説明

試料を薄くする方法及び当該方法のための試料キャリア

【課題】半導体ウエハから取り出された試料を薄くするプロセスを自動化する。
【解決手段】試料キャリアは、外側境界(6)を有する隆線形状部(5)及び外側境界を超えて延びる支持膜(4)を有する。その隆線形状部(5)はCuで作製され、その支持膜(4)は炭素で作製される。試料を支持膜上に設け、位置合わせをして、その試料は、IBIDを用いて剛性構造体に取り付けられる。試料を剛性構造体に取り付けた後、イオンビームを用いてその試料を薄くする。試料を薄くする間、支持膜も同様に局所的に除去される。本発明は、試料と試料キャリアとの良好な位置合わせを実現する。また本発明は、たとえば帯電したガラス針(2)による、ウエハから試料キャリアへの試料の移動に係る自由度を増大させる。その自由度の増大により、試料を試料キャリアへ移動させるのに通常必要となる取り付け/切断工程が不要となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は試料を薄くする方法に関する。当該方法は:
プローブに取り付けられた試料を供する工程、
試料キャリアを供する工程であって、その試料キャリアは剛性構造体を示し、その剛性構造体は、その試料の取り付けが可能な境界を示す、工程、
その試料をその剛性構造体の境界に取り付ける工程、及び
その試料が少なくとも部分的に薄くなるように、その試料にミリングプロセス又はエッチングプロセスを施す工程、
を有する。
【0002】
本発明はさらに、本発明による当該方法を実行するように備えられた試料キャリアにも関する。
【0003】
係る方法は非特許文献1から既知である。
【背景技術】
【0004】
係る方法は、たとえば半導体産業で用いられる。係る方法が半導体産業で用いられる際には、透過型電子顕微鏡(TEM)で検査/分析を行うために、たとえばガリウムイオンのような粒子ビームでウエハを照射することによって、試料が半導体から取り出される。入射ビームによって、材料が除去される。これは、材料のミリング又はスパッタリングとしても知られている。
【0005】
当業者に知られているように、TEMで検査される試料は、極端に薄くなければならない。その厚さは、50nm以下であることが好ましい。半導体ウエハから取り出される試料は大抵の場合かなり厚いので、その試料は、ウエハから取り出された後、薄くすることによって調製される必要がある。試料を正しい配向(たとえばその試料が一部分として含まれていたそのウエハの特定の結晶配向に沿った状態)にするため、試料の配向は、ミリングプロセス中、1°以内で制御されなければならない。位置合わせが不正確であれば、ミリング中に試料の変形を引き起こす恐れがあり、それだけではなく後続の検査/分析中にも問題を発生させる恐れもある。
【0006】
既知の方法では、試料は半導体ウエハから切り出される。試料は、たとえば集束イオンビーム(FIB)装置による2のイオンミリング工程で切断されて良い。それにより、ウエハからV字部分が除去される。試料の分離後、試料は続いて、たとえばイオンビーム誘起蒸着(IBID)を用いてプローブと接合され、かつTEM用試料キャリア(所謂ピックアップ用グリッド)へ搬送される。続いて試料は(たとえばIBIDを用いて)試料キャリアと接合される。プローブは、プローブチップを切断することによって試料から切り離される。続いて試料にはFIBミリングによるミリングプロセスが施されることによって、所望の厚さにまで薄くされる。
【0007】
既知の方法の欠点は、プローブの試料への接合及びそのプローブからの試料の取り外しに時間がかかることである。これにより、半導体産業の産業情勢上非常に重要な処理能力が減少する。接合をせずに、帯電したガラス針によって試料のピックアップが行われ、その後その試料が導電性膜上に設けられる方法(非特許文献1に記載されている、所謂外部処理(ex-situ)法)が知られていることに留意して欲しい。しかしウエハから試料を取り出した後に試料を薄くすることは無理である。
【0008】
外部処理によるピックアップ法はまた、所謂終点の決定をより困難にする。終点の決定は、試料を薄くする工程を中止する時期を決定するために実行されるプロセスでる。また終点の決定は、試料を薄くする工程中に、試料がどの程度電子を透過するのかを(連続的に、又は薄くする工程を一時的に中断して)観察することによって行われることが好ましい。よって終点の決定には、試料をその両面から自由にアクセスできることが求められる。一の面は電子ビームが向かう面であり、他の面は透過した電子ビームを検出する面である。外部処理法を用いることによって、試料の両面はウエハの2表面間で形成されるので、自由にアクセスできない。
【0009】
