説明

試料を加工及び/又は解析するための粒子ビーム装置及び方法

【課題】2つのコラムを用いて、試料の加工や解析、検査をする際の焦点調整を容易化する。
【解決手段】第1粒子ビームコラム2と第2粒子ビームカラム3とを有する粒子ビーム装置1に於いて、試料キャリア24は、第1ビーム軸21との間に第2角度W2を、また、第2ビーム軸22との間に第3角度W3を成す回転軸25を有し、それぞれのカラムに対応した第1位置と第2位置の間で回転可能である。第1ビーム軸21と第2ビーム軸22は一致点23で公差し、試料表面が第1位置にあるとき、一致点23と第1粒子ビームコラム2との距離は、試料表面と第1粒子ビームコラム2との距離より大きく、又、試料表面が第2位置にあるとき、一致点23と第2粒子ビームコラム3との距離は、試料表面と第2粒子ビームコラム3との距離よりも大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料の加工及び/又は解析(検査)用に設計される粒子ビーム装置及び方法に関する。特に、本発明は、電子ビーム装置及び/又はイオンビーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子ビーム装置、特に走査型電子顕微鏡(SEM)又は透過型電子顕微鏡(TEM)は、特定の条件下での試料の特性及び挙動に関して洞察を得るために当該試料の検査に用いられる。
【0003】
SEMの場合、電子ビーム(以下、一次電子ビームとも称する)をビーム発生器により発生させる。一次電子ビームの電子を事前決定可能な(predeterminable:所定の)エネルギーに加速させ、ビーム誘導システム、特に対物レンズにより、解析対象試料(すなわち解析対象物)に集束させる。SEMの場合、事前決定可能な加速電圧を有する高電圧源を加速目的で用いる。偏向装置により、一次電子ビームを解析対象試料の表面にわたってラスタ式に誘導する。この場合、一次電子ビームの電子は、解析対象試料の材料と相互作用する。特に、相互作用粒子及び/又は相互作用放射線が相互作用の結果として生じる。例として、電子が解析対象試料により放出され(いわゆる二次電子)、一次電子ビームでの電子が解析対象試料において後方散乱する(いわゆる後方散乱電子)。二次電子及び後方散乱電子は、検出されて像生成に用いられる。解析対象試料の結像はこのようにして得られる。
【0004】
解析対象試料の結像は、解析対象試料の可能な解析形態の1つである。しかしながら、さらに他の解析形態が実際には知られている。例として、解析対象試料の組成に関する結論を得るために、相互作用放射線(例えば、X線放射線又はカソードルミネッセンス光)を検出して評価する。
【0005】
さらに、電子及びイオンの両方を加工対象及び/又は解析対象試料に誘導することができる、試料を加工及び/又は解析するための複合装置を用いることが、従来技術から既知である。例として、SEMにイオンビームコラムを付加的に設けることが知られている。イオンビームコラム内に配置したイオンビーム発生器により、試料の加工(例えば、試料の層の除去又は試料への材料の塗布)又は結像に用いるイオンを発生させる。この場合、SEMは、特に加工を観察する役割を果たすが、加工又は非加工試料をさらに解析する役割も果たす。
【0006】
さらに、従来技術は、第1ビーム軸を有し第1粒子ビームを発生させるよう設計される第1粒子ビームコラムを備える、粒子ビーム装置を開示している。さらに、既知の粒子ビーム装置は、第2ビーム軸が設けられ第2粒子ビームを発生させるよう設計される第2粒子ビームコラムを備える。第1粒子ビームコラム及び第2粒子ビームコラムは、第1ビーム軸及び第2ビーム軸が約50°の第1角度を形成するよう相互に配置される。さらに、既知の粒子ビーム装置は、回転軸を中心に回転可能な試料キャリアを備える。回転軸は試料キャリアの中心を通る。さらに、回転軸は、第1ビーム軸と第2角度を形成し、第2ビーム軸と第3角度を形成する。試料キャリアにおいて試料を試料ホルダに配置することができ、試料は、加工対象及び/又は解析対象の試料表面を有する。試料ホルダは回転軸に沿って延びる。試料表面は、回転軸と第4角度を形成する表面法線を有する。
【0007】
従来技術に関して、例えば特許文献1、特許文献2、及び特許文献3を参照されたい。
【0008】
従来技術から既知の粒子ビーム装置では、例として、シリーズ検査を試料に対して実行する。これは特に、第1ステップにおいて、試料の試料表面を第1粒子ビームで最初に加工することを意味すると理解される。例として、試料表面の材料を除去するか、又は材料を試料表面に塗布する。試料表面を加工するために、試料キャリアを第1粒子ビームコラムに対して第1位置にする。その後、試料表面を第1粒子ビームで加工する。第2ステップにおいて、加工済みの試料表面を第2粒子ビームにより解析する。この目的で、試料キャリアを第2粒子ビームコラムに対して第2位置にする。その後、加工済みの試料表面を解析する。例として、加工済みの試料表面を第2粒子ビームにより結像する。概して、試料キャリアの第2位置での試料表面は、一致点が試料表面の平面内にあるように第2ビーム軸に対して向けられる。一致点は、第1ビーム軸及び第2ビーム軸が交差する点である。第2位置では、第2粒子ビームにより解析する試料表面が第2ビーム軸に対して傾斜して配置される。
【0009】
この場合、シリーズ検査中、第1ステップと第2ステップとの間で複数の変更を実行させるようになっている。試料表面の十分に良好な解析、特に高分解能での加工済みの試料表面の結像を得るために、概して、第2位置にある試料キャリアを第2粒子ビームコラムに近付けなければならず、第2粒子ビームを加工済みの試料表面に再度集束させなければならない。しかしながら、その結果として、試料のシリーズ検査に時間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】独国特許出願公開第102008041815号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102007026847号明細書
【特許文献3】欧州特許第1443541号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明は、単純且つ迅速な試料のシリーズ検査を可能にする粒子ビーム装置及び方法を特定するという課題を扱う。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、この課題は、請求項1又は請求項17の特徴を備える粒子ビーム装置により解決される。本発明による方法は、請求項18の特徴により提供される。本発明のさらに他の特徴及び/又は代替的な特徴は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、及び/又は添付図面から明らかである。
【0013】
