説明

試料を調製及び収集するためのシステム及び方法

検体試験のための試料を調製及び収集するためのシステム。該システムは、試料調製システムと、試料調製システムに連結される試料収集システムと、を含み得る。試料調製システムは、リザーバを含む変形可能な自己支持型受け器及びリザーバを含む自立型受け器の少なくとも1つを含み得る。リザーバは、液体組成物を含むように構成され得る。試料収集システムは、試料調製システムのリザーバと流体連通するように配置され得、対象とする検体を捕捉するように構成され得る。本方法は、試料調製及び収集システムによって、少なくとも部分的に画定される流体経路を提供する工程と、試料調製システムのリザーバ内に液体組成物を配置する工程と、流体経路内の液体組成物の少なくとも一部分を、試料収集システムへ移動させる工程と、を含み得る。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
様々な用途において、食料及び非食料源を、微生物(例えば、バクテリア、ウイルス、菌類、胞子等)及び/又は他の対象とする検体(例えば、毒素、アレルゲン、ホルモン等)について試験する必要があり得る。例えば、一般住民によって栽培され、購入され、消費される食料は、それらが置かれた環境の作用として繁茂若しくは増殖することができる微生物若しくはその他の検体を含んでいるか、又はそれらに感染する場合がある。この増殖は、食品の腐敗又は病原体の増殖を加速する原因となる場合があり、それらは毒素を生産するか、あるいは感染容量まで増殖し得る。更なる例として、試料が特定の検体を含有するかどうかを判断するために、非食料源(例えば、地下水、尿等)の試料で様々な分析法を実施することができる。例えば、地下水は、微生物又は化学的毒素について試験することができ、尿は、診断(例えば、糖尿病、妊娠等)を可能にする様々な診断上の指標について試験することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本開示は、試料の調製及び収集のシステム及び方法、特に検体試験のための、試料の調製及び収集のシステム及び方法に関し、試料調製及び収集システムは、試料調製システムと、液体組成物、そのろ液、又はかかる液体組成物若しくはろ液から取り出される試料から、対象とする検体を捕捉若しくは収集する試料調製システムに連結される、試料収集システムと、を含む。
【0003】
本開示の幾つかの実施形態は、検体試験のための試料を調製及び収集するためのシステムを提供する。本システムは、試料調製システムと、該試料調製システムに連結される試料収集システムと、を含み得る。試料調製システムは、リザーバを含む変形可能な自己支持型受け器を含み得、リザーバは、供給源及び希釈剤を含む液体組成物を含むように構成され得る。試料収集システムは、試料調製システムのリザーバと流体連通するように配置され得、試料収集システムは、液体組成物から対象とする検体を捕捉するように構成され得る。
【0004】
本開示の幾つかの実施形態は、検体試験のための試料を調製及び収集するためのシステムを提供する。本システムは、試料調製システムと、該試料調製システムに連結される試料収集システムと、を含み得る。試料調製システムは、リザーバを含む自立型受け器を含み得、リザーバは、供給源及び希釈剤を含む液体組成物を含むように構成され得る。試料収集システムは、試料調製システムのリザーバと流体連通するように配置され得、試料収集システムは、液体組成物から対象とする検体を捕捉するように構成され得る。
【0005】
本開示の幾つかの実施形態は、検体試験のための試料を調製及び収集するためのシステムを提供する。本システムは、試料調製システムと、該試料調製システムに連結される試料収集システムと、を含み得る。試料調製システムは、第1のリザーバを含む自立型容器と、自立型容器の第1のリザーバに収容される寸法であり、第2のリザーバを含む、変形可能な自己支持型受け器と、自立型容器及び変形可能な自己支持型受け器の少なくとも1つに連結されるように構成された蓋と、を含み得る。第2のリザーバは、供給源及び希釈剤を含む液体組成物を含むように構成され得る。連結される試料収集システムは、試料調製システムの第2のリザーバと流体連通するように配置され得、試料収集システムは、液体組成物から対象とする検体を捕捉するように構成され得る。
【0006】
本開示の幾つかの実施形態は、検体試験のための試料を調製及び収集するための方法を提供する。本方法は、リザーバを含む自立型受け器を含む、試料調製システムを提供する工程と、試料調製システムに連結される試料収集システムを提供する工程と、を含み得る。試料収集システムは、自立型受け器のリザーバと流体連通するように配置され得、試料収集システムは、対象とする検体を捕捉するように構成され得る。本方法は、供給源及び希釈剤を含む液体組成物を提供する工程と、試料調製及び収集システムによって少なくとも部分的に画定される、流体経路を提供する工程と、を更に含み得る。本方法は、自立型受け器のリザーバ内に、液体組成物を配置する工程と、流体経路内の液体組成物の少なくとも一部分を、試料収集システムへ移動させる工程と、を更に含み得る。
【0007】
本開示の幾つかの実施形態は、検体試験のための試料を調製及び収集するための方法を提供する。本方法は、リザーバを含む変形可能な自己支持型受け器を含む、試料調製システムを提供する工程と、試料調製システムに連結される試料収集システムを提供する工程と、を含み得る。試料収集システムは、変形可能な自己支持型受け器のリザーバと流体連通するように配置され得、試料収集システムは、対象とする検体を捕捉するように構成され得る。本方法は、供給源及び希釈剤を含む液体組成物を提供する工程と、試料調製及び収集システムによって少なくとも部分的に画定される、流体経路を提供する工程と、を更に含み得る。本方法は、変形可能な自己支持型受け器のリザーバ内に、液体組成物を配置する工程と、流体経路内の液体組成物の少なくとも一部分を、試料収集システムへ移動させる工程と、を更に含み得る。
【0008】
本発明の他の特徴及び態様は、発明を実施するための形態及び添付図面を熟考することによって、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本開示の一実施形態による試料調製及び収集方法を描写する、概略フローチャート。
【図2】本開示の一実施形態による、蓋を含む試料調製システムの分解斜視図。
【図3】図2の線3−3に沿った、図2の蓋の近接断面図。
【図4】本開示の別の実施形態による試料調製システムの透視図。
【図5】本開示の別の実施形態による、試料調製システムの蓋の底面図。
【図6】図5の線6−6に沿った、図5の蓋の断面図。
【図7】本開示の別の実施形態による試料調製システムの透視図。
【図8】本開示の別の実施形態による試料調製システムの透視図。
【図9】本開示の別の実施形態による、フィルタと、蓋及びカバーを含む蓋アセンブリとを含む、試料調製システムの分解側面図。
【図10】図9の蓋アセンブリ及び圧縮された状態のフィルタの透視図。
【図11】図9及び10の、蓋アセンブリ及び圧縮されない状態のフィルタの透視図。
【図12】図9〜11のカバーの上面透視図。
【図13】本開示の別の実施形態による、試料調製システムの蓋アセンブリの側面図。
【図14】本開示の一実施形態による試料調製及び収集システムの透視図。
【図15】本開示の別の実施形態による試料調製及び収集システムの透視図。
【図16】本開示の別の実施形態による試料調製及び収集システムの概略透視図。
【図17】本開示の別の実施形態による、試料収集システムを含む試料調製及び収集システムの透視図。
【図18】図17の線18−18に沿った、図17の試料収集システムの断面側面図。
【図19】本開示の別の実施形態による試料収集システムの透視図。
【図20】図19の試料収集システムの底面図。
【図21】本開示の別の実施形態による試料調製及び収集システムの、組み立てられた透視図。
【図22】図21の試料調製及び収集システムの分解斜視図。
【図23】本開示の別の実施形態による試料収集システムの、組み立てられた透視図。
【図24】図23の試料収集システムの分解斜視図。
【図25】本開示の別の実施形態による試料調製及び収集システムの透視図。
【図26】本開示の別の実施形態による試料調製及び収集システムの分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のいずれかの実施形態が詳細に説明される前に、本発明は、以下の記述で説明される、又は添付図面に図示される構成の詳細及び構成要素の配置の用途に限定されないことが理解されるべきである。本発明は、他の実施形態が可能であり、かつ様々な方法で実践又は実行することができる。また、本明細書で使用される専門語及び技術用語は、説明目的のためであり、制限と見なされるべきではないことが理解されるべきである。本明細書で使用される「含める」、「含む」、「含有する」、又は「有する」、及びそれらの変化形は、その後に記載されるもの、その同等物、並びに追加物を包含することを意味する。特定されるかないしは他の方法で制限されない限り、用語「支持される」、及び「連結される」、並びにその変化形は、幅広く使用され、直接的及び間接的支持並びに連結の両方を包含する。その他の実施形態を利用することができ、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的又は論理的な変更を行うことができることが理解されるべきである。更に、「前側」、「背側」、「上部」、「下部」、等のような用語は、要素の互いの関係を記載するためにのみ使用され、装置の特定の配向を述べる、又は装置に必要である若しくは要求される配向を指示すること若しくは暗示すること、あるいは本明細書に記載される本発明が、使用中にどのように使用される、搭載される、表示される、若しくは設置されるかを特定すること、を決して意味しない。
【0011】
本開示は、一般に試料を調製及び収集するためのシステム及び方法を対象とする。収集された試料は、更に濃縮、富化、及び/又は様々な検体の存在又は不在を分析することができる。
【0012】
用語「供給源」は、一般に、検体を試験することが必要とされる食料又は非食料を指すために使用される。供給源は、固体、液体、半固体、ゼラチン状物質、及びこれらの組み合わせであってもよい。一部の実施形態では、供給源は、例えば対象とする表面から供給源を収集するために使用された基材によって提供され得る。一部の実施形態では、液体組成物は、更に分裂して(例えば、攪拌又は溶解プロセスの間に)、供給源及びいずれかの対象とする検体の回収を促進することができる、基材を含み得る。対象とする表面は、壁(扉を含む)、床、天井、排水管、冷房システム、ダクト(例えば、空気ダクト)、通気口、便座、ハンドル、ドアノブ、手すり、ベッドの横板レール(例えば、病院内)、調理台、食卓天板、食事用表面(例えば、トレイ、食器等)、作業面、装置表面、衣類等、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない、様々な表面の少なくとも一部分を含むことができる。供給源のすべて又は一部分を、試料調製システム及び方法で使用することができる。供給源の一部分が使用される場合、これは、供給源の「試料」と称される場合があってもよい。しかしながら、用語「試料」は、一般に、更なる分析(例えば、検体の検出)のために試料調製システムから抽出されるある容量又は質量の物質を指すために本明細書で使用される。
【0013】
用語「食料」は、一般に、固体、液体(例えば、溶液、分散液、乳濁液、懸濁液等、及びこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない)、及び/又は半固体の食用組成物を指すために使用される。食料の例には、肉、鶏肉、卵、魚、魚介類、野菜、果物、加工食品(例えば、スープ、ソース、ペースト)、穀物製品(例えば、小麦粉、穀物、パン)、缶詰、牛乳、その他の乳製品(例えば、チーズ、ヨーグルト、サワークリーム)、油脂、油、デザート、香辛料、薬味、パスタ、飲料、水、動物用飼料、その他の好適な食材、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
用語「非食料」は、一般に、「食料」という定義に含まれず、一般に食用とは見なされない対象とする供給源を指すために使用される。非食料供給源の例には、臨床試料、細胞可溶化物、全血又はその一部分(例えば血清)、その他の体液又は分泌物(例えば、唾液、汗、皮脂、尿)、糞便、細胞、組織、臓器、生検、植物性物質、木材、土、堆積物、薬剤、化粧品、栄養補助食品(例えば、朝鮮人参カプセル)、医薬品、媒介物、その他の好適な非食用物質、及びこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0015】
用語「媒介物」は、一般に、感染性生物を保有及び/又はそれらを移送することができる無生物又は基材を指すために使用される。媒介物は、布、モップヘッド、タオル、スポンジ、拭取り布、食器、硬貨、紙幣、携帯電話、衣類(靴を含む)、ドアノブ、婦人用製品、おむつ等、それらの一部分、及びこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0016】
用語「検体」は、一般に、検出される物質(例えば、ラボ又は野外試験によって)を指すために使用される。供給源は、特定の検体の存在若しくは不在、又は特定の検体の定量化について試験することができる。前記検体は、供給源内(例えば、内部)、又は供給源の外部(例えば、外側表面上)に存在することができる。検体の例には、微生物、寄生生物(それらのうちの幾つかは微生物でもある)、生体分子、化学物質(例えば、殺虫剤、抗生物質)、金属イオン(例えば、水銀イオン、重金属イオン)、金属イオン含有錯体(例えば、金属イオン及び有機配位子を含む錯体)、及びこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0017】
検体を同定及び/又は定量化するために、微生物学的アッセイ、生化学的アッセイ(例えば、イムノアッセイ)、又はこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、様々な試験方法を使用することができる。使用することができる試験方法の具体的な例には、側方流動アッセイ、滴定、熱分析、顕微鏡法(例えば、光学顕微鏡法、蛍光顕微鏡法、免疫蛍光顕微鏡法、走査電子顕微鏡法(SEM)、透過電子顕微鏡法(TEM))、分光法(例えば、質量分析、核磁気共鳴(NMR)分光法、ラマン分光法、赤外(IR)分光法、X線分光法、減衰全反射分光法、フーリエ変換分光法、ガンマ線分光法等)、分光測光法(例えば、吸光、蛍光、発光等)、クロマトグラフィー(例えば、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー等)、電気化学分析、遺伝子技術(例えば、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)、転写媒介増幅(TMA)、ハイブリダイゼーション保護アッセイ(HPA)、DNA若しくはRNA分子認識アッセイ等)、アデノシン三リン酸(ATP)検出アッセイ、免疫学的アッセイ(例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA))、細胞毒性アッセイ、ウイルスプラークアッセイ、細胞変性効果を評価するための技術、増殖培地(例えば、寒天)及び/又は3M(商標)Petrifilm(商標)Plateを使用して行われ(例えば、3M(商標)Petrifilm(商標)Plate Reader(3M Company、St.Paul,MN)を使用して撮像、定量化、及び/又は解釈され)得るもの等の培養技術、その他の好適な検体試験方法、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
用語「微生物」は、一般に、バクテリア(例えば、運動性若しくは増殖性、グラム陽性、又はグラム陰性)、ウイルス(例えば、ノロウイルス、ノーウォーク・ウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス、DNAウイルス、RNAウイルス、エンベロープ型、無エンベロープ型、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)等)、細菌胞子若しくは内生胞子、藻類、菌類(例えば、酵母、糸状菌、菌類胞子)、プリオン、マイコプラズマ、及び原生生物の内の1つ以上が挙げられるが制限はない、任意の原核性又は真核性の微生物を指すために使用される。場合によっては、特に対象とする微生物は病原性のものであり、用語「病原体」は、本明細書において任意の病原微生物を指すために使用される。病原体の例には、腸内細菌科のメンバー、あるいはミクロコッカス科のメンバー、あるいはブドウ球菌属種、連鎖球菌種、シュードモナス種、腸球菌種、サルモネラ種、レジオネラ種、赤痢菌種、エルシニア種、エンテロバクター種、エシェリキア種、バチルス種、リステリア種、カンピロバクター種、アシネトバクター種、ビブリオ種、クロストリジウム種、及びコリネバクテリウム種を挙げることができるが、これらに限定されない。病原体の特定の例には、腸管出血性大腸菌、例えば血清型O157:H7を含む大腸菌、緑膿菌、セレウス菌、炭疽菌、腸炎菌、ネズミチフス菌、リステリア・モノサイトゲネス、ボツリヌス菌、クロストリジウム・パーフリンジェンス、黄色ブドウ球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、カンピロバクター・ジェジュニ、腸炎エルシニア、ビブリオ・バルニフィカス、クロストリジウム・ディフィシレ、バンコマイシン耐性腸球菌、及びエンテロバクター・サカザキを挙げることができるが、これらに限定されない。微生物の増殖に影響する可能性がある環境要因には、栄養素の存在又は不在、pH、湿分含量、酸化−還元電位、抗菌剤化合物、温度、雰囲気ガス組成、及び生物学的構造又は障壁を挙げることができる。
【0019】
用語「寄生生物」は、一般に、第2の生物(即ち、宿主)内(即ち、内部寄生生物)、又はその上(即ち、外部寄生生物)で生き、典型的には第2の生物に害をもたらす生物を指すために使用される。寄生生物には、微生物、及び寄生虫(例えば、回虫、線虫、鉤虫、巨視的な多細胞虫(multicellular worm)、蟯虫、鞭虫等)を挙げることができるが、これらに限定されない。寄生生物の具体的な例には、クリプトスポリジウム種、ジアルジア種、ヒトブラストシスチス、小形アメーバ、クリプトスポリジウム・パルバム、赤痢アメーバ、大腸アメーバ、ハルトマンアメーバ、ランブル鞭毛虫、メニール鞭毛虫、シクロスポラ・カイエタネンシス、蠕虫類(巨視的な多細胞虫)、アスカリス・ルンブリコイデス(ヒト回虫)、糞線虫(線虫)、ズビニ鉤虫(鉤虫)、アメリカ鉤虫(鉤虫)、ヒト蟯虫(蟯虫)、及びヒト鞭虫(鞭虫)を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0020】
用語「生体分子」は、一般に、生物内で生じる、又はそれによって形成される、分子、若しくはその誘導体を指すために使用される。例えば、生体分子には、アミノ酸、核酸、ポリペプチド、タンパク質、ポリヌクレオチド、脂質、リン脂質、糖、多糖、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことができるが、これらに限定されない。生体分子の具体的な例には、代謝産物(例えば、ブドウ球菌外毒素)、アレルゲン(例えば、ピーナッツアレルゲン、卵アレルゲン、花粉、チリダニ、菌、フケ、又はそれらの中に固有のタンパク質等)、ホルモン、毒素(例えば、下痢毒素菌(Bacillus diarrheal toxin)、アフラトキシン、クロストリジウム・ディフィシレ毒素等)、RNA(例えば、mRNA、全RNA、tRNA等)、DNA(例えば、プラスミドDNA、植物DNA等)、タグ付きタンパク質、抗体、抗原、ATP、及びこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0021】
用語「可溶物」及び「不溶物」は、一般に、任意の媒質において、特定の条件下で比較的可溶性又は不溶性の物質を指すために使用される。具体的には、任意の一連の条件下で、「可溶物」は、溶液に入り込み、システムの溶媒(例えば、希釈剤)に溶解することができる物質である。「不溶物」は、任意の一連の条件下で、溶液に入り込まず、システムの溶媒に溶解しない物質である。供給源は、可溶物及び不溶物(例えば、細胞残屑を含むことができる。不溶物は、微粒子又は残屑と称される場合があり、供給源物質自体の一部分(即ち、供給源の内側部分又は外側部分(例えば、外側表面)から)、又は攪拌プロセスから生じるその他の供給源残基若しくは残屑を含むことができる。対象とする検体は、可溶物又は不溶物中に存在することができる。
【0022】
用語「攪拌する」及びその派生語は、一般に、例えば、液体組成物の内容物を混合する若しくは混和するために、又は液体と混和することによって固体供給源を液化するために、前記液体組成物に動作を与えるプロセスを記述するために使用される。手動振盪、機械的振盪(例えば、直線振盪)、超音波振動、ボルテックス攪拌、手動攪拌、機械的攪拌(例えば、機械プロペラ、電磁攪拌棒、又はボールベアリング等の他の攪拌補助手段による)、手動叩解、機械的叩解、混和、混練、及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、様々な攪拌方法を使用することができる。
【0023】
用語「ろ過」は、一般に、サイズ、電荷、及び/又は機能によって物質を分離するプロセスを記述するために使用される。例えば、ろ過は、可溶物及び溶媒(例えば、希釈剤)を不溶物からの分離する工程を含むことができ、あるいは、可溶物、溶媒、及び比較的小さな不溶物を、比較的大きな不溶物から分離する工程を含むことができる。液体組成物にフィルタを通過させる方法、沈殿させて吸引又はデカントにより移す方法、その他の好適なろ過方法、及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、様々なろ過方法を使用することができる。「沈殿」は、液体組成物中の不溶物を沈降させることを指すために使用される。沈殿は、重力又は遠心分離によって生じてもよい。次いで、不溶物から可溶物及び溶媒を吸引する工程、可溶物及び溶媒をデカントにより移す工程、又はこれらの組み合わせによって、不溶物(又は比較的大きな不溶物)を、可溶物(又は可溶物及び比較的小さな不溶物)及び溶媒から分離することができる。
【0024】
「フィルタ」は、一般に、液体組成物中の不溶物(又は比較的大きな不溶物)から、可溶物(又は可溶物及び比較的小さな不溶物)及び溶媒を分離するために使用される装置を記述するために使用される。フィルタの例には、織布又は不織布メッシュ(例えば、ワイヤーメッシュ、布メッシュ、プラスチックメッシュ等)、織布又は不織布高分子ウェブ(例えば、カレンダー加工され得る、均一又は不均一なプロセスで固着される高分子繊維を含む)、表層フィルタ、深層フィルタ、膜(例えば、セラミックス膜(例えば、Whatman Inc.、Florham Park,NJよりANOPOREの商品名で入手可能な酸化アルミニウムセラミックス膜フィルタ)、ポリカーボネート膜(例えば、Whatman Inc.よりNUCLEOPOREの商品名で入手可能なトラックエッチングポリカーボネート膜フィルタ)、ポリエステル膜(例えば、トラックエッチングポリエステル等を含む))、ふるい、ガラス綿、フリット、ろ紙、発泡体等、及びこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0025】
用語「ろ液」は、一般に、液体組成物から不溶物(又は少なくとも比較的大きな不溶物)を除去後に残る液体を記述するために使用される。ろ過には幅広い方法が挙げられるため、用語「ろ液」は、混合物中の不溶物(又は比較的大きな不溶物)を沈降させることから生じる上澄みを指すために使用することもできる。
【0026】
図1は、本開示の一実施形態による試料調製及び収集方法10を図示する。図1に示されるように、試料調製及び収集方法10は、供給源12を取得することから開始することができる。希釈剤13は、供給源12のすべて又は一部分と組み合わせ、攪拌することで、希釈剤13中に溶解した、分散した、懸濁した、及び/又は乳化した供給源12を含む液体組成物14を形成することができる。このように、一般に、液体組成物14は混合物であり、溶液、乳濁液、分散液、懸濁液、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0027】
供給源12は、希釈剤13と組み合わせられる際、供給源12の幾つかの部分が希釈剤13に溶解する一方、供給源12の幾つかの部分が希釈剤13に懸濁する、分散する、又は乳化するように、可溶物及び不溶物15を含むことができる。次いで、液体組成物14はろ過され、対象とする検体(存在する場合)を含むろ液16を形成する。対象とする検体は、液体組成物14の可溶物又は不溶物中に存在することができる。対象とする検体が不溶物中に存在する場合、かつフィルタが残屑又は不必要な物質から対象とする検体を取り出すために採用される場合、フィルタは、典型的には、比較的大きな不溶物17がフィルタを通過するのを制限しつつ、対象とする検体(及びおそらく他の類似のサイズの不溶物)がろ液16としてフィルタを通過するのを可能にするように構成される。したがって、ろ液16は、幾らかの不溶物も含み得ることが理解されるべきであり、不溶物17は、簡潔にするために、又例としてのみ、液体組成物14から取り出されるものとして図1では示される。次いで、対象とする検体(存在する場合)を含む試料18を、ろ液16の少なくとも一部分から捕捉又は収集することができる。様々な試料調製システムからの試料18は、収集、富化、濃縮、分析等の中の1つ以上のために一緒に貯蔵することができる。一部の実施形態では、試料18は、例えば、使用される試料収集システムが対象とする検体に特異的である場合、実質的に対象とする検体(存在する場合)のみを含むことができる。一部の実施形態では、試料18は、例えば、使用される試料収集システムが特異的でない場合、その他のものの中でも、対象とする検体(存在する場合)を含む。
【0028】
本開示を通して、液体組成物14、ろ液16、及びその任意の試料18の中の1つ以上は、対象とする検体を含むものとして記述され得る。しかしながら、一部の実施形態では、液体組成物14は、対象とする検体を含まない場合があり、試料が分析される際に、否定的な試験結果に至る場合がある。例えば、試料が食料源から調製され、試料がバクテリアについて試験され、食料源が前記バクテリアを含まなかった場合、その食料から形成された液体組成物14、並びにそのいずれのろ液16及び試料18も、対象とするバクテリアを含まないであろう。故に、液体組成物14、ろ液16、及びそこから取られた任意の試料18の中の1つ以上が、対象とする検体を含むものとして記述されていても、これは、対象とする検体が存在する場合のみであることが理解されるべきである。更に、本開示の試料収集システムは、ろ液(又は液体組成物)から対象とする検体を単離又は捕捉するように構成される。一部の実施形態では、試料収集システムが特異的であり(例えば、試料収集システムが官能化される)、存在する場合は、実質的に対象とする検体のみを捕捉する。一部の実施形態では、試料収集システムは特異的ではなく(例えば、試料収集システムはサイズ制限式である)、存在する場合は、おそらくその他のものの中でも、対象とする検体を含む試料を捕捉する。
【0029】
図1に図示され、上述した試料調製及び収集方法10は、例としてのみ、図示され、記述される。しかしながら、当業者は、本開示の試料調製及び収集方法が、図1に図示され、上述したすべての工程を含む必要がないことを理解すべきである。例えば、本開示の一部の実施形態では、試料調製及び収集方法はろ過工程を含まず、むしろ、試料が液体組成物14から収集される。
