその代理人からのコピー証明媒体発行申請を受けると、その証明対象に対して既に発行済みの証明媒体と同じ内容の記録を持つコピー証明媒体を発行する機能を有するので、証明媒体(原本)をより完全な管理下に置いて、コピー証明媒体を所持して証明に用いるという態様での使用が可能になり、紛失や盗難等のトラブルが起きても、証明媒体(原本)そのものは存在するので、その後、証明媒体(原本)を使うとか、コピー証明媒体を再発行する等、迅速な対応が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施例の構成の概要を示すブロック図である。
【図2】(A)、(B)は第1の実施例の証明に必要なデータの構成図で、(A)は証明システム中枢部が記録するデータの構成を示し、(B)は証明媒体(例えばカード)が記録するデータの構成を示し、2点鎖線のブロックで示された情報は記録されない。
【図3】第1の実施例の中枢を成す証明システム中枢部の動作を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施例の証明媒体申請部の動作を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施例の証明媒体発行部の動作を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施例の証明部の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施例を示す証明システムの特徴的部分を示すブロック図である。
【図8】第2の実施例の動作の特徴的部分を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第3の実施例の概略を示すブロック図である。
【図10】本発明の第4の実施例におけるアームバンド構成の証明媒体を示す斜視図である。
【図11】第4の実施例によるアームバンド構成の証明媒体における記録項目情報の更新作業時の一例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明証明システムは、基本的に、例えば本人であることを本人自身が証明できるように、必要とする各項目情報を所持者提示情報として、これを記録保持している証明手段に入力アクセスし、その照合ができたときに証明成立とすること(請求項1)である。
【0022】
また、各項目情報の一部を証明媒体に記録しておき、これと所持者提示情報とで入力アクセスできるように、具体的には、全項目情報を登録し、そのうちの必要とする一部の項目の情報である媒体保持情報を記録した証明媒体を発行することとし、証明時には、提示された証明媒体に存在する媒体保持情報及び証明媒体の所持者が提示した所持者提示情報からなる情報と、発行側に記録された全項目情報とを照合することにより証明するようにしたものである(請求項2)が、全項目情報の登録や証明時の照合を円滑に行うためには、証明対象を特定するIDを設定し、このIDをキーとして情報へのアクセスができるようにする(請求項3)と良い。
【0023】
また、証明媒体と同じ情報を記録したコピー証明媒体を発行できるようにする(請求項4)と、証明媒体(原本)をより完全な管理下において、コピー証明媒体を所持して証明に使用するということが可能となる。
【0024】
本発明の対象となる証明の種類(証明媒体)には、身分証、社員証、プリペイドカード、渡航パスポート、渡航ビザ等、私的機関、公的機関が発行する既存の総て証明の他、将来出現する証明の種類の総てが含まれ、又、これらはアームバンド構成とすることもできる。
【実施例1】
【0025】
以下、本発明の詳細を図示実施例に基いて説明する。図1乃至図6は本発明証明システムの第1の実施例(:実施例1)を示すもので、図1はシステムの概要を示すブロック図、図2(A)、(B)は記録するデータの構成図で、(A)は証明システム中枢部が記録するデータの構成を示し、(B)は証明媒体(カード)が記録するデータの構成を示し、図3は本証明システムの中枢を成す証明システム中枢部の動作を示すフローチャート、図4は証明媒体申請部の動作を示すフローチャート、図5は証明媒体発行部の動作を示すフローチャート、図6は証明部の動作を示すフローチャートである。
【0026】
