説明

評価システムおよび評価方法

【課題】特定サービスの導入後に、利用者の評価に応じた効果情報を算出することが可能評価システムおよび評価方法を提供する。
【解決手段】評価システムは、特定サービスの利用状況を表す利用状況情報を格納する格納手段2A0と、特定サービスの効果を表す効果情報を算出するための効果算出式を記憶する記憶手段260と、記憶手段260内の効果算出式を変更するための変更情報を受け付け、その変更情報に基づいて、その効果算出式を変更する変更手段250aと、格納手段2A0内の利用状況情報と、記憶手段260内の効果算出式と、に基づいて、効果情報を算出する算出手段250bと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、評価システムおよび評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、販売前の製品についてアンケートを実施し、そのアンケート結果に基づいて、その商品の生産を管理する消費者参加型受発注システムが記載されている。
【0003】
また、特許文献2および3には、製品の導入によって生じた効果を算出するシステムが記載されている。
【0004】
特許文献2に記載の計算機システムは、情報システムを実際に利用した利用者の意見に基づいて所定の計算を行い、その計算結果を、実際に利用されている情報システムの価値として提示する。
【0005】
特許文献3に記載のシステムは、予め設定された項目について、機器を導入する前の評価と、機器を導入した後の評価とを、機器の利用者から受け付ける。このシステムは、その設定された評価を、その機器の導入を検討しているユーザに提示する。
【特許文献1】特開2002−163435号公報
【特許文献2】特開2001−265908号公報
【特許文献3】特開2005−258499号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ユーザは、製品の導入によって生じた効果を示す情報を得たいという要求を持つと考えられる。
【0007】
特許文献2に記載の計算機システムおよび特許文献3に記載のシステムは、この要求に応えることはできる。しかしながら、これらのシステムは、以下の問題を有する。
【0008】
特許文献2に記載の計算機システムでは、所定の計算の結果が、商品の利用者の評価と異なる可能性がある。これは、例えば、所定の計算の計算式が、利用者に合っていないときに生じる。
【0009】
特許文献3に記載のシステムでは、利用者は、予め設定された項目について、実際の製品に対する導入前と導入後の評価を個別に設定する、という煩わしい作業を行う必要がある。
【0010】
本発明の目的は、上述した課題を解決することが可能な評価システムおよび評価方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の評価システムは、特定サービスの利用状況を表す利用状況情報を格納する格納手段と、前記特定サービスの効果を表す効果情報を算出するための効果算出式を記憶する記憶手段と、前記格納手段内の利用状況情報と、前記記憶手段内の効果算出式と、に基づいて、前記効果情報を算出する算出手段と、を含む評価システムにおいて、前記記憶手段内の効果算出式を変更するための変更情報を受け付け、当該変更情報に基づいて、当該効果算出式を変更する変更手段を含む。
【0012】
本発明の評価方法は、特定サービスの利用状況を表す利用状況情報を格納手段に格納する格納ステップと、前記特定サービスの効果を表す効果情報を算出するための効果算出式を記憶手段に記憶する記憶ステップと、前記格納手段内の利用状況情報と、前記記憶手段内の効果算出式と、に基づいて、前記効果情報を算出する算出ステップと、を含む、評価システムが行う評価方法において、前記記憶手段内の効果算出式を変更するための変更情報を受け付け、当該変更情報に基づいて、当該効果算出式を変更する変更ステップを含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、予め設定された項目について実際の製品に対する導入前と導入後の評価を個別に設定するという煩わしい作業を必要とせずに、特定サービスの導入後に、利用者の評価に応じた効果情報を算出することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0015】
以下では、サービス提供会社が、Webを用いたインストールソフト管理サービスの開発を計画し、その開発の可否を判断するために、アンケートWebサーバに情報を掲載して、利用者アンケートを実施する場合を説明する。
【0016】
