説明

試料を採取、処理及び分析するためのアセンブリ

【課題】試料収集、処理及び分析アセンブリを提供する。
【解決手段】少量の体液、体物質及び体分泌物を試験可能なように形成される。1つの部材から構成される注射器型アセンブリを備え、注射器型アセンブリは、容量分析可能に目盛付けされた導管部を備え、この導管部は、開口した端部を有する。注射器型アセンブリは、フィルタ膜を備え、フィルタ膜は、導管部と注射器型アセンブリの接合部において、導管部端部の上方に固定される。瓶は略気密に保たれ、穿孔可能な材料でシールされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少量の体液、体物質及び体分泌液の検査を行うための採取、処理及び分析アセンブリに関する。体液、体物質及び体分泌液とは、たとえば血液及び血液製剤、尿、汗、涙、心嚢液、腹水、胸膜液、脳脊髄液、胃液、呼吸分泌物、精液、滑液、嘔吐物、創傷及び潰瘍排膿、羊水又は唾液などである。その後の分析において、本発明はさらに、試料を調製しかつ処理するためのアセンブリを使用する方法に関する。この試料は、特定のマーカを分析しかつ測定するためのものであるが、必ずしもこれらに限定されるものではなく、病原菌、病原菌生成物、生物製剤、ホルモン、生理的成分、生化学的検査、臨床実験、診断学的検査、薬物又は薬物代謝産物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、体内に器具を挿入することなく体液を臨床サンプリングする方法についての関心が高まりつつある。採取された体液は、多種多様な化学的物質及び生物学的物質の検出に用いられる。このことは主に、分析的技術が向上した結果である。多くの生理学的研究対象物及び/又は病理学的研究対象物の組成物(病原体、生物製剤、代謝産物、薬物など)が、血液及び血液製剤の試料に含まれる。体内に器具を挿入しない方法(たとえば静脈穿刺など)を用いて得られるこれらの組成物はまた、他の体物質、体分泌液又は体液(たとえば尿、汗、涙、呼吸分泌物、精液、嘔吐物、創傷及び潰瘍排膿又は唾液など)にも含まれている。これらの組成物は、危険性をあまり伴うことなくより簡単に得ることができる。さらには、血液及び血液製剤の使用時であっても、対象物の様々な生成物の濃度を計測するのに必要な血液量は、様々な人から採取した血液量と比較した場合、相対的に少量となる。
【0003】
加えて、唾液及び尿のサンプルは一部の組成物の生理学的な影響力を検査するのに有用である。このことは、最近大麻を使用したか否かを証明するのに用いる尿のサンプルと唾液のサンプルの実用性を比較することにより、明らかにされる。大麻は、その最終使用時から最長で40日間、尿中で検出することができる。一方で、唾液が大麻を使用したという証拠を示すのは48時間内に限られる。このことから、最近薬物を使用したか否かを検知するのに、唾液のサンプルは尿のサンプルと比較すると極めて有用である。
【0004】
体液のサンプリング及び検査は典型的に4つの段階を伴う。この4つの段階とは、(1)サンプル収集、(2)収集物からのサンプル抽出、(3)分析用試薬を用いたサンプル反応及び(4)生理的活性物質又は病理的活性物質の検知及び/又は測定である。
【0005】
過去において、体内に器具を挿入しない方法による体液サンプルの収集は、一般的に消毒綿、吸収紙及び吸収パッドなどの道具を使用することにより行われていた。これらの道具は液体サンプルを吸収するのに使用されている。いったん収集が行われると、これらの道具は容器内に置かれる。この容器内においてサンプルは適切な溶媒へと抽出される。この抽出には、機械的かくはんの有無に関わらず、拡散という手段を用いる。単独の拡散によりサンプル抽出を行う場合、その速度は極めて遅く通常数分間を要する。かくはんを用いてこの工程を迅速化する場合、サンプルとともに抽出した液体に綿線維又は紙繊維などの異物が混入する可能性がある。またこれらの異物は、上記段階3において試薬反応を行う前に除去される必要がある。
【0006】
液体に関する化学的分析及び生化学的分析は、昔から特殊な研究室で行われている。分析化学で用いられる古典的方法は、徐々に自動化した分析方法に代替されつつある。この自動化した分析方法とは、検査サンプルに明確な処理を施すために設計されている。これらの手順は依然として、特殊な集積器具の操作に長けている技術者らによって、極めて特殊な施設において行われている。
【0007】
医学的診断を行うために、これらの特殊な医学的検査研究室に収集され送られた検査サンプルとしては、一般的にチューブ、バイアル瓶又は容器内に収集された検査サンプルが挙げられる。これらのチューブ、バイアル瓶あるいは容器は、いずれの部分においても5ミリリットルから約20ミリリットルの液体サンプルを保持する。特定量の検査サンプル(典型的には収集された量に対してごくわずかな量を必要とする)が、直ちに使用されるか又は順序化された検査の測定のため遠心分離機にかけられた後に使用される。残りの試料は、生物学的有害物質として廃棄する。
【0008】