図面において、符号2は証明システム中枢部で、各証明媒体申請部61 ,62 ,・・・6n からの申請入力に応じて申請の審査及び証明用のデータの記録、各証明媒体発行部81 ,82 ,・・・8n への証明発行指令並びに証明部121 ,122 ,・・・12n への証明に必要なデータの伝送を行う。符号4はその証明システム中枢部2の要部を成して重要な情報処理を行うメインコンピュータである。証明システム中枢部2は官公庁等の公的機関が所有する場合もあれば、民間の企業等が所有する場合もある。
【0027】
また、証明システム中枢部2が、直接各証明媒体申請部61 ,62 ,・・・6n 、各証明媒体発行部81 ,82 ,・・・8n 及び各証明部121 ,122 ,・・・12n をコントロールしたり、データのやりとりをしたりするのではなく、証明システム中枢部2が図示しない一又は複数の子発行手段を介して間接的に証明媒体申請部61 ,62 ,・・・6n 等をコントロールし、データのやりとりをするようにしても良い。これ等の各部はインターネット等のウェブにより実質的に結ばれている。
【0028】
その場合、親たる証明システム中枢部2が官公庁所有或いは管理に係り、子の媒体発行手段が民間会社(認可を受けた企業あるいは行政書士の如き職業的代理人等のみがなり得る場合が多いと思われる)或いは地方公共団体の所有或いは管理に係るというような態様で、公的な証明システムについて業務の一部或いは要部を民間企業或いは地方公共団体に分担させることができる。勿論、親たる証明システム中枢部2と子の媒体発行手段が共に民間会社である態様もあり得る。この場合、親たる証明システム中枢部2が親会社の所有或いは管理に係り、子たる媒体発行手段が子会社所有或いは管理に係ることになるであろう。本発明においてはどのような態様であっても実施が可能である。
【0029】
上記証明媒体申請部61 ,62 ,・・・6n は、図示しないサブコンピュータを有し、例えば日本各地或いは世界各地等に散在せしめられ、発行申請の受付をし、受付処理のデータを上記証明システム中枢部2へ送信する。上記証明媒体発行部81 ,82 ,・・・8n は、図示しないサブコンピュータを有し、証明システム中枢部2から証明媒体発行指令を受けるとそれに応じて証明媒体10を発行するものである。
【0030】
尚、本実施例においては、一つの証明媒体申請部例えば61 と一つの証明媒体発行部例えば81 とが、他の一つの証明媒体申請部例えば62 と一つの証明媒体発行部例えば82 とが、というように証明媒体申請部6と証明媒体発行部8が隣接して併設されているが、一つの機器の中に内蔵されるようにしても良い。
【0031】
そして、証明媒体の発行を申請する者が、直接に証明媒体申請部6を操作して必要な入力をし、証明媒体発行部8から発行された証明媒体10を直接に受け取るようにしても良いし、行政官庁の各支部或いは特定の資格を有する行政書士、業者等(代理人)が、証明媒体の発行を申請する者に申請書類を提出させ、その申請書類に基づいて証明媒体申請部6を操作して必要な入力をし、即時、即日或いは後日に証明媒体発行部8から発行された証明媒体10を申請者に手渡しするというようにしても良い。
【0032】
証明部121 ,122 ,・・・12n は、例えば日本各地或いは世界各地等に散在せしめられ、発行済みであって提示された証明媒体10に記録された情報(媒体保持情報)を読み取り、その情報と提示者の示す所持者提示情報を受け入れ、その二つの情報を合成した情報と、証明システム中枢部2に記録された情報とを照合し、合致したとき証明成立との証明結果情報を発する。
【0033】
図2(A)は証明申請部6が記録するそれぞれの証明対象毎のデータであり、各証明対象のデータは、証明対象を特定する証明対象特定IDと、媒体保持情報Daと、所持者提示情報Dbとからなる。媒体保持情報Daと所持者提示情報Dbを合わせたものを全項目情報と称する。
【0034】
図2(B)は各証明対象が所持する証明媒体10に記録されたデータを示し、そのデータは証明対象特定IDxと媒体保持情報Daxである。図2における2点鎖線で示すブロックの部分は証明媒体には記録されない。本例では、情報の全項目は、証明対象(本人)の写真、ネーム(例えば氏名、ペンネーム等)、生年月日、国籍、住所の国名、住所の都道府県、住所の都市又は郡、住所の町又は村、住所の番地(丁目、番、号)、住所のマンション等、室名であるとする。
【0035】
そして、媒体保持情報として証明対象の写真、国籍、住所の国名、住所の都道府県、住所の都市又は郡の各項目の情報が、証明対象特定IDと共に、証明媒体を成すカード10に記録されているものとする。しかし、その証明媒体(例えばカード)10には、それ以外の情報である所持者提示情報、即ち、ネーム、生年月日、住所の町又は村、住所の番地(丁目、番、号)、住所のマンション等、室名の項目の情報は記録されていないものとする。従って、証明媒体(例えばカード)10が盗まれたり、それに記録された情報が不正に読み取られたりしても悪用されることは回避できるのである。