インストールソフト管理サービスは、特定サービスの一例であり、利用者が購入したソフト数と、実際にPC(Personal Computer)にインストールされているソフト数とを、比較できるサービスである。なお、特定サービスは、インストールソフト管理サービスに限らず、適宜変更可能である。
【0017】
サービス提供会社は、インストールソフト管理サービスの開発に先立って、ネットワークに接続されているPCを管理するPC管理サービスを提供しているとする。
【0018】
インストールソフト管理サービスは、PC管理サービスと連携して動作する。このため、利用者は、インストールソフト管理サービスを利用する場合、PC管理サービスも利用することになる。
【0019】
また、以下の実施形態は、本発明の一実施形態であり、動作の説明時に記述する効果指標、効果算出式は、サービスの内容に応じて適宜変更可能である。
【0020】
次に、本発明の実施形態の構成について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の第1実施形態の開発要否判断システムを示したブロック図である。
【0022】
開発要否判断システムは、評価システムの一例である。
【0023】
開発要否判断システムは、アンケートWebサーバ200と、サービス提供サーバ300とを含む。
【0024】
アンケートWebサーバ200は、イントラネット等の通信回線(例えば、社内ネット)410を介して、サービス提供サーバ300と通信可能である。
【0025】
また、アンケートWebサーバ200とサービス提供サーバ300のそれぞれは、インターネット400を介して、利用者端末100〜1N0と通信可能である。インターネットは、通信回線の一例である。
【0026】
利用者端末100〜1N0のそれぞれは、利用者にて操作されるコンピュータである。
【0027】
アンケートWebサーバ200は、利用者端末100〜1N0が参照するWebページを掲載しているコンピュータである。
【0028】
サービス提供サーバ300は、利用者端末100〜1N0にサービスを提供するコンピュータである。
【0029】
各利用者端末は、インターネット400に接続でき、かつ、Webページを表示できる。各利用者端末は、例えば、パソコンまたは携帯電話である。
【0030】
図2は、アンケートWebサーバ200を示したブロック図である。
【0031】
アンケートWebサーバ200は、メール送付先選択部210と、サービス概要表示部220と、アンケート回答受付部230と、アンケート集計部240と、投資効果測定部250と、顧客情報マスタ格納部260と、サービス情報格納部270と、サービス間関係情報格納部280と、回答データ格納部290と、効果指標実績格納部2A0と、を含む。投資効果測定部250は、変更部250aと、算出部250bとを含む。
【0032】
メール送付先選択部210は、アンケートの案内メールの送付先を選択する。
【0033】
サービス概要表示部220は、一般的に提供手段と呼ぶことができる。サービス概要表示部220は、利用者端末に、サービスの概要等の情報を表示する。
【0034】
アンケート回答受付部230は、利用者端末に、アンケートの回答画面を表示し、また、アンケートの記載漏れがないことを確認する。
【0035】
アンケート集計部240は、回答されたアンケートのデータを集計する。
【0036】
投資効果測定部250は、サービス導入後に、そのサービスの効果を測定する。
【0037】
顧客情報マスタ格納部260は、一般的に記憶手段と呼ぶことができる。
【0038】
顧客情報マスタ格納部260は、顧客に関する基本情報261と、過去に実施したアンケート回答結果262と、サービス導入状況を表す情報(以下、単に「サービス導入状況」と称する。)263と、を格納する。
【0039】
図3は、顧客情報マスタ格納部260内の情報を示した説明図である。
【0040】
図3において、基本情報261は、互いに関連づけられた、ユーザID261a、会社名261b、部署名261c、担当者名261d、住所261e、および、電話番号とメールアドレス(なお、図3では「電話番号」と表記してある。)261fを含む。基本情報261は、ユーザID261aごとに設定される。
【0041】
アンケート回答結果262は、互いに関連づけられた、ユーザID262a、サービスID262b、回答結果「1」〜「n」262c、コメント「1」〜「n」262d、および、回答日時262eを含む。アンケート回答結果262は、ユーザID262aごとに設定される。
【0042】
なお、回答結果262cとコメント262dは、「」内の数値によって対応づけられている。
【0043】