本発明による粒子ビーム装置は、第1ビーム軸が設けられる少なくとも1つの第1粒子ビームコラムを備える。第1粒子ビームコラムは、第1粒子ビームを発生させるよう設計される。さらに、本発明による粒子ビーム装置は、第2ビーム軸が設けられ第2粒子ビームを発生させるよう設計される少なくとも1つの第2粒子ビームコラムを備える。第1粒子ビームコラム及び第2粒子ビームコラムは、第1ビーム軸及び第2ビーム軸が0°及び180°以外の第1角度を形成するよう相互に配置される。したがって、第1ビーム軸及び第2ビーム軸は、相互に平行に配置されない。正しくは、第1粒子ビームコラム(したがって第1ビーム軸)及び第2粒子ビームコラム(したがって第2ビーム軸)は、相互に傾斜して配置される。例として、第1粒子ビームコラム及び第2粒子ビームコラムは、本発明による粒子ビーム装置の試料チャンバに配置される。
【0014】
本発明による粒子ビーム装置は、回転軸を中心に回転可能な少なくとも1つの試料キャリアを備える。回転軸は、第1ビーム軸と第2角度を形成する。さらに、回転軸は、第2ビーム軸と第3角度を形成する。第2角度及び第3角度のはいずれも0°及び180°以外である。換言すれば、回転軸は、第1ビーム軸とも第2ビーム軸とも平行な向きにない。正しくは、試料キャリアは、回転軸が第1ビーム軸に対して特定の角度(第2角度)で傾斜し、第2ビーム軸に対して特定の角度(第3角度)で傾斜して配置されるよう、粒子ビーム装置に配置される。さらに、例えば、回転軸は、試料キャリア表面に対して垂直に且つ/又は試料キャリアの中心を通るよう配置されるようになっている。少なくとも1つの試料を、試料キャリアに配置することができる。特に、試料は、加工対象及び/又は解析対象の試料表面を有するようになっている。
【0015】
本発明による粒子ビーム装置の試料キャリアは、第1位置に配置されるか又は第1位置に回転可能であり、第1位置では、試料キャリアに配置することができる試料の試料表面が第1ビーム軸と平行又は実質的に平行な向きにある。例として、完全な平行から数度、例えば最大5°のずれが与えられる。さらに、試料キャリアは、第1位置から第2位置に回転可能であり、第2位置では、試料表面が第2ビーム軸に対して垂直又は実質的に垂直な向きにある。例として、完全な垂直から数度、例えば最大5°のずれが与えられる。
【0016】
本発明による粒子ビーム装置の第1ビーム軸及び第2ビーム軸は、一致点において交差する。しかしながら、従来技術とは対照的に、ここでは、試料キャリアの第1位置における試料の試料表面の向きを、試料表面とは異なり第1ビーム軸に対して垂直に配置される第1平面内に一致点があるようにする。さらに、試料キャリアの第2位置における試料の試料表面の向きを、試料表面とは異なり第2ビーム軸に対して垂直に配置される第2平面内に一致点があるようにする。さらに、試料キャリアの第1位置における試料表面と第1粒子ビームコラムの第1端部との間の距離(以下、第1作動距離とも称する)は、一致点と第1粒子ビームコラムの第1端部との間の距離未満であるようになっている。さらに、試料キャリアの第2位置における試料表面と第2粒子ビームコラムの第2端部との間の距離(以下、第2作動距離とも称する)は、一致点と第2粒子ビームコラムの第2端部との間の距離未満であるようになっている。
【0017】
本発明は、以下の事項に基づく。
【0018】
本発明による粒子ビーム装置では、この場合、試料の試料表面が第1位置において第1粒子ビームにより加工される。例として、第1位置において、材料を試料表面から除去するか又は材料を試料表面に塗布する。その後、試料キャリアを第1位置から第2位置にし、第2位置において、試料表面を第2ビーム軸に対して垂直な向きにする。これは、回転軸を中心とした試料キャリアの回転により行われる。第2位置において、加工済みの試料表面を第2粒子ビームにより解析する。特に、加工済みの試料表面を結像するようになっている。第2位置における試料表面が第2ビーム軸に対して垂直な向きにあり、さらに、第2作動距離が従来技術からの粒子ビーム装置における類似の作動距離未満であるため(類似の作動距離は、基本的に第2粒子ビームコラムの第2端部と一致点との間の距離である)、良好な結像特性を得ることができる。この場合、本発明は、試料キャリアの単一移動により、すなわち回転軸を中心とした第1位置から第2位置への試料キャリアの回転により、試料の試料表面を第2ビーム軸に対して垂直な向きにできるという利点を有する。さらなる移動は絶対に必要というわけではない。
【0019】
本発明は、一種の解析としての結像に制限されない。正しくは、粒子ビームを用いる任意の種類の解析、例えばカソードルミネッセンス及び/又はX線放射線の解析を用いることができる。
【0020】
本発明による粒子ビームの構成は、特に、第1作動距離及び/又は第2作動距離を従来技術よりも小さくなるよう選択することを可能にする。具体的には、本発明では、一致点にあるのではなく一致点よりも第1粒子ビームコラム及び/又は第2粒子ビームコラムの著しく近くに配置した試料の試料表面の、加工及び/又は解析が行われる。その結果として、良好な分解能が、特に第2位置で第2粒子ビームによる試料表面の結像中に得られる。例として、第1作動距離は0.5mm〜12mmの範囲内にあり、この範囲の範囲限界も付随してこれに包含される。特に、約0.7mmを第1作動距離として選択することができる。さらに、例えば、第2作動距離は0.5mm〜5mmの範囲内にあるようになっており、ここでも、上記範囲の範囲限界も付随してこれに包含される。特に、約1.5mmを第2作動距離として選択することができる。第1作動距離及び第2作動距離の上記値を限定的にではなく単なる例として理解すべきであることを明確に指摘しておく。正しくは、上述の2つの作動距離の少なくとも一方について他の値を選択することも可能である。
【0021】
従来技術よりも小さな作動距離が可能であるため、本発明は、試料キャリアの第1位置及び/又は第2位置において、従来技術よりも低い加速電圧を第1粒子ビームの粒子及び/又は第2粒子ビームの粒子に用いることができる結像を行うことを可能にする。例として、750V未満の加速電圧が本発明では提供される。一致点に配置した試料表面の結像に関してこれを可能にするには、第2粒子ビームコラムを同様に備える従来技術では必ず困難が伴う。上記従来技術で良好な結像性能を得るためには、750Vを超える加速電圧を第2粒子ビームの粒子に用いるべきである。これには以下の背景がある。既知の従来技術は、集束目的で、静電素子及び磁気素子の両方を設けた対物レンズを有する。静電素子は、加速電圧が特定の範囲で(例えば、100V〜20kVの範囲で)変わり得る場合でも、常に定電圧で作動される。静電素子により、第2粒子ビームは、10mm未満の作動距離に集束される。この場合、磁気素子では、第2粒子ビームを10mmよりもさらに小さな作動距離に設定することしか可能でない。従来技術から既知のこの粒子ビーム装置の場合、700V未満の加速電圧では、第2粒子ビームを5mm未満の作動距離にしか設定できないことが分かった。しかしながら、これは、従来技術の場合に第2粒子ビームコラムから約5mmの距離に配置される一致点をはるかに下回る。結果として、既知の粒子ビーム装置の場合の第2粒子ビームは、一致点に配置した試料表面に集束されなくなる。これにより、試料表面の結像が不十分になる、すなわち鮮明でなくなる。この従来技術と比較して、本発明は、試料キャリアの第1位置及び/又は第2位置において、従来技術よりも低い加速電圧を第1粒子ビームの粒子及び/又は第2粒子ビームの粒子に用いることができる結像を行うことができるという利点を有する。
【0022】