【0030】
希釈剤13は、一般に液体であり、一部の実施形態では、無菌の液体である。一部の実施形態では、希釈剤13は、界面活性剤、又は後続の検体試験のために、供給源の分散、溶解、懸濁、若しくは乳化を支援するその他の好適な添加剤、レオロジー剤、抗微生物中和剤(例えば、防腐剤又はその他の抗菌剤を中和するもの)、栄養素を含む増菌若しくは増殖培地(例えば、所望の微生物の選択的成長を促進するもの)及び/又は成長阻害物質(例えば、所望されない微生物の成長を阻害する)、pH緩衝剤、酵素、指標分子(例えば、pH又は酸化/還元の指示薬)、発芽胞子、清浄剤を中和する薬剤(例えば、塩素のチオ硫酸ナトリウム中和)、バクテリアの蘇生の促進を意図した薬剤(例えば、ピルビン酸ナトリウム)、又はこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない、様々な添加剤を含むことができる。一部の実施形態では、希釈剤13は、滅菌水(例えば、滅菌2重蒸留水(ddHO))、供給源を選択的に溶解する、分散する、懸濁する、若しくは乳化する1つ以上の有機溶媒、水溶性有機溶媒、又はこれらの組み合わせを含む。一部の実施形態では、希釈剤13は、滅菌緩衝溶液(例えば、Edge Biological、Memphis TNから入手可能なButterfield’s Buffer)である。一部の実施形態では、希釈剤13は、希釈剤13が所望の検体(例えば、バクテリア)を選択的又は半選択的に増殖させるために使用できるように、選択的又は半選択的栄養製剤である。このような実施形態では、希釈剤13を供給源12と一緒にある期間(例えば、特定の温度で)インキュベートして、所望の検体の増殖を促進することができる。
【0031】
増殖培地の例には、トリプシン大豆ブロス(TSB)、緩衝ペプトン水(BPW)、ユニバーサル予備富化ブロス(UPB)、リステリア富化ブロス(LEB)、ラクトースブロス、ボルトンブロス、又は他の一般的な非選択的な、又は当業者に既知の軽度に選択的な培地を挙げることができるが、これらに限定されない。増殖培地は、1種以上の所望の微生物(即ち、対象とする検体)の増殖を支える栄養素を含むことができる。
【0032】
増殖阻害物質の例には、胆汁塩、デオキシコール酸ナトリウム、亜セレン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、塩化リチウム、テルル酸カリウム、テトラチオン酸ナトリウム、スルファセトアミドナトリウム、マンデル酸、セレナイトシステインテトラチオネート(selenite cysteine tetrathionate)、スルファメタジン、ブリリアントグリーン、マラカイトグリーンしゅう酸塩、クリスタルバイオレット、Tergitol4、スルファジアジン、アミカシン、アズトレオナム、ナラジキシン酸(naladixic acid)、アクリフラビン、ポリミキシンB、ノボビオシン、アラホスファリン、有機酸及び鉱酸、バクテリオファージ、ジクロランローズベンガル、クロラムフェニコール、クロルテトラサイクリン、特定の濃度の塩化ナトリウム、ショ糖、並びにその他の溶質、及びこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0033】
一部の実施形態では、供給源12は、液体組成物14が供給源12及び希釈剤13を含むが、希釈剤13は個別に添加されたものではないような、希釈剤13を含む。例えば、相当量の水又はその他の液体を含む食料源を混合して、個別の希釈剤13の添加を必要とすることなく、供給源12及び希釈剤13を含む液体組成物14を形成することができる。一部の実施形態では、供給源12は希釈剤13に実質的に溶解してもよく、その結果液体組成物14が最少量の不溶物15を含み、ろ過工程が不要となる。
【0034】
図17は、本開示の一実施形態による試料調製及び収集システム1107を図示する。試料調製及び収集システム1107は、試料調製システム1100と、試料収集システム1157が試料調製システム1100と流体連通するように、試料調製システム1100に連結される、試料収集システム1157とを含む。試料調製システム1100は、供給源1112から液体組成物1114(及び所望によりろ液1116)を調製し、試料収集システム1157は、存在する場合、対象とする検体を含む試料調製システム1100から試料を収集するように構成される。試料は、富化、濃縮、インキュベーション、分析(例えば、対象とする検体の同定又は定量化)等の更なる処理のために、試料収集システム1157から、(例えば、溶出によって)更に取り出すことができる。
【0035】
図2〜13は、本開示による試料調製システムの様々な実施形態を図示し、図18〜20及び23〜24は、本開示による試料収集システムの様々な実施形態を図示し、図14〜17、図21〜22、及び図25は、本開示による試料調製及び収集システムの様々な実施形態を図示する(試料調製及び収集システムの様々な実施形態を含む)。
【0036】
図2は、本開示の一実施形態による試料調製システム100を図示する。図2に示されるように、試料調製システム100は、容器102、ライナー104、蓋106、カラー108、及びカバー109を含む。一部の実施形態では、蒸気、ガンマ線放射、エチレンオキシド、過酸化水素、過酢酸、ヒドロアルコール性溶液、漂白剤、及びこれらの組み合わせ等の滅菌及び消毒手順によって、試料調製システム100の構成要素の1つ以上を滅菌済み又は減菌可能にすることができる。試料調製システム100と類似の特徴を有するシステムは、それぞれの全体が参照として本明細書に組み込まれる、PCT公開第WO98/32539号、米国特許第6,536,687号及び米国特許第6,588,681号、PCT公開第2004/060574号、PCT公開第2004/060575号、米国公開第2004/0164182号、PCT公開第2004/094072号、PCT公開第WO 2007/079143号、PCT公開第WO2007/079188号に記載される。
【0037】
本開示の幾つかの実施形態は、複数の試料調製システム100を採用し、試料調製及び/又は収集を迅速に行い、生産性/生産高を向上するために、複数の試料調製システム100を平行して(又は試料を貯蔵させて)採用できるようにする。このような実施形態では、複数の試料調製システム100は、少なくとも部分的に統合して形成されてもよく、又は個別に形成されてもよい。例えば、一部の実施形態では、1つの比較的大きな容器102の中に複数のライナー104を使用することができる(例えば、ライナー104に対して複数のリザーバを用いて)。
【0038】
一部の実施形態では、図2に示されるように、容器102は自立型及び/又は自己支持型であり、底部127及び側壁129を含む。用語「自立型」は、一般に、倒壊又は変形することなく、かつ別の物体によって支えられることなく、それ自身で立つことができる物体を指すために使用される。用語「自己支持型」は、一般に、それ自身の重量下で倒壊又は変形することのない物体を指すために使用される。例えば、袋は、典型的には、それ自身の重量下でその形状を維持せず、むしろ倒壊又は変形する点から、「自己支持型」ではない。自己支持型の物体は、必ずしも自立型ではない。
【0039】
容器102は、高分子材料、金属類(例えば、アルミニウム、ステンレススチール等)、セラミックス、ガラス類、及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、様々な材料から形成することができる。高分子材料の例には、ポリオレフィン類(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、これらの組み合わせ等)、ポリカーボネート、アクリル樹脂類、ポリスチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、自立型及び/又は自己支持型容器を形成することができるその他の好適な高分子材料、又はこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。容器102は、分析する供給源の種類、量、及びサイズにより、半透明(又は更には透明)、又は不透明であってもよく、いずれの好適なサイズであってもよい。例えば、一部の実施形態では、容器102は、50mL、100mL、250mL、又はそれ以上の容量を有していてよい。
【0040】
一部の実施形態では、図2に示されるように、試料調製システム100は、容器102の中に収容できる形状及び寸法であるライナー104を含む。ライナー104は、使い捨て(例えば、1回限り使用するように作製された)であってもよく、実質的な汚染のリスクがなく、かつ使用の間で大規模な洗浄を必要とすることなく、容器102を再使用できる。以下により詳細に記載され、図9に図示されるように、一部の実施形態では、試料調製システムは、容器を伴わずにライナーを含む。ライナーが容器を伴わずに使用される時には、「ライナー」自体としては機能せず、一般に受け器又は容器と称することができる。
【0041】
図2に示されるように、容器102は、第1のリザーバ120を画定し、ライナー104は、第2のリザーバ122を画定する。ライナー104は、容器102の第1のリザーバ120の中に収容できるような形状及び寸法である。一部の実施形態では、供給源112及び希釈剤113を、第1のリザーバ120に添加することができる。一部の実施形態では、図2に示されるように、ライナー104が採用され、供給源112及び希釈剤113が第2のリザーバ122内に配置され、ライナー104が第1のリザーバ120内に配置される。第1のリザーバ120に添加されたとしても、第2のリザーバ122に添加されたとしても、液体組成物114を形成するために、供給源112及び希釈剤113を組み合わせる(及び攪拌する)ことができる。一部の実施形態では、ライナー104は自立型であり、ライナー104又は容器102は、液体組成物114を含む自立型受け器としての役目を果たすことができる。
【0042】
最初に供給源112を容器102又ライナー104に添加し、続いて希釈剤113を添加してもよく、最初に希釈剤113を添加し、続いて供給源112を添加してもよく、又は供給源112及び希釈剤113を同時に添加してもよい。あるいは、供給源112及び希釈剤113を試料調製システム100に添加する前に、組み合わせてもよい。
【0043】
最初に希釈剤113が容器102又はライナー104に添加される一部の実施形態では、供給源112を添加する直前にカバーを取り外せるように、取り外し可能に連結されるカバーで(例えば、接着剤、熱融着、超音波溶接、又は以下に記載するその他の連結手段のうちのいずれか、の中の1つ以上によって、容器102又はライナー104に連結される、1回限りの使用の取り外し可能なバリアフィルム)、事前に測定された量の希釈剤113(例えば、滅菌液体希釈剤)を、容器102又はライナー104に密封することができる。別の方法としては、一部の実施形態では、取り外し可能に連結されるカバーで、事前に測定された量の乾燥粉末培地(例えば、対象とする検体のための栄養培地、及び/又は対象でない検体のための増殖阻害物質)を、容器102又はライナー104に密封することができるか、あるいは、所望の培地を容器102又はライナー104の内側表面にコーティング又は吸着させることができる。このような実施形態では、カバーは取り外すことができ、供給源112が添加される前又は添加されると同時のいずれかに、溶媒(例えば、ddHO)を添加し、希釈剤113を形成することができる。あるいは、供給源112が培地を溶解することができる十分な液体を含有する場合、供給源112を乾燥粉末培地に添加し、供給源112及び希釈剤113(例えば、供給源112によって提供される溶媒に溶解した培地)を含む液体組成物114を形成することができる。
【0044】
一部の実施形態では、容器102及び/又はライナー104(ライナー104が採用される場合)を、それぞれ、1つを超える第1のリザーバ120及び/又は1つを超える第2のリザーバ122を含むように、区画に分けることができる。例えば、多段階富化、異なる微生物の平行若しくは同時富化、又はこれらの組み合わせのために、複数のリザーバ120/122を使用することができる。例としてのみで、ライナー104は、2つの第2のリザーバ122(この例では、簡潔にするためにリザーバA及びBと称される)を含むことができる。微生物の一次富化のために、リザーバA内に第1の増菌培地を配置し、同一微生物の二次富化のために、リザーバB内に第2の増菌培地を配置することができる。リザーバA及びBは、例えば、培地を配置するために両方にアクセス可能であるが、供給源112が一方に添加されずにもう一方に添加され得るように、配置することができる。液体組成物114が形成され、一次富化がリザーバA内で生じた後、液体組成物114、又はその一部分を、二次富化のためにリザーバBに移動させることができる。液体組成物114は、試料調製システム100の攪拌、2つのリザーバA及びBの間の壊れやすいバリアを壊す等を含む様々な方法で、リザーバB内に移動させることができる。
【0045】
一部の実施形態では、1つの容器102が1つ以上の第1のリザーバ120を含むことができ、及び/又は1つ以上のライナー104(それぞれ1つ以上の第2のリザーバ122を含む)が容器102内に配置され得るように、複数のライナー104を伴う1つの容器102を採用することができる。その他の構成が可能であり、当業者は、複数の区画を達成するために可能である、異なる順列を認識するであろう。いかなる構成であろうとも、複数のリザーバ又は区画を、並べて、垂直に、同軸上に、又はこれらの組み合わせに配置することができる。
【0046】
ライナー104は、ポリプロピレン(例えば低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリエチレン、及びポリ(メチルペンテン)、ポリアミド(例えば、NYLON(登録商標))、又はこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されないポリオレフィンを含む様々な高分子材料を含むが、これらに限定されない様々な材料から形成することができる。一部の実施形態では、ライナー104は、熱成形プロセス等のモールド成形法で形成される。ライナー104は、半透明(又は更には透明)、又は不透明であってもよい。
【0047】
一部の実施形態では、図2に図示されるように、ライナー104は自立型及び/又は自己支持型であり、そのいずれも、ライナー104を容器102内に配置する前の、供給源112及び希釈剤113の、ライナー104内へのライナー104が倒壊又は変形することのない充填を可能にする。更に、自立型及び/又は自己支持型ライナー104は、計量、供給源112及び/若しくは希釈剤113の添加、移送、取り扱い、並びに/又は試料の取り出しを補助することができる。
【0048】
一部の実施形態では、ライナー104は、自己支持型及び/又は自立型でありながら変形可能でもある。用語「変形可能」は、圧力(例えば、正圧又は陰圧)又は応力によって、元の形状又は状態から変更することができる構造を指すために使用される。変形可能なライナー104を採用する実施形態では、ライナー104に圧力を適用し、元の寸法(即ち、応力がない状態)からそのサイズを減じることができる。かかる圧力は、液体組成物114(又はそのろ液)をライナー104から取り出すことを助成するために使用することができる。このような実施形態では、ライナー104は、液体組成物114を含むことができる、変形可能な自己支持型受け器の役目を果たすことができる。一部の実施形態では、変形可能な自己支持型受け器は、自立型でもある。
【0049】
一部の実施形態では、図2に示されるように、容器102は、底部127に形成される開口部124を含み、ユーザーは、かかる開口部を通してライナー104にアクセスし、圧力を適用し、ライナー104を変形することができる。かかる圧力は、手で直接適用する、又は追加装置によって適用することができ、手動プロセスであっても自動プロセスであってもよい。開口部124は、所望の使用用途と一致する形状及び寸法であってよい。一部の実施形態では、容器102の底部127は、側壁129の底部であるに過ぎないか、あるいは、ライナー104が容器102の底部で容易にアクセスできるように、側壁129のわずかに内側の突起である。換言すれば、一部の実施形態では、容器102の開口部124は、容器102の底部の大半(例えば、容器102の断面積の大半)を画定し、底部127は、開口部124を囲む容器102のごく一部分に過ぎない。ライナー104を採用しない実施形態では、容器102は、開口部124を含む必要がない。
【0050】
一部の実施形態では、ライナー104は、ライナー104の長手軸と平行な方向に底部126に圧力が適用される際(例えば、容器102の開口部124を介して)、ライナー104が長手方向(例えば、底部126というよりは、側壁128の倒壊の効力により)に変形するように、比較的硬質な底部126及び比較的薄くかつ変形可能な側壁128を含む。あるいは、又は更に、底部126を側壁128よりも厚くすることができる。例としてのみで、一部の実施形態では、側壁128の厚さは、少なくとも50μm、一部の実施形態では、少なくとも100μm、一部の実施形態では、少なくとも150μm、及び一部の実施形態では、少なくとも200μmである。一部の実施形態では底部126の厚さは少なくとも225μmであり、一部の実施形態では275μmであり、一部の実施形態では少なくとも300μmであり、及び一部の実施形態では少なくとも350μmである。
【0051】
ライナー104は、ライナー104の変形性を制御することを助力するために組み込むことができ、及び/又はライナー104の内部容量を更に減少することができる、バッフル、プリーツ、波形、シーム、接合部、ガセット、弱体化部分(例えば、環状の弱体化部分)、又はこれらの組み合わせの1つ以上を更に含むことができる。一部の実施形態では、以下でより詳細に記載され、図9で図示されるように、ライナー104は、蛇腹式の構成を含む。一部の実施形態では、ライナー104は、その内側表面上、特に底部126と側壁128との間の内部接合部に、全く溝を含まない。
【0052】
一部の実施形態では、ライナー104は、ライナー104の表面形状を分離するために、意図的に変形される。そのような分離された表面形状は、攪拌中に、供給源112を破断することを助力できる。例えば、一部の実施形態では、ライナー104の側壁128に異なる表面形状を形成するために、ライナー104の側壁128と容器102との間に、障害物(例えば、比較的硬質な材料)を配置することができる。
【0053】
図2に示されるように、容器102は、容器102内の内容物のレベル(即ち、容量)を示すための表示130を含むことができる。表示130は、液体組成物114の所望の重量比、例えば、1:100〜1:1の範囲の、供給源112と希釈剤113の重量比を達成するために使用することができる。好適な表示の一実施例は、米国特許第6,588,681号に記載される。あるいは、又は更に、ライナー104が表示を含むことができる。容器102及び/又はライナー104上の表示130を使用できるようにするために、容器102及び/又はライナー104を半透明、又は更には透明にし、容器102の側壁129及び/又はライナー104の側壁128を通して液体組成物114を見ることができるようにしてもよい。側壁128及び129には、商標、ブランド名等のような、その他の種類のマーキングがあってもよい。表示130は、容器102又はライナー104内に収容される寸法であり、容器102又はライナー104の内側表面を外側に向かって(即ち、放射状に)押すように、十分な内部応力を含む材料から形成することができる、フィルム上に提供することもできる。
【0054】
図2に図示される実施形態では、蓋106は、ライナー104に取り外し可能に連結され、カラー108は、蓋106を容器102に更にきつく固定するために採用される。例えば、図2では、容器102は、側壁129の外側表面の上端に、容器102の上端にネジで締められるカラー108(容器102上のネジ山131と嵌合できる内部ネジ山133を有する)のための形状及び寸法のネジ山131を含む。蓋106を容器102に固定するためにカラー108を使用する代わりとして、締め付け及び/又は以下に記載されるその他の連結手段を含む、その他の連結手段を採用することができる。一部の実施形態では、ライナー104を採用せずに、蓋106を容器102に直接連結することができる。このような実施形態では、カラー108を採用する必要はない。したがって、蓋106は、容器102又はライナー104のいずれかとの密封(例えば、気密密封)を形成することができる。一部の実施形態では、蓋106及び容器102(又は蓋106及びライナー104)は、一体化して形成され、又は恒久的に互いに連結される。
【0055】
それぞれの構成要素が取り外し可能に互いに連結できるようにするために、重力(例えば、1つの構成要素を別の構成要素の上、又はその噛み合う部分に設置することができる)、ネジ山、プレス嵌め嵌合(「摩擦嵌め嵌合」又は「締まり嵌め嵌合」と称される場合もある)、スナップ嵌め嵌合、磁石、接着剤、熱融着、その他の好適な取り外し可能な連結手段、及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない様々な連結手段を、蓋106とライナー104との間、蓋106と容器102との間、及び/又はカラー108と容器102との間のいずれかに採用することができる。一部の実施形態では、供給源112及び希釈剤113を添加した後に試料調製システム100を再び開ける必要はなく、その結果容器102、ライナー104、蓋106、及びカラー108を取り外し可能に互いに連結する必要がなく、むしろ恒久的に、又は半恒久的に互いに連結することができる。かかる恒久的又は半恒久的連結手段には、接着剤、縫合、留め金、ネジ、釘、リベット、無頭釘、圧着、溶接(例えば、音波(例えば、超音波)溶接)、いずれの熱接着技術(例えば、連結する構成要素の一方又は両方に熱及び/又は圧力が適用される)、スナップ嵌め嵌合、プレス嵌め嵌合、熱融着、その他の好適な恒久的又は半恒久的連結手段、及びこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。当業者は、かかる恒久的又は半恒久的連結手段の幾つかは、取り外し可能に構成することもでき、その逆もまた同様であり、例としてのみこのように分類されることを認識するであろう。
【0056】
図2及び3に示されるように、蓋106は、フィルタ134に連結することができるポート132、ライナー104内に収容される寸法である円筒形部分136、及び円筒形部分136からポート132に延在するほぼ円錐形の(例えば、円錐台形)部分138を更に含む。円筒形部分136と円錐形の部分138との間の接合部では、蓋106は、円筒形部分136及び円錐形の部分138から放射状に外側に向かって延在するへり140を更に含む。
【0057】
一部の実施形態では、フィルタ134は、蓋106に直接連結される。一部の実施形態では、図2〜3に示されるように、フィルタ134は、フレーム135によって支持することができ、フレーム135を介して蓋106に連結することができる。フレーム135は、フィルタ134の一部分を形成することができ、フレーム135は、蓋106の一部分であってもよく、又はフレーム135は、フィルタ134及び蓋106の両方に連結される別個の要素であってもよい。フレーム135は、様々なポリマー類、金属類、セラミックス、ガラス類、及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、様々な材料から形成することができる。図2〜3に図示される実施形態では、フィルタ134は、金属メッシュから形成され、フレーム135は、金属フィルタ134に固着させたポリマーから形成される。フレーム135は、以下により詳細に記載されるように、蓋106に連結される。
【0058】
図2及び3に図示される実施形態のフィルタ134並びにフレーム135は、試料調製システム100が組み立てられる際、フィルタ134及びフレーム135がライナー104の第2のリザーバ122(又は容器102の第1のリザーバ120)の中に延在するように、蓋106の下端の下方に延在するような形状及び寸法である。しかしながら、フィルタ134及びフレーム135は、様々な形状及びサイズを呈することができる。一部の実施形態では、例えば、フレーム135は、硬質な上部部分(例えば、蓋106に連結される)及び硬質な下部部分を含むことができ、フィルタ134をその間に連結することができ、フィルタ134は、折り畳み可能であってよい。このような実施形態は、以下でより詳細に記載され、図9に図示される。
【0059】
蓋106の円筒形部分136は、円筒形部分136がライナー104の内側表面にスナップ嵌め又はプレス嵌めできるようにする、外側に向かって張り出す複数の突出部142を円周方向に含む。一部の実施形態では、ライナー104の内側表面は、外側に向かって張り出す突出部142の代わりに、又は外側に向かって張り出す突出部142に加えて(例えば、それらの噛み合う関係を形成するために)使用される、内側に向かって張り出す突出部を含むことができる。
【0060】
ライナー104は、ライナー104の側壁128から放射状に外側に向かって張り出すへり144を含むことができ、ライナー104は、試料調製システム100が組み立てられる際、蓋106のへり140と容器102の上面146との間に配置され、密封(例えば、気密密封)が形成されるように、ライナー104のへり144が容器102の上面146及び蓋106のへり140との当接関係を形成できる。図2に示されるように、カラー108は、カラー108が容器102に連結される際、カラー108のへり156が、蓋106のへり140を、容器102の上面146に押しつけられる(例えば、より高い一体性密封を形成するために)ライナー104のへり144に押しつけるように、内側に張り出すへり156を含む。試料調製システム100を組み立てるため、及び試料調製システム100の構成要素間の密封を形成するための上述の手段は、例としてのみ、記載され、図示される。しかしながら当業者は、試料調製システム100の構成要素を組み立てるため、及び試料調製システム100が通常の作業条件下で漏出しないようにする密封(例えば、液密の密封、気密密封、又はこれらの組み合わせ)を形成するための様々なその他の機構を採用できることを理解するであろう。
【0061】
一方、図2及び3の実施形態の蓋106は、ほぼ円錐形又は円錐台形の形状で図示される。蓋106は、円筒形状、長方形又は正方形の断面積を有する管状形状、又は試料調製システム100のその他の構成要素との連結に好適なその他の形状を含むが、これらに限定されない、様々なその他の形状を有することができることが理解されるべきである。同様に、容器102、ライナー104、及びカラー108は、図2に図示される実質的な円筒形状以外の様々なその他の形状を有することができる。更に、蓋106は、試料調製システム100のその他の構成要素を収容できる寸法であってもよい。
【0062】
蓋106は、容器102に関して上記に列記した材料を含む、様々な材料から形成することができる。蓋106は、使用用途により、半透明(又は更には透明)、又は不透明にすることができる。
【0063】
カラー108は、様々な高分子材料、金属材料、及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、様々な材料から形成することができる。例えば、カラー108は、成形プラスチック構成要素、又は機械加工金属(アルミニウム等)構成要素から形成することができる。一部の実施形態では、カラー108は、ガラス繊維強化ポリプロピレンを含む成形プラスチック構成要素から形成される。