既知の方法の他の欠点は、試料を試料キャリアに取り付けた後、たとえばその試料キャリアに対するその試料の結晶軸の配向の再現性が不十分であることである。その結果、ミリング中に、試料の配向を決定し、かつその試料の位置合わせを行うのに人による介入が必要となってしまう。このことは、薄くするプロセスの自動化にとって障害となる。
【非特許文献1】ムーア(T.M.Moore)、Microscopy Today誌、第13巻、pp.40-42
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、より高い処理能力を有し、かつ試料と試料キャリアとの間の平行度が改善された方法を供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的のため、本発明による方法は、
-試料キャリアには前記剛性構造体と接合する支持膜が供され、前記支持膜は少なくとも部分的に前記試料の取り付けが可能な境界を超えて延在する、及び
-前記試料は、前記剛性構造体に取り付けられる前に、前記支持膜上に設けられる、
ことを特徴とする。
【0012】
本発明による方法で用いられる試料キャリアは、試料が取り付けられる剛性構造体、及び、その試料をその剛性構造体に取り付ける前にその試料を上に設ける支持膜を有する。その試料をその支持膜上に設けることによって、その試料は、たとえば電子ビーム誘起蒸着(EBID)、イオンビーム誘起蒸着(IBID)、レーザービーム誘起蒸着(LBID)、又はたとえばその試料とその剛性構造体との間に接着剤若しくは樹脂の小さな液滴を設けることによって、その剛性構造体に取り付けられて良い。
【0013】
試料は支持膜のいずれかの面上に設けられて良いことに留意して欲しい。その支持膜は非常に薄いので、その剛性構造体に対して良好な位置設定を可能にするのに十分な程度に光ビーム又はたとえば電子ビームを透過することができる。試料キャリアへの試料の接合は、たとえば接着剤によって行われて良い。その場合、試料は、支持膜だけではなく剛性構造体にも取り付けられる。剛性構造体へのその試料の取り付けは、たとえばEBID又はIBIDによって可能である。その理由は、その支持膜は、EBID又はIBIDの実行中に局所的に除去されることで、剛性構造体への接合が形成されるからである。
【0014】
本発明による方法は、試料を、たとえば帯電したガラス針でピックアップして、膜上に設けることを可能にする。その結果、2の時間を要する工程である、試料をプローブに取り付ける工程及びそのプローブからその試料を取り外す工程を省略することができる。これにより、試料を明確な面に沿って均一な厚さに薄くすることが可能となる。さらにその結果試料調製のプロセスを自動化することができる。
【0015】
本発明による方法の実施例では、試料は、剛性構造体とは反対側である支持膜の表面上に設けられる。
【0016】
剛性構造体とは反対側である支持膜の表面上に試料を設けることで、薄い試料の位置設定をより容易にすることができる。試料は大抵の場合、剛性構造体の厚さ程度又はそれよりも薄い厚さを示すことに留意して欲しい。しかし支持膜の面は平坦な表面であるため、前記の容易な位置設定を可能にする。
【0017】
本発明による他の実施例では、支持膜上に試料を設けた後、その支持膜の一部は、その試料の一部と剛性構造体との間に位置する。
【0018】
膜のわずかな一部分が試料の一部と剛性構造体との間に挟まれるようにその試料を位置設定することによって、さらに容易な位置設定が実現される。この実施例では、試料の一部分は剛性構造体と重なることにより、試料と剛性構造体との間での接合を容易に形成することができる。その一方で、その試料の他の部分はそのような重なりを示さないことで、その試料のその部分を透過モードで画像化することが可能となる。支持膜は試料を薄くするのに用いられるミリングプロセス又はエッチングプロセスによって容易に除去されるので、その支持膜はその試料を薄くすることの障害にはならないことに留意して欲しい。
【0019】
本発明による方法の他の実施例では、境界は、支持膜が剛性構造体によっては完全に囲まれないような外側境界である。
【0020】
試料を必要な厚さにまでミリングする工程は、その試料にたとえば粒子ビームを照射することによって実行される。その照射の際、そのビームは、その試料をその表面にほとんど平行な角度で照射する。従って横方向から試料を取り扱えることが必要となる。これを可能にするため、試料は、剛性構造体の外側部分に取り付けられていることが好ましい。このことは、支持膜が少なくとも局所的に剛性構造体の外側境界の外側に向かって延在するため、その剛性構造体によっては完全に取り囲まれないことを意味する。
【0021】
本発明による方法のさらに他の実施例では、試料をミリングする工程は、その試料を粒子ビームに曝露する工程を有する。
【0022】
