説明

試料の容器

【課題】複数の流体試料や、異なる種類の複数の検定に適応可能であると同時に、検査に必要な試料の量を減らすことができる試料容器を提供する。
【解決手段】試料容器10は、試料物質を受容する開口部、及び、少なくとも1つの圧縮可能な部分を有する細管12と、細管の少なくとも一部分を受容する略剛性の入れ物20と、細管の開口部と流体連絡した接合部30とを備える。少なくとも1つの圧縮可能な部分は壁面を有し、壁面は、壁面の向かい合う部分が接触するよう圧縮可能であるように充分な可撓性を有する材料から少なくとも部分的に構成される。接合部により、開口部を通じて細管に試料を容易に送達できる。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
発明の背景
試料の調製及び操作には、一般に、試料の採集や、その後の生物学的及び化学的検定に必要な何らかの前処理が含まれる。試料の採集及び操作は、in vitro診断(IVD)検査の重要な部分であり、また検査自動化の実現可能性を判断する上で重要な因子である。医学の進歩と共に、実施可能な検定の数が増え続けている。同時に、過去数十年に渡って試料採集法がいくつか、考案されてきた。例えば血液試料採集の場合、安全性を向上させるために、まず使い捨てのプラスチック製注射筒がガラス製注射筒に取って代わった。その後の進展で、真空管が伝統的な注射筒に代わり、血液採集プロセスが簡便化された。しかしながら、真空管は一般にIVD検査反応チャンバとしての使用には適していない。従って、多種のIVD検査のそれぞれについて、試料を別個の検定容器に送達するには、再採集プロセスが必要である。これらのプロセスの自動化は面倒な作業である。実際、大規模な臨床検査施設では、数百万ドルもかかる巨大な自動化検査システムが現在、用いられている。これらの機械類の自動化された主な作業は、試験管から96ウェル・プレートへの分注、試薬のウェルへの添加や、ウェル間の反応混合液の移動を伴う、液体の操作である。
【0002】
近年ナノテクノロジーが現れて、自動化及び検査フォーマットが刷新された。この方向では、自動化プロセスのいくつかの部分を2mm×2mm未満の寸法のチップに一体化及び小型化しようとする試みの中で、シリコーン微小製造及びエッチング技術を用いることにより、ラブ・オン・ア・チップ(原語:lab-on-a-chip)・プラットフォームが開発された。いくつかのラブ・オン・ア・チップ・プラットフォームの液体処理速度は1秒当たり数ナノリットルの規模である。しかしながら、例えば試料をチップに送るなどのために、ユーザがこの種類のプラットホームを接続するのは難しいことがしばしばある。
【0003】
現在の試料操作器具のもう一つの懸念は、IVD検査用に1人の患者から通例採取される試料量が多いことである。例えば血液試料採取の場合、小型の真空試験管は5mlに近い全血を採取することがある。多種の検定の検査で複数の試料が必要な場合、数本の試験管分の血液がしばしば注文される。しかしながら、各検定ではごく僅かな量しか、必要ではない。複数の試験管のために大量の血液を採取すると、小児の患者にとっては、鉄欠乏性貧血につながることがあるために、問題である。また、既存の貧血又は出血性障害のある患者にとっては、もっと危険である。
【0004】
概要
本開示は、例えば血液、唾液、組織、又は尿、などの生物学的及び化学的試料を閉鎖系で採取及び処理することのできる試料容器に関する。ここで開示される試料器具は、試料採集過程を簡便化し、バイオハザードへの暴露を減らす均一な試料操作システムとなるであろう。ここで開示される試料容器のうちの一つ以上は、複数の流体試料や、異なる種類の複数の検定に適応可能であると同時に、検査に必要な試料の量を減らすことができる。
【0005】
ある例示的な実施態様では、試料容器は、試料物質を受容する開口部及び少なくとも1つの圧縮可能な部分を有する細管と、前記細管の少なくとも一部分を受容する略剛性の入れ物と、前記細管の開口部と流体連絡した接合部とを備えるものでよい。前記少なくとも1つの圧縮可能な部分は壁面を有し、前記壁面は、前記壁面の向かい合う部分が接触するよう圧縮可能であるように充分な可撓性を有する材料から少なくとも部分的に構成されていてよい。前記接合部により、前記開口部を通じて前記細管に試料物質を容易に送達できるであろう。
【0006】
別の例示的な実施態様では、試料容器は、複数のルーメン、及び、向かい合う部分が互いに接触するよう圧縮可能であるように充分な可撓性を有する材料から少なくとも部分的に構成された壁面、を有する細管と、前記複数のルーメンのうちの少なくとも2つのルーメンを接続する圧力ゲートとを備えてよい。前記圧力ゲートにより、前記少なくとも2つのルーメン同士の間で選択的な流体流が可能であろう。
【0007】
別の例示的な実施態様では、試料容器が細管を備え、前記細管は、前記細管が開放形状にあるときにルーメンを形成する壁面を有するものとしてよい。前記壁面は、前記細管の一部分が圧縮可能であるように充分な可撓性を有する少なくとも1つの第一壁面部分と、前記細管の圧縮時に前記細管内の流路を支持するために充分な剛性を有する少なくとも1つの第二壁面部分とを含む、複数の部分を有してよい。
【0008】
別の例示的な実施態様では、試料を試料容器に吸引する装置は、前記試料容器を受容する開口部を有する筒状の筐体と、前記試料容器の第一部分を圧縮する第一手段と、前記試料容器の第二部分を圧縮する第二手段とを備えていてよい。前記第一圧縮手段は、前記筐体の近位端に位置し、前記第二圧縮手段は前記筐体の遠位端に位置してよい。
【0009】
詳細な説明
全体的な理解を提供するために、以下、いくつかの例示的な実施態様を解説する。しかしながら、当業者であれば、ここに解説された試料容器及び方法は、他の適した用途に向く装置及び方法を提供するために適合及び改良可能であり、本開示の範囲から逸脱することなく、他の追加及び変更も可能であることは理解されよう。
【0010】
他に明示しない限り、下記の例示的な実施態様は、特定の実施態様の様々な詳細の例示的な特徴を紹介するものと理解でき、従って、他に明示しない限り、この例示的な実施態様の特徴、構成要素、構成単位、及び/又は局面は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の方法で結合、分離、交換、及び/又は、再配置可能である。加えて、構成要素の形状及び大きさも例示的であり、他に明示しない限り、開示された装置又は方法に影響を与えることなく、変更可能である。
【0011】
本開示は、一つ以上の試料を閉鎖系で採集及び処理するために利用してもよい試料容器に関する。ここで開示された試料容器で採集、処理又は収容してもよい試料の例には、例えば血液、尿、唾液、組織、細胞懸濁液、微生物、ウィルス、核酸、及びオリゴヌクレオチド試料などの生物試料;土壌;水;及び、公知の検定を用いて検定できると思われる他の試料物質、がある。ここで用いる用語「採集」は、概略的には、試料の源からの試料の抽出及び収集や、その後の試料の本試料容器への移動、又は、試料の抽出と、その後の本試料容器への移動の組合せ、を言う。試料の収集の例には、試料の源から試料を抽出するための流体試料のピペット操作、生検、スワブ、吸引又は他の方法が含まれよう。試料の源の例には、ヒト又は他の動物、植物、水源、細胞培養物、食品、他の試料容器、並びに化学的及び生物学的検定が含まれよう。さらに試料の源には、例えば試験管、注射筒、吸収性アプリケータ及び他の、目的試料を収容する暫間保管培地などの暫間保管培地が含まれよう。ここで用いる用語「処理」とは、概略的には、本試料容器の内容物に対する、一つ以上のステップでの調製、処理、分析及び/又は他の検査プロトコル又は検定の実行を言う。処理ステップの例には、例えば:本試料容器の内容物、分離した内容物成分、混合内容物の体積を調節するなどのために、本試料容器内の試料容器の試料又は試薬などの内容物を置換すること;試薬を当該試料に導入する、当該試料を攪拌する、熱エネルギを当該試料から、又は当該試料に、移動させる、当該試料を特定の温度でインキュベートする、当該試料の構成成分を増幅する、当該試料の構成成分を抽出、分離及び/又は単離する、などにより、試料容器の一部分内で化学的もしくは生物学的反応を起こさせること;又は、例えばある分子、標的、内容物、マーカ又は分析物の品質、数、体積、質量、濃度、又は発現レベル、当該試料の結合活性、核酸配列、又は核酸のサイズ又は他の分析物サイズなど、当該試料の性質を判定するために、当該試料を分析すること、がある。当業者であれば、前述の処理ステップ例は単に描写を目的にここに解説されていることを理解されよう。他の処理ステップも、本開示の範囲から逸脱することなく、利用できよう。