試料が、その試料表面を第1粒子ビームコラムに向けた第1位置で、一致点よりも第1粒子ビームコラムの試料側端部から離れておらず、且つその試料表面を第2粒子ビームコラムに向けた第2位置で、一致点よりも第2粒子ビームコラムの試料側端部から離れていない場合、第1粒子ビームコラムの第1対物系及び第2粒子ビームコラムの第2対物系の両方を、第1粒子ビームコラムの試料側端部と一致点との間の距離及び第2粒子ビームコラムの試料側端部と一致点との間の距離に相当するよりも短い焦点距離で作動させることが可能である。結果として、両方の粒子ビームコラムの、又は少なくとも試料表面の解析に用いる粒子ビームコラムの対物系を、粒子ビームコラムが各粒子ビームを最大限に集束させる焦点距離、すなわち最小限の粒子プローブが試料表面に生成される焦点距離で作動させることが可能である。第1粒子ビームコラムの試料側端部及び第2粒子ビームコラムの試料側端部に対する試料キャリアの位置決めの選択は、試料キャリアに収容されて試料を試料キャリアに収容するのに用いられる試料ホルダの長さを考慮して、第1位置において、試料キャリアに収容した又は試料ホルダにより試料キャリアに収容した試料の第1粒子ビームコラムに向いた表面を、第1粒子ビームコラムが発生させた粒子プローブが最小限の直径を有する位置に位置付け、第2位置において、試料の表面を、第2粒子ビームコラムが発生させた粒子プローブが最小限の直径を有する位置に位置付けるようなものとする。
【0023】
本発明は、特に試料のシリーズ検査に適している。結果として、本発明では、試料キャリアの第2位置における試料表面の解析の完了後に、試料キャリアを第1位置に再度戻し、試料の試料表面を再度加工できるようになっている。これは、回転軸を中心とした試料キャリアの第2位置から第1位置への回転により行われる。第1位置において、第1粒子ビームにより、例として、材料を試料表面から除去するか又は材料を試料表面に塗布する。その後、試料キャリアを第2位置に再度戻し、加工済みの試料表面をそこで第2粒子ビームにより再度解析する。本発明は、第1位置と第2位置との間の変更が回転軸を中心とした試料キャリアの回転によってのみ行われ得るため、連続した試料の加工及び解析が単純且つ迅速に可能であるとい利点を有する。
【0024】
本発明の一実施形態では、付加的又は代替的に、試料表面が第1表面法線を有するようになっている。第1表面法線は回転軸と第4角度を形成し、当該第4角度は0°及び180°以外である。換言すれば、試料は、試料表面が回転軸に対して傾斜した向きになるよう試料キャリアに配置される。
【0025】
すでに上述したように、本発明による粒子ビーム装置のさらに別の実施形態では、付加的又は代替的に、試料キャリアが第2位置から第1位置に及び/又は第1位置から第2位置に回転可能であるようになっている。しかしながら、試料キャリアが第1位置から第2位置に又は第2位置から第1位置に回転可能であるだけでなく、本発明が、回転軸を中心とした試料キャリアの回転により試料キャリアを任意の位置から第1位置又は第2位置にすることも可能にすることを、明確に指摘しておく。
【0026】
本発明による粒子ビーム装置のさらに別の例示的な実施形態では、付加的又は代替的に、試料が試料キャリアの回転軸から離れて、厳密には回転軸から事前決定可能な距離で、試料キャリアに配置されるようになっている。これにより、第1作動距離及び/又は第2作動距離を画定することが可能である。この実施形態に関する検討から、例えば、第1作動距離及び/又は第2作動距離が試料(したがって同じく試料表面)と回転軸との間の距離に応じて変わることが判明した。例として、試料の配置が回転軸から遠くなるほど、第1作動距離及び/又は第2作動距離が小さくなることが分かった。例として、試料は、回転軸から約2mm〜約15mmの範囲内の距離に配置され、範囲限界も付随して包含される。しかしながら、本発明は上記範囲及びそれに含まれる値に制限されないことを明確に指摘しておく。正しくは、特定の第1作動距離及び特定の第2作動距離を得るのに適した回転軸からの任意の距離を選択することができる。
【0027】
本発明による粒子ビーム装置のさらに別の実施形態では、付加的又は代替的に、粒子ビーム装置が試料キャリアを回転軸に沿って移動させる装置を備えるようになっている。これは、試料キャリアが、粒子ビーム装置において回転軸の方向に可動に配置されるよう設計されることを意味する。したがって、回転軸を中心とした試料キャリアの回転が可能であることに加えて、回転軸に沿った試料キャリアの並進移動が可能である。この並進移動は、例えば試料表面の加工に応じて選択することができる。例として、材料を試料表面に塗布するか又は試料表面から除去する場合、試料キャリアを、試料キャリアの第2位置における試料表面が常に同一の第2作動距離にあるよう回転軸に沿って移動させる。結果として、例えば、試料表面の各加工後に試料表面への第2粒子ビームの再集束を行うことが絶対に必要というわけではない。第1の作動距離にも同じことが当てはまり、第1の作動距離は、回転軸に沿った試料キャリアの移動により同様に常に同一であり得る。
【0028】
本発明による粒子ビーム装置のさらにまた別の例示的な実施形態では、代替的又は付加的に、試料キャリアを回転軸に沿って移動させる装置を制御する、及び/又は回転軸を中心とした試料キャリアの回転を制御する少なくとも1つの制御装置が、粒子ビーム装置に配置されるようになっている。
【0029】
本発明による粒子ビーム装置のさらに別の例示的な実施形態では、付加的又は代替的に、試料キャリアが少なくとも1つの試料ホルダを有するようになっている。試料ホルダには受け面が配置され、試料が上記受け面に配置される。受け面は第2表面法線を有し、第2表面法線は回転軸と第5角度を形成し、当該第5角度は0°及び180°以外である。換言すれば、第2表面法線は回転軸と平行な向きにない。結果として、受け面は回転軸に対して傾斜して配置される。特に、付加的又は代替的に、受け面は試料キャリア表面に対しても傾斜して配置されるようになっている。絶対値に関しては、第5角度は第3角度又は第4角度と正確に対応する。
【0030】
本発明による粒子ビーム装置のさらにまた別の例示的な実施形態では、付加的又は代替的に、第1表面法線及び第2表面法線は相互に平行な向きにあるようになっている。換言すれば、試料の試料表面及び試料ホルダの受け面は、相互に平行に配置される。
【0031】
本発明による粒子ビーム装置のさらに別の例示的な実施形態では、付加的又は代替的に、本発明による粒子ビーム装置は、
第1角度は15°〜80°の範囲内にある、
第1角度は30°〜70°の範囲内にある、又は
第1角度は45°〜60°の範囲内にある、
という特徴の1つを有するようになっている。
【0032】
この場合、特許請求される範囲の範囲限界も付随してこれに包含される。本発明が上記範囲の第1角度に制限されないことを明確に指摘しておく。正しくは、第1角度は任意の適当な値をとり得る。
【0033】
本発明による粒子ビーム装置のさらにまた別の例示的な実施形態では、付加的又は代替的に、本発明による粒子ビーム装置は、
第2角度は45°〜160°の範囲内にある、
第2角度は90°〜120°の範囲内にある、又は
第2角度は100°〜110°の範囲内にある、
という特徴の1つを有するようになっている。
【0034】
この場合も、特許請求される範囲の範囲限界も付随してこれに包含される。本発明は、上記範囲の第2角度に制限されない。正しくは、第2角度は任意の適当な値をとり得る。