サービス導入状況263は、互いに関連づけられた、ユーザID263a、サービスID263b、導入日時263c、導入価格263d、効果算出式「1」〜「n」263e、および、Web公開可否(公開可否情報)263fを含む。サービス導入状況263は、ユーザID263aごとに設定される。
【0044】
なお、効果算出式「1」〜「n」263eは、サービスID263bにて特定されるサービス(特定サービス)の効果を表す効果情報を算出するために使用される。
【0045】
図2に戻って、サービス情報格納部270は、サービス(サービスID)ごとに、サービスの概要および予定提供価格等の情報を格納する。
【0046】
図4は、サービス情報格納部270内の情報を示した説明図である。
【0047】
図4において、サービス情報格納部270には、サービスID270a、サービス名称270b、サービス概要270c、アンケート開始日270d、アンケート終了日270e、予定提供価格270f、開発可否270g、利用方法例「1」〜「n」270h、予想効果金額「1」〜「n」270i、および、標準効果算出式「1」〜「n」270jが、互いに関連づけて格納されている。
【0048】
なお、利用方法例270hと、予想効果金額270iと、標準効果算出式270jとは、「」内の数値によって対応づけられている。
【0049】
図2に戻って、サービス間関係情報格納部280は、サービス間の関係情報を格納する。
【0050】
図5は、サービス間関係情報格納部280内の情報を示した説明図である。
【0051】
図5において、サービス間関係情報格納部280には、サービスID280a、関係サービスID「1」280b、関係度「1」280c、関係サービスID「2」280d、関係度「2」280e、関係サービスID「n」280f、および、関係度「n」280gが、互いに関連づけて格納されている。
【0052】
なお、関係サービスIDと関係度は、「」内の数値によって対応づけられている。
【0053】
図2に戻って、回答データ格納部290は、アンケートの回答結果を格納する。
【0054】
図6は、回答データ格納部290内の情報を示した説明図である。
【0055】
図6において、回答データ格納部290には、サービスID290a、回答ユーザID290b、利用希望290c、および、コメント「1」〜「n」290dが、互いに関連づけて格納されている。
【0056】
図2に戻って、効果指標実績格納部2A0は、一般的に格納手段と呼ぶことができる。
【0057】
効果指標実績格納部2A0は、サービスことに、サービスの効果指標値実績の情報(以下、単に「効果指標値実績」と称する。)を格納する。なお、効果指標値実績は、特定サービスの利用状況を表す利用状況情報の一例である。
【0058】
図7は、効果指標実績格納部2A0内の情報を示した説明図である。
【0059】
図7において、効果指標実績格納部2A0には、指標測定年月日2A0a、サービスID2A0b、ユーザID2A0c、および、指標値「1」〜「n」2A0dが、互いに関連づけて格納されている。
【0060】
図2に戻って、変更部250aは、一般的に変更手段と呼ぶことができる。
【0061】
変更部250aは、顧客情報マスタ格納部260内の効果算出式263eを変更するための変更情報を受け付け、その変更情報に基づいて、効果算出式263eを変更する。
【0062】
算出部250bは、一般的に算出手段と呼ぶことができる。
【0063】
算出部250bは、効果指標実績格納部2A0内の効果指標値実績と、顧客情報マスタ格納部260内の効果算出式263eと、に基づいて、特定サービスの効果を表す効果情報を算出する。
【0064】
このため、効果算出式263eが変更部250aにて変更されることによって、効果情報を変更することが可能になる。
【0065】
図1に戻って、サービス提供サーバ300は、利用者にPC管理サービスを提供する。サービス提供サーバ300は、PC管理サービスのプログラム、および、効果指標値実績の基データとなる利用者ごとのサービス利用状況データ等を格納している。
【0066】
次に、第1実施形態の動作を説明する。
【0067】
図8、図9、図11、図12および図13は、第1実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【0068】
まず、サービス提供者が、アンケートWebサーバ200に、インストールソフト管理サービスの情報を登録する。インストールソフト管理サービスの情報は、サービス情報格納部270に格納される。インストールソフト管理サービスの情報は、図4に示した情報である。このとき、開発可否270gは、登録されない。
【0069】