【0012】
図1A−1Cは、一つ以上の試料を採集及び処理するための試料容器10の例示的実施態様を示す。図示の試料容器10は、使い捨ての一回使用用入れ物と、試料の採集及び処理容器となる細管12を備える。細管12はいかなる生体適合性ある材料から構成してもよく、射出鋳込、インサート成形、ディップ成形、ブロー成形、押出成形、同時押出成形、積層法、シート材料からの組立、又は、医療器具及びインプラントを製造するために一般に用いられている他のプロセスにより、製造してよい。細管12は、固体形又は液体形の試料を受容するものでよく、そしていくつかの実施態様では、2マイクロリットル乃至2000マイクロリットルの範囲の試料体積を採集及び/又は処理するような大きさであってよい。
【0013】
細管12を、例えば米国特許番号第6,318,191号、米国特許出願番号09/339,055号及び米国特許出願番号09/782,732号に解説されたシステムを含め、いかなる公知の試料検査又は処理システムと一緒に用いてもよい。前述の特許及び特許出願のそれぞれを、引用をもってここに援用することとする。
【0014】
図1及び2で示す例示的実施態様では、細管12は、一定量の試料物質を受容するための開口部14を備えていてよい。細管12は、壁面18を有する圧縮可能な部分16を備えていてよく、前記壁面18は、壁面18の向かい合う部分を圧縮して接触させるために充分な可撓性を有する材料から少なくとも部分的に構成されている。例えば、細管12の圧縮可能部分16が細管の長手軸に対して垂直方向に圧縮されて細管12の圧縮可能部分16の容積が減少したときに、前記壁面18は、本試料容器を破損することなく収れんするように構成されていてもよい。圧縮可能部分16の壁面18を、例えばポリエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、又は、生物医学的もしくは化学的検定用途に適した何らかの他の可塑性材料など、弾性圧縮可能、可撓性、及び超高強度の材料から構成してもよい。ある例示的な実施態様では、
圧縮可能部分16の壁面18はほぼ0.01mm乃至0.5mmの壁厚を有する。実験結果から、細管の圧縮可能部分をこの範囲の壁厚を有するように構成すると、試料への熱伝導、及び部分間の試料移動、及び検出など、試料処理の効率が著しく高まることが示されている。図示の実施態様では、細管12の圧縮可能部分16が細管12の全長にわたって延びる。代替的には、下に解説するように、細管12が、異なる(例えば非可撓性であるなど)性質を有する一つ以上の部分から距離を置いた一つ以上の個別の圧縮可能部分16を備えていてもよい。
【0015】
他の例示的実施態様では、細管12が多層壁面構造を有していてもよい。例えば細管12が、ポリエチレン又はポリウレタンなどの材料を用いた、生体適合性を提供する内側層と、高密度ポリウレタン又はアルミニウム箔などの金属箔又は金属蒸着などの材料を用いた、透過性の低い外側層とを備えていてもよい。当業者であれば、例えば試料の種類、用いる試薬、及び行おうとする検定に応じて、一層以上の付加的な層を用いてもよいことは理解されよう。
【0016】
細管12の壁面のいくつかの部分、例えば細管12の選択的な検出部分、を構成するために選択する材料を、細管12内の試料の光学解析を容易に行えるように、所定の波長範囲にわたって光学的に透過性にすることができる。
【0017】
図1A乃至1Cに示す例示的な実施態様の試料容器10は、細管12の全部又は少なくとも一部分を収容するための略剛性の入れ物20を備えていてもよい。図示の実施態様では、入れ物20は、細管12の全長を受容する大きさである。入れ物20を、細管12を容易に扱えるように、細管12の材料に比較してより高い剛性を有する材料から構成してもよい。いくつかの実施態様では、入れ物20を、細管12の材料よりも低い透過性を有する材料から構成してもよい。図示の実施態様では、入れ物20は、ガラス製真空管である。適したガラス製真空管が、ベクトン・ディッキンソン社から商標VACUTAINER(R)のものを入手できる。試料容器10は、血液試料などの試料を採集するガラス製真空管と同様な態様で使用できる。容器20を、選択に応じ、ここに開示されたいずれの細管の実施態様と一緒に用いてもよい。
【0018】
試料容器10は、細管12の開口部14と流体連絡した接合部30を備えていてよい。接合部30は、試料物質が細管12へ開口部14を介して送達されるのを促すことで、細管12内への試料の採集を可能にするであろう。いくつかの例示的な実施態様では、接合部30は、試料の源から試料を採集するための装置を備えていてもよい。図1A及び1Bに示す例示的な実施態様では、接合部30がストッパ32であり、該ストッパ32を細管12に接続してもよく、また選択的には、別の装置からの試料の採集を簡便化するために、細管12の開口部14を封止するものとしてもよい。例示的な実施態様では、前記ストッパ32は、剛性の入れ物20に取り外し可能及び取り替え可能に接続し、入れ物20の開口部22を封止している。ストッパ32は、流体封止した関係で細管12を受容するような大きさ及び形状の開口部36を有する第一環状部分34を備えていてよい。第一環状部分34はさらに、流体封止した関係で入れ物の壁面と係合する大きさ及び形状でもある。ストッパ32は、第一環状部分34及び入れ物20の両方の直径よりも大きな直径を有する第二環状部分38を備えていてよい。開口部36は第二環状部分38を貫通して延びて接合部チャンネル37を形成する。例えば自己封止性メンブレンなどの貫通可能な自己封止部分40を提供して、開口部36を選択的に封止し、ひいては試料を(例えば試料採集装置などからの)接合部チャンネル37を通じて細管12へ選択的に移動させられるようにしてもよい。自己封止部分40は、針又は他の試料採集器具で貫通可能な、いかなる生体適合性で弾性の自己封止材料から構成されていてもよい。適した材料にはゴム及びシリコンが含まれよう。いくつかの実施態様では、ストッパ32を、例えばゴム又はエラストマ・ポリマなど、生体適合性で弾性の自己封止材料から完全に構成してもよい。接合部チャンネル37は、ストッパ32の横断面方向で先細り又は細くなって、試料を細管12に移動させる針又は他の器具の案内となっていてもよい。
【0019】
あるいは、接合部30が、細管12の開口部14を選択的に封止する他の機構を備えていてもよい。例えば当該接合部が自己封止性のエラストマ製ダックビル密封具を備えていてもよい。あるいは接合部30が、接合部チャンネル37を選択的に閉鎖及び開放する弁を備えていてもよい。
【0020】