【0035】
本発明による粒子ビーム装置のさらに別の例示的な実施形態では、付加的又は代替的に、粒子ビーム装置は、
第3角度は1°〜80°の範囲内にある、
第3角度は10°〜60°の範囲内にある、又は
第3角度は15°〜30°の範囲内にある、
という特徴野1つを有するようになっている。
【0036】
この場合もまた、特許請求される範囲の範囲限界も付随してこれに包含される。本発明は、上記範囲の第3角度に制限されない。正しくは、第3角度は任意の適当な値をとり得る。
【0037】
さらに別の例示的な実施形態では、第3角度、すなわち試料キャリアの回転軸と第2ビーム軸との間の角度は、第1ビーム軸と第2ビーム軸との間の角度(すなわち第1角度)が90°から逸脱する値の半分に相当するようになっている。これに対応して、回転軸と第1ビーム軸との間の角度(すなわち第2角度)は、90°と、2つのビーム軸間すなわち第1ビーム軸及び第2ビーム軸間の角度が90°から逸脱する値の半分との和になる。
【0038】
本発明による粒子ビーム装置のさらにまた別の例示的な実施形態では、付加的又は代替的に、試料キャリア及び試料ホルダは一体的に具現されるようになっている。したがってこれらはユニットを形成する。その代替形態として、試料ホルダ及び試料キャリアは、適当な方法で相互に接続される別個のユニットとして具現されるようになっている。例として、試料ホルダを試料キャリアに螺合させる。しかしながら、本発明がこの接続可能性に制限されないことを明確に指摘しておく。正しくは、任意の適当な接続可能性を本発明の場合に用いることができる。
【0039】
本発明による粒子ビーム装置のさらに別の例示的な実施形態では、本発明による粒子ビーム装置は、付加的又は代替的に、
第1粒子ビームコラムはイオンビームコラムとして具現され、第2粒子ビームコラムは電子ビームコラムとして具現される、
第1粒子ビームコラムは電子ビームコラムとして具現され、第2粒子ビームコラムはイオンビームコラムとして具現される、
第1粒子ビームコラムは電子ビームコラムとして具現され、第2粒子ビームコラムは電子ビームコラムとして具現される、又は
第1粒子ビームコラムはイオンビームコラムとして具現され、第2粒子ビームコラムはイオンビームコラムとして具現される、
という特徴の1つを有するようになっている。
【0040】
本発明による粒子ビーム装置のさらに別の例示的な実施形態では、付加的又は代替的に、第1粒子ビームコラムは、第1粒子ビームを発生させる第1ビーム発生器と、第1粒子ビームを集束させる第1対物レンズとを有するようになっている。さらに、又はその代替形態として、第2粒子ビームコラムは、第2粒子ビームを発生させる第2ビーム発生器と、第2粒子ビームを試料に集束させる第2対物レンズとを有するようになっている。
【0041】
本発明による粒子ビーム装置のさらにまた別の実施形態では、粒子ビーム装置は、第1粒子ビーム及び/又は第2粒子ビームと試料との相互作用の結果として生じる相互作用粒子及び/又は相互作用放射線を検出する少なくとも1つの検出装置を備えるようになっている。
【0042】
本発明は、上記特徴の少なくとも1つを付加的に設けることができるさらに別の以下の粒子ビーム装置にも関する。このさらに別の粒子ビーム装置も同様に、第1ビーム軸が設けられる少なくとも1つの第1粒子ビームコラムを備える。第1粒子ビームコラムは、第1粒子ビームを発生させるよう設計される。さらに、本発明による粒子ビーム装置は、第2ビーム軸が設けられ第2粒子ビームを発生させるよう設計される第2粒子ビームコラムをさらに備える。第1粒子ビームコラム及び第2粒子ビームコラムは、第1ビーム軸及び第2ビーム軸が0°及び180°以外の第1角度を形成するよう相互に配置される。したがって、第1ビーム軸及び第2ビーム軸は相互に平行に配置されない。例として、第1粒子ビームコラム及び第2粒子ビームコラムは、本発明による粒子ビーム装置の試料チャンバに配置される。
【0043】
さらに、本発明による粒子ビーム装置は、回転軸を中心に回転可能な少なくとも1つの試料キャリアを備える。回転軸は、第1ビーム軸と第2角度を形成する。さらに、回転軸は、第2ビーム軸と第3角度を形成する。第2角度及び第3角度はいずれも0°及び180°以外である。換言すれば、回転軸は、第1ビーム軸とも第2ビーム軸とも平行な向きにない。さらに、例えば、回転軸は、試料キャリア表面に対して垂直に且つ/又は試料キャリアの中心を通るよう配置されるようになっている。少なくとも1つの試料を、試料キャリアに配置することができる。特に、試料は、加工対象及び/又は解析対象の試料表面を有するようになっている。
【0044】
本発明による粒子ビーム装置の試料キャリアは、第1位置に配置されるか又は第1位置に回転可能であり、第1位置では、試料キャリアに配置することができる試料の試料表面が第1ビーム軸と平行又は実質的に平行な向きにある。これに関しては上記もさらに参照されたい。さらに、試料キャリアは、第1位置から第2位置に回転可能であり、第2位置では、試料表面が第2ビーム軸に対して垂直又は実質的に垂直な向きにある。ここでも、上記をさらに参照されたい。本発明による粒子ビーム装置の第1ビーム軸及び第2ビーム軸は、一致点において交差する。
【0045】
本発明による方法は、上記特徴の少なくとも1つ又は上記特徴の少なくとも2つの組み合わせを有する粒子ビーム装置を用いる。本発明による方法は、試料の加工及び/又は解析(検査)用に設計される。この場合、解析は、試料の試料表面を結像する可能性も包含する。さらに他の解析可能性も同様に与えられ得る(上記参照)。方法は、
試料キャリアを第1位置に回転させるステップと、
試料表面を第1粒子ビームにより加工するステップであり、例えば、(例えば加工ガスを用いた)試料表面からの材料の除去、又は第2粒子ビームの(例えばイオンビームの)材料若しくはガス中に供給して第1粒子ビームを用いて堆積させた材料の塗布を含む、加工するステップと、
試料キャリアを第2位置に回転させるステップと、
試料表面を第2粒子ビームにより解析するステップと、
を含む。
【0046】
特に、本発明による方法では、試料表面の加工前に回転軸に沿って試料キャリアを移動させる。これには、試料の試料表面の加工又は解析時に試料表面が第1粒子ビームコラム及び/又は第2粒子ビームコラムに対して同じ作動距離に常に配置されることを確実にする意図がある。これに関しては上記もさらに参照されたい。
【0047】
本発明を、例示的な実施形態に基づきより詳細に後述する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】試料キャリアが第1位置にある粒子ビーム装置の概略図を示す。
【図2】試料キャリアが第2位置にある図1に示す粒子ビーム装置の概略図を示す。
【図3】第1位置及び第2位置を説明する、図1及び図2に示す粒子ビーム装置の概略図を示す。