インストールソフト管理サービスの情報が格納されると、メール送付先選択部210が動作する。
【0070】
まず、メール送付先選択部210は、サービス間関係情報格納部280(図5参照)から、インストールソフト管理サービス(具体的には、インストールソフト管理サービスのサービスID)と関連のある、過去の提案したサービス(例えば、PC管理サービスおよびソフト自動インストールサービス)のサービスIDを抽出する(図8:ステップ211)。
【0071】
例えば、メール送付先選択部210は、サービス間関係情報格納部280において、インストールソフト管理サービスのサービスID280aに関連する関係サービスIDを抽出する。
【0072】
この際、メール送付先選択部210は、サービス間関係情報格納部280内の関係度が所定の値よりも高い関係サービスIDを抽出してもよい。
【0073】
次に、メール送付先選択部210は、顧客情報マスタ格納部260(図3参照)内のアンケート回答結果262を参照し、その抽出されたサービスID(例えば、PC管理サービスおよびソフト自動インストールサービスの2つのサービスID)にて特定されるサービスのアンケートに「利用したい」と回答した利用者(具体的には、その利用者のユーザID)を、顧客情報マスタ格納部260から抽出する(ステップ212)。
【0074】
次に、メール送付先選択部210は、顧客情報マスタ格納部260から、関係のあるサービス(例えば、PC管理サービス)を導入している利用者(その利用者のユーザID)を抽出する(ステップ213)。
【0075】
次に、メール送付先選択部210は、顧客情報マスタ格納部260内の基本情報261を参照し、それら抽出した利用者のユーザIDを用いて、その利用者のメールアドレスを特定する。
【0076】
続いて、メール送付先選択部210は、そのメールアドレスに対して、アンケートの案内メールを送付する。
【0077】
なお、自動抽出された利用者ではなく、その他の利用者に対して、アンケートの案内メールを送付する場合、メール送付先選択部210は、任意にメールアドレスを指定することも可能である(ステップ214)。
【0078】
メールを受信した利用者は、メールに記載されているURLを押下して、利用者端末からアンケートWebサーバ200に接続(アクセス)する。
【0079】
次に、アンケートWebサーバ200は、アクセスされたURLの文字列を参照して、図9に示したサービス概要表示の処理フローに従い、サービス概要画面を、アクセス中の利用者端末に表示する(図9:ステップ228)。
【0080】
具体的には、サービス概要表示部220は、まず、サービス情報格納部270を参照して、そのURLの文字列にて特定されるサービスが、アンケート実施中のサービスか否かを判断する(ステップ221)。
【0081】
そのサービスがアンケート実施中である場合、サービス概要表示部220は、サービス情報格納部270内の情報(図4参照)を示したサービス概要画面を、アクセス中の利用者端末に表示する(ステップ228)。
【0082】
サービス概要画面には、サービスの概要の他、サービスの販売予定価格・利用方法ごとの予測効果金額・効果金額の算出方法が掲載されている。このとき、開発可否270gは表示されない。
【0083】
次に、利用者は、利用者端末を操作して、アンケート入力ボタンを押下する(ステップ229)。
【0084】
次に、サービス概要表示部220は、図10に示すアンケート回答受付画面を、利用者端末に表示し(ステップ22A)、利用者は、アンケートに回答する。
【0085】
回答は、アンケート回答受付部230に渡される。
【0086】
アンケート回答受付部230は、図11に示したアンケート回答受付の処理フローに従い、必須項目の入力チェックを行い(図11:ステップ232)、ユーザID・パスワードをチェックする(ステップ233)。
【0087】
アンケート回答受付部230は、ユーザID・パスワードに誤りがなければ(ステップ239)、アンケート受付完了画面を、利用者端末に表示する(ステップ237)。
【0088】
なお、アンケート回答受付部230は、アクセス中のユーザが新規のユーザであって、ユーザIDが取得されていない場合は、ユーザ情報欄が漏れなく入力されているかをチェックする(ステップ234)。
【0089】
次に、アンケート回答受付部230は、新たにユーザID・パスワードを採番し(ステップ235)、採番したユーザID・パスワードをメールにて利用者に伝えた後(ステップ236)、アンケート受付完了画面を表示する(ステップ237)。
【0090】
アンケート回答受付部230は、アンケート回答受付処理でチェックされたデータを、回答データ格納部290に格納する(図6参照)。
【0091】