【0064】
図2に示されるように、蓋106のポート132は、ポート132が蓋106の内側表面153の部分152、及び蓋106の開口部154を画定するように、ほぼ円筒形で管状の形状である。蓋106は、中空であり、試料調製システム100が組み立てられると、第2のリザーバ122と流体連通するようになる。ポート132は、円筒形である必要はなく、代わりに、所定の用途に必要ないずれの形状を呈することもできる。図2及び3に図示される実施形態では、フィルタ134は、フィルタ134が第2のリザーバ122に加えて、開口部154を有する蓋と流体連通するように、ポート132に連結される(即ち、フレーム135を介して)。
【0065】
図2に示される実施形態では、カバー109は、ポート132の少なくとも一部分を収容する形状及び寸法である。結果として、蓋106の開口部154を閉締するため、及び試料調製システム100を環境から密封するため(例えば、気密密封)に、カバー109を蓋106のポート132に連結することができる。カバー109は、上述の連結手段のいずれを使用しても、蓋106に連結することができる。カバー109は、蓋106と一体化して形成してもよく(例えば、以下により詳細に記載され、図13に図示される押し上げ式スナップ式カバー)、又はカバー109は、蓋106と分離していてもよい(例えば、以下により詳細に記載され、図9〜12に図示されるネジ式カバー)。カバー109は、容器102又はカラー108に関して上記に列記した材料を含む、様々な材料から形成することができる。
【0066】
一部の実施形態では、蓋106は、バリアを穿刺若しくは貫通して、又はフィルムを取り外して蓋106の内部にアクセスできるように、蓋106の内部の少なくとも一部分を環境から分離する、壊れやすい若しくは貫通できるバリア、又は取り外し可能なフィルムを含む。このような実施形態では、カバー109を採用する必要はない。
【0067】
図3に示されるように、蓋106の内側表面153は、その他の構成要素(例えば、概念が図5〜6に図示され、以下に記載される、追加又は代替フィルタ)を連結することができる、様々な内周縁を含むことができる。内周縁は、縁部への連結が所望されるその他の構成要素に応じて、所望する任意の配向を有することができる。一部の実施形態では、内周縁は、図3では縁部が実質的に水平になるように、蓋106の中央長手軸と実質的に直交するように配向される。
【0068】
更に、蓋106は、その他の構成要素(例えば、フィルタ)を連結することができる、内側に向かって延在する様々な部材を含むことができる。例えば、図3に示されるように、フィルタ134は、フレーム135によって支持され、蓋106は、上述のいずれの連結手段をも含むが、これらに限定されない、様々な連結手段によってフレーム135を連結することができる、内側に向かって延在する部材155を含む。内側に向かって延在する部材155は、蓋106と一体化して形成することができる。
【0069】
フィルタ134は、液体組成物114を十分にろ過するためのいずれの幾何学的形状であってもよい。一部の実施形態では、フィルタ134は、変形可能であり、かつ/又は折り畳み可能(即ち、フィルタ134がそれ自身の重量下で折り重なるように)である。一部の実施形態では、フィルタ134は硬質であり、その形状を保持する(即ち、それ自身の重量下で折り重ならない)。試料調製システム100で使用されるフィルタ134のサイズ及び数、並びにその多孔度は、供給源112中の所望の検体及び不溶物に応じて、変化してもよい。
【0070】
例としてのみで、一部の実施形態では、液体組成物114は食料を含み、所望の検体はバクテリアであり、不溶物は食料粒子又は残屑である。このような実施形態では、例えば、後続の分析のために対象とするバクテリア(存在する場合)がフィルタ134を通過できるようにする一方で、食料粒子を保持する及び/又は分離するように、フィルタ134を選択することができる。更なる一例として、一部の実施形態では、液体組成物114は溶解したバクテリア細胞培養物を含み、所望の検体は、DNA、RNA、タンパク質、又は代謝産物の中の1種以上であり、不溶物は細胞残屑である。このような実施形態では、例えば、後続の分析のために、所望のDNA、RNA、タンパク質、及び/又は代謝産物がフィルタ134を通過できるようにする一方で細胞残屑は保持する及び/又は分離するように、フィルタ134を選択又は処理(例えば、抗体等の生体分子結合剤で誘導体化)することができる。あるいは、例えば、細胞残屑がフィルタ134を通過できるようにする一方、所望のDNA、RNA、タンパク質、及び/又は代謝産物を保持するように、フィルタ134を選択又は処理することができる。
【0071】
フィルタ134は、抽出及び/又は採取のために、液体組成物114中の所望の検体(存在する場合)がフィルタ134を通過できるようにする一方で、液体組成物114から粒子を保持するために十分である、様々な孔径を有することができる。あるいは、所望されない物質がフィルタ134を通過できるようにする一方で、所望の検体を保持するように、フィルタ134をサイズ調整する、帯電させる、及び/又は官能化することができる。そのような実施形態では、試料はフィルタ134の少なくとも一部分を含むことができ、これを更に処理(例えば、富化、濃縮、分析等)することができる。
【0072】
一部の実施形態ではフィルタ134は少なくとも2μmの、一部の実施形態では少なくとも5μmの、一部の実施形態では少なくとも40μmの、一部の実施形態では少なくとも80μmの、及び一部の実施形態では少なくとも120μmの平均孔径又はメッシュサイズを有する。一部の実施形態ではフィルタ134は最大でも2000μmの、一部の実施形態では最大でも1000μmの、一部の実施形態では最大でも500μmの、一部の実施形態では最大でも200μmの、一部の実施形態では最大でも50μmの、一部の実施形態では最大でも10μmの、及び一部の実施形態では最大でも1μm(例えば、バクテリアがフィルタ134を通過するのを制限することが所望される場合)の平均孔径又はメッシュサイズを有する。
【0073】
図2及び3に図示される実施形態では、フィルタ134は、蓋106に設置され、一般に蓋106の中央長手軸と一致する。しかしながら、一部の実施形態では、フィルタ134は、蓋106の「軸外」の位置に配置される。例えば、開口部158は、蓋106のフィルタ134の可能な「軸外」の位置を示すために、図2に点線で示される。代替又は追加のポートを、開口部158の位置に配置し、そこに連結することができる。フィルタ134は、恒久的に、又は取り外し可能に、一方又は両方の位置に連結することができる。
【0074】
幾つかの実施形態、特にライナー104を採用しない実施形態では、フィルタ134は、代わりに、又は追加として、容器102の側壁129の開口部160又は容器102の底部127の開口部124(又は容器102の底部127の異なる位置に形成される開口部)を通って、試料調製システム100の内部(即ち、容器102の第1のリザーバ120)にアクセスすることができる。このような実施形態では、フィルタ134は、恒久的に又は取り外し可能に、容器102の側壁129又は底部127に連結することができる。別又は追加のポートを、開口部160及び124の位置に配置し、そこに連結することができる。一部の実施形態では、試料調製システム100は、蓋106のポート132、蓋106の開口部158の位置での追加のポート、容器102の側壁129の開口部160の位置での追加のポート、及び/又は容器102の底部127の開口部124の位置での追加のポート等のポートを1つ以上含むことができる。試料調製システム100のいずれの位置でのいずれのポートを密封するためにも、カバー109又は同様の密閉装置を使用することができる。
【0075】
フィルタ134に関しては異なる位置でも可能であるため、フィルタ134は、試料調製システム100及び特定の使用用途において、その位置に収容されるような形状及び寸法であってよい。フィルタ134のいずれの可能な位置で、所望のろ過の種類、及びフィルタ134が液体組成物114をどのようにろ過するか意図されるかに応じて、フィルタ134は、液体組成物114のレベル165の完全に上方又は完全に下方に配置することができるか、又はフィルタ134の一部分を液体組成物114のレベル165の上方に、及び一部分を下方に配置することができる。例えば、図2に図示される実施形態では、フィルタ134は、ポート132に連結され、液体組成物114のレベル165がどれだけ高いかに応じて、典型的には、フィルタ134の一部分を液体組成物114のレベル165の上方に、及び一部分を下方に配置するように、ポート132から試料調製システム100の内部に延在するであろう。
【0076】
フィルタ134は、ライナー104及び液体組成物114の内部と流体連通し、液体組成物114をろ過するように働き、ろ液116を形成する。ろ液116は、フィルタ134の容量内に配置され、近接するポート132から抽出、及び/又は採取することができる。複数の位置でフィルタ134を採用する実施形態では、ろ液116は、上述したいずれのポート又は開口部からも採取することができる。
【0077】
フィルタ134は、ナイロン、フッ素化ポリマー類(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))、セルロース類(例えば、セルロースエステル類(例えば、酢酸セルロース)及びニトロセルロース等の変性セルロース)、ファイバーグラス、ろ紙、及びこれらの組み合わせの1種以上を含むが、これらに限定されない、様々な材料から形成することができる。一部の実施形態では、フィルタ134は、織布ウェブ、不織布ウェブ、成形構造体、発泡体、織布、繊維ウェブ、及びこれらの組み合わせから形成することができる。フィルタ134の表面積は、フィルタ134にひだを付けることによって、又はその他の類似の技術によって増すことができる。フィルタ134の厚さは、カレンダー加工又は縮充プロセスによって制御することができる。
【0078】
一部の実施形態では、(フィルタ134がどの位置にあるかに関わらず)、フィルタ134は、供給源112の保有部又は保持部として使用することができる。この概念の一例は、図4に図示され、以下に記載される。
【0079】
上記のように、ライナー104は、使い捨てであってもよい。更に、一部の実施形態では、1つ以上の蓋106、カバー109、及びフィルタ134は、使い捨てであってもよい。例えば、一部の実施形態では、蓋106は、ライナー104と連結してもよく、カバー109及びフィルタ134は蓋106と連結してもよい。ライナー104、蓋106、フィルタ134、及びカバー109は、容器102又はカラー108を汚染することなく使用できる、試料調製システム100の使い捨て部分を形成することができる。使い捨て部分は、容器102から取り外し、廃棄することができる。次いで、容器102及びカラー108は、新しいライナー104、蓋106、フィルタ134、及びカバー109と共に再使用することができる。
【0080】
図4は、本開示の別の実施形態による試料調製システム200を図示し、ここで、類似の数字は類似の要素を表す。試料調製システム200は、図2〜3に図示された実施形態に関連して上述したものと同一の多くの要素及び特徴部を共有する。したがって、図2〜3に図示された実施形態の要素及び特徴部に一致する要素及び特徴部には、200シリーズにおいて同様の参照番号が提供される。図4に図示される実施形態の特徴部及び要素(及び、このような特徴部及び要素の代替)を更に完全に説明するために、図2〜3に伴う上記の説明の参照がなされる。
【0081】
試料調製システム200は、容器202及び蓋206を含む。試料調製システム200は、ライナーを含まず、蓋206は、容器202に直接連結する。試料調製システム200は、容器202の側壁229に形成される開口部260に流体連結されるフィルタ234を更に含む。試料調製システム100のフィルタ134とは異なり、フィルタ234は、供給源212のための保有部又は保持部として機能する。
【0082】
フィルタ234は、容器202と恒久的に連結することができ、供給源212は、フィルタ234に添加することができるか、又はフィルタ234は、容器202に取り外し可能に連結することができ、供給源212は、フィルタ234が容器202に連結される前、又は後にフィルタ234に添加することができる。一部の実施形態では、フィルタ234は、フィルタ234が供給源212を含み、希釈剤213がフィルタ234の内部の内へ又は外へと流れて供給源212と混合できるように、容器202の第1のリザーバ220内で浮動性であってもよい。
【0083】
供給源212は、供給源212をフィルタ234内で希釈剤213と組み合わせて液体組成物214を形成できるように、フィルタ234内に配置され、フィルタ234の少なくとも一部分が、容器202の希釈剤213のレベルより下方に配置され、容器202の内部と流体連通している。フィルタ234内に配置される液体組成物214は、希釈剤213中の対象とする検体(存在する場合)、並びに供給源212からのいずれかのその他の可溶物又は不溶物を含む。攪拌中、供給源212及び希釈剤213を混合し、希釈剤213で供給源212を溶解、分散、懸濁、及び/又は乳化することができる。フィルタ234の孔径は、希釈剤213及び希釈剤213中のいずれかの対象とする検体(存在する場合)が、フィルタ234の内外を自由に流れるように構成され、その結果、生じたろ液216はフィルタ234の外側かつ容器202のリザーバ220内に配置され、希釈剤213及びいずれかの存在する対象とする検体を含む。
【0084】
ろ液216は、蓋206のポート232、蓋206の開口部258、容器202の側壁229の追加の開口部、及び/又は容器202の底部227の開口部224を含む、様々なポート又は開口部のいずれからも、採取することができる。更に、開口部260を介して試料調製システム200に連結する代わりに、フィルタ234は、蓋206のポート232、蓋206の開口部258、及び/又は容器202の底部227の開口部224を含む、様々なポート又は開口部のいずれかを介して、試料調製システム200に連結することができる。一部の実施形態では、図4に示すように、ポートのうちの1つ以上は、試料調製システム100のフィルタ134と同様の方法で機能する追加のフィルタ234’を含むことができる。このような実施形態では、フィルタ234’によってろ液216を更にろ過することができ、生じるろ液216’はフィルタ234’内に配置され、隣接のポート(即ち、図4のポート232)から抽出及び/又は採取することができる。
【0085】
試料調製システム200は、ライナーを更に含み、十分な密封が開口部260の位置でライナーと容器202との間に提供されるという条件で、この場合希釈剤213及び生じるろ液216はライナー内に配置され得る。
【0086】
図5〜6は、本開示の別の実施形態による試料調製システム300を図示し、類似の数字は類似の要素を表す。試料調製システム300は、図2〜3に図示する実施形態に関連して上述したものと同一の多くの要素及び特徴部を共有する。したがって、図2〜3に図示された実施形態の要素及び特徴部に一致する、要素及び特徴部は、300シリーズにおいて同様の参照番号が提供される。図5〜6に図示される実施形態の特徴部及び要素(及び、このような特徴部及び要素の代替)を更に完全に説明するために、図2〜3に伴う上記の説明の参照がなされる。
【0087】
図5〜6は、試料調製システム300の蓋306のみを示す。試料調製システム300のその他の構成要素は、上述し、図2〜4に図示した試料調製システムのその他の各構成要素のいずれをも含むと仮定することができ、したがって、簡潔さのために、図5〜6には示されない。
【0088】
蓋306が、実質的に平面で、蓋306の内側表面353に連結するフィルタ334を含むことを除き、蓋306は、上述し、図2〜3に図示した蓋106と実質的に同様である。蓋306の内側表面353は、上方内周縁370及び下方内周縁368を含む。図5に示されるように、上方内周縁370は、外周371から内周373へ延在し下方に面する表面を含む。同様に、下方内周縁368は、外周376から内周378へ延在し下方に面する表面を含む。フィルタ334の外周は、内側表面353の上方内周縁370と連結する。更に、フィルタ334は、保持壁372と接触する。保持壁372は、フィルタ334の外周を保持するために、蓋106の内側表面353から下方に延在する。
【0089】
フィルタ334は、蓋106について上述したものと同様の連結手段を使用して、蓋306と連結することができる。フィルタ334は、恒久的、又は取り外し可能に蓋306と連結することができる。フィルタ334と蓋306との間の連結の程度は、これに限定されないが、フィルタ334の材料、蓋306の材料、連結された表面領域の寸法及び構造、及び使用される連結手段の種類を含む多くの要素に応じて様々であり得る。例えば、フィルタ334がほつれた縁部を含む場合、より幅広い及び/又は刻み付きの連結表面領域が使用されてもよい(例えば、上方内周縁370は刻み付きであってもよい)。このような幅広の及び/又は刻み付きの超音波溶接部は、フィルタ334のほつれ縁部を捕捉することができる。ほつれの量を最小限にするために、フィルタ334の縁部を融着することができるレーザーを使用して、フィルタ334を切断することができる。これにより生じたレーザー切断されたフィルタ334は、あったとしても、最低量のほつれを含むため、より狭い幅の連結領域を使用することができる。一部の実施形態では、連結領域は、フィルタ334の外周の周囲に全面的に延在する。一部の実施形態では、連結領域は、最大5.0mmの平均幅(即ち、フィルタ334の外周と同じ平面内で、かつ実質的に垂直な寸法)を有することが可能であり、一部の実施形態では、1.0mm〜3.0mmの範囲であることが可能である。あるいは、フィルタ334は、例えば、成形プロセスによって、蓋306と一体的に形成することができる。
【0090】
フィルタ334は、蓋306と同様の材料、又は異なる材料から形成することができる。フィルタ334は可撓性であるか、又は半剛体であり得る。一部の実施形態では、フィルタ334は、ナイロンの不織布又は織布から形成されるが、蓋306は、ポリプロピレン等のポリマーから形成された射出成形部品である。このような実施形態では、超音波溶接技術を介して、ナイロンフィルタ334を蓋306に連結することができる。超音波溶接の間、上方内周縁370の少なくとも一部分を溶解して、フィルタ334を機械的に固着することができる。ナイロンは、ポリプロピレンよりも高い融解温度を有するため、ナイロンフィルタ334は、超音波溶接プロセスの間、その構造的な一体性を維持することができる。このような実施形態では、上方内周縁370の少なくとも一部分が、フィルタ334の一部分の中に入ってもよく、これによって、フィルタ334の一部分を封入することができる。
【0091】
フィルタ334は、所定の用途によって様々である寸法及び形状を有することができる。フィルタ334は、これに限定されないが、円形状、正方形状、長方形状、三角形状、多角形状、星型形状、他の好適な形状、及びこれらの組み合わせを含む、所望のいずれの形状をも有することができる。図5及び6に図示される実施形態では、フィルタ334は、実質的に円形の形状を有する。
【0092】
フィルタ334の寸法は、蓋306の寸法に応じて様々であり得る。一部の実施形態では、フィルタ334は、より小さい又はより大きい寸法を有し得るが、フィルタ334は、15mm〜100mmの範囲の最大寸法(即ち、長さ、幅、又は直径)を有する。例えば、一部の実施形態では、フィルタ334は、円形状及び56mmの直径を有し得る。
【0093】
図5及び6を引き続き参照すると、保持壁372は、蓋306と一体的に形成することができる。一部の実施形態では、図5に示されるように、蓋306は、2つ以上の保持壁372を含み、(i)それぞれの保持壁372は、その厚さよりも大きい周辺長さを有し、(ii)それぞれの保持壁372は、フィルタ334の外周に沿って配置され、(iii)2つ以上の保持壁372の合計の周辺長さは、フィルタ334の外周の合計の周辺長さよりも短い。
【0094】
図5に示されるように、蓋306は、上方内周縁370の外周371に沿って互いに等しく間隔をおく、4つの保持壁372を含む。一部の実施形態では、それぞれの保有壁372は、800μm〜1200μmの範囲の厚さ、外周371に沿って1.0mm〜22.0mmの範囲の距離に延在する長さ(即ち、この例示的な実施形態では、アーク長)、及び1.0mm〜5.0mmの範囲の高さを有する。一部の実施形態では、それぞれの保持壁372は、保持壁372の周辺の流量を妨げない(又は影響を最小限にする)ように、セグメント化された構成を有する。
【0095】
蓋306は、開口部354及び内部に延在する部材355を含む。内部に延在する部材355を使用して、フィルタ134が、図2及び3で蓋106に連結されたのと同じ方法で、追加のフィルタ(図示せず)を蓋306と連結することができる。このような実施形態では、フィルタ334は、追加のフィルタの下に設置され、追加のフィルタは、蓋306の上部からフィルタ334への距離よりも短い長さ寸法を有することができる。
【0096】
一部の実施形態では、図5及び6に示されるように、フィルタ334は、蓋306の最小断面積よりも大きい合計表面積を有する。蓋306では、最小断面積は、蓋開口部354の断面積である。一部の実施形態では、1つ以上のフィルタが、フィルタ334と同様の様式で蓋306に連結される。例えば、一部の実施形態では、フィルタ334又は追加のフィルタ(図示せず)を、下方内周縁368と連結することができる。即ち、1つ以上のフィルタ334を、蓋306と連結し、蓋306の内側表面353に沿ったいずれかの場所に配置することができる。1つ以上のフィルタ334を採用する実施形態では、フィルタ334は、互いに類似であるか、又は互いに異なってもよい。即ち、フィルタ334は、同一、又は異なる材料から形成されてもよく、フィルタ334は、同一、又は連続的により小さな孔径を有してもよい。
【0097】
一例として、第1のフィルタ334は、上方内周縁370と連結されてもよく、56mmの直径、80μmの要素孔径を有してもよく、1つ以上の保持壁372によって少なくとも部分的に囲まれてもよく、一方第2のフィルタ334は、下方内周縁368と連結されてもよく、96mmの直径を有してもよく、200μmの要素孔径を有してもよく、蓋306の内側表面353によって少なくとも部分的に囲まれてもよい。
【0098】
上記のフィルタ134、234、及び334のいずれもを、1つの試料調製システム内で互いに組み合わせて使用することができる。例えば、上述したように、フィルタ134は、異なる用途のための一連のフィルタを提供するために、及び/又は液体組成物から引き続いてより小さな粒子を取り出すために、フィルタ234及び/又はフィルタ334と組み合わせて使用することができる。
【0099】
あるいは、又は更に、液体組成物から引き続いてより小さな粒子を取り出すために、それぞれの種類のフィルタ134、234、又は334の1つ以上を採用する(及び、一部の実施形態では、ネスト化)することができる。例えば、ろ液を収集するために連続したより小さい孔径を有する次のフィルタに対し、より大きい孔径の前置フィルタとして働く粗いフィルタであるフィルタが配置されてもよい。フィルタは、直立位置での試料調製システムの使用のために配置されてもよく、及び/又は傾けられるか若しくは反転された場合の試料調製システムの使用のために、配置することもできる。
【0100】
図7は、本開示の別の実施形態による試料調製システム400を図示し、類似の数字は類似の要素を表す。試料調製システム400は、図2〜3及び5〜6に図示される実施形態を参照して上述したものと同一の多くの要素及び特徴部を共有する。したがって、図2〜3及び5〜6に図示された実施形態の要素及び特徴部に一致する要素及び特徴部には、400シリーズにおいて同様の参照番号が提供される。図7に図示される実施形態の特徴部及び要素(及び、このような特徴部及び要素の代替)を更に完全に説明するために、図2〜3及び5〜6に伴う上記の説明の参照がなされる。
【0101】
試料調製システム400は、第1のリザーバ420を有する容器402と、第2のリザーバ422を有しかつ容器402の第1のリザーバ420内に収容される寸法のライナー404と、蓋406と、カラー408と、プランジャ437とを含む。蓋406は、上述し、図2〜6に図示した蓋106、206、及び306のものと同様であるが、2つの上方に延在する突起439を更に含み、これにより、試料調製システム400をその他の装置に連結するか、又はカバー(図示せず)に連結手段を提供することができる。蓋406は、ポート432を含み、かかるポートは、試料調製システム400をカバー又はその他の装置に連結するための代替又は追加の連結手段を提供することができる、複数の隆起部441を含む。蓋406は、図5〜6に示され上述された、フィルタ334と実質的に同様である、フィルタ434を更に含む。
【0102】
一部の実施形態では、図7に示されるように、プランジャ437は、プランジャ437が容器402の上部に向かう第1の方向Dに動かされる時に、ライナー404の外部に正圧を適用するように構成される。図7に示されるように、プランジャ437が、ライナー404の外部に圧力を適用するように使用されると、ライナー404は圧縮され、第2のリザーバ422内の容量が減少し、液体組成物414(供給源412及び希釈剤413を含む)はフィルタ434を通すように強制されて、蓋406内に集まるろ液416を形成する(例えば、図7に示されるように試料調製システム400が反転された時)。次いで、ポート432を介して、試料調製システム400からろ液416を移動させることができる。
【0103】
一部の実施形態では、プランジャ437は、ライナー404の内部に陰圧を適用するように構成される。例えば、一部の実施形態では、プランジャ437が、容器402の下部に向かって、第1の方向Dと反対の第2の方向Dに動かされると、ライナー404が拡張し、これがその内部(即ち、第2のリザーバ422)に減圧を生じ、第2のリザーバ422と試料調製システム400の外部との間に圧力差を確立するように、プランジャ437がライナー404に連結される。この圧力差により、例えばポート432を介して、流体を第2のリザーバ422の中に移動させることができる。プランジャ437がライナー404の外部と協働して圧力差を生じる結果、液体組成物414と接触することなくプランジャ437を使用することができ、汚染の危険性を伴わずに再使用することができる。
【0104】
一部の実施形態では、図7に示されるように、プランジャ437は、容器402の底部427の開口部424内に収容される寸法である、ハンドル443を含むことができる。一部の実施形態では、プランジャ437のハンドル443は、開口部424のサイズにより近くサイズ調整することができ、及び/又はハンドル443と開口部424との間に密封手段(例えば、Oリング)を配置して、密封を形成することができる。図7に図示される実施形態では、ハンドル443は、ライナー404と接触するプランジャ437の部分(例えば、ライナー404の底部426)より小さな直径を有する。ライナー404と接触するプランジャ437の部分は、容器402の第1のリザーバ420内に収容される寸法である。しかしながら、一部の実施形態では、プランジャ437は、均一な断面又は徐々に小さくなる断面(例えば、第2の方向Dに)を有し、容器402の開口部424は適宜サイズ調整される。図7に示されるプランジャ437は、例として示されるに過ぎないが、当業者は、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な形状及びサイズのプランジャを使用し得ることを理解するはずである。
【0105】