【図4】図1〜図3に示す粒子ビーム装置により試料を加工及び/又は解析する方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1は、イオンビームコラムの形態の第1粒子ビームコラム2と、電子ビームコラムの形態の第2粒子ビームコラム3とを設けた、粒子ビーム装置1の概略図を示す。本発明が上記構成に制限されないことを明確に指摘しておく。正しくは、第1粒子ビームコラム2を電子ビームコラムとして具現することもでき、第2粒子ビームコラム3をイオンビームコラムとして具現することができる。さらに別の実施形態では、第1粒子ビームコラム2及び第2粒子ビームコラム3の両方が、それぞれ電子ビームコラムとして具現される。さらにまた別の例示的な実施形態では、第1粒子ビームコラム2及び第2粒子ビームコラム3の両方がそれぞれイオンビームコラムとして具現されるようになっている。
【0050】
第1粒子ビームコラム2は、例えば液体金属イオン源又はガスイオン源として具現されるイオン源4を有する。イオン源4は、第1粒子ビームコラム2内でイオンビームを形成するイオンを発生させる。イオンは、イオンビーム電極5により事前決定可能な電位に加速され、続いて第1コンデンサレンズ6を通して誘導される。
【0051】
第1粒子ビームコラム2の図示の実施形態では、最初に1種類のイオンのみを発生させるようになっている。イオンは、イオン化原子又はイオン化分子として具現される。例として、ガリウムイオンのみ、ケイ素イオンのみ、又は金イオンのみを発生させる。しかしながら、本発明は、上記種類のイオンに制限されない。正しくは、試料の加工及び/又は解析に適した任意の種類のイオンを用いることが可能である。
【0052】
第1粒子ビームコラム2のさらに別の実施形態は、第2に、異なる質量及び/又は異なる素電荷数を有する各種イオンをイオン源4により発生させるようになっている。したがって、例として、各種イオンは、複数の以下の元素のイオンを含む又は含有するようになっている:ガリウム(Ga),ケイ素(Si)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、ゲルマニウム(Ge)、インジイウム(In)、すず(Sn)、金(Au)、銀(Ag)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、ネオジミウム(Nd)、セシウム(Cs)、砒素(As)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、及びキセノン(Xe)。イオンは、この場合も、イオン化原子として又はイオン化分子として具現される(例えば、AuSi又はAuSi2+)。例として、イオン発生のこの実施形態では、第1粒子ビームコラム2が、イオン源4から見て第1コンデンサレンズ6の下流に配置したウィーンフィルタ7を有するようになっている。ウィーンフィルタ7は、非常に具体的な質量及び/又は非常に具体的な素電荷数を有するイオンがイオンビームを形成する各種イオンから選択され得るように、電場及び磁場の両方を提供する。これらの選択されたイオンのみがイオンビーム中に残り、続いて加工対象及び/又は処理対象の試料8の方向に誘導される。選択されないイオンは、イオンビームから適宜抑制される。
【0053】
イオンビームは、開口9を通して誘導され、第1対物レンズ10により試料8に集束される。第1電極構成体11及び第2電極構成体12が、走査装置として用いられる。イオンビームは、第1電極構成体11及び第2電極構成体12により試料8にわたって走査される。
【0054】
すでに上述したように、第2粒子ビームコラム3は、電子ビームコラムとして具現される。ここで図示する例示的な実施形態では、第2粒子ビームコラム3は、走査型電子顕微鏡として具現される。第2粒子ビームコラム3は、第1電極14により引き出される電子を発生させる電子源13を有する。電子は、第2電極15により事前決定可能な電位に加速される。電子は、続いて第2コンデンサレンズ16を通して案内され、それにより電子ビームが整形される。電子ビームは、第2対物レンズ17により試料8に集束され、第2対物レンズ17についてはさらにより詳細に後述する。第2対物レンズ17に配置した走査電極(図示せず)が、電子ビームを試料8にわたって確実に走査できるようにする。
【0055】
電子ビームが試料8に衝突すると、相互作用粒子、特に二次電子及び後方散乱電子が生じる。これらは、第1検出器18及び第2検出器19により検出され、結像に用いられる。したがって、試料8の表面の結像が可能である。粒子ビーム装置1がさらに他の検出器装置を有してもよいことを明確に指摘しておく。
【0056】
第1粒子ビームコラム2及び第2粒子ビームコラム3はいずれも、粒子ビーム装置1の試料チャンバ20に配置される。第1粒子ビームコラム2は第1ビーム軸21を有する。これに対して、第2粒子ビームコラム3は第2ビーム軸22を有する。ここで図示する例示的な実施形態では、第2ビーム軸22は垂線に対応する。第1粒子ビームコラム2及び第2粒子ビームコラム3は、第1ビーム軸21及び第2ビーム軸22が0°及び180°以外の第1角度W1を形成するよう試料チャンバ20に配置される。例として、第1角度W1は、15°〜80°の範囲内、又は30°〜70°の範囲内、又は代替的に45°〜60°の範囲内にある。一実施形態では、第1角度W1を約54°とする。第1ビーム軸21及び第2ビーム軸22は、一致点23において交差し、これについてはさらにより詳細に後述する。
【0057】
試料キャリア24が、粒子ビーム装置の試料チャンバ20内に配置され、この試料キャリアは、回転軸25に対して対称に具現される。試料キャリア24は、回転軸25を中心に回転可能であるよう具現される。制御装置26が、回転軸25を中心とした試料キャリア24の回転を制御するために設けられ、この制御装置は、試料キャリア24に接続される。
【0058】
試料キャリア24は、試料キャリア24を回転軸25に沿って移動させることができる移動装置27を有する。したがって、移動装置27は、試料キャリア24を回転軸25に沿って並進移動させる。さらに、試料キャリア24を移動装置27により(例えば、相互に垂直に配置した)3方向に(例えば、x軸、y軸、及びz軸に沿って)移動させることができる可能性がある。これら3方向のそれぞれは、試料キャリア24を可動にする各並進軸に沿って延びる。
【0059】
試料キャリアの回転軸25は、第1ビーム軸21と第2角度W2を形成するような向きである。第2角度W2は0°及び180°以外である。例として、第2角度W2は、45°〜160°の範囲内、又は90°〜120°の範囲内、又は100°〜110°の範囲内にある。ここで図示する例示的な実施形態では、第2角度W2は約108°である。
【0060】
回転軸25は、第2ビーム軸22とも角度を、すなわち第3角度W3を形成する。第3角度W3も同じく0°及び180°以外である。例として、第3角度W3は、1°〜80°の範囲内、又は10°〜60°の範囲内、又は代替的に15°〜30°の範囲内にある。ここで図示する例示的な実施形態では、第3角度W3は約18°である。
【0061】
試料ホルダ29が、試料キャリア24の試料キャリア表面28に配置される(図3も参照)。ここで図示する例示的な実施形態では、試料ホルダ29及び試料キャリア24は別個のユニットとして具現される。例として、試料ホルダ29は、ねじ接続の形態の固定装置により試料キャリア24に接続される。代替的な実施形態では、試料ホルダ29が試料キャリア24に一体形成されるようになっている。
【0062】