アンケートの回答期間は、サービス情報の登録時に登録されている(図4参照)。
【0092】
アンケート集計部240は、回答期間終了日が過ぎると同時に、回答データ格納部290に格納されたデータを、図12に示した処理フローに従って集計する。
【0093】
アンケート集計部240は、サービス情報格納部270を参照し、回答期間終了日が過ぎたことを確認する(ステップ241)。その後、回答データ格納部290に格納されたデータを集計する。
【0094】
集計の結果、アンケート集計部240は、総回答数と、「利用したい」と回答があった数と、に基づいて、開発可否を判断する。
【0095】
アンケート集計部240は、判断結果を、開発可否270gとして、サービス情報格納部270に格納する。
【0096】
判断結果が格納された時点で、サービス概要画面にも、開発可否の判断結果が掲載される。
【0097】
なお、アンケート集計部240は、以下のように、開発可否を判断する。
【0098】
アンケート集計部240は、顧客情報マスタ格納部260から、過去のアンケート回答結果を取得し、「利用したい」と回答した方(ユーザ)が、実際にサービスを購入した率(サービス購入確率)を算出する(図12:ステップ242)。
【0099】
アンケート集計部240は、「アンケートに利用したいと回答した数」×「サービス購入確率」×「販売予定価格」>「開発コスト」となった場合に、開発を可と判断する(ステップ243、244、245および246)。
【0100】
開発が可となったサービスについては、開発が実施され、アンケート集計部240は、事前アンケートにて「利用したい」と回答した利用者に対して、サービス購入を勧めるメールを送付する。
【0101】
開発が可となり、利用者がインストールソフト管理サービスを購入する際は、利用者は、契約書にサインをする。
【0102】
契約書内には、効果金額のWeb公開可否の記入欄が設けられており、必須記入項目と設定されている。
【0103】
契約書が提出され、利用者がサービスを購入した場合は、契約書に記入されたWeb公開可否が、顧客情報マスタ格納部260のサービス導入状況263に格納される。
【0104】
投資効果測定部250(具体的には、算出部250b)は、サービス提供サーバ300のデータベースから、利用者(ユーザID)ごとに、指標値(インストールソフト管理サービスの利用状況を表す利用状況情報)として、ソフト購入数およびソフトのインストール数を抜き出す。
【0105】
投資効果測定部250(具体的には、算出部250b)は、その指標値を、利用者(ユーザID)ごとに、効果指標実績格納部2A0に登録する(図7参照)。
【0106】
投資効果測定部250(具体的には、算出部250b)は、効果指標実績格納部2A0に登録された値を、利用者(ユーザID)ごとに、指標値として取得する。
【0107】
続いて、投資効果測定部250(具体的には、算出部250b)は、図13に示した投資効果測定の処理フローに従って、顧客情報マスタ格納部260から、利用者(ユーザID)ごとに、該当するサービスの導入費用と効果算出式を抽出する(ステップ251)。
【0108】
投資効果測定部250(具体的には、算出部250b)は、利用者(ユーザID)ごとに、効果算出式に指標値を代入し、指標測定年月日を基にして、月ごとの効果金額を算出する(ステップ252)。
【0109】
その後、投資効果測定部250(具体的には、算出部250b)は、算出した月ごとの効果金額を合計し、効果金額累計を算出する(ステップ253)。
【0110】
続いて、投資効果測定部250(具体的には、算出部250b)は、効果金額累計−導入金額を算出する(ステップ254)。
【0111】
続いて、投資効果測定部250(具体的には、算出部250b)は、これらの計算結果を、サービス概要表示部220に渡して(ステップ255)、「月毎の効果金額」、「効果金額累計」、「効果金額累計−導入金額」の情報を提供する。
【0112】
サービス概要表示部220は、利用者端末からアクセスされた際、投資効果測定部250から提供された情報を、インストールソフト管理サービスに関する情報として、その利用者端末に提供する。
【0113】
なお、本実施形態では、投資効果測定部250は、効果金額の算出の際、まず、違法利用(ソフト購入数を上回ってインストールされていたソフト)の適正化数と、有効利用数(ライセンスが余っているソフトの有効利用数)を算出する。
【0114】
続いて、投資効果測定部250は、{「算出した適正化数」×「違法コピー発覚時被害想定額」×「推定発生確率」}と{「有効利用数」×「ソフトの金額」×「係数」}を足した金額を、効果金額とする。
【0115】