プランジャ437は、容器102について上記で列記した材料を含む様々な材料から形成することができ、プランジャ437は固体又は中空であり得る。プランジャ437は、使用用途により、半透明(又は更には透明)、又は不透明にすることができる。
【0106】
図8は、本開示の別の実施形態による試料調製システム500を図示し、類似の数字は類似の要素を表す。試料調製システム500は、図2〜3及び7に図示される実施形態を参照して上述したものと同一の多くの要素及び特徴部を共有する。したがって、図2〜3及び7に図示された実施形態の要素及び特徴部に一致する要素及び特徴部には、500シリーズにおいて同様の参照番号が提供される。図8に図示される実施形態の特徴部及び要素(及び、このような特徴部及び要素の代替)を更に完全に説明するために、図2〜3及び7に伴う上記の説明の参照がなされる。
【0107】
図8に示されるように、試料調製システム500は、第1のリザーバ520を含む容器502と、第1のリザーバ520内に収容される寸法であり、第2のリザーバ522を含むライナー504と、蓋506とを含む。カラー(図示せず)を採用して、試料調製システム500の構成要素を合わせて更に固定することもできる。第2のリザーバ522は、供給源512及び希釈剤513を含む液体組成物514を含むように構成される。試料調製システム500は、フィルタ534に連結されるプランジャ537を更に含む。フィルタ534は、液体組成物514をろ過して、対象とする検体(存在する場合)を含むろ液516を形成するように構成される。
【0108】
容器502は、底部527と、側壁529と、底部527内に画定される開口部524とを含む。ライナー504は、例えば、容器502の底部527の開口部524を介してアクセスすることができる、側壁528及び底部526を含む。蓋506は、蓋506及び試料調製システム500の開口部554を画定するポート532を含む。プランジャ537は、ハンドル543が、試料調製システム500の外部からアクセスすることができ、フィルタ534の液体組成物514の通過を強制するように、ポート532内に収容される寸法である、ハンドル543を含む。一部の実施形態では、プランジャ537のハンドル543は、開口部554のサイズにより近くサイズ調整することができ、及び/又はハンドル543と開口部554との間に密封手段(例えば、Oリング)を配置して、密封を形成することができる。蓋506は、蓋506の第2のポート内に画定される軸外開口部558を更に含むことができ、これは、例えば脱気口として、試料調製システム500内から圧力を解除させる役目を果たすことができる。
【0109】
一部の実施形態では、図8に示されるように、フィルタ534は、ライナー504の第2のリザーバ522内に適合する寸法であり得る。このような実施形態では、フィルタ534は、ライナー504の変形性の効力によりライナー504の側壁528と密封を形成することができ、フィルタ534の外側表面とライナー504の側壁528の内側表面との間に追加の密封手段を必ずしも必要としない。また、ライナー504の変形性が、より幅広い許容度を可能にすることができ、その結果、フィルタ534は、ライナー504と更に協働することができるように、狭い範囲内にサイズ調整する必要がない。
【0110】
あるいは、一部の実施形態では、試料調製システム500はライナー504を含まず、フィルタ534が容器502と協働するように構成することができる。例えば、フィルタ534を、容器502の第1のリザーバ520内に適合するようにサイズ調整することができる。一部の実施形態では、試料調製システム500は、フィルタ534と容器502の側壁529との間に配置される、密封手段(例えば、Oリング)を含むことができる。一部の実施形態では、容器502の側壁529は、フィルタ534の側壁529との密封を促進するために、垂直方向に真っ直ぐ(即ち、底部527に対して垂直)である。一部の実施形態では、フィルタ534は、フィルタ534が、容器502の側壁529に先細部を提供するのを可能にするように、変形可能な(例えば、エラストマーの)外側フランジを含む。また、このようなフランジを、フィルタ504を採用する実施形態に組み込むこともできるだろう。
【0111】
プランジャ537が、方向Dに沿って下向きに押圧されると、フィルタ534は、液体組成物514を通して下向きに移動し、その結果、比較的大きな不溶物(即ち、フィルタ534の孔径より大きいサイズを有するいずれかの微粒子)は、フィルタ534の下に維持され、いずれかの可溶物及び比較的小さな不溶物(即ち、フィルタ534の孔径より小さいサイズを有するいずれかの微粒子)は、フィルタを通過し、第2のリザーバ522内のフィルタ534の上に、ろ液516が形成される。プランジャ537は、設定された位置まで(例えば、ライナー504、フィルタ534、及び/又はプランジャ537が1つ以上の止め具を含むことができる、プランジャ537が第2のリザーバ522の特定の深さにのみ対応するようにサイズ調整され得る等)、あるいは液体組成物514内に残るいずれかの不溶物が、フィルタ534によって少なくとも部分的に圧縮される位置まで、方向Dに押圧することができる。
【0112】
一部の実施形態では、プランジャ537のハンドル543は、中空であり、第2のリザーバ522と流体連通することができる。このような実施形態では、ろ液516の少なくとも一部分を、プランジャ537のハンドル543の内部に収容することができ、ハンドル543を介して試料調製システム500から取り出すことができる。そのような実施形態では、プランジャ537は、ハンドル543の上端を収容する寸法のカバーを含むことができる。あるいは、プランジャ537は中空であり、液体組成物514の少なくとも一部分をプランジャ537のハンドル543の内部に収容することができるように、その底部をフィルタ534で覆わなくてもよい。そのような実施形態により、液体組成物514が、第2のリザーバ522の下部にあまり空間を占めず、フィルタ534が、方向Dに沿って、第2のリザーバ522内の更に下方に移動することを可能にし得る。
【0113】
図9〜12は、本開示の別の実施形態による試料調製システム600を示し、類似の数字は類似の要素を表す。試料調製システム600は、図2〜3に図示される実施形態を参照して上述したものと同一の多くの要素及び特徴部を共有する。したがって、図2〜3に図示された実施形態の要素及び特徴部に一致する要素及び特徴部には、600シリーズにおいて同様の参照番号が提供される。図9〜12に図示される実施形態の特徴部及び要素(及び、このような特徴部及び要素の代替)を更に完全に説明するために、図2〜3に伴う上記の説明の参照がなされる。
【0114】
図9に示されるように、試料調製システム600は、受け器604と、蓋606と、カバー609と、フィルタアセンブリ633とを含む。受け器604は、変形可能であり、自己支持型であり及び自立型である。受け器604は、底部626及び側壁628を含む。側壁628は、蛇腹式の構成を含み、かつ側壁628がそれぞれのプリーツ645で折り畳まれることを可能にし、その長手軸に実質的に沿って受け器604が折り重なるのを促進し、特に、その長手軸に実質的に沿って、実質的に均一に受け器604が折り重なるのを促進する、複数のプリーツ又は襞645(例えば、複数の環状プリーツ又は襞645)を含む。図9に図示される実施形態では、側壁628は、例としてのみ、複数のプリーツ又は襞645を含む。しかしながら、側壁628は、側壁628が環状の弱体化部分の位置で曲がるのを可能にする、側壁628の残りの部分ほど硬質ではない、及び/又は厚くはない、側壁628の環状の弱体化部分等の、側壁628が、その長手軸に実質的に沿って、実質的に均一に折り重なることを可能にする、その他の構造を含み得ることが理解されるべきである。また、その他の好適な構造も可能であり、本開示の趣旨及び範囲内である。
【0115】
受け器604の底部626は、受け器604がその長手軸に沿って折り重なるのを促すように、強化し、より硬質な材料で作製し、及び/又は側壁628と比較してより厚くすることができる。受け器604は、供給源及び希釈剤を含む液体組成物を含むように構成されるリザーバ622を含む。
【0116】
受け器604は、ライナー104に関して上記に列記した材料を含む、様々な材料から形成することができる。受け器604は、使用用途により、半透明(又は更には透明)、又は不透明にすることができる。試料調製システム600の構成要素のいずれか又はすべては、使い捨て(例えば、1回限り使用するように作製された)であり得る。
【0117】
蓋606は、フィルタアセンブリ633に連結することができるポート632と、受け器604内に収容される寸法である円筒形部分636と、円筒形部分636からポート632に延在するほぼ円錐形の(例えば、円錐台形)部分638とを含む。円筒形部分636と円錐形部分638との間の接合部では、蓋106は、円筒形部分636及び円錐形部分638から放射状に外側に向かって延在するへり640を更に含む。蓋606のポート632は、ポート632が内側表面652を含み、蓋606の、かつ組み立てられた時には試料調製システム600の、開口部654を画定するように、ほぼ円筒形で管状の形状である。
【0118】
蓋606の円筒形部分636は、円筒形部分636を受け器604の内側表面にスナップ嵌め又はプレス嵌めできるようにする、外側に向かって張り出す複数の突出部642を円周方向に含む。受け器604は、蓋606のへり640との当接関係を形成できる、上面644を含むことができる。蓋606及び受け器604は、試料調製システム600が通常の作業中に漏出しないように、密封(例えば、液密の密封、気密密封、又はこれらの組み合わせ)を形成するために、上記の取り外し可能又は恒久的な連結手段のいずれかを使用して、連結することができる。例えば、円周方向に外側に向かって張り出す複数の突出部642を、受け器604の内側表面に超音波溶接することができる。
【0119】
フィルタアセンブリ633は、フレーム635及びフィルタ634を含む。フレーム635は、上部部分635a及び下部部分635bを含み、フィルタ634はその間に連結される。フレーム635の上部部分635aは、蓋606のポート632に連結され、蓋606のポート632及び受け器604のリザーバ622内に収容される、形状及び寸法である。フレーム635は下部部分635bを含む必要はないが、下部部分635bは、フィルタ634の、受け器604のリザーバ622内の液体組成物への曝露に際し、フィルタ634に追加の重量及び補助を与える。
【0120】
上部部分635aは、蓋606のポート632内に収容される寸法の管状体647と、蓋606のポート632の上に位置する寸法の、管状体647の上端に連結されるへり649と、複数のリブ651とを含む。リブ651は、管状体647の周囲で円周方向に間隔を置く。図9に図示される実施形態は、2つのリブ651を含むが、必要に応じてより少なく又は多くを使用することができる。リブ651は、スナップ嵌め嵌合で蓋606に連結される形状である。特に、リブ651は、それぞれ、フレームの上部部分635aがポート632の中に移動されるにつれて、ポート632の内側表面652に沿って摺動するように構成される、カム表面675を含む。更に、それぞれのリブ651のカム表面675は、管状体647がポート632の中に移動されるにつれて、各リブ651が内側に向かって放射状に付勢されるようにし、更に、各リブ651を、ポート632の下部の下の位置(即ち、蓋606の内側上)に、嵌め込む(例えば、外側に向かって放射状に)ようにする。
【0121】
そして、カム表面675をポート632の内側表面652と接触させるように、少なくとも1つのリブ651を十分に内側に向かって移動させ、リブ651がポート632の内側表面652との接触から解放されるまで、カム表面675を内側表面652に沿って上方に摺動し続けるのに十分な力で、フレーム635のへり649を引き上げることによって、フィルタアセンブリ633を蓋606から取り外すことができる。あるいは、フィルタアセンブリ633は、少なくとも1つのリブ651を、各リブ651のカム表面675をポート632の内側表面652と接触させるために上方への力を加えつつ、内側に向かって放射状に移動させることにより、あるいは、リブ651を互いに向かって(例えば、内側に向かって放射状に)圧迫して、フレーム635の上部部分635aをポート632から上方に移動させることによって、蓋606から取り外すことができる。
【0122】
図9に図示されるフィルタ634は、折り畳み可能であり、少なくとも部分的にフレーム635の下部部分635bの重量によって、受け器604のリザーバ622の中に下向きに吊るされるようにすることができる。
【0123】
カバー609は、ポート632の少なくとも一部分を収容する形状及び寸法である。結果として、カバー609を蓋606のポート632に連結して、蓋606の開口部654を閉締し、雰囲気から試料調製システム600を密封(例えば、気密密封)することができる。カバー609は、上述の連結手段のいずれを使用しても、蓋106に連結することができる。図9に図示される実施形態では、蓋606のポート632は、カバー609がポート632上にネジで締められるように、カバー609の内側のネジ山(図示せず)と噛み合うように嵌合するように構成される、複数のネジ山674を含む。しかしながら、上述のその他の連結手段のいずれを採用しても、カバー609を蓋606に連結して、蓋606の開口部654を閉締することができる。カバー609及び蓋606は、一緒になって蓋アセンブリ677を形成することができ、試料調製システム600が組み立てられて閉締された時には、フィルタアセンブリ633のへり649は、カバー609と蓋606のポート632の上端との間に挟持され得る。
【0124】
図10は、カバー609を蓋606に連結した、蓋アセンブリ677及びフィルタアセンブリ633を図示し、フィルタアセンブリ633はそれらの間に連結される。フィルタ634は、フィルタアセンブリ633が蓋606の内部に受容されるように、圧縮された状態で示される。フィルタフレーム635の下部部分635bは、フレーム635の下部部分635bを上方に押圧することにより、フィルタ634が、蓋606の中に圧縮され得るように、フィルタ634がその長手軸に沿って折り畳まれるのを補助する、折り畳み可能なフィルタ634と比較して硬質である。フィルタ634を蓋606の内部で圧縮された状態に維持するために、蓋606の下面681に取り外し可能なバリアフィルム679を連結することができる。蓋アセンブリ677を滅菌して、圧縮された状態のフィルタ634、及び取り外し可能なバリアフィルム679によって蓋606の内側に受容されるフィルタアセンブリ633を、パッケージ化することができる。そして、ユーザーは、フィルタ634(及び採用される場合は、フレーム635の下部部分635b)を、蓋アセンブリ677の下に圧縮されない状態で吊り下げられるように、使用前に(例えば、滅菌環境内で)、取り外し可能なバリアフィルム679を取り外すことができる。また、取り外し可能なバリアフィルム679は、フィルタ634を受け器604のリザーバ622の中に下げることができるように、受け器604の蓋606に連結する直前に取り外してもよい。取り外し可能なバリアフィルム679の取り外し後の、圧縮されない状態のフィルタ634が、図11に示される。
【0125】
取り外し可能なバリアフィルム679は、上述した連結手段のいずれを用いても蓋606と連結することができ、ポリプロピレン(例えば、低密度ポリエチレン(LDPE))、ポリエチレンが挙げられるが、これらに限定されないポリオレフィン;ポリ(メチルペンテン);ポリアミド(例えば、NYLON(登録商標));圧縮吹き付けマイクロファイバー(compressed blown microfiber)(cBMF);ウレタン;ポリエステル;ポリカーボネート;及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない、様々な材料をから形成することができる。一部の実施形態では、取り外し可能なバリアフィルム679は、例えば、3M(商標)SCOTCHPAK(商標)剥離ライナー(3M Company、St.Paul,MN)等の熱融着「剥離可能」フィルムを含むことができる。取り外し可能なバリアフィルム679は、半透明(又は更には透明)、又は不透明であってもよい。取り外し可能なバリアフィルム679は、成形プロセス、押出成形、インフレーション形成プロセス等、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない、様々なプロセスによって形成することができる。
【0126】
一部の実施形態では、図12に示されるように、カバー609は、受け器604のリザーバ622、又はフィルタ634内の容量のいずれかにアクセスするために穿刺することができる、壊れやすいバリア683を含む。バリア683は、膜、多孔性でないフィルム、及びこれらの組み合わせを含むことができる。更に、壊れやすいバリア683は、ポリプロピレン(例えば、低密度ポリエチレン(LDPE))、ポリエチレンが挙げられるが、これらに限定されないポリオレフィン;ポリ(メチルペンテン);ポリアミド(例えば、NYLON(登録商標));圧縮吹き付けマイクロファイバー(compressed blown microfiber)(cBMF);ウレタン;ポリエステル;ポリカーボネート;合成又は天然エラストマー;3M(商標)TEGADERM(商標)フィルムドレッシング材(3M Company、St.Paul,MN)、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない、バリア683を壊れやすくすることができる(例えば、ピペットの先端によって穿刺される)、様々な材料から形成することができる。一部の実施形態では、その代わりに、蓋606の開口部654上にバリア683が形成される。そのような実施形態では、カバー609は硬質であり得、例えば、バリア683が穿刺された後、蓋606を覆うために使用することができ、あるいは、カバー609は、追加のバリアを含むことができる。あるいは、バリア683が蓋606の開口部654上に形成される実施形態では、カバー609が採用される必要はない。蓋606若しくはカバー609、又は両方とともに採用されるか、あるいは試料調製システム600の別の部分であるかに関わらず、バリア683は、リザーバ622の内部と雰囲気との間のガス交換を可能にする(例えば、対象とする好気性バクテリアに酸素を提供するために)、ガス透過性である更なる機能を含むことができる。
【0127】
図13は、本開示の別の実施形態による試料調製システム700を図示する。図13は、試料調製システム700の蓋アセンブリ777のみを示す。試料調製システム700のその他の構成要素は、上述し、図2〜12に図示した試料調製システムのその他の各構成要素のいずれをも含むと仮定することができ、したがって、簡潔さのために図13には示されない。
【0128】
蓋アセンブリ777は、蓋706と、ヒンジ785を介して蓋706に連結されるカバー709とを含む。一部の実施形態では、図13に示されるように、ヒンジ785はリビングヒンジであり、カバー709は、蓋706と一体的に形成される。一部の実施形態では、ヒンジ785は、蓋706及びカバー709の1つ又は両方から独立して形成される。カバー709は押し上げ式カバーであり、スナップ式嵌合を介して蓋706と連結することができる。図13に図示される実施形態では、カバー709は、蓋706の上の隆起部789上に嵌まることができる突起787を含む。カバー709は、カバー709が蓋706上で閉締された時に、カバー709が蓋706と密封(例えば、液密の密封、気密密封等)を形成するように、その他の密封手段(例えば、Oリング)を含むことができる。
【0129】
図14は、試料調製システム800及び試料収集システム857を含む、試料調製及び収集システム807を図示する。簡潔さのために、図14は、試料調製システム800の蓋806のみを示す。試料調製システム800のその他の構成要素は、上述し、図2〜13に図示した試料調製システムのその他の各構成要素のいずれをも含むと仮定することができ、したがって、簡潔さのために、図14には示されない。
【0130】
示される試料調製システム800の部分は、図2〜3及び7に図示される実施形態を参照して上述したものと同一の多くの要素及び特徴部を共有する。したがって、図2〜3及び7に図示された実施形態の要素及び特徴部に一致する要素及び特徴部には、800シリーズにおいて同様の参照番号が提供される。図14に図示される実施形態の特徴部及び要素(及び、このような特徴部及び要素の代替)を更に完全に説明するために、図2〜3及び7に伴う上記の説明の参照がなされる。
【0131】
図14に示されるように、試料調製システム800は蓋806を含み、試料収集システム857は、試料収集システム857が、供給源及び希釈剤を含む液体組成物を含むように構成される、試料調製システム800のリザーバと流体連通するように配置されるように、蓋806に連結される。蓋806は、蓋806及び試料調製システム800の内部に開口部854を画定する、ポート832を含む。蓋806は、試料収集システム857に追加の連結手段を提供することができる、上方に延在する突起839を更に含む。
【0132】
図14に図示される実施形態では、試料収集システム857は、蓋806のポート832を介して試料調製システム800に連結され、液体組成物と流体連通するように、蓋806から下向きに延在する(例えば、試料調製システム800のリザーバの中に延在する)ように構成される支持体859を含む。一部の実施形態では、試料調製システム800は、支持体859が、液体組成物のろ液と流体連通するように配置されたフィルタを含むことができる。例えば、試料調製システム800は、上述し、図4に図示したフィルタ234と同様に、液体組成物を保持及び保有するように設計されるフィルタを含むことができ、あるいは、該フィルタは、上述し、図8に図示したフィルタ534と同様、支持体859が、ろ液と流体連通するように、蓋806から下向きに延在し得るように、試料調製システム800のリザーバの一部分に液体組成物を保持するように設計することができる。
【0133】
支持体859は、対象とする検体が液体組成物中に存在する場合、後述される結合又は相互作用のいずれかを介して、液体組成物(又はろ液)から少なくとも1つの対象とする検体を捕捉(例えば、可逆的に捕捉)するように構成することができる。上記のように、液体組成物中に使用される希釈剤は、特定の対象とする検体のための増菌培地を含むことができ、あるいは、試料調製システム800の内側表面に増菌培地をコーティング又は吸着させて、対象とする検体を増殖させ、及び所望により、対象ではない液体組成物中の検体の増殖を阻害することができる。試料調製及び収集システム807は、対象とする検体の増殖を促進するために、所望の温度で更にインキュベートすることができる。
【0134】
液体組成物中の対象とする検体の量を増加させるために、対象とする検体が富化されるか、あるいは試料調製及び収集システム807がインキュベートされるかに関わらず、液体組成物から対象とする検体を捕捉するように、支持体859を構成することができる。液体組成物並びに/又は試料調製及び収集システム807(若しくはその一部分)は、支持体859が液体組成物と接触するのを促進するように攪拌され得るか、あるいは液体組成物を支持体859と接触させるために、試料調製及び収集システム807を傾けるか、又は反転することができる。更に、試料調製システム800がライナー(又は変形可能な自己支持型受け器)を採用する実施形態では、液体組成物を支持体859と接触するように移動させるために、ライナーに圧力を適用することができる(例えば、ライナーの外部に正圧を適用することができるか、又はライナーの内部に陰圧を適用することができる)。
【0135】
更に、上記のように、液体組成物をろ過することができ、支持体859を、ろ液と流体連通するように配置することができる。更に、液体組成物中に存在し得る細胞を、あるいは富化及び/又はインキュベーションの結果、産生された細胞を溶解するために、希釈剤又は液体組成物に、洗剤又はその他の細胞溶解剤を添加することができる。
【0136】
支持体859は、試料収集システム857が、1つ以上の対象とする検体に特異的な捕捉を提供するように、少なくとも1つの対象とする検体を捕捉するように構成することができる。例えば、1つ以上の対象とする検体と結合するように構成される、支持体859の外側表面861上に、様々な部分を固定化(例えば、コーティング、吸着等)することができる。用語「結合する」及びその派生語は、一般に、共有結合(例えば、極性共有結合)、イオン結合、非共有結合、金属結合、分子間相互作用、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない、様々な化学結合又は相互作用を指す。非共有結合の例には、水素結合(例えば、相補的核酸配列における)、双極子間相互作用、ファンデルワールス力、静電相互作用、疎水性相互作用、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。分子間相互作用には、上述の様々な結合及び/又は相互作用を含むことができ、タンパク質間相互作用、ペプチド間相互作用、相補的核酸配列、抗原抗複合体、炭水化物複合体、及びこれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。
【0137】
一部の実施形態では、抗体、核酸配列、多糖類、炭水化物、脂質、荷電部分又は分子、ペプチド、タンパク質(例えば、アビジン/ストレプトアビジン、ビオチン)、受容体、及びこれらの組み合わせが挙げられる、これらに限定されない、様々な分子又は部分を用いて、支持体859を官能化することができる。例えば、図14に図示される実施形態では、支持体859は、サルモネラ種と抗原抗体複合体を形成することができる、その外側表面861に固定化される抗体を含むことができる(例えば、支持体859は、3M(商標)TECRA(登録商標)Salmonella Immunocapture支持体(3M Microbiology、3M Company、St.Paul,MN)を含むことができる)。
【0138】
ポート832を採用する一部の実施形態では、図14に示されるように、支持体859の少なくとも一部分を、ポート832内に収容される寸法にすることができる。図14に図示される実施形態では、支持体859はほぼ平面であり、支持体859のポート832への連結を促進するために、ポート832の直径と同様の幅を有する。しかしながら、図14の支持体859は、例としてのみ示され、当業者は、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、支持体859が、様々な形状(様々な断面形状を含む)及び形態を呈し得ることを理解するべきである。例えば、支持体859は、その代わりに、ほぼ円筒形の形状であり得る。更に、図14に図示される実施形態では、支持体859は、蓋806の下部の下、特に容器及び/又はライナーに連結されるように構成された蓋806の下部の下に延在することができるようにしつつ、ポート832内に配置され得るように、その幅よりも大きい長さを有する。しかしながら、支持体859の比率は、例としてのみ図14に示され、当業者は、支持体859を、その代わりに、蓋806の異なる部分、又は試料調製システム800の別の構成要素若しくは部分に連結することが可能であり、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、異なる比率を有する異なる形状を含み得ることを理解するはずである。例えば、一部の実施形態では、支持体859を、ポート832の下の蓋806の内側表面に連結することができ、支持体859は、ポート832の中に適合する寸法にするのではなく、蓋806が連結される容器及び/又はライナーの直径により近い寸法にすることができる。