【0036】
次に、図3に示すフローチャートにより従って証明システム中枢部2の動作を説明する。
(1)「申請?」
プログラムがスタートすると、いずれかの証明媒体申請部6から発行申請があったか否かを判定する。判定結果が『No』の場合、『Yes』という判定結果が出るまで「申請?」という判定を繰り返す。
(2)「申請審査」
ステップ(1)の「申請?」の判定結果が『Yes』であると、その申請内容が予め定められた申請条件を満たしているかどうかの審査をする。
【0037】
(3)「合格?」
審査の結果が合格か否かを判定し、合格の場合は『Yes』という判定結果を、不合格の場合は『No』という判定結果を出す。
(4)「不合格通知」
上記ステップ(3)の「合格?」という判定の結果が『No』の場合、その結果と、不合格の箇所及び理由を示す不合格通知を当該証明媒体申請部6へ送信し、その送信後、ステップ(1)へ戻る。
【0038】
(5)「登録」
ステップ(3)の「合格?」という判定の結果が『Yes』の場合、自身のメインコンピュータ4のデータベースに申請された証明対象特定IDとそれに対応する全項目情報[図2(A)参照]を登録する。
(6)「発行指令」
ステップ(5)の「登録」が終了すると、証明媒体申請部6と対応する(併設された)証明媒体発行部8へ証明対象特定IDと媒体保持情報Da[図2(B)参照]を送信し、その証明媒体発行部8へ証明媒体10の発行を指令する。証明媒体発行部8はその指令を受けない限り証明媒体10を発行できないようになっている。
【0039】
(7)「発行報告?」
証明媒体発行部8から発行許可に基づく証明媒体10の発行を終えたことを報告する発行報告を受けたか否かを判定する。判定結果が『No』の場合、ステップ(1)へ戻る。
【0040】
(8)「登録情報送信」
上記ステップ(7)の「発行報告?」の判定結果が『Yes』であった場合、各証明部121 ,122 ,・・・12n へ、証明対象特定IDとそれに対応する全項目情報[図2(A)参照]を送信する。これにより、各証明部121 ,122 ,・・・12n は証明が可能な状態になる。
尚、この登録情報送信を、全証明部121 ,122 ,・・・12n へ送るのではなく、一部の証明部12へのみ送るようにしてもよい。例えば、証明対象特定IDの情報の一部を読み取り、証明対象との関係で証明の可能性がないところにある証明部12には登録情報送信をしないようにすることができるようにしても良い。
【0041】
(9)「停止条件?」
予め設定されたメインコンピュータ4の停止条件(例えばメンテナンス、停止時間帯に入った等)を満たしているか否かを判定し、判定結果が『No』の場合、即ち、満たしていない場合には、ステップ(1)に戻る。つまり、ステップ(1)〜(9)の動作を繰り返す。判定結果が『Yes』の場合、動作が終了する。
【0042】
図4は各証明媒体申請部6の動作を示すフローチャートである。
(21)「申込み?」
発行申請の申込みがあったか否かの判定を、『Yes』という判定結果が得られるまで繰り返す。
(22)「入力受入」
ステップ(21)の判定結果が『Yes』の場合、申請のための入力を促し、それに対応する入力があればその入力を受け入れる動作を、必要な項目の全部の入力が終了するまで繰り返す。この入力により、自ずと図2(A)に示す全項目情報が入力されることになる。
【0043】
(23)「審査」
ステップ(22)の入力受入が終了すると、入力内容の審査を行い、証明媒体発行条件を満たしているか否かの審査を行う。
(24)「合格?」
上記ステップ(23)の審査の結果が合格か否かを判定する。
(25)「不合格表示」
ステップ(24)の判定結果が『No』の場合、不合格表示をし、不合格の旨を伝えるのみならず、不合格箇所、不合格理由の表示をし、不合格箇所の修正を促す。
その後、ステップ(21)に戻る。
【0044】
(26)「証明対象特定ID設定」
上記ステップ(24)の「合格?」の判定結果が『Yes』の場合、その証明対象を特定するID、即ち、証明対象特定IDの設定を行う。この証明対象特定IDは、証明システムが例えワールドワイドであったとしても、証明対象毎に異なることが必要であり、同じIDが別の証明対象に対して設定されること、重複設定は絶対避けなければならない。証明対象特定IDの重複設定を回避する方法としては、証明対象媒体申請部毎に異なる申請部IDを設定し、そのIDと、その申請時の例えば西暦の年、月、日、時刻を示す数値とを組み合わせるという方法がある。或いは、申請部IDと、申請時の年月日と、その日の申請順序を示すシリアルナンバーを組合わせるという方法もある。