さらに別の代替的な実施形態では、試料ホルダ29は、回転軸25から半径方向に種々の距離Xで配置及び固定することができるようになっている。距離Xが増加すると、試料キャリア24の第1位置における試料表面32と第1粒子ビームコラム2の第1対物レンズ10との間の距離と、試料キャリア24の第2位置における試料表面32と第2粒子ビームコラム3の第2対物レンズ17との間の距離WD(作動距離WD)との両方が減少する。したがって、試料キャリア24の試料キャリア表面28における試料ホルダ29の半径方向の位置決めにより、低い高電圧(low high voltages)での結像特性(例えば分解能)又は作動を可能にするために作動距離WDを設定することができる。
【0063】
試料ホルダ29には受け面30が設けられ、これは試料キャリア表面29に対して傾斜して配置される。受け面30は、回転軸25と第4角度W4を形成する第2表面法線31を有する。図1〜図3に示す例示的な実施形態では、第4角度W4は約18°である。
【0064】
試料8は、試料表面32が受け面30と平行に配置されるよう受け面30に配置される。この例示的な実施形態では、試料表面32の第1表面法線は、第2表面法線31に対応する。しかしながら、本発明がこの実施形態に制限されないことを明確に指摘しておく。正しくは、試料表面32が受け面30と平行に配置されない実施形態も提供される。しかしながら、これらの実施形態でも、試料表面32をビーム軸21と平行又は実質的に平行な向きにすることが可能である。
【0065】
図1に示す粒子ビームシステムの場合、角度に関して以下の関係が満たされる。
W3=(90°−W1)/2 (1)
W2=90°+W3 (2)
【0066】
図3に示す実施形態では、試料ホルダ29は、試料8を受ける役割を果たす試料ホルダ29の受け面30の形態の第2粒子ビームコラム3に面した表面が第2ビーム軸22に対して垂直な向きにあるように、すなわち、第2粒子ビームコラム3に面した表面に対する表面法線が第2ビーム軸22と平行な向きにあるように、試料キャリア24上に方向付けて具現及び配置される。
【0067】
図1は、試料キャリア24を第1位置で示す。この第1位置では、試料8の試料表面32は、第1ビーム軸21と平行な向きにある。図2は、図1に従った粒子ビーム装置1を示す。したがって、同一の構造部分には同じ参照符号を設けてある。図1とは対照的に、図22では、試料キャリア24を第2位置で示し、第2位置では、試料8の試料表面32が第2ビーム軸22に対して垂直な向きにある。図3は、試料キャリア24の第1位置(破線で示す)及び試料キャリア24の第2位置(実線)の簡略概略図を示す。
【0068】
次に、粒子ビーム装置1を用いる方法を以下で説明する。さらに、本発明の特定の特性及び利点もより詳細に以下で説明する。
【0069】
方法ステップの例示的なフローチャートを図4に示す。ステップS1において、試料キャリア24を図1に従った第1位置にする。一実施形態では、これは、回転軸25を中心とした試料キャリア24の回転によってのみ行われる。さらに別の実施形態では、試料キャリア24の位置を、試料表面32が第1ビーム軸22と平行な向きにあるように制御装置26により必要に応じて設定することができる。
【0070】
第1位置において、試料8の試料表面32を第1粒子ビーム(イオンビーム)により加工する(ステップS2)。例として、第1位置において、材料を試料表面32から除去するか又は試料表面32に塗布する。
【0071】
その後、試料キャリア24を第1位置から第2位置にする(図2及び図3を参照)。これは、回転軸25を中心とした試料キャリア24の回転によってのみ行われる(ステップS3)。上述のように、第2位置における試料8の試料表面32は、常に第2ビーム軸22に対して垂直又は概ね垂直な向きにある。次に、第2位置において、加工済みの試料表面32を、電子ビームの形態の第2粒子ビームにより解析する(ステップS4)。特に、ステップS4では、加工済みの試料表面32を第2粒子ビームにより結像させる。この目的で、第1検出器18及び第2検出器19が、電子ビームが試料表面32に衝突すると電子ビームと試料表面32との相互作用の結果として生じる相互作用粒子(例えば、二次電子及び/又は後方散乱電子)を検出する。さらに、又はその代替形態として、例えば、第2粒子ビームが試料表面32に衝突すると生じる相互作用放射線(例えば、カソードルミネッセンス又はX線放射線)を検出して評価するようにもなっている。
【0072】
その後、試料8を改めて加工及び解析するか否かを判断する(ステップS5)。改めて加工及び解析しない場合、方法をステップS7において終了する。改めて加工及び解析する場合、さらに次のステップS6において、試料キャリア24を移動装置27により回転軸25に沿って移動させる。その後、ステップS1〜S5を繰り返す。
【0073】
したがって、本発明は、試料8のシリーズ検査に適している。試料キャリア24の第1位置と第2位置との間の変更を、回転軸25を中心とした試料キャリア24の回転により行うことができるため、連続した試料8の処理及び解析が単純且つ迅速に可能である。第2位置における試料表面32が第2ビーム軸22に対して垂直な向きにあるため、良好な結像特性が得られる。回転軸25を中心とした試料キャリア24の回転以外の移動は絶対に必要というわけではない。しかしながら、図4に示す例示的な実施形態では、説明したように、ステップS6で試料キャリア24を、したがって試料8を回転軸25に沿って移動させる。この並進移動は、例えば試料表面32の加工に応じて選択することができる。さらに別の実施形態では、第1位置も、回転軸25に沿った上記並進移動に加えて且つ/又はその代替形態として並進軸に沿った試料キャリア24の移動により設定されるようにすることができる。
【0074】
例として、材料を試料表面32に塗布するか又は試料表面32から除去する場合、試料表面32が試料キャリア24の第1位置において、第1粒子ビームコラム2の第1対物レンズ10の形態の第1端部から同一の第1距離(第1作動距離)にあるように、試料キャリア24を回転軸25及び/又は並進軸に沿って移動させる。さらに、試料キャリア24を、試料キャリア24の第2位置において、第2粒子ビームコラム3の第2対物レンズ17の形態の第2端部から同一の第2距離WD(第2作動距離WD)を常にとるように移動させる。結果として、例えば、試料表面32の各加工後に試料表面32への第2粒子ビームの再集束を行うことが絶対に必要というわけではない。しかしながら、本発明の一実施形態では、それにもかかわらず僅かな再集束を実行することは実際には除外されない。
【0075】
本発明は、試料キャリア24の単一移動により、すなわち回転軸25を中心とした第1位置から第2位置への試料キャリア24の回転により、試料8の試料表面32を第2ビーム軸22に対して垂直な向きにできるという利点を有する。さらなる移動は絶対に必要というわけではない。
【0076】
粒子ビーム装置1の場合、第1作動距離及び/又は第2作動距離は、従来技術と比較して、一致点23と第1粒子ビームコラム2及び/又は第2粒子ビームコラム3との間の距離よりも小さい。本発明では、試料8の試料表面32の加工及び/又は解析が、一致点23ではなく、一致点23よりも第1粒子ビームコラム2及び/又は第2粒子ビームコラム3の著しく近くに配置した点で行われるようになっている。その結果として、従来技術の場合よりも良好な分解能が、特に第2位置で第2粒子ビームによる試料表面32の結像中に得られる。