本発明の目的は、液体状試料を収集するための複数のアセンブリを提供することである。この液体状試料の量は、検査を3回行える程度に十分な量である。過度の量の液体状試料の収集を回避し、その大部分を最終的に廃棄することを防止する。具体的に述べると、基本ユニットは、単一の部材からなる注射器型の容器である。この注射器型の容器は、本発明に従って多種多様な形態のアセンブリにされる。本発明による多種多様なアセンブリとは、分析を行うための液体状試料を収集できるように設計されており、この液体状試料の収集には開口した導管部(毛細管部)を用いる。この基本ユニットはさらに処理要素を含み、この処理要素は、収集したサンプルを希釈及びろ過する。さらにこの基本ユニットは、必要に応じて分析的手段を提供し、この分析的手段は特定の検査を分析及び実施するために用いられる。
【0009】
通常の医療検査である血液採取は、一般的には静脈穿刺を用いて行う。さらに5ミリリットル乃至20ミリリットルにわたる各種量の血液が、ワクシニアチューブ内に収集される。ワクシニアチューブは色分けされた止め具を有する。静脈穿刺などのあらゆる血管内皮の損傷は、強力な刺激となり血栓を形成する。血管壁の内側に形成されている正常な内皮細胞は、血栓形成の防止において重要な役割を果たす。内皮細胞は、血流、つまり血小板凝集及び凝固カスケードを調整するのに代謝的に活性である。内皮細胞表面の損傷は、結果として非対抗性平滑筋収縮及び血管痙攣を引き起こす。このことは血栓形成の段階を生じさせ、さらには静脈穿刺を用いて血液を採取することを困難にする。化学療法中の一部の患者において、静脈穿刺を用いた血液採取は実質的に不可能である。このことは、薬物濃度の測定を困難にしている。
【0010】
一般的に多くの分析手順及び分析装置が、体液検査に用いられており、この体液検査は、診断価値を示す物質の存在を明らかにするために行われている。血液及び尿は、最も高い頻度で検査されている体液である。体液検査としての血液が有する利点は、多くの場合分析物が比較的高濃度であるとともに、これらの濃度を測定することにより患者の健康状態についての情報を得ることができる点である。
【0011】
血液に影響を及ぼす成分(たとえば薬物又はホルモンなど)が尿生成中に濃縮する場合、尿は診断学的検査において有用である。しかしながら、尿中における分析物の凝縮は、通常は血液中に存在する分析物の生理学的活性量には反映しない。
【0012】
一般的には利用されていないが、多数の研究が唾液及びその他の種類の口腔液から信頼性のあるサンプルを得ることができることを証明している。このサンプルは診断試験を行うために用いられ、多種多様な人間及び動物の病原菌に対する特異的な抗体及び抗原を含有する。口腔液は、また自然に分泌されるホルモンの体内濃度及び治療薬剤並びに他の薬剤の体内濃度を測定するのに有用であることも示している。口腔液の場合は、血液採取のように専門的な瀉血専門医は必要とされない。しかし特別な措置が必要とされる。この措置とは、収集におけるプライバシーの保護及びサンプルの保管を目的としている。尿においても、口腔液と同じ措置を必要とする。口腔液のサンプルの収集は、血液が付着した針及びチューブに手を触れるという危険性を伴わない。
【0013】
実質的には、血球の成分(ヘモグロビンなど)を分析するのに用いられるサンプルは、すべてチューブ内に収集される。このチューブは、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)であるカリウム塩及びナトリウム塩を含む。EDTAは、強力なカルシウムキレート剤であり、効果的な抗凝血剤としての機能を果たす。この抗凝血剤は、凝固系の活性及びフィブリン塊の生成を阻害する。凝血塊のサンプルは、液体成分の分析には適さない。ヘパリンは、希釈誤差を誘発することなく抗凝血剤として使用することができる。しかし残念なことに、ヘパリンは血小板凝集及び白血球凝集を引き起こし、このことは正確な細胞計数を測定する上で障害となる。これらの理由により、クエン酸及びヘパリンが、血液サンプル収集において通常用いられることはない。
【0014】
競合タンパク質結合アッセイ又は特異的結合アッセイの分野は、大幅に拡大しつつある。これに伴い、診断学的分野における競合タンパク質結合アッセイ又は特異的結合アッセイの分野の重要性が認識されてきている。特異的化合物を検知することができる能力又は化合物を量的に測定することができる能力は、多種多様な薬の投与の測定、多種多様なホルモン中の平衡失調の測定、生理活性タンパク質の定量化及び病原体の検知を通しての疾病診断を可能としている。単離工程、標識化により増強されたシグナル特性、溶液中又は表面上におけるシグナルの増強及び定量の測定方法において、様々な技術が分類されている。様々な生化学的手段及び免疫学的手段が、科学的文献並びに米国特許第4900663号、米国特許第4999285号、米国特許第5030558号、米国特許第5039607号及び米国特許第5935864号において示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第4900663号
【特許文献2】米国特許第4999285号
【特許文献3】米国特許第5030558号
【特許文献4】米国特許第5039607号
【特許文献5】米国特許第5935864号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