試料容器10は、細管12の容積を調節するために細管の圧縮可能部分18を圧縮するクランプ50を有していてもよい。クランプ50は、圧縮可能部分16の向かい合う壁面部分を接触するように圧縮して、図1Bに最も良く見えるように、細管12を2つの部分16A及び16Bに分割するような形状としてよい。クランプ50を用いたとき、部分16Aは接合部チャンネル37と流体連絡したままであり、部分16Bはクランプ50により部分16Aから封止される。試料を細管12の部分16Aに送達したら、クランプ50を取り除いて、細管12に更なる容積を与えてもよく、この細管12をその後圧縮することで、細管12をさらに区分化して、細管12内の試料を移動させてもよい。
【0021】
クランプ50を、細管12の長手軸方向でいかなる位置に配置してもよい。さらに付加的なクランプを用いて、細管を付加的な部分に分割してもよい。図示の例示的な実施態様では、クランプ50は円盤形であり、細管18を圧縮状態で受容する大きさの放射方向の長穴52を有する。当業者であれば、他の器具を用いて細管12を圧縮して分割してもよいことは理解されよう。
【0022】
いくつかの例示的な実施態様では、細管12を全体的又は部分的に排気して、細管12のルーメン42を負圧、例えば周囲圧よりも小さい圧力など、にして、細管12内への流体流を促してもよい。負圧は、例えば細管12をルーメン42がつぶれるように圧縮することで生じさせることができる。細管を圧縮するのに適した装置を、下に解説する図17A及び17Cに示す。代替的には、細管12を手で圧縮してもよい。さらに細管12を、負圧を含めるように製造してもよい。
【0023】
いくつかの実施態様では、入れ物20を全体的又は部分的に排気して負圧にしてもよい。例えば細管12内の負圧の消失を防ぎ、保管中の細管12の形状を保持するために、入れ物20を排気してもよい。
【0024】
試薬を細管12内に予め梱包してもよく、あるいは、試料を細管12に導入した後に、細管12内に導入することもできる。例えば、試薬処理システムに伴う試薬注射器用カートリッジ、注射針、又は、細管12と流体連絡できる別の器具を用いて、試薬を導入することができる。試薬は、例えば抗凝固剤、細胞溶解試薬、ヌクレオチド、酵素、DNAポリメラーゼ、テンプレートDNA、オリゴヌクレオチド、プライマ、抗原、抗体、染料、マーカ、分子プローブ、緩衝剤、又は検出材料とすることができる。試薬は液体型でも、又は固体型でもよい。固体試薬の場合、試薬で細管12の壁面を被覆してもよい。
【0025】
いくつかの例示的な実施態様では、接合部30が、試料物質又は試薬などの一定量の流体を細管12から選択的に受け取るように細管12と流体連絡した一つ以上のチャンバ44を有してもよい。いくつかの例示的な実施態様では、チャンバ44は、実質的に小さな当初量を有するように排気するか、又は構成してもよく、そして流体受容時に膨張可能としてもよい。チャンバ44を、試料処理時に溢流試料、洗浄緩衝液、又は反応混合液を受容及び蓄積する廃液用の入れ物として用いることができる。例えば、細管12の一部分を圧縮すると、試料の一部がチャンバ44に移動するようにしてもよい。
【0026】
例えば図2A−2Cに示した例示的な実施態様では、ストッパ32は、ストッパ32の接合部チャンネル37と、ひいては圧力ゲート48を介して細管12と、流体連絡した環状チャンバ44を備える。ここで解説されたいくつかの実施態様では、一つ以上の圧力ゲートを用いて、部分同士、ルーメン同士、及び細管の他の部分同士や、細管と外部器具との間の流体流を選択的に制御してもよい。例えば図示の圧力ゲート48は、チャンバ44と接合部37との間の流体封止を通常の作業条件下で提供する。圧力ゲート48は、特定の閾値圧力、例えばほぼ3気圧、を越えた流体圧力の印加時に開放するようにしてもよい。閾値圧力に等しい又は閾値圧力を越えた流体圧力が圧力ゲート48に印加された場合には、圧力ゲート48は開放して、試料又は試薬を高圧区画、例えば細管12又はチャンバ44から、低圧区画へ流入させることができる。いくつかの実施態様では、前記圧力ゲートを可逆的にしてもよく、即ち流体圧力が閾値よりも低い値まで低下した場合に再閉鎖するように前記圧力ゲートを構成してもよい。他の実施態様では、圧力ゲートを非可逆的にしてもよく、即ち、圧力ゲートが、当初は閉鎖しており、一度開放したら開放したまま、としてもよい。例えば閾値圧力を越えた場合、圧力ゲートに印加された圧力が閾値圧力未満まで低下しても、前記非可逆的圧力ゲートは開放したままである。非可逆的な圧力ゲートの一例は、図3A−3Bとの関係から下に解説された圧力ゲートである。
【0027】
図2A及び2Bで図示した実施態様では、圧力ゲート48は接合部チャンネル37とチャンバ44との間でストッパ32に形成されたスリットである。ストッパ32を形成する材料は、前記スリットが閾値圧力で開放し、閾値圧力未満の圧力で閉鎖できるように充分可撓性及び弾性であるように選択してもよい。
【0028】
試料容器12内の試料を特定するラベル60を接合部30、入れ物20、又は細管12に取り付けてもよい。ラベル60は試料を特定するバーコードでも、又は他の特徴にすることもできる。
【0029】
図3A及び3Bは、試料容器100の別の例示的な実施態様を示す。試料容器100は細管112を備えるが、前記細管112は細管12と構造上同様で、複数のルーメン142A及び142Bを有するようにすることができる。前記複数のルーメン142A及び142Bは、ルーメン142A及び142B間の選択的な流体流を可能にする圧力ゲート148により分離することができる。図3Aは圧力ゲート148を閉鎖位置で示し、図3Bを圧力ゲートをルーメン間での流体流が可能な開放位置で示す。
【0030】
例示的な実施態様では、ルーメン142A及び142Bは互いに並行であり、細管12の長手軸に対して略平行な方向に延びる。当業者であれば他のルーメン方向も可能であることを理解されよう。ルーメン142A及び142Bは大きさ(例えば直径、幅、長さ)及び形状の点で均一でもよいが、代替的にはルーメン142A及び142Bが、図示の実施態様のように大きさ及び形状で異なっていてもよい。例えば図示の実施態様では、ルーメン142Bはルーメン142Aよりも小さな直径を有する。2つのルーメンが当該例示的な実施態様で描かれているが、当業者であれば、細管12をいかなる数のルーメンから構成してもよいことを理解されよう。
【0031】
本実施態様における圧力ゲート148はルーメン142A及び142Bと同一の広がりを持ち、即ち、圧力ゲート148は前記ルーメンの全長に渡って延びるものである。代替的には、圧力ゲート148は、特に図7A−7Cに示す実施態様の場合と同様に、細管12が長手方向に延びる個別の部分に区分化されているような実施態様においては、ルーメンのごく一部分又は数部分にわたってのみ、延びるものとしてもよい。このような実施態様では、一つ以上の圧力ゲートを、隣接するルーメン同士の間に提供してもよい。
【0032】
例示的な実施態様では、細管112の壁面118の向かい合う部分を接触するように圧縮して、細管112を2つのルーメン、ルーメン142A及び142Bに分割する、長手方向に延びるシーム170を形成する。細管112を複数のルーメンに分割することに加え、シーム170は、ルーメン142A及び142B間の非可逆的な圧力ゲートである圧力ゲート148を提供するものとしてもよい。シーム170は、筒状の細管を機械的にクランプするか、又は、圧縮したり、あるいは筒状の細管の内部に真空圧を印加することにより、形成してもよい。あるいは、例えば押出、鋳込み又は積層法などによる細管の製造時にシーム170を形成してもよい。接触するように圧縮してシーム170を形成させる向かい合う壁面部分と圧力ゲート148とを、機械的もしくは化学的接着や、例えば押出直後に熱い表面を細管壁面に接触させるなどによる熱シーリング、超音波溶着、機械的固着、又は両方の他の接続機構により、相互に接着して、非可逆的な圧力ゲート148を創出してもよい。
【0033】