【0139】
更に、一部の実施形態では、支持体859は中空であり得、外側表面861に加えて、又はその代わりに、支持体859の内側表面を、対象とする検体を捕捉するように官能化することができる。更に、一部の実施形態では、支持体859は、1つ以上の流体チャネル、多孔質材、又は収集フィルタ(以下により詳細に記載されるもの等)を含むことができる。
【0140】
支持体859は、ポリマー(例えば、ポリカーボネート、ポリエステル等、これらの組み合わせ)、複合体、エラストマー、多孔質材(例えば、セルロース類)、セラミックス(例えば、セラミックス膜又はセラミックス膜フィルタ)、フィルタ134に関して上述した材料のいずれか、及びこれらの組み合わせの1つ以上が含まれるが、これらに限定されない、様々な材料から形成することができる。
【0141】
使用中、上述の攪拌、富化、インキュベーション、溶解、及び/又はろ過工程のいずれかの後、蓋806は、試料調製システム800のその他の構成要素から分離することができ、支持体859によって収集されたいずれかの対象とする検体は、対象とする検体と、支持体859上に固定化された部分若しくは分子との間の結合若しくは相互作用を分離するように構成された溶出溶液、又は支持体859によって捕捉された細胞を溶解するための溶解試薬を使用して、新しい受け器中に溶出することができる。当該技術分野において既知の様々な溶出溶液を使用することができ、それらは、当座の相互作用に特異的なものであり得、あるいは、様々な結合及び相互作用を分離させることができる、一般的で非特異的な溶出溶液であってもよい。
【0142】
支持体859によって収集されたいずれかの対象とする検体は、様々な下流プロセスのために、新しい受け器、装置、又はシステムの中に溶出することができる。例えば、対象とする検体は、濃縮、インキュベーション、富化、分析等を含むが、これらに限定されない、更なるプロセスのために、試験管、遠心分離管、フラスコ、新たな試料調製システム、培養装置、又は別の受け器中に溶出することができる。あるいは、又は更に、対象とする検体は、対象とする検体を同定及び/又は定量化するように構成される検出システム中に溶出することができる。
【0143】
一部の実施形態では、蓋806及び試料収集システム857は、蓋806が新しい試料調製システムに連結されると、支持体859が、その試料調製システムのリザーバ及びその中に含まれる培地と流体連通するように配置されるように、容器又はライナーのリザーバが新たな希釈剤(例えば、溶出溶液及び/又は増菌培地)で充填された、別の試料調製システムの噛み合う構成要素に連結することができる。
【0144】
支持体859は、対象とする検体を特異的に捕捉するように官能化されるため、試料収集システム857は、実質的に対象とする検体のみを含む試料調製システム800から試料を収集するように構成される。液体組成物からのその他の汚染物質、特に対象とする検体と類似の機能性/部分を有する汚染物質が、収集された試料中に存在する場合もあるが、試料収集システム857は、実質的に対象とする検体のみを捕捉するように構成される。
【0145】
図15は、本開示の別の実施形態による試料調製及び収集システム907を示し、類似の数字は類似の要素を表す。簡潔さのために、図15は、試料調製システム900の蓋906のみを示す。試料調製及び収集システム907は、図14に図示される実施形態を参照して上述したものと同一の多くの要素及び特徴部を共有する。したがって、図14に図示された実施形態の要素及び特徴部に一致する要素及び特徴部には、900シリーズにおいて同様の参照番号が提供される。図15に図示される実施形態の特徴部及び要素(及び、このような特徴部及び要素の代替)を更に完全に説明するために、図14に伴う上記の説明の参照がなされる。
【0146】
試料調製及び収集システム907は、試料調製システム900と、試料調製システム900に、及び特に蓋906に連結される試料収集システム957とを含む。試料収集システム957は、中空内部991を有するカプセル990を含む。試料収集システム957は、カプセル990の内部991内に配置される、1つ以上の磁石993を更に含む。磁石993を使用して、例えば、対象とする検体と結合又は相互作用するように官能化された磁石(例えば、磁気ビーズ)と、相互作用できるようにすることにより、磁化された対象とする検体を捕捉することができる。好適な磁気ビーズ又は粒子の例には、DYNAL(登録商標)DYNABEADS(登録商標)(Invitrogen,Inc.、Carlsbad,CA)、Magnabind(登録商標)Streptavidin Beads(Pierce Biotechnology,Inc.、Rockford,IL)等、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0147】
例えば、対象とする検体と(例えば、抗体、ストレプトアビジン等と)結合又は相互作用することが知られる分子又は部分を用いて官能化された常磁性ビーズが、供給源及び/又は液体組成物に添加された時に、磁石を使用して、対象とする検体を捕捉することができる。例えば、オリゴヌクレオチド捕捉プローブを用いて官能化された常磁性ビーズを液体組成物に添加して、プローブに相補的である核酸配列を有するいずれかの核酸を捕捉することができる。液体組成物から対象とする核酸を捕捉することができる同様の常磁性ビーズが、カプセル990内の磁石993に引き付けられ、試料収集システム957によって液体組成物から収集される。あるいは、官能化された常磁性ビーズを、磁石993へのそれらの磁気引力の効力によって、先ずカプセル990に対して固定化することができ、次いで、試料収集システム957を液体組成物と流体連通するように設置することができる。次いで、収集された対象とする核酸配列は、(例えば、溶出によって)試料収集システム957から取り出し、別の受け器、装置、若しくはシステムに移送し、及び/又は更に処理(例えば、再懸濁、濃縮、分析等)することができる。例としてのみ核酸の捕捉について上述したが、磁気ビーズは、上述の結合又は相互作用のいずれをも利用することができる。例えば、一部の実施形態では、磁気ビーズは抗体を用いて官能化され、対象とする検体と抗体抗原錯体を形成し、一部の実施形態では、磁気ビーズは、対象とする検体と静電(電荷間)相互作用を形成する。
【0148】
カプセル990は、図15において、蓋906のポート932に連結され、ポート932内に、特に、ポート932内に画定される開口部954内に収容される寸法であるとして示される。しかしながら、試料収集システム957及びカプセル990は、図15に例として示されるに過ぎず、カプセル990は様々なサイズ及び比率を有することができ、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、蓋906のその他の部分、又は試料調製システム900のその他の構成要素に連結し得ることが理解されるべきである。
【0149】
使用中、液体組成物並びに/又は試料調製及び収集システム907を攪拌して、液体組成物の試料収集システム957との接触を促進することができる。また、試料調製及び収集システム907を傾けるか、又は反転させて、液体組成物を試料収集システム957と接触させることができる。更に、試料調製システム900がライナー(又は変形可能な自己支持型受け器)を採用する実施形態では、ライナーに圧力を適用して(例えば、ライナーの外部に正圧を適用することができるか、又はライナーの内部に陰圧を適用することができる)、液体組成物を試料収集システム957のカプセル990と接触させることができる。
【0150】
カプセル990は、対象とする検体を磁気捕捉するように構成されるため、試料収集システム957は、実質的に対象とする検体のみを含む試料調製システム900から試料を収集するように構成される。液体組成物からのその他の汚染物質、特に対象とする検体と類似の機能性/部分を有する汚染物質(例えば、磁化され得た)が、収集された試料中に存在する場合もあるが、試料収集システム957は、実質的に対象とする検体のみを捕捉するように構成される。
【0151】
更に、図15に図示される実施形態では、カプセル990は、2つの閉鎖端を含む。しかしながら、一部の実施形態では、カプセル990は、カプセル990の内部991に、磁石993の配置及び取り外しのためにアクセスできるように、開放上端を含む。更に、一部の実施形態では、磁石993は電磁石であり、磁石は電気回路に(例えば、カプセル990の開放上端を介して)連結される。一部の実施形態では、磁石993は希土類磁石を含む。開放上端を有するカプセル990を採用する実施形態では、試料調製及び収集システム907は、上述の取り外し可能な恒久的又は半恒久的連結手段のいずれかを介して、カプセル990の開放上端に連結される寸法であり得る、カバー(図示せず)を含むことができる。一部の実施形態では、試料収集システム957は、磁石を採用することによって機能するが、カプセル990は含まない。即ち、一部の実施形態では、試料収集システム957は、いずれの種類のカプセルにも含まれずに、試料調製システム900の一部分に連結される磁石を含む。
【0152】
カプセル990は、ポリマー、金属類(例えば、非磁性金属)、セラミックス、複合体、ガラス、エラストマー、及びこれらの組み合わせの1つ以上を含むが、これらに限定されない、様々な材料から形成することができる。
【0153】
図16は、試料調製システム1000及び試料収集システム1057を含む試料調製及び収集システム1007を図示する。簡潔さのために、図16は、試料調製システム1000のカバー1009のみを示す。試料調製システム1000のその他の構成要素は、上述し、図2〜13に図示した試料調製システムのその他の各構成要素のいずれをも含むと仮定することができ、したがって、簡潔さのために、図16には示されない。しかしながら、例としてのみ、試料調製システム1000は、上述し、図9〜12に図示した試料調製システム600と同様であると仮定することができる。
【0154】
試料収集システム1057は、試料調製システム1000のカバー1009に連結される1つ以上の抗体1094を含む。特に、図16に図示される実施形態では、抗体1094は、カバー1009の内側表面1011に連結(即ち、その上に固定化)されている。抗体1094は、対象とする検体と抗原抗体複合体を形成するように構成させることができ、試料収集システム1057は、カバー1009が、試料調製システム1000の蓋、容器、及び/又はライナーに連結された際に、試料調製システム1000のリザーバと流体連通するように配置することができる。
【0155】
使用中、供給源及び希釈剤を含む液体組成物を調製するために、試料調製及び収集システム1007を使用することができ、試料調製及び収集システム1007は、試料調製システム1000のカバー1009を閉締して、抗体1094が液体組成物、又はそのろ液から対象とする検体を捕捉することができるように、試料収集システム1057を、液体組成物を含む試料調製システム1000のリザーバと流体連通するように配置することができる。例えば、上述し、図9〜11に図示したフィルタ634と同様のフィルタを試料調製システム1000において採用して、液体組成物を前置ろ過することができる。
【0156】
抗体1094は、対象とする検体を特異的に捕捉するように構成されるため、試料収集システム1057は、実質的に対象とする検体のみを含む試料調製システム1000から試料を収集するように構成される。その他の汚染物質、特に、対象とする検体と類似の機能性/部分を有する汚染物質が、収集された試料中に存在する場合もあるが、試料収集システム1057は、実質的に対象とする検体のみを捕捉するように設計される。
【0157】
更に、液体組成物並びに/又は試料調製及び収集システム1007を攪拌して、液体組成物の試料収集システム1057との接触を促進することができる。更に、試料調製及び収集システム1007を傾けるか、又は反転させて、液体組成物を試料収集システム1057と接触させることができる。更に、試料調製システム1000がライナーを採用する実施形態では、ライナーに圧力を適用して(例えば、ライナーの外部に正圧を適用することができるか、又はライナーの内部に陰圧を適用することができる)、液体組成物を試料収集システム1057の抗体1094と接触するように移動させることができる。
【0158】
液体組成物を、試料収集システム1057の抗体1094と相互作用できるようにした後、残りの試料調製システム1000からカバー1009を取り外すことができ、いずれかの捕捉された対象とする検体は、(例えば、溶出によって)試料収集システム1057の抗体1094から取り出す、別の受け器、装置、若しくはシステムに移送、及び/又は更に処理(例えば、再懸濁、濃縮、富化、インキュベート、分析、溶解等)することができる。
【0159】
試料収集システム1057、及び特に抗体1094は、図16において、カバー1009の内側表面1011に連結されるとして図示される。しかしながら、代わりに抗体1094を、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、試料調製システム1000のその他の構成要素の1つ以上に連結し得ることが理解されるべきである。
【0160】
上記のように、図17は、本開示の一実施形態による試料調製及び収集システム1107を図示する。試料調製システム1100は、図2〜3及び7に図示される実施形態を参照して上述したものと同一の多くの要素及び特徴部を共有する。したがって、図2〜3及び7に図示された実施形態の要素及び特徴部に一致する要素及び特徴部には、1100シリーズにおいて同様の参照番号が提供される。図17に図示される実施形態の特徴部及び要素(及び、このような特徴部及び要素の代替)を更に完全に説明するために、図2〜3及び7に伴う上記の説明の参照がなされる。
【0161】
試料収集システム1157は、試料収集システム1157が試料調製システム1100と流体連通するようになり、かつ流体経路1192が、少なくとも部分的に試料調製システム1100及び試料収集システム1157によって画定されるように、試料調製システム1100に連結される。流体経路1192は、液体組成物、そのろ液、又は液体組成物若しくはろ液の一部分が、流体経路1192内を移動して、かつ試料調製システム1100と試料収集システム1157との間の移送の間、雰囲気に曝露されずに、試料調製システム1100から試料収集システム1157へ移動できるようにする。
【0162】
上述し、図14〜16に図示した試料調製及び収集システム807、907、及び1007では、試料収集システム857、957、1057は、試料調製システム800、900、1000のリザーバと流体連通するように配置され、その結果、流体経路は、試料調製システム800、900、1000並びにそれぞれの試料収集システム857、957、1057によって少なくとも部分的に画定されると考えることができる。しかしながら、試料収集システム857、957、1057は、試料調製システム800、900、1000のほぼ内部に配置されるため、試料調製システム800、900、1000からそれぞれの試料収集システム857、957、1057への試料の移送は必ずしも必要ではない。それでもなお、試料調製及び収集システム807、907、及び1007は、試料を必ずしも雰囲気に曝露することなく、又は少なくとも収集プロセス後までは曝露せずに、試料を調製及び収集するための手段を提供すると考えることができる。
【0163】
一部の実施形態では、語句「雰囲気に曝露することなく」及びその派生語は、(例えば、溢流又は汚染を防ぐために)、調製から収集まで、あるいは更には別の下流工程まで、試料が試料調製及び収集システム1107の流体経路1192内に留まるように、試料調製システムと試料収集システムとの間の移送の間、試料(即ち、液体組成物又はろ液の少なくとも一部分)を取り出さないことを指すが、試料調製及び収集システム1107がガス効果のために閉締される、あるいはその他の液体が試料調製及び収集システム1107に入ることができないことを必ずしも意味しない。例えば、一部の実施形態では、蓋、カバー、容器、及び/若しくはライナー、又はその一部分は、ガス透過性であるか、あるいはガス透過性のフィルム又は膜を含む(例えば、好気性バクテリアが酸素へのアクセスを有し続けるように)。
【0164】
一部の実施形態では、複数の試料調製システム1100を、複数の試料調製システム1100からの試料が、収集、又はいずれかの下流の分析、又は更なる処理の前に一緒に貯蔵されるように、同一試料収集システム1157に連結し、流体連通するようにすることができる。
【0165】
試料調製システム1100は、第1のリザーバ1120を有する容器1102と、第2のリザーバ1122を有しかつ容器1102の第1のリザーバ1120内に収容される寸法のライナー1104と、蓋1106とを含む。また、試料調製システム1100は、試料調製システム1100の構成要素を一緒に更に固定するための、カラー(図示せず)を含むことができる。第2のリザーバ1122は、供給源1112及び希釈剤1113を含む液体組成物1114を含むように構成される。
【0166】
蓋1106は、試料収集システム1157が連結される、2つの上方に延在する突起1139を含む。蓋1106は、上述し、図7に図示したポート432と実質的に同様のポートを更に含むが、試料収集システム1157は、試料調製システム1100の蓋1106に連結され、特に、ポートの上で、蓋1106の上方に延在する突起1139に連結されるため、図17には示されない。蓋1106は、図5〜6に示し、上述したフィルタ334と実質的に同様であるフィルタ1134を更に含む。フィルタ1134は、液体組成物1114をろ過して、対象とする検体(存在する場合)を含むろ液1116を形成するように構成される。しかしながら、フィルタ1134は、代わりに前述の形態のいずれをも呈し得ることが理解されるべきである。
【0167】
図17に示されるように、試料収集システム1157は、ポート及び蓋1106の上方に延在する突起1139に連結される形状及び寸法である。試料収集システム1157は、図18により詳細に示される。試料収集システム1157は、ハウジング1196、入口1186、及び出口1188を含む。ハウジング1196は、第1の部分1196a、第2の部分1196b、及び第3の部分1196cを含む。第1、第2、及び第3の部分1196a、1196b、1196cは、上述の連結手段のいずれによっても連結することができ、あるいは、第1、第2、及び第3の部分1196a、1196b、1196cの2つ以上を一体的に形成することもできる。ハウジング1196は、内腔1197及び内側表面1198を含み、それぞれハウジング1196の第1の部分1196a及び第2の部分1196bによって少なくとも部分的に画定される。
【0168】
第3の部分1196cは、内腔1197と流体連通する1つ以上の開口部1182と、収集フィルタ1184を中に配置することができる、開口部1182の上流に配置される台座1199とを含む。あるいは、台座1199は、第3の部分1196cと第2の部分1196bとの間に形成してもよい。収集フィルタ1184は、対象とする検体を収集するようにサイズ調整及び/又は官能化することができる。更に、フィルタ支持体(例えば、ワイヤーメッシュ等のメッシュ、又は他の類似構造体)を台座1199内に配置して、収集フィルタ1184を支持し、収集フィルタ1184が作業中に台座1199からずれないようにすることができる。また、フィルタ支持体は、試料収集システム1157を通る流量を実質的に妨げないような、複数の孔又は開口部を含むことができる。収集フィルタ1184が、サイズに基づいて対象とする検体を収集するように構成される一部の実施形態では、収集フィルタ1184は、1μm未満の平均孔径を有することができる。
【0169】
一部の実施形態では、第3の部分1196cは、収集フィルタ1184を、例えば、収集された対象とする検体の回収、収集フィルタ1184の取替え等のために、試料収集システム1157から取り外すことができるように、第2の部分1196bに取り外し可能に連結される。図18に図示される実施形態では、第3の部分1196cは、ネジ式嵌合を介して第2の部分1196bに連結され、第3の部分1196cの内側表面及び第2の部分の1196bの外側表面は、噛み合うネジ山を含む。しかしながら、第3の部分1196cは、上述の連結手段のいずれを使用しても、第2の部分1196bに連結し得ることが理解されるべきである。
【0170】
ハウジング1196の内側表面1198は、上述の連結手段のいずれか、例えば、プレス嵌め嵌合によって、試料調製システム1100のポートに連結することができる。例としてのみ、ポートは、ハウジング1196の内側表面1198とのプレス嵌め又はスナップ嵌め嵌合を促進するために、上述し、図7に図示した隆起部441と類似した1つ以上の隆起部を含むことができる。あるいは、又は更に、内側表面1198は、蓋1106のポートの外側表面(及び/又はその上に形成されるいずれかの連結構造体)と噛み合うように嵌合するためのリブ又は隆起部等の、1つ以上の噛み合う構造体を含むことができる。
【0171】
ハウジング1196は、試料収集システム1157が、試料調製システム1100のポートの上にネジで締められ、蓋1106の突起1139のそれぞれの、放射状に内側に向かって張り出す部分の下に固定され得るように構成される、1つ以上の突起又はネジ山1195を更に含む。図17及び18に図示される実施形態は、試料収集システム1157に、蓋1106のポートの上を下向きに移動させ(例えば、ネジ山1195の両方を突起1139と接触しないように配置して)、次いで蓋1106に対して回転させて、(例えば、試料収集システム1157が、試料調製システム1100から抜けないように、かつ十分な力を伴わずに、試料調製システム1100に対してこれ以上同一方向に、又は反対方向のいずれかに回転されないように)試料収集システム1157が蓋1106の突起1139の下で固定されるまで、突起1139の放射状に内側に向かって張り出す部分のそれぞれが、ネジ山1195のうちの1つの上面に沿ってカム機能を提供できるようにする、円周方向に間隔を置く2つのネジ山を含む。
【0172】
ハウジング1196は、容器102及びカラー108に関して上記に列記した材料のいずれをも含む、様々な材料から形成することができる。
【0173】
内孔1197及び開口部1182は、入口1186が試料調製システム1100と流体連通するようになり得るように、流体経路1192の少なくとも一部分を画定する。試料調製システム1100の容器1102は、底部1127と、底部1127内に画定される開口部1124とを含む。ライナー1104に圧力を適用して(例えば、ライナー1104の外部(例えば、容器1102の底部1127内の開口部1124を介して、例えば、ライナー1104の底部1126へ)正圧を適用することができ、あるいはライナー1104の内部に陰圧を適用することができる)、液体組成物を、フィルタ1134を通って試料収集システム1157の中に移動させることができる。フィルタ1134を採用する実施形態では、フィルタ1134は、液体組成物1114から不必要な比較的大きな不溶物(例えば、大きな粒子又は残屑)を取り除く、前置フィルタとして機能することができる。液体組成物1114を前置ろ過することは、試料収集システム1157を通過する物質の純度を高め、対象とする検体の捕捉を強化するために、有利であり得る。更に、前置ろ過は、試料収集システム1157又はその他の下流装置のいずれかの部分の目詰まりの回避を補助することができるが、前置ろ過は必要ではなく、一部の実施形態では、液体組成物1114は、前置ろ過されずに、試料収集システム1157に移動される。
【0174】
一部の実施形態では、試料収集システム1157の出口1188に真空を適用することによって、ライナー1104の内部(例えば、第2のリザーバ1122)に陰圧を適用することができ、これは、ハウジング1196の第3の部分1196cを、減圧を生成する機械的ポンプ、又は注射器とプランジャとの組み合わせ等の手動ポンプ等の真空源と流体連結することにより、達成することができる。試料収集システム1157の出口1188に陰圧が適用されると、液体組成物1114は、(所望により)フィルタ1134を通して移動させられて、ろ液1116を形成し、ろ液1116は、試料収集システム1157を通るように、特に、内腔1197及び開口部1182を通るように強制される。ろ液1116が収集フィルタ1184を通過するにつれて、対象とする検体を収集フィルタ1184に捕らえることができ、収集フィルタ1184によって捕らえられないろ液1116の一部分は、収集フィルタ1184を通過させて、所望により別の受け器に移動させるか、あるいは廃棄することができる。例えば、ハウジング1196は、収集フィルタ1184を通過するろ液1116の一部分を収集するように構成される受け器を介して、真空源と流体連結することができる。試料調製システム1100は、吸引中通に風孔として機能し得るか、又はポート又は弁が連結される、開口部1158を更に含むことができる。あるいは、ライナー1104は、陰圧に応じて変形することができ、ライナー1104が折り畳まれるまで、吸引を継続することができる。
【0175】
一部の実施形態では、試料収集システム1157、又はその少なくとも一部分を、容器1102の底部1127等の、試料調製システム1100の別の部分に連結することができる(例えば、底部1127の開口部1124を介してであり、そのような実施形態は、ライナー1104を採用しなくともよい)。そのような実施形態では、容器1102の少なくとも一部分は、試料収集システム1157の試料調製システム1100への連結、及び/又は試料収集システム1157若しくはその一部分(例えば、収集フィルタ1184)の取り外しを促進するように、取り外し可能であり得る。
【0176】
一部の実施形態では、試料調製及び収集システム1107の1つ以上の部分又は構成要素が、液体組成物1114及び/又はろ液1116を攪拌するための手段を含むことができる。例えば、一部の実施形態では、蓋1106、容器1102、及び/又はライナー1104は、液体組成物を攪拌するための1つ以上の手段を含むことができる。例としてのみで、一部の実施形態では、試料調製及び収集システム1107は、液体組成物1114を攪拌するための手段を含む第1の蓋(又は試料調製システム1100のその他の取り外し可能な部分)と、図17に示されるように、試料収集システム1157に連結することができる第2の蓋1106とを含むことができる。そのような実施形態では、第1の蓋を容器1102及び/又はライナー1104に連結して、液体組成物1114を攪拌することができ、次いで、第1の蓋を図17の第2の蓋1106と取り替えて、1つ以上の対象とする検体を収集することができる。
【0177】
一部の実施形態では、試料収集システム1157を試料調製及び収集システム1107の一端(例えば、蓋1106又は試料調製システム1100の容器1102の底部1127)に配置することができ、液体組成物1114(及び/又はろ液1116)を攪拌するための手段を別の(例えば、反対の)端部に配置することができる。そのような実施形態では、液体組成物1114(及び/又はろ液1116)は、試料調製及び収集システム1107を第1の配向(例えば、混和ブレードの方に)に配向することによって攪拌することができ、次いで、試料調製及び収集システム1107を第2の配向(例えば、反転した)に配向して、流体経路1192内の液体組成物1114(又はろ液1116)の少なくとも一部分を試料収集システム1157へ移動させることができる。そのような実施形態は、図26に図示され、以下でより詳細に記載される。
【0178】