米国特許第5935864号(‘864特許)は、内蔵ユニットについて述べている。この内蔵ユニットは、液体状試料に対して収集及び分析を行うことを目的とする。さらにこの内蔵ユニットは、試料容器を備えており、この試料容器は、開口した上端部及び開口した導管部端部を有する。またこの検査サンプル容器は、底の無いキャピラリーと蓋の無いキャピラリーとの間に配されたチャンバを備える。このチャンバは、その内部に分析的な検査を行うための装置を備える。さらにバイアル瓶は密封した末口を備える。この末口は、試料容器の底部が入り込むように、あらかじめ選択された大きさを有する。この時、導管部端部が貫通したことにより、ほぼ気密状態となる。本明細書中において、この参照はその全体に組み込まれている。しかしながら、記載の内蔵ユニットはいくつかの不利点を有する。この不利点とは、導管部端部において、凝血を防ぐための被覆加工がなされていない点である。このことにより、いったんサンプルが導管部端部内に取り込まれると、手術者又は専門家が分析を行うために急いで移動する必要を生じさせる。急いで移動しなければ、血液がキャピラリ先端部内で凝固することになるからである。
【0017】
記載の内蔵ユニットの別の不利点は、試験紙に接触する前にサンプルをフィルタにかける手段がない点である。この点によりサンプルは、汚染物質及び粒状物質を含むことになる。さらに、この汚染物質及び粒状物質は、検査の対象である成分の分析を妨げる。
【0018】
記載の内蔵ユニットのさらなる不利点は、容器の開口部において試験紙を支持するための支持キャップがない点である。これにより、チューブを上下逆さまにし、吸収作用によってだけではなく重力によってもサンプルが試験紙に沿って移動することはできない。
【0019】
‘864号特許に記載の内蔵ユニットのさらに別の不利点は、このユニットが、収集したサンプルの量を計測するための目盛り手段を備えていない点である。
【0020】
本願発明者は、本発明において上記不利点を解決している。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、簡単に構築でき、高価でなく、取扱いが煩雑でない使い捨て式収集アセンブリ又は採取器を提供することを目的とする。本発明の採取器は、血液、血漿、血清、汗液、涙液又は唾液などの体液を採取するものである。
本発明の他の目的は、液体試料を収集する採取器を提供することである。採取器は、サンプル容器を利用する。このサンプル容器は、様々な長さ又は直径を備え、液体試料の収集並びにその後の分析に用いられる。一例として、限定するものではないが、サンプル容器及び導管部(毛細管部)は、ガラス、石英、プラスチック、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン・ナフタレート・ポリ塩化ビニル(polyethylene naphthalate polyvinyl chloride)又はこれらの共重合体からなる群から選択される。これらは、収集された流体サンプルに対して、相対的に非反応性の材料である。
【0022】
本発明の更なる目的は、開口した導管部(毛細管)を備える採取器を提供することである。導管部は、ヘパリン、EDTA及びクエン酸ナトリウムからなる群から選択される抗耻血剤でコーティングを施される。或いは、導管部は、血液又は流体成分の溶解をもたらす界面活性剤でコーティングを施される。或いは、導管部は、生物学的マーカの劣化を防止する安定剤でコーティングを施される。或いは、導管部は、サンプルの保管性を向上させる保存剤でコーティングを施される。或いは、導管部は、上記コーティング剤のうち1若しくはそれ以上の組み合わせからなる薬剤でコーティングを施される。
【0023】
これら並びに他の課題を解決するために、本発明は、単一部材からなる注射器型アセンブリの提供について、様々な形態を示す。この単一部材からなる注射器型アセンブリは、開口した導管部端部を備える導管部と、導管部端部の内層をコーティングする最適な抗凝血剤、界面活性剤、安定剤又は保存剤を備える。導管部端部は、収集される流体と接触する。
注射器型アセンブリは、フィルタ膜を備え、注射器型アセンブリの第1の開口端部と導管部の接合部において、導管部端部上方でフィルタ膜が取付けられる。注射器型アセンブリは更に、サンプルに対して分析試験を行うための手段を備える。注射器型アセンブリは、第1端部に対向する第2端部を有する。注射器型アセンブリは、その第2端部に、試験帯体に対する支持手段を備える。注射器型アセンブリの開口した導管部端部には、必要に応じて、第1の先端キャップが配される。第1の先端キャップは、導管部から突出する導管部の開口した端部を閉塞する。
本発明は、密閉されたバイアル瓶を備える。バイアル瓶は、分析試験用薬剤を内包する。バイアル瓶は、穿孔可能な材料で略気密を保った状態でシールされる。この穿孔可能な材料は、特に、導管部の開口先端部により穿孔可能なものとされる。
【0024】
本発明の他のもう1つの目的は、試料収集、処理及び分析アセンブリを提供することである。この種のアセンブリは、試料を提供する人及び試料を採取する人(例えば、家庭内治療又は治療現場において)により容易に理解されるとともに使用されるものである。アセンブリは、シリンジや口腔内挿入式体温計の一般的な注射器型容器と同様の形状並びに大きさをなす。
【0025】