【0045】
(27)「登録情報送信」
ステップ(26)の「証明対象特定ID設定」が終わると、その証明対象特定IDと全項目情報からなる図2(A)に示す情報を証明システム中枢部2のメインコンピュータ4を送信する。尚、このコンピュータ4に送信されると、証明システム中枢部2において前述の如く審査が行われるが、この審査はダブルチェックと、証明媒体申請部6・コンピュータ4間において生じたエラーのチェックの二つの意義を持つ。
【0046】
(28)「停止条件?」
予め設定された停止条件(例えばメンテナンス、非営業時間帯に入った等)を満たしているか否かを判定し、判定結果が『No』の場合、即ち、満たしていない場合には、ステップ(21)へ戻る。つまり、停止条件が満たされない限りステップ(21)〜(27)の動作を繰り返す。判定結果が『Yes』の場合、動作が終了する。
【0047】
図5は証明媒体発行部8の動作を示すフローチャートである。
(31)「発行指令?」
動作を開始すると、証明システム中枢部2のメインコンピュータ4からの発行指令があったか否かを判定する。この発行指令は、証明媒体申請部6、例えば61 からの証明媒体の申請があった場合に、証明システム中枢部2が審査を経て登録情報の登録した後、当該証明媒体申請部6例えば61 に対応する証明媒体発行部8、例えば81 へ証明媒体10の発行を指示するものである。この発行指令には、発行を指示する信号の他、証明対象特定IDと媒体保持情報Daの情報[図2(B)参照]の送信が伴う。この判定は、『Yes』という判定結果が得られるまで繰り返される。
【0048】
(32)「発行処理」
ステップ31の「発行指令?」の判定結果が『Yes』の場合、発行処理を行う。
発行処理とは、具体的には、例えばカード等の予め用意された証明媒体に、例えば磁気、バーコード等による証明対象特定IDと、媒体保持情報Daを書き込む処理である。
(33)「発行終了?」
そして、発行処理が終了したか否かの判定を『Yes』という判定結果が得られるまで繰り返す。判定結果が『No』の場合には、ステップ(32)の「発行処理」に戻る。
【0049】
(34)「発行報告」
ステップ(33)の「発行終了?」の判定結果が『Yes』の場合、即ち、発行が終了したら、その後、発行が終了したことを証明システム中枢部2のメインコンピュータ4へ報告する。尚、メインコンピュータ4はその報告を受けると、証明部12へ証明に必要な情報を送ることは前述の通りである。
(35)「停止条件?」
発行報告が終わると、予め設定された停止条件(例えばメンテナンス、非営業時間帯に入った等)を満たしているか否かを判定し、判定結果が『No』の場合、即ち、満たしていない場合には、ステップ(21)に戻る。つまり、ステップ(31)〜(34)の動作を繰り返す。判定結果が『Yes』の場合、動作が終了する。
【0050】
図6は証明部12の動作を示すフローチャートである。
(41)「登録情報受信?」
動作がスタートすると、証明システム中枢部2のメインコンピュータ4からの登録情報の送信を受信したか否かの判定をする。証明システム中枢部2は、いずれかの証明媒体申請部6からの証明媒体申請があると、審査をし、合格すると、証明対象特定ID及び全項目情報[図2(A)参照]を自身のデータベースに登録し、その後、証明媒体発行部8に発行指令を発して証明媒体10を発行させるが、しかる後、照合が可能なるように、全部又は一部の証明部12へ登録情報を送信する。本「登録情報受信?」は、その証明システム中枢部2からの登録情報送信を受け取ったか否かを判定するステップである。
【0051】
(42)「情報登録」
上記ステップ(41)の判定結果が『Yes』の場合、その情報を照合用のデータとして登録する。その後、後述するステップ(59)へ進む。符号「C」参照のこと。
(43)「証明要請?」
上記ステップ(41)の判定結果が『No』の場合、証明の要請があったか否かを判定する。その判定結果が『No』の場合、ステップ(41)へ戻る。
【0052】
(44)「挿入?」
ステップ(43)の判定結果が『Yes』の場合、証明部12の証明媒体挿入部への証明媒体10の挿入が為されたか否かを判定する。
(45)「挿入指示表示」
上記ステップ(44)の判定結果が『No』の場合、証明部12への証明媒体10の挿入を指示する表示をする。そして、ステップ(44)へ戻る。