上記のように、収集フィルタ1184は、対象とする検体を収集するようにサイズ調整及び/又は官能化することができる。結果として、収集フィルタ1184を、対象とする検体を特異的又は非特異的に収集するように構成することができる。一部の実施形態では、収集フィルタ1184は、深層フィルタを含むことができる。収集フィルタ1184は、図2〜3に示されるフィルタ134に関して上記に列記したものを含み、限定されないが、炭素、粒子負荷材料(例えば、3M(商標)EMPORE(商標)固相抽出製品(3M Company、St.Paul,MN))、及びこれらの組み合わせを更に含む、様々な材料から形成することができる。収集フィルタ1184は、深層フィルタ、表層フィルタ、膜フィルタ等、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない、様々な種類のフィルタを含むことができる。
【0179】
収集フィルタ1184が、対象とする検体と結合又は相互作用するように官能化される実施形態では、試料収集システム1157、及び特に収集フィルタ1184によって収集される試料は、実質的に対象とする検体のみを含むことができる。しかしながら、収集フィルタ1184が官能化されず、対象とする検体が非特異的に(例えば、サイズ及び/又は電荷によって)収集される実施形態では、収集フィルタ1184によって収集される試料は、必ずしも実質的に対象とする検体のみを含むわけではなく、むしろ液体組成物1114からのその他の物質を含み得、そこから後続の処理工程(例えば、富化、インキュベーション、接種等)で、対象とする検体を単離することができる。
【0180】
図19〜20は、本開示の別の実施形態による試料収集システム1257を図示する。試料収集システム1257は、図17〜18に図示される実施形態を参照して上述したものと同一の多くの要素及び特徴部を共有する。したがって、図17〜18に図示された実施形態の要素及び特徴部に一致する要素及び特徴部には、1200シリーズにおいて同様の参照番号が提供される。図19〜20に図示される実施形態の特徴部及び要素(及び、このような特徴部及び要素の代替)を更に完全に説明するために、図17〜18に伴う上記の説明の参照がなされる。
【0181】
試料収集システム1257は、上述の試料収集システム1157と同様に機能する。試料収集システム1257は、ハウジング1296、入口1286、及び出口1288を含む。ハウジング1296は、試料調製システムの蓋に、特に蓋の突起に連結されるように構成される、突起又はネジ山1295を含む。ハウジング1296は、内腔1297及び内側表面1298を含む。内側表面1298を試料調製システムの蓋のポートに連結して、試料収集システム1257の入口1286を試料調製システムに連結し、内腔1297を試料調製システムのリザーバと流体連通するように配置することができる。
【0182】
ハウジング1296は、試料収集システム1257のその他の装置(例えば真空源)との連結を促進することができる、面取りされた部分1296aを含む。ハウジング1296の内腔1297は、出口1288に向かって狭くなり、より小さな直径を有する内腔1297の上部部分1297aを形成し、これは、収集フィルタ1284(図20には示されない)を中に配置することができる台座を形成することができる。図20に示されるように、複数のチャネル1293が、ハウジング1296の上部で内側表面1298内に画定され、ハウジング1296は、試料収集システム1257の出口1288として機能し得る開口部又は内腔1282(図20に示される)を画定する、ポート1294を更に含む。チャネル1293は、収集フィルタ1284から開口部1282への流量を促進する。図19〜20に図示される実施形態では、試料収集システム1257は、中央開口部1282の周囲に等しく間隔を置く、直径方向の3つのチャネル1293を含むが、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、収集フィルタ1284から開口部1282への流量の促進に好適な様々なその他のチャネル構成を採用することができる。
【0183】
内腔1297、チャネル1293、及び開口部1282は、入口1286が試料調製システムと流体連通するように、流体経路1292の少なくとも一部分(図20に示される)を画定する。一部の実施形態では、(例えば、ハウジング1296の少なくとも一部分を真空源に流体連結することにより)、試料収集システム1257の出口1288に陰圧を適用することができる。試料収集システム1257の出口1288に陰圧が適用されると、特に、内腔1297、収集フィルタ1284、開口部1282、及びおそらくチャネル1293を通って、液体組成物を試料収集システム1257内に移動させることができる(あるいは、液体組成物を前置フィルタを通して移動させて、ろ液を形成することができ、ろ液は、試料収集システム1257を通るように強制され得る)。液体組成物(又はろ液)が収集フィルタ1284を通過するにつれて、対象とする検体を収集フィルタ1284に捕らえることができ、収集フィルタ1284によって捕らえられない液体組成物(又はろ液)の一部分は、収集フィルタ1284を通過させて、所望により別の受け器に移動させるか、あるいは廃棄することができる。収集フィルタ1284は、対象とする検体を収集するようにサイズ調整する、帯電させる及び/又は官能化することができる。
【0184】
図21〜22は、本開示の別の実施形態による試料調製及び収集システム1307を図示し、試料調製及び収集システム1307は、試料調製システム1300及び試料収集システム1357を含む。試料調製システム1300は、図9〜12に図示される実施形態を参照して上述したものと同一の多くの要素及び特徴部を共有し、試料収集システム1357は、図17〜18に図示される実施形態を参照して上述したものと同一の多くの要素及び特徴部を共有する。したがって、図9〜12及び17〜18に図示された実施形態の要素及び特徴部に一致する要素及び特徴部には、1300シリーズにおいて同様の参照番号が提供される。図21〜22に図示される実施形態の特徴部及び要素(及び、このような特徴部及び要素の代替)を更に完全に説明するために、図9〜12及び17〜18に伴う上記の説明の参照がなされる。
【0185】
試料調製システム1300は、カバー1309が壊れやすいバリアを含まないことを除き、図9〜12に関して上述したものと実質的に同様の、蓋1306及びカバー1309を含む。カバー1309は、上壁1310と、上壁1310内に画定される開口部1382とを含む。蓋1306は、蓋1306を試料調製システムの容器及び/又はライナーに連結することによって、試料調製システムのリザーバと流体連通するように配置することができる内腔1397の少なくとも一部分を画定する、ポート1332を含む。カバー1309は、上述の連結手段のいずれを介しても、蓋1306に連結することができ、例としてのみ、ネジ式嵌合を介して蓋1306に取り外し可能に連結されるものとして示される。
【0186】
試料収集システム1357は、図21〜22に示されるように、収集フィルタ1384が、蓋1306の内腔1397及び試料調製システム1300のリザーバ(図示せず)と流体連通するように配置されるように、カバー1309と蓋1306のポート1332の上面との間に連結することができる、収集フィルタ1384を含む。図21〜22に示される構成要素のすべてが、試料調製及び収集システム1307の一部分を形成すると見なされ、カバー1309及び蓋1306は、例としてのみ、試料調製システム1300の一部分として記載される。一部の実施形態では、カバー1309及び蓋1306は、試料調製システムに連結される試料収集システム1357の一部分(例えば、容器及び/又はライナー/変形可能な自己支持型受け器)と考えることができ、そのような実施形態では、試料収集システム1357は、試料収集システム1357の入口1386及び出口1388を画定することができる。
【0187】
蓋1306の内腔1397及びカバー1309の開口部1382は、入口1386が試料調製システムと流体連通するように、流体経路1392(図22に示される)の少なくとも一部分を画定する。一部の実施形態では、(例えば、カバー1309及び/又は蓋1306の少なくとも一部分を真空源に流体連結することにより)試料収集システム1357の出口1388に陰圧を適用することができる。出口1388に陰圧が適用されると、蓋1306、収集フィルタ1384、及びカバー1309の開口部1382を通って、液体組成物を内腔1397内に移動させることができる(あるいは、液体組成物を前置フィルタを通して移動させて、ろ液を形成することができ、ろ液は、内腔1397内に移動させることができる)。液体組成物(又はろ液)が収集フィルタ1384を通過するにつれて、対象とする検体を収集フィルタ1384に捕らえることができ、収集フィルタ1384によって捕らえられない液体組成物(又はろ液)の一部分は、収集フィルタ1384を通過させて、所望により別の受け器に移動させるか、あるいは廃棄することができる。収集フィルタ1384は、対象とする検体を収集するようにサイズ調整する、帯電させる、及び/又は官能化することができる。
【0188】
図23〜24は、本開示の別の実施形態による試料収集システム1457を図示する。試料収集システム1457は、図17〜18に図示される実施形態を参照して上述したものと同一の多くの要素及び特徴部を共有する。したがって、図17〜18に図示された実施形態の要素及び特徴部に一致する要素及び特徴部には、1400シリーズにおいて同様の参照番号が提供される。図23〜24に図示される実施形態の特徴部及び要素(及び、このような特徴部及び要素の代替)を更に完全に説明するために、図17〜18に伴う上記の説明の参照がなされる。
【0189】
試料収集システム1457は、上述の試料収集システム1157と同様に機能する。試料収集システム1457は、ハウジング1496、入口1486、及び出口1488を含む。ハウジング1496は、第1の部分1496a、第2の部分1496b、及び第3の部分1496cを含む。第1の部分1496a、第2の部分1496b、及び第3の部分1496cは、上述の連結手段のいずれを介しても連結することができるが、第1及び第2の部分1496a及び1496bは、例としてのみ、ネジ式嵌合を介して取り外し可能に連結されるものとして、図24に示される。特に、図23〜24に図示される実施形態では、第2の部分1496bは、ハウジング1496の第1の部分1496aの少なくとも上部部分を収容するように構成され、第1の部分1496a及び第2の部分1496bのそれぞれは、第2の部分1496bが、ハウジング1496の第1の部分1496aの少なくとも上部部分上にネジで締められるようにする、噛み合うネジ山を含む。更に、第2の部分1496bは、図23に示されるように、ハウジング1496の第3の部分1496cの少なくとも一部分を収容する寸法の開口部1454を含む。
【0190】
ハウジング1496の第1の部分1496aは、向かい合う2つの平面1491及び向かい合う2つの円筒形の突起1495を備える底部1490を含む。底部1490は、試料調製システムの蓋に、特に蓋のポート及び突起に連結されるように構成される。ハウジング1496は、ハウジング1496の第1及び第3の部分1496a及び1496cによって少なくとも部分的に画定される、内腔1497及び内側表面1498を含む。内側表面1498を試料調製システムの蓋のポートに連結して、試料収集システム1457の入口1486を試料調製システムに連結し、内腔1497を試料調製システムのリザーバと流体連通するように配置することができる。特に、ハウジング1496の第1の部分1496aの底部1490は、蓋のポートを収容する寸法にすることができ、内側表面1498を、蓋のポートの外側表面に連結することができる。更に、試料収集システム1457を、蓋のポートの上の配置に下向きに移動させ(例えば、円筒形の突起1495の両方を突起1139と接触しないように配置して)、次いで、例えば、試料収集システム1457が試料調製システムから抜けないように、蓋に対して回転させて、円筒形の突起1495を、蓋の上の突起(例えば、図17に示される突起1139と同様の)の放射状に内側に向かって張り出す部分の下に配置することができる。
【0191】
ハウジング1496の第3の部分1496cは、第3の部分1496cの底部構造体が、ハウジング1496の第1の部分1496aの上部部分を収容する寸法であり得、第2の部分1496bが第1の部分1496aに連結された時に、第1の部分1496aと第2の部分1496bとの間に連結され得るような、第1の部分1496aの底部1490と同様の底部構造体を含む。ハウジング1496の第1の部分1496aは、試料収集システム1457への入口1486を画定し、第3の部分1496cは、試料収集システム1457の出口1488として機能する開口部1482を画定するポートを含む。収集フィルタ1484は、第3の部分1496cの本体とポートとの間の接合部に配置することができる。図23に示されるように、収集フィルタ1484は、ポートへの入口に適合する寸法である。しかしながら、代替として、収集フィルタ1484を第3の部分1496cの本体の底部に配置することができ、ポートのものというよりも、本体を通る内腔1497により近い寸法にすることができる。更に、ハウジング1496の第3の部分1496c内の内側表面1498の少なくとも一部分は、収集フィルタ1484と開口部1482との間の流量を促進するために、収集フィルタ1484の後ろ(即ち、下流)に配置される、(例えば、上述し、図20に図示したチャネル1293と同様の)チャネルを含むことができる。
【0192】
内腔1497及び開口部1482は、入口1486が試料調製システムと流体連通するように、流体経路1492(図24に示される)の少なくとも一部分を画定する。一部の実施形態では、(例えば、ハウジング1496の少なくとも一部分を真空源に流体連結することにより)試料収集システム1457の出口1488に陰圧を適用することができる。試料収集システム1457の出口1488に陰圧が適用されると、特に、内腔1497、収集フィルタ1484、及び開口部1482を通って、液体組成物を試料収集システム1457内に移動させることができる(あるいは、液体組成物を前置フィルタを通して移動させて、ろ液を形成することができ、ろ液は、試料収集システム1457を通るように強制され得る)。液体組成物(又はろ液)が収集フィルタ1484を通過するにつれて、対象とする検体を収集フィルタ1484に捕らえることができ、収集フィルタ1484によって捕らえられない液体組成物(又はろ液)の一部分は、収集フィルタ1484を通過させて、所望により別の受け器へ移動させるか、あるいは廃棄することができる。収集フィルタ1484は、対象とする検体を収集するようにサイズ調整する、帯電させる、及び/又は官能化することができる。
【0193】
図23〜24に図示される実施形態では、例としてのみで、第1及び第2の部分1496a及び1496bは、金属、特にステンレス鋼から形成され、第3の部分1496cは、半透明の高分子材料、特にポリプロピレンから形成される。第3の部分1496cをより透明又は半透明の材料から形成することにより、収集された試料の可視化を促進することができる。しかしながら、これらの材料は例としてのみ図示され、当業者は、ハウジング1496の第1、第2、及び第3の部分1496a、1496b、及び1496cが、容器102又はカラー108に関して上記で列記したものを含む、様々な材料から形成できることを理解するはずである。部分1496a、1496b、1496cの1つ以上は、同一又は異なる材料から形成されてもよい。
【0194】
液体組成物(又はろ液)が試料収集システム1457を通過し、収集フィルタ1484がいずれかの対象とする検体を捕捉できるようにした後、ハウジング1496の第2の部分1496bをハウジング1496の第1の部分1496aから分離することができ、収集フィルタ1484及び収集された試料(及びいずれかの捕捉された対象とする検体)を含む第3の部分1496cを、試料収集システム1457から取り外すことができる。収集フィルタ1484は、更に処理及び/又は分析するために、第3の部分1496cから取り外すことができ、あるいは第3の部分1496c自体を、濃縮、富化、インキュベーション、分析等のための別の装置(例えば、検出機器)に移送することができる。例えば、第3の部分1496cを増菌培地を含む管の中に設置することができ、捕捉された検体の富化後、試料をチューブストリップに添加することができ、次いで、自動的にチューブストリップを処理し、更なる処理等のために必要ないずれかの試薬を添加するように構成された自動処理装置に配置することができる(例えば、富化した試料をVIDAS(登録商標)装置(VIDAS、bioMerieux、Hazelwood,MO)の受取管(「SPR」)に設置することができる)。
【0195】
図25は、本開示の一実施形態による試料調製及び収集システム1507を図示する。試料調製システム1500は、図2〜3及び7に図示される実施形態を参照して上述したものと同一の多くの要素及び特徴部を共有する。したがって、図2〜3及び7に図示された実施形態の要素及び特徴部に一致する要素及び特徴部には、1500シリーズにおいて同様の参照番号が提供される。図25に図示される実施形態の特徴部及び要素(及び、このような特徴部及び要素の代替)を更に完全に説明するために、図2〜3及び7に伴う上記の説明の参照がなされる。
【0196】
試料調製及び収集システム1507は、試料調製システム1500及び試料収集システム1557を含む。試料収集システム1557は、試料収集システム1557が、試料調製システム1500と流体連通するようになり、かつ流体経路1592が、試料調製システム1500及び試料収集システム1557によって少なくとも部分的に画定されるように、試料調製システム1500に連結される。流体経路1592は、液体組成物、そのろ液、又は液体組成物若しくはろ液の一部分が、流体経路1592内に移動して、かつ、試料調製システム1500と試料収集システム1557との間の移送の間、雰囲気に曝露されずに、試料調製システム1500から試料収集システム1557に移動できるようにする。
【0197】
試料調製システム1500は、第1のリザーバ1520を有する容器1502と、第2のリザーバ1522を有し、第1の容器1502のリザーバ1520内に収容される寸法のライナー1504と、蓋1506とを含む。また、試料調製システム1500は、試料調製システム1500の構成要素を合わせて更に固定するためのカラー(図示せず)を含むことができる。第2のリザーバ1522は、供給源1512及び希釈剤1513を含む液体組成物1514を含むように構成される。
【0198】
蓋1506は、第1の開口部1558a及び第2の開口部1558bを含む。試料収集システム1557は、第1の導管1594aによって画定される入口1586と、第2の導管1594bによって画定される出口1588とを含む。試料収集システム1557は、磁石、固定化分子若しくは部分(例えば、抗体及び/又はオリゴヌクレオチド)、サイズ調整される、帯電させられる、及び/若しくは官能化等され得る収集フィルタ、並びにこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、上述の結合若しくは相互作用のいずれかを介して、対象とする検体を捕捉するための上記の実施形態に記載される上記の試料収集要素又は特徴部のいずれをも含み得る、フローセル1591を更に含む。
【0199】
第1の導管1594a及び第2の導管1594bは、標準的な流体コネクタを使用して、それぞれ第1の開口部1558a及び第2の開口部1558bを介して、試料調製システム1500の蓋1506に連結される。流体経路1592の少なくとも一部分は、試料収集システム1557の第1の導管1594a及び第2の導管1594bによって画定される。当業者に既知である様々な管類及びコネクタを使用して、試料収集システム1557のフローセル1591を、試料調製システム1500に流体連結することができる。
【0200】
図25に図示される実施形態では、液体組成物1514を、試料調製システム1500内で再循環させることができる。即ち、液体組成物1514を、第2のリザーバ1522から試料収集システム1557の入口1586の中に入らせて、第1の導管1594aを通して、フローセル1591の中へと移動させることができ、液体組成物がフローセル1591を通して移動させられるにつれて、液体組成物からいずれかの対象とする検体を捕捉することができる。次いで、(例えば、存在する場合、幾らかの捕捉された対象とする検体を差し引いた)液体組成物を、第2の導管1594bの中へ移動させて、試料収集システム1557の出口1588から出し、ライナー1504の第2のリザーバ1522の中に戻すことができる。この様式で、液体組成物1514の試料調製システム1500と試料収集システム1557との間の再循環を継続し、いずれかの対象とする検体の取り出し及び収集を強化することができる。更に、フローセル1591又は流体経路1592のいずれかの部分は、(例えば、流体経路1592の少なくとも一部分を画定する構造体の内側表面にコーティング又は吸着される)増菌培地を含むことができる。
【0201】
様々な方法で、液体組成物1514を試料調製システム1500と試料収集システム1557との間で移動させることができる。一部の実施形態では、フローセル1591は、液体組成物1514の移動を駆動することができる機械的ポンプ(例えば、蠕動ポンプ)に連結されるか、又はその一部である。一部の実施形態では、ライナー1504は、試料調製システム1500からの液体組成物1514の移動を促すように変形させることができ、液体組成物1514が試料調製システム1500に戻ると、その元の形状に戻る等ができる。ライナー1504は、ライナー1504の外部に正圧を適用する(例えば、手によって手動で、プランジャ等の別の装置を用いて手動で、又は別の装置を用いて自動的に)ことを含む、上述の方法のいずれでも変形させることができ、ライナー1504の外部(例えば、ライナー1504の底部1526)には、例えば、容器1502の底部1527の開口部1524を介してアクセスすることができる。あるいは、又は更に、例えば、真空源を試料収集システム1557及びライナー1504の第2のリザーバ1522に流体連結することにより、ライナー1504の内部に陰圧を適用することができる。真空源は、機械的ポンプ、手動装置(例えば、注射器とプランジャとの組み合わせ)等、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これに限定されない、上記のもののいずれでもあり得る。
【0202】
試料調製及び収集システム1507は、流体経路1592内に配置される、上述のフィルタ(例えば、フィルタ134、234、334等の1つ以上)のいずれかと同様の前置フィルタ(図示せず)を更に含むことができる。例えば、1つ以上のフィルタ(例えば、図2〜3のフィルタ134と同様のもの、平面フィルタ、発泡体、スポンジ等、及びこれらの組み合わせ)は、入口端部、出口端部、又は第1の導管1594aの入口と出口との間のいずれかの位置を含む様々な位置で、第1の導管1594aに連結される寸法であるか、又はその中にある寸法であり得る。更なる例としてのみ、供給源1512がフィルタによって受容され、ろ液を第2のリザーバ1522内のフィルタの外側に(例えば、かつそれと流体連通するように)配置して、再循環させることができるように、フィルタ234又はフィルタ534と実質的に同様のフィルタを、第2のリザーバ1522内に配置することができる。
【0203】
図25に図示される実施形態では、フローセル1591は、(例えば、官能化された常磁性ビーズを引き付けるために)上述し、図15に図示した磁石993と同様に機能し得る、1つ以上の磁石(図示せず)を含む。液体組成物1514は、フローセル1591内の磁石及び/又は磁気ビーズと直接接触させることができ、あるいは、磁石を、上述し、図15に図示したカプセル990と同様の、何らかの種類のカプセルの内側に配置することができる。
【0204】
図26は、本開示の一実施形態による試料調製及び収集システム1607を図示する。試料調製及び収集システム1607は、試料調製システム1600及び試料収集システム1657を含む。試料調製システム1600は、図2〜3及び7に図示される実施形態を参照して上述したものと同一の多くの要素及び特徴部を共有し、試料収集システム1657は、図21〜22に図示される実施形態を参照して上述したものと同一の多くの要素及び特徴部を共有する。したがって、図2〜3、7、21、及び22に図示された実施形態の要素及び特徴部に一致する要素及び特徴部には、1600シリーズにおいて同様の参照番号が提供される。図26に図示される実施形態の特徴部及び要素(及び、このような特徴部及び要素の代替)を更に完全に説明するために、図2〜3、7、21、及び22に伴う上記の説明の参照がなされる。
【0205】
試料収集システム1657は、試料収集システム1657が試料調製システム1600と流体連通するようになり、かつ流体経路1692が、試料調製システム1600及び試料収集システム1657によって少なくとも部分的に画定されるように、試料調製システム1600に連結される。流体経路1692は、液体組成物、そのろ液、又は液体組成物若しくはろ液の一部分が、試料調製システム1600と試料収集システム1657との間の移送の間、雰囲気に必ずしも曝露されずに、流体経路1692内を移動することによって、試料調製システム1600から試料収集システム1657へ移動できるようにする。
【0206】
図26に示されるように、試料調製システム1600は、蓋1606と、リザーバ1620を画定する容器1602とを含む。試料調製及び収集システム1607は、試料調製システムの蓋1606に連結され、かつ蓋1606が容器1602に連結されると、流体経路1692内及びリザーバ1620と流体連通するように配置される、攪拌システム1680を更に含む。図26に示される攪拌システム1680は、軸線の周りを回転可能であり、蓋1606が容器1602に連結されると、試料調製及び収集システム1607内(例えば、容器1602内)の液体組成物を攪拌(例えば、混和)するように配置される、1つ以上のブレード1681を含む。一部の実施形態では、攪拌システム1680は、電源に接続されるように構成することができ、あるいは電源を含んでもよい。一部の実施形態では、攪拌システム1680は、外部駆動部(例えば、ブレードを中心軸線の周りで回転させ、液体組成物と接触させるように、攪拌システム1680を連結することができる、外部モータ、ロータ等)によって駆動されるように構成することができる。例としてのみブレード1681が図示されるが、攪拌システム1680において、ブレード1681の代わりに、又はそれに加えて、上述の攪拌方法のいずれかを実行するためのいずれの手段をも採用し得ることが理解されるべきである。例としてのみ、攪拌システム1680は、米国特許第D532,253号、同第6,338,569号、同第6,854,875号、同第7,147,365号、同第7,168,845号、及び同第7,309,156号の混和装置と同様の混和装置を含むことができ、特許のそれぞれは、参照として本明細書に組み込まれる。
【0207】
容器1602は、底部1627と、その中に形成される開口部1624とを含む。一部の実施形態では、図26に示されるように、試料収集システム1657は、開口部1624を介して容器1602に連結することができる。特に、試料収集システム1657は、開口部1624を介して容器1602の内部と流体連通するようにあるポート1632を含むか、あるいはそれに連結される。試料収集システム1657は、ポート1632に連結されるように構成される、収集フィルタ1684を更に含む。収集フィルタ1684は、カバー1609でポート1632に(したがって、容器1602に)固定することができる。カバー1609は、上壁1610と、上壁1610内に画定される開口部1682とを含む。カバー1609は、上述の連結手段のいずれを介しても、ポート1632に連結することができ、例としてのみ、ネジ式嵌合を介してポート1632に取り外し可能に連結されるものとして示される。