圧力ゲート148は当初、ルーメン142A及び142B間での流体流を阻止する閉鎖形状にある。圧力ゲート148は、圧力ゲート148を形成している圧縮された向かい合う壁面が分離されることにより、開放するものでもよい。上に解説したように、閾値圧力が圧力ゲート148に印加されると、圧力ゲート148が開放されるようにしてもよい。あるいは、圧縮された向かい合う壁面同士の間の接着が弱まるように、エネルギを圧力ゲート148に印加してもよい。例えば、熱エネルギ又は光、例えば紫外線など、を圧力ゲート148に印加してもよく、又は、細管112のうちの所定部分又は全部に印加してもよい。圧力ゲート148を開放するための閾値圧力及び/又はエネルギ量は、接着の種類及び強度に応じて様々であろう。代わりに、圧縮された向かい合う壁面部分間の接着を、試薬又は試料による化学反応で弱めるか、又は、破壊してもよい。
【0034】
いくつかの例示的な実施態様では、ルーメンのうちの1つ以上が1種以上の試薬を備えてもよい。試薬は、試料の採集前に1つ以上のルーメンに提供しておいてよく、即ち、1種以上の試薬を細管と一緒に予め梱包しておいてよく、あるいは試料採集後に提供してもよい。例えば図3A及び3Bに示す例示的な実施態様では、試薬をルーメン142B内に提供してもよい。ルーメン142Aを試料の採集及び処理に利用してもよい。試料の採集は、図3Aに示すように圧力ゲート148が閉鎖形状にある状態で行ってもよい。試料がルーメン142Aに移動後、ルーメン142A内の圧力開放により自動的に、又は選択的には、エネルギを圧力ゲートに、及び/又は閾値流体圧力を印加することにより、圧力ゲート148が開放するようにしてもよい。他の実施態様では、ルーメン142A又は142Bを圧縮して閾値圧力を提供してもよい。圧力ゲート148の開放時、図3Bに示すように、ルーメン142A内の試料と試薬を混合及び相互作用させることができる。圧力ゲート148の自動的な開放と、試薬の試料との混合は、例えば抗凝固剤を血液試料と混合する場合などの特定の用途で有利であろう。
【0035】
図4は、3つのルーメン、即ち第一ルーメン142A、第二ルーメン142B、及び第三ルーメン142Cを有する多ルーメン細管112の別の実施態様を示す。各ルーメンは、上述のように例えば非可逆的な圧力ゲートなどの圧力ゲート148で分離されていてもよい。ルーメン142A、142B、及び142Cのそれぞれに、1種以上の試薬を提供してもよく、及び/又は、ルーメン142A、142B、及び142Cのそれぞれを試料の採集及び処理に用いてもよい。例えば第二ルーメン142Bに1種以上の予め梱包された試薬を提供してもよく、そして第一ルーメン142Aを試料の採集及び処理に用いてもよい。第一ルーメン142A内へ試料を採集したら、圧力ゲート148Aを開放して、第二ルーメン142B及び第一ルーメン142B間の流体連絡を可能にしてもよい。図4は圧力ゲート148Aを開放状態で示す。典型的には、しかし必ずしもではないが、第一ルーメン142A内に試料採集後に、ルーメン142Cを、1種以上の試薬を受容するための注入チャンネルとして用いてもよい。圧力ゲート148Aが開放状態に移行するまで、ルーメン142C内に試料物質がなくともよい。図4は、圧力ゲート148Bを、第三ルーメン142C及び第一ルーメン142A間での流体連絡を阻止する閉鎖状態で示す。試薬は、例えば試薬注入用カートリッジ針などの針190や、又は、当該ルーメンを貫通可能な、もしくは試薬供給源とルーメン142Cとの間に流体連絡を提供できる他の装置により、第三ルーメン142Cに送達してよい。注射針190の交差汚染を防ぐために、試薬が注入されるまでは、ルーメン142C内に試料及び試薬物質がなくともよい。第三ルーメン142Cに近位の壁面118C部分は、試薬を送達するための貫通後の壁面118の再封止が容易に行えるよう、弾性で自己封止性の材料から構成されていてもよい。
【0036】
細管112の一つ以上のルーメンは、図5に示すように補強された壁面部分171を有していてもよい。この補強された壁面部分171は、針の貫通及び再封止が容易に行えるように、細管壁面118の他の部分に比較して厚い壁厚を有していてもよい。例えば、補強された部分は、当該壁面の多の部分よりもほぼ1mm乃至5mm厚い壁厚を有していてよい。補強された部分171は、例えば細管壁面118の他の部分よりも強度及び/又は弾性の高い異なる材料から構成されていてもよい。針案内172を提供して針の貫通を指向させ、細管壁面118の破れを防いでもよい。
【0037】
図6A−6Eは、一対の並行ルーメン、即ち第一ルーメン142A及び142Bを備えた多ルーメン細管112の別の例示的な実施態様を示す。図示の実施態様では、ルーメン142A及び142Bは、細管112の全長にわたって延びる長穴の形状の薄層流体チャンネル176により並行に接続されている。1つの流体チャンネルが図示されているが、付加的な流体チャンネルを設けてもよい。流体チャンネル176により、試料は、第一ルーメン142A及び第二ルーメン142B間を移動できると共に、両方のルーメンを同時に占めることができる。例えば試料採集時、試料の一部分又は全試料を開口部114から第一ルーメン142Aの全長を通じ、流体チャンネル176を通じ、そして第二ルーメン142Bの全長に沿って、移動させることができる。図6B−6Eは、流体チャンネル176に対するルーメンの流れ抵抗が相対的に低いため、第一ルーメンを通じて第一ルーメンの末端に(図6B)、第一ルーメン142Aの開口部に対して遠位の流体チャンネル176の一部分174を介して(図6C)、流体チャンネル176に沿って、そして第二ルーメン142Bを介して(図6D)両方のルーメンを満たす(図6D)といった、流体の形の試料の流れを示す。固体の試薬を細管112のルーメン142A及び/又は142Bに梱包しておく実施態様では、流体チャンネル176を介してルーメンを通って試料が流れることで、固体の試薬と試料との混合を容易に行わせることができる。例えば血液試料の場合、本発明者は、流体チャンネル176を介して第一ルーメン142A及び第二ルーメン142Bに血液試料を流れさせることで、これら2つのルーメンの内側壁面に被覆された抗凝固剤と試料との混合を促進することができると判断した。
【0038】
図7A−7Cは、3つの並行ルーメン、即ち第一ルーメン142A、第二ルーメン142B、及び第三ルーメン142Cを有する多ルーメン細管112の別の例示的な実施態様を示す。この例示的な実施態様では、細管112の各ルーメンが長手方向に延びる複数の部分180に分割されている。例えば図7Bの横断面に示された第三ルーメン142Cは5つの部分180A−Eを有する。この部分180の各々は、上に解説した処理ステップを含め、1つ以上の試料採集及び/又は試料処理ステップで用いることができる。例えばPCR(ポリマ連鎖反応)検査では、1つの部分を試料採集に用い、1つの部分を試料の核酸抽出などの前処理に用い、1つ以上の部分を熱サイクリングなどの試料処理に用い、そして1つ以上の部分を試料分析に用いてよい。いかなる数の部分を提供してもよい。加えて、1つ以上の部分を用いて試薬を保存したり、又は、試薬送達用の注入チャンネルとして用いてもよい。部分の数は、処理しようとする試料や、選択された処理ステップに応じて様々であろう。
【0039】
部分180のそれぞれを、隣り合う部分180間で一時的もしくは永久的な流体封止を提供するシール182で分離してもよい。シール182は上に解説したような可逆的及び非可逆的な圧力ゲートなどの圧力ゲートであってよい。代替的には、