たとえばイオンビーム又は電子ビームのような粒子ビームで試料をミリングする工程は、当業者には既知のプロセスである。ミリングは、粒子ビーム(たとえばイオンビームを用いる)単独で行われても良いし、特定のエッチャントの存在下で行われても良い。これらのエッチャントのエッチング効果は、粒子ビームによって発揮され、又は大きく改善されることができる。
【0023】
本発明による方法のさらに他の実施例では、試料を取り付ける工程は、EBID又はIBID又はLBIDによって行われる。
【0024】
EBID、IBID又はLBIDによって2の加工片を接続することは、当業者には既知のプロセスである。
【0025】
本発明による方法の他の実施例では、ミリングプロセス中、支持膜は少なくとも部分的に除去される。
【0026】
ミリング中、材料は大抵の場合、試料の両面から除去される。このことは、支持膜が、その試料を剛性構造体に取り付ける前に、その試料を支持する位置で除去されることを意味する。
【0027】
本発明による方法のさらに他の実施例では、ミリングプロセスは、試料の薄くなった部分から支持膜を完全に除去する。
【0028】
本発明のある態様では、粒子光学装置内で試料を保持する試料キャリアであって、試料の取り付けが可能な外側境界を示す剛性構造体が供される試料キャリアは、その試料を支持する支持膜を有することを特徴とする。前記支持膜は、前記剛性構造体と接合し、かつ外側境界から延在する。そのためその支持膜は、その剛性構造体によっては完全に取り囲まれない。
【0029】
試料キャリアには、たとえばCu製のガーゼの形態をとる剛性構造体、及びたとえば炭素で作られた支持膜が供されることに留意して欲しい。係る試料キャリアはTEMでは通常用いられている。係るグリッドでは、支持膜は、剛性構造体の外側境界によって完全に取り囲まれている。このことは、支持膜が剛性構造体の外側境界を超えて延在する本発明による試料キャリアとは対照的である。
【0030】
本発明による試料キャリアの実施例では、支持膜は炭素膜又はポリマー膜である。
【0031】
炭素又はポリマーの平坦な膜を作製してTEMグリッド上に支持膜を形成するのは周知方法である。これと同一の方法が、本発明による試料キャリアを形成するのに用いられて良い。
【0032】
本発明による試料キャリアの他の実施例では、剛性構造体は金属を有する。
【0033】
たとえばCu、ステンレス鋼、鉄、モリブデン、アルミニウム、チタン、Ag、プラチナ又は上記2以上の材料を有する合金のような金属から試料キャリアを形成するのは、当業者には既知である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
ここで本発明を、概略図に基づいて詳述する。図中、対応する特徴部は、対応する参照番号によって示されている。
【0035】
図1Aは、本発明による試料キャリア、及びその試料キャリアに接近する試料を有するプローブを概略的に図示している。
【0036】
図1Aは、プローブ2に取り付けられた試料1を図示している。試料キャリア3は2の部品を有する。それは支持膜4及び剛性構造体5である。その剛性構造体は外側境界6を示す。その支持膜の一部分は、剛性構造体5のこの外側境界6を超えて延在する。
【0037】
試料キャリアの剛性構造体はCuホイルであって良い。また他の材料が用いられても良い。その他の材料は導電性であることが好ましい。また支持膜は導電性であることが好ましい。それはたとえば炭素膜又は導電性ポリマー膜のようなものである。しかしシリコンから作られた支持膜又はたとえば窒化物から作られた支持膜の利用も考えられうる。
【0038】
試料1は、静電力によってプローブ2に取り付けられて良い。取り付けられるプローブとはたとえば帯電したガラス電極である。またたとえば接着剤、ビーム誘起蒸着(レーザー、イオン、又は電子)、機械グリッパ又はたとえば真空で生じる力(吸引力)に基づく他の取り付け手段が用いられても良い。
【0039】
支持膜4は、たとえば100nm以下の厚さを有する非常に薄い膜であることが好ましい。従って支持膜は、試料が、支持膜の面のうちその試料が存在する面とは別の面に位置する剛性構造体に対して容易に位置合わせされるように、たとえば光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用いた観察方法に対して透明となる。しかし数百ナノメートルのかなり厚い膜を用いるのにも成功した。そのような厚い膜の利点は、試料キャリアの剛性部分と同一の面内で平坦な膜を生成するのがより容易になることである。
【0040】
図1Bは、プローブが支持膜上での試料位置を設定する試料キャリアを概略的に図示している。
【0041】
図1Bは図1Aから派生したものと考えることができる。プローブ2及び試料1は、試料キャリア3へ向かって移動する。またプローブ2及び試料1は、その試料が支持膜4上であって、剛性構造体5の近傍に又は剛性構造体5と重なるように設けることができるように位置設定される。試料は、剛性構造体とは反対側である支持膜の面上に設けられている。