【0208】
収集フィルタ1684は、収集フィルタ1684が、試料調製システム1600のリザーバ1620と流体連通するように配置されるように、カバー1609と蓋1606のポート1632の上面との間に連結することができる。カバー1609、収集フィルタ1684、及びポート1632は、試料収集システム1657の一部として示され、記載されるが、一部の実施形態では、試料収集システム1657は、容器1602の下部部分、開口部1624、及び底部1627を含むこともでき、一部の実施形態では、試料収集システム1657は、収集フィルタ1684を含むことができ、その他の構成要素が、試料調製システム1600の一部分を形成することができる。そのような構成要素又は部品の分類は重要ではなく、むしろ図26に示されるすべての構成要素が、試料調製及び収集システム1607の一部分を形成することができる。図26に図示される実施形態では、試料収集システム1657は、試料収集システム1357の入口1686及び出口1688を含む。
【0209】
容器1602の底部1627に連結されるか、又はそれを形成するポート1632、及びカバー1609の開口部1682は、入口1686が、試料調製システム1600と流体連通するように、流体経路1692の少なくとも一部分を画定する。一部の実施形態では、(例えば、カバー1609の少なくとも一部分を真空源に流体連結することにより)、試料収集システム1657の出口1688に陰圧を適用することができる。出口1688に陰圧が適用されると、収集フィルタ1684、及びカバー1609の開口部1682を通って、液体組成物をポート1632内に移動させることができる(あるいは、ポート1632の前又はその中のいずれかで、液体組成物を前置フィルタを通して移動させて、ろ液を形成することができる)。液体組成物(又はろ液)が収集フィルタ1684を通過するにつれて、対象とする検体を収集フィルタ1684に捕らえることができ、収集フィルタ1684によって捕らえられない液体組成物(又はろ液)の一部分は、収集フィルタ184を通過させて、所望により別の受け器へ移動させるか、あるいは廃棄することができる。収集フィルタ1684は、対象とする検体を収集するようにサイズ調整する、帯電させる、及び/又は官能化することができる。
【0210】
上記のように、図26に示される試料収集システム1657は、図21及び22の試料収集システム1357のものと類似するが、その代わりに、試料調製及び収集システム1607において、上述の試料収集システム857、957、1057、1157、1257、1357、1457、及び1557のうちのいずれをも使用し得ることが理解されるべきである。
【0211】
使用中、液体組成物は、容器1602のリザーバ1620内に配置することができる。一部の実施形態では、試料調製及び収集システム1607、又はその一部分を、液体組成物が攪拌のために攪拌システム1680の方へ導かれる第1の配向に配向させることができる(例えば、攪拌システム1680が、試料調製及び収集システム1607の下部にあるように配向させる)。液体組成物が攪拌された後、試料調製及び収集システム1607、又はその一部分を、1つ以上の対象とする検体を捕捉するために、液体組成物が試料収集システム1657の方へ導かれる第2の配向(例えば、反転した)に、配向させることができる(例えば、試料収集システム1657が、試料調製及び収集システム1607の下部にあるように配向させる)。換言すれば、液体組成物は、雰囲気に曝露させることなく、攪拌のために、攪拌システム1680へと流体経路1692内を移動させることができ、次いで、液体組成物は、雰囲気に曝露させることなく、試料収集システム1657へと流体経路1692内を移動させることができる。
【0212】
図26の試料調製及び収集システム1607は、収集の前に液体組成物を前置ろ過するためのフィルタ、又はライナーを含まないものとして示されるが、そのような特徴部が、上述の様々な実施形態で採用されているのと同様に、試料調製及び収集システム1607においてそのような特徴部を採用し得ることが理解されるべきである。例えば、一部の実施形態では、代わりに、攪拌システム1680をライナーの底部に形成することができ、試料収集システム1657を蓋1606内に採用することができる(例えば、上述し、図21及び22に図示した試料収集システム1357の場合等)。そのような実施形態では、蓋1606は、ライナーに連結されるように構成することができ、試料調製及び収集システム1607の使用後、蓋1606、ライナー、攪拌システム1680、及び/又は後続の処理工程で使用されない試料収集システム1657の部分を廃棄することができる。
【0213】
図26に図示される実施形態では、攪拌システム1680は、蓋1606に連結され、試料収集システム1657は、容器1602の底部1627に連結される。しかしながら、代わりに、攪拌システム1680を容器1602の底部1627(又はライナーの底部)に連結することができ、試料収集システム1657を蓋1606に連結し得ることが理解されるべきである。更に、一部の実施形態では、攪拌システム1680及び試料収集システム1657を、試料調製及び収集システム1607の同一端部に連結することができる。例えば、一部の実施形態では、図26に示されるように、攪拌システム1680を蓋1606(又は容器1602)に連結することができ、試料収集システム1657も、蓋1606(又は容器1602)に連結することができる。そのような実施形態では、攪拌及び収集のために、試料調製及び収集システム1607を1つの配向に配向することができる。攪拌システム1680及び試料収集システム1657の両方が、蓋1606に連結される実施形態では、更にライナーを採用することができる。
【0214】
図26に図示される実施形態等の一部の実施形態では、攪拌システム1680が、流体経路1692の内外へ、並びにリザーバ1620及び/又は液体組成物と流体連通するように、及びそれから外れるように移動可能であるように、攪拌システム1680を、取り外し可能な試料調製及び収集システム1607の部分(例えば、蓋1606又は容器1602の取り外し可能な部分)に配置することができる。しかしながら、一部の実施形態では、液体組成物が、処理工程(例えば、攪拌及び/又は前置ろ過等)及び収集工程を通して雰囲気に曝露されない場合、汚染のリスクの低減をもたらすことができる。しかしながら、一部の実施形態では、収集後、試料調製及び収集システム1607を開けて、試料収集システム1657、又はその一部分を、更なる処理のために回収することができる。
【0215】
一部の実施形態では、試料調製及び収集システム1607(例えば、試料調製システム1600)は、図26に示されるような第1の蓋1606と、例えば、図2に示される蓋106と似ていてもよい、第2の蓋とを含むことができる。そのような実施形態では、液体組成物が攪拌された後、試料調製及び収集システム1607を反転させることができ(例えば、液体組成物を攪拌システム1680から離すことができる)、蓋1606を取り外すことができ、第2の蓋を容器1602(及び/又はライナー)に連結することができる。一部の実施形態では、容器1602は、攪拌システム1680を含む第1の取り外し可能な部分(例えば、底部1627を含む)と、攪拌後及び第1の取り外し可能な部分の取り外し後、容器1602の残りの部分に連結することができる、第2の取り外し可能な部分とを含む。同様に、一部の実施形態では、試料収集システム1657を、試料調製及び収集システム1607(例えば、試料調製システム1600)の取り外し可能な部分(例えば、蓋、底部等)に連結することができる。様々な処理及び収集工程を達成するために、そのような交換可能な構成要素を採用することができるが、流体経路1692の開口部を必要としない実施形態は、汚染のリスクの低減を提供することができる。
【0216】
上述の試料収集システム857、957、1057、1157、1257、1357、1457、1557、及び1657のいずれも、複数の前置ろ過及び/又は複数の収集ろ過工程を含むことができる。例えば、第1のろ液を形成するように、液体組成物をろ過することができる。次いで、第1のろ液を再度ろ過し、第2のろ液を形成することができる。これは、例えば、上述し、図4に図示したフィルタ234及び234’を使用して、達成し得る。次いで、第2のろ液を試料収集システム内へ、かつ第1の対象とする検体を収集するための第1の機能性を含む第1の収集フィルタを通って、移動させることができる。次いで、第1の収集フィルタを通過する第2のろ液の部分を、第2の対象とする検体を収集するための第2の機能性を含む第2の収集フィルタを通して通過させることができる。この例では、第1及び第2の前置フィルタ並びに第1及び第2の収集フィルタは、順番に配置される。しかしながら、その代わりに、前置フィルタ及び収集フィルタの1つ又は両方を、同時に使用することもできる。例えば、液体組成物又はろ液が両方の収集フィルタを同時に通過できるように、第2の収集フィルタを流体経路内の第1の収集フィルタと同じ位置に位置させてもよい。本明細書に記載され、添付図面に図示される実施形態に基づいて、その他の様々な構成及び数の前置フィルタ及び収集フィルタが考えられる。
【0217】
更に、本開示の試料収集システム(例えば、上述の試料収集システム857、957、1057、1157、1257、1357、1457、1557、及び1657のいずれか)は、液体組成物が試料収集システムと流体連通するようにある第1の配置と、液体組成物が試料収集システムと流体連通するようにない第2の配置との間を移動可能である、試料調製システム(例えば、上述の試料調製システム100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1300、1500、及び1600のいずれか)の部分の中に採用することができる。例えば、一部の実施形態では、試料収集システムは、試料収集システムが、液体組成物からいずれかの対象とする検体を収集するように中に配置される、容器(例えば、上述の容器102、202、402、502、1102、1502、及び1602のいずれか)及び/又はライナー(例えば、ライナー104、404、504、604、1104、1504のいずれか)に対する第1の配置と、試料収集システムが、試料調製システムから収集されたいずれかの対象とする検体を溶出するように中に配置される、容器及び/又はライナーに対する第2の配置との間を移動可能である、蓋(例えば、上述の蓋106、206、306、406、506、606、706、806、906、1106、1306、1506、及び1606のいずれか)の中に採用することができる。例としてのみ、試料調製システムの蓋の中に試料収集システムを採用することができ、蓋は、容器及び/又はライナーに対して第1の配置と第2の配置との間で回転可能にすることができる。
【0218】
更に、上記試料収集システム857、957、1057、1157、1257、1357、1457、1557、及び1657のいずれもが、1つを超える種類の捕捉又は収集を含むことができ、例えば、1つの試料収集システム内で、非特異的及び特異的の両方の捕捉を利用することができる。
【0219】
上述し、図1に図示した試料調製及び収集方法10に概して従うことによって、本明細書に記載される、試料調製システム100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1300、1500、及び1600のいずれかと、試料収集システム857、957、1057、1157、1257、1357、1457、1557、及び1657のいずれかとを含む、試料調製及び収集システム807、907、1007、1107、1207、1307、1407、1507、及び1607のいずれか、並びにそれらの部分及び組み合わせを一緒に使用して、試料を調製及び収集することができる。また、当業者は、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される1つの試料調製システムからの様々な構成要素を、本明細書に記載される別の試料調製システムからのその他の構成要素と組み合わせて使用できることを理解するであろう。例えば、試料調製システム1100では、ライナー1104の代わりに受け器604を使用することができる。同様に、1つの試料調製及び収集システムからの様々な構成要素を、別の試料調製及び収集システムからのその他の構成要素と組み合わせて使用することができ、1つの試料収集システムからの様々な構成要素を、別の試料収集システムからのその他の構成要素と組み合わせて使用することができる。例えば、上述の試料収集システムのいずれも、試料調製システムの蓋、及び/又は試料調製システムの底部に連結することができる。
【0220】
以降、図9〜12の試料調製システム600、図16の試料収集システム1057、及び図21〜22の試料収集システム1357を使用して、例示的な方法を詳細に説明する。しかしながら、以下の例では、試料収集システム1057は、カバー609ではなく、受け器604の底部626に連結されると仮定される。受け器604の底部626は、必要に応じて、取り外し可能及び交換可能(例えば、試料収集システム1057を含まない底部626によって)であると仮定される。
【0221】
供給源をフィルタ634内に配置することができ、フィルタ634は蓋606(受け器604に連結される)に連結することができ、フィルタ634を通して希釈剤を注いで、リザーバ622内に、供給源及び希釈剤を含む液体組成物を形成することができる。受け器604の内側表面に、1つ以上の対象とするバクテリアのための栄養素をコーティング又は吸着させてもよく、栄養素は、希釈剤がリザーバ622に添加されると水和することができる。
【0222】
液体組成物を攪拌して、供給源及び希釈剤(再水和した栄養素を含む)を混合し、希釈剤中の供給源を溶解、分散、懸濁、及び/又は乳化することができる。攪拌は、上述のプロセスのいずれを含むこともでき、例えば、線状、円軌道、楕円軌道、ランダム軌道、これらの組み合わせ、又は供給源と希釈剤とを有効かつ効果的に確実に混合するその他の手段であってもよい。試料調製システム600は、液体組成物の流出、及び/又は損失を最小限にするために、攪拌中に、クランプ、又はその他の手段によって更に固定することができる。
【0223】
一部の実施形態では、試料調製システム600をBurell Model 75 Wrist Action Shaker(Burrell Scientific、Pittsburgh,PA)に連結し、選択された持続時間にわたって、試料調製システム600を周波数10〜2000サイクル/分で、一部の実施形態では、周波数200〜500サイクル/分で攪拌することにより、液体組成物を攪拌することができる。一部の実施形態では、試料調製システム600は、シェーカーアームから5cm〜50cm、一部の実施形態では、10cm〜20cmの距離に取り付けることができる。一部の実施形態では、試料調製システム600は、5度〜30度、一部の実施形態では、15度〜20度の弧を描くことが可能である。液体組成物は、少なくとも10秒、一部の実施形態では少なくとも15秒、一部の実施形態では少なくとも30秒、一部の実施形態では少なくとも40秒、及び一部の実施形態では少なくとも60秒攪拌することができる。一部の実施形態では、液体組成物は、最大で15分、一部の実施形態では最大で10分、一部の実施形態では最大で5分、及び一部の実施形態では最大で3分攪拌することができる。
【0224】
一部の実施形態では、液体組成物は、選択された持続時間にわたって、200rpm〜5000rpmの周波数で、一部の実施形態では1000rpm〜3000rpmの攪拌周波数で、VX−2500 Multi−Tube Vortexer(VWR Scientific Products、West Chester,PA)を用いてボルテックスすることができる。ボルテックス軌道は、線状、円、楕円、ランダム、又はこれらの組み合わせであってもよい。一部の実施形態では、軌道は、0.25cm〜5cmであり、一部の実施形態では、1cm〜3cmである。
【0225】
後続の攪拌のために、重力、クランプ、又はその他の手段によって固定される、プレート、アーム、又はその他の装置に設置することによって、複数の試料調製システムを同時に攪拌することができる。例えば、一部の実施形態では、単一攪拌装置上で、又は複数の攪拌装置を用いて、1〜約50個の試料調製システムが同時に攪拌され、一部の実施形態では、約10〜約25個の試料調製システムが同時に攪拌される。
【0226】
一部の実施形態では、占有されていない上述の可能な開口部のいずれかを通じて挿入され得る、シャフト、及び攪拌ブレードを有する機械的攪拌器を追加することによって、液体組成物を攪拌することができる。一部の実施形態では、攪拌するための手段(例えば、混和ブレード)を含む蓋(例えば、蓋1106)又は底部(例えば、容器1102の底部1127)を採用し、そのような蓋又は底部を容器(例えば、容器1102)及び/又はライナー(例えば、採用される場合、ライナー1104)に連結し、試料調製及び収集システム(例えば、1107)を攪拌するための手段に向かって配向し、攪拌するための手段を操作することにより、液体組成物を攪拌することができる。一部の実施形態では、液体組成物の攪拌は、供給源からいずれかの対象とする検体を離すために、希釈剤中の供給源の崩壊及び/又は分散を助力する鋼球ベアリング、磁気攪拌バー、ブレード、及びその他の手段を用いて達成することができる。上述の攪拌方法は、一例として挙げられるに過ぎず、限定することを意図したものではない。当業者は、その他の類似の攪拌方法を採用できることを理解するであろう。
【0227】
フィルタ634は、比較的大きな不溶物を捕獲し、液体組成物をろ過して、リザーバ622内のフィルタ634の下に配置されるろ液を形成するための、前置フィルタとしての役目を果たすことができる(そして、フレーム635の下部部分635bを含む必要はない)。次いで、ろ液は、試料収集システム1057と、特に受け器604の底部626に固定化される抗体1094と、相互作用できるようにさせてもよい。一部の実施形態では、受け器604の底部626の内側表面に連結される、取り外し可能なストリップ上に、抗体1094を固定化することができ、取り外し可能なストリップは、抗体1094と相互作用できるようにした後、取り外して、後続の処理のために別の装置に移送することができる。
【0228】
受け器604のリザーバ622内にろ液が形成された後、カバー609を蓋606に連結して試料調製システム600を閉締し、ろ液を抗体1094と相互作用させることができる。試料調製システム600は、更にろ液を富化するために、インキュベーション環境に移送することができる。インキュベーションの前又は後に、フィルタアセンブリ633をリザーバ622から取り外すことができるが、フィルタアセンブリ633は、取り外す必要はない。
【0229】
一部の実施形態では、抗体1094によって対象とするバクテリアが捕捉された後、バクテリアを更に処理することができる。例えば、フィルタアセンブリ633及びいずれかの捕捉されないろ液を、受け器604のリザーバ622から取り出すことができ、その結果、リザーバ622内に残るもの全てが、捕捉された対象とするバクテリアである(あるいは、底部626又は底部626内の取り外し可能なストリップを取り外して、新しい試料調製システム600に配置することができる)。次いで、溶解剤、及び所望により溶出溶液(例えば、これらのうちの1つ以上を含む第2の希釈剤)をリザーバ622に添加して、抗体1094によって捕捉されたバクテリアを溶解し、所望により、抗体1094からバクテリアを溶出することができる。
【0230】
次いで、収集フィルタ1384を含む試料収集システム1357を、蓋606とカバー609との間に連結することができる(あるいは、新しい蓋606/1306及びカバー609/1309を受け器604に連結することができる)。収集フィルタ1384は、対象とするバクテリアから特定の核酸配列を捕捉するように官能化することができる。フィルタアセンブリ633(及びおそらく新しいフィルタアセンブリ633)をリザーバ622内に配置して、溶解プロセスから得られるいずれかの細胞残屑をろ過することができる。試料収集システム1357の出口1388に真空を適用することができ、第2の希釈剤及び溶解された対象とするバクテリアを含む液体組成物がフィルタ634を通るように強制して、ろ液を形成することができ、ろ液が収集フィルタ1384を通るように強制して、対象とするバクテリアから対象とする核酸を収集することができる。上述の技術のいずれを使用しても、陰圧ではなく、上述のように正圧を受け器604に適用して、液体組成物をフィルタ634及び収集フィルタ1384を通して移動させることができる。
【0231】
次いで、カバー609を試料調製システム600から分離することができ、捕捉された対象とする核酸とともに、収集フィルタ1384を取り外し、後続の処理のために別の装置又は位置に移送することができる。
【0232】
上記の詳細な例は例としてのみ含まれ、限定を意図したものではない。試料調製及び収集方法10、及び本開示の試料調製及び収集システムの様々な実施形態の上記説明に基づき、当業者は、本開示の試料調製及び収集システムを使用して、試料を調製及び収集することができる、様々な方法を理解するはずである。
【0233】
上述され、例示され、図に示された実施形態は、例としてのみ提示され、本発明の概念及び原理において限定を意図したものではない。したがって、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、要素並びにその構成及び配置における様々な変更が可能であることが、当業者には理解されるであろう。本発明の種々の特徴及び態様は、添付の請求項に定める。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体試験のための試料を調製及び収集するためのシステムであって、該システムが、
リザーバを含む変形可能な自己支持型受け器であって、前記リザーバが、供給源及び希釈剤を含む液体組成物を含むように構成された、変形可能な自己支持型受け器を含む、試料調製システムと、
該試料調製システムに連結される試料収集システムであって、前記試料調整システムの前記リザーバと流体連通するように配置され、前記液体組成物から対象とする検体を捕捉するように構成された、試料収集システムと、を含む、システム。
【請求項2】
前記試料調製システムが、前記変形可能な自己支持型受け器に連結されるように構成された蓋を更に含み、前記試料収集システムが、前記蓋に連結されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記試料収集システムが、前記液体組成物と流体連通するように配置される固定された抗体を含む支持体を含み、前記抗体は、前記対象とする検体を捕捉するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記試料収集システムが、前記対象とする検体を捕捉するように構成された、固定された抗体及び固定化オリゴヌクレオチドの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記試料収集システムが、前記対象とする検体を捕捉するように構成された少なくとも1つの磁石を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記液体組成物が、前記対象とする検体を捕捉するように構成された磁気ビーズを含み、前記試料収集システムが、前記磁気ビーズを引き付けるように構成された少なくとも1つの磁石を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記試料収集システムが、前記対象とする検体を収集するように構成された収集フィルタを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記収集フィルタが、ナイロン、PTFE、変性セルロース、ファイバーグラス、ろ紙、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記収集フィルタが、寸法及び電荷の少なくとも1つに基づいて、前記対象とする検体を捕捉するように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記収集フィルタが、対象とする特定の検体を捕捉するように官能化される、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記収集フィルタが、抗体及びオリゴヌクレオチドの少なくとも1つで官能化される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記試料収集システムが、前記試料調製システム及び前記試料収集システムによって少なくとも部分的に画定される流体経路内に前記収集フィルタを保持するように構成されたハウジングを更に含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
前記収集フィルタを保持するように構成された前記ハウジングの少なくとも一部分が、前記試料収集システムから取り外されるように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記試料収集システムから取り外されるように構成された前記ハウジングの前記部分が、更に検出機器に移送されるように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記試料調製システムが、前記変形可能な自己支持型受け器に連結されるように構成された蓋を更に含み、前記ハウジングが、更に前記蓋に連結されるように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記蓋が、少なくとも1つの上方に延在する突起を含み、前記ハウジングが、前記蓋の前記少なくとも1つの上方に延在する突起に連結されるように構成された少なくとも1つの突起を更に含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記試料調製システムが、前記変形可能な自己支持型受け器に連結されるように構成された蓋を更に含み、前記蓋の少なくとも一部分が、前記試料調製システム及び前記試料収集システムによって少なくとも部分的に画定される流体経路内に前記収集フィルタを保持するように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項18】
前記試料調製システムの前記リザーバ及び前記試料収集システムによって少なくとも部分的に画定される流体経路を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記試料調製システムが、前記液体組成物をろ過してろ液を形成するように配置されるフィルタを更に含み、前記試料収集システムが、前記ろ液と流体連通するように配置され、このような前記試料収集システムが、前記ろ液から前記対象とする検体を捕捉するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記試料収集システムが、前記ろ液から前記対象とする検体を収集するように構成された収集フィルタを含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記フィルタが、プランジャに連結され、前記フィルタが、前記プランジャによって前記液体組成物を通して移動させられて、ろ液を形成するように構成される、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記試料収集システムが、前記試料調製システムに取り外し可能に連結される、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