【0053】
(46)「第1の照合」
上記ステップ(44)の判定結果が『Yes』の場合、つまり、証明媒体10の証明部12の挿入部への挿入が確認されたとき、第1の照合を行う。この第1の照合は、証明部12が証明システム中枢部2から受け取った媒体保持情報Da[図2(A)参照]と、証明部12の挿入部に挿入された証明媒体10に記録された媒体保持情報Daとを比較し、一致しているか否かを確認するものである。
【0054】
(47)「合格?」
第1の照合の結果によって、合格(比較される二つの情報Da・Da同士が一致)か、不合格(比較される二つの情報Da・Daどうしが不一致)かのいずれかを判定する。合格の場合は『Yes』、不合格の場合は『No』となる。
(48)「不合格表示」
ステップ(47)の判定結果が『No』の場合、不合格であること示す不合格表示をする。
(49)「排出」
ステップ(48)の不合格表示をすると共に、挿入された証明媒体10を挿入部から排出する。
【0055】
(50)「情報提示催促表示」
ステップ(47)の判定結果が『Yes』の場合、即ち、第1の照合が一致という結果になった場合、証明媒体10の所持者に対して所持者提示情報Dbの提示を促す表示をする。
(51)「提示入力?」
所持者提示情報Dbの入力が為されたか否かを判定する。判定結果が『No』の場合はステップ(50)に戻る。
【0056】
(52)「第2の照合」
ステップ(51)の判定結果が『Yes』の場合、第2の照合、即ち、情報提示催促表示に促されて提示情報Dbが入力された場合、その提示情報Dbとその証明対象についての登録した情報のうちの提示情報Dbとを照合する。
(53)「合格?」
ステップ(52)の第2の照合の結果の結果が合格(比較される二つの情報Db・Dbどうしが一致)か、不合格(比較される二つの情報Db・Dbどうしが不一致)かを判定する。合格の場合は『Yes』、不合格の場合は『No』となる。
【0057】
(54)「入力不備表示」
上記ステップ(53)の判定結果が『No』の場合、即ち、第2の照合において不一致という結果が出た場合、入力不備であり、修正した提示入力を促す入力不備表示をする。(55)「q=q+1」
次いで、入力不備表示の回数を記憶するレジスタ(初期値0)の記憶値qを+1する。
【0058】
(56)「q>Q?」
そして、レジスタの値qが予め設定された回数Q(例えば5回)を越えたか否かを判定する。
このように、入力不備表示回数qをカウントし、その値qが設定回数Q(例えば5回)を越えたか否か判定するのは、入力不備の回数が設定回数Qを越えたとき証明が不能としてそれ以上の提示を止めさせるためである。無限に入力不備の修正提示を許すと、証明すべきでない証明媒体10に対して証明をしてしまう可能性があり、不正利用の可能性があるから、それを回避するために設定回数Qを設定するのである。設定回数Qは基本的に証明システム提供者、管理者が設定すべきものである。この判定結果が『No』の場合には、ステップ(50)に戻り、情報提示催促表示が為される。
【0059】
(57)「修正指示表示」
上記ステップ(56)の「q>Q?」の判定結果が『No』の場合、即ち、入力不備表示回数qが設定値Qを越えていない場合、提示した情報が間違っていることと、それ故、修正を指示する表示をし、その後、ステップ(51)に戻る。
(58)「証明不能表示」
上記ステップ(56)の「q>Q?」の判定結果が『Yes』の場合、即ち、入力不備表示回数qが設定値Qを越えた場合、提示した情報が所定回数以上間違っているので、証明が不能であると証明システムが解釈したことの意思表示である、修正指示表示をする。 その後、ステップ(49)の「排出」を行う。即ち、挿入されていた証明媒体10を排出し、所持者に返却する。尚、証明媒体所持者に不正の疑いがあるとして、直ぐには返却せず、没収するようにするようにしても良い。
【0060】
(59)「停止条件?」
上記ステップ(42)の「情報登録」が終わったとき、或いはステップ(49)の「排出」が終わったとき、予め設定された停止条件(例えばメンテナンス、非営業時間帯に入った等)を満たしているか否かを判定し、判定結果が『No』の場合、即ち、満たしていない場合には、ステップ(41)へ戻る。つまり、上述した一連のステップの動作を繰り返す。
(60)「証明完了表示」
判定結果が『Yes』の場合、証明を完了し、動作が終了する。
【0061】