細管のうちで圧縮される向かい合う壁面部分を接着又は融着させることにより、シール182を形成してもよい。また熱エネルギもしくはRFエネルギなどのエネルギを印加したり、超音波溶接を行ったり、又は接着剤を用いるなどにより、シール182を形成してもよい。さらに、細管の壁面を圧縮して細管内の部分を分離するシールを形成するために、クランプを細管の外部に取り付けてもよい。例えば前記クランプは図10に関連して下に解説するような電気機械的クランプ機構であってもよい。細管に外部から圧縮力を提供できれば、いかなる他の機構もクランプ機構として利用できよう。1つ以上のクランプを、細管112内の試料を処理するために用いる試料処理システムの一部として提供してもよい。各部分を、以下に解説するように、部分間で選択的な流体接続を提供する1つ以上の微小流体流路により接続してよい。シール182は、細管内の流体の所定の成分を、他の部分から、又は細管内の流体の他の成分から分離するために細管内に配置されたフィルタであってもよい。
【0040】
図示の例示的な実施態様では、細管112への試料の送達を簡便化する接合部30は、試料容器100で処理しようとする試料を直接採集するための針184を有する。針184は細管の近位端に配置されており、細管112の開口部と流体連絡している。図示の例示的な実施態様では、針184は第一ルーメン142Aの開口部と流体連絡しているが、この針184を、細管112のルーメン142のうちのいずれか1つ又は全部に接続させてもよい。取り外し可能及び取り替え可能な針カバー186を設けて、使用前後の針184を保全してもよい。あるいは針カバー186を、図8に示すようなヒンジか、又は、カバー186を針184の周りで定位置から、もしくは定位置に移動可能にするその他の機構により、接続してもよい。針安全機構を針及び試料容器に接続してもよい。
【0041】
図9は、針184などの試料採集器具がカバー186に接続されている、カバー186の別の実施態様を示す。図示の例示的な実施態様では、針184の近位端184Aを試料源からの試料の採集に用い、針184の遠位端184Bを、接続部30を介した細管112の開口部との流体接続を提供するために用いてもよい。例えば遠位端184Bを用いて、接続部30に設けられた自己封止性メンブレン40を貫通してもよい。別の実施態様では、カバー190は、針184の形の試料器具を備えていてもよく、また、針184内への流体試料の吸引や、その試料の試料容器110への移動を容易に行えるようにする圧縮可能な部分を、前記針と流体連絡した状態で有していてもよい。カバー190は、血液試料採集のための指刺傷として特に有用であろう。
【0042】
図10は、2001年2月13日に提出された米国特許出願第6,318,191号及び米国特許出願第09/782,732号に解説された試料処理器具など、例示的な試料処理器具の処理ステーション300を示す。例示した処理ステーション300は、複数の圧縮部材、即ち第一圧縮部材302A、第二圧縮部材302B、及び第三圧縮部材302Cを備える。各圧縮部材302は、上述のように試料容器12の細管12などの試料容器を圧縮することで、例えば試料容器内の試薬又は試料など、試料容器の内容物を変位させるように、適合されている。例示した処理ステーション300は試料容器10との関係から描出されているが、当業者であれば、ここに開示した試料容器はいずれも、例示の処理ステーション300と一緒に用いてよい。複数の圧縮部材302を、図10Aに示すように、細管12の長手軸に対して並行に方向付けてもよい。代替的には、複数の圧縮部材302を、下に解説する図15Bで示すように細管の長手軸に対して直角、即ち、緯度方向に方向付けても、あるいは、所望の圧縮形状に応じて他の方向に方向付けてもよい。圧縮部材を移動させて試料容器に選択的に接触させるために、駆動装置を圧縮部材302のうちの一つ以上に接続してもよい。前記駆動装置は、例えば、電磁作動性機構、モータ、ソレノイドなど、圧縮部材302に対して運動を加えるいかなる装置でもよい。静止部材304又は別の圧縮部材を圧縮部材302の反対側に設けてもよい。
【0043】
圧縮部材302を用いて細管12の壁面18の一部を圧縮して細管12の壁面118の別の部分に接触させることで、細管12内の封止を形成し、ひいては細管12を複数の部分に分割してもよい。代替的な実施態様では、圧縮部材302が、細管12の壁面18の一部を圧縮して細管12の壁面18の別の部分の近傍に来させることで、細管12の部分間で微小流体流路306を形成するようにしてもよい。例えば図10に示す実施態様では、圧縮部材302Bが壁面18の一部を圧縮して前記壁面の別の部分の近傍に来させることで、細管12の第一部分180A及び第二部分180B間を接続する微小流体流路306を創り出す。微小流体流路306の幅を、圧縮部材302Bを細管12に対して前後に変位させることで、調節できるようにしてもよい。200ミクロン未満、好ましくは10乃至30ミクロンの間隙を有する微小流体チャンネルを形成してもよい。
【0044】
圧縮部材302は、細管12を多種の形状に圧縮するような様々な方向に配置してよい。例えば図10Bでは、微小流体流路306の幅は、細管12の全幅にわたって延びる。このような圧縮された形状を、細管の圧縮後の壁面表面全体に係合する大きさの、細管12に係合するための平面状圧縮表面308を有する圧縮部材302Bにより形成してもよい。他の実施態様では、圧縮表面308の大きさ又は形状を変更してもよく、また圧縮部材302Bの数及び方向を変更してもよい。例えば図11Aは、中央に位置する流路306を有する圧縮された状態の細管12を示すが、前記流路306は、溝が底面に形成された圧縮部材302か、又は、細管12の長手軸に対して垂直に並んだ3つの圧縮部材302により形成してもよい。中央に位置する圧縮部材は、壁面18Aを圧縮して向かい合う壁面部分近傍に来させ、他方、前記中央の圧縮部材の両側に1つずつの一対の圧縮部材は、それぞれ側壁部分18B及び18Cを圧縮するものとしてよい。図11Bは、細管12が非平面形状に圧縮されることで形成された、中央に位置するルーメン306を有する、圧縮された状態の細管12を示す。この図示の実施態様では、三角形の輪郭の流路が形成されているが、この流路は本来、細胞又は粒子を、このチャンネルの中心線を通って流れるように強制するため、この流路を形成する際に公差を調節する必要が低くなる。図11Cは、細管12の中心からオフセットに形成された流路306を有する、圧縮された状態の細管12を示す。図示の実施態様では、前記流路が、細管12の側面端部に形成されている。
【0045】
細管12の壁面の少なくとも一部分は、試料又は反応の観察又は検出が可能なように光学的に透明でもよい。壁面の透明部分を流路部分に配置して、例えば細胞計数、反応ハイブリダイゼーション、又はマイクロアレイ・スポットなどの検出などの処理において、液体流又は液体の薄層を通じて、試料又は反応の観察ができるようにしてもよい。
【0046】
当業者であれば、特定の用途では、ここで開示された細管の壁面が細管の周囲方向及び長手軸方向で均一であることが好ましいが、細管の周囲方向及び/又は長手軸方向の一部分のみが弾性かつ圧縮可能であればよいことは、理解されよう。このように、細管は、長手軸方向又は長手軸に直交する方向のいずれかでは、必ずしも均一な横断面を有する必要はない。いくつかの例示的な実施態様では、例えば細管の壁面の一部分を、この壁面の別の部分の性質とは異なる性質を提供するように選択された材料から形成してもよい。変更可能な性質の例には透過性、可撓性、硬さ、弾性、透光性、生体適合性、内側壁面の表面の滑らかさ、及び内側壁面の表面の化学的性質、例えば内側壁表面の疎水性又は親水性、がある。表面の性質は、紫外線エネルギにさらす熱硬化性ウレタンなどの材料の層をコーティングしたり、又は他の架橋法によりもたらしてもよい。
【0047】