なお、推定発生確率と係数の二つの数字に関しては、初期値として一定の数値を定めているが、購入した利用者の意見を反映した数値に変更可能である。
【0116】
具体的には、変更部250aが、効果算出式を変更するための変更情報(例えば、変更後の推定発生確率と係数)を受け付け、その変更情報に基づいて効果算出式を変更する。
【0117】
変更した数値は、図3に示したサービス導入状況の効果算出式263eに反映される。
【0118】
なお、効果指標実績格納部2A0に値を登録した後で、投資効果を算出する処理を行うのは、過去の実績を把握可能とするためである。
【0119】
情報公開が許可(公開可)と設定された場合は、サービス概要表示部220は、購入した利用者だけでなく、Webを参照できる全ての方(利用者)に対して、投資効果測定部250の算出結果を公開する(図9:ステップ227)。
【0120】
つまり、サービス概要表示部220は、サービス概要表示部220が算出した情報のうち、公開可を示す公開可否情報に対応する利用者についての算出情報を、利用者端末からアクセスされた際にその利用者端末に提供する。
【0121】
情報公開の不可の場合は、サービス概要表示部220は、購入した利用者だけが、その利用者についての算出情報を参照可能なように、ユーザIDとパスワードによりロックをかける(図9:ステップ225)。
【0122】
なお、情報公開を許可した利用者には、次にサービスを購入する際に、サービス提供価格の割引の権利が与えられる。
【0123】
権利があるかどうかのチェックは、顧客情報マスタ格納部260のサービス導入状況263にて、直近に導入したサービスのWeb公開可否の値を参照して判断する(可の場合に割引の権利有りとなる)。
【0124】
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0125】
第1の効果は、利用者満足度とサービス価値を高めることができることにある。
【0126】
その理由は、投資効果の算出をサービス提供側で実施することで、効果算出のための工数を削減できること、および、効果が明確にできない情報システムが多い中、数値で効果を把握できるためである。
【0127】
第2の効果は、無駄な開発工数・費用を削減できることにある。
【0128】
その理由は、事前にアンケートにより利用者のニーズをしっかりと把握し、条件にあったサービスだけを開発するためである。
【0129】
第3の効果は、宣伝効果が上がることにある。
【0130】
その理由は、実際の利用者の投資効果をWeb上に掲載して、サービスの良さを他の利用者に把握してもらうことができるからである。
【0131】
本実施形態では、変更部250aは、顧客情報マスタ格納部260内の効果算出式を変更するための変更情報を受け付け、その変更情報に基づいて、その効果算出式を変更する。また、算出部250bは、効果指標実績格納部2A0内の利用状況情報と、顧客情報マスタ格納部260内の効果算出式と、に基づいて、サービスの効果を表す効果情報を算出する。
【0132】
このため、サービス導入後においても、利用者の感覚に合ったサービス評価を行うことが可能になる。
【0133】
なお、上記作用効果は、投資効果測定部250と、効果指標実績格納部2A0と、顧客情報マスタ格納部260とを有することによって生じる。
【0134】
また、本実施形態では、サービス概要表示部220は、利用者端末からアクセスされた際、その効果情報を、サービスに関する情報として、その利用者端末に提供する。
【0135】
この場合、例えば、サービスの導入を検討している利用者が、利用者端末を用いて、アンケートWebサーバ200にアクセスした場合、そのサービスについて実際の利用者の評価に極めて近い情報を得ることが可能になる。
【0136】
また、本実施形態では、サービス概要表示部220は、公開可否情報が公開可を示す場合、利用者端末からアクセスされた際に、その効果情報をその利用者端末に提供する。
【0137】
この場合、例えば、公開が望まれない効果情報を公開することを防止することが可能になる。
【0138】
また、本実施形態では、効果指標実績格納部2A0は、特定サービスの利用者ごとに、利用状況情報を格納する。顧客情報マスタ格納部260は、特定サービスの利用者ごとに、効果算出式および公開可否情報を記憶する。算出部250bは、特定サービスの利用者ごとに、利用者に対応する利用状況情報および効果算出式に基づいて、効果情報を算出する。
【0139】
サービス概要表示部220は、効果情報のうち、公開可を示す公開可否情報に対応する利用者の効果情報を、利用者端末からアクセスされた際に、その利用者端末に提供する。
【0140】
この場合、効果情報の公開を望まない利用者の要望に応じることが可能になる。