以上に述べたところから明らかなように、本実施例の証明システムにおいては、証明媒体10の発行についての申請を証明媒体申請部6で受付け、この申請部6から図2(A)に示す全項目情報Da、Dbが証明対象特定IDと共に証明システム中枢部2へ送り、審査の上、証明システム中枢部2にてその情報を測定する。その後、証明システム中枢部2は、登録された全項目情報のうちの媒体保持情報Daを証明対象特定IDと共に、証明媒体発行部8へ送り、その証明媒体発行部8に証明対象特定IDと媒体保持情報Daが記録された証明媒体10の発行をさせる。
【0062】
証明発行部8は、証明発行部8からの発行指令を受けると、証明対象特定IDと媒体保持情報Daが記録された証明媒体10を発行する。その後、証明媒体10の発行を終えたことを知らせる発行報告を証明システム中枢部2へ送る。すると、証明システム中枢部2は、総て又は一部の証明部12へ登録情報を送り、証明部12にて証明をすることができるようにする。各証明部12は、証明システム中枢部2から登録情報が送られてきた場合、それを登録し、また、証明要請があれば、証明を行う。その証明は、二つの照合を経て行われる。第1の照合は、証明部12に記録された証明媒体保持情報Daと、証明媒体所持者が証明部12に挿入した証明媒体10に記録された証明媒体保持情報Daとを比較し、一致しているか否かを判定するものである。一致しなかった場合、証明媒体10は排出される。
【0063】
第1の照合について合格した場合に、第2の照合が行われるが、この照合は、証明部12に記録された所持者提示情報Dbと、証明媒体所持者が情報提示催促表示に促されて提示した所持者提示情報Dbとを比較し、一致しているか否かを判定するものである。一致しなかった場合、その旨及び修正指示を意味する修正指示表示57を行い、修正した提示を促す。そして、修正回数qが所定の回数Qを越えたとき、証明不能表示をした上で証明媒体10を排出する。従って、本発明の証明システムによれば、証明媒体10に証明に必要な情報の総てを記録しなくても、証明媒体10の記録内容と所持者の提示情報とによって、証明に必要な照合が可能になる。依って、証明媒体10の盗難、紛失或いはスキミング等と称される不正使用によるトラブルを未然に防止することができる。
【実施例2】
【0064】
図7は本発明の第2の実施例の特徴的部分を示すブロック図、図8は動作の特徴的部分を示すフローチャートである。本実施例は、図1〜図6に示した第1の実施例の証明システムをベースとしてそれに複数のステップを追加したものであり、大部分が第1の実施例と共通し、その共通部分は既に説明済みなので説明は省略し、第1の実施例の証明システムと異なる部分について図示及び説明を行う。
【0065】
先ず、図7を参照して証明部14の説明をする。この証明部14は第1の実施例の証明部12に代わる証明部で、証明を受けた証明対象(カード等所持者)の希望により原本の証明媒体10を保管し、代わりに証明媒体10と同じ情報をコピーしたコピー証明媒体20を発行する機能を有する。
【0066】
符号16は証明媒体出入口、18は証明媒体保管室、22は証明媒体ロード/アンロード機構、24は証明対象(カード保持者)の要請に応じてコピー証明媒体20を作成する作成室である。この作成は、具体的には、登録情報が未入力の状態のカード等のコピー用の証明媒体に、原本の証明媒体10に記録された登録された情報、即ち、証明対象特定ID及び媒体保持情報Daを記録することにより行う。
【0067】
次に、図8を参照して動作説明する。図8は図6に示した第1の実施例の証明部の動作を示すフローチャートに追加されるフローチャートを示す。
(70)「コピー発行依頼?」
図6に示すステップ(58)の「証明完了表示」が終了すると、現在証明が終了した証明媒体(原本の証明媒体)10のコピーの発行を依頼するか否かの指示を促す表示をした上で、コピー発行依頼があったか否かの判定をする。その判定結果が『No』ならば、図6に示すステップ(49)に進む。即ち、現在証明媒体出入口16に挿入されている原本の証明媒体10を排出するのである。
【0068】
(71)「原本を保管」
上記ステップ70の判定結果が『Yes』の場合、即ち、コピーの発行を依頼する入力があった場合、先ず、現在挿入されている原本の証明媒体10を保管室12に入れ、証明媒体ロード/アンロード機構22により保管位置に移動し保管する。
(72)「コピー作成」
コピー証明媒体(単に「コピー」と略称する。)20を作成する。この作成は、具体的には、登録情報が未入力の状態のカード等のコピー用の証明媒体に、原本の証明媒体10に記録された登録された情報、即ち、証明対象特定ID及び媒体保持情報Daを記録することにより行う。
【0069】
(73)「コピー排出」