図15A及び15Bは、試料容器10のある例示的な実施態様を、細管12の複数の他の壁面部分18Bの性質とは異なる性質を提供するように選択された材料から形成された壁面部分18Aを有する細管12の形で示す。壁面部分18Aは図示のように互いに向かい合っていてもよく、あるいは細管12の横断面上の他の位置に位置していてもよい。壁面部分18Aは図示のように同様な大きさ、形状及び材料の性質のものでもよいが、あるいは、互いに大きさ、形状及び材料の性質で異なっていてもよい。図示の実施態様では、壁面部分18Aは、図15Bに示すように、細管12の圧縮が可能なように充分な可撓性を有する材料から選択される。壁面部分18Bは、壁面部分18Aの材料に比較して剛性の高い材料から形成される。図示の実施態様では、壁面部分18Bが、圧縮時のたわみに抵抗し、平面形状を維持するような充分な剛性を有することが好ましい。壁面部分18Bは図示のように互いに向かい合っていても、又は、細管12の横断面上の他の位置に配置されていてもよい。壁面部分18Bは図示のように同様な大きさ、形状及び材料の性質のものでもよく、あるいは、互いに異なる大きさ、形状及び材料の性質のものでもよい。図示の実施態様では、壁面部分18A及び18Bは緯度方向、すなわち細管12の周囲方向、かつ、長手軸に対して直交する方向で間隔を置いている。壁面部分18A及び18Bは細管12の周囲方向で、互いに交互になるように介在する形で配置されている。壁面部分18A及び18Bを同じ材料から形成しても、又は異なる材料から形成してもよい。例えば壁面部分18Aを、厚さに応じて40A乃至90Aの範囲など、比較的低デュロメータのポリウレタンから形成し、壁面部分18Bを、厚さに応じて40D乃至90Dの範囲などの比較的高いデュロメータのポリウレタンから形成してもよい。性質の異なる壁面部分を有する細管を、従来の押出、同時押出、射出成形、インサート成形、ディップ成形、ブロー成形、トランスファー成形、又は積層法により、製造してもよい。
【0048】
図15A及び15Bに示した細管12の圧縮時、壁面部分18Aが撓むことで、第一壁面部分Bは第二壁面部分18B’に向かって移動して近傍に来るか、又は接触することができる。壁面部分18Bは、壁面部分18Aに比較して剛性が高いために、優れた封止表面となるであろう。加えて壁面部分18Bにより、図15Bに示すような精確に規定された微小流体流路306の形成が可能である。壁面部分18Bの剛性が高いために、より可撓性の壁面部分よりも、より小さくより均一な流路の形成が可能である。図15Bは、細管12の部分180Aと180Bとの間の微小流体流路306の形成を示す。図示する実施態様では、圧縮部材302A−Cは、細管の長手軸に対して直交する方向に配置されることで、第一の部分180Aと第二の部分180Bとの間に緯度方向に延びる、即ち前記長手軸に対して直交する方向に延びる流路306を形成する。
【0049】
他の例示的な実施態様では、異なる性質を持つ壁面部分の数を変更してもよい。例えば剛性の高い単一の壁面部分18Bを提供しても、あるいは剛性の高い3つ以上の壁面部分を提供してもよい。
【0050】
いくつかの例示的な実施態様では、図12及び13A−Bに示すように、細管の壁面18の一部分に流路306を予め形成してもよい。この予め形成される流路306は、細管12の一壁面部分に形成される溝316でもよい。溝316は、細管12の壁面18に刻み目を入れるか、もしくは食刻することにより、形成してよく、あるいは、細管12の押出又は鋳込時に形成してもよい。図示の実施態様の溝316は長手方向に延びているが、緯度方向を含め、いかなる方向に溝316を形成してもよい。2つ以上の溝316を提供してもよい。溝316は多種の横断面形状及び大きさを有していてよい。図12に示した実施態様では、溝316は三角形の横断面を有する。図13A−13Bに示した実施態様では、溝316は矩形の横断面を有する。溝316の横断面の大きさは、流路306の所望の剪断速度特性に基づいて選択することができる。
【0051】
溝316は細管12の壁面18のいずれの部分に形成してもよい。例えば、図12及び13A−Bに示した実施態様の場合のように、細管12のうちで他の壁面部分に比較して高い剛性を有する壁面部分18Bに溝316を形成してもよい。図13Bに示すように、細管12の圧縮時には、壁面部分18Bは壁面部分18B’に接触して流体封止を提供する。溝316は、この流体封止を貫通して長手方向に延びる流路306を提供する。
【0052】
図14A及び14Bは、複数の流路306と、細管412の壁面418の内側壁表面410上に形成された1つ又は複数の窪み408とを有する細管412を備える試料容器400の例示的な実施態様を示す。各窪み408は、細管412の圧縮時に一定量の試料又は試薬を保持できる微小カップを形成することができる。微小カップを形成する窪みの容積は、0.1マイクロリットル乃至10マイクロリットルとすることができるが、好ましくは0.5マイクロリットル乃至4マイクロリットルである。パターンになった1つ以上の溝316及び窪み408を細管412の内側壁表面410上に形成してよく、また、図14Bに最もよく示されるように、相互に接続することで、微小流体流路306により相互に接続された微小カップのネットワークを設けてもよい。このようなネットワークを用いて、1つ以上の微小カップ内で多種の処理ステップを行ってもよく、また、細管412を選択的に圧縮することにより、微小流体流路を通じて微小カップ間で少量かつ精確な量の試料及び試薬を輸送できるであろう。溝及び窪みのネットワークを、半導体加工技術を用いて形成してもよい。例えば、従来の写真平板技術を用いて細管12の内側壁表面にマスク・パターンを付着させてもよい。その後、この内側壁表面上に描かれたパターンに基づいて、この内側壁表面の数箇所を食刻又は除去することにより、溝及び窪みを形成してもよい。図14A及び14Bに示すように、細管412での使用に適した材料から構成された平面状の基板418A上に溝及び窪みのネットワークを形成することが好ましいであろう。第二材料による層418Bをこの平面状の基板418A上に付着させて、細管412の壁面418を形成することができる。
【0053】
図14A及び14Bを参照すると、1つ以上の試料又は試薬処理装置414を、細管412の内側壁表面410上に設けてもよい。例えばマイクロアレイ装置を細管412の内側壁表面410上に埋設してもよい。例示的なマイクロアレイ装置414は、試料内の複数の分析物を同時に分析できるように、複数の試薬被膜域を有していてもよい。さらに、処理装置414は、微小流体装置でも、又はラブ・オン・ア・チップ装置でも、又は試料を処理する他のいかなる装置でもよい。処理装置414は、1つ以上の窪み408又は他の処理装置と、流路306を介して相互接続していてもよい。いかなる種類のいかなる数の処理装置を細管412内に設けてもよい。
【0054】
図18を参照すると、細管712を備える試料容器700は複数の部分780A−Cに分割されている。部分780Bは剛性の、概ね非可撓性の材料から構成されていてもよく、またその内側壁面に埋設された、マイクロアレイ714などの処理装置を有していてもよい。部分780Bは2つの圧縮可能な部分780A及び780C間に予め形成された流路を提供するものでもよい。2つの可撓性部分708A及び780Cを交互に圧縮することにより、試料は流路706を通って流れ、マイクロアレイ714の試薬スポットに対し、分析物が高い効率でハイブリダイズ又は結合することを促すであろう。また流路706が小さな間隙を有していても、層流が形成されるときの洗浄効率が増すであろう。
【0055】
図16A−16Eは、細管12と、試料容器10の細管12に接続されたアダプタ500とを備える試料容器10の例示的実施態様を示す。アダプタ500は、試料容器10の操作を容易にする、及び/又は、例えば微小流体装置、ラブ・オン・ア・チップ装置、マイクロアレイ装置、試薬供給源、別の試料容器、もしくは、試料を含有又は処理するのに適した他の何らかの器具などの外部器具への細管12の接続を容易にするために、設けてもよい。図示の実施態様では、アダプタ500は、細管12と同一の広がりを持つ略平面形のタブである。当業者であれば、アダプタ500は必ずしも細管と同一の広がりを持つ必要はなく、用途に応じて様々な大きさ及び形状に構成してもよいことは理解されよう。さらに、2つ以上のアダプタを設けてもよい。