本発明の他の目的は、上述の試料収集、処理及び分析アセンブリを使用する方法を提供することである。本発明の1つの特徴によれば、上述された種類のアセンブリが、体液試料又は任意の流体試料を収集、用意及び分析する方法に利用される。この方法は、(1)収集対象たる流体試料を、試料収集用の開口した導管部端部に接触させ、毛細管現象により導管部内に流体試料を流入させる段階と、必要に応じて導管部に設けられる容量分析用の目盛印を利用して、特定体積の試料を収集する段階と、(3)導管部端部を用いて、分析用薬剤を内包するバイアル瓶に穿孔し、試料を希釈する段階と、(4)フィルタ膜を通じて希釈された試料を濾過する段階と、(5)必要に応じて、免疫化学的又は生化学的なアッセイにより処理されたサンプルを分析する段階を備える。
【0026】
希釈された試料は、バイアル瓶から流出し、注射器型容器内部に至る。この試料の流動は、毛細管現象により生じ、バイアル瓶からの圧力又は重力による流下作用により、この流動作用が促進される。重力による流下作用は、導管部を上下逆さまの状態、即ち導管部が上方に向くようにして立設することにより得られる。そして、チューブ内部は、フィルタ膜を通じて濾過された希釈試料で満たされる。
【0027】
本発明の更なる特徴によれば、アセンブリは、分析用要素を備える。分析用要素として、内部に薬剤を備える試験用紙帯体や他の材料を例示することができる。この薬剤は、観察可能な変化、例えば、視覚的に観察可能な変化や適切な検知器具で観察可能な変化を、体液試料内の検知対象物質と接触すると生じさせるものである。
分析要素は、基端部を備え、基端部は、支持手段に据付けられている。そして、支持手段が、チューブの第2端部を閉塞するとき、分析要素は、チューブ内部で延設し、分析要素の先端部が、流体の移動が可能となるようにフィルタと接触する。そして、バイアル瓶から至った濾過後の流体を受け取ることとなる。
【0028】
他の実施形態において、支持手段は円板形状をなす。そして、円板状の支持手段がチューブの第2端部を閉塞し、分析要素がチューブ内部で延出する。分析要素の基端部は、円板状の支持手段により支持され、分析要素の末端部は、流体の移動が可能なようにフィルタに接触する。そして、バイアル瓶から流入した濾過後の流体試料を受け取る。
【0029】
本発明の実施形態のうちいずれか1つは、第1の先端キャップを備える。この第1の先端キャップは導管部の開口端とシール可能に嵌合する。更に、本発明は、第2のキャップを備える。第2のキャップは、薬剤バイアル瓶が取り除かれたときに、注射器型容器の上部開口端にシール可能に嵌合する。
本明細書で紹介される本発明の様々なアセンブリが、収集作業又は試料処理作業直後に収集された試料を保存するために用いられる。したがって、アセンブリを構築するのに用いられる材料は、サンプルを損失せず、ガス漏れをアセンブリ壁面から生じさせないものである。
【0030】
本発明は、分析用の粉体又は粒子のパックされたコラムを提供することを目的とする。例えば、特定の形態の従来から用いられているクロマトグラフ材料が、チューブ内部全体に充填される。内部に充填されるクロマトグラフ材料は、導管部内部先端に直接接触する形態とフィルタを介して分離された状態のいずれも採用可能であるが、これは、チューブ壁面を介してパックされたコラムの観察によりサンプルの分析が可能となるように、クロマトグラフ材料の充填形態が定められる。
【0031】
本発明は、特製のパッケージ化されたキットを提供する。このキットは、例えば、日々のヘルスチェックを行う個人ユーザへの利便性をもたらす。パッケージ化されたキットは、複数のアセンブリを備える。アセンブリは、ヘパリン、EDTA、クエン酸ナトリウム、緩衝剤中に血液を収集する。更にこのキットは、尿液試料用のチューブを備える。
変更形態として、キットが、上記のうちいずれか一種のアセンブリを複数備えるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明のサンプル容器の斜視図である。
【図2】図1のサンプル容器の斜視図であり、サンプル容器は、導管部上部に挿入されたフィルタを備える。また、フィルタの上方には試験用帯体が配され、試験用帯体の上方には支持手段が配される。
【図3】図2のサンプル容器の斜視図であり、サンプル容器は、バイアル瓶を備える。バイアル瓶は、シールされた上面を備え、サンプル容器の下端を受入可能なサイズとされ、気密構造をなしている。
【図4】指を突き刺すために用いられるランセットの斜視図である。
【図5】図2のサンプル容器の斜視図であり、液体試料源に接触した状態を示す。
【図6】図5のサンプル容器の斜視図であり、サンプル容器は開口した導管部端部がキャップによりシールされている。
【図7】図2のサンプル容器の斜視図であり、更なるキャップからなる支持手段を備える。
【図8】図5のサンプル容器と薬剤バイアル瓶の斜視図であり、薬剤バイアル瓶に挿入されたサンプル容器の導管部端部が示されている。
【図9】図8のサンプル容器の斜視図であり、薬剤バイアル瓶に挿入された導管部端部並びに試験帯体に接触する希釈されたサンプルが示されている。
【図10】サンプル容器の斜視図であり、サンプル容器は、試験帯体の代わりに注射外筒位置に挿入されたガスクロマトグラフ材料を備える。
【図11】本発明のデバイスに使用されるパッキングの形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明をより深く理解するために、以下に、図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について説明する。
ここで図1を参照する。