【0077】
例として、第1作動距離は0.5mmから12mmの範囲内にあり、この範囲の範囲限界も付随してこれに包含される。特に、約1.0mmを第1作動距離として選択することができる。さらに、例えば、第2作動距離が0.5mm〜5mmの範囲内にあるようにし、上記範囲の範囲限界も付随してこれに包含される。特に、約1.5mmを第2作動距離として選択することができる。第1作動距離及び第2作動距離の上記値を限定的にではなく単なる例として理解すべきであることを明確に指摘しておく。正しくは、上述の2つの作動距離の少なくとも一方について他の値を選択することも可能である。
【0078】
従来技術よりも小さな作動距離が可能であるため、本発明は、試料キャリア24の第1位置及び/又は第2位置において、従来技術よりも低い加速電圧を第1粒子ビームの粒子及び/又は第2粒子ビームの粒子に用いることができる結像を行うことを可能にする。例として、750V未満の加速電圧が、第2粒子ビームの粒子を用いて本発明では提供される。このように低い加速電圧でも、本発明により得ることができる作動距離であれば、十分に良好な結像を依然として得ることができる。一致点に配置した試料表面の結像に関してこれを可能にするには、第2粒子ビームコラムを同様に備える従来技術では必ず困難が伴う。
【0079】
本発明を、電子ビームコラム(第2粒子ビームコラム3)を試料表面32の解析に用いる例示的な実施形態に基づき上述した。その代替形態として、本発明の一実施形態では、試料表面32又は試料8の解析のために、イオンコラム、特にガス電界イオン顕微鏡として具現される装置を用いることが可能であり、この装置では、ガス原子を放出先端の静電場においてイオン化し、こうして形成したイオンを続いてイオンビームに整形し、このイオンビームを続いてイオンプローブとして試料表面32に集束させることにより、第2粒子ビームを発生させる。
【0080】
試料表面32を加工する役割を果たす第1粒子ビームコラム2も、ガス電界イオンコラムとして具現することができる。この場合、試料表面32を解析する役割を果たす第2粒子ビームコラム3は、ヘリウムイオン等の比較的小さな原子質量を有するイオンで作動させるべきであり、試料表面32を加工する役割を果たす第1粒子ビームコラム2は、アルゴンイオン、ネオンイオン、又はクリプトンイオン等の比較的大きな原子質量を有するイオンで作動させるべきである。
【符号の説明】
【0081】
1 粒子ビーム装置
2 第1粒子ビームコラム(イオンビームコラム)
3 第2粒子ビームコラム(電子ビームコラム)
4 イオン源
5 イオンビーム電極
6 第1コンデンサレンズ
7 ウィーンフィルタ
8 試料
9 開口
10 第1対物レンズ
11 第1電極構成体
12 第2電極構成体
13 電子源
14 第1電極
15 第2電極
16 第2コンデンサレンズ
17 第2対物レンズ
18 第1検出器
19 第2検出器
20 試料チャンバ
21 第1ビーム軸
22 第2ビーム軸
23 一致点
24 試料キャリア
25 回転軸
26 制御装置
27 移動装置
28 試料キャリア表面
29 試料ホルダ
30 受け面
31 第1/第2表面法線
32 試料表面
W1 第1角度
W2 第2角度
W3 第3角度
W4 第4角度
WD 第2距離/第2作動距離
X 試料ホルダと回転軸との間の距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子ビーム装置(1)であって、
第1ビーム軸(21)を有し第1粒子ビームを発生させるよう設計される少なくとも1つの第1粒子ビームコラム(2)と、
第2ビーム軸(22)を有し第2粒子ビームを発生させるよう設計される少なくとも1つの第2粒子ビームコラム(3)であり、前記第1粒子ビームコラム(2)及び前記第2粒子ビームコラム(3)は、前記第1ビーム軸(21)及び前記第2ビーム軸(22)が0°及び180°以外の第1角度(W1)を形成するように相互に配置される、第2粒子ビームコラム(3)と、
回転軸(25)を中心に回転可能な少なくとも1つの試料キャリア(24)であり、前記回転軸(25)は前記第1ビーム軸(21)と第2角度(W2)を形成し、前記回軸(25)は前記第2ビーム軸(22)と第3角度(W3)を形成し、前記第2角度(W2)及び前記第3角度(W3)はいずれも0°及び180°以外であり、加工対象及び/又は解析対象の試料表面(32)を有する少なくとも1つの試料(8)を、前記試料キャリア(24)に配置することができる、少なくとも1つの試料キャリア(24)と、
を備え、前記試料キャリア(24)は第1位置に配置され、
前記試料キャリア(24)は、前記第1位置から、試料表面(32)が前記第2ビーム軸(22)に対して垂直な向きにある第2位置に回転可能であり、前記第1位置における前記試料表面(32)は前記第1ビーム軸(21)と平行な向きにあり、
前記第1ビーム軸(21)及び前記第2ビーム軸(22)は一致点(23)において交差し、
前記第1位置において、前記一致点(23)と前記第1粒子ビームコラム(2)との間の距離は、前記試料表面(32)と前記第1粒子ビームコラム(2)との間の距離よりも大きく、且つ/又は前記第2位置において、前記一致点(23)と前記第2粒子ビームコラム(3)との間の距離は、前記試料表面(32)と前記第2粒子ビームコラム(3)との間の距離よりも大きい粒子ビーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載の粒子ビーム装置(1)において、
加工対象及び/又は解析対象の試料表面を有する少なくとも1つの試料(8)が、前記試料キャリアに配置され、
前記試料表面(32)は第1表面法線(31)を有し、
該第1表面法線(31)は前記回転軸(25)と第4角度(W4)を形成し、該第4角度は0°及び180°以外である粒子ビーム装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の粒子ビーム装置(1)において、前記試料キャリア(24)は前記第2位置から前記第1位置に回転可能である粒子ビーム装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の粒子ビーム装置(1)において、前記試料(8)は、前記試料表面(32)と前記第1粒子ビームコラム(2)との間の第1作動距離を画定するため及び前記試料表面(32)と前記第2粒子ビームコラム(3)との間の第2作動距離を画定するために、前記試料キャリア(24)の前記回転軸(25)から事前決定可能な距離で前記試料キャリア(24)に配置される粒子ビーム装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の粒子ビーム装置(1)において、該粒子ビーム装置(1)は、試料キャリア(24)を前記回転軸(25)に沿って移動させる移動装置(27)を備える粒子ビーム装置。
【請求項6】
請求項5に記載の粒子ビーム装置(1)において、該粒子ビーム装置(1)は、前記移動装置(27)を制御する、及び/又は前記回転軸(25)を中心とした前記試料キャリア(24)の回転を制御する少なくとも1つの制御装置(26)を備える粒子ビーム装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の粒子ビーム装置(1)において、