【0042】
図1Cは、試料キャリア及びその試料キャリアに取り付けられている試料を概略的に図示している。
【0043】
図1Cは図1Bから派生したものと考えることができる。ここでプローブ2が取り除かれ、試料1は、接合部で剛性構造体5に取り付けられる。この接合部は、EBID、IBID、又はLBIDによってなされた接合であって良い。あるいはこの接合部は、たとえば接着剤の液滴を塗布することによって作られても良い。
【0044】
この接合は、薄くする工程を開始する時点で存在していることが必要であるが、プローブが取り除かれた時点では必要ないことに留意して欲しい。実験から、試料1が試料キャリアに固着することでその試料キャリア上での試料位置は十分に保持されること、及び、試料1は、薄くする工程を実行する他の(専用)装置と接合せずに搬送されることさえも可能であること、が示された。
【0045】
さらに、支持膜はたとえばビーム誘起蒸着(EBID、IBID、又はLBID)に耐えるには脆弱すぎるので、接合部は大抵の場合剛性構造体5に形成されることにも留意して欲しい。
【0046】
図1Dは、試料キャリア及びその試料キャリアに取り付けられている試料の断面を概略的に図示している。
【0047】
図1Dは、線AA’に沿った、図1Cに図示された試料キャリア3の断面を概略的に図示している。図1Dは図1Cから派生したものと考えることができる。
【0048】
剛性構造体5と接合している支持膜4が図示されている。図から分かるように、試料1は、支持膜4によって支持され、かつ剛性構造体5の外側端部6に取り付けられている。
【0049】
図1Eは、試料を薄くした後に図1Dから得られる詳細を概略的に図示している。
【0050】
図1Eは、試料1を薄くした後に図1Dから得られる領域Bを概略的に図示している。支持膜4は連続的な膜では全くないが、切片は、(図1Fに図示されているように)試料を薄くする工程の間に支持膜4の中で作られる。剛性構造体5と試料1とは、接合部7で接続している。
【0051】
薄くするプロセスでは、試料1は面8Aで薄くされる一方で、面8Bでは、接合部の損傷は試料の損失につながる恐れのある接合部の損傷が起こらないように、試料1はその本来の厚さを保持している。よって試料は完全に均一な厚さにまで薄くされるわけではない。均一な厚さにすることは、接合部7及び剛性構造体5のすぐ近くでは難しい。しかし試料の関心部分は均一の厚さになるように薄くされる。またその試料の薄くなった部分には、支持体からの材料は残っていない。
【0052】
図1Fは、試料キャリア及びその試料キャリアに取り付けられている薄くされた試料を概略的に図示している。
【0053】
図1Fは図1Eから派生したものと考えることができる。すでに図1Eで図示されたように、試料が薄くされることで、切片10が支持膜4中に形成される。ここで試料が薄くされて、たとえばTEM、又は走査型透過電子顕微鏡(STEM)、又は試料が明確な表面若しくは厚さを示すことが必要とされる他の装置での検査/分析の準備が整う。
【0054】
最初に試料が支持膜上に設けられ、続いてその試料が剛性構造体に取り付けられ、その後支持膜が、たとえばミリング、エッチング、又は溶解によって除去される、ことも考えられることに留意して欲しい。
【実施例1】
【0055】
図2は、本発明による他の試料キャリアを概略的に図示している。
【0056】
図2は図1Aから派生したものと考えることができる。図2に図示されている試料キャリア3は、試料の取り付けが可能な外側境界6だけではなく、多数の切片10を有する領域であるガーゼすなわちメッシュを有する領域をも含む。支持膜4は、ガーゼ領域にわたって延在する。その結果、試料を設けることのできる支持膜上の位置が多数生成される。
【0057】
たとえばTEMの電子ビームが透過するのに十分な程度に支持膜を薄くなるように形成することによって、試料キャリアは、従来のTEMグリッドとして用いることも可能となる。当業者には既知であるように、係る支持膜は、従来のTEMグリッドから既知である。
【0058】
支持膜4はガーゼを(完全に)被覆しないことも考えられるし、かつ試料1は剛性構造体5によって完全に支持されるか、又は単独で剛性構造体5に取り付けられることも考えられることに留意して欲しい。
【0059】
最初に試料が支持膜上に設けられ、続いてその試料が剛性構造体に取り付けられ、その後支持膜が、たとえばミリング、エッチング、又は溶解によって除去される、こともさらに考えられる。これにより、それ自体は電子ビームによって侵入されるほど十分には薄くない、すなわち少なくとも試料を適切に分析する上で障害となるほどの厚さを有する支持膜の利用が可能となる。
【0060】