注射器型容器(5)は、導管部(3)を備える。導管部(3)は、開口した導管端部(4)を備える。注射器型容器(5)は、開口した上端部(9)及びチャンバ(7)を備える。チャンバ(7)は、導管端部(4)と上端部(9)の間に配される。
分析対象たる特定の液体試料に応じて、注射器型容器(5)の形状、開口上端部(9)の位置並びに、導管部(3)の大きさ及び形状が適宜定められる。例えば、約1μL以上約5μL以下の少量の体積の液体試料を集めるためには、約3mm以上約5mm以下の短い長さであり且つ約0.1mm以上約2.0mm以下の小さな径を有する小さな導管開口端部(4)を備える導管部(3)が適している。一方で、約6μL以上100μL以下の大きな体積の流体を集めるためには、米国特許第5,935,864号に説明されるような、約0.5mm以上20mm以下の長い導管部(3)の長さを有するとともに約1mm以上約5mm以下の径を有するじょうご形状の開口部を有する導管部(3)が好適に使用可能である。導管部(3)の寸法及び設計形状は、100μL以上2000μL以下の体積の液体試料を保持するように定められる。
導管部分(3)は、容量分析的に目盛付けされ、1μL以上2000μL以下の異なる体積を指し示すようにしてもよい。目盛の印は、異なる色彩で表されてもよく、導管部内部の内側表面被覆に用いられたコーティングを指し示すようにしてもよい。容量を指し示す印は、色分けされた紫(EDTA)、緑(ヘパリン)、青(クエン酸ナトリウム)、赤(血清)、黄(安定剤)又は黒(保存剤)とすることができる。
導管部(3)により大きな体積の試料を集めるために、使用者が必要に応じて、毛細管作用による流体の流入を加速させることができる。この流入加速は、注射器型容器の上端部(9)に配されるゴム製先端部を用いて、吸引作用を生じせしめることで実行可能である。これにより、ゴム製先端部が流体に対してパスツールピペット内に流入させるのと同様の作用を生じせしめることができる。或いは、通常多くのラボラトリで見つけることのできる特製のアダプタを用いた場合と同様の作用を生じさせることができる。
【0034】
導管部(3)の内部の裏層(10)は、様々な種類の流体(例えば、血液及び血液製剤、尿液、汗液、涙液、心嚢液、腹膜水、胸膜液、脳脊髄液、胃液、呼吸分泌物、精液、滑液、吐物、創傷排嚢及び腹膜炎排嚢、腹水、羊水又は唾液)が毛細管作用により引っ張られ、所定体積の量が導管部(3)に上昇することを促すような特性を備える材料からなる。
血液の場合には、導管部(3)の裏層(10)は、成分測定を血漿内で行う必要があるサンプルに対して、十分な量の抗凝血剤でコーティングされる。
【0035】
使用される凝固剤は、EDTA、ヘパリン及びクエン酸ナトリウムからなる群から選択される。
例えば、血液成分の溶解を必要とするサンプルに対して、導管部(3)の内部の裏層(10)は、界面活性剤でコーティングが施される。
【0036】
様々な期間の保管を必要とするサンプルに対して、導管部の内側の裏層(10)は、保存剤又は安定剤でコーティングが施され、試験対象の成分の劣化を防止する形態を採用してもよい。
安定剤は、回収時における生体液中の核酸を安定化させ、核酸の酵素分解を防止する。安定剤は、陽イオン性成分、界面活性剤、カオトロピック塩、リボヌクレアーゼ阻害剤、キレート剤及びこれらの混合物を含む。
保存剤は、限定的なものではないが、抗生物質、アジ化ナトリウム又は抗真菌薬を含む。
導管部(3)の内側裏層(10)は、上記薬剤のうち1若しくはそれ以上の組み合わせにより内側表面被覆がなされることとなる。
【0037】
第1の先端キャップ(100)は、適切な形状並びに導管部の先端(4)とシール可能に嵌合する大きさを備える。第1の先端キャップ(100)は、キット内に含まれてもよく、回収段階直後にサンプルが分析されない場合に使用される。
【0038】
注射器型容器(5)は、底端に配される導管部(3)の先端部(4)、短く小径の注射外筒部(6)とチャンバ(7)を備える。短く小径の注射外筒部(6)の一端部には、フィルタ膜(101)が配される。フィルタ膜(101)は、導管部(3)の一端部に嵌入する。
チャンバ(7)の一端部は、小径の注射外筒部(6)の端部に接続する。チャンバ(7)と注射外筒部(6)との接続部において隆起部(106)が形成される。チャンバ部(7)の第2の端部には、支持手段(102)が配される。支持手段(102)は、縁部(103)を注射器型容器(5)上端に取付けるために用いられる。フィルタ膜は、非反応性であって濾過機能を有する様々な材料からなる。支持手段(102)は、ディスク形状をなし、注射器型容器の内径と同一の直径を備える。支持手段(102)は、非反応性材料からなり、支持機能を発揮する。支持手段(102)の取付は、気密にされることはなく、空気が注射器型容器(5)を通過することが可能である。
【0039】
図1及び図2を参照する。
チャンバ(7)は、試験帯体(12)を収容する。試験帯体(12)は、分析対象の体内流体の試験成分を分析するために用いられる。これら試験帯体は、従来技術において周知のものであり、科学文献に詳細に説明されている。有効な試験性能は、色付けされた線(104)により示され、抗原に対する抗体の存在は、第2の色付けされた線(105)により示される。
【0040】
分析方法は、無機化学反応を用いて検知される検体に対する免疫化学的又は非免疫化学的技術であってもよい。
【0041】