前記試料収集システムが、フローセルを含み、前記試料調製システムの前記リザーバ及び前記試料収集システムの前記フローセルによって少なくとも部分的に画定される流体経路を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
前記試料調製システムが、前記変形可能な自己支持型受け器を変形させて、前記試料収集システムの少なくとも一部分と接触するように、前記液体組成物を移動させるように構成されるプランジャを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
前記変形可能な自己支持型受け器が、自立型である、請求項1に記載のシステム。
【請求項26】
前記試料調製システムが、自立型容器を更に含み、前記変形可能な自己支持型受け器が、前記自立型容器内に収容される寸法であり、前記自立型容器が、前記変形可能な自己支持型受け器より硬質である、請求項1に記載のシステム。
【請求項27】
前記自立型容器が、底部と、前記底部内に画定される開口部とを含み、前記変形可能な自己支持型受け器が、前記開口部を介してアクセス可能である、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記変形可能な自己支持型受け器が、側壁を含み、前記側壁が、蛇腹型の構成を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項29】
前記対象とする検体が、微生物、寄生生物、生体分子、化学物質、金属イオン、金属イオンを含む錯体、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項30】
前記対象とする検体が、サルモネラ種、アシネトバクター種、ビブリオ種、リステリア・モノサイトゲネス、大腸菌、黄色ブドウ球菌、クロストリジウム・パーフリンジェンス、カンピロバクター・ジェジュニ、緑膿菌、炭疽菌、セレウス菌、クロストリジウム・ディフィシレ、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、バンコマイシン耐性腸球菌、ノロウイルス、ノーウォーク・ウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項31】
前記対象とする検体が、ブドウ球菌外毒素、下痢毒素菌、クロストリジウム・ディフィシレ毒素、アフラトキシン、ピーナッツアレルゲン、卵アレルゲン、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項32】
前記供給源が、前記希釈剤を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項33】
前記試料調製システムが、前記変形可能な自己支持型受け器の内側表面に配置される増菌培地を更に含み、該増菌培地が、少なくとも前記対象とする検体を増殖させるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項34】
検体試験のための試料を調製及び収集するためのシステムであって、該システムが、
リザーバを含む自立型受け器であって、前記リザーバが、供給源及び希釈剤を含む液体組成物を含むように構成される、自立型受け器を含む試料調製システムと、
試料調製システムに連結される試料収集システムであって、前記試料調製システムの前記リザーバと流体連通するように配置され、前記液体組成物から対象とする検体を捕捉するように構成される、試料収集システムと、を含む、システム。
【請求項35】
前記試料調製システムが、前記自立型受け器の前記リザーバ内に収容される寸法であり、前記供給源及び前記希釈剤を含むように構成される第2のリザーバを含む変形可能な自己支持型受け器を更に含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記試料調製システムが、前記自立型受け器に連結されるように構成される蓋を更に含み、前記試料収集システムが、前記蓋に連結される、請求項34に記載のシステム。
【請求項37】
前記試料収集システムが、前記試料調製システムの一端に連結され、前記試料調製システムの別の端部に連結される前記液体組成物を攪拌するための手段を更に含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項38】
前記試料収集システムが、前記液体組成物と流体連通するように配置される固定された抗体を含む支持体を含み、前記抗体が、前記対象とする検体を捕捉するように構成される、請求項34に記載のシステム。
【請求項39】
前記試料収集システムが、前記対象とする検体を捕捉するように構成される、固定された抗体及び固定化オリゴヌクレオチドの少なくとも1つを含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項40】
前記試料収集システムが、前記対象とする検体を捕捉するように構成される少なくとも1つの磁石を含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項41】
前記試料収集システムが、前記対象とする検体を収集するように構成される収集フィルタを含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項42】
前記収集フィルタが、ナイロン、PTFE、変性セルロース、ファイバーグラス、ろ紙、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記収集フィルタが、寸法に基づいて前記対象とする検体を捕捉するように構成され、前記収集フィルタが、1マイクロメートル以下の平均孔径を含む、請求項41に記載のシステム。
【請求項44】
前記収集フィルタが、対象とする特定の検体を捕捉するように官能化される、請求項41に記載のシステム。
【請求項45】
前記試料収集システムが、前記試料調製システム及び前記試料収集システムによって少なくとも部分的に画定される流体経路内に前記収集フィルタを保持するように構成されるハウジングを更に含む、請求項41に記載のシステム。
【請求項46】
前記収集フィルタを保持するように構成される前記ハウジングの少なくとも一部分が、前記試料収集システムから取り外されるように構成される、請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
前記試料収集システムから取り外されるように構成される前記ハウジングの前記部分が、更に検出機器に移送されるように構成される、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記試料調製システムが、前記自立型受け器に連結されるように構成される蓋を更に含み、前記ハウジングが、前記蓋に連結されるように更に構成される、請求項45に記載のシステム。
【請求項49】
前記蓋が、少なくとも1つの上方に延在する突起を含み、前記ハウジングが、前記蓋の前記少なくとも1つの上方に延在する突起に連結されるように構成される少なくとも1つの突起を更に含む、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記試料調製システムが、前記自立型受け器に連結されるように構成される蓋を更に含み、前記蓋の少なくとも一部分が、前記試料調製システム及び前記試料収集システムによって少なくとも部分的に画定される流体経路内に、前記収集フィルタを保持するように構成される、請求項41に記載のシステム。
【請求項51】
前記試料調製システムの前記リザーバ及び前記試料収集システムによって少なくとも部分的に画定される流体経路を更に含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項52】
前記試料調製システムが、前記液体組成物をろ過してろ液を形成するように配置されるフィルタを更に含み、前記試料収集システムが、前記ろ液と流体連通するように配置され、このような前記試料収集システムが、前記ろ液から前記対象とする検体を捕捉するように構成される、請求項34に記載のシステム。
【請求項53】
前記試料収集システムが、前記ろ液から前記対象とする検体を収集するように構成される収集フィルタを含む、請求項52に記載のシステム。
【請求項54】
前記フィルタが、プランジャに連結され、前記フィルタが、前記プランジャによって前記液体組成物を通して移動させられて、ろ液を形成するように構成される、請求項52に記載のシステム。
【請求項55】
前記試料収集システムが、前記試料調製システムに取り外し可能に連結される、請求項34に記載のシステム。
【請求項56】
前記試料収集システムが、フローセルを含み、前記試料調製システムの前記リザーバ及び前記試料収集システムの前記フローセルによって、少なくとも部分的に画定される流体経路を更に含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項57】
前記対象とする検体が、微生物、寄生生物、生体分子、化学物質、金属イオン、金属イオンを含む錯体、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項58】
前記対象とする検体が、サルモネラ種、アシネトバクター種、ビブリオ種、リステリア・モノサイトゲネス、大腸菌、黄色ブドウ球菌、クロストリジウム・パーフリンジェンス、カンピロバクター・ジェジュニ、緑膿菌、炭疽菌、セレウス菌、クロストリジウム・ディフィシレ、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、バンコマイシン耐性腸球菌、ノロウイルス、ノーウォーク・ウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項59】
前記対象とする検体が、ブドウ球菌外毒素、下痢毒素菌、クロストリジウム・ディフィシレ毒素、アフラトキシン、ピーナッツアレルゲン、卵アレルゲン、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項60】
前記供給源が、希釈剤を含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項61】
前記試料調製システムが、前記自立型受け器の内側表面に吸着される増菌培地を更に含み、前記増菌培地が、少なくとも前記対象とする検体を増殖させるように構成される、請求項34に記載のシステム。
【請求項62】
検体試験のための試料を調製及び収集するためのシステムであって、該システムが、
試料調製システムであって第1のリザーバを含む自立型容器と、
該自立型容器の前記第1のリザーバに収容される寸法であり、かつ第2のリザーバを含む、変形可能な自己支持型受け器であって、前記第2のリザーバが、供給源及び希釈剤を含む液体組成物を含むように構成される、変形可能な自己支持型受け器と、
前記自立型容器及び前記変形可能な自己支持型受け器の少なくとも1つに連結されるように構成される蓋と、を含む、試料調製システムと、
該試料調製システムに連結される試料収集システムであって、前記試料調製システムの前記第2のリザーバと流体連通するように配置され、前記液体組成物から対象とする検体を捕捉するように構成される、試料収集システムと、を含む、システム。
【請求項63】
前記変形可能な自己支持型受け器が、自立型である、請求項62に記載のシステム。
【請求項64】
前記試料収集システムが、前記蓋に連結される、請求項62に記載のシステム。
【請求項65】
前記試料収集システムが、固定された抗体及び固定化オリゴヌクレオチドの少なくとも1つを含む支持体を含み、前記支持体が、前記液体組成物と流体連通するように配置される、請求項62に記載のシステム。
【請求項66】
前記試料収集システムが、前記対象とする検体を捕捉するように構成される少なくとも1つの磁石を含む、請求項62に記載のシステム。
【請求項67】
前記試料収集システムが、前記対象とする検体を収集するように構成される収集フィルタを含む、請求項62に記載のシステム。
【請求項68】
前記試料調製システムが、前記液体組成物をろ過してろ液を形成するように配置されるフィルタを更に含み、前記試料収集システムが、前記ろ液と流体連通するように配置され、このような前記試料収集システムが、前記ろ液から前記対象とする検体を捕捉するように構成される、請求項62に記載のシステム。
【請求項69】
前記対象とする検体が、微生物、寄生生物、生体分子、化学物質、金属イオン、金属イオンを含む錯体、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む、請求項62に記載のシステム。
【請求項70】
前記対象とする検体が、サルモネラ種、アシネトバクター種、ビブリオ種、リステリア・モノサイトゲネス、大腸菌、黄色ブドウ球菌、クロストリジウム・パーフリンジェンス、カンピロバクター・ジェジュニ、緑膿菌、炭疽菌、セレウス菌、クロストリジウム・ディフィシレ、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、バンコマイシン耐性腸球菌、ノロウイルス、ノーウォーク・ウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む、請求項62に記載のシステム。
【請求項71】
前記対象とする検体が、ブドウ球菌外毒素、下痢毒素菌、クロストリジウム・ディフィシレ毒素、アフラトキシン、ピーナッツアレルゲン、卵アレルゲン、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む、請求項62に記載のシステム。
【請求項72】
前記試料調製システムが、前記変形可能な自己支持型受け器の内側表面に吸着される増菌培地を更に含み、該増菌培地が、少なくとも前記対象とする検体を増殖させるように構成される、請求項62に記載のシステム。
【請求項73】
検体試験のための試料を調製及び収集するための方法であって、該方法が、
リザーバを含む自立型受け器を含む、試料調製システムを提供する工程と、
前記試料調製システムに連結される試料収集システムを提供する工程であって、前記試料収集システムが、前記自立型受け器の前記リザーバと流体連通するように配置され、前記試料収集システムが、対象とする検体を捕捉するように構成される、工程と、
供給源及び希釈剤を含む液体組成物を提供する工程と、
前記試料調製システム及び該試料収集システムによって少なくとも部分的に画定される、流体経路を提供する工程と、
前記自立型受け器の前記リザーバに前記液体組成物を配置する工程と、
前記流体経路内の前記液体組成物の少なくとも一部分を、前記試料収集システムへ移動させる工程と、を含む、方法。
【請求項74】
前記試料収集システムを用いて、前記液体組成物から前記対象とする検体を捕捉し、収集された試料を形成する工程を更に含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記試料調製システムから前記試料収集システムの少なくとも一部分を分離する工程を更に含み、前記試料収集システムの分離された部分が、前記収集された試料を含む、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記対象とする検体について前記収集された試料を分析する工程を更に含む、請求項74に記載の方法。
【請求項77】
前記収集された試料を分析する工程が、微生物学的アッセイ、生化学的アッセイ、イムノアッセイ、側方流動アッセイ、滴定、熱分析、顕微鏡法、分光法、分光測光法、クロマトグラフィー、電気化学分析、遺伝子技術、アデノシン三リン酸(ATP)検出アッセイ、細胞毒性アッセイ、ウイルスプラークアッセイ、細胞変性効果アッセイ、培養技術、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つを使用して分析する工程を含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記試料収集システムが、固定された抗体及び固定化オリゴヌクレオチドの少なくとも1つを含み、前記対象とする検体を捕捉する工程が、対象とする検体を、前記固定された抗体及び固定化オリゴヌクレオチドの少なくとも1つに結合する工程を含む、請求項74に記載の方法。
【請求項79】
前記試料収集システムが、少なくとも1つの磁石を含み、前記対象とする検体を捕捉する工程が、該対象とする検体を前記少なくとも1つの磁石に引き付ける工程を含む、請求項74に記載の方法。
【請求項80】
前記収集された試料が、本質的に前記対象とする検体からなる、請求項74に記載の方法。
【請求項81】
前記液体組成物中で前記対象とする検体を富化する工程を更に含む、請求項73に記載の方法。
【請求項82】
前記液体組成物を攪拌する工程を更に含む、請求項73に記載の方法。
【請求項83】
前記液体組成物を攪拌する工程が、前記自立型受け器を第1の配向に配向する工程を含み、前記流体経路内の前記液体組成物の少なくとも一部分を前記試料収集システムへ移動させる工程は、前記自立型受け器を第2の配向に配向する工程を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記自立型受け器が、変形可能であり、前記流体経路内の前記液体組成物の試料を、前記試料収集システムへ移動させる工程は、前記自立型受け器を変形させる工程を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項85】
前記自立型受け器を変形させる工程が、前記試料収集システムの出口に真空を適用する工程を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記自立型受け器を変形させる工程が、前記自立型受け器の外部に正圧を適用する工程を含む、請求項84に記載の方法。
【請求項87】
前記試料調製システムが、プランジャを更に含み、前記自立型受け器の外部に正圧を適用する工程は、前記プランジャを押圧する工程を含む、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記試料調製システムが、フィルタを更に含み、前記試料調製システムの前記フィルタで、前記液体組成物をろ過してろ液を形成する工程を更に含み、前記流体経路内の前記ろ液の少なくとも一部分を、前記試料収集システムへ移動させる工程を更に含む、請求項73に記載の方法。
【請求項89】
前記液体組成物をろ過してろ液を形成する工程を更に含み、前記流体経路内の前記液体組成物の少なくとも一部分を、前記試料収集システムへ移動させる工程は、前記流体経路内の前記ろ液の少なくとも一部分を、前記試料収集システムへ移動させる工程を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項90】
前記流体経路内の前記液体組成物の少なくとも一部分を、前記試料収集システムへ移動させる工程は、前記試料調製システムから前記試料収集システムへの移送の間に、前記液体組成物を雰囲気に曝露せずに、前記流体経路内の前記液体組成物の少なくとも一部分を、前記試料収集システムへ移動する工程を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項91】
前記流体経路内の前記液体組成物の少なくとも一部分を、前記試料収集システムへ移動させる工程は、前記試料収集システムと前記試料調製システムとの間で前記液体組成物を再循環させる工程を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項92】
前記試料収集システムが、フローセルを含み、前記流体経路内の前記液体組成物の少なくとも一部分を、前記試料収集システムへ移動させる工程は、前記試料収集システムの前記フローセルと、前記試料調製システムの前記リザーバとの間で、前記液体組成物を再循環させる工程を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項93】
前記液体組成物の少なくとも一部分を、前記試料収集システムから前記試料調製システムへ移動させる工程を更に含む、請求項73に記載の方法。
【請求項94】
前記試料収集システムが、前記対象とする検体を捕捉するように構成される収集フィルタを含み、前記収集フィルタを通して、前記液体組成物の少なくとも一部分を移動させる工程を更に含む、請求項73に記載の方法。
【請求項95】
前記対象とする検体が、微生物、寄生生物、生体分子、化学物質、金属イオン、金属イオンを含む錯体、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む、請求項73に記載の方法。
【請求項96】
前記対象とする検体が、サルモネラ種、アシネトバクター種、ビブリオ種、リステリア・モノサイトゲネス、大腸菌、黄色ブドウ球菌、クロストリジウム・パーフリンジェンス、カンピロバクター・ジェジュニ、緑膿菌、炭疽菌、セレウス菌、クロストリジウム・ディフィシレ、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、バンコマイシン耐性腸球菌、ノロウイルス、ノーウォーク・ウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む、請求項73に記載の方法。
【請求項97】
検体試験のための試料を調製及び収集するための方法であって、該方法が、
リザーバを含む変形可能な自己支持型受け器を含む、試料調製システムを提供する工程と、
該試料調製システムに連結される試料収集システムを提供する工程であって、該試料収集システムが、前記変形可能な自己支持型受け器の前記リザーバと流体連通するように配置され、前記試料収集システムが、対象とする検体を捕捉するように構成される、工程と、
供給源及び希釈剤を含む液体組成物を提供する工程と、
前記試料調製システム及び前記試料収集システムによって少なくとも部分的に画定される、流体経路を提供する工程と、
前記変形可能な自己支持型受け器の前記リザーバに、前記液体組成物を配置する工程と、
前記流体経路内の前記液体組成物の少なくとも一部分を、前記試料収集システムへ移動させる工程と、を含む、方法。
【請求項98】
前記試料収集システムを用いて、前記液体組成物から前記対象とする検体を捕捉して、収集された試料を形成する工程を更に含む、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記試料収集システムの少なくとも一部分を、前記試料調製システムから分離する工程を更に含み、前記試料収集システムの前記分離された部分が、前記収集された試料を含む、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記対象とする検体について、前記収集された試料を分析する工程を更に含む、請求項98に記載の方法。
【請求項101】
前記試料収集システムが、固定された抗体及び固定化オリゴヌクレオチドの少なくとも1つを含み、前記対象とする検体を捕捉する工程が、前記対象とする検体を、前記固定された抗体及び固定化オリゴヌクレオチドの少なくとも1つに結合させる工程を含む、請求項98に記載の方法。
【請求項102】
前記試料収集システムが、少なくとも1つの磁石を含み、前記対象とする検体を捕捉する工程が、該対象とする検体を前記少なくとも1つの磁石に引き付ける工程を含む、請求項98に記載の方法。
【請求項103】
前記試料調製システムが、前記変形可能な自己支持型受け器を収容する寸法である、自立型容器を更に含み、該自立型容器が、前記変形可能な自己支持型受け器より硬質であり、前記自立型容器内に、前記変形可能な自己支持型受け器を配置する工程を更に含む、請求項97に記載の方法。
【請求項104】
前記自立型容器が、前記変形可能な自己支持型受け器が通ってアクセスすることができる開口部を含み、前記液体組成物の少なくとも一部分を移動させる工程は、前記開口部を介して、前記変形可能な自己支持型受け器の外部に圧力を適用する工程を含む、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
前記液体組成物中で前記対象とする検体を富化する工程を更に含む、請求項97に記載の方法。
【請求項106】
前記液体組成物を攪拌する工程を更に含む、請求項97に記載の方法。
【請求項107】
前記試料調製システムが、フィルタを更に含み、前記試料調製システムの前記フィルタで、前記液体組成物をろ過してろ液を形成する工程を更に含み、前記流体経路内の前記ろ液の少なくとも一部分を、前記試料収集システムへ移動させる工程を更に含む、請求項97に記載の方法。
【請求項108】
前記フィルタが、プランジャに連結され、前記フィルタで前記液体組成物をろ過する工程が、前記プランジャを押圧して、前記フィルタを前記液体組成物を通して移動させ、ろ液を形成する工程を含む、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記液体組成物をろ過してろ液を形成する工程を更に含み、前記流体経路内の前記液体組成物の少なくとも一部分を、前記試料収集システムへ移動させる工程が、前記流体経路内の前記ろ液の少なくとも一部分を、前記試料収集システムへ移動させる工程を含む、請求項97に記載の方法。
【請求項110】
前記流体経路内の前記液体組成物の少なくとも一部分を、前記試料収集システムへ移動させる工程が、前記試料調製システムから前記試料収集システムへの移送の間に、前記液体組成物を雰囲気に曝露せずに、前記流体経路内の前記液体組成物の少なくとも一部分を、前記試料収集システムへ移動させる工程を含む、請求項97に記載の方法。
【請求項111】
前記流体経路内の前記液体組成物の少なくとも一部分を、前記試料収集システムへ移動させる工程が、前記試料収集システムと前記試料調製システムとの間で、前記液体組成物を再循環させる工程を含む、請求項97に記載の方法。
【請求項112】
前記試料収集システムが、前記対象とする検体を捕捉するように構成される収集フィルタを含み、該収集フィルタを通して、前記液体組成物の少なくとも一部分を移動させる工程を更に含む、請求項97に記載の方法。
【請求項113】
前記対象とする検体が、微生物、寄生生物、生体分子、化学物質、金属イオン、金属イオンを含む錯体、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む、請求項97に記載の方法。
【請求項114】
前記対象とする検体が、サルモネラ種、アシネトバクター種、ビブリオ種、リステリア・モノサイトゲネス、大腸菌、黄色ブドウ球菌、クロストリジウム・パーフリンジェンス、カンピロバクター・ジェジュニ、緑膿菌、炭疽菌、セレウス菌、クロストリジウム・ディフィシレ、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、バンコマイシン耐性腸球菌、ノロウイルス、ノーウォーク・ウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む、請求項97に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公表番号】特表2011−505550(P2011−505550A)
【公表日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−535038(P2010−535038)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/084007
【国際公開番号】WO2009/067498
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】