【0056】
アダプタ500は、細管12の構成で用いるのに適していればいかなる材料で構成してもよい。例えばアダプタをポリウレタンから構成してもよい。アダプタ500を細管12と同じ材料から構成しても、又は異なる材料から構成してもよい。操作を容易にするためには、アダプタ500を、例えば高デュロメータのポリウレタンなど、細管12の材料に比較して高い剛性を有する材料から構成してもよい。いくつかの実施態様では、アダプタ500を、例えば同時押出加工又は射出鋳込み加工などで、細管12と一緒に製造してもよい。代替的には、アダプタ500を個別に製造してから、例えば接着などの成型後加工で細管12に付着させてもよい。
【0057】
図16A−16Eの例示的な実施態様には、さらに、上述したような入れ物20及び接合部30が含まれる。入れ物20は細管12を取り外し可能及び取り替え可能に封入することで試料細管12を保護し、取り外せば細管12は直接操作可能となる。アダプタ500の一部分は入れ物20内に封入しなくともよい。露出した部分のアダプタ500は、ラベル付け、操作及び他の処理のためにユーザが直接、アクセスすることができる。接合部30は、細管12への試料の送達が容易になるように、細管12の開口部と連絡する接合部チャンネル37を備える。図示の実施態様では、接合部チャンネル37を選択的に開閉するために、取り外し可能及び取り替え可能なカバー586を設けている。例示のカバー586は、試料の源から組織試料を採集する組織スワブ584の形の試料採集器具を備える。
【0058】
図16A−Bは、試料容器10の操作を容易にできるように構成されたアダプタ500の一実施態様を示す。
【0059】
図16Cは、試薬注射カートリッジから出た針90などの外部器具から試薬又は試料を容易に送達できるように設計されたアダプタ500Cの一実施態様を示す。アダプタ500Cは、細管12と、本実施態様では針90である外部器具との間で、試料又は試薬などの流体を選択的に変位させられるように流体流路を設けた可逆的もしくは非可逆的圧力ゲート48を備える。アダプタ500Cは、外部器具との選択的な連絡を容易にするために、自己封止性メンブレン540、バルブ又は他の封止機構を備えていてもよい。外部器具から送達された流体、又は、細管12からの流体を含有するためのレザバ502を設けてもよい。使用時には、針90に自己封止性メンブレン540を貫通させて、レザバ502に流体を送達したり、又は、レザバ502から流体を吸引させてもよい。圧力ゲート48を、例えば細管12又はレザバ502を圧縮するなどにより、上述の方法で開放させて、レザバ502から流体を吸引したり、又は、細管12からレザバ502へ流体を送達してもよい。自己封止性メンブレン540を貫通し、試料の性質を測定するために、針90を電極、光ファイバセンサなどのセンサに接続してもよい。
【0060】
図16Dは、圧縮可能なレザバ506と、この圧縮可能なレザバ506から細管12へ試料又は試薬などの流体を選択的に変位させられるようにする流体流路となる可逆的もしくは非可逆的圧力ゲート48とを備えるアダプタ500Dの一実施態様を示す。圧縮可能なレザバ506は、予め梱包された試薬を含有していてよい。いくつかの実施態様では、圧縮可能なレザバ506はブリスタ・パックであってよい。圧縮可能なレザバ506が圧縮すると、圧力ゲート48が開放して、圧縮可能なレザバ506内の流体が細管12内へ変位することができる。
【0061】
図16Eは、レザバ502と、細管12及びレザバ502間での試料又は試薬などの流体の選択的な変位を可能とする流体流路となる第一可逆的もしくは非可逆的圧力ゲート48Aと、外部器具508及びレザバ502間で試料又は試薬などの流体の選択的な変位を可能とする流体流路となる第二可逆的もしくは非可逆的圧力ゲート48Aと、を備えるアダプタ500Eの一実施態様を示す。コネクタ509を提供して外部器具508と接続させてもよい。このような器具は、マイクロニックス社のAccessTMカード、カリパー社のラブチップ(R)製品、
又はアフィメトリックス社のジーンチップ(R)であってよい。
【0062】
図17A−Eは、細管10と、試料容器10の細管12内へ試料を吸引するための装置602とを有する試料容器600の別の例示的な実施態様を示す。装置602は、細管12を受容するための開口部606を有する筒型の筐体604を有する。開口部602は、筐体604の近位端608から遠位端610まで延びる。筐体604及び開口部606の両者とも、細管12又は他の試料容器の大きさ及び形状に合うような大きさ及び形状にすることができる。例えば筐体604及び開口部606は筒形であり、細管12のそれと同様な環状の横断面を有する。アダプタ600は、細管12の第一部分を圧縮する第一手段612と、細管12の第二部分を圧縮する第二手段614とを有する。第一圧縮手段612は、第二圧縮手段614から間隔を置いていてもよい。例えば第一圧縮手段612は、筐体602の近位端608に位置し、第二圧縮手段614は筐体602の遠位端610に位置していてもよい。第一及び第二圧縮手段間の間隔は、細管12内の所望の試料採集容積に基づいて選択してよい。
【0063】
第一圧縮手段612は、間隔を置いた第一対のローラ616A及び616Bを有していてもよい。ローラ616A−B間で細管12を圧縮するよう、ローラ616A−Bの少なくとも一方を、他方のローラと接触するように選択的に移動させられるようにしてもよい。第一アクチベータ620をローラ616A、616Bに接続して、これらローラの分離及び圧縮を行わせてもよい。第二圧縮手段612は間隔を置いた第二対のローラ618A及び618Bを備えてもよい。ローラ618A−B間で細管12を圧縮するよう、ローラ618A−Bの少なくとも一方を、他方のローラと接触するように選択的に移動させられるようにしてもよい。第二アクチベータ622をローラ618A、618Bに接続して、これらローラの分離及び圧縮を行わせてもよい。ローラに加え、他の圧縮機構を、上述した圧縮部材に含め、第一及び第二圧縮手段に用いてよい。細管12の選択的な圧縮に適していればいかなる構造を用いてもよい。第一及び第二圧縮手段は必ずしも同じ構造でなくともよい。
【0064】
使用時には、細管12を筐体604の近位端の開口部606に挿入し、筐体604の遠位端610までこの開口部606を通じて完全に引き込む。細管12を筐体604内に引き入れると、図17Bに示すように、細管12は平らになり、圧縮されて、細管12が排気される。試料採集時、カバー686を取り外して、細管12と流体連絡した針684などの試料採集器具を露出させてもよい。図17Cに示すように、針684を試料源内に挿入することができ、第一圧縮手段612を分離して、試料を細管12内に吸引してもよい。次に、図17Dに示すように、針684又は他の試料採集器具を取り外すために、試料容器10を器具630内に挿入してよい。さらに、細管12の壁面を近位端で圧縮及び加熱するなどしてこれら壁面を相互に接着又は融着させるなど、針684を取り除いた後で細管12の近位端を封止する機構を器具630に含めてもよい。第二圧縮手段614を分離してもよく、アダプタ600を、図17Eに示すように細管12から取り外してもよい。
【0065】
ここに開示する試料容器は、その例示的な実施態様を参照しながら特に示され、解説されているが、当業者であれば、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、形状及び詳細に多種の変更を行えることは理解されよう。当業者であれば、ごく慣例的な実験を用いるのみで、ここに具体的に解説された例示的な実施態様の均等物を数多く認識され、又は確認できることであろう。このような均等物は本開示の範囲に包含されるものと、意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0066】