図3を参照する。密閉された上端部(22)を備えるバイアル瓶(20)が、気密構造をなして、サンプルコンテナ(5)の上端に配される縁部(103)に嵌入する。
【0042】
図4は、ランセット(107)を示す。ランセットは、指、耳、足指又は踵を突き刺し、血液を引き抜くために用いられる。試料は、管内に収容される(例えば、血清や血漿サンプル)。或いは、生体内に存するものそのままの状態の試料(例えば、口腔内の唾液)が管内に収容される。或いは、生体内に存するものそのままの状態の試料(例えば、嚢液、腹膜水、胸膜液、脳脊髄液、胃液、呼吸分泌物、精液、滑液、吐物、創傷排嚢及び腹膜炎排嚢、腹水、羊水)が医師や看護婦により引き抜かれる。
【0043】
図5は、開口した導管部端部(4)を血液滴即ち液体試料(15)の滴に接触させるとともに、毛細管作用により、導管部(3)に血液を引き上げる技術を示す。
分析対象たる液体試料は、図5中に血液(15)の滴として示される。血液(15)は、医療用ランセット又は鋭利な物品(例えば、導管部開口端(4)の鋭利に形成された端部)で指(14)を突き刺すことにより得られるものである。導管部(3)の寸法及び材質並びに液体の表面張力は、図6に示すように、導管内の上側のメニスカスの張力並びに引き上げられる液体の体積を決定する。導管部を側方に傾斜させて、毛細管作用による液体の吸い上げを促進してもよい。或いは、必要に応じて、開口端部(9)にピペットアダプタのパスツールピペットのゴム製先端部を用いて、100μL以上2000μL以下の範囲の体積の液体の吸い上げを補助してもよい。必要に応じて、導管部(3)は、色付けされた印により目盛を施され、様々な体積(例えば、1μLから2000μLまたはそれ以上の体積)を指し示すものとしてもよい。抗凝血剤(例えば、ヘパリン)を示すために従来用いられている色である緑色を用いて、ヘパリンでコーティングを施された導管端部に体積を指し示す目盛印を施してもよい。また、EDTAでコーティングされているものには紫、クエン酸ナトリウムでコーティングされているものには青、血清がコーティングされているものには赤、安定剤がコーティングされているものには黄色、保存剤がコーティングされているものには黒で目盛が付けられてもよい。また製品の様々な種類に応じて、他の色彩配合としてもよい。
【0044】
図6は注射器型容器(5)の一実施形態を示す。図6に示す注射器型容器(5)は、導管端部(4)を備え、先端キャップ(100)と嵌合することにより密閉される。これにより、作業者が、サンプルをすぐに処理或いは分析できない場合、即ち、例えば作業者がサンプルを集め、その後の分析のためにサンプルを保管するときに、サンプルの漏出を防止することができる。このような状況において、サンプルを集めた後、注射器型容器アセンブリがゆっくりと振られ、サンプルが導管内部のコーティング剤と混合される。そして、安定したラック内で、垂直に立設された状態若しくは水平に寝かされた状態で保管される。
【0045】
図7は、注射器型容器(5)の一実施形態を示す。図7の注射器型容器(5)の上端部には、縁部(103)がしっかりと固定され、第2キャップ(108)が上端部(9)を閉塞する。第2キャップの形状及び大きさは、様々な形態とすることができる。第2キャップの形態は、測定対象の流体及び実行される試験に応じて適宜定められ、導管部(3)に施された目盛と同様に、色分けされてもよい。これは、様々な要素の測定が、血漿、血清又は液体のユニットごとに実行されるためである。この実施形態は、必要に応じて、図2に関連して説明したように分析用具を含むものであってもよい。
しかしながら、本実施形態は、少量の流体(10μL以上1000μL以下)を収集するための収集用具としてのみ使用することができる。上述の血漿、血清又は液体のユニットは、第1の先端キャップ(100)と第2のキャップ(108)で閉塞されてもよい。そして、適切な搬送トレイに格納され、分析のために臨床検査室に輸送することができる。キャップ(100,108)は、導管部(3)の長手方向に設けられた容積を示す目盛(110)と同様に色分けコード化することができ、例えば、EDTAに対して紫色を用い、ヘパリンに対して緑色を用い、クエン酸ナトリウムに対して青色を用い、血清に対して赤色を用い、安定剤に対して黄色を用い、保存剤に対して黒色を用いることができる。
【0046】
他のもう1つの実施形態において、サンプルは、導管部端部(4)を通じて集められるが、導管部端部(4)が溶剤用バイアル瓶(20)を突き刺し、サンプルを希釈するようにしてもよい。そしてサンプル入りの注射器型容器(5)がその後、上下逆さまにされ、サンプルがゆっくりと振られる。そして希釈されたサンプルが、フィルタ(101)を通過して、チャンバ(7)内に集められることとなる。尚、チャンバ(7)は、その上端部(9)を第2キャップ(108)で密閉されている。サンプル入り容器は、導管部端部と嵌合した状態を保った状態のバイアル瓶とともにラック内に格納される。或いは、バイアル瓶が取り除かれ、第1の先端キャップ(100)で導管部端部が閉塞された状態で、ラック内に格納される。
【0047】
図8は、導管部端部(4)を示す。導管部端部は、隔膜部(22)を貫通し、隔膜部(22)に連接する溶剤バイアル瓶(20)内部に至っている。溶剤は、非水媒体(緩衝溶液)の水溶液、生理食塩水、水又は他の溶剤であり、真空パックが施されてバイアル瓶内に収容されている。