コピーの作成後、そのコピーを証明媒体ロード/アンロード機構22により証明媒体出入口16を通じて排出する。これによって、コピー発行依頼に応じたコピーの発行ができる。
(74)「コピー挿入?」
コピーの返却のための挿入があったか否かを判定する。判定結果が『No』の場合には、図6に示すステップ(59)に進む。
【0070】
(75)「原本検索」
ステップ(74)の判定結果が『Yes』の場合、即ち、コピーの挿入が為された場合、保管室18内に保管されている原本の証明媒体10を検索する。
(76)「コピー回収」
ステップ(75)の原本検索により原本の存在を確認すると、挿入されているコピー20を回収処理する。
(76)「原本排出」
その後、存在が確認された原本10を排出する。この排出は、証明対象者への証明媒体10の返還である。
【0071】
この第2の実施例によれば、所持した証明媒体10を挿入して証明を受けた者に対して希望に応じてその証明媒体10を保管して預かり、代わりにその証明媒体10と同じ情報を記録したコピー20をつくり、渡すことができる。そして、そのコピー20が返還されたらそれを回収し、預かっていた証明媒体10を返却することができる。従って、証明媒体、例えばパスポート等の原本10を証明部14に預け、代わりに発行されたコピー20を受け取って所持して原本20の代わりに使用し、その後、コピー20の使用を終えて原本10を受け取りたいときは、その証明部14にコピー20を返却すれば、原本10を受け取ることができる。
【0072】
依って、本実施例によれば、証明媒体(原本)10をより完全な管理下に置いて、コピー証明媒体(コピー)を所持して証明に用いるという態様での使用が可能になり、紛失や盗難等のトラブルが起きても、証明媒体(原本)10そのものは存在するので、その後、証明媒体(原本)10を使うとか、コピー証明媒体を再発行する等、迅速な対応が可能になる。
【実施例3】
【0073】
図9は本発明の第3の実施例の概略を示すブロック図である。本実施例は、証明システム中枢部の中核を成すメインコンピュータ4と、証明媒体申請部6及び証明媒体発行部8の情報処理を行うサブコンピュータ34との間は、ケーブルネットワーク又はワイヤレスで繋ぎ、メインコンピュータ4と証明部を成すPDI30a或いは30bとの間はワイヤレスで繋ぎ、証明(第1及び第2の照合)の結果は、PDI30aの通常のディスプレイ40により、或いは、証明部専用PDI30bの場合を示すディスプレイ42と否を示すディスプレイ44とのいずれを表示状態にするかにより、表示するようにしたものである。このように、携帯性のあるワイヤレス情報機器により証明部を構成するようにすることもできる。
【実施例4】
【0074】
図10は本発明の第4の実施例を示すもので、アームバンド構成の証明媒体11としたものである。即ち、必要な記録項目情報を入力したデータ記録媒体11aを輪状の例えば金属製のバンド11bに連結して成り、通常の金属バンドの如く接続部分がない1本タイプ構成としたものである。
【0075】
データ記録媒体11aへの入力、記録された記録項目情報の出力は、磁気読取式その他で確認できるようにしてある。また、有効期限を例えば3年、5年として設定し、住所・姓名その他の記録項目情報に変動があった場合を含め、新情報に修正入力して更新させるようにする。これによって、公は機関及びこれに準じる民間機関では証明に必要な記録項目情報等を管理し、公的機関との連絡、連繋を可能にする。
【0076】
バンド11b内部構造は、1本の接続部分がない光ファイバー、或いは通電式、伝通式のケーブル構造とし、万が一、接続が切断された場合、記録項目情報及びその証明媒体としての機能が喪失する喪失・解除手段等が回路構成してある。さらには、防水式スピーカ等によって警告音を発生する警報手段、防水式電波発信機を内蔵し、あるいは限定電波を利用して関係者等の各方面に緊急連絡する緊急時警報発信手段を具備させることも可能である。又、このアームバンド構成の証明媒体11自体に何らかの異常もしくは必要な緊急連絡のための限定電波発信スイッチを設けて通報システムと連係できるようにしてもよい。この通報に際し、所有者の位置情報を発信させるナビゲーションシステムと連係させてもよい。
【0077】