試料の検査/分析は、薄くする工程を行う装置以外の装置で行われても良いことに留意して欲しい。しかし前記検査/分析が、薄くする工程を行う装置と同一の装置で行われることも考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1A】本発明による試料キャリア、及びその試料キャリアに接近する試料を有するプローブを概略的に図示している。
【図1B】プローブが支持膜上での試料位置を設定する試料キャリアを概略的に図示している。
【図1C】試料キャリア及びその試料キャリアに取り付けられている試料を概略的に図示している。
【図1D】試料キャリア及びその試料キャリアに取り付けられている試料の断面を概略的に図示している。
【図1E】試料を薄くした後に図1Dから得られる詳細を概略的に図示している。
【図1F】試料キャリア及びその試料キャリアに取り付けられている薄くされた試料を概略的に図示している。
【図2】本発明による他の試料キャリアを概略的に図示している。
【符号の説明】
【0062】
1 試料
2 プローブ
3 試料キャリア
4 支持膜
5 剛性構造体
6 外側境界
7 接合部
8A 面
8B 面
10 切片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を薄くする方法であって、
当該方法は:
プローブに取り付けられた試料を供する工程、
試料キャリアを供する工程であって、前記試料キャリアは剛性構造体を示し、前記剛性構造体は、前記試料の取り付けが可能な境界を示す、工程、
前記試料を前記剛性構造体の境界に取り付ける工程、及び
前記試料が少なくとも部分的に薄くなるように、前記試料にミリングプロセス又はエッチングプロセスを施す工程、
を有し、
前記試料キャリアには前記剛性構造体と接合する支持膜が供され、前記支持膜は少なくとも部分的に前記試料の取り付けが可能な境界を超えて延在し、かつ
前記試料は、前記剛性構造体に取り付けられる前に、前記支持膜上に設けられる、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記試料が、前記剛性構造体とは反対側である前記支持膜の表面上に設けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記試料を前記支持膜上に設けた後、前記支持膜の一部が、前記試料の一部と前記剛性構造体との間に位置する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記境界は、前記支持膜が前記剛性構造体によっては完全に囲まれないような外側境界である、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記試料にミリングプロセスを施す工程が、前記試料を粒子ビームに曝露する工程を有する、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記試料を取り付ける工程が、EBID又はIBID又はLBIDによって行われる、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記ミリングプロセス中、前記支持膜が少なくとも部分的に除去される、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記ミリングプロセスが、少なくとも前記試料の薄くなった部分から前記支持膜を完全に除去する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
粒子光学装置内で試料を保持する試料キャリアであって、
当該試料キャリアには、前記試料の取り付けが可能な外側境界を示す剛性構造体が供され、
当該試料キャリアは前記試料を支持する支持膜を有し、
前記支持膜は、前記剛性構造体と接合し、かつ前記外側境界から延在することで、前記支持膜は前記剛性構造体によっては完全に取り囲まれない、
ことを特徴とする試料キャリア。
【請求項10】
前記支持膜が炭素膜又はポリマー膜である、請求項9に記載の試料キャリア。
【請求項11】
前記剛性構造体が金属を有する、請求項9又は10に記載の試料キャリア。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−191156(P2008−191156A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−23534(P2008−23534)
【出願日】平成20年2月4日(2008.2.4)
【出願人】(501233536)エフ イー アイ カンパニ (87)
【氏名又は名称原語表記】FEI COMPANY
【住所又は居所原語表記】7451 NW Evergreen Parkway, Hillsboro, OR 97124−5830 USA
【Fターム(参考)】