導管部(3)内の液体は希釈され、注射器型容器(5)内のチャンバ(7)内に流入する。サンプル入り容器(5)は、内方に延出する部分(6)を備える。この延出部分(6)は、透過性薄片の開口部と噛合い、バイアル瓶(20)に気密に嵌合する。これにより、圧力が誘引され、バイアル瓶(20)の内容物が導管部(3)内に流入する。結果として生ずる液体/緩衝液の混合液は、チャンバ(7)に流入する。そして、チャンバ(7)内で、混合液の分析が行われる。
注射器型容器(5)は、フィルタ(101)を備える。フィルタ(101)を通じて、液体が濾過され、試験帯体基端部と接触し、帯体上を上方に移動する。例えば、免疫学的クロマトグラフ試験用試験帯体(12)が用いられ、液体緩衝剤混合液が分析されると、図9に示すような線(24)に示されるように、コントロールとしての指標と反応による指標が現れる。このことは、米国特許第4,299,916号、米国特許第4,235,601号及び米国特許第5,141,850号に説明されている。試験帯体の基端部は、支持手段(102)に接触するとともに支持されている。帯体に沿った液体が移動すると、サンプル入りコンテナ(5)が上下逆さまにされ、これにより重力作用に起因して速い流れを作り出すことができる。
【0048】
図10は、本発明の他の実施形態を示す。
図10には、サンプリング用並びに分析用デバイスが示され、適切なコラムとパッキング材料(108)を用いて、このデバイス内で免疫学的クロマトグラフ分離が実行される。
【0049】
図11は、本発明のデバイスに適用される数多くの実施可能なパッキングの形態のうち1つを示す。
このパッキングは、5,10,20,50,100などの単位で1まとまりとされる、単一のプラスチックトレイ又は積み重ねられたトレイの形態であり、便利な色分けコード化されたキットである。キットは、収集デバイスを保持し、この収集デバイスは様々な抗凝血剤、安定剤、界面活性剤又は保存剤を必要とする。このようなトレイユニットは、患者から入手されたサンプルの収集、輸送及び保管に使用することができ、これにより、患者から得たサンプルの紛失や間違って混合してしまうリスクを低減することができる。
【0050】
上述の如く、費用効率が高く、携帯可能であり、容易に操作可能な収集用並びに分析用デバイス並びにこれらの様々な実施形態が説明されてきた。
本発明は、上記実施例に開示される形態により本発明の技術的範囲が制限されるものではないが、上記の例は、本発明の1つの特徴を説明するものである。また、機能的に均等である如何なる方法も本発明の技術的範囲に含まれるものである。本明細書中において図示されるとともに説明された形態に加えて、本発明の様々な変更形態も、本技術分野における当業者が上記説明に基づいて構築できることはあきらかである。そのような変更は、添付の請求の範囲に記載の発明の技術的範囲に属するものである。上記の好適な実施形態の他の様々な変更及び改良形態は、本発明の技術的範囲並びに要旨から逸脱することなしに構築可能である。本技術分野の当業者であれば、通常行われる実験の範囲で、本明細書に記載の実施形態との等価の形態を理解することができ、或いは解明することが可能である。このような均等形態も請求の範囲の記載の事項に画定される範囲に存するものである。
【0051】
なお、本発明は以下に関するものである。
1.(a)開口した上端部と、開口した端部を備える導管部と、前記上端部と前記導管部の間に配されるチャンバを備える単一部材からなる注射器型容器と、
(b)前記チャンバは、その末端部に支持手段を備えるとともにその基端部にフィルタ膜を備え、前記導管部は容量分析可能に目盛付けされるとともに、その内部を試薬を用いてコーティングされ、前記試薬は緩衝剤、抗凝血剤、界面活性剤、安定剤又は保存剤を備え、
(c)前記注射器型容器の上端はバイアル瓶を格納し、該バイアル瓶がその内部に好適な薬剤を収納することを特徴とする試料収集用並びに分析用アセンブリ。
2.前記支持手段と前記フィルタ膜の間に収容される分析手段を更に備えることを特徴とする前記1記載の試料収集用並びに分析用アセンブリ。
3.前記注射器型容器が、ガラス、石英、プラスチック、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン・ナフタレート・ポリ塩化ビニル又はこれらの共重合体からなる群から選択されることを特徴とする前記1記載の試料収集用並びに分析用アセンブリ。
4.前記導管部が、約0.1から5mmの直径と、約5mmから約20mmの長さと、約1μLから約2000μLの内部容積を備えることを特徴とする前記1記載の試料収集用並びに分析用アセンブリ。
5.先端キャップを更に備え、
該先端キャップが密閉式に前記導管部の開口端部と嵌合することを特徴とする前記1記載の試料収集用並びに分析用アセンブリ。
6.第2のキャップを更に備え、
該第2のキャップが前記注射器型容器の上端に密閉式に嵌合し、前記注射器型容器の上端を閉塞することを特徴とする試料収集用並びに分析用アセンブリ。
7.前記バイアル瓶が透過可能な薄片シールを備えることを特徴とする前記1記載の試料収集用並びに分析用アセンブリ。
8.前記注射器型容器が、前記導管部を受けた前記透過可能な薄片と気密シールを形成する手段を備えることを特徴とする前記7記載の試料収集用並びに分析用アセンブリ。
9.前記注射器型容器が内方に延出する部分を備え、