図11には、アームバンド構成の証明媒体11における記録項目情報を更新する場合の作業例を示しており、図示のように、所持者側と発行証明者側とを、相互間で視認できないように区画している仕切壁Wに開口形成した連結口に腕を通して証明媒体11を発行証明者側に差し出し、その交換を可能な限り短時間で極秘に行うようにする。バンド11bの解体、接続、装着等には所定の機器によって行われ、所持者の手、腕等を傷付けないように配慮されるのは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明に係る証明システムは、各種の証明すべき分野において利用でき、例えば一般家庭、事業者・社等から排出される塵芥、廃棄物等を収容する塵芥袋に貼付される各種シールに記載するバーコード、さらにはバーコードに関連表記される数字等の各種文字による証明である。また、多様な保険商品が不足している各種保険における未保証の保険分野における証明にも利用できる。
【符号の説明】
【0079】
Da,Db…全項目情報 W…仕切壁
2…証明システム中枢部(証明媒体発行手段)
4…メインコンピュータ(証明媒体発行手段)
6,8…証明媒体発行手段 10…証明媒体(原本)
11…証明媒体(アームバンド)
12,30a,30b…証明手段 14…証明部
16…証明媒体出入口 18…証明媒体保管室
20…コピー証明媒体(コピー) 22…証明媒体ロード/アンロード機構
24…証明対象(カード保持者) 34…サブコンピュータ
40,425,44…ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれの証明対象毎に証明に必要な項目の情報を全項目情報として登録し、この登録された全項目情報に関連する一部情報を媒体保持情報として記録した証明媒体を証明媒体所持者に発行する証明媒体発行手段と、
証明の必要が生じたときに、上記証明媒体発行手段に登録された全項目情報と、上記証明媒体所持者が証明媒体の媒体保持情報と共に提示した全部の全項目情報とを照合し、この照合が一致したときに証明成立という証明結果を発する証明手段と、
を有し、
証明媒体所持者が、証明媒体に記録された関連する情報によって証明に必要な項目の情報を証明するようにした
ことを特徴とする証明システム。
【請求項2】
各証明対象毎に証明に必要な複数の項目全部の情報である全項目情報を証明システム中枢部に登録し、一つの登録対象毎に上記証明に必要な複数の項目の特定の一部の項目の情報である媒体保持情報を記録した証明媒体を発行する証明媒体発行手段と、
上記登録された証明対象の全部又は一部についてそれぞれの証明対象毎に、証明に必要な複数の項目全部の情報である全項目情報を受け或いは保持し、証明の必要が生じたときに、上記証明システム中枢部に登録された上記媒体保持情報と、証明媒体所持者が提示した証明媒体に記録された上記媒体保持情報との照合である第1の照合、及び上記証明システム中枢部に登録された媒体保持情報以外の情報と、上記証明媒体所持者が提示した上記媒体保持情報以外の情報である所持者提示情報との照合である第2の照合をし、第1及び第2の照合が共に一致したという結果が得られたとき、証明成立という証明結果を発する証明手段と、
を有し、
証明媒体所持者が、証明媒体に記録された媒体保持情報と、照明時に提示する、全項目情報から媒体保持情報を除いた項目の情報により証明するようにした
ことを特徴とする証明システム。
【請求項3】
前記証明媒体発行手段は、各証明対象毎に前記全項目情報を登録する際に、証明対象を特定するIDを設定し、そのIDを通じてこれに対応する全項目情報にアクセスできるようにすると共に、発行する証明媒体にも同じIDを媒体保持情報と共に記録するようにした
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の証明システム。
【請求項4】
証明対象又はその代理人からのコピー証明媒体発行申請を受けると、その証明対象に対して既に発行済みの証明媒体と同じ内容の記録を持つコピー証明媒体を発行する機能を有する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の証明システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−110768(P2013−110768A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−47555(P2013−47555)
【出願日】平成25年3月11日(2013.3.11)
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3160554号
【原出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(390037235)
【Fターム(参考)】