【0141】
組織内のサービス提供での利用事例を、図14を参照して説明する。
【0142】
組織内のサービスの開発時にも、図14の構成にて、販売を行うサービスの開発時と同じように本発明を適用することができる。
【0143】
通常の利用者(社外)に適用する場合とは異なり、組織内では情報公開の可否を判断する必要がなくなるため、処理が単純になる。
【0144】
具体的に変更となる処理は以下の通りである。
主な変更点:
・図8に示したメール送付先選択処理は行われず、システム開発計画時に予想した利用部門の部員全てにメールが送付される。
【0145】
・図9に示したサービス情報表示処理にて、ユーザ認証の必要が無くなる。
【0146】
・図12に示したアンケート集計処理にて、開発費用と予想売上額の比較の代わりに、開発費用と推定効果額の比較が行われる。
【0147】
・顧客情報マスタではなく、社員情報マスタが利用される。
【0148】
組織内のサービス提供に利用した場合は、宣伝効果は望めないが、社員のニーズにあったシステムの開発が可能になり、投資効果も明確に表示できる効果がある。
【0149】
ここで、上記各実施形態の特徴をまとめて説明する。
【0150】
上記各実施形態は、サービスの新規開発および既存サービスへの機能追加を計画した際、サービスの概要と導入・運用に掛かる費用、その効果および効果算出に用いる指標の全てをWeb上で利用者(利用予定者)に公開し、アンケートを用いて利用者から利用意志および提供予定のサービスに対する意見を収集する。
【0151】
なお、アンケートの開始は、メールで利用者に対して通知される。
【0152】
メールの送付先は、入力した任意のメールアドレスに加えて、顧客情報データを基に、過去のアンケート回答状況および導入サービスを基に、自動的に抽出された利用者となる。
【0153】
また、利用意志が多く、開発が決定したサービスについては、利用意志のあった方に提供開始予定の連絡を行う。
【0154】
実際にサービスの提供が決定した場合は、事前に掲示した効果算出指標をデータベースやログファイル(利用者から提供可能な場合)から取得して、効果金額を算出・掲載し、利用者の誰もが確認できる。
【0155】
効果の確認ができることにより、サービスを導入した利用者が自ら効果算出を行う必要が無くなり、信頼性のある効果数値を入手することが可能となる。
【0156】
また、利用者は、サービスの導入を検討する際、他の利用者(公開を許可した利用者のみ)の効果数値を参考にして導入判断を行うことが可能となる。
【0157】
つまり、本実施形態によれば、サービスの概要と、導入・運用費用と、効果金額・効果算出指標の全てをWeb上で公開し、利用者の利用意志の大小によって、開発の可否判断を行うことで、利用者のニーズと一致したサービス開発を実現することが可能になる。
【0158】
また、開発が完了し導入されたサービスについては、利用者毎に効果指標を集めて、効果金額を公開する。これにより、導入したサービスの効果が見える。
【0159】
以上説明した実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
(発明の利用が考えられる分野)
本発明によれば、家電製品の新規開発時の事前調査といった用途に適用できる。また、公共施設やマンション等の建築前の事前調査、提供後の投資効果評価といった用途にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明の第1実施形態の開発要否判断システムを示したブロック図である。
【図2】アンケートWebサーバ200を示したブロック図である。
【図3】顧客情報マスタ格納部260内の情報を示した説明図である。
【図4】サービス情報格納部270内の情報を示した説明図である。
【図5】サービス間関係情報格納部280内の情報を示した説明図である。
【図6】回答データ格納部290内の情報を示した説明図である。
【図7】効果指標実績格納部2A0内の情報を示した説明図である。
【図8】第1実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】第1実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】アンケート回答受付画面を示した説明図である。
【図11】第1実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】第1実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】第1実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】第1実施形態の変形例を示したブロック図である。