ここに開示した試料容器のこれら及び他の特徴及び利点は、添付の図面との関係から以下の詳細な説明を参照されれば、より十二分に理解されよう。同図面において、異なる視野であっても同様な参照数字は、同様な要素を言うものである。図面は、ここに開示された試料容器及び方法の原理を描いたものであり、実寸ではないが、相対的な寸法を示している。
【図1A】図1Aは、例示的な一実施態様の試料容器の斜視図である。
【図1B】図1Bは、図1Aの試料容器の横断側面図である。
【図1C】図1Cは、入れ物から取り出した細管及びカラーを示した、図1Aの試料容器の分解図である。
【図2A】図2Aは、例示的な一実施態様の試料容器の斜視図である。
【図2B】図2Bは、図2Aの試料容器の横断側面図である。
【図2C】図2Cは、入れ物から取り出した細管及びカラーを示した、図2Aの試料容器の分解図である。
【図3A】図3Aは、圧力ゲートにより分離された一対のルーメンを有する例示的な一実施態様の試料容器の横断側面図である。
【図3B】図3Bは、圧力ゲートにより分離された一対のルーメンを有する例示的な一実施態様の試料容器の横断側面図である。
【図4】図4は、一対の圧力ゲートにより分離された3つのルーメンを有する例示的な一実施態様の試料容器の横断側面図である。
【図5】図5は、針による注射が容易にするための自己封止性の補強された壁面部分を示した、一対の圧力ゲートで分離された3つのルーメンを有する、別の例示的な実施態様の試料容器の横断側面図である。
【図6A】図6Aは、微小流体流路により接続された一対のルーメンを有する、例示的な一実施態様の試料容器の斜視図である。
【図6B】図6B−6Cは、試料容器のルーメンを通って流れる流体流を示した、図6Aの試料容器のデジタル写真である。
【図6C】図6Cは、試料容器のルーメンを通って流れる流体流を示した、図6Aの試料容器のデジタル写真である。
【図7A】図7Aは、複数のルーメンを有する区分化された例示的な実施態様の試料容器の斜視図である。
【図7B】図7Bは、図7Aの試料容器の横断面図である。
【図7C】図7Cは、図7Aの試料容器の横断面図である。
【図8】図8は、試料容器のためのヒンジの付いたカバーを示した、別の実施態様の複数のルーメンを有する区分化された試料容器の斜視図である。
【図9】図9は、試料容器のための代替的な接合部を示す、別の実施態様の複数のルーメンを有する区分化された試料容器の斜視図である。
【図10A】図10Aは、試料容器の圧縮を示す、例示的な実施態様の試料容器を部分的に横断面で示した側面図である。
【図10B】図10Bは、細管12の長手軸に対して直交する線に沿って切断した、図10Aの試料容器の横断面図である。
【図11A】図11Aは、複数の形状への試料容器の圧縮を示した、例示的な一実施態様の試料容器の側面図である。
【図11B】図11Bは、複数の形状への試料容器の圧縮を示した、例示的な一実施態様の試料容器の側面図である。
【図11C】図11Cは、複数の形状への試料容器の圧縮を示した、例示的な一実施態様の試料容器の側面図である。
【図12】図12は、複合横断面及び微小流体流路を有する、例示的な一実施態様の試料容器の横断側面図である。
【図13A】図13Aは、試料容器を開放形状(図13A)及び圧縮形状(図13B)で示した、複合横断面及び微小流体流路を有する、別の例示的な一実施態様の試料容器の横断側面図である。
【図13B】図13Bは、試料容器を開放形状(図13A)及び圧縮形状(図13B)で示した、複合横断面及び微小流体流路を有する、別の例示的な一実施態様の試料容器の横断側面図である。
【図14A】図14Aは、試料容器の内側壁表面上に形成された複数の窪みを相互に接続する複数の微小流体流路を有する、例示的な一実施態様の試料容器の横断側面図である。
【図14B】図14Bは、図14Aの試料容器の内側壁表面の上面図である。
【図15A】図15Aは、 試料容器を開放形状(図15A)及び圧縮形状(図15B)で示した、向かい合う平面状の壁面部分を含む複合横断面を有する、例示的な一実施態様の試料容器の横断側面図である。
【図15B】図15Bは、 試料容器を開放形状(図15A)及び圧縮形状(図15B)で示した、向かい合う平面状の壁面部分を含む複合横断面を有する、例示的な一実施態様の試料容器の横断側面図である。
【図16A】図16Aは、試料容器の操作を容易にし、及び/又は、試料容器の外部器具への接続を容易にするためのアダプタを有する、例示的な一実施態様の試料容器の斜視図である。
【図16B】図16Bは、図16Aで示された試料容器に接続された、複数の実施態様のアダプタの横断側面図である。
【図16C】図16Cは、図16Aで示された試料容器に接続された、複数の実施態様のアダプタの横断側面図である。
【図16D】図16Dは、図16Aで示された試料容器に接続された、複数の実施態様のアダプタの横断側面図である。
【図16E】図16Eは、図16Aで示された試料容器に接続された、複数の実施態様のアダプタの横断側面図である。
【図17A】図17Aは、試料容器への試料の吸引を示す装置を、該装置の動作を示しつつ示した斜視図である。
【図17B】図17Bは、試料容器への試料の吸引を示す装置を、該装置の動作を示しつつ示した斜視図である。
【図17C】図17Cは、試料容器への試料の吸引を示す装置を、該装置の動作を示しつつ示した斜視図である。
【図17D】図17Dは、試料容器への試料の吸引を示す装置を、該装置の動作を示しつつ示した斜視図である。
【図17E】図17Eは、試料容器への試料の吸引を示す装置を、該装置の動作を示しつつ示した斜視図である。
【図18】図18は、試料容器の壁面の内側表面上のマイクロアレイを示すために壁面の一部を取り除いて試料容器を示した、別の例示的な実施態様の試料容器の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料物質を受容する開口部、及び、少なくとも1つの圧縮可能な部分を有する細管であって、前記少なくとも1つの圧縮可能な部分が壁面を有し、前記壁面は、前記壁面の向かい合う部分が接触するよう圧縮可能であるように充分な可撓性を有する材料から少なくとも部分的に構成されている、細管と、
前記細管の少なくとも一部分を受容する略剛性の入れ物と、
前記細管の開口部と流体連絡した接合部であって、前記接合部により、前記開口部を通じて前記細管に試料物質を容易に送達できる、接合部と
を含む、試料容器。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図16E】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図17D】
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【図17E】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−282035(P2009−282035A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−166930(P2009−166930)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【分割の表示】特願2003−526555(P2003−526555)の分割
【原出願日】平成14年9月11日(2002.9.11)
【出願人】(502314735)アイキューム インク (1)
【氏名又は名称原語表記】IQUUM, INC.
【Fターム(参考)】