該内方に延出する部分が、前記透過可能な薄片の開口部と噛合い、前記注射器型容器と前記バイアル瓶との間に気密シールを形成することを特徴とする前記8記載の試料収集用並びに分析用アセンブリ。
10.前記支持手段が、前記チャンバ内に収容された分析手段の一端部の位置を定めることを特徴とする前記2記載の試料収集用並びに分析用アセンブリ。
11.(a)ランセットと、
(b)分析手段、フィルタ膜及び支持手段を収容するとともに開口した導管部を備える注射器型容器と、
(c)前記注射器型容器の上部に配される透過可能な薄片によりシールされるバイアル瓶と、
(d)前記開口した導管部の開口端にシール可能に嵌合する第1の先端キャップと、前記バイアル瓶が除去されるときに前記注射器型容器の開口上端部とシール可能に嵌合する第2のキャップからなることを特徴とする試料収集用アセンブリ・キット。
12.前記試料収集用アセンブリ・キットがパッキングトレイに収容されてなり、
前記アセンブリが、色分け分類された容積分析用の目盛を付された導管部と、色分け分類された先端キャップと、色分け分類された第2キャップを備え、これら全てが、前記導管部内部に施されたコーティングに対応し、
前記色分け分類が、内部コーティングがヘパリンであれば緑色が対応し、前記内部コーティングがEDTAであれば紫色が対応し、前記内部コーティングがクエン酸ナトリウムであれば青色が対応し、前記内部コーティングが血清であれば赤色が対応し、前記内部コーティングが安定剤であれば黄色が対応し、前記内部コーティングが保存剤であれば黒色が対応することを特徴とする複数の前記1記載の試料収集用並びに分析用アセンブリ。
13.(a)注射器型容器の開口した導管部の端部を、試験対象の流体試料に接触させる段階と、
(b)導管部を通じて前記試料を引きこみ、所望体積の試料を集める段階と、
(c)前記流体試料と前記導管部を被覆する試薬とを混合する段階と、
(d)先端キャップを用いて前記導管部の開口端部をシール可能の覆うことを特徴とする流体試料を収集する方法。
14.(a)注射器型容器の開口した導管部の端部を、試験対象の流体試料に接触させる段階と、
(b)導管部を通じて前記試料を引きこみ、所望体積の試料を集める段階と、
(c)前記流体試料と前記導管部を被覆する試薬とを混合する段階と、
(d)分析用試薬を内包するバイアル瓶に前記導管部を進入させるとともに、前記開口部に前記試薬を流入させる段階と、
(e)前記導管部端部において、前記試薬と前記流体試料とを混合させる段階と、
(f)第2のキャップで前記注射器型容器の上端開口部を閉塞する段階と、
(g)前記注射器型容器を上下逆さまにして、前記流体試料と前記試薬を、前記導管部を通じて前記チャンバに流入させる段階を備え、前記流体試料と前記試薬がフィルタ膜を介して濾過されるとともに前記注射器型容器のチャンバ内に前記流体試料と前記試薬が集められ、保管の準備がなされることを特徴とする流体試料を収集する方法。
15.(a)注射器型容器の開口した導管部の端部を、試験対象の流体試料に接触させる段階と、
(b)導管部を通じて前記試料を引きこみ、所望体積の試料を集める段階と、
(c)前記流体試料と前記導管部を被覆する試薬とを混合する段階と、
(d)分析用試薬を内包するバイアル瓶に前記導管部を進入させるとともに、前記開口部に前記試薬を流入させる段階と、
(e)前記導管部端部において、前記試薬と前記流体試料とを混合させる段階と、
(f)前記導管部を通じて前記流体試料と前記試薬の混合液を引きこみ、フィルタ膜を通過させて、チャンバ内に前記流体試料と前記試薬の混合液を流入させ、これにより前記混合液は分析用テスト手段に接触し、
前記分析用テスト手段の色変化を観察し、テスト結果を記録する段階を備えることを特徴とする流体試料を収集する方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)開口した上端部と、開口した端部を備える導管部と、前記上端部と前記導管部の間に配されるチャンバを備える単一部材からなる注射器型容器と、
(b)前記チャンバは、その末端部に試験帯体に対する支持手段を備えるとともにその基端部にディスク形状のフィルタ膜を備え、それにより前記フィルタ膜の下の前記チャンバは小径にされ、かつ導管部に嵌入され、
(c)前記導管部は2000μLまでの液体試料を引くようにされ、
(d)前記導管部は容量分析可能に目盛付けされるとともに、その内部を試薬を用いてコーティングされ、前記試薬は、緩衝剤、抗凝血剤、界面活性剤、安定剤及び保存剤からなる群から選択される一種であり、
(e)前記注射器型容器の上端はバイアル瓶を格納し、該バイアル瓶がその内部に薬剤を収納することを特徴とする試料収集用並びに分析用アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−137493(P2012−137493A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−35605(P2012−35605)
【出願日】平成24年2月3日(2012.2.3)
【分割の表示】特願2007−508558(P2007−508558)の分割
【原出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(512029054)サヴィファーム インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】