前記試料キャリア(24)は少なくとも1つの試料ホルダ(29)を有し、
該試料ホルダ(29)は前記試料(8)を配置する受け面(30)を有し、
該受け面(30)は第2表面法線(31)を有し、該第2表面法線(31)は前記回転軸(25)と第5角度を形成し、該第5角度は0°及び180°以外である粒子ビーム装置。
【請求項8】
請求項7に記載の粒子ビーム装置(1)において、前記第1表面法線(31)及び前記第2表面法線(31)は、相互に平行な向きにあるか又は同一である粒子ビーム装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の粒子ビーム装置(1)において、前記粒子ビーム装置(1)は、
前記第1角度(W1)は15°〜80°の範囲内にある、
前記第1角度(W1)は30°〜70°の範囲内にある、又は
前記第1角度(W1)は45°〜60°の範囲内にある、
という特徴の1つを有する粒子ビーム装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の粒子ビーム装置(1)において、該粒子ビーム装置(1)は、
前記第2角度(W2)は45°〜160°の範囲内にある、
前記第2角度(W2)は90°〜120°の範囲内にある、又は
前記第2角度は(W2)100°〜110°の範囲内にある、
という特徴の1つを有する粒子ビーム装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の粒子ビーム装置(1)において、該粒子ビーム装置(1)は、
前記第3角度(W3)は1°〜80°の範囲内にある、
前記第3角度(W3)は10°〜60°の範囲内にある、又は
前記第3角度(W3)は15°〜30°の範囲内にある、
という特徴野1つを有する粒子ビーム装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の粒子ビーム装置(1)において、
前記第3角度(W3)は、前記第1角度(W1)が90°から逸脱する値の半分に相当し、
前記第2角度(W2)は、90°と前記第1角度(W1)が90°から逸脱する値の半分との和に相当する粒子ビーム装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の粒子ビーム装置(1)において、前記試料キャリア(24)及び前記試料ホルダ(29)は一体的に具現される粒子ビーム装置。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の粒子ビーム装置(1)において、前記粒子ビーム装置(1)は、
前記第1粒子ビームコラム(2)はイオンビームコラムとして具現され、前記第2粒子ビームコラム(3)は電子ビームコラムとして具現される、
前記第1粒子ビームコラム(2)は電子ビームコラムとして具現され、前記第2粒子ビームコラム(3)はイオンビームコラムとして具現される、
前記第1粒子ビームコラム(2)は電子ビームコラムとして具現され、前記第2粒子ビームコラム(3)は電子ビームコラムとして具現される、又は
前記第1粒子ビームコラム(2)はイオンビームコラムとして具現され、前記第2粒子ビームコラム(3)はイオンビームコラムとして具現される、
という特徴の1つを有する粒子ビーム装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の粒子ビーム装置(1)において、該粒子ビーム装置(1)は、
前記第1粒子ビームコラム(2)は、第1粒子ビームを発生させる第1ビーム発生器(4)及び前記第1粒子ビームを前記試料(8)に集束させる第1対物レンズ(10)を有する、又は
前記第2粒子ビームコラム(3)は、第2粒子ビームを発生させる第2ビーム発生器(13)及び前記第2粒子ビームを前記試料(8)に集束させる第2対物レンズ(17)を有する、
という特徴の少なくとも一方を有する粒子ビーム装置。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の粒子ビーム装置(1)において、該粒子ビーム装置(1)は、前記第1粒子ビーム及び/又は前記第2粒子ビームと前記試料(8)との相互作用の結果として生じる相互作用粒子及び/又は相互作用放射線を検出する少なくとも1つの検出装置(18、19)を備える粒子ビーム装置。
【請求項17】
粒子ビーム装置(1)であって、
第1ビーム軸(21)を有し第1粒子ビームを発生させるよう設計される少なくとも1つの第1粒子ビームコラム(2)と、
第2ビーム軸(22)を有し第2粒子ビームを発生させるよう設計される少なくとも1つの第2粒子ビームコラム(3)であり、前記第1粒子ビームコラム(2)及び前記第2粒子ビームコラム(3)は、前記第1ビーム軸(21)及び前記第2ビーム軸(22)が0°及び180°以外の第1角度(W1)を形成するように相互に配置される、第2粒子ビームコラム(3)と、
回転軸(25)を中心に回転可能な少なくとも1つの試料キャリア(24)であり、前記回転軸(25)は前記第1ビーム軸(21)と第2角度(W2)を形成し、前記回軸(25)は前記第2ビーム軸(22)と第3角度(W3)を形成し、前記第2角度(W2)及び前記第3角度(W3)はいずれも0°及び180°以外であり、加工対象及び/又は解析対象の試料表面(32)を有する少なくとも1つの試料(8)を、前記試料キャリア(24)に配置することができる、少なくとも1つの試料キャリア(24)と、
を備え、前記試料キャリア(24)は第1位置に配置され、
前記試料キャリア(24)は、前記第1位置から、試料表面(32)が前記第2ビーム軸(22)に対して垂直な向きにある第2位置に回転可能であり、前記第1位置における前記試料表面(32)は前記第1ビーム軸(21)と平行な向きにあり、
前記第1ビーム軸(21)及び前記第2ビーム軸(22)は一致点(23)において交差する粒子ビーム装置。
【請求項18】
試料(8)を加工及び/又は解析する方法であって、請求項1〜17のいずれか1項に記載の粒子ビーム装置(1)を用いる方法において、
試料キャリア(24)を回転軸(25)を中心に第1位置に回転させるステップと、
試料表面(32)を第1粒子ビームにより加工するステップと、
前記試料キャリア(24)を前記回転軸(25)を中心に第2位置に回転させるステップと、
前記試料表面(32)を第2粒子ビームにより解析するステップと、
を含む方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、前記試料キャリア(24)を、前記試料表面(32)の加工前に前記回転軸(25)に沿って移動させる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−146659(P2012−146659A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−2595(P2012−2595)
【出願日】平成24年1月10日(2012.1.10)
【出願人】(504020452)カール・ツァイス・エヌティーエス・ゲーエムベーハー (36)
【氏名又は名称原語表記】Carl Zeiss NTS GmbH
【Fターム(参考)】