【符号の説明】
【0161】
100〜1N0 利用者端末
200 アンケートWebサーバ
300 サービス提供サーバ
400 インターネット
410 インターネット
210 メール送付先選択部
220 サービス概要表示部
230 アンケート回答受付部
240 アンケート集計部
250 投資効果推定部
250a 変更部
250b 算出部
260 顧客情報マスタ格納部
270 サービス情報格納部
280 サービス間関係情報格納部
290 回答データ格納部
2A0 効果指標実績格納部
600〜6N0 社員端末
700 アンケートWebサーバ
800 社内システムサーバ
900 社内ネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定サービスの利用状況を表す利用状況情報を格納する格納手段と、
前記特定サービスの効果を表す効果情報を算出するための効果算出式を記憶する記憶手段と、
前記格納手段内の利用状況情報と、前記記憶手段内の効果算出式と、に基づいて、前記効果情報を算出する算出手段と、を含む評価システムにおいて、
前記記憶手段内の効果算出式を変更するための変更情報を受け付け、当該変更情報に基づいて、当該効果算出式を変更する変更手段を含むことを特徴とする評価システム。
【請求項2】
請求項1に記載の評価システムにおいて、
端末からアクセスされた際、前記効果情報を、前記特定サービスに関する情報として、当該端末に提供する提供手段を、さらに含む評価システム。
【請求項3】
請求項2に記載の評価システムにおいて、
前記記憶手段は、前記効果情報を公開可とするか否かを表す公開可否情報を、さらに記憶し、
前記提供手段は、前記公開可否情報が公開可を表す場合、前記端末からアクセスされた際に前記効果情報を当該端末に提供する、評価システム。
【請求項4】
請求項3に記載の評価システムにおいて、
前記格納手段は、前記特定サービスの利用者ごとに、前記利用状況情報を格納し、
前記記憶手段は、前記特定サービスの利用者ごとに、前記効果算出式および前記公開可否情報を記憶し、
前記算出手段は、前記特定サービスの利用者ごとに、当該利用者に対応する前記利用状況情報および前記効果算出式に基づいて、前記効果情報を算出し、
前記提供手段は、前記効果情報のうち、前記公開可を示す公開可否情報に対応する利用者の効果情報を、前記端末からアクセスされた際に当該端末に提供する、評価システム。
【請求項5】
特定サービスの利用状況を表す利用状況情報を格納手段に格納する格納ステップと、
前記特定サービスの効果を表す効果情報を算出するための効果算出式を記憶手段に記憶する記憶ステップと、
前記格納手段内の利用状況情報と、前記記憶手段内の効果算出式と、に基づいて、前記効果情報を算出する算出ステップと、を含む、評価システムが行う評価方法において、
前記記憶手段内の効果算出式を変更するための変更情報を受け付け、当該変更情報に基づいて、当該効果算出式を変更する変更ステップを含むことを特徴とする評価方法。
【請求項6】
請求項5に記載の評価方法において、
端末からアクセスされた際、前記効果情報を、前記特定サービスに関する情報として、当該端末に提供する提供ステップを、さらに含む評価方法。
【請求項7】
請求項6に記載の評価方法において、
前記記憶ステップでは、前記効果情報を公開可とするか否かを表す公開可否情報を前記記憶手段に、さらに記憶し、
前記提供ステップでは、前記公開可否情報が公開可を表す場合、前記端末からアクセスされた際に前記効果情報を当該端末に提供する、評価方法。
【請求項8】
請求項7に記載の評価方法において、
前記格納ステップでは、前記特定サービスの利用者ごとに、前記利用状況情報を格納し、
前記記憶ステップでは、前記特定サービスの利用者ごとに、前記効果算出式および前記公開可否情報を記憶し、
前記算出ステップでは、前記特定サービスの利用者ごとに、当該利用者に対応する前記利用状況情報および前記効果算出式に基づいて、前記効果情報を算出し、
前記提供ステップでは、前記効果情報のうち、前記公開可を示す公開可否情報に対応する利用者の効果情報を、前記端末からアクセスされた際に当該端末に提供する、評価方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−87198(P2009−87198A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−258494(P2007−258494)
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)